JP2023032859A - アスファルト改質剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】施工した舗装体表面のキメの深いことと舗装体内部の緻密性の両立ができるアスファルト改質剤を提供する。【解決手段】ポリエステルを含むアスファルト改質剤であって、該ポリエステルがアルコール成分由来の構成単位と、カルボン酸成分由来の構成単位とを含み、該アルコール成分がビスフェノール構造を有するアルコールを含み、該カルボン酸成分が1価のカルボン酸を含む、アスファルト改質剤。【選択図】なし
Description
本発明は、アスファルト改質剤及びアスファルト混合物に関する。
自動車道や駐車場、貨物ヤード、歩道等の舗装には、敷設が比較的容易であり、舗装作業開始から交通開始までの時間が短くてすむことから、アスファルト混合物を用いるアスファルト舗装が行われている。このアスファルト舗装は、骨材をアスファルトで結合したアスファルト混合物によって路面が形成されているので、舗装道路は良好な硬度や耐久性を有している。
砕石マスチックアスファルト(SMA)は、1960年代半ばにドイツで開発された耐摩耗用アスファルト混合物である。一般的な密粒配合では、骨材100質量部に対して5.5質量部程度のアスファルトが配合されており、かつ、骨材中の粒径2.36mm以上の粗骨材の比率が70質量%未満である。これに対して、SMAでは、骨材100質量部に対して6~7.5質量部程度のアスファルトが配合されており、かつ、骨材中の粒径2.36mm以上の粗骨材の比率が70質量%以上である。そして、骨材中、粗骨材同士の間隙に細砂や石粉が充填されている。
特許文献1には、砕石マスチックアスファルト(SMA)において、アスファルトモルタルの分離(ダレ)が抑制され、かつ、粗骨材に対するモルタルの付着性に優れるアスファルト混合物として、特定の粗骨材の比率である骨材と、ポリエステルと、アスファルトと、炭酸カルシウムとを特定量含有するアスファルトが開示されている。
SMA配合は密粒配合に比べてアスファルト量が多く、粗骨材量も多いため、アスファルトモルタルの分離(ダレ)が発生しやすい。すなわち、輸送時の振動によってアスファルトモルタルの分離が発生し、分離したアスファルトモルタルがダンプトラックの荷台に付着する。また、そのようなアスファルト混合物を用いて施工すると、ブリージングや目詰まりムラが発生したり、骨材とアスファルトとの付着が弱まりアスファルト混合物のすべりや破損が発生したりする。
また、特に寒冷地でSMA配合を使用する場合、表層部分はすべり抵抗性、排水機能等を発揮するためにポーラス構造を有し表面のキメが深く、かつ、基層部分は遮水性等を発揮するために空隙の少ない緻密な構造を有することが望ましい。
特許文献1に記載の技術は、ダレの抑制は高いものの、表面のキメ深さ及び緻密性は不十分であった。
また、特に寒冷地でSMA配合を使用する場合、表層部分はすべり抵抗性、排水機能等を発揮するためにポーラス構造を有し表面のキメが深く、かつ、基層部分は遮水性等を発揮するために空隙の少ない緻密な構造を有することが望ましい。
特許文献1に記載の技術は、ダレの抑制は高いものの、表面のキメ深さ及び緻密性は不十分であった。
本発明は、特に砕石マスチックアスファルト(SMA)において、施工した舗装体表面のキメが深いことと舗装体内部の緻密性の両立ができるアスファルト改質剤に関する。
本発明は、以下の〔1〕~〔2〕に関する。
〔1〕 ポリエステルを含むアスファルト改質剤であって、該ポリエステルがアルコール成分由来の構成単位と、カルボン酸成分由来の構成単位とを含み、
該アルコール成分がビスフェノール構造を有するアルコールを含み、
該カルボン酸成分が1価のカルボン酸を含む、アスファルト改質剤。
〔2〕骨材と、ポリエステルと、アスファルトと、炭酸カルシウム粉末とを含有するアスファルト混合物であって、
該ポリエステルがアルコール成分由来の構成単位と、カルボン酸成分由来の構成単位とを含み、
該アルコール成分がビスフェノール構造を有するアルコールを含み、
該カルボン酸成分が1価のカルボン酸を含む、アスファルト混合物。
〔1〕 ポリエステルを含むアスファルト改質剤であって、該ポリエステルがアルコール成分由来の構成単位と、カルボン酸成分由来の構成単位とを含み、
該アルコール成分がビスフェノール構造を有するアルコールを含み、
該カルボン酸成分が1価のカルボン酸を含む、アスファルト改質剤。
〔2〕骨材と、ポリエステルと、アスファルトと、炭酸カルシウム粉末とを含有するアスファルト混合物であって、
該ポリエステルがアルコール成分由来の構成単位と、カルボン酸成分由来の構成単位とを含み、
該アルコール成分がビスフェノール構造を有するアルコールを含み、
該カルボン酸成分が1価のカルボン酸を含む、アスファルト混合物。
本発明によれば、特に砕石マスチックアスファルト(SMA)において、施工した舗装体表面のキメの深いことと舗装体内部の緻密性の両立ができるアスファルト改質剤を提供することができる。
[アスファルト改質剤]
本発明のアスファルト改質剤は、ポリエステルを含み、該ポリエステルがアルコール成分由来の構成単位と、カルボン酸成分由来の構成単位とを含み、
該アルコール成分がビスフェノール構造を有するアルコールを含み、
該カルボン酸成分が1価のカルボン酸を含む。
本発明のアスファルト改質剤は、ポリエステルを含み、該ポリエステルがアルコール成分由来の構成単位と、カルボン酸成分由来の構成単位とを含み、
該アルコール成分がビスフェノール構造を有するアルコールを含み、
該カルボン酸成分が1価のカルボン酸を含む。
本発明のアスファルト改質剤は、骨材を含むアスファルト混合物に配合するための改質剤として好適に使用することができる。アスファルト混合物は、好ましくは砕石マスチックアスファルト(SMA)配合のアスファルト混合物である。
本発明者らは、特定のポリエステルからなるアスファルト改質剤をアスファルト混合物に含有させることにより、特にSMA配合において、施工した舗装体表面のキメの深いことと舗装体内部の緻密性の両立ができることを見出した。
本発明の効果が得られる理由は定かではないが、以下のように考えられる。
アスファルト改質剤を構成する特定構造を有するポリエステルがアスファルトを改質し、アスファルトモルタルの粘性挙動を制御することで、輸送時のアスファルトモルタルの分離(ダレ)抑制、並びに、施工した舗装体表面のキメの深いことと舗装体内部の緻密性の両立を達成していると考えられる。
具体的には、ポリエステルのアルコール成分に由来するビスフェノール構造により、骨材や砂利に対するアスファルトの親和性が向上し、ポリエステル末端の酸基及び水酸基が骨材や砂利に吸着し、材や砂利同士をつなぐと考えられる。これにより、アスファルト混合物の輸送時等のせん断力が小さい場合には、アスファルトモルタルの粘度を増加させ、ダレ抑制を達成していると考えられる。
一方で、ポリエステルの末端に位置すると考えられる特定の1価のカルボン酸に由来する構造により、ポリエステルとアスファルトとの相溶性が向上するだけでなく、アスファルトモルタルにおけるアスファルトの炭酸カルシウム粉末への過度な吸着を抑制すると考えられる。これにより、アスファルト混合物の施工時等のせん断力が大きい場合、特に転圧工程においては、アスファルトモルタルの粘度上昇が抑制されるために、アスファルトモルタルがアスファルト混合物内を流動しやすくなる。その結果、アスファルトモルタルが舗装体の下部に移動することで舗装体表面はキメの深いテクスチャ構造を形成し、下部の舗装体内部は緻密な構造となり、施工した舗装体の表面のキメの深いことと舗装体内部の緻密性の両立を達成していると考えられる。
アスファルト改質剤を構成する特定構造を有するポリエステルがアスファルトを改質し、アスファルトモルタルの粘性挙動を制御することで、輸送時のアスファルトモルタルの分離(ダレ)抑制、並びに、施工した舗装体表面のキメの深いことと舗装体内部の緻密性の両立を達成していると考えられる。
具体的には、ポリエステルのアルコール成分に由来するビスフェノール構造により、骨材や砂利に対するアスファルトの親和性が向上し、ポリエステル末端の酸基及び水酸基が骨材や砂利に吸着し、材や砂利同士をつなぐと考えられる。これにより、アスファルト混合物の輸送時等のせん断力が小さい場合には、アスファルトモルタルの粘度を増加させ、ダレ抑制を達成していると考えられる。
一方で、ポリエステルの末端に位置すると考えられる特定の1価のカルボン酸に由来する構造により、ポリエステルとアスファルトとの相溶性が向上するだけでなく、アスファルトモルタルにおけるアスファルトの炭酸カルシウム粉末への過度な吸着を抑制すると考えられる。これにより、アスファルト混合物の施工時等のせん断力が大きい場合、特に転圧工程においては、アスファルトモルタルの粘度上昇が抑制されるために、アスファルトモルタルがアスファルト混合物内を流動しやすくなる。その結果、アスファルトモルタルが舗装体の下部に移動することで舗装体表面はキメの深いテクスチャ構造を形成し、下部の舗装体内部は緻密な構造となり、施工した舗装体の表面のキメの深いことと舗装体内部の緻密性の両立を達成していると考えられる。
本明細書における各種用語の定義等を以下に示す。
「アスファルト組成物」とは、アスファルト又はアスファルトと熱可塑性エラストマーとを含む組成物を意味し、例えば、後述の熱可塑性エラストマーで改質されたアスファルト(以下、「改質アスファルト」ともいう)を含む概念である。
ポリエステル中、「アルコール成分由来の構成単位」とは、アルコール成分のヒドロキシ基から水素原子を除いた構造を意味し、「カルボン酸成分由来の構成単位」とは、カルボン酸成分のカルボキシル基からヒドロキシ基を除いた構造を意味する。
「カルボン酸成分」とは、そのカルボン酸のみならず、反応中に分解して酸を生成する無水物、及びカルボン酸のアルキルエステル(例えば、アルキル基の炭素数1以上3以下)も含む概念である。カルボン酸成分がカルボン酸のアルキルエステルである場合、カルボン酸成分の炭素数には、エステルのアルコール残基であるアルキル基の炭素数を算入しない。
樹脂が結晶性であるか非晶質であるかについては、後述する実施例に記載の測定方法における、結晶性指数により判定される。結晶性指数は、樹脂の軟化点と吸熱の最大ピークの温度との比(軟化点(℃)/吸熱の最大ピーク温度(℃))で定義される。結晶性樹脂とは、結晶性指数が0.6以上1.4以下のものである。非晶質樹脂とは、吸熱ピークが観察されないか、観察される場合は、結晶性指数が0.6未満又は1.4超のものである。結晶性指数は、原料モノマーの種類及びその比率、並びに反応温度、反応時間、冷却速度等の製造条件により適宜調整することができる。
「アスファルト組成物」とは、アスファルト又はアスファルトと熱可塑性エラストマーとを含む組成物を意味し、例えば、後述の熱可塑性エラストマーで改質されたアスファルト(以下、「改質アスファルト」ともいう)を含む概念である。
ポリエステル中、「アルコール成分由来の構成単位」とは、アルコール成分のヒドロキシ基から水素原子を除いた構造を意味し、「カルボン酸成分由来の構成単位」とは、カルボン酸成分のカルボキシル基からヒドロキシ基を除いた構造を意味する。
「カルボン酸成分」とは、そのカルボン酸のみならず、反応中に分解して酸を生成する無水物、及びカルボン酸のアルキルエステル(例えば、アルキル基の炭素数1以上3以下)も含む概念である。カルボン酸成分がカルボン酸のアルキルエステルである場合、カルボン酸成分の炭素数には、エステルのアルコール残基であるアルキル基の炭素数を算入しない。
樹脂が結晶性であるか非晶質であるかについては、後述する実施例に記載の測定方法における、結晶性指数により判定される。結晶性指数は、樹脂の軟化点と吸熱の最大ピークの温度との比(軟化点(℃)/吸熱の最大ピーク温度(℃))で定義される。結晶性樹脂とは、結晶性指数が0.6以上1.4以下のものである。非晶質樹脂とは、吸熱ピークが観察されないか、観察される場合は、結晶性指数が0.6未満又は1.4超のものである。結晶性指数は、原料モノマーの種類及びその比率、並びに反応温度、反応時間、冷却速度等の製造条件により適宜調整することができる。
<ポリエステル>
アスファルト改質剤の主要成分であるポリエステルは、アルコール成分由来の構成単位と、カルボン酸成分由来の構成単位とを含み、
該アルコール成分がビスフェノール構造を有するアルコールを含み、
該カルボン酸成分が1価のカルボン酸を含む。
アスファルト改質剤の主要成分であるポリエステルは、アルコール成分由来の構成単位と、カルボン酸成分由来の構成単位とを含み、
該アルコール成分がビスフェノール構造を有するアルコールを含み、
該カルボン酸成分が1価のカルボン酸を含む。
ポリエステルは、アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合物である。
ポリエステルとしては、非晶質ポリエステル及び結晶性ポリエステルが挙げられ、好ましくは非晶質ポリエステルである。
以下、アルコール成分、カルボン酸成分及びポリエステルの物性等について説明する。
ポリエステルとしては、非晶質ポリエステル及び結晶性ポリエステルが挙げられ、好ましくは非晶質ポリエステルである。
以下、アルコール成分、カルボン酸成分及びポリエステルの物性等について説明する。
(アルコール成分)
ポリエステルの原料モノマーにおけるアルコール成分としては、例えばジオール、3価以上の多価アルコール等が挙げられる。ジオールとしては、脂肪族ジオール、脂環式ジオール、芳香族ジオールが挙げられる。これらのアルコール成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリエステルの原料モノマーにおけるアルコール成分としては、例えばジオール、3価以上の多価アルコール等が挙げられる。ジオールとしては、脂肪族ジオール、脂環式ジオール、芳香族ジオールが挙げられる。これらのアルコール成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,4-ブテンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール等の主鎖炭素数2以上12以下の脂肪族ジオールが挙げられる。
脂環式ジオールとしては、例えば、1,4-シクロヘキサンジオール、水素添加ビスフェノールA(2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン)、及びそれらのアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。
芳香族ジオールとしては、ビスフェノールA〔2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン〕、ビスフェノールF〔4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン〕、ビスフェノールS〔4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン〕及びのこれらのアルキレンオキシド付加物が挙げられる。
脂環式ジオールとしては、例えば、1,4-シクロヘキサンジオール、水素添加ビスフェノールA(2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン)、及びそれらのアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。
芳香族ジオールとしては、ビスフェノールA〔2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン〕、ビスフェノールF〔4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン〕、ビスフェノールS〔4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン〕及びのこれらのアルキレンオキシド付加物が挙げられる。
アルコール成分は、SMA配合のアスファルト混合物におけるアスファルトモルタルの分離(ダレ)を抑制する観点から、ビスフェノール構造を有するアルコールを含む。
ビスフェノール構造を有するアルコールとしては、ビスフェノールA〔2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン〕、ビスフェノールF〔4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン〕、ビスフェノールS〔4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン〕及びそれらのアルキレンオキシド付加物が挙げられる。
中でも、ビスフェノール構造を有するアルコールは、好ましくはビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物である。
ビスフェノール構造を有するアルコールとしては、ビスフェノールA〔2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン〕、ビスフェノールF〔4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン〕、ビスフェノールS〔4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン〕及びそれらのアルキレンオキシド付加物が挙げられる。
中でも、ビスフェノール構造を有するアルコールは、好ましくはビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物である。
ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物は、好ましくは下記式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物である。
〔式中、OR1及びR1Oはアルキレンオキシドであり、R1は炭素数2又は3のアルキレン基、x及びyはアルキレンオキシドの平均付加モル数を示す正の数を示し、xとyの和は好ましくは1以上、より好ましくは1.5以上であり、そして、好ましくは16以下、より好ましくは8以下、更に好ましくは4以下である。〕
式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物としては、例えば、ビスフェノールA〔2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン〕のプロピレンオキシド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物が挙げられる。これらのビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物の含有量は、アスファルトへの溶融分散性を高める観点から、アルコール成分100モル%中、好ましくは60モル%以上、より好ましくは75モル%以上、更に好ましくは90モル%以上であり、そして、好ましくは100モル%以下である。
(カルボン酸成分)
ポリエステルの原料モノマーにおけるカルボン酸成分は、施工した舗装体の表面のキメの深いことと舗装体表面の緻密性を両立する観点から、1価のカルボン酸を含む。
1価のカルボン酸としては、脂肪族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸が挙げられる。これらのモノカルボン酸は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数好ましくは8以上、より好ましくは12以上、更に好ましくは16以上であり、そして、好ましくは22以下、より好ましくは21以下、更に好ましくは20以下である脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。脂肪族モノカルボン酸の脂肪族基部分は、直鎖又は分岐鎖のいずれであってもよい。
脂肪族モノカルボン酸の具体例としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等の飽和脂肪族モノカルボン酸;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。
芳香族モノカルボン酸としては、安息香酸が挙げられる。
1価のカルボン酸は、好ましくはステアリン酸、イソステアリン酸(2,2,4,8,10,10-ヘキサメチルウンデカン-5-カルボン酸;CAS登録番号:54680-48-7)、安息香酸である。
ポリエステルの原料モノマーにおけるカルボン酸成分は、施工した舗装体の表面のキメの深いことと舗装体表面の緻密性を両立する観点から、1価のカルボン酸を含む。
1価のカルボン酸としては、脂肪族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸が挙げられる。これらのモノカルボン酸は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数好ましくは8以上、より好ましくは12以上、更に好ましくは16以上であり、そして、好ましくは22以下、より好ましくは21以下、更に好ましくは20以下である脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。脂肪族モノカルボン酸の脂肪族基部分は、直鎖又は分岐鎖のいずれであってもよい。
脂肪族モノカルボン酸の具体例としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等の飽和脂肪族モノカルボン酸;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。
芳香族モノカルボン酸としては、安息香酸が挙げられる。
1価のカルボン酸は、好ましくはステアリン酸、イソステアリン酸(2,2,4,8,10,10-ヘキサメチルウンデカン-5-カルボン酸;CAS登録番号:54680-48-7)、安息香酸である。
1価のカルボン酸の含有量は、カルボン酸成分の合計100モル%に対して、好ましくは0.1モル%以上、より好ましくは1モル%以上、更に好ましくは3モル%以上であり、そして、好ましくは20モル%以下、より好ましくは15モル%以下、更に好ましくは12モル%以下である。
また、1価のカルボン酸の含有量は、アルコール成分中のビスフェノール構造を有するアルコールの合計100モル%に対して、好ましくは0.1モル%以上、より好ましくは1モル%以上、更に好ましくは3モル%以上であり、そして、好ましくは20モル%以下、より好ましくは15モル%以下、更に好ましくは12モル%以下である。
また、1価のカルボン酸の含有量は、アルコール成分中のビスフェノール構造を有するアルコールの合計100モル%に対して、好ましくは0.1モル%以上、より好ましくは1モル%以上、更に好ましくは3モル%以上であり、そして、好ましくは20モル%以下、より好ましくは15モル%以下、更に好ましくは12モル%以下である。
1価のカルボン酸以外のカルボン酸成分として、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、3価以上6価以下の多価カルボン酸が挙げられる。これらのカルボン酸成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
脂肪族ジカルボン酸の主鎖の炭素数は、施工した舗装体表面のキメの深いことと舗装体表面の緻密性を両立する観点から、好ましくは3以上、より好ましくは4以上であり、そして、好ましくは10以下、より好ましくは8以下である。
脂肪族ジカルボン酸化合物としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、炭素数1以上20以下のアルキル基若しくは炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸、又は、これらの無水物、これらのアルキルエステル(例えば、アルキル基の炭素数1以上3以下)が挙げられる。置換されたコハク酸としては、例えば、ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸が挙げられる。以上の脂肪族ジカルボン酸化合物の中でも、フマル酸、マレイン酸及びアジピン酸からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、アジピン酸がより好ましい。
脂肪族ジカルボン酸化合物としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、マロン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、炭素数1以上20以下のアルキル基若しくは炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸、又は、これらの無水物、これらのアルキルエステル(例えば、アルキル基の炭素数1以上3以下)が挙げられる。置換されたコハク酸としては、例えば、ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸が挙げられる。以上の脂肪族ジカルボン酸化合物の中でも、フマル酸、マレイン酸及びアジピン酸からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、アジピン酸がより好ましい。
芳香族ジカルボン酸化合物としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、又は、これらの無水物、これらのアルキルエステル(例えば、アルキル基の炭素数1以上3以下)が挙げられる。以上の芳香族ジカルボン酸化合物の中でも、施工した舗装体表面のキメの深いことと舗装体表面の緻密性を両立する観点から、イソフタル酸及びテレフタル酸が好ましく、テレフタル酸がより好ましい。
3価以上6価以下の多価カルボン酸は、好ましくは3価カルボン酸である。3価以上6価以下の多価カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、ポリエステルの可撓性を上げる観点から、好ましくは1モル%以上、より好ましくは5モル%以上、更に好ましくは10モル%以上であり、そして、好ましくは40モル%以下、より好ましくは25モル%以下である。
芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、アスファルトへの溶融分散性を高める観点から、カルボン酸成分100モル%中、好ましくは60モル%以上、より好ましくは75モル%以上であり、そして、好ましくは100モル%以下、より好ましくは99モル%以下、更に好ましくは95モル%以下、更に好ましくは90モル%以下である。
(ポリエチレンテレフタレート由来の構成単位)
本発明に用いられるポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート由来のエチレングリコールに由来する構成単位及びポリエチレンテレフタレート由来のテレフタル酸に由来する構成単位を含むことができる。ポリエチレンテレフタレートは、上記ユニットの他にブタンジオールやイソフタル酸等の成分を少量含有してもよい。ポリエチレンテレフタレートは、回収されたポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
近年、廃プラスチックが環境に与える影響が問題となっており、廃プラスチックのリサイクルが検討されている。本発明では、ポリエチレンテレフタレートはボトルやフィルム等の製品として汎用されていることから、それらの製品として製造され、その後廃棄されたものを回収したポリエチレンテレフタレート(以下「回収PET」ともいう)が、環境問題及び価格の面から好ましく用いられる。なお、回収品は、トナーの性能や重合反応を妨げるような化合物を含有せず、ある程度の純度を有しているものであれば、その種類等は特に限定されない。
本発明に用いられるポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート由来のエチレングリコールに由来する構成単位及びポリエチレンテレフタレート由来のテレフタル酸に由来する構成単位を含むことができる。ポリエチレンテレフタレートは、上記ユニットの他にブタンジオールやイソフタル酸等の成分を少量含有してもよい。ポリエチレンテレフタレートは、回収されたポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
近年、廃プラスチックが環境に与える影響が問題となっており、廃プラスチックのリサイクルが検討されている。本発明では、ポリエチレンテレフタレートはボトルやフィルム等の製品として汎用されていることから、それらの製品として製造され、その後廃棄されたものを回収したポリエチレンテレフタレート(以下「回収PET」ともいう)が、環境問題及び価格の面から好ましく用いられる。なお、回収品は、トナーの性能や重合反応を妨げるような化合物を含有せず、ある程度の純度を有しているものであれば、その種類等は特に限定されない。
なお、回収品の使用に際しては、取り扱いや分散及び分解等の容易性のため、フレーク状に粉砕されたもの、ペレット等が好適に用いられる。本発明に用いられる回収品の具体的な大きさとしては、反応効率の観点から、4mm2以上15mm2以下程度が好ましく、厚みは3mm以下程度が好ましい。
(アルコール成分由来の構成単位に対するカルボン酸成分由来の構成単位のモル比)
アルコール成分由来の構成単位に対するカルボン酸成分由来の構成単位のモル比〔カルボン酸成分/アルコール成分〕は、酸価を調整する観点から、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上、更に好ましくは0.9以上であり、そして、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.2以下である。
アルコール成分由来の構成単位に対するカルボン酸成分由来の構成単位のモル比〔カルボン酸成分/アルコール成分〕は、酸価を調整する観点から、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上、更に好ましくは0.9以上であり、そして、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.2以下である。
(ポリエステルの物性)
ポリエステルの軟化点は、施工した舗装体表面のキメの深いことと舗装体表面の緻密性を両立する観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは70℃以上、更に好ましくは80℃以上であり、そして、好ましくは140℃以下、より好ましくは130℃以下、更に好ましくは120℃以下である。
ポリエステルの軟化点は、施工した舗装体表面のキメの深いことと舗装体表面の緻密性を両立する観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは70℃以上、更に好ましくは80℃以上であり、そして、好ましくは140℃以下、より好ましくは130℃以下、更に好ましくは120℃以下である。
ポリエステルのガラス転移点は、施工した舗装体表面のキメの深いことと舗装体表面の緻密性を両立する観点から、好ましくは20℃以上、より好ましくは25℃以上、更に好ましくは30℃以上、更に好ましくは35℃以上であり、そして、好ましくは80℃以下、より好ましくは70℃以下、更に好ましくは60℃以下である。
ポリエステルの酸価は、骨材への吸着を促進し、ダレ抑制とモルタルの付着性の観点及び舗装面の耐水性を高める観点から、好ましくは2mgKOH/g以上、より好ましくは3mgKOH/g以上、更に好ましくは4mgKOH/g以上であり、そして、施工した舗装体表面のキメの深いことと舗装体表面の緻密性を両立する観点から、好ましくは30mgKOH/g以下、より好ましくは20mgKOH/g以下、更に好ましくは15mgKOH/g以下である。
ポリエステルの水酸基価は、施工した舗装体表面のキメの深いことと舗装体表面の緻密性を両立する観点から、好ましくは1mgKOH/g以上、より好ましくは2mgKOH/g以上、更に好ましくは5mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは50mgKOH/g以下、より好ましくは30mgKOH/g以下、更に好ましくは25mgKOH/g以下である。
ポリエステルの重量平均分子量Mwは、施工した舗装体表面のキメの深いことと舗装体表面の観点から、好ましくは1000以上、より好ましくは3000以上、更に好ましくは5000以上であり、そして、好ましくは50000以下、より好ましくは30000以下、更に好ましくは20000以下である。
ポリエステルの軟化点、ガラス転移点、酸価、水酸基価及び重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。なお、軟化点、酸価、水酸基価及びガラス転移点は、原料モノマー組成、分子量、触媒量又は反応条件により調整することができる。
[アスファルト混合物]
本発明のアスファルト混合物は、骨材と、ポリエステルと、アスファルトと、炭酸カルシウム粉末とを含有するアスファルト混合物であって、
該ポリエステルがアルコール成分由来の構成単位と、カルボン酸成分由来の構成単位とを含み、
該アルコール成分がビスフェノール構造を有するアルコールを含み、
該カルボン酸成分が1価のカルボン酸を含む。本発明のアスファルト混合物は、舗装用として好適であり、特に道路舗装用として好適である。
本発明のアスファルト混合物は、骨材と、ポリエステルと、アスファルトと、炭酸カルシウム粉末とを含有するアスファルト混合物であって、
該ポリエステルがアルコール成分由来の構成単位と、カルボン酸成分由来の構成単位とを含み、
該アルコール成分がビスフェノール構造を有するアルコールを含み、
該カルボン酸成分が1価のカルボン酸を含む。本発明のアスファルト混合物は、舗装用として好適であり、特に道路舗装用として好適である。
<アスファルト>
本発明のアスファルト混合物は、アスファルトを含有する。
アスファルトとしては、種々のアスファルトが使用できる。例えば舗装用石油アスファルトであるストレートアスファルトの他、改質アスファルトが挙げられる。改質アスファルトとしては、ブローンアスファルト;熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂等の高分子材料で改質したポリマー改質アスファルト等が挙げられる。ストレートアスファルトとは、原油を常圧蒸留装置、減圧蒸留装置等にかけて得られる残留瀝青物質のことである。また、ブローンアスファルトとは、ストレートアスファルトと重質油との混合物を加熱し、その後空気を吹き込んで酸化させることによって得られるアスファルトを意味する。アスファルトは、ストレートアスファルト及びポリマー改質アスファルトから選択されることが好ましく、アスファルト舗装の耐久性の観点からポリマー改質アスファルトがより好ましく、汎用性の観点からはストレートアスファルトがより好ましい。
本発明のアスファルト混合物は、アスファルトを含有する。
アスファルトとしては、種々のアスファルトが使用できる。例えば舗装用石油アスファルトであるストレートアスファルトの他、改質アスファルトが挙げられる。改質アスファルトとしては、ブローンアスファルト;熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂等の高分子材料で改質したポリマー改質アスファルト等が挙げられる。ストレートアスファルトとは、原油を常圧蒸留装置、減圧蒸留装置等にかけて得られる残留瀝青物質のことである。また、ブローンアスファルトとは、ストレートアスファルトと重質油との混合物を加熱し、その後空気を吹き込んで酸化させることによって得られるアスファルトを意味する。アスファルトは、ストレートアスファルト及びポリマー改質アスファルトから選択されることが好ましく、アスファルト舗装の耐久性の観点からポリマー改質アスファルトがより好ましく、汎用性の観点からはストレートアスファルトがより好ましい。
〔熱可塑性エラストマー〕
ポリマー改質アスファルトにおける熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン/ブタジエンブロック共重合体(以下、「SB」ともいう)、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体(以下、「SBS」ともいう)、スチレン/ブタジエンランダム共重合体(以下、「SBR」ともいう)、スチレン/イソプレンブロック共重合体(以下、「SI」ともいう)、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体(以下、「SIS」ともいう)、スチレン/イソプレンランダム共重合体(以下、「SIR」ともいう)、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン共重合体、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン共重合体、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、イソブチレン/イソプレン共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、上記以外の合成ゴム、及び天然ゴムから選択される少なくとも1種が挙げられる。
ポリマー改質アスファルトにおける熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン/ブタジエンブロック共重合体(以下、「SB」ともいう)、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体(以下、「SBS」ともいう)、スチレン/ブタジエンランダム共重合体(以下、「SBR」ともいう)、スチレン/イソプレンブロック共重合体(以下、「SI」ともいう)、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体(以下、「SIS」ともいう)、スチレン/イソプレンランダム共重合体(以下、「SIR」ともいう)、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸エステル共重合体、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン共重合体、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン共重合体、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、イソブチレン/イソプレン共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、上記以外の合成ゴム、及び天然ゴムから選択される少なくとも1種が挙げられる。
これらの中でも、熱可塑性エラストマーとしては、アスファルト舗装の耐久性の観点から、好ましくはSB、SBS、SBR、SI、SIS、SIR、及びエチレン/アクリル酸エステル共重合体から選択される少なくとも1種、より好ましくはSB、SBS、SBR、SI、SIS、及びSIRから選択される少なくとも1種、更に好ましくはSBR及びSBSから選択される少なくとも1種である。
ポリマー改質アスファルト中の熱可塑性エラストマーの含有量は、アスファルト舗装の耐久性の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましく5質量%以下である。
ポリマー改質アスファルト中の熱可塑性エラストマーの含有量は、アスファルト舗装の耐久性の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましく5質量%以下である。
<骨材>
本発明のアスファルト混合物は、骨材を含有する。
骨材としては、例えば、砕石、玉石、砂利、砂、再生骨材、セラミックス等を任意に選択して用いることができる。
本発明のアスファルト混合物は、骨材を含有する。
骨材としては、例えば、砕石、玉石、砂利、砂、再生骨材、セラミックス等を任意に選択して用いることができる。
本発明の適用対象であるSMA配合は、好ましくは骨材中に粒径2.36mm以上の粗骨材を含む。骨材中の粒径2.36mm以上の粗骨材の含有量は、粗骨材同士のかみ合わせを高め、流動化を抑制する観点から、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは72質量%以上、更に好ましくは75質量%以上であり、そして、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは87質量%以下である。
粗骨材としては、例えば、粒径範囲2.36mm以上4.75mm未満の7号砕石、粒径範囲4.75mm以上13.2mm未満の6号砕石、粒径範囲13.2mm以上19mm未満の5号砕石、粒径範囲19mm以上31.5mm未満の4号砕石が挙げられる。
骨材としては、粒径2.36mm未満の細骨材をさらに組み合わせて使用することができる。細骨材は、好ましくは粒径0.075mm以上2.36mm未満の細骨材である。細骨材としては、例えば、川砂、丘砂、山砂、海砂、砕砂、細砂、スクリーニングス、砕石ダスト、シリカサンド、人工砂、ガラスカレット、鋳物砂、再生骨材破砕砂が挙げられる。
上記の粒径はJIS A5001-2008に規定される値である。
これらの中でも、粗骨材と細骨材との組み合わせが好ましい。
粗骨材としては、例えば、粒径範囲2.36mm以上4.75mm未満の7号砕石、粒径範囲4.75mm以上13.2mm未満の6号砕石、粒径範囲13.2mm以上19mm未満の5号砕石、粒径範囲19mm以上31.5mm未満の4号砕石が挙げられる。
骨材としては、粒径2.36mm未満の細骨材をさらに組み合わせて使用することができる。細骨材は、好ましくは粒径0.075mm以上2.36mm未満の細骨材である。細骨材としては、例えば、川砂、丘砂、山砂、海砂、砕砂、細砂、スクリーニングス、砕石ダスト、シリカサンド、人工砂、ガラスカレット、鋳物砂、再生骨材破砕砂が挙げられる。
上記の粒径はJIS A5001-2008に規定される値である。
これらの中でも、粗骨材と細骨材との組み合わせが好ましい。
なお、SMA配合における骨材配合の一例として、日本国内の骨材配合としては、骨材のふるい目開き75μmが8%以上13%以下、300μmが10%以上20%以下、2.36mmが20%以上35%以下、4.75mmが20~%以上50%以下、13.2mmが95%以上100%以下の通過質量百分率である骨材配合が挙げられる。また、米国の骨材配合としては、骨材のふるい目開き75μmが8%以上10%以下、300μmが12%以上15%以下、600μmが12%以上16%以下、2.36mmが16%以上24%以下、4.75mmが20%以上28%以下、9.5mmが75%以下、12.5mmが85%以上95%以下、19mmが100%の通過質量百分率である骨材配合が挙げられる。
<炭酸カルシウム粉末>
本発明のアスファルト混合物は、炭酸カルシウム粉末を含有する。炭酸カルシウム粉末は粉粒体であり、具体的には、石灰石の粉末などが挙げられる。
炭酸カルシウム粉末の平均粒径は、アスファルトモルタルの付着性の観点から、好ましくは0.001mm以上であり、そして、同様の観点から、好ましくは0.075mm未満、より好ましくは0.05mm以下、更に好ましくは0.03mm以下、更に好ましくは0.02mm以下である。炭酸カルシウム粉末の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定することができる。ここで、平均粒径とは、体積累積50%の平均粒径(D50)を意味する。
本発明のアスファルト混合物は、炭酸カルシウム粉末を含有する。炭酸カルシウム粉末は粉粒体であり、具体的には、石灰石の粉末などが挙げられる。
炭酸カルシウム粉末の平均粒径は、アスファルトモルタルの付着性の観点から、好ましくは0.001mm以上であり、そして、同様の観点から、好ましくは0.075mm未満、より好ましくは0.05mm以下、更に好ましくは0.03mm以下、更に好ましくは0.02mm以下である。炭酸カルシウム粉末の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定することができる。ここで、平均粒径とは、体積累積50%の平均粒径(D50)を意味する。
骨材及び炭酸カルシウム粉末の合計100質量%中の炭酸カルシウム粉末の含有量は、粗骨材間中にモルタルを保持する観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、そして、一定の強度を維持する観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
本発明のアスファルト混合物中のアスファルトの含有量は、施工した舗装体表面のキメの深いことと舗装体表面の緻密性を両立する観点から、骨材と炭酸カルシウム粉末の合計100質量部に対して、好ましくは3.5質量部以上であり、より好ましくは4.0質量部以上であり、更に好ましくは4.5質量部以上、更に好ましくは5.0質量部以上であり、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは9質量部以下、更に好ましくは7.5質量部以下である。本発明の好ましい態様では、アスファルト混合物は、一般的なアスファルト混合物に比べてアスファルト含有量が多いSMA配合である。
なお、従来の骨材とアスファルトを含むアスファルト混合物におけるアスファルトの配合割合については、通常、公益社団法人日本道路協会発行の「舗装設計施工指針」に記載されている「アスファルト組成物の配合設計」から求められる最適アスファルト量に準じて決定してもよい。ただし、「舗装設計施工指針」に記載の方法に限定する必要はなく、他の方法によって決定してもよい。
<ポリエステルの含有量>
アスファルト混合物におけるポリエステルとしては、上記のアスファルト改質剤を構成するポリエステルを使用する。
本発明のアスファルト混合物に含まれるポリエステルの含有量は、施工した舗装体表面のキメの深いことと舗装体内部の緻密性を両立する観点から、アスファルト100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは2質量部以上であり、そして、作業性の観点から、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。ただし、ポリエステル含有量は、アスファルト混合物中のアスファルトの含有量に応じて決定される。
アスファルト混合物におけるポリエステルとしては、上記のアスファルト改質剤を構成するポリエステルを使用する。
本発明のアスファルト混合物に含まれるポリエステルの含有量は、施工した舗装体表面のキメの深いことと舗装体内部の緻密性を両立する観点から、アスファルト100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは2質量部以上であり、そして、作業性の観点から、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。ただし、ポリエステル含有量は、アスファルト混合物中のアスファルトの含有量に応じて決定される。
<添加剤>
本発明のアスファルト混合物には、上記の骨材、炭酸カルシウム粉末、アスファルト及びポリエステルに加え、必要に応じて、従来、アスファルト混合物に慣用されている各種添加剤、例えば、造膜剤、増粘安定剤、乳化剤等を添加してもよい。
具体的には、鉱物質粉末、ガラス繊維等の充填剤や補強剤、鉱物質の骨材、ベンガラ、二酸化チタン等の顔料、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、低分子量ポリエチレンワックス等のワックス類、アゾジカルボンアミド等の発泡剤、アタクチックポリプロピレン、エチレン-エチルアクリレート共重合体等のポリオレフィン系又は低分子量のビニル芳香族系熱可塑性樹脂、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、エチレン-プロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、イソプレン-イソブチレンゴム、ポリペンテナマーゴム、スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体、スチレン-イソプレン系ブロック共重合体、水素化スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体、水素化スチレン-イソプレン系ブロック共重合体等の合成ゴムが挙げられる。
これらの合計添加量は、アスファルト混合物全体に対して、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、より更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは5質量%以下である。
本発明のアスファルト混合物には、上記の骨材、炭酸カルシウム粉末、アスファルト及びポリエステルに加え、必要に応じて、従来、アスファルト混合物に慣用されている各種添加剤、例えば、造膜剤、増粘安定剤、乳化剤等を添加してもよい。
具体的には、鉱物質粉末、ガラス繊維等の充填剤や補強剤、鉱物質の骨材、ベンガラ、二酸化チタン等の顔料、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、低分子量ポリエチレンワックス等のワックス類、アゾジカルボンアミド等の発泡剤、アタクチックポリプロピレン、エチレン-エチルアクリレート共重合体等のポリオレフィン系又は低分子量のビニル芳香族系熱可塑性樹脂、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、エチレン-プロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、イソプレン-イソブチレンゴム、ポリペンテナマーゴム、スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体、スチレン-イソプレン系ブロック共重合体、水素化スチレン-ブタジエン系ブロック共重合体、水素化スチレン-イソプレン系ブロック共重合体等の合成ゴムが挙げられる。
これらの合計添加量は、アスファルト混合物全体に対して、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、より更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは5質量%以下である。
[アスファルト混合物の製造方法]
アスファルト混合物の具体的な製造方法としては、従来のプラントミックス方式、プレミックス方式等といわれるアスファルト混合物の製造方法が挙げられる。いずれも加熱した骨材及び炭酸カルシウム粉末にアスファルト(及び必要に応じて熱可塑性エラストマー)及びポリエステルを添加する方法である。添加方法は、例えば、アスファルト(及び必要に応じて熱可塑性エラストマー)及びポリエステルを予め溶解させたプレミックス方式、又はアスファルトに熱可塑性エラストマーを溶解させた改質アスファルトを骨材及び炭酸カルシウム粉末に添加し、その後にポリエステルを投入するプラントミックス法が挙げられる。
より具体的には、アスファルト混合物の製造方法は、当該混合する工程において、好ましくは、
(i)加熱した骨材及び炭酸カルシウム粉末に、アスファルト(及び必要に応じて熱可塑性エラストマー)を添加及び混合して混合物を得た後、ポリエステルを添加して、該混合物とポリエステルとを混合する、
(ii)加熱した骨材及び炭酸カルシウム粉末に、アスファルト及びポリエステルを同時に添加及び混合する、又は
(iii)加熱した骨材及び炭酸カルシウム粉末に、事前に加熱混合したアスファルトとポリエステルとの混合物を添加及び混合する。
これらの中でも、SMA配合のアスファルト混合物におけるアスファルトモルタルの分離(ダレ)を抑制する観点から、(i)の方法が好ましい。
アスファルト混合物の具体的な製造方法としては、従来のプラントミックス方式、プレミックス方式等といわれるアスファルト混合物の製造方法が挙げられる。いずれも加熱した骨材及び炭酸カルシウム粉末にアスファルト(及び必要に応じて熱可塑性エラストマー)及びポリエステルを添加する方法である。添加方法は、例えば、アスファルト(及び必要に応じて熱可塑性エラストマー)及びポリエステルを予め溶解させたプレミックス方式、又はアスファルトに熱可塑性エラストマーを溶解させた改質アスファルトを骨材及び炭酸カルシウム粉末に添加し、その後にポリエステルを投入するプラントミックス法が挙げられる。
より具体的には、アスファルト混合物の製造方法は、当該混合する工程において、好ましくは、
(i)加熱した骨材及び炭酸カルシウム粉末に、アスファルト(及び必要に応じて熱可塑性エラストマー)を添加及び混合して混合物を得た後、ポリエステルを添加して、該混合物とポリエステルとを混合する、
(ii)加熱した骨材及び炭酸カルシウム粉末に、アスファルト及びポリエステルを同時に添加及び混合する、又は
(iii)加熱した骨材及び炭酸カルシウム粉末に、事前に加熱混合したアスファルトとポリエステルとの混合物を添加及び混合する。
これらの中でも、SMA配合のアスファルト混合物におけるアスファルトモルタルの分離(ダレ)を抑制する観点から、(i)の方法が好ましい。
加熱した骨材及び炭酸カルシウム粉末にアスファルト及びポリエステルを混合するときの温度は、アスファルトを軟化させる観点から、好ましくは130℃以上、より好ましくは140℃以上であり、そして、好ましくは200℃以下、より好ましくは190℃以下、更に好ましくは180℃以下である。
また、加熱した骨材及び炭酸カルシウム粉末にアスファルト及びポリエステルを混合するときの時間は、施工した舗装体表面のキメの深いことと舗装体内部の緻密性を両立する観点から、好ましくは30秒間以上、より好ましくは1分間以上、更に好ましくは2分間以上、より更に好ましくは5分間以上であり、時間の上限は、特に限定されないが例えば約30分間程度である。
また、加熱した骨材及び炭酸カルシウム粉末にアスファルト及びポリエステルを混合するときの時間は、施工した舗装体表面のキメの深いことと舗装体内部の緻密性を両立する観点から、好ましくは30秒間以上、より好ましくは1分間以上、更に好ましくは2分間以上、より更に好ましくは5分間以上であり、時間の上限は、特に限定されないが例えば約30分間程度である。
上記(iii)の方法において、事前に加熱混合したアスファルト(及び必要に応じて熱可塑性エラストマー)とポリエステルとの混合物を調製する方法は特に限定されないが、アスファルトを加熱溶融し、ポリエステル及び必要に応じて他の添加剤を添加し、通常用いられている混合機にて、各成分が均一に分散するまで撹拌混合する工程を含むことが好ましい。通常用いられている混合機としては、ホモミキサー、ディゾルバー、パドルミキサー、リボンミキサー、スクリューミキサー、プラネタリーミキサー、真空逆流ミキサー、ロールミル、二軸押出機等が挙げられる。
上記アスファルトとポリエステルとの混合温度は、アスファルト中にポリエステルを均一に分散させ、SMA配合のアスファルト混合物におけるアスファルトモルタルの分離(ダレ)を抑制する観点から、好ましくは100℃以上、より好ましくは130℃以上、更に好ましくは160℃以上、より更に好ましくは170℃以上であり、そして、好ましくは230℃以下、より好ましくは210℃以下、更に好ましくは200℃以下、より更に好ましくは190℃以下である。
また、アスファルトとポリエステルとの混合時間は、効率的にアスファルト中にポリエステルを均一に分散させる観点から、好ましくは0.1時間以上、より好ましくは0.5時間以上、更に好ましくは1.0時間以上、より更に好ましくは1.5時間以上であり、そして、好ましくは10時間以下、より好ましくは7時間以下、更に好ましくは5時間以下、より更に好ましくは3時間以下である。
なお、アスファルトに対するポリエステルの好ましい含有量は、上述したとおりである。
なお、アスファルトに対するポリエステルの好ましい含有量は、上述したとおりである。
上記(iii)の方法において、アスファルトとポリエステルとの混合物は、水を実質的に含まない加熱アスファルト混合物として使用してもよく、また、上記アスファルト混合物に乳化剤や水を配合してアスファルト乳剤とし、これに骨材等を配合し、常温アスファルト混合物として使用してもよい。
アスファルト混合物を加熱アスファルト混合物として使用する場合のアスファルト混合物の製造方法については、特に制限はなく、いかなる方法で製造してもよいが、通常、骨材とアスファルト組成物とを含むアスファルト混合物の製造方法に準じて行えばよい。
[道路舗装の施工方法、舗装体、道路表面の凍結を防止する方法]
本発明のアスファルト混合物は、道路舗装用として好適である。本発明の道路舗装の施工方法は、好ましくは、本発明のアスファルト混合物を道路等に施工し、アスファルト舗装材層を形成する工程を有する。本発明のアスファルト混合物は、アスファルトモルタルの分離(ダレ)が抑制され、かつ、粗骨材に対するモルタルの付着性に優れるため、本発明のアスファルト混合物で舗装された舗装体は、骨材とアスファルトとの付着力が強く、良好な耐久性を有する。
本発明のアスファルト混合物は、道路舗装用として好適である。本発明の道路舗装の施工方法は、好ましくは、本発明のアスファルト混合物を道路等に施工し、アスファルト舗装材層を形成する工程を有する。本発明のアスファルト混合物は、アスファルトモルタルの分離(ダレ)が抑制され、かつ、粗骨材に対するモルタルの付着性に優れるため、本発明のアスファルト混合物で舗装された舗装体は、骨材とアスファルトとの付着力が強く、良好な耐久性を有する。
また、本発明の道路舗装の施工方法は、本発明のアスファルト混合物を道路の基層に施工する工程を有することが好ましい。特に、高速道路の基層に本発明のアスファルト混合物を施工することが好ましい。
なお、道路舗装方法において、アスファルト混合物は、通常のアスファルト混合物と同様の施工機械編成で、同様の方法によって締固め施工すればよい。加熱アスファルト混合物として使用する場合のアスファルト混合物の締固め温度は、ダレ抑制とモルタルの付着性の観点から、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上、更に好ましくは130℃以上であり、そして、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下、更に好ましくは170℃以下である。
また、本発明のアスファルト混合物は道路表面に凹凸を設ける構造を形成させることができるので、本発明のアスファルト混合物によって道路の表層を舗装することで、道路表面の凍結を防止することができる。
なお、SMA舗装は水密性を高めるために用いられるが、道路の基層や表層に用いられ、表層の場合には表面を粗骨材のかみ合わせによるテクスチャを有し、内部は水密性が高い緻密な層を形成する多機能型SMA舗装にも用いられる。
SMA舗装を基層に適用する場合、表層は排水性舗装となり、基層側に水が排出される。
SMA舗装を基層に適用する場合、表層は排水性舗装となり、基層側に水が排出される。
各種物性については、以下の方法により、測定及び評価を行った。
なお、以下の実施例及び比較例において、特に断りのない限り、部及び%は質量基準である。
なお、以下の実施例及び比較例において、特に断りのない限り、部及び%は質量基準である。
(1)ポリエステルの酸価及び水酸基価の測定方法
ポリエステルの酸価及び水酸基価は、JIS K0070:1992の方法に基づき測定した。ただし、測定溶媒のみJIS K0070:1992に規定のエタノールとエーテルとの混合溶媒から、アセトンとトルエンとの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
ポリエステルの酸価及び水酸基価は、JIS K0070:1992の方法に基づき測定した。ただし、測定溶媒のみJIS K0070:1992に規定のエタノールとエーテルとの混合溶媒から、アセトンとトルエンとの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
(2)ポリエステルの軟化点の測定方法
フローテスター「CFT-500D」(株式会社島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
フローテスター「CFT-500D」(株式会社島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
(3)ポリエステルのガラス転移点及び融点の測定方法
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.01~0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した。次に昇温速度10℃/分で150℃まで昇温しながら測定した。
吸熱の最大ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移点とした。
ピーク面積が最大のピークの温度が、軟化点との差が20℃以内であれば融点とした。
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.01~0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した。次に昇温速度10℃/分で150℃まで昇温しながら測定した。
吸熱の最大ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移点とした。
ピーク面積が最大のピークの温度が、軟化点との差が20℃以内であれば融点とした。
(4)ポリエステルの結晶性指数
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.02gをアルミパンに計量し、室温(20℃)から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した。次いで試料をそのままの温度で1分間維持し、その後、昇温速度10℃/分で180℃まで昇温しながら熱量を測定した。観測される吸熱ピークのうち、ピーク面積が最大のピークの温度を吸熱の最大ピーク温度とした。
[融点]/[吸熱の最大ピーク温度]により、結晶性指数を求めた。
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.02gをアルミパンに計量し、室温(20℃)から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した。次いで試料をそのままの温度で1分間維持し、その後、昇温速度10℃/分で180℃まで昇温しながら熱量を測定した。観測される吸熱ピークのうち、ピーク面積が最大のピークの温度を吸熱の最大ピーク温度とした。
[融点]/[吸熱の最大ピーク温度]により、結晶性指数を求めた。
(5)ポリエステルの分子量測定
以下の方法により、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により、ポリエステルの重量平均分子量(Mw)を求めた。
(i)試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mLになるように、試料をテトラヒドロフランに、40℃で溶解させた。次いで、この溶液を孔径0.20μmのPTFEタイプメンブレンフィルター「DISMIC-25JP」(東洋濾紙(株)製)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とした。
(ii)分子量測定
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液としてテトラヒドロフランを、毎分1mLの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させた。そこに試料溶液100μLを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出した。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー(株)製のA-500(5.0×102)、A-1000(1.01×103)、A-2500(2.63×103)、A-5000(5.97×103)、F-1(1.02×104)、F-2(1.81×104)、F-4(3.97×104)、F-10(9.64×104)、F-20(1.90×105)、F-40(4.27×105)、F-80(7.06×105)、F-128(1.09×106))を標準試料として作成したものを用いた。括弧内は分子量を示す。
測定装置:「HLC-8220GPC」(東ソー株式会社製)
分析カラム:「TSKgel GMHXL」+「TSKgel G3000HXL」(東ソー株式会社製)
以下の方法により、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により、ポリエステルの重量平均分子量(Mw)を求めた。
(i)試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mLになるように、試料をテトラヒドロフランに、40℃で溶解させた。次いで、この溶液を孔径0.20μmのPTFEタイプメンブレンフィルター「DISMIC-25JP」(東洋濾紙(株)製)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とした。
(ii)分子量測定
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液としてテトラヒドロフランを、毎分1mLの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させた。そこに試料溶液100μLを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出した。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー(株)製のA-500(5.0×102)、A-1000(1.01×103)、A-2500(2.63×103)、A-5000(5.97×103)、F-1(1.02×104)、F-2(1.81×104)、F-4(3.97×104)、F-10(9.64×104)、F-20(1.90×105)、F-40(4.27×105)、F-80(7.06×105)、F-128(1.09×106))を標準試料として作成したものを用いた。括弧内は分子量を示す。
測定装置:「HLC-8220GPC」(東ソー株式会社製)
分析カラム:「TSKgel GMHXL」+「TSKgel G3000HXL」(東ソー株式会社製)
製造例1及び2(ポリエステルA及びB)
表1に示すポリエステルのアルコール成分、テレフタル酸及びステアリン酸を、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてジ(2-エチルヘキサン酸)錫(II)20g、及び没食子酸2gを添加し、マントルヒーター中で3時間かけて235℃まで昇温を行い235℃到達後5時間保持した後8.0kPaにて1時間減圧反応を行った。その後、180℃まで冷却後、アジピン酸を投入し、210℃まで2時間かけて昇温後210℃で1時間保持し、8.0kPaにて減圧反応を行った後、表1に示す軟化点に達するまで反応を行い、目的のポリエステルA及びBを得た。
表1に示すポリエステルのアルコール成分、テレフタル酸及びステアリン酸を、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてジ(2-エチルヘキサン酸)錫(II)20g、及び没食子酸2gを添加し、マントルヒーター中で3時間かけて235℃まで昇温を行い235℃到達後5時間保持した後8.0kPaにて1時間減圧反応を行った。その後、180℃まで冷却後、アジピン酸を投入し、210℃まで2時間かけて昇温後210℃で1時間保持し、8.0kPaにて減圧反応を行った後、表1に示す軟化点に達するまで反応を行い、目的のポリエステルA及びBを得た。
製造例3及び4(ポリエステルC及びD)
表1に示すポリエステルのアルコール成分、テレフタル酸及び安息香酸を、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてジ(2-エチルヘキサン酸)錫(II)20g、及び没食子酸2gを添加し、マントルヒーター中で3時間かけて235℃まで昇温を行い235℃到達後5時間保持した後8.0kPaにて1時間減圧反応を行った。その後、180℃まで冷却後、アジピン酸を投入し、210℃まで2時間かけて昇温後210℃で1時間保持し、8.0kPaにて減圧反応を行った後、表1に示す軟化点に達するまで反応を行い、目的のポリエステルC及びDを得た。
表1に示すポリエステルのアルコール成分、テレフタル酸及び安息香酸を、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてジ(2-エチルヘキサン酸)錫(II)20g、及び没食子酸2gを添加し、マントルヒーター中で3時間かけて235℃まで昇温を行い235℃到達後5時間保持した後8.0kPaにて1時間減圧反応を行った。その後、180℃まで冷却後、アジピン酸を投入し、210℃まで2時間かけて昇温後210℃で1時間保持し、8.0kPaにて減圧反応を行った後、表1に示す軟化点に達するまで反応を行い、目的のポリエステルC及びDを得た。
製造例5(ポリエステルE)
表1に示すポリエステルのアルコール成分、テレフタル酸及びイソステアリン酸(商品名、2,2,4,8,10,10-ヘキサメチルウンデカン-5-カルボン酸、東京化成工業株式会社製)を、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてジ(2-エチルヘキサン酸)錫(II)20g、及び没食子酸2gを添加し、マントルヒーター中で3時間かけて235℃まで昇温を行い235℃到達後5時間保持した後8.0kPaにて1時間減圧反応を行った。その後、180℃まで冷却後、アジピン酸を投入し、210℃まで2時間かけて昇温後210℃で1時間保持し、8.0kPaにて減圧反応を行った後、表1に示す軟化点に達するまで反応を行い、目的のポリエステルEを得た。
表1に示すポリエステルのアルコール成分、テレフタル酸及びイソステアリン酸(商品名、2,2,4,8,10,10-ヘキサメチルウンデカン-5-カルボン酸、東京化成工業株式会社製)を、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてジ(2-エチルヘキサン酸)錫(II)20g、及び没食子酸2gを添加し、マントルヒーター中で3時間かけて235℃まで昇温を行い235℃到達後5時間保持した後8.0kPaにて1時間減圧反応を行った。その後、180℃まで冷却後、アジピン酸を投入し、210℃まで2時間かけて昇温後210℃で1時間保持し、8.0kPaにて減圧反応を行った後、表1に示す軟化点に達するまで反応を行い、目的のポリエステルEを得た。
製造例6(ポリエステルF)
表1に示すポリエステルのアルコール成分及びテレフタル酸を、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてジ(2-エチルヘキサン酸)錫(II)20g、及び没食子酸2gを添加し、マントルヒーター中で3時間かけて235℃まで昇温を行い235℃到達後5時間保持した後8.0kPaにて1時間減圧反応を行った。その後、180℃まで冷却後、アジピン酸を投入し、210℃まで2時間かけて昇温後210℃で1時間保持し、8.0kPaにて減圧反応を行った後、表に示す軟化点に達するまで反応を行い、目的のポリエステルFを得た。
表1に示すポリエステルのアルコール成分及びテレフタル酸を、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてジ(2-エチルヘキサン酸)錫(II)20g、及び没食子酸2gを添加し、マントルヒーター中で3時間かけて235℃まで昇温を行い235℃到達後5時間保持した後8.0kPaにて1時間減圧反応を行った。その後、180℃まで冷却後、アジピン酸を投入し、210℃まで2時間かけて昇温後210℃で1時間保持し、8.0kPaにて減圧反応を行った後、表に示す軟化点に達するまで反応を行い、目的のポリエステルFを得た。
製造例7(ポリエステルG)
表2に示すポリエステルの原料モノマーを、温度計、ステンレス製撹拌棒、脱水管、窒素導入管、熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、140℃で6時間保持、さらに200℃まで6時間かけて昇温後、窒素雰囲気にてジ(2-エチルヘキサン酸)錫(II)20g、及びターシャルブチルカテコール2gを加え、200℃にて1時間反応させた後、8.3kPaにて1時間減圧反応させて、目的のポリエステルGを得た。ポリエステルGは、結晶性ポリエステルであった。
表2に示すポリエステルの原料モノマーを、温度計、ステンレス製撹拌棒、脱水管、窒素導入管、熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、140℃で6時間保持、さらに200℃まで6時間かけて昇温後、窒素雰囲気にてジ(2-エチルヘキサン酸)錫(II)20g、及びターシャルブチルカテコール2gを加え、200℃にて1時間反応させた後、8.3kPaにて1時間減圧反応させて、目的のポリエステルGを得た。ポリエステルGは、結晶性ポリエステルであった。
実施例で用いたアスファルト、並びに、骨材及び炭酸カルシウム粉末の配合を下記に示す。
〔アスファルト〕
アスファルトA:改質II型アスファルト(「エポックファルトD」、日進化成株式会社製)
アスファルトB:ストレートアスファルト(「ストレートアスファルト80-100」、富士興産株式会社)
〔骨材及び炭酸カルシウム粉末の配合〕
<配合A>
(骨材)
6号砕石 :関西(小) 75質量%
砕砂 :家島産 11質量%
粗目砂 :揖斐川産 2質量%
(炭酸カルシウム粉末(フィラー))
石粉:ネオフロー150(清水工業(株)製) 12質量%
(合計)
100質量%
通過質量%:
ふるい目 13.2 mm:100 質量%
ふるい目 4.75 mm: 49.9質量%
ふるい目 2.36 mm: 25.0質量%
ふるい目 0.6 mm: 23.7質量%
ふるい目 0.3 mm: 15.9質量%
ふるい目 0.15 mm: 13.8質量%
ふるい目 0.075mm: 12.7質量%
ふるい目 0.06 mm: 2.6質量%
〔アスファルト〕
アスファルトA:改質II型アスファルト(「エポックファルトD」、日進化成株式会社製)
アスファルトB:ストレートアスファルト(「ストレートアスファルト80-100」、富士興産株式会社)
〔骨材及び炭酸カルシウム粉末の配合〕
<配合A>
(骨材)
6号砕石 :関西(小) 75質量%
砕砂 :家島産 11質量%
粗目砂 :揖斐川産 2質量%
(炭酸カルシウム粉末(フィラー))
石粉:ネオフロー150(清水工業(株)製) 12質量%
(合計)
100質量%
通過質量%:
ふるい目 13.2 mm:100 質量%
ふるい目 4.75 mm: 49.9質量%
ふるい目 2.36 mm: 25.0質量%
ふるい目 0.6 mm: 23.7質量%
ふるい目 0.3 mm: 15.9質量%
ふるい目 0.15 mm: 13.8質量%
ふるい目 0.075mm: 12.7質量%
ふるい目 0.06 mm: 2.6質量%
実施例1-1(試験1:アスファルト供試体1-1の作製)
フライパンに投入し180℃以上に加熱した上記配合A1300gに対して、上記アスファルトA86gを加えて、3分間混合した。更に、製造例1で得たポリエステルA4.3gを加えて1分間混合し、アスファルト混合物を得た。
得られたアスファルト混合物を使用して、「舗装調査・試験法便覧(第2分冊第III章、試験編)」の「B001 マーシャル安定度試験方法」に準じてアスファルト供試体を作製した。
具体的には、上記で得たアスファルト混合物625gをモールドに充填した。アスファルト自動突き固め装置「NA-507」(株式会社ナカジマ技販製)を用いて、160℃にて50回片面突き固めにて成型した後、室温まで15時間かけて放冷し、アスファルト供試体1-1を得た。
下記の方法により、空隙率及びキメ深さを測定した。結果を表3に示す。
フライパンに投入し180℃以上に加熱した上記配合A1300gに対して、上記アスファルトA86gを加えて、3分間混合した。更に、製造例1で得たポリエステルA4.3gを加えて1分間混合し、アスファルト混合物を得た。
得られたアスファルト混合物を使用して、「舗装調査・試験法便覧(第2分冊第III章、試験編)」の「B001 マーシャル安定度試験方法」に準じてアスファルト供試体を作製した。
具体的には、上記で得たアスファルト混合物625gをモールドに充填した。アスファルト自動突き固め装置「NA-507」(株式会社ナカジマ技販製)を用いて、160℃にて50回片面突き固めにて成型した後、室温まで15時間かけて放冷し、アスファルト供試体1-1を得た。
下記の方法により、空隙率及びキメ深さを測定した。結果を表3に示す。
(空隙率の測定方法)
アスファルト供試体の空隙率は、「舗装調査・試験法便覧(第2分冊第III章、試験編)」の「B008-1 密粒度アスファルト混合物の密度試験方法」に準じて測定した。
アスファルト供試体の空隙率は、「舗装調査・試験法便覧(第2分冊第III章、試験編)」の「B008-1 密粒度アスファルト混合物の密度試験方法」に準じて測定した。
(キメ深さの測定方法)
デジタルマイクロスコープ「DSX1000」(オリンパス株式会社製)を使用し、アスファルト供試体の表面に対して焦点を合わせ、上下深さ方向に4cm画像撮影を連続的に行った。観察面積は、縦横方向に4cm×4cmとした。得られた画像を重ね合わせ画像データを作成した。得られた画像データから断面プロファイルを作成し、JIS B0601:2001に規定の表面粗さパラメータの1つである最大山高さ(Rp)を求めた。最大山高さ(Rp)を縦横10か所で測定し、その平均値をそのアスファルト供試体のキメ深さとした。
キメ深さは、アスファルト供試体の表面のテクスチャ構造の程度の指標であり、キメ深さが大きいほど凹凸が大きいことを示している。実際の舗装体では、キメ深さが大きいほど排水性に優れ、寒冷地においては氷膜の形成を抑制すると考えられる。
デジタルマイクロスコープ「DSX1000」(オリンパス株式会社製)を使用し、アスファルト供試体の表面に対して焦点を合わせ、上下深さ方向に4cm画像撮影を連続的に行った。観察面積は、縦横方向に4cm×4cmとした。得られた画像を重ね合わせ画像データを作成した。得られた画像データから断面プロファイルを作成し、JIS B0601:2001に規定の表面粗さパラメータの1つである最大山高さ(Rp)を求めた。最大山高さ(Rp)を縦横10か所で測定し、その平均値をそのアスファルト供試体のキメ深さとした。
キメ深さは、アスファルト供試体の表面のテクスチャ構造の程度の指標であり、キメ深さが大きいほど凹凸が大きいことを示している。実際の舗装体では、キメ深さが大きいほど排水性に優れ、寒冷地においては氷膜の形成を抑制すると考えられる。
実施例1-2(試験1:アスファルト供試体1-2の作製)
実施例1-1において、ポリエステルの配合量を表3に示したとおり変更したこと以外は実施例1-1と同様にして、アスファルト混合物を得た。そして、実施例1-1と同様にして、アスファルト供試体1-2を作成し、空隙率及びキメ深さを測定した。結果を表3に示す。
実施例1-1において、ポリエステルの配合量を表3に示したとおり変更したこと以外は実施例1-1と同様にして、アスファルト混合物を得た。そして、実施例1-1と同様にして、アスファルト供試体1-2を作成し、空隙率及びキメ深さを測定した。結果を表3に示す。
実施例1-3及び1-4(試験1:アスファルト供試体1-3及び1-4の作製)
実施例1-1において、アスファルトの配合量を表3に示したとおり変更したこと以外は実施例1-1と同様にして、アスファルト混合物を得た。そして、実施例1-1と同様にして、アスファルト供試体1-3及び1-4を作成し、空隙率及びキメ深さを測定した。結果を表3に示す。
実施例1-1において、アスファルトの配合量を表3に示したとおり変更したこと以外は実施例1-1と同様にして、アスファルト混合物を得た。そして、実施例1-1と同様にして、アスファルト供試体1-3及び1-4を作成し、空隙率及びキメ深さを測定した。結果を表3に示す。
実施例1-5~1-8(試験1:アスファルト供試体1-5~1-8の作製)
実施例1-1において、ポリエステルの種類を表3に示したとおりそれぞれ製造例2~5で得たポリエステルB~Eに変更したこと以外は実施例1-1と同様にして、アスファルト混合物を得た。そして、実施例1-1と同様にして、アスファルト供試体1-5~1-8を作成し、空隙率及びキメ深さを測定した。結果を表3に示す。
実施例1-1において、ポリエステルの種類を表3に示したとおりそれぞれ製造例2~5で得たポリエステルB~Eに変更したこと以外は実施例1-1と同様にして、アスファルト混合物を得た。そして、実施例1-1と同様にして、アスファルト供試体1-5~1-8を作成し、空隙率及びキメ深さを測定した。結果を表3に示す。
実施例1-9(試験1:アスファルト供試体1-9の作製)
実施例1-6において、アスファルトAをアスファルトB82gに変更したこと以外は実施例1-6と同様にして、アスファルト混合物を得た。そして、実施例1-1と同様にして、アスファルト供試体1-9を作成し、空隙率及びキメ深さを測定した。結果を表3に示す。
実施例1-6において、アスファルトAをアスファルトB82gに変更したこと以外は実施例1-6と同様にして、アスファルト混合物を得た。そして、実施例1-1と同様にして、アスファルト供試体1-9を作成し、空隙率及びキメ深さを測定した。結果を表3に示す。
比較例1-1~1-3(試験1:アスファルト供試体1-C1~1-C3の作製)
実施例1-1、1-3及び1-4のそれぞれにおいて、ポリエステルの種類を表3に示したとおり製造例6で得たポリエステルFに変更したこと以外は実施例1-1、1-3及び1-4のそれぞれと同様にして、アスファルト混合物を得た。そして、実施例1-1と同様にして、アスファルト供試体1-C1~1-C3を作成し、空隙率及びキメ深さを測定した。結果を表3に示す。
実施例1-1、1-3及び1-4のそれぞれにおいて、ポリエステルの種類を表3に示したとおり製造例6で得たポリエステルFに変更したこと以外は実施例1-1、1-3及び1-4のそれぞれと同様にして、アスファルト混合物を得た。そして、実施例1-1と同様にして、アスファルト供試体1-C1~1-C3を作成し、空隙率及びキメ深さを測定した。結果を表3に示す。
比較例1-4(試験1:アスファルト供試体1-C4の作製)
実施例1-1において、ポリエステルAを添加しない代わりにセルロース(商品名「トップセルP1004」、アビセル社(ドイツ)製)をアスファルト100質量部に対して0.3質量部配合したこと以外は実施例1-1と同様にして、アスファルト混合物を得た。そして、実施例1-1と同様にして、アスファルト供試体1-C4を作成し、空隙率及びキメ深さを測定した。結果を表3に示す。
実施例1-1において、ポリエステルAを添加しない代わりにセルロース(商品名「トップセルP1004」、アビセル社(ドイツ)製)をアスファルト100質量部に対して0.3質量部配合したこと以外は実施例1-1と同様にして、アスファルト混合物を得た。そして、実施例1-1と同様にして、アスファルト供試体1-C4を作成し、空隙率及びキメ深さを測定した。結果を表3に示す。
比較例1-5(試験1:アスファルト供試体1-C5の作製)
比較例1-1において、アスファルトAをアスファルトB82gに変更したこと以外は比較例1-1と同様にして、アスファルト混合物を得た。そして、実施例1-1と同様にして、アスファルト供試体1-C5を作成し、空隙率及びキメ深さを測定した。結果を表3に示す。
比較例1-1において、アスファルトAをアスファルトB82gに変更したこと以外は比較例1-1と同様にして、アスファルト混合物を得た。そして、実施例1-1と同様にして、アスファルト供試体1-C5を作成し、空隙率及びキメ深さを測定した。結果を表3に示す。
実施例2-1(試験2:アスファルト供試体2-1の作製)
実施例1-1のアスファルト供試体の作製において、まず160℃にて20回片面突き固めし、次いで試料表面が95℃±5℃になるまで冷却した後、供試体とランマーの間に天然ゴムシート(2mm)を2枚挟み、更に30回片面突き固めした以外は実施例1-1と同様にして、アスファルト混合物を得た。そして、実施例1-1と同様にして、アスファルト供試体2-1を作成し、空隙率及びキメ深さを測定した。結果を表4に示す。
実施例1-1のアスファルト供試体の作製において、まず160℃にて20回片面突き固めし、次いで試料表面が95℃±5℃になるまで冷却した後、供試体とランマーの間に天然ゴムシート(2mm)を2枚挟み、更に30回片面突き固めした以外は実施例1-1と同様にして、アスファルト混合物を得た。そして、実施例1-1と同様にして、アスファルト供試体2-1を作成し、空隙率及びキメ深さを測定した。結果を表4に示す。
実施例2-2、比較例2-1~2-2(試験2:アスファルト供試体2-2、2-C1、2-C2の作製)
実施例2-1において、ポリエステルの種類を表4に示したとおりそれぞれ製造例2、6及び7で得たポリエステルB、F及びGに変更したこと以外は実施例2-1と同様にして、アスファルト混合物を得た。そして、実施例2-1と同様にして、アスファルト供試体2-2、2-C1、2-C2を作成し、空隙率及びキメ深さを測定した。結果を表4に示す。
実施例2-1において、ポリエステルの種類を表4に示したとおりそれぞれ製造例2、6及び7で得たポリエステルB、F及びGに変更したこと以外は実施例2-1と同様にして、アスファルト混合物を得た。そして、実施例2-1と同様にして、アスファルト供試体2-2、2-C1、2-C2を作成し、空隙率及びキメ深さを測定した。結果を表4に示す。
これまでSMA用アスファルト混合物にポリエステルを添加すると、ダレ抑制効果は高いが、排水性や氷膜形成防止となる表面のキメ深さと内部への水の侵入を防ぐ遮水性を両立できなかった。本発明ではビスフェノール骨格を有する非晶質ポリエステルに対して一価のカルボン酸を導入した。これにより、骨材やフィラーである炭酸カルシウム粉末に対する吸着を抑制することで、モルタル粘度の流動性を制御することで舗装体表面のキメの深いことと舗装体内部の緻密性を両立することが可能になった。
Claims (11)
- ポリエステルを含むアスファルト改質剤であって、該ポリエステルがアルコール成分由来の構成単位と、カルボン酸成分由来の構成単位とを含み、
該アルコール成分がビスフェノール構造を有するアルコールを含み、
該カルボン酸成分が1価のカルボン酸を含む、アスファルト改質剤。 - 前記アルコール成分が、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物を60モル%以上含む、請求項1に記載のアスファルト改質剤。
- 骨材と、ポリエステルと、アスファルトと、炭酸カルシウム粉末とを含有するアスファルト混合物であって、
該ポリエステルがアルコール成分由来の構成単位と、カルボン酸成分由来の構成単位とを含み、
該アルコール成分がビスフェノール構造を有するアルコールを含み、
該カルボン酸成分が1価のカルボン酸を含む、アスファルト混合物。 - アスファルト混合物中のアスファルトの含有量が、骨材及び炭酸カルシウム粉末の合計100質量部に対し3.5質量部以上10質量部以下である、請求項3に記載のアスファルト混合物。
- 前記アスファルト混合物中の、骨材中の粒径2.36mm以上の粗骨材の含有量が70質量%以上である、請求項3又は4に記載のアスファルト混合物。
- 前記アスファルト混合物中の炭酸カルシウム粉末の含有量が、骨材及び炭酸カルシウム粉末の合計100質量%中、1質量%以上30質量%以下である、請求項3~5のいずれかに記載のアスファルト混合物。
- 前記アスファルトが、ストレートアスファルト及びポリマー改質アスファルトからなる群から選択される、請求項3~6のいずれか1つに記載のアスファルト混合物。
- 前記ポリエステルが、50℃以上140℃以下の軟化点を有する、請求項3~7のいずれかに記載のアスファルト混合物。
- 前記ポリエステルが30℃以上80℃以下のガラス転移点を有する、請求項3~8のいずれかに記載のアスファルト混合物。
- 前記ポリエステルが非晶質ポリエステルである、請求項3~9のいずれか1つに記載のアスファルト混合物。
- 前記ポリエステルが、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物を60モル%以上含むアルコール成分由来の構成単位と、カルボン酸成分由来の構成単位とを含む、請求項3~10のいずれか1つに記載のアスファルト混合物。
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JP2021139205A JP2023032859A (ja) | 2021-08-27 | 2021-08-27 | アスファルト改質剤 |
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- 2021-08-27 JP JP2021139205A patent/JP2023032859A/ja active Pending
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