JP2023019579A - メス型端子、コネクタ、端子付き電線、コネクタ付き電線及びワイヤーハーネス - Google Patents

メス型端子、コネクタ、端子付き電線、コネクタ付き電線及びワイヤーハーネス Download PDF

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智明 谷川
Tomoaki Tanigawa
猛 渡辺
Takeshi Watanabe
隼矢 竹下
Junya Takeshita
隆寛 今村
Takahiro Imamura
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Abstract

【課題】基台部とバネ部材との溶接部が破損することを防止でき、導電性を安定的に確保することができるメス型端子、コネクタ、端子付き電線、コネクタ付き電線及びワイヤーハーネスを提供する。【解決手段】メス型端子10は、電線3に接続される基台部20と、基台部20に取り付けられるバネ部材30とで端子本体13が設けられている。基台部20は、オス型端子5が挿入可能な所定間隔を隔てて配置された一対の側壁21を有し、バネ部材30は、少なくとも側壁21の内側面21aに沿設された沿設板(内板31)と沿設板(内板31)から対向する側壁21に向かって延出されたアームバネ35とを有している。そして、少なくとも一方側の側壁21に、側壁21と沿設板(鍔板33ならびに外板32)とが溶接された二つ以上の溶接部Pt,Psが形成されている。【選択図】図3

Description

この発明は、大電流が流れる電気回路のメス型端子、コネクタ、端子付き電線、コネクタ付き電線及びワイヤーハーネスに関する。
従来より、電気機器は、電動装置や電源装置をワイヤーハーネスによって接続することで電気回路を構成している。ワイヤーハーネスと電動装置ならびにワイヤーハーネスと電源装置は、それぞれに装着されたコネクタを介して互いに接続されている。
例えば、特許文献1に示すコネクタは、コネクタハウジングにメス型端子を収容したものである。かかるメス型端子は、基台部とバネ部材によって端子本体が構成されており、オス型端子が挿入された際にはバネ部材の一部であるアームバネが撓るように変形することとなる。
特開2009-245701号公報
ところで、自動車における駆動系等の電気回路においては、大電流が流れることから、良好な導電性を確保すべく基台部とバネ部材を溶接することが考えられる。しかし、アームバネが大きく変形する場合はもちろん、導電性の向上のためにバネ部材を厚い基材にて形成した場合は、アームバネの柔軟性が低下するため、基台部とバネ部材との溶接部に過大な負荷が作用する。そのため、基台部とバネ部材との溶接部が破損し、導電性が不安定になってしまうおそれがあった。
この発明は、基台部とバネ部材との溶接部が破損することを防止でき、導電性を安定的に確保することができるメス型端子、コネクタ、端子付き電線、コネクタ付き電線及びワイヤーハーネスを提供することを目的としている。
この発明は、電線に接続される基台部と、前記基台部に取り付けられるバネ部材とで端子本体が設けられ、前記基台部は、オス型端子が挿入可能な所定間隔を隔てて配置された一対の側壁を有し、前記バネ部材は、少なくとも前記側壁の内側面に沿設された沿設板と当該沿設板から対向する前記側壁に向かって延出されたアームバネとを有しており、少なくとも一方側の前記側壁に、前記側壁と前記沿設板とが溶接された二つ以上の溶接部が形成されたメス型端子である。
またこの発明には、前述のメス型端子と、前記メス型端子を収容するコネクタハウジングとが備えられたコネクタ、ならびに前述のメス型端子と、前記メス型端子の前記基台部に接続される前記電線とが備えられた端子付き電線が含まれるものとする。
さらにこの発明には、前述の端子付き電線と、前記端子付き電線を収容するコネクタハウジングとが備えられたコネクタ付き電線、ならびに前述の端子付き電線及び前述のコネクタ付き電線のうち少なくとも一方が備えられたワイヤーハーネスが含まれるものとする。
この発明により、基台部とバネ部材との溶接部が破損することを防止でき、導電性を安定的に確保することができる。
詳述すると、本願発明に係るメス型端子等においては、少なくとも一方側の側壁と沿設板とが溶接されて二つ以上の溶接部が形成されている。このような構成により、オス型端子の挿入によってアームバネが押され、これに伴って沿設板に荷重が伝達しても、それぞれの溶接部に対して負荷が分散して作用する。したがって、基台部とバネ部材との溶接部が破損することを防止できる。また、特定の溶接部に負荷が集中し、この溶接部が破損したとしても、全ての溶接部が一度に破損してしまうことを防止できる。したがって、導電性を安定的に確保することができる。
この発明の態様として、前記側壁の先端面に前記沿設板が沿設されており、前記溶接部は、前記側壁の先端面と前記沿設板とが溶接された先端面溶接部を含んでもよい。
なお、本発明における先端面とは、一対の側壁のうち少なくとも一方側の側壁におけるオス型端子の挿入方向に対して交差する面を指す。また、本発明における沿設板とは、側壁の先端面を覆うように沿設されたバネ部材の一部分であって、側壁の内側面に沿設された沿設板と一体的に構成されている。本発明では、側壁の内側面と先端面を覆う沿設板に二つ以上の溶接部が形成されており、そのうちの少なくとも一つの溶接部(先端面溶接部)が側壁の先端面を覆う部分に形成されていることを限定している。
この発明により、オス型端子の挿入によってアームバネが押され、これに伴って側壁の内側面に沿う沿設板に荷重が伝達しても、この沿設板を折り曲げて形成された側壁の先端面に沿う部分(沿設板)にはほとんど変形が生じない。つまり、側壁の内側面から先端面までを覆う沿設板には、曲部が一箇所あり、側壁の内側面を覆う部分に対して先端面を覆う部分が垂直に配置されているため、一箇所の曲部が弾性変形することによる荷重の吸収によって先端面を覆う部分にはほとんど変形が生じない。したがって、側壁の先端面と沿設板との溶接部に過大な負荷が作用することを防止できる。ひいては、基台部とバネ部材との溶接部が破損することを防止でき、導電性を安定的に確保することができる。
加えて、側壁の先端面とこの先端面に沿う沿設板とは、オス型端子の挿入方向に対して交差する面であるため、これらの溶接を行う溶接機の近接や移動が自在である。そのため、かかる溶接工程を容易に実現することができる。この点、側壁の先端面に対して沿設板が重なった部分は、幅が狭く長さが長い形状となるため、直線状又は点線状の溶接を行うことが好ましい。なお、基台部の基材を折り曲げて一対の側壁を形成する前に、側壁の先端面となる部分に予めバネ部材を溶接するとしてもよい。
またこの発明の態様として、前記側壁の外側面に前記沿設板が沿設されており、前記溶接部は、前記側壁の外側面と前記沿設板とが溶接された外側面溶接部を含んでもよい。
なお、本発明における外側面とは、一対の側壁のうち少なくとも一方側の側壁におけるオス型端子の側面に対向する面の反対側の面を指す。また、本発明における沿設板とは、側壁の外側面を覆うように沿設されたバネ部材の一部分であって、側壁の内側面及び先端面に沿設された沿設板と一体的に構成されている。本発明では、側壁の内側面と先端面と外側面を覆う沿設板に二つ以上の溶接部が形成されており、そのうちの少なくとも一つの溶接部(外側面溶接部)が側壁の外側面を覆う部分に形成されていることを限定している。
この発明により、オス型端子の挿入によってアームバネが押され、これに伴って側壁の内側面に沿う沿設板に荷重が伝達しても、この沿設板を折り曲げて形成された側壁の外側面に沿う部分(沿設板)にはほとんど変形が生じない。つまり、側壁の内側面から外側面までを覆う沿設板には、曲部が二箇所あり、側壁の内側面を覆う部分に対して外側面を覆う部分が所定間隔を隔てて平行に配置されているため、二箇所の曲部が弾性変形することによる荷重の吸収によって外側面を覆う部分にはほとんど変形が生じない。したがって、側壁の外側面と沿設板との溶接部に過大な負荷が作用することを防止できる。ひいては、基台部とバネ部材との溶接部が破損することを防止でき、導電性を安定的に確保することができる。
加えて、側壁の外側面とこの外側面に沿う沿設板とは、挿入されたオス型端子の側面に対向する面の反対側の面であるため、これらの溶接を行う溶接機の近接や移動が自在である。そのため、かかる溶接工程を容易に実現することができる。この点、側壁の外側面に対して沿設板が重なった部分は、幅が広く長さが長い形状となるため、あらゆる溶接態様を適用することができる。なお、基台部の基材を折り曲げて一対の側壁を形成する前に、側壁の外側面となる部分に予めバネ部材を溶接するとしてもよい。
またこの発明の態様として、前記溶接部は、前記側壁の内側面と前記沿設板とが溶接された内側面溶接部を含んでもよい。
なお、本発明における内側面とは、一対の側壁のうち少なくとも一方側の側壁におけるオス型端子の側面に対向する面を指す。また、本発明における沿設板とは、側壁の内側面を覆うように沿設されたバネ部材の一部分であって、側壁の先端面や外側面に沿設された沿設板の有無を問わない。本発明では、沿設板が側壁の内側面のみを覆っている場合は、この沿設板に二つ以上の溶接部が形成されていることを限定している。また、沿設板が側壁の内側面のほかに先端面等を覆っている場合は、これらの沿設板に二つ以上の溶接部が形成されており、そのうちの少なくとも一つの溶接部(内側面溶接部)が側壁の内側面を覆う部分に形成されていることを限定している。
この発明により、オス型端子の挿入によってアームバネが押され、これに伴って側壁の内側面に沿う沿設板に荷重が伝達しても、側壁の内側面と沿設板とが溶接されているため、かかる部分(沿設板)にはほとんど変形が生じない。つまり、側壁の内側面と沿設板とが溶接されているということは、側壁の内側面とこれを覆う沿設板とが当接した状態で一体になっているということであり、沿設板の剛性の向上によってかかる部分にはほとんど変形が生じない。したがって、側壁の内側面と沿設板との溶接部に過大な負荷が作用することを防止できる。ひいては、基台部とバネ部材との溶接部が破損することを防止でき、導電性を安定的に確保することができる。
加えて、側壁の内側面とこの内側面に沿う沿設板とは、挿入されたオス型端子の側面に対向する面であるため、これらの溶接を行う溶接機の近接や移動が不自由である。そのため、かかる溶接工程は、レーザー溶接機を用いて基台部の開口端から斜めに溶接を行えば容易である。なお、基台部の基材を折り曲げて一対の側壁を形成する前に、側壁の内側面となる部分に予めバネ部材を溶接するとしてもよい。
またこの発明の態様として、前記溶接部が線状に形成されており、少なくとも一つの前記溶接部が他の前記溶接部に対して交差する方向に形成されてもよい。
なお、本発明における他の溶接部に対して交差する方向とは、他の溶接部の溶接線の方向に対して平行とならない全ての方向を表している。
この発明により、溶接部が形成された沿設板に荷重が伝達しても、溶接線の方向が異なるために、それぞれの溶接部に負荷が分散して作用することとなる。また、それぞれの溶接部に作用する負荷の大きさが異なることとなる。そのため、全ての溶接部が一度に破損してしまうことを防止でき、導電性を安定的に確保することができる。
またこの発明の態様として、前記溶接部が線状に形成されており、少なくとも一つの前記溶接部が他の前記溶接部に対して異幅に形成されてもよい。
なお、本発明における他の溶接部に対して異幅とは、他の溶接部の溶接線の太さに対して等しくない全ての太さを表している。
この発明により、溶接部が形成された沿設板に荷重が伝達しても、溶接線の太さが異なるために、それぞれの溶接部における耐えうる負荷の大きさが異なることとなる。そのため、全ての溶接部が一度に破損してしまうことを防止でき、導電性を安定的に確保することができる。例えば、他の溶接部の溶接線の太さよりも太くした場合は、他の溶接部に比べて遅れて破損に至るため、全ての溶接部が一度に破損してしまうことを防止できる。反対に、他の溶接部の溶接線の太さよりも細くした場合は、他の溶接部に比べて早くに破損に至るため、全ての溶接部が一度に破損してしまうことを防止できる。
またこの発明の態様として、前記溶接部が線状に形成されており、少なくとも一つの前記溶接部が曲線状又は折線状に形成されてもよい。
なお、本発明における曲線状又は折線状とは、溶接線が湾曲又は折曲していることを表している。例えば、正弦波や三角波、矩形波などの形状が含まれる。
この発明により、溶接部が形成された沿設板に荷重が伝達しても、溶接線の全長が異なるために、それぞれの溶接部はもちろん、曲線状又は折線状の溶接部における所定区間ごとにも負荷が分散して作用することとなる。また、それぞれの溶接部はもちろん、曲線状又は折線状の溶接部における所定区間ごとにも作用する負荷の大きさが異なることとなる。さらに、それぞれの溶接部はもちろん、曲線状又は折線状の溶接部における所定区間ごとにも耐えうる負荷の大きさが異なることとなる。そのため、全ての溶接部が一度に破損してしまうことを防止でき、導電性を安定的に確保することができる。
またこの発明の態様として、前記溶接部が線状に形成されており、少なくとも一つの前記溶接部が点線状に形成されてもよい。
なお、本発明における点線状とは、線状ではあるが溶接線が連続していないものを表している。例えば、破線や一点鎖線、二点鎖線などの形状が含まれる。
この発明により、溶接部が形成された沿設板に荷重が伝達しても、溶接線がつながっていないために、それぞれの溶接部はもちろん、点線状の溶接部における溶接点ごとにも負荷が分散して作用することとなる。また、それぞれの溶接部はもちろん、点線状の溶接部における溶接点ごとにも作用する負荷の大きさが異なることとなる。さらに、それぞれの溶接部はもちろん、点線状の溶接部における溶接点ごとにも耐えうる負荷の大きさが異なることとなる。そのため、全ての溶接部が一度に破損してしまうことを防止でき、導電性を安定的に確保することができる。
またこの発明の態様として、複数の前記アームバネが長手方向に沿って並列に配置されており、これらの前記アームバネの基点部に最も近い前記溶接部が前記長手方向に対して平行に形成されてもよい。
この発明により、それぞれのアームバネから溶接部までの距離が近いため、かかる溶接部が電流が流れる際の主な経路となる。すなわち、オス型端子からメス型端子に電流が流れる場合にあっては、オス型端子に当接している接点部からアームバネを経由し、溶接部を通って側壁に電流が流れることとなる。反対に、メス型端子からオス型端子に電流が流れる場合にあっては、側壁と沿設板とを溶接している溶接部からアームバネを経由し、接点部を通ってオス型端子に電流が流れることとなる。したがって、これら端子における電気抵抗を低く抑えることができる。かかる構造は、大電流が流れる電気回路に特に適した構造といえる。
なお、アームバネの基点部に最も近い溶接部は、電流が流れる際の主な経路となることから、導電用溶接部と表すことができる。すると、その他の溶接部は、基台部とバネ部材とをより強固に固定するための固定用溶接部と表すことができる。但し、導電用溶接部であっても、基台部とバネ部材とを固定する機能を有しており、固定用溶接部であっても、電流が流れる際の経路としての機能を有している。
コネクタを示す全体斜視図。 メス型端子の分解斜視図。 メス型端子の斜視図。 メス型端子の側面図。 メス型端子の正面図。 メス型端子の平面図。 図6におけるA-A矢視断面図。 図6におけるB-B矢視断面図及びC-C矢視断面図。 メス型端子の内側にオス型端子を挿入した状態の拡大断面図。 メス型端子の組立説明図。 他の実施形態に係るメス型端子の斜視図。 他の実施形態に係るメス型端子の斜視図。 他の実施形態に係るメス型端子の断面図。
この発明の一実施形態を図面に基づいて詳述する。
図1はコネクタ1を示す全体斜視図である。図1においては、メス型端子10を収容するコネクタハウジング4を破線にて表している。
図2はメス型端子10の分解斜視図である。図3はメス型端子10の斜視図である。図4はメス型端子10の側面図であり、図5はメス型端子10の正面図であり、図6はメス型端子10の平面図である。また、図7は図6におけるA-A矢視断面図であり、図8は図6におけるB-B矢視断面図及びC-C矢視断面図である。さらに、図9はメス型端子10の内側にオス型端子5を挿入した状態の拡大断面図であり、図10はメス型端子10の組立説明図である。
図1に示すように、コネクタ1は、ワイヤーハーネス2を構成する電線3の先端部分に取り付けられている。コネクタ1は、コネクタハウジング4に二つのメス型端子10を平行に収容したものである。
ワイヤーハーネス2は、複数の電線3を束ねることで構成されている。電線3は、電導体である芯線3aを絶縁被覆3bで覆ったものであり、その先端部分にて露出した芯線3aがメス型端子10の基台部20に接続されている。
コネクタハウジング4は、電線3が挿通される電線挿通部41と、メス型端子10を収容する端子収容部42とを有している。メス型端子10が収容される収容空間4Sは、略四角形状に開口されており、この開口にオス型端子を収容するコネクタハウジングの突出部分が嵌合される。その際、メス型端子10の内側にオス型端子5(図9参照)が挿入され、端子同士が電気的に接続されることとなる。
図2から図10に示すように、メス型端子10は、電線接続部11と端子接続部12とで構成されている。電線接続部11と端子接続部12は、電線3の延長線上に直列に設けられている。本願においては、かかる方向を長手方向Lとして説明する。また、オス型端子5(図9参照)を挿入する方向に対して平行となる方向を高さ方向Hとし、長手方向L及び高さ方向Hに対して直行する方向を幅方向Wとして説明する。
電線接続部11には、幅方向Wに対して垂直となる接続板111が設けられている。また、接続板111の上方側端部ならびに下方側端部が折り曲げられて案内片112が設けられている。それぞれの案内片112は、接続板111に対して溶接される芯線3aの広がりを抑える役割を有している。
端子接続部12には、オス型端子5と電気的に接続される端子本体13が設けられている。本実施形態に係るメス型端子10において、端子本体13は、電線接続部11を含んで一体的に形成された基台部20と、基台部20に取り付けられるバネ部材30とで構成されている。以下に、基台部20とバネ部材30について詳しく説明するものとする。
基台部20は、オス型端子5が挿入可能な所定間隔を隔てて配置された一対の側壁21を有している。より詳しく説明すると、基台部20は、それぞれが幅方向Wに対して垂直となる所定間隔を隔てた一対の側壁21を有している。また、基台部20は、それぞれの側壁21における下方側端部をつなぐ底壁22を有している。そのため、基台部20は、長手方向Lから視て略U字状となっている(図4参照)。
また、基台部20における一方側の側壁21は、接続板111を長手方向Lに延出することによって形成されている。他方側の側壁21は、案内片112が形成された側に板材(基台部20の基材)を折り返すことで形成されている。そのため、基台部20は、高さ方向Hから視て略矩形状となっている(図6参照)。このように、基台部20は、案内片112が形成された側に他方側の側壁21を形成することで、メス型端子10のコンパクト化を実現している。
さらに、基台部20における上方側の案内片112は、接続板111の上方側端部を折り曲げることによって形成されているところ、かかる案内片112を形成する際に側壁21が歪まないよう切欠部11aが設けられている。同様に、基台部20における下方側の案内片112も、接続板111の下方側端部を折り曲げることによって形成されているところ、かかる案内片112を形成する際に側壁21が歪まないよう切欠部11bが設けられている。なお、切欠部11bにてバネ部材30の一部が露出しており、バネ部材30を下方側から押し出して取り外すことを可能としている(図5参照)。
加えて、基台部20は、銅合金やアルミ合金等の導電性を有する板材から切り出され、かつ折り曲げられることによって形成されている。基台部20は、その表面にメッキ処理を施したものではないが、これに限定するものではない。そのため、その表面に導電性を向上させる銀メッキ又は錫メッキ等のメッキ処理を施したものであってもよい。あるいは部分的にメッキ処理を施したものであってもよい。部分的にメッキ処理を施したものとは、例えば、電線接続部11や端子接続部12の一面にメッキ処理を施したものが考えられる。あるいは電線接続部11にのみメッキ処理を施したものや端子接続部12にのみメッキ処理を施したものが考えられる。
バネ部材30は、一対の側壁21の間に嵌め込まれた状態において側壁21の内側面21aに沿う内板31を有している。また、側壁21の外側面21bに沿う外板32を有している。さらに、内板31と外板32における上方側端部をつなぐ鍔板33を有している。そして、それぞれの内板31における下方側端部をつなぐ底板34を有している。そのため、バネ部材30は、長手方向Lから視て略M字状となっている(図4参照)。
また、バネ部材30における一方側の内板31は、側壁21の開口端縁に沿って長手方向Lに延びており、この内板31から対向する側壁21に向かって六つのアームバネ35が延出されている(図7参照)。これらアームバネ35は、全て同じ形状とされており、具体的には、長手方向Lから視て対向する側壁21に近づくように斜め下方側に延び、かつその先端縁を含む一部が折り返された形状となっている(図8参照)。
なお、一方側の内板31に設けられたアームバネ35は、側壁21の開口端縁に沿う内板31の下端縁から延びており、この内板31との境界部分がそれぞれアームバネ35の基点部Pbとされる(図8参照)。本メス型端子10において、基点部Pbは、側壁21の内側面21aに対して僅かな隙間をあけて位置している。但し、メス型端子10の内側にオス型端子5が挿入された際に変形に伴って当接するとしてもよい。
さらに、バネ部材30における他方側の内板31も、側壁21の開口端縁に沿って長手方向Lに延びており、この内板31から対向する側壁21に向かって六つのアームバネ35が延出されている(図7参照)。これらアームバネ35は、全て同じ形状とされており、具体的には、長手方向Lから視て対向する側壁21に近づくように斜め下方側に延び、かつその先端縁を含む一部が折り返された形状となっている(図8参照)。
なお、他方側の内板31に設けられたアームバネ35も、側壁21の開口端縁に沿う内板31の下端縁から延びており、この内板31との境界部分がそれぞれアームバネ35の基点部Pbとされる(図8参照)。本メス型端子10において、基点部Pbは、側壁21の内側面21aに対して僅かな隙間をあけて位置している。但し、メス型端子10の内側にオス型端子5が挿入された際に変形に伴って当接するとしてもよい。
加えて、バネ部材30は、側壁21の先端面21cに対して鍔板33が面接触した状態となっている。そして、この面接触している領域に長手方向Lに沿って溶接が行われている。そのため、鍔板33には、長手方向Lに沿って直線状の溶接部Ptが形成されている(図3及び図6参照)。かかる溶接部Ptは、それぞれのアームバネ35から最も距離が近く、かつそれぞれのアームバネ35からの距離が等しい。なお、溶接部Ptは、側壁21や鍔板33の一部が溶融して再び冷え固まった部分を指している。溶接部Ptの周囲には、熱影響領域(溶接熱によって母材組織に変化が生じた部分)が形成される。溶接部Ptは、円や線などの細かいパターンを描きながら走査する、いわゆるウォブリング溶接としてもよい。
さらに加えて、バネ部材30は、側壁21の外側面21bに対して外板32が面接触した状態となっている。そして、この面接触している領域に高さ方向Hに沿って溶接が行われている。そのため、外板32には、高さ方向Hに沿って直線状の溶接部Psが形成されている(図3及び図5参照)。かかる溶接部Psは、溶接部Ptに対して垂直に形成されており、かつ溶接部Ptに対して溶接線が太く形成されている。なお、溶接部Psも、側壁21や外板32一部が溶融して再び冷え固まった部分を指している。溶接部Psの周囲にも、熱影響領域(溶接熱によって母材組織に変化が生じた部分)が形成される。溶接部Psは、円や線などの細かいパターンを描きながら走査する、いわゆるウォブリング溶接としてもよい。
ところで、図10に示すように、本実施形態に係るメス型端子10は、以下のように組み立てられる。すなわち、基台部20における一対の側壁21の間にバネ部材30を嵌め込み(図10(a)参照)、側壁21の先端面21cとこの先端面21cに対して面接触した鍔板33を溶接し(図10(b)参照)、側壁21の外側面21bとこの外側面21bに対して面接触した外板32を溶接して組み立てられる(図10(c)参照)。
なお、メス型端子10は、一方側の側壁21における外側面21bから他方側の側壁21における外側面21bまでの幅寸法をdとし、一方側の外板32における内側面32bから他方側の外板32における内側面32bまでの幅寸法をDとした場合、d≧Dの関係が成り立つように構成されている。また、底壁22の内側面22dから側壁21の先端面21cまでの高さ寸法をhとし、底板34の外側面34dから鍔板33の内側面33cまでの高さ寸法をHとした場合、h≧Hの関係が成り立つように構成されている。このため、バネ部材30のガタつきを抑え、接触箇所を広く確保でき、確実に外板32や鍔板33を面接触させることができる。
以上のように、本実施形態に係るメス型端子10は、電線3に接続される基台部20と、基台部20に取り付けられるバネ部材30とで端子本体13が設けられている。基台部20は、オス型端子5が挿入可能な所定間隔を隔てて配置された一対の側壁21を有し、バネ部材30は、少なくとも側壁21の内側面21aに沿設された内板31と内板31から対向する側壁21に向かって延出されたアームバネ35とを有している。そして、少なくとも一方側の側壁21に、側壁21と鍔板33ならびに側壁21と外板32とが溶接された二つ以上の溶接部Pt,Psが形成されている。
このようなメス型端子10によれば、基台部20とバネ部材30との溶接部Pt,Psが破損することを防止でき、導電性を安定的に確保することができる。
詳述すると、本願発明に係るメス型端子10においては、側壁21と鍔板33ならびに外板32が溶接されて二つ以上の溶接部Pt,Psが形成されている。このような構成により、オス型端子5の挿入によってアームバネ35が押され(図9における矢印F参照)、これに伴って内板31に荷重が伝達しても、それぞれの溶接部Pt,Psに対して負荷が分散して作用する。したがって、基台部20とバネ部材30との溶接部Pt,Psが破損することを防止できる。また、特定の溶接部Pt,Psに負荷が集中し、この溶接部Pt,Psが破損したとしても、全ての溶接部Pt,Psが一度に破損してしまうことを防止できる。したがって、導電性を安定的に確保することができる。
また、かかるメス型端子10においては、側壁21の先端面21cに鍔板33が沿設されており、溶接部Pt,Psは、側壁21の先端面21cと鍔板33とが溶接された片側一本の溶接部Ptを含んでいる。溶接部Ptは、長手方向Lに沿って直線状となっている(図3及び図6参照)。
このようなメス型端子10によれば、オス型端子5の挿入によってアームバネ35が押され(図9における矢印F参照)、これに伴って側壁21の内側面21aに沿う内板31に荷重が伝達しても、この内板31を折り曲げて形成された側壁21の先端面21cに沿う部分(鍔板33)にはほとんど変形が生じない。つまり、側壁21の内側面21aから先端面21cまでを覆う内板31及び鍔板33には、曲部が一箇所あり、側壁21の内側面21aを覆う部分(内板31)に対して先端面21cを覆う部分(鍔板33)が垂直に配置されているため、一箇所の曲部が弾性変形することによる荷重の吸収によって先端面を覆う部分(鍔板33)にはほとんど変形が生じない。したがって、側壁21の先端面21cと鍔板33との溶接部Ptに過大な負荷が作用することを防止できる。ひいては、基台部20とバネ部材30との溶接部Ptが破損することを防止でき、導電性を安定的に確保することができる。
加えて、側壁21の先端面21cとこの先端面21cに沿う鍔板33とは、オス型端子5の挿入方向に対して交差する面であるため、これらの溶接を行う溶接機の近接や移動が自在である。そのため、かかる溶接工程を容易に実現することができる。この点、側壁21の先端面21cに対して鍔板33が重なった部分は、幅が狭く長さが長い形状となるため、直線状又は点線状の溶接を行うことが好ましい。なお、基台部20の基材を折り曲げて一対の側壁21を形成する前に、側壁21の先端面21cとなる部分に予めバネ部材30を溶接するとしてもよい。
また、かかるメス型端子10においては、側壁21の外側面21bに外板32が沿設されており、溶接部Pt,Psは、側壁21の外側面21bと外板32とが溶接された片側四本の溶接部Psを含んでいる。それぞれの溶接部Psは、高さ方向Hに沿って直線状となっている(図3及び図6参照)。
このようなメス型端子10によれば、オス型端子5の挿入によってアームバネ35が押され(図9における矢印F参照)、これに伴って側壁21の内側面21aに沿う内板31に荷重が伝達しても、この内板31を折り曲げて形成された側壁21の外側面21bに沿う部分(外板32)にはほとんど変形が生じない。つまり、側壁21の内側面21aから外側面21bまでを覆う内板31、外板32及び鍔板33には、曲部が二箇所あり、側壁21の内側面21aを覆う部分(内板31)に対して外側面21bを覆う部分(外板32)が所定間隔を隔てて平行に配置されているため、二箇所の曲部が弾性変形することによる荷重の吸収によって外側面21bを覆う部分(外板32)にはほとんど変形が生じない。したがって、側壁21の外側面21bと外板32との溶接部Psに過大な負荷が作用することを防止できる。ひいては、基台部20とバネ部材30との溶接部Psが破損することを防止でき、導電性を安定的に確保することができる。
加えて、側壁21の外側面21bとこの外側面21bに沿う外板32とは、挿入されたオス型端子5の側面に対向する面の反対側の面であるため、これらの溶接を行う溶接機の近接や移動が自在である。そのため、かかる溶接工程を容易に実現することができる。この点、側壁21の外側面21bに対して外板32が重なった部分は、幅が広く長さが長い形状となるため、あらゆる溶接態様を適用することができる。なお、基台部20の基材を折り曲げて一対の側壁21を形成する前に、側壁21の外側面となる部分に予めバネ部材30を溶接するとしてもよい。
また、かかるメス型端子10においては、溶接部Pt,Psが線状に形成されており、片側四本の溶接部Psが溶接部Ptに対して交差する方向に形成されている。本実施形態に係るメス型端子10においては、溶接部Ptの溶接線の方向(長手方向Lに沿う方向)に対して垂直に交差する方向(高さ方向Hに沿う方向)に形成されている。
このようなメス型端子10によれば、溶接部Pt,Psが形成された鍔板33ならびに外板32に荷重が伝達しても、溶接線の方向が異なるために、それぞれの溶接部Pt,Psに負荷が分散して作用することとなる。また、それぞれの溶接部Pt,Psに作用する負荷の大きさが異なることとなる。そのため、全ての溶接部Pt,Psが一度に破損してしまうことを防止でき、導電性を安定的に確保することができる。
また、かかるメス型端子10においては、溶接部Pt,Psが線状に形成されており、片側四本の溶接部Psが溶接部Ptに対して異幅に形成されている。本実施形態に係るメス型端子10においては、溶接部Ptの溶接線の太さ(溶融して再び冷え固まった部分の太さ)に対してより太く形成されている。
このようなメス型端子10によれば、溶接部Pt,Psが形成された鍔板33ならびに外板32に荷重が伝達しても、溶接線の太さが異なるために、それぞれの溶接部Pt,Psにおける耐えうる負荷の大きさが異なることとなる。そのため、全ての溶接部Pt,Psが一度に破損してしまうことを防止でき、導電性を安定的に確保することができる。つまり、溶接部Ptの溶接線の太さよりも太くしていることから、溶接部Ptに比べて遅れて破損に至るため、全ての溶接部Pt,Psが一度に破損してしまうことを防止できる。
また、かかるメス型端子10においては、アームバネ35が長手方向Lに沿って並列に配置されており、これらのアームバネ35の基点部Pbに最も近い溶接部Ptが長手方向Lに対して平行に形成されている。
このようなメス型端子10によれば、それぞれのアームバネ35から溶接部Ptまでの距離が近いため、かかる溶接部Ptが電流が流れる際の主な経路となる。すなわち、オス型端子5からメス型端子10に電流が流れる場合にあっては、オス型端子5に当接している接点部Pcからアームバネ35を経由し、溶接部Ptを通って側壁21に電流が流れることとなる(図9における矢印A参照)。反対に、メス型端子10からオス型端子5に電流が流れる場合にあっては、側壁21と鍔板33とを溶接している溶接部Ptからアームバネ35を経由し、接点部Pcを通ってオス型端子5に電流が流れることとなる(図9における矢印A参照)。したがって、これら端子における電気抵抗を低く抑えることができる。かかる構造は、大電流が流れる電気回路に特に適した構造といえる。
なお、アームバネ35の基点部Pbに最も近い溶接部Ptは、電流が流れる際の主な経路となることから、導電用溶接部と表すことができる。すると、その他の溶接部Psは、基台部20とバネ部材30とをより強固に固定するための固定用溶接部と表すことができる。但し、導電用溶接部であっても、基台部20とバネ部材30とを固定する機能を有しており、固定用溶接部であっても、電流が流れる際の経路としての機能を有している。
なお、本実施形態に係るメス型端子10においては、ファイバーレーザー溶接機を用いて側壁21と鍔板33ならびに側壁21と外板32との溶接を行うものとしているが、アーク溶接機等を用いて溶接を行うとしてもよい。また、超音波溶接や抵抗溶接、摩擦溶接、その他の溶接を可能とする溶接機を用いて溶接を行うとしてもよい。さらに、ろう付けやはんだ付け等のろう接も溶接の概念に含むものとする。
この発明の構成と前述の実施形態との対応において、この発明のコネクタはコネクタ1に対応し、
以下同様に、
ワイヤーハーネスはワイヤーハーネス2に対応し、
電線は電線3に対応し、
コネクタハウジングはコネクタハウジング4に対応し、
オス型端子はオス型端子5に対応し、
メス型端子はメス型端子10に対応し、
端子本体は端子本体13に対応し、
基台部は基台部20に対応し、
側壁は側壁21に対応し、
内側面は内側面21aに対応し、
外側面は外側面21bに対応し、
先端面は先端面21cに対応し、
バネ部材はバネ部材30に対応し、
沿接板は内板31及び外板32及び鍔板33に対応し、
アームバネはアームバネ35に対応し、
基点部は基点部Pbに対応し、
先端面溶接部は溶接部Ptに対応し、
外側面溶接部は溶接部Psに対応し、
内側面溶接部は溶接部Puに対応するも、この発明は、前述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施形態を得ることができる。
例えば、前述の実施形態に係るメス型端子10は、側壁21の先端面21cと鍔板33とが溶接されて片側一本の溶接部Ptが形成され、側壁21の外側面21bと外板32とが溶接されて片側四本の溶接部Psが形成されている。しかし、少なくとも一つの溶接部Pt,Psが曲線状又は折線状に形成されてもよい。例えば、図11(a)に示すように、片側一本の溶接部Psが曲線状に形成されてもよい。あるいは図11(b)に示すように、片側一本の溶接部Psが折線状に形成されてもよい。
このようなメス型端子10によれば、溶接部Pt,Psが形成された鍔板33ならびに外板32に荷重が伝達しても、溶接線の全長が異なるために、それぞれの溶接部Pt,Psはもちろん、曲線状又は折線状の溶接部Psにおける所定区間ごとにも負荷が分散して作用することとなる。また、それぞれの溶接部Pt,Psはもちろん、曲線状又は折線状の溶接部Psにおける所定区間ごとにも作用する負荷の大きさが異なることとなる。さらに、それぞれの溶接部Pt,Psはもちろん、曲線状又は折線状の溶接部Psにおける所定区間ごとにも耐えうる負荷の大きさが異なることとなる。そのため、全ての溶接部Pt,Psが一度に破損してしまうことを防止でき、導電性を安定的に確保することができる。
また、前述の実施形態に係るメス型端子10は、全ての溶接部Pt,Psが連続する直線状に形成されている。しかし、少なくとも一つの溶接部Pt,Psが点線状に形成されてもよい。例えば、図12(a)に示すように、片側四本の溶接部Psが点線状に形成されてもよい。あるいは図12(b)に示すように、片側一本の溶接部Ptが点線状に形成されてもよい。
このようなメス型端子10によれば、一群の溶接部Pt,Psに一方向から荷重が伝達しても、溶接線がつながっていないために、それぞれの溶接部Pt,Psはもちろん、点線状の溶接部Psにおける溶接点ごとにも負荷が分散して作用することとなる。また、それぞれの溶接部Pt,Psはもちろん、点線状の溶接部Psにおける溶接点ごとにも作用する負荷の大きさが異なることとなる。さらに、それぞれの溶接部Pt,Psはもちろん、点線状の溶接部Psにおける溶接点ごとにも耐えうる負荷の大きさが異なることとなる。そのため、全ての溶接部Pt,Psが一度に破損してしまうことを防止でき、導電性を安定的に確保することができる。
加えて、図12(b)に示すメス型端子10においては、それぞれのアームバネ35の延長線上に対応して溶接点を配置した構成であるため、アームバネ35ごとの電気抵抗にバラつきがない並列回路が構成される。したがって、これら端子における電気抵抗を低く抑えることができる。かかる構造も、大電流が流れる電気回路に特に適した構造といえる
さらに、前述の実施形態に係るメス型端子10は、側壁21の先端面21cと鍔板33とが溶接され、側壁21の外側面21bと外板32とが溶接されている。しかし、図13(a)に示すように、側壁21の先端面21cと鍔板33とが溶接され、側壁21の内側面21aと内板31とが溶接されてもよい。あるいは図13(b)に示すように、側壁21の先端面21cと鍔板33とが溶接され、側壁21の外側面21bと外板32とが溶接され、側壁21の内側面21aと内板31とが溶接されてもよい。これら溶接部Pt,Ps,Puの全部又は一部は、円や線などの細かいパターンを描きながら走査する、いわゆるウォブリング溶接としてもよい。
このようなメス型端子10によれば、オス型端子5の挿入によってアームバネ35が押され、これに伴って側壁21の内側面21aに沿う内板31に荷重が伝達しても、側壁21の内側面21aと内板31とが溶接されているため、かかる部分(内板31)にはほとんど変形が生じない。つまり、側壁21の内側面21aと内板31とが溶接されているということは、側壁21の内側面21aとこれを覆う内板31とが当接した状態で一体になっているということであり、内板31の剛性の向上によってかかる部分(内板31)にはほとんど変形が生じない。したがって、側壁21の内側面21aと内板31との溶接部Puに過大な負荷が作用することを防止できる。ひいては、基台部20とバネ部材30との溶接部Puが破損することを防止でき、導電性を安定的に確保することができる。
加えて、側壁21の内側面21aとこの内側面21aに沿う内板31とは、挿入されたオス型端子5の側面に対向する面であるため、これらの溶接を行う溶接機の近接や移動が不自由である。そのため、かかる溶接工程は、レーザー溶接機を用いて基台部20の開口端から斜めに溶接を行えば容易である。なお、基台部20の基材を折り曲げて一対の側壁を形成する前に、側壁21の内側面21aとなる部分に予めバネ部材30を溶接するとしてもよい。
最後に、本願の発明には、前述のメス型端子10と、メス型端子10を収容するコネクタハウジング4とが備えられたコネクタ1(図1参照)、ならびに前述のメス型端子10と、メス型端子10の基台部20に接続される電線3とが備えられた端子付き電線6(図1参照)が含まれるものとする。
さらには、本願の発明には、前述の端子付き電線6と、端子付き電線6を収容するコネクタハウジング4とが備えられたコネクタ付き電線7(図1参照)、ならびに前述の端子付き電線6及び前述のコネクタ付き電線7のうち少なくとも一方を備えたワイヤーハーネス2(図1参照)が含まれるものとする。
これらにおいても、本願発明に係るメス型端子10と同様の効果を奏する。すなわち、側壁21と沿設板(内板31、外板32、鍔板33)が溶接されて二つ以上の溶接部Pt,Psが形成されているため、基台部20とバネ部材30との溶接部Pt,Psが破損することを防止でき、導電性を安定的に確保することができる。
1…コネクタ
2…ワイヤーハーネス
3…電線
4…コネクタハウジング
5…オス型端子
6…端子付き電線
7…コネクタ付き電線
10…メス型端子
13…端子本体
20…基台部
21…側壁
21a…内側面
21b…外側面
21c…先端面
30…バネ部材
31…内板
32…外板
33…鍔板
35…アームバネ
Pb…基点部
Pt…溶接部
Ps…溶接部
Pu…溶接部

Claims (13)

  1. 電線に接続される基台部と、
    前記基台部に取り付けられるバネ部材とで端子本体が設けられ、
    前記基台部は、オス型端子が挿入可能な所定間隔を隔てて配置された一対の側壁を有し、
    前記バネ部材は、少なくとも前記側壁の内側面に沿設された沿設板と当該沿設板から対向する前記側壁に向かって延出されたアームバネとを有しており、
    少なくとも一方側の前記側壁に、前記側壁と前記沿設板とが溶接された二つ以上の溶接部が形成された
    メス型端子。
  2. 前記側壁の先端面に前記沿設板が沿設されており、
    前記溶接部は、前記側壁の先端面と前記沿設板とが溶接された先端面溶接部を含むことを特徴とする
    請求項1に記載のメス型端子。
  3. 前記側壁の外側面に前記沿設板が沿設されており、
    前記溶接部は、前記側壁の外側面と前記沿設板とが溶接された外側面溶接部を含むことを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載のメス型端子。
  4. 前記溶接部は、前記側壁の内側面と前記沿設板とが溶接された内側面溶接部を含むことを特徴とする
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のメス型端子。
  5. 前記溶接部が線状に形成されており、
    少なくとも一つの前記溶接部が他の前記溶接部に対して交差する方向に形成された
    請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のメス型端子。
  6. 前記溶接部が線状に形成されており、
    少なくとも一つの前記溶接部が他の前記溶接部に対して異幅に形成された
    請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のメス型端子。
  7. 前記溶接部が線状に形成されており、
    少なくとも一つの前記溶接部が曲線状又は折線状に形成された
    請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のメス型端子。
  8. 前記溶接部が線状に形成されており、
    少なくとも一つの前記溶接部が点線状に形成された
    請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のメス型端子。
  9. 複数の前記アームバネが長手方向に沿って並列に配置されており、
    これらの前記アームバネの基点部に最も近い前記溶接部が前記長手方向に対して平行に形成された
    請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のメス型端子。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のメス型端子と、
    前記メス型端子を収容するコネクタハウジングとが備えられた
    コネクタ。
  11. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のメス型端子と、
    前記メス型端子の前記基台部に接続される前記電線とが備えられた
    端子付き電線。
  12. 請求項11に記載の端子付き電線と、
    前記端子付き電線を収容するコネクタハウジングとが備えられた
    コネクタ付き電線。
  13. 請求項11に記載の端子付き電線及び請求項12に記載のコネクタ付き電線のうち少なくとも一方が備えられた
    ワイヤーハーネス。
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