JP2023001491A - 抗菌材料、抗菌材料分散液、抗菌材料分散体、および、それらの製造方法 - Google Patents

抗菌材料、抗菌材料分散液、抗菌材料分散体、および、それらの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023001491A
JP2023001491A JP2021102257A JP2021102257A JP2023001491A JP 2023001491 A JP2023001491 A JP 2023001491A JP 2021102257 A JP2021102257 A JP 2021102257A JP 2021102257 A JP2021102257 A JP 2021102257A JP 2023001491 A JP2023001491 A JP 2023001491A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tungsten oxide
composite tungsten
antibacterial material
antibacterial
fine particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021102257A
Other languages
English (en)
Inventor
美香 岡田
Mika Okada
啓一 佐藤
Keiichi Sato
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP2021102257A priority Critical patent/JP2023001491A/ja
Priority to CN202280043762.2A priority patent/CN117560994A/zh
Priority to EP22828219.0A priority patent/EP4360457A1/en
Priority to PCT/JP2022/023052 priority patent/WO2022270302A1/ja
Priority to TW111122543A priority patent/TW202313130A/zh
Publication of JP2023001491A publication Critical patent/JP2023001491A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01PBIOCIDAL, PEST REPELLANT, PEST ATTRACTANT OR PLANT GROWTH REGULATORY ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR PREPARATIONS
    • A01P1/00Disinfectants; Antimicrobial compounds or mixtures thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N59/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing elements or inorganic compounds
    • A01N59/16Heavy metals; Compounds thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
    • C01G41/00Compounds of tungsten
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D17/00Pigment pastes, e.g. for mixing in paints

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Pest Control & Pesticides (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Agronomy & Crop Science (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Dentistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Abstract

【課題】安定な無機物である抗菌材料、および、それらの製造方法提供する。【解決手段】一般式MxWyOzで表記されることを特徴とする複合タングステン酸化物微粒子を含有する抗菌材料を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、各種工業製品、家庭用品等を除菌するために用いられる抗菌材料、抗菌材料分散液、抗菌材料分散体、および、それらの製造方法に関する。
抗菌効果を持つ物質として、カチオン系殺菌剤、ビグアニド系殺菌剤、ハロゲン化ジフェニルエーテルあるいはこれに類似する化合物が広く知られている。特許文献1では殺菌剤としてセチルピリジニウム塩酸塩、クロルヘキシジン、トリクロサン、イルガサンから選ばれた一種またはそれ以上の混合物が好ましい事が提案されている。
一方、抗菌効果を持つ物質として亜鉛、銀、銅等の重金属イオンが広く知られている。特許文献2には、銀クロロ錯塩を含む抗菌剤が記載されている。そして、銀クロロ錯塩はチオ硫酸酢酸塩等とは異なりS2-イオンを含まないため、熱や酸により分解して有毒ガスを発生したり、硫化銀の形成により黒化することがなく安定であることが提案されている。
特開平10-236914号公報 特開平10-182326号公報
しかしながら、本発明者らの検討によると特許文献1、2の記載には、以下のような課題があることが判明した。
特許文献1に記載された殺菌剤は有機物である。その結果、環境下における安定性が十分ではないため、使用用途、使用方法が限られると考えられた。
特許文献2に記載された銀クロロ錯塩を含む抗菌剤は、チオ硫酸酢酸塩等と比較すると安定ではある。しかし、銀クロロ錯塩を長期間に渡って大気に暴露した場合には、大気中に含まれるH2Sガス、SO2ガス等と反応すると考えられ、高い抗菌効果を発現することが出来ない場合があると考えられた。また、大気中のH2Sガス、SO2ガス等と反応することで黒化することもある。
本発明は、上述の状況のもとで為されたものであり、その解決しようとする課題は、長期間に渡って大気に暴露された場合も抗菌効果を維持し、且つ、変色することのない抗菌材料、抗菌材料分散液、抗菌材料分散体、および、それらの製造方法を提供することである。
上述の課題を解決する為、本発明者らは研究を行った結果、無機微粒子である複合タングステン酸化物微粒子に抗菌効果があることを見出した。そして、当該複合タングステン酸化物微粒子は、抗菌効果が長期間に渡って大気に暴露された場合も抗菌効果を維持し、且つ、変色することのない無機物である上、大気中のH2Sガス、SO2ガスによっても変色しないものであることを知見し、本発明を完成した。
即ち、上述の課題を解決する為の第1の発明は、
一般式MxWyOz(但し、M元素は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、から選択される1種類以上の元素で、Wはタングステン、Oは酸素で、0.01≦x/y≦1.0、2.2≦z/y≦3.0)で表記されることを特徴とする複合タングステン酸化物微粒子を含有する抗菌材料である。
第2の発明は、
前記複合タングステン酸化物微粒子が六方晶の結晶構造を含むことを特徴とする第1の発明に記載の抗菌材料である。
第3の発明は、
前記複合タングステン酸化物微粒子の平均粒子径が10nm以上200nm以下であることを特徴とする第1または第2の発明に記載の抗菌材料である。
第4の発明は、
第1から第3の発明のいずれかに記載の抗菌材料と、溶媒とを含むことを特徴とする抗菌材料分散液である。
第5の発明は、
第1から第3の発明のいずれかに記載の抗菌材料と、固体媒体とを含むことを特徴とする抗菌材料分散体である。
第6の発明は
一般式MxWyOz(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iから選択される1種類以上の元素で、Wはタングステン、Oは酸素で、0.01≦x/y≦1.0、2.2≦z/y≦3.0)で表記される六方晶の結晶構造を含む複合タングステン酸化物を製造する第1の工程と、
前記第1の工程で得られた複合タングステン酸化物を機械的に粉砕し、前記六方晶の結晶構造における格子定数においてa軸が7.3850Å以上7.4186Å以下、c軸が7.5600Å以上7.6240Å以下であり、粒子径が100nm以下である複合タングステン酸化物微粒子を製造する第2の工程とを、有することを特徴とする抗菌材料の製造方法である。
本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子を含有する抗菌材料は、長期間に渡って大気に暴露された場合も抗菌効果を維持し、且つ、変色しない上、大気中のH2Sガス、SO2ガスによっても変色しなかった。
六方晶の結晶構造の模式的な平面図である。
本発明に係る抗菌材料は、一般式MxWyOz(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素で、0.01≦x/y≦1.0、2.2≦z/y≦3.0)で表記される複合タングステン酸化物微粒子を含有する。
本発明に係る抗菌材料は、適宜な溶媒や樹脂などの適宜な固体媒体中へ当該複合タングステン酸化物微粒子を分散させて、抗菌材料分散体の形態をとることができる。
そして、本発明に係る抗菌材料分散体には、基材や物品などの表面に当該抗菌材料分散体を形成した抗菌膜、当該抗菌材料分散体を板状に形成した抗菌板、当該抗菌材料分散体をフィルム状に形成した抗菌フィルム、さらには、当該抗菌材料分散体を容器の形状やその他の物品の形状へ成形した抗菌成形体、抗菌繊維が含まれる。
以下、本発明を実施するための形態について、1.複合タングステン酸化物微粒子、2.複合タングステン酸化物微粒子の製造方法、3.複合タングステン酸化物微粒子の抗菌効果、4.抗菌材料分散液、5.抗菌材料分散体、の順で詳細に説明する。
1.複合タングステン酸化物微粒子
本発明に係る抗菌材料が含有する複合タングステン酸化物微粒子は、太陽光のうち波長380nm~780nmの可視光領域の光は透過し、波長780nm以上の近赤外領域の光を吸収する材料として知られている。そして、複合タングステン酸化物は、一般式MxWyOz(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素)で表記され、安定性の観点から、M元素は、アルカリ金属、アルカリ土類金属から選択される1種類以上の元素であることがより好ましく、アルカリ金属に属するものがさらに好ましい。
そして、複合タングステン酸化物の電子状態を考慮すると、2.2≦z/y≦3.0であることが好ましい。
一方、M元素とWの割合は、0.01≦x/y≦1.0であることが好ましい。複合タングテン酸化物にも構造に由来した添加元素Mの添加量の上限があり、1モルのタングステンに対する添加元素Mの最大添加量は、立方晶の場合は1モルであり、正方晶の場合は0.5モル程度(M元素の種類により変化するが、工業的製造が容易なのは、0.5モル程度である。)である。添加元素Mの添加量は、x/yの値で0.2以上0.5以下が好ましく、更に好ましくは0.22≦x/y≦0.37である。z/y=3の時、x/yの値が0.33となることで、図1に示すように添加元素Mが六角形の空隙の全てに配置されると考えられ、六方晶となる。なお、図1は六方晶の結晶構造の模式的な平面図である。図1において、符号11で示すWO6単位にて形成される8面体が、6個集合して六角形の空隙(トンネル)が構成され、当該空隙中に、符号12で示す元素Mが配置して1箇の単位を構成し、この1箇の単位が多数集合して六方晶の結晶構造を構成する。
また、六角形の空隙にM元素の陽イオンが添加されて存在するとき、一般的には、イオン半径の大きなM元素を添加したとき当該六方晶が形成される。具体的には、Cs、Rb、K、Ba、Li、Ca、Sr、から選択される1種類以上を添加したとき六方晶が形成され易く好ましい。
さらに、これらイオン半径の大きなM元素のうちでも、Cs、Rbから選択される1種類以上を添加した複合タングステン酸化物微粒子は化学的に安定であるため好ましい。
複合タングステン酸化物微粒子は、正方晶、立方晶、六方晶のタングステンブロンズの構造をとることで赤外線を効率よく吸収し、抗菌効果が向上する。当該複合タングステン酸化物微粒子がとる結晶構造によって、近赤外線領域の吸収位置が変化する傾向があり、この近赤外線領域の吸収位置は、立方晶よりも正方晶のときが長波長側に移動し、さらに六方晶のときは正方晶のときよりも長波長側に移動する傾向がある。また、当該吸収位置の変動に付随して、可視光線領域の吸収は六方晶が最も少なく、次に正方晶であり、立方晶はこの中では最も大きい。よって、より可視光領域の光を透過して、より赤外線領域の光を吸収することにより、意匠性を担保しながら抗菌効果を向上させる観点からは、六方晶のタングステンブロンズを用いることが好ましい。
同様に、意匠性を担保しながら抗菌効果を向上させる観点からは、複合タングステン酸化物微粒子の平均粒子径が、800nm以下であることが好ましい。複合タングステン酸化物微粒子の粒子径は、透過型電子顕微鏡像から画像処理装置を用いて複合タングステン酸化物超微粒子100個の粒子径を測定し、その平均値を算出することで求めることが出来る。
そして、本発明に係る抗菌材料が含有する複合タングステン酸化物微粒子においては、アモルファス相の体積比率が50%以下である単結晶であることが好ましい。
複合タングステン酸化物微粒子が、アモルファス相の体積比率50%以下である単結晶であると、格子定数を所定の範囲内に維持しながら結晶子径を200nm以下にすることが出来る。複合タングステン酸化物微粒子の結晶子径を200nm以下とすることで、その分散粒子径を1nm以上200nm以下とすることが出来る。
即ち、複合タングステン超微粒子において、粒子径が1nm以上200nm以下であり、アモルファス相が体積比率で50%以下である場合や、多結晶でない場合、格子定数を所定の範囲内に維持でき、抗菌性の発現が十分に発揮されるからである。
そして、複合タングステン酸化物微粒子の結晶子径が200nm以下10nm以上であることがより好ましく、100nm以下10nm以上であることがさらに好ましい。結晶子径が100nm以下10nm以上の範囲であれば、優れた抗菌性が発揮されるからである。
尚、後述する解砕、粉砕または分散された後の複合タングステン酸化物微粒子分散液中の複合タングステン酸化物微粒子の格子定数は、本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液中の揮発成分を除去して得られた複合タングステン酸化物微粒子の格子定数や、前記分散液から得られる分散体中に含まれる複合タングステン酸化物微粒子の格子定数や結晶子径においても維持される。
結果的に、複合タングステン酸化物微粒子分散液や当該分散液から得られる複合タングステン超微粒子の分散体中における、複合タングステン酸化物微粒子の格子定数、結晶子径など結晶の状態が、本発明で用いることができる複合タングステン酸化物微粒子の結晶の状態であれば、本発明の効果は発揮される。
尚、複合タングステン酸化物微粒子が単結晶であることは、透過型電子顕微鏡等の電子顕微鏡像において、各微粒子内部に結晶粒界が観察されず、一様な格子縞のみが観察されることから確認することができる。また、複合タングステン酸化物微粒子においてアモルファス相の体積比率が50%以下であることは、同じく透過型電子顕微鏡像において、粒子全体に一様な格子縞が観察され、格子縞が不明瞭な箇所が殆ど観察されないことから確認することができる。アモルファス相は粒子外周部に存在する場合が多いので、粒子外周部に着目することで、アモルファス相の体積比率を算出可能な場合が多い。例えば、真球状の複合タングステン酸化物微粒子において、格子縞が不明瞭なアモルファス相が当該粒子外周部に層状に存在する場合、その粒子径の20%以下の厚さであれば、当該複合タングステン酸化物微粒子におけるアモルファス相の体積比率は、50%以下である。
一方、複合タングステン酸化物微粒子が、抗菌材料分散体を構成する樹脂等の固体媒体のマトリックス中で分散している場合、当該分散している複合タングステン酸化物微粒子の平均粒子径から結晶子径を引いたとの差違が20%以下であれば、当該複合タングステン酸化物微粒子は、アモルファス相の体積比率50%以下の単結晶であると言える。
さらに、その格子定数が、a軸が7.3850Å以上7.4186Å以下、c軸が7.5600Å以上7.6240Å以下であることが好ましい。
M元素としてRbを選択したRbタングステン酸化物微粒子の場合、その格子定数は、a軸が7.3850Å以上7.3950以下、c軸が7.5600以上7.5700Å以下であることが好ましい。
M元素としてCsとRbとを選択したCsRbタングステン酸化物微粒子の場合、その格子定数は、a軸が7.3850Å以上7.4186Å以下、c軸が7.5600Å以上7.6240Å以下であることが好ましい。
尤も、M元素が上記CsやRbに限定される訳ではない。M元素がCsやRb以外の元素であっても、WO6単位で形成される六角形の空隙に添加M元素として存在すれば良い。
尚、複合タングステン酸化物微粒子の結晶構造はX線回折パターンにより特定でき、さらにリートベルト法を用いて格子定数と結晶子径とを算出することができる。
2.複合タングステン酸化物微粒子の製造方法
本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子の製造方法について(1)固相反応法、(2)プラズマ合成法、(3)複合タングステン酸化物の微粒子化、の順に説明する。
(1)固相反応法
本発明に係る前記一般式MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物粒子は、タングステン酸化物微粒子の出発原料であるタングステン化合物を、還元性ガス雰囲気もしくは還元性ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気中、または、不活性ガス雰囲気中で熱処理する固相反応法で製造することができる。当該熱処理を経て、所定の粒子径となるように粉砕処理等で微粒子化されて得られた複合タングステン酸化物微粒子は、後述するように抗菌材料として好ましい性質を有している。
本発明に係る前記一般式MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物粒子を得るための出発原料には、三酸化タングステン粉末、二酸化タングステン粉末、もしくはタングステン酸化物の水和物、もしくは、六塩化タングステン粉末、もしくはタングステン酸アンモニウム粉末、もしくは、六塩化タングステンをアルコール中に溶解させた後乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、もしくは、六塩化タングステンをアルコール中に溶解させたのち水を添加して沈殿させこれを乾燥して得られるタングステン酸化物の水和物粉末、もしくはタングステン酸アンモニウム水溶液を乾燥して得られるタングステン化合物粉末、金属タングステン粉末から選ばれたいずれか一種類以上の粉末と、前記M元素を含有する単体または化合物の粉末とを、0.01≦x/y≦1.0の割合で混合した粉末を用いることが出来る。
さらに、当該複合タングステン酸化物粒子を得るための出発原料であるタングステン化合物が、溶液または分散液であると、各元素は容易に均一混合可能となる。
当該観点より、複合タングステン酸化物微粒子の出発原料が、六塩化タングステンのアルコール溶液またはタングステン酸アンモニウム水溶液と、前記M元素を含有する化合物の溶液とを、混合した後乾燥した粉末であることがさらに好ましい。
同様の観点より、複合タングステン酸化物微粒子の出発原料が、六塩化タングステンをアルコール中に溶解させた後、水を添加して沈殿を生成させた分散液と、前記M元素を含有する単体または化合物の粉末、または、前記M元素を含有する化合物の溶液とを、混合した後、乾燥した粉末であることも好ましい。
前記M元素を含有する化合物としては、M元素のタングステン酸塩、塩化物塩、硝酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、酸化物、炭酸塩、水酸化物、等が挙げられるが、これらに限定されず、溶液状になるものであればよい。さらに、当該複合タングステン酸化物微粒子を工業的に製造する場合に、タングステン酸化物の水和物粉末や三酸化タングステンと、M元素の炭酸塩や水酸化物とを用いると、熱処理等の段階で有害なガス等が発生することが無く、好ましい製造法である。
ここで、複合タングステン酸化物粒子に対する還元性雰囲気中、または、還元性ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気中における熱処理条件について説明する。
まず出発原料を、還元性ガス雰囲気中、または、還元性ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気中にて熱処理する。この熱処理温度は、複合タングステン酸化物粒子が結晶化する温度よりも高いことが好ましい。具体的には、500℃以上1000℃以下が好ましく、500℃以上800℃以下がより好ましい。所望により、さらに不活性ガス雰囲気中で500℃以上1200℃以下の温度で熱処理しても良い。
また、還元性ガスは特に限定されないがH2が好ましい。また、還元性ガスとしてH2を用いる場合、その濃度は焼成温度と出発原料の物量に応じて適宜選択すればよく特に限定されない。例えば、20vol%以下、好ましくは10vol%以下、より好ましくは7vol%以下である。還元性ガスの濃度が20vol%以下であれば、急速な還元による抗菌作用を有しないWO2が生成するのを回避できるからである。
当該熱処理により、複合タングステン酸化物において2.2≦z/y≦3.0とする。
(2)プラズマ合成法
本発明に係る前記一般式MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物粒子は、適宜な製造条件を設定することにより、熱プラズマ法でも製造することができる。当該適宜に設定すべき製造条件として、例えば、熱プラズマ中に原料供給する際の供給速度、原料供給に用いるキャリアガスの流量、プラズマ領域を保持するプラズマガスの流量、および、プラズマ領域のすぐ外側を流すシースガスの流量等、が挙げられる。
上述の「(1)固相反応法」および「(2)プラズマ合成法」で説明した、複合タングステン酸化物粒子を得るために熱処理するまでの工程が、本発明に係る第1の工程である。
(3)複合タングステン酸化物の微粒子化
複合タングステン酸化物のバルク体や粒子の微粒子化は、後述する複合タングステン酸化物微粒子分散液を経ることで実施することが出来る。具体的には、複合タングステン酸化物のバルク体や粒子を適宜な溶媒と混合し、ビーズミル、ペイントシェーカー、等に装填し、粉砕混合を実施して、所望の粒子径迄粉砕された複合タングステン酸化物微粒子分散液を得ることが出来る。
ただし、当該微粒子化において、得られる複合タングステン酸化物へ、所望の結晶子径、格子定数のa軸長やc軸長を付与できる、粉砕条件(微粒子化条件)を定める。
当該複合タングステン酸化物微粒子分散液から複合タングステン酸化物微粒子を得るには、公知の方法で溶媒を除去すればよい。
また、複合タングステン酸化物のバルク体や粒子の微粒子化は、ジェットミルなどを用いる乾式の微粒子化も可能である。
ただし、乾式の微粒子化であっても、得られる複合タングステン酸化物へ、所望の粒子径、結晶子径、格子定数のa軸長やc軸長を付与できる、粉砕条件(微粒子化条件)を定めることはもちろんである。例えば、ジェットミルを用いるならば、適切な粉砕条件となる風量や処理時間となるジェットミルを選択すればよい。
上述の「(3)複合タングステン酸化物の微粒子化」で説明した、複合タングステン酸化物や複合タングステン酸化物粒子の微粒子化が、本発明に係る第2の工程である。
3.複合タングステン酸化物微粒子の抗菌効果
本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子は、太陽光のうち波長380nm~780nmの可視光領域の光は透過し、波長780nm以上の近赤外領域の光を吸収する。この、近赤外領域の光の吸収は、複合タングステン酸化物微粒子のプラズモン吸収やポラロン吸収によるもので、微粒子を構成する複合タングステン酸化物分子の電子状態がこれらの吸収を発現させている。このような電子状態が、抗菌や除菌の効果に関係していると推定される。
複合タングステン酸化物微粒子は、微粒子であるためプラズモン吸収やポラロン吸収を発現する。そのため、複合タングステン酸化物微粒子の平均粒子径は800nm以下、好ましくは200nm以下、より好ましくは10nm以上200nm以下、さらに好ましくは10nm以上100nm以下である。
本発明にかかる複合タングステン酸化物微粒子の抗菌効果は、日本薬局方に定める方法に準拠して保存効力試験を実施し、複合タングステン酸化物微粒子分散液に試験の対象となる菌種を強制的に接種、混合し、経時的に試験菌の消長を追求することで、評価した。
当該試験では被検菌株としてEscherichia coli ATCC8739(大腸菌)、Pseudomonas aeruginosa ATCC9027(緑膿菌)、Staphylococcus aureus ATCC6538(黄色ブドウ球菌)、Candida albicans ATCC102313(カンジダ菌)、Aspergillus brasiliensis ATCC16404(コウジカビ)を用いて菌数の変化を評価し、抗菌効果を評価した。
また、本発明に係る抗菌材料分散体は、JIS L 1902-2015(繊維製品の抗菌性の試験方法及び抗菌効果)や、JIS Z 2801(抗菌加工製品-抗菌性試験方法・抗菌効果)でも効果を確認することができる。
4.抗菌材料分散液
本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子を、適宜な溶媒中に混合・分散し、複合タングステン酸化物微粒子分散液としたものが本発明に係る抗菌材料分散液である。当該溶媒は特に限定されるものではなく用途に合わせて適宜選択すればよい。例えば、水、エタノ-ル、プロパノ-ル、ブタノ-ル、イソプロピルアルコ-ル、イソブチルアルコ-ル、ジアセトンアルコ-ルなどのアルコ-ル類、メチルエ-テル、エチルエ-テル、プロピルエ-テルなどのエ-テル類、エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、イソブチルケトンなどのケトン類、トルエンなどの芳香族炭化水素類といった各種の有機溶媒が使用可能である。
また必要に応じて、当該分散液へ酸やアルカリを添加してpH調整をしてもよい。
さらに、当該分散液の溶媒には、樹脂のモノマーやオリゴマーを用いてもよい。
一方、分散液中における微粒子の分散安定性を一層向上させるために、各種の分散剤、界面活性剤、カップリング剤などの添加も勿論可能である。
好適に用いることができる市販の分散剤としては、ソルスパース(登録商標)9000、12000、17000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、32000、35100、54000、250(日本ルーブリゾール株式会社製)、EFKA(登録商標) 4008、4009、4010、4015、4046、4047、4060、4080、7462、4020、4050、4055、4400、4401、4402、4403、4300、4320、4330、4340、6220、6225、6700、6780、6782、8503(エフカアディティブズ社製)、アジスパー(登録商標) PA111、PB821、PB822、PN411、フェイメックスL-12 (昧の素ファインテクノ株式会社製)、DisperBYK (登録商標) 101、102、106、108、111、116、130、140、142、145、161、162、163、164、166、167、168、170、171、174、180、182、192、193、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2155、2164、220S、300、306、320、322、325、330、340、350、377、378、380N、410、425、430(ピックケミ一・ジャパン株式会社製)、ディスパ口ン(登録商標) 1751N、1831、1850、1860、1934、DA-400N、DA-703-50、DA-725、DA-705、DA-7301、DN-900、NS-5210、NVI-8514L(楠本化成株式会社製)、アルフォン(登録商標) UC-3000 、UF-5022、UG-4010、UG-4035、UG-4070(東亞合成株式会社製)等から選択された1種類以上が、挙げられる。
溶媒として水を用いる場合に添加できる分散剤としては、アミノ基を備える水溶性の分散剤を添加することが好ましい。例えば市販の分散剤として、Disperbyk183、Disperbyk185、Disperbyk184、Disperbyk190、Disperbyk191、Disperbyk2010(ビックケミー社製)等を好ましく挙げることが出来る。
また、セリン、フェニルアラニン等のアミノ酸を、分散剤として添加してもよい。
また、好ましい分散剤として、オキソ酸を備える水溶性の分散剤を挙げることも出来る。ここで、オキソ酸としてはカルボキシル基を好ましく挙げることができる。例えば市販の分散剤として、ソルスパース41090、ソルスパース43000、ソルスパース44000、ソルスパース46000、ソルスパース47000、ソルスパース53095(ルーブリゾール社製)等を好ましく挙げることが出来る。
なお、当該抗菌材料分散液において、複合タングステン酸化物微粒子100重量部に対し溶媒を80重量部以上含めば、分散液としての保存性を担保し易く、その後の抗菌材料分散体を作製する際の作業性も確保できる。
複合タングステン酸化物微粒子の溶媒への分散方法は、微粒子を分散液中へ均一に分散する方法であって、当該複合タングステン酸化物微粒子の結晶構造においてa軸が7.3850Å以上7.4186Å以下、c軸が7.5600Å以上7.6240Å以下の範囲、好ましくはa軸が7.4031Å以上7.4186Å以下、c軸が7.5830Å以上7.6240Å以下の範囲、さらに好ましくは、a軸が7.4031Å以上7.4111Å以下、c軸が7.5891Å以上7.5950Å以下の範囲を担保しながら、当該複合タングステン酸化物微粒子の粒子径が800nm以下に調製で出来るものであれば、特に限定されない。例えば、ビ-ズミル、ボ-ルミル、サンドミル、ペイントシェーカー、超音波ホモジナイザ-などが挙げられる。
尚、当該複合タングステン酸化物粒子の微粒子化、および、六方晶の結晶構造における格子定数であるa軸長やc軸長の変動は、粉砕装置の装置定数により異なる。従って、予め、試験的な粉砕を実施して、複合タングステン酸化物微粒子へ所定の粒子径、結晶子径、格子定数のa軸長やc軸長を付与できる粉砕装置、粉砕条件を求めておくことが肝要である。
尚、複合タングステン酸化物粒子分散液を経て複合タングステン酸化物粒子の微粒子化を行い、その後、溶媒を除去して複合タングステン酸化物微粒子を得る場合であっても、粒子径、結晶子径、格子定数のa軸長やc軸長を付与できる、粉砕条件(微粒子化条件)を定めることは勿論である。
複合タングステン酸化物微粒子分散液を得る工程が、本発明に係る第2の工程である。
本発明に係る複合タングステン酸化物粒子分散液の状態は、タングステン酸化物微粒子を溶媒中に分散した時の複合タングステン酸化物微粒子の分散状態を測定することで確認することができる。例えば、本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子が、溶媒中において粒子および粒子の凝集状態として存在する液から試料をサンプリングし、市販されている種々の粒度分布計で測定することで確認することができる。粒度分布計としては、例えば、動的光散乱法を原理とした大塚電子(株)社製ELS-8000等の公知の測定装置を用いることができる。
また、複合タングステン酸化物微粒子の結晶構造や格子定数の測定は、複合タングステン酸化物微粒子分散液の溶媒を除去して得られる複合タングステン酸化物微粒子に対し、X線回折法により当該微粒子に含まれる結晶構造を特定し、リートベルト法を用いることにより格子定数としてa軸長およびc軸長を算出する。
複合タングステン酸化物微粒子の分散粒子径は800nm以下で、十分細かいことが好ましい。さらに、当該複合タングステン酸化物微粒子は均一に分散していることが好ましい。
複合タングステン酸化物微粒子の分散粒子径が800nm以下、好ましくは200nm以下、より好ましくは10nm以上200nm以下、さらに好ましくは10nm以上100nm以下であれば、抗菌効果、除菌効果の発現に必要な複合タングステン酸化物微粒子が担保されるからである。
尚、本発明に係る分散粒子径とは、抗菌材料分散液である複合タングステン酸化物微粒子分散液中に分散した複合タングステン酸化物微粒子の単体粒子や、当該複合タングステン酸化物微粒子が凝集した凝集粒子の粒子径を意味するものである。当該分散粒子径は、市販されている種々の粒度分布計で測定することができる。例えば、当該抗菌材料分散液のサンプルを採取し、当該サンプルを動的光散乱法に基づく粒径測定装置(大塚電子株式会社製ELS-8000)を用いて測定することができる。
また、抗菌材料分散液中での複合タングステン酸化物微粒子の平均粒子径は、溶媒を除去した後、透過型電子顕微鏡像から測定、算出することができる。複合タングステン酸化物微粒子の分散粒子径が800nm以下、好ましくは200nm以下、より好ましくは10nm以上200nm以下、さらに好ましくは10nm以上100nm以下である。
得られた複合タングステン酸化物微粒子分散液は、本発明に係る抗菌材料分散液として機能する。
5.抗菌材料分散体
本発明に係る抗菌材料分散体は、樹脂などの媒体に本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子が分散されたものである。抗菌材料分散体は、本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子が、所定条件における機械的な粉砕の後、媒体中において分散状態を維持している。そして、本発明に係る抗菌材料分散体の表面には、本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子の表面が露出しており、抗菌作用を発現するものである。
そして、抗菌材料分散体としては、基材や物品などの表面に抗菌材料分散体を形成した抗菌膜、抗菌材料分散体を板状に形成した抗菌板、抗菌材料分散体をフィルム状に形成した抗菌フィルム、さらには抗菌材料分散体を容器の形状やその他の物品の形状に成形された抗菌成形体が含まれ、抗菌材料分散体を繊維状に加工した抗菌繊維や、当該該抗菌繊維から得られる抗菌糸や抗菌生地が含まれる。
以下、本発明に係る抗菌材料分散体について、(1)抗菌材料分散体の製造方法、(2)基材や物品の表面に抗菌材料分散体を形成した抗菌膜、の順に説明する。
(1)抗菌材料分散体の製造方法
本発明に係る抗菌材料を媒体中に分散させるには、媒体表面から浸透させても良いが、ポリカーボネート樹脂等媒体を、その溶融温度以上に温度を上げて溶融させた後、本発明に係る抗菌材料と媒体とを混合し、本発明に係る抗菌材料分散体を得る。このようにして得られた抗菌材料分散体を所定の方法でフィルムや板(ボード)状に形成し、抗菌板を得ることが出来る。
例えばPET樹脂に本発明に係る抗菌材料を分散する方法として、まずPET樹脂と、所定条件における機械的粉砕後の本発明に係る抗菌材料分散液とを混合し、分散溶媒を蒸発させてから、PET樹脂の溶融温度である300℃程度に加熱して、PET樹脂を溶融させ混合し、さらにフィルム状に延伸することで、本発明に係る抗菌材料を分散した抗菌フィルムの作製が可能となる。
また、本発明に係る抗菌材料と樹脂のペレットとを混合し、分散溶媒を蒸発させてから、樹脂の溶融温度まで加熱し、樹脂を溶融させて抗菌材料と混合し、射出成型することで容器の形状やその他の物品の形状に成形された抗菌成形体を得ることができる。
また、合成繊維となる樹脂と本発明に係る抗菌材料とを混合し、繊維状に成型し抗菌合成繊維とし、抗菌合成繊維から抗菌糸(繊維製品)を得て、抗菌糸から抗菌生地(繊維製品)に加工することもできる。
適用される合成繊維としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族ポリアミド系繊維(ナイロン、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン610、ナイロン612等)、ポリエステル系繊維(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、アクリル系繊維(ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル-塩化ビニル共重合体、モダクリル等)、ポリウレタン系繊維、芳香族ポリアミド系繊維(芳香族ナイロン、アラミド等)、ポリビニルアルコール系繊維(ビニロン等)、ポリ塩化ビニリデン系繊維(ビニリデン等)、ポリ塩化ビニル系繊維(ポリ塩化ビニル等)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)、ポリクラール系繊維、ポリ乳酸繊維等が挙げられる。
上記抗菌合成繊維の太さは1~50μmであることが望ましく、1~20μmがより望ましく、1~10μmが更に望ましい。抗菌合成繊維の太さは、複数の合成繊維を撚り合わせ、束ねて(すなわち加工して)得られる抗菌糸(繊維製品)の柔軟性に影響し、最終的には抗菌糸を織って(すなわち加工して)得られる抗菌生地(繊維製品)の柔軟性に影響する。このため、抗菌合成繊維の太さが50μmを超えると、得られる糸や生地が硬くなることがある。
抗菌材料分散体に含まれる抗菌材料である複合タングステン酸化物微粒子の平均粒子径は、当該抗菌材料分散体を透過型電子顕微鏡で測定し、算出することが出来る。当該平均粒子径は800nm以下、好ましくは200nm以下、より好ましくは10nm以上200nm以下、さらに好ましくは10nm以上100nm以下である。
(2)基材や物品の表面に抗菌材料分散体を形成した抗菌膜
本発明に係る抗菌材料分散液へ、液状の樹脂やバインダーを添加して塗工液を得る。そして、当該塗工液を基材や物品の表面にコーティングした後、塗工液中の樹脂やバインダーを所定の方法で硬化させれば、基材や物品の表面へ、本発明に係る抗菌材料が樹脂やバインダーに分散された抗菌膜が製膜される。
塗工液のコーティングの方法は、基材や物品の表面に塗工液が均一にコートできればよく、特に限定されないが、例えば、バーコート法、グラビヤコート法、スプレーコート法、ディップコート法等が挙げられる。
当該樹脂には、溶媒に溶解した樹脂のほか、硬化する前の樹脂モノマーやオリゴマーも含まれる。樹脂としては、UV硬化樹脂、熱硬化樹脂、電子線硬化樹脂、常温硬化樹脂、熱可塑樹脂等が目的に応じて選定可能である。具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ふっ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独使用であっても混合使用であっても良い。
当該バインダーには、金属アルコキシドを用いたバインダーがあげられる。当該金属アルコキシドとしては、Si、Ti、Al、Zr等のアルコキシドが代表的である。これら金属アルコキシドを用いたバインダーは、加熱等により加水分解・縮重合させることで、酸化物膜を形成することが可能である。
また、当該基材として、板状の基材やフィルム状の基材を用いることが出来る。さらに、物品として、家具や日常生活で使用される道具などの什器をはじめとする物品、車両などの移動機械などの物品、家電機器やパーソナルコンピュータや携帯電話などの電気機器や電子機器があげられる。
ここで、可視光線を透過する無色透明な樹脂やバインダーを用いれば、複合タングステン酸化物微粒子が可視光線を透過させることから、可視光性に対し無色で透明な抗菌材料分散体を得ることができる。無色で透明な抗菌材料分散体を物品の表面に形成すれば、当該物品の色調を損なうことがなく、変色しない上、大気中のH2Sガス、SO2ガスによっても変色しないので、意匠性に優れている。
以下、実施例を参照しながら本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、本発明に係る複合タングステン酸化物微粒子の結晶構造、格子定数、結晶子径の測定には、抗菌材料分散液から溶媒を除去して得られる複合タングステン酸化物微粒子を用いた。そして当該複合タングステン酸化物微粒子のX線回折パターンを、粉末X線回折装置(スペクトリス株式会社PANalytical製X‘Pert-PRO/MPD)を用いて粉末X線回折法(θ―2θ法)により測定した。得られたX線回折パターンから当該微粒子に含まれる結晶構造を特定し、さらにリートベルト法を用いて格子定数と結晶子径とを算出した。
(実施例1)
水6.70kgに、炭酸セシウム(Cs2CO3)7.43kgを溶解して、溶液を得た。当該溶液を、タングステン酸(H2WO4)34.57kgに添加して十分撹拌混合した後、撹拌しながら乾燥した(WとCsとのモル比が1:0.33相当である。)。当該乾燥物を、N2ガスをキャリア-とした5体積%H2ガスを供給しながら加熱し、800℃の温度で5.5時間焼成した、その後、当該供給ガスをN2ガスのみに切り替えて、室温まで降温してCsタングステン酸化物粒子(A1)を得た。
当該Csタングステン酸化物粒子(A1)20質量%とカチオン界面活性剤(以下、「添加剤a」と記載する。)10質量%と、水70質量%とを秤量し、0.3mmφZrO2ビ-ズを入れたペイントシェーカー(浅田鉄工社製)に装填し、20時間粉砕・分散処理することによって、実施例1に係る抗菌材料分散液(A液)を調製した。
ここで、抗菌材料分散液(A液)内における、粉砕されたCsタングステン酸化物微粒子(A2)の分散粒子径を、動的光散乱法に基づく粒径測定装置(大塚電子(株)製ELS-8000)により測定したところ80nmであった。また、当該抗菌材料分散液(A液)から溶媒を除去した後の、Csタングステン酸化物微粒子(A2)の結晶構造を確認したところ六方晶であり、格子定数を測定したところ、a軸が7.4073Å、c軸が7.6185Åであった。また、結晶子径は30nmであった。
また、Csタングステン酸化物微粒子(A2)を、透過型電子顕微鏡で観察し算出した平均粒子径は35nmであった。
抗菌材料分散液(A液)に対し、日本薬局方に定める保存効力試験方法に準拠して、保存効力試験を実施した。判定は菌種の接種直後と接種後28日25℃の基で保管し菌の減少状況で抗菌作用を判断した。28日間の保管で菌が死滅していたものを◎、菌数に変化がなかったものを〇、菌数が増加したものを×とした。結果を表1に示す。菌は、数は寒天培地にて確認した。
(実施例2)
Csタングステン酸化物粒子(A1)20質量%とアニオン界面活性剤(以下、「添加剤b」と記載する。)10質量%と、水70質量%とを秤量した以外は実施例1と同様にして、実施例2に係る抗菌材料分散液(B液)を得た。抗菌材料分散液(B液)内における、粉砕された複合タングステン酸化物微粒子(B2)の分散粒子径は75nmであった。抗菌材料分散液(B液)から溶媒を除去した後の、Csタングステン酸化物微粒子(B2)の結晶構造を確認したところ六方晶であり、格子定数を測定したところ、a軸が7.4072Å、c軸が7.6186Åであった。また、結晶子径は29nmであった。また、Csタングステン酸化物微粒子(B2)を、透過型電子顕微鏡で観察し算出した平均粒子径は35nmであった。
次に、実施例2に係る抗菌材料分散液(B液)を用いて、実施例1と同様にして保存効力試験を実施した。結果を表1に示す。
(実施例3)
Csタングステン酸化物粒子(A1)20質量%と非イオン性界面活性剤(以下、「添加剤c」と記載する。)10質量%と、水70質量%とを秤量した以外は実施例1と同様にして、実施例3に係る抗菌材料分散液(C液)を得た。抗菌材料分散液(C液)内における、粉砕された複合タングステン酸化物微粒子(C2)の分散粒子径は80nmであった。抗菌材料分散液(C液)から溶媒を除去した後の、Csタングステン酸化物微粒子(C2)の結晶構造を確認したところ六方晶であり、格子定数を測定したところ、a軸が7.4071Å、c軸が7.6184Åであった。また、結晶子径は35nmであった。また、Csタングステン酸化物微粒子(C2)を、透過型電子顕微鏡で観察し算出した平均粒子径は42nmであった。
次に、実施例3に係る抗菌材料分散液(C液)を用いて、実施例1と同様にして保存効力試験を実施した。結果を表1に示す。
(実施例4)
当該Csタングステン酸化物粒子(A1)20質量%と官能基としてアミンを含有する高分子分散剤(アミン価50mgKOH/g)(以下、「添加剤d」と記載する。)10質量%と、水70質量%とを秤量した以外は実施例1と同様にして、実施例4に係る抗菌材料分散液(D液)を得た。抗菌材料分散液(D液)内における、粉砕された複合タングステン酸化物微粒子(D2)の分散粒子径は85nmであった。抗菌材料分散液(D液)から溶媒を除去した後の、Csタングステン酸化物微粒子(D2)の結晶構造を確認したところ六方晶であり、の格子定数を測定したところ、a軸が7.4074Å、c軸が7.6179Åであった。また、結晶子径は35nmであった。また、Csタングステン酸化物微粒子(D2)を透過型電子顕微鏡で観察し算出した平均粒子径は40nmであった。
次に、実施例4に係る抗菌材料分散液(D液)を用いて、実施例1と同様にして保存効力試験を実施した。結果を表1に示す。
(比較例1)
Csタングステン酸化物粒子(A1)を加えることなく、添加剤a10質量%と、水90質量%とを秤量し混合して、比較例1に係る混合液(E液)を得た。
次に、比較例1に係る混合液(E液)を用いて、実施例1と同様にして保存効力試験を実施した。結果を表1に示す。
(比較例2)
Csタングステン酸化物粒子(A1)を加えることなく、添加剤b10質量%と、水90質量%とを秤量し混合して、比較例2に係る混合液(F液)を得た。
次に、比較例2に係る混合液(F液)を用いて、実施例1と同様にして保存効力試験を実施した。結果を表1に示す。
(比較例3)
Csタングステン酸化物粒子(A1)を加えることなく、添加剤c10質量%と、水90質量%とを秤量し混合して、比較例3に係る混合液(G液)を得た。
次に、比較例3に係る混合液(G液)を用いて、実施例1と同様にして保存効力試験を実施した。結果を表1に示す。
(比較例4)
Csタングステン酸化物粒子(A1)を加えることなく、添加剤d10質量%と、水90質量%とを秤量し混合して、比較例4に係る混合液(H液)を得た。
次に、比較例4に係る混合液(H液)を用いて、実施例1と同様にして保存効力試験を実施した。結果を表1に示す。
(比較例5)
抗菌材料分散液(A液)に代えて純水を用いた以外は、実施例1と同様にして保存効力試験を実施した。結果を表1に示す。
(まとめ)
表1から明らかなように、本発明に係る抗菌材料が分散した実施例1~4に係る抗菌材料分散液は、菌類を死滅または菌類の増加抑制が出来ていることが判明した。これに対し、本発明に係る抗菌材料が分散されていなかった比較例1~4に係る混合液、比較例5に係る純水では、菌類が増加していた。
以上のことから、本発明に係る抗菌材料および抗菌材料分散液は、抗菌効果を有することが判明した。
Figure 2023001491000002
本発明に係る複合タングステン酸化物を、例えば固体表面に塗布したり、他の粉体や液体と混合することで、抗菌効果を好個に付与できる。

Claims (6)

  1. 一般式MxWyOz(但し、M元素は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、から選択される1種類以上の元素で、Wはタングステン、Oは酸素で、0.01≦x/y≦1.0、2.2≦z/y≦3.0)で表記されることを特徴とする複合タングステン酸化物微粒子を含有する抗菌材料。
  2. 前記複合タングステン酸化物微粒子が六方晶の結晶構造を含むことを特徴とする請求項1に記載の抗菌材料。
  3. 前記複合タングステン酸化物微粒子の平均粒子径が10nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の抗菌材料。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の抗菌材料と、溶媒とを含むことを特徴とする抗菌材料分散液。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載の抗菌材料と、固体媒体とを含むことを特徴とする抗菌材料分散体。
  6. 一般式MxWyOz(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iから選択される1種類以上の元素で、Wはタングステン、Oは酸素で、0.01≦x/y≦1.0、2.2≦z/y≦3.0)で表記される六方晶の結晶構造を含む複合タングステン酸化物を製造する第1の工程と、
    前記第1の工程で得られた複合タングステン酸化物を機械的に粉砕し、前記六方晶の結晶構造における格子定数においてa軸が7.3850Å以上7.4186Å以下、c軸が7.5600Å以上7.6240Å以下であり、粒子径が100nm以下である複合タングステン酸化物微粒子を製造する第2の工程とを、有することを特徴とする抗菌材料の製造方法。
JP2021102257A 2021-06-21 2021-06-21 抗菌材料、抗菌材料分散液、抗菌材料分散体、および、それらの製造方法 Pending JP2023001491A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021102257A JP2023001491A (ja) 2021-06-21 2021-06-21 抗菌材料、抗菌材料分散液、抗菌材料分散体、および、それらの製造方法
CN202280043762.2A CN117560994A (zh) 2021-06-21 2022-06-08 抗菌材料、抗菌材料分散液、抗菌材料分散体及它们的制造方法
EP22828219.0A EP4360457A1 (en) 2021-06-21 2022-06-08 Antibacterial material, antibacterial material liquid dispersion, antibacterial material dispersion, and method for producing same
PCT/JP2022/023052 WO2022270302A1 (ja) 2021-06-21 2022-06-08 抗菌材料、抗菌材料分散液、抗菌材料分散体、および、それらの製造方法
TW111122543A TW202313130A (zh) 2021-06-21 2022-06-17 抗菌材料、抗菌材料分散液、抗菌材料分散體及該等之製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021102257A JP2023001491A (ja) 2021-06-21 2021-06-21 抗菌材料、抗菌材料分散液、抗菌材料分散体、および、それらの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023001491A true JP2023001491A (ja) 2023-01-06

Family

ID=84544555

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021102257A Pending JP2023001491A (ja) 2021-06-21 2021-06-21 抗菌材料、抗菌材料分散液、抗菌材料分散体、および、それらの製造方法

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP4360457A1 (ja)
JP (1) JP2023001491A (ja)
CN (1) CN117560994A (ja)
TW (1) TW202313130A (ja)
WO (1) WO2022270302A1 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2907194B2 (ja) 1996-11-07 1999-06-21 住友金属鉱山株式会社 無機銀錯塩からなる抗菌防黴溶液及びその製造方法
JP3967415B2 (ja) 1997-02-28 2007-08-29 株式会社クラレ 抗菌性の齲蝕検知液
JP2000247805A (ja) * 1999-03-01 2000-09-12 Shintoo Fine Kk 無機系抗菌防カビ組成物および抗菌防カビ性樹脂組成物
WO2017161423A1 (en) * 2016-03-24 2017-09-28 Monash University Smart window coating
WO2019054476A1 (ja) * 2017-09-14 2019-03-21 住友金属鉱山株式会社 近赤外線吸収繊維およびこれを用いた繊維製品、並びにそれらの製造方法
JP7275792B2 (ja) * 2019-04-10 2023-05-18 住友金属鉱山株式会社 高温安定性に優れる微粒子分散液および微粒子分散体
CN113277563B (zh) * 2021-04-30 2023-08-18 南京师范大学 一种钼掺杂铯钨青铜/蒙脱土复合粉体及其制备方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
CN117560994A (zh) 2024-02-13
WO2022270302A1 (ja) 2022-12-29
TW202313130A (zh) 2023-04-01
EP4360457A1 (en) 2024-05-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104487511B (zh) 分散有复合钨氧化物微粒的聚碳酸酯树脂组合物及使用其的热线屏蔽成形体以及热线屏蔽层叠体
JPWO2019054476A1 (ja) 近赤外線吸収繊維およびこれを用いた繊維製品、並びにそれらの製造方法
EP2515642B1 (en) Nanoparticles with fungicidal properties, a process for their preparation and their use in the manufacture of different articles.
CN111498906A (zh) 透明遮热材料、透明遮热微粒子分散体及其制法及用途
WO2022270302A1 (ja) 抗菌材料、抗菌材料分散液、抗菌材料分散体、および、それらの製造方法
Srithar et al. Preparation and characterization of Ag doped ZnO nanoparticles and its antibacterial applications
JPWO2018235839A1 (ja) 近赤外線吸収繊維とその製造方法、およびこれを用いた繊維製品
US20210087070A1 (en) Near-infrared absorbing material fine particle dispersion, near-infrared absorber, near-infrared absorber laminate, and laminated structure for near-infrared absorption
KR20220121797A (ko) 근적외선 흡수 재료 입자, 근적외선 흡수 재료 입자 분산액, 근적외선 흡수 재료 입자 분산체
AU2018289722B2 (en) Light to heat conversion layer, method for producing same, and donor sheet using said light to heat conversion layer
Jose et al. Formation and optical characterization of unique zinc hydroxy stannate nanostructures by a simple hydrothermal method
JPWO2019054477A1 (ja) 農園芸用覆土フィルムおよびその製造方法
JP4793537B2 (ja) 可視光透過型粒子分散導電体、導電性粒子、可視光透過型導電物品、およびその製造方法
WO2019098144A1 (ja) 赤外線吸収体
WO2021246055A1 (ja) 暗色粉分散液、暗色粉分散体ならびに着色層付基材
JP7067557B2 (ja) 農園芸用覆土フィルムとその製造方法
JP7443888B2 (ja) コアシェル微粒子分散液
JP2021191832A (ja) 暗色粉分散液、暗色粉分散体ならびに着色層付基材
WO2023021837A1 (ja) 防カビ性エマルション塗料、防カビ性微粒子分散体および防カビ性微粒子分散体付き物品
WO2022219808A1 (ja) 赤外線吸収繊維、繊維製品
Devadathan et al. Antibacterial studies of polyindole based metal oxide nanocomposites
JP2008247678A (ja) 酸化亜鉛系微粒子およびその用途
Srithar et al. Synthesis, structural and optical properties of Mn doped ZnO nanoparticles and their antibacterial application
Lokesh et al. Synthesis, characterization and optical properties of nitrogen-doped ZnTiO3
Kubacka et al. Photocatalytic Oxide–Polymer (Nano) Composites for Antimicrobial Coatings and other Applications

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240219