JP2023012825A - 開粒度混合物用アスファルト改質剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】舗装面からの骨材の飛散が抑制され、かつ、耐水性に優れるアスファルト混合物を得るための開粒度混合物用アスファルト改質剤を提供する。【解決手段】溶解度パラメータ(SP値)が10.7以上12以下であるポリエステル(A)を含む開粒度混合物用アスファルト改質剤。【選択図】なし

Description

本発明は、開粒度混合物用アスファルト改質剤、アスファルト混合物及び道路舗装方法に関する。
自動車道や駐車場、貨物ヤード、歩道等の舗装には、敷設が比較的容易であり、舗装作業開始から交通開始までの時間が短くてすむことから、アスファルト組成物を用いるアスファルト舗装が行われている。
このアスファルト舗装は、骨材をアスファルトで結合したアスファルト混合物によって路面が形成されているので、舗装道路は良好な硬度や耐久性を有している。
しかしながら、アスファルト舗装面は、長期使用によって轍やひび割れが入るため、舗装の補修を行う必要が生じ、維持費用が増大するとともに、自動車の交通に大きな影響を与える結果となっていた。
アスファルト混合物は、使用する骨材の粒度によって、密粒度、細粒度、開粒度等に区分されている。一般的な密粒配合のアスファルト混合物では、骨材100質量部に対して5.5質量部程度のアスファルトが配合されており、かつ、骨材中の粒径2.36mm以上の粗骨材の比率が70質量%未満で、空隙率としては5%未満程度である。
これに対して、開粒度アスファルト混合物(開粒度混合物とも言う。)は、骨材中の粒径2.36mm以上の粗骨材の比率が70質量%以上で、粗いことが特徴である。
代表的な開粒度アスファルト混合物混合物であるポーラスアスファルトは、細骨材及びフィラーの比率が少ない配合とすることで、空隙率が20%程度と大きい。例えば、高い排水機能が求められる高速道路や国道などの高規格道路において、透水性舗装や排水性舗装として多用される。排水性舗装は、水はねや水煙を防止することで雨天時にも良好な視界の確保でき、また路面上の水溜まりの形成を抑制することでハイドロプレーニング現象の発生リスクを低減でき、自動車運転の安全性の向上に寄与する。また、自動車走行により発生する騒音を空隙が吸収し、騒音低減にも寄与する。
また、砕石マスチックアスファルト(SMA)混合物も開粒度アスファルト混合物の別の典型例であり、耐摩耗用アスファルト混合物である。SMA配合においては、骨材中、粗骨材同士の間隙に細砂や石粉が充填されている。
特許文献1には、耐候性を有する多孔性開粒度アスファルト成型品として、ストレートアスファルトに燐酸系触媒を使用し空気を吹き込んで製造した、針入度40~60、軟化点80~100℃のブローンアスファルトを結合剤とする多孔性開粒度アスファルト成型品が開示されている。
特許文献2には、廃棄カーボンブラックの資源化と、紫外線曝露させたポーラスアスファルト舗装混合物のカンタブロ損失率が基準を満足させるポーラスアスファルト舗装混合物として、ポリマー改質アスファルトH型とカーボンブラックとを含むことを特徴とするポーラスアスファルト舗装混合物が開示されている。
特許文献3には、乾燥強度、水浸漬強度、及び石油浸漬強度に優れる道路舗装用アスファルト組成物として、アスファルト、特定量のポリエステル樹脂、及び骨材を含有し、前記ポリエステル樹脂が、特定量のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物を含むアルコール成分由来の構成単位と、特定量のテレフタル酸及びイソフタル酸から選ばれる1種以上を含むカルボン酸成分由来の構成単位とを有するポリエステルであって、特定の軟化点と水酸基価を有する、道路舗装用アスファルト組成物が開示されている。
特開昭52-8021号公報 特開2020-117995号公報 国際公開第2017/125421号
開粒度アスファルト混合物において、骨材(特に粗骨材)同士がアスファルト組成物をバインダーとして、少ない点で付着することで高い空隙率を達成している。しかし、骨材同士が少ない点で付着するために、骨材同士の付着性が不十分であり衝撃に弱く、継続した使用により舗装面から骨材が飛散してしまうとの問題がある。また、開粒度アスファルト混合物は水が浸入しやすい構造をしているところ、骨材とアスファルトとの付着性が不十分であるため、アスファルトと骨材との間に雨水などの水分が浸入しそこに滞留することで、バインダーのアスファルトを骨材から剥がしてしまうという耐水性の問題もある。
特許文献1に記載の技術において、粘度が高い針入度アスファルトを使用しているため、取り扱うの容易性が不十分であり、また、施工不良の可能性がある。特許文献2に記載の技術において、ポリマー改質アスファルトH型の使用を前提としており、他のアスファルトを使用する場合は性能が不十分である。特許文献3の技術において、骨材同士の付着性が不十分となる場合がある。
このように、開粒度アスファルト混合物の上記課題の解決手段は、従来技術において不十分であった。
本発明は、開粒度アスファルト混合物において、アスファルトのバインダー機能を十分に発揮することで、舗装面からの骨材の飛散が抑制され、かつ、舗装面の耐水性に優れるアスファルト混合物を得るための開粒度混合物用アスファルト改質剤、開粒度アスファルト混合物及び道路舗装方法の提供に関する。
本発明は、以下の〔1〕~〔3〕に関する。
〔1〕 溶解度パラメータ(SP値)が10.7以上12以下であるポリエステル(A)を含む開粒度混合物用アスファルト改質剤。
〔2〕 アスファルト、骨材、及びポリエステル(A)を含有するアスファルト混合物であって、
前記骨材中の粗骨材含有量が65質量部以上であり、
前記ポリエステル(A)のSP値が10.7以上12以下である、開粒度アスファルト混合物。
〔3〕 上記〔2〕に記載の開粒度アスファルト混合物を道路に施工し、アスファルト舗装材層を形成する工程を有する、道路舗装方法。
本発明によれば、舗装面からの骨材の飛散が抑制され、かつ、耐水性に優れる開粒度アスファルト混合物を得るための開粒度混合物用アスファルト改質剤、開粒度アスファルト混合物及び道路舗装方法の提供を提供することができる。
[開粒度混合物用アスファルト改質剤]
本発明の開粒度混合物用アスファルト改質剤は、溶解度パラメータ(SP値)が10.7以上12以下であるポリエステル(A)を含む。
本発明者らは、所定のポリエステル(A)を併用してアスファルト混合物に含有させることで、舗装面からの骨材の飛散が抑制され、かつ、舗装面の耐水性に優れるアスファルト混合物を得られることを見出した。
本発明の効果が得られる詳細な機構は不明であるが、一部は以下のように考えられる。
すなわち、開粒度混合物用アスファルト改質剤が、溶解度パラメータ(SP値)が高いポリエステルを含むことで、骨材同士の接着を強固にすることができ、かつ、アスファルトとポリエステルとの相溶性が確保され、骨材を効率的にバインダーであるアスファルトが被覆することができるため、高い性能発現が達成されると考えられる。
本明細書における各種用語の定義等を以下に示す。
ポリエステル中、「アルコール成分由来の構成単位」とは、アルコール成分のヒドロキシ基から水素原子を除いた構造を意味し、「カルボン酸成分由来の構成単位」とは、カルボン酸成分のカルボキシ基からヒドロキシ基を除いた構造を意味する。
「カルボン酸成分」とは、そのカルボン酸のみならず、反応中に分解して酸を生成する無水物、及びカルボン酸のアルキルエステル(例えば、アルキル基の炭素数1以上3以下)も含む概念である。カルボン酸成分がカルボン酸のアルキルエステルである場合、カルボン酸の炭素数には、エステルのアルコール残基であるアルキル基の炭素数を算入しない。
〔ポリエステル(A)〕
本発明の開粒度混合物用アスファルト改質剤を構成するポリエステル(A)は、骨材飛散の抑制及び耐水性の観点から、SP値が10.7以上12以下である。
ポリエステルの溶解度パラメータ(SP値)は、同様の観点から、好ましくは10.8以上であり、そして、好ましくは11.8(cal/cm3)1/2以下、より好ましくは11.5(cal/cm3)1/2以下である。SP値は、例えば、10.9(cal/cm3)1/2以上、11(cal/cm3)1/2以上であってもよい。
SP値は、本明細書においては、Michael M. Coleman, John F. Graf, Paul C. Painter (Pennsylvania State Univ.)による、"Specific Interactions and the Miscibility of Polymer Blends" (1991), Technomic Publishing Co. Inc.に記載されている計算方法を用いる。
ポリエステルのSP値は、ポリエステルの原料モノマー組成、分子量、触媒量又は反応条件により調整することができる。
ポリエステル(A)は、アルコール成分に由来する構成単位及びカルボン酸成分に由来する構成単位を含む。
以下、アルコール成分、カルボン酸成分、ポリエステルの物性等について説明する。
<アルコール成分>
アルコール成分としては、脂肪族ジオール、脂環式ジオール、芳香族ジオール、3価以上の多価アルコール等が挙げられる。これらのアルコール成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
脂肪族ジオールとしては、好ましくは主鎖の炭素数2以上12以下の直鎖又は分岐の脂肪族ジオールであり、より好ましくは主鎖の炭素数2以上8以下の直鎖又は分岐の脂肪族ジオールである。
また、脂肪族ジオールは好ましくは飽和脂肪族ジオールである。
脂肪族ジオールの具体例としては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,4-ブテンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオールが挙げられる。
脂環式ジオールとしては、例えば、水素添加ビスフェノールA(2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン)、水素添加ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールが挙げられる。
芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノールA(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物が挙げられる。ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物としては、下記式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物が挙げられる。
Figure 2023012825000001
〔式中、OR1及びR1Oはアルキレンオキシドであり、R1は炭素数2又は3のアルキレン基、x及びyはアルキレンオキシドの平均付加モル数を示す正の数を示し、xとyの和は好ましくは1以上、より好ましくは1.5以上であり、そして、好ましくは16以下、より好ましくは8以下、更に好ましくは4以下である。〕
式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物としては、例えば、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物が挙げられる。これらのビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
3価以上の多価アルコールとしては、好ましくは3価アルコールである。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトールが挙げられる。
アルコール成分は、物性調整の観点から、1価の脂肪族アルコールを更に含有することができる。1価の脂肪族アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等が挙げられる。これらの1価の脂肪族アルコールは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
<カルボン酸成分>
カルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、3価以上6価以下の多価カルボン酸が挙げられる。これらのカルボン酸成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
脂肪族ジカルボン酸としては、主鎖の炭素数が、好ましくは4以上であり、そして、好ましくは10以下、より好ましくは8以下、より好ましくは6以下の脂肪族ジカルボン酸、例えば、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、炭素数1以上20以下のアルキル基若しくは炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸、又は、これらの無水物、これらのアルキルエステル(例えば、アルキル基の炭素数1以上3以下)が挙げられる。置換されたコハク酸としては、例えば、ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、又は、これらの無水物、これらのアルキルエステル(例えば、アルキル基の炭素数1以上3以下)が挙げられる。以上の芳香族ジカルボン酸の中でも、骨材飛散の抑制及び耐水性の観点から、イソフタル酸及びテレフタル酸が好ましく、テレフタル酸がより好ましい。
3価以上6価以下の多価カルボン酸は、好ましくは3価カルボン酸である。3価以上6価以下の多価カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸、又はこれらの酸無水物等が挙げられる。
カルボン酸成分は、物性調整の観点から、1価の脂肪族カルボン酸を更に含有することができる。1価の脂肪族カルボン酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、それらの酸のアルキル(炭素数1以上3以下)エステル等の炭素数12以上20以下の1価の脂肪族カルボン酸等が挙げられる。これらの1価の脂肪族カルボン酸は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
<ポリエチレンテレフタレート由来の構成単位>
ポリエステル(A)は、ポリエチレンテレフタレート由来のエチレングリコール由来の構成単位及びテレフタル酸由来の構成単位を含むことができる。ポリエチレンテレフタレートは、エチレングリコール由来及びテレフタル酸由来の構成単位の他にブタンジオールやイソフタル酸等の成分を少量含有してもよい。ポリエチレンテレフタレートは、回収されたポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
ポリエステル(A)がポリエチレンテレフタレート由来のエチレングリコール及びテレフタル酸からなる構成単位を含む場合、「アルコール成分由来の構成単位」はポリエチレンテレフタレート由来のエチレングリコール由来の構成単位を含み、「カルボン酸成分由来の構成単位」はポリエチレンテレフタレート由来のテレフタル酸由来の構成単位を含む。
<複合樹脂>
ポリエステルは、ポリエステル系樹脂セグメント及びビニル系樹脂セグメント含有する複合樹脂であってもよい。複合樹脂は、好ましくは、ポリエステル系樹脂セグメント及びビニル系樹脂セグメントと共有結合を介して結合した両反応性モノマー由来の構成単位を有する。
ポリエステル系樹脂セグメントは、前述のポリエステルからなる。
ビニル系樹脂セグメントとしては、スチレン系化合物を含む原料モノマーの付加重合物等が挙げられる。
「両反応性モノマー由来の構成単位」とは、両反応性モノマーの官能基、付加重合性基が反応した単位を意味する。付加重合性基としては、炭素-炭素不飽和結合等が挙げられる。
スチレン系化合物としては、無置換又は置換スチレン等が挙げられる。スチレンに置換される置換基としては、炭素数1以上5以下のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、スルホン酸基又はその塩等が挙げられる。
スチレン系化合物としては、スチレン、メチルスチレン、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、tert-ブチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、スチレンスルホン酸又はその塩等が挙げられる。これらの中でも、スチレンが好ましい。
付加重合物の原料モノマーは、スチレン系化合物以外の原料モノマーを含むことができる。スチレン系化合物以外の原料モノマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル;エチレン、プロピレン、ブタジエン等のオレフィン類;塩化ビニル等のハロビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;ビニリデンクロリド等のハロゲン化ビニリデン;N-ビニルピロリドン等のN-ビニル化合物が挙げられる。これらの中でも、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル、より好ましくは(メタ)アクリル酸アルキルである。
(メタ)アクリル酸アルキルにおけるアルキル基の炭素数は、好ましくは1以上、より好ましくは6以上、更に好ましくは8以上であり、そして、好ましくは24以下、より好ましくは22以下、更に好ましくは20以下である。
(メタ)アクリル酸アルキルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸(イソ)プロピル、(メタ)アクリル酸(イソ又はターシャリー)ブチル、(メタ)アクリル酸(イソ)アミル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸(イソ)オクチル、(メタ)アクリル酸(イソ)デシル、(メタ)アクリル酸(イソ)ドデシル、(メタ)アクリル酸(イソ)パルミチル、(メタ)アクリル酸(イソ)ステアリル、(メタ)アクリル酸(イソ)ベヘニル等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシルである。
なお、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を示す。「(イソ又はターシャリー)」及び「(イソ)」は、これらの接頭辞が存在する場合としない場合の双方を意味し、これらの接頭辞が存在しない場合には、ノルマルを示す。
両反応性モノマーとしては、分子内に、水酸基、カルボキシ基、エポキシ基、第1級アミノ基及び第2級アミノ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する付加重合性モノマー等が挙げられる。これらの中でも、反応性の観点から、水酸基及びカルボキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する付加重合性モノマーが好ましく、カルボキシ基を有する付加重合性モノマーがより好ましい。
カルボキシ基を有する付加重合性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等が挙げられる。これらの中でも、重縮合反応と付加重合反応の双方の反応性の観点から、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、より好ましくはアクリル酸である。
複合樹脂中のポリエステル系樹脂セグメントの含有量は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上であり、そして、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。
複合樹脂中のビニル系樹脂セグメントの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、そして、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。
両反応性モノマー由来の構成単位の含有量は、複合樹脂のポリエステル系樹脂のアルコール成分100モル%に対して、好ましくは1モル%以上、より好ましくは1.5モル%以上、更に好ましくは2モル%以上であり、そして、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、更に好ましくは10モル%以下である。
複合樹脂中の、ポリエステル系樹脂セグメントとビニル系樹脂セグメントと両反応性モノマー由来の構成単位の合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
ビニル系樹脂セグメントの原料モノマー中、スチレン系化合物の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは65質量%以上、更に好ましくは75質量%以上であり、そして、100質量%以下であり、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である。
ビニル系樹脂セグメントの原料モノマー中、(メタ)アクリル酸エステルの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
ビニル系樹脂セグメントの原料モノマー中における、スチレン系化合物と(メタ)アクリル酸エステルとの合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
<アルコール成分由来の構成単位に対するカルボン酸成分由来の構成単位のモル比>
アルコール成分由来の構成単位に対するカルボン酸成分由来の構成単位のモル比〔カルボン酸成分/アルコール成分〕は、耐候性の観点から、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.7以上、更に好ましくは0.8以上であり、そして、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.0以下である。
<ポリエステルの好ましい態様>
ポリエステル(A)の好ましい態様において、骨材飛散の抑制及び耐水性の観点から、ポリエステル(A)は下記ポリエステル(a1)を含む。
(a1)アルコール成分に由来する構成単位及びカルボン酸成分に由来する構成単位を含み、アルコール成分が脂肪族ジオールを含み、ビスフェノールA誘導体の含有量が10モル%以下であるポリエステル
ポリエステル(a1)において、アルコール成分中の脂肪族ジオールの含有量は、好ましくは20モル%以上、より好ましくは50モル%以上、更に好ましくは80モル%以上であり、そして、好ましくは100モル%以下である。
特に、ポリエステル(a1)において、アルコール成分中の飽和脂肪族ジオールの含有量は、好ましくは20モル%以上、より好ましくは50モル%以上、更に好ましくは80モル%以上であり、そして、好ましくは100モル%以下である。
ポリエステル(a1)において、アルコール成分中のビスフェノールA誘導体の含有量は、好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下、更に好ましくは1モル%以下である。好ましい態様の1つにおいて、ポリエステル(a1)のアルコール成分はビスフェノールA誘導体を実質的に含まない。
ビスフェノールA誘導体は、例えば、下記式(i)又は式(ii)で表される構造を含むアルコール成分である。
Figure 2023012825000002
式(i)におけるフェニレン基及び式(ii)におけるシクロへキシレン基は、ハロゲン原子、炭素数1~3のアルキル基等の置換基を有してもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。炭素数1~3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基が挙げられる。
ビスフェノールA誘導体としては、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。中でも、好ましくはビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物及び水素添加ビスフェノールAである。
ポリエステル(A)の好ましい態様において、ビスフェノールA誘導体の含有量は好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下、更に好ましくは1モル%以下である。好ましい態様の1つにおいて、ポリエステル(a1)のアルコール成分はビスフェノールA誘導体を実質的に含まない。
また、ポリエステル(a1)の好ましい態様において、カルボン酸成分が芳香族ジカルボン酸を含み、芳香族ジカルボン酸の含有量は、カルボン酸成分中、好ましくは15モル%以上、より好ましくは40モル%以上、更に好ましくは65モル%以上であり、そして、好ましくは100モル%以下である。
ポリエステル(A)は、1種のポリエステルを単独で又は2種以上のポリエステルを組み合わせて使用することができる。
ポリエステル(A)が2種以上のポリエステルを含む場合、骨材飛散の抑制及び耐水性の観点から、好ましくは、上記ポリエステル(a1)及び下記ポリエステル(a2)を含む。
(a2)アルコール成分に由来する構成単位及びカルボン酸成分に由来する構成単位を含み、アルコール成分がビスフェノールA誘導体を50モル%以上含むポリエステル
ポリエステル(a2)において、アルコール成分中のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物の含有量は、好ましくは50モル%以上、より好ましくは65モル%以上、更に好ましくは85モル%以上であり、そして、好ましくは100モル%以下である。好ましい態様の1つにおいて、ポリエステル(a2)のアルコール成分はビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物のみからなる。
また、ポリエステル(a2)の好ましい態様の1つにおいて、アルコール成分は3価アルコールを含む、又は、カルボン酸成分は3価カルボン酸を含む。この場合、アルコール成分中の3価アルコールの含有量、及び、カルボン酸成分中の3価カルボン酸の含有量は、それぞれ、活性度の観点から、好ましくは7モル%以上、より好ましくは10モル%以上であり、そして、反応制御の観点から、好ましくは35モル%以下、より好ましくは30モル%以下、更に好ましくは25モル%以下である。
<ポリエステルの物性>
ポリエステルの軟化点は、骨材飛散の抑制及び耐水性の観点から、好ましくは90℃以上、より好ましくは95℃以上、更に好ましくは100℃以上であり、そして、好ましくは140℃以下、より好ましくは130℃以下、更に好ましくは120℃以下である。
ポリエステル(A)の軟化点は、実施例に記載の方法により測定することができる。なお、軟化点は、原料モノマー組成、分子量、触媒量又は反応条件により調整することができる。
<ポリエステルの製造方法>
ポリエステルの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、上述したアルコール成分及びカルボン酸成分を重縮合することにより製造することができる。
アルコール成分とカルボン酸の夫々の配合量は、アルコール成分由来の構成単位に対するカルボン酸成分由来の構成単位のモル比〔カルボン酸成分/アルコール成分〕が上述した数値範囲内になるような配合量である。
重縮合反応の温度は、反応性の観点から、好ましくは160℃以上、より好ましくは180℃以上、更に好ましくは190℃以上であり、そして、好ましくは260℃以下、より好ましくは250℃以下、更に好ましくは240℃以下である。
重縮合反応には、反応速度の観点から、エステル化触媒を使用することができる。エステル化触媒としては、ジ(2-エチルヘキサン酸)錫(II)等のSn-C結合を有していない錫(II)化合物等が挙げられる。エステル化触媒の使用量は、反応速度の観点から、アルコール成分とカルボン酸成分との総量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.2質量部以上であり、そして、好ましくは1.5質量部以下、より好ましくは1.0質量部以下、更に好ましくは0.6質量部以下である。
重縮合反応には、エステル化触媒に加えて、助触媒を使用することができる。助触媒としては、没食子酸等のピロガロール化合物が挙げられる。助触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分との総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.005質量部以上、更に好ましくは0.01質量部以上であり、そして、好ましくは0.15質量部以下、より好ましくは0.10質量部以下、更に好ましくは0.05質量部以下である。
重縮合反応には、上記触媒に加えて、ターシャルブチルカテコール等の重合禁止剤を、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上、そして、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.2質量部以下、更に好ましくは0.1質量部以下、用いてもよい。
ポリエステルが複合樹脂である場合、例えば、ポリエステル系樹脂セグメントのアルコール成分及びカルボン酸成分を重縮合させる工程Aと、ビニル系樹脂セグメントの原料モノマー及び両反応性モノマーを付加重合させる工程Bとを含む方法により製造することができる。
工程Aの後に工程Bを行ってもよいし、工程Bの後に工程Aを行ってもよく、工程Aと工程Bを同時に行ってもよい。
工程Bの重合法としては溶液重合法が好ましい。溶液重合法で用いる溶媒に制限はないが、水、低級脂肪族アルコール、メチルエチルケトン等のケトン類、エーテル類、エステル類等の極性溶媒が好ましい。
重合の際には、ジ-tert-ブチルパーオキシド等の過酸化物、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物等の重合開始剤やメルカプタン類等の重合連鎖移動剤を用いることができる。重合温度は、使用する重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等によって異なるが、好ましくは30℃以上、より好ましくは50℃以上であり、そして、好ましくは95℃以下、より好ましくは80℃以下である。
本発明の開粒度混合物用アスファルト改質剤は、上記ポリエステル(A)以外の成分を、効果を損なわない範囲で含むもの、又は、上記ポリエステル(A)のみからなるもののいずれでであってもよい。
アスファルト改質剤中のポリエステル(A)の含有量は、開粒度混合物用アスファルト改質剤の総質量中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは85質量%以上である。
開粒度混合物用アスファルト改質剤が上記ポリエステル(a1)及びポリエステル(a2)を併用して含む場合、開粒度混合物用アスファルト改質剤中のポリエステル(a1)及びポリエステル(a2)の含有量の比率は、骨材飛散の抑制及び耐水性の観点から、質量比で、ポリエステル(a1)/ポリエステル(a2)が好ましくは30/70以上、より好ましくは40/60以上、更に好ましくは45/55以上であり、そして、好ましくは95/30以下、より好ましくは90/10以下、更に好ましくは85/15以下である。
本発明の開粒度混合物用アスファルト改質剤は、例えばアスファルト及び骨材と混合し、開粒度アスファルト混合物を得るために使用することができる。開粒度アスファルト混合物は、舗装に使用することができる。
[開粒度アスファルト混合物]
本発明の開粒度アスファルト混合物は、アスファルト、骨材、及びポリエステル(A)を含有するアスファルト混合物であって、
前記骨材中の粗骨材含有量が70質量部以上であり、
前記ポリエステル樹脂(A)のSP値が10.7以上12以下である。
ポリエステル(A)としては、上記開粒度混合物用アスファルト改質剤を使用する。
開粒度アスファルト混合物におけるポリエステル(A)の含有量は、骨材飛散の抑制及び耐水性の観点から、アスファルト100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましく1質量部以上、更に好ましくは2質量部以上であり、そして、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。
アスファルト混合物中のポリエステル(A)の含有量は、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.15質量%以上であり、そして、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下である。
<アスファルト>
アスファルトとしては、種々のアスファルトが使用できる。例えば舗装用石油アスファルトであるストレートアスファルトの他、改質アスファルトが挙げられる。改質アスファルトとしては、ブローンアスファルト;熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂等の高分子材料で改質したポリマー改質アスファルト等が挙げられる。ストレートアスファルトとは、原油を常圧蒸留装置、減圧蒸留装置等にかけて得られる残留瀝青物質のことである。また、ブローンアスファルトとは、ストレートアスファルトと重質油との混合物を加熱し、その後空気を吹き込んで酸化させることによって得られるアスファルトを意味する。アスファルトは、ストレートアスファルト及びポリマー改質アスファルトから選択されることが好ましく、アスファルト舗装の耐久性の観点からはポリマー改質アスファルトがより好ましく、汎用性の観点からはストレートアスファルトがより好ましい。ポリマー改質アスファルトとしては、熱可塑性エラストマーで改質されたアスファルトがより好ましい。
(熱可塑性エラストマー)
熱可塑性エラストマーで改質されたアスファルトにおける熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン/ブタジエンブロック共重合体(以下、「SB」ともいう)、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体(以下、「SBS」ともいう)、スチレン/ブタジエンランダム共重合体(以下、「SBR」ともいう)、スチレン/イソプレンブロック共重合体(以下、「SI」ともいう)、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体(以下、「SIS」ともいう)、スチレン/イソプレンランダム共重合体(以下、「SIR」ともいう)、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン共重合体、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン共重合体、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、イソブチレン/イソプレン共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、上記以外の合成ゴム、及び天然ゴムから選択される少なくとも1種が挙げられる。
これらの中でも、熱可塑性エラストマーとしては、アスファルト舗装の耐久性の観点から、好ましくはSB、SBS、SBR、SI、SIS、SIR、及びエチレン/アクリル酸エステル共重合体から選択される少なくとも1種、より好ましくはSB、SBS、SBR、SI、SIS、及びSIRから選択される少なくとも1種、更に好ましくはSBR及びSBSから選択される少なくとも1種である。
ポリマー改質アスファルト中の熱可塑性エラストマーの含有量は、アスファルト舗装の耐久性の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましく5質量%以下である。
開粒度アスファルト混合物中のアスファルトの含有量は、好ましくは2.5質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは3.5質量%以上、更に好ましくは4質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは9質量%以下、更に好ましくは8質量%以下、更に好ましくは7質量%以下である。
<骨材>
骨材としては、例えば、砕石、玉石、砂利、砂、再生骨材、セラミックス等を任意に選択して用いることができる。
骨材としては、粒径2.36mm以上の粗骨材及び粒径2.36mm未満の細骨材が挙げられる。
粗骨材は2.36mm目ふるいに質量で90%以上留まるものである。粗骨材としては、例えば、粒径範囲2.36mm以上4.75mm未満の7号砕石、粒径範囲4.75mm以上13.2mm未満の6号砕石、粒径範囲13.2mm以上19mm未満の5号砕石、粒径範囲19mm以上31.5mm未満の4号砕石が挙げられる。
細骨材は、好ましくは粒径0.075mm以上2.36mm未満の細骨材である。細骨材としては、例えば、川砂、丘砂、山砂、海砂、砕砂、細砂、スクリーニングス、砕石ダスト、シリカサンド、人工砂、ガラスカレット、鋳物砂、再生骨材破砕砂が挙げられる。
上記の粒径はJIS A5001-2008に規定される値である。
細骨材には、粒径0.075mm未満のフィラーが含まれていてもよい。フィラーとしては、砂、フライアッシュ、石灰石粉末などの炭酸カルシウム、消石灰等が挙げられる。このうち、乾燥強度向上の観点から、炭酸カルシウムが好ましい。
フィラーの平均粒径は、骨材飛散の抑制及び耐水性の観点から、好ましくは0.001mm以上であり、そして、同様の観点から、好ましくは0.075mm以下、より好ましくは0.05mm以下である。フィラーの平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定することができる。ここで、平均粒径とは、体積累積50%の平均粒径を意味する。
これらの中でも、粗骨材と細骨材との組み合わせが好ましい。
本発明の開粒度アスファルト混合物において、粗骨材同士のかみ合わせを高め、流動化を抑制する観点から、骨材中の粒径2.36mm以上の粗骨材の含有量が、65質量%以上であり、好ましくは70質量%以上、より好ましくは73質量%以上、更に好ましくは75質量%以上であり、そして、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である。
開粒度アスファルト混合物における骨材配合としては、排水性舗装配合、透水性舗装配合、砕石マスチックアスファルト(SMA)配合等が挙げられる。
排水性舗装配合及び透水性舗装における骨材配合の一例として、日本国内の骨材配合としては、骨材のふるい目開き75μmが3%以上7%以下、2.36mmが10%以上20%以下、4.75mmが11%以上35%以下、13.2mmが90%以上100%以下の通過質量百分率である骨材配合が挙げられる。
なお、排水性舗装においては、透水性を有さない基層の上に透水性を有する表層を施工し、舗装体の外へ水を排出する。透水性舗装においては、透水性を有さない層は設けず、水を路床に浸透させる。
SMA配合は、アスファルトモルタルを形成する観点から、好ましくは骨材中に粒径0.075mm未満のフィラーを含む。フィラーとしては、砂、フライアッシュ、石灰石粉末などの炭酸カルシウム、消石灰等が挙げられる。
フィラーの含有量は、粗骨材間中にモルタルを保持する観点から、骨材中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、そして、一定の強度を維持する観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましく25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
SMA配合における骨材配合の一例として、日本国内の骨材配合としては、骨材のふるい目開き75μmが8%以上13%以下、300μmが10%以上20%以下、2.36mmが20%以上35%以下、4.75mmが20%以上50%以下、13.2mmが95%以上100%以下の通過質量百分率である骨材配合が挙げられる。また、米国の骨材配合としては、骨材のふるい目開き75μmが8%以上10%以下、300μmが12%以上15%以下、600μmが12%以上16%以下、2.36mmが16%以上24%以下、4.75mmが20%以上28%以下、9.5mmが75%以下、12.5mmが85%以上95%以下、19mmが100%の通過質量百分率である骨材配合が挙げられる。
<添加剤>
本発明のアスファルト混合物には、上記のアスファルト、骨材、及びポリエステル(A)に加え、必要に応じて、従来、アスファルト混合物に慣用されている各種添加剤、例えば、造膜剤、増粘安定剤、乳化剤等を添加してもよい。
具体的には、鉱物質粉末、ガラス繊維等の充填剤や補強剤、鉱物質の骨材、ベンガラ、二酸化チタン等の顔料、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、低分子量ポリエチレンワックス等のワックス類、アゾジカルボンアミド等の発泡剤、アタクチックポリプロピレン、エチレン-エチルアクリレート共重合体等のポリオレフィン系又は低分子量のビニル芳香族系熱可塑性樹脂、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、エチレン-プロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、イソプレン-イソブチレンゴム、ポリペンテナマーゴム、スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体、スチレン-イソプレン系ブロック共重合体、水素化スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体、水素化スチレン-イソプレン系ブロック共重合体等の合成ゴムが挙げられる。
これらの合計添加量は、アスファルト混合物全体に対して、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
[アスファルト混合物の製造方法]
アスファルト混合物の具体的な製造方法としては、従来のプラントミックス方式、プレミックス方式等といわれるアスファルト混合物の製造方法が挙げられる。いずれも加熱した骨材及び炭酸カルシウムにアスファルト(及び必要に応じて熱可塑性エラストマー)及びポリエステルを添加する方法である。添加方法は、例えば、アスファルト(及び必要に応じて熱可塑性エラストマー)及びポリエステルを予め溶解させたプレミックス方式、又はアスファルトに熱可塑性エラストマーを溶解させた改質アスファルトを骨材及び炭酸カルシウムに添加し、その後にポリエステルを投入するプラントミックス法が挙げられる。これらの中でも、骨材飛散の抑制及び耐水性の観点とアスファルト性能を発揮する観点から、プレミックス方式が好ましい。
より具体的には、アスファルト混合物の製造方法は、当該混合する工程において、好ましくは、
(i)加熱した骨材に、アスファルト(及び必要に応じて熱可塑性エラストマー)を添加及び混合して混合物を得た後、ポリエステルを添加して、該混合物とポリエステルとを混合する、
(ii)加熱した骨材に、アスファルト(及び必要に応じて熱可塑性エラストマー)及びポリエステルを同時に添加及び混合する、又は
(iii)加熱した骨材に、事前に加熱混合したアスファルト(及び必要に応じて熱可塑性エラストマー)とポリエステルとの混合物を添加及び混合する。
これらの中でも、骨材飛散の抑制及び耐水性の観点とアスファルト性能を発揮する観点から、(iii)の方法が好ましい。
加熱した骨材にアスファルト及びポリエステルを混合するときの温度は、アスファルトを軟化させ、骨材飛散の抑制及び耐水性の観点とアスファルト性能を発揮する観点から、好ましくは130℃以上、より好ましくは140℃以上であり、そして、好ましくは200℃以下、より好ましくは190℃以下、更に好ましくは180℃以下である。
また、加熱した骨材にアスファルト及びポリエステルを混合するときの時間は、骨材飛散の抑制及び耐水性の観点とアスファルト性能を発揮する観点から、好ましくは30秒間以上、より好ましくは1分間以上、更に好ましくは2分間以上、更に好ましくは5分間以上であり、時間の上限は、特に限定されないが例えば約30分間程度である。
上記(iii)の方法において、事前に加熱混合したアスファルト(及び必要に応じて熱可塑性エラストマー)とポリエステルとの混合物を調製する方法は特に限定されないが、アスファルトを加熱溶融し、ポリエステル及び必要に応じて他の添加剤を添加し、通常用いられている混合機にて、各成分が均一に分散するまで撹拌混合する工程を含むことが好ましい。通常用いられている混合機としては、ホモミキサー、ディゾルバー、パドルミキサー、リボンミキサー、スクリューミキサー、プラネタリーミキサー、真空逆流ミキサー、ロールミル、二軸押出機等が挙げられる。
上記アスファルトとポリエステルとの混合温度は、アスファルト中にポリエステルを均一に分散させ、骨材飛散の抑制及び耐水性の観点とアスファルト性能を発揮する観点から、好ましくは100℃以上、より好ましくは130℃以上、更に好ましくは160℃以上、更に好ましくは170℃以上であり、そして、好ましくは230℃以下、より好ましくは210℃以下、更に好ましくは200℃以下、更に好ましくは190℃以下である。
また、アスファルトとポリエステルとの混合時間は、効率的にアスファルト中にポリエステルを均一に分散させ、骨材飛散の抑制及び耐水性の観点とアスファルト性能を発揮する観点から、好ましくは0.1時間以上、より好ましくは0.5時間以上、更に好ましくは1.0時間以上、更に好ましくは1.5時間以上であり、そして、好ましくは10時間以下、より好ましくは7時間以下、更に好ましくは5時間以下、更に好ましくは3時間以下である。
なお、アスファルトに対するポリエステルの好ましい含有量は、上述したとおりである。
上記(iii)の方法において、アスファルトとポリエステルとの混合物は、水を実質的に含まない加熱アスファルト混合物として使用してもよく、また、上記アスファルト混合物に乳化剤や水を配合してアスファルト乳剤とし、これに骨材等を配合し、常温アスファルト混合物として使用してもよい。アスファルトとポリエステルとの混合物は、骨材飛散の抑制の観点とアスファルト性能を発揮する観点から、好ましくは水を実質的に含まない。
アスファルト混合物を加熱アスファルト混合物として使用する場合のアスファルト混合物の製造方法については、特に制限はなく、いかなる方法で製造してもよいが、通常、骨材とアスファルト組成物とを含むアスファルト混合物の製造方法に準じて行えばよい。
[道路舗装材]
本発明のアスファルト混合物は、道路舗装用として好適であり、アスファルト混合物を道路等に施工し、アスファルト舗装材を形成することができる。
アスファルト混合物を道路等に施工し形成されるアスファルト舗装材は、空隙率が12.0%以上であり、好ましくは15.0%以上、より好ましくは17.0%以上であり、そして、26.0%以下であり、好ましくは25.0%以下、より好ましくは23.0%以下、更に好ましくは22.0%以下である。
空隙率は、舗装調査・試験法便覧(平成19年度版)(社団法人日本道路協会編)のB008-2「開粒度アスファルト混合物の密度試験方法」に規定される測定方法に準拠して求めることができる。
なお、空隙率は、骨材中の粗骨材、細骨材及びフィラーの比率により調整することができる。
アスファルト舗装材を形成する方法は、通常のアスファルト混合物と同様の施工機械編成で、同様の方法によって締固め施工すればよい。加熱アスファルト混合物として使用する場合のアスファルト混合物の締固め温度は、骨材飛散の抑制及び耐水性の観点とアスファルト性能を発揮する観点から、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上、更に好ましくは130℃以上であり、そして、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下、更に好ましくは170℃以下である。
[道路舗装の施工方法]
本発明のアスファルト混合物は、道路舗装用として好適である。本発明の道路舗装の施工方法は、好ましくは、本発明のアスファルト混合物を道路等に施工し、アスファルト舗装材層を形成する工程を有する。本発明のアスファルト混合物は、形成されるアスファルト舗装材が骨材飛散の抑制及び耐水性に優れ、排水性舗装において好適に使用することができる。
また、本発明の道路舗装の施工方法は、本発明のアスファルト混合物を道路の表層に施工する工程を有することが好ましい。特に、高速道路の表層に本発明のアスファルト混合物を施工することが好ましい。
なお、道路舗装方法において、アスファルト混合物は、通常のアスファルト混合物と同様の施工機械編成で、同様の方法によって締固め施工すればよい。加熱アスファルト混合物として使用する場合のアスファルト混合物の締固め温度は、骨材飛散の抑制及び耐水性の観点とアスファルト性能を発揮する観点から、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上、更に好ましくは130℃以上であり、そして、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下、更に好ましくは170℃以下である。
各種物性については、以下の方法により、測定及び評価を行った。
なお、以下の実施例及び比較例において、特記しない限り、部及び%は質量基準である。
(1)ポリエステルの軟化点の測定
フローテスター「CFT-500D」(株式会社島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
製造例1(ポリエステルA1)
表1に示すアルコール成分及びカルボン酸成分を温度計、ステンレス製撹拌棒、脱水管、窒素導入管、熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、ジ(2-エチルヘキサン酸)錫(II)を加え、窒素雰囲気下にて180℃で2時間保持し、更に210℃まで3時間かけて昇温後、210℃にて4時間反応させた。その後、8.3kPaにて1時間反応させて、ポリエステルA1を得た。
製造例2(ポリエステルA2)
表1に示すアルコール成分、カルボン酸成分及びPET成分を温度計、ステンレス製撹拌棒、脱水管、窒素導入管、熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、ジ(2-エチルヘキサン酸)錫(II)を加え、窒素雰囲気下にて140℃で6時間保持し、更に210℃まで6時間かけて昇温後、210℃にて1時間反応させた。その後、8.3kPaにて1時間反応させて、ポリエステルA2を得た。
製造例3(ポリエステルA3)
表1に示すアルコール成分、カルボン酸成分及び重合禁止剤2gを温度計、ステンレス製撹拌棒、脱水管、窒素導入管、熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、ジ(2-エチルヘキサン酸)錫(II)を加え、窒素雰囲気下にて140℃で6時間保持した後、更に210℃まで6時間かけて昇温後、210℃にて1時間反応させた後、8.3kPaにて1時間反応させて、ポリエステルA3を得た。
Figure 2023012825000003
製造例4(ポリエステルB1)
表2に示すアルコール成分、テレフタル酸及びアルケニルコハク酸無水物を温度計、ステンレス製撹拌棒、脱水管、流下式コンデンサーおよび窒素導入管を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、ジ(2-エチルヘキサン酸)錫(II)及び没食子酸を加え、窒素雰囲気下にて3時間かけて235℃まで昇温を行い235℃で5時間保持した後、8.0kPaにて1時間減圧反応を行った。その後210℃まで冷却後、トリメリット酸を投入し、210℃、10kPaにて表2に示す軟化点に達するまで反応を行い、ポリエステルB1を得た。
製造例5(ポリエステルB2)
表2に示すアルコール成分及びカルボン酸成分を温度計、ステンレス製撹拌棒、脱水管、流下式コンデンサーおよび窒素導入管を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、ジ(2-エチルヘキサン酸)錫(II)及び没食子酸を加え、窒素雰囲気下にて3時間かけて235℃まで昇温を行い235℃で7時間保持した後、10kPaにて表2に示す軟化点に達するまで反応を行い、ポリエステルB2を得た。
製造例6(ポリエステルB3)
表3に示すアルコール成分及びトリメリット酸以外のポリエステル系樹脂の原料を、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、160℃まで昇温した。その後、アクリル酸(両反応性モノマー)、ビニル系樹脂の原料モノマー及び重合開始剤の混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下した。滴下後、160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を熟成させた後、200℃まで上昇させ、ジ(2-エチルヘキサン酸)錫(II)を入れた後、235℃で6時間縮重合反応させ、さらに235℃、8.0kPaにて1時間反応を行った。210℃まで冷却した後、トリメリット酸を投入し、210℃、10kPaにて表3に示す軟化点に達するまで反応を行って、ポリエステルB3を得た。
製造例7(ポリエステルB4)
表2に示す原料モノマーのうちアルコール成分およびテレフタル酸を温度計、ステンレス製撹拌棒、脱水管、流下式コンデンサーおよび窒素導入管を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、ジ(2-エチルヘキサン酸)錫(II)及び没食子酸を加え、窒素雰囲気下にて3時間かけて235℃まで昇温を行い235℃で5時間保持した後、8.0kPaにて1時間減圧反応を行った。180℃まで冷却後、アルケニル無水コハク酸無水物を投入し、210℃まで2時間かけて昇温後、210℃で1時間保持し、8.3kPaにて減圧し、表2に示す軟化点に達するまで反応を行い、ポリエステルB4を得た。
Figure 2023012825000004
Figure 2023012825000005
実施例1
180℃に加熱した骨材(配合A;骨材の組成は以下を参照)13kgをアスファルト用混合機に入れ、180℃にて60秒間混合した。次いで、改質II型アスファルト(東亜道路工業株式会社製)542g加え1分間混合した後、ポリエステルA1を27g加え2分間混合した。
得られたアスファルト混合物を180℃で2時間保管後に300×300×50mmの型枠に充填し、ローラーコンパクター(株式会社岩田工業所製)を用い、温度150℃、荷重0.44kPaにて25回転圧処理を行い、熱養生なしの条件下でアスファルト供試体M-1を作製した。
実施例2
ポリエステルA1を54g添加したこと以外は、実施例1と同様にしてアスファルト混合物を調製し、アスファルト供試体M-2を作製した。
実施例3
ポリエステルA1を、製造例2で得たポリエステルA2に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてアスファルト混合物を調製し、アスファルト供試体M-3を作製した。
実施例4
ポリエステルA1に加えて、更に製造例4で得たポリエステルB1 5.4gを添加した以外は、実施例1と同様にしてアスファルト混合物を調製し、アスファルト供試体M-4を作製した。
実施例5
ポリエステルB1を27g添加したこと以外は、実施例4と同様にしてアスファルト混合物を調製し、アスファルト供試体M-5を作製した。
実施例6
ポリエステルB1を、製造例5で得たポリエステルB2に変更したこと以外は、実施例5と同様にしてアスファルト混合物を調製し、アスファルト供試体M-6を作製した。
実施例7
ポリエステルB1を、製造例6で得たポリエステルB3に変更したこと以外は、実施例5と同様にしてアスファルト混合物を調製し、アスファルト供試体M-7を作製した。
実施例8
ポリエステルB1を、製造例7で得たポリエステルB4に変更したこと以外は、実施例5と同様にしてアスファルト混合物を調製し、アスファルト供試体M-8を作製した。
比較例1
ポリエステルを添加せず、アスファルト添加後2分間撹拌した以外は実施例1と同様にしてアスファルト混合物を調製し、アスファルト供試体M-C1を作製した。
比較例2
骨材配合を配合Bに変更したこと以外は、比較例1と同様にしてアスファルト混合物を調製し、アスファルト供試体M-C2を作製した。
比較例3
骨材配合を配合Bに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてアスファルト混合物を調製し、アスファルト供試体M-C3を作製した。
比較例4
ポリエステルA1を、製造例3で得たポリエステルA3に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてアスファルト混合物を調製し、アスファルト供試体M-C4を作製した。
<骨材の組成>
(配合A:開粒度配合)
6号砕石 80.0質量部
細砂 14.0質量部
石粉(炭酸カルシウム)6.0質量部
通過質量%:
ふるい目 15 mm: 100 質量%
ふるい目 10 mm: 99.0質量%
ふるい目 5 mm: 26.4質量%
ふるい目 2.5 mm: 20.7質量%
ふるい目 1.2 mm: 17.9質量%
ふるい目 0.6 mm: 15.9質量%
ふるい目 0.3 mm: 10.9質量%
ふるい目 0.15mm: 6.2質量%
(配合B:密粒度配合)
6号砕石 50.9質量部
砕砂1 10.4質量部
砕砂2 22.1質量部
細砂 10.4質量部
石粉(炭酸カルシウム)6.2質量部
通過質量%:
ふるい目 15 mm: 100 質量%
ふるい目 10 mm: 85.6質量%
ふるい目 5 mm: 49.7質量%
ふるい目 2.5 mm: 44.6質量%
ふるい目 1.2 mm: 31.6質量%
ふるい目 0.6 mm: 21.3質量%
ふるい目 0.3 mm: 12.7質量%
ふるい目 0.15mm: 7.1質量%
[評価]
〔骨材飛散状態の評価(ホイールトラッキング試験)〕
60℃恒温室にて、前記アスファルト供試体を60℃に設定した温水に浸漬し、ホイールトラッキング試験機(株式会社岩田工業所製、荷重1370N、鉄輪幅47mm、線圧291.5N/cm)を用いて、速度15回/分にて供試体上に鉄輪を往復させた。その他の測定条件は、公益社団法人日本道路協会出版の「舗装調査・試験法便覧」(平成19年度版)に記載の「B003 ホイールトラッキング試験」に準じた。
通過回数1,000回後の鉄輪が通過した供試体箇所の周辺において、骨材飛散の状態を観察し、下記基準により評価した。結果を表4に示す。
A:骨材飛散は見られない
B:供試体から骨材が所々で分離が見られる
C:骨材の分離が顕著である
D:原形を留めないほど破壊されている
〔空隙率の測定〕
公益社団法人日本道路協会出版の「舗装調査・試験法便覧」(平成19年度版)に記載の「B008-2 開粒度アスファルト混合物の密度試験方法」に規定される測定方法に準拠して、前記アスファルト供試体の空隙率を求めた。
アスファルト供試体を風通しの良い場所で乾燥させた後、重量を測定した。また、ノギスを用いて、縦、横及び高さを測定し、体積を求めた。
〔わだち掘れ量の測定方法(ホイールトラッキング試験)〕
上記ホイールトラッキング試験において、通過回数1,000回時の変位量を測定し、わだち掘れ量とした。結果を表4に示す。
Figure 2023012825000006
表4の結果から、所定のSP値を有するポリエステル(A)を含む開粒度アスファルト混合物は、空隙率が大きいアスファルト舗装材を製造した際に、アスファルト舗装材において骨材の飛散が抑制され、かつ、わだち掘れ量が少ないことから耐水性に優れることが分かる。骨材の飛散が抑制と舗装面の耐水性の両立は、開粒度舗装配合において発揮されることが、実施例1~8と比較例3との対比から分かる。
わだち掘れ量は、所定のポリエステル(a1)及び(a2)を併用した際に特に抑制される。

Claims (10)

  1. 溶解度パラメータ(SP値)が10.7以上12以下であるポリエステル(A)を含む開粒度混合物用アスファルト改質剤。
  2. 前記ポリエステル(A)が、下記ポリエステル(a1)を含む請求項1に記載の開粒度混合物用アスファルト改質剤。
    (a1)アルコール成分に由来する構成単位及びカルボン酸成分に由来する構成単位を含み、アルコール成分が脂肪族ジオールを含み、ビスフェノールA誘導体の含有量が10モル%以下であるポリエステル
  3. 前記ポリエステル(A)が、下記ポリエステル(a2)を更に含む、請求項2に記載の開粒度混合物用アスファルト改質剤。
    (a2)アルコール成分に由来する構成単位及びカルボン酸成分に由来する構成単位を含み、アルコール成分がビスフェノールA誘導体を50モル%以上含むポリエステル
  4. 前記ポリエステル(a2)において、アルコール成分中の3価アルコールの含有量が7モル%以上である、又は、カルボン酸成分中の3価カルボン酸の含有量が7モル%以上である、請求項3に記載の開粒度混合物用アスファルト改質剤。
  5. 前記ポリエステル(a1)において、カルボン酸成分中の芳香族ジカルボン酸の含有量が15モル%以上である、請求項2~4のいずれかに記載の開粒度混合物用アスファルト改質剤。
  6. 前記ポリエステル(a1)において、アルコール成分中の飽和脂肪族ジオールの含有量が20モル%以上である、請求項2~5のいずれかに記載の開粒度混合物用アスファルト改質剤。
  7. アスファルト、骨材、及びポリエステル(A)を含有するアスファルト混合物であって、
    前記骨材中の粗骨材含有量が65質量%以上であり、
    前記ポリエステル(A)のSP値が10.7以上12以下である、開粒度アスファルト混合物。
  8. 前記アスファルトが、ストレートアスファルト又は改質アスファルトである、請求項7に記載の開粒度アスファルト混合物。
  9. 前記改質アスファルトが、熱可塑性エラストマーで改質されたアスファルトである、請求項8に記載の開粒度アスファルト混合物。
  10. 請求項7~9のいずれかに記載の開粒度アスファルト混合物を道路に施工し、アスファルト舗装材層を形成する工程を有する、道路舗装方法。
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KR102644460B1 (ko) * 2023-12-27 2024-03-07 홍은정 신설 및 보수 아스팔트 교면의 복합방수용 기능성 방수재 조성물 및 이를 이용한 신설 및 보수 아스팔트 교면의 복합방수 시공방법

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