JP2023003633A - シリコン基板用研磨液組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】一態様において、シリコン基板の表面粗さ(ヘイズ)を低減できる研磨液組成物を提供する。【解決手段】本開示は、一態様において、下記成分A、下記成分B、及び下記成分Cを含有する、シリコン基板用研磨液組成物に関する。成分A:シリカ粒子成分B:含窒素塩基性化合物成分C:分子内に2つ以上の炭素数10以上18以下のアルキル基を有する第4級アンモニウム又はその塩(成分C1)、及び、分子内に1つ以上の炭素数10以上18以下のアルキル基を有する第4級ホスホニウム基又はその塩(成分C2)の少なくとも一方のカチオン性界面活性剤【選択図】なし

Description

本開示は、シリコン基板用研磨液組成物、並びにこれを用いた研磨方法、半導体基板の製造方法に関する。
近年、半導体メモリの高記録容量化に対する要求の高まりから半導体装置のデザインルールは微細化が進んでいる。このため半導体装置の製造過程で行われるフォトリソグラフィーにおいて焦点深度は浅くなり、シリコン基板(ベアウェーハ)の表面粗さ(ヘイズ)の低減に対する要求はますます厳しくなっている。
シリコン基板の品質を向上する目的で、シリコン基板の研磨は多段階で行われている。特に研磨の最終段階で行われる仕上げ研磨は、ヘイズの低減を目的として行われている。
例えば、特許文献1では、砥粒、塩基性低分子化合物、及び水溶性高分子化合物を含み、前記塩基性低分子化合物は、第4級アンモニウム化合物を含み、前記第4級アンモニウム化合物の含有量は、半導体研磨用組成物全量の0.5ppm以上100ppm以下である、半導体研磨用組成物が提案されている。同文献の実施例には、コロイダルシリカ:0.1重量%、アンモニア:250ppm、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH):5ppm又は15ppm、ヒドロキシエチルセルロース(HEC):120ppmを含む半導体研磨用組成物が記載されている。
特許文献2では、砥粒、炭素数6以上のアルキル鎖を1つ有する第4級アンモニウム塩を含有する半導体研磨剤用組成物が提案されている。同文献の実施例には、コロイダルシリカ:1.0重量%、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH):0.1重量%、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム:0.005重量%を含む半導体研磨用組成物が記載されている。
特開2006-352043号公報 特開2020-203980号公報
近年、シリコンウェーハ等のシリコン基板の表面品質に対する要求はますます厳しくなっており、シリコン基板の表面粗さ(ヘイズ)の低減が可能な研磨液組成物が求められている。
特許文献2には、長鎖アルキル鎖を1つ有する第4級アンモニウム塩のヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライドで表面粗さ(ヘイズ)が低減すると記載されているが、近年それ以上の表面粗さ(ヘイズ)の低減が望まれている。
そこで、本開示は、シリコン基板の表面粗さ(ヘイズ)を低減できるシリコン基板用研磨液組成物、並びに、これを用いた研磨方法、及び半導体基板の製造方法を提供する。
本開示は、一態様において、下記成分A、下記成分B、及び下記成分Cを含有するシリコン基板用研磨液組成物に関する。
成分A:シリカ粒子
成分B:含窒素塩基性化合物
成分C:分子内に2つ以上の炭素数10以上18以下のアルキル基を有する第4級アンモニウム又はその塩(成分C1)、及び、分子内に1つ以上の炭素数10以上18以下のアルキル基を有する第4級ホスホニウム又はその塩(成分C2)の少なくとも一方のカチオン性界面活性剤
本開示は、一態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨シリコン基板を研磨する工程を含む、シリコン基板の研磨方法に関する。
本開示は、一態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨シリコン基板を研磨する工程と、研磨されたシリコン基板を洗浄する工程と、を含む、半導体基板の製造方法に関する。
本開示によれば、シリコン基板の表面粗さ(ヘイズ)を低減できる研磨液組成物、及び該研磨液組成物を用いた研磨方法、並びに半導体基板の製造方法を提供できる。
本開示は、シリカ粒子及び含窒素塩基性化合物を含む研磨液組成物に、特定のカチオン性界面活性剤を含有させることにより、表面粗さ(ヘイズ)を低減できるという知見に基づく。
すなわち、本開示は、一態様において、下記成分A、下記成分B、及び下記成分Cを含有する、シリコン基板用研磨液組成物(以下、「本開示の研磨液組成物」ともいう)に関する。
成分A:シリカ粒子
成分B:含窒素塩基性化合物
成分C:分子内に2つ以上の炭素数10以上18以下のアルキル基を有する第4級アンモニウム又はその塩(成分C1)、及び、分子内に1つ以上の炭素数10以上18以下のアルキル基を有する第4級ホスホニウム又はその塩(成分C2)の少なくとも一方のカチオン性界面活性剤
本開示によれば、一又は複数の実施形態において、シリコン基板の表面粗さ(ヘイズ)を低減できる。
本開示の効果発現機構の詳細は明らかではないが、以下のように推察される。
単結晶構造のシリコン基板は、ヒドロキシイオンで溶解されるが、溶解される部分と溶解されない部分が存在し、表面を均一溶解できないため、表面粗さ(ヘイズ)が悪化すると推定される。不溶解部分の化学構造は不明であるが、親水性の高いヒドロキシイオンで溶解反応が進行しないことから、疎水的な性質を有していると推定される。
本開示では、2以上の長鎖アルキル鎖を有する第4級アンモニウム又はその塩(成分C1)及び1つ以上の長鎖アルキル鎖を有する第4級ホスホニウム又はその塩(成分C2)の少なくとも一方の疎水性の高いカチオン性界面活性剤を用いる。疎水性の長鎖アルキル鎖がシリコン基板上の疎水的な不溶解部分に吸着し、カチオン性界面活性剤のカチオン部(N+、P+)が溶解剤であるマイナス電荷を帯びたヒドロキシイオンを引き付けるため溶解が進行するか、カチオン性界面活性剤によって溶解されると考えられる。その結果、溶解部分と不溶解部分の溶解量差が小さくなり、表面粗さ(ヘイズ)を低減できると考えられる。
ただし、本開示はこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
[シリカ粒子(成分A)]
本開示の研磨液組成物は、研磨材としてシリカ粒子(以下、「成分A」ともいう)を含有する。成分Aとしては、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、粉砕シリカ、及びそれらを表面修飾したシリカ等が挙げられ、表面粗さ(ヘイズ)低減の観点から、コロイダルシリカが好ましい。成分Aは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
成分Aの使用形態としては、操作性の観点から、スラリー状が好ましい。本開示の研磨液組成物に含まれる成分Aがコロイダルシリカである場合、アルカリ金属やアルカリ土類金属等によるシリコン基板の汚染を防止する観点から、コロイダルシリカは、アルコキシシランの加水分解物から得たものであることが好ましい。アルコキシシランの加水分解物から得られるシリカ粒子は、従来から公知の方法によって作製できる。
成分Aの平均一次粒子径は、表面粗さ(ヘイズ)低減の観点から、10nm以上が好ましく、15nm以上がより好ましく、20nm以上が更に好ましく、25nm以上が更に好ましく、そして、40nm以下が好ましく、35nm以下がより好ましい。同様の観点から、成分Aの平均一次粒子径は、10nm以上40nm以下が好ましく、15nm以上35nm以下がより好ましく、20nm以上35nm以下が更に好ましく、25nm以上35nm以下が更に好ましい。
本開示において、成分Aの平均一次粒子径は、BET(窒素吸着)法によって算出される比表面積S(m2/g)を用いて算出される。比表面積は、例えば、実施例に記載の方法により測定できる。
成分Aの平均二次粒子径は、表面粗さ(ヘイズ)低減の観点から、20nm以上が好ましく、30nm以上がより好ましく、40nm以上が更に好ましく、そして、80nm以下が好ましく、75nm以下がより好ましく、70nm以下が更に好ましい。同様の観点から、成分Aの平均二次粒子径は、20nm以上80nm以下が好ましく、30nm以上75nm以下がより好ましく、40nm以上70nm以下が更に好ましい。本開示において、平均二次粒子径は、動的光散乱(DLS)法によって測定される値であり、例えば、実施例に記載の装置を用いて測定できる。
成分Aの会合度は、表面粗さ(ヘイズ)低減の観点から、3以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、2.3以下が更に好ましく、そして、1.1以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、1.8以上が更に好ましい。
本開示において、成分Aの会合度とは、シリカ粒子の形状を表す係数であり、下記式により算出される。
会合度=平均二次粒子径/平均一次粒子径
成分Aの会合度の調整方法としては、例えば、特開平6-254383号公報、特開平11-214338号公報、特開平11-60232号公報、特開2005-060217号公報、特開2005-060219号公報等に記載の方法を採用することができる。
成分Aの形状は、いわゆる球型及び/又はいわゆるマユ型であることが好ましい。
本開示の研磨液組成物中の成分Aの含有量は、表面粗さ(ヘイズ)低減の観点から、SiO2換算で、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.07質量%以上が更に好ましく、そして、2.5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましく、0.2質量%以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の研磨液組成物中の成分Aの含有量は、SiO2換算で、0.01質量%以上2.5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上1質量%以下がより好ましく、0.07質量%以上0.5質量%以下が更に好ましく、0.07質量%以上0.2質量%以下が更に好ましい。成分Aが2種以上の組合せの場合、成分Aの含有量はそれらの合計含有量をいう。
[含窒素塩基性化合物(成分B)]
本開示の研磨液組成物は、含窒素塩基性化合物(以下、「成分B」ともいう)を含有する。成分Bとしては、研磨速度向上及び表面粗さ(ヘイズ)低減の観点から、水溶性の含窒素塩基性化合物であることが好ましい。本開示において、「水溶性」とは、水(20℃)に対して0.5g/100mL以上の溶解度、好ましくは2g/100mL以上の溶解度を有することをいう。本開示において、「水溶性の含窒素塩基性」とは、水に溶解したときに塩基性を示す含窒素化合物をいう。成分Bは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
成分Bとしては、一又は複数の実施形態において、アミン化合物及びアンモニウム化合物から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。成分Bとしては、例えば、アンモニア、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N一メチルエタノールアミン、N-メチル-N,N一ジエタノ-ルアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N,N-ジブチルエタノールアミン、N-(β-アミノエチル)エタノ-ルアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン・六水和物、無水ピペラジン、1-(2-アミノエチル)ピペラジン、N-メチルピペラジン、ジエチレントリアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム、及びヒドロキシアミンから選ばれる1種又は2種以上の組合せが挙げられる。なかでも、研磨速度向上及び表面粗さ(ヘイズ)低減の観点から、成分Bとしては、アンモニア、又は、アンモニアとヒドロキシアミンの混合物が好ましく、アンモニアがより好ましい。
本開示の研磨液組成物中の成分Bの含有量は、研磨速度向上及び表面粗さ(ヘイズ)低減の観点から、5ppm以上が好ましく、10ppm以上がより好ましく、20ppm以上が更に好ましく、そして、500ppm以下が好ましく、300ppm以下がより好ましく、100ppm以下が更に好ましく、60ppm以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の研磨液組成物中の成分Bの含有量は5ppm以上500ppm以下が好ましく10ppm以上300ppm以下がより好ましく、20ppm以上100ppm以下が更に好ましく、20ppm以上50ppm以下が更に好ましい。成分Bが2種以上の組合せの場合、成分Bの含有量はそれらの合計含有量をいう。なお、本開示において、10,000ppmは1質量%である(以下同じ)。
本開示の研磨液組成物中における成分Aの含有量に対する成分Bの含有量の比B/A(質量比B/A)は、研磨速度向上及び表面粗さ(ヘイズ)低減の観点から、0.002以上が好ましく、0.01以上がより好ましく、0.025以上が更に好ましく、そして、1以下が好ましく、0.5以下がより好ましく、0.1以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の研磨液組成物中における質量比B/Aは、0.002以上1以下が好ましく、0.01以上0.5以下がより好ましく、0.025以上0.1以下が更に好ましい。
[カチオン性界面活性剤(成分C)]
本開示の研磨液組成物は、カチオン性界面活性剤(以下、「成分C」ともいう)を含有する。成分Cは、分子内に2つ以上の炭素数10以上18以下のアルキル基を有する第4級アンモニウム又はその塩(以下、「成分C1」ともいう)、及び、分子内に1つ以上の炭素数10以上18以下のアルキル基を有する第4級ホスホニウム又はその塩(以下、「成分C2」ともいう)の少なくとも一方である。
本開示において、「分子内に2つ以上の炭素数10以上18以下のアルキル基を有する第4級アンモニウム」とは、一又は複数の実施形態において、少なくとも2つの炭素数10以上18以下のアルキル基が、窒素原子に結合していることを意味する。本開示において、「分子内に1つ以上の炭素数10以上18以下のアルキル基を有する第4級ホスホニウム」とは、一又は複数の実施形態において、少なくとも1つの炭素数10以上18以下のアルキル基が、リン原子に結合していることを意味する。前記アルキル基の炭素数は、表面粗さ(ヘイズ)低減の観点から、10以上であって、11以上が好ましく、12以上がより好ましく、そして、18以下であって、16以下が好ましく、15以下がより好ましい。同様の観点から、前記アルキル基の炭素数は、10以上18以下であって、11以上18以下が好ましく、12以上18以下が好ましく、12以上16以下がより好ましく、12以上15以下が更に好ましい。分子内に含まれる炭素数10以上18以下のアルキル基の数は、成分C1の場合、2以上、3以上又は4が挙げられ、好ましくは2又は3、より好ましくは2である。成分C2の場合、1以上、2以上、3以上又は4が挙げられ、好ましくは1又は2である。
成分Cは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
成分Cは、表面粗さ(ヘイズ)低減の観点から、分子内の炭素数の合計が22以上が好ましく、24以上がより好ましく、26以上が更に好ましく、そして、38以下が好ましく、34以下がより好ましく、32以下が更に好ましい。同様の観点から、成分Cは、分子内の炭素数の合計が22以上38以下であることが好ましく、より好ましくは24以上38以下、更に好ましくは26以上38以下、更に好ましくは26以上34以下、更に好ましくは26以上32以下である。
成分Cは、表面粗さ(ヘイズ)低減の観点から、一又は複数の実施形態において、下記式(I)又は下記式(II)で表される構成を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2023003633000001
前記式(I)中、R1は同一又は異なって、炭素数10以上18以下のアルキル基を示し、R2は同一又は異なって、炭素数1以上6以下の炭化水素基又は-(CH2CH2O)nH(但し、nは1~3である)であり、Zはリン原子であり、X-は対イオンである。
前記式(II)中、R1は同一又は異なって、炭素数10以上18以下のアルキル基を示し、R2は同一又は異なって、炭素数1以上6以下の炭化水素基又は-(CH2CH2O)nH(但し、nは1~3である)であり、Zは窒素原子又はリン原子であり、X-は対イオンである。
前記式(I)及び(II)において、R2は、表面粗さ(ヘイズ)低減の観点から、炭素数1以上6以下の炭化水素基が好ましい。前記対イオンとしては、例えば、塩化物イオン(Cl-)、炭酸水素イオン(HCO3 -)等が挙げられる。
成分C1としては、一又は複数の実施形態において、ジアルキルジメチルアンモニウム塩(C12-C18の混成品)、ジデシルジメチルアンモニウム塩、ジドデシルジメチルアンモニウム塩、ジテトラデシルジメチルアンモニウム塩、ジヘキサデシルジメチルアンモニウム塩、及びジオクタデシルジメチルアンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
成分C2としては、一又は複数の実施形態において、アルキル(C12-C18の混成品)トリヘキシルホスホニウム塩、ヘキサデシルトリブチルホスホニウム塩、及びトリヘキシルテトラデシルホスホニウム塩から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
本開示の研磨液組成物中の成分Cの含有量は、表面粗さ(ヘイズ)低減の観点から、10ppm以上が好ましく、20ppm以上がより好ましく、30ppm以上が更に好ましく、40ppm以上が更に好ましく、そして、表面粗さ(ヘイズ)低減及び研磨液の分散性の観点から、40ppm以下が好ましく、30ppm以下がより好ましく、20ppm以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の研磨液組成物中の成分Cの含有量は、10ppm以上40ppm以下が好ましく、20ppm以上40ppm以下がより好ましく、20ppm以上30ppm以下が更に好ましい。成分Cが2種以上の組合せの場合、成分Cの含有量はそれらの合計含有量をいう。
[水]
本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、水を含んでいてもよい。水としては、例えば、イオン交換水や超純水等の水が挙げられ、表面粗さ(ヘイズ)低減の観点から、超純水が好ましい。本開示の研磨液組成物中の水の含有量は、例えば、成分A、成分B、成分C及び後述するその他の成分の残余とすることができる。
[水溶性高分子(成分D)]
本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、濡れ性付与と表面粗さ(ヘイズ)低減とを両立する観点から、ヒドロキシアルキルセルロース、ポリグリセリン、及び、窒素含有基を含む水溶性高分子から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子(以下、「成分D」ともいう)をさらに含んでもよい。成分Dは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。本開示において、「水溶性」とは、水(20℃)に対して0.5g/100mL以上の溶解度、好ましくは2g/100mL以上の溶解度を有することをいう。
前記ヒドロキシアルキルセルロースとしては、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシブチルセルロースから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
前記窒素含有基を含む水溶性高分子は、濡れ性付与と表面粗さ(ヘイズ)低減とを両立する観点から、アリルアミン又はジアリルアミン由来の構成単位を含むアミノ基含有水溶性高分子が好ましく、例えば、アリルアミン重合体、アリルアミン塩酸塩重合体、アリルアミン塩酸塩・二酸化硫黄共重合体、ジアリルアミン重合体、ジアリルアミン塩酸塩重合体、ジアリルアミン塩酸塩・二酸化硫黄共重合体、アリルアミン酢酸塩・ジアリルアミン酢酸塩共重合体、アリルアミン塩酸塩・ジメチルアリルアミン塩酸塩共重合体、メチルジアリルアミン重合体、メチルジアリルアミン塩酸塩重合体、メチルジアリルアミン塩酸塩/二酸化硫黄共重合体、メチルジアリルアミン/二酸化硫黄共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・二酸化硫黄共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体、ジアリルアミンアミド硫酸塩・マレイン酸共重合体、メチルジアリルアミン・マレイン酸共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドマレイン酸共重合体、及びマレイン酸・ジアリルジメチルアンモニウムエチルサルフェイト・二酸化硫黄共重合体から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
これらのなかでも、成分Dは、濡れ性付与と表面粗さ(ヘイズ)低減とを両立する観点から、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリグリセリン、及びメチルジアリルアミン/二酸化硫黄共重合体から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
成分Dがヒドロキシアルキルセルロースである場合、成分Dの重量平均分子量は、濡れ性付与と表面粗さ(ヘイズ)低減とを両立する観点から、5万以上が好ましく、10万以上がより好ましく、15万以上が更に好ましく、そして、50万以下が好ましく、40万以下がより好ましく、30万以下が更に好ましい。
成分Dがポリグリセリンである場合、成分Dの重量平均分子量は、同様の観点から、2,000以上が好ましく、2,500以上がより好ましく、2,800以上が更に好ましく、そして、10,000以下が好ましく、8,000以下がより好ましく、6,000以下が更に好ましい。
成分Dが窒素含有基を含む水溶性高分子である場合、成分Dの重量平均分子量は、同様の観点から、800以上が好ましく、1,000以上がより好ましく、2,000以上が更に好ましく、そして、20万以下が好ましく、10万以下がより好ましく、6万以下が更に好ましい。
成分Dの重量平均分子量は後の実施例に記載の方法により測定できる。
本開示の研磨液組成物が成分Dを含む場合、本開示の研磨液組成物中の成分Dの含有量は、濡れ性付与と表面粗さ(ヘイズ)低減とを両立する観点から、10ppm以上が好ましく、30ppm以上がより好ましく、50ppm以上が更に好ましく、そして、1,000ppm以下が好ましく、500ppm以下がより好ましく、300ppm以下が更に好ましく、150ppm以下が更に好ましい。同様の観点から、成分Dの含有量は、10ppm以上1,000ppm以下が好ましく、30ppm以上500ppm以下がより好ましく、50ppm以上300ppm以下が更に好ましく、50ppm以上150ppm以下が更に好ましい。成分Dが2種以上の組合せの場合、成分Dの含有量はそれらの合計含有量をいう。
[ポリエチレングリコール(成分E)]
本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、ポリエチレングリコール(以下、「成分E」ともいう)をさらに含んでもよい。
成分Eの重量平均分子量は、表面粗さ(ヘイズ)低減の観点から、600以上が好ましく、800以上がより好ましく、1000以上が更に好ましく、そして、濡れ性付与の観点から、10,000未満以下が好ましく、8,000以下がより好ましく、6,000以下が更に好ましい。濡れ性付与の観点から、成分Eの重量平均分子量は、600以上10,000未満が好ましく、800以上8,000以下が好ましく、1,000以上6,000以下が更に好ましい。成分Eは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
本開示の研磨液組成物が成分Eを含む場合、本開示の研磨液組成物中の成分Eの含有量は、表面粗さ(ヘイズ)低減の観点から、0.1ppm以上が好ましく、1ppm以上がより好ましく、3ppm以上が更に好ましく、そして、濡れ性付与の観点から、1,000ppm以下が好ましく、500ppm以下がより好ましく、100ppm以下が更に好ましく、50ppm以下が更に好ましく、30ppm以下が更に好ましい。本開示の研磨液組成物中の成分Eの含有量は、表面粗さ(ヘイズ)低減と濡れ性付与との両立の観点から、0.1ppm以上1,000ppm以下が好ましく、1ppm以上500ppm以下がより好ましく、3質量ppm以上100ppm以下が更に好ましく、3ppm以上50ppm以下が更に好ましく、3ppm以上30ppm以下が更に好ましい。成分Eが2種以上の組合せの場合、成分Eの含有量はそれらの合計含有量をいう。
[その他の成分]
本開示の研磨液組成物は、本開示の効果が妨げられない範囲で、その他の成分をさらに含んでもよい。その他の成分としては、一又は複数の実施形態において、成分B以外のpH調整剤、成分C以外の界面活性剤、成分D及び成分E以外の水溶性高分子、防腐剤、アルコール類、キレート剤、及び酸化剤から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
本開示の研磨液組成物のpHは、表面粗さ(ヘイズ)低減の観点から、9以上が好ましく、9.5以上が更に好ましく、10以上が更に好ましく、そして、12以下が好ましく、11.5以下がより好ましく、11以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の研磨液組成物のpHは、9以上12以下が好ましく、9.5以上11.5以下がより好ましく、10以上11以下が更に好ましい。本開示の研磨液組成物のpHは、成分Bや公知のpH調整剤を用いて調整できる。本開示において、上記pHは、実施例に記載する方法で測定した値である。
本開示の研磨液組成物は、例えば、成分A、成分B、成分Cと、さらに所望により任意成分(成分D、成分E、その他の成分)とを公知の方法で配合することにより製造できる。すなわち、本開示は、その他の態様において、少なくとも成分A、成分B及び成分Cを配合する工程を含む、研磨液組成物の製造方法に関する。本開示において「配合する」とは、成分A、成分B、成分C及び必要に応じて任意成分(成分D、成分E、その他の成分)を同時に又は任意の順に混合することを含む。前記配合は、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機、湿式ボールミル、又はビーズミル等の撹拌機等を用いて行うことができる。上記本開示の研磨液組成物の製造方法における各成分の好ましい配合量は、上述した本開示の研磨液組成物中の各成分の好ましい含有量と同じとすることができる。
本開示において、「研磨液組成物中の各成分の含有量」は、使用時、すなわち、研磨液組成物の研磨への使用を開始する時点における各成分の含有量をいう。
本開示の研磨液組成物は、貯蔵及び輸送の観点から、濃縮物として製造され、使用時に希釈されてもよい。希釈倍率としては、製造及び輸送コストの観点、保存安定性の観点から、好ましくは2倍以上であり、より好ましくは10倍以上、更に好ましくは30倍以上、更に好ましくは50倍以上であり、保存安定性の観点から、好ましくは180倍以下であり、より好ましくは140倍以下、更に好ましくは100倍以下、更に好ましくは70倍以下である。本開示の研磨液組成物の濃縮物は、使用時に各成分の含有量が、上述した含有量(すなわち、使用時の含有量)となるように水で希釈して使用することができる。本開示において研磨液組成物の濃縮物の「使用時」とは、研磨液組成物の濃縮物が希釈された状態をいう。
[被研磨シリコン基板]
本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、シリコン基板用研磨組成物であり、例えば、半導体基板の製造方法における、被研磨シリコン基板を研磨する研磨工程や、シリコン基板の研磨方法における、被研磨シリコン基板を研磨する研磨工程に用いられうる。本開示の研磨液組成物を用いて研磨される被研磨シリコン基板としては、一又は複数の実施形態において、シリコン基板等が挙げられ、一又は複数の実施形態において、単結晶シリコン基板又はポリシリコン基板が挙げられる。また、前記シリコン基板の抵抗率としては、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減とを両立する観点から、好ましくは0.0001Ω・cm以上、より好ましくは0.001Ω・cm以上、更に好ましくは0.01Ω・cm以上、更に好ましくは0.1Ω・cm以上であり、そして、好ましくは100Ω・cm以下、より好ましくは50Ω・cm以下、更に好ましくは20Ω・cm以下である。
[研磨液キット]
本開示は、その他の態様において、本開示の研磨液組成物を製造するための研磨液キット(以下、「本開示のキット」と略称する場合もある。)に関する。本開示のキットによれば、表面粗さ(ヘイズ)を低減できる研磨液組成物が得られうる。
本開示のキットとしては、一又は複数の実施形態において、成分A、成分B及び成分Cを含む溶液を含有する研磨液キットが挙げられる。前記溶液には、必要に応じて上述した任意成分(成分D、成分E、その他の成分)が含まれていてもよい。前記溶液は、使用時に、必要に応じて水を用いて希釈してもよい。
[シリコン基板の研磨方法]
本開示は、その他の態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨シリコン基板を研磨する工程(以下、「研磨工程」ともいう)を含む、シリコン基板の研磨方法(以下、[本開示の研磨方法]ともいう)に関する。本開示の研磨方法によれば、本開示の研磨液組成物を用いるため、表面粗さ(ヘイズ)を低減できる。
本開示の研磨方法における研磨工程では、例えば、研磨パッドを貼り付けた定盤に被研磨シリコン基板を押し付けて、3~20kPaの研磨圧力で被研磨シリコン基板を研磨することができる。本開示において、研磨圧力とは、研磨時に被研磨シリコン基板の被研磨面に加えられる定盤の圧力をいう。
本開示の研磨方法における研磨工程では、例えば、研磨パッドを貼り付けた定盤に被研磨シリコン基板を押し付けて、15℃以上40℃以下の研磨液組成物及び研磨パッド表面温度で被研磨シリコン基板を研磨することができる。研磨液組成物の温度及び研磨パッド表面温度としては、表面粗さ(ヘイズ)低減の観点から、15℃以上又は20℃以上が好ましく、40℃以下又は30℃以下が好ましい。
[半導体基板の製造方法]
本開示は、その他の態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨シリコン基板を研磨する工程(以下、「研磨工程」ともいう)と、研磨されたシリコン基板を洗浄する工程(以下、「洗浄工程」ともいう)と、を含む、半導体基板の製造方法(以下、「本開示の半導体基板製造方法」ともいう)に関する。本開示の半導体基板製造方法によれば、本開示の研磨液組成物を用いることで、表面粗さ(ヘイズ)を低減できるため、高品質の半導体基板を高収率で、生産性よく製造できる。
本開示の半導体基板製造方法における研磨工程は、例えば、単結晶シリコンインゴットを薄円板状にスライスすることにより得られた単結晶シリコン基板を平面化するラッピング(粗研磨)工程と、ラッピング単結晶されたシリコン基板をエッチングした後、単結晶シリコン基板表面を鏡面化する仕上げ研磨工程とを含むことができる。本開示の研磨液組成物は、表面粗さ(ヘイズ)低減の観点から、上記仕上げ研磨工程で用いられるとより好ましい。
本開示の半導体基板製造方法における研磨工程は、上述した本開示の研磨方法における研磨工程と同様の条件(研磨圧力、研磨液組成物及び研磨パッドの表面温度等)で研磨を行うことができる。
本開示の半導体基板製造方法は、一又は複数の実施形態において、前記研磨工程の前に、本開示の研磨液組成物の濃縮物を希釈する希釈工程を含んでいてもよい。希釈媒には、例えば、水を用いることができる。
本開示の半導体基板製造方法における洗浄工程では、シリコン基板表面上の残留物低減の観点から、無機物洗浄を行うことが好ましい。無機物洗浄で用いる洗浄剤としては、例えば、過酸化水素、アンモニア、塩酸、硫酸、フッ酸及びオゾン水から選ばれる少なくとも1種を含む無機物洗浄剤が挙げられる。
本開示の半導体基板製造方法は、一又は複数の実施形態において、前記洗浄工程の後に、洗浄後のシリコン基板を水でリンスし、乾燥する工程を更に含むことができる。
以下、実施例により本開示をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであって、本開示はこれら実施例に制限されるものではない。
1.研磨液組成物の調製(実施例1~13及び比較例1~9)
表1に示すシリカ粒子(成分A)、アンモニア(成分B)、表1に示すカチオン性界面活性剤(成分C又は非成分C)、表1に示す水溶性高分子(成分D)、ポリエチレングリコール(成分E)及び超純水を撹拌混合して実施例1~13及び比較例1~9の研磨液組成物を得た。表1中の各成分の含有量は、研磨液組成物の使用時における各成分の含有量(質量%又は質量ppm、有効分)である。超純水の含有量は、成分Aと成分Bと成分C又は非成分Cと成分Dと成分Eとを除いた残余である。各研磨液組成物(使用時)の25℃におけるpHは10であった。
各研磨液組成物の調製に用いた成分A、成分B、成分C、非成分C、成分D及び成分Eには下記のものを用いた。
(成分A)
コロイダルシリカ[平均一次粒子径25nm、平均二次粒子径49nm、会合度2.0]
コロイダルシリカ[平均一次粒子径35nm、平均二次粒子径70nm、会合度2.0]
(成分B)
アンモニア[28質量%アンモニア水、キシダ化学社製、試薬特級]
(成分C)
ジドデシルジメチルアンモニウムクロライド[東京化成工業社製](式(II)中、R1:C1225、R2:CH3、Z:N、X:Cl-
ジアルキル(C12-18)ジメチルアンモニウムクロライド[花王社製、コータミンD2345P](式(II)中、R1:C12-18のアルキル基、R2:CH3、Z:N、X:Cl-
ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロライド[東京化成工業社製](式(II)中、R1:C1837、R2:CH3、Z:N、X:Cl-
ジデシルジメチルアンモニウム重炭酸塩[ロンザジャパン社製、Carboquat HE](式(II)中、R1:C1021、R2:CH3、Z:N、X:HCO3 -
トリヘキシルテトラデシルホスホニウムクロライド[東京化成工業社製](式(I)中、R1:C1429、R2:C613、Z:P、X:Cl-
(非成分C)
ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド[東京化成工業社製]
TBAH[テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、東京化成工業社製]
TMAH[テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、東京化成工業社製]
(成分D)
ポリグリセリン[ダイセル社製、XPW、重合度40、重量平均分子量2,980]
HEC[ヒドロキシエチルセルロース、ダイセル社製、SE400、重量平均分子量250,000]
PAS2201[メチルジアリルアミン・二酸化硫黄共重合体、ニットーボーメディカル社製、重量平均分子量3,000]
(成分E)
PEG 1000[ポリエチレングリコール、日油社製、PEG#1000、重量平均分子量1,000]
PEG 6000[ポリエチレングリコール、日油社製、PEG#6000、重量平均分子量6,000]
2.各種パラメータの測定方法
(1)シリカ粒子(成分A)の平均一次粒子径の測定
成分Aの平均一次粒子径(nm)は、BET(窒素吸着)法によって算出される比表面積S(m2/g)を用いて下記式で算出した。
平均一次粒子径(nm)=2727/S
成分Aの比表面積Sは、下記の[前処理]をした後、測定サンプル約0.1gを測定セルに小数点以下4桁まで精量し、比表面積の測定直前に110℃の雰囲気下で30分間乾燥した後、比表面積測定装置(マイクロメリティック自動比表面積測定装置「フローソーブIII2305」、島津製作所製)を用いて窒素吸着法(BET法)により測定した。
[前処理]
(a)スラリー状の成分Aを硝酸水溶液でpH2.5±0.1に調整する。
(b)pH2.5±0.1に調整されたスラリー状の成分Aをシャーレにとり150℃の熱風乾燥機内で1時間乾燥させる。
(c)乾燥後、得られた試料をメノウ乳鉢で細かく粉砕する。
(d)粉砕された試料を40℃のイオン交換水に懸濁させ、孔径1μmのメンブランフィルタで濾過する。
(e)フィルタ上の濾過物を20gのイオン交換水(40℃)で5回洗浄する。
(f)濾過物が付着したフィルタをシャーレにとり、110℃の雰囲気下で4時間乾燥させる。
(g)乾燥した濾過物(成分A)をフィルタ屑が混入しないようにとり、乳鉢で細かく粉砕して測定サンプルを得た。
(2)シリカ粒子(成分A)の平均二次粒子径
成分Aの平均二次粒子径(nm)は、成分Aの濃度が0.25質量%となるように研磨材をイオン交換水に添加した後、得られた水分散液をDisposable Sizing Cuvette(ポリスチレン製 10mmセル)に下底からの高さ10mmまで入れ、動的光散乱法(装置名:「ゼータサイザーNano ZS」、シスメックス社製)を用いて測定した。
(3)水溶性高分子(成分D、成分E)の重量平均分子量の測定
水溶性高分子(成分D、成分E)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を下記の条件で適用して得たクロマトグラム中のピークに基づき算出した。
<測定条件>
装置:HLC-8320 GPC(東ソー社製、検出器一体型)
カラム:α-M+α-M
溶離液:0.15mol/L Na2SO4,1質量%酢酸、溶媒:水
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器:ショーデックスRI SE-61示差屈折率検出器
標準物質:分子量が既知のプルラン
3.研磨方法等
各研磨液組成物について、それぞれ研磨直前にフィルタ(コンパクトカートリッジフィルタ「MCP-LX-C10S」、アドバンテック社製)にてろ過を行い、下記の研磨条件で下記の被研磨シリコン基板に対して仕上げ研磨及び洗浄を行った。
<被研磨シリコン基板>
単結晶シリコン基板[直径200mmのシリコン片面鏡面基板、伝導型:P、結晶方位:100、抵抗率:0.1Ω・cm以上100Ω・cm未満]
上記単結晶シリコン基板を市販の研磨液組成物を用いてあらかじめ粗研磨を実施した。粗研磨を終了し仕上げ研磨に供した単結晶シリコン基板のヘイズは、2~3ppmであった。ヘイズは、KLA Tencor社製「Surfscan SP1-DLS」を用いて測定される暗視野ワイド斜入射チャンネル(DWO)での値である。
<仕上げ研磨条件>
研磨機:片面8インチ研磨機「GRIND-X SPP600s」(岡本工作製)
研磨パッド:スエードパッド(東レ コーテックス社製、アスカー硬度:64、厚さ:1.37mm、ナップ長:450μm、開口径:60μm)
シリコン基板研磨圧力:100g/cm2
定盤回転速度:60rpm
研磨時間:5分
研磨液組成物の供給速度:150g/min
研磨液組成物の温度:23℃
キャリア回転速度:62rpm
<洗浄方法>
仕上げ研磨後、シリコン基板に対して、オゾン洗浄と希フッ酸洗浄を下記のとおり行った。オゾン洗浄では、20ppmのオゾンを含んだ水溶液をノズルから流速1L/min、600rpmで回転するシリコン基板の中央に向かって3分間噴射した。このときオゾン水の温度は常温とした。次に希フッ酸洗浄を行った。希フッ酸洗浄では、0.5質量%のフッ化水素アンモニウム(特級、ナカライテクス株式会社)を含んだ水溶液をノズルから流速1L/min、600rpmで回転するシリコン基板の中央に向かって6秒間噴射した。上記オゾン洗浄と希フッ酸洗浄を1セットとして計2セット行い、最後にスピン乾燥を行った。スピン乾燥では1,500rpmでシリコン基板を回転させた。
4.評価
[シリコン基板の表面粗さ(ヘイズ)の評価]
洗浄後のシリコン基板表面の表面粗さ(ヘイズ)の評価には、表面粗さ測定装置「Surfscan SP1-DLS」(KLA Tencor社製)を用いて測定される、暗視野ワイド斜入射チャンネル(DWO)での値(DWOヘイズ)を用いた。DWOヘイズの数値は小さいほど、表面の平滑性が高いことを示す。
表面粗さ(ヘイズ)の測定は、2枚のシリコン基板に対して行い、平均値を求めた。結果を表1に示した。
Figure 2023003633000002
表1に示されるように、実施例1~13の研磨液組成物は、比較例1~9の研磨液組成物に比べて、ヘイズを低減できていることが分かった。
本開示の研磨液組成物を用いれば、表面粗さ(ヘイズ)を低減できる。よって、本開示の研磨液組成物は、様々な半導体基板の製造過程で用いられる研磨液組成物として有用であり、なかでも、シリコン基板の仕上げ研磨用の研磨液組成物として有用である。

Claims (9)

  1. 下記成分A、下記成分B、及び下記成分Cを含有する、シリコン基板用研磨液組成物。
    成分A:シリカ粒子
    成分B:含窒素塩基性化合物
    成分C:分子内に2つ以上の炭素数10以上18以下のアルキル基を有する第4級アンモニウム又はその塩(成分C1)、及び、分子内に1つ以上の炭素数10以上18以下のアルキル基を有する第4級ホスホニウム又はその塩(成分C2)の少なくとも一方のカチオン性界面活性剤
  2. 成分Cは、分子内の炭素数の合計が22以上38以下である、請求項1記載の研磨液組成物。
  3. 成分Cは、下記式(I)又は(II)で表される構成を有する化合物である、請求項1又は2に記載の研磨液組成物。
    Figure 2023003633000003
    前記式(I)中、R1は同一又は異なって、炭素数10以上18以下のアルキル基を示し、R2は同一又は異なって、炭素数1以上6以下の炭化水素基又は-(CH2CH2O)nH(但し、nは1~3である)であり、Zはリン原子であり、X-は対イオンである。
    前記式(II)中、R1は同一又は異なって、炭素数10以上18以下のアルキル基を示し、R2は同一又は異なって、炭素数1以上6以下の炭化水素基又は-(CH2CH2O)nH(但し、nは1~3である)であり、Zは窒素原子又はリン原子であり、X-は対イオンである。
  4. 成分Aの平均一次粒子径は、25nm以上35nm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の研磨液組成物。
  5. 成分Bは、アンモニアである、請求項1から4のいずれかに記載の研磨液組成物。
  6. ヒドロキシアルキルセルロース、ポリグリセリン、及び、窒素含有基を含む水溶性高分子から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子(成分D)をさらに含む、請求項1から5のいずれかに記載の研磨液組成物。
  7. ポリエチレングリコール(成分E)をさらに含む、請求項1から6のいずれかに記載の研磨液組成物。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨シリコン基板を研磨する工程を含む、シリコン基板の研磨方法。
  9. 請求項1から7のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨シリコン基板を研磨する工程と、
    研磨されたシリコン基板を洗浄する工程と、を含む、半導体基板の製造方法。
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