JP5281463B2 - 耐力フレームの構造、この耐力フレームを用いた建築物の製造方法及び建ち調整方法 - Google Patents

耐力フレームの構造、この耐力フレームを用いた建築物の製造方法及び建ち調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、鉄骨軸組構造の建築物の耐力壁として用いられる耐力フレームの構造、この耐力フレームを用いた建築物の製造方法及び建ち調整方法に関する。
従来より、鉄骨軸組構造の建築物、とりわけ規格化住宅等の低層建築物において、種々の耐力フレームが提案されている(例えば下記特許文献1ないし3参照)。
特許文献1及び2には、矩形枠内に斜材を架設して構成した耐力壁フレームが記載される。この耐力壁フレームは、矩形枠が上下の梁間、又は梁と土台間に配設されて建物の垂直荷重を支持するための構造材により構成される。また、前記斜材は、両端部を矩形枠に架設して取付けられたブレース本体と、ブレース本体の軸方向変位を許容しつつその面外変形を拘束するための拘束部材とからなるアンボンドブレースが用いられている。
また、特許文献3では、ブレースの端部に設けた取付プレートと、この取付プレートが取り付けられる柱材のブレース取付面とに、ボルト挿通孔及びピン孔をそれぞれ設けることが記載されている。そして、取付プレートのボルト挿通孔からブレース取付面のボルト挿通孔にボルトを挿通して取付プレートがブレース取付面に固定される。そして、取付プレートのピン孔からブレース取付面のピン孔にピンを圧接させた状態で圧入することにより、上記ボルトとボルト挿通孔間の隙間方向への取付プレートの動きをピンにて規制するものである。
特開2008−255654号公報 特開2007−332570号公報 特開2003−321872号公報
発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、耐力フレームを、基礎とその上をのびる梁との間の上下空間等をのびる第1の柱材と、前記第1の柱材に向かって凸となる略三角形状の三角フレーム体とに分割し、かつ、三角フレームと第1の柱材との接合部を改善することにより、第1の柱材に対して三角フレームを接合する際に、第1の柱材の建ちを容易に調整しうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
以上のように、本発明は、第1の柱材の建ち調整を容易に行うことが可能な耐力フレームの構造、この耐力フレームを用いた建築物の製造方法及び建ち調整方法を提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、基礎とその上をのびる梁との間の上下空間、又は上下の梁間の上下空間に架設される耐力フレームの構造であって、前記上下空間をのびる第1の柱材と、前記第1の柱材に向かって凸となる略三角形状の三角フレーム体とをボルトにて結合することにより形成され、前記第1の柱材は、その長さ方向の略中央部に、側方に突出しかつ下面が水平な第1取付面をなす上の受け金物と、該上の受け金物の前記第1取付面と向き合いかつその下方に位置する水平な第2取付面を有する下の受け金物とを具え、前記三角フレーム体は、前記第1の柱材と平行に前記上下空間をのびる第2の柱材と、一端がこの第2の柱材の上端側に固定されかつ他端側が第1の柱材に向かって下降する傾斜を有する上斜材と、一端が第2の柱材の下端側に固定されかつ他端側が第1の柱材に向かって上昇する傾斜を有する下斜材と、前記上斜材の他端と前記下斜材の他端とを継ぐとともに上端面から下端面までの垂直長さが前記第1取付面と第2取付面との間の垂直方向の間隙よりも小さい継ぎ部材とを含み、前記ボルトは、互いに向き合わせて配した前記継ぎ部材の上端面と前記上の受け金物の第1取付面との間の距離を調整可能な垂直方向にのびる上側ボルトと、互いに向き合わせて配した前記継ぎ部材の下端面と前記下の受け金物の第2取付面との間の距離を調整可能な垂直方向にのびる下側ボルトとを含み、しかも前記継ぎ部材の上端面と第1取付面との間及び/又は継ぎ部材の下端面と第2取付面との間の隙間を埋めるスペーサを具えることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、請求項1に記載された耐力フレームを用いた鉄骨軸組構造の建築物の製造方法であって、基礎と、梁と、それらの間をのびる前記第1の柱材とを含む1階の軸組構造体、又は、上下の梁と、それらの間をのびる前記第1の柱材とを含む階上の軸組構造体を構築する工程と、前記第1の柱材の上、下の受け金物間に、前記三角フレーム体の継ぎ部材を、前記上側ボルト及び下側ボルトを用いて仮固定するとともに、第2の柱材の上端及び下端を前記梁又は基礎に本固定する工程と、前記第1の柱材の建ちの倒れ方向を測定する工程と、前記建ちの倒れ方向に基づいて、前記上側ボルト又は下側ボルトを増し締めすることにより、第1の柱材をその倒れ方向と反対側に起こす建ち調整工程とを含むことを特徴とする。
また請求項3記載の発明は、前記建ち調整工程は、第1の柱材が第2の柱材側に倒れているときに、下側ボルトを増し締めすることにより行われる請求項2記載の建築物の製造方法である。
また請求項4記載の発明は、前記建ち調整工程は、第1の柱材が第2の柱材と反対側に倒れているときに、上側ボルトを増し締めすることにより行われる請求項2又は3記載の建築物の製造方法である。
また請求項5記載の発明は、前記建ち調整工程の後、前記継ぎ部材の上端面と第1取付面との間及び/又は継ぎ部材の下端面と第2取付面との間の隙間にスペーサを挿入する工程と、前記上側ボルト及び下側ボルトを本固定する工程とをさらに含む請求項2乃至4のいずれかに記載の建築物の製造方法である。
また請求項6記載の発明は、請求項1に記載された耐力フレームを用いた鉄骨軸組構造の建築物の建ちを調整するための方法であって、基礎と、梁と、それらの間をのびる前記第1の柱材とを含む1階の軸組構造体、又は、上下の梁と、それらの間をのびる前記第1の柱材とを含む階上の軸組構造体の前記第1の柱材の上、下の受け金物間に、前記三角フレーム体の継ぎ部材を、前記上側ボルト及び下側ボルトを用いて仮固定するとともに、第2の柱材の上端及び下端を前記梁又は基礎に本固定する工程と、前記第1の柱材の建ちの倒れ方向を測定する工程と、前記建ちの倒れ方向に基づいて、前記上側ボルト又は下側ボルトを増し締めすることにより、第1の柱材を倒れ方向と反対側に起こす建ち調整工程とを含むことを特徴とする建築物の建ち調整方法である。
本発明の耐力フレーム及びそれを用いた建築物の製造方法及び建ち調整方法では、上側ボルト又は下側ボルトの締め付けを調整することにより、第1の柱材に対する三角フレーム体の相対位置を上下に調節することができる。そして、建ちの倒れ方向に基づいて三角フレーム体を移動させることにより、第1の柱材を左右に傾動させ、その建ちを真っ直ぐに調整できる。従って、耐力フレームを形成するのと同時に、建ち調整が行える。つまり、従来のように、外部からワイヤーロープ等で柱を引っ張る等の大型な作業を行うことなく、施工現場内部で建ち調整を行うことが出来、生産性を格段に向上させることができる。
また、三角フレーム体の継ぎ部材は、水平な第1、第2取付面に固定されるとともに、継ぎ部材の上端面と第1取付面との間及び/又は継ぎ部材の下端面と第2取付面との間の隙間は、スペーサで埋められる。従って、第1の柱材と、三角フレーム体とは、軸組構造体に作用する水平荷重を水平な第1、第2の取付面の面圧方向で受けることができるため、垂直面で受ける場合に比べて、両部材の位置固定をより確実として、接合面での滑りによる位置ずれやボルトの折損等を効果的に防止でき、軸組構造体の耐久性をも向上しうる。
本実施形態の耐力フレームを用いた軸組構造体の正面図である。 その斜視図である。 図2の分解図である。 図2の要部拡大図である。 図1の断面図である。 (a)〜(c)は建ち調整工程を説明する正面図である。 (a)及び(b)は建ち調整工程を説明する模式図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1〜3に示されるように、本実施形態の耐力フレーム1は、基礎2と、該基礎2に沿ってその上を水平にのびる梁3との間の上下空間Sに架設されることにより、例えば鉄骨軸組構造住宅の1階の軸組構造体F1の一部を構成している。
前記耐力フレーム1は、前記上下空間Sをのびる第1の柱材4と、壁と対向した正面視において第1の柱材4に向かって凸となる横向きの略二等辺三角形状の三角フレーム体5とをボルト6にて結合することにより形成される。このように、耐力フレーム1を分割して構成することにより、現場への運搬性を向上できる。
前記第1の柱材4は、断面角パイプ状の鉄骨柱からなり、その下端は略箱状をなす取付金物B1を介して基礎2から突出するアンカーボルト2aを固定される。なお、基礎2と取付金物B1との間に土台等が介在しても良い。
また、第1の柱材4の上端には、略水平な板材からなる取付プレートB2が固着される。そして、この取付プレートB2は、コーナ金物Cにボルトにて固定されるととともに、該コーナ金物Cに前記梁3の一端がボルトにて固定される。これにより、コーナ金物Cは、実質的に梁3と一体化しその一部をみなすことができる。
また、図4及び図5に拡大して示されるように、第1の柱材4には、その長さ方向の略中央部に、側方に突出する上の受け金物7と、下の受け金物8とが上下に距離を隔てて設けられる。
上の受け金物7は、第1の柱材4の三角フレーム体5側を向く柱面に溶接にて固着された一対の側板部7a、7aと、該側板部7aの下面に溶接にて固着されかつ三角フレーム体5を支持する略水平な板状の受け部7bとから構成される。この受け部7bには、略中央部に透孔9が形成されるとともに、受け部7bの下面は、実質的に水平な第1取付面10が形成される。
同様に、下の受け金物8も、第1の柱材4の三角フレーム体5側を向く柱面に溶接にて固着された一対の側板部8a、8aと、該側板部8aの下面に溶接にて固着されかつ三角フレーム体5を支持する略水平な板状の受け部8bとから構成される。受け部8bにも、略中央部に透孔9が形成されるとともに、受け部8bの上面は、実質的に水平をなす第2取付面11が形成される。この第2取付面11は、上の受け金物7の前記第1取付面10と向き合いかつその下方に位置する。
前記三角フレーム体5は、図1〜3に示したように、第2の柱材12と、上斜材13と、下斜材14と、継ぎ部材15とを予め工場等で一体に固着して略三角形状に構成される。
また、前記第2の柱材12の下端側には、第1の柱材4と同様、アンカーボルト2aに固着するための取付金物B1が固着されるとともに、上端側には梁3にボルト固定するための取付プレートB2が固着されている。
前記上斜材13は、一端13aが第2の柱材12の上端側に固定されるとともに、他端側が第1の柱材4に向かって下降する傾斜を有する。また、下斜材14は、一端14aが第2の柱材の下端側に固定されるとともに、他端14b側が第1の柱材4に向かって上昇する傾斜を有する。これらの各斜材13、14には、引張力のみならず圧縮力が作用した場合でも大きく座屈することなく十分な耐変形抵抗性を示すいわゆるアンボンドブレース(座屈拘束ブレース)を採用することが望ましい。しかしながら、斜材13、14には、アンボンドブレース以外のブレース材を採用しても良いのは言うまでもない。
前記継ぎ部材15は、上斜材13の他端13bと、下斜材14の他端14bとを継いで第2の柱材12と平行に上下にのびている。図4に示されるように、本実施形態の継ぎ部材15は、溝部を第2の柱材12側に向けた溝型の枠材15aと、この枠材15aの上端に溶着されることにより継ぎ部材15の上端面Uをなす上板15bと、枠材15aの下端に溶着されることにより継ぎ部材15の下端面Dをなす下板15cとで構成される。また、前記上板15b及び下板15cには、上下の受け金物7、8にそれぞれ設けられた透孔9と同心に揃えられる透孔16が形成される。なお、継ぎ部材15の上端面U及び下端面Dは、実質的に平坦な水平面で形成される。
さらに、継ぎ部材15は、図5に示されるように、前記上端面Uから下端面Dまでの垂直長さhが、上下の受け金物7、8の第1取付面10と第2取付面11との間の垂直方向の間隙の高さHよりも小さく形成される。
以上のように構成された三角フレーム体5は、図5に示されるように、その継ぎ部材15を、上下の受け金物7、8間の間隙に配置した際に、継ぎ部材15の上端面Uと第1取付面10との間、及び、継ぎ部材15の下端面Uと第2取付面11との間に、それぞれ隙間を形成することができる。
前記ボルト6は、上側ボルト6A及び下側ボルト6Bからなる。上側ボルト6Aは、継ぎ部材15の上板15bと上の受け金物7とを締結する。また、下側ボルト6Bは、継ぎ部材15の下板15cと下の受け金物8とを締結する。各ボルト6A、6Bは、それぞれ受け金物側から透孔9及び16に挿入され、継ぎ部材15の内側に位置するナットに螺着される。なお、本実施形態のボルト6A、6Bは、安価ないわゆる中ボルトが用いられる。
また、図4に示すように、継ぎ部材15の上端面Uと第1取付面10との間及び/又は継ぎ部材15の下端面Dと第2取付面11との間には、これらの隙間を埋めるスペーサ18が配される。スペーサ18は、金属製の薄板からなり、前記ボルト6を避けて前記隙間内に挿入しうるよう、例えばスリット18aが形成されている。また、スペーサ18は、例えば厚さが異なる複数種類が予め準備され、これらを組み合わせて種々の隙間の厚さに対応させることができる。
以上のように構成された耐力フレーム1を用いた建築物の製造方法及び建ち調整方法について述べる。
先ず、図6(a)に示されるように、基礎2上に第1の柱材4が固定される。また、第1の柱材4の上端にはコーナ金物Cを介して梁3が固定される。これにより、1階の軸組構造体F1の一部が構築される。
次に、図6(b)に示されるように、第1の柱材4の上、下の受け金物7、8間に、三角フレーム体5の継ぎ部材15が、上側ボルト6A及び下側ボルト6Bを用いて仮固定される。この仮固定は、例えば、図5に示したように、継ぎ部材15の上端面Uと第1取付面10との間、及び、継ぎ部材15の下端面Uと第2取付面11との間の双方にそれぞれ隙間を形成させるとともに、上側ボルト6A及び下側ボルト6Bを軸方向に遊びを持たせた状態で固定した状態であるのが望ましい。ただし、三角フレーム体5は、比較的大きな自重を有するので、このような位置調整が困難な場合もある。かかる場合には、上側ボルト6A及び下側ボルト6Bを十分に緩めるとともに、継ぎ部材15の上下にほぼ均等な厚さのスペーサ18を噛み込ませて三角フレーム体の位置を保持させても良い。
他方、三角フレーム体5の第2の柱材12の上端及び下端は、それぞれ前記基礎2及び梁3に本固定される。これにより、三角フレーム体5の第2の柱材12が、前記上下空間Sに建て込まれる。
次に、第1の柱材4の垂直軸に対する建ちの倒れ方向を測定する工程が行われる。この工程は、例えば下げ振り等を使用して行われる。例えば、図6(b)に示されるように、第1の柱材4が垂直軸に対して矢印Aの倒れ方向に傾いているとする。また、図7(a)には、このような第1の柱材4の倒れ状態を模式図として誇張して示す。
図7(a)から明らかなように、第1の柱材4の建ちが真っ直ぐな状態では、梁3及び基礎2が、第1の柱材4と直角な軸線P1に沿う。軸組構造体F1をこのように変形させるためには、三角フレーム体5を第1の柱材4に対して相対的に下方に移動させれば良い。つまり、下側ボルト6Bを増し締めし、下の受け金物8の第2取付面11と、継ぎ部材15の下端面Dとの隙間(下側の隙間)を減らす一方、必要により上側ボルト6Aを緩め、上の受け金物7の第1取付面10と継ぎ部材15の上端面Uとの隙間(上側の隙間)を増加させれば良い。一方、三角フレーム体5の第2の柱材12は、基礎2によって上下方向の変位が拘束されるが、その下端はボルトで基礎2に固定されたいわゆるピン支点を構成する。従って、上述の継ぎ部材15の変位に伴い、第2の柱材12は、矢印B方向へと回転し、これにより、図6(c)に示されるように、第1の柱材4を、基礎2に対して、その倒れ方向Aと反対側に起こすことができる。
なお、上記仮固定時に、予めスペーサ18を上記各隙間に挿入している場合には、予めこれらを取り除いて調整を行うことができる。
また、図7(b)のように、第1の柱材4が、前記とは逆に、垂直軸に対しての矢印Bの倒れ方向を有する場合、その建ちを真っ直ぐにするためには、梁3及び基礎2を、第1の柱材4と直角な軸線P2に沿わせれば良い。このためには、三角フレーム体5を第1の柱材4に対して相対的に上方に移動させれば良い。つまり、上側ボルト6Aを増し締めし、上の受け金物7の第1取付面10と、継ぎ部材15の上端面Uとの隙間(上側の隙間)を減らす一方、必要により下側ボルト6Bを緩め、下の受け金物8の第2取付面11と、継ぎ部材15の下端面Dとの隙間(下側の隙間)を増加させれば良い。このような継ぎ部材15の変位に伴い、第2の柱材12は、その下端を支点として矢印A方向へと回転し、ひいては第1の柱材4を、その倒れ方向Bと反対側の矢印A方向に引き起こすことができる。
そして、第1の柱材4の垂直軸に対する倒れ方向及び大きさを測定しながら上記の調整を繰り返すことにより、第1の柱材4の建ちを真っ直ぐに調整することができる。
前記建ち調整は、実質的に、上下の受け金物7、8の前記間隙の高さHと、継ぎ部材15の前記垂直長さhとの差(H−h)に応じた調整代を持つことになる。特に限定されるものではないが、前記差(H−h)が小さすぎると、建ち調整代が小さくなるおそれがあるし、大きすぎると、スペーサ18を大量に使用する必要があるので施工性の低下や強度の低下などを招くおそれがある。このような観点より、本実施形態のような工業化住宅(柱高さが約2400mm程度)の場合、前記差(H−h)は、好ましくは2mm以上、より好ましくは4mm以上が望ましく、また、好ましくは10mm以下、より好ましくは8mm以下が望ましい。ただし、建築部の大きさ等に応じて、上記差(H−h)は任意に定めうるのは言うまでもない。
そして、建ち調整が完了した後、継ぎ部材15の上端面Uと第1取付面10との間及び/又は継ぎ部材15の下端面Dと第2取付面11との間の隙間にスペーサ18を挿入し、上側ボルト6A及び下側ボルト6Bがトルクレンチ等を用いて本固定される。これにより、第1の柱材4を真っ直ぐに軸組構造体に建て込むことができる。
以上説明したように、本実施形態の耐力フレーム1は、上側ボルト6A又は下側ボルト6Bの締め付けを調整することにより、第1の柱材4に対する三角フレーム体5の相対位置を上下に調節することができる。そして、建ちの倒れ方向に基づいて三角フレーム体5を移動させることにより、第1の柱材4を左又は右に傾動させながら、その建ちを真っ直ぐに調整できる。従って、従来のように、外部からワイヤーロープ等で柱を引っ張る等の大型な建ち調整作業が不要となり、施工性を格段に向上させることができる。
また、三角フレーム体5の継ぎ部材15は、水平な第1、第2取付面10、11で固定されるとともに、継ぎ部材15の上端面Uと第1取付面10との間及び/又は継ぎ部材15の下端面Dと第2取付面11との間の隙間は、スペーサ18で満たされる。従って、第1の柱材4と、三角フレーム体5とは、軸組構造体F1に作用する水平荷重を前記第1、第2の取付面10,11の面圧方向で受けることができる。従って、垂直面で軸組構造体の水平荷重を受ける場合に比べて、両部材4、5の位置固定をより確実とし、第1の柱材4と三角フレーム体5との接合面での滑りによる位置ずれを防止できる。また、標準的な中ボルトなどを用いた場合でも、上記面圧方向で水平荷重を受ける結果、ボルト6の折損等を効果的に防止でき、軸組構造体F1の耐久性をも向上しうる。
なお、上記実施形態では、主として1階の軸組構造体F1を中心に説明したが、本実施形態の耐力フレーム1は、2階以上の階上の軸組構造体にも適用することができるのは言うまでもない。
1 耐力フレーム
2 基礎
3 梁
4 第1の柱材
5 三角フレーム体
6 ボルト
6A 上側ボルト
6B 下側ボルト
7 上の受け金物
8 下の受け金物
10 第1取付面
11 第2取付面
12 第2の柱材
13 上斜材
14 下斜材
15 継ぎ部材
18 スペーサ

Claims (6)

  1. 基礎とその上をのびる梁との間の上下空間、又は上下の梁間の上下空間に架設される耐力フレームの構造であって、
    前記上下空間をのびる第1の柱材と、前記第1の柱材に向かって凸となる略三角形状の三角フレーム体とをボルトにて結合することにより形成され、
    前記第1の柱材は、その長さ方向の略中央部に、側方に突出しかつ下面が水平な第1取付面をなす上の受け金物と、該上の受け金物の前記第1取付面と向き合いかつその下方に位置する水平な第2取付面を有する下の受け金物とを具え、
    前記三角フレーム体は、前記第1の柱材と平行に前記上下空間をのびる第2の柱材と、一端がこの第2の柱材の上端側に固定されかつ他端側が第1の柱材に向かって下降する傾斜を有する上斜材と、一端が第2の柱材の下端側に固定されかつ他端側が第1の柱材に向かって上昇する傾斜を有する下斜材と、前記上斜材の他端と前記下斜材の他端とを継ぐとともに上端面から下端面までの垂直長さが前記第1取付面と第2取付面との間の垂直方向の間隙よりも小さい継ぎ部材とを含み、
    前記ボルトは、互いに向き合わせて配した前記継ぎ部材の上端面と前記上の受け金物の第1取付面との間の距離を調整可能な垂直方向にのびる上側ボルトと、
    互いに向き合わせて配した前記継ぎ部材の下端面と前記下の受け金物の第2取付面との間の距離を調整可能な垂直方向にのびる下側ボルトとを含み、しかも
    前記継ぎ部材の上端面と第1取付面との間及び/又は継ぎ部材の下端面と第2取付面との間の隙間を埋めるスペーサを具えることを特徴とする耐力フレームの構造。
  2. 請求項1に記載された耐力フレームを用いた鉄骨軸組構造の建築物の製造方法であって、
    基礎と、梁と、それらの間をのびる前記第1の柱材とを含む1階の軸組構造体、又は、上下の梁と、それらの間をのびる前記第1の柱材とを含む階上の軸組構造体を構築する工程と、
    前記第1の柱材の上、下の受け金物間に、前記三角フレーム体の継ぎ部材を、前記上側ボルト及び下側ボルトを用いて仮固定するとともに、第2の柱材の上端及び下端を前記梁又は基礎に本固定する工程と、
    前記第1の柱材の建ちの倒れ方向を測定する工程と、
    前記建ちの倒れ方向に基づいて、前記上側ボルト又は下側ボルトを増し締めすることにより、第1の柱材をその倒れ方向と反対側に起こす建ち調整工程とを含むことを特徴とする建築物の製造方法。
  3. 前記建ち調整工程は、第1の柱材が第2の柱材側に倒れているときに、下側ボルトを増し締めすることにより行われる請求項2記載の建築物の製造方法。
  4. 前記建ち調整工程は、第1の柱材が第2の柱材と反対側に倒れているときに、上側ボルトを増し締めすることにより行われる請求項2又は3記載の建築物の製造方法。
  5. 前記建ち調整工程の後、前記継ぎ部材の上端面と第1取付面との間及び/又は継ぎ部材の下端面と第2取付面との間の隙間にスペーサを挿入する工程と、
    前記上側ボルト及び下側ボルトを本固定する工程とをさらに含む請求項2乃至4のいずれかに記載の建築物の製造方法。
  6. 請求項1に記載された耐力フレームを用いた鉄骨軸組構造の建築物の建ちを調整するための方法であって、
    基礎と、梁と、それらの間をのびる前記第1の柱材とを含む1階の軸組構造体、又は、上下の梁と、それらの間をのびる前記第1の柱材とを含む階上の軸組構造体の前記第1の柱材の上、下の受け金物間に、前記三角フレーム体の継ぎ部材を、前記上側ボルト及び下側ボルトを用いて仮固定するとともに、第2の柱材の上端及び下端を前記梁又は基礎に本固定する工程と、
    前記第1の柱材の建ちの倒れ方向を測定する工程と、
    前記建ちの倒れ方向に基づいて、前記上側ボルト又は下側ボルトを増し締めすることにより、第1の柱材を倒れ方向と反対側に起こす建ち調整工程とを含むことを特徴とする建築物の建ち調整方法。
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