JP2023004853A - ガラス、ガラス粉末、導電ペーストおよび太陽電池 - Google Patents

ガラス、ガラス粉末、導電ペーストおよび太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、太陽電池等の半導体基板上に絶縁膜を介して電極を形成する際に、絶縁膜並びに半導体基板との接触を十分に確保でき、かつ、太陽電池の変換効率を向上させることのできるガラス、該ガラスからなるガラス粉末、該ガラス粉末を含有する導電ペーストおよび該導電ペーストを用いることで変換効率の向上した太陽電池を提供する。【解決手段】酸化物換算の質量%表示で、V2O5を40%以上85%以下、ZnOを0.1%以上20%以下、BaOを0.1%以上30%以下、Al2O3を0.1%以上20%以下、およびB2O3を1.0%以上60%以下含むガラス、該ガラスからなり、累積粒度分布における体積基準の50%粒径をD50としたときに、D50が0.8~6.0μmであるガラス粉末。【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス、ガラス粉末、導電ペーストおよび太陽電池に関し、特には太陽電池の電極形成用として好適なガラス、ガラス粉末、これを用いた導電ペースト、および該導電ペーストにより形成された電極を有する太陽電池に関するものである。
従来から、シリコン(Si)等の半導体基板の上に電極となる導電層を形成した電子デバイスが、種々の用途に使用されている。この電極となる導電層は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(Cu)等の導電性金属粉末とガラス粉末を有機ビヒクル中に分散させた導電ペーストを、半導体基板上に塗布し、電極形成に必要な温度で焼成することにより形成されている。
このようにして半導体基板上に電極を形成する際に、半導体基板の電極が形成される面の全体に絶縁膜が形成され、パターン状の電極が絶縁膜を部分的に貫通して半導体基板に接触するように形成される場合がある。
例えば、太陽電池においては、受光面となる半導体基板上に反射防止膜が設けられ、電極はその上にパターン状に設けられる。反射防止膜は、十分な可視光透過率を保ちつつ表面反射率を低減して受光効率を高めるためのものであって、通常、窒化珪素、二酸化チタン、二酸化珪素、酸化アルミニウム等の絶縁材料で構成される。
また、PERC(Passivated Emitter and Rear Contact)等の太陽電池では、裏面にも反射防止膜と同様の絶縁材料からなるパッシベーション膜が全体に設けられ、該パッシベーション膜上に電極が部分的に半導体基板に接触する形で形成されている。
電極は、半導体基板に接触するように形成する必要がある。したがって、電極形成の際には、形成する電極のパターンに応じて絶縁膜が除去され、絶縁膜が除去された部分に電極が形成される。絶縁層を除去する方法としてレーザー等で物理的に除去する方法が挙げられるが、当該方法は製造工程の増加や、装置導入コストの増加を伴う。したがって、近年では導電性金属粉末とガラス粉末を含有する導電ペースト、すなわちペースト状の電極材料を絶縁膜上に塗布して熱処理を行うことで、該導電ペーストに絶縁膜を貫通させる、ファイアスルーなる方法が採用されている。
半導体基板上に電極を形成する上記技術は、太陽電池におけるpn接合型の半導体基板上への電極形成にも適用されている。このような、ガラス粉末を含有する導電ペーストとしては、例えば、特許文献1に電子デバイス電極用ペーストが記載されている。
特許文献1には、鉛-テルルをベースとするガラス組成物について記載されており、具体的なガラス組成として、例えば酸化物換算でPbOを44.36重量%、Bを0.49重量%、LiOを0.78重量%、Biを6.79重量%、TeOを47.58重量%含有するガラスが開示されている。
また、特許文献2のように、異なる組成のガラスフリットを混合した、混合ガラスフリットを用いて太陽電池素子の電極用導電ペーストを作製することもある。
特開2014-49743号公報 特開2014-209598号公報
特許文献1に開示されているように、太陽電池の電極形成に用いるガラスについては、電極の形成性や、電極と半導体基板との電気抵抗を向上させる技術が開発されている。
しかしながら、特許文献1に記載されているガラスでは、電極と絶縁膜及び半導体基板との接触性が十分に確保できない。
特にPERC等の太陽電池においては、電極形成に用いるガラス粉末のガラスの組成や粉末の粒度分布を調整したとしても、現状では、電極と半導体基板との電気抵抗を下げて、太陽電池の変換効率を向上させる技術は開発途上である。
本発明は、電極形成に用いられるガラスであって、例えば鉛をベースとするガラスと混合して用いることで、太陽電池等の半導体基板上に絶縁膜を介して電極を形成する際に、絶縁膜並びに半導体基板との接触を十分に確保でき、かつ、太陽電池の変換効率を向上させることのできるガラスを提供することを目的とする。本発明は、さらに、該ガラスと鉛をベースとするガラスとを混合したガラス、該ガラスからなるガラス粉末、該ガラス粉末を含有する導電ペーストおよび該導電ペーストを用いることで変換効率の向上した太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、ガラス組成を特定範囲とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。本発明は以下の構成のガラス、ガラス粉末、導電ペーストおよび太陽電池を提供する。
[1]酸化物換算の質量%表示で、
を40%以上85%以下、
ZnOを0.1%以上20%以下、
BaOを0.1%以上30%以下、
Alを0.1%以上20%以下、および
を1.0%以上60%以下
含むガラス。
[2]酸化物換算の質量%表示で、ZnOを1%以上、BaOを5%以上およびAlを1%以上含む、[1]に記載のガラス。
[3]酸化物換算の質量%表示で、VとBの含有量の合計(V+B)が50%以上90%以下である、[1]または[2]に記載のガラス。
[4]酸化物換算の質量%表示で、BaOとZnOとBの含有量の合計(BaO+ZnO+B)が15%以上55%以下である、[1]~[3]のいずれか1に記載のガラス。
[5]酸化物換算の質量%表示で、BaOとAlとの含有量の合計(BaO+Al)が10%以上30%以下である、[1]~[4]のいずれか1に記載のガラス。
[6]酸化物換算の質量%表示で、BaOとZnOとAlの含有量の合計(BaO+ZnO+Al)とVとBの含有量の合計(V+B)との比(BaO+ZnO+Al)/(V+B)が0.1以上1.0以下である、[1]~[5]のいずれか1に記載のガラス。
[7]ガラス転移温度が250℃以上500℃以下である、[1]~[6]のいずれか1に記載のガラス。
[8][1]~[7]のいずれか1に記載のガラスからなるガラス粉末であって、累積粒度分布における体積基準の50%粒径をD50としたときに、D50が0.8μm以上6.0μm以下である、ガラス粉末。
[9]酸化物換算の質量%表示で、
PbOを15%以上70%以下、
TeOを0%以上50%以下、
を2%以上25%以下、
ZnOを0.05%以上4%以下、
BaOを0.1%以上8%以下、
Alを0.05%以上3%以下、
およびBを0.05%以上11%以下、
含むガラス。
[10]酸化物換算の質量%表示で、VとBの含有量の合計(V+B)が2.05%以上22%以下である、[9]に記載のガラス。
[11]酸化物換算の質量%表示で、BaOとZnOとBの含有量の合計(B+BaO+ZnO)が1%以上14%以下である、[9]または[10]に記載のガラス。
[12]酸化物換算の質量%表示で、BaOとAlとの含有量の合計(BaO+Al)が0.5%以上8%以下である、[9]~[11]のいずれか1に記載のガラス。
[13]酸化物換算の質量%表示で、PbOとTeOとVの含有量の合計(PbO+TeO+V)が50%以上80%以下である、[9]~[12]のいずれか1に記載のガラス。
[14]酸化物換算の質量%表示で、BaOとZnOとAlの含有量の合計(BaO+ZnO+Al)とVとBの含有量の合計(V+B)との比(BaO+ZnO+Al)/(V+B)が0.1以上1.0以下である、[9]~[13]のいずれか1に記載のガラス。
[15]酸化物換算の質量%表示で、VとPbOの比(V/PbO)が0.05以上1.0以下である、[9]~[14]のいずれか1に記載のガラス。
[16][9]~[15]のいずれか1に記載のガラスからなるガラス粉末であって、累積粒度分布における体積基準の50%粒径をD50としたときに、D50が0.8μm以上6.0μm以下である、ガラス粉末。
[17][1]~[7]および[9]~[15]のいずれか1に記載のガラスからなるガラス粉末または[8]若しくは[16]に記載のガラス粉末、導電性金属粉末、および有機ビヒクルを含有する導電ペースト。
[18][17]に記載の導電ペーストを用いて形成された電極を備える太陽電池。
[19]太陽光受光面を有するシリコン基板と、
前記シリコン基板の前記太陽光受光面側に設けられた第1の絶縁膜と、
前記シリコン基板の前記太陽光受光面とは反対側の面に設けられた、少なくとも一つの開口部を有する第2の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜の一部を貫通して前記シリコン基板に接触する第1の電極と、
前記シリコン基板に前記第2の絶縁膜の前記開口部を介して部分的に接触する第2の電極と
を備える太陽電池であって、
前記第1の電極は、Al、Ag、Cu、Au、PdおよびPtからなる群から選択される少なくとも1種を含む金属と、酸化物換算の質量%表示で、PbOを15%以上70%以下、TeOを0%以上50%以下、Vを2%以上25%以下、ZnOを0.05%以上4%以下、BaOを0.1%以上8%以下、Alを0.05%以上3%以下およびBを0.05%以上11%以下含むガラスと、を含む太陽電池。
本発明のガラス、および該ガラスからなるガラス粉末は、これを導電性成分と共に導電ペーストに用いれば、太陽電池等の半導体基板上に絶縁膜を介して電極を形成する際に、導電性金属の析出を促進することにより、絶縁膜並びに半導体基板との接触を十分に確保して、太陽電池の変換効率を向上できる。
本発明においては、該ガラス粉末を含有することで、これを用いた電極形成に伴い、太陽電池の変換効率を向上可能な導電ペースト、および、該導電ペーストを用いることで変換効率が向上した太陽電池の提供が可能である。
図1は、本実施形態に係る導電ペーストを用いて電極形成されたp型Si基板両面受光型太陽電池の一例の断面を模式的に示した図である。 図2は、接触抵抗Rc[Ω]を評価する際に使用したSi基板に形成した電極パターンを示した図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下の説明において、特に断りのない限り、ガラスの各成分の含有量における「%」の表示は、酸化物換算の質量%表示である。本明細書において、数値範囲を表す「~」では、上下限を含む。
本発明のガラスにおける各成分の含有量は、得られたガラスの誘導結合プラズマ(ICP-AES:Inductively Coupled Plasma-Atomic Emission Spectroscopy)分析若しくは電子線マイクロアナライザ(EPMA:Electron Probe Micro Analyzer)分析の結果から求められる。
以下、ガラス成分の説明において、「導電ペースト」は、「本発明のガラスを含有する導電ペースト」であり、「電極」は、「本発明のガラスを含有する導電ペーストを用いて得られる電極」を意味する。
<ガラス-第1発明>
以下、本発明の一実施形態である第1発明のガラスについて説明する。第1発明のガラスは、酸化物換算の質量%表示で、Vを40%以上85%以下、ZnOを0.1%以上20%以下、BaOを0.1%以上30%以下、Alを0.1%以上20%以下、およびBを1.0%以上60%以下含む。
第1発明のガラスにおいて、Vは、ガラスの軟化流動性を向上させ、該ガラスを含有する導電ペーストを用いて得られる電極において、電極と絶縁膜及び半導体基板との接触性を得るための、必須の成分である。
電極と絶縁膜及び半導体基板との接触性を向上するには、電極と絶縁膜及び半導体基板との界面における導電性金属の析出を促進することが重要である。特に、導電性金属がAgの場合、Vの一部がVやVとなり、前記界面におけるAgの析出を促進して電極と絶縁膜及び半導体基板との接触性を容易に調整できる。その結果、その後の電極と半導体基板との反応を進め、接触抵抗を下げるとともに、電極と絶縁膜との接着性を向上できる。
は、さらに、導電ペーストにおいて導電性金属の濡れ性を高めて、導電性金属同士の結合性を高めることにより電極の電気抵抗を低減できる。また、電極形成時に導電性金属表面の酸化膜生成を調整し、耐候性を調整できる。導電性金属がAlの場合、特にその効果が高い。
第1発明のガラスは、Vを40%以上85%以下の割合で含有する。Vの含有量を40%以上とすることにより、電極と絶縁膜及び半導体基板との界面における導電性金属、特にAgを十分に析出でき、電極と絶縁膜並びに半導体基板との接触性が向上し、また電極における導電性金属同士の結合が十分なものとなる。Vの含有量は、好ましくは44%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは54%以上である。
また、Vの含有量を85%以下とすることにより、導電性金属の過剰な析出、ガラスと絶縁膜との過剰反応による接合強度の低下を抑制する。Vの含有量は、好ましくは78%以下であり、より好ましくは68%以下、さらに好ましくは65%以下である。
第1発明のガラスにおいてZnOは必須の成分である。ZnOは、ガラスの結晶化を抑制し、ガラスとSi基板等の半導体基板上の絶縁膜やSi基板との反応性を向上させる成分である。第1発明のガラスは、ZnOを0.1%以上20%以下の割合で含有する。ZnOの含有量を0.1%以上とすることにより、ガラスとSi基板等の半導体基板上の絶縁膜やSi基板との反応性が高まり、十分な接合強度が得られ、電極と半導体基板との電気抵抗の増加を抑制できる。ZnOの含有量は、好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上、さらに好ましくは3%以上である。ZnOの含有量を20%以下とすることにより、電極形成時におけるガラスと絶縁膜との過剰な反応を抑制し、電極接合強度および耐酸性等の耐候性を向上できる。ZnOの含有量は、好ましくは15%以下、より好ましくは14%以下、さらに好ましくは10%以下である。
第1発明のガラスにおいてBaOは、電極と半導体基板との接触抵抗を下げる必須の成分である。BaOはガラス成分としても機能し、修飾酸化物としてガラスを安定化させる。第1発明のガラス中のBaOの含有量は、0.1%以上30%以下である。BaOの含有量が0.1%以上であることにより、電極形成時に電極と半導体基板との接触抵抗の上昇を抑制し、例えば、太陽電池における変換効率を向上できる。BaOの含有量は、好ましくは5%以上であり、より好ましくは7%以上、さらに好ましくは10%以上である。BaOの含有量を30%以下とすることにより、ガラスの結晶化を抑制し得る。BaOの含有量は、好ましくは27%以下であり、より好ましくは25%以下、さらに好ましくは22%以下である。
第1発明のガラスは、Alを0.1%以上20%以下の割合で含有する。Alの含有量が0.1%以上であることにより、耐候性を向上するとともに、ガラスを安定化し得る。Alの含有量は、好ましくは1%以上であり、より好ましくは1.5%以上、さらに好ましくは2%以上である。Alの含有量を20%以下とすることにより、ガラス転移温度の上昇を抑制し、焼結時にガラスが十分に流動する。Alの含有量は、好ましくは15%以下、より好ましくは12%以下、さらに好ましくは10%以下である。
第1発明のガラスの一実施態様としては、例えば、ZnOの含有量が1%以上であり、BaOの含有量が5%以上であり、Alの含有量が1%以上である態様が好ましい。
第1発明のガラスにおいてBは必須の成分である。Bは、ガラスの軟化流動性を向上させ、電極と絶縁膜並びに半導体基板との接触性を向上させる機能を有する。また、Bは、ガラスの網目構造形成成分であり、ガラスを安定化させる成分である。
第1発明のガラスは、Bを1.0%以上60%以下の割合で含有する。Bの含有量を1.0%以上とすることにより、電極形成時にガラスが十分に流動しやすく、電極と絶縁膜並びに半導体基板との接触を十分に確保できる。Bの含有量は、好ましくは1.5%以上であり、より好ましくは3%以上である。また、Bの含有量を60%以下とすることにより、耐候性を向上し得る。Bの含有量は、好ましくは50%以下、より好ましくは35%以下、さらに好ましくは25%以下である。
第1発明のガラスは、VとBの含有量の合計(V+B)が50%以上であることが好ましく、より好ましくは55%以上、さらに好ましくは60%以上である。(V+B)を50%以上とすることにより、ガラスの軟化点が高くなるのを抑制して流動性の低下を防ぎ、セル焼成時にガラスが十分に流動するとともに、電極と絶縁膜並びに半導体基板との接触を十分に確保できる。また、電極において導電性金属同士の結合が十分なものとなる。(V+B)は90%以下であることが好ましく、より好ましくは85%以下、さらに好ましくは82%以下である。(V+B)を90%以下とすることにより耐酸性等の耐候性を向上できる。
第1発明のガラスは、BaOとZnOとBの含有量の合計(BaO+ZnO+B)が15%以上であることが好ましく、より好ましくは18%以上、さらに好ましくは20%以上である。(BaO+ZnO+B)を15%以上とすることにより、ガラスとしての安定性を向上し、セル化したときに基板との反応性を高めて接触抵抗の増大を抑制できる。(BaO+ZnO+B)は55%以下であることが好ましく、より好ましくは50%以下であり、さらに好ましくは45%以下である。(BaO+ZnO+B)を55%以下とすることにより、ガラスと基板とが過剰に反応して電極外観が悪化するのを抑制し、耐酸性等の耐候性を向上できる。すなわち、(BaO+ZnO+B)を前記範囲内とすることにより、耐候性を維持しつつ、接触抵抗を下げることが可能となる。
第1発明のガラスは、BaOとAlとの含有量の合計(BaO+Al)が10%以上であることが好ましく、より好ましくは13%以上、さらに好ましくは15%以上である。(BaO+Al)を10%以上とすることにより、ガラスとしての安定性を十分に担保できる。(BaO+Al)は30%以下であることが好ましく、より好ましくは28%以下、さらに好ましくは27%以下である。(BaO+Al)が30%以下であることにより、ガラスの流動性が低下するのを抑制し、電極と絶縁膜並びに半導体基板との接触を十分に確保できる。すなわち、(BaO+Al)が前記範囲内であれば耐候性を維持しながら十分な接触を確保できる。
第1発明のガラスは、BaOとZnOとAlの含有量の合計(BaO+ZnO+Al)とVとBの含有量の合計(V+B)との比(BaO+ZnO+Al)/(V+B)が0.1以上であることが好ましく、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.25以上である。(BaO+ZnO+Al)/(V+B)が0.1以上であることにより、ガラスとしての安定性が向上する。また、(BaO+ZnO+Al)/(V+B)は1.0以下であることが好ましく、より好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.6以下である。(BaO+ZnO+Al)/(V+B)が1.0以下であることにより、電極と絶縁膜並びに半導体基板との十分な接触を確保できる。
第1発明のガラスは、上記成分以外のその他の任意成分(以下、「他の成分」とも略す。)を本発明の目的を損なわない範囲で含有してもよい。他の成分として、具体的には、PbO、P、Sb、LiO、NaO、KO、ZrO、Fe、CuO、Sb、SnO、MnO、MnO、CeO、TiO、SiO、SrO、MoOおよびWO等の通常ガラスに用いられる各種酸化物成分が挙げられる。また、第1発明のガラスは、Biを実質的に含まないことが好ましい。Biは還元されやすいため、熔解中に金属Biへ還元され、ガラス中に析出することがある。金属Biがガラス中に含まれると、太陽電池中でリーク電流が発生し、変換効率の低下を招くおそれがある。Biを実質的に含まないとは、0.04%以下であることを意味する。
他の成分は、目的に応じて、1種が単独で、または2種以上が組み合せて用いられる。その他の任意成分の含有量は、各成分について20%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、5%以下が一層好ましい。さらに、他の成分の合計含有量は20%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。
第1発明のガラスは、ガラス転移温度250℃以上500℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度を250℃以上とすることにより、焼結時にガラスの流動性が必要以上に高くなるのを抑制できる。ガラスの流動性が高すぎると、例えば、導電ペーストに用いた場合に、導電性成分とガラスが分離してしまい、得られる電極において十分な電気伝導性を提供できない場合がある。また、ガラス転移温度を250℃以上とすることにより、電極形成時にガラスが絶縁膜と過剰に反応するのを抑制し、電極外観が悪化するのを防止できる。ガラス転移温度を500℃以下とすることにより、焼結時にガラスが十分に流動でき、特性を安定化し得る。ガラス転移温度はより好ましくは280℃以上450℃以下であり、さらに好ましくは300℃以上400℃以下である。
本発明においてガラス転移温度は、リガク社製、示差熱分析(DTA)装置TG8110にて昇温速度;10℃/分で測定して得られたDTAチャートの第1屈曲点を求めることにより得られる。
第1発明のガラスの製造方法は、特に限定されない。具体的には例えば、以下に示す方法で製造できる。
まず、原料混合物を準備する。原料は、通常の酸化物系のガラスの製造に用いる原料であれば特に限定されず、酸化物や炭酸塩等を使用できる。得られるガラスにおいて、上記組成範囲となるように原料の種類および割合を適宜調整して原料混合物とする。
次に、原料混合物を公知の方法で加熱して溶融物を得る。加熱溶融する温度(溶融温度)は、1100~1600℃が好ましく、1300~1600℃がより好ましい。加熱溶融する時間は、30~300分が好ましい。
その後、溶融物を冷却し固化することにより、本発明のガラスが得られる。冷却方法は特に限定されない。ロールアウトマシン、プレスマシン、冷却液体への滴下等により急冷する方法をとることもできる。得られるガラスは完全に非晶質である、すなわち結晶化度が0%であることが好ましい。ただし、本発明の効果を損なわない範囲であれば、結晶化した部分を含んでいてもよい。
こうして得られる第1発明のガラスは、いかなる形態であってもよい。例えば、ブロック状、板状、薄い板状(フレーク状)、粉末状等であってもよい。
第1発明のガラスは、結合剤としての機能を有しており、導電ペーストに用いることが好ましい。第1発明のガラスを含有する導電ペーストは、例えば、太陽電池の電極形成に好適に用いられる。第1発明のガラスを導電ペーストに含有させる場合、ガラスは粉末であることが好ましい。また、第1発明のガラスを導電ペーストに含有させる場合、電極と半導体基板との接触抵抗を下げる観点から、他のガラスとともに用いられることが好ましい。前記他のガラスは、鉛をベースとするガラスであることが好ましく、具体的にはPbOを20%以上含むことが好ましく、25%以上含むことがより好ましい。
また、前記他のガラスは、鉛-テルルをベースとするガラスであることがより好ましい。具体的には、前記他のガラスはPbOとTeOを含み、PbOとTeOの合計(PbO+TeO)は、40%以上が好ましく、50%以上であることがより好ましい。
<本発明のガラス-第2発明>
以下、本発明の一実施形態である第2発明のガラスについて説明する。第2発明の一態様としては、例えば、PbOを含有するガラスに上記した第1発明のガラスを添加したガラスが挙げられる。
第2発明のガラスにおける第1発明のガラスの含有量は、導電性金属の析出を促進して接触抵抗を下げる観点から、1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。また、上限はファイアスルー性の観点から通常30質量%以下であることが好ましく、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。
第2発明のガラスは、酸化物換算の質量%表示で、PbOを15%以上70%以下、
TeOを0%以上50%以下、Vを2%以上25%以下、ZnOを0.05%以上4%以下、BaOを0.1%以上8%以下、Alを0.05%以上3%以下、Bを0.05%以上11%以下含む。
第2発明のガラスは、PbOを15%以上70%以下の割合で含有する。PbOの含有量を15%以上とすることにより、ファイアスルーが進み、電極と絶縁膜並びに半導体基板との十分な接触を確保できる。PbOの含有量は、好ましくは17%以上、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは22%以上である。
また、PbOの含有量を70%以下とすることにより、過剰なファイアスルーを防ぐことができる。PbOの含有量は、好ましくは65%以下、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは30%以下である。
第2発明のガラスは、TeOを0%以上50%以下の割合で含有する。TeOを含有する場合、その含有量はAg粒子との濡れ性の観点から、5%以上であることが好ましく、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上である。また、TeOの含有量が50%以下であることにより、ファイアスルー性を十分確保できる。TeOの含有量は、好ましくは45%以下、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは35%以下である。
第2発明のガラスは、Vを2%以上25%以下の割合で含有する。Vの含有量を2%以上とすることにより、電極と絶縁膜並びに半導体基板との接触性が向上し、また電極における導電性金属同士の結合が十分なものとなる。Vの含有量は好ましくは3%以上、より好ましくは4%以上、さらに好ましくは5%以上である。Vの含有量を25%以下とすることにより、ガラスと絶縁膜との過剰反応による導電性金属の過剰な析出、ガラスと絶縁膜との過剰反応による接合強度の低下を抑制する。Vの含有量は、好ましくは20%以下であり、より好ましくは18%以下、さらに好ましくは15%以下である。
第2発明のガラスは、ZnOを0.05%以上4%以下の割合で含有する。ZnOの含有量を0.05%以上とすることにより、ガラスとSi基板等の半導体基板上の絶縁膜やSi基板との反応性が高まり、十分な接合強度が得られ、電極と半導体基板との電気抵抗の増加を抑制できる。ZnOの含有量を4%以下とすることにより、電極形成時におけるガラスと絶縁膜との過剰な反応を抑制し、接合強度および耐酸性等の耐候性を向上できる。ZnOの含有量は、好ましくは3.5%以下、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは2%以下である。
第2発明のガラスは、BaOを0.1%以上8%以下の割合で含有する。BaOの含有量を0.1%以上とすることにより、電極形成時に電極と半導体基板との接触抵抗の上昇を抑制し、例えば、太陽電池における変換効率を向上できる。BaOの含有量は、好ましくは0.3%以上であり、より好ましくは0.5%以上である。BaOの含有量を8%以下とすることにより、ガラスの結晶化を抑制し得る。BaOの含有量は、好ましくは6%以下であり、より好ましくは4%以下、さらに好ましくは3%以下である。
第2発明のガラスは、Alを0.05%以上3%以下の割合で含有する。Alの含有量を0.05%以上とすることにより、耐候性を向上するとともに、ガラスを安定化し得る。Alの含有量は、好ましくは0.1%以上であり、より好ましくは0.3%以上、さらに好ましくは0.5%以上である。Alの含有量を3%以下とすることにより、ガラス転移温度の上昇を抑制し、焼結時にガラスが流動できなくなるのを防ぐ。Alの含有量は、好ましくは2.8%以下、より好ましくは2.5%以下、さらに好ましくは2%以下である。
第2発明のガラスは、Bを0.05%以上11%以下の割合で含有する。Bの含有量を0.05%以上とすることにより、電極形成時にBをSi半導体基板中に拡散しやすい。Bの含有量は、好ましくは0.1%以上であり、より好ましくは0.2%以上、さらに好ましくは0.3%以上である。また、Bの含有量を11%以下とすることにより、耐候性を向上し得る。Bの含有量は、好ましくは8%以下、より好ましくは6%以下、さらに好ましくは5%以下である。
また、第2発明のガラスは、Biを実質的に含まないことが好ましい。Biは還元されやすいため、熔解中に金属Biへ還元され、ガラス中に析出することがある。金属Biがガラス中に含まれると、太陽電池中でリーク電流が発生し、変換効率の低下を招くおそれがある。Biを実質的に含まないとは、0.04%以下であることを意味する。
第2発明のガラスは、VとBの含有量の合計(V+B)が2.05%以上であることが好ましく、より好ましくは4%以上、さらに好ましくは6%以上である。(V+B)が2.05%以上であることにより、ガラスの軟化点が高くなるのを抑制して流動性の低下を防ぎ、セル焼成時にガラスが十分に流動するとともに、電極と絶縁膜並びに半導体基板との接触を十分に確保できる。また、電極において導電性金属同士の結合が十分なものとなる。(V+B)は22%以下が好ましく、より好ましくは20%以下、さらに好ましくは18%以下である。(V+B)を22%以下とすることにより耐酸性等の耐候性を向上できる。
第2発明のガラスは、BaOとZnOとBの含有量の合計(B+BaO+ZnO)が1%以上であることが好ましく、より好ましくは2%以上、さらに好ましくは3%以上である。(B+BaO+ZnO)を1%以上とすることにより、ガラスとしての安定性を向上し、セル化したときに基板との反応性を高めて接触抵抗の増大を抑制できる。(B+BaO+ZnO)は14%以下であることが好ましく、より好ましくは12%以下であり、さらに好ましくは10%以下である。(BaO+ZnO+B)を14%以下とすることにより、ガラスと基板とが過剰に反応して電極外観が悪化するのを抑制し、耐酸性等の耐候性を向上できる。すなわち、(BaO+ZnO+B)を前記範囲内とすることにより、耐候性を維持しつつ、接触抵抗を下げることが可能となる。
第2発明のガラスは、BaOとAlとの含有量の合計(BaO+Al)が0.5%以上であることが好ましく、より好ましくは1%以上、さらに好ましくは1.5%以上である。(BaO+Al)を0.5%以上とすることにより、ガラスとしての安定性を十分に担保できる。(BaO+Al)は8%以下であることが好ましく、より好ましくは6%以下、さらに好ましくは4%以下である。(BaO+Al)が8%以下であることにより、ガラスの流動性が低下するのを抑制し、電極と絶縁膜並びに半導体基板との接触を十分に確保できる。すなわち、(BaO+Al)が前記範囲内であれば耐候性を維持しながら十分な接触を確保できる。
第2発明のガラスは、PbOとTeOとVの含有量の合計(PbO+TeO+V)が50%以上であることが好ましく、より好ましくは55%以上、さらに好ましくは58%以上である。(PbO+TeO+V)が50%以上であることにより、電極と絶縁膜並びに半導体基板との十分な接触が確保できる。(PbO+TeO+V)は80%以下であることが好ましく、より好ましくは70%以下、さらに好ましくは68%以下、特に好ましくは65%以下である。(PbO+TeO+V)が80%以下であることにより、ガラスが基板と過剰に反応するのを抑制し、電極外観を高めるとともに、耐酸性等の耐候性を向上できる。
第2発明のガラスは、BaOとZnOとAlの含有量の合計(BaO+ZnO+Al)とVとBの含有量の合計(V+B)との比(BaO+ZnO+Al)/(V+B)が0.1以上であることが好ましく、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.25以上である。(BaO+ZnO+Al)/(V+B)は1.0以下であることが好ましく、より好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.6以下である。(BaO+ZnO+Al)/(V+B)が1.0以下であることにより、結晶化を抑制し、電極と絶縁膜並びに半導体基板との十分な接触が確保できる。
第2発明のガラスは、VとPbOの比(V/PbO)が0.05以上であることが好ましく、より好ましくは0.1以上、さらに好ましくは0.15以上である。(V/PbO)が0.05以上であることにより、Vによる還元効果が十分に発揮でき、Ag等の導電性成分の析出が促進されて、十分な接触を確保できる。(V/PbO)は1.0以下が好ましく、より好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.6以下である。(V/PbO)が1.0以下であることにより、Vガラスの界面への過剰な流出を抑制し、十分にパッシベーション膜をファイアスルーし得る。
第2発明のガラスの製造方法は特に限定されず、第1発明のガラスと同様の方法で製造できる。また、上述したように、例えば、PbOを含有するガラスに上記した第1発明のガラスを添加することにより製造できる。
第2発明のガラスは、第1発明のガラスと同様に、いかなる形態であってもよい。例えば、ブロック状、板状、薄い板状(フレーク状)、粉末状等であってもよい。
第2発明のガラスは、結合剤としての機能を有するとともに、耐候性を有しており導電ペーストに用いることが好ましい。第2発明のガラスを含有する導電ペーストは、例えば、太陽電池の電極形成に好適に用いられる。第2発明のガラスを導電ペーストに含有させる場合、ガラスは粉末であることが好ましい。
<ガラス粉末>
本発明のガラス粉末は、本発明のガラスからなり、D50が0.8μm以上6.0μm以下であることが好ましい。このD50の範囲は、導電ペーストに用いるのに特に好ましい範囲である。D50が0.8μm以上であることで、導電ペーストとした際の分散性がより向上する。また、D50が6.0μm以下であることで、導電性金属粉末の周りにガラス粉末が存在しない個所が発生しにくいため、電極と半導体基板等との接着性がより向上する。この場合、D50は、より好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは1.2μm以上である。D50は、より好ましくは5.0μm以下、さらに好ましくは3μm以下である。
なお、本明細書において、「D50」は、累積粒度分布における体積基準の50%粒径を示し、具体的には、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した粒径分布の累積粒度曲線において、その積算量が体積基準で50%を占めるときの粒径を表す。
本発明のガラス粉末は、上記のようにして製造されたガラスを、例えば、乾式粉砕法や湿式粉砕法によって上記特定の粒度分布を有するように粉砕することにより得られる。
本発明のガラス粉末を得るためのガラスの粉砕方法は、例えば、適当な形状のガラスを乾式粉砕した後、湿式粉砕する方法が好ましい。乾式粉砕および湿式粉砕は、例えばロールミル、ボールミル、ジェットミル等の粉砕機を用いて実施できる。粒度分布は、例えば、各粉砕における粉砕時間や、ボールミルのボールの大きさ等粉砕機の調整によって調整し得る。湿式粉砕法の場合、溶媒として水を用いることが好ましい。湿式粉砕の後、乾燥等により水分を除去して、ガラス粉末が得られる。ガラス粉末の粒径を調整するために、ガラスの粉砕に加えて、必要に応じて分級を行ってもよい。
<導電ペースト>
本発明のガラスは、ガラス粉末として導電ペーストに適用できる。本発明のガラスによる導電ペーストは、上記本発明のガラス粉末、導電性金属粉末および有機ビヒクルを含有する。
本発明の導電ペーストが含有する導電性金属粉末は、半導体基板や絶縁性基板等の回路基板(積層電子部品を含む)上に形成される電極に通常用いられる金属の粉末が特に制限なく用いられる。導電性金属粉末として、具体的には、Ag、Al、Cu、Au、Pd、Pt等の粉末が挙げられ、これらのうちでも、生産性の点からAg粉末、Al粉末が好ましい。凝集が抑制され、かつ、均一な分散性が得られる観点から導電性金属粉末の粒子径はD50が、0.3μm以上10μm以下が好ましく、より好ましくは0.5μm以上6μm以下、さらに好ましくは0.7μm以上4μm以下である。
導電ペーストにおける導電性金属粉末の含有量は、導電ペーストの全質量に対して63.0質量%以上97.9質量%以下とすることが好ましい。導電性金属粉末の含有量が63.0質量%以上であると、導電性金属粉末のさらなる焼結を抑制し、ガラス浮き等の発生を抑制できる。また、導電性金属粉末の含有量を97.9質量%以下とすることにより、導電性金属粉末の周りをガラス析出物で十分に覆い易い。また、電極と半導体基板や絶縁性基板等の回路基板との接着性を向上できる。導電ペーストの全質量に対する導電性金属粉末の含有量は、より好ましくは75.0質量%以上95.0質量%以下である。
導電ペーストにおけるガラスの含有量は、例えば、導電性金属粉末100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下とすることが好ましい。ガラスの含有量を0.1質量部以上とすることにより、導電性金属粉末の周りをガラス析出物により十分に覆い易い。また、電極と半導体基板や絶縁性基板等の回路基板との接着性を向上できる。また、ガラス粉末の含有量を10質量部以下であることにより、導電性金属粉末のさらなる焼結を抑制し、ガラス浮き等の発生を抑制できる。導電性金属粉末100質量部に対するガラス粉末の含有量は、より好ましくは0.5質量部以上5質量部以下である。
導電ペーストが含有する、有機ビヒクルとしては、例えば、有機樹脂バインダーを溶媒に溶解して得られる有機樹脂バインダー溶液が挙げられる。
有機ビヒクルに用いる有機樹脂バインダーとしては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、オキシエチルセルロース、ベンジルセルロース、プロピルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート等のアクリル系モノマーの1種以上を重合して得られるアクリル系樹脂等の有機樹脂が挙げられる。
有機ビヒクルに用いる溶媒としては、例えば、セルロース系樹脂の場合はターピネオール、ブチルジグリコールアセテート、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールジアセテート等の溶媒が好ましく挙げられる。また、例えば、アクリル系樹脂の場合はメチルエチルケトン、ターピネオール、ブチルジグリコールアセテート、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールジアセテート等の溶媒が好ましく挙げられる。
有機ビヒクルにおける有機樹脂バインダーと溶媒の割合は、特に制限されないが、得られる有機樹脂バインダー溶液が導電ペーストの粘度を調整できる粘度となるように選択される。具体的には、有機樹脂バインダー:溶媒で示す質量比として、3:97~15:85程度が好ましい。
導電ペーストにおける有機ビヒクルの含有量は、導電ペースト全量に対して2質量%以上30質量%以下であることが好ましい。有機ビヒクルの含有量を2質量%以上とすることにより、導電ペーストの粘度が上昇するのを抑制し、導電ペーストの印刷等の塗布性を向上し、良好な導電層(電極)を形成し易い。また、有機ビヒクルの含有量を30質量%以下とすることにより、導電ペーストの固形分の含有割合が低くなるのを防ぎ、十分な塗布膜厚が得られる。
本発明の導電ペーストの一態様として、Ag、Al、Cu、Au、PdおよびPtからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む金属を導電ペーストの全質量に対して63.0~97.9質量%含み、酸化物換算の質量%表示で、PbOを15~70%、TeOを0~50%、Vを2~25%、ZnOを0.05~4%、BaOを0.1~8%、Alを0.05~3% 、およびBを0.05~11%含むガラスを上記金属100質量部に対して0.1~9.8質量部含み、有機ビヒクルを導電ペーストの全質量に対して2~30質量%含む導電ペーストが挙げられる。本態様におけるガラスは第2発明のガラスである。本態様の導電ペーストが含有するガラス、金属および有機ビヒクルについて、組成、種類、形態、含有量等の好ましい態様は、上記と同様にできる。
本発明の導電ペーストには、上記したガラス、導電性金属粉末、および有機ビヒクルに加え、必要に応じて、かつ、本発明の目的に反しない限度において公知の添加剤を配合できる。
このような添加剤としては、例えば、各種無機酸化物が挙げられる。無機酸化物として、具体的には例えば、B、ZnO、SiO、Al3、TiO、MgO、ZrOおよびSb、並びにこれらの複合酸化物等が挙げられる。これらの無機酸化物は、導電ペーストの焼成に際し、導電性金属粉末の焼結を和らげる効果があり、それにより、焼成後の接合強度を調整する作用を有する。これらの無機酸化物からなる添加剤の大きさは特に限定されるものではないが、例えば、D50が10μm以下のものを好適に使用できる。
導電ペーストにおける、無機酸化物の含有量は目的に応じて適宜に設定されるものであるが、ガラス粉末に対して、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下である。ガラス粉末に対する無機酸化物の含有量が10質量%以下であることにより、電極形成時における導電ペーストの流動性が低下するのを抑制し、電極と半導体基板や絶縁性基板等の回路基板との十分な接合強度が確保できる。また、実用的な配合効果(焼成後の接合強度の調整)を得るためには、上記含有量の下限値は好ましくは0.5質量%、より好ましくは1.0質量%である。
導電ペーストには、消泡剤や分散剤のように導電ペーストで公知の添加物を加えてもよい。なお、上記有機ビヒクルおよびこれらの添加物は、通常、電極形成の過程で消失する成分である。導電ペーストの調製には、撹拌翼を備えた回転式の混合機や擂潰機、ロールミル、ボールミル等を用いた公知の方法を適用できる。
半導体基板や絶縁性基板等の回路基板上への導電ペーストの塗布、および焼成は、従来の電極形成における塗布、焼成と同様の方法により実施できる。塗布方法としては、スクリーン印刷、ディスペンス法等が挙げられる。焼成温度は、含有する導電性金属粉末の種類、表面状態等によるが、概ね500~1000℃の温度が例示できる。焼成時間は、形成しようとする電極の形状、厚さ等に応じて適宜調整される。また、導電ペーストの塗布と焼成の間に、80~200℃程度での乾燥処理を設けてもよい。
<太陽電池>
本実施形態に係る太陽電池は、上記<導電ペースト>に記載の導電ペーストを用いて形成した電極、具体的には、半導体基板上に焼付けられた電極を備える。本実施形態に係る太陽電池においては、電極の少なくとも1つが、上記導電ペーストを用いて、ファイアスルーにより、絶縁膜を部分的に貫通して半導体基板に接触する形に設けられた電極であることが好ましい。
太陽電池が有するこのような絶縁膜を貫通する電極としては、例えば、pn接合型の半導体基板を用いた太陽電池の受光面の電極として反射防止膜である絶縁膜を部分的に貫通して半導体基板に接触する形に設けられた電極が挙げられる。反射防止膜である絶縁膜を構成する絶縁材料としては窒化珪素、二酸化チタン、二酸化珪素、酸化アルミニウム等が挙げられ、絶縁材料は1層以上であればよく、2層からなることが好ましい。この場合、受光面は半導体基板の片面であっても両面であってもよく、半導体基板はn型、p型のいずれであってもよいが、より太陽電池の効率を上げるためには、両面であることが好ましく、半導体基板はp型であることが好ましい。このような太陽電池の受光面に設けられる電極は、上記導電ペーストを用いてファイアスルーにより形成できる。
本実施形態に係る太陽電池の構成例について以下に説明するが、本実施形態に係る太陽電池の構成は当該構成例に限定されない。
当該構成例に係る太陽電池は、太陽光受光面(以下単に「受光面」または「表面」ともいう)を有するシリコン基板と、シリコン基板の受光面に設けられた第1の絶縁膜と、シリコン基板の受光面とは反対側の面(以下単に「裏面」ともいう)に設けられた、少なくとも一つの開口部を有する第2の絶縁膜と、第1の絶縁膜の一部を貫通してシリコン基板に接触する第1の電極と、シリコン基板に前記第2の絶縁膜の前記開口部を介して部分的に接触する第2の電極と、を備える。
当該構成例において、第1の電極は本実施形態に係る導電ペーストを用いてファイアスルーにより形成された電極であり、Al、Ag、Cu、Au、PdおよびPtからなる群から選択される少なくとも1種を含む金属と、本実施形態に係るガラスとを含むことが好ましい。
第1の電極は当該金属を90質量%以上99.9質量%以下含み、本実施形態に係るガラス組成物を0.1質量%以上10質量%以下含むことがより好ましい。また、第1の電極は少なくともAgを含むことがより好ましい。
また、当該構成例において、第1の電極と第2の絶縁膜は、シリコン基板の両面に接する酸化金属膜と、酸化金属膜上にさらに窒化珪素膜とを備えることがより好ましい。酸化金属膜は、酸化アルミニウム又は酸化珪素からなることがより好ましい。
以下、本発明について実施例を参照してさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されない。例1~10、17~26、30~37は実施例であり、例11~16、27~29、38~40は比較例である。
(例1~16)
以下の方法でガラスを薄板状ガラスとして製造し、薄板状ガラスからガラス粉末を製造した。ガラス粉末の粒度分布を測定するとともに、ガラス粉末を用いてガラスのガラス転移温度を測定した。
<ガラス(薄板状ガラス)の製造>
酸化物基準の質量%表示で、表1に示す組成となるように原料粉末を配合、混合し、900~1600℃の電気炉中でルツボを用いて30分から1時間溶融し、表1に示す組成のガラスからなる薄板状ガラスを成形した。
<ガラス粉末の製造>
各例において、得られた薄板状ガラスを乾式粉砕と湿式粉砕を組み合せて以下のとおり粉砕して粒度分布を調整した。得られたガラス粉末の粒度分布を測定するとともに、ガラス粉末を用いてガラス転移温度を測定した。
ボールミルで20時間乾式粉砕し、150メッシュの篩にて粗粒を除去した。次いで、上記で得られた乾式粉砕後、粗粒を除去したガラス粉末を、D50が所定の範囲となるように、ボールミルでイソプロピルアルコール(IPA)を用いて湿式粉砕することで、所望の粒度分布のガラス粉末を製造した。この湿式粉砕の際に、所定のD50を得るために直径5mmのアルミナ製のボールを用いた。その後、湿式粉砕で得られたスラリーを濾過して、IPAを除去するために乾燥機により130℃で乾燥して、ガラス粉末を製造した。
<評価>
各例のガラスについて以下の方法でガラス転移温度およびガラス粉末のD50を評価した。結果を組成とともに表1に示す。なお、ガラス組成の各成分の欄において空欄は、含有量「0%」を示す。
(ガラス転移温度)
得られたガラス粉末をアルミニウム製のパンにつめ、リガク社製、示差熱分析装置TG8110にて昇温速度を10℃/分にて測定した。測定で得られたDTAチャートの第1屈曲点をガラス転移温度(表1中、「DTA Tg」と示す。)とした。表1中、「NG」はガラス化しなかったためガラス転移温度が測定できなかったことを示す。
(D50
イソプロピルアルコール(IPA)60ccに対してガラス粉末0.02gを混ぜ、超音波分散により1分間分散させた。マイクロトラック測定機(レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置)に試料投入し、D50の値を得た。
結果を表1に示す。
Figure 2023004853000002
表1に示すように、実施例である例1~4、6~10は、比較例である例11と比較してのガラス転移温度が低く、焼結時におけるガラスの流動性が十分に確保できることがわかった。また、実施例である1~10は、比較例である例13~16と比較してD50の値が大きく、導電ペーストとした際の分散性に優れていることがわかった。
(例17~40)
上記で作製した例1~12のガラス粉末とPbOおよびTeOを含有する例13~16のガラス粉末とを表2に示す割合で混合して、例17~28、例30~37のガラス粉末を得た。また例29および例38~40のガラス粉末は例13および例14~16と同様とした。ガラス組成を表2に示す。
<導電ペーストの製造>
例17~40のガラス粉末をそれぞれ含有するAg電極形成用導電ペーストを以下の方法で作製した。
まず、エチルセルロース5質量部にブチルジグリコールアセテート95質量部を混合し、85℃で2時間撹拌して有機ビヒクルを調製した。次に、得られた有機ビヒクル15質量部を、Ag粉末(DOWAエレクトロニクス社製、球状銀粉:AG-4-8F)85質量部に混合した後、擂潰機により10分間混練した。その後、例1~11のガラス粉末を、金属粉末であるAg粉末100質量部に対して2質量部の割合で配合し、さらに擂潰機により90分間混練することで、Ag電極形成用導電ペーストを得た。
<評価>
(接触抵抗の測定)
上記で作製したAg電極形成用導電ペーストをそれぞれ用いて、以下のようにして半導体基板上に絶縁膜(窒化珪素層から成る1層膜)を介してAg電極を形成し、その際の絶縁膜貫通性(ファイヤースルー性)について評価した。
接触抵抗の測定方法について図1及び図2を参照して説明する。図1は、本発明の導電ペーストを用いて電極形成されたp型Si基板両面受光型太陽電池の一例の断面を模式的に示した図である。図2は、接触抵抗Rc[Ω]を評価する際に使用したSi基板に形成した電極パターンを示した図である。
160μmの厚みにスライスされたp型の結晶系Si半導体基板を用いて、まず、Si半導体基板のスライス面を洗浄するために、表面および裏面をフッ酸でごく微量程度エッチング処理した。その後、Si半導体基板の受光面にウエットエッチング法を用いて、光反射率を低減させるような凹凸構造を形成した。
次に、Si半導体基板の受光面にn層を拡散にて形成した。n型化のドーピング元素としてはP(リン)を用いた。このようにしてn層を有するp型Si半導体基板を得た。次に、p型Si半導体基板の受光面(n層の表面)に反射防止膜を形成した。反射防止膜の材料としては、おもに、窒化珪素を用い、プラズマCVDにて80nmの厚さに形成した。次に、半導体基板のn層に対して裏面(p型Si基板の表面)に絶縁膜を形成した。絶縁膜の材料としては、おもに、窒化珪素と酸化アルミニウムを用い、ALD(Atomic Layer Deposition)にて酸化アルミニウム層を10nmの厚さに形成した後に、その上層にプラズマCVDにて窒化珪素層を80nmの厚さに形成した。
次に、得られた反射防止膜付きSi半導体基板の受光面側に側の表面に上記例1~8のガラス粉末を用いて得られたAg電極形成用導電ペーストをスクリーン印刷によりライン状に塗布して、120℃で乾燥させた。
次いで、赤外光加熱式炉を用いてピーク温度が750℃で100秒間焼成を行い、表面Ag電極を形成させて、接触抵抗測定用片面セルを完成させた。なお、焼成によりAg電極は反射防止膜を貫通してSi半導体基板のn層に接触する形に形成された。
上記各例のガラス粉末をそれぞれ含有するAg電極形成用導電ペーストを用いて製造した片面セルの接触抵抗を、TLM法(Transfer length Method)により測定した。上記で得られた、n層側に絶縁膜(窒化珪素層から成る1層膜)を介して形成されたAg電極を有するp型Si半導体基板とAg電極との接触抵抗Rc[Ω]を評価した。接触抵抗Rc[Ω]は、図2のパターンP1にテスターの陽極側を固定させて、パターンP2、P3、P4、P5のそれぞれの位置にテスターの陰極側を当てて電気抵抗を測定し、接触抵抗Rc[Ω]を求めた。結果を表2及び表3示す。
Figure 2023004853000003
Figure 2023004853000004
表2及び表3に示すように、実施例である例17~26及び30~37は、比較例に対して接触抵抗Rcが低く、絶縁膜貫通性、すなわちファイアスルー性に優れていた。この結果から、本発明のガラス粉末を用いることにより、電極と半導体基板との反応を進め、接触抵抗を下げて、かつ、電極と絶縁膜との接着性を向上できることがわかった。
表1~3からわかるように、実施例である例1~10、17~26及び30~37のガラスおよびガラス粉末は、比較例のガラスおよびガラス粉末に比べて、太陽電池の電極を形成するために好適なものである。
10…太陽電池、1…p型Si半導体基板、1a…n層、1b…p型層、2A、2B…反射防止膜、3…Ag電極、4…Al電極、5…Al-Si合金層、6…BSF層、7…開口部。

Claims (19)

  1. 酸化物換算の質量%表示で、
    を40%以上85%以下、
    ZnOを0.1%以上20%以下、
    BaOを0.1%以上30%以下、
    Alを0.1%以上20%以下、および
    を1.0%以上60%以下
    含むガラス。
  2. 酸化物換算の質量%表示で、ZnOを1%以上、BaOを5%以上およびAlを1%以上含む、請求項1に記載のガラス。
  3. 酸化物換算の質量%表示で、VとBの含有量の合計(V+B)が50%以上90%以下である、請求項1または2に記載のガラス。
  4. 酸化物換算の質量%表示で、BaOとZnOとBの含有量の合計(BaO+ZnO+B)が15%以上55%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載のガラス。
  5. 酸化物換算の質量%表示で、BaOとAlとの含有量の合計(BaO+Al)が10%以上30%以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載のガラス。
  6. 酸化物換算の質量%表示で、BaOとZnOとAlの含有量の合計(BaO+ZnO+Al)とVとBの含有量の合計(V+B)との比(BaO+ZnO+Al)/(V+B)が0.1以上1.0以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載のガラス。
  7. ガラス転移温度が250℃以上500℃以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載のガラス。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載のガラスからなるガラス粉末であって、累積粒度分布における体積基準の50%粒径をD50としたときに、D50が0.8μm以上6.0μm以下である、ガラス粉末。
  9. 酸化物換算の質量%表示で、
    PbOを15%以上70%以下、
    TeOを0%以上50%以下、
    を2%以上25%以下、
    ZnOを0.05%以上4%以下、
    BaOを0.1%以上8%以下、
    Alを0.05%以上3%以下、および
    を0.05%以上11%以下、
    含むガラス。
  10. 酸化物換算の質量%表示で、VとBの含有量の合計(V+B)が2.05%以上22%以下である、請求項9に記載のガラス。
  11. 酸化物換算の質量%表示で、BaOとZnOとBの含有量の合計(B+BaO+ZnO)が1%以上14%以下である、請求項9または10に記載のガラス。
  12. 酸化物換算の質量%表示で、BaOとAlとの含有量の合計(BaO+Al)が0.5%以上8%以下である、請求項9~11のいずれか1項に記載のガラス。
  13. 酸化物換算の質量%表示で、PbOとTeOとVの含有量の合計(PbO+TeO+V)が50%以上80%以下である、請求項9~12のいずれか1項に記載のガラス。
  14. 酸化物換算の質量%表示で、BaOとZnOとAlの含有量の合計(BaO+ZnO+Al)とVとBの含有量の合計(V+B)との比(BaO+ZnO+Al)/(V+B)が0.1以上1.0以下である、請求項9~13のいずれか1項に記載のガラス。
  15. 酸化物換算の質量%表示で、VとPbOの比(V/PbO)が0.05以上1.0以下である、請求項9~14のいずれか1項に記載のガラス。
  16. 請求項9~15のいずれか1項に記載のガラスからなるガラス粉末であって、累積粒度分布における体積基準の50%粒径をD50としたときに、D50が0.8μm以上6.0μm以下である、ガラス粉末。
  17. 請求項1~7および9~15のいずれか1項に記載のガラスからなるガラス粉末または請求項8若しくは16に記載のガラス粉末、導電性金属粉末、および有機ビヒクルを含有する導電ペースト。
  18. 請求項17に記載の導電ペーストを用いて形成された電極を備える太陽電池。
  19. 太陽光受光面を有するシリコン基板と、
    前記シリコン基板の前記太陽光受光面側に設けられた第1の絶縁膜と、
    前記シリコン基板の前記太陽光受光面とは反対側の面に設けられた、少なくとも一つの開口部を有する第2の絶縁膜と、
    前記第1の絶縁膜の一部を貫通して前記シリコン基板に接触する第1の電極と、
    前記シリコン基板に前記第2の絶縁膜の前記開口部を介して部分的に接触する第2の電極と
    を備える太陽電池であって、
    前記第1の電極は、Al、Ag、Cu、Au、PdおよびPtからなる群から選択される少なくとも1種を含む金属と、酸化物換算の質量%表示で、PbOを15%以上70%以下、TeOを0%以上50%以下、Vを2%以上25%以下、ZnOを0.05%以上4%以下、BaOを0.1%以上8%以下、Alを0.05%以上3%以下およびBを0.05%以上11%以下含むガラスと、を含む太陽電池。
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