JP2023019882A - 鉄骨骨組み構造、鉄骨ラーメン骨組みへの鋼管柱の混在方法 - Google Patents

鉄骨骨組み構造、鉄骨ラーメン骨組みへの鋼管柱の混在方法 Download PDF

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Abstract

【課題】H形鋼柱とH形鋼梁による規格化された梁通し型一方向ラーメン骨組みのモジュールを活かした部材設定と配置ルールを決定し、既往部分の加工不要で大空間構築を実現できる鉄骨骨組み構造、規格化した鉄骨ラーメン骨組みへの鋼管柱の混在方法を提供する。【解決手段】本発明に係る鉄骨骨組み構造は、H形鋼柱1のフランジ芯またはウェブ芯とH形鋼梁4のウェブ芯を一致させて構成した鉄骨ラーメン骨組み架構に対し、外形が矩形の鋼管柱11の外表面の上下方向の延長線とH形鋼柱1のウェブ芯またはフランジ芯とを同一線上に配するとともに、鋼管柱11の外表面とH形鋼梁4のウェブ芯を一致させて混在させたことを特徴とするものである。【選択図】 図4

Description

本発明は、鉄骨骨組み構造に関し、特に、H形鋼柱とH形鋼梁を梁通し型で構成する規格化された鉄骨ラーメン骨組に鋼管柱を混在させた鉄骨骨組み構造および、鉄骨ラーメン骨組みへの鋼管柱の混在方法に関する。
鉄骨プレファブ住宅に代表される型式を規格化した鉄骨骨組み構造では、その範囲で間取りの自由度が高くなっているが、大空間を構成するにはシステム上の制約があり、実現が困難となる場合が多い。
特許文献1では、H形鋼柱の強軸方向とH形鋼梁の長手方向とが平行になるように配置して剛接合した梁通し型の鉄骨一方向ラーメン構造が示されており、ラーメン構造で設計上の制約となる柱梁の配置をフレキシブルにするものである。この梁通し型の鉄骨一方向ラーメン構造の具体例が特許文献2の図1および図2に示されている。
上記の例は、一方向ラーメンなので、断面性能を大きくするためには、強軸方向のみ大きくするが、H形鋼柱の場合、耐力不足、剛性不足等の理由で断面寸法を増大するためにH形鋼の呼び高さを大きくすると、モジュールと合わなくなる場合があり、また、フランジ幅も同時に拡大してしまうため、フランジ幅を小さくするために切り落とす必要が生じる。
H形鋼柱を溶接組み立てH形鋼によって構成すればフランジ厚さを任意に選択できるが、規格外の組み合わせでは、部材コスト、製造現場での部材管理に手間がかかる。
この点、特許文献3のH形鋼からなる複数の支持部材からなる柱が考案され実用化されているが、H形鋼の寸法に関し、フランジ幅以外の詳細は説明されていない。
大空間を構築するには、柱だけではなく、梁を大断面化する必要があるが、上述のように規格化されたシステムでは、イレギュラーな寸法の部材を調達するのは極力避けたいため、通常使う梁部材を縦方向に積層したり、梁に使用するH形鋼をウェブ中央でカットしたT型断面を梁の下フランジに接合して補強する方法がとられている。
特開平3-233039号公報 特開2001-59362号公報 特開2018-123484号公報
大空間を構築するために梁のスパンを拡大すると、柱の軸力負担、スパン方向の曲げモーメント負担が増大するため、柱の強度向上、断面性能の向上が必要となる。特許文献1~3で示唆されるH形鋼柱の強軸方向とH形鋼梁の長手方向とが平行になるように配置して剛接合した規格化された梁通し型の鉄骨一方向ラーメン構造は、H形鋼柱の強軸方向の曲げ耐力を増加させるために、特許文献3ではH形鋼を直列に組み合わせ、断面の軸力、曲げ耐力と剛性を確保している。
本願発明の目的は、規格化された一方向ラーメン構造を前提として大空間を確保するものであるため、H形鋼柱とH形鋼梁からなる一方向ラーメンに適応させることを検討した。ここで、特許文献3の柱に関し、特許文献3の図2に示すフランジ12A、12Bのそれぞれの外表面から、11A、11Bの境界部までの距離を最小モジュールDと設定する。すなわち、モジュール、コストの観点から、規格化された寸法によるH形鋼柱に供するH形鋼を2本用い、一方のフランジ幅をフランジ同士の溶接の便に供するためにカットして用いていると仮定した。
この場合の配置例を図13に示す。
図13において、1はH形鋼柱、2Aはベースプレート、3はベースプレート2Aに設けた柱側接合用ボルト孔を示している。
これによれば、梁の長手方向の断面剛性は大幅に向上するが、柱の幅は2Dとなり、使用上の制約が大きくなる問題がある。さらに、大空間構築のためには、双方向ラーメンとして柱間隔を拡大すべきだが、ベースプレートの構造、モジュールを勘案すると、2D×2Dの範囲では収まらず、図13(a)、(b)に示すように、直交方向にDだけ離隔して配置せざるを得ないため、少なくとも柱の仕上げ寸法は、2D×3D以上となり、さらに柱の仕上げ寸法が増大するという問題がある。
また、梁の曲げ強度、剛性を向上させるために、梁せいを大きくする方法をとると、床から梁下までの寸法が小さくなり、天井高さが低くなる、梁型が突出するなどの問題があり、更に、梁通し型では、柱を短く加工する必要があるなど、他部材への影響が大きく支障がある。
本発明は、かかる課題を解決し、H形鋼柱とH形鋼梁による規格化された梁通し型一方向ラーメン骨組みのモジュールを活かした部材設定と配置ルールを決定し、既往部分の加工不要で大空間構築を実現できる鉄骨骨組み構造を実現する、規格化した鉄骨ラーメン骨組みへの鋼管柱の混在方法を提供することを目的としている。
(1)本発明に係る鉄骨骨組み構造は、H形鋼柱のフランジ芯またはウェブ芯とH形鋼梁のウェブ芯を一致させて構成した鉄骨ラーメン骨組み架構に対し、外形が矩形の鋼管柱の外表面の上下方向の延長線と前記H形鋼柱のウェブ芯またはフランジ芯とを同一線上に配するとともに、前記鋼管柱の外表面と前記H形鋼梁のウェブ芯を一致させて混在させたことを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、XY方向とも同じ基準寸法(モジュール)Dによる基準線でグリッドを形成した平面において、ベースプレートとトッププレートを有したH形鋼柱の強軸方向とH形鋼梁の長手方向とが平行になるように配置して剛接合した梁通し型の鉄骨一方向ラーメン骨組みに、新規に鋼管柱を混在させた鉄骨骨組み構造であって、
前記H形鋼柱は、そのフランジ板厚中心距離または最外面距離をDとし、前記H形鋼柱のベースプレートおよびトッププレートには、フランジ板厚中心線または最外面をX方向モジュール芯、ウェブ板厚中心線をY方向モジュール芯に配置したとき、当該XY方向モジュール芯の交点を図心とし、各辺を両モジュール芯に対して平行に配置した正方形の隅角部の少なくとも2箇所に接合用ボルト孔を配しており、
前記H形鋼梁は、そのフランジ幅を前記H形鋼柱のベースプレートおよびトッププレートの幅以上とし、上下フランジに前記H形鋼柱の前記ベースプレートおよび前記トッププレートの前記接合用ボルト孔に対向する接合用ボルト孔群が間隔Dで配され、前記H形鋼柱のベースプレートおよびトッププレートの接合用ボルト孔と整合させており、
前記鋼管柱は、その外径寸法をDとした角形鋼管あるいは溶接箱型断面であって、前記ベースプレートおよび前記トッププレートには、前記鋼管柱の平行な2つの表面をX方向モジュール芯、前記表面と直交する2つの表面をY方向モジュール芯に配置したとき、当該XY方向モジュール芯の交点を図心とし、各辺を両モジュール芯に対して平行に配置された前記H形鋼柱で規定する正方形と同寸法の正方形の隅角部の少なくとも2箇所に接合用ボルト孔を配していることを特徴とするものである。
(3)また、上記(2)に記載のものにおいて、前記鋼管柱の平行する2面の外表面の上下方向の延長線上に、ウェブ芯間隔Dで平行に配置される一組のH形鋼梁のウェブ芯を一致させて配したことを特徴とするものである。
(4)また、上記(3)に記載のものにおいて、ウェブ間隔Dで平行に配置される一組のH形鋼梁のウェブ同士を所定の間隔で相互に連結する複数の連結部を有し、該連結部のうちの2つは、梁ウェブが配される側の前記鋼管柱の平行する2面と直交する2面の上部にそれぞれ位置していることを特徴とするものである。
(5)また、上記(3)又は(4)に記載のものにおいて、前記一組のH形鋼梁の前記鋼管柱との接合部側のフランジにおいて、一対の接合部側フランジを連結する厚さtの板状体が、少なくとも前記鋼管柱のベースプレートまたはトッププレートと略同外寸で、当該フランジの接合用ボルト孔を一致して固定されており、前記鋼管柱の高さをH形鋼柱よりもt×n(n:上下方向に接合される一組のH形鋼梁の数量)だけ短くしたことを特徴とするものである。
(6)また、上記(3)乃至(5)のいずれかに記載のものにおいて、前記鋼管柱の1面の外表面の上下方向の延長線上に、H形鋼梁のウェブ芯を一致させて配し、かつ当該H形鋼梁に直交し、鋼管柱の平行する2面の外表面の上下方向の延長線上に、ウェブ芯間隔Dで平行に配置される一組のH形鋼梁のウェブ芯を一致させて配しており、
前記H形鋼梁の側面と前記一組のH形鋼梁の先端が連結され、鋼管柱の残りの一面の外表面の上下方向延長線上で前記一組のH形鋼梁の連結部を有していることを特徴とするものである。
(7)また、上記(3)又は(4)に記載のものにおいて、前記鋼管柱の1面の外表面の上下方向の延長線上に、H形鋼梁のウェブ芯を一致させて配し、かつ当該H形鋼梁に直交し、鋼管柱の平行する2面の外表面の上下方向の延長線上に、ウェブ芯間隔Dで平行に配置される一組のH形鋼梁のウェブ芯を一致させて配しており、
前記一組のH形鋼梁の前記鋼管柱との接合部側のフランジにおいて、一対の接合部側フランジを連結する厚さtの板状体が前記H形鋼梁側に延出するように配置され、当該フランジの接合用ボルト孔を一致して固定されており、前記鋼管柱の高さをH形鋼柱よりもt×n(n:上下方向に接合される一組のH形鋼梁の数量)だけ短くされ、
前記H形鋼梁の側面と前記一組のH形鋼梁の先端が前記板状体を介して連結され、鋼管柱の残りの一面の外表面の上下方向延長線上で前記一組のH形鋼梁の連結部を有していることを特徴とするものである。
(8)また、上記(3)乃至(5)のいずれかに記載のものにおいて、前記鋼管柱の平行する2面の外表面の上下方向の延長線と、ウェブ芯間隔Dで平行に配置される一組のH形鋼梁のウェブ芯を一致させて配しており、かつ、それと直交するモジュール芯に前記H形鋼梁のウェブ芯を一致させて前記一組のH形鋼梁に直交し、その外側面と接合していることを特徴とするものである。
(9)本発明の規格化した鉄骨ラーメン骨組みへの鋼管柱の混在方法は、XY方向とも同じ基準寸法(モジュール)Dによる基準線でグリッドを形成した平面において、ベースプレートとトッププレートを有したH形鋼柱とH形鋼梁を梁通し型で構成して規格化した鉄骨ラーメン骨組みに、新規に鋼管柱を混在させる鋼管柱の混在方法であって、
前記H形鋼柱は、そのフランジ板厚中心距離または最外面距離をDとし、前記H形鋼柱のベースプレートおよびトッププレートには、フランジ板厚中心線または最外面をX方向モジュール芯、ウェブ板厚中心線をY方向モジュール芯に配置したとき、当該XY方向モジュール芯の交点を図心とし、各辺を両モジュール芯に対して平行に配置した正方形の隅角部の少なくとも2箇所以上に接合用ボルト孔を配しており、
前記H形鋼梁は、その上下フランジに前記H形鋼柱のベースプレートおよびトッププレートの前記接合用ボルト孔に対向する接合用ボルト孔群が間隔Dで配され、前記H形鋼柱のベースプレートおよびトッププレートの接合用ボルト孔と整合するようにした部材構成であり、
混在させる前記鋼管柱は、その外径寸法をDとした角形鋼管あるいは溶接箱型断面とし、前記ベースプレートおよび前記トッププレートには、前記鋼管柱の平行な2つの表面をX方向モジュール芯、前記表面と直交する2つの表面をY方向モジュール芯に配置して直交する外表面の交点をXY方向モジュール交点と一致させ、当該XY方向モジュール芯の交点を図心とし、各辺を両モジュール芯に対して平行に配置された前記H形鋼柱で規定する正方形と同寸法の正方形の隅角部の少なくとも2箇所に接合用ボルト孔を配するようにしたことを特徴とするものである。
(10)上記(9)に記載の規格化した鉄骨ラーメン骨組みへの鋼管柱の混在方法に、下記の(a)~(e)の部材配置ルールのうち一又は複数を適用したことと特徴とする規格化した鉄骨ラーメン骨組みへの鋼管柱の混在方法。
(a)前記鋼管柱の平行する2面の外表面の上下方向の延長線上に、ウェブ芯間隔Dで平行に配置される一組のH形鋼梁のウェブ芯を一致させて配すること
(b)ウェブ間隔Dで平行に配置される一組のH形鋼梁のウェブ同士を所定の間隔で相互に連結する複数の連結部を有し、該連結部のうちの2つは、梁ウェブが配される側の前記鋼管柱の平行する2面と直交する2面の上部にそれぞれ位置していること
(c)前記一組のH形鋼梁の前記鋼管柱との接合部側のフランジにおいて、一対の接合部側フランジを連結する厚さtの板状体が、少なくとも前記鋼管柱のベースプレートまたはトッププレートと略同外寸で、当該フランジの接合用ボルト孔を一致して固定されており、前記鋼管柱の高さをH形鋼柱よりもt×n(n:上下方向に接合される一組のH形鋼梁の数量)だけ短くしたこと
(d)前記鋼管柱の1面の外表面の上下方向の延長線上に、H形鋼梁のウェブ芯を一致させて配し、かつ当該H形鋼梁に直交し、鋼管柱の平行する2面の外表面の上下方向の延長線上に、ウェブ芯間隔Dで平行に配置される一組のH形鋼梁のウェブ芯を一致させて配しており、前記H形鋼梁の側面と前記一組のH形鋼梁の先端が連結し、鋼管柱の残りの一面の外表面の上下方向延長線上で前記一組のH形鋼梁の連結部を有していること
(e)前記鋼管柱の平行する2面の外表面の上下方向の延長線と、ウェブ芯間隔Dで平行に配置される一組のH形鋼梁のウェブ芯を一致させて配しており、かつ、それと直交するモジュール芯に前記H形鋼梁のウェブ芯を一致させて前記一組のH形鋼梁に直交し、その外側面と接合していること
本発明においては、H形鋼柱のフランジ芯およびウェブ芯にH形鋼梁のウェブ芯を一致させて配置して構成する鉄骨ラーメン骨組み架構に対し、外形が矩形で、外径寸法をH形鋼柱のフランジ外法寸法とした鋼管柱の外表面の上下方向の延長線と前記H形鋼梁のウェブ芯を一致させて混在させたことにより、もとになる鉄骨ラーメン骨組み架構(構造システム)に影響を与えることなく大空間を構築することができる。
この際、鋼管柱の外形寸法は従来のH形鋼柱の強軸寸法と同じため、柱型が大きくなることはなく、追加する鋼管柱以外は、元のシステムで使用する部材を、特別に切断、穴あけすることなく使用できるため、製造管理、部材管理が容易である。
モジュール化したH形鋼柱の水平断面図であって、図1(a)はフランジ板厚中心距離をモジュールとしたもの、図1(b)はフランジ最外面距離をモジュールとしたものである。 H形鋼梁の水平方向断面図である。 新たに組み込む鋼管柱の水平断面図であって、図3(a)は柱のベースプレートの一例を示し、図3(b)は柱のトッププレートの一例を示している。 鋼管柱に対するH形鋼梁の配置状況を示す図であって、図4(a)はH形鋼梁断面方向の正面図であり、図4(b)は図4(a)の矢視A-A’方向断面図である。 一組のH形鋼梁の連結部材配置状況を示す図であって、図5(a)はH形鋼梁断面方向の正面図であり、図5(b)は図5(a)に示す矢視A-A’方向断面図である。 一組のH形鋼梁の補強プレートの配置状況を示す図であって、図6(a)は垂直断面図、図6(b)は側面図である。 補強プレートを取り付けた梁と柱の接合方法を示す斜視図である。 図6の補強プレートを取り付けた梁に対する鋼管柱の上部側面図である。 鋼管柱が側柱となった場合の梁フランジの配置関係を示す概念図である(その1)。 鋼管柱が側柱となった場合に配置する一組のH形鋼柱の補強例を示す側面図である。 鋼管柱が側柱となった場合の梁フランジの配置関係を示す概念図である(その2)。 大スパン部の端部の鋼管柱部分での梁の配置関係を示す概念図である。 特許文献1による柱を、双方向ラーメンに適用した場合の配置例を示す図である。
本実施の形態に係る鉄骨骨組み構造は、XY方向とも同じ基準寸法(モジュール)Dによる基準線でグリッドを形成した平面において、ベースプレートとトッププレートを有するH形鋼柱の強軸方向とH形鋼梁の長手方向と平行になるように配置して剛接合した梁通し型の鉄骨一方向ラーメン骨組みに、双方向ラーメン化して大空間を構築するために、新規に鋼管柱を混在させたものである。
以下においては、本実施の形態の鉄骨骨組み構造を構成する各部材、すなわちH形鋼柱、H形鋼梁及び鋼管柱について先に説明し、その後で鋼管柱を混在させる場合の態様について説明する。
<H形鋼柱>
H形鋼柱1は、図1(a)、(b)に示すように、H形鋼の下端にベースプレート2Aが、上端にトッププレート2B(図示なし)が、それぞれ設けられている。
そして、H形鋼柱1は、そのフランジ板厚中心距離(図1(a))または最外面距離(図1(b))をDとし、ベースプレート2A、トッププレート2B(図示なし)には、フランジ板厚中心線または最外面をX方向モジュール芯X、ウェブ板厚中心線をY方向モジュール芯Yに配置したとき、当該XY方向モジュール芯の交点Oを図心とし、各辺を両モジュール芯XYに対して平行に配置した正方形Sの隅角部の少なくとも2箇所(図では4箇所)に柱側接合用ボルト孔3を配している。すなわち、H形鋼柱1のせいは、モジュールDにおさまるようになっており、XYモジュールの交点0において、当該接合用ボルト孔3は、X方向、Y方向とも等距離にあるので、X方向に配置しても、Y方向に配置しても、柱側接合用ボルト孔3の位置関係は変わらなくなっている。
なお、図1に示す例は、ベースプレート2A、トッププレート2Bの形状として、H形鋼柱1の外形をかたどるようにダンベル状に形成したものを示しているが、略長方形としてもよい。
<H形鋼梁>
H形鋼梁4は、図2に示すように、そのフランジ幅をH形鋼柱1のベースプレート2A、トッププレート2Bの幅以上とし、上フランジ7及び下フランジ8(図示なし)にH形鋼柱1のベースプレート2A、トッププレート2Bの接合用ボルト孔3に対向する梁側接合用ボルト孔5群が間隔Dで配され、H形鋼柱1のベースプレート2A、トッププレート2Bの接合用ボルト孔3と整合させている。
H形鋼柱1およびH形鋼梁4による一方向ラーメン骨組みをXY方向に適切に配置して建物に作用する水平力に対応する。一方向ラーメン骨組みは多層階でも同じルールで構築されている。上階のH形鋼柱1の直下に必ずしも柱は必要なく、またコーナー部にも必ずしも必要ない構造だが、規格化されたH形鋼梁4はスパンの上限が定められている。
<鋼管柱>
鋼管柱11は、その外径寸法をDとした角形鋼管あるいは溶接箱型断面であって、図3に示すように、ベースプレート12A(図3(a)参照)、トッププレート12B(図3(b)参照)には、鋼管柱11の平行な2つの表面をX方向モジュール芯X、前記表面と直交する2つの表面をY方向モジュール芯Yに配置したとき、当該XY方向モジュール芯の交点Oを図心とし、各辺を両モジュール芯XYに対して平行に配置されたH形鋼柱1で規定する正方形Sと同寸法の正方形の隅角部の少なくとも2箇所に接合用ボルト孔13を配している。図3(a)(b)では、ボルト孔13を、ベースプレート12Aには各3箇所、トッププレート12Bには各4箇所記載している。
もっとも、例えば、トッププレート12Bにおける鋼管柱11の内面側に位置するボルト孔13は耐力上問題なければ省略してもよく、その他も必要な耐力を満足していれば省略可能である。
ベースプレート12A、トッププレート12Bの形態は、矩形でも、ボルト接合部以外の部分を絞り込んだ形状としても、他の部材と干渉しない範囲内で任意の形状としてよい。
最下階の鋼管柱11のベースプレート12Aを除き、図3(b)のように中心部を十字形状にくりぬくと、柱内部にもボルトを設置できるので、接合部耐力を高くすることができる。あるいは、接合部耐力を同じくして、使用するボルトの径を細くしてもよい。
これによって、最小モジュールDで囲まれた範囲に鋼管柱11を納めることができ、その外径寸法は、H形鋼柱1の外径寸法の範囲であり、ここで用いるH形鋼柱1、あるいは特許文献1で示した柱による一方向ラーメン用の柱をXY方向で組み合わせるよりも柱外形寸法を小さくすることができる。
さらに、既往の柱側接合用ボルト孔3の位置関係を変更することなくボルト孔13を配置しているので、H形鋼梁4側のボルト孔位置を変更したり、特別に梁側のボルト孔5を追加したりする必要がない。そのため、鋼管柱11を別途製作するだけで、その他の部分の部材設計や加工の変更が不要なため、工業化住宅の製造ラインの加工制御を変更する必要がなく管理手間が増えることはない。柱軸力が大きくなる部分は、既往の梁部材4を製作したうえで、後述のように、当該部分の梁ウェブ6やフランジ7、8を別途補強すればよい。
上記のH形鋼柱1とH形鋼梁4を梁通し型で構成する規格化された鉄骨ラーメン骨組に鋼管柱11を混在させた鉄骨骨組み構造は以下のような態様となる。
XY方向とも同じ基準寸法(モジュール)Dによる基準線でグリッドを形成した平面において、ベースプレート2Aとトッププレート2Bを有したH形鋼柱1の強軸方向とH形鋼梁4の長手方向とが平行になるように配置して剛接合した梁通し型の鉄骨一方向ラーメン骨組みに、新規に鋼管柱11を混在させた鉄骨骨組み構造であって、
H形鋼柱1は、そのフランジ板厚中心距離または最外面距離をDとし、H形鋼柱1のベースプレート2Aおよびトッププレート2Bには、フランジ板厚中心線または最外面をX方向モジュール芯、ウェブ板厚中心線をY方向モジュール芯に配置したとき、当該XY方向モジュール芯の交点を図心とし、各辺を両モジュール芯に対して平行に配置した正方形の隅角部の少なくとも2箇所に柱側接合用ボルト孔3を配しており、
H形鋼梁4は、そのフランジ幅をH形鋼柱1のベースプレート2Aおよびトッププレート2Bの幅以上とし、上下フランジ7、8にH形鋼柱1のベースプレート2Aおよびトッププレート2Bの柱側接合用ボルト孔3に対向する梁側接合用ボルト孔5群が間隔Dで配され、H形鋼柱1のベースプレート2Aおよびトッププレート2Bの柱側接合用ボルト孔3と整合させており、
鋼管柱11は、その外径寸法をDとした角形鋼管あるいは溶接箱型断面であって、ベースプレート12Aおよびトッププレート12Bには、鋼管柱11の平行な2つの表面をX方向モジュール芯、前記表面と直交する2つの表面をY方向モジュール芯に配置したとき、当該XY方向モジュール芯の交点を図心とし、各辺を両モジュール芯に対して平行に配置されたH形鋼柱1で規定する正方形と同寸法の正方形の隅角部の少なくとも2箇所に柱接合用ボルト孔13を配している。
本実施の形態においては、XY方向とも同じモジュールDによる基準線でグリッドを形成した平面において、フランジ板厚中心距離または最外面距離をDとしたH形鋼柱の強軸方向とH形鋼梁の長手方向とが平行になるように配置して剛接合した梁通し型の鉄骨一方向ラーメン骨組みに、そのモジュールを活かした部材設定と配置ルールを決定し、その外径寸法をDとし、XY方向の最小グリッドにその外径を一致させた鋼管柱を配し、平行する2面上に2つのH形鋼梁のウェブ芯を合わせて配したので、もとになる構造システムに影響を与えることなく大空間を構築することができる。
この際、鋼管柱の外形寸法は従来のH形鋼柱の強軸寸法と同じため、柱型が大きくなることはなく、追加する鋼管柱以外は、元のシステムで使用する部材を、特別に切断、穴あけすることなく使用できるため、製造管理、部材管理が容易である。
また、上記のとおり、鋼管柱11は既往のH形鋼柱1用の柱側接合用ボルト孔3の位置を踏襲させており、最下階の基礎部分は反力が大きくなるためボルト径が大きくなる場合もあるが、他の部分は既往のボルト孔をそのまま活用するようにしているため、梁部材の鉄骨加工には影響を与えない。
次に、上記のようなH形鋼柱1、H形鋼梁4及び鋼管柱11を用いて、大スパン化をする場合の態様について説明する。
H形鋼梁4は、H形鋼柱1の強軸方向に沿って梁通し型で配した一方向ラーメンとなるように設計ルールが定められている。一般に、スパンを拡大すると、梁の変形が大きくなるため、梁の断面を大きくして変形を抑制する手法がとられる。
しかし、既往のシステムを変更することなく梁せいを拡大すると、上階の床レベルが高くなってしまい、柱高さを低くして納めた場合、天井高さが低くなるなど問題がある。
そこで、本実施の形態では、既往のH形鋼梁4を使用してスパンを拡大するために、図4(a)(b)のように、鋼管柱11の平行する2面の外表面の上下方向の延長線上、すなわち間隔Dで隣接するモジュール芯にあわせて、ウェブ芯間隔Dで平行に配置される1組のH形鋼梁4A、4Bからなる組み立て梁14のウェブ6A、6Bの芯を一致させて配することとした。これにより、もとの一方向ラーメンの設計ルールを踏襲して梁のスパンを拡大することができる。
ウェブ間隔Dで平行に配置される組み立て梁14のウェブ6A、6B同士は、所定の間隔で相互に複数個所で連結部材9によって連結している。連結部材9の間隔は任意に定めてよいが、モジュールDを考慮して決定すると、他の部分の納まりの関係から好適である。
特に、図5(a)(b)のように、梁ウェブ6A、6Bが配される鋼管柱11の平行する2面と直交する2面の上下部においては、鋼管柱11からの応力に対抗するために必須となる。この場合、モジュール芯を基準として統一した配置基準を決定して配置すれば、連結部材9の中心線を合わせる、あるいは外表面と合わせる、その他所定の寸法でオフセットするなど適宜決定してよい。
なお、当該部分の強度を高めるとよりよいため、少なくとも梁ウェブ6A、6Bの板厚以上とするとよく、さらには、鋼管柱11の板厚以上とすればより望ましい。ここでは、二つの連結部材9に囲まれた範囲において、H形鋼梁4のウェブ6A、6Bを同様に補強するとよりよい。連結部材9は、梁下フランジ7及び梁上フランジ8の内法高さ、あるいは梁せい高さのいずれでも、必要な補強レベルによって設定してよい。
さらに柱梁接合部分の強度を高めるために、組み立て梁14における鋼管柱11またはH形鋼柱1との接合部側のフランジ部分について、図6(a)(b)に示すように、一対の接合部側の梁下フランジ7A、7Bを連結する厚さtの補強プレート10を配し、図7に示すように、鋼管柱11のトッププレート12Bと接合する。
以下、特に記載がない限り、鋼管柱11のトッププレート12Bと梁下フランジ7の接合で代表して説明するが、鋼管柱11のベースプレート12Aと梁上フランジ8の取り合いも同様のため、読み替えてよい。
補強プレート10は、梁下フランジ7A、7Bの梁側接合用ボルト孔5とトッププレート12Bの柱接合用ボルト孔13と一致するように配されており、少なくとも鋼管柱11のトッププレート12Bと略同外寸とし、梁下フランジ7の梁側接合用のボルト孔5と一致させて固定する。
この際に、鋼管柱11の高さを、図8に示すように、H形鋼柱1よりもt×n(n:鋼管柱1の上下方向に接合される一組のH形鋼梁1の数量)だけ短くする。例えば、図8に示すように、n=1の場合には、H形鋼柱1の高さがhの場合には、鋼管柱11の高さはhよりもtだけ低いh´となる。
ここでは、規格化されたシステムへの導入を前提としているため、梁下フランジ7部分の補強プレート10の板厚tを控除して鋼管柱11の長さとするようにあらかじめ設定することで、H形鋼梁4および組み立て梁14の配置高さを既往のH形鋼柱1の部分と変更することなく、ベースプレート12A側の梁の上面、トッププレート12B側の梁の下面に板厚tの補強プレート10と、組み立て梁14の連結部材9を一体に構成して、柱梁接合部の強度をより高めて製作することができ、より強度の高い鋼管柱との接合部を有して既往の一方向ラーメン骨組みに双方向ラーメン用の鋼管柱11を混在させることができる。
鋼管柱11を外周面に設けて側柱とする場合、すなわち梁が3方向に配される場合には、図9に示すように、鋼管柱11の外壁側に面する1面の外表面の上下方向の延長線上に、H形鋼梁4のウェブ芯を一致させて配して通し、かつ当該H形鋼梁4に直交する鋼管柱11の2つの平行する外表面の上下方向の延長線上に、ウェブ芯間隔Dで平行に配置される組み立て梁14のウェブ6A、6Bの芯を一致させて配する。前記外壁側に面するH形鋼梁4は柱上下部において、それぞれ水平方向に連続しており、その側面と組み立て梁14の先端を連結し、鋼管柱11の残りの一面の外表面の上下方向延長線上で組み立て梁14の連結部を設けた。吹き抜けなど、梁が3方向となる部分においては、外壁側を吹き抜け側と読み替えることにより、同様に構成することができる。
この形態に前述の補強用プレート10を配する場合、図10に示すように、補強用プレート10をH形鋼梁4側まで延長させて配置して組み立て梁14と一体化しておくとよく、外壁側に面するH形鋼梁4は、その接合用ボルト孔5を合わせて、鋼管柱11のトッププレート12B、補強プレート10、当該H形鋼梁4の下フランジ7を積層してボルトナットで一体に締結して固定する。
なお、ここでは、外壁側のH形鋼梁4が1本の例で説明したが、2本とする場合には、上記に加えて、図11に示すように、前記鋼管柱11の残りの一面の外表面の上下方向延長線上となる部分の連結部の水平方向の延長線上にさらにH形鋼梁4を連結し、平行するH形鋼梁同士は、図5、図6に示したように、所定の間隔で連結部材9により連結するとよい。あるいは、XY方向どちらかで組み立て梁14を優先して柱上下部に配置し、その側面にそれぞれ一対のH形鋼梁4を配してもよい。
また、図11の変形例として、鋼管柱11の平行する2面の外表面の上下方向の延長線と、ウェブ芯間隔Dで平行に配置される一組のH形鋼梁4のウェブ芯を一致させて配し、かつ、それと直交するモジュール芯にH形鋼梁4のウェブ芯を一致させて一組のH形鋼梁4に直交し、その外側面と接合するようにしてもよい。
なお、図9、図11、あるいは図11の変形例の各態様において、一組のH形鋼梁4をそれと直交するH形鋼梁4との接合は、図10に示すように、補強用プレート10をH形鋼梁4側まで延出させて、補強用プレート10を介して接合するようにしてもよい。
また、大スパンを構築するために混在させる端部の鋼管柱11は、もとの一方向ラーメンの柱梁配置と整合しているので、図12に示すように、組み立て梁14の一方の梁14Bは、鋼管柱11の端面から延長させる必要はない。
ここまで、大スパンによる双方向ラーメンを構築するために、鋼管柱11を組み込んだ構造について説明してきたが、大スパンを構築するための端部の柱は、必ずしも鋼管柱11でなくてもよい。すなわち、大スパンの起点となる柱の当該スパンと直交方向について壁がある場合、前記柱は必ずしも双方向ラーメンに対応する必要はなく、H形鋼柱1を並列させて組み立て梁14を支持すればよい。
以上、大スパンによる双方向ラーメンを構築するために、鋼管柱11を組み込んだ鉄骨骨組み構造という物の発明を説明した。これを規格化した鉄骨ラーメン骨組みに、新規に鋼管柱11を混在させて双方向ラーメンを構成するための配置方法という方法の発明として再構成すると以下のようになる。
XY方向とも同じ基準寸法(モジュール)Dによる基準線でグリッドを形成した平面において、ベースプレートとトッププレートを有したH形鋼柱1とH形鋼梁4を梁通し型で構成して規格化した鉄骨ラーメン骨組みに、新規に鋼管柱11を混在させて双方向ラーメンを構成するための配置方法であって、
もととなるH形鋼柱1とH形鋼梁4による鉄骨ラーメン骨組み構造を構成するH形鋼柱1を、そのフランジ板厚中心距離または最外面距離をDとし、H形鋼柱1のベースプレート2Aおよびトッププレート2Bには、フランジ板厚中心線または最外面をX方向モジュール芯、ウェブ板厚中心線をY方向モジュール芯に配置したとき、当該XY方向モジュール芯の交点Oを図心とし、各辺を両モジュール芯に対して平行に配置した正方形の隅角部の少なくとも2箇所に柱側接合用ボルト孔3を配しており、
H形鋼梁4は、その上下のフランジ7、8にH形鋼柱1のベースプレート2Aおよびトッププレート2Bの柱側接合用ボルト孔3に対向する接合用ボルト孔5群が間隔Dで配され、H形鋼柱1のベースプレート2Aおよびトッププレート2Bの接合用ボルト孔3と整合するようにした部材構成であることに鑑み、
ここに混在させる鋼管柱11は、その外径寸法をDとした角形鋼管あるいは溶接箱型断面とし、ベースプレート12Aおよびトッププレート12Bには、鋼管柱11の平行な2つの表面をX方向モジュール芯、前記表面と直交する2つの表面をY方向モジュール芯に配置して直交する外表面の交点をXY方向モジュール交点と一致させ、当該XY方向モジュール芯の交点Oを図心とし、各辺を両モジュール芯に対して平行に配置されたH形鋼柱1で規定する正方形Sと同寸法の正方形の隅角部の少なくとも2箇所に柱接合用ボルト孔13を配するように規格化し、もととなる一方向ラーメンシステムのモジュールDの最小グリッドに一致させて配置できるようにしたものである。
さらに、梁部材は、もととなるシステムのH形鋼梁4を、鋼管柱11の平行する2面の外表面の上下方向の延長線上に、ウェブ芯間隔Dで平行に配置される組み立て梁14のウェブ6A、6Bの芯を一致させて配するようにする。
各部材構成の詳細は、前述のとおりなので詳細は省略するが、追加する鋼管柱11の大きさ、配置ルール、梁部材の配置ルールを、もととなるシステムのモジュールDによって上記のように整理、標準化することにより、既往のシステムに一切影響を与えず、追加する鋼管柱11の受け側となる部分についても、イレギュラーな部材加工を不要とし、追加する鋼管柱11と、もととなるシステムで使用する部材を組み合わせるだけで、必要な部分の双方向ラーメン化を図ることができる。
最小モジュール寸法DをXY方向とも250mmとして計画した平面グリッドに、ベースプレートとトッププレートを有したH-259×100×6×9からなるH形鋼柱1の強軸方向とH-250×125×6×9からなるH形鋼梁4の長手方向と平行になるように配置して剛接合した梁通し型の鉄骨一方向ラーメン骨組みに、双方向ラーメン化して大空間を構築するために、新規に鋼管柱11を混在させて鉄骨骨組を構築した。
ベースプレート2Aとトッププレート2Bの板厚は19mmとし、柱側接合用ボルト孔3はハイテンションボルトM16に対応するように設けた。
混在させる鋼管柱11は冷間成形角形鋼管で、外径250mm、板厚16mmである。ベースプレート12Aの板厚は25mm、トッププレート12Bの板厚は19mmとしたが、応力レベルによって変更可能である。
基本となるH形鋼柱1の高さ(上下梁の内法高さ)を2700mmとしたとき、一組のH形鋼梁1の上下フランジに厚さ25mmの補強プレート10を取り付けた場合、最下階の鋼管柱11の高さは、2675mm、上階は2600mmで製作する。
1 H形鋼柱
2A ベースプレート
2B トッププレート
3 柱側接合用ボルト孔
4 H形鋼梁
5 梁側接合用ボルト孔
6、6A、6B 梁ウェブ
7、7A、7B 梁下フランジ
8、8A、8B 梁上フランジ
9 連結部材
10 補強プレート(板状体)
11 鋼管柱
12A ベースプレート
12B トッププレート
13 柱接合用ボルト孔
14 組み立て梁
14A 組み立て梁の一方のH形鋼梁
14B 組み立て梁の他方のH形鋼梁
23 補強プレートボルト孔
D モジュール寸法
S ボルト孔間隔を設定する正方形
t 補強プレート厚さ
o モジュール芯の交点
X X方向モジュール芯
Y Y方向モジュール芯

Claims (10)

  1. H形鋼柱のフランジ芯またはウェブ芯とH形鋼梁のウェブ芯を一致させて構成した鉄骨ラーメン骨組み架構に対し、外形が矩形の鋼管柱の外表面の上下方向の延長線と前記H形鋼柱のウェブ芯またはフランジ芯とを同一線上に配するとともに、前記鋼管柱の外表面と前記H形鋼梁のウェブ芯を一致させて混在させたことを特徴とする鉄骨骨組み構造。
  2. XY方向とも同じ基準寸法(モジュール)Dによる基準線でグリッドを形成した平面において、ベースプレートとトッププレートを有したH形鋼柱の強軸方向とH形鋼梁の長手方向とが平行になるように配置して剛接合した梁通し型の鉄骨一方向ラーメン骨組みに、新規に鋼管柱を混在させた鉄骨骨組み構造であって、
    前記H形鋼柱は、そのフランジ板厚中心距離または最外面距離をDとし、前記H形鋼柱のベースプレートおよびトッププレートには、フランジ板厚中心線または最外面をX方向モジュール芯、ウェブ板厚中心線をY方向モジュール芯に配置したとき、当該XY方向モジュール芯の交点を図心とし、各辺を両モジュール芯に対して平行に配置した正方形の隅角部の少なくとも2箇所に接合用ボルト孔を配しており、
    前記H形鋼梁は、そのフランジ幅を前記H形鋼柱のベースプレートおよびトッププレートの幅以上とし、上下フランジに前記H形鋼柱の前記ベースプレートおよび前記トッププレートの前記接合用ボルト孔に対向する接合用ボルト孔群が間隔Dで配され、前記H形鋼柱のベースプレートおよびトッププレートの接合用ボルト孔と整合させており、
    前記鋼管柱は、その外径寸法をDとした角形鋼管あるいは溶接箱型断面であって、前記ベースプレートおよび前記トッププレートには、前記鋼管柱の平行な2つの表面をX方向モジュール芯、前記表面と直交する2つの表面をY方向モジュール芯に配置したとき、当該XY方向モジュール芯の交点を図心とし、各辺を両モジュール芯に対して平行に配置された前記H形鋼柱で規定する正方形と同寸法の正方形の隅角部の少なくとも2箇所に接合用ボルト孔を配していることを特徴とする請求項1に記載の鉄骨骨組み構造。
  3. 前記鋼管柱の平行する2面の外表面の上下方向の延長線上に、ウェブ芯間隔Dで平行に配置される一組のH形鋼梁のウェブ芯を一致させて配したことを特徴とする請求項2に記載の鉄骨骨組み構造。
  4. ウェブ間隔Dで平行に配置される一組のH形鋼梁のウェブ同士を所定の間隔で相互に連結する複数の連結部を有し、該連結部のうちの2つは、梁ウェブが配される側の前記鋼管柱の平行する2面と直交する2面の上部にそれぞれ位置していることを特徴とする請求項3に記載の鉄骨骨組み構造。
  5. 前記一組のH形鋼梁の前記鋼管柱との接合部側のフランジにおいて、一対の接合部側フランジを連結する厚さtの板状体が、少なくとも前記鋼管柱のベースプレートまたはトッププレートと略同外寸で、当該フランジの接合用ボルト孔を一致して固定されており、前記鋼管柱の高さをH形鋼柱よりもt×n(n:上下方向に接合される一組のH形鋼梁の数量)だけ短くしたことを特徴とする請求項3又は4に記載の鉄骨骨組み構造。
  6. 前記鋼管柱の1面の外表面の上下方向の延長線上に、H形鋼梁のウェブ芯を一致させて配し、かつ当該H形鋼梁に直交し、鋼管柱の平行する2面の外表面の上下方向の延長線上に、ウェブ芯間隔Dで平行に配置される一組のH形鋼梁のウェブ芯を一致させて配しており、
    前記H形鋼梁の側面と前記一組のH形鋼梁の先端が連結され、鋼管柱の残りの一面の外表面の上下方向延長線上で前記一組のH形鋼梁の連結部を有していることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の鉄骨骨組み構造。
  7. 前記鋼管柱の1面の外表面の上下方向の延長線上に、H形鋼梁のウェブ芯を一致させて配し、かつ当該H形鋼梁に直交し、鋼管柱の平行する2面の外表面の上下方向の延長線上に、ウェブ芯間隔Dで平行に配置される一組のH形鋼梁のウェブ芯を一致させて配しており、
    前記一組のH形鋼梁の前記鋼管柱との接合部側のフランジにおいて、一対の接合部側フランジを連結する厚さtの板状体が前記H形鋼梁側に延出するように配置され、当該フランジの接合用ボルト孔を一致して固定されており、前記鋼管柱の高さをH形鋼柱よりもt×n(n:上下方向に接合される一組のH形鋼梁の数量)だけ短くされ、
    前記H形鋼梁の側面と前記一組のH形鋼梁の先端が前記板状体を介して連結され、鋼管柱の残りの一面の外表面の上下方向延長線上で前記一組のH形鋼梁の連結部を有していることを特徴とする請求項3又は4に記載の鉄骨骨組み構造。
  8. 前記鋼管柱の平行する2面の外表面の上下方向の延長線と、ウェブ芯間隔Dで平行に配置される一組のH形鋼梁のウェブ芯を一致させて配しており、かつ、それと直交するモジュール芯に前記H形鋼梁のウェブ芯を一致させて前記一組のH形鋼梁に直交し、その外側面と接合していることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の鉄骨骨組み構造。
  9. XY方向とも同じ基準寸法(モジュール)Dによる基準線でグリッドを形成した平面において、ベースプレートとトッププレートを有したH形鋼柱とH形鋼梁を梁通し型で構成して規格化した鉄骨ラーメン骨組みに、新規に鋼管柱を混在させる鋼管柱の混在方法であって、
    前記H形鋼柱は、そのフランジ板厚中心距離または最外面距離をDとし、前記H形鋼柱のベースプレートおよびトッププレートには、フランジ板厚中心線または最外面をX方向モジュール芯、ウェブ板厚中心線をY方向モジュール芯に配置したとき、当該XY方向モジュール芯の交点を図心とし、各辺を両モジュール芯に対して平行に配置した正方形の隅角部の少なくとも2箇所以上に接合用ボルト孔を配しており、
    前記H形鋼梁は、その上下フランジに前記H形鋼柱のベースプレートおよびトッププレートの前記接合用ボルト孔に対向する接合用ボルト孔群が間隔Dで配され、前記H形鋼柱のベースプレートおよびトッププレートの接合用ボルト孔と整合するようにした部材構成であり、
    混在させる前記鋼管柱は、その外径寸法をDとした角形鋼管あるいは溶接箱型断面とし、前記ベースプレートおよび前記トッププレートには、前記鋼管柱の平行な2つの表面をX方向モジュール芯、前記表面と直交する2つの表面をY方向モジュール芯に配置して直交する外表面の交点をXY方向モジュール交点と一致させ、当該XY方向モジュール芯の交点を図心とし、各辺を両モジュール芯に対して平行に配置された前記H形鋼柱で規定する正方形と同寸法の正方形の隅角部の少なくとも2箇所に接合用ボルト孔を配するようにしたことを特徴とする規格化した鉄骨ラーメン骨組みへの鋼管柱の混在方法。
  10. 請求項9に記載の規格化した鉄骨ラーメン骨組みへの鋼管柱の混在方法に、下記の(a)~(e)の部材配置ルールのうち一又は複数を適用したことと特徴とする規格化した鉄骨ラーメン骨組みへの鋼管柱の混在方法。
    (a)前記鋼管柱の平行する2面の外表面の上下方向の延長線上に、ウェブ芯間隔Dで平行に配置される一組のH形鋼梁のウェブ芯を一致させて配すること
    (b)ウェブ間隔Dで平行に配置される一組のH形鋼梁のウェブ同士を所定の間隔で相互に連結する複数の連結部を有し、該連結部のうちの2つは、梁ウェブが配される側の前記鋼管柱の平行する2面と直交する2面の上部にそれぞれ位置していること
    (c)前記一組のH形鋼梁の前記鋼管柱との接合部側のフランジにおいて、一対の接合部側フランジを連結する厚さtの板状体が、少なくとも前記鋼管柱のベースプレートまたはトッププレートと略同外寸で、当該フランジの接合用ボルト孔を一致して固定されており、前記鋼管柱の高さをH形鋼柱よりもt×n(n:上下方向に接合される一組のH形鋼梁の数量)だけ短くしたこと
    (d)前記鋼管柱の1面の外表面の上下方向の延長線上に、H形鋼梁のウェブ芯を一致させて配し、かつ当該H形鋼梁に直交し、鋼管柱の平行する2面の外表面の上下方向の延長線上に、ウェブ芯間隔Dで平行に配置される一組のH形鋼梁のウェブ芯を一致させて配しており、前記H形鋼梁の側面と前記一組のH形鋼梁の先端が連結し、鋼管柱の残りの一面の外表面の上下方向延長線上で前記一組のH形鋼梁の連結部を有していること
    (e)前記鋼管柱の平行する2面の外表面の上下方向の延長線と、ウェブ芯間隔Dで平行に配置される一組のH形鋼梁のウェブ芯を一致させて配しており、かつ、それと直交するモジュール芯に前記H形鋼梁のウェブ芯を一致させて前記一組のH形鋼梁に直交し、その外側面と接合していること
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