JP7222223B2 - 硬貨処理装置 - Google Patents

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本発明は、オーバーフロー処理時であっても在高管理を厳正かつ効果的に行うことができる硬貨処理装置に関する。
例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗では、POS(Point Of Sales)端末に自動釣銭機としての金銭処理装置が接続されているのが一般的である。金銭処理装置は、硬貨処理装置と紙幣処理装置とを有する。硬貨処理装置は、硬貨投入口に投入されることで入金された硬貨を識別し、正貨と識別された硬貨を硬貨振分部にて金種毎に振り分け、金種毎に設けられた硬貨収納庫に振り分けた硬貨を金種別に収納するものである。この金銭処理装置は、POS端末から釣銭払出要求である出金指令が与えられた場合に、要求金額に相当する硬貨を該当する硬貨収納庫から繰り出させ、出金搬送部により硬貨出金口まで搬送して払い出すものである(例えば、特許文献1参照)。
特開2016-71662号公報
ところで、金銭処理装置は、有人レジや無人レジ(セルフレジ、セミセルフレジ)などで用いられている。金銭処理装置においては、予め決められた規定枚数以上の硬貨や紙幣が収納されると、オーバーフローが生じたとして、POS端末の表示部等にエラーメッセージ等が表示されて運用が停止される。
紙幣処理装置では、紙幣の額面が大きいこともあり、回収カセットが設けられている場合が多いが、硬貨処理装置では、硬貨が釣銭として出金されて減る使用状態が多いことや額面が小さいことなどからオーバーフローした硬貨を回収するオーバーフロー庫が設けられる場合が少ない。
しかし、硬貨処理装置であってもオーバーフロー状態になると、入金硬貨を受け付けることができず、運用が停止されてしまう。このため、硬貨処理装置でも、オーバーフロー庫を設けることが好ましいが、硬貨は、金種が多く、また収納枚数が多いため、硬貨の搬送詰まりなどの搬送異常が発生すると、在高管理が複雑になるとともに、精査処理を行う必要があることからオーバーフロー処理に時間がかかるという課題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、オーバーフロー処理時であっても在高管理を厳正かつ効果的に行うことができる硬貨処理装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる硬貨処理装置は、入金された硬貨を一時的に保留する一時保留部と、前記一時保留部で一時的に保留された硬貨を金種毎に振り分ける硬貨振分部と、前記硬貨振分部により振り分けられた硬貨を金種別に収納する複数の硬貨収納庫と、各硬貨収納庫に設けられ、硬貨を繰り出す繰出部と、前記硬貨収納庫からのオーバーフロー処理を行う時、回収すべき硬貨を収納する着脱可能なオーバーフロー庫と、前記一時保留部に保留された硬貨を前記硬貨振分部と硬貨返却口とに搬送切換を行う収納返却切換ゲートと、前記硬貨返却口側に搬送された硬貨を前記硬貨返却口と前記オーバーフロー庫とに搬送切換を行うオーバーフロー切換ゲートを有した硬貨返却排出ユニットと、を備えた硬貨処理装置であって、前記硬貨収納庫からのオーバーフロー処理を行う時、回収すべき金種及び枚数を指示する金種枚数指示を受け付けると、前記オーバーフロー切換ゲートを前記オーバーフロー庫側に切り換えるとともに、前記収納返却切換ゲートを前記硬貨返却口側に切り換え、回数すべき硬貨を一定枚数毎に前記硬貨収納庫から前記一時保留部に搬送して保留し、搬送異常がない場合、前記一時保留部に保留された硬貨を前記オーバーフロー庫に搬送する処理を繰り返すオーバーフロー処理を制御する制御部を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる硬貨処理装置は、上記の発明において、前記繰出部に設けられ、繰り出す硬貨を計数する第1計数センサと、前記硬貨返却排出ユニット内の前記オーバーフロー庫側通路に設けられ、通過する硬貨を計数する第2計数センサと、を有し、前記制御部は、前記一定枚数の硬貨のオーバーフロー処理毎に前記第1計数センサが計数した枚数と前記第2計数センサが計数した枚数とが一致するか否かを判定し、一致した場合に、残りの硬貨のオーバーフロー処理を繰り返すことを特徴とする。
また、本発明にかかる硬貨処理装置は、上記の発明において、前記制御部は、前記一時保留部に保留された硬貨の前記オーバーフロー庫側への搬送時に前記硬貨収納庫の在高を更新することを特徴とする。
また、本発明にかかる硬貨処理装置は、上記の発明において、前記制御部は、前記繰出部から前記一時保留部との間で異常が発生した場合、復旧処理後、前記収納返却切換ゲートを前記硬貨振分部側に切り換えて前記一時保留部に保留された硬貨を前記硬貨収納庫に戻した後、前記オーバーフロー処理を再開し、前記一時保留部から前記オーバーフロー庫との間で異常が発生した場合、復旧処理後、前記収納返却切換ゲートを前記硬貨返却口側に切り換え、前記一時保留部に保留された硬貨を前記オーバーフロー庫に搬送した後、前記オーバーフロー処理を再開することを特徴とする。
また、本発明にかかる硬貨処理装置は、上記の発明において、前記第1計数センサは、硬貨識別機能を有し、前記制御部は、前記第1計数センサによる識別結果が正しくない場合、前記収納返却切換ゲートを前記硬貨振分部側に切り換えて前記一時保留部に保留された硬貨を前記硬貨収納庫に戻した後、前記オーバーフロー処理を再開することを特徴とする。
また、本発明にかかる硬貨処理装置は、上記の発明において、前記制御部は、前記繰出部による硬貨の繰り出し時に前記硬貨収納庫の在高を更新することを特徴とする。
また、本発明にかかる硬貨処理装置は、上記の発明において、前記制御部は、搬送異常が発生した場合、復旧処理後、硬貨をオーバーフロー庫に搬送した後、前記オーバーフロー処理を再開することを特徴とする。
本発明によれば、オーバーフロー処理時であっても在高管理を厳正かつ効果的に行うことができる。
図1は、本発明の実施の形態である硬貨処理装置を含む金銭処理装置の構成を示す平面図である。 図2は、本発明の実施の形態である金銭処理装置の特徴的な制御系を示すブロック図である。 図3は、図1及び図2に示した硬貨処理装置の構成を示す正面図である。 図4は、図1及び図2に示した硬貨処理装置の内部構造を模式的に示す模式図である。 図5は、図4に示した硬貨返却排出ユニットの構成を示す斜視図である。 図6は、図4に示した硬貨返却排出ユニットの構成を示す平面図である。 図7は、図6におけるA-A線断面図である。 図8は、図5~図7に示した硬貨返却排出ユニットにおける硬貨返却通路での硬貨の通過を模式的に示す縦断面図である。 図9は、図5~図7に示した硬貨返却排出ユニットにおける硬貨排出通路での硬貨の通過を模式的に示す縦断面図である。 図10は、硬貨処理装置の制御部によるオーバーフロー処理手順を示すフローチャートである。 図11は、変形例の硬貨処理装置の制御部によるオーバーフロー処理手順を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る硬貨処理装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1及び図2は、それぞれ本発明の実施の形態である硬貨処理装置10を含む金銭処理装置1を示すものであり、図1は、金銭処理装置1の構成を示す平面図であり、図2は、金銭処理装置1の特徴的な制御系を示すブロック図である。
ここで例示する金銭処理装置1は、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗においてPOS(Point Of Sales)レジスタ装置PRを上位機器として接続される自動釣銭機として適用されるものであり、硬貨処理装置10及び紙幣処理装置40を備える。
図3及び図4は、それぞれ図1及び図2に示した硬貨処理装置10を示すものであり、図3は、硬貨処理装置10の構成を示す正面図であり、図4は、硬貨処理装置10の内部構造を模式的に示す模式図である。
これら図3及び図4にも示すように、硬貨処理装置10は、略直方状を成す筐体である硬貨処理装置本体10aを有しており、硬貨処理装置本体10aに硬貨投入口11、操作表示部12、硬貨出金口13、硬貨返却口14、及び着脱可能なオーバーフロー庫34bを備える。
硬貨投入口11は、硬貨処理装置本体10aの前端上面の右側に設けてあり、投入された硬貨を硬貨処理装置本体10aの内部に受け入れるための開口である。この硬貨投入口11は、例えば顧客等の利用者からの預り金を一時保持する一時保持部として機能する。
操作表示部12は、硬貨処理装置本体10aの前端上面の左側に設けてあり、表示部12a及び操作部12bを有している。表示部12aは各種情報を表示するものであり、操作部12bは例えばテンキー等で構成されて各種の操作入力を行う入力手段である。
硬貨出金口13は、硬貨処理装置本体10aの前面左側に設けてある。この硬貨出金口13は、硬貨処理装置本体10aの内部に収納された硬貨を払い出すための開口であり、硬貨処理装置本体10aに取り付けられた出金トレイ15に硬貨を払い出すものである。硬貨返却口14は、硬貨処理装置本体10aの前面右側に設けてある。この硬貨返却口14は、硬貨を返却するための開口である。なお、硬貨返却口14の下方であって、硬貨処理装置本体10aの下部には、着脱可能な硬貨回収部としてのオーバーフロー庫34bが装着される。
硬貨処理装置本体10aの内部には、硬貨搬送機構20が設けてある。この硬貨搬送機構20は、入金搬送部21、一時保留部22、硬貨振分部23、硬貨収納庫24、出金搬送部25及び切換ゲート群26を有している。
入金搬送部21は、硬貨投入口11より投入されるとともに図示せぬ投入検出センサによって検出された硬貨を搬送するものであり、検銭部27が設けてある。検銭部27は、硬貨の真贋及び金種を判別するものである。
一時保留部22は、検銭部27で正貨と判定された硬貨を一時的に保留するものである。硬貨振分部23は、一時保留部22で保留されてから搬送された硬貨を金種毎に振り分けるものである。なお、一時保留部22は、金種及び枚数を指示した金種枚数指示によるオーバーフロー処理時に、一定枚数の回収すべき硬貨を保留した後、保留した硬貨をオーバーフロー庫34bに搬送する。
硬貨収納庫24は、金種毎に設けてあり、硬貨振分部23により振り分けられた硬貨を収納するものである。各硬貨収納庫24は、投入された硬貨を金種別に個別に収納するようにしている。また各硬貨収納庫24は、収納した硬貨を出金搬送部25に繰り出す繰出部24aを有する。さらに、繰出部24aには、繰り出す硬貨を計数する第1計数センサ24bを有する。
出金搬送部25は、硬貨収納庫24から繰り出された硬貨を前方に向けて搬送するものである。つまり、出金搬送部25は、硬貨収納庫24から繰り出された硬貨を、硬貨出金口13に連通する出金シュート28に向けて前方に搬送するものである。
切換ゲート群26は、入金切換ゲート26a、収納返却切換ゲート26b、出金切換ゲート26c及びオーバーフロー切換ゲート26dを有する。入金切換ゲート26aは、入金搬送部21の搬送方向下流側に設けてある。入金切換ゲート26aは、入金搬送部21で搬送された硬貨の一時保留部22への搬送と、硬貨出金口13への搬送とを切り換える。
収納返却切換ゲート26bは、一時保留部22の搬送方向下流側に設けてある。収納返却切換ゲート26bは、一時保留部22で保留された硬貨の硬貨振分部23への送出と、後述する硬貨返却排出ユニット30への送出とを切り換える。なお、収納返却切換ゲート26bは、状態として、一時保留部22で保留された硬貨を硬貨振分部23に送出させる切換状態となっている。
なお、一時保留部22で保留された硬貨は、硬貨振分部23若しくは硬貨返却排出ユニット30に搬送ベルトや搬送ローラ等の搬送手段(図示せず)により搬送される際に、図示せぬリバースローラにより、互いに重なり合わないよう1枚ずつ搬送される。また硬貨の搬送姿勢であるが、横倒姿勢、すなわち硬貨の中心軸が搬送方向に略直交する姿勢で搬送される。
出金切換ゲート26cは、出金搬送部25の搬送方向下流側に設けてある。出金切換ゲート26cは、出金搬送部25で搬送された硬貨を、出金シュート28を経由した硬貨出金口13側への搬送と、一時保留部22側への搬送とを切り換える。なお、出金切換ゲート26cは、常態として、硬貨出金口13側への搬送に切り換えられている。
オーバーフロー切換ゲート26dは、後述する硬貨返却排出ユニット30内に設けられ、収納返却切換ゲート26bから搬送された硬貨を、硬貨返却口14側への送出と、オーバーフロー庫34b側への送出とを切り換える。
図5~図7は、それぞれ図4に示した硬貨返却排出ユニット30を示すものであり、図5は、硬貨返却排出ユニット30の構成を示す斜視図であり、図6は、硬貨返却排出ユニット30の構成を示す平面図であり、図7は、図6におけるA-A線断面図である。
これら図5~図7に示す硬貨返却排出ユニット30は、硬貨搬送機構20を構成するものであり、硬貨返却通路31、硬貨排出通路33、オーバーフロー切換ゲート26d及び第2計数センサ37を備えて構成してある。
硬貨返却排出ユニット30には、一時保留部22から搬送手段により右方に向けて搬送されて収納返却切換ゲート26bに当接した後、搬送路29の壁面29aに接して方向が変化して前方に向けて搬送される硬貨Cがユニット入口30aより導入される。
硬貨返却通路31は、ユニット入口30aより前方に向かうに連れて漸次下方に傾斜する態様で形成してあり、硬貨返却口14に連通している。この硬貨返却通路31の下方への傾斜延在であるが、ユニット入口30aより導入された硬貨Cが、図8及び図9に示すようにその直後に硬貨Cの重心が崩れることにより自由落下することができる程度に形成してある。
硬貨排出通路33は、硬貨返却通路31の途中の分岐点31aより分岐して、硬貨返却通路31の後方側を下方に向けて延在する態様で形成してあり、その下端部分に硬貨排出口33aが設けてある。この硬貨排出口33aは、図には明示しないが、硬貨処理装置本体10aの底面に開口している。
ここで、硬貨排出通路33の下端部の近傍には、オーバーフロー出口センサ34が設けてある。オーバーフロー出口センサ34は、硬貨排出口33aの開閉を検知するものであり、硬貨排出口33aが蓋体34aにより閉成される場合には、その旨の検知信号を制御部60に与える一方、硬貨排出口33aが開成される場合には、その旨の検知信号を制御部60に与えるものである。なお、硬貨排出口33aが開成される場合には、オーバーフロー庫34bが硬貨排出口33aを覆う態様で設置されるものとする。
オーバーフロー切換ゲート26dは、硬貨返却通路31と硬貨排出通路33との分岐点31aにおいて、左右方向に沿って延在するゲート軸部35aの中心軸回りに前後方向に沿って揺動可能に設けてある。オーバーフロー切換ゲート26dは、前後方向に沿って揺動することにより、一時保留部22からユニット入口30aを通じて硬貨返却通路31に流通した硬貨Cを硬貨返却口14に向けて通過させる第1状態(図7中の破線で示す状態及び図8に示す状態)と、一時保留部22からユニット入口30aを通じて硬貨返却通路31に流通した硬貨Cを分岐点31aより硬貨排出通路33を通過させる第2状態(図7中の実線で示す状態及び図9に示す状態)とを切り換える。
そして、オーバーフロー切換ゲート26dは、常態においては、図には明示しない付勢手段により第1状態に保持されており、制御部60からの指令に応じて駆動するソレノイド等のアクチュエータ36が駆動する場合に、付勢手段の付勢力に抗して前方に揺動して第2状態となるものである。つまり、オーバーフロー切換ゲート26dは、制御部60から与えられる指令に応じて第1状態と第2状態との間で択一的に切換可能なものである。
ところで、図5中の符号38a及び符号38bは、オーバーフロー切換ゲート26dの状態を検知する第1状態検知部及び第2状態検知部である。第1状態検知部38aは、例えば光センサ等により構成され、オーバーフロー切換ゲート26dが第1状態となる場合に、オーバーフロー切換ゲート26dに取り付けられた遮光板35bにより発光部からの光が遮られることでオン状態となってオン信号を制御部60に与えるものである。第2状態検知部38bは、例えば光センサ等により構成され、オーバーフロー切換ゲート26dが第2状態となる場合に、オーバーフロー切換ゲート26dに取り付けられた遮光板35bにより発光部からの光が遮られることでオン状態となってオン信号を制御部60に与えるものである。
第2計数センサ37は、硬貨返却通路31における分岐点31aよりもユニット入口30aに近接する個所の近傍に設置してあり、ユニット入口30aより導入された硬貨Cが、重心が崩れることにより自由落下により通過する領域を検出領域39とする。第2計数センサ37は、検出領域39を通過する硬貨Cの枚数を検出し、その検出結果を制御部60に与えるものである。
なお、紙幣処理装置40は、硬貨処理装置10に併設されており、略直方状を成す筐体である紙幣処理装置本体40aの前面に、紙幣を投入するための紙幣入金口41と、収納された紙幣を釣銭として払い出す紙幣出金口42とが形成してある。また紙幣処理装置本体40aの前面下部には、引き出し可能な状態で設けられた回収庫43の前面部が露出している。
紙幣処理装置40は、紙幣入金口41から投入された紙幣を装置内に導入する入金部、紙幣を紙幣出金口に繰り出す出金部、回収庫43、紙幣の真贋及び金種を判別する鑑別部、金種毎の紙幣を収納する紙幣収納庫を有する。入金部、出金部、回収庫43、鑑別部46、紙幣収納庫47は、紙幣搬送機構48によって接続される。
制御部60は、記憶部61に記憶されたプログラムやデータにしたがって硬貨処理装置10の各部及び紙幣処理装置40の各部の動作を統括的に制御する制御部である。なお、制御部60は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現してもよい。なお、記憶部61には、金銭処理装置1内の在高62が記憶され、逐次更新される。
以上のような構成を有する硬貨処理装置10の動作について説明する。硬貨投入口11に投入された硬貨は、POSレジスタ装置PRからの入金許可指令を受け、投入検出センサによって検出された後、入金搬送部21によって搬送され、検銭部27により真贋及び金種が判定される。搬送された硬貨が正貨である場合、一時保留部22に保留される。一方、搬送された硬貨が正貨でない場合、入金切換ゲート26aを介して硬貨出金口13に搬送され、出金トレイ15に返却される。
一時保留部22に保留された硬貨は、硬貨振分部23に搬送され、後方に向けて搬送されながら金種毎に振り分けられる。硬貨振分部23によって振り分けられた硬貨は、金種に応じて硬貨収納庫24に収納される。
POSレジスタ装置PRからの出金指令が与えられた場合に、該出金指令に応じた金種の硬貨が任意の硬貨収納庫24から繰り出されて出金搬送部25により前方に向けて搬送され、出金切換ゲート26cを介して硬貨出金口13から硬貨処理装置本体10aの外部に払い出される。
ところで、一時保留部22に硬貨が保留された状態でPOSレジスタ装置PRから返却指示があった場合、該硬貨は、収納返却切換ゲート26bを介して硬貨返却排出ユニット30に送出される。
上述したように硬貨返却排出ユニット30では、オーバーフロー切換ゲート26dが常態では第1状態に保持されていることから、硬貨返却排出ユニット30に送出された硬貨は、図8に示したように、ユニット入口30aより硬貨返却通路31に導入され、該硬貨返却通路31を通過して硬貨返却口14より払い出される。
ユニット入口30aより導入される硬貨は、一時保留部22から搬送手段により右方に向けて搬送されて収納返却切換ゲート26bに当接した後、搬送路29の壁面29aに接して方向が変化して前方に向けて搬送されたものであるので、壁面29aに接して減速された状態でユニット入口30aを通過する。
そして、硬貨返却通路31の延在態様により、ユニット入口30aを通過した硬貨は、重心が崩れることにより自由落下により第2計数センサ37の検出領域39を通過する。これにより、第2計数センサ37の検出領域39における硬貨の通過速度が、該検出領域39直前であるユニット入口30aでの硬貨の通過速度よりも大きくなる。
<オーバーフロー処理>
図10は、硬貨処理装置10の制御部60によるオーバーフロー処理手順を示すフローチャートである。図10に示すように、制御部60は、まず、オーバーフロー庫34bが硬貨処理装置10に装着されているか否かを判定する(ステップS110)。オーバーフロー庫34bの装着は、オーバーフロー出口センサ34が、硬貨排出口33aが開成されていることを検知している状態である。なお、オーバーフロー出口センサ34は、オーバーフロー庫34bを直接検出するようにしてもよい。オーバーフロー庫34bが硬貨処理装置10に装着されていない場合(ステップS110,No)には、本判定処理を繰り返す。
オーバーフロー庫34bが硬貨処理装置10に装着されている場合(ステップS110,Yes)には、さらにオーバーフロー処理が全金種全回収か、金種枚数指示回収かを判定する(ステップS112)。
オーバーフロー処理が金種枚数指示回収である場合(ステップS112,金種枚数指示回収)、制御部60は、一定枚数の硬貨を硬貨収納庫24から一時保留部22に搬送して保留するとともに、第1計数センサ24bによる繰り出し時の硬貨を計数する処理を開始する(ステップS114)。この場合、出金切換ゲート26cは、一時保留部22側に切り換えられる。また、収納返却切換ゲート26bは、硬貨返却口14側に切り換えられる。さらに、オーバーフロー切換ゲート26dは、オーバーフロー庫34b側に切り換えられる。
その後、制御部60は、搬送異常が発生したか否かを判定する(ステップS117)。搬送異常は、硬貨が詰まったり、硬貨の搬送に所定時間以上かかった場合などである。搬送異常が発生していない場合(ステップS117,No)には、さらに保留が完了したか否か、すなわち一定枚数の硬貨が一時保留部22に全て保留されたか否かを判定する(ステップS118)。保留が完了していない場合(ステップS118,No)には、ステップS117に戻り、一時保留部22への一定枚数の硬貨の保留及び硬貨の計数を継続して行う。
一方、保留が完了した場合(ステップS118,Yes)には、一時保留部22に保留された硬貨をすべてオーバーフロー庫34bに搬送する処理を開始する(ステップS120)。そして、一時保留部22からオーバーフロー庫34bへの搬送が開始されるタイミングで、一時保留部22に保留された硬貨分を、現在の在高から減算する在高更新を行う(ステップS122)。
その後、制御部60は、搬送異常が発生したか否かを判定する(ステップS124)。搬送異常が発生していない場合(ステップS124,No)、さらに第1計数センサ24bが計数した枚数と第2計数センサ37が計数した枚数とが一致しているか否かを判定する(ステップS126)。枚数が一致していない場合(ステップS126,No)は、回収が未完であるとして、ステップS122に移行し、一時保留部22からオーバーフロー庫34bへの搬送処理を継続する。
一方、枚数が一致している場合(ステップS126,Yes)には、一定枚数のオーバーフロー処理が正常完了したものとし、全ての回収が終了したか否かを判定する(ステップS128)。全ての回収が終了していない場合(ステップS128)には、ステップS114に移行し、次の一定枚数のオーバーフロー処理を行い、全ての回収が終了した場合(ステップS128,Yes)には、本処理を終了する。
なお、繰出部24aから一時保留部22までの間で、搬送異常が発生した場合(ステップS117,Yes)には、復旧処理後、リセットによって搬送路上の硬貨を硬貨収納庫24に戻す搬送処理、あるいは一時保留部22に保留されていた硬貨を硬貨収納庫24に戻す搬送処理を行って(ステップS130)、ステップS128に移行する。この場合、一定枚数の硬貨に対する在高は更新されていないため、硬貨収納庫24に硬貨を戻して再度、オーバーフロー処理を行うことになる。
一方、一時保留部22からオーバーフロー庫34bまでの間で、搬送異常が発生した場合(ステップS124,Yes)、一定枚数の硬貨に対する在高は更新されているため、復旧処理後、リセットによって搬送路上の硬貨をオーバーフロー庫34bに搬送し、あるいは一時保留部22に保留されていた硬貨をオーバーフロー庫34bに搬送する処理を行って(ステップS132)、ステップS126に移行する。
一方、ステップS110において、全金種全回収である場合(ステップS112,全金種全回収)、硬貨収納庫24内の硬貨を繰出部24aから繰り出し、一時保留部22での保留を行わず、オーバーフロー庫34bに搬送するとともに、第1計数センサ24b及び第2計数センサ37は、それぞれ繰出される硬貨及び通過する硬貨の枚数の計数を開始する(ステップS140)。
その後、制御部60は、搬送異常が発生したか否かを判定する(ステップS142)。搬送異常が発生していない場合(ステップS142,No)、さらに第1計数センサ24bが計数した枚数と第2計数センサ37が計数した枚数とが一致するか否かを判定する(ステップS144)。枚数が一致しない場合(ステップS144,No)、ステップS142に移行して、オーバーフロー処理を続行する。
そして、枚数が一致した場合(ステップS144,Yes)には、オーバーフロー処理が正常終了したものとみなし、在高更新、すなわち在高をゼロにする処理を行って(ステップS148)、本処理を終了する。
なお、搬送異常が発生した場合(ステップS142,Yes)、復旧処理後、リセットによって搬送路上の硬貨をオーバーフロー庫に搬送し、あるいは一時保留部22に保留されていた硬貨をオーバーフロー庫34bに搬送する処理を行って(ステップS146)、ステップS144に移行する。
上記の金種枚数指示回収では、オーバーフロー時の硬貨回収を一定枚数毎に分割して行い、しかも、一定枚数毎に枚数が一致しているか否かの判定(ステップS126)を逐次行って在高をチェックしているので、オーバーフロー処理時の在高管理を厳正かつ効果的に行うことができる。特に、搬送異常が発生した場合であっても、オーバーフロー処理対象の硬貨すべてに対する精査を行う機会が少なくなる。
また、全金種全回収の場合も、枚数が一致しているかの否かの判定(S144)を行っているので、オーバーフロー処理時の在高管理を効果的に行うことができる。
<変形例>
本変形例では、第1計数センサ24bに硬貨識別機能を持たせている。硬貨識別機能は、硬貨の材質や形状をセンシングして金種及び金種の真贋を判別するものである。図11は、変形例の硬貨処理装置10の制御部60によるオーバーフロー処理手順を示すフローチャートである。なお、以下の変形例の説明では、図10に示したオーバーフロー処理手順と異なる点のみについて述べる。
図11に示すように、金種枚数指示回収では、ステップS114で、第1計数センサ24bは、硬貨の計数のみではなく、硬貨の金種及び真贋をも判別する処理を開始する。そして、その後、第1計数センサ24bによる識別結果が正しいか否かを判定する(ステップS115)。識別結果が正しい場合(ステップS115,Yes)には、在高の更新を行い(ステップS116)、その後ステップS117に移行する。図10では、ステップS122において在高の更新を行っていたが、本変形例では、第1計数センサ24bが硬貨識別機能を有するため、繰出部24aによる硬貨の繰り出しのタイミングで在高の更新を行うようにしている。
このため、識別結果が正しくない場合(ステップS115,No)、この硬貨は在高更新されておらず、硬貨収納庫24に搬送され(ステップS131)、再度、オーバーフロー処理がなされる。
また、繰出部24aから一時保留部22までの間で搬送異常が発生した場合(ステップS117)、すでに硬貨は在高更新されているため、ステップS132に移行して、この硬貨はオーバーフロー庫に搬送される。
一方、全金種全回収の場合、ステップS140で、第1計数センサ24bは、硬貨の計数のみではなく、硬貨の金種及び真贋をも判別する処理を開始する。そして、図10では、ステップS148で在高の更新を行っていたが、本変形例では、第1計数センサ24bが硬貨識別機能を有するため、繰出部24aによる硬貨の繰り出しのタイミングで在高の更新を行う(ステップS141)。
また、上記の実施の形態及び変形例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置及び構成要素の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
1 金銭処理装置
10 硬貨処理装置
10a 硬貨処理装置本体
11 硬貨投入口
12 操作表示部
12a 表示部
12b 操作部
13 硬貨出金口
14 硬貨返却口
15 出金トレイ
20 硬貨搬送機構
21 入金搬送部
22 一時保留部
23 硬貨振分部
24 硬貨収納庫
24a 繰出部
24b 第1計数センサ
25 出金搬送部
26 切換ゲート群
26a 入金切換ゲート
26b 収納返却切換ゲート
26c 出金切換ゲート
26d オーバーフロー切換ゲート
27 検銭部
28 出金シュート
29 搬送路
29a 壁面
30 硬貨返却排出ユニット
30a ユニット入口
31 硬貨返却通路
31a 分岐点
33 硬貨排出通路
33a 硬貨排出口
34 オーバーフロー出口センサ
34a 蓋体
34b オーバーフロー庫
35a ゲート軸部
35b 遮光板
36 アクチュエータ
37 第2計数センサ
38a 第1状態検知部
38b 第2状態検知部
39 検出領域
40 紙幣処理装置
40a 紙幣処理装置本体
41 紙幣入金口
42 紙幣出金口
43 回収庫
46 鑑別部
47 紙幣収納庫
48 紙幣搬送機構
60 制御部
61 記憶部
62 在高
C 硬貨
PR POSレジスタ装置

Claims (7)

  1. 入金された硬貨を一時的に保留する一時保留部と、
    前記一時保留部で一時的に保留された硬貨を金種毎に振り分ける硬貨振分部と、
    前記硬貨振分部により振り分けられた硬貨を金種別に収納する複数の硬貨収納庫と、
    各硬貨収納庫に設けられ、硬貨を繰り出す繰出部と、
    前記硬貨収納庫からのオーバーフロー処理を行う時、回収すべき硬貨を収納する着脱可能なオーバーフロー庫と、
    前記一時保留部に保留された硬貨を前記硬貨振分部と硬貨返却口とに搬送切換を行う収納返却切換ゲートと、
    前記硬貨返却口側に搬送された硬貨を前記硬貨返却口と前記オーバーフロー庫とに搬送切換を行うオーバーフロー切換ゲートを有した硬貨返却排出ユニットと、
    を備えた硬貨処理装置であって、
    前記硬貨収納庫からのオーバーフロー処理を行う時、回収すべき金種及び枚数を指示する金種枚数指示を受け付けると、前記オーバーフロー切換ゲートを前記オーバーフロー庫側に切り換えるとともに、前記収納返却切換ゲートを前記硬貨返却口側に切り換え、回収すべき硬貨を一定枚数毎に前記硬貨収納庫から前記一時保留部に搬送して保留し、搬送異常がない場合、前記一時保留部に保留された硬貨を前記オーバーフロー庫に搬送する処理を繰り返すオーバーフロー処理を制御する制御部を備えたことを特徴とする硬貨処理装置。
  2. 前記繰出部に設けられ、繰り出す硬貨を計数する第1計数センサと、
    前記硬貨返却排出ユニット内の前記オーバーフロー庫側通路に設けられ、通過する硬貨を計数する第2計数センサと、
    を有し、
    前記制御部は、前記一定枚数の硬貨のオーバーフロー処理毎に前記第1計数センサが計数した枚数と前記第2計数センサが計数した枚数とが一致するか否かを判定し、一致した場合に、残りの硬貨のオーバーフロー処理を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の硬貨処理装置。
  3. 前記制御部は、前記一時保留部に保留された硬貨の前記オーバーフロー庫側への搬送時に前記硬貨収納庫の在高を更新することを特徴とする請求項2に記載の硬貨処理装置。
  4. 前記制御部は、
    前記繰出部から前記一時保留部との間で異常が発生した場合、復旧処理後、前記収納返却切換ゲートを前記硬貨振分部側に切り換えて前記一時保留部に保留された硬貨を前記硬貨収納庫に戻した後、前記オーバーフロー処理を再開し、
    前記一時保留部から前記オーバーフロー庫との間で異常が発生した場合、復旧処理後、前記収納返却切換ゲートを前記硬貨返却口側に切り換え、前記一時保留部に保留された硬貨を前記オーバーフロー庫に搬送した後、前記オーバーフロー処理を再開することを特徴とする請求項3に記載の硬貨処理装置。
  5. 前記第1計数センサは、硬貨識別機能を有し、
    前記制御部は、前記第1計数センサによる識別結果が正しくない場合、前記収納返却切換ゲートを前記硬貨振分部側に切り換えて前記一時保留部に保留された硬貨を前記硬貨収納庫に戻した後、前記オーバーフロー処理を再開することを特徴とする請求項2に記載の硬貨処理装置。
  6. 前記制御部は、前記繰出部による硬貨の繰り出し時に前記硬貨収納庫の在高を更新することを特徴とする請求項5に記載の硬貨処理装置。
  7. 前記制御部は、搬送異常が発生した場合、復旧処理後、硬貨をオーバーフロー庫に搬送した後、前記オーバーフロー処理を再開することを特徴とする請求項6に記載の硬貨処理装置。
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