以下に、本発明に係るコネクタの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[実施形態]
本発明に係るコネクタの実施形態の1つを図1から図11に基づいて説明する。
図1から図9の符号1は、本実施形態のコネクタを示す。
このコネクタ1は、端子金具10とフェライトコア20とハウジング30と係止部材40とを備える(図2から図9)。
ここで示すコネクタ1は、第1機器(図示略)側と第2機器(図示略)側との間を電気接続させるジョイントコネクタとして例示する。例えば、このコネクタ1は、車両の第1機器に電気接続された電線と車両の第2機器に電気接続された電線との間に介在させ、それぞれの電線を電気接続させることによって、第1機器側と第2機器側との間を電気接続させる。
端子金具10は、金属等の導電性材料で成形される。この端子金具10は、基部11と、この基部11から第1方向に突出させ且つ第1方向に直交する端子配列方向に間隔を空けて並べられた複数の端子部12と、を有する(図3から図9)。
基部11は、この端子金具10が有する全ての端子部12を連結させる連結部である。ここで示す基部11は、矩形の平板状に形成されている。
端子部12は、この端子金具10を第1機器側に電気接続させる端子部である。この端子部12は、電線We1の端末に取り付けられた相手方端子金具T1(図3、図4、図8及び図9)に対して嵌合接続させることで物理的且つ電気的に接続され、相手方端子金具T1と電線We1を介して第1機器側に電気接続される。ここで示す端子部12は、基部11からの突出方向(第1方向)を軸線方向とする軸状の雄端子部である(図3から図9)。この端子部12は、その突出方向が相手方端子金具T1に対する挿入方向であり、雌端子形状の相手方端子金具T1に嵌入接続される。また、ここで示す端子部12は、基部11と同一平面上で当該基部11における第1方向側の一辺から第1方向に向けて突出させている。
ここで示す端子金具10においては、3つ(3本)の端子部12が端子配列方向に1つ(1本)ずつ間隔を空けて並べられている(図4及び図5)。それぞれの端子部12は、隣り合うもの同士が等間隔(等ピッチ)で並べられている。
本実施形態のコネクタ1においては、この端子金具10が第1方向と端子配列方向とに直交する金具配列方向に間隔を空けて複数並べられている(図3及び図5から図9)。つまり、このコネクタ1は、金具配列方向に間隔を空けて並べられた複数の端子金具10を備えている。その複数の端子金具10においては、それぞれの基部11上で同じ位置に配置されたそれぞれの端子部12が金具配列方向に並べられている。よって、この複数の端子金具10においては、金具配列方向に並べられた複数の端子部12の組み合わせが3組設けられている。
先に示したように、この端子部12には、電線We1の端末に取り付けられた相手方端子金具T1が物理的且つ電気的に接続される。本実施形態のコネクタ1においては、その一対の電線We1と相手方端子金具T1を1つずつ端子部12に繋いでもよく、その一対の電線We1と相手方端子金具T1の組み合わせが複数の端子部12毎に設けられた相手方コネクタを嵌合接続してもよい。ここでは、一対の電線We1と相手方端子金具T1を1つずつ端子部12に繋ぐ。
例えば、本実施形態のコネクタ1には、ノイズの低減効果を高めるため、2本の電線を撚り合わせたツイストペア電線(図示略)が電気接続される。金具配列方向で隣り合う2つの端子部12には、その内の一方に第1機器側のツイストペア電線における一方の電線We1を電気接続させ、かつ、その内の他方に第1機器側のツイストペア電線における他方の電線We1を電気接続させる。
ここで示すコネクタ1は、2つの端子金具10を備えている。そして、ここで示すコネクタ1においては、金具配列方向に並べられた2つの端子部12の組み合わせ毎に第1機器側のツイストペア電線が相手方端子金具T1を介して電気接続される。
フェライトコア20は、磁性体(フェライト)が成形加工された部材であり、ノイズの低減を図るためのノイズフィルタ部材として設けられる。このフェライトコア20には、端子部12に流れるノイズ電流を減衰させるべく、この端子部12をその突出方向に挿通可能な貫通孔21が形成される(図2から図6)。そして、このフェライトコア20は、端子部12毎に設けられる(図4及び図5)。
本実施形態のフェライトコア20は、金具配列方向に並べられた複数の端子部12の組み合わせ毎に設けられている(図5から図9)。そして、このフェライトコア20においては、貫通孔21が複数の端子金具10毎に金具配列方向に並べて形成されている(図5及び図6)。ここで示すフェライトコア20は、金具配列方向に並べられた2つの端子部12の組み合わせ毎に1つずつ設けられている。つまり、ここで示すコネクタ1は、端子部12用の3つのフェライトコア20を備えている。
例えば、ここで示すフェライトコア20は、貫通孔21の孔軸方向(第1方向、第2方向)に対する直交断面が長方形の方体状の成形体であり、その長方形の長手方向を金具配列方向に合わせて配置される。また、ここで示すフェライトコア20は、金具配列方向に間隔を空けて並べられた2つの貫通孔21を有している。
ハウジング30は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形される。このハウジング30には、端子金具10とフェライトコア20が収容される(図3から図9)。このハウジング30は、筒軸方向を端子部12の軸線方向(第1方向)に合わせた筒状(ここでは、角筒状)の主体31を有しており、この主体31の内方に端子金具10とフェライトコア20を収容させる(図3から図10)。
このハウジング30は、端子部12が収容され且つ相手方端子金具T1が差し込まれる収容室(以下、「端子収容室」という。)32と、フェライトコア20が収容され且つ保持される収容室(以下、「フェライトコア収容室」という。)33と、を有する(図3、図4及び図6から図9)。また、このハウジング30は、その端子収容室32とフェライトコア収容室33を区画するための隔壁34を有している(図3、図4及び図6から図9)。このハウジング30においては、主体31の一方の開口側に端子収容室32が配置され、主体31の他方の開口側にフェライトコア収容室33が配置される。
端子収容室32は、主体31の一方の開口側の端子挿入口32a(図3から図9)から相手方端子金具T1を第2方向に差し込ませることによって、この相手方端子金具T1に室内の端子部12を挿入嵌合させる部屋である。先に示したように、このコネクタ1においては、一対の電線We1と相手方端子金具T1を1つずつ端子部12に繋ぐ。このため、端子収容室32は、端子部12毎の端子挿入口32aと共に端子部12毎に形成されている。また、このハウジング30においては、主体31の一方の開口を壁体で塞いだ上で、この壁体に端子収容室32毎の貫通孔(端子挿入口32a)が形成されている。尚、先の相手方コネクタを用いる場合には、主体31の一方の開口を端子挿入口にして、この端子挿入口から相手方コネクタを挿入嵌合させる。
ここで、端子部12においては、その根元側(基部11側)の固定端にフェライトコア20が寄せられているので、この根元側(基部11側)がフェライトコア20と共にフェライトコア収容室33に配置される。そして、この端子部12は、隔壁34における端子部12毎の貫通孔34aを通ってフェライトコア収容室33から端子収容室32に収容される(図3、図4、図6及び図7)。よって、この端子収容室32には、端子部12における根元側(基部11側)を除いた部分(つまり、相手方端子金具T1に挿入嵌合させる端子部12の端子接続部)が収容されている(図3、図4及び図7から図9)。
次に、フェライトコア収容室33は、フェライトコア20毎に設けられた部屋である(図4及び図10)。このハウジング30においては、複数のフェライトコア収容室33が端子配列方向に並べられており、この複数のフェライトコア収容室33に亘って端子金具10の基部11も収容される。ここで示すハウジング30においては、全てのフェライトコア収容室33が端子配列方向に並べられている。
このフェライトコア収容室33には、主体31の他方の開口(以下、「部品組付け口33a」という。)からフェライトコア20と端子金具10が第1方向に挿入される(図3、図4及び図6から図10)。ここで、先に示したように、端子金具10の基部11は、複数のフェライトコア収容室33に亘って収容される。このため、フェライトコア収容室33を成す端子配列方向の壁体(以下、「第1壁体」という。)36Aには、その基部11を部品組付け口33aから挿入しながら嵌入させる嵌入溝36aが形成される(図2、図3及び図6から図10)。この嵌入溝36aは、第1壁体36Aにおける第2方向側の端面から第1方向に延在させた溝であり、基部11をそれぞれの平面から挟み込み得る溝幅に形成される。
フェライトコア20は、そのフェライトコア収容室33の室内で保持される。よって、フェライトコア収容室33には、そのフェライトコア20を保持する保持部35を設けている(図2から図4及び図10)。この保持部35は、フェライトコア20の周壁を四方から挟持させる突起であり、フェライトコア収容室33毎に設ける。ここで示す保持部35は、フェライトコア20の長手方向(金具配列方向)に延びる両平面を挟み込む一対の第1保持部35Aと、フェライトコア20の短手方向(端子配列方向)に延びる両平面を挟み込む一対の第2保持部35Bと、に大別される(図2及び図10)。ここでは、その一対の第1保持部35Aと一対の第2保持部35Bを2組ずつ設けている。また、この第1保持部35Aと第2保持部35Bは、主体31の筒軸方向(第1方向、第2方向)に延在させたリブ状に形成されている。
一対の第1保持部35Aは、互いが端子配列方向で向かい合わせとなるように、フェライトコア収容室33を成す端子配列方向の第1壁体36Aからそれぞれに室内側へと突出させる(図2、図3及び図10)。また、一対の第2保持部35Bは、互いが金具配列方向で向かい合わせとなるように、フェライトコア収容室33を成す金具配列方向の壁体(以下、「第2壁体」という。)36Bからそれぞれに室内側へと突出させる(図2、図4及び図10)。
フェライトコア収容室33は、更に、室内に収容したフェライトコア20における第1方向側の端部が係止される係止部(以下、「ハウジング側係止部」という。)33bを有する(図3、図4及び図6から図9)。この例示では、それぞれのフェライトコア収容室33にて隔壁34における第2方向側の壁面を係止部33bとして利用している。
係止部材40は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形される。この係止部材40は、ハウジング30に組み付けられる。例えば、この係止部材40は、ハウジング30に対する組付け完了位置で、このハウジング30との間の爪部等によるロック機構(図示略)によって当該ハウジング30に固定される。
この係止部材40は、ハウジング30に対する組付け完了位置のときに、フェライトコア20を部品組付け口33a側で係止して当該フェライトコア20の当該部品組付け口33aからの抜けを抑止するための部材である。このため、この係止部材40は、ハウジング30に対する組付け完了位置で、フェライトコア20における第2方向側の端部に対向配置させ、第2方向へのフェライトコア20の動きを係止する係止部(以下、「コア係止部」という。)41を有する(図3から図9)。
この係止部材40は、ハウジング30への組付けと共にコア係止部41をフェライトコア収容室33に挿入させ、ハウジング30に対して組付け完了位置となったときに、そのコア係止部41をフェライトコア20における第2方向側の端部に対向配置させる。よって、ハウジング30には、そのコア係止部41をフェライトコア収容室33まで挿入させる挿入口(以下、「第1挿入口」という。)31aが形成されている(図3、図6から図9及び図11)。この例示の係止部材40は、ハウジング30に対して、主体31における2つの第2壁体36Bの内の一方から差し込みながら組み付ける。このため、第1挿入口31aは、その一方の第2壁体36Bに形成されている。
ここで示す係止部材40には、そのコア係止部41がフェライトコア収容室33毎に設けられている。ここで示すコア係止部41は、矩形の平板状に形成され、一方の平面を組付け完了位置でフェライトコア20における第2方向側の端部に対向配置させる。また、ここで示す係止部材40は、ハウジング30に端子金具10とフェライトコア20が収容されている状態で当該ハウジング30に組み付けていく。このため、ここで示すコア係止部41には、そのハウジング30への組み付けの過程で室内の端子部12を避けるための溝部(以下、「逃げ溝」という。)41aが形成されている(図3から図9)。
ここで、フェライトコア20は、例えばフェライトコア収容室33での位置ズレを抑えるべく、ハウジング側係止部33bとコア係止部41とで挟持させることが望ましい。
また、ここで示す係止部材40には、ハウジング30に対する組付け完了位置で、端子金具10を部品組付け口33a側で係止して当該端子金具10の当該部品組付け口33aからの抜けも抑止させる。そこで、この係止部材40は、ハウジング30に対する組付け完了位置で、端子金具10の基部11における第2方向側の端部に対向配置させ、第2方向への端子金具10の動きを係止する係止部(以下、「端子係止部」という。)42を有する(図2から図9)。
この係止部材40は、端子係止部42についてもハウジング30への組付けと共にフェライトコア収容室33に挿入させ、ハウジング30に対して組付け完了位置となったときに、その端子係止部42を基部11における第2方向側の端部に対向配置させる。よって、ハウジング30の第2壁体36Bには、その端子係止部42をフェライトコア収容室33まで挿入させる挿入口(以下、「第2挿入口」という。)31bも形成されている(図3、図6から図9及び図11)。
ここで示す係止部材40には、その端子係止部42がフェライトコア収容室33毎に設けられている。ここで示す端子係止部42は、矩形の平板状に形成され、一方の平面を組付け完了位置で基部11における第2方向側の端部に対向配置させる。
ここで、基部11は、フェライトコア20と共にハウジング側係止部33bと端子係止部42とで挟持させてもよい。そして、この場合には、コア係止部41を係止部材40に設けずともよい。
また更に、ここで示す係止部材40には、ハウジング30に対する組付け完了位置で、相手方端子金具T1の係止部T1a(図3)を端子挿入口32a側で係止して当該相手方端子金具T1の当該端子挿入口32aからの抜けも抑止させる。そこで、この係止部材40は、ハウジング30に対する組付け完了位置で、相手方端子金具T1の係止部T1aに対して第1方向側で対向配置させ、第1方向への相手方端子金具T1の動きを係止する係止部(以下、「相手方端子係止部」という。)43を有する(図3から図9)。
この係止部材40は、相手方端子係止部43をハウジング30への組付けと共に端子収容室32に挿入させ、ハウジング30に対して組付け完了位置となったときに、その相手方端子係止部43を相手方端子金具T1の係止部T1aに対して第1方向側で対向配置させる。よって、ハウジング30の第2壁体36Bには、その相手方端子係止部43を端子収容室32まで挿入させる挿入口(以下、「第3挿入口」という。)31cも形成されている(図3、図5から図9及び図11)。
ここで、相手方端子金具T1は、ハウジング30と係止部材40とが組付け完了位置になる前の仮組付け位置のときに、端子挿入口32aから端子収容室32に差し込ませる。そして、相手方端子係止部43については、係止部材40をハウジング30に対して仮組付け位置から組付け完了位置まで相対移動させたときに、相手方端子金具T1の係止部T1aに対して第1方向側で対向配置させる。そこで、この相手方端子係止部43は、金具配列方向で第3挿入口31cとは逆側に配置される相手方端子金具T1(ここでは、一方の相手方端子金具T1と称する。)の挿入軌跡上に仮組付け位置で存在させぬように形成される。ここで示す相手方端子係止部43は、方体状に形成されている。そして、この相手方端子係止部43には、金具配列方向で第3挿入口31c側に配置される相手方端子金具T1(ここでは、他方の相手方端子金具T1と称する。)を仮組付け位置で挿通させる貫通孔43aが当該相手方端子金具T1毎に形成されている(図3から図9)。この相手方端子係止部43は、係止部材40をハウジング30に対して仮組付け位置から組付け完了位置まで相対移動させることによって、自身の移動方向における先端を全ての一方の相手方端子金具T1における係止部T1aに対して第1方向側で対向配置させ、かつ、貫通孔43aの周壁を他方の相手方端子金具T1における係止部T1aに対して当該相手方端子金具T1毎に第1方向側で対向配置させる。
ここで示す係止部材40は、全てのコア係止部41と全ての端子係止部42と相手方端子係止部43を繋ぐ矩形の平板状の基部45を有している(図3から図9)。ハウジング30の第2壁体36Bには、その基部45を組付け完了位置で嵌め込む矩形の溝31eが形成されている(図3、図6から図9及び図11)。
このコネクタ1においては、例えば、全ての端子金具10と全てのフェライトコア20を部品組付け口33aからハウジング30に収容し、このハウジング30に係止部材40を仮組付け位置まで組み付ける(図5から図7)。そして、このコネクタ1においては、全ての相手方端子金具T1を端子挿入口32aから端子収容室32に収容する(図8及び図9)。しかる後、このコネクタ1においては、係止部材40をハウジング30に対して仮組付け位置から組付け完了位置まで相対移動させる(図1及び図3)。
これにより、このコネクタ1においては、フェライトコア20が係止部材40における部品組付け口33a側のコア係止部41によって係止可能な状態となり、かつ、端子金具10が係止部材40における部品組付け口33a側の端子係止部42によって係止可能な状態となる。従って、このコネクタ1においては、端子金具10やフェライトコア20の部品組付け口33aからの抜けを抑止することができる。
また、このコネクタ1においては、相手方端子金具T1が係止部材40における端子挿入口32a側の相手方端子係止部43によって係止可能な状態となる。従って、このコネクタ1においては、相手方端子金具T1の端子挿入口32aからの抜けを抑止することができる。
ここで、本実施形態のハウジング30の端子収容室32には、相手方端子金具T1の収容完了位置で当該相手方端子金具T1の係止部T1bを端子挿入口32a側で係止する相手方端子係止部38が設けられている(図3及び図6から図9)。この相手方端子係止部38については、例えば、挿入中の相手方端子金具T1に押動されながら撓み、この相手方端子金具T1の収容が完了したときに撓みが解消されて当該相手方端子金具T1の係止部T1bを端子挿入口32a側で係止する所謂ランスが用いられる。この相手方端子係止部38は、係止部材40の相手方端子係止部43と同じように、相手方端子金具T1の端子挿入口32aからの抜け止めを図るものである。このため、係止部材40の相手方端子係止部43は、ハウジング30の相手方端子係止部38と相俟って、相手方端子金具T1に対する所謂二重係止機能をコネクタ1に持たせることができる。
以上示したように、本実施形態のコネクタ1においては、フェライトコア20を収容し且つ保持するフェライトコア収容室33をハウジング30に設けている。そして、このコネクタ1においては、そのハウジング30に係止部材40を組み付けることによって、その係止部材40のコア係止部41でフェライトコア収容室33のフェライトコア20の抜け止めを図っている。従って、本実施形態のコネクタ1は、フェライトコア20をハウジング30の中で保持するための別部品を従来のように設けなくてもよいので、部品点数の削減のみならず、体格の大型化を抑えつつノイズ低減効果を高めることができる。
また、本実施形態のコネクタ1においては、その係止部材40に端子係止部42を設けることで、この係止部材40に端子金具10の抜け止め機能も持たせ、かつ、この係止部材40に相手方端子係止部43を設けることで、この係止部材40に相手方端子金具T1の抜け止め機能も持たせている。従って、本実施形態のコネクタ1は、フェライトコア20と端子金具10と相手方端子金具T1の抜け止め機能を個別の部品に持たせた場合と比較して、部品点数を削減させることができ、かつ、体格の大型化を更に抑えることができる。
また、本実施形態のコネクタ1においては、フェライトコア20の貫通孔21に端子金具10の端子部12を予め挿通させておくことで、この端子金具10とフェライトコア20の組付け体をハウジング30に収めることができる。このため、本実施形態のコネクタ1は、簡便な組付け作業を可能にする。
[変形例]
図12から図18の符号2は、本変形例のコネクタを示す。
本変形例のコネクタ2は、前述した実施形態のコネクタ1において、端子金具10とハウジング30と係止部材40を下記の端子金具110とハウジング130と係止部材140に置き換え、かつ、フェライトコア20の収容数を変えたものである。
本変形例の端子金具110は、実施形態の基部11と同じ基部111と、実施形態の端子部12と同じ第1端子部112と、を有する(図13から図18)。そして更に、本変形例の端子金具110は、その基部111から第2方向に突出させた第2端子部113を有する(図13から図18)。本変形例の端子金具110は、少なくとも1つの第1端子部112と、端子配列方向に間隔を空けて並べられた少なくとも2つの第2端子部113と、を有する。ここで示す端子金具110は、端子配列方向に間隔を空けて並べられた複数の第1端子部112と、端子配列方向に間隔を空けて並べられた複数の第2端子部113と、を有している。
基部111は、この端子金具110が有する全ての第1端子部112と第2端子部113を連結させる連結部である。ここで示す基部111は、矩形の平板状に形成されている。
第1端子部112は、電線We1の端末に取り付けられた第1相手方端子金具T1(図13)に対して物理的且つ電気的に接続される。
第2端子部113は、この端子金具110を第2機器側に電気接続させる端子部である。この第2端子部113は、電線We2の端末に取り付けられた第2相手方端子金具T2(図13)に対して物理的且つ電気的に接続され、この第2相手方端子金具T2と電線We2を介して第2機器側に電気接続される。ここで示す第2端子部113は、基部111からの突出方向(第2方向)を軸線方向とする軸状の雄端子部である(図13から図18)。この第2端子部113は、その突出方向が第2相手方端子金具T2に対する挿入方向であり、雌端子形状の第2相手方端子金具T2に嵌入接続される。また、ここで示す第2端子部113は、基部111と同一平面上で当該基部111における第2方向側の一辺から第2方向に向けて突出させている。
ここで示す端子金具110においては、その第1端子部112と第2端子部113がそれぞれに同一形状の雄端子部として形成されている。また、ここで示す端子金具110は、3つ(3本)の第1端子部112と3つ(3本)の第2端子部113を有している。
この端子金具110においては、3つ(3本)の第1端子部112が端子配列方向に1つ(1本)ずつ間隔を空けて並べられ、かつ、3つ(3本)の第2端子部113が端子配列方向に1つ(1本)ずつ間隔を空けて並べられている(図14)。それぞれの第1端子部112は、隣り合うもの同士が等間隔(等ピッチ)で並べられている。また、それぞれの第2端子部113は、隣り合うもの同士が第1端子部112と同じ間隔(ピッチ)で並べられている。この端子金具110においては、1つ(1本)の第1端子部112と1つ(1本)の第2端子部113とが対になり、この対になる第1端子部112と第2端子部113が第1方向(第2方向)に並べられている。つまり、その対になる第1端子部112と第2端子部113は、同軸上に並べて配置されている。
本変形例のコネクタ2においては、この端子金具110が金具配列方向に間隔を空けて複数並べられている(図13から図18)。その複数の端子金具110においては、それぞれの基部111上で同じ位置に配置されたそれぞれの第1端子部112が金具配列方向に並べられ、かつ、それぞれの基部111上で同じ位置に配置されたそれぞれの第2端子部113が金具配列方向に並べられている。よって、この複数の端子金具110においては、金具配列方向に並べられた複数の第1端子部112の組み合わせが3組設けられ、かつ、金具配列方向に並べられた複数の第2端子部113の組み合わせが3組設けられている。
本変形例のコネクタ2においても、第1端子部112には、一対の電線We1と第1相手方端子金具T1を1つずつ繋ぐ。一方、第2端子部113側には、一対の電線We2と第2相手方端子金具T2の組み合わせが複数の第2端子部113毎に設けられた相手方コネクタCon(図12及び図13)を嵌合接続させる。
本変形例のコネクタ2においても、金具配列方向で隣り合う2つの第1端子部112には、その内の一方に第1機器側のツイストペア電線における一方の電線We1を電気接続させ、かつ、その内の他方に第1機器側のツイストペア電線における他方の電線We1を電気接続させる。そして、金具配列方向で隣り合う2つの第2端子部113には、その内の一方に第2機器側のツイストペア電線における一方の電線We2を電気接続させ、かつ、その内の他方に第2機器側のツイストペア電線における他方の電線We2を電気接続させる。
ここで示すコネクタ2は、2つの端子金具110を備えている。そして、ここで示すコネクタ2においては、金具配列方向に並べられた2つの第1端子部112の組み合わせ毎に第1機器側のツイストペア電線が第1相手方端子金具T1を介して電気接続され、かつ、金具配列方向に並べられた2つの第2端子部113の組み合わせ毎に第2機器側のツイストペア電線が第2相手方端子金具T2を介して電気接続される。
フェライトコア20は、第1端子部112毎及び第2端子部113毎に設けられる(図13から図18)。そして、このフェライトコア20は、第1端子部112又は第2端子部113をその突出方向に挿通させ得るものとして形成される。
本変形例のフェライトコア20は、金具配列方向に並べられた複数の第1端子部112の組み合わせ毎及び金具配列方向に並べられた複数の第2端子部113の組み合わせ毎に設けられている(図13から図18)。ここで示すフェライトコア20は、金具配列方向に並べられた2つの第1端子部112の組み合わせ毎に1つずつ設けられ、かつ、金具配列方向に並べられた2つの第2端子部113の組み合わせ毎に1つずつ設けられている。つまり、ここで示すコネクタ2は、第1端子部112用の3つのフェライトコア20と第2端子部113用の3つのフェライトコア20とを備えている。本変形例のコネクタ2においては、第1端子部112と第2端子部113が同一形状に形成されているので、実施形態のフェライトコア20をそのまま利用する。
ハウジング130は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形される。本変形例のコネクタ2においても、このハウジング130には、端子金具110とフェライトコア20が収容される(図13から図18)。但し、本変形例のハウジング130には、端子金具110と第1端子部112用のフェライトコア20(以下、「第1フェライトコア20A」という。)の他に、第2端子部113用のフェライトコア20(以下、「第2フェライトコア20B」という。)も収容される。
このハウジング130は、筒軸方向を第1端子部112及び第2端子部113の軸線方向(第1方向、第2方向)に合わせた筒状(ここでは、角筒状)の主体131を有しており、この主体131の内方に端子金具10とフェライトコア20(第1フェライトコア20A、第2フェライトコア20B)を収容させる(図13から図18)。また、このハウジング130は、実施形態の端子収容室32と同じ第1端子部112用の第1端子収容室132と、第1フェライトコア20A及び第2フェライトコア20Bが収容され且つ保持される収容室(フェライトコア収容室)133と、を有する(図13及び図15から図18)。このハウジング130においては、主体131の一方の開口側に第1端子収容室132が配置され、かつ、主体131の他方の開口側にフェライトコア収容室133が配置され、その間が実施形態の隔壁34と同じ貫通孔134aを有する隔壁134で区画されている(図13及び図15から図18)。そして、このハウジング130には、実施形態のハウジング30と同じように、第1相手方端子金具T1を第1端子収容室132に差し込ませるための第1端子挿入口132aが第1端子収容室132毎に形成されている(図14及び図16から図17)。
ここで、本変形例のフェライトコア収容室133は、同軸上で対になる第1端子部112と第2端子部113の組み合わせ毎に設けられ、その対になる第1端子部112と第2端子部113を収容させる。よって、このフェライトコア収容室133には、第1方向に並ぶ第1端子部112と第2端子部113とを挿通させた2つのフェライトコア20(第1フェライトコア20A、第2フェライトコア20B)が収容され且つ保持される。このハウジング130においては、複数のフェライトコア収容室133が端子配列方向に並べられており、この複数のフェライトコア収容室133に亘って端子金具110の基部111も収容される。ここで示すハウジング130においては、全てのフェライトコア収容室133が端子配列方向に並べられている。
このフェライトコア収容室133には、主体131の他方の開口(以下、「部品組付け口133a」という。)からフェライトコア20と端子金具110が第1方向に挿入される(図13及び図16から図18)。ここで、先に示したように、本変形例においても、端子金具110の基部111は、複数のフェライトコア収容室133に亘って収容される。このため、フェライトコア収容室133を成す端子配列方向の壁体(以下、「第1壁体」という。)136Aには、その基部111を嵌入させる嵌入溝136aが形成される(図15)。この嵌入溝136aは、実施形態の嵌入溝36aと同じものである。
第1フェライトコア20Aと第2フェライトコア20Bは、そのフェライトコア収容室133の室内で保持される。よって、フェライトコア収容室133には、その第1フェライトコア20Aと第2フェライトコア20Bを保持する保持部135を設けている(図15)。この保持部135は、実施形態の保持部35と同じものであり、第1壁体136A側の一対の第1保持部135Aと第2壁体136B側の一対の第2保持部135Bを2組ずつ設けている。但し、本変形例の保持部135(第1保持部135A、第2保持部135B)は、第2フェライトコア20Bの収容位置まで延在させている。
フェライトコア収容室133は、更に、実施形態のハウジング側係止部33bと同じハウジング側係止部133bを有する(図13及び図15から図18)。本変形例でも、そのハウジング側係止部133bについては、隔壁134における第2方向側の壁面を利用している。
更に、本変形例のハウジング130は、第2端子部113が収容され且つ第2相手方端子金具T2が差し込まれる第2端子収容室137を有する(図13及び図15から図18)。このハウジング130においては、フェライトコア収容室133よりも主体131の他方の開口側に第2端子収容室137が配置されている。ここでは、それぞれのフェライトコア収容室133と第2端子収容室137が連通状態で隣り合わせに配置されている。
この第2端子収容室137は、主体131の他方の開口側の第2端子挿入口から第2相手方端子金具T2を第1方向に差し込ませることによって、この第2相手方端子金具T2に室内の第2端子部113を挿入嵌合させる部屋である。この第2端子収容室137は、第2端子部113毎の第2端子挿入口と共に第2端子部113毎に形成された部屋であってもよく、複数の第2端子部113が一纏めに収容される部屋であってもよい。ここで示す第2端子収容室137は、後者の部屋であり、第2端子挿入口から相手方コネクタConを挿入嵌合させることによって、この相手方コネクタConの複数の第2相手方端子金具T2に対して室内の第2端子部113を各々挿入嵌合させる。ここでは、主体131の他方の開口(部品組付け口133a)が相手方コネクタConを第2端子収容室137に差し込む際の第2端子挿入口として利用される。
ここで、第2端子部113においては、その根元側(基部111側)の固定端に第2フェライトコア20Bが寄せられているので、この根元側(基部111側)が第2フェライトコア20Bと共にフェライトコア収容室133に配置される。よって、この第2端子収容室137には、第2端子部113における根元側(基部111側)を除いた部分(つまり、第2相手方端子金具T2に挿入嵌合させる第2端子部113の端子接続部)が収容されている(図13及び図15から図18)。
係止部材140は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形される。この係止部材140は、ハウジング130に対する組付け完了位置で、実施形態と同様のロック機構によってハウジング130に固定される。この係止部材140は、実施形態のコア係止部41と同じ係止部であり、ハウジング130に対する組付け完了位置で、第1フェライトコア20Aにおける第2方向側の端部に対向配置させ、第2方向への第1フェライトコア20Aの動きを係止する第1コア係止部141をフェライトコア収容室133毎に有する(図13から図18)。このため、ハウジング130には、その第1コア係止部141をフェライトコア収容室133まで挿入させる第1挿入口131aが形成されている(図13及び図15から図18)。そして、第1コア係止部141には、そのハウジング130への組み付けの過程で室内の第1端子部112を避けるための溝部(以下、「逃げ溝」という。)141aが形成されている(図13から図18)。
また、この係止部材140は、実施形態の端子係止部42と同じ係止部であり、ハウジング30に対する組付け完了位置で、端子金具110の基部111における第2方向側の端部に対向配置させ、第2方向への端子金具110の動きを係止する端子係止部142をフェライトコア収容室133毎に有する(図13から図18)。このため、ハウジング130には、その端子係止部142をフェライトコア収容室133まで挿入させる第2挿入口131bが形成されている(図13及び図15から図18)。そして、本変形例の端子係止部142には、そのハウジング130への組み付けの過程で室内の第2端子部113を避けるための溝部(以下、「逃げ溝」という。)142aが形成されている(図13から図18)。
また、この係止部材140は、実施形態の相手方端子係止部43と同じ係止部であり、ハウジング130に対する組付け完了位置で、相手方端子金具T1の係止部T1aに対して第1方向側で対向配置させ、第1方向への相手方端子金具T1の動きを係止する相手方端子係止部143をフェライトコア収容室133毎に有する(図13から図18)。このため、ハウジング130には、その相手方端子係止部143を第1端子収容室132まで挿入させる第3挿入口131cが形成されている(図13及び図15から図18)。そして、相手方端子係止部143には、実施形態の相手方端子係止部43と同じように貫通孔143aが形成されている(図13から図18)。
更に、本変形例の係止部材140は、ハウジング130に対する組付け完了位置で、第2フェライトコア20Bにおける第1方向側の端部と第2方向側の端部とに各々対向配置させ、第1方向及び第2方向への第2フェライトコア20Bの動きを係止する一対の第2コア係止部144を有する(図13から図18)。つまり、この係止部材140は、ハウジング130に対する組付け完了位置で、第2フェライトコア20Bを第1方向側と第2方向側から挟み込むことによって、この第2フェライトコア20Bの第1方向及び第2方向への動きを係止する一対の第2コア係止部144を有している。
この係止部材140は、一対の第2コア係止部144についてもハウジング130への組付けと共にフェライトコア収容室133に各々挿入させ、ハウジング130に対して組付け完了位置となったときに、その一対の第2コア係止部144を第2フェライトコア20Bにおける第1方向側の端部と第2方向側の端部とに各々対向配置させる。よって、ハウジング30の第2壁体136Bには、その一対の第2コア係止部144をフェライトコア収容室133まで挿入させる挿入口(第4挿入口)131dが第2コア係止部144毎に形成されている(図13及び図15から図18)。
ここで示す係止部材140には、その一対の第2コア係止部144がフェライトコア収容室133毎に設けられている。ここで示す第1方向側の第2コア係止部144は、矩形の平板状に形成され、第2方向側の平面を組付け完了位置で第2フェライトコア20Bにおける第1方向側の端部に対向配置させる。また、ここで示す第2方向側の第2コア係止部144は、矩形の平板状に形成され、第1方向側の平面を組付け完了位置で第2フェライトコア20Bにおける第2方向側の端部に対向配置させる。
また、ここで示す係止部材140は、実施形態の係止部材40と同じように、ハウジング130に端子金具110とフェライトコア20が収容されている状態で当該ハウジング130に組み付けていく。このため、ここで示す第2コア係止部144には、そのハウジング130への組み付けの過程で室内の第2端子部113を避けるための溝部(以下、「逃げ溝」という。)144aが形成されている(図13から図18)。
ここで示す係止部材140は、実施形態の係止部材40と同じように、全ての第1コア係止部141と全ての端子係止部142と相手方端子係止部143と全ての第2コア係止部144を繋ぐ矩形の平板状の基部145を有している(図13から図18)。ハウジング130の第2壁体136Bには、その基部145を組付け完了位置で嵌め込む矩形の溝131eが形成されている(図13及び図15から図18)。
ここで、本変形例の係止部材140は、その一対の第2コア係止部144の内、第2フェライトコア20Bよりも第1方向側のもの(つまり、第2フェライトコア20Bにおける第1方向側の端部に対向配置させるもの)を端子係止部142と共用している(図14から図16)。
このコネクタ2においては、例えば、全ての端子金具110と全てのフェライトコア20を部品組付け口133aからハウジング130に収容し、このハウジング130に係止部材140を仮組付け位置まで組み付ける(図14から図17)。そして、このコネクタ2においては、全ての相手方端子金具T1を端子挿入口132aから第1端子収容室132に収容する(図18)。しかる後、このコネクタ2においては、係止部材140をハウジング130に対して仮組付け位置から組付け完了位置まで相対移動させる(図12及び図13)。
これにより、このコネクタ2においては、第1フェライトコア20Aが係止部材140における部品組付け口133a側の第1コア係止部141によって係止可能な状態となる。更に、このコネクタ2においては、端子金具110が係止部材140における部品組付け口133a側の端子係止部142によって係止可能な状態となる。また更に、このコネクタ2においては、第2フェライトコア20Bが係止部材140における一対の第2コア係止部144によって第1方向側と第2方向側(部品組付け口133a側)で係止可能な状態となる。従って、このコネクタ2においては、端子金具110やフェライトコア20(第1フェライトコア20A、第2フェライトコア20B)の部品組付け口133aからの抜けを抑止することができ、かつ、第2フェライトコア20Bの第1方向への位置ずれも抑止することができる。
また、このコネクタ2においては、相手方端子金具T1が係止部材140における端子挿入口132a側の相手方端子係止部143によって係止可能な状態となる。従って、このコネクタ2においては、相手方端子金具T1の端子挿入口132aからの抜けを抑止することができる。
ここで、本変形例においても、ハウジング130の第1端子収容室132には、実施形態の相手方端子係止部38と同じ相手方端子係止部138が設けられている(図13及び図15から図18)。このため、係止部材140の相手方端子係止部143は、ハウジング130の相手方端子係止部138と相俟って、相手方端子金具T1に対する所謂二重係止機能をコネクタ2に持たせることができる。
以上示したように、本変形例のコネクタ2においては、フェライトコア20(第1フェライトコア20A、第2フェライトコア20B)を収容し且つ保持するフェライトコア収容室133をハウジング130に設けている。そして、このコネクタ2においては、そのハウジング130に係止部材140を組み付けることによって、その係止部材140の第1コア係止部141と第2コア係止部144とでフェライトコア収容室133のフェライトコア20(第1フェライトコア20A、第2フェライトコア20B)の抜け止めを図っている。従って、本変形例のコネクタ2は、フェライトコア20(第1フェライトコア20A、第2フェライトコア20B)をハウジング130の中で保持するための別部品を従来のように設けなくてもよいので、部品点数の削減のみならず、体格の大型化を抑えつつノイズ低減効果を高めることができる。
また、本変形例のコネクタ2においては、その係止部材140に端子係止部142を設けることで、この係止部材140に端子金具110の抜け止め機能も持たせ、かつ、この係止部材140に相手方端子係止部143を設けることで、この係止部材140に相手方端子金具T1の抜け止め機能も持たせている。従って、本変形例のコネクタ2は、フェライトコア20(第1フェライトコア20A、第2フェライトコア20B)と端子金具110と相手方端子金具T1の抜け止め機能を個別の部品に持たせた場合と比較して、部品点数を削減させることができ、かつ、体格の大型化を更に抑えることができる。
また、本変形例のコネクタ2においては、第1フェライトコア20Aの貫通孔21に端子金具110の第1端子部112を予め挿通させ且つ第2フェライトコア20Bの貫通孔21に端子金具110の第2端子部113を予め挿通させておくことで、この端子金具110とフェライトコア20の組付け体をハウジング130に収めることができる。このため、本変形例のコネクタ2は、簡便な組付け作業を可能にする。