JP4267147B2 - 装飾部材の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばエレベータの乗場の戸、かごの戸及びかご室壁等に使用される装飾パネルなど、アルミニウム又はアルミニウム合金製の基材上に着色模様を形成する装飾部材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えばエレベータの乗場の戸、かごの戸及びかご室壁等の金属装飾パネルを製造する場合、表面に下地塗装が施された金属製の基材上に、接着剤により模様シートを貼り付ける方法がある。また、この方法に用いられる模様シートは、透明なポリエステルフィルム上にインク受容層を形成し、このインク受容層に顔料インクによる着色模様を印刷することにより製作される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の金属装飾パネルの製造方法においては、模様シートと下地塗装層とを接着剤により接着しているが、単に接着するだけでは十分な接着力が得られず、また大面積の模様シートを全体に均等に接着するのは難しく、模様シートと下地塗装層とをより強固かつ均等に接着する必要があった。
【0004】
この発明は、上記のような問題点を解決することを課題としてなされたものであり、模様シートを基材上に強固かつ均等に結合させることができる装飾部材の製造方法を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る装飾部材の製造方法は、熱可塑性樹脂シート上に接着剤層を介してインク受容層を接着し、かつインク受容層に着色模様を印刷することにより、模様シートを製作する工程、アルミニウム又はアルミニウム合金製の基材の表面を粗面化するとともに、未封孔の状態のアルマイト層を基材の表面に形成する工程、熱可塑性樹脂シートがアルマイト層に接合されるように模様シートを基材に重ねる工程、及び模様シートを加熱することにより熱可塑性樹脂シートをアルマイト層に溶着させる工程を含むものである。
【0006】
請求項2の発明に係る装飾部材の製造方法は、透明な親水性樹脂と、この親水性樹脂に混入され、凝集した状態の二次粒子径が400nm以下の顔料微粒子とを有するインク受容層を用いたものである。
【0007】
請求項3の発明に係る装飾部材の製造方法は、模様シートを製作する工程で、光を乱反射する乱反射層を熱可塑性樹脂層上に形成し、乱反射層上に接着剤層を介してインク受容層を接着するものである。
【0008】
請求項4の発明に係る装飾部材の製造方法は、模様シートを製作する工程で、多数の微小な凹凸を有するセパレータの表面にインク受容層を塗布し、この後セパレータを剥離することによりインク受容層の表面に多数の微小な凹凸を形成するものである。
【0009】
請求項5の発明に係る装飾部材の製造方法は、模様シートが重ねられた基材を、排気通路を有する真空排気台上に載置するとともに、通気性を有するシート状の弾性体を介して模様シート上にシート状のカバーを被せる工程、及び排気通路を介して真空排気台とカバーとの間を排気することにより、弾性体及びカバーを介して模様シートを基材に押し付け、熱可塑性樹脂シートをアルマイト層に密着させる工程を、模様シートを加熱する工程の前に含むものである。
【0010】
請求項6の発明に係る装飾部材の製造方法は、模様シート上にカバーを被せる工程で、長繊維により構成され通気性を有する長繊維シートを、模様シートとカバーとの間に介在させるものである。
【0011】
請求項7の発明に係る装飾部材の製造方法は、長繊維により構成された弾性体を用いたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による製造方法により製造された装飾部材の断面図であり、ここではエレベータ用の装飾パネルの例を示している。図において、パネル形状に折曲加工されたアルミニウム又はアルミニウム合金製の基材11の表面は、微小な凹凸が形成され粗面化されている。粗面化された基材11の表面には、アルマイト層42が形成されている。
【0019】
アルマイト層42上には、不透明な熱可塑性樹脂層13が形成されている。熱可塑性樹脂層13上には、接着剤層14を介して透明なインク受容層15が接着されている。インク受容層15には、着色材としての顔料インクによる着色模様16が形成されている。インク受容層15上には、透明な保護膜層17が形成されている。
【0020】
保護膜層17は、例えばポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、スチロール系樹脂、ABS系樹脂、AS系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、又はポリエチレン系樹脂などの塗料や樹脂からなっている。
【0021】
次に、図2は図1の装飾部材を製造するために使用される模様シート18の要部断面図である。図において、熱可塑性樹脂シート13A上には、接着剤層14を介してインク受容層15が接着されている。インク受容層15には、着色模様16が印刷されている。
【0022】
次に、図2の模様シート18の製造方法について説明する。まず、図3に示すように、セパレータとしてのポリエステルフィルム19の表面にインク受容層15の材料となる樹脂が塗布される。この樹脂を乾燥させることにより、インク受容層15が形成される。また、ここで使用されるポリエステルフィルム19の表面は、図4に示すように、微小な凹凸が一面に形成されている状態、いわゆるマット(mat)な状態になっている。
【0023】
この後、図5に示すように、インク受容層15上に接着剤層14が塗布され、さらにその上に、図6に示すように、熱可塑性樹脂シート13Aが接着される。この接着後、乾燥工程を経てシート積層体20が巻き取られる。
【0024】
この後、図7に示すように、巻き取られたシート積層体20からポリエステルフィルム19が剥離されるとともに、露出された硬化前のインク受容層15上に着色模様16が印刷され、図2に示した模様シート18が製造される。このとき、着色模様16の印刷は、コンピュータ21に接続されたインクジェットプリンタ22により行われる。また、ポリエステルフィルム19の剥離により露出されたインク受容層15の表面には、図8に示すように、ポリエステルフィルム19のマットな表面状態が写し取られている。
【0025】
次に、模様シート18を用いた装飾部材の製造方法について説明する。まず、基材11の表面が粗面化される。粗面化の方法としては、ヘアライン加工、サンディング加工、サンドブラスト加工、エッチング加工、ローレット加工又はプレス加工などの方法がある。また、これらの加工を適宜組み合わせてもよい。粗面化された基材11の表面には、アルマイト層42が形成される。
【0026】
アルマイト層42を形成する場合、まず室温から沸点くらいまでの間の温度に設定され浴槽に入れられたアセトン、界面活性剤、又はアルコールなどの中に、基材11を数分から数十分程度浸漬することにより、基材11の脱脂を行う。次に、スプレーにより基材11に水道水を噴射したり、又は水道水中に基材11を浸漬したりすることにより、基材11を水洗する。この場合の水道水の温度は、室温程度でよい。続いて、電解質水溶液中に基材11を浸漬し、陽極酸化法によりアルマイト層42が形成される。この後、数分から数十分間、基材11が乾燥される。
【0027】
次に、アルマイト層42上の所定の位置に模様シート18が重ねられる。このとき、模様シート18の熱可塑性樹脂シート13Aがアルマイト層42に接合される。そして、熱可塑性樹脂シート13Aとアルマイト層42との間が真空圧着され、さらに熱可塑性樹脂シート13Aが加熱溶融される。
【0028】
溶融された熱可塑性樹脂シート13Aは、再び常温に戻されることにより硬化して熱可塑性樹脂層13となり、アンカー効果でアルマイト層42に溶着される。これにより、着色模様16が形成されたインク受容層15も、接着剤層14及び熱可塑性樹脂層13を介してアルマイト層42の表面に強固に固着される。また、インク受容層15は加熱硬化され、これにより着色模様が定着される。
【0029】
次に、熱硬化性のクリヤ塗料がインク受容層15上に塗布され、加熱硬化されることにより、保護膜層17が形成される。この保護膜層17のクリヤ塗料は、その加熱硬化温度が熱可塑性樹脂層13の溶融温度よりも低くなるように選択されている。最後に、保護膜層17の表面が研磨されて平面度が高められ、図1に示した断面を有する装飾部材が完成される。
【0030】
次に、模様シート18を基材11に真空圧着する工程について具体的に説明する。まず、図9は図1の装飾部材を製造するために使用される真空排気台を示す斜視図である。図において、平板状の真空排気台31は、基材11が載置される平面部31a、この平面部31aに設けられている複数の凹部31b、これらの凹部31b内を排気するための複数の排気通路31cとを有している。平面部31aの周縁部には、平面部31aの気密を保つためのパッキン32が全周に渡って連続して設けられている。
【0031】
図10は図9の真空排気台31を有する装飾部材の製造装置、即ち真空圧着装置の要部を示す分解斜視図である。真空排気台31の側面部には、排気通路31cを排気ポンプ(図示せず)に接続するための複数本の排気パイプ33が接続されている。平面部31a上には、基材11に模様シート18を重ねてなるパネル体34が載置される。このパネル体34においては、模様シート18の熱可塑性樹脂シート13Aがアルマイト層42に接合されている。
【0032】
パネル体34上には、通気性を有するシート状の弾性体35が被せられる。この弾性体35の材料としては、例えばシリコンゴムスポンジ、テフロンスポンジ、ポリアミドスポンジ、シリコン繊維シート、テフロン繊維シート、ポリアミド繊維シート、硝子繊維シート、硝子繊維綿、ステンレススチールウール、チタンウール、又はアルミウールなど、樹脂、硝子、金属等の耐熱性と柔軟性とを備えたものが使用される。
【0033】
弾性体35上には、全周に渡ってパッキン32に接し平面部31aとの間を気密に保つシート状のカバー36が被せられる。このカバー36としては、例えばゴムシート、ポリエチレンシート、又はシリコンシートなどが使用される。カバー36の周縁部は、押さえ枠37とパッキン32との間に挟持される。押さえ枠37の材料としては、例えば金属、FRP、ポリアミド樹脂、又はセメントなど、十分な剛性、耐熱性を有するものが使用される。
【0034】
図11は図10の真空圧着装置の組立状態を示す斜視図である。真空排気台31及び押さえ枠37の組立体の側部には、押さえ枠37をパッキン32に押し付ける複数の押さえ金38が装着される。各押さえ金38には、ばね等の加圧調整機構39が設けられている。
【0035】
なお、例えば図12に示すように、押さえ枠37の一辺と真空排気台31の一辺とをヒンジ機構により接続してもよく、真空排気台31に対する押さえ枠37の位置合わせが容易となり、作業性が向上する。また、押さえ枠37と真空排気台31とをパンタグラフ機構(図示せず)等により接続してもよい。
【0036】
次に、図13は図10の真空圧着装置の組立状態を示す断面図であり、この状態ではまだ真空引きは開始されていない。この状態から、排気ポンプが駆動され、排気通路31cを通して凹部31b内が真空引きされる。これにより、カバー36と真空排気台31との間の空気が排出され、図14に示すように、カバー36が大気圧でパネル体34に押し付けられ、弾性体35が圧縮される。また、模様シート18とアルマイト層42との間も脱気され、密着性が向上する。
【0037】
この後、真空引きしたままの状態で真空圧着装置が乾燥炉(図示せず)に入れられ、パネル体34が真空圧着装置とともに加熱される。このような加熱により、カバー36の柔軟性は増し、より微細な部分までカバー36が大気圧でパネル体34に押し付けられる。これにより、模様シート18は、弾性体35を介して基材11の表面に均等な圧力で押し付けられる。従って、模様シート18が十分かつ均等な強度で基材11上に圧着される。
【0038】
このような装飾部材の製造方法によれば、基材11の表面を粗面化し、さらにその表面にアルマイト層42を形成しているため、熱可塑性樹脂層13の基材11への接着性が向上し、これにより模様シート18を基材に強固に結合することができる。
【0039】
ここで、図15は図1の基材11の表面を模式的に示す断面斜視図である。アルマイト層42は、透明な六角形の結晶により構成されている。各結晶には、直径1500nm程度の孔42aが形成されている。これらの孔42aを封孔しない状態、即ち未封孔の状態でアルマイト層42を形成し、このアルマイト層42に模様シート18を真空圧着して、熱可塑性樹脂シート13Aを溶着させることにより、孔42aに熱可塑性樹脂層13が入り込み、アンカー効果が得られると考えられる。
【0040】
また、アルマイト層42は、一般の下地塗装などとは異なり、層が表面を覆う程度、即ち極めて薄い層でも有効に作用するため、基材11の表面の物理的形状に影響しないか、又は影響しにくい。
【0041】
また、実施の形態1では、真空排気台31上にパネル体34を載置し、その上から弾性体35及びカバー36を被せてカバー36内を真空排気するようにしたので、模様シート18を基材11に均等に圧着することができ、作業性及び品質を向上させることができる。
【0042】
さらに、実施の形態1では、模様シート18の表面に位置するインク受容層15の表面がマットな状態であるため、摩擦係数が高く、弾性体35及びカバー36の横滑りが防止され、真空引きによる加圧力が模様シート18に良好に伝えられ、模様シート18の伸びや皺の発生を抑えて、模様シート18を基材11に均等に押し付けることができる。
【0043】
さらにまた、インク受容層15の表面をマットにしたので、インク受容層15の表面積が大きくなり、顔料などの着色成分を除いた水分などの溶剤が、従来よりも数倍早く吸収、分散、乾燥される。これにより、記録密度を高くすることができ、繊細でメリハリのある美しい画像を提供することができる。
【0044】
また、ポリエステルフィルム19のマットな表面状態をインク受容層15に写し取るようにしたので、インク受容層15の表面をマットな状態にするのが容易である。
【0045】
なお、実施の形態1では、熱可塑性樹脂シート13A及び熱可塑性樹脂層13を不透明なものとしたが、透明であってもよい。この場合、アルマイト層42の質感を着色模様16の下地として利用することができる。また、この場合、アルマイト層42の結晶の孔42aに染料を入れることにより、アルマイト層42を染色してもよい。
【0046】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2について説明する。装飾部材の断面構造は、図1と同様である。この例では、インク受容層15が、凝集した状態の二次粒子径が400nm以下の顔料微粒子を透明な親水性樹脂に均等に混入することにより構成されている。また、インク受容層15の親水性樹脂には、紫外線吸収剤及び光安定化剤が含有されている。他の構成及び製造方法は、実施の形態1と同様である。
【0047】
このようなインク受容層15、即ち顔料微粒子を親水性樹脂に混入したインク受容層15では、顔料微粒子が互いに凝集することにより、二次粒子内に微細な空隙を形成することができ、また微粒子自体も多孔質のものであるため、顔料微粒子を親水性樹脂に混入したインク受容層15を用いていることにより、インク受容層15の膜厚を厚くせずに吸水率を高くすることができ、着色模様16の色の濃度を上げることができる。逆に言えば、インク受容層15を薄くして、エレベータ等の用途で特に要求される不燃性を高めることができる。
【0048】
ここで、インク受容層15の吸水率は、単に膜厚を厚くすることにより高くすることもできるが、基材11上の樹脂の量が増えるため、不燃材としては好ましくない。また、インク受容層15を透明とする場合、単に膜厚を厚くすると、不燃材としての問題に加えて、透明度が落ちるという問題も生じる。しかし、上記のような顔料微粒子は、二次粒子径が可視光線の波長以下(即ち400nm以下)であることにより透明であり、従って高い透明度を保ちつつ吸水率を高くすることができる。
【0049】
さらに、インク受容層15の親水性樹脂に紫外線吸収剤及び光安定化剤を含有させることにより、紫外線の脱色作用に対して耐光性を向上させることができ、長期にわたって着色模様16の劣化を抑制することができる。
【0050】
実施の形態3.
次に、図16はこの発明の実施の形態3による装飾部材の断面図である。この例では、熱可塑性樹脂層13と接着剤層14との間に、光を乱反射する乱反射層51が設けられている。この乱反射層51は、光を乱反射する多数の反射片が透明樹脂に混合されて構成されている。透明樹脂としては、例えばポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、スチロール系樹脂、ABS系樹脂、AS系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、又はポリエチレン系樹脂などの塗料や樹脂が使用される。
【0051】
また、反射片としては、アルミニウムやステンレス鋼等の金属、又はパールマイカ片が使用される。さらにパールマイカ片としては、雲母、鱗片、又は樹脂や硝子の小片に金属膜を蒸着したものなどが使用される。例えば、樹脂や硝子の小片に、ニッケル、酸化チタン、又は酸化インジウム錫などの金属を蒸着することにより、パールマイカ片が得られる。
【0052】
乱反射層51は、熱可塑性樹脂シート13Aの一方の面上に、印刷、吹き付け、ロールコート、又はブレードコートなどの手法により形成される。乱反射層51を形成する場合、透明樹脂と反射片とを予め混合したものを塗布しても、また透明樹脂をコートした後に反射片を上から振り掛けたりしてもよい。他の構成及び製造方法は、実施の形態1と同様である。
【0053】
このような装飾部材では、インク受容層15の下地に乱反射層51が設けられているが、乱反射層51に含まれる反射片は、そのサイズや表面状態に応じて、入射する光線を乱反射するため、薄い模様シート18を使用しているにも拘わらず、外観に深みが生じる。
【0054】
また、反射片のサイズ、表面状態、密度などの選択により、質感に変化を持たせることができる。さらにまた、樹脂の小片に金属を蒸着した反射片を用いる場合、乱反射の度合いを容易に調整することができる。また、1枚のパネルの中で、部分的に密度を変化させたり、反射体の配分により模様を描いたりすることもできる。
【0055】
なお、実施の形態3では、透明樹脂に反射片を混合した乱反射層51を示したが、熱可塑性樹脂シート13Aの表面に、ニッケル、酸化チタン、酸化インジウム錫などの金属を直接蒸着することにより乱反射層を形成することも可能である。
【0056】
実施の形態4.
次に、図17はこの発明の実施の形態4による装飾部材の製造方法を示す断面図である。この例では、基材11上に模様シート18を真空圧着する際、弾性体35と模様シート18のインク受容層15との間に通気性のある長繊維シート41が介在される。この長繊維シート41は、長繊維により構成されたシートである。また、ここでは、熱可塑性樹脂シート13Aとして、透明なものを使用している。他の製造方法は、実施の形態1と同様である。
【0057】
このような長繊維シート41を介在させることにより、真空圧着時に弾性体35がインク受容層15に付着するのが防止される。また、このような付着を防止する場合、一般的にはインク受容層15上に剥離効果のある薬剤を塗布する方法が用いられるが、インク受容層15上には後工程で保護膜層17が塗布されるため、剥離効果のある薬剤を塗布する方法では、保護膜層17の密着性に悪影響が出る。これに対して、長繊維シート41を用いる方法によれば、保護膜層17の密着性への影響もない。
【0058】
なお、実施の形態4では長繊維シート41を弾性体35とは別に設けたが、弾性体35を長繊維により構成してもよい。また、弾性体35の一方の面には長繊維シート41が接合され一体化されたシートを用いてもよい。
【0059】
なお、実施の形態1〜4では、基材11の表面を粗面化した後にアルマイト層42を形成したが、アルマイト層42やその孔42aが失われない方法を採れば、アルマイト層42を形成した後に粗面化を行ってもよい。
【0060】
また、実施の形態1〜4ではパネル状の装飾部材を示したが、装飾部材の形状はこれに限定されるものではない。
【0061】
実施の形態5.
さらに、基材11の表面を粗面化する場合、例えば図18に示すように、微小な凹凸の差11A,11Bによる模様を形成してもよく、模様シート18の着色模様16と重ねられたときに独特の模様とすることができる。この場合、熱可塑性樹脂層13、接着剤層14及びインク受容層15は透明である。
【0062】
このような粗面化による模様形成方法としては、マスキング等により基材11の表面を複数の領域に分割し、それぞれの領域に対してサンドショットの粒径を変化させる方法や、サンディングやヘアラインの方向を変化させる方法などが考えられる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明の装飾部材の製造方法は、基材の表面を粗面化するとともに、基材の表面にアルマイト層を形成し、粗面化されたアルマイト層に熱可塑性樹脂シートを溶着させるようにしたので、模様シートを基材に強固に結合することができる。
【0064】
請求項2の発明の装飾部材の製造方法は、透明な親水性樹脂と、この親水性樹脂に混入され、凝集した状態の二次粒子径が400nm以下の顔料微粒子とを有するインク受容層を用いたので、インク受容層の膜厚を厚くせずに吸水率を高くすることができ、着色模様の色の濃度を上げることができる。また、インク受容層を薄くして、不燃性を高めることができる。
【0065】
請求項3の発明の装飾部材の製造方法は、模様シートを製作する工程で、光を乱反射する乱反射層を熱可塑性樹脂層上に形成し、乱反射層上に接着剤層を介してインク受容層を接着するので、質感に変化を持たせ、深みのある着色模様を表現することができる。
【0066】
請求項4の発明の装飾部材の製造方法は、模様シートを製作する工程で、多数の微小な凹凸を有するセパレータの表面にインク受容層を塗布し、この後セパレータを剥離することによりインク受容層の表面に多数の微小な凹凸を形成するので、インク受容層の表面積が大きくなり、顔料などの着色成分を除いた水分などの溶剤が、従来よりも数倍早く吸収、分散、乾燥される。これにより、記録密度を高くすることができ、繊細でメリハリのある美しい画像を提供することができる。
【0067】
請求項5の発明の装飾部材の製造方法は、模様シートが重ねられた基材を、排気通路を有する真空排気台上に載置するとともに、通気性を有するシート状の弾性体を介して模様シート上にシート状のカバーを被せ、この後、排気通路を介して真空排気台とカバーとの間を排気するようにしたので、模様シートを基材に強固かつ均等に圧着し溶着することができ、作業性及び品質を向上させることができる。
【0068】
請求項6の発明の装飾部材の製造方法は、模様シート上にカバーを被せる工程で、長繊維により構成され通気性を有する長繊維シートを、模様シートとカバーとの間に介在させるようにしたので、真空圧着時に弾性体がインク受容層に付着するのが防止される。
【0075】
請求項7の発明の装飾部材の製造方法は、弾性体を長繊維により構成したので、真空圧着時に弾性体がインク受容層に付着するのが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による製造方法により製造された装飾部材の断面図である。
【図2】 図1の装飾部材を製造するために使用される模様シートの要部断面図である。
【図3】 図2の模様シートの製造途中の状態を示す斜視図である。
【図4】 図3のポリエステルフィルム及びインク受容層の断面図である。
【図5】 図3のインク受容層上に接着剤層を塗布する工程を示す斜視図である。
【図6】 図5の接着剤層上に熱可塑性樹脂シートを接着する工程を示す斜視図である。
【図7】 図6の工程の後にインク受容層に着色模様を印刷する工程を示す斜視図である。
【図8】 図7のシート積層体からポリエステルフィルムを剥離する様子を拡大して示す断面図である。
【図9】 図1の装飾部材を製造するために使用される真空排気台を示す斜視図である。
【図10】 図9の真空排気台を有する真空圧着装置の要部を示す分解斜視図である。
【図11】 図10の真空圧着装置の組立状態を示す斜視図である。
【図12】 図10の真空圧着装置の組立状態の他の例を示す斜視図である。
【図13】 図10の真空圧着装置の組立状態を示す断面図である。
【図14】 図13の真空圧着装置を真空引きした状態を示す断面図である。
【図15】 図1の基材の表面を模式的に示す断面斜視図である。
【図16】 この発明の実施の形態3による装飾部材の断面図である。
【図17】 この発明の実施の形態4による装飾部材の製造方法を示す断面図である。
【図18】 この発明の実施の形態5による装飾部材の製造方法を示す断面図である。
【符号の説明】
11 基材、13 熱可塑性樹脂層、13A 熱可塑性樹脂シート、14 接着剤層、15 インク受容層、16 着色模様、18 模様シート、19 ポリエステルフィルム(セパレータ)、42 アルマイト層、51 乱反射層。

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂シート上に接着剤層を介してインク受容層を接着し、かつ上記インク受容層に着色模様を印刷することにより、模様シートを製作する工程、
    アルミニウム又はアルミニウム合金製の基材の表面を粗面化するとともに、未封孔の状態のアルマイト層を上記基材の表面に形成する工程、
    上記熱可塑性樹脂シートが上記アルマイト層に接合されるように上記模様シートを上記基材に重ねる工程、及び
    上記模様シートを加熱することにより上記熱可塑性樹脂シートを上記アルマイト層に溶着させる工程
    を含むことを特徴とする装飾部材の製造方法。
  2. インク受容層は、透明な親水性樹脂と、この親水性樹脂に混入され、凝集した状態の二次粒子径が400nm以下の顔料微粒子とを有していることを特徴とする請求項1記載の装飾部材の製造方法。
  3. 模様シートを製作する工程では、光を乱反射する乱反射層を熱可塑性樹脂層上に形成し、上記乱反射層上に接着剤層を介してインク受容層を接着することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の装飾部材の製造方法。
  4. 模様シートを製作する工程では、多数の微小な凹凸を有するセパレータの表面にインク受容層を塗布し、この後上記セパレータを剥離することにより上記インク受容層の表面に多数の微小な凹凸を形成することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の装飾部材の製造方法。
  5. 模様シートが重ねられた基材を、排気通路を有する真空排気台上に載置するとともに、通気性を有するシート状の弾性体を介して上記模様シート上にシート状のカバーを被せる工程、及び
    上記排気通路を介して上記真空排気台と上記カバーとの間を排気することにより、上記弾性体及び上記カバーを介して上記模様シートを上記基材に押し付け、上記熱可塑性樹脂シートを上記アルマイト層に密着させる工程を、
    上記模様シートを加熱する工程の前に含むことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の装飾部材の製造方法。
  6. 模様シート上にカバーを被せる工程では、長繊維により構成され通気性を有する長繊維シートを、上記模様シートと上記カバーとの間に介在させることを特徴とする請求項5記載の装飾部材の製造方法。
  7. 弾性体は長繊維により構成されていることを特徴とする請求項5記載の装飾部材の製造方法。
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