JP2023007572A - 媒体処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より確実に自動復旧できるようにする。【解決手段】硬貨処理装置に、媒体が投入される媒体投入部と、前記媒体を搬送する媒体搬送部と、前記媒体投入部に投入された前記媒体を前記媒体搬送部へ送出する媒体送出部と、前記媒体搬送部及び前記媒体送出部では搬送できない位置に残留した残留媒体を、前記媒体搬送部又は前記媒体送出部に移動させる移動部材とを設けた。【選択図】図4

Description

本発明は媒体処理装置に関するものである。
従来、媒体の一種である硬貨の入金機能を有する硬貨処理装置では、例えば、硬貨投入口に投入された硬貨を搬送しながら金種を判別し、金種ごとに硬貨収納部に収納することで入金するようになっている。この種の硬貨処理装置では、硬貨の搬送中に硬貨詰まり等のエラーが発生すると、硬貨を硬貨収納部側から硬貨投入口側へと搬送したうえで自動復旧するようになっていた(例えば特許文献1参照)。
特開2015-52845号公報
しかしながら、従来の硬貨処理装置では、硬貨の搬送路上に、硬貨がピンベルトやローラといった搬送機構に触れなくなる場所があり、エラー発生時にこの場所に硬貨が残留してしまうと、硬貨を搬送することができなくなり、自動復旧できなくなるという問題を有していた。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、より確実に自動復旧できる媒体処理装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の媒体処理装置においては、媒体が投入される媒体投入部と、前記媒体を搬送する媒体搬送部と、前記媒体投入部に投入された前記媒体を前記媒体搬送部へ送出する媒体送出部と、前記媒体搬送部及び前記媒体送出部では搬送できない位置に残留した残留媒体を、前記媒体搬送部又は前記媒体送出部に移動させる残留硬貨移動部とを備える。
こうすることで、例えばエラー発生時に、媒体搬送部及び媒体送出部では搬送できない位置に残留してしまった残留媒体を媒体搬送部又は媒体送出部に移動させて搬送したうえで、自動復旧することができる。
本発明によれば、より確実に自動復旧できる硬貨処理装置を実現できる。
第1の実施の形態による入出金機の外観構成を示す斜視図である。 第1の実施の形態による入出金機(硬貨処理装置)の内部構造を示す図である。 第1の実施の形態による入金搬送部の構成を示す図である。 第1の実施の形態による残留硬貨除去機構の構成及び動作を示す図である。 第1の実施の形態による残留硬貨除去機構の構成を示す図である。 第1の実施の形態による硬貨処理装置の機能構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態による残留硬貨除去機構の構成及び動作を示す図である。 第2の実施の形態による残留硬貨除去機構の構成を示す図である。 第2の実施の形態による残留硬貨除去機構の動作を示す図である。 第3の実施の形態による残留硬貨除去機構の構成及び動作を示す図である。 第3の実施の形態による残留硬貨除去機構の構成を示す図である。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1-1.入出金機の外観構成]
図1に、入出金機1の外観を示す。この入出金機1は、紙幣及び硬貨の入金及び出金が可能な装置であり、箱型の装置筐体2を有している。ここで、装置筐体2を形成する各面のうち、使用者と対峙する面を前面2a、使用者から見て上側の面を上面2bとする。
装置筐体2は、前後方向及び左右方向に比べて上下方向に長い箱型であり、上面2bの中央に、取引明細などが記載されたレシートを出力するレシートプリンタ3と、各種画面を表示する表示部及び表示部に表示された各種画面に対する操作入力を受け付ける操作部として機能する操作表示部4とが設けられている。操作表示部4としては、例えばタッチパネル付きディスプレイが用いられる。
さらに装置筐体2の前面2aの上部左寄りには、紙幣が投入される紙幣入金口5が設けられ、さらに当該紙幣入金口5の下方に、紙幣が排出される紙幣出金口6が設けられている。さらに装置筐体2の前面2aには、紙幣入金口5の右側に、硬貨が投入される硬貨投入口7が設けられ、さらに紙幣出金口6の下方に、硬貨が排出される硬貨出金口8が設けられている。
[1-2.入出金機(硬貨処理装置)の内部構造]
つづけて、図2(A)、(B)を用いて、入出金機1の内部構造について説明する。図2(A)は、入出金機1を前側から見た場合の前面透過図であり、図2(B)は、入出金機1を右側から見た場合の側面透過図である。尚、入出金機1の内部には、紙幣の入金及び出金に係る処理を行う紙幣処理装置と、硬貨の入金及び出金に係る処理を行う硬貨処理装置10とが設けられているが、紙幣処理装置については既存の構成である為、図2(A)、(B)では省略している。よって、図2(A)、(B)は、硬貨処理装置10の内部構造のみを示している。
硬貨処理装置10は、装置筐体2の上部前側の右寄りの位置に、硬貨投入口7と繋がっていて、下方へ延びるスロープ状の硬貨投入部11が設けられている。この硬貨投入部11の下方には、硬貨投入部11を通ってきた硬貨を1枚ずつ後方へ繰り出す硬貨繰出部12が設けられている。この硬貨繰出部12は、後側に排出口が設けられていて、この排出口から硬貨を1枚ずつ後方へ繰り出すようになっている。
硬貨繰出部12の後方には、硬貨繰出部12から繰り出された硬貨を後方へ送出する硬貨送出部13が設けられている。硬貨送出部13は、上下方向に対向配置されたローラによって硬貨を挟み込んで後方へ送出するようになっている。硬貨送出部13の後方には、入金搬送部14が設けられている。
ここで、硬貨処理装置10を、図2(B)のA-A切断線(入金搬送部14の上方に位置する切断線)で切断した場合の断面図を図3に示す。この図3には、上方から見た入金搬送部14が示されている。
この図3に示すように、入金搬送部14は、硬貨の通り道となる搬送路Rと、搬送路Rの幅方向の両端に設けられた、硬貨が搬送路Rから飛び出さないようにする為のガイド30とを有している。また入金搬送部14は、搬送路Rに沿って硬貨を搬送する為のピンベルト31を有している。ピンベルト31は、搬送路Rに沿って走行するベルト31bと、当該ベルト31bに一定間隔ごとに設けられた円柱状のピン31pとで構成されている。入金搬送部14は、硬貨送出部13から搬送路R上に送出された硬貨を、搬送路Rに沿って移動するピン31pで押すようにして搬送する。
搬送路Rは、硬貨送出部13から左斜め後方へと延びる第1の部分R1と、当該第1の部分R1の末端から左方向へ延びる第2の部分R2と、第2の部分R2の末端から後方へ延びる第3の部分R3と、第3の部分R3の末端から右方向へ延びる第4の部分R4と、第4の部分R4の末端から前方へ延びる第5の部分R5とで構成されている。
搬送路Rの第3の部分R3には、硬貨搬送方向上流側(つまり前側)から順に、硬貨認識部32、リジェクトゲート33、金種別ゲート34aが設けられている。また搬送路Rの第5の部分R5には、硬貨搬送方向上流側(つまり後側)から順に、金種別ゲート34b、34c、34d、34e、34fが設けられている。
硬貨認識部32は、搬送路Rに沿って搬送されてくる硬貨の金種を判別したり、正常な硬貨であるか否かを判別したりする機能を有している。尚、硬貨処理装置10に入金可能な正常な硬貨ではないと判別された硬貨(つまり硬貨処理装置10に入金できない硬貨)を、リジェクト硬貨と呼ぶ。
リジェクトゲート33は、リジェクト硬貨を振り分ける為のゲートである。このリジェクトゲート33は、開閉することで、搬送路Rに沿って搬送されてきた硬貨をそのまま搬送路Rに沿って搬送させたり、リジェクトゲート33の下方に位置するリジェクトシュート15へと振り分けたり(落下させたり)するようになっている。
金種別ゲート34a~34fは、それぞれ硬貨(より詳しくは入金可能な正常な硬貨)を金種別に振り分ける為のゲートである。これら金種別ゲート34a~34fは、開閉することで、搬送路Rに沿って搬送されてきた硬貨をそのまま搬送路Rに沿って搬送させたり、それぞれの下方に位置する金種別シュート16a~16fへと振り分けたり(落下させたり)するようになっている。
金種別シュート16a~16fは、それぞれ入金搬送部14から、入金搬送部14の下方に位置する金種別出金ホッパ17a~17fへと延びていて、金種別ゲート34a~34fにより振り分けられた硬貨を、金種別出金ホッパ17a~17fへと案内するようになっている。
金種別出金ホッパ17a~17fは、それぞれ硬貨を収容する機能と、収容した硬貨を1枚ずつ繰り出す機能とを有していて、収容した硬貨を1枚ずつ、下方に位置する水平出金搬送部18(図2(A)、(B))へと繰り出すようになっている。
リジェクトシュート15は、入金搬送部14から、水平出金搬送部18へと延びていて、リジェクトゲート33により振り分けられたリジェクト硬貨を、水平出金搬送部18へと案内するようになっている。
水平出金搬送部18は、前後方向に走行可能な搬送ベルトを有していて、金種別出金ホッパ17a~17fから繰り出された硬貨、及びリジェクトシュート15により案内されたリジェクト硬貨を、搬送ベルトにより前方(具体的には装置筐体2の前面2a近傍)へと搬送するようになっている。この水平出金搬送部18の前部は、水平出金搬送部18の下方に位置する回収庫19、及び水平出金搬送部18の前部から上方に延びるリフト出金搬送部20と接続されている。水平出金搬送部18は、硬貨の行き先を、回収庫19又はリフト出金搬送部20に切り替えることができるようになっている。
回収庫19は、水平出金搬送部18によって搬送されてきた硬貨を、回収する硬貨として収容する。リフト出金搬送部20は、水平出金搬送部18によって搬送されてきた硬貨を、上方に位置する硬貨出金口8まで搬送するようになっている。
また装置筐体2内部の所定位置(例えば回収庫19の左側)には、硬貨処理装置10全体の制御、各種情報の保持などを行う制御部40が設けられている。
ここで、図4(A)に、図3の一部分(第1の部分R1周辺)を拡大した部分拡大図を示す。この図4(A)に示すように、ピンベルト31は、入金搬送部14の構造上、硬貨送出部13と第2の部分R2との間に位置する第1の部分R1を通っていない。また第1の部分R1の搬送方向の長さは、硬貨Ciの径よりも長くなっている。
通常、硬貨Ciは、硬貨送出部13のローラのフィード力によって勢いを付けて搬送路Rへと送出される為、第1の部分R1に停止することなく、第2の部分R2まで到達し、ピンベルト31により搬送されるようになっている。しかしながら、小径の外貨が投入されたこと等の理由で、第1の部分R1に硬貨Ciが停止してしまう場合がある。この場合、硬貨Ciが、硬貨送出部13及びピンベルト31のどちらからも離れた位置(つまりどちらにも接触しない位置)に停止してしまう為、搬送できなくなり残留してしまう。
そこで、本実施の形態の硬貨処理装置10では、第1の部分R1に残留している硬貨Ciを検知する残留媒体検知部としての残留硬貨検知センサ50と、第1の部分R1に残留している硬貨Ciを硬貨送出部13側に移動させる残留媒体移動部としての残留硬貨除去機構51とを有している。残留硬貨検知センサ50は、例えば透過型の光電センサであり、第1の部分R1を幅方向に貫く光が硬貨Ciにより遮られることで、第1の部分R1に存在する硬貨Ciを検知する。一方、残留硬貨除去機構51の構成及び動作について詳しくは後述する。硬貨処理装置10の内部構造は、以上のようになっている。
ここで、硬貨処理装置10の動作として、入金動作について簡単に説明する。尚、この入金動作は、制御部40により制御される動作である。
硬貨の入金時、使用者は、硬貨投入口7に入金したい硬貨を投入する。硬貨投入口7に投入された硬貨は、硬貨投入部11を通り、硬貨繰出部12により1枚ずつ繰り出され、硬貨送出部13により入金搬送部14の搬送路Rに送出される。搬送路Rに送出された硬貨は、ピンベルト31により搬送され、硬貨認識部32により金種と、正常/異常とが判別される。
ここで、投入された硬貨が硬貨認識部32によりリジェクト硬貨と判別されると、このとき制御部40は、リジェクトゲート33を開く。これにより、リジェクト硬貨は、搬送路Rからリジェクトシュート15を通り、水平出金搬送部18へと送られる。水平出金搬送部18へと送られたリジェクト硬貨は、リフト出金搬送部20へと送られ、硬貨出金口8へと搬送される。
このように、硬貨処理装置10は、使用者に投入された硬貨のうち、リジェクト硬貨と判別された硬貨については、硬貨出金口8に搬送することで、使用者に返却するようになっている。
一方で、投入された硬貨が硬貨認識部32により正常な硬貨と判別されると、このとき制御部40は、金種別ゲート34a~34fのうち、硬貨認識部32により判別された金種に対応する金種別ゲートを開く。これにより、正常な硬貨は、当該硬貨の金種に対応する金種別シュート(つまり金種別シュート16a~16fのいずれか)を通って、当該硬貨の金種に対応する金種別出金ホッパ(つまり金種別出金ホッパ17a~17fのいずれか)に収納される。
このように、硬貨処理装置10は、使用者に投入された硬貨のうち、正常な硬貨と判別された硬貨については、硬貨認識部32により判別された金種に対応する金種別出金ホッパに収納するようになっている。硬貨処理装置10の入金動作は、以上のようになっている。
尚、硬貨処理装置10の出金動作では、制御部40が、金種別出金ホッパ17a~17fのそれぞれから、金種ごとに指定された枚数の硬貨を繰り出し、繰り出した硬貨を、水平出金搬送部18及びリフト出金搬送部20により、硬貨出金口8へと搬送して、硬貨出金口8から排出するようになっている。
また硬貨処理装置10の回収動作では、制御部40が、金種別出金ホッパ17a~17fのそれぞれから、収容されている硬貨を繰り出し、繰り出した硬貨を水平出金搬送部18により回収庫19へと搬送して、回収庫19に収容するようになっている。
[1-3.残留硬貨除去機構の構成]
次に、図4(A)、図5を用いて、残留硬貨除去機構51の構成について詳しく説明する。図5は、残留硬貨除去機構51を前方から見た図である。図4(A)に示すように、残留硬貨除去機構51は、搬送路Rの第1の部分R1の左端を形成するガイド30aと第2の部分R2の前端を形成するガイド30bとの角部の裏側(搬送路Rの外側)にあるスペースに配置されている。別の言い方をすると、残留硬貨除去機構51は、第1の部分R1の左方近傍に配置されている。
残留硬貨除去機構51は、支点シャフト52とレバー53(図5)とで構成されている。支点シャフト52は、上下方向(つまり搬送路Rの高さ方向)に延びる円柱状の部材であり、ガイド30aとガイド30bとの角部近傍に回動可能に設けられている。この支点シャフト52は、硬貨処理装置10に設けられたモータ54(図5)とギアなどを介して連結されていて、モータ54の駆動力によって回動する。またこの支点シャフト52は、ガイド30a、30bよりも上下方向に長く、上部がガイド30a、30bの上端よりも上方に位置していて、下部がガイド30a、30bの下端よりも下方に位置している。
レバー53は、支点シャフト52の上部(つまりガイド30a、30bの上端よりも上方に位置する部分)に固定されていて、支点シャフト52と一体になって回動する。レバー53は、支点シャフト52の軸方向と直交する方向(具体的には硬貨搬送方向に平行な方向)に延びる第1の部分53Aと、第1の部分53Aの先端から下方に延びる第2の部分53Bとで構成され、全体としてL字型の形状を有している。尚、後述するが、残留硬貨除去機構51は、第2の部分53Bを、第1の部分R1に残留している硬貨Ciに接触させて、硬貨送出部13側へと押し出すようになっている。よって、第2の部分53Bを、以下、硬貨押出部53Bと呼ぶ。
レバー53の第1の部分53Aは、ガイド30a、30bの上端よりも上方に位置していて、ガイド30a、30bの上端と平行になっている。レバー53の硬貨押出部53Bは、上下方向の長さが、ガイド30a、30bよりわずかに大きく、ガイド30a、30bの下端まで(つまり搬送路Rの底面まで)延びている。またガイド30bには、この硬貨押出部53Bと対向する部分に、第2の部分53Bと同程度の大きさの隙間30hが設けられている。尚、この隙間30hは、硬貨Ciが入り込まない大きさであるとする。
残留硬貨除去機構51は、このような構成であり、通常時は、図4(A)に示す位置、つまり、全体が搬送路Rの外側となる位置に退避させられている。残留硬貨除去機構51は、この位置(退避位置と呼ぶ)から、支点シャフト52を、図4(A)中時計回り方向に約180度回動するようになっている。
このとき、残留硬貨除去機構51は、図4(B)に示すように、硬貨押出部53Bが、ガイド30aの隙間30hを通って搬送路Rの第2の部分R2内へと入り込み、その後、第1の部分R1内へと入り込む。つまり硬貨押出部53Bは、硬貨Ciが残留する位置である第1の部分R1に入り込むようになっている。このとき、硬貨押出部53Bは、搬送路Rの底面との間に、硬貨Ciの厚さよりも狭いわずかな隙間を空けた状態で移動する。この為、第1の部分R1に硬貨Ciが残留している場合、硬貨押出部53Bは、第1の部分R1内に入り込んだ際に、この硬貨Ciと接触して、硬貨送出部13側に押し出すことができる。
尚、レバー53は、移動する際に、硬貨押出部53Bが、ピンベルト31のピン31pには接触せずに、第1の部分R1に残留している硬貨Ciに接触するように、第1の部分53Aの末端から先端までの長さが選定されている。残留硬貨除去機構51の構成は、以上のようになっている。残留硬貨除去機構51を用いた残留硬貨除去動作については後述する。
[1-4.硬貨処理装置の機能構成]
次に、図6に示すブロック図を用いて、硬貨処理装置10の機能構成について説明する。硬貨処理装置10は、機能構成の主要部として、レシートプリンタ3と、操作表示部4と、制御部40と、硬貨処理部60とを有している。
制御部40は、硬貨処理装置10全体の動作を制御する部分であり、具体的には、レシートプリンタ3によるレシート出力、操作表示部4に対する各種画面の表示及び操作入力の受け付け、硬貨処理部60の動作を制御する。硬貨処理部60は、硬貨の入金及び出金に関する処理を実行する部分であり、上述した、硬貨繰出部12、硬貨送出部13、入金搬送部14、残留硬貨検知センサ50、モータ54などを含んでいる。硬貨処理装置10の機能構成は、以上のようになっている。
[1-5.残留硬貨除去動作]
次に、図4(A)、(B)を用いて、残留硬貨除去機構51を用いた残留硬貨除去動作について説明する。尚、この動作は、制御部40により制御される動作である。
例えば入金動作時に、残留硬貨検知センサ50が、所定時間以上硬貨を検知し続けた、もしくは本来検知すべきではないタイミングで硬貨を検知したとする。このことは、図4(A)に示すように、搬送路Rの第1の部分R1に硬貨Ciが残留してしまい、硬貨送出部13及びピンベルト31を駆動させても硬貨Ciを搬送することができない状態であることを意味する。
よって、制御部40は、例えば入金時に、残留硬貨検知センサ50が、所定時間以上硬貨を検知し続けた、もしくは本来検知すべきではないタイミングで硬貨を検知した場合に、硬貨残留エラーが発生したとして硬貨処理部60による入金動作を一旦停止させ、残留硬貨除去動作を行う。
すなわち、制御部40は、まず硬貨送出部13の駆動を制御して、硬貨送出部13のローラを入金時とは逆方向に回転させる。これにより、硬貨送出部13は、硬貨を硬貨繰出部12へ送出するように動作する。
そのうえで、制御部40は、モータ54の駆動を制御して、図4(A)に示す退避位置にある残留硬貨除去機構51の支点シャフト52を、図4(A)中時計回り方向に約180度回動させる。これにより、図4(B)に示すように、残留硬貨除去機構51の硬貨押出部53Bが、ガイド30aの隙間30hを通って搬送路Rの第2の部分R2内へと入り込み、入金時の硬貨搬送方向とは逆方向に向かうようにして(つまり硬貨送出部13に向かうようにして)、第1の部分R1内へと入り込む。ここで、第1の部分R1に残留している硬貨Ciが、硬貨押出部53Bにより硬貨送出部13へと押し出される。硬貨送出部13は、硬貨押出部53Bにより搬送路Rから押し出されてきた硬貨を、硬貨繰出部12に搬送する。
このような残留硬貨除去動作により、第1の部分R1に残留していた硬貨Ciが、硬貨繰出部12まで戻される。
その後、制御部40は、残留硬貨除去機構51を退避位置まで戻し、残留硬貨検知センサ50が硬貨を検知していないことを確認すると、残留硬貨除去動作を終了して、硬貨処理部60による入金動作を再開する(つまり自動的に復旧する)。残留硬貨除去動作は、以上のようになっている。
[1-6.まとめと効果]
ここまで説明したように、第1の実施の形態では、媒体処理装置としての硬貨処理装置10に、媒体としての硬貨が投入される媒体投入部としての硬貨投入部11と、搬送路Rに沿って硬貨を搬送する媒体搬送部としてのピンベルト31と、硬貨投入部11に投入された硬貨を入金搬送部14へ送出する媒体送出部としての硬貨送出部13と、硬貨送出部13及びピンベルト31では搬送できない位置(つまり搬送路Rの一部分である第1の部分R1)に残留した残留媒体としての硬貨を、硬貨送出部13に移動させる残留媒体移動部としての残留硬貨除去機構51とを設けた。
すなわち、硬貨処理装置10では、残留硬貨除去機構51に、搬送路Rの外側に設けられていて搬送路Rの高さ方向に延びる回動可能な支点シャフト52と、当該支点シャフト52に固定され、当該支点シャフト52の軸方向と直交する方向に延びるレバー53とを設け、支点シャフト52を回動させることで、レバー53を、搬送路Rの外側から第1の部分R1へと入り込ませるようにして硬貨送出部13側へ移動させるようにした。そしてこのときレバー53の先端の硬貨押出部53Bにより、第1の部分R1に残留している硬貨を硬貨送出部13へと押し出すようにした。
その後、硬貨処理装置10は、残留硬貨除去機構51により硬貨送出部13へと移動させた硬貨を、硬貨送出部13により、硬貨送出部13と硬貨投入部11との間に位置する硬貨繰出部12まで戻してから再搬送するようにした。
このように、硬貨処理装置10では、例えば硬貨詰まり等のエラー発生時に、硬貨送出部13及び入金搬送部14では搬送できない位置(第1の部分R1)に残留してしまった硬貨を、硬貨繰出部12まで戻して再搬送することで自動復旧することができる。かくして、硬貨処理装置10では、従来と比較してより確実に自動復旧することができる。
[2.第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態は、硬貨処理装置10に、残留硬貨除去機構51とは異なる残留硬貨除去機構を設けた実施の形態である。よって、ここでは主に残留硬貨除去機構について説明する。
[2-1.残留硬貨除去機構の構成]
図7、図8を用いて、第2の実施の形態による残留硬貨除去機構100の構成について詳しく説明する。図7は、図4(A)に対応する図であり、搬送路Rの第1の部分R1周辺を上方から見た図である。図8は、残留硬貨除去機構100を左方から見た図である。図7に示すように、残留硬貨除去機構100は、搬送路Rの第1の部分R1の上方に配置されている。
図8に示すように、残留硬貨除去機構100は、支点シャフト101とレバー102とで構成されている。支点シャフト101は、左右方向(第1の部分R1の幅方向)に延びる円柱状の部材であり、第1の部分R1の前端上方に回動可能に設けられている。この支点シャフト101は、硬貨処理装置10に設けられたモータ103とギアなどを介して連結されていて、モータ103の駆動力によって回動する。
この支点シャフト101にレバー102が固定されていて、レバー102は、支点シャフト101と一体になって回動する。レバー102は、支点シャフト101の軸方向と直交する方向に延びる剛体部材であり、先端にブラシやゴムなどの弾性部材で形成された硬貨押出部104が設けられている。レバー102は、末端から先端までの長さが、支点シャフト101と第1の部分R1の底面との距離よりもわずかに短く、支点シャフト101から真下に延びる回動位置に近づくと、先端に設けられた硬貨押出部104が第1の部分R1の底面に接触するようになっている。尚、レバー102は、当該レバー102の先端と第1の部分R1の底面との間に硬貨Ciを挟み込んでロックしてしまうことがないように、当該レバー102の先端と第1の部分R1との隙間が硬貨Ci1枚の厚さ以上離れるように設けられている。
残留硬貨除去機構100は、このような構成であり、通常時は、図7、図8の実線で示す位置、つまり、硬貨押出部104が、支点シャフト101よりも後方(硬貨搬送方向下流側)に位置していて、且つ硬貨押出部104が、第1の部分R1の底面から硬貨Ci1枚の厚さ以上離れている位置に退避させられている。つまり、残留硬貨除去機構100は、硬貨押出部104が第1の部分R1を通過する硬貨Ciと接触しない位置に退避させられている。
残留硬貨除去機構100は、この退避位置から、支点シャフト101を、図8中反時計回り方向に所定量回動させる。このとき、レバー102は、硬貨押出部104が第1の部分R1の底面と離れた状態から、硬貨押出部104が第1の部分R1の底面と接触する状態、そして再び硬貨押出部104が第1の部分R1の底面と離れた状態へと遷移するようにして回動する。残留硬貨除去機構100の構成は、以上のようになっている。尚、このときの支点シャフト101の回動量は例えば90度程度である。
硬貨処理装置10の機能構成については、モータ54の代わりにモータ103が設けられている点を除き、第1の実施の形態と同様の為、説明は省略する。
[2-2.残留硬貨除去動作]
次に、図7、図9を用いて、残留硬貨除去機構100を用いた残留硬貨除去動作について説明する。尚、図9は、図7のB-B切断線(残留硬貨除去機構100の左方に位置する切断線)で切断した場合の断面図である。この図9には、左方から見た残留硬貨除去機構100が示されている。
制御部40は、例えば入金時に、残留硬貨検知センサ50が、所定時間以上硬貨を検知し続けた、もしくは本来検知すべきではないタイミングで硬貨を検知した場合に、エラーが発生したとして硬貨処理部60による入金動作を一旦停止させ、残留硬貨除去動作を行う。
すなわち、制御部40は、まず硬貨送出部13の駆動を制御して、硬貨送出部13のローラを入金時とは逆方向に回転させる。
そのうえで、制御部40は、モータ103の駆動を制御して、図9に点線で示す退避位置にある残留硬貨除去機構100の支点シャフト101を、図9中反時計回り方向に所定量回動させる。これにより、残留硬貨除去機構100の硬貨押出部104が、入金時の硬貨搬送方向とは逆方向(つまり前方)に向かうようにして第1の部分R1の底面に近づいていき、第1の部分R1に残留している硬貨Ciと接触して硬貨送出部13側へと押し出す。硬貨送出部13は、硬貨押出部104により搬送路Rから押し出されてきた硬貨を、硬貨繰出部12に搬送する。
このような残留硬貨除去動作により、第1の部分R1に残留していた硬貨Ciが、硬貨繰出部12まで戻される。
その後、制御部40は、残留硬貨除去機構100を退避位置まで戻し、残留硬貨検知センサ50が硬貨を検知していないことを確認すると、残留硬貨除去動作を終了して、硬貨処理部60による入金動作を再開する(つまり自動的に復旧する)。残留硬貨除去動作は、以上のようになっている。
[2-3.まとめと効果]
ここまで説明したように、第2の実施の形態では、残留硬貨除去機構100に、第1の部分R1の上方に設けられていて当該第1の部分R1の幅方向に延びる回動可能な支点シャフト101と、当該支点シャフト101に固定され、当該支点シャフト101の回動により移動するレバー102とを設け、支点シャフト101を回動させることで、レバー102の先端に設けた硬貨押出部104が第1の部分R1の底面に近づくようにして、レバー102を硬貨送出部13側へ移動させるようにした。そしてこのとき硬貨押出部104により、第1の部分R1に残留している硬貨を硬貨送出部13へと移動させるようにした。
これにより、第2の実施の形態の硬貨処理装置10は、第1の実施の形態と同様に、例えば硬貨詰まり等のエラー発生時に、硬貨送出部13及び入金搬送部14では搬送できない位置(第1の部分R1)に残留してしまった硬貨を、硬貨繰出部12まで戻して再搬送することで自動復旧することができる。
また第2の実施の形態では、剛体部材であるレバー102の先端に、ブラシやゴムなどの弾性部材で形成される硬貨押出部104を設けるようにした。こうすることで、例えば、硬貨押出部104がレバー102と一体に形成された剛体部材である場合と比較して、レバー102による硬貨Ciの除去範囲を広げることができる。
具体的には、図8に示すレバー102の回動範囲のうち、レバー102の硬貨押出部104が残留している硬貨Ciと接触し得る範囲をレバー102による硬貨Ciの除去範囲とする。ここで、硬貨押出部104がレバー102と一体に形成された剛体部材である場合(以下、硬貨押出部104が剛体部材の場合とする)、硬貨押出部104が第1の部分R1の底面と接触しないようにレバー102や硬貨押出部104の長さを、硬貨押出部104がレバー102の先端に設けられた弾性部材である場合(以下、本実施の形態の場合とする)よりも短くしなければならない。したがって、硬貨押出部104が剛体部材の場合、図8に一点鎖線で示すように、硬貨押出部104の先端が本実施の形態の場合よりも内側(つまり支点シャフト101に近い側)を通るようになり、レバー102による硬貨Ciの除去範囲は図8に示す除去範囲Ar1となる。
これに対して、本実施の形態の場合、硬貨押出部104が剛体部材の場合よりも、レバー102や硬貨押出部104の長さを長くできる為、硬貨押出部104の先端が、硬貨押出部104が弾性部材の場合よりも、外側(つまり支点シャフト101から遠い側)を通るようになる。この為、本実施の形態の場合、図8に示すように、レバー102による硬貨Ciの除去範囲は、硬貨押出部104が弾性部材の場合の除去範囲Ar1よりも広い除去範囲Ar2となる。
このように、レバー102による硬貨Ciの除去範囲が広いと、その分、硬貨押出部104が残留している硬貨を押し出し易くなる為、より残留している硬貨を硬貨繰出部12まで移動させることができる。
[3.第3の実施の形態]
次に第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態は、硬貨処理装置10に、残留硬貨除去機構51、100とは異なる残留硬貨除去機構を設けた実施の形態である。よって、ここでは主に残留硬貨除去機構について説明する。
[3-1.残留硬貨除去機構の構成]
図10(A)、図11を用いて、第3の実施の形態による残留硬貨除去機構200の構成について詳しく説明する。図10(A)は、図4(A)に対応する図であり、搬送路Rの第1の部分R1周辺を上方から見た図である。図11は、残留硬貨除去機構200を前方から見た図である。
図10(A)、図11に示すように、残留硬貨除去機構200は、搬送路Rの第1の部分R1の左端を形成するガイド30aと第2の部分R2の前端を形成するガイド30bとの間に配置されている。
残留硬貨除去機構200は、支点シャフト201とレバー202とで構成されている。支点シャフト201は、上下方向(つまり搬送路Rの高さ方向)に延びる円柱状の部材であり、ガイド30aとガイド30bとの間に形成された隙間30gのガイド30a側(右側)に回動可能に設けられている。この支点シャフト201は、硬貨処理装置10に設けられたモータ203とギアなどを介して連結されていて、モータ203の駆動力によって回動する。またこの支点シャフト201は、ガイド30a、30bよりも上下方向に長く、上部がガイド30a、30bの上端よりも上方に位置していて、下部がガイド30a、30bの下端よりも下方に位置している。
レバー202は、支点シャフト201の上部(つまりガイド30aとガイド30bとの間に位置する部分)に固定されていて、支点シャフト201と一体になって回動する。レバー202は、支点シャフト201の軸方向と直交する方向に延びる部材であり、上下方向の長さと厚さがガイド30a、30bと同等であり、末端から先端までの長さが、隙間30gよりもわずかに短くなっている。つまり、このレバー202は、ガイド30aとガイド30bとの間の隙間30gに収まるようになっていて、ガイド30aとガイド30bとの間のガイド(つまり第2の部分R2の前端を形成するガイドの一部)を形成するようになっている。
残留硬貨除去機構200は、このような構成であり、通常時は、図10(A)に示す位置、つまり、レバー202が、ガイド30aとガイド30bとの間の隙間30gに収まりガイド30aとガイド30bとの間のガイドを形成するようになっている。残留硬貨除去機構200は、この位置(ガイド位置と呼ぶ)から、支点シャフト201を、図10(A)中時計回り方向に約180度回動するようになっている。
このとき、残留硬貨除去機構200は、図10(B)に示すように、レバー202が、搬送路Rの第2の部分R2内へと入り込み、その後、第1の部分R1内へと入り込む。つまりレバー202は、硬貨Ciが残留する位置である第1の部分R1に入り込むようになっている。このとき、レバー202は、搬送路Rの底面との間に、硬貨Ciの厚さよりも狭いわずかな隙間を空けた状態で移動する。この為、第1の部分R1に硬貨Ciが残留している場合、レバー202は、第1の部分R1内に入り込んだ際に、この硬貨Ciと接触して、硬貨送出部13側に押し出すことができる。つまり、このときレバー202は、硬貨押出部として機能する。
尚、レバー202は、移動する際に、ピンベルト31のピン31pには接触せずに、第1の部分R1に残留している硬貨Ciに接触するように、末端から先端までの長さが選定されている。残留硬貨除去機構200の構成は、以上のようになっている。硬貨処理装置10の機能構成については、モータ54の代わりにモータ203が設けられている点を除き、第1の実施の形態と同様の為、説明は省略する。
[3-2.残留硬貨除去動作]
次に、図10(A)、(B)を用いて、残留硬貨除去機構200を用いた残留硬貨除去動作について説明する。
制御部40は、例えば入金時に、残留硬貨検知センサ50が、所定時間以上硬貨を検知し続けた、もしくは本来検知すべきではないタイミングで硬貨を検知した場合に、エラーが発生したとして硬貨処理部60による入金動作を一旦停止させ、残留硬貨除去動作を行う。
すなわち、制御部40は、まず硬貨送出部13の駆動を制御して、硬貨送出部13のローラを入金時とは逆方向に回転させる。これにより、硬貨送出部13は、硬貨を硬貨繰出部12へ送出するように動作する。
そのうえで、制御部40は、モータ203の駆動を制御して、図10(A)に示すガイド位置にある残留硬貨除去機構200の支点シャフト201を、図10(A)中時計回り方向に約180度回動させる。これにより、図10(B)に示すように、残留硬貨除去機構200のレバー202が、搬送路Rの第2の部分R2内へと入り込み、入金時の硬貨搬送方向とは逆方向に向かうようにして、第1の部分R1内へと入り込む。ここで、第1の部分R1に残留している硬貨Ciが、レバー202により硬貨送出部13へと押し出される。硬貨送出部13は、レバー202により搬送路Rから押し出されてきた硬貨を、硬貨繰出部12に搬送する。
このような残留硬貨除去動作により、第1の部分R1に残留していた硬貨Ciが、硬貨繰出部12まで戻される。
その後、制御部40は、残留硬貨除去機構200をガイド位置まで戻し、残留硬貨検知センサ50が硬貨を検知していないことを確認すると、残留硬貨除去動作を終了して、硬貨処理部60による入金動作を再開する(つまり自動的に復旧する)。残留硬貨除去動作は、以上のようになっている。
[3-3.まとめと効果]
ここまで説明したように、第3の実施の形態では、残留硬貨除去機構200に、ガイド30a、30bの間の隙間30gに設けられていて(つまり搬送路Rの幅方向の一端に位置していて)搬送路Rの高さ方向に延びる回動可能な支点シャフト201と、当該支点シャフト201に固定され、当該支点シャフト201の軸方向と直交する方向に延び、隙間30gに収まることによりガイド30の一部を形成するとともに、支点シャフト201とともに回動することにより媒体押出部として機能するレバー202とを設け、支点シャフト201を回動させることで、レバー202を、第1の部分R1へと入り込ませるようにして硬貨送出部13側へ移動させるようにした。そしてこのときレバー202により、第1の部分R1に残留している硬貨を硬貨送出部13へと移動させるようにした。
これにより、第3の実施の形態の硬貨処理装置10は、第1及び第2の実施の形態と同様に、例えば硬貨詰まり等のエラー発生時に、硬貨送出部13及び入金搬送部14では搬送できない位置(第1の部分R1)に残留してしまった硬貨を、硬貨繰出部12まで戻して再搬送することで自動復旧することができる。
また第3の実施の形態では、残留硬貨除去機構200のレバー202が、硬貨押出部としてだけでなく搬送路Rのガイド30として機能するようにした。これにより、別途、レバー202を退避させるスペースを、搬送路Rの外側に用意する必要がない為、入金搬送部14を小型化することができ、またレバー202を退避させるスペースを設ける為に入金搬送部14のレイアウトを変更する必要がないという効果を有する。
[4.他の実施の形態]
[4-1.他の実施の形態1]
尚、上述した第1の実施の形態では、入金動作時に、残留硬貨検知センサ50が、所定時間以上硬貨を検知し続けた、もしくは本来検知すべきではないタイミングで硬貨を検知した場合に、残留硬貨除去機構51を用いた残留硬貨除去動作を行うようにした。これに限らず、入金動作以外の動作(例えば出金動作や回収動作)時でも、残留硬貨検知センサ50が、所定時間以上硬貨を検知し続けた場合には、残留硬貨除去機構51を用いた残留硬貨除去動作を行うようにしてもよい。第2、第3の実施の形態についても同様である。
[4-2.他の実施の形態2]
また上述した第1の実施の形態では、残留硬貨除去機構51により、搬送路Rの第1の部分R1に残留した硬貨Ciを硬貨送出部13側へ移動させる(戻す)ようにした。これに限らず、第1の部分R1に残留した硬貨Ciを、搬送路Rの第2の部分R2を通るピンベルト31側へ移動させるようにしてもよい。この場合、図示しないが、例えば、残留硬貨除去機構51を、第1の部分R1の右端の裏側(搬送路Rの外側)に設けるとともに、ガイド30における、第1の部分R1の右端を形成する部分に隙間を設けるようにする。そして、残留硬貨除去機構51の硬貨押出部53Bが、ガイド30の隙間を通って搬送路Rの第1の部分R1内へと入り込み、第2の部分R2側へと移動するようにする。
こうすることで、残留硬貨除去機構51により、搬送路Rの第1の部分R1に残留した硬貨Ciをピンベルト31側へ移動させることができる。このとき、ピンベルト31については、入金時と同様に、搬送路Rに沿って硬貨Ciを搬送するように動作させる。よって、残留硬貨除去機構51により第2の部分R2へ移動させられた硬貨Ciは、ピンベルト31によって搬送される。ここで、ピンベルト31によって搬送された硬貨Ciについては、通常の硬貨と同様に金種別出金ホッパ17a~17fに収容してもよいし、リジェクト硬貨として硬貨出金口8に排出するようにしてもよい。その後、制御部40は、残留硬貨除去機構51を退避位置まで戻し、残留硬貨検知センサ50が硬貨を検知していないことを確認すると、残留硬貨除去動作を終了して、硬貨処理部60による入金動作を再開する(つまり自動的に復旧する)。
第2の実施の形態についても同様に、残留硬貨除去機構100により、搬送路Rの第1の部分R1に残留した硬貨Ciをピンベルト31へ移動させるようにしてもよい。この場合、残留硬貨除去機構100のレバー102を、第1の部分R1の前側から後側に向かって(つまり第2の部分R2に向かって)移動させるようにすればよい。
また第3の実施の形態についても同様に、残留硬貨除去機構200により、搬送路Rの第1の部分R1に残留した硬貨Ciをピンベルト31へ移動させるようにしてもよい。この場合、残留硬貨除去機構200を、ガイド30における、第1の部分R1の右端を形成する部分に設けて、レバー202が、第1の部分R1へと入り込み、第2の部分R2側へ移動するようにすればよい。
尚、第1の部分R1に残留している硬貨Ciを残留硬貨除去機構51、100、200により硬貨送出部13側へ移動させて、媒体繰出部としての硬貨繰出部12まで戻したうえで、入金動作等を再開させると、硬貨処理装置10内の有高の正当性を確保できる。
[4-3.他の実施の形態3]
さらに上述した第2の実施の形態では、第1の部分R1の上方に、残留硬貨除去機構100を設け、この残留硬貨除去機構100により第1の部分R1に残留している硬貨Ciを硬貨送出部13に移動させるようにした。これに限らず、第1の部分R1の下方に残留硬貨除去機構100を上下逆向きにして設けるようにしてもよい。この場合、第1の部分R1の底面に、レバー102の硬貨押出部104が第1の部分R1内に入り込む為の開口部を設ければよい。
またこれに限らず、第1の部分R1の底面に開口部を設けるとともに、残留硬貨除去動作時にこの開口部から第1の部分R1内に突出するローラを設け、当該ローラにより、第1の部分R1に残留している硬貨Ciを硬貨送出部13に移動させるようにしてもよい。この場合、ローラを、例えば第1の部分R1の幅方向に延びる回転軸を中心に回転させるようにすればよい。またローラを第1の部分R1内に突出させる機構としては例えばカムなどを用いればよい。
[4-4.他の実施の形態4]
さらに上述した第2の実施の形態では、残留硬貨除去機構100のレバー102を剛体部材とし、その先端に設けられた硬貨押出部104を弾性部材とした。これに限らず、レバー102全体を弾性部材とし、レバー102の先端部が硬化押出部として機能するようにしてもよい。
また第1及び第3の実施の形態では、レバー53、202の部材について特に言及していないが、剛体部材であってもよいし、弾性部材であってもよい。弾性部材であれば、ピンベルト31のピン31pに接触しても変形しながら移動することができるので、レバー53、202の末端から先端までの長さをより長くすることができる。
[4-5.他の実施の形態5]
さらに上述した第1乃至第3の実施の形態では、本発明を、硬貨送出部13とピンベルト31との間の第1の部分R1に硬貨Ciが残留する場合がある硬貨処理装置10に適用した。これに限らず、本発明は、硬貨Ciなどの媒体を搬送(繰り出し、送出も含む)する為の第1の搬送機構と第2の搬送機構とを有し、第1の搬送機構と第2の搬送機構との間の搬送路上に媒体が残留する場合がある様々な媒体処理装置に適用することができる。つまり、このような媒体処理装置に、第1の搬送機構と第2の搬送機構との間の搬送路上に残留している媒体を、第1の搬送機構又は第2の搬送機構へ移動させる移動部材を設けることで、第1乃至第3の実施の形態の硬貨処理装置10と同様の効果を得ることができる。
さらに上述した第1乃至第3の実施の形態では、本発明を、硬貨を扱う硬貨処理装置10に適用したが、これに限らず、本発明は、硬貨以外の媒体(例えばメダルなど)を扱う様々な媒体処理装置に適用することができる。
さらに上述した第1及び第3の実施の形態では、レバー53の第1の部分53Aの長さ及びレバー202の長さが、レバー53及びレバー202がピンベルト31のピン31pに接触しない長さに選定されているとした。つまり、上述した第1及び第3の実施の形態では、搬送路Rに沿って移動するピンpがどの位置にあっても、レバー53及びレバー202がピン31pには接触しないようになっていた。これに限らず、例えば、レバー53の第1の部分53Aの長さ及びレバー202の長さを、ピン31pの位置がレバー53の支点シャフト52及びレバー202の支点シャフト201に最も近い位置にあるときには、当該ピン31pとレバー53及びレバー202が接触する長さに選定する。そのうえで、制御部40が、残留硬貨除去機構51、200を駆動する前に、ピンベルト31を駆動させ、ピン31pをレバー53及びレバー202とは接触しない位置まで移動させて退避させるようにしてもよい。このようにすれば、上述した第1及び第3の実施の形態よりも、残留硬貨除去機構51、200による硬貨の除去範囲を広げることができる。
[4-6.他の実施の形態6]
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
本発明は、例えば硬貨を扱う硬貨処理装置で利用できる。
1……入出金機、2……装置筐体、7……硬貨投入口、8……硬貨出金口、10……硬貨処理装置、11……硬貨投入部、12……硬貨繰出部、13……硬貨送出部、14……入金搬送部、30、30a、30b……ガイド、31……ピンベルト、40……制御部、50……残留硬貨検知センサ、51、100、200……残留硬貨除去機構、52、101、201……支点シャフト、53、102、202……レバー、54、103、203……モータ、53A……第1の部分、53B、104……硬貨押出部、60……硬貨処理部、Ci……硬貨、R……搬送路、R1……第1の部分、R2……第2の部分、R3……第3の部分、R4……第4の部分、R5……第5の部分。

Claims (11)

  1. 媒体が投入される媒体投入部と、
    前記媒体を搬送する媒体搬送部と、
    前記媒体投入部に投入された前記媒体を前記媒体搬送部へ送出する媒体送出部と、
    前記媒体搬送部及び前記媒体送出部では搬送できない位置に残留した残留媒体を、前記媒体搬送部又は前記媒体送出部に移動させる残留媒体移動部と
    を備えることを特徴とする媒体処理装置。
  2. 前記残留媒体を検知する残留媒体検知部を備え、
    前記残留媒体移動部は、前記残留媒体検知部により前記残留媒体が検知されると、当該残留媒体を前記媒体搬送部又は前記媒体送出部に移動させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の媒体処理装置。
  3. 前記残留媒体移動部は、
    前記媒体の搬送路における、前記媒体送出部と前記媒体搬送部との間に位置する一部分に残留した前記残留媒体に接触して当該残留媒体を前記媒体送出部に押し出す媒体押出部を有する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の媒体処理装置。
  4. 前記媒体押出部は、
    通常時は、前記搬送路の幅方向の外側に退避させられていて、
    前記残留媒体移動部は、
    前記媒体押出部を、前記搬送路の外側から当該搬送路の前記一部分へと入り込ませるようにして前記媒体送出部側へ移動させることにより、前記搬送路の前記一部分に残留した前記残留媒体を前記媒体送出部に押し出す
    ことを特徴とする請求項3に記載の媒体処理装置。
  5. 前記残留媒体移動部は、
    前記搬送路の外側に設けられた回動可能な支点シャフトと、当該支点シャフトに固定され、当該支点シャフトの軸方向と直交する方向に延び、前記媒体押出部となるレバーとを有し、前記支点シャフトを回動させることにより、前記レバーを前記搬送路の幅方向の外側から当該搬送路の前記一部分へと入り込ませるようにして前記媒体送出部側へ移動させる
    ことを特徴とする請求項4に記載の媒体処理装置。
  6. 前記媒体押出部は、
    前記搬送路の幅方向の一端に設けられたガイドの一部を形成し、
    前記残留媒体移動部は、
    前記ガイドの一部を形成している前記媒体押出部を、前記搬送路の前記一部分へと入り込ませるようにして前記媒体送出部側へ移動させることにより、前記搬送路の前記一部分に残留した前記残留媒体を前記媒体送出部に押し出す
    ことを特徴とする請求項3に記載の媒体処理装置。
  7. 前記残留媒体移動部は、
    前記搬送路の幅方向の一端に設けられた回動可能な支点シャフトと、当該支点シャフトに固定され、当該支点シャフトの軸方向と直交する方向に延び、前記ガイドの一部及び前記媒体押出部となるレバーを有し、前記支点シャフトを回動させることにより、前記ガイドの一部を形成している前記媒体押出部を前記搬送路の前記一部分へと入り込ませるようにして前記媒体送出部側へ移動させる
    ことを特徴とする請求項6に記載の媒体処理装置。
  8. 前記媒体押出部は、
    通常時は、前記搬送路の前記一部分の上方に退避させられていて、
    前記残留媒体移動部は、
    前記媒体押出部を、前記搬送路の前記一部分の上方から前記搬送路の底面に近づくようにして前記媒体送出部側へ移動させることにより、前記搬送路の前記一部分に残留した前記残留媒体を前記媒体送出部に押し出す
    ことを特徴とする請求項3に記載の媒体処理装置。
  9. 前記残留媒体移動部は、
    前記搬送路の前記一部分の上方に設けられた回動可能な支点シャフトと、当該支点シャフトに固定され、当該支点シャフトの軸方向と直交する方向に延び、先端に前記媒体押出部が設けられたレバーとを有し、前記支点シャフトを回動させることにより、前記媒体押出部が前記搬送路の前記一部分の上方から当該一部分の底面に近づくようにして、前記レバーを前記媒体送出部側へ移動させる
    ことを特徴とする請求項8に記載の媒体処理装置。
  10. 前記レバーは剛体部材で形成され、前記媒体押出部は弾性部材で形成されている
    ことを特徴とする請求項9に記載の媒体処理装置。
  11. 前記媒体投入部に投入された前記媒体を前記媒体送出部へ繰り出す媒体繰出部と、
    前記媒体送出部及び前記残留媒体移動部の動作を制御する制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記媒体搬送部及び前記媒体送出部では搬送できない位置に残留した前記残留媒体を、前記残留媒体移動部により前記媒体送出部に移動させ、さらに当該残留媒体を前記媒体送出部により前記媒体繰出部へ戻させる
    ことを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の媒体処理装置。

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