JP2023004171A - ステンレス鋼複合材及びステンレス鋼複合材製造方法 - Google Patents

ステンレス鋼複合材及びステンレス鋼複合材製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023004171A
JP2023004171A JP2021105714A JP2021105714A JP2023004171A JP 2023004171 A JP2023004171 A JP 2023004171A JP 2021105714 A JP2021105714 A JP 2021105714A JP 2021105714 A JP2021105714 A JP 2021105714A JP 2023004171 A JP2023004171 A JP 2023004171A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stainless steel
adhesive member
oxide film
film layer
composite material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021105714A
Other languages
English (en)
Inventor
薫 竪谷
Kaoru Tatsutani
渉 田中
Wataru Tanaka
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Faltec Co Ltd
Original Assignee
Faltec Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Faltec Co Ltd filed Critical Faltec Co Ltd
Priority to JP2021105714A priority Critical patent/JP2023004171A/ja
Publication of JP2023004171A publication Critical patent/JP2023004171A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】干渉色を発現する酸化被膜層に重ねて設けられる塗装膜の剥離を抑止可能なステンレス鋼複合材及びステンレス鋼複合材製造方法を提供する。【解決手段】ステンレス鋼複合材100であって、表面に光の干渉作用に基づく干渉色を発現する酸化被膜層111が設けられたステンレス鋼からなるステンレス鋼基材110と、ステンレス鋼基材110の表面にて酸化被膜層111に形成された凹部113に充填された接着部材120と、接着部材120を介してステンレス鋼基材110に接続された塗装膜130とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ステンレス鋼複合材及びステンレス鋼複合材製造方法に関するものである。
例えば、特許文献1に開示されているように、車両のドア枠には、金属製のサッシュモールが設けられる場合がある。このようなサッシュモールは、例えばステンレス鋼によって形成されている。また、特許文献2に開示されているように、車両のドアパネルには、金属製の芯材が露出されたアウトサイドモールが設けられる場合がある。このようなアウトサイドモールの芯材も、例えばステンレス鋼によって形成される場合がある。
特開2003-72383号公報 実開平7-5847号公報
ところで、ステンレス鋼の表面に光の干渉作用に基づく干渉色を発現させる酸化被膜層を形成することで、ステンレス鋼に干渉色を付与することができる。上述のようにサッシュモールやアウトサイドモール等の車両用外装部品にはステンレス鋼によって形成された部品が多く用いられている。干渉色が付与されたステンレス鋼を用いることで優れた意匠性が得られる。
さらに、このような干渉色が付与されたステンレス鋼に薄い塗装膜を積層形成して、干渉色と塗装膜の色調とが重ね合わされた複雑な色調を得ることも考えられる。また、干渉色が付与された領域に隣接して塗装膜を設けることで、複雑な色調パターンを形成することも考えられる。しかしながら、干渉色を発現する酸化被膜層に直接的に塗装膜を積層させると、酸化被膜層と塗装膜との密着力が弱く塗装膜が剥離しやすい。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、干渉色を発現する酸化被膜層に重ねて設けられる塗装膜の剥離を抑止可能なステンレス鋼複合材及びステンレス鋼複合材製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
本発明の第1の態様は、表面の全範囲あるいは一部の範囲に光の干渉作用に基づく干渉色を発現する酸化被膜層が設けられたステンレス鋼からなるステンレス鋼基材と、上記酸化被膜層に形成された凹部に充填された接着部材と、上記接着部材を介して上記ステンレス鋼基材に接続された塗装膜とを備えるという構成を採用する。
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、上記接着部材が、上記凹部に充填された樹脂部材からなるという構成を採用する。
本発明の第3の態様は、上記第1または第2の態様において、上記ステンレス鋼基材の表面に、上記接着部材が上記凹部に充填された範囲である接着部材充填範囲と、上記接着部材が上記凹部に充填されていない範囲である接着部材非充填範囲とが設けられているという構成を採用する。
本発明の第4の態様は、ステンレス鋼複合材製造方法であって、ステンレス鋼からなるステンレス鋼基材の表面の全範囲あるいは一部の範囲に光の干渉作用に基づく干渉色を発現する酸化被膜層を形成する酸化被膜層形成工程と、上記ステンレス鋼基材の表面の少なくとも一部の範囲にて上記酸化被膜層に形成された凹部に充填された接着部材を形成する接着部材形成工程と、上記接着部材を介して上記ステンレス鋼基材に接続された塗装膜を形成する塗装膜形成工程とを有するという構成を採用する。
本発明の第5の態様は、上記第4の態様において、上記接着部材形成工程では、テープ基材の表面に上記接着部材の形成材料が接着された樹脂テープを上記酸化被膜層に押圧することにより上記接着部材の形成材料を上記凹部に充填するという構成を採用する。
本発明の第6の態様は、上記第5の態様において、上記接着部材の形成材料が流動性を有する樹脂材料からなるという構成を採用する。
本発明によれば、干渉色を発現する酸化被膜層に形成された凹部に充填された接着部材を備え、この接着部材を介して塗装膜がステンレス鋼基材に接続される。このため、直接的に塗装膜をステンレス鋼基材に密着させるよりも、塗装膜のステンレス鋼基材に対する接合力を高めることが可能となる。したがって、本発明によれば、干渉色を発現する酸化被膜層に重ねて設けられる塗装膜の剥離を抑止可能なステンレス鋼複合材及びステンレス鋼複合材製造方法を提供することが可能になる。
本発明の第1実施形態におけるステンレス鋼複合材の概略構成を示す模式図であり、(a)が平面図であり、(b)が(a)のA-A断面図である。 本発明の第1実施形態におけるステンレス鋼複合材の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の第2実施形態におけるステンレス鋼複合材の概略構成を示す模式図であり、(a)が平面図であり、(b)が(a)のB-B断面図である。 本発明の第3実施形態におけるサッシュモール及びアウトサイドモールを備える車両の側面図である。
以下、図面を参照して、本発明に係るステンレス鋼複合材及びステンレス鋼複合材製造方法の一実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のステンレス鋼複合材100の概略構成を示す模式図であり、(a)が平面図であり、(b)が(a)のA-A断面図である。本実施形態のステンレス鋼複合材100は、例えば車両用の部品として用いられる。ただし、本実施形態のステンレス鋼複合材100は、車両以外に設けられる部品に用いることも可能である。
本実施形態のステンレス鋼複合材100は、板状の部材であり、表面101が意匠面とされている。図1(a)においては、ステンレス鋼複合材100の表面101側が図示されている。また、図1(b)においては、ステンレス鋼複合材100の表面101側の一部が図示されている。
図1(b)に示すように、本実施形態のステンレス鋼複合材100は、ステンレス鋼基材110と、接着部材120(樹脂部材)と、塗装膜130とを有している。ステンレス鋼基材110は、ステンレス鋼によって形成された基材であり、表面の全範囲に対して酸化被膜層111を有している。なお、ステンレス鋼基材110のうち、酸化されていない基材厚さ方向における中央部(酸化被膜層111ではない部位)については、基材基部112と称する。
この酸化被膜層111は、光の干渉作用に基づく干渉色を発現するための層であり、表面に開口された多数の凹部113を有している。なお、光の干渉作用に基づく干渉色を発現するとは、外部から視認する者に対して、干渉現象により強められた波長に基づく色調を感じさせることを意味する。つまり、干渉色を発現する酸化被膜層111が設けられることにより、外部の者は、ステンレス鋼複合材100の酸化被膜層111を特定の色調にて視認する。なお、酸化被膜層111の膜厚寸法によって、酸化被膜層111が発現する干渉色の色調が変化する。このため、酸化被膜層111の膜厚寸法を変更することで、外部の者が視認する酸化被膜層111の色調を変化させることができる。このような酸化被膜層111は、例えば黒、赤、緑、青等の任意の色調の干渉色を膜厚寸法に応じて発現可能である。
接着部材120は、酸化被膜層111が有する複数の凹部113に対して充填されている。接着部材120は、樹脂によって形成された樹脂部材であり、塗装膜130の密着性を向上させる。つまり、塗装膜130を接着部材120から引きはがす場合のピール強度は、仮に酸化被膜層111に直接的に接着するように形成した塗装膜130を酸化被膜層111から引きはがす場合のピール強度よりも高い。さらに、接着部材120を酸化被膜層111から引きはがす場合のピール強度は、仮に酸化被膜層111に直接的に接着するように形成した塗装膜130を酸化被膜層111から引きはがす場合のピール強度よりも高い。接着部材120は、凹部113に充填されて形成されているため、アンカー効果等による酸化被膜層111に対する高い密着性を有している。
より具体的には、接着部材120は、例えばアクリル系の樹脂によって形成することができる。例えば、流動性を有する樹脂材料を凹部113に充填し、その後樹脂材料を乾燥等により硬化させることで接着部材120を形成することができる。なお、接着部材120に流動性が残っていても構わない。
なお、図1(b)においては、作図の便宜上、凹部113が規則的に配列された状態で図示されている。しかしながら、実際の凹部113は図1(b)に示すよりも複雑に配列されている。このような凹部113に接着部材120が充填されることで、接着部材120が酸化被膜層111の表面を覆っていなくとも、塗装膜130のステンレス鋼基材110への接合力を向上させることが可能である。ただし、隣接する凹部113に接着部材120同士が酸化被膜層111の表面側で互いに接続され、酸化被膜層111の表面が接着部材120で覆われるようにしても良い。
また、接着部材120は、酸化被膜層111が発現する干渉色の色調に影響を与えない透明とすることができる。このように接着部材120が透明である場合には、外部の者が視認するステンレス鋼複合材100の色調が、酸化被膜層111が発現する干渉色の色調から大きく外れることを防止することが可能である。
塗装膜130は、接着部材120を介してステンレス鋼基材110に接続されている。この塗装膜130は、接着部材120を介して、酸化被膜層111を覆うように付着された塗料が乾燥されることで形成された膜部である。塗装膜130の形成材料である塗料の種類は特に限定されるものではない。ただし、接着部材120がアクリル系樹脂である場合には、アクリル系樹脂に対する密着力が高い塗料を選択して用いることが好ましい。
例えば、塗装膜130は、外部から酸化被膜層111が透けて視認な膜厚で形成することができる。このように塗装膜130を酸化被膜層111が透けて視認な膜厚とすることで、外部から酸化被膜層111による干渉色と塗装膜130の色とが混合した色調を視認することが可能になる。また、塗装膜130を着色透明としたり、微小な光輝材が含まれたものとしたりすることも可能である。
ここで図2を参照して、本実施形態のステンレス鋼複合材100の製造方法(ステンレス鋼複合材製造方法)について説明する。図2は、本実施形態のステンレス鋼複合材100の製造方法を説明するための模式図である。
まず、図2(a)に示すように、ステンレス鋼基材110を用意する。なお、一般的に、ステンレス鋼基材110の表面には、自然酸化被膜が形成されている。このため、必要に応じて自然酸化被膜を除去する。
続いて、図2(b)に示すように、ステンレス鋼基材110の表面に、光の干渉作用に基づく干渉色を発現する酸化被膜層111を形成する。例えば、ステンレス鋼基材110を発色処理液に浸漬して酸化被膜を形成する。その後、必要に応じて酸化被膜を硬化処理することで酸化被膜層111を形成する。つまり、光の干渉作用に基づく干渉色を発現する酸化被膜層111は、いわゆる酸性酸化法によって形成することができる。ただし、酸化被膜層111の形成方法は、他の方法であっても良い。このような図2(b)に示す工程は、ステンレス鋼からなるステンレス鋼基材110の表面に光の干渉作用に基づく干渉色を発現する酸化被膜層111を形成する酸化被膜層形成工程に相当する。
続いて、図2(c)に示すように、ポリエステル等からなるテープ基材141の表面に接着部材120の形成材料142(樹脂材料)が接着された樹脂テープ140(テープ)を酸化被膜層111に押圧する。樹脂テープ140の形成材料142をステンレス鋼基材110側に向けて、形成材料142を酸化被膜層111に接触させるようにして、樹脂テープ140をステンレス鋼基材110に貼付する。
図2(c)においては、ステンレス鋼基材110に貼付された樹脂テープ140をステンレス鋼基材110に向けて押圧することで、形成材料142を酸化被膜層111の凹部113の奥部まで進行させる。例えば、ステンレス鋼基材110に貼付された樹脂テープ140のテープ基材141をステンレス鋼基材110に向けて治具を用いて一定の圧力で均等に押圧する。
また、形成材料142を凹部113の奥部まで進行させるためには、形成材料142の流動性が高いことが望ましい。このため、樹脂テープ140をステンレス鋼基材110に向けた押圧する前あるいは押圧中に、形成材料142を加熱することが望ましい。
例えば、樹脂テープ140をステンレス鋼基材110に貼付した後に、樹脂テープ140を加熱することで形成材料142を加熱しても良い。また、樹脂テープ140をステンレス鋼基材110に貼付する前に加熱されたステンレス鋼基材110に樹脂テープ140を貼付することによって形成材料142を加熱するようにしても良い。
例えば、ステンレス鋼基材110(ステンレス鋼複合材100)は、帯状体に形成されると共に巻回され、フープ材として搬送や保管等することが考えられる。帯状のステンレス鋼基材110を巻回してフープ材とする場合には、帯状のステンレス鋼基材110の異なる部位同士が面接触される。
このため、巻回する前に樹脂テープ140を貼付しておくことで、治具等を用いて樹脂テープ140を押圧することなく、樹脂テープ140をステンレス鋼基材110に対して押圧することが可能になる。また、フープ材である状態では、ステンレス鋼基材110の面接触される異なる部位同士の間に樹脂テープ140が介挿された状態となる。このため、ステンレス鋼基材110の異なる部位同士が擦れることを樹脂テープ140によって防止することが可能になる。
さらに、ステンレス鋼基材110に酸化被膜層111を形成した場合には、ステンレス鋼基材110をフープ材とする前に乾燥させても良い。このようにステンレス鋼基材110を乾燥させる際にステンレス鋼基材110を加熱した場合には、ステンレス鋼基材110が常温に戻る前に樹脂テープ140をステンレス鋼基材110に対して貼付及び押圧することが望ましい。これによって、ステンレス鋼基材110によって形成材料142が加熱され、形成材料142の流動性を高めることが可能となる。
なお、ステンレス鋼基材110をフープ材とする場合であっても、フープ材から引き出した後にステンレス鋼基材110に対して樹脂テープ140を貼付及び押圧するようにしても良い。例えば、ステンレス鋼基材110を成形し、例えば車両用外装部品あるいは車両用外装部品の一部とした後に、ステンレス鋼基材110に対して樹脂テープ140を貼付及び押圧するようにしても良い。
続いて、図2(d)に示すように、ステンレス鋼基材110に貼付された樹脂テープ140のテープ基材141を剥離する。このようにテープ基材141をステンレス鋼基材110から剥離することで、酸化被膜層111の凹部113に入り込んだ形成材料142は、凹部113に残存する。その後、凹部113に残存した形成材料142を必要に応じて乾燥等させて硬化させることで接着部材120が形成される。
これらの図2(c)及び図2(d)に示す工程は、ステンレス鋼基材110の表面にて酸化被膜層111に形成された凹部113に充填された接着部材120を形成する接着部材形成工程に相当する。
さらに、接着部材120が設けられたステンレス鋼基材110に接続された塗装膜130を形成する塗装膜形成工程を行うことで、図1(b)にしめすようなステンレス鋼複合材100となる。なお、塗装膜形成工程では、塗料をステンレス鋼基材110に塗布し、塗料を乾燥させる。これによって、接着部材120を介してステンレス鋼基材110に接続された塗装膜130が形成される。
このような工程を経ることによって本実施形態のステンレス鋼複合材100が形成される。この本実施形態のステンレス鋼複合材100は、表面に光の干渉作用に基づく干渉色を発現する酸化被膜層111が設けられたステンレス鋼からなるステンレス鋼基材110と、ステンレス鋼基材110の表面にて酸化被膜層111に形成された凹部113に充填された接着部材120と、接着部材120を介してステンレス鋼基材110に接続された塗装膜130とを備えている。
このような本実施形態のステンレス鋼複合材100によれば、干渉色を発現する酸化被膜層111に形成された凹部113に充填された接着部材120を備え、この接着部材120を介して塗装膜130がステンレス鋼基材110に接続される。このため、直接的に塗装膜130をステンレス鋼基材110に密着させるよりも、塗装膜130のステンレス鋼基材110に対する接合力を高めることが可能となる。したがって、本実施形態のステンレス鋼複合材100によれば、干渉色を発現する酸化被膜層に重ねて設けられる塗装膜130の剥離を抑止することが可能となる。
また、上記実施形態においては、接着部材120が樹脂部材からなる。このため、接着部材120を容易に凹部113に対して充填させることが可能となり、また、凹部113に充填された接着部材120の剥離を抑制することが可能となる。
また、本実施形態のステンレス鋼複合材100の製造方法は、ステンレス鋼からなるステンレス鋼基材110の表面に光の干渉作用に基づく干渉色を発現する酸化被膜層111を形成する酸化被膜層形成工程と、ステンレス鋼基材110の表面にて酸化被膜層111に形成された凹部113に充填された接着部材120を形成する接着部材形成工程と、接着部材120を介してステンレス鋼基材110に接続された塗装膜130を形成する塗装膜形成工程とを有する。
このような本実施形態のステンレス鋼複合材100の製造方法によって製造されるステンレス鋼複合材100は、干渉色を発現する酸化被膜層111に形成された凹部113に充填された接着部材120を備え、この接着部材120を介して塗装膜130がステンレス鋼基材110に接続される。このため、直接的に塗装膜130がステンレス鋼基材110に密着されるよりも、塗装膜130のステンレス鋼基材110に対する接合力が高まる。したがって、本実施形態のステンレス鋼複合材100によれば、干渉色を発現する酸化被膜層に重ねて設けられる塗装膜130の剥離を抑止することが可能となる。
また、本実施形態のステンレス鋼複合材100の製造方法においては、接着部材形成工程では、テープ基材141の表面に接着部材120の形成材料142が接着された樹脂テープ140を酸化被膜層111に押圧することにより接着部材120の形成材料142を凹部113に充填した。このため、接着部材120の形成材料142を凹部113の奥部まで進行させることができ、接着部材120のステンレス鋼基材110に対する密着力を向上させることが可能になる。
さらに、本実施形態のステンレス鋼複合材100の製造方法においては、接着部材120の形成材料142が流動性を有する樹脂材料からなることが好ましい。これによって、接着部材120の形成材料142を凹部113の奥部まで進行させることができ、接着部材120のステンレス鋼基材110に対する密着力を向上させることが可能になる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図3を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
図3は、本実施形態のステンレス鋼複合材100の概略構成を示す模式図であり、(a)が平面図であり、(b)が(a)のB-B断面図である。
図3(a)に示すように、本実施形態においてステンレス鋼複合材100の表面101には、塗装膜130が設けられた塗装領域R1(接着部材充填範囲)と、塗装膜130が設けられていない非塗装領域R2(接着部材非充填範囲)とが設けられている。本実施形態では、図1(a)に示すように、2つの塗装領域R1の間に1つの非塗装領域R2が配置されている。ただし、塗装領域R1と非塗装領域R2との配置パターンはこれに限定されるものではなく、任意に変更可能である。
本実施形態においては、塗装領域R1と非塗装領域R2との両方に同一の膜厚寸法の酸化被膜層111が設けられている。ただし、塗装領域R1と非塗装領域R2とのうち非塗装領域R2については、干渉色を発現する酸化被膜層111を設けないことも可能である。このため、例えば塗装領域R1を含む基材基部112の一部が干渉色を発現する酸化被膜層111によって覆われ、非塗装領域R2の全域あるいは一部領域が干渉色を発現しない自然酸化被膜で覆われた構成とすることも可能である。
なお、本実施形態においては、上述のように、塗装領域R1と非塗装領域R2とに同一の膜厚寸法の酸化被膜層111が設けられている。このため、ステンレス鋼複合材100の全域にて酸化被膜層111が発現する干渉色の色調は同一となる。
接着部材120は、塗装領域R1にて酸化被膜層111が有する複数の凹部113に対して充填されている。本実施形態においては、塗装領域R1及び非塗装領域R2に対して酸化被膜層111が設けられ、非塗装領域R2では凹部113に接着部材120が充填されておらず、塗装領域R1では凹部113に接着部材120が充填されている。
つまり、本実施形態において接着部材120は、酸化被膜層111が有する複数の凹部113の一部に対して充填されている。なお、上述のように干渉色を発現する酸化被膜層111が塗装領域R1のみに設けられている場合には、接着部材120は、干渉色を発現する酸化被膜層111の全域にて凹部113に充填される。
接着部材120は、樹脂によって形成された充填部材であり、塗装膜130のステンレス鋼基材110への接合力を高める。本実施形態では、接着部材120が酸化被膜層111の凹部113に充填された領域が塗装領域R1として用いられ、接着部材120が酸化被膜層111の凹部113に充填されてない領域が非塗装領域R2として用いられる。
このような本実施形態のステンレス鋼複合材100によれば、表面の一部に選択的に塗装領域R1を設けることが可能となる。このため、全面を塗装領域R1とする場合と比較して、接着部材120の形成材料を減らし、接着部材120の形成工程を簡素化することが可能となる。
また、このような本実施形態のステンレス鋼複合材100を形成する場合には、例えば、樹脂テープ140は、塗装領域R1が形成される領域のみに貼付され、非塗装領域R2が形成される領域には貼付されない。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図4を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態または第2実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
図4は、車両30の側面図である。車両30には、フロントドア31、リアドア32及びリアサイドガラス33が設けられている。また、車両30には、アウトサイドモール34やサッシュモール35が設けられている。
アウトサイドモール34は、フロントドア31とリアドア32との各々に設けられており、昇降式ウィンドウの下端部に配置されている。このアウトサイドモール34には、外部に露出した芯材を有している。本実施形態においては、このようなアウトサイドモール34の芯材に、上記第1実施形態または第2実施形態の塗装膜130を有するステンレス鋼複合材100が用いられている。
また、車両30は、フロントドア31の前部からフロントドア31の上縁部及びリアドア32の上縁部を経由して、リアドア32の後方に配置されたリアサイドガラス33の後部まで設けられた長尺状のサッシュモール35を備えている。本実施形態においては、このようなサッシュモール35に、上記第1実施形態または第2実施形態の塗装膜130を有するステンレス鋼複合材100が用いられている。
このような車両30によれば、アウトサイドモール34の芯材と、サッシュモール35とにおいて、干渉色を発現する酸化被膜層に重ねて設けられる塗装膜130の剥離を抑止することが可能である。このため、長期に亘って、車両用外装部品に適した意匠を外部の者に視認させることが可能となる。
なお、本実施形態においては、アウトサイドモール34の芯材と、サッシュモール35の両方に上記第1実施形態または第2実施形態の塗装膜130を有するステンレス鋼複合材100が用いられる構成について説明した。しかしながら、アウトサイドモール34の芯材と、サッシュモール35とのいずれかに上記第1実施形態または第2実施形態の塗装膜130を有するステンレス鋼複合材100を用いるようにしても良い。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、接着部材120が樹脂部材である構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。樹脂と異なる材料を用いて接着部材120を形成することも可能である。
また、上記第3実施形態においては、車両用外装部品にステンレス鋼複合材100を用いる構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。本発明のステンレス鋼複合材は、ステンレス鋼を用いて形成可能な部材に対して、広く用いることが可能である。
100……ステンレス鋼複合材、101……表面、110……ステンレス鋼基材110……酸化被膜層、112……基材基部、113……凹部、120……接着部材(樹脂部材)、130……塗装膜、140……樹脂テープ(テープ)、141……テープ基材、142……形成材料、34……アウトサイドモール、35……サッシュモール、R1……塗装領域(接着部材充填範囲)、R2……非塗装領域(接着部材非充填範囲)

Claims (6)

  1. 表面の全範囲あるいは一部の範囲に光の干渉作用に基づく干渉色を発現する酸化被膜層が設けられたステンレス鋼からなるステンレス鋼基材と、
    前記酸化被膜層に形成された凹部に充填された接着部材と、
    前記接着部材を介して前記ステンレス鋼基材に接続された塗装膜と
    を備えることを特徴とするステンレス鋼複合材。
  2. 前記接着部材は、前記凹部に充填された樹脂部材からなることを特徴とする請求項1記載のステンレス鋼複合材。
  3. 前記ステンレス鋼基材の表面に、前記接着部材が前記凹部に充填された範囲である接着部材充填範囲と、前記接着部材が前記凹部に充填されていない範囲である接着部材非充填範囲とが設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のステンレス鋼複合材。
  4. ステンレス鋼からなるステンレス鋼基材の表面の全範囲あるいは一部の範囲に光の干渉作用に基づく干渉色を発現する酸化被膜層を形成する酸化被膜層形成工程と、
    前記ステンレス鋼基材の表面の少なくとも一部の範囲にて前記酸化被膜層に形成された凹部に充填された接着部材を形成する接着部材形成工程と、
    前記接着部材を介して前記ステンレス鋼基材に接続された塗装膜を形成する塗装膜形成工程と
    を有することを特徴とするステンレス鋼複合材製造方法。
  5. 前記接着部材形成工程では、テープ基材の表面に前記接着部材の形成材料が接着された樹脂テープを前記酸化被膜層に押圧することにより前記接着部材の形成材料を前記凹部に充填することを特徴とする請求項4記載のステンレス鋼複合材製造方法。
  6. 前記接着部材の形成材料が流動性を有する樹脂材料からなることを特徴とする請求項5記載のステンレス鋼複合材製造方法。
JP2021105714A 2021-06-25 2021-06-25 ステンレス鋼複合材及びステンレス鋼複合材製造方法 Pending JP2023004171A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021105714A JP2023004171A (ja) 2021-06-25 2021-06-25 ステンレス鋼複合材及びステンレス鋼複合材製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021105714A JP2023004171A (ja) 2021-06-25 2021-06-25 ステンレス鋼複合材及びステンレス鋼複合材製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023004171A true JP2023004171A (ja) 2023-01-17

Family

ID=85100935

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021105714A Pending JP2023004171A (ja) 2021-06-25 2021-06-25 ステンレス鋼複合材及びステンレス鋼複合材製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023004171A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2889120A1 (en) Composite thermoplastic plastic plate material for glasses, decorative component and preparation process therefor
JP2011131597A (ja) 立体感形成外装材
FR2460214A1 (fr) Vitrail et procede de fabrication
KR100976860B1 (ko) 장식용 시트지 및 그 제조방법과 그 패널
JP2023004171A (ja) ステンレス鋼複合材及びステンレス鋼複合材製造方法
JP3857006B2 (ja) Lcdパネルの製造方法
JP2023003049A (ja) ステンレス鋼複合材及びステンレス鋼複合材製造方法
JP6132779B2 (ja) 木質化粧板の製造方法
JP5723616B2 (ja) パルプモールド容器の製造方法
WO2012008477A1 (ja) 樹脂成形品の製造方法、樹脂成形品の製造装置、および樹脂成形品
JPH0147284B2 (ja)
JPH03128739A (ja) 光輝エンブレムおよびその製造方法
JP2010110937A (ja) 木質化粧板の製造方法
JP4771312B2 (ja) 樹脂成形品、およびその表面処理方法
JPH049649B2 (ja)
CN102853334B (zh) 一种带修正膜的控制器用背光指示器及其制造方法
JP2023004081A (ja) ステンレス鋼複合材、車両用外装部品、ステンレス鋼複合材製造方法及び車両用外装部品の製造方法
JPH0746521Y2 (ja) モールディング
JP7058243B2 (ja) 樹脂複合体
JP2002113740A (ja) 着色樹脂成形品の製造方法
WO2017098883A1 (ja) 化粧木材、及び化粧木材の製造方法
JP3566676B2 (ja) プラスチック装飾レイヤウェーブテンプルの製造方法
JP2022162664A (ja) 表示体及びその製造方法
JP4267147B2 (ja) 装飾部材の製造方法
US20030162455A1 (en) Woody decorative item and method of manufacturing same