JP2023020549A - ラケット - Google Patents

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和彦 小林
Kazuhiko Kobayashi
雅彦 安藝
Masahiko Aki
一登 背戸
Kazuto Sedo
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Nihon University
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Abstract

【課題】プレーヤーの不快感が抑制されるラケット2の提供。【解決手段】テニスラケット2は、シャフト20、ケース36及びダイナミックダンパー38を有している。ダイナミックダンパー38は、ケース36を介してシャフト20に収容されている。ダイナミックダンパー38は、ウェイト46、第一板ばね48及び第二板ばね50を有している。第一板ばね48及び第二板ばね50の厚さ方向は、X方向である。第一板ばね48及び第二板ばね50の変形に起因して、ウェイト46は、X方向に揺動しうる。このラケット2の面内方向固有振動数は、100Hz以下である。【選択図】図4

Description

本明細書は、テニス、ソフトテニス、スカッシュ、パデル、バドミントン等に適したラケットを開示する。
テニスラケットにてボールが打撃されると、このラケットに振動が発生する。この振動はプレーヤーに伝播し、プレーヤーに不快感を与える。
特開2005-328923公報には、グリップと、このグリップに収容されたダイナミックダンパーとを有するテニスラケットが開示されている。このダイナミックダンパーは、ラケットに生じた振動を減衰させる。
特開2005-328923公報
特開2005-328923公報に開示されたラケットでは、プレーヤーに伝播する振動は、十分は抑制されない。プレーヤーは、伝播する振動によって不快感を感じる。ソフトテニス、スカッシュ、パデル、バドミントン等においても、ラケットからプレーヤーへの振動の伝播は、プレーヤーに不快感を与える。
本発明者の意図するところは、プレーヤーの不快感が抑制されるラケットの提供にある。
好ましいラケットは、非拘束状態における、100Hz以下の固有振動数を、有する。
このラケットは、腕の振動に起因するプレーヤーの不快感を抑制しうる。
図1は、一実施形態に係るテニスラケットが示された分解正面図である。 図2は、図1のテニスラケットが示された側面図である。 図3は、図1のテニスラケットの一部が拡大されて示された分解図である。 図4は、図1のテニスラケットの一部が示された一部切り欠き拡大図である。 図5は、図2のテニスラケットの一部が示された一部切り欠き拡大図である。 図6は、図1のテニスラケットの面内方向固有振動数の測定方法が示された模式図である。 図7は、図1のテニスラケットの非拘束状態の固有振動数が模式的に示されたグラフである。 図8は、他の実施形態に係るテニスラケットが示された正面図である。 図9は、図8のテニスラケットが示された側面図である。 図10は、図8のテニスラケットのダイナミックダンパーが示された拡大断面図である。 図11は、図8のテニスラケットのダイナミックダンパーが示された拡大断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態が詳細に説明される。
図1-3に、テニスラケット2が示されている。このラケット2は、フレーム4、グリップ6、エンドキャップ8、グロメット10及びストリング12を有している。このラケット2は、硬式テニスに使用されうる。図1において、矢印Xはラケット2の幅方向を表し、矢印Yはラケット2の軸方向を表し、Z方向はラケット2の厚み方向を表す。図2では、グロメット10及びストリング12の図示が省略されている。
フレーム4は、ヘッド14、第一スロート16、第二スロート18及びシャフト20を有している。ヘッド14は、フェース22(後に詳説)の輪郭を形成している。ヘッド14の正面形状は、略楕円である。楕円の長径方向は、ラケット2の軸方向Yと一致している。楕円の短径方向は、ラケット2の幅方向Xと一致している。第一スロート16は、ヘッド14から延びている。第二スロート18は、ヘッド14から延びている。第二スロート18は、ヘッド14から離れた位置において、第一スロート16と合流している。シャフト20は、2つのスロート16、18が合流する箇所から延びている。シャフト20は、スロート16、18と連続している。ヘッド14のうち2つのスロート16、18に挟まれた部分は、ヨーク24である。このフレーム4は、中空である。
このフレーム4の主たる材質は、繊維強化樹脂である。この繊維強化樹脂は、樹脂マトリックスと、多数の強化繊維とを有している。フレーム4は、複数の繊維強化層を含んでいる。
フレーム4の基材樹脂として、エポキシ樹脂、ピスマレイミド樹脂、ポリイミド及びフェノール樹脂のような熱硬化性樹脂;並びにポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド及びポリプロピレンのような熱可塑性樹脂が例示される。フレーム4に特に適した樹脂は、エポキシ樹脂である。
フレーム4の強化繊維として、カーボン繊維、金属繊維、ガラス繊維及びアラミド繊維が例示される。フレーム4に特に適した繊維は、カーボンの長繊維である。複数種の繊維が併用されてもよい。
図2及び3に示されるように、ヘッド14は、グロメット溝26を有している。このグロメット溝26は、ヘッド14の外周面から窪んでいる。グロメット溝26は、ヨーク24を除き、ヘッド14のほぼ全周に渡って形成されている。
ヘッド14はさらに、複数の孔28を有している。それぞれの孔28は、ヘッド14を貫通している。ヘッド14のほぼ全周において、複数の孔28が配置されている。
グリップ6は、シャフト20に巻かれたテープによって形成されている。グリップ6は、テニスラケット2がスイングされたときの、プレーヤーの手とテニスラケット2とのスリップを抑制する。
図3に示されるように、グロメット10は、ベース30と複数のパイプ32とを有している。ベース30は、ベルト形状を有している。それぞれのパイプ32は、ベース30と一体的に形成されている。このパイプ32は、ベース30から起立している。このグロメット10の典型的な材質は、フレーム4よりも軟質な合成樹脂である。テニスラケット2が、複数のグロメット10を有してもよい。それぞれのグロメット10におけるパイプ32の数が、1でもよい。
グロメット10は、ヘッド14に装着される。グロメット10がヘッド14に装着された状態では、ベース30がグロメット溝26に収容される。ベース30の一部が、グロメット溝26からはみ出てもよい。さらに、グロメット10がヘッド14に装着された状態では、パイプ32が孔28を貫通する。
図1に示されるように、ストリング12はヘッド14に張られている。ストリング12は、幅方向X及び軸方向Yに沿って張られる。ストリング12は、パイプ32を貫通している。ストリング12により、多数のスレッド34(thread)が形成されている。ストリング12のうち幅方向Xに沿って延在する部分は、横スレッド34aと称される。ストリング12のうち軸方向Yに沿って延在する部分は、縦スレッド34bと称される。複数の横スレッド34a及び複数の縦スレッド34bにより、フェース22が形成される。フェース22は、概してX-Y平面に沿っている。フェース22が、2以上のストリング12から形成されてもよい。
図4及び5には、シャフト20の近傍が示されている。これらの図に示されるように、テニスラケット2は、ケース36、ダイナミックダンパー38、第一ホルダー40及び第二ホルダー42を有している。ケース36は、筒状である。ケース36は、チャンバー44を有している。ダイナミックダンパー38は、チャンバー44に収容されている。ケース36は、シャフト20に収容されている。換言すれば、ダイナミックダンパー38は、ケース36を介してシャフト20に収容されている。ダイナミックダンパー38が、ケース36を介さずにシャフト20に収容されてもよい。第一ホルダー40及び第二ホルダー42のそれぞれは、ケース36に固定されている。ダイナミックダンパー38は、ウェイト46、第一板ばね48及び第二板ばね50を有している。ダイナミックダンパー38は、ダンピング材を含みうる。典型的なダンピング材は、ゲルである。
ウェイト46の比重は、大きい。ウェイト46の好ましい材料として、銅、銅合金、鉛、鉛合金、タングステン、タングステン合金、炭素鋼及び合金鋼が例示される。図4において、矢印Lwはウェイト46の長さを表し、矢印Twはウェイト46の厚さを表す。図5において矢印Wwは、ウェイト46の幅を表す。
第一板ばね48の一端は、ウェイト46に接続されている。第一板ばね48の他端は、第一ホルダー40に接続されている。第二板ばね50の一端は、ウェイト46に接続されている。第二板ばね50の他端は、第二ホルダー42に接続されている。第一板ばね48及び第二板ばね50は、ウェイト46を、ケース36から離間させて保持している。図4において、矢印Ls1は第一板ばね48の長さを表し、矢印Ls2は第二板ばね50の長さを表し、矢印Tsはそれぞれの板ばねの厚さを表す。図5において、矢印Wsはそれぞれの板ばねの幅を表す。長さLs1及び長さLs2の合計は、ばね48、50の全長Lsである。
図4及び5の対比から明らかなように、第一板ばね48の厚み方向は、X方向である。従って第一板ばね48は、X方向に曲がりうる。第二板ばね50の厚み方向は、X方向である。従って第二板ばね50は、X方向に曲がりうる。第一板ばね48及び第二板ばね50の曲がりにより、ウェイト46は、X方向に移動しうる。第一板ばね48及び第二板ばね50の、図4における右方向への曲がりと、図4における左方向への曲がりとが、交互に繰り返されることにより、ウェイト46が揺動する。揺動の方向は、X方向(つまり面内方向)である。
図6に、テニスラケット2の面内固有振動数の測定方法が示されている。この方法では、紐52によってラケット2が吊り下げられる。このラケット2の軸方向(Y方向)は、鉛直方向と一致している。ヘッド14は、シャフト20よりも上方に位置している。グリップテープは、シャフト20から剥がされている。このラケット2のシャフト20に、加速度ピックアップ54が取り付けられている。加速度ピックアップ54は、下端56から90mmの位置に取り付けられている。この加速度ピックアップ54の向きは、X方向である。この加速度ピックアップ54は、3.5gの質量を有する。シャフト20の、加速度ピックアップ54の逆の点Phが、インパルスハンマー(図示されず)で加振される。典型的なインパルスハンマーは、PCB社製である。このインパルスハンマーが有するフォースピックアップで計測された入力振動と、加速度ピックアップ54で計測された応答振動とが、アンプを介して周波数解析装置に送られる。典型的な周波数解析装置は、ヒューレットパッカード社の「ダイナミックシグナルアナライザ」である。この装置で得られた伝達関数に基づいて、面内固有振動数が算出される。この方法では、ラケット2のいかなる部分についても強固に固定されていない状態で、固有振動数が測定される。換言すれば、非拘束状態にあるラケット2の固有振動数が測定される。
図7は、テニスラケット2のX方向(つまり面内方向)の固有振動数が示されたグラフである。図7において、横軸は振動数(Hz)であり、縦軸はアクセレランス(m/s/N)である。図7において、符号P1で示されているのは一次ピークであり、符号P2で示されているのは二次ピークである。一次ピークP1における振動数f1は、二次ピークP2における振動数f2よりも低い。振動数f1は、このラケット2の、面内方向固有振動数である。
前述の通り、ダイナミックダンパー38におけるウェイト46の揺動の方向は、面内方向である。この揺動は、テニスラケット2の面内方向固有振動数に影響する。このテニスラケット2の面内方向固有振動数は、ダイナミックダンパー38を有さないテニスラケットのそれと比べて、低い。
プレーヤーの手腕(hand and arm)とテニスラケット2とは、連成系を形成する。本発明者が得た知見によれば、連成系の固有振動数は、低い。ダイナミックダンパー38を有さない従来のテニスラケットの面内方向固有振動数は、200Hz程度である。本開示に係るテニスラケット2では、面内方向固有振動数は、100Hz以下である。このラケット2の面内方向固有振動数は、連成系の固有振動数に近い。従って、このラケット2を含む連成系における手腕の振動では、振幅が小さく、かつ減衰率が大きい。このラケット2は、腕の振動に起因するプレーヤーへの衝撃を、抑制しうる。この観点から、ラケット2の面内方向固有振動数は50Hz以下がより好ましく、30Hz以下が特に好ましい。この面内方向固有振動数は、5Hz以上が好ましい。ラケット2が、2以上のダイナミックダンパー38を有してもよい。
ダイナミックダンパーを有する従来のテニスラケットでは、連成系の固有振動数は考慮されていない。このラケットの面内方向固有振動数は、高い。このラケットでは、不快感が十分には抑制されない。一方、本開示に係るテニスラケット2では、連成系の固有振動数が考慮されて、適正なダイナミックダンパー38が選択されている。
ラケットが、面外方向にウェイトが揺動するダイナミックダンパーを有してもよい。このダイナミックダンパーは、低い面外方向固有振動数を達成する。ラケットが、面内方向ではなくかつ面外方向でもない方向にウェイトが揺動するダイナミックダンパーを有してもよい。本発明者が得た知見によれば、面内方向の振動が、手腕によく伝播する。従って、面内方向にウェイト46が揺動するダイナミックダンパー38が好ましい。
以下、ダイナミックダンパー38の仕様決定方法の一例が、説明される。ダイナミックダンパー38のパラメータは、下記の数式によって算出される。
Figure 2023020549000002
M:連成系の質量(kg)
K:連成系のばね定数(N/m)
μ:質量比
m:ダイナミックダンパー38の質量(m)
k:ダイナミックダンパー38のばね定数(N/m)
c:ダイナミックダンパー38の減衰係数(Ns/m)
連成系における、質量M及びばね定数Kは、実験的に推測されうる。
図4及び5に示されたダイナミックダンパー38は、第一板ばね48及び第二板ばね50の両方がケース36に固定されている。このダイナミックダンパー38のばね定数kは、下記の数式によって算出される。
Figure 2023020549000003
この数式が変形されて、下記数式が導出される。
Figure 2023020549000004
この数式により、第一板ばね48及び第二板ばね50の幅b(=Ws)が算出される。
ダイナミックダンパー38の減衰要素は、下記の数式によって算出される。
Figure 2023020549000005

ζ:減衰比
η:損失係数
K1:貯蔵弾性率
K2:損失弾性率
K’:複素弾性率
減衰比ζと損失係数ηとの関係は、下記の数式の通りである。
Figure 2023020549000006
前述の通り、シャフト20にはグリップ6が巻かれている。従ってプレーヤーは、ダイナミックダンパー38を視認しない。プレーヤーは、違和感なく、テニスラケット2を私用できる。ダイナミックダンパー38の視認の目的で、透明なグリップ6が採用されてもよい。
この方法により、プレーヤーへの衝撃を抑制しうるダイナミックダンパー38が設計されうる。
図8は他の実施形態に係るテニスラケット58が示された正面図であり、図9はその側面図である。このテニスラケット58は、図1-3に示されたテニスラケット2と同様、フレーム60、グリップ62、エンドキャップ64、グロメット及びストリング66を有している。このラケット58はさらに、ダイナミックダンパー68を有している。フレーム60は、ヘッド70、第一スロート72、第二スロート74及びシャフト76を有している。図1-3に示されたラケット2と異なり、シャフト76にはダンパーは収容されていない。このテニスラケット58は、硬式テニスに使用されうる。図8及び9において、矢印Xはラケット58の幅方向を表し、矢印Yはラケット58の軸方向を表し、Z方向はラケット58の厚み方向を表す。
ダイナミックダンパー68は、第一スロート72、第二スロート74及びシャフト76に固定されている。この固定は、接着剤によって達成されている。他の手段によって固定が達成されてもよい。他の手段として、ボルト、結束及び溶着が例示される。ダイナミックダンパー68のハウジング(後に詳説)が、フレーム60と一体成形されてもよい。テニスラケット58が、フレーム60に対して着脱されうるダイナミックダンパー68を有してもよい。
図10及び11に、ダイナミックダンパー68が示されている。このダイナミックダンパー68は、ハウジング78、ウェイト80及び一対の板ばね82を有している。ウェイト80の材質は、図4及び5に示されたウェイト46の材質と同じである。それぞれの板ばね82の材質は、図4及び5に示された第一板ばね48及び第二板ばね50の材質と同じである。
板ばね82の一端は、ウェイト80に接続されている。板ばね82の他端は、ハウジング78に接続されている。板ばね82は、ウェイト80を、ハウジング78から離間させて保持している。図10において、矢印Lwはウェイト80の長さを表し、矢印Twはウェイト80の厚さを表し、矢印Lsは板ばね82の長さを表し、矢印Tsは板ばね82の厚さを表す。図11において、矢印Wwはウェイト80の幅を表し、矢印Wsは板ばね82の幅を表す。
図10及び11の対比から明らかなように、板ばね82の厚み方向は、X方向である。従って板ばね82は、X方向に曲がりうる。板ばね82の曲がりにより、ウェイト80は、X方向に移動しうる。板ばね82の、図10における右方向への曲がりと、図10における左方向への曲がりとが、交互に繰り返されることにより、ウェイト80が揺動する。揺動の方向は、X方向(つまり面内方向)である。
面内方向へのウェイト80の揺動は、テニスラケット58の面内方向固有振動数に影響する。このラケット58の面内方向固有振動数は、ダイナミックダンパー68を有さないラケットのそれと比べて、低い。このラケット58を含む連成系における手腕の振動では、振幅が小さく、かつ減衰率が大きい。このラケット58は、腕の振動に起因するプレーヤーへの衝撃を、抑制しうる。この観点から、面内方向固有振動数は100Hz以下が好ましく、50Hz以下がより好ましく、30Hz以下が特に好ましい。この面内方向固有振動数は、5Hz以上が好ましい。
図10及び11に示されたダイナミックダンパー68では、板ばね82の片端がハウジング78に固定されている。このダイナミックダンパー68のばね定数kは、下記の数式によって算出される。
Figure 2023020549000007
この数式が変形されて、下記数式が導出される。
Figure 2023020549000008
この数式により、板ばね82の幅b(=Ws)が算出される。
このラケット58をスイングするプレーヤーは、ダイナミックダンパー68を視認しうる。肘への衝撃に不安を持つプレーヤーは、このラケット58と、衝撃の大きい従来のラケットとを、容易に区別できる。ダイナミックダンパー68が、第一スロート72及び第二スロート74に挟まれる位置に、存在してもよい。板ばね82が、ハウジング78を介することなく、フレーム60に直接に固定されてもよい。
以下、実施例に係るラケットの効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本明細書で開示された範囲が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1-5に示されたテニスラケットを製作した。このラケットは、シャフトに収容されたダイナミックダンパーを有していた。このダイナミックダンパーでは、ウェイトの材質は黄銅であり、ばねの材質はステンレススチール(SUS303)であり、ダンピング材の材質はゲルであった。ウェイトの振動方向は、面内方向であった。このダイナミックダンパーの、ウェイト及び板ばねの仕様が、下記の表1に示されている。
[実施例2-5及び比較例1]
ウェイト、板ばね及びダンピング材の仕様を下記の表1及び2に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2-5及び比較例1のテニスラケットを得た。
[実施例6]
ウェイトの振動方向が面外であるダイナミックダンパーを設けた他は実施例1と同様にして、実施例6のテニスラケットを得た。
[実施例7]
図8-11に示されたテニスラケットを製作した。このラケットは、スロート及びシャフトに固定されたダイナミックダンパーを有している。このダイナミックダンパーのウェイトの振動方向は、面内方向である。このダイナミックダンパーの、ウェイト、板ばね及びダンピング材の仕様が、下記の表2に示されている。
[比較例2]
ダイナミックダンパーを設けなかった他は実施例1と同様にして、比較例2のテニスラケットを得た。
[官能評価]
テニスエルボーの既往歴がある上級プレーヤーによる、官能評価を行った。このプレーヤーは、日頃、衝撃による肘へのダメージに配慮しつつ、ボールを打撃している。このプレーヤーは、ラケットから手腕に伝播する振動に敏感である。5名のプレーヤーに肘への衝撃の少なさを評価させ、平均点を算出した。この結果が、下記の表1及び2に示されている。
Figure 2023020549000009
Figure 2023020549000010
表1及び2から明らかな通り、各実施例のテニスラケットでは、プレーヤーに与える衝撃が小さい。このラケットによるショットにおいて、プレーヤーは不快感を感じにくい。この評価結果から、このラケットの優位性は明らかである。
[開示項目]
以下の項目のそれぞれは、好ましい実施形態の開示である。
[項目1]
非拘束状態における、100Hz以下の固有振動数を、有するラケット。
[項目2]
非拘束状態における、100Hz以下の面内方向固有振動数を有する、項目1に記載のラケット。
[項目3]
フレーム及びこのフレームに取り付けられたダイナミックダンパーを有する項目1又は2に記載のラケット。
[項目4]
上記ダイナミックダンパーが、ばねとこのばねに固定されたウェイトとを含んでおり、
上記ばねの繰り返し変形によって上記ウェイトが振動する項目3に記載のラケット。
[項目5]
上記ウェイトの振動方向が面内方向である項目4に記載のラケット。
[項目6]
上記ダイナミックダンパーが上記フレームの中に収容されている項目3から5のいずれかに記載のラケット。
[項目7]
上記フレームが、ヘッド、このヘッドから延びる第一スロート及び第二スロート、並びにこの第一スロート及び第二スロートに連続するシャフトを含んでおり、
上記ダイナミックダンパーが上記シャフトに収容されている項目6に記載のラケット。
[項目8]
上記ダイナミックダンパーが上記フレームの表面に接合されている項目3から5のいずれかに記載のラケット。
[項目9]
上記フレームが、ヘッド、このヘッドから延びる第一スロート及び第二スロート、並びにこの第一スロート及び第二スロートに連続するシャフトを含んでおり、
上記ダイナミックダンパーが上記第一スロート、上記第二スロート又は上記シャフトに接合されている項目8に記載のラケット。
前述のラケットは、ソフトテニス、スカッシュ、パデル、バドミントン等にも適している。
2・・・テニスラケット
4・・・フレーム
6・・・グリップ
16・・・第一スロート
18・・・第二スロート
20・・・シャフト
36・・・ケース
38・・・ダイナミックダンパー
44・・・チャンバー
46・・・ウェイト
48・・・第一板ばね
50・・・第二板ばね
58・・・テニスラケット
60・・・フレーム
62・・・グリップ
68・・・ダイナミックダンパー
72・・・第一スロート
74・・・第二スロート
76・・・シャフト
78・・・ハウジング
80・・・ウェイト
82・・・板ばね

Claims (9)

  1. 非拘束状態における、100Hz以下の固有振動数を、有するラケット。
  2. 非拘束状態における、100Hz以下の面内方向固有振動数を有する、請求項1に記載のラケット。
  3. フレーム及びこのフレームに取り付けられたダイナミックダンパーを有する請求項1又は2に記載のラケット。
  4. 上記ダイナミックダンパーが、ばねとこのばねに固定されたウェイトとを含んでおり、
    上記ばねの繰り返し変形によって上記ウェイトが振動する請求項3に記載のラケット。
  5. 上記ウェイトの振動方向が面内方向である請求項4に記載のラケット。
  6. 上記ダイナミックダンパーが上記フレームの中に収容されている請求項3から5のいずれかに記載のラケット。
  7. 上記フレームが、ヘッド、このヘッドから延びる第一スロート及び第二スロート、並びにこの第一スロート及び第二スロートに連続するシャフトを含んでおり、
    上記ダイナミックダンパーが上記シャフトに収容されている請求項6に記載のラケット。
  8. 上記ダイナミックダンパーが上記フレームの表面に接合されている請求項3から5のいずれかに記載のラケット。
  9. 上記フレームが、ヘッド、このヘッドから延びる第一スロート及び第二スロート、並びにこの第一スロート及び第二スロートに連続するシャフトを含んでおり、
    上記ダイナミックダンパーが上記第一スロート、上記第二スロート又は上記シャフトに接合されている請求項8に記載のラケット。
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