JP2023003726A - 量子装置、量子ビット読み出し装置および電子回路 - Google Patents

量子装置、量子ビット読み出し装置および電子回路 Download PDF

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Abstract

Figure 2023003726000001
【課題】第1量子ビットの状態を示す信号が増幅された信号と、第2量子ビットの状態を示す信号が増幅された信号との比較によって、第1量子ビットの状態と第2量子ビットの状態との違いを正確に判定し、詳細には、第1量子回路の出力と第2量子回路の出力が判定部を通して論理値の0と1との間で反転するように、第2量子回路の入力信号を第1量子回路の入力信号に対して反転した入力信号にすることにより、量子ビットの状態の読み出しの正解率を向上させる量子装置を提供する。
【解決手段】量子装置は、第1量子回路と、第2量子回路と、第1量子回路と第2量子回路とに接続されたラッチ回路とを備え、ラッチ回路は、第1量子回路から出力された第1量子ビットの状態をラッチして、第1量子ビットの状態を示す信号を増幅する機能と、第2量子回路から出力された第2量子ビットの状態をラッチして、第2量子ビットの状態を示す信号を増幅する機能とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、量子装置、量子ビット読み出し装置および電子回路に関する。
量子コンピュータと量子アニーリング機械に関する研究開発が進んでいる。例えば、非特許文献1では半導体量子ビットの二つの論理動作した例が、また、非特許文献2では、超伝導体を用いた量子ビットを50個以上作成した例が報告されている。また、非特許文献3は、量子アニーリング機械の実験例であり、この技術はすでに商用化されている。
量子コンピュータに関する技術としては、この例のように超伝導体を用いた関連技術の発展が進んでいる。これは量子状態を保つのに必要な時間(コヒーレンス時間)を抵抗のない超伝導状態が実験的に比較的に実現しやすいからである。ただし、超伝導デバイスでは大規模集積化が難しい。
特許文献1の図1には、量子演算を実行する量子ビット構造に接続された電気的なゲートパルス線について記載されている。ところで、特許文献1には、書き込みの実行中に静電容量の変化を監視する旨が記載されているものの、特許文献1に記載された技術では、集積回路として量子ビットの状態を示す信号を増幅することが行われない。そのため、特許文献1に記載された技術では、集積回路として量子ビットの状態の違いを正確に判定して量子ビットの状態の読み出しの正解率を向上させることができない。
非特許文献4の図1には、クロスカップル接続された一対の単一電子素子について記載されている。ところで、非特許文献4に記載された技術では、単一電子素子がSRAM(Static Random Access Memory)と同じようにメモリとして適用される。そのため、非特許文献4に記載された技術では、単一電子素子をセンサーとして用いて一対の単一電子素子の電位の違いを読み取ることができず、単一電子素子に接続された量子回路の量子ビットの状態を読み出すこともできない。
非特許文献5には、スピン量子ビットの読み出し(量子ビットのスピン状態の検出)について記載されている。また、非特許文献5には、スピンから電荷への変換では、電荷の動きへの影響を通じてスピン状態が検出され、電子スピンの測定が可能になる旨が記載されている。ところで、非特許文献5に記載された技術では、量子ビットのスピン状態を示す信号を集積回路として増幅することが行われない。そのため、非特許文献5に記載された技術では、量子ビットのスピン状態の違いを正確に判定して量子ビットのスピン状態の読み出しの正解率を向上させることができない。
非特許文献6、7には、量子ビットを読み出す技術について記載されている。非特許文献6に記載された技術では、クーロンブロッケイド現象の電流変化がpAと小さいため、後段の増幅回路が何重にも組まれ、信号の多重増幅が行われる。従って、非特許文献6、7に記載された技術では、量子ビット数が大きい場合に回路面積が非常に大きくなり、非現実的である。
米国特許第7830695号明細書
M. Veldhorst, C. H. Yang, J. C. C. Hwang, W. Huang, J. P. Dehollain, J. T. Muhonen, S. Simmons, A. Laucht, F. E. Hudson, K. M. Itoh, A. Morello & A. S. Dzurak "A two-qubit logic gate in silicon" Nature volume 526, pages410-414(2015) Frank Arute, Kunal Arya他 "Quantum supremacy using a programmable superconducting processor" Nature volume 574, pages505-510(2019) M. W. Johnson他 "Quantum annealing with manufactured spins" Nature vol 473, pp.194-198 (2011). Souvik Mahapatra, A. M. Ionescu "A novel single electron SRAM architecture" Materials Science(2004), 4th IEEE Conference on Nanotechnology, 2004 DOI: 10.1109/NANO.2004.1392327Corpus ID:20005522 Nakul Shaji他 "Spin blockade and lifetime-enhanced transport in a few-electron Si/SiGe double quantum dot" Nature Physics 4, 540-544 (2008) Andrea Ruffino他 "A Fully-Integrated 40-nm 5-6.5 GHz Cryo-CMOS System-on-Chip with I/Q Receiver and Frequency Synthesizer for Scalable Multiplexed Readout of Quantum Dots" 2021 IEEE International Solid- State Circuits Conference (ISSCC) Andrea Morello et al. "Single-shot readout of an electron spin in silicon" Nature vol 467.p687 (2010) T Tanamoto, Y Nishi, J Deguchi "Quantum Annealing Machines Based on Semiconductor Nanostructures" Journal of the Physical Society of Japan 88 (6), 061013 (2019) Behzad Razavi 『Design of Analog CMOS Integrated Circuits』(MCGRAW HILL BOOK CO, 2000) ISBN: 9780072380323
上述した点に鑑み、本発明は、第1量子ビットの状態と第2量子ビットの状態との違いを正確に判定し、第1量子回路の出力の論理値と第2量子回路の出力の論理値とが0と1との間で反転するように第2量子回路を動作させることによって、量子ビットの状態の読み出しの正解率を向上させることができる量子装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、第1単一電子素子の電位と第2単一電子素子の電位との違いを読み取ることによって、回路を小型化しつつ単一電子素子に接続された量子回路の量子ビットの状態を読み出すことができる量子ビット読み出し装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、第1単一電子素子の電位と第2単一電子素子の電位との違いを読み取ることができる電子回路を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、第1量子回路と、第2量子回路と、前記第1量子回路と前記第2量子回路とに接続されたラッチ回路とを備え、前記ラッチ回路は、前記第1量子回路から出力された第1量子ビットの状態をラッチして、前記第1量子ビットの状態を示す信号を増幅する機能と、前記第2量子回路から出力された第2量子ビットの状態をラッチして、前記第2量子ビットの状態を示す信号を増幅する機能とを有する、量子装置である。
本発明の一態様は、第1量子回路に接続された第1単一電子素子と、第2量子回路に接続された第2単一電子素子と、前記第1単一電子素子と前記第2単一電子素子とに接続された差動増幅回路とを備え、前記差動増幅回路によって増幅された前記第1単一電子素子の電位と前記第2単一電子素子の電位との違いが読み取られる、量子ビット読み出し装置である。
本発明の一態様の量子ビット読み出し装置は、前記第1単一電子素子と前記差動増幅回路との間に配置された第1増幅回路と、前記第2単一電子素子と前記差動増幅回路との間に配置された第2増幅回路とを備えてもよい。
本発明の一態様の量子ビット読み出し装置では、前記第1増幅回路は、第1導電型トランジスタと第2導電型トランジスタとを備え、前記第2増幅回路は、第1導電型トランジスタと第2導電型トランジスタとを備えてもよい。
本発明の一態様は、第1量子回路に接続された第1単一電子素子と、第2量子回路に接続された第2単一電子素子と、前記第1単一電子素子と前記第2単一電子素子とに接続されたSRAM(Static Random Access Memory)とを備え、前記SRAMを介して出力される前記第1単一電子素子の電位と前記第2単一電子素子の電位との違いが読み取られる、量子ビット読み出し装置である。
本発明の一態様の量子ビット読み出し装置では、前記SRAMは、前記第1単一電子素子に接続された第1アクセストランジスタと、前記第2単一電子素子に接続された第2アクセストランジスタと、前記第1アクセストランジスタに接続された第1インバータと、前記第2アクセストランジスタに接続された第2インバータとを備え、前記第1インバータと前記第2インバータとはクロスカップル接続されていてもよい。
本発明の一態様の量子ビット読み出し装置は、前記第1単一電子素子と前記SRAMとの間に配置された第1増幅回路と、前記第2単一電子素子と前記SRAMとの間に配置された第2増幅回路とを備えてもよい。
本発明の一態様は、第1量子回路に接続された第1単一電子素子と、第2量子回路に接続された第2単一電子素子とに接続されたセンスアンプとイコライザとを備え、前記センスアンプとイコライザを介して出力される前記第1単一電子素子の電位と前記第2単一電子素子の電位との違いが読み取られる、量子ビット読み出し装置である。
本発明の一態様の量子ビット読み出し装置では、センスアンプとイコライザは一般のより複雑なDynamic Random Access Memory(DRAM)と同じものを備えてもよい。一般的なDRAMは二つのキャパシターに蓄積された電荷の差を読み取る回路を用いている。通常のDRAMのキャパシターの代わりに単一電子素子を用いることが本発明の特徴である。特に、単一電子素子が電荷量子ビットの場合には、電荷量子ビット間の小さな電位差を読み取ることに有用である。
本発明の一態様は、第1量子回路に接続された第1単一電子素子と、第2量子回路に接続された第2単一電子素子と、前記第1単一電子素子と前記第2単一電子素子とに接続されたクロスカップルMOSトランジスタ回路とを備え、前記クロスカップルMOSトランジスタ回路は、クロスカップル接続された一対のPチャネルMOSトランジスタを備え、前記クロスカップルMOSトランジスタ回路を介して出力される前記第1単一電子素子の電位と前記第2単一電子素子の電位との違いが読み取られる、量子ビット読み出し装置である。
本発明の一態様の量子ビット読み出し装置では、前記差動増幅回路は、ベースが前記第1単一電子素子に接続された第1バイポーラトランジスタと、ベースが前記第2単一電子素子に接続された第2バイポーラトランジスタとを備えてもよい。
本発明の一態様の量子ビット読み出し装置では、前記第1単一電子素子の電位と、前記第2単一電子素子の電位とが、反転した結果として出力されてもよい。
本発明の一態様の量子ビット読み出し装置は、前記第1単一電子素子の電位と前記第2単一電子素子の電位とを比較することによって0と1との判定を行う判定部を備えてもよい。
本発明の一態様は、第1メモリセルアレイと、前記第1メモリセルアレイから第1単一電子素子を選択する第1セレクタと、第2メモリセルアレイと、前記第2メモリセルアレイから第2単一電子素子を選択する第2セレクタとを備え、前記第1セレクタによって選択された前記第1単一電子素子の電位と、前記第2セレクタによって選択された前記第2単一電子素子の電位との違いが読み取られる、電子回路である。
本発明の一態様の電子回路は、前記第1単一電子素子の電位と前記第2単一電子素子の電位とを比較することによって0と1との判定を行う判定部を備えてもよい。
上記の量子ビットはスピン量子ビットでもよいし、上記単一電子素子が電荷量子ビットそのものでもよい。量子ビットがスピン量子ビットの場合は、上記単一電子素子とトンネル酸化膜などを介して結合していてもよい。
本発明によれば、第1量子ビットの状態と第2量子ビットの状態との違いを正確に判定し、第1量子回路の出力と第2量子回路の出力とが論理値の0と1との間で反転するように第2量子回路の入力信号を調節することによって、量子ビットの状態の読み出しの正解率を向上させることができる量子装置を提供することができる。
また、本発明によれば、第1単一電子素子の電位と第2単一電子素子の電位との違いを読み取ることによって、回路を小型化しつつ単一電子素子に接続された量子回路の量子ビットの状態を読み出すことができる量子ビット読み出し装置を提供することができる。
また、本発明によれば、第1単一電子素子の電位と第2単一電子素子の電位との違いを読み取ることができる電子回路を提供することができる。
第1実施形態の量子装置の一例を示す図である。 第1実施形態の量子ビット読み出し装置などの一例を示す図である。 図2に示す単一電子素子等のような単一電子素子(詳細にはSET(単一電子トランジスタ))の特性の一例を説明するための図である。 図2に示す増幅回路(PチャネルMOSトランジスタ)等のようなMOS結合による第一の増幅回路の原理を説明するための図である。 図2に示す単一電子素子等のような単一電子素子(詳細にはSET(単一電子トランジスタ))のゲート電圧(横軸)と、図2に示す増幅回路(PチャネルMOSトランジスタ)等のようなMOS結合によって増幅された出力端子の電位(縦軸)との関係を示す図である。 第2実施形態の量子ビット読み出し装置などの一例を示す図である。 図6に示す増幅回路等のようなPチャネルMOSトランジスタおよびNチャネルMOSトランジスタによる第一の増幅を説明するための図である。 図6に示す差動増幅回路による差動増幅シミュレーション結果を示す図である。 第3実施形態の量子ビット読み出し装置などの一例を示す図である。 図9に示す回路シミュレーション(時間変化)の結果を示す図である。 第4実施形態の量子ビット読み出し装置などの一例を示す図である。 第5実施形態の量子ビット読み出し装置の一例を示す図である。 第6実施形態の量子ビット読み出し装置の一例を示す図である。 第7実施形態の量子ビット読み出し装置などの一例を示す図である。 第8実施形態の量子ビット読み出し装置などの一例を示す図である。 第9実施形態の電子回路の一例を示す図である。 第1実施形態から第9実施形態までの単一電子素子2Aとして第1単一電子素子アレイ3Aに含まれる複数の単一電子素子のうちの1つの単一電子素子(第1単一電子素子3A1)が用いられ、第1実施形態から第9実施形態までの単一電子素子2Bとして第2単一電子素子アレイ3Cに含まれる複数の単一電子素子のうちの1つの単一電子素子(第2単一電子素子3C1)が用いられる例を説明するための図である。 図13に示す第6実施形態の量子ビット読み出し装置での電圧の時間変化を示す図である。 第9実施形態の電子回路の第1単一電子素子アレイとしてNANDフラッシュメモリが用いられ、第2単一電子素子アレイとしてNANDフラッシュメモリが用いられる例を説明するための図である。 単一電子素子に接続された量子ドット内の電子の有無により単一電子素子内の電位がシフトする状況を模擬的に示す図である。
本発明の量子装置、量子ビット読み出し装置および電子回路の実施形態を説明する前に、量子装置の測定などに関する従来技術について説明する。
(測定に関する従来技術)
電子スピンもしくはホールスピンを用いた量子ビットについては進展が遅れている。これはスピンを用いた量子装置には、スピン状態の測定過程に難しい課題があった。スピン状態を測定するには電子回路が必要となるが、スピンは磁気的な性質であるが、通常の電子回路には直接、磁化に関する量を測定する機構がないため、磁気的性質を電荷状態に変換する必要があった。
具体的には、スピンブロッケイドと言われている方法などがある。これは量子ドットを一つ追加して、中の電子スピンの向きを固定すると、量子ビットから入ってくるスピンが上向き下向きかで、電子がブロックされたり流れたりすることを利用する方法である。ここにはスピンが同じ向きの電子が二つ同じエネルギー準位を占有できないというパウリの排他原理がもとになっている。
しかしながら、図3に示すようにクーロンブロッケイドを観測できる単一電子素子の電流値はナノアンペアのオーダーであり、通常のCMOS回路の動作する電圧領域に比べると電圧が極めて小さい。このため、一つの単一電子素子の微小信号を増幅するためには非特許文献6のような何重にもわたる増幅回路が必要となっていた。この従来の方法ではたった一つの単一電子の信号を増幅するのに極めて多数の回路面積が必要となるため、量子ビットの集積化は困難であった。
(製造費用)
さらに新規のデバイス構造は作成上に大きな課題が残る。非特許文献1、または非特許文献3などでは、新規の超微細構造が必要となる。現在のスマートフォンに用いられているシリコントランジスタのゲート長は16nm以下であり、チップ作成に1兆円を超えている。40nmでも4000憶円程度必要である。新しい増幅回路を一から設計するのには、巨額の開発費が必要となることが予想されるので、産業化には大きな障害である。従って、できるだけ従来の回路を用いることが望ましい。
以下、本発明の量子装置、量子ビット読み出し装置および電子回路の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は第1実施形態の量子装置1の一例を示す図である。
図1に示す例では、第1実施形態の量子装置1が、量子回路1Aと、量子回路1Bと、ラッチ回路1Cと、判定部1Dとを備えている。ラッチ回路1Cは、量子回路1Aと量子回路1Bとに一つ以上の配線で接続されている。量子回路1Aと量子回路1Bとがペアとして構成されている。
ラッチ回路1Cは、量子回路1Aから出力された量子ビットの状態(スピン量子ビットの場合はスピン状態、電荷量子ビットの場合は電荷状態)をラッチし、そのスピン量子ビットの状態を示す信号を増幅する機能を有する。つまり、ラッチ回路1Cは、量子回路1Aから出力された量子ビットの状態を示す信号を増幅する回路を備えている。
また、ラッチ回路1Cは、量子回路1Bから出力された量子ビットの状態をラッチし、その量子ビットの状態を示す信号を増幅する機能を有する。つまり、ラッチ回路1Cは、量子回路1Bから出力された量子ビットの状態を示す信号を増幅する回路を備えている。
図1に示すラッチ回路1Cおよび判定部1Dは、例えば図2に示す量子ビット読み出し装置2として表現することができる。ラッチされた値は判定部1Dで確定し、最終的に計算結果として出力される。
図2は第1実施形態の量子ビット読み出し装置2などの一例を示す図である。ここでは量子ビットがスピン量子ビットである場合を示している。
図2に示す例では、量子ビット読み出し装置2が、単一電子素子2Aと、単一電子素子2Bと、増幅回路2Cと、増幅回路2Dと、差動増幅回路2Eと、判定部2I(図6参照)とを備えている。
単一電子素子2Aは、量子回路1Aのスピン量子ビットの状態(量子ビットのスピン状態)を測定する。単一電子素子2Aのゲートは、量子回路1Aに接続されている。単一電子素子2Aのソースおよびドレインの一方は、1段目の増幅回路として機能する増幅回路2Cと、2段目の増幅回路として機能する差動増幅回路2Eとに接続されている。単一電子素子2Aのソースおよびドレインの他方は、例えば接地されている。
単一電子素子2Bは、量子回路1Bのスピン量子ビットの状態を測定する。単一電子素子2Bのゲートは、量子回路1Bに接続されている。単一電子素子2Bのソースおよびドレインの一方は、1段目の増幅回路として機能する増幅回路2Dと、2段目の増幅回路として機能する差動増幅回路2Eとに接続されている。単一電子素子2Bのソースおよびドレインの他方は、例えば接地されている。
図2に示す例では、増幅回路2Cが、単一電子素子2Aと差動増幅回路2Eとの間に配置されている。増幅回路2Cは、PチャネルMOSトランジスタによって構成されている。詳細には、増幅回路2Cとして機能するPチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの一方が、単一電子素子2Aのソースおよびドレインの一方に接続されている。増幅回路2Cとして機能するPチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの他方は、所定の電位Vに接続されている。
増幅回路2Dは、単一電子素子2Bと差動増幅回路2Eとの間に配置されている。増幅回路2Dは、PチャネルMOSトランジスタによって構成されている。詳細には、増幅回路2Dとして機能するPチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの一方が、単一電子素子2Bのソースおよびドレインの一方に接続されている。増幅回路2Dとして機能するPチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの他方は、所定の電位Vに接続されている。
図2に示す例では、量子ビット読み出し装置2が、増幅回路2Cと増幅回路2Dとを備えているが、他の例では、量子ビット読み出し装置2が、増幅回路2Cと増幅回路2Dとを備えていなくてもよい。
なお、単一電子素子(2A、2B)は後述の図17および図19に示すように一般にアレイ状に配置されており、どの二つの単一電子素子を選ぶかを選択できるようにする(図17および図19では、単一電子素子を符号3A1、3C1で示し、単一電子素子アレイを符号3A、3Cで示す)。この時、選択した単一電子素子(2A、2B)と増幅回路(差動増幅回路2EのNチャネルMOSトランジスタ2E3、2E4等)がワード線WLに電圧をかけたトランジスタ(NチャネルMOSトランジスタ2E1、2E2)によって接続され、増幅回路(差動増幅回路2E)に信号が入力される。
図2に示す例では、差動増幅回路2Eが、NチャネルMOSトランジスタ2E1、2E2、2E3、2E4、2E7と、PチャネルMOSトランジスタ2E5、2E6とを備えている。
NチャネルMOSトランジスタ2E1のソースおよびドレインの一方は、単一電子素子2Aのソースおよびドレインの一方に接続されている。NチャネルMOSトランジスタ2E1のソースおよびドレインの他方は、NチャネルMOSトランジスタ2E3のゲートに接続されている。NチャネルMOSトランジスタ2E1のゲートは、ワード線WLに接続されている。
NチャネルMOSトランジスタ2E3のソースおよびドレインの一方は、差動増幅回路2Eの第1出力端子Vout1と、PチャネルMOSトランジスタ2E5のソースおよびドレインの一方と、PチャネルMOSトランジスタ2E5のゲートと、PチャネルMOSトランジスタ2E6のゲートとに接続されている。NチャネルMOSトランジスタ2E3のソースおよびドレインの他方は、NチャネルMOSトランジスタ2E7のソースおよびドレインの一方に接続されている。
NチャネルMOSトランジスタ2E7のソースおよびドレインの他方は、例えば接地されている。
NチャネルMOSトランジスタ2E2のソースおよびドレインの一方は、単一電子素子2Bのソースおよびドレインの一方に接続されている。NチャネルMOSトランジスタ2E2のソースおよびドレインの他方は、NチャネルMOSトランジスタ2E4のゲートに接続されている。NチャネルMOSトランジスタ2E2のゲートは、ワード線WLに接続されている。
NチャネルMOSトランジスタ2E4のソースおよびドレインの一方は、差動増幅回路2Eの第2出力端子Vout2と、PチャネルMOSトランジスタ2E6のソースおよびドレインの一方とに接続されている。NチャネルMOSトランジスタ2E4のソースおよびドレインの他方は、NチャネルMOSトランジスタ2E7のソースおよびドレインの一方に接続されている。
PチャネルMOSトランジスタ2E5のソースおよびドレインの他方と、PチャネルMOSトランジスタ2E6のソースおよびドレインの他方とは、所定の電位Vに接続されている。
差動増幅回路2Eの第1出力端子Vout1と第2出力端子Vout2とは、判定部2Iに接続されている。
なお、本発明の差動増幅回路は一番基本となるものであり、非特許文献9に示されているような様々な増幅回路を代わりに用いてもよい。
判定部2Iは、増幅回路2Cおよび差動増幅回路2Eによって増幅された単一電子素子2Aの電位(差動増幅回路2Eの第1出力端子Vout1における電位)と、増幅回路2Dおよび差動増幅回路2Eによって増幅された単一電子素子2Bの電位(差動増幅回路2Eの第2出力端子Vout2における電位)との違いを読み取る。
詳細には、差動増幅回路2E、増幅回路2Cおよび増幅回路2Dによって、単一電子素子2Aの電位と単一電子素子2Bの電位との間の電位差が増幅されて出力端子Vout1、Vout2に出力される。つまり第1出力端子Vout1と第2出力端子Vout2の電位差は元の単一電子素子2Aの電位と単一電子素子2Bの電位との間の電位差よりも大きい。更に、判定部2Iは、増幅回路2Cおよび差動増幅回路2Eによって増幅された単一電子素子2Aの電位と、増幅回路2Dおよび差動増幅回路2Eによって増幅された単一電子素子2Bの電位とを比較することによって後段のデジタル回路で扱いやすい「0」と「1」との判定を行う。
図2に示す例では、判定部2Iが、増幅回路2Cおよび差動増幅回路2Eによって増幅された単一電子素子2Aの電位と、増幅回路2Dおよび差動増幅回路2Eによって増幅された単一電子素子2Bの電位との違いを読み取ることにより、回路全体を小型化しつつ単一電子素子2A、2Bに接続された量子回路1A、1Bの量子ビットの状態を読み出すことができる。
換言すれば、図1および図2に示す例では、量子回路1Aから出力された量子ビットの状態を示す信号(詳細には、スピン量子ビットの場合には単一電子素子2Aによって測定されて出力された量子回路1Aの量子ビットのスピン状態を示す信号)がラッチ回路1C(詳細には、増幅回路2Cおよび差動増幅回路2E)によって増幅された信号(詳細には、第1出力端子Vout1の電位)と、量子回路1Bから出力された量子ビットの状態を示す信号(詳細には、スピン量子ビットの場合には単一電子素子2Bによって測定されて出力された量子回路1Bの量子ビットのスピン状態を示す信号)がラッチ回路1C(詳細には、増幅回路2Dおよび差動増幅回路2E)によって増幅された信号(詳細には、第2出力端子Vout2の電位)との差が、増幅回路無しの二つの単位電子素子2Aと単一電子素子2Bの信号の差をより大きく増幅させたものになり、微小信号である単一電子素子2A、2Bの出力結果をより正確に比較することにより、量子回路1Aの(スピン)量子ビットの状態と量子回路1Bの(スピン)量子ビットの状態との違いを正確に判定することができる。詳細には、量子回路1Aの期待される論理出力と量子回路1Bの期待される論理出力が反対になるように、量子回路1Aの入力信号と量子回路1Bの入力信号を反対に入力することにより、実際の出力信号が第1出力端子Vout1と第2出力端子Vout2の間で反転するようにラッチ回路1Cが働くことによって、量子ビットの状態の読み出しの正解率を向上させることができる。
図3は図2に示す単一電子素子2A等のような単一電子素子(詳細にはSET(単一電子トランジスタ))の特性の一例を説明するための図である。詳細には、図3(A)、図3(B)は単一電子素子の二つのトンネル膜のキャパシタンスが1aFと10aF、ゲートキャパシタンスが2aF、トンネル膜の抵抗が100kΩと1MΩの場合のI-Vをゲート電圧依存性(図3(A))とゲート電圧VGとドレイン電圧依存性(図3(B))を表している。図3(C)、図3(D)は、単一電子素子の二つのトンネル膜のキャパシタンスが1aFと20aF、ゲートキャパシタンスが2aF、トンネル膜の抵抗が100kΩと2MΩの場合のI-Vをゲート電圧依存性(図3(C))とゲート電圧VGとドレイン電圧依存性(図3(D))を表している。この図に示すように単一電子素子に流れる電流値はナノアンペアのオーダーであり、通常のCMOSと比べると小さい。ここでaFはアットファラッドであり10-18Fを示す。
図4は図2に示す増幅回路2C(PチャネルMOSトランジスタ)等のようなMOSトランジスタ結合による第一の増幅回路の原理を説明するための図である。本発明の特徴の一つは、二つの単一電子素子を直接、第二の増幅回路に接続するのではなく、最初に単一電子素子とMOSトランジスタを直列に接続し、単一電子素子の電位を上下させてから、第二の増幅回路に接続することにある。この理由は上記の図3で説明したように、単一電子素子の電流値がナノアンペアのオーダーにあり、通常のCMOS回路で使われている電流、電圧の領域とは離れている点にある。もし、単一電子素子を直接、第二の増幅回路に接続すれば、単一電子素子の出力信号は、第二の増幅回路のノイズ信号のレベルに入ってしまい、単一電子素子の信号を正確に判定することができない。第一の増幅回路において、MOSトランジスタを接続することにより、安定的に第二の増幅回路に接続することが可能となる。図4は飽和領域における増幅原理と線形領域における増幅原理とを示している。
図5は図2に示す単一電子素子2A等のような単一電子素子(詳細にはSET(単一電子トランジスタ))のゲート電圧V[V](横軸)と、図2に示す増幅回路2C(PチャネルMOSトランジスタ)等のようなMOSトランジスタ結合によって増幅された出力端子の電位Vout[V](縦軸)との関係を示す図である。詳細には、図5(A)は増幅回路のPチャネルMOSトランジスタのゲート幅Wpが0.5μmに設定された場合におけるゲート電圧V[V](横軸)と出力端子の電位Vout[V](縦軸)との関係を示しており、図5(B)は増幅回路のPチャネルMOSトランジスタのゲート幅Wpが1μmに設定された場合におけるゲート電圧V[V](横軸)と出力端子の電位Vout[V](縦軸)との関係を示している。図5に示すように、飽和領域における電位Voutは、線形領域における電位Voutより高くなる。
[第2実施形態]
以下、本発明の量子装置、量子ビット読み出し装置および電子回路の第2実施形態について説明する。
第2実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2と同様に構成されている。従って、第2実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2と同様の効果を奏することができる。
図6は第2実施形態の量子ビット読み出し装置2などの一例を示す図である。第2実施形態の量子装置1のラッチ回路1Cおよび判定部1Dは、例えば図6に示す量子ビット読み出し装置2として表現することができる。
図6に示す例では、量子ビット読み出し装置2が、単一電子素子2Aと、単一電子素子2Bと、増幅回路2Cと、増幅回路2Dと、差動増幅回路2Eと、判定部2Iとを備えている。増幅回路2Cは、NチャネルMOSトランジスタ2C1と、PチャネルMOSトランジスタ2C2とを備えている。増幅回路2Dは、NチャネルMOSトランジスタ2D1と、PチャネルMOSトランジスタ2D2とを備えている。差動増幅回路2Eは、NチャネルMOSトランジスタ2E3、2E4、2E7と、PチャネルMOSトランジスタ2E5、2E6とを備えている。
単一電子素子2Aは、量子回路1Aのスピン量子ビットの状態を測定する。単一電子素子2Aのゲートは、量子回路1Aに接続されている。単一電子素子2Aのソースおよびドレインの一方は、1段目の増幅回路として機能する増幅回路2CのNチャネルMOSトランジスタ2C1のソースおよびドレインの一方と、2段目の増幅回路として機能する差動増幅回路2EのNチャネルMOSトランジスタ2E3のゲートとに接続されている。単一電子素子2Aのソースおよびドレインの他方は、例えば接地されている。
単一電子素子2Bは、量子回路1Bのスピン量子ビットの状態を測定する。単一電子素子2Bのゲートは、量子回路1Bに接続されている。単一電子素子2Bのソースおよびドレインの一方は、1段目の増幅回路として機能する増幅回路2DのNチャネルMOSトランジスタ2D1のソースおよびドレインの一方と、2段目の増幅回路として機能する差動増幅回路2EのNチャネルMOSトランジスタ2E4のゲートとに接続されている。単一電子素子2Bのソースおよびドレインの他方は、例えば接地されている。
図6に示す例では、増幅回路2Cが、単一電子素子2Aと差動増幅回路2Eとの間に配置されている。詳細には、増幅回路2CのNチャネルMOSトランジスタ2C1のソースおよびドレインの他方は、PチャネルMOSトランジスタ2C2のソースおよびドレインの一方に接続されている。PチャネルMOSトランジスタ2C2のソースおよびドレインの他方は、所定の電位Vに接続されている。
増幅回路2Dは、単一電子素子2Bと差動増幅回路2Eとの間に配置されている。詳細には、増幅回路2DのNチャネルMOSトランジスタ2D1のソースおよびドレインの他方は、PチャネルMOSトランジスタ2D2のソースおよびドレインの一方に接続されている。PチャネルMOSトランジスタ2D2のソースおよびドレインの他方は、所定の電位Vに接続されている。
NチャネルMOSトランジスタ2E3のソースおよびドレインの一方は、差動増幅回路2Eの第1出力端子Vout1と、PチャネルMOSトランジスタ2E5のソースおよびドレインの一方と、PチャネルMOSトランジスタ2E5のゲートと、PチャネルMOSトランジスタ2E6のゲートとに接続されている。NチャネルMOSトランジスタ2E3のソースおよびドレインの他方は、NチャネルMOSトランジスタ2E7のソースおよびドレインの一方に接続されている。
NチャネルMOSトランジスタ2E7のソースおよびドレインの他方は、例えば接地されている。
NチャネルMOSトランジスタ2E4のソースおよびドレインの一方は、差動増幅回路2Eの第2出力端子Vout2と、PチャネルMOSトランジスタ2E6のソースおよびドレインの一方とに接続されている。NチャネルMOSトランジスタ2E4のソースおよびドレインの他方は、NチャネルMOSトランジスタ2E7のソースおよびドレインの一方に接続されている。
PチャネルMOSトランジスタ2E5のソースおよびドレインの他方と、PチャネルMOSトランジスタ2E6のソースおよびドレインの他方とは、所定の電位Vに接続されている。
差動増幅回路2Eの第1出力端子Vout1と第2出力端子Vout2とは、判定部2Iに接続されている。
判定部2Iは、増幅回路2CのNチャネルMOSトランジスタ2C1およびPチャネルMOSトランジスタ2C2と差動増幅回路2Eとによって増幅された単一電子素子2Aの電位(差動増幅回路2Eの第1出力端子Vout1における電位)と、増幅回路2DのNチャネルMOSトランジスタ2D1およびPチャネルMOSトランジスタ2D2と差動増幅回路2Eとによって増幅された単一電子素子2Bの電位(差動増幅回路2Eの第2出力端子Vout2における電位)との違いを読み取る。
詳細には、差動増幅回路2Eと、増幅回路2CのNチャネルMOSトランジスタ2C1およびPチャネルMOSトランジスタ2C2と、増幅回路2DのNチャネルMOSトランジスタ2D1およびPチャネルMOSトランジスタ2D2とによって、差動増幅回路2Eの第1出力端子Vout1と第2出力端子Vout2の電位差を、元の単一電子素子2Aの電位と単一電子素子2Bの電位との間の電位差よりも大きいものとすることができる。更に、判定部2Iは、増幅回路2CのNチャネルMOSトランジスタ2C1およびPチャネルMOSトランジスタ2C2と差動増幅回路2Eとによって増幅された単一電子素子2Aの電位と、増幅回路2DのNチャネルMOSトランジスタ2D1およびPチャネルMOSトランジスタ2D2と差動増幅回路2Eとによって増幅された単一電子素子2Bの電位とを比較することによって後段のデジタル回路で扱いやすい「0」と「1」との判定を行う。
図6に示す例では、判定部2Iが、増幅回路2CのNチャネルMOSトランジスタ2C1およびPチャネルMOSトランジスタ2C2と差動増幅回路2Eとによって増幅された単一電子素子2Aの電位と、増幅回路2DのNチャネルMOSトランジスタ2D1およびPチャネルMOSトランジスタ2D2と差動増幅回路2Eとによって増幅された単一電子素子2Bの電位との違いを読み取ることにより、回路全体を小型化しつつ単一電子素子2A、2Bに接続された量子回路1A、1Bの量子ビットの状態を読み出すことができる。
換言すれば、第2実施形態では、量子回路1Aから出力された量子ビットの状態を示す信号(詳細には、スピン量子ビットの場合には単一電子素子2Aによって測定されて出力された量子回路1Aの量子ビットのスピン状態を示す信号)がラッチ回路1C(詳細には、増幅回路2CのNチャネルMOSトランジスタ2C1およびPチャネルMOSトランジスタ2C2ならびに差動増幅回路2E)によって増幅された信号(詳細には、第1出力端子Vout1の電位)と、量子回路1Bから出力された量子ビットの状態を示す信号(詳細には、スピン量子ビットの場合には単一電子素子2Bによって測定されて出力された量子回路1Bの量子ビットのスピン状態を示す信号)がラッチ回路1C(詳細には、増幅回路2DのNチャネルMOSトランジスタ2D1およびPチャネルMOSトランジスタ2D2ならびに差動増幅回路2E)によって増幅された信号(詳細には、第2出力端子Vout2の電位)とを比較することにより、量子回路1Aの(スピン)量子ビットの状態と量子回路1Bの(スピン)量子ビットの状態との違いを正確に判定することができる。詳細には、量子回路1Aの出力と量子回路1Bの出力が判定部2Iを通して、0と1との間で反転するように、量子回路1Bの入力信号を量子回路1Aの入力信号と例えばインバータを通して入力することによって(つまり、量子回路1Bの入力信号として、量子回路1Aの入力信号を反転させたものを用いることによって)、量子ビットの状態の読み出しの正解率を向上させることができる。
図7は図6に示す増幅回路2C等のようなPチャネルMOSトランジスタおよびNチャネルMOSトランジスタによる第一の増幅を説明するための図である。詳細には、図7(A)は所定の条件下の飽和領域における単一電子素子(SET)のゲート電圧V[V](横軸)と増幅された出力端子の電位Vout[V](縦軸)との関係を示している。図7(B)は図7(A)とは異なる条件下の飽和領域における単一電子素子(SET)のゲート電圧V[V](横軸)と増幅された出力端子の電位Vout[V](縦軸)との関係を示している。図7(C)は所定の条件下の線形領域における単一電子素子(SET)のゲート電圧V[V](横軸)と増幅された出力端子の電位Vout[V](縦軸)との関係を示している。図7(D)は図7(C)とは異なる条件下の線形領域における単一電子素子(SET)のゲート電圧V[V](横軸)と増幅された出力端子の電位Vout[V](縦軸)との関係を示している。図7において△Voutは、増幅による電位Voutの増加分を示している。図5では単一電子素子に一つのMOSトランジスタを接続したが、同じように単一電子素子に二つのMOSトランジスタを接続した場合でも二つのMOSトランジスタの動作領域を制御することによって、第一の増幅動作が可能となる。またこの例では二つのMOSトランジスタのみ書いてあるが、3以上のMOSトランジスタを結合しても構わない。
図8は図6に示す差動増幅回路2Eによる差動増幅シミュレーション結果を示す図である。詳細には、図8(A)は所定の条件における単一電子素子2A、2Bのゲート電圧V[V](横軸)と第1出力端子および第2出力端子の電位Vout[V](縦軸)との関係を示している。ここで電位Vout[V]は、図6の第1出力端子Vout1の電位と第2出力端子Vout2の電位とをまとめて示してあり、ゲート電圧V[V]を変化させることにより、第1出力端子Vout1の電位と第2出力端子Vout2の電位との差が顕著になることがわかる。図8(B)は図8(A)とは異なる条件における単一電子素子2A、2Bのゲート電圧V[V](横軸)と第1出力端子および第2出力端子の電位Vout[V](縦軸)との関係を示している。
なお、スピン量子ドットの場合、ここで示すゲート電圧V[V]は図20に示すように単一電子素子に接続された量子ドット内の電子の有無により単一電子素子内の電位がシフトする状況を模擬的に示している。
[第3実施形態]
以下、本発明の量子装置、量子ビット読み出し装置および電子回路の第3実施形態について説明する。
第3実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2と同様に構成されている。従って、第3実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2と同様の効果を奏することができる。
図9は第3実施形態の量子ビット読み出し装置2などの一例を示す図である。第3実施形態の量子装置1のラッチ回路1Cおよび判定部1Dは、例えば図9に示す量子ビット読み出し装置2として表現することができる。図9は量子ビットがスピン量子ビットである場合を示す。量子ビットが電荷量子ビットである場合は単一電子素子がそのまま電荷量子ビットして扱われる。
図9に示す例では、量子ビット読み出し装置2が、単一電子素子2Aと、単一電子素子2Bと、SRAM(Static Random Access Memory)2Fと、判定部2Iとを備えている。SRAM2Fは、アクセストランジスタ2F1、2F2と、インバータ2F3、2F4とを備えている。インバータ2F3とインバータ2F4とは、クロスカップル接続されている。インバータ2F3は、PチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタとによって構成されている。インバータ2F4は、PチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタとによって構成されている。なお、以下ではSRAMを構成するトランジスタの数を6としているが、8個、9個、10個、またそれ以上のトランジスタからなる場合のSRAMも同様に量子ビット読み出し装置として使うことができる。
単一電子素子2Aは、量子回路1Aのスピン量子ビットの状態を測定する。単一電子素子2Aのゲートは、量子回路1Aに接続されている。単一電子素子2Aのソースおよびドレインの一方は、SRAM2Fの第1出力端子Vout1に接続されている。単一電子素子2Aのソースおよびドレインの他方は、例えば接地されている。
単一電子素子2Bは、量子回路1Bのスピン量子ビットの状態を測定する。単一電子素子2Bのゲートは、量子回路1Bに接続されている。単一電子素子2Bのソースおよびドレインの一方は、SRAM2Fの第2出力端子Vout2に接続されている。単一電子素子2Bのソースおよびドレインの他方は、例えば接地されている。
アクセストランジスタ2F1のゲートは、ワード線WLに接続されている。アクセストランジスタ2F1のソースおよびドレインの一方は、SRAM2Fの第1出力端子Vout1に接続されている。アクセストランジスタ2F1のソースおよびドレインの他方は、インバータ2F3のPチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの一方と、インバータ2F3のNチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの一方と、インバータ2F4のPチャネルMOSトランジスタのゲートと、インバータ2F4のNチャネルMOSトランジスタのゲートとに接続されている。
インバータ2F3のPチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの他方は、所定の電位Vに接続されている。インバータ2F3のNチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの他方は、例えば接地されている。
アクセストランジスタ2F2のゲートは、ワード線WLに接続されている。アクセストランジスタ2F2のソースおよびドレインの一方は、SRAM2Fの第2出力端子Vout2に接続されている。アクセストランジスタ2F2のソースおよびドレインの他方は、インバータ2F4のPチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの一方と、インバータ2F4のNチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの一方と、インバータ2F3のPチャネルMOSトランジスタのゲートと、インバータ2F3のNチャネルMOSトランジスタのゲートとに接続されている。
インバータ2F4のPチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの他方は、所定の電位Vに接続されている。インバータ2F4のNチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの他方は、例えば接地されている。
SRAM2Fの第1出力端子Vout1と第2出力端子Vout2とは、判定部2Iに接続されている。
判定部2Iは、SRAM2Fによって増幅された(つまり、SRAM2Fを介して出力される)単一電子素子2Aの電位(SRAM2Fの第1出力端子Vout1における電位)と、SRAM2Fによって増幅された(つまり、SRAM2Fを介して出力される)単一電子素子2Bの電位(SRAM2Fの第2出力端子Vout2における電位)との違いを読み取る。
詳細には、SRAM2Fの第1出力端子Vout1および第2出力端子Vout2は、SRAM2Fによって増幅された単一電子素子2Aの電位と、SRAM2Fによって増幅された単一電子素子2Bの電位とを、例えば「0」と「1」とのような反転した結果として出力する。更に、判定部2Iは、SRAM2Fによって増幅された単一電子素子2Aの電位と、SRAM2Fによって増幅された単一電子素子2Bの電位とを比較することによって後段のデジタル回路で扱いやすい「0」と「1」との判定を行う。
図9に示す例では、判定部2Iが、SRAM2Fによって増幅された単一電子素子2Aの電位と、SRAM2Fによって増幅された単一電子素子2Bの電位との違いを読み取ることにより、回路全体を小型化しつつ単一電子素子2A、2Bに接続された量子回路1A、1Bの量子ビットの状態を読み出すことができる。
換言すれば、第3実施形態では、量子回路1Aから出力された(スピン)量子ビットの状態を示す信号がラッチ回路1C(詳細には、SRAM2F)によって増幅された信号(詳細には、SRAM2Fの第1出力端子Vout1の電位)と、量子回路1Bから出力された(スピン)量子ビットの状態を示す信号がラッチ回路1C(詳細には、SRAM2F)によって増幅された信号(詳細には、SRAM2Fの第2出力端子Vout2の電位)とを比較することにより、量子回路1Aの(スピン)量子ビットの状態と量子回路1Bの(スピン)量子ビットの状態との違いを正確に判定することができる。詳細には、量子回路1Aの出力と量子回路1Bの出力が判定部2Iを通して、0と1との間で反転するように、量子回路1Bの入力信号を量子回路1Aの入力信号と例えばインバータを通して入力することによって、量子ビットの状態の読み出しの正解率を向上させることができる。
図10は図9に示す回路シミュレーション(時間変化)の結果を示す図である。詳細には、図10(A)はゲート長90nmの所定の条件におけるSRAM2Fの第1出力端子Vout1の電位および第2出力端子Vout2の電位の時間波形(時間で分離しないもの)と、その条件とは異なる条件におけるSRAM2Fの第1出力端子Vout1の電位および第2出力端子Vout2の電位の時間波形(時間で分離するもの)とを示している。図10(B)はゲート長65nmの図10(A)とは異なる条件におけるSRAM2Fの第1出力端子Vout1の電位および第2出力端子Vout2の電位の時間波形(時間で分離しないもの)と、その条件とは異なる条件におけるSRAM2Fの第1出力端子Vout1の電位および第2出力端子Vout2の電位の時間波形(時間で分離するもの)とを示している。
[第4実施形態]
以下、本発明の量子装置、量子ビット読み出し装置および電子回路の第4実施形態について説明する。
第4実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2は、後述する点を除き、上述した第3実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2と同様に構成されている。従って、第4実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2によれば、後述する点を除き、上述した第3実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2と同様の効果を奏することができる。
図11は第4実施形態の量子ビット読み出し装置2などの一例を示す図である。第4実施形態の量子装置1のラッチ回路1Cおよび判定部1Dは、例えば図11に示す量子ビット読み出し装置2として表現することができる。図11は量子ビットがスピン量子ビットである場合を示す。量子ビットが電荷量子ビットである場合は単一電子素子がそのまま電荷量子ビットして扱われる。
図11に示す例では、量子ビット読み出し装置2が、単一電子素子2Aと、単一電子素子2Bと、増幅回路2Cと、増幅回路2Dと、SRAM2Fと、判定部2I(図9参照)とを備えている。増幅回路2Cは、PチャネルMOSトランジスタによって構成されている。増幅回路2Dは、PチャネルMOSトランジスタによって構成されている。SRAM2Fは、アクセストランジスタ2F1、2F2と、インバータ2F3、2F4とを備えている。インバータ2F3とインバータ2F4とは、クロスカップル接続されている。インバータ2F3は、PチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタとによって構成されている。インバータ2F4は、PチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタとによって構成されている。
単一電子素子2Aは、量子回路1Aのスピン量子ビットの状態を測定する。単一電子素子2Aのゲートは、量子回路1Aに接続されている。単一電子素子2Aのソースおよびドレインの一方は、SRAM2Fの第1出力端子Vout1に接続されている。単一電子素子2Aのソースおよびドレインの他方は、例えば接地されている。
単一電子素子2Bは、量子回路1Bのスピン量子ビットの状態を測定する。単一電子素子2Bのゲートは、量子回路1Bに接続されている。単一電子素子2Bのソースおよびドレインの一方は、SRAM2Fの第2出力端子Vout2に接続されている。単一電子素子2Bのソースおよびドレインの他方は、例えば接地されている。
増幅回路2Cとして機能するPチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの一方は、SRAM2Fの第1出力端子Vout1に接続されている。増幅回路2Cとして機能するPチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの他方は、所定の電位Vに接続されている。つまり、増幅回路2Cは、単一電子素子2AとSRAM2Fとの間に配置されている。
増幅回路2Dとして機能するPチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの一方は、SRAM2Fの第2出力端子Vout2に接続されている。増幅回路2Dとして機能するPチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの他方は、所定の電位Vに接続されている。つまり、増幅回路2Dは、単一電子素子2BとSRAM2Fとの間に配置されている。
SRAM2Fのアクセストランジスタ2F1、2F2およびインバータ2F3、2F4は、図9に示すSRAM2Fのアクセストランジスタ2F1、2F2およびインバータ2F3、2F4と同様に接続されている。
SRAM2Fの第1出力端子Vout1と第2出力端子Vout2とは、判定部2Iに接続されている。
判定部2Iは、増幅回路2CおよびSRAM2Fによって増幅された(つまり、SRAM2Fを介して出力される)単一電子素子2Aの電位(SRAM2Fの第1出力端子Vout1における電位)と、増幅回路2DおよびSRAM2Fによって増幅された(つまり、SRAM2Fを介して出力される)単一電子素子2Bの電位(SRAM2Fの第2出力端子Vout2における電位)との違いを読み取る。
詳細には、SRAM2Fの第1出力端子Vout1および第2出力端子Vout2は、増幅回路2CおよびSRAM2Fによって増幅された単一電子素子2Aの電位と、増幅回路2DおよびSRAM2Fによって増幅された単一電子素子2Bの電位との電位差を、元の単一電子素子2Aの出力端子と単一電子素子2Bの出力端子との電位差と比べて大きな値として出力する。更に、判定部2Iは、増幅回路2CおよびSRAM2Fによって増幅された単一電子素子2Aの電位と、増幅回路2DおよびSRAM2Fによって増幅された単一電子素子2Bの電位とを比較することによって「0」と「1」との判定を行う。
図11に示す例では、判定部2Iが、増幅回路2CおよびSRAM2Fによって増幅された単一電子素子2Aの電位と、増幅回路2DおよびSRAM2Fによって増幅された単一電子素子2Bの電位との違いを読み取ることにより、回路全体を小型化しつつ単一電子素子2A、2Bに接続された量子回路1A、1Bの量子ビットの状態を読み出すことができる。
換言すれば、第4実施形態では、量子回路1Aから出力された(スピン)量子ビットの状態を示す信号がラッチ回路1C(詳細には、増幅回路2CおよびSRAM2F)によって増幅された信号(詳細には、SRAM2Fの第1出力端子Vout1の電位)と、量子回路1Bから出力されたスピン量子ビットの状態を示す信号がラッチ回路1C(詳細には、増幅回路2DおよびSRAM2F)によって増幅された信号(詳細には、SRAM2Fの第2出力端子Vout2の電位)とを比較することにより、量子回路1Aの(スピン)量子ビットの状態と量子回路1Bの(スピン)量子ビットの状態との違いを正確に判定することができる。詳細には、量子回路1Aの出力と量子回路1Bの出力が判定部2Iを通して、0と1との間で反転するように、量子回路1Bの入力信号を量子回路1Aの入力信号と例えばインバータを通して入力することによって、量子ビットの状態の読み出しの正解率を向上させることができる。
[第5実施形態]
以下、本発明の量子装置、量子ビット読み出し装置および電子回路の第5実施形態について説明する。
第5実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2と同様に構成されている。従って、第5実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2と同様の効果を奏することができる。
図12は第5実施形態の量子ビット読み出し装置2の一例を示す図である。第5実施形態の量子装置1のラッチ回路1Cおよび判定部1Dは、例えば図12に示す量子ビット読み出し装置2として表現することができる。
図12に示す例では、量子ビット読み出し装置2が、センスアンプ2G1と、イコライザ2G2と、トランジスタ2G3、2G4と、判定部2I(図6参照)とを備えている。センスアンプ2G1は、増幅回路として機能する第1PチャネルMOSトランジスタと第2PチャネルMOSトランジスタと第1NチャネルMOSトランジスタと第2NチャネルMOSトランジスタとによって構成されている。イコライザ2G2は、ゲートに共通のイコライズ信号EQが入力される第1NチャネルMOSトランジスタと第2NチャネルMOSトランジスタとによって構成されている。
単一電子素子2Aは、量子回路1A(図12には図示せず)のスピン量子ビットの状態を測定する。単一電子素子2Aは、量子回路1Aに含まれている。単一電子素子2Aのソースおよびドレインの一方は、トランジスタ2G3のソースおよびドレインの一方に接続されている。単一電子素子2Aのソースおよびドレインの他方は、例えば接地されている。
単一電子素子2Bは、量子回路1B(図12には図示せず)のスピン量子ビットの状態を測定する。単一電子素子2Bは、量子回路1Bに含まれている。単一電子素子2Bのソースおよびドレインの一方は、トランジスタ2G4のソースおよびドレインの一方に接続されている。単一電子素子2Bのソースおよびドレインの他方は、例えば接地されている。
トランジスタ2G3のソースおよびドレインの他方は、増幅回路2Gの第1出力端子Vout1に接続されている。トランジスタ2G3のソースおよびドレインの他方と増幅回路2Gの第1出力端子Vout1とを接続する配線が第1ビット線として機能する。トランジスタ2G3のゲートは、ワード線WLに接続されている。
トランジスタ2G4のソースおよびドレインの他方は、増幅回路2Gの第2出力端子Vout2に接続されている。トランジスタ2G4のソースおよびドレインの他方と増幅回路2Gの第2出力端子Vout2とを接続する配線が第2ビット線として機能する。トランジスタ2G4のゲートは、ワード線WLに接続されている。
トランジスタ2G3のソースおよびドレインの他方と増幅回路2Gの第1出力端子Vout1とを接続する第1ビット線は、センスアンプ2G1の第1PチャネルMOSトランジスタのゲートと、センスアンプ2G1の第1NチャネルMOSトランジスタのゲートとに接続されている。
トランジスタ2G4のソースおよびドレインの他方と増幅回路2Gの第2出力端子Vout2とを接続する第2ビット線は、センスアンプ2G1の第2PチャネルMOSトランジスタのゲートと、センスアンプ2G1の第2NチャネルMOSトランジスタのゲートとに接続されている。
センスアンプ2G1の第1PチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの一方は、第2ビット線に接続されている。センスアンプ2G1の第2PチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの一方は、第1ビット線に接続されている。センスアンプ2G1の第1PチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの他方と、センスアンプ2G1の第2PチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの他方とには、共通のセンスアンプ活性化信号SAPが入力される。
センスアンプ2G1の第1NチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの一方は、第2ビット線に接続されている。センスアンプ2G1の第2NチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの一方は、第1ビット線に接続されている。センスアンプ2G1の第1NチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの他方と、センスアンプ2G1の第2NチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの他方とには、共通のセンスアンプ活性化信号SANが入力される。
イコライザ2G2の第1NチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの一方は、第1ビット線に接続されている。イコライザ2G2の第2NチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの一方は、第2ビット線に接続されている。イコライザ2G2の第1NチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの他方は、イコライザ2G2の第2NチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの他方に接続されている。
増幅回路2Gの第1出力端子Vout1と第2出力端子Vout2とは、判定部2Iに接続されている。
判定部2Iは、増幅回路2Gによって増幅された(つまり、増幅回路2Gを介して出力される)単一電子素子2Aの電位(増幅回路2Gの第1出力端子Vout1における電位)と、増幅回路2Gによって増幅された(つまり、増幅回路2Gを介して出力される)単一電子素子2Bの電位(増幅回路2Gの第2出力端子Vout2における電位)との違いを読み取る。
詳細には、増幅回路2Gの第1出力端子Vout1および第2出力端子Vout2は、増幅回路2Gによって増幅された単一電子素子2Aの電位と、増幅回路2Gによって増幅された単一電子素子2Bの電位との電位差を、元の単一電子素子2Aの出力端子と単一電子素子2Bの出力端子との電位差と比べて大きな値として出力する。更に、判定部2Iは、増幅回路2Gによって増幅された単一電子素子2Aの電位と、増幅回路2Gによって増幅された単一電子素子2Bの電位とを比較することによって「0」と「1」との判定を行う。
図12に示す例では、判定部2Iが、増幅回路2Gによって増幅された単一電子素子2Aの電位と、増幅回路2Gによって増幅された単一電子素子2Bの電位との違いを読み取ることにより、回路全体を小型化しつつ単一電子素子2A、2Bに接続された量子回路1A、1Bの量子ビットの状態を読み出すことができる。
換言すれば、第5実施形態では、量子回路1Aから出力された(スピン)量子ビットの状態を示す信号がラッチ回路1C(詳細には、増幅回路2G)によって増幅された信号(詳細には、増幅回路2Gの第1出力端子Vout1の電位)と、量子回路1Bから出力された(スピン)量子ビットの状態を示す信号がラッチ回路1C(詳細には、増幅回路2G)によって増幅された信号(詳細には、増幅回路2Gの第2出力端子Vout2の電位)とを比較することにより、量子回路1Aの(スピン)量子ビットの状態と量子回路1Bの(スピン)量子ビットの状態との違いを正確に判定することができる詳細には、量子回路1Aの出力と量子回路1Bの出力が判定部2Iを通して、0と1との間で反転するように、量子回路1Bの入力信号を量子回路1Aの入力信号と例えばインバータを通して入力することによって、量子ビットの状態の読み出しの正解率を向上させることができる。
[第6実施形態]
以下、本発明の量子装置、量子ビット読み出し装置および電子回路の第6実施形態について説明する。
第6実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2は、後述する点を除き、上述した第5実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2と同様に構成されている。従って、第6実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2と同様の効果を奏することができる。
図13は第6実施形態の量子ビット読み出し装置2の一例を示す図である。第6実施形態の量子装置1のラッチ回路1Cは、例えば図13に示す量子ビット読み出し装置2として表現することができる。
図13に示す例では、量子ビット読み出し装置2が、単一電子素子2Aと、単一電子素子2Bと、増幅回路2Cと、増幅回路2Dと、増幅回路2Gと、判定部2I(図6参照)とを備えている。増幅回路2Cは、PチャネルMOSトランジスタによって構成されている。増幅回路2Dは、PチャネルMOSトランジスタによって構成されている。
なお、増幅回路2C、2Dは図7のように二つ以上のMOSトランジスタから構成されてもよい。
単一電子素子2Aは、量子回路1A(図2参照)のスピン量子ビットの状態を測定する。単一電子素子2Aのゲートは、量子回路1Aに接続されている。単一電子素子2Aのソースおよびドレインの一方は、増幅回路2Gのトランジスタ2G3のソースおよびドレインの一方と、増幅回路2Cとして機能するPチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの一方とに接続されている。単一電子素子2Aのソースおよびドレインの他方は、例えば接地されている。増幅回路2Cとして機能するPチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの他方は、所定の電位Vに接続されている。つまり、増幅回路2Cは、単一電子素子2Aと増幅回路2Gとの間に配置されている。
単一電子素子2Bは、量子回路1B(図2参照)のスピン量子ビットの状態を測定する。単一電子素子2Bのゲートは、量子回路1Bに接続されている。単一電子素子2Bのソースおよびドレインの一方は、増幅回路2Gのトランジスタ2G4のソースおよびドレインの一方と、増幅回路2Dとして機能するPチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの一方とに接続されている。単一電子素子2Bのソースおよびドレインの他方は、例えば接地されている。増幅回路2Dとして機能するPチャネルMOSトランジスタのソースおよびドレインの他方は、所定の電位Vに接続されている。つまり、増幅回路2Dは、単一電子素子2Bと増幅回路2Gとの間に配置されている。
増幅回路2Gは、図12に示す増幅回路2Gと同様に構成されている。つまり、SRAM2Fの第1出力端子Vout1と第2出力端子Vout2とは、判定部2Iに接続されている。
判定部2Iは、増幅回路2Cおよび増幅回路2Gによって増幅された(つまり、増幅回路2Gを介して出力される)単一電子素子2Aの電位(増幅回路2Gの第1出力端子Vout1における電位)と、増幅回路2Dおよび増幅回路2Gによって増幅された(つまり、増幅回路2Gを介して出力される)単一電子素子2Bの電位(増幅回路2Gの第2出力端子Vout2における電位)との違いを読み取る。
詳細には、増幅回路2Gの第1出力端子Vout1および第2出力端子Vout2は、増幅回路2Cおよび増幅回路2Gによって増幅された単一電子素子2Aの電位と、増幅回路2Dおよび増幅回路2Gによって増幅された単一電子素子2Bの電位との電位差を、元の単一電子素子2Aの出力端子と単一電子素子2Bの出力端子との電位差と比べて大きな値として出力する。更に、判定部2Iは、増幅回路2Cおよび増幅回路2Gによって増幅された単一電子素子2Aの電位と、増幅回路2Dおよび増幅回路2Gによって増幅された単一電子素子2Bの電位とを比較することによって「0」と「1」との判定を行う。
図13に示す例では、判定部2Iが、増幅回路2Cおよび増幅回路2Gによって増幅された単一電子素子2Aの電位と、増幅回路2Dおよび増幅回路2Gによって増幅された単一電子素子2Bの電位との違いを読み取ることにより、回路全体を小型化しつつ単一電子素子2A、2Bに接続された量子回路1A、1Bの量子ビットの状態を読み出すことができる。
換言すれば、第6実施形態では、量子回路1Aから出力された(スピン)量子ビットの状態を示す信号がラッチ回路1C(詳細には、増幅回路2Cおよび増幅回路2G)によって増幅された信号(詳細には、増幅回路2Gの第1出力端子Vout1の電位)と、量子回路1Bから出力された(スピン)量子ビットの状態を示す信号がラッチ回路1C(詳細には、増幅回路2Dおよび増幅回路2G)によって増幅された信号(詳細には、増幅回路2Gの第2出力端子Vout2の電位)とを比較することにより、量子回路1Aの(スピン)量子ビットの状態と量子回路1Bの(スピン)量子ビットの状態との違いを正確に判定することができる。詳細には、量子回路1Aの出力と量子回路1Bの出力が判定部2Iを通して、0と1との間で反転するように、量子回路1Bの入力信号を量子回路1Aの入力信号と例えばインバータを通して入力することによって、量子ビットの状態の読み出しの正解率を向上させることができる。
図18は図13に示す第6実施形態の量子ビット読み出し装置2での電圧の時間変化を示す図である。
図18に示すように、イコライザ2G2とセンスアンプ2G1の入力信号を時間的に調整することで、増幅回路2Gの第1出力端子Vout1の電位Vout1と増幅回路2Gの第2出力端子Vout2の電位Vout2を明確に区別することができる。
[第7実施形態]
以下、本発明の量子装置、量子ビット読み出し装置および電子回路の第7実施形態について説明する。
第7実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2と同様に構成されている。従って、第7実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2と同様の効果を奏することができる。
図14は第7実施形態の量子ビット読み出し装置2などの一例を示す図である。第7実施形態の量子装置1のラッチ回路1Cおよび判定部1Dは、例えば図14に示す量子ビット読み出し装置2として表現することができる。
図14は量子ビットがスピン量子ビットである場合を示す。量子ビットが電荷量子ビットである場合は単一電子素子がそのまま電荷量子ビットして扱われる。
図14に示す例では、量子ビット読み出し装置2が、単一電子素子2Aと、単一電子素子2Bと、クロスカップルMOSトランジスタ回路2Hと、判定部2Iとを備えている。クロスカップルMOSトランジスタ回路2Hは、クロスカップル接続された一対のPチャネルMOSトランジスタ2H1、2H2と、トランジスタ2H3、2H4とを備えている。
単一電子素子2Aは、量子回路1Aの量子ビットの状態を測定する。単一電子素子2Aのゲートは、量子回路1Aに接続されている。単一電子素子2Aのソースおよびドレインの一方は、クロスカップルMOSトランジスタ回路2Hのトランジスタ2H3のソースおよびドレインの一方に接続されている。単一電子素子2Aのソースおよびドレインの他方は、例えば接地されている。
単一電子素子2Bは、量子回路1Bの量子ビットの状態を測定する。単一電子素子2Bのゲートは、量子回路1Bに接続されている。単一電子素子2Bのソースおよびドレインの一方は、クロスカップルMOSトランジスタ回路2Hのトランジスタ2H4のソースおよびドレインの一方に接続されている。単一電子素子2Bのソースおよびドレインの他方は、例えば接地されている。
トランジスタ2H3のソースおよびドレインの他方は、クロスカップルMOSトランジスタ回路2Hの第1出力端子Vout1に接続されている。トランジスタ2H3のゲートは、ワード線WLに接続されている。
トランジスタ2H4のソースおよびドレインの他方は、クロスカップルMOSトランジスタ回路2Hの第2出力端子Vout2に接続されている。トランジスタ2H4のゲートは、ワード線WLに接続されている。
PチャネルMOSトランジスタ2H1のソースおよびドレインの一方と、PチャネルMOSトランジスタ2H2のゲートとは、クロスカップルMOSトランジスタ回路2Hの第1出力端子Vout1に接続されている。PチャネルMOSトランジスタ2H1のソースおよびドレインの他方は、所定の電位Vに接続されている。
PチャネルMOSトランジスタ2H2のソースおよびドレインの一方と、PチャネルMOSトランジスタ2H1のゲートとは、クロスカップルMOSトランジスタ回路2Hの第2出力端子Vout2に接続されている。PチャネルMOSトランジスタ2H2のソースおよびドレインの他方は、所定の電位Vに接続されている。
クロスカップルMOSトランジスタ回路2Hの第1出力端子Vout1と第2出力端子Vout2とは、判定部2Iに接続されている。
判定部2Iは、クロスカップルMOSトランジスタ回路2Hによって増幅された(つまり、クロスカップルMOSトランジスタ回路2Hを介して出力される)単一電子素子2Aの電位(クロスカップルMOSトランジスタ回路2Hの第1出力端子Vout1における電位)と、クロスカップルMOSトランジスタ回路2Hによって増幅された(つまり、クロスカップルMOSトランジスタ回路2Hを介して出力される)単一電子素子2Bの電位(クロスカップルMOSトランジスタ回路2Hの第2出力端子Vout2における電位)との違いを読み取る。
詳細には、クロスカップルMOSトランジスタ回路2Hの第1出力端子Vout1および第2出力端子Vout2は、クロスカップルMOSトランジスタ回路2Hによって増幅された単一電子素子2Aの電位と、クロスカップルMOSトランジスタ回路2Hによって増幅された単一電子素子2Bの電位との電位差を、元の単一電子素子2Aの出力端子と単一電子素子2Bの出力端子との電位差と比べて大きな値として出力する。更に、判定部2Iは、クロスカップルMOSトランジスタ回路2Hによって増幅された単一電子素子2Aの電位と、クロスカップルMOSトランジスタ回路2Hによって増幅された単一電子素子2Bの電位とを比較することによって「0」と「1」との判定を行う。
図14に示す例では、判定部2Iが、クロスカップルMOSトランジスタ回路2Hによって増幅された単一電子素子2Aの電位と、クロスカップルMOSトランジスタ回路2Hによって増幅された単一電子素子2Bの電位との違いを読み取ることにより、回路全体を小型化しつつ単一電子素子2A、2Bに接続された量子回路1A、1Bの量子ビットの状態を読み出すことができる。
換言すれば、第7実施形態では、量子回路1Aから出力された(スピン)量子ビットの状態を示す信号がラッチ回路1C(詳細には、クロスカップルMOSトランジスタ回路2H)によって増幅された信号(詳細には、クロスカップルMOSトランジスタ回路2Hの第1出力端子Vout1の電位)と、量子回路1Bから出力された(スピン)量子ビットの状態を示す信号がラッチ回路1C(詳細には、クロスカップルMOSトランジスタ回路2H)によって増幅された信号(詳細には、クロスカップルMOSトランジスタ回路2Hの第2出力端子Vout2の電位)とを比較することにより、量子回路1Aの(スピン)量子ビットの状態と量子回路1Bの(スピン)量子ビットの状態との違いを正確に判定することができる。詳細には、量子回路1Bの入力信号を量子回路1Aの入力信号と例えばインバータを通して入力することによって、量子ビットの状態の読み出しの正解率を向上させることができる。
なお、図14ではPチャネルMOSトランジスタのペアを用いているが、NチャネルMOSトランジスタを用いてもいいし、単一電子素子の一端を接地せずに他の単一電子素子やNチャネルMOSトランジスタを一つ以上追加してもよい。一般にPチャネルMOSトランジスタとNチャネルMOSトランジスタをそれぞれ一つ以上単一電子と直列もしくは並列に接続してもよい。
[第8実施形態]
以下、本発明の量子装置、量子ビット読み出し装置および電子回路の第8実施形態について説明する。
第8実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2と同様に構成されている。従って、第8実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の量子装置1および量子ビット読み出し装置2と同様の効果を奏することができる。
図15は第8実施形態の量子ビット読み出し装置2などの一例を示す図である。第8実施形態の量子装置1のラッチ回路1Cおよび判定部1Dは、例えば図15に示す量子ビット読み出し装置2として表現することができる。図15は量子ビットがスピン量子ビットである場合を示す。量子ビットが電荷量子ビットの場合は単一電子素子がそのまま電荷量子ビットして扱われる。
図15に示す例では、量子ビット読み出し装置2が、差動増幅回路2Eと、判定部2I(図2参照)とを備えている。差動増幅回路2Eは、バイポーラトランジスタ2E11、2E12と、抵抗2E13、2E14、2E15、2E16と、定電流源2E17とを備えている。
単一電子素子2Aは、量子回路1Aの量子ビットの状態を測定する。単一電子素子2Aは量子回路1Aに含まれる。単一電子素子2Aのソースおよびドレインの一方は、バイポーラトランジスタ2E11のベースに接続されると共に、抵抗2E15を介して所定の電位Vに接続されている。単一電子素子2Aのソースおよびドレインの他方は、例えば接地されている。
単一電子素子2Bは、量子回路1Bの量子ビットの状態を測定する。単一電子素子2Bは量子回路1Bに含まれる。単一電子素子2Bのソースおよびドレインの一方は、バイポーラトランジスタ2E12のベースに接続されると共に、抵抗2E16を介して所定の電位Vに接続されている。単一電子素子2Bのソースおよびドレインの他方は、例えば接地されている。
バイポーラトランジスタ2E11のエミッタは、定電流源2E17に接続されている。バイポーラトランジスタ2E11のコレクタは、差動増幅回路2Eの第1出力端子Vout1に接続されている。差動増幅回路2Eの第1出力端子Vout1は、抵抗2E13を介して所定の電位Vに接続されている。
バイポーラトランジスタ2E12のエミッタは、定電流源2E17に接続されている。バイポーラトランジスタ2E12のコレクタは、差動増幅回路2Eの第2出力端子Vout2に接続されている。差動増幅回路2Eの第2出力端子Vout2は、抵抗2E14を介して所定の電位Vに接続されている。
差動増幅回路2Eの第1出力端子Vout1と第2出力端子Vout2とは、判定部2Iに接続されている。
判定部2Iは、差動増幅回路2Eによって増幅された単一電子素子2Aの電位(差動増幅回路2Eの第1出力端子における電位)と、差動増幅回路2Eによって増幅された単一電子素子2Bの電位(差動増幅回路2Eの第2出力端子における電位)との違いを読み取る。
詳細には、差動増幅回路2Eの第1出力端子Vout1および第2出力端子Vout2は、差動増幅回路2Eによって増幅された単一電子素子2Aの電位と、差動増幅回路2Eによって増幅された単一電子素子2Bの電位との電位差を増幅する。更に、判定部2Iは、差動増幅回路2Eによって増幅された単一電子素子2Aの電位と、差動増幅回路2Eとよって増幅された単一電子素子2Bの電位とを比較することによって「0」と「1」との判定を行う。
図15に示す例では、判定部2Iが、差動増幅回路2Eによって増幅された単一電子素子2Aの電位と、差動増幅回路2Eによって増幅された単一電子素子2Bの電位との違いを読み取ることにより、回路全体を小型化しつつ単一電子素子2A、2Bに接続された量子回路1A、1Bの量子ビットの状態を読み出すことができる。
換言すれば、第8実施形態では、量子回路1Aから出力された量子ビットの状態を示す信号がラッチ回路1C(詳細には、差動増幅回路2E)によって増幅された信号(詳細には、差動増幅回路2Eの第1出力端子Vout1の電位)と、量子回路1Bから出力された量子ビットの状態を示す信号がラッチ回路1C(詳細には、差動増幅回路2E)によって増幅された信号(詳細には、差動増幅回路2Eの第2出力端子Vout2の電位)とを比較することにより、量子回路1Aの量子ビットの状態と量子回路1Bの量子ビットの状態との違いを正確に判定することができる。詳細には、量子回路1Aの出力と量子回路1Bの出力が判定部2Iを通して、0と1との間で反転するように、量子回路1Bの入力信号を量子回路1Aの入力信号と例えばインバータを通して入力することによって、量子ビットの状態の読み出しの正解率を向上させることができる。
[第9実施形態]
以下、本発明の量子装置、量子ビット読み出し装置および電子回路の第9実施形態について説明する。
第9実施形態の電子回路3は、後述する点を除き、上述した第7実施形態の量子ビット読み出し装置2と同様に構成されている。従って、第9実施形態の電子回路3によれば、後述する点を除き、上述した第7実施形態の量子ビット読み出し装置2と同様の効果を奏することができる。
図16は第9実施形態の電子回路3の一例を示す図である。
図16に示す例では、電子回路3が、第1単一電子素子アレイ3A(図17参照)と、第1セレクタ3B(図17参照)と、第2単一電子素子アレイ3C(図17参照)と、第2セレクタ3D(図17参照)と、増幅回路3Eと、判定部3Fとを備えている。
第1単一電子素子アレイ3Aは複数の単一電子素子を含む。第1セレクタ3Bは、第1単一電子素子アレイ3Aに含まれる複数の単一電子素子から、1つの単一電子素子である第1単一電子素子3A1を選択する。
第2単一電子素子アレイ3Cは複数の単一電子素子を含む。第2セレクタ3Dは、第2単一電子素子アレイ3Cに含まれる複数の単一電子素子から、1つの単一電子素子である第2単一電子素子3C1を選択する。
増幅回路3Eは、図14に示すクロスカップルMOSトランジスタ回路2Hと同様に構成されている。増幅回路3Eは、第1セレクタ3Bによって選択された第1単一電子素子3A1の電位と、第2セレクタ3Dによって選択された第2単一電子素子3C1の電位とを増幅する。
判定部3Fは、図14に示す判定部2Iと同様に機能する。判定部3Fは、増幅回路3Eによって増幅された第1単一電子素子3A1の電位(増幅回路3Eの第1出力端子Vout1の電位)と、増幅回路3Eによって増幅された第2単一電子素子3C1の電位(増幅回路3Eの第2出力端子Vout2の電位)とを比較することによって、0と1との判定を行う。
つまり、図16に示す例では、電子回路3において、第1単一電子素子3A1の電位と第2単一電子素子3C1の電位との違いが読み取られる。
図17は上述した第1実施形態から第9実施形態までの単一電子素子2Aとして第1単一電子素子アレイ3Aに含まれる複数の単一電子素子のうちの1つの単一電子素子(第1単一電子素子3A1)が用いられ、第1実施形態から第9実施形態までの単一電子素子2Bとして第2単一電子素子アレイ3Cに含まれる複数の単一電子素子のうちの1つの単一電子素子(第2単一電子素子3C1)が用いられる例を説明するための図である。図17は単一電子素子のみ描かれているが、これは単一電子素子が電荷量子ビットの場合であり、スピン量子ビットに適用する場合には各単一電子素子がスピン量子ビットの読み取り装置として働く。
図17のアレイ構造は、第1実施形態から第9実施形態まで適用することができるが、特に図17に示すアレイ構造で図16の実施形態を適用する場合、第1セレクタ3Bが、図9に示す単一電子素子2Aと同様に機能する第1単一電子素子3A1(図16参照)を第1単一電子素子アレイ3Aから選択する。第1セレクタ3Bによって選択された第1単一電子素子3A1は、増幅回路3Eに接続される。
第2単一電子素子アレイ3Cは、第1単一電子素子アレイ3Aと同様に構成されている。第2セレクタ3Dは、第1セレクタ3Bと同様に構成されている。第2セレクタ3Dは、図9に示す単一電子素子2Bと同様に機能する第2単一電子素子3C1(図16参照)を第2単一電子素子アレイ3Cから選択する。第2セレクタ3Dによって選択された第2単一電子素子3C1は、増幅回路3Eに接続される。
図17に示す増幅回路3Eは、図9に示すSRAM2Fと同様に機能する。図17に示す判定部3Fは、図9に示す判定部2Iと同様に機能する。つまり、判定部3Fは、第1セレクタ3Bによって選択されて増幅回路3Eによって増幅された(つまり、増幅回路3Eを介して出力される)第1位単一電子素子3A1の電位(増幅回路3Eの第1出力端子Vout1における電位)と、第2セレクタ3Dによって選択されて増幅回路3Eによって増幅された(つまり、増幅回路3Eを介して出力される)第2単一電子素子3C1の電位(増幅回路3Eの第2出力端子Vout2における電位)との違いを読み取る。
詳細には、増幅回路3Eの第1出力端子Vout1および第2出力端子Vout2は、増幅回路3Eによって増幅された第1単一電子素子3A1の電位と、増幅回路3Eによって増幅された第2単一電子素子3C1の電位とを、例えば「0」と「1」とのような反転した結果として出力する。更に、判定部3Fは、増幅回路3Eによって増幅された第1単一電子素子3A1の電位と、増幅回路3Eによって増幅された第2単一電子素子3C1の電位とを比較することによって「0」と「1」との判定を行う。
図19は第9実施形態の電子回路3の第1単一電子素子アレイ3AとしてNANDフラッシュメモリが用いられ、第2単一電子素子アレイ3CとしてNANDフラッシュメモリが用いられる例を説明するための図である。詳細には、図19は第1単一電子素子アレイ3Aとして機能するNANDフラッシュメモリのコントロールゲートとフローティングゲートとトンネル酸化膜とソースとドレインと電子との関係を示している。
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。上述した各実施形態および各例に記載の構成を組み合わせてもよい。
本発明は主にスピン量子ビットについて説明を加えてきたが、単一電子素子を電荷量子ビット素子としてすべて置き換えても成立する。例えば図16に示す例では、単一電子素子3A1、3C1そのものを電荷量子ビットとして動作させることもできる。図16は特に電荷量子ビット(3A1)と電荷量子ビット(3C1)とがキャパシタンスを通して結合している状態を示す。電荷量子ビット(3A1)と電荷量子ビット(3C1)とのキャパシタンス結合は非特許文献8に示すように例えばイジング相互作用として働く。電荷量子ビット間が離れている場合にはこの相互作用は働かない。このようにペアとなる単一電子同士が近接してキャパシタンスを介して直接相互作用しても構わない。
また第一のMOSトランジスタとしてPMOSを記述したが、NMOSトランジスタでも構わない。またNMOSトランジスタの場合、単一電子素子と接地との間にMOSトランジスタを入れても構わない。図17、図19においては隣り合った電荷量子ビットが相互作用をしても構わない。
なお、上述した実施形態における量子装置1、量子ビット読み出し装置2または電子回路3が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
上記実施形態で量子回路1Aから出力されたスピン量子ビットの状態と量子回路1Bの入力信号を量子回路1Aの入力信号と例えばインバータを通して入力すること(つまり、量子回路1Bの入力信号として、量子回路1Aの入力信号を反転させたものを用いることによって)について述べたがこれは片方のスピン量子ドットのスピンの向きともう一つのスピン量子ドットのスピンの向きが逆向きであることを示すことが多い。
また、入力部分について、これまでの図のスピン量子ビットの例では、二つの量子ドットのうち片方の量子ドット内のスピン状態がアップのとき、ダウンスピンが入ることが可能となるという状態を考えてきた。これは、単一電子素子の隣の量子ドットに電子がある場合、単一電子素子の電流が流れにくくなることを利用している。つまり単一電子素子の隣の電子の有無によって、単一電子素子のゲート電圧がシフトするのと等価であること利用している。図20はこの様子の模式図を示しており、電荷があるかないかで、クーロン振動のピーク位置がずれることを示している。上記の実施形態では、このシフト分を単一電子素子のゲート電圧の違いということで記述した。なお、単一電子素子を制御する電極は二つ以上であっても構わない。
さらに、これは一例であって、例えば、非特許文献7のように単一電子素子に接するスピン量子ドットが一つの場合でも構わない。
上記の説明で量子回路1B内の量子ビットの数は量子回路1A内の量子ビットの数と必ずしも等しくなくても構わない。この場合、量子回路1B内の量子ビットの量子状態を0か1に固定し、参照する量子ビットの集まりとして、量子回路1A内の量子ビットの量子状態を決定することができる。
1…量子装置、1A…量子回路、1B…量子回路、1C…ラッチ回路、1D…判定部、2…量子ビット読み出し装置、2A…単一電子素子、2B…単一電子素子、2C…増幅回路、2C1…トランジスタ、2C2…トランジスタ、2D…増幅回路、2D1…トランジスタ、2D2…トランジスタ、2E…差動増幅回路、2E1、2E2、2E3、2E4、2E5、2E6、2E7…トランジスタ、2E11、2E12…バイポーラトランジスタ、2E13、2E14、2E15、2E16…抵抗、2E17…定電流源、2F…SRAM、2F1、2F2…アクセストランジスタ、2F3、2F4…インバータ、2G…増幅回路、2G1…センスアンプ、2G2…イコライザ、2G3、2G4…トランジスタ、2H…クロスカップルMOSトランジスタ回路、2H1、2H2…PチャネルMOSトランジスタ、2H3、2H4…トランジスタ、2I…判定部、3…電子回路、3A…第1単一電子素子アレイ、3A1…単一電子素子、3B…第1セレクタ、3C…第2単一電子素子アレイ、3C2…単一電子素子、3D…第2セレクタ、3E…増幅回路、3F…判定部

Claims (15)

  1. 第1量子回路と、
    第2量子回路と、
    前記第1量子回路と前記第2量子回路とに接続されたラッチ回路とを備え、
    前記ラッチ回路は、
    前記第1量子回路から出力された第1量子ビットの状態をラッチして、前記第1量子ビットの状態を示す信号を増幅する機能と、
    前記第2量子回路から出力された第2量子ビットの状態をラッチして、前記第2量子ビットの状態を示す信号を増幅する機能とを有する、
    量子装置。
  2. 第1量子回路に接続された第1単一電子素子と、
    第2量子回路に接続された第2単一電子素子と、
    前記第1単一電子素子と前記第2単一電子素子とに接続された差動増幅回路とを備え、
    前記差動増幅回路によって増幅された前記第1単一電子素子の電位と前記第2単一電子素子の電位との違いが読み取られる、
    量子ビット読み出し装置。
  3. 前記第1単一電子素子と前記差動増幅回路との間に配置された第1増幅回路と、
    前記第2単一電子素子と前記差動増幅回路との間に配置された第2増幅回路とを備える、
    請求項2に記載の量子ビット読み出し装置。
  4. 前記第1増幅回路は、第1導電型トランジスタと第2導電型トランジスタとを備え、
    前記第2増幅回路は、第1導電型トランジスタと第2導電型トランジスタとを備える、
    請求項3に記載の量子ビット読み出し装置。
  5. 第1量子回路に接続された第1単一電子素子と、
    第2量子回路に接続された第2単一電子素子と、
    前記第1単一電子素子と前記第2単一電子素子とに接続されたSRAM(Static Random Access Memory)とを備え、
    前記SRAMを介して出力される前記第1単一電子素子の電位と前記第2単一電子素子の電位との違いが読み取られる、
    量子ビット読み出し装置。
  6. 前記SRAMは、
    前記第1単一電子素子に接続された第1アクセストランジスタと、
    前記第2単一電子素子に接続された第2アクセストランジスタと、
    前記第1アクセストランジスタに接続された第1インバータと、
    前記第2アクセストランジスタに接続された第2インバータとを備え、
    前記第1インバータと前記第2インバータとはクロスカップル接続されている、
    請求項5に記載の量子ビット読み出し装置。
  7. 前記第1単一電子素子と前記SRAMとの間に配置された第1増幅回路と、
    前記第2単一電子素子と前記SRAMとの間に配置された第2増幅回路とを備える、
    請求項5に記載の量子ビット読み出し装置。
  8. 第1量子回路に接続された第1単一電子素子と、第2量子回路に接続された第2単一電子素子とに接続された増幅回路を備え、
    前記増幅回路を介して出力される前記第1単一電子素子の電位と前記第2単一電子素子の電位との違いが読み取られる、
    量子ビット読み出し装置。
  9. 前記増幅回路は、センスアンプとイコライザとを備える、
    請求項8に記載の量子ビット読み出し装置。
  10. 第1量子回路に接続された第1単一電子素子と、
    第2量子回路に接続された第2単一電子素子と、
    前記第1単一電子素子と前記第2単一電子素子とに接続されたクロスカップルMOSトランジスタ回路とを備え、
    前記クロスカップルMOSトランジスタ回路は、クロスカップル接続された一対のPチャネルMOSトランジスタを備え、
    前記クロスカップルMOSトランジスタ回路を介して出力される前記第1単一電子素子の電位と前記第2単一電子素子の電位との違いが読み取られる、
    量子ビット読み出し装置。
  11. 前記差動増幅回路は、
    ベースが前記第1単一電子素子に接続された第1バイポーラトランジスタと、
    ベースが前記第2単一電子素子に接続された第2バイポーラトランジスタとを備える、
    請求項2に記載の量子ビット読み出し装置。
  12. 前記第1単一電子素子の電位と、前記第2単一電子素子の電位とが、反転した結果として出力される、
    請求項2から請求項11のいずれか一項に記載の量子ビット読み出し装置。
  13. 前記第1単一電子素子の電位と前記第2単一電子素子の電位とを比較することによって0と1との判定を行う判定部を備える、
    請求項2から請求項12のいずれか一項に記載の量子ビット読み出し装置。
  14. 複数の単一電子素子を含む第1単一電子素子アレイと、
    前記第1単一電子素子アレイから1つの単一電子素子である第1単一電子素子を選択する第1セレクタと、
    複数の単一電子素子を含む第2単一電子素子アレイと、
    前記第2単一電子素子アレイから1つの単一電子素子である第2単一電子素子を選択する第2セレクタと、
    前記第1セレクタによって選択された前記第1単一電子素子の電位と、前記第2セレクタによって選択された前記第2単一電子素子の電位とを増幅する増幅回路とを備え、
    前記第1単一電子素子の電位と前記第2単一電子素子の電位との違いが読み取られる、
    電子回路。
  15. 前記第1単一電子素子の電位と前記第2単一電子素子の電位とを比較することによって0と1との判定を行う判定部を備える、
    請求項14に記載の電子回路。
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