JP2023006174A - 粉体塗装装置および粉体塗装方法 - Google Patents

粉体塗装装置および粉体塗装方法 Download PDF

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Abstract

【課題】軸線からの水平方向の距離が大きくなっても、軸線方向の振幅の増大を抑制することが可能な粉体塗装装置を提供する。【解決手段】粉体塗装装置1は、第1板221と第2板222との間に、複数のスペーサ223が介在している底部材22を備える粉体流動槽2と、粉体流動槽2が固定されている固定板33と、第1板221を固定板33に連結支持している連結支持部材36と、第1板221に連結されている振動機構5と、を備える。連結支持部材36は、弾性部材363を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、粉体塗装装置および粉体塗装方法に関する。
従来、車両に搭載されるモータの一部品であるステータのコイルエンドに絶縁粉体を塗装する際に、流動浸漬法が用いられている。
特許文献1には、多孔質板としての、第1仕切板および第2仕切板を有する粉体流動槽と、粉体流動槽の底面に連結されている振動機構と、粉体流動槽と固定面とを連結する支持部材と、を備え、支持部材は、粉体流動槽を固定面に対して弾性支持する粉体塗装装置が記載されている。
特許第6596477号
しかしながら、図1に示すように、粉体塗装装置の軸線からのY軸方向(水平方向)の距離が大きくなるのに伴い、Z軸方向(軸線方向)の振幅が大きくなる。その結果、第2仕切板の中心部と外周部との気孔の閉塞率の差が大きくなり、粉面に放射状流れが発生するため、塗装域と未塗装域との境界が不安定となる可能性がある。なお、振幅は、センサを用いて、所定の振動数および所定の加振力で、測定することができる。
本発明は、軸線からの水平方向の距離が大きくなっても、軸線方向の振幅の増大を抑制することが可能な粉体塗装装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、粉体塗装装置において、第1の板状部材と第2の板状部材との間に、複数のスペーサが介在している底部材を備える粉体流動槽と、前記粉体流動槽が固定されている固定部材と、前記第1の板状部材を前記固定部材に連結支持している連結支持部材と、前記第1の板状部材に連結されている振動機構と、を備え、前記連結支持部材は、弾性部材を備える。
上記の粉体塗装装置は、錘をさらに備え、前記第1の板状部材は、前記振動機構と前記錘との間に挟持されていてもよい。
前記振動機構は、振動体と、前記振動体と前記第1の板状部材とを連結している連結機構と、を備え、前記振動体は、偏心した回転軸を有する振動モータを備えていてもよい。
本発明の他の一態様は、粉体塗装方法において、請求項1から4のいずれか一項に記載の粉体塗装装置を用いて、ワークに樹脂粉体を塗装する工程を含む。
本発明によれば、軸線からの水平方向の距離が大きくなっても、軸線方向の振幅の増大を抑制することが可能な粉体塗装装置を提供することができる。
従来の粉体塗装装置の粉体流動槽内の振幅の分布の測定結果を示す図である。 本実施形態の粉体塗装装置の一例を示す図である。 図2の粉体塗装装置の粉体流動槽および台座部を示す図である。 図2の底部材の一例を示す図である。 図2の粉体塗装装置の粉体流動槽内の振幅の分布の測定結果を示す図である。 図2の底部材の他の例を示す図である。 図4の底部材に対応する簡易幾何モデルを示す図である。 図6の底部材に対応する簡易幾何モデルを示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
[粉体塗装装置]
図2に、本実施形態の粉体塗装装置の一例を示す。
粉体塗装装置1は、流動浸漬法により、ワークに樹脂粉体を塗装する装置である。粉体塗装装置1は、粉体流動槽2と、粉体流動槽2を設置面上で支持している台座部3と、粉体流動槽2の底部材22に連結されている振動機構5と、粉体流動槽2の粉面の高さを検出するレベルメータ7と、振動機構5を制御する制御装置8と、を備える。
以下、ワークとして、車両に搭載されるモータの一部品であるステータWを用い、樹脂粉体として、絶縁粉体を用いる場合について説明するが、ワークおよび樹脂粉体は、特に限定されない。絶縁粉体を構成する樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂等が挙げられる。
ステータWは、円筒状のステータコアW1と、ステータコアW1の内部に形成されている複数のスロットに巻回されているステータコイルW2と、を備える。ここで、ステータコイルW2の下端部が、絶縁粉体を塗装するコイルエンドW3である。
図3に、粉体塗装装置1の粉体流動槽2および台座部3を示す。
粉体流動槽2は、上面視すると、略円形状である。粉体流動槽2は、円筒状の胴体21と、略円盤状の底部材22と、胴体21の内部に設けられている略円盤状の第1仕切板23および第2仕切板24と、絶縁粉体が貯留される粉体貯留部25と、を備える。ここで、第1仕切板23および第2仕切板24は、それぞれ絶縁粉体の粒径よりも孔径が小さい貫通孔が形成されている多孔質板である。
底部材22は、図4に示すように、第1板221と第2板222との間の外周部に、8個のスペーサ223が介在している。なお、図4(a)および(b)は、それぞれ側面図および上面図である。ここで、8個のスペーサ223は、等間隔で配置されている。
スペーサ223を構成する材料としては、例えば、ステンレス鋼等の剛性材料が挙げられる。
ここで、胴体21の縁部21aに取り付けたセンサを用いて、所定の振動数および所定の加振力で、振幅を測定すると、図5に示すように、固定板33と粉体貯留部25との間の距離D、すなわち、スペーサの高さが大きくなるのに伴い、Z軸方向(軸線O方向)の振幅が小さくなる。このため、軸線OからのY軸方向(水平方向)の距離が大きくなっても、Z軸方向(軸線方向)の振幅の増大を抑制することができる。その結果、第2仕切板24の中心部と外周部との気孔の閉塞率の差が小さくなるため、粉面に放射状流れが発生しにくくなる。また、X軸方向およびY軸方向(水平方向)の振幅が大きくなるため、絶縁粉体を十分に流動させることができる。ここで、図5における振幅は、図1における軸線からのY軸方向の距離が最大である点(右端の点)の振幅であり、図5における左端の点は、スペーサを設けない場合である。なお、図1における軸線からのY軸方向の距離が最大である点以外の点の振幅についても、図1における軸線からのY軸方向の距離が最大である点の振幅と同様の傾向が見られた。
なお、底部材22は、第1の板状部材と第2の板状部材との間に、複数のスペーサが介在していれば、特に限定されない。例えば、第1板221と第2板222との間の外周部以外の領域に、スペーサ223が介在していてもよい。また、スペーサ223の個数は、特に限定されない。
ここで、図6に示すように、第1板221の上に、錘224を設け、振動機構5の連結部582と錘224との間に第1板221が挟持されていてもよい。振動機構5から加振力Eが印加されると、弾性部材363を支点として、粉体流動槽2の重心Cを中心に変位するが、錘224が設けられることにより、粉体流動槽2の重心Cが低くなる(図7、図8参照)。このとき、簡易幾何モデルに示すように、加振力Eが同一であるため、粉体流動槽2の重心Cが低い、すなわち、支点Fと重心Cとの距離Lが小さい程、変位Rが小さくなる。これにより、Z方向(軸線O方向)の振幅がさらに小さくなり、その結果、第2仕切板24の中心部と外周部との気孔の閉塞率の差がさらに小さくなる。
粉体貯留部25は、胴体21の縁部21aと第2仕切板24とで区画される。また、第1エアチャンバ26は、第2板222と第1仕切板23とで区画され、第2エアチャンバ27は、第1仕切板23と第2仕切板24とで区画される。また、第1エアチャンバ26には、エア供給装置から、所定の速度でエアが供給される。第1エアチャンバ26に供給されたエアは、第1仕切板23を介して、第2エアチャンバ27に流入した後、第2仕切板24を介して、粉体貯留部25に流入する。その結果、粉体貯留部25に貯留されている絶縁粉体が流動する。
台座部3は、固定フレーム31および32と、固定板33と、連結支持部材36と、を備える。ここで、連結支持部材36は、胴体21に対して、軸線Oの側に4個設けられており、4個の連結支持部材36は、等間隔で配置されている。
固定フレーム31および32の下方側の端部は、それぞれ設置面に固定されている。
固定板33は、上面視すると、略円盤状であり、軸線Oと略同軸に設けられている。固定板33は、粉体流動槽2と直径が略同一である環状の小径板331と、小径板331よりも直径が大きい大径板335と、小径板331と大径板335とを連結する連結板336と、を備える。小径板331には、振動機構5を挿通するための貫通孔332が形成されている。また、大径板335には、ボルトおよびナットで固定フレーム31および32に固定するための貫通孔337が形成されている。
固定フレーム31および32は、上方側の端部に、それぞれ固定部31aおよび32aが形成されており、固定部31aおよび32aの上方側の端部には、それぞれボルトおよびナットにより、固定板33を固定するための貫通孔が形成されている。
小径板331の粉体流動槽2を固定する側の固定面333が水平になるように、固定板33は、ボルト338およびナット339により、固定部31aおよび32aに固定されている。
連結支持部材36は、底部材22の第1板221を固定板33の小径板331に連結支持している。連結支持部材36は、第1板221の底面221aに固定されている脚部361と、脚部361の底面362と小径板331の固定面333との間に介在している弾性部材363と、を備える。弾性部材363としては、例えば、ゴム部材が用いられる。
振動機構5は、柱状の振動体としての、振動ユニット51と、振動ユニット51と底部材22の第1板221とを連結する連結機構55と、を備える。
振動ユニット51は、回転軸52を有する振動モータ53と、振動モータ53が収容されているハウジング54と、を備える。振動モータ53は、制御装置8からの制御信号に応じた振動数で回転軸52を回転させる。ハウジング54は、粉体流動槽2の軸線Oと略同軸になるように、連結機構55を介して、第1板221に連結されている。また、回転軸52には、偏心おもりが取り付けられている。したがって、振動モータ53によって偏心した回転軸52を回転させると、ハウジング54が振動する。このとき、ハウジング54は、軸線Oに対して垂直な水平面内において、軸線Oを中心として、中心点が円運動するように、振動する。
連結機構55は、ハウジング54を保持しているブラケット56と、軸線Oと略同軸であり、ブラケット56と第1板221とを連結する連結軸部材58と、を備える。
ブラケット56は、互いに平行であり、軸線Oに対して平行な第1支持板561および第2支持板562と、第1支持板561および第2支持板562の上方側の端部を連結しており、軸線Oに対して垂直な第3支持板563と、を備える。第1支持板561および第2支持板562は、それぞれ、ハウジング54の対向する側面にそれぞれ連結されている。また、回転軸52から第1支持板561および第2支持板562までの距離は同一である。すなわち、ハウジング54は、第1支持板561および第2支持板562によって、回転軸52を中心として均等に挟持されている。また、ハウジング54は、固定板33よりも下方側に位置するように、ブラケット56により、保持されている。
連結軸部材58は、軸線Oと略同軸である軸部581および連結部582を備え、固定板33よりも下方側に設けられているブラケット56と、固定板33よりも上方側に設けられている第1板221とを連結する。連結部582は、円錐台状であり、ブラケット56の側の円形底面582aから第1板221の側の円形頂面582bに向かうに従い、拡径する。軸部581は、下端側がブラケット56の第3支持板563に固定されており、上端側が連結部582に固定されている。また、連結部582は、上端側が第1板221に固定されている。
連結部582の円形頂面582bの外径は、固定板33の小径板331に形成されている貫通孔332の内径よりも小さいため、ハウジング54が振動した場合であっても、連結軸部材58は、固定板33と接触しない。したがって、ハウジング54で発生した振動は、固定板33で減衰されずに、ブラケット56および連結軸部材58を介して、粉体流動槽2に伝達される。
レベルメータ7は、粉体流動槽2の上方側に設けられている。レベルメータ7は、粉体流動槽2の粉面の高さを、例えば、三角測距法に基づいて検出し、検出値に応じた信号を制御装置8へ送信する。ここで、粉面の高さは、所定の基準(例えば、胴体21の縁部21a)からの距離である。このとき、光源から測定位置に向けてレーザ光を照射し、粉面で反射したレーザ光が受光素子で結像した位置に基づいて、レベルメータ7は、粉面の高さを測定する。
制御装置8は、予め定められたプログラムに従って、エア供給装置のエア供給速度の目標および振動モータ53の振動数の目標を決定し、これらの目標が実現されるように、エア供給装置および振動モータ53を駆動する。
[粉体塗装方法]
本実施形態の粉体塗装方法は、本実施形態の粉体塗装装置を用いて、ワークに樹脂粉体を塗装する工程を含む。
以下、ステータWのコイルエンドW3に絶縁層を形成する場合について説明する。
本実施形態の粉体塗装方法は、ステータWを加熱する加熱工程と、粉体塗装装置1を用いて、ステータWのコイルエンドW3に絶縁粉体を塗装する粉体塗装工程と、コイルエンドW3に絶縁粉体が塗装されたステータWを再加熱する再加熱工程と、を含む。
加熱工程では、コイルエンドW3が絶縁粉体を溶着させることが可能な温度になるまで、ステータWを加熱する。
粉体塗装工程では、絶縁粉体が流動している粉体流動槽2に、加熱されたステータWのコイルエンドW3を浸漬し、コイルエンドW3に絶縁粉体を溶着させる。
再加熱工程では、粉体流動槽2から、絶縁粉体がコイルエンドW3に溶着したステータWを引き上げた後、ステータWを再加熱して、コイルエンドW3に絶縁層を形成する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨の範囲内で、上記の実施形態を適宜変更してもよい。
1 粉体塗装装置
2 粉体流動槽
22 底部材
221 第1板
222 第2板
223 スペーサ
224 錘
3 台座部
33 固定板
36 連結支持部材
363 弾性部材
5 振動機構

Claims (4)

  1. 第1の板状部材と第2の板状部材との間に、複数のスペーサが介在している底部材を備える粉体流動槽と、
    前記粉体流動槽が固定されている固定部材と、
    前記第1の板状部材を前記固定部材に連結支持している連結支持部材と、
    前記第1の板状部材に連結されている振動機構と、を備え、
    前記連結支持部材は、弾性部材を備える、粉体塗装装置。
  2. 錘をさらに備え、
    前記第1の板状部材は、前記振動機構と前記錘との間に挟持されている、請求項1に記載の粉体塗装装置。
  3. 前記振動機構は、振動体と、前記振動体と前記第1の板状部材とを連結している連結機構と、を備え、
    前記振動体は、偏心した回転軸を有する振動モータを備える、請求項1または2に記載の粉体塗装装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の粉体塗装装置を用いて、ワークに樹脂粉体を塗装する工程を含む、粉体塗装方法。

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