JP2015098545A - ポリオレフィン系樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂組成物及び成形体 Download PDF

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健二 泉
Kenji Izumi
健二 泉
三二 敏文
Toshifumi Sanji
敏文 三二
寺地 信治
Shinji Terachi
信治 寺地
雄亮 星野
Yusuke Hoshino
雄亮 星野
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Abstract

【課題】高い強度と高い寸法安定性とを有する成形体を得ることができるポリオレフィン系樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明に係るポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂100重量部と、ガラス繊維6重量部以上、533重量部以下と、相溶化剤1重量部以上、75重量部以下とを含み、上記ガラス繊維の繊維長が0.05mm以上、10mm以下であり、上記ガラス繊維の繊維径が1μm以上、30μm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリオレフィン樹脂を含むポリオレフィン系樹脂組成物に関し、より詳細には、高い強度と高い寸法安定性とを有する成形体を得ることができるポリオレフィン系樹脂組成物に関する。また、本発明は、上記ポリオレフィン系樹脂組成物を用いた成形体に関する。
ポリオレフィン樹脂は、比較的安価であり、かつ成形性、耐熱性、耐溶剤性、機械的特性及び外観等に優れている。このため、ポリオレフィン樹脂は、各種の成形体に加工されており、多くの分野で使用されている。例えば、上記ポリオレフィン樹脂を含む組成物は、押出成形により押出成形体とされ、デッキ材等として用いられている。また、ポリオレフィン樹脂は、耐震特性にも優れていることから、近年、ガス管及び配水管等としての使用が増大している。
ポリオレフィン樹脂を用いた成形体の一例として、下記の特許文献1には、ポリオレフィン樹脂管が開示されている。
また、強度を高めるために、成形体において、ガラス繊維が用いられることがある。ガラス繊維を用いた成形体の一例として、下記の特許文献2では、筒形状を有する繊維強化合成樹脂パイプが開示されている。このパイプは、繊維強化樹脂層を複数有し、該複数の繊維強化樹脂層は筒形状の周方向に積層されている。上記繊維強化樹脂層は、ガラス繊維及び合成樹脂を用いて形成されたガラス繊維強化樹脂層と、有機不織布及び合成樹脂を用いて形成された有機不織布層とを有する。
下記の特許文献3には、ガラス繊維又は無機質充填材を含むポリフェニレン系複合樹脂組成物を用いた成形体が開示されている。上記ポリフェニレン系複合樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル20〜98重量%と、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート及びポリエチレン(HDPE、LDPE、LLDPE、VLDPEを含む)からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂1〜40重量%と、ガラス繊維又は無機質充填材1〜40重量%とを含む。
特開2006−327154号公報 特開2007−216555号公報 WO02/28971A1
特許文献1〜3に記載のような従来の組成物を用いた成形体では、強度と寸法安定性との双方を高めることが困難なことがある。
本発明の目的は、高い強度と高い寸法安定性とを有する成形体を得ることができるポリオレフィン系樹脂組成物、並びに該ポリオレフィン系樹脂組成物を用いた成形体を提供することである。
本発明の広い局面によれば、ポリオレフィン樹脂100重量部と、ガラス繊維6重量部以上、533重量部以下と、相溶化剤1重量部以上、75重量部以下とを含み、前記ガラス繊維の繊維長が0.05mm以上、10mm以下であり、前記ガラス繊維の繊維径が1μm以上、30μm以下である、ポリオレフィン系樹脂組成物が提供される。
本発明の広い局面によれば、上述したポリオレフィン系樹脂組成物を成形することにより得られる成形体が提供される。
本発明に係る成形体のある特定の局面では、線膨張係数が10×10−5/℃以下であり、かつ、80℃での熱間内圧クリープ性能が円周応力5.0MPaで1000時間以上である。
本発明に係るポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂100重量部と、ガラス繊維6重量部以上、533重量部以下と、相溶化剤1重量部以上、75重量部以下とを含み、上記ガラス繊維の繊維長が0.05mm以上、10mm以下であり、上記ガラス繊維の繊維径が1μm以上、30μm以下であるので、本発明に係るポリオレフィン系樹脂組成物の使用により、高い強度と高い寸法安定性とを有する成形体を得ることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る成形体を用いた多層管材を模式的に示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂100重量部と、ガラス繊維6重量部以上、533重量部以下と、相溶化剤1重量部以上、75重量部以下とを含む。上記ガラス繊維の繊維長は0.05mm以上、10mm以下である。上記ガラス繊維の繊維径は1μm以上、30μm以下である。
本発明に係るポリオレフィン系樹脂組成物における上述した組成の採用により、ポリオレフィン系樹脂組成物を用いた成形体の強度及び寸法安定性を高めることができる。さらに、本発明に係るポリオレフィン系樹脂組成物では、高温での伸びを効果的に高めることができる。
以下、本発明に係るポリオレフィン系樹脂組成物に含まれている各成分を説明する。
(ポリオレフィン樹脂)
上記ポリオレフィン樹脂は特に限定されない。上記ポリオレフィン樹脂として従来公知のポリオレフィン樹脂を用いることができる。上記ポリオレフィン樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。成形体の強度、寸法安定性及び高温での伸びをより一層効果的に高める観点からは、ポリエチレン又はポリプロピレンが好ましく、ポリエチレンがより好ましい。
上記ポリエチレン(PE)としては、LDPE、LLDPE及びHDPE等が挙げられる。上記ポリプロピレン(PP)としては、ホモPP、ブロックPP及びランダムPP等が挙げられる。上記ポリブテンとしては、ポリブテン−1等が挙げられる。
上記エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンに対して、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン又は1−オクテン等のα−オレフィンを数モル%程度の割合で共重合させた共重合体であることが特に好ましい。
(ガラス繊維)
上記ガラス繊維の繊維長は0.05mm以上、10mm以下である。上記ガラス繊維の繊維長が上記下限以上及び上記上限以下であると、成形体の強度、寸法安定性及び高温での伸びが効果的に高くなる。成形体の強度、寸法安定性及び高温での伸びをより一層効果的に高める観点からは、上記ガラス繊維の繊維長は好ましくは0.1mm以上、好ましくは9mm以下である。
上記繊維長は、複数のガラス繊維の長さの平均を意味する。
上記ガラス繊維の繊維径は、1μm以上、30μm以下である。上記ガラス繊維の繊維径が上記下限以上及び上記上限以下であると、成形体の強度、寸法安定性及び高温での伸びが効果的に高くなる。成形体の強度、寸法安定性及び高温での伸びをより一層効果的に高める観点からは、上記ガラス繊維の繊維径は好ましくは5μm以上、好ましくは15μm以下である。
上記繊維径は、1つのガラス繊維の最大径を求め、複数のガラス繊維の最大径を平均することにより求められる。
上記ガラス繊維は表面処理されていてもよい。表面処理剤としては、メタクリルシラン、アクリルシラン、アミノシラン、イミダゾールシラン、ビニルシラン及びエポキシシラン等がある。好ましくはアミノシランである。
上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、上記ガラス繊維の含有量は6重量部以上、533重量部以下である。上記ガラス繊維の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、成形体の強度、寸法安定性及び高温での伸びが効果的に高くなる。成形体の強度、寸法安定性及び高温での伸びをより一層効果的に高める観点からは、上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、上記ガラス繊維の含有量は好ましくは12重量部以上、好ましくは171重量部以下である。
(相溶化剤)
上記相溶化剤としては、例えば、マレイン酸変性ポリオレフィン、シラン変性ポリオレフィン、及び塩素化ポリオレフィン等が挙げられる。なお、これらの相溶化剤は、上記ポリオレフィン樹脂に含まれない。上記相溶化剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
成形体の強度、寸法安定性及び高温での伸びをより一層効果的に高める観点からは、上記相溶化剤は、マレイン酸変性ポリオレフィン又はシラン変性ポリオレフィンであることが好ましい。
上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、上記相溶化剤の含有量は1重量部以上、75重量部以下である。上記相溶化剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、成形体の強度、寸法安定性及び高温での伸びが効果的に高くなる。成形体の強度、寸法安定性及び高温での伸びをより一層効果的に高める観点からは、上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、上記相溶化剤の含有量は好ましくは1重量部以上、好ましくは56重量部以下である。
(他の成分)
上記ポリオレフィン系樹脂組成物は、上記ポリオレフィン樹脂以外の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。但し、上記ポリオレフィン樹脂以外の熱可塑性樹脂を用いる場合には、上記ポリオレフィン系樹脂組成物における上記ポリオレフィン樹脂以外の熱可塑性樹脂の含有量は、上記ポリオレフィン系樹脂組成物における上記ポリオレフィン樹脂の含有量よりも少ないことが好ましい。
上記ポリオレフィン系樹脂組成物における上記ガラス繊維と上記相溶化剤とを除く成分100重量%中、上記ポリオレフィン樹脂の含有量は、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、更に好ましくは95重量%以上である。上記ポリオレフィン系樹脂組成物における上記ガラス繊維と上記相溶化剤とを除く成分100重量%中、上記オレフィン系樹脂の含有量は、100重量%以下であってもよく(全量を含む)、99.99重量%以下であってもよく、99.9重量%以下であってもよい。
成形体の高温下での耐久性をより一層高めたり、銅などの金属による耐久性の低下を抑えたりする観点からは、上記ポリオレフィン系樹脂組成物は、酸化防止剤を含むことが好ましい。上記酸化防止剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤及びラクトン系酸化防止剤等が挙げられる。
上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、ベンゼンプロパン酸、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、C7−C9側鎖アルキルエステル、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o―クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert―ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−[4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン2−イルアミノ]フェノール、及びジエチル[{3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル}メチル]ホスフォネート等が挙げられる。
上記リン系酸化防止剤としては、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス[2−[[2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、及びテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)(1,1−ビフェニル)−4,4’−ジイルビスホスフォナイト等が挙げられる。
上記ラクトン系酸化防止剤としては、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとo−キシレンとの反応生成物等が挙げられる。
成形体の高温下での耐久性をさらに一層高めたり、銅などの金属による耐久性の低下を抑えたりする観点からは、上記ポリオレフィン系樹脂組成物が上記酸化防止剤を含む場合に、上記酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤であることが好ましく、ヒンダードフェノール系酸化防止剤であることがより好ましい。上記フェノール系酸化防止剤及び上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
成形体の高温下での耐久性をさらに一層高めたり、銅などの金属による耐久性の低下を抑えたりする観点からは、上記酸化防止剤は、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル又は2,4,6−トリス(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンシル)メシチレンであることが好ましく、上記ポリオレフィン系樹脂組成物は、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル又は2,4,6−トリス(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンシル)メシチレンを含むことが好ましい。
上記ポリオレフィン系樹脂組成物100重量%中、上記酸化防止剤、上記フェノール系酸化防止剤、及び上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤の含有量はそれぞれ、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下である。上記酸化防止剤、上記フェノール系酸化防止剤、及び上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤の含有量が、上記下限以上であると、成形体の高温下での耐久性がより一層高くなり、上記上限を超える含有量では、成形体の高温下での耐久性は変わらないため、過剰な酸化防止剤の使用が抑えられる。
上記ポリオレフィン系樹脂組成物は、必要に応じて、架橋剤、銅害防止剤、滑剤、光安定剤及び顔料等の添加剤を含んでいてもよい。
上記架橋剤としては、有機過酸化物等が挙げられる。上記ポリオレフィン系樹脂組成物は、上記有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン等が挙げられる。上記架橋剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記有機過酸化物の使用量は特に限定されない。上記有機過酸化物を用いる場合に、上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、上記有機酸化物の含有量は、好ましくは0.01重量部以上、好ましくは2重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。
上記滑剤としては特に限定されず、例えば、フッ素系滑剤、パラフィンワックス系滑剤及びステアリン酸系滑剤等が挙げられる。上記滑剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記滑剤の使用量は特に限定されない。上記ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、上記滑剤の含有量は好ましくは0.01重量部以上、好ましくは3重量部以下である。
上記光安定剤としては特に限定されず、例えば、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系及びシアノアクリレート系等の紫外線吸収剤、並びにヒンダードアミン系の光安定剤等が挙げられる。上記光安定剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記顔料としては特に限定されず、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、スレン系及び染料レーキ系等の有機顔料、並びに酸化物系、クロム酸モリブデン系、硫化物−セレン化物系及びフェロシアン化物系等の無機顔料等が挙げられる。上記顔料は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
(ポリオレフィン系樹脂組成物の他の詳細、並びに成形体)
上記ポリオレフィン系樹脂組成物は、各種の成形体を得るために好適に用いられる。上記ポリオレフィン系樹脂組成物を成形することにより、成形体を得ることができる。上記成形体は、高温下での酸化劣化が生じ難く、高温下での耐久性に優れている。また、上記成形体は、銅などの金属に対する耐久性にも優れている。従って、上記成形体は、特に、管材及びタンク等に、非常に有用である。
上記成形体の線膨張係数は好ましくは11×10−5/℃以下、より好ましくは10×10−5/℃以下、更に好ましくは6×10−5/℃以下である。上記成形体の線膨張係数は低い方が好ましい。上記成形体の線膨張係数が低いと、熱伸縮が生じにくい。そのため、支持部材を必要とする箇所において、熱応力の発生が抑制され、上記成形体の適用箇所が広がる。
上記線膨張係数は熱機械分析(TMA)装置を用いて、昇温速度5℃/min、測定範囲−20℃から120℃の条件で測定される。TMA装置としては、Seiko InstrumentsInc.社製「TMA/SS120C」等が挙げられる。
上記成形体の80℃での熱間内圧クリープ性能に関しては、円周応力5.0MPaで1000時間以上、より好ましくは5.1MPaで1000時間以上、更に好ましくは5.2MPaで1000時間以上である。上記熱間内圧クリープ性能における時間は、破壊時間である。上記成形体の高温でのクリープ性能は高い方が好ましい。上記成形体の高温でのクリープ性能が高いと、高温流体を流す配管として適用範囲が広がる。また、線膨張性能とクリープ性能を両立することで冷温水管としての適用が可能となる。
上記80℃での熱間内圧クリープ性能は、熱間内圧クリープ試験機を用いて、80℃で試験される。熱間内圧クリープ試験機としては、コンドー科学社製の試験機が挙げられる。
成形時に用いる成形機としては特に限定されず、例えば、単軸押出機、二軸異方向パラレル押出機、二軸異方向コニカル押出機、及び二軸同方向押出機等が挙げられる。
上記成形機を用いて成形するとき、賦形する金型、樹脂温度等は、特に限定されない。
高温下での耐久性が特に用いられる用途であるので、上記ポリオレフィン系樹脂組成物は、管材を得るために用いられることが好ましく、ポリオレフィン系樹脂管を得るために用いられることが好ましい。上記成形体は、ポリオレフィン系樹脂管であることが好ましい。
上記ポリオレフィン系樹脂組成物は、多層管材を得るためにも好ましく用いられる。上記多層管材は、管状の複数の層を備え、該複数の層が積層されていることが好ましい。上記多層管材は、上記複数の層を2層有してもよく、3層以上有していてもよい。
上記多層管材において、上記ポリオレフィン系樹脂組成物により形成された成形体(層)の厚みT1の、管の全層の合計の厚みT2に対する比(T1/T2)は好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上、好ましくは0.99以下、より好ましくは0.9以下である。上記比(T1/T2)が上記下限以上及び上記上限以下であると、成形体の強度、寸法安定性及び高温での伸びがより一層効果的に高くなる。
上記多層管材は3層以上有することが好ましい。
図1に、本発明の一実施形態に係る成形体を用いた多層管材を模式的に断面図で示す。
図1に示す多層管材11は、管状の第1の層1と、第1の層1の外側の表面に積層された管状の第2の層2と、第2の層2の外側の表面に積層された管状の第3の層3とを備える。第1の層1は、最も内側の層である。第1の層1の内側の表面は、多層管材11内を流れる物質(液など)に接する。第3の層3は最も外側の層である。第3の層3は外部環境に晒される。第1の層1、第2の層2及び第3の層3の内の少なくとも1つの層が、上述したポリオレフィン系樹脂組成物を用いた成形体である。従って、上記多層管材は、オレフィン系樹脂管である。
多層管材11では、第1,第2,第3の層1,2,3が直接接するように積層されている。第1,第2,第3の層1,2,3などの複数の層は、直接接するように積層されていてもよく、接着剤層などを介して間接的に積層されていてもよい。
多層管材における上記ポリオレフィン系樹脂組成物を用いた成形体以外の層は特に限定されず、熱可塑性樹脂層、繊維強化樹脂層、ガスバリア層、金属層及び接着剤層などから、目的とする機能に応じて適宜選定して組み合わせることができる。
上記熱可塑性樹脂層の材料としては、オレフィン系樹脂及び塩化ビニル樹脂等が挙げられる。上記オレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。
上記繊維強化樹脂層としては、熱可塑性樹脂と強化用繊維とを組み合わせた層等が挙げられる。上記強化用繊維として、従来公知の全ての物が使用できる。上記強化用繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、シリコン・チタン・炭素繊維、ボロン繊維及び微細な金属繊維等の無機繊維や、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維及びポリアミド繊維等の有機繊維が挙げられる。これら強化用繊維は、連続繊維が長手方向に配される場合、長手方向に配された連続繊維とこの連続繊維と直交又は交差する連続繊維とが配される場合、並びに有限長さの繊維が配される場合等で用いられる。
上記の繊維に、熱可塑性樹脂を保持させる方法として、公知の方法が全て採用可能である。また、繊維量は好ましくは5重量%以上、好ましくは60重量%以下である。繊維量が上記下限以上であると、補強効果が充分に得られる。上記繊維量が上記上限以下であると、融着が容易である。
上記ガスバリア層の材料としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)、及びポリアクリロニトリル(PAN)等が挙げられる。
上記金属層の材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、銅及び銅合金等が挙げられる。
上記接着剤層の材料としては、ゴム系ホットメルト接着剤、変性ポリエチレン及び変性ポリプロピレン等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。本発明は以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)ポリオレフィン系樹脂組成物の調製
ポリオレフィン樹脂であるポリエチレン(密度:0.95g/cm)100重量部と、ガラス繊維(繊維長3mm、繊維径13μm、アミノシラン表面処理)27重量部と、相溶化剤である変性ポリエチレン(密度:0.95g/cm)7重量部とを混合して、ポリオレフィン系樹脂組成物を得た。
(2)成形体の作製
得られたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、プレス成形することにより、成形体を得た。
(実施例2)
ガラス繊維の配合量を46重量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ポリオレフィン系樹脂組成物及び成形体を得た。
(比較例1)
ガラス繊維を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、ポリオレフィン系樹脂組成物及び成形体を得た。
(比較例2)
ガラス繊維の配合量を46重量部に変更したこと、並びに相溶化剤を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして、ポリオレフィン系樹脂組成物及び成形体を得た。
(評価)
(1)線膨張係数
得られた成形体の線膨張係数を、熱機械分析(TMA)装置を用いて、昇温速度5℃/min、測定範囲−20℃から120℃の条件で測定した。
(2)熱間内圧クリープ性能
得られた成形体の80℃での熱間内圧クリープ性能は、熱間内圧クリープ試験機を用いて、80℃で試験した。破壊時間が1000時間である円周応力を評価した。破壊時間が1000時間である円周応力が5.0MPa以上である場合に、80℃での熱間内圧クリープ性能は、円周応力5.0MPaで1000時間以上である。
組成と結果とを下記の表1に示す。
Figure 2015098545
1…第1の層
2…第2の層
3…第3の層
11…多層管材

Claims (3)

  1. ポリオレフィン樹脂100重量部と、ガラス繊維6重量部以上、533重量部以下と、相溶化剤1重量部以上、75重量部以下とを含み、
    前記ガラス繊維の繊維長が0.05mm以上、10mm以下であり、前記ガラス繊維の繊維径が1μm以上、30μm以下である、ポリオレフィン系樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物を成形することにより得られる成形体。
  3. 線膨張係数が10×10−5/℃以下であり、かつ、80℃での熱間内圧クリープ性能が円周応力5.0MPaで1000時間以上である、請求項2に記載の成形体。
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