JP2023020529A - 研磨液組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】一態様において、シリカ粒子の含有量が少なくても、研磨速度の向上と研磨パッドの継続使用における研磨速度の低下抑制とを両立できる研磨液組成物を提供する。【解決手段】本開示は、一態様において、下記成分A及び下記成分Bを含有し、成分Aの含有量が0.1質量%以下であり、成分Aの含有量に対する成分Bの含有量の質量比B/Aが0.07以上であり、pHが8.5超14以下である、研磨液組成物に関する。成分A:シリカ粒子成分B:塩基性窒素原子を含有し、前記塩基性窒素原子の少なくとも一部はβ位、γ位及びδ位から選択される位置にヘテロ原子(塩基性窒素原子を除く)を含む水溶性高分子【選択図】なし

Description

本開示は、シリコン基板の研磨に用いるための研磨液組成物、並びにこれを用いた研磨方法、半導体基板の製造方法に関する。
半導体基板の製造に用いられるシリコン基板の研磨に用いられる研磨液組成物として、シリカ粒子を含有する研磨液組成物が知られている。近年、半導体需要の高まりにより、研磨用組成物原液を高倍率で希釈し、研磨液の使用・廃棄コストを低減しつつ、高生産性(高表面品質、高研磨速度)を実現する研磨液が望まれている。このような要求に対して、研磨用組成物原液を体積基準で50倍以上に希釈する工程において、良好な表面品質(低ヘイズ表面)を実現する研磨組成物や、研磨速度を向上させる目的で、カチオン性水溶性高分子を含む研磨液組成物が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
特許文献1では、砥粒、塩基性化合物、水溶性ポリマー及び水を含む研磨用組成物原液をpH変化が0.15以上となるように希釈する工程を含む製造方法が提案されている。同文献の実施例には、0.06%のコロイダルシリカ、アンモニア、重量平均分子量25万のヒドロキシエチルセルロース(HEC)を含む研磨用組成物が記載されている。
特許文献2では、砥粒、塩基性化合物、及び2種以上の水溶性高分子を含み、前記水溶性高分子は、窒素含有基を含むカチオン性水溶性高分子を含む、半導体研磨用組成物が提案されている。同文献の実施例には、0.45%のコロイダルシリカ、アンモニア、水酸化テトラメチルアンモニウム、重量平均分子量80万のHEC、及びポリエチレンイミン(PEI)を含む半導体研磨用組成物が記載されている。
特開2016-53114号公報 特開2006-352042号公報
特許文献1に見られる研磨用組成物原液を高倍率で希釈し、シリカ濃度0.1質量%以下で使用される研磨液では、研磨速度が大きく低下するため不十分である。特許文献2に見られるPEIなどの窒素含有基を含むカチオン性水溶性高分子を含む研磨液では、研磨速度は向上するが、研磨パッドを継続使用すると研磨速度が低下する傾向にあり、研磨品質が不安定であることに加え、研磨パッドのドレッシングの回数が増え、研磨パッドを交換するまでの期間が短くなり、生産性が低下する。
本開示は、シリカ粒子の含有量が少なくても、研磨速度の向上と研磨パッドの継続使用における研磨速度の低下抑制とを両立できる研磨液組成物、及びこれを用いたシリコン基板の研磨方法並びに半導体基板の製造方法を提供する。
本開示は、一態様において、下記成分A及び下記成分Bを含有し、成分Aの含有量が0.1質量%以下であり、成分Aの含有量に対する成分Bの含有量の質量比B/Aが0.07以上であり、pHが8.5超14以下である、研磨液組成物に関する。
成分A:シリカ粒子
成分B:塩基性窒素原子を含有し、前記塩基性窒素原子の少なくとも一部はβ位、γ位及びδ位から選択される位置にヘテロ原子(塩基性窒素原子を除く)を含む水溶性高分子
本開示は、一態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨シリコン基板を研磨する工程を含む、シリコン基板の研磨方法に関する。
本開示は、一態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨シリコン基板を研磨する工程と、研磨されたシリコン基板を洗浄する工程と、を含む、半導体基板の製造方法に関する。
本開示によれば、シリカ粒子の含有量が少なくても、研磨速度の向上と研磨パッドの継続使用における研磨速度の低下抑制とを両立できる研磨液組成物、及び該研磨液組成物を用いたシリコン基板の研磨方法、並びに半導体基板の製造方法を提供できる。
本開示は、シリカ粒子と、塩基性窒素原子を有する特定の水溶性高分子とを含有し、pHが8.5超14以下のシリコン基板用研磨液組成物を用いることにより、シリカ粒子の含有量が少なくても、研磨速度の向上と研磨パッドの継続使用における研磨速度の低下抑制とを両立できるという知見に基づく。
すなわち、本開示は、一態様において、下記成分A及び下記成分Bを含有し、成分Aの含有量が0.1質量%以下であり、成分Aの含有量に対する成分Bの含有量の質量比B/Aが0.07以上であり、pHが8.5超14以下である、研磨液組成物(以下、「本開示の研磨液組成物」ともいう)に関する。
成分A:シリカ粒子
成分B:塩基性窒素原子を含有し、前記塩基性窒素原子の少なくとも一部はβ位、γ位及びδ位から選択される位置にヘテロ原子(塩基性窒素原子を除く)を含む水溶性高分子
本開示によれば、一又は複数の実施形態において、シリカ粒子の含有量が少なくても、研磨速度の向上と研磨パッドの継続使用における研磨速度の低下抑制とを両立できる。
本開示の効果発現機構の詳細は明らかではないが、以下のように推察される。
一般的に、ポリエチレンイミンなどの窒素含有基を含むカチオン性水溶性高分子を含む研磨液では、研磨速度が確保できても、研磨パッドの継続使用を行うことにより研磨速度が低下する傾向にあるが、この原因の一つは研磨パッドが目詰まりを起こすことによると考えられる。一般的なカチオン性水溶性高分子はシリコン基板及びシリカ粒子だけでなく、研磨パッド表面にも付着する。目詰まりを防ぐには、十分な量のカチオン性水溶性高分子を配合し研磨パッドに吸着させて保護膜を形成し、立体反発や電荷反発で研磨パッドに対するシリカ粒子の過剰な付着を抑制する必要がある。しかし、一般的なカチオン性水溶性高分子はシリカ粒子に吸着する力が強く、凝集を引き起こし、製品安定性を悪化させる傾向にある。そのため、研磨パッドに付着させるために十分な量のカチオン性水溶性高分子を配合することが難しい。
本開示では、塩基性窒素原子を含有する特定の水溶性高分子(成分B)がシリカ粒子(成分A)に吸着するが、シリカ粒子の凝集を引き起こさないため、成分Aの含有量に対する成分Bの含有量を増やすことができる。これは成分Bが塩基性窒素原子近傍にヘテロ原子を有することで、前記窒素原子とシリカ粒子の強い相互作用を緩和するためだと予想される。その結果、シリカ粒子に未吸着の一部の成分Bが研磨パッドに吸着し保護膜を形成することでシリカ粒子の研磨パッドへの固着を抑制でき、シリカ粒子が研磨パッドから適度に排出されることで研磨パッドの継続使用における研磨速度の低下を抑制できると考えられる。
また、pHが8.5超14以下であるアルカリ性の研磨条件においては、シリカ砥粒、被研磨シリコン基板はともに負電荷を有し、常に静電反発力が発生している。研磨速度を向上させるためにはこの静電斥力を緩和することが有効であると考えられる。
本開示では、特定の水溶性高分子(成分B)が、シリカ粒子(成分A)や被研磨シリコン基板に対し、分子全体のファンデルワールス力で吸着し、シリカ粒子(成分A)と被研磨シリコン基板間の静電反発力を著しく緩和することで、少量のシリカ粒子を効率的に被研磨シリコン基板に引き寄せることができるため、成分Aの含有量が0.1質量%以下においても、研磨速度を向上できると考えられる。
ただし、本開示はこれらのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
[被研磨シリコン基板]
本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、シリコン基板用研磨組成物であり、例えば、半導体基板の製造方法における被研磨シリコン基板を研磨する研磨工程や、シリコン基板の研磨方法における被研磨シリコン基板を研磨する研磨工程に用いられうる。本開示の研磨液組成物を用いて研磨される被研磨シリコン基板としては、一又は複数の実施形態において、シリコンウェーハ、シリコン基板等が挙げられ、一又は複数の実施形態において、単結晶シリコン基板、ポリシリコン基板、ポリシリコン膜を有する基板、SiN基板等が挙げられる。本開示の研磨液組成物の効果が発揮される観点から、被研磨シリコン基板としては、単結晶シリコン基板又はポリシリコン基板が好ましく、単結晶シリコン基板がより好ましい。
[シリカ粒子(成分A)]
本開示の研磨液組成物は、研磨材としてシリカ粒子(以下、「成分A」ともいう)を含有する。成分Aとしては、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、粉砕シリカ、又はそれらを表面修飾したシリカ等が挙げられ、研磨速度の向上と保存安定性とを両立する観点、及び、表面粗さ(ヘイズ)、表面欠陥及びスクラッチの低減等の表面品質の向上する観点から、コロイダルシリカが好ましい。成分Aは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
成分Aの使用形態としては、操作性の観点から、スラリー状が好ましい。本開示の研磨液組成物に含まれる成分Aがコロイダルシリカである場合、アルカリ金属やアルカリ土類金属等によるシリコン基板の汚染を防止する観点から、コロイダルシリカは、アルコキシシランの加水分解物から得たものであることが好ましい。アルコキシシランの加水分解物から得られるシリカ粒子は、従来から公知の方法によって作製できる。
成分Aの平均一次粒子径は、研磨速度を維持する観点から、10nm以上が好ましく、15nm以上がより好ましく、20nm以上が更に好ましく、そして、保存安定性を向上する観点、及び、表面粗さ(ヘイズ)、表面欠陥及びスクラッチの低減等の表面品質を向上する観点から、50nm以下が好ましく、45nm以下がより好ましく、40nm以下が更に好ましく、30nm以下が更に好ましい。同様の観点から、成分Aの平均一次粒子径は、10nm以上50nm以下が好ましく、15nm以上45nm以下がより好ましく、20nm以上40nm以下が更に好ましく、20nm以上30nm以下が好ましい。
本開示において、成分Aの平均一次粒子径は、窒素吸着法(BET法)によって算出される比表面積S(m2/g)を用いて算出される。平均一次粒子径の値は、実施例に記載する方法で測定される値である。
成分Aの平均二次粒子径は、研磨速度を維持する観点から、20nm以上が好ましく、30nm以上がより好ましく、40nm以上が更に好ましく、保存安定性を向上する観点、及び、表面粗さ(ヘイズ)、表面欠陥及びスクラッチの低減等の表面品質を向上する観点から、100nm以下が好ましく、90nm以下がより好ましく、80nm以下が更に好ましく、70nm以下が更に好ましく、60nm以下が更に好ましい。同様の観点から、成分Aの平均二次粒子径は、20nm以上100nm以下が好ましく、30nm以上90nm以下がより好ましく、30nm以上80nm以下が更に好ましく、30nm以上70nm以下が更に好ましく、40nm以上60nm以下が更に好ましい。
本開示において、平均二次粒子径は、動的光散乱(DLS)法によって測定される値であり、実施例に記載する方法で測定される値である。
成分Aの会合度は、保存安定性を向上する観点、及び、表面品質を向上する観点から、3以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、2.3以下が更に好ましく、そして、研磨速度の向上と保存安定性とを両立する観点、及び、表面品質を向上する観点から、1.1以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、1.8以上が更に好ましい。
本開示において、成分Aの会合度とは、シリカ粒子の形状を表す係数であり、下記式により算出される。
会合度=平均二次粒子径/平均一次粒子径
成分Aの会合度の調整方法としては、例えば、特開平6-254383号公報、特開平11-214338号公報、特開平11-60232号公報、特開2005-060217号公報、特開2005-060219号公報等に記載の方法を採用することができる。
成分Aの形状は、研磨速度の向上と保存安定性とを両立する観点、及び表面品質を向上する観点から、いわゆる球型及び/又はいわゆるマユ型であることが好ましい。
本開示の研磨液組成物中の成分Aの含有量は、研磨速度を向上する観点から、SiO2換算で、0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、そして、環境負荷低減、廃液処理コスト削減、保存安定性を向上する観点、及び表面品質を向上する観点から、0.1質量%以下であって、0.1質量%未満が好ましく、0.09質量%以下がより好ましく、0.08質量%以下が更に好ましく、0.07質量%以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の研磨液組成物中の成分Aの含有量は、0.01質量%以上0.1質量%以下が好ましく、0.02質量%以上0.09質量%以下がより好ましく、0.02質量%以上0.08質量%以下が更に好ましく、0.03質量%以上0.07質量%以下が更に好ましい。成分Aが2種以上の組合せの場合、成分Aの含有量はそれらの合計含有量をいう。
[塩基性窒素原子を含有する水溶性高分子(成分B)]
本開示の研磨液組成物は、塩基性窒素原子を含有し、前記塩基性窒素原子の少なくとも一部はβ位、γ位及びδ位から選択される位置にヘテロ原子(塩基性窒素原子を除く)を含む水溶性高分子(以下、「成分B」ともいう)を含有する。成分Bは、シリカ粒子(成分A)と被研磨シリコン基板のゼータ電位を調整し、シリカ粒子(成分A)と被研磨シリコン基板間の静電反発力を低減しつつ、シリカ粒子の凝集を抑制できると考えられる。本開示において、「水溶性」とは、水(20℃)に対して0.5g/100mL以上の溶解度、好ましくは2g/100mL以上の溶解度を有することをいう。ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子(塩基性窒素原子を除く)、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素等)等が挙げられる。ヘテロ原子は、一又は複数の実施形態において、グリシドール変性に由来する酸素原子である。
本開示において、「塩基性窒素原子」とは、塩基性含窒素官能基に含まれる窒素原子を示す。塩基性含窒素官能基としては、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基、含窒素芳香環基(例えば、ピリジル基、イミダゾリル基)等が挙げられる。
成分Bとしては、研磨速度の向上と保存安定性とを両立する観点から、アリルアミン及びジアリルアミンから選ばれる1種以上のモノマー由来の構成単位を含むことが好ましく、アリルアミン由来の構成単位を含むことがより好ましい。
成分Bは、入手性の観点から、一又は複数の実施形態において、アリルアミン由来の構成単位を含むアミノ基含有水溶性高分子(以下、「成分B1」ともいう)であることが好ましく、一又は複数の実施形態において、ジアリルアミン由来の構成単位を含むアミノ基が含有水溶性高分子(以下、「成分B2」ともいう)であることが好ましい。
(成分B1:アリルアミン由来の構成単位を含むアミノ基含有水溶性高分子)
アリルアミン由来の構成単位中のアミノ基の少なくとも一部は、一又は複数の実施形態において、研磨速度の向上と保存安定性とを両立する観点、及び、入手性の観点から、立体遮蔽基を有することが好ましい。本開示において、立体遮蔽基とは、成分B1のアミノ基の窒素原子を遮蔽してカチオン化を抑制できる立体的な(嵩高い)置換基のことをいう。前記立体遮蔽基を有するアミノ基は、同様の観点から、ヘテロ原子を有する炭素数2以上11以下の炭化水素基を含む第2級アミノ基又は第3級アミノ基であることが好ましい。前記ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子(ただし、塩基性窒素原子を除く)、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素等)等が挙げられ、これらの中でも、酸素原子が好ましい。前記ヘテロ原子は、一又は複数の実施形態において、グリシドール変性に由来する酸素原子であることが好ましい。前記炭化水素基の炭素数は、アミノ基の遮蔽性を向上する(アミノ基の窒素原子のカチオン化を抑制する)観点、及び、研磨速度の向上と保存安定性とを両立する観点から、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、そして、水溶性を向上する観点、及び入手性の観点から、11以下が好ましく、7以下がより好ましく、5以下が更に好ましく、4以下が更により好ましい。
前記立体遮蔽基を有するアミノ基は、一又は複数の実施形態において、アミノ基に対するグリシドール誘導体による修飾基であり、一又は複数の実施形態において、アリルアミン由来の構成単位中のアミノ基とグリシドール誘導体とが反応して形成される基である。成分B1の全アミノ基のうちの少なくとも一部のアミノ基がグリシドール誘導体によって変性され、立体遮蔽基を有するアミノ基となる。アリルアミン由来の構成単位中のアミノ基数(1当量)に対するグリシドール誘導体の当量(以下、「グリシドール変性率」ともいう)は、保存安定性を向上する観点、及び、表面品質を向上する観点から、0.3以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.8以上が更に好ましく、1以上が更に好ましく、1.1超が好ましく、1.2以上がより好ましく、1.3以上が更に好ましく、1.4以上が更に好ましく、そして、研磨速度を向上する観点から、4以下が好ましく、3以下がより好ましく、2.5以下が更に好ましく、2以下が更に好ましく、1.9以下が更に好ましく、1.8以下が更に好ましい。
本開示において、グリシドール変性率は、13C-NMRを用いて実施例に記載の方法により測定される値である。ただし、グリシドール変性率は、以下の方法(1)又は(2)によっても測定できる。
(1)反応原料に用いたアリルアミン重合体のアミノ基当量とグリシドール誘導体のモル数から求めることができる。
(2)グリシドール誘導体とアリルアミン重合体との反応物の窒素含有量N(質量%)を測定し、下記式から求めることができる。
グリシドール変性率=A/B
ここで、A=(100-N×アリルアミン単量体の分子量/14)/グリシドール誘導体分子量であり、B=N/14である。
前記グリシドール誘導体としては、例えば、グリシドール、アルキルグリシジルエーテル等が挙げられ、入手性の観点、及び、研磨速度の向上と保存安定性とを両立する観点から、グリシドールが好ましい。前記アルキルグリシジルエーテルのアルキル基は、入手性の観点から、炭素数1~8のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2-エチルヘキシル基等が挙げられる。前記アルキルグリシジルエーテルとしては、メチルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル等が挙げられる。
成分B1としては、一又は複数の実施形態において、少なくとも一部のアミノ基が立体遮蔽基を有するポリアリルアミンが挙げられ、一又は複数の実施形態において、ポリアリルアミンとグリシドール誘導体との反応物が挙げられる。
成分B1としては、一又は複数の実施形態において、下記式(I)の構成単位を含む化合物(グリシドール変性ポリアリルアミン)が挙げられる。
Figure 2023020529000001
式(I)中、R1及びR2はそれぞれ、水素原子又は立体遮蔽基である。立体遮蔽基としては、グリシドール誘導体由来の修飾基が挙げられ、一又は複数の実施形態において、グリシドールの1モル付加体又は2モル付加体が挙げられ、一又は複数の実施形態において、-CH2CH(OH)CH2(OH)、-CH2CH(OH)CH2O-CH2CH(OH)CH2(OH)等が挙げられる。
(成分B2:ジアリルアミン由来の構成単位を含むアミノ基含有水溶性高分子)
ジアリルアミン由来の構成単位中のアミノ基の少なくとも一部は、一又は複数の実施形態において、研磨速度の向上と保存安定性とを両立する観点から、アミノ基のβ位又はγ位に電子吸引基を有することが好ましい。電子吸引基としては、下記式(II)で表される基等が挙げられる。
Figure 2023020529000002
成分B2としては、一又は複数の実施形態において、ジアリルアミン由来の構成単位及び二酸化硫黄由来の構成単位を含む化合物が挙げられ、例えば、下記式(III)で表される構成単位を含む化合物が挙げられる。
Figure 2023020529000003
式(III)中、R3は、水酸基を有してもよい炭素数1~3のアルキル基である。入手性及び経済性の観点の観点から、R3はメチル基が好ましい。また、n+m=1であり、n、mは0又は1である。同様の観点から、m=1且つn=0の化合物が好ましい。なお、m=1且つn=0の化合物とm=0且つn=1の化合物の混合物でも良い。
成分B2としては、一又は複数の実施形態において、下記式(IV)で表される構成単位を含む化合物が挙げられ、例えば、メチルジアリルアミン/二酸化硫黄共重合体が挙げられる。
Figure 2023020529000004
成分BのpKaは、研磨速度を向上する観点から、5以上が好ましく、5.5以上がより好ましく、5.9以上が更に好ましく、6.3以上が更に好ましく、そして、表面品質を向上する観点から、8.5以下が好ましく、8.3以下がより好ましく、8.1以下が更に好ましく、8以下が更に好ましい。
成分Bの重量平均分子量は、研磨速度を向上する観点から、800以上が好ましく、1,000以上がより好ましく、2,000以上が更に好ましく、3,000以上が更に好ましく、4,000以上が更に好ましく、5,000以上が更に好ましく、6,000以上が更に好ましく、7,000以上が更に好ましく、8,000以上が更に好ましく、9,000以上が更に好ましく、10,000以上が更に好ましく、そして、研磨速度の向上と保存安定性とを両立する観点、表面粗さ及び表面欠陥を低減する観点から、100,000以下が好ましく、90,000以下がより好ましく、80,000以下が更に好ましく、70,000以下が更に好ましく、60,000以下が更に好ましく、50,000以下が更に好ましく、40,000以下が更に好ましい。本開示における成分Bの重量平均分子量は、例えば、実施例に記載する方法により測定できる。
本開示の研磨液組成物中の成分Bの含有量は、研磨速度の向上と保存安定性とを両立する観点から、10ppm以上が好ましく、30ppm以上がより好ましく、50ppm以上が更に好ましく、そして、同様の観点から、200ppm以下が好ましく、150ppm以下がより好ましく、100ppm以下が更に好ましい。なお、本開示において、1質量%は10,000ppmである(以下同じ)。
本開示の研磨液組成物中における成分Aの含有量に対する成分Bの含有量の比(質量比B/A)は、研磨パッドの継続使用における研磨速度の低下抑制の観点、及び研磨速度向上の観点から、0.07以上であって、0.09以上が好ましく、0.11以上がより好ましく、そして、同様の観点から、0.4以下が好ましく、0.3以下がより好ましく、0.25以下が更に好ましい。
[水]
本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、水を含んでいてもよい。水としては、例えば、イオン交換水や超純水等の水が挙げられる。本開示の研磨液組成物中の水の含有量は、例えば、成分A、成分B及び後述する任意成分の残余とすることができる。
[ノニオン性水溶性高分子(成分C)]
本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、表面粗さ(ヘイズ)低減の観点から、ノニオン性水溶性高分子(以下、「成分C」ともいう)を含有してもよい。成分Cとしては、同様の観点から、分子内にアルキレンオキサイド基、水酸基、又はアミド基を有するノニオン性水溶性高分子が好ましい。前記アルキレンオキサイド基としては、例えば、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基等が挙げられる。成分Cは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
成分Cとしては、表面粗さ(ヘイズ)低減の観点から、ポリグリセリン、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリグリセリンアルキルエステル、ヒドロキシアルキルセルロース、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)及びポリヒドロキシエチルアクリルアミド、重量平均分子量が1,000以上20,000以下のポリエチレングリコール(PEG)又はポリプロピレングリコールから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
前記ポリグリセリンアルキルエーテルのアルキル基は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点、及び、研磨液の泡立ち抑制の観点から、炭素数3以上22以下のアルキル基が好ましく、炭素数5以上16以下のアルキル基がより好ましく、炭素数7以上12以下のアルキル基が更に好ましい。前記アルキル基は、直鎖アルキル基でもよいし、分岐鎖アルキル基でもよい。前記ポリグリセリンアルキルエーテルのグリセリン単位の平均重合度は、濡れ性向上の観点から、5以上であり、10以上が好ましく、15以上がより好ましく、18以上が更に好ましく、そして、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、100以下であり、60以下が好ましく、45以下がより好ましく、25以下が更に好ましい。前記ポリグリセリンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリグリセリンラウリルエーテル、ポリグリセリンデシルエーテル、ポリグリセリンミリスチルエーテル等が挙げられる。
前記ポリグリセリンアルキルエステルのアルキル基は、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点、及び、研磨液の泡立ち抑制の観点から、炭素数3以上22以下のアルキル基が好ましく、炭素数5以上16以下のアルキル基がより好ましく、炭素数7以上12以下のアルキル基が更に好ましい。前記アルキル基は、直鎖アルキル基でもよいし、分岐鎖アルキル基でもよい。前記ポリグリセリンアルキルエステルのグリセリン単位の平均重合度は、濡れ性向上の観点から、5以上であり、10以上が好ましく、15以上がより好ましく、18以上が更に好ましく、そして、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、100以下であり、60以下が好ましく、45以下がより好ましく、25以下が更に好ましい。前記ポリグリセリンアルキルエステルとしては、例えば、ポリグリセリンラウリルエステル、ポリグリセリンデシルエステル、ポリグリセリンミリスチルエステル等が挙げられる。
前記ヒドロキシアルキルセルロースは、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシブチルセルロースから選ばれる少なくとも1種が好ましく、HECがより好ましい。
これらの中でも、成分Cとしては、表面粗さ(ヘイズ)低減の観点から、重量平均分子量が1,000以上20,000以下のポリエチレングリコール(PEG)又はポリプロピレングリコール、及び、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
成分Cの重量平均分子量は、研研磨パッドの継続使用における研磨速度の低下抑制の観点、及び、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、1,000以上が好ましく、1,500以上がより好ましく、2,000以上が更に好ましく、そして、同様の観点、及び研磨液の濾過性の観点から、50万以下が好ましく、40万以下がより好ましく、30万以下が更に好ましい。
成分Cが重量平均分子量1,000以上20,000以下のPEG又はポリプロピレングリコールである場合、成分Cの重量平均分子量は、研磨パッドの継続使用における研磨速度の低下抑制の観点、及び、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、1,000以上が好ましく、2,000以上がより好ましく、3,000以上が更に好ましく、4,000以上が更に好ましく、そして、同様の観点、及び研磨液の濾過性の観点から、20,000以下が好ましく、10,000以下がより好ましく、8,000以下が更に好ましく、6,000以下が更に好ましい。
成分CがHECである場合、成分Cの重量平均分子量は、同様の観点から、5万以上が好ましく、10万以上がより好ましく、15万以上が更に好ましく、そして、50万以下が好ましく、40万以下がより好ましく、30万以下が更に好ましい。
成分Cの重量平均分子量は後の実施例に記載の方法により測定できる。
本開示の研磨液組成物が成分Cを含む場合、本開示の研磨液組成物中の成分Cの含有量は、表面粗さ(ヘイズ)低減の観点から、1ppm以上が好ましく、3ppm以上がより好ましく、5ppm以上が更に好ましく、そして、研磨速度向上の観点から、200ppm以下が好ましく、150ppm以下がより好ましく、100ppm以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の研磨液組成物中の成分Cの含有量は、1ppm以上200ppm以下が好ましく、3ppm以上150ppm以下がより好ましく、5ppm以上100ppm以下が更に好ましい。成分Cが2種以上の組合せの場合、成分Cの含有量はそれらの合計含有量をいう。
本開示の研磨液組成物が成分Cを含む場合、本開示の研磨液組成物中における、成分Aの含有量に対する成分Cの含有量の比C/A(質量比C/A)は、研磨パッドの継続使用における研磨速度の低下抑制の観点、及び、研磨速度向上と表面粗さ(ヘイズ)低減との両立の観点から、0.001以上が好ましく、0.005以上がより好ましく、0.01以上が更に好ましく、0.015以上が更に好ましく、0.02以上が更に好ましく、0.025以上が更に好ましく、そして、1以下が好ましく、0.7以下がより好ましく、0.4以下が更に好ましく、0.2以下がより好ましく、0.1以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の研磨液組成物中における質量比C/Aは、0.005以上0.2以下が好ましく、0.01以上0.1以下がより好ましく、0.015以上0.1以下が更に好ましい。
[含窒素塩基性化合物(成分D)]
本開示の研磨液組成物は、一又は複数の実施形態において、pHを調整する観点から、含窒素塩基性化合物(以下、「成分D」ともいう)をさらに含有することが好ましい。成分Dとしては、研磨速度の向上と保存安定性とを両立する観点、及び、表面品質を向上する観点から、水溶性の含窒素塩基性化合物であることが好ましい。本開示において、「水溶性」とは、水(20℃)に対して0.5g/100mL以上の溶解度、好ましくは2g/100mL以上の溶解度を有することをいう。本開示において、「水溶性の含窒素塩基性」とは、水に溶解したときに塩基性を示す含窒素化合物をいう。成分Dは、一又は複数の実施形態において、成分Bを含まない。成分Dは、1種でもよいし、2種以上の組合せでもよい。
成分Dとしては、一又は複数の実施形態において、アミン化合物及びアンモニウム化合物から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。成分Dとしては、例えば、アンモニア、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N一メチルエタノールアミン、N-メチル-N,N一ジエタノ-ルアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N,N-ジブチルエタノールアミン、N-(β-アミノエチル)エタノ-ルアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン・六水和物、無水ピペラジン、1-(2-アミノエチル)ピペラジン、N-メチルピペラジン、ジエチレントリアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム、及びヒドロキシアミンから選ばれる1種又は2種以上の組合せが挙げられる。なかでも、研磨速度の向上と保存安定性とを両立する観点から、成分Dとしては、アンモニア、又は、アンモニアとヒドロキシアミンの混合物が好ましく、アンモニアがより好ましい。
本開示の研磨液組成物が成分Dを含む場合、本開示の研磨液組成物中の成分Dの含有量は、保存安定性と研磨速度を向上する観点から、5ppm以上が好ましく、10ppm以上がより好ましく、20ppm以上が更に好ましく、保存安定性を向上する観点、表面品質を向上する観点、及びシリコン基板の腐食を抑制する観点から、500ppm以下が好ましく、300ppm以下がより好ましく、150ppm以下が更に好ましく、100ppm以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の研磨液組成物中の成分Dの含有量は、5ppm以上500ppm以下が好ましく10ppm以上300質量ppm以下がより好ましく、20ppm以上150ppm以下が更に好ましく、20ppm以上100ppm以下が更に好ましい。成分Dが2種以上の組合せの場合、成分Dの含有量はそれらの合計含有量をいう。
本開示の研磨液組成物が成分Dを含む場合、本開示の研磨液組成物中における成分Aの含有量に対する成分Dの含有量の比D/A(質量比D/A)は、研磨速度を向上する観点から、0.002以上が好ましく、0.01以上がより好ましく、0.02以上が更に好ましく、0.05以上が更に好ましく、そして、保存安定性を向上する観点、表面品質を向上する観点、及びシリコン基板の腐食を抑制する観点から、1以下が好ましく、0.5以下がより好ましく、0.3以下が更に好ましく、0.2以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の研磨液組成物中における質量比D/Aは、0.002以上1以下が好ましく、0.01以上0.5以下がより好ましく、0.02以上0.3以下が更に好ましく、0.05以上0.2以下が更に好ましい。
[その他の成分]
本開示の研磨液組成物は、本開示の効果が妨げられない範囲で、その他の成分をさらに含んでもよい。その他の成分としては、一又は複数の実施形態において、成分B及び成分C以外の水溶性高分子、成分D以外のpH調整剤、防腐剤、アルコール類、キレート剤、及び酸化剤等が挙げられる。
[pH]
本開示の研磨液組成物のpHは、研磨速度の向上と保存安定性とを両立する観点から、8.5超であり、9以上が好ましく、9.5以上が更に好ましく、10以上が更に好ましく、そして、表面品質を向上する観点から、14以下であり、13以下が好ましく、12.5以下がより好ましく、12以下が更に好ましく、11.5以下が更に好ましく、11以下が更に好ましい。同様の観点から、本開示の研磨液組成物のpHは、8.5超以上14以下であり、9以上13以下が好ましく、9以上12.5以下がより好ましく、9以上12以下が更に好ましく、9.5以上11.5以下が更に好ましく、10以上11.5以下が更に好ましく、10以上11以下が更に好ましい。本開示の研磨液組成物のpHは、成分Cや公知のpH調整剤を用いて調整できる。本開示において、上記pHは、実施例に記載する方法で測定した値である。
本開示の研磨液組成物は、例えば、成分A、及び成分Bと、さらに所望により、水、成分C、成分D及びその他の成分とを公知の方法で配合することにより製造できる。すなわち、本開示の研磨液組成物は、例えば、少なくとも成分Aと成分Bとを配合することにより製造できる。したがって、本開示は、その他の態様において、少なくとも成分A、及び成分Bを配合する工程を含む、研磨液組成物の製造方法に関する。本開示において「配合する」とは、成分A、成分B、並びに、必要に応じて水、成分C、成分D及びその他の成分を同時に又は任意の順に混合することを含む。前記配合は、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機、湿式ボールミル、又はビーズミル等の撹拌機等を用いて行うことができる。上記本開示の研磨液組成物の製造方法における各成分の好ましい配合量は、上述した本開示の研磨液組成物中の各成分の好ましい含有量と同じとすることができる。
本開示において、「研磨液組成物中の各成分の含有量」は、使用時、すなわち、研磨液組成物の研磨への使用を開始する時点における各成分の含有量をいう。
本開示の研磨液組成物は、貯蔵及び輸送の観点から、濃縮物として製造され、使用時に希釈されてもよい。希釈倍率としては、製造及び輸送コストの観点から、好ましくは2倍以上であり、より好ましくは10倍以上、更に好ましくは30倍以上、更に好ましくは50倍以上であり、保存安定性の観点から、好ましくは300倍以下であり、より好ましくは250倍以下、更に好ましくは200倍以下、更に好ましくは150倍以下である。本開示の研磨液組成物の濃縮物は、使用時に各成分の含有量が、上述した含有量(すなわち、使用時の含有量)となるように水で希釈して使用することができる。本開示において研磨液組成物の濃縮物の「使用時」とは、研磨液組成物の濃縮物が希釈された状態をいう。
[研磨液キット]
本開示は、一態様において、本開示の研磨液組成物を製造するための研磨液キット(以下、「本開示のキット」ともいう)に関する。本開示のキットによれば、シリカ粒子の含有量が少なくても、研磨速度の向上と研磨パッドの継続使用における研磨速度の低下抑制とを両立できる研磨液組成物を得ることができる。
本開示のキットとしては、一又は複数の実施形態において、成分A、及び成分Bを含む溶液を含有する研磨液キットが挙げられる。前記溶液には、必要に応じて上述した成分C、成分D及びその他の成分が含まれていてもよい。前記溶液は、使用時に、必要に応じて水を用いて希釈してもよい。
[シリコン基板の研磨方法]
本開示は、一態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨シリコン基板を研磨する工程(以下、「研磨工程」ともいう)を含む、シリコン基板の研磨方法(以下、「本開示の研磨方法」ともいう)に関する。本開示の研磨方法によれば、本開示の研磨液組成物を用いるため、シリカ粒子の含有量が少なくても、研磨速度の向上と研磨パッドの継続使用における研磨速度の低下抑制とを両立できる。
本開示の研磨方法における研磨工程は、一又は複数の実施形態において、本開示の研磨液組成物を被研磨シリコン基板の研磨対象面に供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び前記被研磨シリコン基板の少なくとも一方を動かして研磨する工程である。
研磨工程が多段階で行われる場合は、本開示の研磨液組成物を用いた研磨工程は2段階目以降に行われるのが好ましく、最終研磨工程又は仕上げ研磨工程で行われるのがより好ましい。その際、前工程の研磨材や研磨液組成物の混入を避けるために、それぞれ別の研磨機を使用してもよく、またそれぞれ別の研磨機を使用した場合では、研磨工程毎に被研磨シリコン基板を洗浄することが好ましい。さらに、使用した研磨液を再利用する循環研磨においても、本開示の研磨液組成物は使用できる。研磨機としては、特に限定されず、基板研磨用の公知の研磨機が使用できる。
前記研磨工程で使用される研磨パッドは、連続使用できるものであれば特に限定されないが、研磨パッドの継続使用における研磨速度の低下抑制の観点から、ウレタン樹脂を含む表面部材を有する研磨パッドが好適に使用されうる。研磨パッドとしては、スエードタイプ、不織布タイプ、ポリウレタン独立発泡タイプ、又はこれらを積層した二層タイプ等の研磨パッドを使用でき、スエードタイプの研磨パッドが好適に使用されうる。
スエードタイプの研磨パッドとしては、一又は複数の実施形態において、発泡層(表面部材)とベース層とを有し、前記発泡層(表面部材)がポリウレタンエラストマー等のウレタン樹脂を含む研磨パッドが挙げられる。前記発泡層は、一又は複数の実施形態において、前記ベース層に対して紡錘状気孔を有するものである。前記発泡層の圧縮率は、例えば、2.5%以上20%以下とすることができる。圧縮率は、日本工業規格(JIS)L1096記載の圧縮率測定方法に基づき、圧縮試験機により測定できる。前記ベース層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやポリエステルフィルムが挙げられる。研磨パッドのアスカー硬度は、例えば、50度以上100度以下とすることができる。
研磨パッドの表面部材の平均開孔径は、研磨速度向上とパッド寿命とを両立する観点から、好ましくは5μm以上100μm以下、より好ましくは10μm以上90μm以下、更に好ましくは15μm以上80μm以下、更に好ましくは20μm以上70μm以下である。
前記研磨工程における研磨荷重は、研磨パッドの継続使用における研磨速度の低下抑制、及び、研磨速度確保の観点から、好ましくは3kPa以上、より好ましくは4kPa以上、更に好ましくは5Pa以上であり、そして、表面品質の向上の観点から、20kPa以下が好ましく、より好ましくは18kPa以下、更に好ましくは16kPa以下である。本開示において研磨荷重とは、研磨時に被研磨基板の研磨面に加えられる定盤の圧力をいう。また、研磨荷重の調整は、定盤及び被研磨基板のうち少なくとも一方に空気圧や重りを負荷することにより行うことができる。
前記研磨工程における、本開示の研磨液組成物の供給速度は、研磨速度の確保、表面品質の向上の観点から、被研磨基板1cm2当たり、0.05~15mL/分が好ましく、0.06~10mL/分がより好ましく、0.07~1mL/分が更に好ましく、0.07~0.5mL/分が更に好ましい。
前記研磨工程における、研磨液組成物の温度及び研磨パッド表面温度は、研磨速度向上と表面品質との両立の観点から、15℃以上が好ましく、40℃以下が好ましい。
本開示の研磨液組成物を研磨機へ供給する方法としては、例えばポンプ等を用いて連続的に供給を行う方法が挙げられる。研磨液組成物を研磨機へ供給する際は、全ての成分を含んだ1液で供給する方法の他、研磨液組成物の安定性等を考慮して、複数の配合用成分液に分け、2液以上で供給することもできる。後者の場合、例えば供給配管中又は被研磨基板上で、上記複数の配合用成分液が混合され、本開示の研磨液組成物となる。
[半導体基板の製造方法]
本開示は、その他の態様において、本開示の研磨液組成物を用いて被研磨シリコン基板を研磨する工程(以下、「研磨工程」ともいう)と、研磨されたシリコン基板を洗浄する工程(以下、「洗浄工程」ともいう)と、を含む、半導体基板の製造方法(以下、「本開示の半導体基板製造方法」ともいう)に関する。本開示の半導体基板製造方法によれば、本開示の研磨液組成物を用いることで、シリカ粒子の含有量が少なくても、研磨速度の向上と研磨パッドの継続使用における研磨速度の低下抑制とを両立できるため、高品質の半導体基板を高収率で、生産性よく、安価に製造できる。
被研磨シリコン基板が単結晶シリコン基板である場合、本開示の半導体基板製造方法における研磨工程は、例えば、単結晶シリコンインゴットを薄円板状にスライスすることにより得られた単結晶シリコン基板を平面化するラッピング(粗研磨)工程と、ラッピングされた単結晶シリコン基板をエッチングした後、単結晶シリコン基板表面を鏡面化する仕上げ研磨工程とを含むことができる。本開示の研磨液組成物は、研磨速度の向上と表面品質の向上とを両立する観点から、上記仕上げ研磨工程で用いられるとより好ましい。
被研磨シリコン基板がポリシリコン基板である場合、本開示の半導体基板製造方法における研磨工程は、例えば、二酸化ケイ素膜及び窒化ケイ素膜を有するシリコン基板の上に化学蒸着(CVD)法によりポリシリコン膜を製膜した基板をポリシリコン膜の凹凸を除去して平坦化する工程と、直下の二酸化ケイ素膜および窒化ケイ素膜とポリシリコン膜とを同時に研磨し平坦化する工程とを含むことができる。本開示の研磨液組成物は、研磨速度の向上と表面品質の向上とを両立する観点から、上記ポリシリコン膜の凹凸を除去して平坦化する工程で用いられるとより好ましい。
本開示の半導体基板製造方法における研磨工程は、上述した本開示の研磨方法における研磨工程と同様の条件で研磨を行うことができる。
本開示の半導体基板製造方法は、一又は複数の実施形態において、前記研磨工程の前に、本開示の研磨液組成物の濃縮物を希釈する希釈工程を含んでいてもよい。希釈媒には、例えば、水を用いることができる。
本開示の半導体基板製造方法における洗浄工程では、シリコン基板表面上の残留物低減の観点から、無機物洗浄を行うことが好ましい。無機物洗浄で用いる洗浄剤としては、例えば、過酸化水素、アンモニア、塩酸、硫酸、フッ酸及びオゾン水から選ばれる少なくとも1種を含む無機物洗浄剤が挙げられる。
本開示の半導体基板製造方法は、一又は複数の実施形態において、前記洗浄工程の後に、洗浄後のシリコン基板を水でリンスし、乾燥する工程を更に含むことができる。
以下、実施例により本開示をさらに詳細に説明するが、これらは例示的なものであって、本開示はこれら実施例に制限されるものではない。
1.研磨液組成物の調製
表1に示すシリカ粒子(成分A)、表1に示す塩基性窒素含有水溶性高分子(成分B)、表1に示すノニオン性水溶性高分子(成分C)、アンモニア(成分D)、及び超純水を撹拌混合して、実施例1~3、比較例1~2及び参考例1の研磨液組成物を得た。表1中の各成分の含有量は、研磨液組成物の使用時における各成分の含有量(質量%又はppm、有効分)である。超純水の含有量は、成分Aと成分Bと成分Cと成分Dとを除いた残余である。
各研磨液組成物の調製に用いた成分A、成分B、成分C、及び成分Dには下記のものを用いた。
(成分A)
コロイダルシリカ[平均一次粒子径25nm、平均二次粒子径49nm、会合度2.0]コロイダルシリカ[平均一次粒子径35nm、平均二次粒子径70nm、会合度2.0]
(成分B)
グリシドール変性ポリアリルアミン(変性率1.5)[ニットーボーメディカル社製、重量平均分子量3万]
(非成分B)
PEI(ポリエチレンイミン)[日本触媒社製、SP-200、重量平均分子量1万]
(成分C)
PEG(ポリエチレングリコール)[日油社製、PEG#6000、重量平均分子量6000]
HEC(ヒドロキシエチルセルロース)[住友精化製、SE400、重量平均分子量250,000]
HEC(ヒドロキシエチルセルロース)[住友精化製、CF-V、重量平均分子量800,000]
(成分D)
アンモニア[28質量%アンモニア水、キシダ化学社製、試薬特級]
2.各種パラメータの測定方法
(1)シリカ粒子(成分A)の平均一次粒子径の測定
成分Aの平均一次粒子径(nm)は、BET(窒素吸着)法によって算出される比表面積S(m2/g)を用いて下記式で算出した。
平均一次粒子径(nm)=2727/S
成分Aの比表面積Sは、下記の[前処理]をした後、測定サンプル約0.1gを測定セルに小数点以下4桁まで精量し、比表面積の測定直前に110℃の雰囲気下で30分間乾燥した後、比表面積測定装置(マイクロメリティック自動比表面積測定装置「フローソーブIII2305」、島津製作所製)を用いて窒素吸着法(BET法)により測定した。
[前処理]
(a)スラリー状の成分Aを硝酸水溶液でpH2.5±0.1に調整する。
(b)pH2.5±0.1に調整されたスラリー状の成分Aをシャーレにとり150℃の熱風乾燥機内で1時間乾燥させる。
(c)乾燥後、得られた試料をメノウ乳鉢で細かく粉砕する。
(d)粉砕された試料を40℃のイオン交換水に懸濁させ、孔径1μmのメンブランフィルタで濾過する。
(e)フィルタ上の濾過物を20gのイオン交換水(40℃)で5回洗浄する。
(f)濾過物が付着したフィルタをシャーレにとり、110℃の雰囲気下で4時間乾燥させる。
(g)乾燥した濾過物(成分A)をフィルタ屑が混入しないようにとり、乳鉢で細かく粉砕して測定サンプルを得た。
(2)シリカ粒子(成分A)の平均二次粒子径
成分Aの平均二次粒子径(nm)は、成分Aの濃度が0.25質量%となるように研磨材をイオン交換水に添加した後、得られた水分散液をDisposable Sizing Cuvette(ポリスチレン製 10mmセル)に下底からの高さ10mmまで入れ、動的光散乱法(装置名:「ゼータサイザーNano ZS」、シスメックス社製)を用いて測定した。
(3)水溶性高分子の重量平均分子量の測定
水溶性高分子(成分B、成分C)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を下記の条件で適用して得たクロマトグラム中のピークに基づき算出した。
<塩基性窒素原子含有水溶性高分子(成分B)>
装置:HLC-8320 GPC(東ソー社製、検出器一体型)
カラム:α-M+α-M
溶離液:0.15mol/L Na2SO4,1%CH3COOH/水
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器:ショーデックスRI SE-61示差屈折率検出器
標準物質:分子量が既知の単分散プルラン
<ノニオン性水溶性高分子(成分C)>
装置:HLC-8320 GPC(東ソー社製、検出器一体型)
カラム:GMPWXL+GMPWXL(アニオン)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1
流量:0.5mL/min
カラム温度:40℃
検出器:ショーデックスRI SE-61示差屈折率検出器
標準物質:分子量が既知の単分散ポリエチレングリコール
(4)グリシドール変性率
グリシドール変性率は、13C-NMRを用いて求めた。
<測定条件>
試料:グリシドール変性ポリアリルアミン 200mgを重水0.6mLに溶解
使用装置: 400MHz 13C-NMR(アジレント・テクノロジー株式会社製「Agilent 400-MR DD2」)
測定条件:13C-NMR測定、パルス間隔時間5秒、テトラメチルシランを標準ピーク(σ:0.0ppm)として測定
積算回数:5000回
積分に用いる各ピーク範囲:
A:71.0~72.3ppm(アミノ基と反応したグリシドールの2級水酸基が結合したCのピークの積分値)
B:32.0~41.0ppm(アリルアミンの主鎖Cのピークの積分値)
<グリシドール変性率>
グリシドール変性率(アミノ基の当量に対するグリシドールの当量比)は以下の式で求める。
グリシドール変性率(当量比)= 2A/B
(5)pKaの測定
HM-41K型pHメーター(東亜DKK(株))用いて、1Mに調整した成分Bの水溶液を0.1M-塩酸により室温で電位差滴定を行った。得られた滴定曲線からpKaを算出した。
(6)研磨液組成物のpH
研磨液組成物の25℃におけるpHは、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM-30G)を用いて測定した値であり、pHメーターの電極を研磨液組成物へ浸漬して1分後の数値である。
3.実施例1~3、比較例1~2及び参考例1の研磨液組成物の評価
(1)研磨方法等
各研磨液組成物について、それぞれ研磨直前にフィルタ(コンパクトカートリッジフィルタ「MCP-LX-C10S」、アドバンテック社製)にてろ過を行い、下記の研磨条件で下記の被研磨シリコン基板に対して仕上げ研磨及び洗浄を行った。
<被研磨シリコン基板>
単結晶シリコン基板[直径200mmのシリコン片面鏡面基板、伝導型:P、結晶方位:100、抵抗率:0.1Ω・cm以上100Ω・cm未満]
上記単結晶シリコン基板を市販の研磨液組成物(フジミインコーポレーテッド製、GLANZOX 1302)を用いて予め粗研磨を実施した。粗研磨を終了し仕上げ研磨に供した単結晶シリコン基板のヘイズは、2~3ppmであった。
<仕上げ研磨条件>
研磨機:片面8インチ研磨機「GRIND-X SPP600s」(岡本工作製)
研磨パッド:スエードパッド(FILWEL社製、アスカー硬度:66、厚さ:1.45mm、ナップ長:500μm、平均開孔径:60μm)
研磨荷重:9.8kPa
定盤回転速度:60rpm
研磨時間:5分
研磨液組成物の供給速度:100g/min(被研磨基板1cm2当たり0.32mL/分)
研磨液組成物の温度:23℃
キャリア回転速度:62rpm
<シリコン基板の表面粗さ(ヘイズ)の測定>
表面粗さ測定装置「Surfscan SP1-DLS」(KLA Tencor社製)を用いて測定される、暗視野ワイド斜入射チャンネル(DWO)での値(DWOヘイズ)を用いた。
<洗浄方法>
仕上げ研磨後、シリコン基板に対して、オゾン洗浄と希フッ酸洗浄を下記のとおり行った。オゾン洗浄では、20ppmのオゾンを含んだ水溶液をノズルから流速1L/min、600rpmで回転するシリコン基板の中央に向かって3分間噴射した。このときオゾン水の温度は常温とした。次に希フッ酸洗浄を行った。希フッ酸洗浄では、0.5質量%のフッ化水素アンモニウム(特級、ナカライテクス株式会社)を含んだ水溶液をノズルから流速1L/min、600rpmで回転するシリコン基板の中央に向かって6秒間噴射した。上記オゾン洗浄と希フッ酸洗浄を1セットとして計2セット行い、最後にスピン乾燥を行った。スピン乾燥では1,500rpmでシリコン基板を回転させた。
(2)研磨速度の評価
研磨前後の各シリコン基板の重さを精密天秤(Sartorius社製「BP-210S」)を用いて測定した。得られた重量差をシリコン基板の密度、面積および研磨時間で除して、単位時間当たりの片面研磨速度を求め、2枚目、5枚目、8枚目の研磨速度を算出した。なお、研磨後のシリコン基板の重さとは、上記仕上げ研磨及び洗浄を行った後のシリコン基板の重さである。
Figure 2023020529000005
表1に示されるように、実施例1~3の研磨液組成物は、成分Aの含有量が0.1質量%以下、質量比B/Aが0.07以上であり、シリカ粒子(成分A)に対して塩基性窒素原子を含有する水溶性高分子(成分B)が十分存在するので、シリカ粒子の含有量が少なくても、比較例1よりも研磨速度が向上し、かつ、研磨パッドの継続使用における研磨速度の低下が比較例2及び参考例1よりも抑制されていた。これによって、研磨液の使用・廃棄コストを低減しつつ、高研磨速度、ドレッシングの回数削減、研磨パッドの長寿命化といった生産性を高めることができると考えられる。
本開示の研磨液組成物を用いれば、シリカ粒子の含有量が少なくても、研磨速度の向上と研磨パッドの継続使用における研磨速度の低下抑制とを両立できる。よって、本開示の研磨液組成物は、なかでも、シリコン基板の製造過程で用いられる研磨液組成物として有用である。

Claims (7)

  1. 下記成分A及び下記成分Bを含有し、
    成分Aの含有量が0.1質量%以下であり、
    成分Aの含有量に対する成分Bの含有量の質量比B/Aが0.07以上であり、
    pHが8.5超14以下である、研磨液組成物。
    成分A:シリカ粒子
    成分B:塩基性窒素原子を含有し、前記塩基性窒素原子の少なくとも一部はβ位、γ位及びδ位から選択される位置にヘテロ原子(塩基性窒素原子を除く)を含む水溶性高分子
  2. 成分Bは、アリルアミン由来の構成単位を含む、請求項1に記載の研磨液組成物。
  3. アリルアミン由来の構成単位中のアミノ基の少なくとも一部は、立体遮蔽基を有する、請求項2に記載の研磨液組成物。
  4. アリルアミン由来の構成単位中のアミノ基の少なくとも一部は、ヘテロ原子を有する炭素数2以上11以下の炭化水素基を含む第2級アミノ基又は第3級アミノ基である、請求項2又は3に記載の研磨液組成物。
  5. 成分Bは、ポリアリルアミンとグリシドール誘導体との反応物である、請求項1から4のいずれかに記載の研磨液組成物。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨シリコン基板を研磨する工程を含む、シリコン基板の研磨方法。
  7. 請求項1から5のいずれかに記載の研磨液組成物を用いて被研磨シリコン基板を研磨する工程と、
    研磨されたシリコン基板を洗浄する工程と、を含む、半導体基板の製造方法。
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