JP2023015587A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2023015587A
JP2023015587A JP2021119460A JP2021119460A JP2023015587A JP 2023015587 A JP2023015587 A JP 2023015587A JP 2021119460 A JP2021119460 A JP 2021119460A JP 2021119460 A JP2021119460 A JP 2021119460A JP 2023015587 A JP2023015587 A JP 2023015587A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active material
electrode active
material layer
secondary battery
negative electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021119460A
Other languages
English (en)
Inventor
侑花 相磯
Yuka Aiso
学 渡邉
Manabu Watanabe
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2021119460A priority Critical patent/JP2023015587A/ja
Publication of JP2023015587A publication Critical patent/JP2023015587A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

【課題】非水電解質二次電池のサイクル耐久性の低下を最小限に抑制しつつ、出力特性(レート特性)を向上させうる手段を提供する。【解決手段】電極活物質およびゲル形成性ポリマーを含む電極活物質層が集電体の表面に配置されてなる電極と、前記電極活物質層に隣接するように配置されたセパレータに電解液が含浸されてなる電解質層とを有する非水電解質二次電池において、前記電極活物質層1m3あたりの空孔体積をx[m3]とし、前記電極活物質層1m3あたりに含まれるゲル形成性ポリマーの体積をy[m3]とし、前記電解液に対するゲル形成性ポリマーの吸液率をz[%]としたとき、9.5<yz/x<29を満たすように制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。
近年、環境・エネルギー問題の解決へ向けて、種々の電気自動車の普及が期待されている。これら電気自動車の普及の鍵を握るモータ駆動用電源などの車載電源として、二次電池の開発が鋭意行われている。車載電源への適用を指向した非水電解質二次電池は、高容量であり、優れたサイクル耐久性および出力特性(レート特性)を有することが求められる。
従来、二次電池のサイクル耐久性を向上させるための技術として、特許文献1には、ケイ素酸化物と黒鉛との混合負極活物質を用いた非水電解質二次電池において、負極活物質層に含まれるケイ素の質量に対する非水電解質の質量比率を所定値以上に制御する技術が開示されている。
特開2014-63671号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載されているような二次電池では、サイクル耐久性は一定程度改善できたとしても、十分な出力特性(レート特性)が達成できないという問題があることが判明した。また一般に、二次電池のサイクル耐久性と出力特性(レート特性)との向上とはトレードオフの関係にあり、出力特性(レート特性)を改善しようとするとサイクル耐久性が大幅に低下してしまう場合が多い。
そこで本発明は、非水電解質二次電池のサイクル耐久性の低下を最小限に抑制しつつ、出力特性(レート特性)を向上させうる手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、ゲル形成性ポリマーを含む電極活物質層を有する電極と電解液とを用いた非水電解質二次電池において、電極活物質層の空孔体積、ゲル形成性ポリマーの体積および電解液に対するゲル形成性ポリマーの吸液率が所定の関係を満たすように制御することが有効であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る非水電解質二次電池は、電極活物質およびゲル形成性ポリマーを含む電極活物質層が集電体の表面に配置されてなる電極と、前記電極活物質層に隣接するように配置されたセパレータに電解液が含浸されてなる電解質層とを有する。ここで、当該非水電解質二次電池は、前記電極活物質層1mあたりの空孔体積をx[m]とし、前記電極活物質層1mあたりに含まれるゲル形成性ポリマーの体積をy[m]とし、前記電解液に対するゲル形成性ポリマーの吸液率をz[%]としたとき、下記数式1:
Figure 2023015587000002
を満たす点に特徴がある。
本発明によれば、非水電解質二次電池のサイクル耐久性の低下を最小限に抑制しつつ、出力特性(レート特性)を向上させることが可能となる。
本発明の一実施形態である、積層型(扁平型)の非双極型(内部並列接続タイプ)二次電池を模式的に表した断面図である。 本発明の他の実施形態である、双極型二次電池を模式的に表した断面図である。
本発明の一形態は、電極活物質およびゲル形成性ポリマーを含む電極活物質層が集電体の表面に配置されてなる電極と、
前記電極活物質層に隣接するように配置されたセパレータに電解液が含浸されてなる電解質層と、
を有し、
前記電極活物質層1mあたりの空孔体積をx[m]とし、前記電極活物質層1mあたりに含まれるゲル形成性ポリマーの体積をy[m]とし、前記電解液に対するゲル形成性ポリマーの吸液率をz[%]としたとき、下記数式1:
Figure 2023015587000003
を満たす、非水電解質二次電池である。このような構成を有する非水電解質二次電池によれば、電池のサイクル耐久性の低下を最小限に抑制しつつ、出力特性(レート特性)を向上させることが可能となるという利点がある。
以下、図面を参照しながら、上述した本形態の実施形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみに制限されない。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。本明細書において、範囲を示す「X~Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20~25℃)、相対湿度40~50%RHの条件で行う。
図1は、本発明の一実施形態である扁平型(積層型)の非双極型(内部並列接続タイプ)二次電池(以下、単に「積層型二次電池」とも称する)を模式的に表した断面図である。
図1に示すように、本実施形態の積層型二次電池10aは、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素21が、ラミネートフィルム29の内部に封止された構造を有する。ここで、発電要素21は、正極集電体11’の両面に正極活物質層13が配置された正極と、電解液を含有するセパレータからなる電解質層17と、負極集電体12の両面に負極活物質層15が配置された負極とを積層した構成を有している。具体的には、1つの正極活物質層13とこれに隣接する負極活物質層15とが、電解質層17を介して対向するようにして、正極、電解質層及び負極がこの順に積層されている。
これにより、正極、電解質層及び負極は、1つの単電池層19を構成する。したがって、図1に示す積層型二次電池10aは、単電池層19が複数積層されることで、電気的に並列接続されてなる構成を有するともいえる。なお、発電要素21の両最外層に位置する最外層の正極集電体には、いずれも片面のみに正極活物質層13が配置されているが、両面に活物質層が設けられてもよい。すなわち、片面にのみ活物質層を設けた最外層専用の集電体とするのではなく、両面に活物質層がある集電体をそのまま最外層の集電体として用いてもよい。また、図1とは正極及び負極の配置を逆にすることで、発電要素21の両最外層に最外層の負極集電体が位置するようにし、該最外層の負極集電体の片面又は両面に負極活物質層が配置されるようにしてもよい。
正極集電体11’及び負極集電体12には、各電極(正極及び負極)と導通される正極集電板25及び負極集電板27がそれぞれ取り付けられ、ラミネートフィルム29の端部に挟まれるようにしてラミネートフィルム29の外部に導出される構造を有している。正極集電板25及び負極集電板27は、それぞれ必要に応じて正極端子リード及び負極端子リード(図示せず)を介して、各電極の正極集電体11’及び負極集電体12に超音波溶接や抵抗溶接等により取り付けられていてもよい。
図2は、本発明の他の実施形態である双極型二次電池を模式的に表した断面図である。図2に示す双極型二次電池10bは、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素21が、電池外装体であるラミネートフィルム29の内部に封止された構造を有する。なお、本明細書では、双極型リチウムイオン二次電池を単に「双極型二次電池」とも称し、双極型リチウムイオン二次電池用電極を単に「双極型電極」と称することがある。
図2に示すように、本形態の双極型二次電池10bの発電要素21は、集電体11の一方の面に電気的に結合した正極活物質層13が形成され、集電体11の反対側の面に電気的に結合した負極活物質層15が形成された複数の双極型電極23を有する。各双極型電極23は、電解質層17を介して積層されて発電要素21を形成する。この際、一の双極型電極23の正極活物質層13と前記一の双極型電極23に隣接する他の双極型電極23の負極活物質層15とが電解質層17を介して向き合うように、各双極型電極23および電解質層17が交互に積層されている。すなわち、一の双極型電極23の正極活物質層13と前記一の双極型電極23に隣接する他の双極型電極23の負極活物質層15との間に電解質層17が挟まれて配置されている。
隣接する正極活物質層13、電解質層17、および負極活物質層15は、一つの単電池層19を構成する。したがって、双極型二次電池10bは、単電池層19が積層されてなる構成を有するともいえる。また、単電池層19の外周部にはシール部(絶縁層)31が配置されている。これにより、電解質層17からの電解液の漏れによる液絡を防止し、電池内で隣り合う集電体11同士が接触したり、発電要素21における単電池層19の端部の僅かな不揃いなどに起因する短絡が起こったりするのを防止している。なお、発電要素21の最外層に位置する正極側の最外層集電体11aには、片面のみに正極活物質層13が形成されている。また、発電要素21の最外層に位置する負極側の最外層集電体11bには、片面のみに負極活物質層15が形成されている。
さらに、図2に示す双極型二次電池10bでは、正極側の最外層集電体11aに隣接するように正極集電板(正極タブ)25が配置され、これが延長されて電池外装体であるラミネートフィルム29から導出している。一方、負極側の最外層集電体11bに隣接するように負極集電板(負極タブ)27が配置され、同様にこれが延長されてラミネートフィルム29から導出している。
なお、単電池層19の積層回数は、所望する電圧に応じて調節する。また、双極型二次電池10bでは、電池の厚みを極力薄くしても十分な出力が確保できれば、単電池層19の積層回数を少なくしてもよい。双極型二次電池10bでも、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、発電要素21を電池外装体であるラミネートフィルム29に減圧封入し、正極集電板25および負極集電板27をラミネートフィルム29の外部に取り出した構造とするのがよい。
以下、本形態に係る非水電解質二次電池の主要な構成部材について説明する。
[電極]
電極は、電極活物質およびゲル形成性ポリマーを含む電極活物質層が集電体の表面に配置された構成を有する。
〔集電体〕
集電体は、正極活物質層と接する一方の面から、負極活物質層と接する他方の面へと電子の移動を媒介する機能を有する。集電体を構成する材料に特に制限はないが、例えば、金属や、導電性を有する樹脂が採用されうる。
具体的には、金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス、チタン、銅などが挙げられる。これらのほか、ニッケルとアルミニウムとのクラッド材、銅とアルミニウムとのクラッド材、またはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが好ましく用いられうる。また、金属表面にアルミニウムが被覆されてなる箔、またはカーボン被覆アルミニウム箔であってもよい。なかでも、電子伝導性や電池作動電位の観点からは、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケルが好ましい。
また、後者の導電性を有する樹脂としては、導電性高分子材料または非導電性高分子材料に必要に応じて導電性フィラーが添加された樹脂が挙げられる。導電性高分子材料としては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアクリロニトリル、およびポリオキサジアゾールなどが挙げられる。かような導電性高分子材料は、導電性フィラーを添加しなくても十分な導電性を有するため、製造工程の容易化または集電体の軽量化の点において有利である。
非導電性高分子材料としては、例えば、ポリエチレン(PE;高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)など)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、またはポリスチレン(PS)などが挙げられる。かような非導電性高分子材料は、優れた耐電位性または耐溶媒性を有しうる。
上記の導電性高分子材料または非導電性高分子材料には、必要に応じて導電性フィラーが添加されうる。特に、集電体の基材となる樹脂が非導電性高分子のみからなる場合は、樹脂に導電性を付与するために必然的に導電性フィラーが必須となる。
導電性フィラーは、導電性を有する物質であれば特に制限なく用いることができる。例えば、導電性、耐電位性、またはリチウムイオン遮断性に優れた材料として、金属および導電性カーボンなどが挙げられる。金属としては、特に制限はないが、Ni、Ti、Al、Cu、Pt、Fe、Cr、Sn、Zn、In、Sb、およびKからなる群から選択される少なくとも1種の金属またはこれらの金属を含む合金もしくは金属酸化物を含むことが好ましい。また、導電性カーボンとしては、特に制限はない。好ましくは、アセチレンブラック、バルカン(登録商標)、ブラックパール(登録商標)、カーボンナノファイバー、ケッチェンブラック(登録商標)、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノバルーン、およびフラーレンからなる群より選択される少なくとも1種を含むものである。
導電性フィラーの添加量は、集電体に十分な導電性を付与できる量であれば特に制限はなく、一般的には、5~80質量%程度である。
なお、集電体は、単独の材料からなる単層構造であってもよいし、あるいは、これらの材料からなる層を適宜組み合わせた積層構造であっても構わない。集電体の軽量化の観点からは、少なくとも導電性を有する樹脂からなる導電性樹脂層を含むことが好ましい。また、単電池層間のリチウムイオンの移動を遮断する観点からは、集電体の一部に金属層を設けてもよい。
〔電極活物質層〕
電極活物質層は、上記集電体の表面に配置され、電極活物質およびゲル形成性ポリマーを含む。
電極活物質層中、電極活物質の含有量(固形分換算)は、出力特性の観点から、好ましくは60~95質量%であり、より好ましくは80~95質量%である。
電極活物質層中、ゲル形成性ポリマーの含有量(固形分換算)は、上記yz/xの範囲を満たすように適宜調整することができる。ゲル形成性ポリマーの含有量(固形分換算)は、出力特性の観点から、好ましくは1.0~12.0質量%であり、より好ましくは2.0~10.0質量%である。
電極活物質層の厚さは、正極活物質層については、好ましくは50~1000μmである。また、負極活物質層の厚さは、好ましくは50~1000μmである。電極活物質層の厚さが上述した下限値以上の値であれば、電池のエネルギー密度を十分に高めることができる。一方、電極活物質層の厚さが上述した上限値以下の値であれば、電極活物質層の構造を十分に維持することができる。
本形態において、電極活物質層では、電極活物質とゲル形成性ポリマーとが構造化することで、機械的強度を向上させることができる。そのため、電極の膜厚を厚くしても、優れた出力特性を維持しつつ、電極の機械的強度を向上することができる。
(正極活物質)
正極活物質としては、例えば、LiMn、LiCoO、LiNiO、Li(Ni-Mn-Co)Oおよびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの等のリチウム-遷移金属複合酸化物、リチウム-遷移金属リン酸化合物、リチウム-遷移金属硫酸化合物などが挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、リチウム-遷移金属複合酸化物が、正極活物質として用いられる。より好ましくはリチウムとニッケルとを含有する複合酸化物が用いられる。さらに好ましくはLi(Ni-Mn-Co)Oおよびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの(以下、単に「NMC複合酸化物」とも称する)、またはリチウム-ニッケル-コバルト-アルミニウム複合酸化物(以下単に、「NCA複合酸化物」とも称する)などが用いられる。NMC複合酸化物は、リチウム原子層と遷移金属(Mn、NiおよびCoが秩序正しく配置)原子層とが酸素原子層を介して交互に積み重なった層状結晶構造を有する。そして、遷移金属Mの1原子あたり1個のLi原子が含まれ、取り出せるLi量が、スピネル系リチウムマンガン酸化物の2倍、つまり供給能力が2倍になり、高い容量を持つことができる。
NMC複合酸化物は、上述したように、遷移金属元素の一部が他の金属元素により置換されている複合酸化物も含む。その場合の他の元素としては、Ti、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、Sr、Cr、Fe、B、Ga、In、Si、Mo、Y、Sn、V、Cu、Ag、Znなどが挙げられ、好ましくは、Ti、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、Sr、Crであり、より好ましくは、Ti、Zr、P、Al、Mg、Crであり、サイクル特性向上の観点から、さらに好ましくは、Ti、Zr、Al、Mg、Crである。
NMC複合酸化物は、理論放電容量が高いことから、好ましくは、一般式(1):LiNiMnCo(但し、式中、a、b、c、d、xは、0.9≦a≦1.2、0<b<1、0≦c≦0.5、0<d≦0.5、0≦x≦0.3、b+c+d=1を満たす。MはTi、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、Sr、Crから選ばれる元素で少なくとも1種類である)で表される組成を有する。ここで、aは、Liの原子比を表し、bは、Niの原子比を表し、cは、Mnの原子比を表し、dは、Coの原子比を表し、xは、Mの原子比を表す。サイクル特性の観点からは、一般式(1)において、0.4≦b≦0.6であることが好ましい。なお、各元素の組成は、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法により測定できる。
一般に、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)およびマンガン(Mn)は、材料の純度向上および電子伝導性向上という観点から、容量および出力特性に寄与することが知られている。Ti等は、結晶格子中の遷移金属を一部置換するものである。サイクル特性の観点からは、遷移元素の一部が他の金属元素により置換されていることが好ましく、特に一般式(1)において0<x≦0.3であることが好ましい。Ti、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、SrおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも1種が固溶することにより結晶構造が安定化される。その結果、充放電を繰り返しても電池の容量低下が防止でき、優れたサイクル特性が実現し得ると考えられる。
より好ましい実施形態としては、一般式(1)において、b、cおよびdが、0.44≦b≦0.51、0.27≦c≦0.31、0.19≦d≦0.26であることが、容量と寿命特性とのバランスを向上させるという観点からは好ましい。例えば、LiNi0.5Mn0.3Co0.2は、一般的な民生電池で実績のあるLiCoO、LiMn、LiNi1/3Mn1/3Co1/3などと比較して、単位質量あたりの容量が大きい。これにより、エネルギー密度の向上が可能となり、コンパクトかつ高容量の電池を作製できるという利点を有しているため、航続距離の観点からも好ましい。
また、より好ましい実施形態としては、より容量が大きいという観点から、LiNi0.8Co0.1Al0.1やLiNi0.8Co0.15Al0.05が好ましい。
正極活物質の平均粒子径(D50)は、高出力化の観点からは、好ましくは1~100μm、より好ましくは1~20μmである。本明細書において、平均粒子径(D50)は、レーザー回折・散乱法の粒度分布測定装置により計測されたものを採用する。
(負極活物質)
負極活物質としては、例えば、グラファイト(黒鉛)、ソフトカーボン、ハードカーボン等の炭素材料、リチウム-遷移金属複合酸化物(例えば、LiTi12)、金属材料(ケイ素、スズ)、リチウム合金系負極材料(例えばリチウム-スズ合金、リチウム-ケイ素合金、リチウム-アルミニウム合金、リチウム-アルミニウム-マンガン合金等)などが挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、炭素材料、金属材料、リチウム-遷移金属複合酸化物、リチウム合金系負極材料が、負極活物質として好ましく用いられる。
本形態に係る非水電解質二次電池の好ましい実施形態において、負極活物質は、ケイ素系負極活物質またはスズ系負極活物質を含み、より好ましくはケイ素系負極活物質を含む。ここで、ケイ素およびスズは第14族元素に属し、非水電解質二次電池の容量を大きく向上させうる負極活物質であることが知られている。これらの単体は単位体積(質量)あたり多数の電荷担体(リチウムイオン等)を吸蔵および放出しうることから、高容量の負極活物質となる。ここで、ケイ素系負極活物質としては、Si単体が用いられうる。また、Si相とケイ素酸化物相との2相に不均化されたSiO(0.3≦x≦1.6)などのケイ素酸化物を用いてもよい。この際、xの範囲は0.5≦x≦1.5であることがより好ましく、0.7≦x≦1.2であることがさらに好ましい。さらには、ケイ素を含有する合金(ケイ素含有合金系負極活物質)が用いられてもよい。一方、スズ元素を含む負極活物質(スズ系負極活物質)としては、Sn単体、スズ合金(Cu-Sn合金、Co-Sn合金)、アモルファススズ酸化物、スズケイ素酸化物等が挙げられる。なお、負極活物質がケイ素系負極活物質またはスズ系負極活物質を含む(より好ましくはケイ素系負極活物質を含む)場合、負極活物質に占めるケイ素系負極活物質またはスズ系負極活物質(好ましくはケイ素系負極活物質)の含有割合は、好ましくは0質量%を超えて5質量%以下である。一般にケイ素系負極活物質やスズ系負極活物質は充放電プロセスにおける膨張収縮による体積変化が大きいが、このような量でこれらの負極活物質を含むことによりゲル形成性ポリマーがこれらの活物質の体積変化に十分に追従することが可能である。その結果、これらの活物質を用いることによる高容量化および高出力化といったメリットを十分に享受することが可能となる。なお、負極活物質がこれらの活物質を含む場合、負極活物質の主成分はグラファイト(黒鉛)等の炭素材料であることが好ましい。
負極活物質の平均粒子径(D50)は特に制限されないが、高出力化の観点からは、好ましくは1~100μm、より好ましくは1~20μmである。
(ゲル形成性ポリマー)
ゲル形成性ポリマーは、イオン伝導性ポリマーであり、電極活物質と共に構造体を形成して、イオン伝導の役割を担うことができる。また、ゲル形成性ポリマーは、電極活物質層においてバインダ(結着剤)としても機能する。ゲル形成性ポリマーとしては、出力特性の観点から、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン(PVdF-HEP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリメチルメタクリレート、およびこれらの共重合体からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
ゲル形成性ポリマーは、出力特性をより高めるとの観点から、好ましくはポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン(PVdF-HEP)およびポリメチルメタクリレート(PMMA)から選択される少なくとも1種を含み、より好ましくはポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン(PVdF-HEP)を含む。ゲル形成性ポリマーがPVdF-HEPを含むと、本発明に係る非水電解質二次電池の構成が得られやすく、また、本発明の作用効果がよりいっそう発現しやすい。なお、ゲル形成性ポリマーの物性について特に制限はないが、ゲル形成性ポリマーの引張破断強度(ASTM D638/23℃)は、好ましくは25~54[MPa]である。ゲル形成性ポリマーの引張破断強度が25[MPa]以上であれば、活物質との間で十分な接着強度を示すことができ、活物質の膨張収縮時の電極活物質層の崩壊を効果的に防止することができる。一方、ゲル形成性ポリマーの引張破断強度が54[MPa]以下であれば、活物質の膨張時におけるポリマーの破断が防止され、活物質の周囲に十分に接着した状態で電解液を保持することができる。また、ゲル形成性ポリマーの降伏引張伸び、降伏引張強度、破断引張伸び(いずれもASTM D638/23℃)および圧縮強度(ASTM D695/23℃)は、それぞれ5~15[%]、31~41[MPa]、30~200[%]および41~58[MPa]であることが好ましい。
電極活物質層1mあたりに含まれるゲル形成性ポリマーの体積(y)は、特に制限されず、9.5<yz/x<29の関係式を満たすように適宜調整できる。電極活物質層1mあたりに含まれるゲル形成性ポリマーの体積(y)は、例えば0.04~0.1mであり、好ましくは0.05~0.09mであり、より好ましくは0.06~0.08mである。電極活物質層1mあたりに含まれるゲル形成性ポリマーの体積は、仕込み量などにより制御することができる。
ゲル形成性ポリマーの電解液に対する吸液率(z)は、好ましくは15%超であり、より好ましくは30%以上であり、さらに好ましくは40%以上である。ゲル形成性ポリマーの電解液に対する吸液率の上限は、特に制限されないが、好ましくは90%未満であり、より好ましくは70%以下であり、さらに好ましくは50%以下である。ゲル形成性ポリマーの電解液に対する吸液率が15%超であると、ゲル形成性ポリマーが十分に電解液を保持することができるため、イオン伝導を担わせることができる。ゲル形成性ポリマーの電解液に対する吸液率が90%未満であると、電極活物質との構造体を十分に維持することができる。すなわち、本発明の一実施形態においては、ゲル形成性ポリマーの破断強度が25~54[MPa]であり、かつ、ゲル形成性ポリマーの電解液に対する吸液率(z)が15<z<90を満たすことが好ましい。このような構成とすることで、本発明の作用効果がよりいっそう効果的に発現しうる。
本明細書において、「電解液に対するゲル形成性ポリマーの吸液率」は、電解液への浸漬前および浸漬後のゲル形成性ポリマーの重量を測定して、以下の式により算出する。
吸液率(%)=[(電解液浸漬後のゲル形成性ポリマーの重量-電解液浸漬前のゲル形成性ポリマーの重量)/電解液浸漬前のゲル形成性ポリマーの重量]×100。
試料としては、上記ゲル形成性ポリマーをN-メチル-2-ピロリドンに溶解して、キャスト膜を作製する。キャスト膜の電解液への浸漬は、25℃~50℃にて24時間行う。
吸液率を求めるための電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との混合溶媒(体積比3:7)にLiPF 1mol/Lを溶解させて得られた電解液を用いる。
(導電助剤)
電極活物質層は、導電助剤をさらに含むことができる。
導電助剤は、電極活物質層中で電子伝導パス(導電通路)を形成する機能を有する。このような電子伝導パスが電極活物質層中に形成されると、電池の内部抵抗が低減し、高レートでの出力特性向上に寄与しうる。特に、導電助剤の少なくとも一部が、電極活物質層の2つの主面同士を電気的に接続する導電通路を形成している(本実施形態では、電極活物質層の電解質層側に接触する第1主面から集電体側に接触する第2主面までを電気的に接続する導電通路を形成している)ことが好ましい。このような形態を有することで、電極活物質層中の厚さ方向の電子移動抵抗がさらに低減されるため、電池の高レートでの出力特性をより一層向上しうる。なお、導電助剤の少なくとも一部が、電極活物質層の2つの主面同士を電気的に接続する導電通路を形成している(本実施形態では、電極活物質層の電解質層側に接触する第1主面から集電体側に接触する第2主面までを電気的に接続する導電通路を形成している)か否かは、SEMや光学顕微鏡を用いて電極活物質層の断面を観察することにより確認することができる。
このような導電通路を確実に形成するという観点から、導電助剤は、繊維状の形態を有する導電性繊維であることが好ましい。具体的には、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維、合成繊維の中に導電性のよい金属や黒鉛を均一に分散させてなる導電性繊維、ステンレス鋼のような金属を繊維化した金属繊維、有機物繊維の表面を金属で被覆した導電性繊維、有機物繊維の表面を、導電性物質を含む樹脂で被覆した導電性繊維等が挙げられる。なかでも、導電性に優れ、軽量であることから炭素繊維が好ましい。
ただし、繊維状の形態を有しない導電助剤が用いられてももちろんよい。例えば、粒子状(例えば、球状)の形態を有する導電助剤が用いられうる。導電助剤が粒子状である場合、粒子の形状は特に限定されず、粉末状、球状、板状、柱状、不定形状、燐片状、紡錘状等、いずれの形状であっても構わない。導電助剤が粒子状である場合の平均粒子径(一次粒子径)は、特に限定されるものではないが、電池の電気特性の観点から、0.01~10μm程度であることが好ましい。なお、本明細書中において、「粒子径」とは、導電助剤の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などの観察手段を用い、数~数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
粒子状(例えば、球状)の形態を有する導電助剤としては、例えば、アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、金、銅、チタン等の金属、これらの金属を含む合金または金属酸化物;カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンブラック(具体的には、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)等のカーボンが挙げられるが、これらに限定されない。また、粒子状のセラミック材料や樹脂材料の周りに上記金属材料をめっき等でコーティングしたものも導電助剤として使用できる。これらの導電助剤のなかでも、電気的安定性の観点から、アルミニウム、ステンレス、銀、金、銅、チタン、およびカーボンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、アルミニウム、ステンレス、銀、金、およびカーボンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましく、カーボンを少なくとも1種を含むことがさらに好ましい。これらの導電助剤は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても構わない。
電極活物質層中における導電助剤の含有量は、電極活物質層の全固形分量(全ての部材の固形分量の合計)100質量%に対して、0.1~5質量%であることが好ましく、0.2~2質量%であることがより好ましい。導電助剤の含有量が上記範囲であると、電極活物質層中で電子伝導パスを良好に形成できるとともに、電池のエネルギー密度が低下するのを抑えることができるという利点がある。
(電極活物質、ゲル形成性ポリマーおよび導電助剤からなる構造体)
本発明の好ましい実施形態において、電極活物質層は、電極活物質、ゲル形成性ポリマーおよび導電助剤からなる構造体を含む。これにより、電極活物質は、導電助剤と良好に接触でき、電極活物質が活性状態となるため、電子伝導をより向上することできる。また、電極活物質周辺に導電助剤が構造化されることにより、優れた導電性を担保することができるため、出力および容量を向上させることができる。さらに、電極活物質周辺に導電助剤が構造化されることで、空孔内のパーコレーションが形成される。よって、有効イオン伝導度をより向上することができる。加えて、このような構造体とすることで、電極活物質層を自立膜とすることができ、電極の強度をさらに増加することもできる。
〔電極活物質層の空孔体積の算出方法〕
電極活物質層の空孔体積は、以下のようにして算出する。
(1)電極活物質層の単位面積当たりの重量を測定し、使用した材料の配合比から、単位面積当たりの各材料の重量を求める。
(2)電極活物質層の厚さ[A]を測定する。
(3)(1)で求めた各材料の重量と、各材料の密度とを用いて、空孔率0%である場合の電極活物質層の厚さ[B]を算出する。
(4)測定した電極活物質層の厚さ[A]と算出した電極活物質層の厚さ[B]との差(A-B)から電極活物質層の空孔体積を算出する。
電極活物質層1mあたりの空孔体積(x)は、特に制限されず、9.5<yz/x<29の関係式を満たすように適宜調整できる。電極活物質層1mあたりの空孔体積(x)は、例えば0.15m~0.45mであり、好ましくは0.20m~0.40mであり、さらに好ましくは0.25m~0.35mである。電極活物質層1mあたりの空孔体積は、電極活物質の粒子径、ゲル形成性ポリマーの仕込み量、電極活物質層の膜厚などにより調整することができる。また、後述するように、電極作製時のプレス処理の有無や当該プレス処理の条件などにより調整することができる。
[電解質層]
電解質層は、電極を構成する電極活物質層に隣接するように配置されたセパレータに電解液が含浸されてなる構成を有する。なお、セパレータが電極活物質層に「隣接して配置される」とは、セパレータが電極活物質層に直接隣接するように配置される場合に限られず、必要に応じてセパレータと電極活物質質層との間に他の層が介在した状態で配置される場合も含む概念である。
電解液は、リチウムイオンのキャリヤーとしての機能を有する。電解液層を構成する電解液は、非水溶媒にリチウム塩が溶解した形態を有する。
非水溶媒は、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、プロピオン酸メチル(MP)、酢酸メチル(MA)、ギ酸メチル(MF)、4-メチルジオキソラン(4MeDOL)、ジオキソラン(DOL)、2-メチルテトラヒドロフラン(2MeTHF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン(DME)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、およびγ-ブチロラクトン(GBL)などが挙げられる。中でも、非水溶媒は、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、およびブチレンカーボネート(BC)が好ましく、エチレンカーボネートを含むことが好ましい。添加される非水溶媒は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
リチウム塩としては、LiN(FSO、Li(CSON、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等が挙げられる。なかでも、電池出力および充放電サイクル特性の観点から、LiN(FSOより好ましい。
電解液中におけるリチウム塩の濃度は、0.1~3.0mol/Lであることが好ましく、0.8~2.2mol/Lであることがより好ましい。
電解液は、上述した成分以外の添加剤をさらに混合してもよい。また、添加剤は電解液に含有させてもよい。かような化合物の具体例としては、例えば、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、ジメチルビニレンカーボネート、フェニルビニレンカーボネート、ジフェニルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、ジエチルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、1,2-ジビニルエチレンカーボネート、1-メチル-1-ビニルエチレンカーボネート、1-メチル-2-ビニルエチレンカーボネート、1-エチル-1-ビニルエチレンカーボネート、1-エチル-2-ビニルエチレンカーボネート、ビニルビニレンカーボネート、アリルエチレンカーボネート、ビニルオキシメチルエチレンカーボネート、アリルオキシメチルエチレンカーボネート、アクリルオキシメチルエチレンカーボネート、メタクリルオキシメチルエチレンカーボネート、エチニルエチレンカーボネート、プロパルギルエチレンカーボネート、エチニルオキシメチルエチレンカーボネート、プロパルギルオキシエチレンカーボネート、メチレンエチレンカーボネート、1,1-ジメチル-2-メチレンエチレンカーボネートなどが挙げられる。これらの添加剤は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。また、添加剤を電解液に使用する場合の使用量は、添加剤を添加する前の電解液100質量%に対して、好ましくは0.5~10質量%、より好ましくは0.5~5質量%である。
本形態では、電解質層にセパレータが用いられる。セパレータは、電解質を保持して正極と負極との間のリチウムイオン伝導性を確保する機能、および正極と負極との間の隔壁としての機能を有する。
セパレータの形態としては、例えば、上記電解液を吸収保持するポリマーや繊維からなる多孔性シートのセパレータや不織布セパレータ等を挙げることができる。
ポリマーないし繊維からなる多孔性シートのセパレータとしては、例えば、微多孔質(微多孔膜)を用いることができる。該ポリマーないし繊維からなる多孔性シートの具体的な形態としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン;これらを複数積層した積層体(例えば、PP/PE/PPの3層構造をした積層体など)、ポリイミド、アラミド、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン(PVdF-HFP)等の炭化水素系樹脂、ガラス繊維などからなる微多孔質(微多孔膜)セパレータが挙げられる。
微多孔質(微多孔膜)セパレータの厚みとして、使用用途により異なることから一義的に規定することはできない。1例を示せば、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)、燃料電池自動車(FCV)などのモータ駆動用二次電池などの用途においては、単層あるいは多層で4~60μmであることが望ましい。前記微多孔質(微多孔膜)セパレータの微細孔径は、最大で1μm以下(通常、数十nm程度の孔径である)であることが望ましい。
不織布セパレータとしては、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステル;PP、PEなどのポリオレフィン;ポリイミド、アラミドなど従来公知のものを、単独または混合して用いる。また、不織布のかさ密度は、含浸させた高分子ゲル電解質により十分な電池特性が得られるものであればよく、特に制限されるべきものではない。さらに、不織布セパレータの厚さは、電解質層と同じであればよく、好ましくは5~200μmであり、特に好ましくは10~100μmである。
また、セパレータは、多孔質基体に耐熱絶縁層が積層されたセパレータ(耐熱絶縁層付セパレータ)であってもよい。耐熱絶縁層は、無機粒子およびバインダを含むセラミック層である。
[電極の空孔体積、ゲル形成性ポリマーの体積およびゲル形成性ポリマーの吸液率]
上述したように、本形態に係る非水電解質二次電池は、前記電極活物質層1mあたりの空孔体積をx[m]とし、前記電極活物質層1mあたりに含まれるゲル形成性ポリマーの体積をy[m]とし、前記電解液に対するゲル形成性ポリマーの吸液率をz[%]としたとき、下記数式1;
Figure 2023015587000004
を満たす点に特徴がある。このような構成を有する非水電解質二次電池によれば、電池のサイクル耐久性の低下を最小限に抑制しつつ、出力特性(レート特性)を向上させることが可能となるという利点がある。すなわち、本発明者らは、電極活物質層の空孔に占めるゲル形成性ポリマーの割合とゲル形成性ポリマーの吸液率との間に適正範囲が存在することを見出し、その知見を上記関係式で数値化したのである。このような効果が奏されるメカニズムを、本発明者らは以下のように推測している。
上記のような構成を有する非水電解質二次電池においては、電極活物質層が電極活物質およびゲル形成性ポリマーを含有し、この際電極活物質とゲル形成性ポリマーとが構造化している。ここで、上記yz/xの値が9.5以下であると、電極活物質の周囲に存在するゲル形成性ポリマーの量が少なくなる。これにより、ゲル形成性ポリマーによって電極活物質の周囲に保持されている電解液が充放電プロセスの進行に伴って発電要素の外部へと流出してしまう虞がある。このような電解液は通常、発電要素の内部へと戻ることはないため、発電要素の内部に保持される電解液が枯渇しやすくなり、ひいては出力特性(レート特性)の低下をもたらすものと考えられる。一方、上記yz/xの値が29以上であると、電極活物質の周囲に存在するゲル形成性ポリマーの量が多くなる。これにより、十分な量の電解液が電極活物質の周囲に保持されることにはなるものの、ゲル形成性ポリマーの存在によって電極活物質層の内部におけるリチウムイオンの拡散抵抗が増大してしまい、やはり出力特性(レート特性)の低下が引き起こされてしまうものと考えられる。これに対し、上記yz/xの値を9.5よりも大きく29未満の値に制御することで、電極活物質の周囲に十分な量の電解液を保持しつつ、電極活物質層の内部抵抗の増大も抑えられるという適正なバランスが達成でき、その結果として本発明の作用効果が発現するものと推測される。なお、本発明の技術的範囲は上記メカニズムに何ら制限されない。
また、本形態に係る非水電解質二次電池の好ましい実施形態においては、(x+y)の好ましい範囲が規定される。すなわち、上述したxおよびyは、0.32<x+y<0.41を満たすことが好ましく、0.35<x+y<0.38を満たすことがより好ましい。これらの構成を満足する非水電解質二次電池は、サイクル耐久性の低下を最小限に抑制しつつ出力特性(レート特性)を向上させるという本発明の作用効果をよりいっそう顕著に発現しうるため好ましい。
上記x、yおよびzは、出力特性をより向上させるとの観点から、9.7<yz/x<15を満たすことが好ましく、9.7<yz/x<12を満たすことがより好ましい。
[正極集電板および負極集電板]
集電板(25、27)を構成する材料は、特に制限されず、リチウムイオン二次電池用の集電板として従来用いられている公知の高導電性材料が用いられうる。集電板の構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等の金属材料が好ましい。軽量、耐食性、高導電性の観点から、より好ましくはアルミニウム、銅であり、特に好ましくはアルミニウムである。なお、正極集電板25と負極集電板27とでは、同一の材料が用いられてもよいし、異なる材料が用いられてもよい。
[正極リードおよび負極リード]
また、図示は省略するが、集電体11と集電板(25、27)との間を正極リードや負極リードを介して電気的に接続してもよい。正極および負極リードの構成材料としては、公知のリチウムイオン二次電池において用いられる材料が同様に採用されうる。なお、外装から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆することが好ましい。
[シール部]
シール部(絶縁層)31は、集電体同士の接触や単電池層の端部における短絡を防止する機能を有する。シール部を構成する材料としては、絶縁性、固体電解質の脱落に対するシール性や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池動作温度下での耐熱性等を有するものであればよい。例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴム(エチレン-プロピレン-ジエンゴム:EPDM)、等が用いられうる。また、イソシアネート系接着剤や、アクリル樹脂系接着剤、シアノアクリレート系接着剤などを用いても良く、ホットメルト接着剤(ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂)などを用いても良い。なかでも、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性等の観点から、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂が、絶縁層の構成材料として好ましく用いられ、非結晶性ポリプロピレン樹脂を主成分とするエチレン、プロピレン、ブテンを共重合した樹脂を用いることが、好ましい。
[電池外装体]
電池外装体としては、公知の金属缶ケースを用いることができるほか、図1に示すように発電要素を覆うことができる、アルミニウムを含むラミネートフィルム29を用いた袋状のケースが用いられうる。該ラミネートフィルムには、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。高出力化や冷却性能に優れ、EV、HEV用の大型機器用電池に好適に利用することができるという観点から、ラミネートフィルムが望ましい。また、外部から掛かる発電要素への群圧を容易に調整することができ、所望の電解液層厚みへと調整容易であることから、外装体はアルミネートラミネートがより好ましい。
本形態に係る非水電解質二次電池は、優れたサイクル耐久性および出力特性(レート特性)を発揮することができる。したがって、本形態に係るリチウムイオン二次電池は、EV、HEVの駆動用電源として好適に使用される。
以下、実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに何ら限定されるわけではない。
[実施例1]
<負極の作製>
負極活物質としてのグラファイト(平均粒子径(D50)=19μm)87質量部およびSiO(平均粒子径(D50)=6.5μm)4.5質量部と、導電助剤としてのアセチレンブラック(デンカ株式会社製、デンカブラック(登録商標);平均粒子径(一次粒子径):0.023μm)0.5質量部とからなる粉体組成物を、遊星撹拌型混合混練装置「あわとり練太郎」(ARE-310、株式会社シンキー製)を用いて2000rpmで1分間混合した。次いで、スラリー粘度調整溶媒であるN-メチル-2-ピロリドン(NMP)の適量を上記粉体組成物に添加し、同装置を用いて2000rpmで2分間混合した。その後、ゲル形成性ポリマーであるポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン(PVdF-HFP)(Kyner Flex 2851、Arkema製、ヘキサフルオロプロピレン由来の構成単位数の割合:2.4モル%)8質量部をNMPに溶解させた溶液をさらに添加し、同装置を用いて2000rpmで4分間混合して、負極スラリーを作製した。負極スラリーを平滑盤上に設置したCu箔(厚さ10μm)の上に、負極活物質質量(負極活物質の目付量)が10mg/cmとなるように、ドクターブレードを用いて均一に塗布し、80℃のホットプレート上で1時間乾燥させた。その後、得られた積層体を、ロールプレス機を用いてプレスした。その後、真空乾燥機に入れ、真空条件下、130℃にて8時間乾燥させて、本実施例の負極を作製した。なお、得られた負極における負極活物質層の空孔率は30%であり、厚さは67μmであった。
<リチウムイオン二次電池(コインセル)の作製>
上記で作製した負極と対極Liとを対向させ、この間にセパレータ(ポリオレフィン、厚さ:20μm)を2枚配置した。次いで、負極、セパレータおよび対極(Li金属)の積層体をコインセル(CR2032、材質:ステンレス鋼(SUS316))の底部側に配置した。さらに、電極同士の絶縁性を保つためガスケットを装着し、電解液をシリンジにより注入し、スプリングおよびスペーサを積層し、コインセルの上部側を重ねあわせ、かしめることにより密閉して、本実施例のリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。なお、上記電解液としては、電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との混合溶媒(体積比3:7)にLiPF 1mol/Lを溶解させて得られた電解液を用いた。
[実施例2]
負極における負極活物質層の空孔率および厚さがそれぞれ27%および64μmとなるようにプレス条件を調節したこと以外は、上述した実施例1と同様の手法により、本実施例のリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。
[実施例3]
負極における負極活物質層の空孔率および厚さがそれぞれ32%および69μmとなるようにプレス条件を調節したこと以外は、上述した実施例1と同様の手法により、本実施例のリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。
[実施例4]
負極における負極活物質層の空孔率および厚さがそれぞれ23%および60μmとなるようにプレス条件を調節したこと以外は、上述した実施例1と同様の手法により、本実施例のリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。
[実施例5]
負極活物質として、SiOを用いることなくグラファイト91.5質量部を用いたこと以外は、上述した実施例2と同様の手法により、本実施例のリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。なお、得られた負極における負極活物質層の空孔率は27%であり、厚さは63μmであった。
[比較例1]
負極における負極活物質層の空孔率および厚さがそれぞれ35%および72μmとなるようにプレス条件を調節したこと以外は、上述した実施例1と同様の手法により、本比較例のリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。
[比較例2]
ゲル形成性ポリマーに代えて、ポリフッ化ビニリデン(PVdF、クレハKFポリマーW#9700)をバインダとして用い、かつ、負極における負極活物質層の空孔率および厚さがそれぞれ25%および62μmとなるようにプレス条件を調節したこと以外は、上述した実施例1と同様の手法により、本比較例のリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。
[比較例3]
ゲル形成性ポリマーに代えて、ポリフッ化ビニリデン(PVdF、クレハKFポリマーW#9700)をバインダとして用い、かつ、負極における負極活物質層の空孔率および厚さがそれぞれ24%および61μmとなるようにプレス条件を調節したこと以外は、上述した実施例5と同様の手法により、本比較例のリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。
[比較例4]
バインダであるポリフッ化ビニリデンに代えて、ゲル形成性ポリマーであるポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン(PVdF-HFP)(Kyner Flex 2501、Arkema製、ヘキサフルオロプロピレン由来の構成単位数の割合:6.9モル%)を用いたこと以外は、上述した比較例2と同様の手法により、本比較例のリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。
[比較例5]
負極における負極活物質層の空孔率および厚さがそれぞれ30%および67μmとなるようにプレス条件を調節したこと以外は、上述した比較例4と同様の手法により、本比較例のリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。
[負極活物質層の空孔体積(x)の算出]
実施例1~5および比較例1~5において作製した負極について、以下のようにして負極活物質層の空孔体積を算出した。
(1)負極活物質層の単位面積当たりの重量を測定した。材料の配合比から、負極活物質層の単位面積当たりの各材料の重量を求めた。
(2)マイクロメーターを用いて、負極活物質層の厚さ[A]を測定した。
(3)(1)で求めた各材料の重量と、各材料の密度とを用いて、空孔率0%である場合の負極活物質層の厚さ[B]を算出した。
(4)測定した負極活物質層の厚さと算出した負極活物質層の厚さとの差(A-B)から負極活物質層の空孔体積を算出し、負極活物質層1mあたりの空孔体積(x)を求めた。
[負極活物質層に含まれるゲル形成性ポリマーの体積(y)の算出]
上記(1)で求めたゲル形成性ポリマーの重量と、ゲル形成性ポリマーの密度とを用いて、負極活物質層に含まれるゲル形成性ポリマーの体積を算出し、負極活物質層1mあたりに含まれるゲル形成性ポリマーの体積(y)を求めた。
[電解液に対するゲル形成性ポリマーの吸液率(z)の測定]
電解液に対するゲル形成性ポリマーの吸液率(z)は、電解液への浸漬前および浸漬後のゲル形成性ポリマーの重量を測定して、以下の式により算出した:
吸液率(%)=[(電解液浸漬後のゲル形成性ポリマーの重量-電解液浸漬前のゲル形成性ポリマーの重量)/電解液浸漬前のゲル形成性ポリマーの重量]×100。
試料としては、各実験例において用いたゲル形成性ポリマーをN-メチル-2-ピロリドンに溶解して、キャスト膜を作製した。キャスト膜の電解液への浸漬は、25℃~50℃にて24時間行った。
吸液率を求めるための電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との混合溶媒(体積比3:7)にLiPF 1mol/Lを溶解させて得られた電解液を用いた。
[サイクル耐久性評価]
サイクル耐久性評価は、25℃に設定した恒温槽内(ARSF-0250-10、エスペック株式会社製)に上記で作製したリチウムイオン二次電池(コインセル)を設置して実施した。具体的には、まず、初回充放電処理として、CCCVモード(カットオフ電圧0.01V)で0.05Cの放電レートで定電流放電を行った後、カットオフ電圧に達した後は定電圧放電(カットオフ電流0.01C)を行った。次いで、CCモードで0.05Cの充電レートでセル電圧2Vまで定電流充電を行った。
その後、サイクル充放電処理として、CCCVモード(カットオフ電圧0.01V)で0.33Cの放電レートで定電流放電を行った後、カットオフ電圧に達した後は定電圧放電(カットオフ電流0.025C)を行った。次いで、CCモードで0.33Cの充電レートでセル電圧2Vまで定電流充電を行った。この放電-充電の処理を1サイクルとして、100サイクルのサイクル充放電処理を行った。そして、1サイクル目の充電容量に対する100サイクル目の充電容量の百分率を容量維持率[%]として算出した。
[出力特性評価]
出力特性評価は、25℃に設定した恒温槽内(ARSF-0250-10、エスペック株式会社製)に上記で作製したリチウムイオン二次電池(コインセル)を設置して実施した。具体的には、まず、低レート時の容量確認としてセル電圧範囲2~0.01V、電流値0.1Cレートにて充放電評価を2回行い、この際に得られた充電容量を基準容量とした。次に、0.1Cにて0.01Vまで放電した後、または2Cの充電レートにて、セル電圧2Vになるまで充電処理を行った。この際に得られた2Cにおける充電容量を実効容量とし、基準容量に対する実効容量の百分率を実効容量比[%]として算出した。
上述した各実験例における負極活物質層の仕様を下記の表1に示し、各実験例におけるx、y、z、(yz/x)および(x+y)の値、並びに容量維持率および実効容量比の測定結果を下記の表2に示す。
Figure 2023015587000005
Figure 2023015587000006
上記表2に示す結果から、本発明に係る実施例の非水電解質二次電池は、比較例の電池と比べて、サイクル耐久性の低下を最小限に抑えながらも、より優れた出力特性(レート特性)を発揮することがわかる。
10a 積層型二次電池、
10b 双極型二次電池、
11 集電体、
11a 正極側の最外層集電体、
11b 負極側の最外層集電体、
11’ 正極集電体
12 負極集電体
13 正極活物質層、
15 負極活物質層、
17 電解質層、
19 単電池層、
21 発電要素、
23 双極型電極、
25 正極集電板(正極タブ)、
27 負極集電板(負極タブ)、
29 ラミネートフィルム、
31 シール部。

Claims (9)

  1. 電極活物質およびゲル形成性ポリマーを含む電極活物質層が集電体の表面に配置されてなる電極と、
    前記電極活物質層に隣接するように配置されたセパレータに電解液が含浸されてなる電解質層と、
    を有し、
    前記電極活物質層1mあたりの空孔体積をx[m]とし、前記電極活物質層1mあたりに含まれるゲル形成性ポリマーの体積をy[m]とし、前記電解液に対するゲル形成性ポリマーの吸液率をz[%]としたとき、下記数式1:
    Figure 2023015587000007
    を満たす、非水電解質二次電池。
  2. 前記ゲル形成性ポリマーの破断強度が25~54[MPa]であり、かつ、前記zが15<z<90を満たす、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記x、yおよびzが、下記数式2:
    Figure 2023015587000008
    を満たす、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記x、yおよびzが、下記数式3:
    Figure 2023015587000009
    を満たす、請求項3に記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記xおよびyが、下記数式4:
    Figure 2023015587000010
    を満たす、請求項1~4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記xおよびyが、下記数式5:
    Figure 2023015587000011
    を満たす、請求項5に記載の非水電解質二次電池。
  7. 前記電極が負極であり、前記電極活物質がケイ素系負極活物質を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  8. 前記電極活物質に占める前記ケイ素系負極活物質の含有割合が0質量%を超えて5質量%以下である、請求項7に記載の非水電解質二次電池。
  9. 前記ゲル形成性ポリマーがポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン(PVdF-HEP)を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
JP2021119460A 2021-07-20 2021-07-20 非水電解質二次電池 Pending JP2023015587A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021119460A JP2023015587A (ja) 2021-07-20 2021-07-20 非水電解質二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021119460A JP2023015587A (ja) 2021-07-20 2021-07-20 非水電解質二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023015587A true JP2023015587A (ja) 2023-02-01

Family

ID=85131104

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021119460A Pending JP2023015587A (ja) 2021-07-20 2021-07-20 非水電解質二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023015587A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5504708B2 (ja) 双極型二次電池
US11456447B2 (en) Predoping method for negative electrode active material, manufacturing method for negative electrode, and manufacturing method for power storage device
KR101689496B1 (ko) 비수 전해액계 이차 전지
JP5957947B2 (ja) 双極型電極およびこれを用いた双極型リチウムイオン二次電池
KR101511895B1 (ko) 전기 디바이스용 부극 활물질, 전기 디바이스용 부극 및 전기 디바이스
KR101720832B1 (ko) 전기 디바이스용 부극 활물질
KR101660100B1 (ko) 전기 디바이스용 부극 활물질
KR101822355B1 (ko) 전기 디바이스용 부극 활물질 및 이것을 사용한 전기 디바이스
JP6815902B2 (ja) リチウムイオン二次電池用正極およびそれを用いた電池
MX2013013478A (es) Material activo de electrodos negativos para dispositivo electrico.
KR20160036577A (ko) 리튬 2 차 전지 및 리튬 2 차 전지용 전해액
WO2019198716A1 (ja) 非水電解質二次電池
US20200219669A1 (en) Method for pre-doping negative electrode active material and method for manufacturing electrode for electric device and electric device
JP2010218764A (ja) 双極型リチウムイオン二次電池用集電体
JP2016139521A (ja) 非水電解質二次電池
JP2014241263A (ja) 電気デバイス用負極、およびこれを用いた電気デバイス
JP2023017367A (ja) 非水電解質二次電池
JP7040364B2 (ja) 非水電解質二次電池
CN112840477B (zh) 非水电解质二次电池用负极以及使用了该负极的非水电解质二次电池
JP7040388B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP2023015587A (ja) 非水電解質二次電池
JP7040290B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP7481795B2 (ja) 非水電解質二次電池の製造方法
JP2023015589A (ja) 非水電解質二次電池
JP2022116891A (ja) 非水電解質二次電池用電極