JP7040388B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
近年、環境・エネルギー問題の解決へ向けて、種々の電気自動車の普及が期待されている。これら電気自動車の普及の鍵を握るモータ駆動用電源などの車載電源として、二次電池の開発が鋭意行われている。二次電池としては、高エネルギー密度、高出力が期待できるリチウムイオン二次電池に注目が集まっている。
リチウムイオン二次電池については、高容量化など、電池特性のさらなる向上を求めて種々の検討が行われている。また一方で、急速充電、急速放電に対応できることも必要とされている。
電池の高容量化を図りつつ、大電流での充放電負荷特性を向上させるための技術として、例えば特許文献1に記載の技術がある。特許文献1には、正極活物質層および負極活物質の空孔率、セパレータの透気度、電解液の伝導度に対する電解液を構成する非水溶媒の動粘度を適切に制御する方法が記載されている。このようにすることで、優れた充放電特性を有するリチウムイオン二次電池が得られるとされている。
国際公開第2015/041167号
しかしながら、本発明者らが検討を行ったところ、上記特許文献1に記載の技術を用いた場合であっても、出力特性が十分ではない場合があることが判明した。
したがって本発明は、出力特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、電極活物質層にバインダを用いないリチウムイオン二次電池において、正極活物質層の空孔におけるリチウムイオン濃度および負極活物質層の空孔におけるリチウムイオン濃度を同時に調節することによって、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、正極集電体の表面に正極活物質を含む非結着体である正極活物質層が形成されてなる正極と、負極集電体の表面に負極活物質を含む非結着体である負極活物質層が形成されてなる負極と、セパレータにリチウム塩を含む電解液が含浸されてなる電解質層と、を含む発電要素を有するリチウムイオン二次電池であって、正極活物質層1mあたりの空孔体積(m)と電解液のリチウム塩濃度(mol/m)との積x(mol/m)と、負極活物質層1mあたりの空孔体積(m)と電解液のリチウム塩濃度(mol/m)との積y(mol/m)とが、下記式(1)を満たす、リチウムイオン二次電池を提供する。
Figure 0007040388000001
本発明によれば、充電時および放電時における電極活物質層内のリチウムイオン濃度分布が最適化される。その結果、放電時における正極活物質層のリチウムイオンの供給、充電時における負極活物質層のリチウムイオンの供給の過不足が生じにくくなり、ハイレート時の出力特性が改善されうる。
本発明の一実施形態である双極型二次電池を模式的に表した断面図である。 負極活物質としてハードカーボン、正極活物質としてLiNi0.8Co0.15Al0.05を用いたリチウムイオン二次電池において、電極空孔率と必要なリチウム塩濃度との関係を示す図である。 本発明の正極空孔Li密度xと負極空孔Li密度yを示す図である。 二次電池の代表的な実施形態である扁平なリチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。
本発明の一形態は、正極集電体の表面に正極活物質を含む非結着体である正極活物質層が形成されてなる正極と、負極集電体の表面に負極活物質を含む非結着体である負極活物質層が形成されてなる負極と、セパレータにリチウム塩を含む電解液が含浸されてなる電解質層と、を含む発電要素を有するリチウムイオン二次電池であって、正極活物質層1mあたりの空孔体積(m)と電解液のリチウム塩濃度(mol/m)との積x(mol/m)と、負極活物質層1mあたりの空孔体積(m)と電解液のリチウム塩濃度(mol/m)との積y(mol/m)とが、下記式を満たす、リチウムイオン二次電池である。
Figure 0007040388000002
当該構成とすることで、充電時および放電時における電極活物質層内のリチウムイオン濃度分布が最適化されるため、電池の出力特性が改善されうる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみに制限されない。以下では、リチウムイオン二次電池の一形態である、双極型リチウムイオン二次電池を例に挙げて本発明を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。また、本明細書では、双極型リチウムイオン二次電池を単に「双極型二次電池」とも称し、双極型リチウムイオン二次電池用電極を単に「双極型電極」と称することがある。本明細書において、範囲を示す「X~Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20~25℃)/相対湿度40~50%の条件で行う。
<双極型二次電池>
図1は、本発明の一実施形態である双極型二次電池を模式的に表した断面図である。図1に示す双極型二次電池10は、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素21が、電池外装体であるラミネートフィルム29の内部に封止された構造を有する。
図1に示すように、本形態の双極型二次電池10の発電要素21は、集電体11の一方の面に電気的に結合した正極活物質層13が形成され、集電体11の反対側の面に電気的に結合した負極活物質層15が形成された複数の双極型電極23を有する。各双極型電極23は、電解質層17を介して積層されて発電要素21を形成する。なお、電解質層17は、基材としてのセパレータに電解液が含浸されてなる構成を有する。この際、一の双極型電極23の正極活物質層13と前記一の双極型電極23に隣接する他の双極型電極23の負極活物質層15とが電解質層17を介して向き合うように、各双極型電極23および電解質層17が交互に積層されている。すなわち、一の双極型電極23の正極活物質層13と前記一の双極型電極23に隣接する他の双極型電極23の負極活物質層15との間に電解質層17が挟まれて配置されている。ただし、本発明の技術的範囲は図1に示すような双極型二次電池に限定されず、例えば国際公開第2016/031688号に開示されているような複数の単電池層が電気的に直列に積層されてなる結果として同様の直列接続構造を有する電池であってもよい。
なお、図示はしないが、図1の双極型二次電池10において、正極活物質層13または負極活物質層15は、導電部材として導電性繊維である炭素繊維を含んでいてもよい。正極活物質層13または負極活物質層15が炭素繊維を含むことで、正極活物質層13または負極活物質層15の電解質層17側に接触する第1主面から集電体11側に接触する第2主面までを電気的に接続する導電通路を形成することができ、さらに当該導電通路と正極活物質または負極活物質とを電気的に接続することができる。また、負極活物質層15および正極活物質層13は、一般的な非水電解質二次電池の活物質層に含まれるバインダを含まない(すなわち、「非結着体」である)。
隣接する正極活物質層13、電解質層17、および負極活物質層15は、一つの単電池層19を構成する。したがって、双極型二次電池10は、単電池層19が積層されてなる構成を有するともいえる。また、単電池層19の外周部にはシール部(絶縁層)31が配置されている。これにより、電解質層17からの電解液の漏れによる液絡を防止し、電池内で隣り合う集電体11どうしが接触したり、発電要素21における単電池層19の端部の僅かな不揃いなどに起因する短絡が起こったりするのを防止している。なお、発電要素21の最外層に位置する正極側の最外層集電体11aには、片面のみに正極活物質層13が形成されている。また、発電要素21の最外層に位置する負極側の最外層集電体11bには、片面のみに負極活物質層15が形成されている。
さらに、図1に示す双極型二次電池10では、正極側の最外層集電体11aに隣接するように正極集電板(正極タブ)25が配置され、これが延長されて電池外装体であるラミネートフィルム29から導出している。一方、負極側の最外層集電体11bに隣接するように負極集電板(負極タブ)27が配置され、同様にこれが延長されてラミネートフィルム29から導出している。
なお、単電池層19の積層回数は、所望する電圧に応じて調節する。また、双極型二次電池10では、電池の厚みを極力薄くしても十分な出力が確保できれば、単電池層19の積層回数を少なくしてもよい。双極型二次電池10でも、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、発電要素21を電池外装体であるラミネートフィルム29に減圧封入し、正極集電板25および負極集電板27をラミネートフィルム29の外部に取り出した構造とするのがよい。なお、ここでは、双極型二次電池を例に挙げて説明したが、本発明が適用可能なリチウムイオン二次電池の種類は特に制限されない。例えば、本発明は、発電要素において単電池層が並列接続されてなる形式のいわゆる並列積層型電池などの従来公知の任意のリチウムイオン二次電池にも適用可能である。
以下、上述した双極型二次電池の主な構成要素について説明する。
[集電体]
集電体は、正極活物質層と接する一方の面から、負極活物質層と接する他方の面へと電子の移動を媒介する機能を有する。集電体を構成する材料に特に制限はないが、例えば、金属や、導電性を有する樹脂が採用されうる。
具体的には、金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス、チタン、銅などが挙げられる。これらのほか、ニッケルとアルミニウムとのクラッド材、銅とアルミニウムとのクラッド材、またはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが好ましく用いられうる。また、金属表面にアルミニウムが被覆されてなる箔であってもよい。または、カーボン被覆アルミニウム箔であってもよい。なかでも、電子伝導性や電池作動電位等の観点から、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケルが好ましい。
導電性を有する樹脂としては、導電性高分子材料または非導電性高分子材料に必要に応じて導電性フィラーが添加された樹脂が挙げられる。導電性高分子材料としては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアクリロニトリル、およびポリオキサジアゾールなどが挙げられる。かような導電性高分子材料は、導電性フィラーを添加しなくても十分な導電性を有するため、製造工程の容易化または集電体の軽量化の点において有利である。
非導電性高分子材料としては、例えば、ポリエチレン(PE;高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)など)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、またはポリスチレン(PS)などが挙げられる。かような非導電性高分子材料は、優れた耐電位性または耐溶媒性を有しうる。
上記の導電性高分子材料または非導電性高分子材料には、必要に応じて導電性フィラーが添加されうる。特に、集電体の基材となる樹脂が非導電性高分子のみからなる場合は、樹脂に導電性を付与するために必然的に導電性フィラーが必須となる。
導電性フィラーは、導電性を有する物質であれば特に制限なく用いることができる。例えば、導電性、耐電位性、またはリチウムイオン遮断性に優れた材料として、金属および導電性カーボンなどが挙げられる。金属としては、特に制限はないが、Ni、Ti、Al、Cu、Pt、Fe、Cr、Sn、Zn、In、Sb、およびKからなる群から選択される少なくとも1種の金属またはこれらの金属を含む合金もしくは金属酸化物を含むことが好ましい。また、導電性カーボンとしては、特に制限はない。好ましくは、アセチレンブラック、バルカン(登録商標)、ブラックパール(登録商標)、カーボンナノファイバー、ケッチェンブラック(登録商標)、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノバルーン、およびフラーレンからなる群より選択される少なくとも1種を含むものである。
導電性フィラーの添加量は、集電体に十分な導電性を付与できる量であれば特に制限はなく、一般的には、集電体の全質量100質量%に対して5~80質量%程度である。
なお、集電体は、単独の材料からなる単層構造であってもよいし、あるいは、これらの材料からなる層を適宜組み合わせた積層構造であっても構わない。集電体の軽量化の観点から、導電性を有する樹脂からなる導電性樹脂層を含んでいてもよい。また、単電池層間のリチウムイオンの移動を遮断する観点から、集電体の一部に金属層を設けてもよい。
[電極活物質層(正極活物質層、負極活物質層)]
電極活物質層(正極活物質層、負極活物質層)は、電極活物質(正極活物質、負極活物質)を含む。必要に応じて、導電助剤を含む。
本発明において、電極活物質(正極活物質層、負極活物質層)は、被覆用樹脂および必要に応じて導電助剤を含む被覆剤により被覆されている形態であってもよい。被覆剤により被覆された状態の電極活物質粒子は、電極活物質からなるコア部の表面に被覆用樹脂および必要に応じて導電助剤を含む被覆剤からなるシェル部が形成された、コア-シェル構造を有していてもよい。このような形態において、被覆剤に含まれる導電助剤は、被覆剤中で電子伝導パスを形成し、電極活物質層の電子移動抵抗を低減することで、電池の高レートでの出力特性向上に寄与しうる。当該形態は、例えば国際公開第2016/104679号に開示されている。
(正極活物質)
正極活物質としては、例えば、LiMn、Li(Mn,Ni)、LiCoO、LiNiO、Li(Ni-Mn)O、Li(Ni-Mn-Co)Oおよびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの等のリチウム-遷移金属複合酸化物、LiFePOなどのリチウム-遷移金属リン酸化合物、リチウム-遷移金属硫酸化合物などが挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、リチウム-遷移金属複合酸化物が、正極活物質として用いられる。なかでも、層状結晶構造を有するリチウム-遷移金属複合酸化物が容量および出力特性に特に優れるため好ましい。層状結晶構造を有するリチウム-遷移金属複合酸化物としては、LiCoO、LiNiO、LiNi0.8Co0.1Al0.1、LiNi0.8Co0.15Al0.05、LiNi0.5Mn0.5、LiNi0.8Mn0.1Co0.1、LiNi0.5Mn0.3Co0.2、LiNi1/3Mn1/3Co1/3などが挙げられる。より好ましくはリチウムとニッケルとを含有する複合酸化物が用いられる。さらに好ましくはLi(Ni-Mn-Co)Oおよびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの(以下、単に「NMC複合酸化物」とも称する)、またはリチウム-ニッケル-コバルト-アルミニウム複合酸化物(以下単に、「NCA複合酸化物」とも称する)などが用いられる。NMC複合酸化物は、リチウム原子層と遷移金属(Mn、NiおよびCoが秩序正しく配置)原子層とが酸素原子層を介して交互に積み重なった層状結晶構造を有する。そして、遷移金属Mの1原子あたり1個のLi原子が含まれ、取り出せるLi量が、スピネル系リチウムマンガン酸化物の2倍、つまり供給能力が2倍になり、高い容量を持つことができる。
NMC複合酸化物は、上述したように、遷移金属元素の一部が他の金属元素により置換されている複合酸化物も含む。その場合の他の元素としては、Ti、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、Sr、Cr、Fe、B、Ga、In、Si、Mo、Y、Sn、V、Cu、Ag、Znなどが挙げられ、好ましくは、Ti、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、Sr、Crであり、より好ましくは、Ti、Zr、P、Al、Mg、Crであり、サイクル特性向上の観点から、さらに好ましくは、Ti、Zr、Al、Mg、Crである。
NMC複合酸化物は、理論放電容量が高いことから、好ましくは、一般式(1):LiNiMnCo(但し、式中、a、b、c、d、xは、0.9≦a≦1.2、0<b<1、0≦c≦0.5、0<d≦0.5、0≦x≦0.3、b+c+d=1を満たす。MはTi、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、Sr、Crから選ばれる元素で少なくとも1種類である)で表される組成を有する。ここで、aは、Liの原子比を表し、bは、Niの原子比を表し、cは、Mnの原子比を表し、dは、Coの原子比を表し、xは、Mの原子比を表す。サイクル特性の観点からは、一般式(1)において、0.4≦b≦0.6であることが好ましい。なお、各元素の組成は、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法により測定できる。
一般に、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)およびマンガン(Mn)は、材料の純度向上および電子伝導性向上という観点から、容量および出力特性に寄与することが知られている。Ti等は、結晶格子中の遷移金属を一部置換するものである。サイクル特性の観点からは、遷移元素の一部が他の金属元素により置換されていることが好ましく、特に一般式(1)において0<x≦0.3であることが好ましい。Ti、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、SrおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも1種が固溶することにより結晶構造が安定化されるため、その結果、充放電を繰り返しても電池の容量低下が防止でき、優れたサイクル特性が実現し得ると考えられる。
より好ましい実施形態としては、一般式(1)において、b、cおよびdが、0.44≦b≦0.51、0.27≦c≦0.31、0.19≦d≦0.26であることが、容量と寿命特性とのバランスを向上させるという観点からは好ましい。例えば、LiNi0.5Mn0.3Co0.2は、一般的な民生電池で実績のあるLiCoO、LiMn、LiNi1/3Mn1/3Co1/3などと比較して、単位重量あたりの容量が大きい。これにより、エネルギー密度の向上が可能となり、コンパクトかつ高容量の電池を作製できるという利点を有しているため、航続距離の観点からも好ましい。なお、より容量が大きいという点ではLiNi0.8Co0.1Al0.1、LiNi0.8Co0.15Al0.05がより有利である。他方、LiNi0.5Mn0.3Co0.2はLiNi1/3Mn1/3Co1/3並みに優れた寿命特性を有している。
場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、リチウム-遷移金属複合酸化物が、正極活物質として用いられる。なお、上記以外の正極活物質が用いられてもよいことは勿論である。
正極活物質層に含まれる正極活物質の平均粒子径は特に制限されないが、高出力化の観点からは、好ましくは1~100μmであり、より好ましくは1~20μmである。
(負極活物質)
負極活物質としては、例えば、グラファイト(黒鉛)、ソフトカーボン、ハードカーボン等の炭素材料、リチウム-遷移金属複合酸化物(例えば、LiTi12)、金属材料(スズ、シリコン)、リチウム合金系負極材料(例えばリチウム-スズ合金、リチウム-シリコン合金、リチウム-アルミニウム合金、リチウム-アルミニウム-マンガン合金等)などが挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、炭素材料、リチウム-遷移金属複合酸化物、リチウム合金系負極材料が、負極活物質として好ましく用いられる。なお、上記以外の負極活物質が用いられてもよいことは勿論である。なかでも、炭素材料が容量および出力特性に優れるため好ましく、特にはハードカーボンである。
負極活物質の平均粒子径は特に制限されないが、高出力化の観点からは、好ましくは1~100μm、より好ましくは1~20μmである。
(導電助剤)
導電助剤は、電極活物質層中で電子伝導パス(導電通路)を形成する機能を有する。このような電子伝導パスが電極活物質層中に形成されると、電池の内部抵抗が低減しうる。特に、導電助剤の少なくとも一部が、電極活物質層の2つの主面同士を電気的に接続する導電通路を形成している(本実施形態では、電極活物質層の電解質層側に接触する第1主面から集電体側に接触する第2主面までを電気的に接続する導電通路を形成している)ことが好ましい。このような形態を有することで、電極活物質層中の厚さ方向の電子移動抵抗がさらに低減しうる。なお、導電助剤の少なくとも一部が、電極活物質層の2つの主面同士を電気的に接続する導電通路を形成している(本実施形態では、電極活物質層の電解質層側に接触する第1主面から集電体側に接触する第2主面までを電気的に接続する導電通路を形成している)か否かは、SEMや光学顕微鏡を用いて電極活物質層の断面を観察することにより確認することができる。
このような導電通路を確実に形成するという観点から、導電助剤は、繊維状の形態を有する導電性繊維を含むことが好ましい。具体的には、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、合成繊維の中に導電性のよい金属や黒鉛を均一に分散させてなる導電性繊維、ステンレス鋼のような金属を繊維化した金属繊維、有機物繊維の表面を金属で被覆した導電性繊維、有機物繊維の表面を、導電性物質を含む樹脂で被覆した導電性繊維等が挙げられる。なかでも、導電性に優れ、軽量であることから炭素繊維が好ましい。
ただし、繊維状の形態を有しない導電助剤が用いられてももちろんよい。例えば、粒子状(例えば、球状)の形態を有する導電助剤が用いられうる。導電助剤が粒子状である場合、粒子の形状は特に限定されず、粉末状、球状、板状、柱状、不定形状、燐片状、紡錘状等、いずれの形状であっても構わない。導電助剤が粒子状である場合の平均粒子径(一次粒子径)は、特に限定されるものではないが、電池の電気特性の観点から、0.01~10μm程度であることが好ましい。なお、本明細書中において、「粒子径」とは、導電助剤の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などの観察手段を用い、数~数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
粒子状(例えば、球状)の形態を有する導電助剤としては、例えば、アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、金、銅、チタン等の金属、これらの金属を含む合金または金属酸化物;カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンブラック(具体的には、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルランプブラック等)等のカーボンが挙げられるが、これらに限定されない。また、粒子状のセラミック材料や樹脂材料の周りに上記金属材料をめっき等でコーティングしたものも導電助剤として使用できる。これらの導電助剤のなかでも、電気的安定性の観点から、アルミニウム、ステンレス、銀、金、銅、チタン、およびカーボンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、アルミニウム、ステンレス、銀、金、およびカーボンからなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましく、カーボンを少なくとも1種を含むことがさらに好ましい。これらの導電助剤は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても構わない。
電極活物質層中における導電助剤の含有量は、電極活物質層の全固形分量(全ての部材の固形分量の合計)100質量%に対して、2~20質量%であることが好ましい。導電助剤の含有量が上記範囲であると、電極活物質層中で電子伝導パスを良好に形成できるとともに、電池のエネルギー密度が低下するのを抑えることができるという利点がある。
電極活物質層は、電極活物質を含む非結着体である。「電極活物質を含む非結着体である」とは、電極活物質がバインダ(結着剤)により互いの位置を固定されていない状態であることを意味する。電極活物質層(正極活物質層、負極活物質層)に電極用バインダを含まないため、電池の内部抵抗が低いものとなる。このような構成とすることで、バインダを結晶化させるための加熱乾燥工程が省略できる。また、活物質層の厚膜化とバインダの省略により、高容量(つまり、高エネルギー密度)の電池を得ることも可能となる。また、電極活物質層が電極活物質の非結着体からなるか否かは、電極活物質層を電解液中に完全に含浸した場合に電極活物質層が崩壊するか否かを観察することで確認できる。電極活物質層が電極活物質を含む結着体である場合には、1分以上その形状を維持することができるが、電極活物質層が電極活物質を含む非結着体からなる場合には、1分未満で形状の崩壊が起こる。
ここで、電極活物質層が実質的にバインダを含まないとは、具体的には、バインダの含有量が、電極活物質層に含まれる全固形分量100質量%に対して、1質量%以下(下限0質量%)であることを意味する。当該バインダの含有量は、より好ましくは0.5質量%以下であり、さらに好ましくは0.2質量%以下であり、特に好ましくは0.1質量%以下であり、最も好ましくは0質量%である。
なお、本明細書において電極活物質層が実質的に含まないとするバインダ(結着剤)とは活物質粒子同士及び活物質粒子と集電体とを結着固定するために用いられる公知の溶媒(分散媒)乾燥型のリチウムイオン電池用結着剤を意味し、デンプン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン及びスチレン-ブタジエンゴムが挙げられる。これらのリチウムイオン電池用結着剤は、水又は有機溶媒に溶解又は分散して使用され、溶媒(分散媒)成分を揮発させることで乾燥、固体化して活物質粒子同士及び活物質粒子と集電体とを強固に固定する。
電極活物質層の厚さは、正極活物質層については、好ましくは150~1500μmであり、より好ましくは180~950μmであり、さらに好ましくは200~800μmである。また、負極活物質層の厚さは、好ましくは150~1500μmであり、より好ましくは180~1200μmであり、さらに好ましくは200~1000μmである。上記範囲であれば、正極空孔Li密度xおよび負極空孔Li密度yを容易に所定の範囲に制御できる。また、電極活物質層の厚さが上述した下限値以上の値であれば、電池のエネルギー密度を十分に高めることができる。一方、電極活物質層の厚さが上述した上限値以下の値であれば、電極活物質層の構造を容易に維持することができる。本形態では、電極活物質層において結着剤(バインダ)を実質的に含まないため、電池を製造する際にバインダを含むスラリーを厚膜化する際に生じうるクラックの発生などが起こらず、厚膜である電極活物質層を得ることができる。
電極活物質層の空孔率は、正極活物質層については、好ましくは35~50%であり、より好ましくは35~45%である。また、負極活物質層の空孔率は、好ましくは30~60%であり、より好ましくは40~50%である。上記範囲であれば、正極空孔Li密度xおよび負極空孔Li密度yを容易に所定の範囲に制御できる。また、電極活物質層の空孔率が上述した下限値以上の値であれば、電極活物質層の形成時に電極活物質スラリーを塗布した後、塗膜をプレスする際のプレス圧を大きくする必要がない。その結果、所望の厚さおよび面積を有する電極活物質層を好適に形成することができる。一方、電極活物質層の空隙率が上述した上限値以下の値であれば、電極活物質層中の電子伝導性材料(導電助剤、電極活物質等)同士の接触を十分に維持することができ、電子移動抵抗の増大が防止できる。その結果、電極活物質層の全体において(特に厚さ方向において)、充放電反応を均一に進行させることができる。なお、電極活物質層の空孔率は、電極活物質層の単位面積あたりの重量を測定し、マイクロメーターを用いて電極活物質層の厚さを測定して、各材料の密度から空孔体積を算出して求めることができる。
また、電極活物質層の密度は、正極活物質層については、好ましくは2.10~3.00g/cmであり、より好ましくは2.15~2.85g/cmであり、さらに好ましくは2.20~2.80g/cmである。また、負極活物質層の密度は、好ましくは0.60~1.30g/cmであり、より好ましくは0.70~1.20g/cmであり、さらに好ましくは0.80~1.10g/cmである。電極活物質層の密度が上述した下限値以上の値であれば、十分なエネルギー密度を有する電池を得ることができる。一方、電極活物質層の密度が上述した上限値以下の値であれば、空隙を満たす電解液が十分に確保され、電極活物質層におけるイオン移動抵抗の増大が防止できる。なお、本明細書において、電極活物質層の密度は、以下の方法により測定するものとする。
(電極活物質層の密度の測定方法)
電極活物質層の密度は、下記式(3)に従って算出する。
式(3):電極活物質層密度(g/cm)=固体材料重量(g)÷電極活物質層体積(cm
なお、固体材料重量は、プレス後の電極活物質層中の各材料の重量のうち、固体材料の重量のみを足し合わせることにより算出する。電極活物質層体積は電極の厚みと塗布面積から算出する。
[電解質層]
本形態に係るリチウムイオン二次電池の電解質層は、セパレータに電解液が含浸されてなる構成を有する。
電解液(液体電解質)は、リチウムイオンのキャリヤーとしての機能を有する。電解液層を構成する電解液(液体電解質)は、有機溶媒にリチウム塩が溶解した形態を有する。用いられる有機溶媒としては、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、プロピオン酸メチル(MP)、酢酸メチル(MA)、ギ酸メチル(MF)、4-メチルジオキソラン(4MeDOL)、ジオキソラン(DOL)、2-メチルテトラヒドロフラン(2MeTHF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン(DME)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、およびγ-ブチロラクトン(GBL)、アセトニトリルなどが挙げられる。中でも、有機溶媒は、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、およびブチレンカーボネート(BC)等を含むことが好ましい。有機溶媒は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
(リチウム塩)
リチウム塩としては、Li(FSON(リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド;LiFSI)、Li(CFSON、Li(CSON、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等が挙げられる。なかでも、出力特性(レート特性)および充放電サイクル特性の観点から、LiPFやLi(FSONがより好ましい。特にLi(FSONを用いることで出力特性に優れる電池が得られうる。リチウム塩は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
電解液におけるリチウム塩の濃度は、特に制限されないが、1~6.5mol/Lであることが好ましい。上記範囲であれば、電池容量および取扱い性に優れる。また、本発明の効果がより顕著に得られうる。より好ましくは、上記リチウム塩の濃度は1~3mol/Lであり、さらに好ましくは2~3mol/Lである。2種以上のリチウム塩を用いる場合はその合計量が上記範囲であることが好ましい。
電解液(液体電解質)は、上述した成分以外の添加剤をさらに含んでもよい。かような添加剤の具体例としては、例えば、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、ジメチルビニレンカーボネート、フェニルビニレンカーボネート、ジフェニルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、ジエチルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、1,2-ジビニルエチレンカーボネート、1-メチル-1-ビニルエチレンカーボネート、1-メチル-2-ビニルエチレンカーボネート、1-エチル-1-ビニルエチレンカーボネート、1-エチル-2-ビニルエチレンカーボネート、ビニルビニレンカーボネート、アリルエチレンカーボネート、ビニルオキシメチルエチレンカーボネート、アリルオキシメチルエチレンカーボネート、アクリルオキシメチルエチレンカーボネート、メタクリルオキシメチルエチレンカーボネート、エチニルエチレンカーボネート、プロパルギルエチレンカーボネート、エチニルオキシメチルエチレンカーボネート、プロパルギルオキシエチレンカーボネート、メチレンエチレンカーボネート、1,1-ジメチル-2-メチレンエチレンカーボネートなどが挙げられる。これらの添加剤は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。また、添加剤を電解液に使用する場合の使用量は、添加剤を添加する前の電解液100質量%に対して、好ましくは0.5~10質量%であり、より好ましくは0.5~5質量%である。
本形態に係るリチウムイオン二次電池において、電解質層にはセパレータが用いられる。セパレータは、電解質を保持して正極と負極との間のリチウムイオン伝導性を確保する機能、および正極と負極との間の隔壁としての機能を有する。
セパレータの形態としては、例えば、上記電解液を吸収保持するポリマーや繊維からなる多孔性シートのセパレータや不織布セパレータ等を挙げることができる。
ポリマーないし繊維からなる多孔性シートのセパレータとしては、例えば、微多孔質(微多孔膜)を用いることができる。該ポリマーないし繊維からなる多孔性シートの具体的な形態としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン;これらを複数積層した積層体(例えば、PP/PE/PPの3層構造をした積層体など)、ポリイミド、アラミド、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン(PVdF-HFP)等の炭化水素系樹脂、ガラス繊維などからなる微多孔質(微多孔膜)セパレータが挙げられる。
微多孔質(微多孔膜)セパレータの厚みとして、使用用途により異なることから一義的に規定することはできない。一例を示せば、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)、燃料電池自動車(FCV)などのモータ駆動用二次電池などの用途においては、単層あるいは多層で4~60μmであることが望ましい。前記微多孔質(微多孔膜)セパレータの微細孔径は、最大で1μm以下(通常、数十nm程度の孔径である)であることが望ましい。
不織布セパレータとしては、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステル;PP、PEなどのポリオレフィン;ポリイミド、アラミドなど従来公知のものを、単独または混合して用いる。また、不織布のかさ密度は、含浸させた高分子ゲル電解質により十分な電池特性が得られるものであればよく、特に制限されるべきものではない。さらに、不織布セパレータの厚さは、電解質層と同じであればよく、好ましくは5~200μmであり、特に好ましくは10~100μmである。
また、セパレータとしては多孔質基体に耐熱絶縁層が積層されたセパレータ(耐熱絶縁層付セパレータ)であることが好ましい。耐熱絶縁層は、無機粒子およびバインダを含むセラミック層である。耐熱絶縁層付セパレータは融点または熱軟化点が150℃以上、好ましくは200℃以上である耐熱性の高いものを用いる。耐熱絶縁層を有することによって、温度上昇の際に増大するセパレータの内部応力が緩和されるため熱収縮抑制効果が得られうる。その結果、電池の電極間ショートの誘発を防ぐことができるため、温度上昇による性能低下が起こりにくい電池構成になる。また、耐熱絶縁層を有することによって、耐熱絶縁層付セパレータの機械的強度が向上し、セパレータの破膜が起こりにくい。さらに、熱収縮抑制効果および機械的強度の高さから、電池の製造工程でセパレータがカールしにくくなる。
耐熱絶縁層における無機粒子は、耐熱絶縁層の機械的強度や熱収縮抑制効果に寄与する。無機粒子として使用される材料は特に制限されない。例えば、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタンの酸化物(SiO、Al、ZrO、TiO)、水酸化物、および窒化物、ならびにこれらの複合体が挙げられる。これらの無機粒子は、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、マイカなどの鉱物資源由来のものであってもよいし、人工的に製造されたものであってもよい。また、これらの無機粒子は1種のみが単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。これらのうち、コストの観点から、シリカ(SiO)またはアルミナ(Al)を用いることが好ましく、アルミナ(Al)を用いることがより好ましい。
耐熱性粒子の目付けは、特に限定されるものではないが、5~15g/mであることが好ましい。この範囲であれば、十分なイオン伝導性が得られ、また、耐熱強度を維持する点で好ましい。
耐熱絶縁層におけるバインダは、無機粒子どうしや、無機粒子と樹脂多孔質基体層とを接着させる役割を有する。当該バインダによって、耐熱絶縁層が安定に形成され、また多孔質基体層および耐熱絶縁層の間の剥離を防止される。
耐熱絶縁層に使用されるバインダは、特に制限はなく、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリロニトリル、セルロース、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、アクリル酸メチルなどの化合物がバインダとして用いられうる。このうち、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アクリル酸メチル、またはポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いることが好ましい。これらの化合物は、1種のみが単独で使用されてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
耐熱絶縁層におけるバインダの含有量は、耐熱絶縁層100質量%に対して、2~20質量%であることが好ましい。バインダの含有量が2質量%以上であると、耐熱絶縁層と多孔質基体層との間の剥離強度を高めることができ、セパレータの耐振動性を向上させることができる。一方、バインダの含有量が20質量%以下であると、無機粒子の隙間が適度に保たれるため、十分なリチウムイオン伝導性を確保することができる。
耐熱絶縁層付セパレータの熱収縮率は、150℃、2gf/cm条件下、1時間保持後にMD、TDともに10%以下であることが好ましい。このような耐熱性の高い材質を用いることで、発熱量が高くなり電池内部温度が150℃に達してもセパレータの収縮を有効に防止することができる。その結果、電池の電極間ショートの誘発を防ぐことができるため、温度上昇による性能低下が起こりにくい電池構成になる。
[正極集電板および負極集電板]
集電板(25、27)を構成する材料は、特に制限されず、リチウムイオン二次電池用の集電板として従来用いられている公知の高導電性材料が用いられうる。集電板の構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等の金属材料が好ましい。軽量、耐食性、高導電性の観点から、より好ましくはアルミニウム、銅であり、特に好ましくはアルミニウムである。なお、正極集電板25と負極集電板27とでは、同一の材料が用いられてもよいし、異なる材料が用いられてもよい。
[正極リードおよび負極リード]
また、図示は省略するが、集電体11と集電板(25、27)との間を正極リードや負極リードを介して電気的に接続してもよい。正極および負極リードの構成材料としては、公知のリチウムイオン二次電池において用いられる材料が同様に採用されうる。なお、外装から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆することが好ましい。
[シール部]
シール部(絶縁層)31は、集電体同士の接触や単電池層の端部における短絡を防止する機能を有する。シール部を構成する材料としては、絶縁性、固体電解質の脱落に対するシール性や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池動作温度下での耐熱性等を有するものであればよい。例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴム(エチレン-プロピレン-ジエンゴム:EPDM)、等が用いられうる。また、イソシアネート系接着剤や、アクリル樹脂系接着剤、シアノアクリレート系接着剤などを用いてもよく、ホットメルト接着剤(ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂)などを用いてもよい。なかでも、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性等の観点から、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂が、絶縁層の構成材料として好ましく用いられ、非結晶性ポリプロピレン樹脂を主成分とするエチレン、プロピレン、ブテンを共重合した樹脂を用いることが好ましい。
[電池外装体]
電池外装体としては、公知の金属缶ケースを用いることができるほか、図1に示すように発電要素を覆うことができる、アルミニウムを含むラミネートフィルム29を用いた袋状のケースが用いられうる。該ラミネートフィルムには、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。高出力化や冷却性能に優れ、EV、HEV用の大型機器用電池に好適に利用することができるという観点から、ラミネートフィルムが好ましく、アルミネートラミネートがより好ましい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、正極活物質層1mあたりの空孔体積と電解液のリチウム塩濃度との積x(正極空孔Li密度)と、負極活物質層1mあたりの空孔体積と電解液のリチウム塩濃度との積y(負極空孔Li密度)とが、それぞれ、上記式(1)の所定の値であることを特徴とする。正極空孔Li密度と負極空孔Li密度とを上記式(1)の範囲とすることで、放電時における正極活物質層のリチウムイオンの供給、充電時における負極活物質層のリチウムイオンの供給の過不足が生じにくくなり、出力特性が改善される。また、電極活物質層における充放電反応の反応分布のバラツキが低減され、サイクル耐久性を向上することができる。特にハイレート動作時の実効容量を増加させることができる。そのため、厚膜化した電極を用いた場合であっても優れた出力特性を示す電池が得られうる。
電解液の特性に関する評価としては、従来、リチウム金属を対極に用いた、いわゆるハーフセルによる正極または負極の出力特性のみから評価している場合が多く、実際のリチウムイオン二次電池においては、空孔と厚みを持った正負極活物質中のイオン輸送のバランスが重要である点に着目されていなかった。リチウム金属を対極に用いたハーフセルでは電解液の輸送現象が実際のリチウムイオン二次電池とは異なるため、実際のリチウムイオン二次電池の内部における電池反応、イオン輸送現象を評価することはできない。そのため、ハーフセルによる正極または負極の出力特性の傾向から、実際のリチウムイオン二次電池の出力特性を推定することは容易ではない。ここで、イオン輸送とは、電極層・セパレータ層の空孔に満たされた電解液中のLiイオンの移動をいう。電解液中にLiはイオンとして存在しており、電極の隙間部分(空孔)に満たされた電解液が電極活物質に対するLiイオンの供給源となる。より具体的には、単位空孔体積当たりに存在するLi量が多いほど、大電流で流した際にLiの供給不足が生じにくい。
本発明者らは、リチウムイオン二次電池において、正負極活物質層中のイオン輸送のバランスが重要である点に着目した結果、充電時には、正極活物質層の空孔中の高リチウムイオン濃度化による輸送速度、負極活物質層の空孔中の低リチウムイオン濃度化によるリチウム塩の供給を考慮する必要があることを見出した。一方、放電時には、正極活物質層の空孔中の低リチウムイオン濃度化によるリチウム塩の供給、負極活物質層空孔中の高リチウムイオン濃度化による輸送速度を考慮する必要があることを見出した。かかる知見に基づき検証した結果、正極活物質層1mあたりの空孔体積と電解液のリチウム塩濃度との積x(正極空孔Li密度)および負極活物質層1mあたりの空孔体積と電解液のリチウム塩濃度との積y(負極空孔Li密度)という新たな指標を見出したのである。そして、上記xおよびyを所定の値に制御することで、イオン輸送のバランスが最適化され、放電時における正極活物質層のリチウムイオンの供給、および充電時における負極活物質層のリチウムイオンの供給の過不足が生じにくくなる。その結果、ハイレート時の出力特性が改善される。
特に、高エネルギー密度の厚い電極を用いたリチウムイオン二次電池において、電極の厚さ方向の全体にわたってイオン輸送のバランスに優れるため、優れた出力特性を示すという効果がより顕著に得られうる。また、電極活物質層中の反応分布のバラツキを充分に抑制することができるため、電池のサイクル耐久性を向上することができる。
上述のように、ハーフセルを用いた出力特性の検討において、正極または負極における電極活物質中の空孔体積や電解液のリチウムイオン濃度を調節する際に、正極、負極の反応分布のバランスを考慮し、正極活物質層および負極活物質層における適切な空孔中のリチウムイオン濃度分布の範囲がどれ位であるか、といった検討は今までなされていなかった。本発明で規定する正極空孔Li密度xおよび負極空孔Li密度yの範囲は、本発明者らの詳細な電池反応、リチウム輸送論の検討に基づき新たに見出されたものである。
図2は、負極活物質としてハードカーボン、正極活物質としてLiNi0.8Co0.15Al0.05を用いたリチウムイオン二次電池において、電極空孔率と必要なリチウム塩濃度(必要塩濃度)との関係を示す図である。
ここでは、電解液に用いる溶媒としてエチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)を1:1の容積比で混合した混合非水溶媒を用い、リチウム塩としてLiN(FSOを用いた。
ここで電解質中の必要塩濃度(mol/L)は電池非動作時の濃度であればよいが、電池に用いる前の電解液中の塩濃度を用いてもよい。これは、電池は作動させることにより、電解液中の塩濃度が非平衡状態となり分布を形成する。この時、電解液の局所的(濃度の変化に基づく)な物性が変わるため、その際に最適なイオン輸送能(特性)を得るために、平衡状態である電池非動作時(電池に用いる前の電解液)の物性値(塩濃度)を用いている。なお、電池非動作時とは、電流を流さない状態で、その状態になる前に電流を流し、電池内部で非平衡状態になっていない状態を指す。平衡状態になる速度は、電池の仕様により異なる。通電せず、電圧が一定に落ち着いた状態と同意である。
なお、図2は、以下の電池サンプルを用いて、以下の反応シミュレーション計算により算出している。詳しくは、実施例で作製したラミネート型電池(正極膜厚350~400μm、負極膜厚300~450μm、セパレータ膜厚20μm)をモデル化した電池反応シミュレーション計算により算出している。負極活物質としてハードカーボン、正極活物質としてLiNi0.8Co0.15Al0.05を用いたリチウムイオン二次電池において、いくつかのリチウム塩濃度を設定し、満充電状態(4.2V充電)後に0.33Cレートで放電、その後充電したときの充放電曲線を求めた。そして、充放電にともなう電極活物質層の厚さ方向のリチウムイオン濃度分布の変化を求めた。正極活物質および負極活物質の目付(単位面積あたりの電極重量)が一定となるように空孔率と電極活物質層の厚さを変化させた。
電池反応シミュレーションにはNewmanモデルの1次元拡散モデルを用い、下記の6つの微分方程式からなる連立微分方程式の解を求めることで、6つの変数を求めている。なお、これらの計算には、計算ソフト;COMSOL Multiphysicsを用いて行った。詳しくは、COMSOLの計算ではバッテリーモジュールという予めNewmanモデルベースの電池反応式が構築された計算モデルデータが内包されている。ここでは、検討している電池構造(実施例で作製したラミネート型電池の製造条件や評価試験条件等)につき計算を行った。必要なデータ(条件)は下記の通りである。
[電極構造情報]:電極厚み、セパレータ厚み、電極空孔率、セパレータ空孔率、活物質の体積分率、導電助剤の体積分率;
[材料物性情報]:活物質のOCV曲線、電極材料の電子伝導度、電極活物質中の初期Li濃度、活物質参照Li濃度、密度、平均粒子径、固体内拡散係数、反応速度乗数、電解液自己拡散係数、電解液イオン伝導度、電解液Liイオン輸率、電解液活量係数、電解液濃度;
[評価条件]:1Cレート電流値、カットオフ電圧、評価温度。
Figure 0007040388000003
上記式において、パラメータは以下の通りである;
Φ:電位、c:濃度、t:輸率、D:拡散係数、σ:導電率、i:電流。
ここで、6個の求める解は以下の通りである;
・C(x,t):電解液中のLi濃度
・Φ(x,t):電解液電位
・Css(x,t):活物質表面のLi濃度
・i(x,t):電解液電流
・jin(x,t):活物質と電解液との界面での流束密度
・Φ(x,t):固体相電位(=活物質表面電位)。
上記Newmanモデル計算から、リチウム塩濃度を変化させて、空孔率に関するパラメトリックスタディを行い、空孔率の最適値を求めた。最適空孔率から算出される空孔体積中に含まれる電解液量からLiイオン量を算出し、これを最適な単位体積当たりの必要Li密度とした。この最適な必要Li密度が一定となるような電極空孔率と電解液中の必要なリチウム塩濃度(必要塩濃度)との関係を求め、図2に示した。併せて、リチウム塩濃度が3Mの電解液を用いた場合の正極最適空孔率と負極最適空孔率の範囲を示す。
図2に示すように、放電時は、正極は電解液からリチウムを受け取る。空孔率が低くなると、単位体積当たりに正極中に必要なリチウムイオンの量が多くなる。そのため、空孔率が低くなると、リチウムイオン供給不足になる。充電時は、正極はリチウムイオンを放出するが、空孔率が高くなると必要なリチウムイオンが少なくなりリチウムイオン過剰になる。エネルギー密度を考慮した場合、空孔率は低いほうが活物質を多く充填できるため好ましいが、必要なリチウム塩濃度を考慮すると、図2の範囲であることが好ましい。
また、充電時は、負極は電解液からリチウムを受け取る。空孔率が低くなると、負極中に必要なリチウムイオンの量が多くなる。そのため、空孔率が低くなると、リチウムイオン供給不足になる。放電時は、負極はリチウムイオンを放出するが、空孔率が高くなると必要なリチウムイオンが少なくなりリチウムイオン過剰になる。エネルギー密度を考慮した場合、空孔率は低いほうが活物質を多く充填できるため好ましいが、必要なリチウム塩濃度を考慮すると、図2の範囲であることが好ましい。
図3に示すように、正極、負極で用いる材料、密度が異なることから、正極についての電極空孔率と電解液中の必要なリチウム塩濃度(必要塩濃度)との関係は負極のものとは同じ線上には乗らず、それぞれ最適な空孔率は相違する。
上記の空孔率と必要なリチウム塩濃度(必要塩濃度)から、最適な正極空孔Li密度xと負極空孔Li密度yを求め、図3に示した。
x、yが図3の式(1)で示す範囲内であれば、充放電時における正極活物質層および負極活物質層のリチウムイオン濃度のバランスが改善され、効率的に電池反応が進行しうるため、レート特性が向上しうる。
好ましくは、正極空孔Li密度xと負極空孔Li密度yは、下記式(2)をさらに満たす。
Figure 0007040388000004
上記範囲内の値であれば、充放電時における正極活物質層および負極活物質層のリチウムイオン濃度のバランスが改善され、効率的に電池反応が進行しうる効果がより高くなり、さらにレート特性が向上するため好ましい。
より好ましくは、正極空孔Li密度xと負極空孔Li密度yは、下記式(3)をさらに満たす。
Figure 0007040388000005
上記範囲であれば、好適なレート特性が得られるとともに、厚膜であり高エネルギー密度の電池が容易に得られうる。
<リチウムイオン二次電池の製造方法>
本発明のリチウムイオン二次電池の製造方法は特に制限されないが、正極および負極は、例えば、電極活物質スラリーを集電体の表面に塗工することにより塗膜を形成する工程(工程(2))を含む方法によって作製される。好適には、工程(2)の前に電極活物質、リチウム塩および非水溶媒を混合することにより電極活物質スラリーを調製する工程(工程(1))を含む。
なお、本形態においては、電極活物質層はバインダを実質的に含まない非結着体である。このため、加熱・乾燥工程を要しない。生産性の観点からも、本発明の製造方法は、工程(1)以降に加熱・乾燥工程を含まないことが好ましい。
[電極活物質スラリーの調製(工程(1))]
工程(1)では、電極活物質、リチウム塩および非水溶媒を混合し、電極活物質スラリーを調製する。この際、電極活物質、リチウム塩および非水溶媒を混合する前に電極活物質および導電助剤を乾燥することが好ましい。
電極活物質、リチウム塩および非水溶媒を混合し、電極活物質スラリーを調製する方法は特に制限されず、各成分を混合する混合方法等、従来公知の知見が適宜参照される。また、部材の添加順についても特に制限されるものではないが、具体的には、リチウム塩および非水溶媒を混合して電解液を作製した後に、電極活物質を添加する方法などが挙げられる。また、混合機としては、自転公転ミキサー、プラネタリーミキサー、ホモミキサーなどのミキサーや、超音波分散機、ジェットミルなどの分散機が挙げられる。中でも、自転公転ミキサーなどの自転・公転型攪拌機にて混合を行うことが好ましい。混合時間は均一に混合されるよう、適宜設定され、例えば、10秒~10分である。
上記各製造段階は、水分含量の低減された環境下で行うことが好ましく、例えば、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性雰囲気で行うことが好ましい。
電極活物質スラリーの濃度は、特に制限されない。ただし、工程(2)における塗布や、後述の工程(3)におけるプレスを容易にする観点から、活物質スラリー100質量%に対する全固形分の濃度は、好ましくは40~75質量%であり、より好ましくは45~70質量%であり、さらに好ましくは60~70質量%である。濃度が上記範囲内であると、工程(2)における塗布で十分な厚さを有する活物質層を容易に形成することができると共に、工程(3)におけるプレスで空隙率や密度を調整することが容易となる。
電極活物質スラリーは、その他の成分を含んでもよい。例えば、電極活物質層の構成成分として導電助剤などを用いる場合には、本工程において同時に含ませることができる。
[電極活物質スラリーを集電体の表面に塗工することにより塗膜を形成する工程(工程(2))]
工程(2)では、電極活物質スラリーを集電体の表面に塗工する。この塗工により形成
される塗膜は、電極活物質層を構成することとなる。塗工方法については、特に制限され
ず、従来公知の知見が適宜参照される。
[工程(2)で塗工した塗膜をプレスする工程(3)]
上記工程(2)の後、必要に応じて工程(2)で塗工した塗膜をプレスする工程(3)を行ってもよい。
このとき、塗膜状に多孔質シートを配置してもよい。多孔質シートは、電極活物質スラリーをプレスする際に、プレス装置にスラリーが付着するのを防ぐ目的、プレスの際に滲出する余分な電解液を吸収する目的で使用する。そのため、多孔質シートの材料や形態は、上記目的を達成できるものであれば特に制限されない。
一例を挙げると、多孔質シートとして、本技術分野でセパレータとして使用される、微多孔膜、不織布などと同様のものを使用することができる。具体的には、微多孔膜としては、ポリイミド、アラミド、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン(PVdF-HFP)等の炭化水素系樹脂、ガラス繊維などからなる微多孔膜が挙げられる。また、不織布としては、綿、レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステル;PP、PEなどのポリオレフィン;ポリイミド、アラミドなどを、単独または混合して用いた不織布が挙げられる。
なお、上記多孔質シートは、プレス後に取り除いてもよいし、そのまま電池のセパレータとして用いても構わない。プレス後に多孔質シートをそのままセパレータとして用いる場合は、当該多孔質シートのみをセパレータとして電解質層を形成してもよいし、当該多孔質シートと別のセパレータとを組み合わせて(すなわち、セパレータを2枚以上として)電解質層を形成してもよい。
工程(3)のプレス装置は、塗膜の全面に均一に圧力を加えられる装置であることが好ましく、具体的には、ハイプレッシャージャッキ J-1(アズワン株式会社製)が使用できる。プレスの際の圧力は、特に制限されないが、好ましくは1~45MPaであり、より好ましくは3~40MPaであり、さらに好ましくは12~40MPaである。圧力が上記範囲であると、上述した好ましい実施形態に係る電極活物質層の空隙率や密度を容易に実現することができる。
上記のように正極および負極を作製した後、常法により非水電解質二次電池を作製することができる。具体的には、正極と負極が電解質層を介して対向するように積層させることにより、単電池を作製するとよい。そして、単電池の数が所望の数となるまで電解質層および電極の積層を繰り返し、積層体を得る。次に、得られた積層体に正極タブ、負極タブを溶接により接合する。必要に応じて、溶接後に余分なタブ等をトリミングにより除去するのが望ましい。接合方法としては特に制限されるものではないが、超音波溶接機にて行うのが、接合時に発熱(加熱)せず、極めて短時間で接合できる為、熱による電極活物質層の劣化を防止できる点で優れている。この際、正極タブと、負極タブとは、同じ辺(同じ取出し側)で対向(対峙)するように配置することができる。これにより、各正極の正極タブを1つに束ねて1つの正極集電板として外装体から取り出すことができる。同様に各負極の負極タブを1つに束ねて1つの負極集電板として外装体から取り出すことができる。また、正極集電板(正極集電タブ)と、負極集電板(負極集電タブ)とが、反対の辺(異なる取出し辺)となるように配置してもよい。
次いで、積層体を外装体へ収納する。積層体を、電池外装体に用いるラミネートフィルムで、上下から、正極集電板(正極集電タブ)と、負極集電板(負極集電タブ)を電池外装体の外部に取り出せるようにして、挟み込む。
次に、上下のラミネートフィルムの外周部(封止部)のうち3辺を熱圧着して封止する。外周部のうち3辺を熱圧着して封止することで、3辺封止体を得る。この際、正極集電板(正極集電タブ)、負極集電板(負極集電タブ)を取り出す辺の熱封止部は、封止しておくのが好ましい。これは、その後の注液時に、これらの正極集電板、負極集電板が開口部にあると、注液時に電解液が飛び散るなどする恐れがあるためである。
なお、上記においては、積層構造の電池の説明を行ったが、積層型に限定されず、電池の構成としては、角形、ペーパー型、円筒型、コイン型等、種々の形状を採用することができる。
次に、注液装置にて3辺封止体の残る1辺の開口部より、3辺封止体内部に、電解液を注液する。これによりセパレータに電解質を含浸した電解質層が形成される。この際、電解質が3辺封止体内部の積層体、特にセパレータおよび電極活物質層にできるだけ早く含浸できるように、3辺封止体は、真空ポンプに連結された真空ボックスに収納することが好ましい。さらに、減圧して内部を高真空状態にした状態で注液を行うのが望ましい。注液後、3辺封止体を真空ボックスから取出し、3辺封止体の残る1辺を仮封止して、ラミネートタイプ(積層構造)の非水電解質二次電池を得る。なお、ここで注液される電解液は、電極活物質スラリーを形成する際に用いた電解液と同じものであっても異なるものであってもよいが、同じものであることが好ましい。
[セルサイズ]
図4は、二次電池の代表的な実施形態である扁平な双極型リチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。
図4に示すように、扁平な双極型二次電池50では、長方形状の扁平な形状を有しており、その両側部からは電力を取り出すための正極タブ58、負極タブ59が引き出されている。発電要素57は、双極型二次電池50の電池外装体(ラミネートフィルム52)によって包まれ、その周囲は熱融着されており、発電要素57は、正極タブ58および負極タブ59を外部に引き出した状態で密封されている。ここで、発電要素57は、先に説明した図1に示す双極型二次電池10の発電要素21に相当するものである。発電要素57は、双極型電極23が、電解質層17を介して複数積層されたものである。
なお、上記リチウムイオン二次電池は、積層型の扁平な形状のものに制限されるものではない。巻回型のリチウムイオン二次電池では、円筒型形状のものであってもよいし、こうした円筒型形状のものを変形させて、長方形状の扁平な形状にしたようなものであってもよいなど、特に制限されるものではない。上記円筒型の形状のものでは、その外装体に、ラミネートフィルムを用いてもよいし、従来の円筒缶(金属缶)を用いてもよいなど、特に制限されるものではない。好ましくは、発電要素がアルミニウムラミネートフィルムで外装される。当該形態により、軽量化が達成されうる。
また、図4に示すタブ(58、59)の取り出しに関しても、特に制限されるものではない。正極タブ58と負極タブ59とを同じ辺から引き出すようにしてもよいし、正極タブ58と負極タブ59をそれぞれ複数に分けて、各辺から取り出しようにしてもよいなど、図4に示すものに制限されるものではない。また、巻回型のリチウムイオン電池では、タブに変えて、例えば、円筒缶(金属缶)を利用して端子を形成すればよい。
一般的な電気自動車では、電池格格納納スペースが170L程度である。このスペースにセルおよび充放電制御機器等の補機をするため、通常セルの格納スペース効率は50%程度となる。この空間へのセルの積載効率が電気自動車の航続距離を支配する因子となる。単セルのサイズが小さくなると上記積載効率が損なわれるため、航続距離を確保できなくなる。
したがって、本発明において、発電要素を外装体で覆った電池構造体は大型であることが好ましい。具体的には、ラミネートセル電池の短辺の長さが100mm以上であることが好ましい。かような大型の電池は、車両用途に用いることができる。ここで、ラミネートセル電池の短辺の長さとは、最も長さが短い辺を指す。短辺の長さの上限は特に限定されるものではないが、通常400mm以下である。
[体積エネルギー密度および定格放電容量]
一般的な電気自動車では、一回の充電による走行距離(航続距離)をいかに長くするかが重要な開発目標である。かような点を考慮すると、電池の体積エネルギー密度は157Wh/L以上であることが好ましく、かつ定格容量は20Wh以上であることが好ましい。
また、電極の物理的な大きさの観点とは異なる、大型化電池の観点として、電池面積や電池容量の関係から電池の大型化を規定することもできる。例えば、扁平積層型ラミネート電池の場合には、定格容量に対する電池面積(電池外装体まで含めた電池の投影面積)の比の値が5cm/Ah以上であり、かつ、定格容量が3Ah以上である電池に対して本発明が適用されることが好ましい。さらに、矩形状の電極のアスペクト比は1~3であることが好ましく、1~2であることがより好ましい。なお、電極のアスペクト比は矩形状の正極活物質層の縦横比として定義される。アスペクト比をかような範囲とすることで、車両要求性能と搭載スペースを両立できるという利点がある。
[組電池]
組電池は、電池を複数個接続して構成した物である。詳しくは少なくとも2つ以上用いて、直列化あるいは並列化あるいはその両方で構成されるものである。直列、並列化することで容量および電圧を自由に調節することが可能になる。
電池が複数、直列にまたは並列に接続して装脱着可能な小型の組電池を形成することもできる。そして、この装脱着可能な小型の組電池をさらに複数、直列に又は並列に接続して、高体積エネルギー密度、高体積出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に適した大容量、大出力を持つ組電池を形成することもできる。何個の電池を接続して組電池を作製するか、また、何段の小型組電池を積層して大容量の組電池を作製するかは、搭載される車両(電気自動車)の電池容量や出力に応じて決めればよい。
[車両]
本形態のリチウムイオン二次電池は、出力特性に優れ、長期使用しても放電容量が維持され、サイクル特性が良好である。さらに、体積エネルギー密度が高い。電気自動車やハイブリッド電気自動車や燃料電池車やハイブリッド燃料電池自動車などの車両用途においては、電気・携帯電子機器用途と比較して、高容量、大型化が求められるとともに、長寿命化が必要となる。したがって、上記リチウムイオン二次電池は、車両用の電源として、例えば、車両駆動用電源や補助電源に好適に利用することができる。
具体的には、電池またはこれらを複数個組み合わせてなる組電池を車両に搭載することができる。本発明では、長期信頼性および出力特性に優れた高寿命の電池を構成できることから、こうした電池を搭載するとEV走行距離の長いプラグインハイブリッド電気自動車や、一充電走行距離の長い電気自動車を構成できる。電池またはこれらを複数個組み合わせてなる組電池を、例えば、自動車ならばハイブリッド車、燃料電池車、電気自動車(いずれも四輪車(乗用車、トラック、バスなどの商用車、軽自動車など)のほか、二輪車(バイク)や三輪車を含む)に用いることにより高寿命で信頼性の高い自動車となるからである。ただし、用途が自動車に限定されるわけではなく、例えば、他の車両、例えば、電車などの移動体の各種電源であっても適用は可能であるし、無停電電源装置などの載置用電源として利用することも可能である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、「部」は特に断りのない限り、「質量部」を意味する。なお、正極活物質スラリーおよび負極活物質スラリーの調製から電池の作製までの工程をグローブボックス内で行った。また、特に断りがない限り、大気圧下で行った。
[実施例1]
<電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)との混合溶媒(体積比率1:1)に、LiN(FSOを2mol/Lの割合で溶解させて、電解液を得た。
<正極活物質スラリーの調製>
上記で作製した電解液47質量部と、正極活物質であるLiNi0.8Co0.15Al0.05粉末(平均粒子径:5μm)92質量部、導電助剤であるアセチレンブラック(デンカ株式会社製、平均粒子径(一次粒子径):0.036μm)6質量部および炭素繊維(大阪ガスケミカル株式会社製、平均繊維径:約50nm、平均繊維長:約40μm)2質量部とを、遊星撹拌型混合混錬装置(株式会社シンキー製)を用いて2000rpmで6分間混合することで正極活物質スラリーを得た。ここで、電解液は所望の空孔率になるように密度計算して配合した。電極層の電解液を除く面積当たりの目付量は99mg/cmであった。
<負極活物質スラリーの調製>
上記で調製した電解液の添加量を90質量部に変更し、正極活物質に代えて、負極活物質としてハードカーボン(難黒鉛化炭素)粉末(平均粒子径:10μm)92質量部を用いたことを除いては上記正極活物質スラリーの調製と同様の手順で負極活物質スラリーを得た。電極層の電解液を除く面積当たりの目付量は37mg/cmであった。
<リチウムイオン二次電池の作製>
上記で得られた正極活物質スラリーをAl端子付きアルミニウム箔上に塗布して正極とした。正極活物質層の面積は12cmであった。なお、当該正極活物質層は、厚さ460μm、空孔率52%、密度2.8g/cmであった。
得られた正極活物質層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で確認したところ、導電助剤の少なくとも一部が、正極活物質層の電解質層側に接触する第1主面から集電体側に接触する第2主面までを電気的に接続する導電通路を形成していた。
また、上記で得られた負極活物質スラリーをNi端子付き銅箔上に塗布して負極とした。負極活物質層の面積は12.4cmであった。なお、当該負極活物質層は、厚さ420μm、空孔率43%、密度1.4g/cmであった。
得られた負極活物質層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で確認したところ、導電部材の少なくとも一部が、負極活物質層の電解質層側に接触する第1主面から集電体側に接触する第2主面までを電気的に接続する導電通路を形成していた。
次いで、これらの電極の間に14cmのセパレータ(セルガード社製 セルガード(登録商標)3501 PP製)を挿入し、積層体とした後、熱融着型アルミラミネートフィルムに挟み真空封止することでパウチ型リチウムイオン二次電池とした。
<評価方法>
出力評価は、45℃に設定した恒温槽(ARSF-0250-10、エスペック株式会社製)内に上記で作製したリチウムイオン二次電池を設置し実施した。上記で作製したリチウムイオン二次電池を厚み5mmウレタンラバーとシリコーンスポンジシートで挟み込み、厚み10mmの金属板とM6ネジを用いて6点拘束した状態で評価を行った。初めに、低レート時の容量確認としてセル電圧範囲4.2-2.5V、電流値0.05Cレートにて充放電評価を2回行い得られた容量を基準容量とした。Cレートは2.5Vカットオフにて得られるセル容量を基に算出した。次に、0.05Cにて4.2Vまで充電した後、1Cレートにてセル電圧2.5V条件で放電を行った。得られた1C実効容量/基準容量×100を1C実効容量比(%)とした。
結果を表1に示す。また、各実施例、比較例におけるx、yを図3に示す。
Figure 0007040388000006
上記表1のように、バインダを用いないリチウムイオン二次電池において、実施例1~14のように正極空孔Li密度xと負極空孔リチウム密度yがともに上記式(1)で表される範囲の値を有する電池は、1C、45℃の高レート動作時に高い実効容量を示す。すなわち、40%以上の1C実効容量比を示す。これに対して、比較例1~12のようにxまたはyのいずれかまたは両方が式(1)を満たさない場合は十分なレート特性が得られない。特に、実施例1、2、4、7、8、12~14のようにxおよびyが上記式(2)を満たす電池では、50%以上の優れた1C実効容量比を示すことがわかった。
10、50 双極型二次電池、
11 集電体、
11a 正極側の最外層集電体、
11b 負極側の最外層集電体、
13 正極活物質層、
15 負極活物質層、
17 電解質層、
19 単電池層、
21、57 発電要素、
23 双極型電極、
25 正極集電板(正極タブ)、
27 負極集電板(負極タブ)、
29、52 ラミネートフィルム、
31 シール部、
58 正極タブ、
59 負極タブ。

Claims (6)

  1. 正極集電体の表面に正極活物質を含む非結着体である正極活物質層が形成されてなる正極と、
    負極集電体の表面に負極活物質を含む非結着体である負極活物質層が形成されてなる負極と、
    セパレータにリチウム塩を含む電解液が含浸されてなる電解質層と、
    を含む発電要素を有するリチウムイオン二次電池であって、
    正極活物質層1mあたりの空孔体積(m)と電解液のリチウム塩濃度(mol/m)との積x(mol/m)と、負極活物質層1mあたりの空孔体積(m)と電解液のリチウム塩濃度(mol/m)との積y(mol/m)とが、下記式(1)を満たす、リチウムイオン二次電池。
    Figure 0007040388000007
  2. 下記式(2)をさらに満たす、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
    Figure 0007040388000008
  3. 下記式(3)をさらに満たす、請求項2に記載のリチウムイオン二次電池。
    Figure 0007040388000009
  4. 前記電解液中のリチウム塩濃度は、1~6.5mol/Lである、請求項1~3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 前記正極活物質は、層状結晶構造を有するリチウム-遷移金属複合酸化物を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  6. 前記負極活物質は、炭素材料を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
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