JP2001343501A - 反射防止部材とその製造方法 - Google Patents

反射防止部材とその製造方法

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JP2001343501A
JP2001343501A JP2000121827A JP2000121827A JP2001343501A JP 2001343501 A JP2001343501 A JP 2001343501A JP 2000121827 A JP2000121827 A JP 2000121827A JP 2000121827 A JP2000121827 A JP 2000121827A JP 2001343501 A JP2001343501 A JP 2001343501A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明な基板の片面のみに透明低反射層を形成
してもその両面において優れた反射防止効果を有する反
射防止部材とその製造方法を提供する。 【解決手段】 透明な平板基板1の一方の面が透明低反
射層5が積層された平滑面であり、他方の面が微細凹凸
形状9を有する面である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、携帯電話、ビデ
オカメラ、デジタルカメラ、自動車用機器などのディス
プレイ部分のカバー部品などに用いることができる反射
防止部材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話、ビデオカメラ、デジタルカメ
ラ、自動車用機器などにおいて、ディスプレイ部分は、
液晶パネルあるいは有機ELパネルとの組み合わせなど
により構成されている。ディスプレイ部分は、液晶パネ
ルの破損を防止したり、液晶パネルの表示を拡大した
り、液晶パネル近辺を装飾したりすることを目的とし
て、レンズ状に成形した透明な基板や縁取りなどの図柄
が形成された透明な基板により構成されるカバー部品に
より覆われている。最近の傾向として、カバー部品の表
示部面積が大きくなるとともに、透明な基板として平板
の使用も検討されている。
【0003】液晶パネルとの間に空間を設けて設置する
カバー部品の場合は、液晶パネルとカバー部品との間に
空気層が存在するため、液晶パネルからの光がカバー部
品を透過する際、カバー部品の裏面で反射が生じる。こ
のようなカバー部品において、基板がアクリル樹脂から
なる場合、アクリル樹脂の屈折率が1.48であり空気
層の屈折率1.0に比べ高屈折なため、カバー部品の片
面で4〜5%の反射率を示すものであった。したがっ
て、カバー部品の表面あるいは裏面からの外光が反射し
て写り込み視認性が落ちるため、反射光をできるだけ抑
えたいという要求がある。
【0004】また、液晶パネルのカラー化が進むに伴
い、カバー部品の表面あるいは裏面からの反射光がディ
スプレイ表示のコントラストに影響を及ぼし表示品質を
落とすことから、表面および裏面ともに反射の少ないカ
バー部品が求められている。
【0005】また、透過光のロスをできるだけ少なくす
るには、カバー部品の表面だけでなく、液晶パネルと対
向する裏面の反射も抑える必要がある。特に、カラー液
晶パネルの場合はカラーフィルターを使用しているため
透過光の30%程度をロスしていることになり、明るい
映像を表現するためにはモノクロ液晶パネルを用いた場
合よりもバックライトの輝度を高めることが必要とな
る。これは、電力消費がモノクロ液晶パネルを用いた場
合より大きくなるので、バッテリーを電力供給源とする
携帯機器にとって重要な問題である。
【0006】そこで、カバー部品の反射率を低くするた
め、カバー部品の両面に低反射処理が施されている。
【0007】低反射処理の方法としては、低反射フィル
ムを透明な基板の両面に貼りつける方法がある。また、
塗布法や浸漬法などにより無機酸化物系の低屈折材料を
単層で基板の両面に設ける方法がある。また、多重干渉
を利用し、真空成膜法または浸漬法により低屈折材料と
高屈折材料とを積層して透明低反射層を基板の両面に設
ける方法がある。また、フッ素化合物などの有機系の低
屈折物質あるいは常温硬化する無機系酸化物の低屈折物
質を溶液化して基板の両面にコーティングする方法があ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、低反射フィル
ムを基板の両面に貼りつける方法は、液晶パネルなどの
表示装置に一般的に使用されている方法であるが、貼り
合わせ工程や脱泡工程が必要となって工程数が多くな
り、また、これに伴いゴミ噛みなどのために歩留まりも
低下するという問題があった。
【0009】また、塗布法や浸漬法などにより無機酸化
物系の低屈折材料を単層で基板の両面に設ける方法は、
多重干渉を利用した多層構造の透明低反射層に比べると
低反射効果に劣るものである。さらに、基板の裏面は、
通常、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂が露出して
いるため、無機酸化物系の低屈折材料との密着性が低い
という問題があった。密着性を高めるためにアンカー層
を設けることも考えられるが、工程が増加しコストアッ
プの要因となってしまうため適当ではない。
【0010】また、真空成膜法または浸漬法により多重
干渉を利用した多層構造の透明低反射層を基板の両面に
形成する方法は、透明低反射層を構成する低屈折材料と
高屈折材料とを多数の工程を経て基板の両面に形成する
ため、形成工程が煩雑であるという問題があった。さら
に、真空成膜法による場合は、大がかりな装置を用いて
基板の両面に加工する必要があるので、コストが高くな
るという問題があった。
【0011】また、低反射効果を有する材料を溶液化し
コーティングして透明低反射層を基板の両面に形成する
方法は、溶液中に異物が混入することによる不良の発生
が著しいという問題があった。
【0012】したがって、この発明は、上記のような欠
点を解消し、透明な基板の片面のみに透明低反射層を形
成してもその両面において優れた反射防止効果を有する
反射防止部材とその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明の反射防止部材
とその製造方法は、上記の目的を達成するために、つぎ
のように構成した。
【0014】すなわち、この発明の反射防止部材は、透
明な平板基板の一方の面が透明低反射層が積層された平
滑面であり、他方の面が微細凹凸形状を有する面である
ように構成した。
【0015】また、上記の発明において、微細凹凸形状
がヘイズ値0.1〜10.0であるように構成してもよ
い。
【0016】また、上記の発明において、微細凹凸形状
がヘイズ値0.1〜3.0であるように構成してもよ
い。
【0017】また、上記の発明において、微細凹凸形状
がグロス(60°)値10〜130であるように構成し
てもよい。
【0018】また、上記の発明において、微細凹凸形状
がグロス(60°)値30〜100であるように構成し
てもよい。
【0019】また、上記の発明において、微細凹凸形状
が樹脂からなる凹凸層により形成されたものであるよう
に構成してもよい。
【0020】また、上記の発明において、平板基板の上
に接着層を有するように構成してもよい。
【0021】また、上記の発明において、透明低反射層
の下に図柄層を有するように構成してもよい。
【0022】また、上記の発明において、透明低反射層
の下に保護層を有するように構成してもよい。
【0023】また、上記の発明において、透明低反射層
の上に防汚層を有するように構成してもよい。
【0024】また、この発明の反射防止部材の製造方法
は、基体シート上に少なくとも透明低反射層が形成され
た転写材の基体シートとは反対側の面を透明な平板基板
に重ね合わせて加熱加圧して転写材と平板基板とを一体
化させ、次いで基体シートを剥離して平板基板の片面に
透明低反射層が積層された成形品を得るように構成し
た。
【0025】また、基体シート上に少なくとも保護層が
形成された転写材の基体シートとは反対側の面を透明な
平板基板に重ね合わせて加熱加圧して転写材と平板基板
とを一体化させ、次いで基体シートを剥離して平板基板
の片面に保護層が積層された成形品を得、次いで保護層
の上に低反射層を形成するように構成した。
【0026】また、基体シート上に少なくとも図柄層が
形成された転写材の基体シートとは反対側の面を透明な
平板基板に重ね合わせて加熱加圧して転写材と平板基板
とを一体化させ、次いで基体シートを剥離して平板基板
の片面に図柄層が積層された成形品を得、次いで図柄層
の上に低反射層を形成するように構成した。
【0027】また、上記の発明において、透明な平板基
板が、少なくとも片面に第二保護層を有するように構成
してもよい。
【0028】
【発明の実施の形態】図面を参照しながらこの発明の実
施の形態について詳しく説明する。
【0029】図1〜2は、この発明の反射防止部材の一
実施例を示す断面図である。図中、1は平板基板、2は
接着層、3は図柄層、4は保護層、5は透明低反射層、
6は防汚層、7は凹凸層、9は微細凹凸形状、10は反
射防止部材、11はプレス型、12はフィラーである。
【0030】この発明の反射防止部材10は、透明な平
板基板1の一方の面が透明低反射層5が積層された平滑
面であり、他方の面が微細凹凸形状9を有する面である
ものである(図1〜2参照)。
【0031】このように構成することにより、反射防止
部材10の表面に透明低反射層5が形成されているの
で、表面からの反射が防止でき、裏面の微細凹凸形状9
により裏面からの反射が拡散され、防眩が可能となる。
【0032】平板基板1に用いることができる樹脂とし
ては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、A
BS樹脂、AS樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂を挙げる
ことができる。また、ポリフェニレンオキシド・ポリス
チレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセター
ル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート変性ポリ
フェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート
樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エンジニ
アリング樹脂や、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサ
ルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポ
リアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミ
ド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂
などのスーパーエンジニアリング樹脂を使用することも
できる。
【0033】平板基板1の形状は、平板状のものであ
る。ただし、反射防止作用を必要としない部分は、段差
や曲面などを有するものであってもよい。
【0034】微細凹凸形状9は、光拡散させるためのも
のでヘイズが発生しない程度であれば、その表面粗度は
特に限定されない。好ましくは、ヘイズ値が0.1〜1
0.0(JIS K7105準拠)になるよう調整した
方がよい。ヘイズ値が0.1に満たないと、光拡散効果
が十分に得られず、反射防止部材10の裏面の反射を防
止できない。また、ヘイズ値が10.0を越えると、白
濁が著しくなり、反射防止機能が優れていても反射防止
部材10の裏面に配置されるディスプレイの文字や画像
がにじんでみえることになるので好ましくない。ヘイズ
値は、0.1〜3.0の範囲であるのが特に好ましい。
この範囲内にあると、反射防止部材10の透明感が増
し、コントラストがより高くなり文字や画像のにじみも
減少する。
【0035】また、グロス(60°)値は10〜130
(JIS K7105準拠)であるのが好ましい。10
に満たないと濁りが激しくなるので不適当である。ま
た、130を越えると外光の照り返しが大きくなり、ぎ
らつきが大きくなる。特に、グロス(60°)値は30
〜100であるのが好ましい。この範囲であると反射防
止効果が高く濁りが減少し、文字や画像の認識が良好と
なる。
【0036】平板基板1の他方の面に微細凹凸形状9を
形成するには、紫外線硬化型樹脂あるいはゾル−ゲル材
料をコーティング法あるいはスクリーン印刷法などの印
刷法により平板基板1に塗布し、その後常温にて乾燥後
さらに所望の微細凹凸形状9を有したプレス型11にて
プレスし、その後紫外線硬化あるいは60〜80℃程度
で熱硬化させて凹凸層7を形成することにより、平板基
板1に所望の微細凹凸形状9を設けることができる(図
1参照)。
【0037】また、酸化ケイ素あるいは酸化アルミニウ
ムなどのフィラー12を分散したシリコーン樹脂などを
コーティング法あるいはスクリーン印刷法などの印刷法
により平板基板1に塗布して凹凸層7を形成することに
より、平板基板1に所望の微細凹凸形状9を設けること
もできる(図2参照)。また、平板基板1に金型をプレ
スして平板基板1に直接微細凹凸形状9を形成してもよ
い。なお、微細凹凸形状9の形成方法は、上記の方法に
特に限定されるわけではない。
【0038】透明低反射層5は、平板基板1の反射を防
止するための層である。
【0039】透明低反射層5に用いる低屈折材料として
は、フッ化マグネシウム、酸化ケイ素などの金属化合物
を用いることができる。また、オルガノポリシロキサン
を含む有機金属化合物を用いることもできる。また、こ
れらの有機金属化合物の多孔体を用いることもできる。
また、フッ素系合成樹脂などの有機化合物を用いること
も可能である。
【0040】透明低反射層5の構成としては、微細孔を
有する酸化ケイ素あるいは酸化アルミウムを、酸化ケイ
素に分散し単層として使用したり、フッ化マグネシウム
を単層として用いるほか、酸化チタン層/酸化ケイ素層
の2層構成の透明低反射層5として使用したり、酸化チ
タン層/酸化ケイ素層/酸化チタン層/酸化ケイ素層の
ように4層構成の透明低反射層5など多重干渉を利用し
た多層構成の透明低反射層5としてもよい。
【0041】これらの透明低反射層5の製造方法として
は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法などがある。あるいは金属アルコラート、金属キ
レートなどの有機金属化合物を浸積法あるいは印刷法、
コーティング法などにより平板基板1上に塗布し、その
後、光照射あるいは乾燥により金属酸化物皮膜を形成し
て透明低反射層5を得る方法もある。また、後述する転
写法により形成することもできる。
【0042】透明低反射層5の厚さは、0.01〜2μ
mの範囲で適宜選択するとよい。これらの膜厚は、低屈
折材料の屈折率により、一般式n×d=λ/4または一
般式n×d=3λ/4(ただし、nは低屈折材料の屈折
率、dは低屈折材料の膜厚、λは低反射中心波長をそれ
ぞれ示す)を満たすように適宜選択するとよい。
【0043】このように平板基板1の最表面には透明低
反射層5が形成され、裏面には微細凹凸形状9が形成さ
れていることにより、反射防止部材10の表側から入射
する光は透明低反射層5の機能により反射が抑えられ、
裏側での反射は微細凹凸形状9の光拡散作用により反射
が抑えられ、反射防止部材10全体として非常に優れた
反射防止効果を示すものとなる。
【0044】また、必要に応じて図柄層3を平板基板1
の上または下に形成してもよい。図柄層3は、反射防止
部材10を装飾するための層である。
【0045】図柄層3は、通常は印刷層として形成す
る。印刷層の材質としては、ポリビニル系樹脂、ポリア
ミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポ
リウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリ
エステルウレタン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、
アルキド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な色の
顔料または染料を着色剤として含有する着色インキを用
いるとよい。印刷層の形成方法としては、オフセット印
刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの通常の
印刷法などを用いるとよい。印刷層は、通常は、部分的
に設ける。
【0046】また、図柄層3は、金属薄膜層からなるも
の、あるいは印刷層と金属薄膜層との組み合わせからな
るものでもよい。金属薄膜層は、図柄層3として金属光
沢を表現するためのものであり、真空蒸着法、スパッタ
ーリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形
成する。表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウ
ム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、イン
ジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これら
の合金または化合物を使用する。金属薄膜層は、通常
は、部分的に形成する。また、金属薄膜層を設ける際
に、他の層との密着性を向上させるために、前アンカー
層や後アンカー層を設けてもよい。
【0047】また、必要に応じて保護層4を透明低反射
層5の下に形成してもよい。保護層4は、反射防止部材
10の表面強度を高めるための層である。
【0048】保護層4としては、重合性二重結合を有す
るプレポリマーまたはオリゴマーあるいはエポキシ基を
有するプレポリマーまたはオリゴマーの組成物に反応型
希釈剤を混合し、必要により光重合開始剤を添加した化
合物を用いるとよい。具体的には、紫外線硬化性樹脂や
電子線硬化性樹脂として用いられる樹脂を用いるとよ
い。
【0049】また、必要に応じて防汚層6を設けてもよ
い。防汚層6は、反射防止部材10の汚染を防ぐために
透明低反射層5の上に設けられる層である。防汚層6と
しては、末端基にフッ素を有する界面活性剤などを用い
るとよい。防汚層6を設けるには、コーティング法、浸
漬法、真空蒸着法などによるとよい。防汚層6の膜厚
は、できる限り薄い方が好ましい。防汚層6の厚さが大
きいと反射防止部材10の光透過率が低くなるからであ
る(図1〜2参照)。
【0050】透明低反射層5、図柄層3、保護層4を平
板基板1の上に設けるには、加飾シートを利用した転写
法を利用するのが好ましい。
【0051】転写法とは、基体シート上に、図柄層3、
接着層2などからなる転写層を形成した転写材を用い、
転写材の基体シートとは反対側の面が平板基板1の上に
接するように重ね合わせ、加熱加圧することにより接着
層2などによって転写材を接着した後、基体シートを剥
離して、平板基板1表面に転写層を転移する方法であ
る。
【0052】転写材は、基体シート上に、透明低反射層
5、図柄層3、保護層4などからなる転写層を設けたも
のである。また、反射防止部材10の平板基板1の上に
形成するすべての層を転写法によって形成するのではな
く、転写法によって形成するのが好適な層のみを転写法
によって形成し、その他の層は先に述べた方法により別
途形成するようにしてもよい。特に、図柄層3および保
護層4は転写法によって形成するのに適している。一
方、防汚層6は転写法によって形成するのに適していな
い。
【0053】基体シートの材質としては、ポリプロピレ
ン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系
樹脂などの樹脂シートなど、通常の転写材の基体シート
として用いるものを使用することができる。
【0054】基体シートからの転写層の剥離性がよい場
合には、基体シート上に転写層を直接設ければよい。基
体シートからの転写層の剥離性を改善するためには、基
体シート上に転写層を設ける前に、離型層を全面的に形
成してもよい。
【0055】保護層4は、基体シートまたは離型層上に
全面的に形成する。保護層4は、転写後に基体シートを
剥離した際に、基体シートまたは離型層から剥離して被
転写物の最外面となり、反射防止部材10の表面強度を
高める層となる。保護層4の形成方法としては、グラビ
アコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコ
ート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷
法がある。
【0056】また、転写層として保護層4を設けない場
合は、保護層4に代えて剥離層を形成するとよい。剥離
層は、基体シートから転写層を容易に剥離させるための
層である。剥離層の材質としては、アクリル系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース
系樹脂、ゴム系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビ
ニル系樹脂などのほか、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂などの
コポリマーを用いるとよい。剥離層の形成方法として
は、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート
法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法
などの印刷法がある。
【0057】透明低反射層5は、保護層4または剥離層
の上に形成する。透明低反射層5は、先に記載した構成
のものとすればよい。
【0058】図柄層3は、転写層に透明低反射層5が含
まれる場合は透明低反射層5の上に、転写層に透明低反
射層5が含まれない場合は保護層4または剥離層の上に
形成する。
【0059】また、平板基板1の上に上記の各層を接着
するために接着層2を形成するとよい。接着層2として
は、平板基板1の素材に適した感熱性あるいは感圧性の
樹脂を適宜使用する。
【0060】たとえば、平板基板1の材質がアクリル系
樹脂の場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。また、平
板基板1の材質がポリフェニレンオキシド・ポリスチレ
ン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系ブ
レンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアク
リル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂な
どを使用すればよい。さらに、平板基板1の材質がポリ
プロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、
塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、
クマロンインデン樹脂が使用可能である。接着層2の形
成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、
コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スク
リーン印刷法などの印刷法がある。また上記材質よりな
る接着性を持つシートをラミネート法などにより貼り合
せて接着層2とすることも可能である。
【0061】転写層の構成は、上記した態様に限定され
るものではなく、たとえば、図柄層3の材質として平板
基板1との接着性に優れたものを使用する場合には、接
着層2を省略することができる。
【0062】次に、前記した転写材を用い、転写法を利
用して被転写物である平板基板1の片面に装飾を行う方
法について説明する。
【0063】まず、平板基板1に、転写材の基体シート
とは反対側の面を密着させる。
【0064】平板基板1としては、前記した材質のもの
を用いることができる。また、シリカ系の熱硬化型樹脂
層や紫外線硬化型アクリル系樹脂などからなる第二保護
層があらかじめ形成されたものを用いることができる。
平板基板1が第二保護層を有する場合であっても、転写
材の図柄層3などを保護するために転写層中に保護層4
を有するように構成してよい。
【0065】次に、シリコンラバーなどの耐熱ゴム状弾
性体を備えたロール転写機、アップダウン転写機などの
転写機を用い、温度80〜260℃程度、圧力490〜
1960Pa程度の条件に設定した耐熱ゴム状弾性体を
介して転写材の基体シート側から熱と圧力とを加える。
こうすることにより、接着層2が平板基板1表面に接着
する。
【0066】最後に、冷却後に基体シートを剥がすと、
基体シートと転写層との境界面で剥離が起こり、転写が
完了する。
【0067】
【実施例】(実施例1)アクリル板を平板基板とし、そ
の片面に紫外線硬化性樹脂を厚さ20μmにてコーティ
ングし、その表面に表面粗度(Ra)が3μm程度の砂
目加工をプレス型を用いて行い、次いで80w/cmの
高圧水銀灯1灯で2〜10秒間紫外線照射を施して凹凸
層を形成した。
【0068】一方、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムを基体シートとし、その片面にエポキシアクリレート
80部、ヒドロキシエチルアクリレート10部、テトラ
ヒドロフルフリルアクリレート10部、ベンゾインエチ
ルエーテル3部からなる剥離層をグラビアコート法によ
り形成し、その上に接着性インキを用いて図柄層を形成
して転写材を得、加飾シートとした。
【0069】加飾シートの図柄層側の面を平板基板の凹
凸層が形成されていない側の面に重ね合わせ、加熱加圧
して加飾シートと平板基板とを一体化させ、次いで基体
シートを剥離して平板基板表面の周囲に文字や絵柄から
なる図柄層を形成した。
【0070】次いで、80w/cmの高圧水銀灯1灯で
2秒間紫外線照射を施し、表面強度、耐薬品性に優れた
図柄を得た。
【0071】さらに、平板基板の図柄層側の面に、EB
真空蒸着装置にて、順次SiO、TiO、Si
、TiO、SiOの膜を各々15nm、15n
m、250nm、135nm、15nmの膜厚となるよ
うに形成して透明低反射層とし、さらにフッソ系材料
(オプトマー110)を間接加熱型真空蒸着機にて厚さ
1.0〜2.0nmに形成して防汚層とした。
【0072】このようにして得た携帯電話のディスプレ
イ部分のカバー部品である反射防止部材は、ヘイズ値が
1.75、グロス(60°)値が45.6であり、ディ
スプレイ窓部分の透過率94%(550nm)、表面反
射率0.5%と反射防止効果に優れたものであった。
【0073】(実施例2)アクリル板を平板基板とし、
その片面に平均粒子径が3.0μmのSiO微粒子を
8.0重量%含有するアクリル−メラミン樹脂を厚さ1
0μmにてロールコーティングし、次いで80℃で10
分間乾燥し、ヘイズ値8.8かつグロス(60°)値9
0の凹凸層を形成した。
【0074】次いで、実施例1と同様にして平板基板の
他方の面に図柄層、透明低反射層、防汚層をそれぞれ形
成して反射防止部材を得た。
【0075】このようにして得た携帯電話のディスプレ
イ部分のカバー部品である反射防止部材は、ディスプレ
イ窓部分の表面および裏面の反射が少なく視認性に優れ
たものであった。
【0076】(実施例3)あらかじめ離形処理を施した
ポリエチレンテレフタレートフィルムを基体シートと
し、その上に、厚さ135nmのMgFからなる透明
低反射層を真空蒸着法により形成し、次いでウレタンア
クリレート20部、ポリエステルアクリレート50部、
ヒドロキシプロピルメタアクリレート27部、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート3部、ベンジル3部、
トルエン5部、酢酸エチル5部からなる下地層をグラビ
アコート法により形成し、その上に接着性インキを用い
て図柄層を形成して転写材を得、加飾シートとした。
【0077】上記の加飾シートを用いたほかは実施例1
と同様にして、表面に透明低反射層と文字や絵柄からな
る図柄層を有し、裏面に微細凹凸形状を有する反射防止
部材を得た。
【0078】このようにして得られた携帯電話のディス
プレイ部分のカバー部品である反射防止部材は、指紋が
拭き取りやすいなど防汚性に優れ、また優れた表面強度
と反射防止効果を有するものであった。
【0079】
【発明の効果】この発明は、以上のような構成を採るの
で、以下のような効果を奏する。
【0080】この発明の反射防止部材は、透明な平板基
板の一方の面が透明低反射層が積層された平滑面であ
り、他方の面が微細凹凸形状を有する面であるので、平
板基板の片面のみに透明低反射層を形成してもその両面
において優れた反射防止効果を有するものである。
【0081】また、この発明の反射防止部材の製造方法
は、平板基板の一方の面に透明低反射層などを加飾シー
トを利用して形成し、平板基板の他方の面に微細凹凸形
状を形成するので、両面において優れた反射防止効果を
有する反射防止部材を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の反射防止部材の一実施例を示す断面
図である。
【図2】この発明の反射防止部材の一実施例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 平板基板 2 接着層 3 図柄層 4 保護層 5 透明低反射層 6 防汚層 7 凹凸層 9 微細凹凸形状 10 反射防止部材 11 プレス型 12 フィラー

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な平板基板の一方の面が透明低反射
    層が積層された平滑面であり、他方の面が微細凹凸形状
    を有する面であることを特徴とする反射防止部材。
  2. 【請求項2】 微細凹凸形状が、ヘイズ値0.1〜1
    0.0である請求項1記載の反射防止部材。
  3. 【請求項3】 微細凹凸形状が、ヘイズ値0.1〜3.
    0である請求項1記載の反射防止部材。
  4. 【請求項4】 微細凹凸形状が、グロス(60°)値1
    0〜130である請求項1〜3のいずれかに記載の反射
    防止部材。
  5. 【請求項5】 微細凹凸形状が、グロス(60°)値3
    0〜100である請求項1〜3のいずれかに記載の反射
    防止部材。
  6. 【請求項6】 微細凹凸形状が樹脂からなる凹凸層によ
    り形成されたものである請求項1〜5のいずれかに記載
    の反射防止部材。
  7. 【請求項7】 平板基板の上に接着層を有する請求項1
    〜6のいずれかに記載の反射防止部材。
  8. 【請求項8】 透明低反射層の下に図柄層を有する請求
    項1〜7のいずれかに記載の反射防止部材。
  9. 【請求項9】 透明低反射層の下に保護層を有する請求
    項1〜8のいずれかに記載の反射防止部材。
  10. 【請求項10】 透明低反射層の上に防汚層を有する請
    求項1〜9のいずれかに記載の反射防止部材。
  11. 【請求項11】 基体シート上に少なくとも透明低反射
    層が形成された転写材の基体シートとは反対側の面を透
    明な平板基板に重ね合わせて加熱加圧して転写材と平板
    基板とを一体化させ、次いで基体シートを剥離して平板
    基板の片面に透明低反射層が積層された成形品を得るこ
    とを特徴とする反射防止部材の製造方法。
  12. 【請求項12】 基体シート上に少なくとも保護層が形
    成された転写材の基体シートとは反対側の面を透明な平
    板基板に重ね合わせて加熱加圧して転写材と平板基板と
    を一体化させ、次いで基体シートを剥離して平板基板の
    片面に保護層が積層された成形品を得、次いで保護層の
    上に低反射層を形成することを特徴とする反射防止部材
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 基体シート上に少なくとも図柄層が形
    成された転写材の基体シートとは反対側の面を透明な平
    板基板に重ね合わせて加熱加圧して転写材と平板基板と
    を一体化させ、次いで基体シートを剥離して平板基板の
    片面に図柄層が積層された成形品を得、次いで図柄層の
    上に低反射層を形成することを特徴とする反射防止部材
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 透明な平板基板が、少なくとも片面に
    第二保護層を有するものである請求項11〜13のいず
    れかに記載の反射防止部材の製造方法。
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