JP2023012179A - 電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】配線の引っ張りに対する強度を向上させることができる電子機器を提供する。【解決手段】実施形態の一態様に係る電子機器においては、カシメ部と、結束部と、リブ部とを備える。カシメ部は、筐体の内部に配索される3本以上の配線のうち、少なくとも2本の配線をカシメ固定して保持する。結束部は、カシメ部によって保持された配線以外の配線を含む、少なくとも2本の配線を結束固定して保持する。リブ部は、筐体の内部に設けられ、カシメ部が係止される。【選択図】図5

Description

本発明は、電子機器に関する。
従来、例えばドライブレコーダなどの電子機器に関する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2020-080391号公報
ところで、上記したドライブレコーダにおいては、例えば筐体内に配索される配線(ハーネス)が筐体から外部へ延在するように構成される。かかる配線は、例えばドライブレコーダの取り付け時や使用時などに、取り付け作業者やユーザによって引っ張られることがある。配線の引っ張りは、配線の抜けなどにつながるおそれがある。なお、上記した配線の引っ張りなどの事象は、ドライブレコーダ以外の電子機器においても起こり得る。
そのため、ドライブレコーダなどの電子機器においては、配線の引っ張りに対する強度を向上させることが望まれていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、配線の引っ張りに対する強度を向上させることができる電子機器を提供することを目的とする。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、電子機器において、カシメ部と、結束部と、リブ部とを備える。カシメ部は、筐体の内部に配索される3本以上の配線のうち、少なくとも2本の配線をカシメ固定して保持する。結束部は、前記カシメ部によって保持された配線以外の配線を含む、少なくとも2本の配線を結束固定して保持する。リブ部は、前記筐体の内部に設けられ、前記カシメ部が係止される。
本発明によれば、配線の引っ張りに対する強度を向上させることができる。
図1は、実施形態に係る電子機器の側面図である。 図2は、機器等の外観を示す斜視図である。 図3は、機器等の分解斜視図である。 図4は、機器等の平面図である。 図5は、筐体の傾斜面部付近を拡大して示す拡大平面図である。 図6は、図4のVI-VI線断面図である。 図7は、配線の引っ張りなどを説明するための図である。 図8は、図4のVIII-VIII線断面図である。 図9は、変形例に係る電子機器を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する電子機器の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<実施形態>
図1は、実施形態に係る電子機器の側面図である。なお、図1および後述する図2~図9は、いずれも模式図である。
図1に示すように、電子機器1は、例えば車両に搭載される車載機器であり、具体的にはドライブレコーダである。また、電子機器1は、機器の一例であり、以下では、電子機器1を「機器1」と記載する場合がある。
機器1は、後述する取付構造によって、例えば車両のフロントガラス100に取り付けられる。具体的には、機器1は、接着部40を介してフロントガラス100の取り付け面100aに接着されることで、フロントガラス100に取り付けられる。
なお、図1では、フロントガラス100の取り付け面100aが平坦状である例を示したが、これに限られず、湾曲形状などその他の形状であってもよい。また、フロントガラス100は、車両のガラス部の一例であり、また、被取付部の一例である。また、機器1が取り付けられる被取付部は、上記したフロントガラス100に限定されるものではなく、例えば車両のリアガラスやドアガラスなどその他の種類のガラス部であってもよい。また、被取付部は、上記したガラス部に限られず、例えば機器1の種類に応じて任意の場所に設定可能である。
以下、機器1等について図2以降を参照して詳しく説明する。図2は、機器1等の外観を示す斜視図である。図3は、機器1等の分解斜視図であり、図4は、機器1等の平面図である。
なお、図2~図4においては、理解の便宜のために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向で規定される3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、後述の説明に用いる他の図面でも示す場合がある。また、直交座標系は、機器1が図示された状態にあるときのX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向であり、機器1の取り付け方向や配置方向等を限定するものではない。
図2~図4に示すように、例えば機器1は、筐体10を備える。また、機器1の取付構造には、かかる筐体10、および、接着部40などが含まれる。筐体10は、ケース部20と、カバー部30とを備え、その内部の空間に、基板90(図6参照)や配線A1~A3など各種の部品が収容される。なお、筐体10は、例えば樹脂などの材料を用いて製作されるが、これに限定されるものではない。
ケース部20は、上側ケース部21と、下側ケース部22と、カメラ部23とを備える。上側ケース部21は、下方(Z軸負方向)側が開放された箱状の部材である。また、上側ケース部21の上面(Z軸正方向側の面)側には、上面部21aと、傾斜面部21bとが形成される。上面部21aは、平坦状に形成されるが、これに限定されるものではない。傾斜面部21bは、上面部21aから連続する傾斜面を含み、また上面部21aから下り傾斜となるように形成される。なお、傾斜面部21bは、後述するように車両のフロントガラス100への取り付け面となる(図1参照)。
下側ケース部22は、上方(Z軸正方向)側が開放された箱状の部材である。そして、上側ケース部21と下側ケース部22とは、開放された部位同士を対向させて組み付けられることで、上記した基板90(図6参照)などを収容する空間が形成される。
カメラ部23は、ドライブレコーダである機器1において車両の周辺を撮像するカメラである。カメラ部23は、一部が上側ケース部21からY軸正方向へ突出するように設けられる。
ここで、筐体10のケース部20等について、図5も参照しつつさらに詳しく説明する。図5は、筐体10の傾斜面部21b付近を拡大して示す拡大平面図である。なお、図5は、カバー部30が取り外された状態のケース部20を示している。また、図5では、理解の便宜のため、接着部40の図示を省略している。
図3および図5に示すように、ケース部20は、収容部25を備える。収容部25は、例えば複数本(ここでは3本)の配線A1~A3などを収容する。なお、配線A1~A3は、例えばハーネス(ケーブル)であり、詳しくは機器1に対して電力を供給する電力線や各種情報を送受信する信号線などであるが、これに限定されるものではない。また、以下、配線A1を「第1配線A1」、第1配線A1と隣接する配線A2を「第2配線A2」、第2配線A2と隣接する配線A3を「第3配線A3」と記載する場合があるが、これらを特に区別せずに説明する場合には「配線A1~A3」と記載する。また、本実施形態に係る機器1は、3本の配線A1~A3を備えるようにしたが、これに限られず、例えば4本以上であってもよい。
収容部25は、上側ケース部21(正確には傾斜面部21b)に形成される。詳しくは、上側ケース部21の傾斜面部21bの一部には、カバー部30(図3参照)を取り付け可能な開口21b1が形成される。また、かかる開口21b1と対応する位置(開口21b1の下方側の位置)であって、ケース部20の内部の適宜位置には、載置部26が形成される。載置部26は、例えば平板状に形成され、配線A1~A3が載置されて配索される。
カバー部30、例えば平板状に形成され、ケース部20に取り付けられる、詳しくは上側ケース部21の開口21b1に取り付けられる。なお、カバー部30がケース部20に取り付けられた状態のとき、ケース部20とカバー部30との間には、隙間部50(図2,4,6など参照)が形成され、この隙間部50によってエアを逃がすことができるが、これについては後述する。
そして、収容部25は、上記した上側ケース部21の開口21b1に取り付けられたカバー部30と、載置部26とによって形成される空間を含み、かかる空間に配線A1~A3などが収容される。
なお、収容部25は、筐体10のY軸負方向側の側面に開口21b2が形成されて開放される。収容部25に収容されて配索された配線A1~A3は、開口21b2から筐体10の外部へ延在するように構成され、それぞれに対応する接続先に接続される。
ところで、これらの配線A1~A3は、例えば機器1の取り付け時や使用時などに、取り付け作業者やユーザによって引っ張られることがある。配線A1~A3の引っ張りは、配線A1~A3の抜けや故障などにつながるおそれがある。
そこで、本実施形態に係る機器1にあっては、配線A1~A3の引っ張りに対する強度を向上させることができるような構成とした。
具体的に説明すると、図5に示すように、機器1は、カシメ部60と、結束部70と、リブ部80とを備える。
カシメ部60は、配線A1~A3のうち、2本の配線(詳しくは第1配線A1および第2配線A2)をカシメ固定して保持する。例えば、カシメ部60は、金属製の部材であり、一部に切欠きがなされたリング状の部材である。リング状のカシメ部60は、その内部に2本の配線(第1、第2配線A1,A2)が挿通された状態で所定工具等が用いられて第1、第2配線A1,A2をカシメ固定し、これにより第1、第2配線A1,A2を保持する。
なお、上記では、カシメ部60は、2本の配線(ここでは第1、第2配線A1,A2)をカシメ固定するようにしたが、これに限られず、例えば3本以上の配線をカシメ固定することが可能である、言い換えると、少なくとも2本の配線をカシメ固定することが可能である。但し、カシメ部60は、3本以上の配線をカシメ固定する場合、中央に位置する配線について固定する力が低下するおそれがあるため、2本の配線(第1、第2配線A1,A2)をカシメ固定することが好ましい。
結束部70は、配線A1~A3のうち、2本の配線(詳しくは第2配線A2および第3配線A3)を結束固定して保持する。例えば、結束部70は、カシメ部60によって保持された配線(ここでは第2配線A2)と、カシメ部60によって保持された配線以外の配線(ここでは第3配線A3)とを含む、2本の配線を結束固定して保持する。なお、結束部70としては、例えば樹脂製の結束バンドを用いることができる。
なお、上記では、結束部70は、2本の配線(ここでは第2、第3配線A2,A3)を結束するようにしたが、これに限られず、例えば3本以上の配線を結束することが可能である、言い換えると、少なくとも2本の配線を結束することが可能である。但し、結束部70は、3本以上の配線を結束する場合、中央に位置する配線について結束して固定する力が低下するおそれがあるため、2本の配線(第2、第3配線A2,A3)を結束することが好ましい。
リブ部80は、筐体10の内部に設けられる。ここで、リブ部80等について、図6も参照しつつ説明する。図6は、図4のVI-VI線断面図である。
図5および図6に示すように、リブ部80は、ケース部20の収容部25に形成される。詳しくは、リブ部80は、載置部26に複数(例えば2つ)立設される。以下、2つのリブ部80のうち、一方を「第1リブ部80a」、他方を「第2リブ部80b」と記載する場合があるが、これらを特に区別せずに説明する場合には「リブ部80」と記載する。
リブ部80は、例えば平面視で長尺状に形成され、筐体10の内部から開口21b2へ延在するように形成される。そして、リブ部80は、筐体10の内部において配線A1~A3をガイドする。
例えば、第1リブ部80aは、カシメ部60によって保持された第1配線A1および第2配線A2との間に位置するように形成され、第1、第2配線A1,A2を開口21b2へ向けてガイドする。また、第2リブ部80bは、第3配線A3に沿うような位置に形成され、第3配線A3を開口21b2へ向けてガイドする。
このように、本実施形態にあっては、リブ部80が配線A1~A3をガイドすることで、配線A1~A3を収容部25内の適切な位置に収容することができる。
また、図5に示すように、第1リブ部80aには、カシメ部60が係止される。言い換えると、カシメ部60は、第1リブ部80aに引っ掛かるようにして配置される。これにより、本実施形態にあっては、配線A1~A3の引っ張りに対する強度を向上させることができる。
ここで、配線A1~A3の引っ張りについて図7を参照して説明する。図7は、配線A1~A3の引っ張りなどを説明するための図である。なお、図7では、配線A1~A3の基端側にあるコネクタを符号200で示している。
先ず、例えば機器1の取り付け時などに、第1配線A1に対して引っ張り力F1が作用した場合について説明する。第1配線A1は、上記したように、カシメ部60によって第2配線A2とともにカシメ固定され、カシメ部60は第1リブ部80aに係止される。そのため、第1配線A1に対して引っ張り力F1が作用した場合、カシメ部60が第1リブ部80aに当接し、よって引っ張り力F1を第1リブ部80aで受けつつ、第1配線A1と第2配線A2とに分散させることができる。これにより、本実施形態にあっては、例えば所定の引っ張り力F1が作用した場合であっても、第1配線A1の抜けなどが生じにくくなり、よって第1配線A1の引っ張りに対する強度を向上させることができる。
次に、第2配線A2に対して引っ張り力F2が作用した場合について説明する。第2配線A2は、カシメ部60によって第1配線A1とともにカシメ固定され、カシメ部60は第1リブ部80aに係止される。そのため、第2配線A2に対して引っ張り力F2が作用した場合、カシメ部60が第1リブ部80aに当接し、よって引っ張り力F2を第1リブ部80aで受けつつ、第2配線A2と第1配線A1とに分散させることができる。これにより、本実施形態にあっては、例えば所定の引っ張り力F2が作用した場合であっても、第2配線A2の抜けなどが生じにくくなり、よって第2配線A2の引っ張りに対する強度を向上させることができる。
次に、第3配線A3に対して引っ張り力F3が作用した場合について説明する。第3配線A3は、上記したように結束部70によって第2配線A2と結束され、第2配線A2は、カシメ部60によって第1配線A1とともにカシメ固定される。また、カシメ部60は第1リブ部80aに係止される。そのため、第3配線A3に対して引っ張り力F3が作用した場合、結束部70、第2配線A2を介して連結されているカシメ部60が第1リブ部80aに当接することとなる。そのため、引っ張り力F3を第1リブ部80aで受けつつ、第3配線A3と、第1配線A1および第2配線A2とに分散させることができる。これにより、本実施形態にあっては、例えば所定の引っ張り力F3が作用した場合であっても、第3配線A3の抜けなどが生じにくくなり、よって第3配線A3の引っ張りに対する強度を向上させることができる。
また、上記したように、3本の配線A1~A3のうち1本の配線(ここでは第2配線A2)は、カシメ部60および結束部70によって保持される。詳しくは、第2配線A2は、カシメ部60および結束部70の両方によって保持される、言い換えると、カシメ部60と結束部70とで共用して保持される。
これにより、3本の配線A1~A3のいずれが引っ張られた場合であっても、その引っ張り力を、カシメ部60を介して第1リブ部80aで受けつつ分散させることができ、よって配線A1~A3の引っ張りに対する強度を確実に向上させることができる。
なお、上記では、3本の配線A1~A3のうち1本の配線が、カシメ部60および結束部70の両方によって保持されるようにしたが、2本以上の配線がカシメ部60および結束部70の両方によって保持されてもよい。すなわち、少なくとも1本の配線がカシメ部60および結束部70によって保持されていればよい。
また、カシメ部60は、筐体10の内部においてリブ部80(ここでは第1リブ部80a)と結束部70との間に配置される。これにより、例えばカシメ部60によって保持されていない配線(ここでは第3配線A3)が引っ張られた場合であっても、その引っ張り力F3を、結束部70およびカシメ部60を介して第1リブ部80aに確実に作用させて受けつつ、分散させることが可能になる。
また、上記したように、配線A1~A3がカシメ部60および結束部70によって保持され、カシメ部60が第1リブ部80aに係止される。これにより、本実施形態においては、例えば配線A1~A3などを個別にネジなどによって締結固定して保持する必要がない、すなわち、配線A1~A3に対するネジ締結固定を不要にすることができる。
ここで、カシメ部60および結束部70の長さL60,L70、詳しくは保持した配線A1~A3の延在方向における長さL60,L70について説明する。結束部70は、長さL70がカシメ部60の長さL60に比べて短くなるように構成される。これにより、機器1の小型化を図ることが可能となる。すなわち、例えば、配線A1~A3を2個のカシメ部60を用いて保持する構成に比べ、1個の結束部70および1個のカシメ部60を用いて保持する構成の方が、配線A1~A3の保持に要する長さを短くすることができ、よって機器1の小型化を図ることが可能となる。
次いで、第2リブ部80bについて図5および図6を参照しつつ詳説する。ところで、筐体10の内部には、上記したように基板90(図6参照)などが収容される。基板90は、例えば板状に形成され、図示しない各種の電子部品が搭載される。かかる基板90は、ネジなどの締結部材91によって筐体10内の適宜位置に締結固定される。
ここで、例えば仮に、筐体10内において、配線A1~A3(例えば第3配線A3)が締結部材91の頭部91aと接触した状態で配索され、振動などが生じると、第3配線A3は、締結部材91の頭部91aと接触した部分が弱くなるなどの影響を受けるおそれがある。
そこで、本実施形態に係る第2リブ部80bは、ガイドする配線(例えば第3配線A3)と締結部材91の接触を回避する位置に設けられる。なお、締結部材91は、筐体10の内部に配置された部材の一例である。
詳しくは、図6に示すように、第2リブ部80bは、締結部材91に対応する位置であって、締結部材91の頭部91aから所定距離だけ上方(Z軸正方向)へ離間した位置に形成される。なお、所定距離は、第3配線A3と締結部材91とが接触を回避可能な値に設定されるが、これに限定されるものではない。
また、第2リブ部80bは、図5に示すように、締結部材91に対応する位置であって、締結部材91の上方を通過する位置となるように、平面視で湾曲した形状に形成される。
第2リブ部80bは、上記のように構成されることで、ガイドする第3配線A3と締結部材91との接触を回避することができる。これにより、本実施形態にあっては、振動などが生じた場合であっても、第3配線A3は、締結部材91の頭部91aなどと接触していないため、締結部材91から影響を受けることを抑制することができる。
次いで、接着部40について説明する。接着部40は、筐体10とフロントガラス100の取り付け面100a(図1参照)とを接着し、機器1がフロントガラス100に取り付けられる。なお、接着部40としては、例えば両面テープ(粘着テープ)を用いることができる。以下、接着部40を「両面テープ40」と記載する場合がある。
ところで、機器1の取り付けの際、両面テープ40とフロントガラス100との間にエアが入り込むことがあり、このエアが入り込むことで気泡が発生する。かかる気泡が存在すると、機器1の車外からの見栄えの低下や、両面テープ40における接着面積の減少に伴う接着強度の低下などを招くおそれがある。また、温度差による気泡の膨張等によっても、接着面積が減少して接着強度の低下などを招くおそれがある。
そこで、本実施形態にあっては、気泡の発生を抑制することができるような構成とした。具体的に説明すると、両面テープ40は、図2~図4などに示すように、平面視において略矩形状に形成され、2つの主面40a,40bが接着面として機能する。なお、主面40aはフロントガラス100(図1参照)との接着面、主面40bは筐体10の傾斜面部21bとの接着面として機能する。
両面テープ40は、開口部41を備える。例えば、開口部41は、複数(例えば2つ)あり、両面テープ40の中央付近に並列に形成される。また、開口部41は、平面視において略矩形状に形成される。また、開口部41は、例えば配線A1~A3が配索される方向(Y軸方向)に沿って、言い換えると収容部25に沿って延在するように、長尺状に形成される。
なお、上記した両面テープ40の形状や開口部41の形状や数は、あくまでも例示であって限定されるものではない。以下、2つの開口部41のうち、収容部25側にある一方を「第1開口部41a」、他方を「第2開口部41b」と記載する場合があるが、これらを特に区別せずに説明する場合には「開口部41」と記載する。
ここで、上記したように、収容部25を備える筐体10において、ケース部20とカバー部30との間には、隙間部50が形成される(図2,4,6など参照)。カバー部30は、収容部25を覆うようにしてケース部20に取り付けられることから、隙間部50は、図6に示すように、筐体10の内部空間(ここでは収容部25)と外部とを連通する隙間である。
そして、両面テープ40の第1開口部41aは、筐体10とフロントガラス100とが接着された状態のときに隙間部50に対応する位置に形成される。具体的には、長尺状の第1開口部41aは、隙間部50に沿って延在するように形成される。
これにより、例えば機器1の取り付けの際、両面テープ40とフロントガラス100との間にエアが入り込んだ場合であっても、図6に一点鎖線の矢印で示すように、かかるエアを第1開口部41aから隙間部50を介して筐体10の内部(詳しくは収容部25)へ逃がすことができる。
これにより、本実施形態にあっては、エアが入り込むことによる気泡の発生を抑制することができる。従って、気泡に起因する機器1の車外からの見栄えの低下、両面テープ40における接着面積の減少や温度差による気泡の膨張等に伴う接着強度の低下などを抑制することができる。
また、上記したように、筐体10は、ケース部20とカバー部30とに分割可能な分割構造とされ、隙間部50は、このケース部20とカバー部30との間に形成される。従って、本実施形態においては、筐体10を分割構造とすることで形成された隙間部50を、エアを逃がす部位として利用することができ、よって気泡の発生を効率よく抑制することができる。
また、筐体10は、ケース部20とカバー部30との分割構造とされることで、機器1の組み付け作業性を向上させることができる。すなわち、本実施形態おいては、例えば配線A1~A3を収容部25に配索した後、収容部25にカバー部30を取り付けるだけで、機器1における配索作業が完了することから、機器1の組み付け作業性を向上させることができる。
また、筐体10のケース部20は、連通部27を備える。連通部27は、図4などに示すように、複数の開口部41(ここでは第1開口部41aおよび第2開口部41b)によって形成される空間同士を連通する。なお、かかる空間は、正確には、機器1が両面テープ40を介してフロントガラス100に取り付けられた状態のとき、筐体10(例えば傾斜面部21b)とフロントガラス100と開口部41とによって区画される空間である。
ここで、連通部27について図8も参照しつつ説明する。図8は、図4のVIII-VIII線断面図であり、連通部27を説明するための図である。図4、図6および図8などに示すように、連通部27は、例えばケース部20(正確には傾斜面部21b)において、隙間部50から、接着された両面テープ40の第2開口部41bに対応する位置まで延在する溝である。また、連通部27は、例えば平面視において直線状であり、また、断面視において半円状に形成される。また、図4等の例では、連通部27は1つであるが、複数であってもよい。なお、上記した連通部27の形状は、あくまでも例示であって限定されるものではない。
上記のように構成される連通部27は、例えば第1開口部41aによって形成される空間と第2開口部41bによって形成される空間同士を連通する。これにより、例えば機器1の取り付けの際、両面テープ40とフロントガラス100との間であって、第2開口部41b付近にエアが入り込んだ場合であっても、図6に二点鎖線の矢印で示すように、かかるエアを第2開口部41bから連通部27、第1開口部41aおよび隙間部50を介して筐体10の内部へ逃がすことができる。
このように、本実施形態にあっては、連通部27を備えることで、気泡の発生をより一層抑制することができる。
また、連通部27は、図4に示すように、接着された両面テープ40の第1開口部41aおよび第2開口部41bの端部付近に対応する位置に形成される。これにより、機器1を車外から見たときに、連通部27が目立たないようにすることができ、よって機器1の意匠性を向上させつつ気泡の発生を抑制することが可能になる。
なお、上記では、連通部27は、ケース部20に形成されるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば両面テープ40に形成されてもよい。すなわち、図示は省略するが、両面テープ40において傾斜面部21bと対向する主面40b側に、第1開口部41aによって形成される空間と第2開口部41bによって形成される空間同士を連通する連通部が形成されてもよい。
上述してきたように、実施形態に係る機器(電子機器)1は、カシメ部60と、結束部70と、リブ部80とを備える。カシメ部60は、筐体10の内部に配索される3本以上の配線A1~A3のうち、少なくとも2本の配線(例えば第1、第2配線A1,A2)をカシメ固定して保持する。結束部70は、カシメ部60によって保持された配線以外の配線(例えば第3配線A3)を含む、少なくとも2本の配線を結束固定して保持する。リブ部80は、筐体10の内部に設けられ、カシメ部60が係止される。これにより、配線A1~A3の引っ張りに対する強度を向上させることができる。
また、カシメ部60は、例えば3本以上の配線をカシメ固定すると、中央に位置する配線について固定する力が低下するおそれがあるが、本実施形態では、2本の配線(第1、第2配線A1,A2)をカシメ固定するようにしたので、固定する力が低下することを抑制することができる。
また、実施形態は、筐体10を備えた機器1をフロントガラス100(被取付部の一例)へ接着して取り付ける機器1の取付構造であって、接着部40と、隙間部50とを備える。接着部40は、筐体10とフロントガラス100とを接着する。隙間部50は、筐体10に形成され、筐体10の内部空間と外部とを連通する。また、接着部40は、筐体10とフロントガラス100とが接着された状態のときに隙間部50に対応する位置に形成される開口部41を備える。これにより、気泡の発生を抑制することができる。
<変形例>
次に、変形例に係る機器1について、図9を参照して説明する。図9は、変形例に係る機器(電子機器)1を説明するための図である。なお、以下においては、実施形態と共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図9に示すように、変形例に係る機器1は、4本の配線A1~A4を備える。例えば機器1は、実施形態に係る第1~第3配線A1~A3に加え、第4配線A4を備える。
カシメ部60は、2本の配線(例えば第1配線A1および第2配線A2)をカシメ固定して保持する。結束部70は、複数(例えば2つ)ある。2つの結束部70のうち、一方を「第1結束部70a」、他方を「第2結束部70b」と記載する場合があるが、これらを特に区別せずに説明する場合には「結束部70」と記載する。
第1結束部70aは、2本の配線(例えば第2配線A2および第3配線A3)を結束固定して保持する。第2結束部70bは、2本の配線(例えば第1配線A1および第4配線A4)を結束固定して保持する。
変形例に係る機器1においては、上記のように構成することで、配線A1~A4の引っ張りに対する強度を向上させることができる。
一例として、第4配線A4に対して引っ張り力F4が作用した場合について説明すると、第4配線A4は、上記したように第2結束部70bによって第1配線A1と結束され、第1配線A1は、カシメ部60によって第2配線A2とともにカシメ固定される。また、カシメ部60は第1リブ部80aに係止される。そのため、第4配線A4に対して引っ張り力F4が作用した場合、第2結束部70b、第1配線A1を介して連結されているカシメ部60が第1リブ部80aに当接することとなる。そのため、引っ張り力F4を第1リブ部80aで受けつつ、第4配線A4と、第1配線A1および第2配線A2とに分散させることができる。これにより、変形例にあっては、例えば所定の引っ張り力F4が作用した場合であっても、第4配線A4の抜けなどが生じにくくなり、よって第4配線A4の引っ張りに対する強度を向上させることができる。
なお、第1~第3配線A1~A3に対して引っ張り力F1~F3が作用した場合については、実施形態と同様であるため、ここでの記載を省略する。
なお、上記では、電子機器(機器)がドライブレコーダである場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、電子機器(機器)は、例えばETC(Electronic Toll Collection)装置などのその他の種類の機器であってもよい。
また、上記では、接着部40が両面テープである例を示したが、これに限定されるものではなく、例えば開口部41を備えた板状の部材(基材)に接着剤などが塗布されるなど、その他の手法で接着する構成であってもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 電子機器
40 接着部
41 開口部
50 隙間部
60 カシメ部
70 結束部
80 リブ部
100 フロントガラス

Claims (5)

  1. 筐体の内部に配索される3本以上の配線のうち、少なくとも2本の配線をカシメ固定して保持するカシメ部と、
    前記カシメ部によって保持された配線以外の配線を含む、少なくとも2本の配線を結束固定して保持する結束部と、
    前記筐体の内部に設けられ、前記カシメ部が係止されるリブ部と
    を備えることを特徴とする電子機器。
  2. 3本以上の配線のうち少なくとも1本の配線は、
    前記カシメ部および前記結束部によって保持されること
    を特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記リブ部は、
    前記筐体の内部において配線をガイドすること
    を特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
  4. 前記リブ部は、
    ガイドする配線と前記筐体の内部に配置された部材との接触を回避する位置に設けられること
    を特徴とする請求項3に記載の電子機器。
  5. 前記カシメ部は、
    前記筐体の内部において前記リブ部と前記結束部との間に配置されること
    を特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の電子機器。
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