JP2023012149A - 位置決め装置とその制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、電動モータを内蔵したアクチュエータによって移動体を駆動し、所定の位置へ制御する電気駆動システムに関するもので、特に車両の電動パワーシート等の可動部分に適用して、位置決め制御を高精度に行う位置決め装置とその制御方法に関する。
従来、この種の位置決め装置は駆動対象の移動体と機械的に連結されると共に、直流モータと減速機構、及び減速機構の回転変位量を検出する回転センサー、とによって構成したアクチュエータに加えて、直流モータを電気的に駆動する電子制御装置とから構成されるのが一般的である。
具体的には図1に示すシートバックへ装着したアクチュエータ2と、操作スイッチ3の信号を取り込むと共にアクチュエータを駆動する電子制御装置1とから構成した車両用の電動パワーシートが公知である。図2にアクチュエータ部分の詳細例が示される。
図2のアクチュエータ部分では、シートフレームに固定された第二ギア212と、第一ギア211と同軸上に配設された図示しない小径ギアとが噛合するとともに、第一ギアと、モータ軸へ連結されたウォームギア210とが噛合している。
図2のアクチュエータ部分では、シートフレームに固定された第二ギア212と、第一ギア211と同軸上に配設された図示しない小径ギアとが噛合するとともに、第一ギアと、モータ軸へ連結されたウォームギア210とが噛合している。
図2に示す構成によって、モータ200が駆動されるとウォームギア210が回転して第一ギア211を回動させ、第一ギアの図示しない小径部が第二ギア212の周辺を公転するように自転回動することで、シートバックの傾斜角度を電気的に調節可能になっている。
図3は回転センサー部分の詳細例を示す図である。回転センサー部分は、モータ回転軸の同軸上に配設した単一の磁極対から成るマグネット201と、固定部に配設されて、かかるマグネットの生成する磁界を電気信号として検出するホール素子202とによって形成されており、この2つによって公知の単相式ロータリーエンコーダが構成される。
これによって、ホール素子202からモータの回転軸が1回転する毎に1パルスの電気信号を出力する。電子制御装置1はこのパルス数を所定方向へ積算してシートバックの傾斜角度として計算し、記憶するように構成されている。
以上の構成は、シートバックの傾斜のみならず、シートの前後スライド位置制御、座面前後の高さ制御にも同様にして適用され、これらの各種位置決め制御を電気的に行うことができるから、複数の運転者毎に設定した任意のシートポジションを別々にワンタッチ操作で再生する公知のメモリーパワーシート機能が実現される。
ところで、単相式ロータリーエンコーダは、ホール素子の出力信号からモータ軸の回転方向を判別することができない。従って、特許文献1に記載されているとおり、駆動機構の可動範囲終端まで移動した際にモータの駆動が停止されると、負荷側の反力によってモータが逆転駆動されてシートの実際の位置と装置の検出・記憶している位置との間にずれが生じてしまう。
そこで、特許文献1によれば可動範囲端部で停止した際にメカロックとして判別し、モータオフ期間に発生した回転パルスを逆方向回転として積算する。
或いは、短時間のモータ駆動を禁止する為にユーザによる作動要求を、モータ回転が判定できるまで保持する、等によってシートポジションを正確に記憶する為の解決策が提案されている。
或いは、短時間のモータ駆動を禁止する為にユーザによる作動要求を、モータ回転が判定できるまで保持する、等によってシートポジションを正確に記憶する為の解決策が提案されている。
しかしながら、回転センサーによるシート各部の可動位置に関する誤検出の原因は、可動範囲端部における反転動作に限らない。加えて、回転センサーによるシート各部の作動位置に関する誤検出の原因は、可動範囲内でのユーザ操作が短時間過ぎることによって、回転センサーからパルスを発生する前にモータが停止する等も考えられる。
例えば、可動範囲内における停止位置が回転センサーの出力するパルスのエッジに対して極近傍であった場合を想定すると、電子制御装置の通電が遮断された後に、シート各部に作用する外力によってモータが微小回転する場合がある。
この時、かかるモータの微小回転による物理的なモータ軸の回転角度が、回転センサーの出力パルスのエッジ位置を超えることがあり、再度電子制御装置へ通電してシートポジションを変更すると、パルス数の1カウント分が欠落することになる。
この時、かかるモータの微小回転による物理的なモータ軸の回転角度が、回転センサーの出力パルスのエッジ位置を超えることがあり、再度電子制御装置へ通電してシートポジションを変更すると、パルス数の1カウント分が欠落することになる。
さらには、上記停止位置が回転センサーの出力するパルスのエッジに対して極近傍であった場合、モータの回転が停止した直後に、減速機構のバックラッシュ等によって、停止直後のモータが微小角度だけ回転する場合がある。
この時、モータが回転センサーのパルスの立下りエッジで停止したとすると、直後に逆方向の立ち上がりエッジが検出されることになる。従って、電子制御装置は可動部分が制御方向へ1パルス移動したと認識してしまい、本来の停止位置から1パルス分多く移動したと誤認識することになる。
この時、モータが回転センサーのパルスの立下りエッジで停止したとすると、直後に逆方向の立ち上がりエッジが検出されることになる。従って、電子制御装置は可動部分が制御方向へ1パルス移動したと認識してしまい、本来の停止位置から1パルス分多く移動したと誤認識することになる。
その為、メモリーパワーシートの再生動作を100回程度繰り返すと、本来設定したシートポジションに対して大きなズレを生じてしまうといった課題があった。
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、直流モータと減速機構、及び、該減速機構の回転変位量を検出する単相式の回転センサー、とによって構成したアクチュエータと、該直流モータを電気的に駆動する電子制御装置とから構成される位置決め装置において、制御対象の機械的変位量と、電子制御装置が記憶した回転センサーの積算パルス数との間に誤差を生じることが無く、高精度の位置決め制御を可能とする位置決め装置を提供するものである。
請求項1の発明による位置決め装置は、移動体と連結して、直流モータと減速機構及び減速機構の回転変位量を検出する単相式の回転センサーとによって構成されたアクチュエータと、前記直流モータを電気的に駆動する電子制御装置とから成る位置決め装置において、前記電子制御装置は前記回転センサーの出力パルスの立ち上がりエッジと立下りエッジとの略中間位置を目標回転停止位置として、前記直流モータを停止させるように減速制御する停止制御手段を備えることを特徴とする。
請求項2の発明による位置決め装置は、前記停止制御手段は、前記直流モータへの通電を遮断した惰性回転モードによって直流モータを減速して停止させるように減速制御することを特徴とする。
請求項3の発明による位置決め装置は、前記停止制御手段は、前記直流モータの給電用端子間を電気的に短絡したブレーキモードによって、直流モータを減速して停止させるように減速制御することを特徴とする。
請求項4の発明による位置決め装置は、前記停止制御手段は、前記直流モータが作動中に回転する方向に対して逆方向の回転力を与える電力を直流モータの給電用端子に印加した強制ブレーキモードによって、直流モータを減速して停止させるように減速制御することを特徴とする。
請求項5の発明による位置決め装置は、前記停止制御手段は、前記直流モータへの通電を遮断した惰性回転モード、前記直流モータの給電用端子間を電気的に短絡したブレーキモード、前記直流モータが作動中に回転する方向に対して逆方向の回転力を与える電力を直流モータの給電用端子に印加した強制ブレーキモードのうち、少なくとも2つ以上のモードを組み合わせて直流モータを減速制御して停止させることを特徴とする。
請求項6の発明による位置決め装置は、前記停止制御手段は、前記直流モータを減速して停止させるように制御する過程において、直流モータの減速度から回転停止位置を推定して、前記目標回転停止位置で直流モータを停止させるように減速制御することを特徴とする。
請求項7の発明による位置決め装置は、前記停止制御手段は、前記直流モータを減速して停止させる制御を開始する以前の回転速度が所定の値となるように、直流モータの回転速度制御を行うことを特徴とする。
請求項8の発明による位置決め装置は、前記回転速度制御は、前記直流モータの給電用端子へ印加する電圧を可変と成すことによって行うこと特徴とする。
請求項9の発明による位置決め装置は、前記回転速度制御は、前記直流モータの給電用端子へ印加する電流を可変と成すことによって行うことを特徴とする。
請求項10の発明による位置決め装置は、前記回転速度制御は、前記直流モータの給電用端子へ印加する電圧のデューティー比を可変と成すことによって行うことを特徴とする。
請求項11の発明による位置決め装置は、前記停止制御手段の回転速度制御によって設定される前記直流モータの回転速度は、直流モータ周囲温度の関数であることを特徴とする。
請求項12の発明による位置決め装置は、前記停止制御手段の前記回転速度制御によって設定される前記直流モータの回転速度は、直流モータを減速制御する過程を開始する直前のモータ負荷状態によって決定されることを特徴とする。
請求項13の発明による位置決め装置は、前記モータ負荷状態は、前記回転センサーの出力パルスから計算されるモータの回転速度、モータへ印加した電圧、又はモータの通電電流値、の少なくとも1つの情報から算出されることを特徴とする。
請求項14の発明による位置決め装置は、前記停止制御手段は、前記目標回転停止位置で前記直流モータを停止させるように前記減速制御を行う過程を、前記回転センサーの出力パルスと同期した所定のタイミングで開始することを特徴とする。
請求項15の発明による位置決め装置は、前記停止制御手段は、前記直流モータの停止制御を開始してから実際に前記直流モータが停止するまでに必要なモータ停止必要時間T2を計算し、前記目標回転停止位置で直流モータを停止させるために、前記停止制御を開始するタイミングと現在時刻との差である時間T1を計算し、前記直流モータの停止の必要有りと判定した際に、前記時間T1の経過後、前記直流モータの停止制御を開始する。
請求項16の発明による位置決め装置は、モータ停止必要時間T2は、前記直流モータの回転速度又は印加電圧とモータ停止必要時間T2との関係をテーブルとして備えて算出され、かかるテーブルは移動方向別、移動角度別、回転方向別、停止位置別、経年時間別、又は、温度別の少なくとも一つによって構成される。
請求項17の発明による位置決め装置は、前記停止制御手段は、出力パルス周期/電圧、出力パルス周期/電流、出力パルス周期/電力の少なくとも一つを用い前記直流モータの負荷を計算する。
請求項18の発明による位置決め装置は、前記停止制御手段は、前記停止制御を開始するタイミングと現在時刻との差である時間T1を計算する際に、前記時間T1は演算処理に必要な時間T3を含める。
請求項19の発明による位置決め装置は、前記移動体は、車両用の電動パワーシートであることを特徴とする。
請求項20の発明による位置決め装置は、前記移動体は、車両用の電動チルト/テレスコピックステアリング装置であることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、前記電子制御装置は前記回転センサーの出力パルスの立ち上がりエッジと立下りエッジとの略中間位置を目標回転停止位置として前記直流モータを減速制御して停止させるように作用する停止制御手段を備える。移動体の可動範囲内におけるモータの回転停止位置が回転センサーの出力するパルスのエッジの近傍とはならないので、前記シート各部に作用する外力によってモータが微小回転した場合においても、回転センサーから誤ったパルスを発生しないという効果がある。
従って、前記メモリーパワーシートの再生動作を数百回以上の多数回繰り返しても、本来設定したシートポジションに対してズレを生じる事がない。
請求項2の発明によれば、前記停止制御手段は、前記直流モータへの通電を遮断した惰性回転モードによって直流モータを減速して目標回転停止位置で停止させるか、又は惰性回転モードの途中で、直流モータへ断続的に通電して回転させる動作を繰り返すことによって目標回転停止位置へ停止させることができる。
請求項3の発明によれば、前記停止制御手段は、前記直流モータの給電用端子間を電気的に短絡した公知のブレーキモードによって直流モータを減速して目標回転停止位置で停止させるか、又はブレーキモードの途中で、直流モータへ断続的に通電して回転させる動作を繰り返すことによって目標回転停止位置へ停止させることができるから、モータを短時間で正確な目標回転位置に停止させることが可能となる。
請求項4の発明によれば、前記停止制御手段は、前記直流モータが作動中に回転する方向に対して逆方向の回転力を与える電力を直流モータの給電用端子に印加した強制ブレーキモードによって直流モータを減速して目標回転停止位置で停止させるか、又は強制ブレーキモードの途中で、直流モータが作動中に回転する方向へ断続的に通電する動作を繰り返すことによって目標回転停止位置へ停止させることができるから、モータをさらに短時間で正確な目標回転位置に停止させることが可能となる。
請求項5の発明によれば、前記停止制御手段は、前記直流モータへの通電を遮断した惰性回転モード、又は直流モータの給電用端子間を電気的に短絡したブレーキモード、及び直流モータが作動中に回転する方向に対して逆方向の回転力を与える電力を直流モータの給電用端子に印加した強制ブレーキモードのうち、少なくとも2つ以上のモードを組み合わせて直流モータを減速して停止させることとしたから、目標回転停止位置へ停止させる制御が容易になるといった効果がある。
請求項6の発明によれば、前記停止制御手段は、前記直流モータを減速して停止させるように制御する過程において、直流モータの減速度から回転停止位置を推定して、目標回転停止位置より手前で停止すると推定された場合に、短時間だけ直流モータに通電して回転させるか、又は減速度の小さい前記モードを選択することで、直流モータの回転停止位置を正確に制御することができる。
一方で、目標回転停止位置を過ぎて停止すると推定された場合には、より減速度の大きい前記モードを選択することで、直流モータの回転停止位置を正確に制御することができる。
請求項7の発明によれば、前記停止制御手段は、前記直流モータを減速させる制御を開始する以前の回転速度が所定の値となるように、直流モータの回転速度制御を行うものとしたから、停止制御手段は、モータを減速して停止させるように制御する過程において複雑な制御を行わなくても、前記惰性回転モード、或いはブレーキモード等のいずれか単一の減速手段によってモータを目標回転停止位置へ正確に停止させることができる。
請求項8の発明によれば、前記回転速度制御は、前記直流モータの給電用端子へ印加する電圧を可変と成すことによって行うものとしたから、公知のスイッチングレギュレータ等の電圧制御技術によってモータの回転速度制御を行うことができる。
請求項9の発明によれば、前記回転速度制御は、前記直流モータの給電用端子へ印加する電流を可変と成すことによって行うものとしたから、モータの機械的負荷の影響が少なく安定した回転速度に制御することができる。
請求項10の発明によれば、前記回転速度制御は、前記直流モータの給電用端子へ印加する電圧のデューティー比を可変と成すことによって行うものとした。この場合、前記電子制御装置の内部に形成する駆動回路は公知のHプリッジ回路を採用することになる。
この構成によって、モータの給電端子へ印加する電圧の極性反転が容易になるから、前記停止制御手段がモータの回転速度制御に続いて行う、前記惰性回転モード及びブレーキモードを行う為のモータ給電端子の開放、短絡、及び前記強制ブレーキモードを行う為の逆転通電が容易になるといった効果がある。
請求項11の発明によれば、前記停止制御手段の回転速度制御によって設定される前記直流モータの回転速度はモータ周囲温度の関数としたから、回転機構部分に付着したグリース等の潤滑材料の粘性が温度によって変化し、前記各モードで減速、停止制御した場合に実際の停止時間、即ちモータの回転停止位置が変化することを防止することができる。
請求項12の発明によれば、前記停止制御手段の回転速度制御によって設定される前記直流モータの回転速度は、減速制御を行う過程を開始する直前のモータ負荷状態によって決定されるものとしたから、モータ負荷が大きく前記各モードによってモータを減速した場合に、停止までの時間が短すぎる場合には前記回転速度制御によって設定するモータの回転速度を高くし、モータ負荷が小さく前記各モードによってモータを減速した場合に、停止までの時間が長すぎる場合には前記回転速度制御によって設定するモータの回転速度を低くすることで、モータを目標回転停止位置へ正確に停止させることができる。
請求項13の発明によれば、前記モータ負荷状態は、前記回転センサーの出力パルスから計算されるモータの回転速度、モータへ印加した電圧、又はモータの通電電流値、の少なくとも1つの情報から算出するものとしたから、モータ負荷状態を容易に測定することができる。
請求項14の発明によれば、前記停止制御手段は、前記回転センサーの立ち上がりエッジと立下りエッジとの略中間位置で前記直流モータを停止させる為に、推定される停止位置と目標回転停止位置との差をゼロにするように、回転センサーの出力パルスと同期した所定のタイミングで前記減速制御を開始するものとしたから、モータを目標回転停止位置へ正確に停止させることができる。
請求項15の発明は、前記停止制御手段は、前記直流モータの停止制御を開始してから実際に前記直流モータが停止するまでに必要なモータ停止必要時間T2を計算し、前記目標回転停止位置で直流モータを停止させるために、前記停止制御を開始するタイミングと現在時刻との差である時間T1を計算し、前記直流モータの停止の必要有りと判定した際に、前記時間T1の経過後、前記直流モータの停止制御を開始するものとしたから、モータを目標回転停止位置へ正確に停止させることができる。
請求項16の発明による位置決め装置は、前記停止制御手段は、前記モータ停止必要時間T2を、前記直流モータの回転速度又は印加電圧とモータ停止必要時間T2との関係をテーブルとして備えて算出され、かかるテーブルは移動方向別、移動角度別、回転方向別、停止位置別、経年時間別、又は、温度別の少なくとも一つによって構成される。このため、移動角度、回転方向、停止位置、経年時間、又は、温度の影響を受けず、モータを目標回転停止位置へ正確に停止させることができる。
請求項17の発明による位置決め装置は、前記停止制御手段は、出力パルス周期/電圧、出力パルス周期/電流、出力パルス周期/電力の少なくとも一つを用い前記直流モータの負荷を計算する。このため、負荷変動の影響を受けず、モータを目標回転停止位置へ正確に停止させることができる。
請求項18の発明による位置決め装置は、前記停止制御手段は、停止制御を開始するタイミングと現在時刻との差である時間T1を計算する際に、前記時間T1に演算処理に必要な時間T3を含める。演算処理に時間がかかる場合も、モータを目標回転停止位置へ正確に停止させることができる。
[第1実施形態]
以下、各図を参照しながら本発明の第1実施形態に係る位置決め装置とその制御方法の実施態様について説明する。図1は電動パワーシートの全体構造を示している。該電動パワーシートの内部骨格を形成するフレームに対してリクライニング用のアクチュエータ2が固定される。アクチュエータ2を電気的に制御するとともに、操作スイッチ3の信号が入力される電子制御装置1を備えている。
以下、各図を参照しながら本発明の第1実施形態に係る位置決め装置とその制御方法の実施態様について説明する。図1は電動パワーシートの全体構造を示している。該電動パワーシートの内部骨格を形成するフレームに対してリクライニング用のアクチュエータ2が固定される。アクチュエータ2を電気的に制御するとともに、操作スイッチ3の信号が入力される電子制御装置1を備えている。
アクチュエータ2は図2に示すように、直流モータ200とウォームギア210及び第一ギア211、第二ギア212とを具備している。該モータをA方向から見た内部構造を図3に示す。
図3におけるマグネット201は、直流モータ200の回転子と同軸上に連結して固定された一対のN・S磁極を備えるリング状のフェライト磁石であって、モータ200の回転子と連動して回転する。
マグネットと近接して約2mmの距離を隔てて、該モータのハウジングと一体となるような固定部にホール素子202が固結してある。この構造によってモータ200の回転子と連動してマグネット201が回転すると図4に示すように、モータ200の回転子角度360度を1サイクルとして、ホール素子202部の磁束密度が正弦波状に変化する。
ホール素子202は、図示しない公知のコンパレータ回路によって出力信号が処理され、磁束密度±1mTを閾値として、該正弦波と同期した矩形波へ信号変換されるように構成されている。閾値付近における出力信号のチャタリングを回避する為、電気的ヒステリシスを設けてあり、このヒステリシスに相当する磁束密度換算値が±1mTとなっているのである。
図4における最大磁界レベルと最小磁界レベルとは、該マグネット201の着磁レベルの誤差及び温度変化、又は耐久劣化による起磁力のばらつき、さらにマグネット201とホール素子202との組立ギャップのばらつき、ホール素子202の感度ばらつき、等によって変化するホール素子202部での磁束密度を略式的に表したものである。
該最小磁界レベルにおける磁束密度と比較して十分に小さい閾値を設定する必要があるため、該±1mTの閾値が設定されている。
以上から、ホール素子202の出力信号は、図示しないコンパレータによって磁束密度を電気的レベルに置き換えた閾値電圧と比較することで、矩形波へ変換されてモータ200の回転信号として出力される。
ここで、該閾値と該正弦波磁束密度を比較して明白なように、該コンパレータの矩形波出力のエッジ付近では、マグネット201の微小な回転角においてコンパレータ出力の矩形波信号が反転する。
以下、該マグネット201と該ホール素子202、及び該図示しない矩形波信号を出力するコンパレータとを一体として、回転センサー20と称する。
ここで、該電子制御装置1が該電動パワーシートのリクライニング機構を駆動した際のモータ200の回転停止位置が回転センサー20の出力するパルスのエッジに対して極近傍であった場合を想定すると、モータ200の通電が遮断された後に、シート各部に作用する外力によって該モータ200が微小回転する場合がある。
この時、かかるモータ200の微小回転による物理的な軸の回転角度が、回転センサー20の出力パルスのエッジ位置を超えることがあり、再度モータ200へ通電してシートポジションを変更した際に、1カウント分のパルス数が欠落する。
この時、かかるモータ200の微小回転による物理的な軸の回転角度が、回転センサー20の出力パルスのエッジ位置を超えることがあり、再度モータ200へ通電してシートポジションを変更した際に、1カウント分のパルス数が欠落する。
さらに、上記モータ200の回転停止位置が回転センサー20の出力するパルスのエッジに対して極近傍であった場合、モータ200の回転が停止した直後に、該ウォームギア210及び第一ギア211、第二ギア212のバックラッシュ等によって、停止直後にモータ200が微小角度だけ回転する場合がある。
この時、モータ200が回転センサー20のパルスの立下りエッジで停止したとすると、直後に逆方向の立ち上がりエッジが検出されることがある。その際、電子制御装置1はリクライニング機構が制御方向へ1パルス移動したと認識してしまい、本来の停止位置から1パルス分多く移動したと誤認識する。
この時、モータ200が回転センサー20のパルスの立下りエッジで停止したとすると、直後に逆方向の立ち上がりエッジが検出されることがある。その際、電子制御装置1はリクライニング機構が制御方向へ1パルス移動したと認識してしまい、本来の停止位置から1パルス分多く移動したと誤認識する。
第1実施形態の電動パワーシートは、複数のユーザが設定した最適なドライビングポジションを記憶することができると同時に、其々のユーザが自己の設定したポジションを正しく再生することが出来る。
電子制御装置1は初期設定時にユーザが操作したシートのリクライニング位置、前後位置、座面高さ位置等のシートポジションを、アクチュエータ2が動作中に回転センサー20から出力されるパルスをカウントして積算し、記憶するように構成されている。
次に、他ユーザが該各ポジションを変更した際にも、電子制御装置1は、かかる変更量を回転センサー20の出力パルス数を再カウントして積算及び記憶し、初期設定をしたユーザがスイッチ3を操作した場合には、該アクチュエータ2の直流モータ200へ通電すると同時に回転センサー20の出力パルス数をカウントして、パルスの積算値と初期設定値とを一致させることで、初期設定したシートポジションを再生することができる。
ところが、前述の如くモータ回転停止位置が回転センサー20の出力するパルスのエッジに対して極近傍であった場合に、電子制御装置1は回転センサー20の出力パルス1カウント分だけモータ回転角度を誤認識する可能性があるので、該ユーザの初期設定位置、或いは再生したシートポジションにずれを生じることになる。
図5は本発明の位置決め装置とその制御方法に関して、最も基本的な実施態様を示すもので、電子制御装置1は回転センサー20の出力パルスを積算しており、N+4カウント付近を目標回転停止位置として設定した場合を図示してある。
図5において、電子制御装置1は時刻t1に至るまでの間、該直流モータ200の図示しない給電端子へ通電してリクライニング機構を所定の方向へ移動している。この時モータ回転速度はvとなっており、回転センサー20から所定周期の矩形波パルスが出力されている。
電子制御装置1は、該時刻t1において該直流モータ200への給電端子を開放し、直流モータ200への通電を停止することでモータの停止を開始する(慣性回転モード)。
通電を停止したことにより、直流モータ200は徐々に速度を落として、電子制御装置1がカウントした回転センサー20の出力パルスN+4カウントの立下りfと、N+4カウントの立ち上がりrの中間付近(目標回転停止位置MP)において時刻t2で停止する。
これによって、直流モータ200の回転停止位置、即ち回転センサー20の回転停止位置は、回転センサー20が出力するパルスの立下りfと立ち上がりrの中間付近で停止するから、前述の如く停止後に外部から作用する力によってモータ200が回転したとしても±90度以上回転しないと誤パルスを発生することが無い。
図5に於ける例ではパルスの立下りから立ち上がりの中央に対しさせているが、これに限ったことではなくパルスの立ち上がりと立ち下がりに現れるパルスエッジの中間であればよい。
該時刻t1からt2までの期間は、モータの減速要因に応じて違う値を取り得る。
減速要因としては、機構の摩擦力やモータの回生電流によるブレーキ力の有無があげられ、これらの要因の複数を組み合わせても良い。回生電流によるブレーキは公知の技術であるためここでは図示しない。
減速要因としては、機構の摩擦力やモータの回生電流によるブレーキ力の有無があげられ、これらの要因の複数を組み合わせても良い。回生電流によるブレーキは公知の技術であるためここでは図示しない。
また、別の形態として図6に示す様にモータに対して、回転する方向に対して逆方向の回転力を与える電力(逆電圧)を給電用端子に印加する逆回転バイアスによるブレーキをかける方法がある(強制ブレーキモード)。この場合でも逆転ブレーキと合せて機構の摩擦力やモータの回生電流によるブレーキ(ブレーキモード)を組み合わせても良い。
機構の摩擦力やモータ負荷の変動が大きい場合、モータの給電用端子間を電気的に短絡する回生電流によるブレーキ(ブレーキモード)や逆転バイアスによるブレーキを行うことにより全体の制動力を大きくすることが好ましい。
上述した慣性回転モード、強制ブレーキモード、ブレーキモードの二つ以上を組み合わせて用いることも可能である。
機構の摩擦力やモータ負荷の変動が大きい場合、モータの給電用端子間を電気的に短絡する回生電流によるブレーキ(ブレーキモード)や逆転バイアスによるブレーキを行うことにより全体の制動力を大きくすることが好ましい。
上述した慣性回転モード、強制ブレーキモード、ブレーキモードの二つ以上を組み合わせて用いることも可能である。
次に、モータをパルスのエッジの中間で停止させるまでの具体的手段について説明する。
図7に制御装置800の構成図を示す。制御装置800はCPU801によりコントロールされる。CPU801には通信データ制御部802が接続されており、この通信データ制御部802を経由して他の制御ユニットと連携して動作することができる。制御装置の800の情報はTx805経由で送信される。また、モータ駆動タイミング、モータ移動目標地点などのモータ駆動に必要な情報はRx806経由で受信する。
また、SW入力制御部803により方向指定SW807、808の状態を検出し、モータを駆動させることができる。
モータ809はモータ駆動回路804を介してCPU801により駆動される。モータ駆動回路804は、給電用端子間開放、給電用端子間短絡、印加電圧の極性反転、モータON/OFF信号出力、電圧レギュレーション、電流レギュレーション、PWM出力を行うことでモータ駆動を行う。モータ駆動回路804にはHブリッジ回路が用いられる。
また、モータ809から出力されるパルス信号、モータ温度を測定するためのサーミスタ810の信号、モータ駆動回路804を流れる電流信号、モータに印加されている電圧信号がCPU810に接続されており、CPUはモータの状態を把握することができる。
また、SW入力制御部803により方向指定SW807、808の状態を検出し、モータを駆動させることができる。
モータ809はモータ駆動回路804を介してCPU801により駆動される。モータ駆動回路804は、給電用端子間開放、給電用端子間短絡、印加電圧の極性反転、モータON/OFF信号出力、電圧レギュレーション、電流レギュレーション、PWM出力を行うことでモータ駆動を行う。モータ駆動回路804にはHブリッジ回路が用いられる。
また、モータ809から出力されるパルス信号、モータ温度を測定するためのサーミスタ810の信号、モータ駆動回路804を流れる電流信号、モータに印加されている電圧信号がCPU810に接続されており、CPUはモータの状態を把握することができる。
図8のCPU801の全体制御フローを説明する。CPUに電源が入ると図8に示すフローが開始される。まず、ステップS901で初期化処理が実行される。この初期化処理ではCPUポートや内部タイマーの初期設定を行うと共に、メモリの初期値設定が実行される。この初期化処理はCPUに電源が入った後で1度だけ実行される。
次にステップS902において通信データ制御部の制御を行う。この制御では通信データ制御部802が受信しているデータの取り出しと、送信したいデータを通信データ制御部802に対して書き込む処理を行う。
次にステップS902において通信データ制御部の制御を行う。この制御では通信データ制御部802が受信しているデータの取り出しと、送信したいデータを通信データ制御部802に対して書き込む処理を行う。
次にステップS903においてSW入力制御部803の制御を行う。この制御ではチャタリング吸収処理を行いSWの状態を確定し、確定したSWの状態に応じてモータに対する駆要求のセット・リセットを行う。
次にステップS904において信号入力の読み取りの制御を行う。この制御ではモータに流れる電流、モータに印加している電圧、モータパルス信号、モータ温度を読み取り、メモリに記憶する。
次にステップS904において信号入力の読み取りの制御を行う。この制御ではモータに流れる電流、モータに印加している電圧、モータパルス信号、モータ温度を読み取り、メモリに記憶する。
次にステップS905において移動目標演算部制御を行い、モータが予め登録された複数の位置の何れかに移動する場合や、現在位置から指定量移動する場合の目標移動位置を計算する。現在位置、移動位置はホールセンサの出力を数えたパルスカウンタによって記憶され、目標位置と現在位置の差異に応じてモータに対する駆要求のセット・リセットを行う。
次にステップS906においてモータ駆動開始制御を行う。この制御では前述の駆要求のセット・リセット状態に応じて、モータ駆動回路804に対しモータON/OFF信号、電圧レギュレーション量、電流レギュレーション量、PWM出力量の指定を行うことでモータ駆動を実行する。
次にステップS907においてモータ駆動停止制御を行う。この制御ではモータ駆動回路804に対してモータON/OFF信号、電圧レギュレーション量、電流レギュレーション量、PWM Dutyの指定を行うことでモータ駆動を終了させる。
最後にステップS908において1ルーチン時間の経過を待ち、所定時間が経過した場合はステップS902~S907を再び実行する。
次にステップS907においてモータ駆動停止制御を行う。この制御ではモータ駆動回路804に対してモータON/OFF信号、電圧レギュレーション量、電流レギュレーション量、PWM Dutyの指定を行うことでモータ駆動を終了させる。
最後にステップS908において1ルーチン時間の経過を待ち、所定時間が経過した場合はステップS902~S907を再び実行する。
ここからはモータ停止形態の詳細について図9~図22を参照し説明が行われる。
まず、図9のモータ駆動停止制御フローを説明する。ステップS1001においてモータ駆動中の速度を算出する。速度計算はモータ駆動中のパルスエッジ間隔の平均、もしくはモータ停止を行う直前のパルスエッジ間隔の時間を測定して求めればよい。
まず、図9のモータ駆動停止制御フローを説明する。ステップS1001においてモータ駆動中の速度を算出する。速度計算はモータ駆動中のパルスエッジ間隔の平均、もしくはモータ停止を行う直前のパルスエッジ間隔の時間を測定して求めればよい。
このパルスエッジ間隔測定に関する詳細を図10に記載する。
パルスエッジ間隔の平均は、定常回転中の速度を正確に測定するためにータ立ち上がり期間Aが終わってからモータ停止開始までの期間Bの間で発生したパルスエッジ間隔の平均を計算する。最終パルスエッジ間隔は、期間Cをそのまま採用すればよい。
これにより、
「期間Bにおけるパルスエッジ間隔の平均時間(T0avr)」から計算した角速度
=π/T0avr=ωavr
と
「最終パルスエッジ間隔(期間C)の時間(T0sgl)から計算した角速度
=π/T0sgl=ωsgl
を計算することが出来るので、メモリに記憶しておく。
パルスエッジ間隔の平均は、定常回転中の速度を正確に測定するためにータ立ち上がり期間Aが終わってからモータ停止開始までの期間Bの間で発生したパルスエッジ間隔の平均を計算する。最終パルスエッジ間隔は、期間Cをそのまま採用すればよい。
これにより、
「期間Bにおけるパルスエッジ間隔の平均時間(T0avr)」から計算した角速度
=π/T0avr=ωavr
と
「最終パルスエッジ間隔(期間C)の時間(T0sgl)から計算した角速度
=π/T0sgl=ωsgl
を計算することが出来るので、メモリに記憶しておく。
次にステップS1002においてモータ出力信号をOFFしてからモータの停止までに必要な時間を検出する。この時間は、図11、図12記載のT2に相当する。
図11(モータ停止起点1)は、モータを停止する必要があると判断したタイミングで、モータの現在回転角が分からない場合である。この場合、パルスエッジを検出したタイミングをモータ回転停止起点とする。図12(モータ停止起点2)は、モータを停止する必要があると判断したタイミングで、モータの現在回転角θが分かる場合である。モータの現在回転角θが分かる場合はその時点をモータ回転停止起点とする。T2は予め測定しておいた値をベースにモータ回転速度や温度・モータ負荷などの環境状態を考慮して計算を行う。
図11(モータ停止起点1)は、モータを停止する必要があると判断したタイミングで、モータの現在回転角が分からない場合である。この場合、パルスエッジを検出したタイミングをモータ回転停止起点とする。図12(モータ停止起点2)は、モータを停止する必要があると判断したタイミングで、モータの現在回転角θが分かる場合である。モータの現在回転角θが分かる場合はその時点をモータ回転停止起点とする。T2は予め測定しておいた値をベースにモータ回転速度や温度・モータ負荷などの環境状態を考慮して計算を行う。
次にステップS1003において、モータ出力信号をOFFするタイミングを計るタイマーの起点(停止起点)を決定する。
この停止起点とは、図11、図12におけるT1の測定を開始するタイミングのことである。図11ではパルスエッジを停止起点そしてT1経過後にモータ出力信号をOFFすると、T2経過後にモータが止まることを示している。即ち、推定される停止位置と目標回転停止位置との差をゼロにするように、回転センサーの出力パルスと同期した所定のタイミングでモータ信号をOFFする。これは、モータを逆転させて止める場合も同様であり、T1経過後に逆転を開始し、T2の期間逆転を行うことでモータを停止させる。モータが停止した時に丁度パルスエッジ間の中央で停止するようにT1を調整すればよい。つまり、
T1+T2の時間における回転角=π+(1/2)×π
となればよい。
もしもT1+T2の間隔が大きくて、T1+T2間で(n個)のパルスエッジを跨ぐ場合は、
T1+T2の時間における回転角=n×π+(1/2)×π
となればよい。
図11では1つのパルスエッジを跨ぐため、n=1となる。
この停止起点とは、図11、図12におけるT1の測定を開始するタイミングのことである。図11ではパルスエッジを停止起点そしてT1経過後にモータ出力信号をOFFすると、T2経過後にモータが止まることを示している。即ち、推定される停止位置と目標回転停止位置との差をゼロにするように、回転センサーの出力パルスと同期した所定のタイミングでモータ信号をOFFする。これは、モータを逆転させて止める場合も同様であり、T1経過後に逆転を開始し、T2の期間逆転を行うことでモータを停止させる。モータが停止した時に丁度パルスエッジ間の中央で停止するようにT1を調整すればよい。つまり、
T1+T2の時間における回転角=π+(1/2)×π
となればよい。
もしもT1+T2の間隔が大きくて、T1+T2間で(n個)のパルスエッジを跨ぐ場合は、
T1+T2の時間における回転角=n×π+(1/2)×π
となればよい。
図11では1つのパルスエッジを跨ぐため、n=1となる。
図12は、SW807・SW808がOFF、目標移動位置到達などで、モータ停止の必要があると判断したタイミングを停止起点とした場合である。
停止起点からT1経過後にモータ出力信号をOFFすると、T2経過後にモータが止まることを示している。
モータが停止した時に丁度パルスエッジ間の中央で停止するようにT1を調整すればよい。モータ停止の必要があると判断したタイミングでのモータ回転角をθとすると、
T1+T2の時間における回転角=n×π-θ+(1/2)×π
となればよい。図12では2つのパルスエッジを跨ぐため、n=2となる。
この場合、モータ駆動中は常にモータ回転速度を計測することでθを認識しておく必要がある。
θはパルスエッジ間隔から角速度を算出し、これにパルスエッジからの経過時間を乗じて求めることが出来る。
停止起点からT1経過後にモータ出力信号をOFFすると、T2経過後にモータが止まることを示している。
モータが停止した時に丁度パルスエッジ間の中央で停止するようにT1を調整すればよい。モータ停止の必要があると判断したタイミングでのモータ回転角をθとすると、
T1+T2の時間における回転角=n×π-θ+(1/2)×π
となればよい。図12では2つのパルスエッジを跨ぐため、n=2となる。
この場合、モータ駆動中は常にモータ回転速度を計測することでθを認識しておく必要がある。
θはパルスエッジ間隔から角速度を算出し、これにパルスエッジからの経過時間を乗じて求めることが出来る。
図11は、θ=0がパルスエッジの測定で確認できる特殊な事例と言え、θを認識できるタイミングであれば図11、図12のタイミングに限定せずに任意のタイミングを停止起点とすることができる。
T1の期間で回転する回転角は、
T1の時間の回転角=ω×T1=π×T1/T0
となる。ωは図10を参照して上述したωavr、またはωsglが用いられる。
T2の期間で進む回転角を求める場合、まず減速角加速度αを求める。T2の期間で角速度が0になるため、
ω-α×T2=0
が成立する。このため、
α=ω/T2=π/(T0×T2)
となる。
ここでは、直流モータの減速度から回転停止位置を推定して、目標回転天使位置でモータを停止させるように減速制御を行う。
よってT2の回転角は
ω×T2-(1/2)α×T2×T2
=(π/T0)×T2-(1/2)×(π/(T0×T2))×T2×T2
=(1/2)×π×(T2/T0)
となる。これからT1+T2で進む角度は
π×T1/T0+(1/2)×π×(T2/T0)
となる。この回転角がn×π-θ+(1/2)×πとなればよいので、
π×T1/T0+(1/2)×π×(T2/T0)=n×π-θ+(1/2)×π
が成立する。
これより
T1=((n×π-θ+(1/2)×π)×T0-(1/2)×π×T2)/π
T1=(1/2)×(T0-T2)・・・n=0、θ=0の場合
でT1が求められる。
T1の期間で回転する回転角は、
T1の時間の回転角=ω×T1=π×T1/T0
となる。ωは図10を参照して上述したωavr、またはωsglが用いられる。
T2の期間で進む回転角を求める場合、まず減速角加速度αを求める。T2の期間で角速度が0になるため、
ω-α×T2=0
が成立する。このため、
α=ω/T2=π/(T0×T2)
となる。
ここでは、直流モータの減速度から回転停止位置を推定して、目標回転天使位置でモータを停止させるように減速制御を行う。
よってT2の回転角は
ω×T2-(1/2)α×T2×T2
=(π/T0)×T2-(1/2)×(π/(T0×T2))×T2×T2
=(1/2)×π×(T2/T0)
となる。これからT1+T2で進む角度は
π×T1/T0+(1/2)×π×(T2/T0)
となる。この回転角がn×π-θ+(1/2)×πとなればよいので、
π×T1/T0+(1/2)×π×(T2/T0)=n×π-θ+(1/2)×π
が成立する。
これより
T1=((n×π-θ+(1/2)×π)×T0-(1/2)×π×T2)/π
T1=(1/2)×(T0-T2)・・・n=0、θ=0の場合
でT1が求められる。
図11に示される形態の場合はθ=0を代入してT1を求めればよい。
ここでの説明は減速加速度が一定(直線)であることを前提としているが、減速カーブが分かっている場合はそれを用いて計算すればよい。
次にステップS1004においてT1の時間経過を検出し、モータ出力信号をOFFしてモータを停止させる。モータ逆転を行う場合はT2期間モータを逆転させる。
図11/図12ではモータ逆転を行わない場合で説明を行っているが、モータ逆転を行う場合も同じ計算式を用いればよい。
ここでの説明は減速加速度が一定(直線)であることを前提としているが、減速カーブが分かっている場合はそれを用いて計算すればよい。
次にステップS1004においてT1の時間経過を検出し、モータ出力信号をOFFしてモータを停止させる。モータ逆転を行う場合はT2期間モータを逆転させる。
図11/図12ではモータ逆転を行わない場合で説明を行っているが、モータ逆転を行う場合も同じ計算式を用いればよい。
次に図9のモータ停止必要時間計算(S1002)の詳細を図13~図21を用いて説明する。計算方法としては、図13に示す2つの方法がある。即ち、テーブルを用いて計算する方法1と、負荷の大きさを用い計算する方法2とがある。
方法1でテーブルを用いて計算する場合、図14に示す6つのテーブルを用いて計算する。v
(1) 移動方向別のテーブルを用いる(図14(A))。
(2) 移動角別のテーブルを用いる(図14(B))。
(3) 回転方向別のテーブルを用いる(図14(C))。
(4) 停止位置別のテーブルを用いる(図14(D))。
(5) 経年時間別のテーブルを用いる(図14(E))。
(6) 温度別のテーブルを用いる(図14(F))。
もちろん、6つを組み合わせてさらに詳細なパターンを組み立ててもよい。
(1) 移動方向別のテーブルを用いる(図14(A))。
(2) 移動角別のテーブルを用いる(図14(B))。
(3) 回転方向別のテーブルを用いる(図14(C))。
(4) 停止位置別のテーブルを用いる(図14(D))。
(5) 経年時間別のテーブルを用いる(図14(E))。
(6) 温度別のテーブルを用いる(図14(F))。
もちろん、6つを組み合わせてさらに詳細なパターンを組み立ててもよい。
例えば、(1)移動方向と(4)停止位置を組み合わせる場合が考えられる。
(1)移動方向別の測定として、上方向(M11)/下方向(M12)/前方向(M13)/後方向(M14)/左方向(M15)/右方向(M16)の様なサブパターンが考えられる(図14(A))。重力等の影響でサブパターンが異なってくる。
(2)移動角別の測定として、上向き角(M21)/下向き角(M22)/左向き角(M23)/右向き角(M24)の様なパターンが考えられる(図14(B))。
(3)回転方向の測定として、上回転(M31)/下回転(M32)/左回転(M33)/右回転(M34)の様なパターンが考えられる(図14(C))。
これらのM11~M16/ M21~M24/M31~M34それぞれにおいてT2とモータ速度・モータ印加電圧の関係を測定しておく。
(4)停止位置別の測定として、稼動範囲内の複数(n)の箇所でT2を測定しておく。例えば一定距離毎、回転角度毎に複数を選択してもよいし、機械的な抵抗が変化する点で測定するなどしても良い(図14(D))。
これらのM41~M4nそれぞれにおいてT2とモータ速度・モータ印加電圧の関係を測定しておく
(5)経年時間別の測定として、複数(n)の駆動時間で測定しておく。この場合の駆動時間は、製品のライフサイクルと比較した駆動時間である。例えば、ライフ10000時間の製品ならば、100時間(M51)・200時間(M52)・300時間(M53)・・・・の様なタイミングを測定時間ポイントと位置づけて測定を行う(図14(E))。
これらのM51~M5nそれぞれにおいてT2とモータ速度・モータ印加電圧の関係を測定しておく
(6)温度別の測定として、保障範囲内の複数(n)の温度で測定しておく(図14(F))。
これらのM61~M6nそれぞれにおいてT2とモータ速度・モータ印加電圧の関係を測定しておく
温度の取得は図7に示したサーミスタを用いて測定すればよい。
また、サーミスタを装備していない場合でも、図7に示す通信データ制御部を経由して温度情報を取得しても良い。情報は日時情報・位置情報を取得してそこから温度を推測しても良い。
(1)移動方向別の測定として、上方向(M11)/下方向(M12)/前方向(M13)/後方向(M14)/左方向(M15)/右方向(M16)の様なサブパターンが考えられる(図14(A))。重力等の影響でサブパターンが異なってくる。
(2)移動角別の測定として、上向き角(M21)/下向き角(M22)/左向き角(M23)/右向き角(M24)の様なパターンが考えられる(図14(B))。
(3)回転方向の測定として、上回転(M31)/下回転(M32)/左回転(M33)/右回転(M34)の様なパターンが考えられる(図14(C))。
これらのM11~M16/ M21~M24/M31~M34それぞれにおいてT2とモータ速度・モータ印加電圧の関係を測定しておく。
(4)停止位置別の測定として、稼動範囲内の複数(n)の箇所でT2を測定しておく。例えば一定距離毎、回転角度毎に複数を選択してもよいし、機械的な抵抗が変化する点で測定するなどしても良い(図14(D))。
これらのM41~M4nそれぞれにおいてT2とモータ速度・モータ印加電圧の関係を測定しておく
(5)経年時間別の測定として、複数(n)の駆動時間で測定しておく。この場合の駆動時間は、製品のライフサイクルと比較した駆動時間である。例えば、ライフ10000時間の製品ならば、100時間(M51)・200時間(M52)・300時間(M53)・・・・の様なタイミングを測定時間ポイントと位置づけて測定を行う(図14(E))。
これらのM51~M5nそれぞれにおいてT2とモータ速度・モータ印加電圧の関係を測定しておく
(6)温度別の測定として、保障範囲内の複数(n)の温度で測定しておく(図14(F))。
これらのM61~M6nそれぞれにおいてT2とモータ速度・モータ印加電圧の関係を測定しておく
温度の取得は図7に示したサーミスタを用いて測定すればよい。
また、サーミスタを装備していない場合でも、図7に示す通信データ制御部を経由して温度情報を取得しても良い。情報は日時情報・位置情報を取得してそこから温度を推測しても良い。
方法2で負荷の大きさを用いて計算する場合、図15に示す方法で計算する
負荷の大きさ別の測定として、複数(n)の負荷で測定しておく。
これらのM71~M7nそれぞれにおいて図15(A)に示すようにT2とモータ速度・モータ印加電圧の関係を測定しておく。
モータ駆動中にかかっている実際の負荷(負荷状態)を検出する方法は、以下の2つがある。
(A)通信で連携している制御装置から取得した負荷情報や予め制御装置800に記憶しておいた負荷情報をから決定する方法。
(B)モータ駆動中の負荷を測定する方法。
(B)の方法としては以下の3つがある。
(B-1)モータに流れる電流を測定し負荷を判定する(図16)。
図16中で、モータ出力信号は、タイミングt0でONとなり、モータ回転速度はタイミングt3で定回転に達する。モータ出力信号は、タイミングt4でOFFとなる。タイミングt3からタイミングt4の期間の平均電流値を測定する。或いは、タイミングt4の電流値を測定する。
(B-2)モータパルス信号の周期(または、周期から計算されるモータの回転速度)を測定し、その周期と電流、電圧、電力の比から負荷を判定する(図17)。
(B-3)モータパルス信号の周波数を測定し、その周波数と電流、電圧、電力などの比から負荷を判定する(図17)。
図17中で、モータ出力信号は、タイミングt0でONとなり、モータ回転速度はタイミングt3で定回転に達する。モータ出力信号は、タイミングt4でOFFとなる。タイミングt3からタイミングt4の期間の平均値を測定する。或いは、最後のパルスエッジ間隔を用いて値を測定する。
図16、図17の態様では、
負荷と、(パルス周期/電流)、又は、(パルス周期/電圧)、又は、(パルス周期/電力)が関連付けられる。
負荷と、(パルス周期×電流)、又は、(パルス周期×電圧)、又は、(パルス周期×電力)が関連付けられる。
負荷の大きさ別の測定として、複数(n)の負荷で測定しておく。
これらのM71~M7nそれぞれにおいて図15(A)に示すようにT2とモータ速度・モータ印加電圧の関係を測定しておく。
モータ駆動中にかかっている実際の負荷(負荷状態)を検出する方法は、以下の2つがある。
(A)通信で連携している制御装置から取得した負荷情報や予め制御装置800に記憶しておいた負荷情報をから決定する方法。
(B)モータ駆動中の負荷を測定する方法。
(B)の方法としては以下の3つがある。
(B-1)モータに流れる電流を測定し負荷を判定する(図16)。
図16中で、モータ出力信号は、タイミングt0でONとなり、モータ回転速度はタイミングt3で定回転に達する。モータ出力信号は、タイミングt4でOFFとなる。タイミングt3からタイミングt4の期間の平均電流値を測定する。或いは、タイミングt4の電流値を測定する。
(B-2)モータパルス信号の周期(または、周期から計算されるモータの回転速度)を測定し、その周期と電流、電圧、電力の比から負荷を判定する(図17)。
(B-3)モータパルス信号の周波数を測定し、その周波数と電流、電圧、電力などの比から負荷を判定する(図17)。
図17中で、モータ出力信号は、タイミングt0でONとなり、モータ回転速度はタイミングt3で定回転に達する。モータ出力信号は、タイミングt4でOFFとなる。タイミングt3からタイミングt4の期間の平均値を測定する。或いは、最後のパルスエッジ間隔を用いて値を測定する。
図16、図17の態様では、
負荷と、(パルス周期/電流)、又は、(パルス周期/電圧)、又は、(パルス周期/電力)が関連付けられる。
負荷と、(パルス周期×電流)、又は、(パルス周期×電圧)、又は、(パルス周期×電力)が関連付けられる。
(B-1)~(B-3)で測定として用いられる値は、モータ駆動中(立ち上がり期間を除く)の平均値、もしくは停止直前の値を採用する。モータ安定回転中の平均値が必要であるためモータ立ち上がり中の測定値は平均値計算には用いない。
平均値を用いた場合は瞬間的な負荷変動による影響を回避できるが、その反面停止直前の負荷とのズレが生じやすい。
停止直前の値を用いた場合は、停止タイミングにおける負荷を測定できるが、急な負荷変動による影響を受けやすい。負荷の特性に応じて有利なほうを選択すればよい。
これまで記載した方法1・方法2では必要に応じてM11~M16,M21~M24、M31~M34、M41~M4n、M51~M5n、M61~M6n、M71~M7nを測定する必要がある。これらの測定数を減らす方法としてモータを一定速度まで減速させてから停止させる方法がある。
平均値を用いた場合は瞬間的な負荷変動による影響を回避できるが、その反面停止直前の負荷とのズレが生じやすい。
停止直前の値を用いた場合は、停止タイミングにおける負荷を測定できるが、急な負荷変動による影響を受けやすい。負荷の特性に応じて有利なほうを選択すればよい。
これまで記載した方法1・方法2では必要に応じてM11~M16,M21~M24、M31~M34、M41~M4n、M51~M5n、M61~M6n、M71~M7nを測定する必要がある。これらの測定数を減らす方法としてモータを一定速度まで減速させてから停止させる方法がある。
モータ速度を常に一定速度にまで落とした後に停止制御を開始することで測定数を減らすことができる。
図18(A)は、モータを減速しない場合にT2を計算する場合を示している。低い回転速度のみでなく、高い回転速度まで全範囲を計測する必要がある。
図18(B)に示すように、モータ速度を常に一定速度にまで落とした後に停止制御を開始する場合、減速を開始する速度以上の高い速度を計測する必要が無くなる。
モータ速度を落とす方法としては、モータ駆動回路804にてモータ電圧、モータ電流、モータ電圧PWM Duty値の何れかを下げることで実現できる。回転速度制御によって設定される直流モータの回転速度は、直流モータの停止または逆転を開始する直前のモータ負荷状態によって決定することも可能である。モータ負荷状態は、回転センサーの出力パルスから計算されるモータの回転速度、モータへ印加した電圧、又は、モータの通電電流値の少なくとも1つの情報から算出することができる。
これまで説明してきた様な形態を実施することで、モータをパルスエッジ間の中央で停止させることができる。
図18(A)は、モータを減速しない場合にT2を計算する場合を示している。低い回転速度のみでなく、高い回転速度まで全範囲を計測する必要がある。
図18(B)に示すように、モータ速度を常に一定速度にまで落とした後に停止制御を開始する場合、減速を開始する速度以上の高い速度を計測する必要が無くなる。
モータ速度を落とす方法としては、モータ駆動回路804にてモータ電圧、モータ電流、モータ電圧PWM Duty値の何れかを下げることで実現できる。回転速度制御によって設定される直流モータの回転速度は、直流モータの停止または逆転を開始する直前のモータ負荷状態によって決定することも可能である。モータ負荷状態は、回転センサーの出力パルスから計算されるモータの回転速度、モータへ印加した電圧、又は、モータの通電電流値の少なくとも1つの情報から算出することができる。
これまで説明してきた様な形態を実施することで、モータをパルスエッジ間の中央で停止させることができる。
ただ、実際の使用環境では製品寿命を明らかに超えて機構が磨耗した状態で使用される場合等、製品補償範囲外の状況で使用されるような場合がある。この様な場合、図14(A)~図14(D)、図15(A)のT2と実際に効果があるT2との乖離が大きくなってしまう。
もちろん乖離が大きい場合でも、出来るだけ当初の目標に近い形で動作することが好ましい。
もちろん乖離が大きい場合でも、出来るだけ当初の目標に近い形で動作することが好ましい。
乖離が大きい場合の症状としては、図19(A)に示すように、モータ起動後、広い間隔を置いてパルスエッジを検出する場合、図19(B)に示すように、モータ起動後に直ぐにパルスエッジを検出する場合、図21に示すように、モータ停止前後に予期しないパルスエッジを検出する場合がある。
これは、どちらの場合もパルスエッジ間隔の中央でモータが停止していないために発生する現象である。この場合、学習制御を用いて対応する。
図19の場合は、図20に示す様な形でT2の値を調整する。
T2として採用する値は、T2+T2’である。
図19(B)に示すように、モータ出力ONから最初のパルスエッジまでの時間(L)が正常範囲内よりも小さくなる場合はパルスエッジ間隔の中央を超えて停止していることを示している。このため正常範囲を下回るほどT2’は大きくなる。図19(A)に示すように、反対に正常範囲内よりも大きくなる場合はパルスエッジ間隔の中央の手前で停止していることを示している。このため正常範囲を超えるほどT2’はマイナス値として大きなものとなる。
これは、どちらの場合もパルスエッジ間隔の中央でモータが停止していないために発生する現象である。この場合、学習制御を用いて対応する。
図19の場合は、図20に示す様な形でT2の値を調整する。
T2として採用する値は、T2+T2’である。
図19(B)に示すように、モータ出力ONから最初のパルスエッジまでの時間(L)が正常範囲内よりも小さくなる場合はパルスエッジ間隔の中央を超えて停止していることを示している。このため正常範囲を下回るほどT2’は大きくなる。図19(A)に示すように、反対に正常範囲内よりも大きくなる場合はパルスエッジ間隔の中央の手前で停止していることを示している。このため正常範囲を超えるほどT2’はマイナス値として大きなものとなる。
図21の場合、モータはパルスエッジ中央を超えて停止していることを示している。
このため、T2を一定時間大きくする必要がある。
T2として採用する値は、T2+T2’’である。
この場合、T2’’は小さな値を採用し、図21の症状が発生する毎に少しずつ大きくして行くのが好ましい。これは、最初から大きな値としてしまうとパルエッジ中央よりも大きく手前でモータが停止してしまう可能性があるからである。
このため、T2を一定時間大きくする必要がある。
T2として採用する値は、T2+T2’’である。
この場合、T2’’は小さな値を採用し、図21の症状が発生する毎に少しずつ大きくして行くのが好ましい。これは、最初から大きな値としてしまうとパルエッジ中央よりも大きく手前でモータが停止してしまう可能性があるからである。
即ち、この学習制御では、回転停止位置と目標回転停止位置(パルスエッジ中央)との差を減少させるように減速制御の開始タイミングを調整するようにする。これ以外にも、停止制御は、停止制御開始前にモータ速度を所定の値になるように回転速度制御する値を補正するように学習制御することも可能である。更に、停止制御は、直流モータへの通電を遮断する惰性回転モード、直流モータの給電用端子間を電気的に短絡するブレーキモード、直流モータが作動中に回転する方向に対して逆方向の回転力を与える電力を直流モータの給電用端子に印加する強制ブレーキモードの各モードの選択の各々の状態を補正するように学習制御することも可能である。
そして、この停止制御では、移動体の可動位置または移動方向に対応した複数のパラメータとして、上述した補正された各々の状態を学習して記憶する。
そして、この停止制御では、移動体の可動位置または移動方向に対応した複数のパラメータとして、上述した補正された各々の状態を学習して記憶する。
また、パルスエッジ間隔は数ms程度の場合も大きいため、ソフトウェアの処理時間が無視できない場合がある。図22ではモータ回転停止起点検出後にT1のタイマーを動作させているが、動作させるまでにソフトウェアの処理時間としてT3を要した場合には実際のモータ停止がT3だけ遅れてしまうことを示している。これにより、モータ停止位置がパルスエッジ中央よりもずれてしまうことになる。
このため、T1として採用する値はT1-T3とする必要がある。
このため、T1として採用する値はT1-T3とする必要がある。
実施形態では、電動パワーシートを例示したが、電動チルト/テレスコピックステアリング装置にも適用可能である。
Claims (21)
- 移動体と連結して、直流モータと減速機構及び減速機構の回転変位量を検出する単相式の回転センサーとによって構成されたアクチュエータと、前記直流モータを電気的に駆動する電子制御装置とから成る位置決め装置において、前記電子制御装置は前記回転センサーの出力パルスの立ち上がりエッジと立下りエッジとの略中間位置を目標回転停止位置として、前記直流モータを停止させるように減速制御する停止制御手段を備えることを特徴とする。
- 請求項1の位置決め装置であって、前記停止制御手段は、前記直流モータへの通電を遮断した惰性回転モードによって直流モータを減速して停止させるように減速制御することを特徴とする。
- 請求項1の位置決め装置であって、前記停止制御手段は、前記直流モータの給電用端子間を電気的に短絡したブレーキモードによって、直流モータを減速して停止させるように減速制御することを特徴とする。
- 請求項1の位置決め装置であって、前記停止制御手段は、前記直流モータが作動中に回転する方向に対して逆方向の回転力を与える電力を直流モータの給電用端子に印加した強制ブレーキモードによって、直流モータを減速して停止させるように減速制御することを特徴とする。
- 請求項1の位置決め装置であって、前記停止制御手段は、直流モータへの通電を遮断した惰性回転モード、直流モータの給電用端子間を電気的に短絡したブレーキモード、直流モータが作動中に回転する方向に対して逆方向の回転力を与える電力を直流モータの給電用端子に印加した強制ブレーキモードのうち、少なくとも2つ以上のモードを組み合わせて直流モータを減速制御して停止させることを特徴とする。
- 請求項1~請求項5のいずれか1の位置決め装置であって、前記停止制御手段は、前記直流モータを減速して停止させるように制御する過程において、直流モータの減速度から回転停止位置を推定して、前記目標回転停止位置で直流モータを停止させるように減速制御することを特徴とする。
- 請求項1の位置決め装置であって、前記停止制御手段は、前記直流モータを減速して停止させる制御を開始する以前の回転速度が所定の値となるように、直流モータの回転速度制御を行うことを特徴とする。
- 請求項7の位置決め装置であって、前記回転速度制御は、前記直流モータの給電用端子へ印加する電圧を可変と成すことによって行うこと特徴とする。
- 請求項7の位置決め装置であって、前記回転速度制御は、前記直流モータの給電用端子へ印加する電流を可変と成すことによって行うことを特徴とする。
- 請求項7の位置決め装置であって、前記回転速度制御は、前記直流モータの給電用端子へ印加する電圧のデューティー比を可変と成すことによって行うことを特徴とする。
- 請求項7の位置決め装置であって、前記停止制御手段の回転速度制御によって設定される前記直流モータの回転速度は、直流モータ周囲温度の関数であることを特徴とする。
- 請求項7の位置決め装置であって、前記停止制御手段の前記回転速度制御によって設定される前記直流モータの回転速度は、直流モータを減速制御する過程を開始する直前のモータ負荷状態によって決定されることを特徴とする。
- 請求項12の位置決め装置であって、
前記モータ負荷状態は、前記回転センサーの出力パルスから計算されるモータの回転速度、モータへ印加した電圧、又はモータの通電電流値、の少なくとも1つの情報から算出されることを特徴とする。 - 請求項1の位置決め装置であって、前記停止制御手段は、前記目標回転停止位置で前記直流モータを停止させるように前記減速制御を行う過程を、前記回転センサーの出力パルスと同期した所定のタイミングで開始することを特徴とする。
- 請求項1の位置決め装置であって、前記停止制御手段は、
前記直流モータの停止制御を開始してから実際に前記直流モータが停止するまでに必要なモータ停止必要時間T2を計算し、
前記目標回転停止位置で直流モータを停止させるために、前記停止制御を開始するタイミングと現在時刻との差である時間T1を計算し、
前記直流モータの停止の必要有りと判定した際に、前記時間T1の経過後、前記直流モータの停止制御を開始する。 - 請求項15の位置決め装置であって、前記モータ停止必要時間T2は、前記直流モータの回転速度又は印加電圧とモータ停止必要時間T2との関係をテーブルとして備えて算出され、かかるテーブルは移動方向別、移動角度別、回転方向別、停止位置別、経年時間別、又は、温度別の少なくとも一つによって構成される。
- 請求項12の位置決め装置であって、前記停止制御手段は、
出力パルス周期/電圧、出力パルス周期/電流、出力パルス周期/電力の少なくとも一つを用い前記直流モータの負荷を計算する。 - 請求項15の位置決め装置であって、前記停止制御手段は、
前記停止制御を開始するタイミングと現在時刻との差である時間T1を計算する際に、時間T1は演算処理に必要な時間T3を含める。 - 請求項1~請求項18のいずれか1の位置決め装置であって、前記移動体は、車両用の電動パワーシートであることを特徴とする。
- 請求項1~請求項18のいずれか1の位置決め装置であって、前記移動体は、車両用の電動チルト/テレスコピックステアリング装置であることを特徴とする。
- 請求項1~請求項18のいずれか1の位置決め装置の制御方法。
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