JP2022541043A - Stingのモジュレーションのためのベンゾチオフェン、チエノピリジンおよびチエノピリミジン誘導体 - Google Patents

Stingのモジュレーションのためのベンゾチオフェン、チエノピリジンおよびチエノピリミジン誘導体 Download PDF

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Abstract

式(I)の化合物TIFF2022541043000089.tif4571[式中、Wは、OまたはNHであり、A1は、CRAまたはNであり、A2は、CRBまたはNであり、A3は、CRCまたはNであり、A4は、CRDまたはNであり、ここで、A1、A2、A3、およびA4のうちの2つ以下は、Nであり得、RN1は、HまたはMeであり、RC2およびRC3の一方は、C(=O)NH2であり、他方は、H、Cl、F、Br、Me、OMe、OEt、シアノ、CF3、CH2OH、CH2OMe、C2~4アルケニルおよびC5ヘテロシクリルから選択され、RC1およびRC4は、独立に、H、Cl、F、Br、Me、OMe、OEt、シアノ、CF3、CH2OH、CH2OMe、C2~4アルケニルおよびC5ヘテロシクリルから選択される]。

Description

本発明は、置換ベンゾチオフェン、チエノピリジンおよびチエノピリミジン、ならびに医薬品としての、特にSTINGのモジュレーションによって改善される疾患の処置におけるそれらの使用に関する。
発明の背景
脊椎動物は、微生物の侵入に絶えず脅かされており、感染性病原体を排除するための免疫防御の機序を進化させてきた。哺乳動物において、この免疫系は、自然免疫および適応免疫の2つの分岐を含む。自然免疫系は、病原体由来のリガンドおよび損傷関連分子パターンを検出するパターン認識受容体(PRR)によって開始される防御の最前線である(Takeuchi 2010)。Toll様受容体(TLR)、C型レクチン受容体、レチノイン酸誘導性遺伝子I(RIG-I)様受容体およびNOD様受容体(NLR)、ならびに二重鎖DNAセンサーを含めた、ますます多くのこれらの受容体が特定されている。PRRの活性化は、病原体複製を抑制し、適応免疫を容易にする、1型インターフェロン、炎症促進性サイトカインおよびケモカインを含めた炎症応答に関与する遺伝子の上方調節につながる。
アダプタータンパク質STING(インターフェロン遺伝子の刺激物質)は、TMEM 173、MPYS、MITAおよびERISとしても公知であり、細胞質核酸に対する自然免疫応答における中心的シグナル伝達分子として特定されている(Ishikawa 2008、WO2013/166000)。STINGの活性化は、IRF3経路およびNFB経路の上方調節をもたらして、インターフェロン-βを含めた1型インターフェロンおよび他のサイトカインの誘導につながる。STINGは、病原体または宿主起源の、および環状ジヌクレオチド(CDN)と呼ばれる普通でない核酸の、細胞質DNAに対する応答のために非常に重要である。
CDNは、原核細胞における数々の応答の制御の原因となる細菌のセカンドメッセンジャーとして初めて特定された。細菌CDN、例えばc-ジ-GMPは、2つの3’,5’ホスホジエステル連結によって特徴付けられる対称性分子である。
Figure 2022541043000002
Figure 2022541043000003
近年、細菌CDNによるSTINGの直接的活性化が、X線結晶構造解析により確認された(Burdette 2013)。その結果、細菌CDNおよびそれらの類似体は、潜在的ワクチンアジュバントとして、関心を集めている(Libanova 2012、WO2007/054279、WO2005/087238)。
より最近では、細胞質DNAに対する応答が解明され、環状GMP-AMPシンターゼ(cGAS、これまでC6orfl50またはMB21D1として公知であった)と呼ばれる酵素による、cGAMPとして特定された新規な哺乳動物CDNシグナル伝達分子(これが、次にSTINGを活性化する)の生成を伴うことが示されている。細菌CDNとは異なり、cGAMPは、その2’,5’および3’,5’混合型のホスホジエステル連結によって特徴付けられる非対称性分子である(Gao 2013A)。cGAMP(II)とSTINGの相互作用も、X線結晶構造解析によって実証されている(Cai 2014)。
インターフェロンは、ウイルス感染から細胞を保護することができる物質として、初めて記載された(Isaacs 1957)。人では、I型インターフェロンは、第9染色体上にありインターフェロンアルファ(IFNα)の少なくとも13のアイソフォームおよびインターフェロンベータ(IFNβ)の1つのアイソフォームをコードする遺伝子によってコードされる関連するタンパク質のファミリーである。組換えIFNαは、初めて承認された生物学的治療薬であり、ウイルス感染症およびがんにおいて重要な治療になってきた。インターフェロンは、細胞に対する直接的な抗ウイルス活性だけでなく、免疫系の細胞に作用する免疫応答の強力なモジュレーターであることが公知である。
I型インターフェロン産生およびその他のサイトカインの活性化または阻害を含めた、自然免疫応答をモジュレートすることができる小分子化合物の投与は、ウイルス感染症および自己免疫疾患を含めたヒト疾患の処置または防止のための重要な戦略になり得る。このタイプの免疫調節戦略は、感染性疾患だけでなく、がん(Zitvogel 2015)、アレルギー性疾患(Moisan 2006)、神経変性疾患、例えば筋萎縮性側索硬化症および多発性硬化症(Lemos 2014、Cirulli 2015、Freischmidt 2015)、過敏性腸疾患などの他の炎症状態においても(Rakoff-Nahoum 2004)、ならびにワクチンアジュバントとしても(Persing 2002、Dubensky 2013)有用であり得る化合物を特定する、潜在的な可能性を有する。
STINGは、ある範囲のDNAおよびRNAウイルスおよび細菌に対する保護を含む抗微生物宿主防御にとって必須である(McNab 2015、Ma 2016に総説される)。ヘルペスウイルス科、フラビウイルス科、コロナウイルス科、パピローマウイルス科、アデノウイルス科、ヘパドナウイルス科、オルトミクソウイルスおよびパラミクソウイルス科、ならびにラブドウイルス科は、STING媒介性のI型インターフェロン産生を阻害し、宿主免疫制御を逃れるための機序を進化させてきた(Holm 2016、Ma 2015、Wu 2015、Liu 2016、Chen 2014、Lau 2013、Ding 2013、Nitta 2013、Sun 2012、Aguirre 2012、Ishikawa 2009)。したがって、STINGの小分子活性化は、これらの感染性疾患の処置に有益であり得る。
それとは対照的に、I型IFN産生の増大および延長は、マイコバクテリア(Collins 2015、Wassermann 2015、Watson 2015)、フランシセラ(Franciscella)(Storek 2015、Jin 2011A)、クラミジア(Prantner 2010)、プラスモジウム(Sharma 2011)、およびHIV(Herzner 2015、Gao 2013B)を含めた、様々な慢性感染症に関連する。同様に、過剰なI型インターフェロンの産生は、複合型の自己免疫疾患を有する患者に見出される。ヒトにおける遺伝学的証拠および動物モデルにおける研究からの裏付けは、STINGの阻害が自己免疫疾患を推進するI型インターフェロンの低減をもたらすという仮説を裏付ける(Crow 2006、Stetson 2008)。したがって、STINGの阻害薬は、感染症または複合型自己免疫疾患に関連する慢性I型インターフェロンおよび炎症促進性サイトカイン産生を伴う患者に処置を提供する。アレルギー性疾患は、アレルゲンに対するTh2優位免疫応答に関連する。Th2応答は、IgEレベルの上昇に関連し、マスト細胞に対するその効果により、アレルゲンに対する過敏症を促進して、例えばアレルギー性鼻炎および喘息に見られる症状を結果としてもたらす。健康な個体においては、アレルゲンに対する免疫応答は、Th2/Th1および調節性T細胞応答の組合せと、よりバランスが取れている。1型インターフェロンの誘導は、局所環境におけるTh2型サイトカインの低減をもたらし、Th1/Treg応答を促進することが示されている。この文脈では、例えば、STINGの活性化による1型インターフェロンの誘導は、アレルギー性疾患、例えば喘息およびアレルギー性鼻炎の処置に利益をもたらし得る(Huber 2010)。
STINGと結合し、アゴニストとして作用する化合物は、ヒトPBMCと共にインキュベートすると、1型インターフェロンおよびその他のサイトカインを誘導することが示されている。ヒトインターフェロンを誘導する化合物は、様々な障害の処置、例えば、アレルギー性疾患およびその他の炎症状態、例えば、アレルギー性鼻炎および喘息の処置、感染性疾患、神経変性疾患、前がん症候群およびがんの処置において有用となり得、免疫原性(immugenic)組成物またはワクチンアジュバントとしても有用であり得る。STINGに結合する化合物は、アンタゴニストとして作用することができ、例えば自己免疫疾患の処置において有用であり得る。活性化剤または阻害剤によるSTINGの標的化は、1型IFN経路のモジュレーションが有益である、炎症性、アレルギー性および自己免疫疾患、感染性疾患、がん、前がん症候群を含めた疾患および状態を防止し、処置するため、ならびに免疫原性組成物またはワクチンアジュバントとして、有望な手法となり得ることが想定される。
皮膚がんおよび様々な皮膚ウイルス感染症は、免疫特権環境を伴い、その病変に対する局所免疫応答の活性化は、局所的治療手法となり得る。STINGアゴニストは、ウイルス性疣贅、表在性皮膚がんおよび前悪性の光線角化症を処置するために使用することができる。二重作用機序により、STING活性化(例えば、マイクロニードルパッチ送達または局所製剤を介する)は、抗ウイルスI型インターフェロン産生を介して直接的に、および自然免疫活性化の下流の適応免疫応答を増強することによって間接的に、HPVを制御するために使用することができる。STINGアゴニストは、その病変において自然免疫応答を活性化し、抗HPV T細胞応答を推進することができる。
最近の証拠は、腫瘍常在性の樹状細胞内のSTING経路の自発性活性化により、I型IFN産生および腫瘍に対する適応免疫応答につながることを指し示している。さらに、腫瘍微小環境内の抗原提示細胞(APC)におけるこの経路の活性化により、腫瘍関連抗原に対して、その後のT細胞のプライミングが推進される(Corrales 2015)。国際特許出願WO2014/093936、WO2014/189805、WO2013/185052、WO2015/077354およびWO2015/185565は、ある特定の環状ジヌクレオチドおよびSTINGの活性化を介する免疫応答の誘導におけるそれらの使用を開示している。
さらに非CDN化合物は、STINGの活性なアゴニストとして記載されてきた。
出願WO2019/069269、WO2019/069270、WO2017/175156およびWO2017/175147、ならびにRamanjulu 2018は、ある特定のアミドベンゾイミダゾール系およびジアミドベンゾイミダゾール系化合物、ならびにSTINGのモジュレーションにおけるそれらの使用を記載している。
出願WO2019/027858およびUS2018/0093964は、ある特定のベンゾ[b]チオフェン化合物およびSTINGのアゴニストとしてのそれらの使用を記載している。WO2019/195063は、アザ-ベンゾチオフェン化合物を記載しており、WO2019/195124は、ベンゾチオフェンおよび関連化合物、ならびにSTINGのアゴニストとしてのそれらの使用を記載している。WO2019/219820は、STINGのモジュレーターとしてのベンゾチオフェン、チエノピリジンおよびチエノピリミジンを記載している。
出願WO2018/234808、WO2018/234807、GB2563642A、WO2018/234805は、ある特定のアリールアミド化合物およびSTINGのモジュレーターとしてのそれらの使用を記載している
STINGは、2’,5’-3’,5’(非標準、混合連結)CDNではなくビス-3’,5’(標準)CDNに対して不応性である、232位においてヒスチジンをコードする対立遺伝子を含めた、公知の多型を有する(Diner 2013、Jin 2011B)。STING遺伝子における単一ヌクレオチド多型は、細菌性由来の標準CDNに対する応答性に影響を及ぼすことが報告された(Diner 2013、Gao 2013C、Conlon 2013)。STINGの5つの主なハプロタイプが報告され(WT、R232H、HAQ、AQおよびQ対立遺伝子)、それらは、アミノ酸71位、230位、232位および293位が異なる(Jin 2011B、Yi 2013)。
本発明の化合物は、STINGの活性をモジュレートし、したがって、STING(インターフェロン遺伝子の刺激物質)のモジュレーションが有益となる疾患、障害および/または状態、例えば炎症、アレルギー性疾患および自己免疫疾患、感染性疾患、がん、前がん症候群の防止および処置において、ならびにワクチンアジュバントとしても、有益な治療上の影響を提供することができる。
国際公開第2013/166000号 国際公開第2007/054279号 国際公開第2005/087238号 国際公開第2014/093936号 国際公開第2014/189805号 国際公開第2013/185052号 国際公開第2015/077354号 国際公開第2015/185565号 国際公開第2019/069269号 国際公開第2019/069270号 国際公開第2017/175156号 国際公開第2017/175147号 国際公開第2019/027858号 米国特許出願公開第2018/0093964号明細書 国際公開第2019/195063号 国際公開第2019/195124号 国際公開第2019/219820号 国際公開第2018/234808号 国際公開第2018/234807号 英国特許出願公開第2563642号明細書 国際公開第2018/234805号
発明の概要
本発明の第1の態様は、式I:
Figure 2022541043000004
の化合物を提供する
[式中、
Wは、OまたはNHであり、
は、
(i)H、
(ii)C3~6シクロアルキル、
(iii)メチル、および
エステル
から選択される基で必要に応じて置換されているC3~7ヘテロシクリル、ならびに
(iv)アルコキシ、
アミノ、
アミド、
アシルアミド、
アシルオキシ、
アルキルカルボキシルエステル、
アルキルカルバモイル、
アルキルカルバモイルエステル、
フェニル、
ホスホネートエステル、
メチルおよびオキソから選択される基で必要に応じて置換されているC3~7ヘテロシクリル、ならびに
メチル、アセチルおよびbocから選択される基で必要に応じてN置換されている、天然に存在するアミノ酸
から選択される基で必要に応じて置換されている直鎖または分岐C1~4アルキル
から選択され、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
ここで、A、A、A、およびAのうちの2つ以下は、Nであり得、
、R、RおよびRのうちの1つまたは2つ(存在する場合)は、H、F、Cl、Br、Me、CF、シクロプロピル、シアノ、OMe、OEt、CHOH、CHOMeおよびOHから選択され、
、R、RおよびRの残り(存在する場合)は、Hであり、
N1は、HまたはMeであり、
C2およびRC3の一方は、C(=O)NHであり、他方は、H、Cl、F、Br、Me、OMe、OEt、シアノ、CF、CHOH、CHOMe、C2~4アルケニルおよびCヘテロシクリルから選択され、
C1およびRC4は、独立に、H、Cl、F、Br、Me、OMe、OEt、シアノ、CF、CHOH、CHOMe、C2~4アルケニルおよびCヘテロシクリルから選択される]。
本発明の第2の態様は、治療方法において使用するための、第1の態様の化合物を提供する。第2の態様はまた、第1の態様の化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
本発明の第3の態様は、STINGのモジュレーションによって改善される疾患を処置または防止する方法であって、処置を必要とする患者に、本発明の第1の態様の化合物または本発明の第2の態様の医薬組成物を投与するステップを含む、方法を提供する。本発明の第3の態様また、STINGのモジュレーションによって改善される疾患を処置または防止するための医薬の製造における、本発明の第1の態様の化合物の使用、およびSTINGのモジュレーションによって改善される疾患の処置または防止において使用するための本発明の第1の態様の化合物またはその医薬組成物を提供する。
定義
3~6シクロアルキル:用語「C3~6シクロアルキル」は、本明細書で使用される場合、3~6個の炭素原子を有する飽和環式炭化水素化合物の炭素原子から水素原子を除去することによって得られる一価の部分に関する。C3~6シクロアルキル基の例として、それに限定されるものではないが、シクロプロピル(C)、シクロブチル(C)、シクロペンチル(C)およびシクロヘキシル(C)が挙げられる。
3~7ヘテロシクリル:用語「C3~7ヘテロシクリル」は、本明細書で使用される場合、単環式複素環式化合物の環原子から水素原子を除去することによって得られ、3~7個の環原子を有し、そのうちの1~2個の原子が酸素または窒素から選択されるヘテロ原子である、一価の部分に関する。
この文脈では、接頭辞(例えば、C3~7)は、炭素原子であろうとヘテロ原子であろうと、環原子の数、または環原子の数の範囲を示す。
3~7ヘテロシクリル基の例として、それに限定されるものではないが、
:アジリジン(C)、アゼチジン(C)、ピロリジン(テトラヒドロピロール)(C)、ピロリン(例えば、3-ピロリン、2,5-ジヒドロピロール)(C)、2H-ピロールまたは3H-ピロール(イソピロール、イソアゾール)(C)、ピロール(C)、ピペリジン(C)、ジヒドロピリジン(C)、テトラヒドロピリジン(C)、ピリジン(C)、アゼピン(C)、アゼパン(C);
:ジアジリン(C) ジアゼチジン(C)、イミダゾリジン(C)、ピラゾリジン(ジアゾリジン)(C)、イミダゾリン(C)、ピラゾリン(ジヒドロピラゾールe)(C)、イミダゾール(C)、ピラゾール(C)、ピペラジン(C)、ピラジン(C)、ピリミジン(C)、ピリダジン(C)、ジアゼピン(C)、ジアゼパン(C);
:オキセタン(C)、テトラヒドロフラン(C)、オキサン(C);
:ジオキセタン(C)、ジオキソラン(C)、ジオキサン(C)、ジオキソール(C);
:テトラヒドロオキサゾール(C)、ジヒドロオキサゾール(C)、テトラヒドロイソオキサゾール(C)、ジヒドロイソオキサゾール(C)、イソオキサゾール(C)、オキサゾール(C)、モルホリン(C)、テトラヒドロオキサジン(C)、ジヒドロオキサジン(C)、オキサジン(C
から誘導された基が挙げられる。
1~4アルキル:用語「C1~4アルキル」は、本明細書で使用される場合、1~4個の炭素原子を有する飽和炭化水素化合物の炭素原子から水素原子を除去することによって得られる一価の部分に関する。
飽和アルキル基の例として、それに限定されるものではないが、Me:メチル(C)、Et:エチル(C)、Pr:プロピル(C)、およびBu:ブチル(C)が挙げられる。
飽和直鎖アルキル基の例として、それに限定されるものではないが、メチル(C)、エチル(C)、nPr:n-プロピル(C)、およびnBu:n-ブチル(C)が挙げられる。
飽和分岐アルキル基の例として、それに限定されるものではないが、iPr:イソ-プロピル(C、-C(CH)、iBu:イソ-ブチル(C)、sBu:sec-ブチル(C)およびtBu:tert-ブチル(C)が挙げられる。
2~4アルケニル:用語「C2~4アルケニル」は、本明細書で使用される場合、2~4個の炭素原子を有し、1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を有するアルキル基に関する。
不飽和アルケニル基の例として、それに限定されるものではないが、エテニル(ビニル、-CH=CH)、1-プロペニル(-CH=CH-CH)、2-プロペニル(アリル、-CH-CH=CH)、イソプロペニル(1-メチルビニル、-C(CH)=CH)およびブテニル(C)が挙げられる。
1~4フルオロアルキル:用語「C1~4フルオロアルキル」は、本明細書で使用される場合、1つまたは複数のフッ素原子で置換されているC1~4アルキル基に関する。
アルコキシ:-OR(式中、Rは、先に定義される通りのC1~4アルキル基である)。アルコキシは、-O-C1~4アルキルとして表すことができる。アルコキシ基の例として、それに限定されるものではないが、メトキシ(OMe、C)、エトキシ(OEt、C)、プロピルオキシ(C)、およびブチルオキシ(C)が挙げられる。
アルキルカルバモイル:-NHC(=O)OR(式中、Rは、先に定義される通りのC1~4アルキル基である)。アルキルカルバモイル基の例として、それに限定されるものではないが、-N(H)C(=O)OCH、-N(H)C(=O)OCHCH、および-N(H)C(=O)OC(CHが挙げられる。
アルキルカルバモイルエステル:-OC(=O)NRR’(式中、RおよびR’は、独立に、Hおよび先に定義される通りのC1~4アルキルから選択される)。アルキルカルバモイルエステル基の例として、それに限定されるものではないが、-OC(=O)N(CH、および-OC(=O)N(H)CHが挙げられる。
アルキルカルボキシルエステル:-OC(=O)OR(式中、Rは、先に定義される通りのC1~4アルキル基である)。アルキルカルボキシルエステル基の例として、それに限定されるものではないが、-OC(=O)OCH、-OC(=O)OCHCH、-OC(=O)OC(CH、および-OC(=O)OCH(CHが挙げられる。
アミノ:-N(R)R’(式中、RおよびR’は、独立に、Hおよび先に定義される通りのC1~4アルキルから選択される)。アミノ基の例として、それに限定されるものではないが、-NH、-N(H)CH、-N(H)C(CH、-N(CH、-N(CHCHが挙げられる。
アミド(カルバモイル、カルバミル、アミノカルボニル、カルボキサミド、アミノアシル):-C(=O)N(R)R’(式中、RおよびR’は、独立に、Hおよび先に定義される通りのC1~4アルキルから選択される)。アミド基の例として、それに限定されるものではないが、C(=O)NH、-C(=O)N(H)CH、-C(=O)N(CH、-C(=O)N(H)CHCH、および-C(=O)N(CHCHが挙げられる。
アシルアミド:-N(R)C(=O)R’(式中、RおよびR’は、独立に、Hおよび先に定義される通りのC1~4アルキルから選択される)。アシルアミド基の例として、それに限定されるものではないが、-N(H)C(=O)CHCH、-N(H)C(=O)CHおよび-N(CH)C(=O)CHが挙げられる。
フェニル:-C(式中、フェニルは、それ自体、1つまたは複数のC1~4アルキル基、1つまたは複数のC1~4フルオロアルキル基、1つまたは複数のC1~4アルコキシ基、1つまたは複数のハロ置換基、および1つまたは複数のシアノ置換基によって必要に応じて置換されていてもよい)。
ベンジル:-CH-フェニル(式中、フェニルは、先に定義される通りである)。
エステル(カルボキシレート、カルボン酸エステル、オキシカルボニル):-C(=O)OR(式中、Rは、エステル置換基、例えば、先に定義される通りのC1~4アルキル基、C3~7ヘテロシクリル基、またはフェニル基、好ましくはC1~4アルキル基である)。エステル基の例として、それに限定されるものではないが、-C(=O)OCH、-C(=O)OCHCH、-C(=O)OC(CH、および-C(=O)OPhが挙げられる。
アシルオキシ(逆エステル):-OC(=O)R(式中、Rは、アシルオキシ置換基、例えば、先に定義される通りのC1 4アルキル基、C3~7ヘテロシクリル基,またはフェニル基、好ましくはC1~4アルキル基である)。アシルオキシ基の例として、それに限定されるものではないが、-OC(=O)CH(アセトキシ)、-OC(=O)CHCH、-OC(=O)C(CHおよび-OC(=O)Phが挙げられる。アシルオキシ基のさらなる例として、それに限定されるものではないが、メチルエステル(C)、エチルエステル(C)、プロピルエステル(C)およびブチルエステル(C)が挙げられる。
天然に存在するアミノ酸:用語「天然に存在するアミノ酸」は、本明細書で使用される場合、自然に一般に見出されるアミノ酸化合物(例えば、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリン)のうちの1つの上のカルボキシル基またはアミノ基から水素原子を除去することによって得られる一価の部分に関する。アミノ酸は、特にイソロイシン、ロイシンおよびバリンから選択され、最も特にバリンである。
これらの基のそれぞれにおいて、カルボキシル基およびアミノ基の両方に結合している炭素原子は、α炭素として公知であり、それに結合しているカルボキシル基およびアミノ基は、α-カルボキシル基およびα-アミノ基である。天然に存在するアミノ酸は、該部分上のα-アミノ基または任意の他のアミノ基上で保護基で必要に応じて置換されており、保護基には、それに限定されるものではないが、アセチル基、メチル基およびtertブチルカルバメート(boc)基が含まれる。
ホスホネートエステル:-P(O)(OR)OR’(式中、RおよびR’は、独立に、先に定義される通りのC1~4アルキルから選択される)。ホスホネートエステルの例として、それに限定されるものではないが、-P(O)(OEt)が挙げられる。
シアノ:-C≡N。
ピバロイルオキシメチル:式
Figure 2022541043000005
の基。
他の形態を含む
別段特定されない限り、上記には、これらの置換基の周知のイオン形態、塩形態、溶媒和物形態、および保護形態が含まれる。例えば、カルボン酸(-COOH)への言及には、アニオン(カルボキシレート)形態(-COO)、その塩または溶媒和物、ならびに従来の保護形態も含まれる。同様に、アミノ基への言及には、プロトン化形態(-NHR)、アミノ基の塩または溶媒和物、例えば塩酸塩、ならびにアミノ基の従来の保護形態も含まれる。同様に、ヒドロキシル基への言及には、アニオン形態(-O)、その塩または溶媒和物、ならびに従来の保護形態も含まれる。
活性化合物の対応する塩、例えば、薬学的に許容される塩を調製、精製、および/または取り扱うことが好都合であるかまたは望ましい場合がある。薬学的に許容される塩の例は、Berge, et al., J. Pharm. Sci., 66, 1-19 (1977)に論じられている。
例えば、化合物がアニオン性であるか、またはアニオン性であり得る官能基(例えば、-COOHは、-COOであり得る)を有する場合には、適切なカチオンを伴う塩を形成することができる。適切な無機カチオンの例として、それに限定されるものではないが、アルカリ金属イオン、例えばNaおよびK、アルカリ土類カチオン、例えばCa2+およびMg2+、ならびに他のカチオン、例えばAl+3が挙げられる。適切な有機カチオンの例として、それに限定されるものではないが、アンモニウムイオン(すなわちNH )および置換アンモニウムイオン(例えば、NH、NH 、NHR 、NR )が挙げられる。いくつかの適切な置換アンモニウムイオンの例は、エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミン、およびトロメタミン、ならびにアミノ酸、例えばリジンおよびアルギニンから誘導されるものである。一般的な第四級アンモニウムイオンの例は、N(CH である。
化合物がカチオン性であるか、またはカチオン性であり得る官能基(例えば、-NHは、-NH であり得る)を有する場合には、適切なアニオンを伴う塩を形成することができる。適切な無機アニオンの例として、それに限定されるものではないが、以下の無機酸:塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、および亜リン酸から誘導されるものが挙げられる。
適切な有機アニオンの例として、それに限定されるものではないが、以下の有機酸:2-アセトキシ安息香酸(acetyoxybenzoic)、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、ケイ皮酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸(glucheptonic)、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフタレンカルボン酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、粘液酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、フェニルスルホン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸および吉草酸から誘導されるものが挙げられる。適切なポリマー有機アニオンの例として、それに限定されるものではないが、以下のポリマー酸:タンニン酸、カルボキシメチルセルロースから誘導されるものが挙げられる。
溶媒和物
活性化合物の対応する溶媒和物を調製、精製、および/または取り扱うことが好都合であるかまたは望ましい場合がある。用語「溶媒和物」は、本明細書では従来の意味で、溶質(例えば、活性化合物、活性化合物の塩)および溶媒の複合体を指すために使用される。溶媒が水である場合、溶媒和物は、水和物、例えば、一水和物、二水和物、三水和物などと好都合に呼ぶことができる。
異性体
本発明のある特定の化合物は、1つまたは複数の特定の幾何、光学、エナンチオマー、ジアステレオマー(diasteriomeric)、エピマー、アトロプ、立体異性、互変異性、立体配座、またはアノマー型で存在することができ、それらには、それに限定されるものではないが、cis-およびtrans-型;E-およびZ-型;c-、t-、およびr-型;endo-およびexo-型;R-、S-、およびメソ-型;D-およびL-型;d-およびl-型;(+)および(-)型;ケト-、エノール-、およびエノラート-型;syn-およびanti-型;シンクリナル-およびアンチクリナル-型;α-およびβ-型;アキシャルおよびエクアトリアル型;舟-、椅子-、ねじれ-、エンベロープ-、および半椅子(halfchair)-型;ならびにそれらの組合せが含まれ、それらは以降、まとめて「異性体」(または「異性形態」)と呼ばれる。
用語「キラル」は、鏡像パートナーの重ね合わせることができない特性を有する分子を指し、一方、用語「アキラル」は、それらの鏡像パートナー上で重ね合わせることができる分子を指す。
用語「立体異性体」は、同一の化学構成を有するが、空間内の原子または基の配置が異なる化合物を指す。
「ジアステレオマー」は、2つまたはそれよりも多いキラル中心を有し、それらの分子は互いに鏡像ではない、立体異性体を指す。ジアステレオマーは、異なる物理的特性、例えば融点、沸点、スペクトル特性、および反応性を有する。ジアステレオマーの混合物は、高分解能分析手順、例えば電気泳動法およびクロマトグラフィーの下で分離することができる。
「エナンチオマー」は、互いに重ね合わせることができない鏡像である、化合物の2つの立体異性体を指す。
本明細書において使用される立体化学の定義および規則は、一般に、S. P. Parker, Ed., McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms (1984) McGraw-Hill Book Company, New York;およびEliel, E. and Wilen, S., ”Stereochemistry of Organic Compounds”, John Wiley & Sons, Inc., New York, 1994に従う。本発明の化合物は、不斉中心またはキラル中心を含有することができ、したがって異なる立体異性体で存在することができる。それに限定されるものではないが、ジアステレオマー、エナンチオマーおよびアトロプ異性体、ならびにラセミ混合物などのそれらの混合物を含めた、本発明の化合物のすべての立体異性体が、本発明の一部を形成することが意図される。多くの有機化合物は、光学的に活性な形態で存在し、すなわち、それらは平面偏光面を回転させる能力を有する。光学活性化合物を記載する際、そのキラル中心の周り(複数可)での分子の絶対配置を示すために、接頭語DおよびL、またはRおよびSが使用される。接頭語dおよびlまたは(+)および(-)は、化合物による平面偏光の回転の符号を指定するために採用され、(-)またはlは、化合物が左旋性であることを意味する。接頭語(+)またはdが付けられた化合物は、右旋性である。所与の化学構造に関して、これらの立体異性体は、互いに鏡像であることを除いて同一である。特定の立体異性体は、エナンチオマーと呼ぶこともでき、このような異性体の混合物は、しばしばエナンチオマー混合物と呼ばれる。エナンチオマーの50:50混合物は、ラセミ混合物またはラセミ体と呼ばれ、化学反応またはプロセスにおいて立体選択性または立体特異性がなかった場合に生じ得る。用語「ラセミ混合物」および「ラセミ体」は、光学活性のない、2つのエナンチオマー種の等モル混合物を指す。
互変異性形態について以下に論じるものを除いて、構造(または構成)異性体(すなわち、単に空間内の原子の位置ではなく、原子間の接続が異なる異性体)は、本明細書で使用される用語「異性体」から特に除外されることに留意されたい。例えば、メトキシ基、-OCHへの言及は、その構造異性体であるヒドロキシメチル基、-CHOHへの言及と解釈されるべきではない。同様に、オルト-クロロフェニルへの言及は、その構造異性体であるメタ-クロロフェニルへの言及と解釈されるべきではない。しかし、あるクラスの構造への言及は、そのクラスに該当する構造異性形態も同様に含む場合がある(例えば、C1~7アルキルは、n-プロピルおよびイソ-プロピルを含み、ブチルは、n-、iso-、sec-、およびtert-ブチルを含み、メトキシフェニルは、オルト-、メタ-、およびパラ-メトキシフェニルを含む)。
先の除外は、例えば、以下の互変異性体の対:ケト/エノール(以下に例示される)、イミン/エナミン、アミド/イミノアルコール、アミジン/アミジン、ニトロソ/オキシム、チオケトン/エンチオール、N-ニトロソ/ヒドロキシアゾ(hyroxyazo)、およびニトロ/アシ-ニトロに見られるような互変異性体形態、例えば、ケト-、エノール-、およびエノラート形態に関するものではない。
Figure 2022541043000006
用語「互変異性体」または「互変異性形態」は、低エネルギー障壁によって相互変換可能な異なるエネルギーの構造異性体を指す。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピー互変異性体としても公知)は、ケト-エノールおよびイミン-エナミン異性化などのプロトンの移動による相互変換を含む。原子価互変異性体は、結合電子の一部の再編成による相互変換を含む。
特に本発明の化合物は、RN1がHである、以下に例示される互変異性に関連する。
Figure 2022541043000007
用語「異性体」には、1つまたは複数の同位体置換を有する化合物が特に含まれることに留意されたい。例えば、Hは、H、H(D)、およびH(T)を含めた任意の同位体形態であってよく、Cは、12C、13C、および14Cを含めた任意の同位体形態であってよく、Oは、16Oおよび18Oを含めた任意の同位体形態であってよい、などである。
本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例として、水素、炭素、窒素、酸素、リン(phosphorous)、フッ素、および塩素の同位体、例えば、それに限定されるものではないが、H(重水素、D)、H(トリチウム)、11C、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、36Cl、および125Iが挙げられる。本発明の様々な同位体標識化合物、例えば放射性同位体、例えばH、13C、および14Cが組み込まれているもの。このような同位体標識化合物は、代謝研究、反応動態研究、検出技術もしくは画像化技術、例えば薬物もしくは基質組織分布アッセイを含めた陽電子放出断層撮影法(PET)もしくはシングルフォトン断層撮影(SPECT)において、または患者の放射線処置において有用であり得る。重水素で標識または置換された本発明の治療化合物は、分布、代謝、および排出(ADME)に関して改善されたDMPK(薬物代謝および薬物動態)特性を有することができる。重水素などのより重い同位体での置換は、代謝安定性の増大の結果として得られるある特定の治療上の利点、例えば、in vivo半減期の延長または必要投薬量の減少をもたらすことができる。18F標識化合物は、PETまたはSPECT研究に有用であり得る。本発明の同位体標識化合物およびそれらのプロドラッグは、一般に、容易に入手可能な同位体標識試薬を非同位体標識試薬の代わりに用いることによって、下記のスキームまたは実施例および調製に開示されている手順を行うことによって調製することができる。さらに、より重い同位体、特に重水素(すなわち、HまたはD)での置換は、代謝安定性の増大の結果として得られるある特定の治療上の利点、例えば、in vivo半減期の延長または必要投薬量の減少または治療指数の改善をもたらすことができる。この文脈では、重水素は置換基とみなされると理解される。このようなより重い同位体、特に重水素の濃度は、同位体濃縮係数によって定義することができる。本発明の化合物では、特定の同位体として特に指定されていないいかなる原子も、その原子の任意の安定同位体を表すことを意味する。
別段特定されない限り、特定の化合物への言及には、(完全または部分的)ラセミおよびそれらの他の混合物を含めた、このようなすべての異性形態が含まれる。このような異性形態の調製(例えば、不斉合成)および分離(例えば、分別結晶およびクロマトグラフィー手段)方法は、当技術分野で公知であるか、または本明細書で教示される方法もしくは公知の方法を公知の方式で適応させることによって容易に得られる。
治療適応症
本明細書に開示される化合物は、いくつかの障害において、特に、STINGのモジュレーションによって改善される疾患の処置または防止において、治療利益を提供することができる。
本発明の一態様は、STINGへのアゴニスト作用が有益となる、STINGによって媒介される疾患および障害の処置方法または防止方法を提供する。例示的な疾患/障害として、それに限定されるものではないが、がんおよび感染性疾患(例えば、ウイルス、例えば、HIV、HBV、HCV、HPV、およびインフルエンザ、ならびに細菌によって引き起こされる疾患)が挙げられる。本発明の別の態様は、ワクチンアジュバントとしてのSTINGアゴニストの使用を提供する。
一実施形態では、本発明は、治療において使用するための本発明の化合物を提供する。本発明はまた、治療において使用するための、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。本発明は、特に、STING媒介性疾患または障害の処置において使用するための、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
本発明はまた、ワクチンアジュバントとして使用するための、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。したがって式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、免疫原性組成物またはワクチンアジュバントも提供される。本発明のさらなる実施形態では、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、および1種または複数の免疫刺激剤を含む組成物が提供される。
別の実施形態では、本発明は、STING媒介性疾患もしくは障害の処置において使用するため、および/または免疫原性組成物もしくはワクチンアジュバントとして使用するための本発明の化合物を提供する。別の実施形態では、本発明は、STING媒介性疾患または障害の結果として持続する臓器傷害または損傷の改善において使用するための、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
本発明はさらに、STING媒介性疾患または障害の処置のための医薬の製造における、本発明の化合物の使用を提供する。本発明はさらに、STING媒介性疾患または障害、例えば本明細書に記載される疾患および障害の処置のための医薬の製造における、式Iの化合物またはその塩、特にその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
本発明はさらに、ワクチンの製造における、式Iの化合物またはその塩、特にその薬学的に許容される塩の使用を提供する。さらに、疾患の処置または防止のための、抗原または抗原性組成物を含む免疫原性組成物の製造のための、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の使用が提供される。さらに、疾患の処置または防止のための、抗原または抗原性組成物を含むワクチン組成物の製造のための、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の使用が提供される。
別の実施形態では、本発明は、STING媒介性疾患または障害を処置する方法であって、治療有効量の本発明の化合物を、それを必要とするヒトに投与するステップを含む方法を対象とする。別の実施形態では、本発明は、STING媒介性疾患または障害を処置する方法であって、治療有効量の式Iの化合物または塩、特にその薬学的に許容される塩を、それを必要とするヒトに投与するステップを含む方法を対象とする。
感染性疾患
本発明の化合物は、病原体からの感染によって引き起こされるか、またはその感染と同時に生じる任意の疾患である感染性疾患を処置するために使用することができる。病原体は、ヒト組織環境に対して異質である任意の生物種として広く定義される。疾患を引き起こす一般的な病原体には、細菌(TBのような多数)、ウイルス(HBV、HIV、インフルエンザのような多数)および寄生性原虫(マラリアを引き起こす熱帯熱マラリア原虫(P falciparum)のような)が含まれる。本発明の化合物は、TB感染症(結核菌(Mycobacterium tuberculosis))、クラミジア、野兎病感染症(フランシセラ・ツラレンシス(Francisella tularensis))、プラスモジウム感染症、またはDNAもしくはRNAウイルスによる感染症などの、細菌に由来する感染性疾患を処置するために使用することができる。本発明の化合物は、DNAウイルスファミリー:ヘルペスウイルス科(単純ヘルペスウイルス1型、カポジ肉腫関連ウイルスおよびエプスタイン-バーウイルス)、パピローマウイルス科(ヒトパピローマウイルス)、アデノウイルスおよびヘパドナウイルス科(B型肝炎ウイルス)に由来する感染性疾患を処置するために使用することができる。RNAウイルスファミリーの例として、レトロウイルス科(ヒト免疫不全ウイルス) フラビウイルス科(デングウイルス、C型肝炎ウイルス)、オルトミクソウイルス科(インフルエンザ)、およびコロナウイルス科(ヒトコロナウイルスおよびSARSコロナウイルス)が挙げられる。
がん
本明細書で使用される場合、用語「がん」、「新生物」および「腫瘍」は、互換的に使用され、単数形または複数形のいずれでも、宿主生物に対して細胞を病的状態にする悪性形質転換を受けた細胞を指す。原発性がん細胞は、十分に確立された技術、特に組織学的検査によって、非がん性細胞と容易に区別することができる。がん細胞の定義には、本明細書で使用される場合、原発性がん細胞だけでなく、がん原細胞(cancer cell ancestor)由来の任意の細胞も含まれる。がん細胞には、転移がん細胞、ならびにin vitro培養物およびがん細胞由来の細胞系が含まれる。固形腫瘍として通常顕在化するタイプのがんに言及する場合、「臨床的に検出可能な」腫瘍は、腫瘍量に基づいて、例えばコンピュータ断層撮影法(CT)スキャン、磁気共鳴画像法(MRI)、X線、超音波もしくは身体検査時の触診などの手順によって検出可能である腫瘍、および/または患者から得ることができる試料中の1つもしくは複数のがん特異的抗原の発現により検出可能な腫瘍である。腫瘍は、造血性(または血液学的(hematologic)または血液学的(hematological)または血液に関係する)がん、例えば血液細胞または免疫細胞由来のがんであってもよく、それらは「液性腫瘍」と呼ぶことができる。血液学的腫瘍に基づく臨床状態の具体例として、白血病、例えば慢性骨髄球性白血病、急性骨髄球性白血病、慢性リンパ性白血病および急性リンパ性白血病;形質細胞悪性腫瘍、例えば多発性骨髄腫、MGUSおよびワルデンシュトレームマクログロブリン血症;リンパ腫、例えば非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫などが挙げられる。
がんは、異常な数の芽細胞もしくは望ましくない細胞増殖が存在するか、またはリンパ性および骨髄性(myeloid)悪性腫瘍の両方を含めた血液がんと診断される任意のがんであり得る。骨髄性悪性腫瘍には、それに限定されるものではないが、急性骨髄性(または骨髄球性または骨髄性(myelogenous)または骨髄芽球)白血病(未分化または分化)、急性前骨髄性(promyeloid)(または前骨髄球性または前骨髄性(promyelogenous)または前骨髄芽球性(promyeloblastic))白血病、急性骨髄単球性(または骨髄単芽球性)白血病、急性単球性(または単芽球性)白血病、赤白血病および巨核球性(または巨核芽球性)白血病が含まれる。これらの白血病は、まとめて急性骨髄性(myeloid)(または骨髄球性または骨髄性(myelogenous))白血病(AML)と呼ぶことができる。骨髄性悪性腫瘍には、骨髄増殖性疾患(MPD)も含まれ、それには、それに限定されるものではないが、慢性骨髄性(myelogenous)(または骨髄性(myeloid))白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、本態性血小板血症(または血小板増加症)、および真性赤血球増加症(PCV)が含まれる。骨髄性悪性腫瘍には、脊髄形成異常症(または骨髄異形成症候群またはMDS)(これは、不応性貧血(RA)、芽球増加型不応性貧血(RAEB)、および移行期芽球増加型不応性貧血(RAEBT)と呼ぶことができる)、および原因不明骨髄様化生を伴うまたは伴わない骨髄線維症(MFS)も含まれる。
造血性がんには、リンパ性悪性腫瘍も含まれ、これは、リンパ節、脾臓、骨髄、末梢血、および/またはリンパ節外部位に影響を及ぼし得る。リンパ性がんには、それに限定されるものではないが、B細胞非ホジキンリンパ腫(B-NHL)を含めたB細胞悪性腫瘍が含まれる。B-NHLは、無痛性(または低悪性度)、中悪性度(または侵襲性)または高悪性度(非常に侵襲性)であり得る。無痛性B細胞リンパ腫には、濾胞性リンパ腫(FL);小リンパ球性リンパ腫(SLL);結節性MZL、節外性MZL、脾臓MZLおよび有毛リンパ球を伴う脾臓MZLを含めた辺縁帯リンパ腫(MZL);リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL);ならびに粘膜関連リンパ組織(MALTまたは節外性辺縁帯)リンパ腫が含まれる。中悪性度B-NHLには、白血病の関与を伴うまたは伴わないマントル細胞リンパ腫(MCL)、びまん性大細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性大細胞(または悪性度3または悪性度3B)リンパ腫、および原発性縦隔リンパ腫(PML)が含まれる。高悪性度B-NHLには、バーキットリンパ腫(BL)、バーキット様リンパ腫、小型非切れ込み核細胞性リンパ腫(SNCCL)およびリンパ芽球性リンパ腫が含まれる。他のB-NHLには、免疫芽球性リンパ腫(または免疫細胞腫)、原発性滲出性リンパ腫、HIV関連(またはAIDS関連)リンパ腫、および移植後リンパ増殖性障害(PTLD)またはリンパ腫が含まれる。B細胞悪性腫瘍には、それに限定されるものではないが、慢性リンパ性白血病(CLL)、前リンパ球性白血病(PLL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、有毛細胞白血病(HCL)、大型顆粒リンパ球(LGL)白血病、急性リンパ性(またはリンパ球性またはリンパ芽球性)白血病、およびキャッスルマン病も含まれる。NHLには、T細胞非ホジキンリンパ腫(T-NHL)も含まれ得、それには、それに限定されるものではないが、特定不能の(NOS)T細胞非ホジキンリンパ腫、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)、退形成大細胞型リンパ腫(ALCL)、血管免疫芽球性リンパ性障害(AILD)、鼻ナチュラルキラー(NK)細胞/T細胞リンパ腫、ガンマ/デルタリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、菌状息肉症、およびセザリー症候群が含まれる。
造血性がんには、ホジキンリンパ腫(または疾患)も含まれ、それには、古典的ホジキンリンパ腫、結節硬化型ホジキンリンパ腫、混合細胞型ホジキンリンパ腫、リンパ球優位型(LP)ホジキンリンパ腫、結節LPホジキンリンパ腫、およびリンパ球減少型ホジキンリンパ腫が含まれる。造血性がんには、形質細胞疾患またはがん、例えば多発性骨髄腫(MM)も含まれ、それには、くすぶり型MM、意義不明(または未知または不明)の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)、形質細胞腫(骨、骨髄外)、リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、形質細胞白血病、および原発性アミロイドーシス(AL)が含まれる。造血性がんには、多形核白血球(または好中球)、好塩基球、好酸球、樹状細胞、血小板、赤血球およびナチュラルキラー細胞を含めた追加の造血細胞の他のがんも含まれ得る。本明細書で「造血細胞組織」と呼ばれる造血細胞を含む組織には、骨髄;末梢血;胸腺;ならびに末梢リンパ組織、例えば脾臓、リンパ節、粘膜関連リンパ組織(例えば、腸管関連リンパ組織)、扁桃腺、パイエル板および虫垂、ならびに他の粘膜関連のリンパ組織、例えば気管支内層が含まれる。
本発明の化合物が、潜在的に有益な抗腫瘍効果を有することができるがん疾患および状態の例として、それに限定されるものではないが、肺、骨、膵臓、皮膚、頭部、頸部、子宮、卵巣、胃、結腸、乳房、食道、小腸、腸、内分泌系、甲状腺、副甲状腺、副腎、尿道、前立腺、陰茎、精巣、尿管、膀胱、腎臓もしくは肝臓のがん;直腸がん;肛門領域のがん;卵管、子宮内膜、子宮頸部、膣、外陰部、腎盂、腎細胞の癌腫;軟組織の肉腫;粘液腫;横紋筋腫;線維腫;脂肪腫;奇形腫;胆管細胞癌;肝芽腫;血管肉腫;血管腫;肝細胞癌;線維肉腫;軟骨肉腫;骨髄腫;慢性もしくは急性白血病;リンパ球性リンパ腫;原発性CNSリンパ腫;CNSの新生物;脊髄軸腫瘍;扁平上皮癌;滑膜肉腫;悪性胸膜中皮腫;脳幹神経膠腫;下垂体腺腫;気管支腺腫;軟骨性過誤腫;中皮腫;ホジキン病、または前述のがんの1つもしくは複数の組合せが挙げられる。
適切には、本発明は、脳(神経膠腫)、神経膠芽腫、星状細胞腫、多形神経膠芽腫、Bannayan-Zonana症候群、カウデン病、Lhermitte-Duclos病、ウィルムス腫瘍、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫、上衣腫、髄芽腫、頭頸部、腎臓、肝臓、黒色腫、卵巣、膵臓、腺癌、管腺癌、腺扁平上皮癌、腺房細胞癌、グルカゴン産生腫瘍、膵島細胞腺腫、前立腺、肉腫、骨肉腫、骨巨細胞腫瘍、甲状腺、リンパ芽球性T細胞白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、ヘアリー細胞白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性好中球性白血病、急性リンパ芽球性T細胞白血病、形質細胞腫、免疫芽球性大細胞型白血病、マントル細胞白血病、多発性骨髄腫、巨核芽球性白血病、多発性骨髄腫、急性巨核球性白血病、前骨髄球性白血病、赤白血病、悪性リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ芽球性T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、神経芽細胞腫、膀胱がん、尿路上皮がん、外陰部がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、腎臓がん、中皮腫、食道がん、唾液腺がん、肝細胞がん、胃がん、上咽頭(nasopharangeal)がん、口腔がん、口のがん、GIST(消化管間質腫瘍)および精巣がんからなる群から選択されるがんを処置するか、またはその重症度を低減するための方法に関する。
一部の実施形態では、本発明の化合物は、固形腫瘍または液性腫瘍を処置するために使用することができる。一部の実施形態では、本発明の化合物は、肉腫、乳がん、結腸直腸がん、胃食道がん、黒色腫、非小細胞肺がん(NSCLC)、明細胞腎細胞癌(RCC)、リンパ腫、頭頸部の扁平上皮癌(SCCHN)、肝細胞癌(HCC)、および/または非ホジキンリンパ腫(NHL)を処置するために使用することができる。適切には、本発明は、ヒトを含めた哺乳動物における、前がん症候群を処置するか、またはその重症度を低減するための方法に関し、前がん症候群は、子宮頸部上皮内腫瘍、意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)、骨髄異形成症候群、再生不良性貧血、子宮頸部病変、皮膚の母斑(前黒色腫)、前立腺上皮内(管内)腫瘍(PIN)、非浸潤性乳管癌(DCIS)、結腸ポリープ、および重症の肝炎または肝硬変から選択される。
一態様では、ヒトは、固形腫瘍を有する。一態様では、腫瘍は、頭頸部がん、胃がん、黒色腫、腎細胞癌(RCC)、食道がん、非小細胞肺癌、前立腺がん、結腸直腸がん、卵巣がんおよび膵臓がんから選択される。一態様では、ヒトは、結腸直腸がん(CRC)、食道、子宮頸部、膀胱、乳房、頭頸部、卵巣、黒色腫、腎細胞癌(RCC)、EC扁平上皮細胞、非小細胞肺癌、中皮腫、および前立腺がんのうちの1つまたは複数を有する。別の態様では、ヒトは、液性腫瘍、例えばびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、多発性骨髄腫、慢性リンパ芽球性白血病(CLL)、濾胞性リンパ腫、急性骨髄性(myeloid)白血病および慢性骨髄性(myelogenous)白血病を有する。
一実施形態では、本発明の化合物は、皮膚がん(例えば、非黒色腫皮膚がん、扁平上皮癌、基底細胞癌)または光線角化症の処置に有用であり得る。表在性皮膚がんを取り除くためのフィールド効果(field effect)に加えて、本発明の化合物は、処置された患者における二次皮膚がんおよび前悪性光線角化症の発症を防止することができる。
自己免疫疾患
関連自己免疫疾患には、それに限定されるものではないが、乳児期に発病するSTING関連血管炎(SAVI)、アイカルディ・グティエール症候群(AGS)、凍瘡状ループス、毛細血管拡張性運動失調症(ataxia telanogiectasia)(Louis-Bar症候群とも呼ばれる)、脳白質萎縮症を伴う網膜脈管障害(RCVL)、全身性エリテマトーデス(SLE)、皮膚ループス、ループス腎炎、乾癬、インスリン依存性真性糖尿病(IDDM)を含めた真性糖尿病、皮膚筋炎、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、AIDS、多発性筋炎、全身性硬化症(強皮症)、およびシェーグレン症候群(SS)、関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性関節炎、重症筋無力症、結節性多発動脈炎、血管炎、皮膚血管炎、抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎、ヘノッホ-シェーンライン紫斑病、自己免疫性肝炎、原発性硬化性胆管炎、ウェゲナー肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎(microscopi polyangiitis)、ベーチェット病、脊椎炎、巨細胞動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、レイノー現象、原発性胆汁性肝硬変、中枢神経系顕微鏡的多発血管炎の原発性血管炎、視神経脊髄炎および混合性結合組織病が含まれる。
炎症
炎症とは、外傷に対する血管性、細胞性および神経性応答の群を表す。炎症は、組織内への、炎症細胞、例えば単球、好中球および顆粒球の移動として特徴付けることができる。これは、通常、内皮障壁機能の低減および組織内への浮腫と関連する。炎症は、急性または慢性のいずれかに分類することができる。急性炎症は、有害刺激に対する身体の初期応答であり、血液から傷害組織への血漿および白血球の移動増加によって達成される。生化学的事象のカスケードにより、傷害組織内の局所脈管系、免疫系、および様々な細胞が関与する炎症性応答が伝播し、発達する。慢性炎症として公知の長期炎症は、炎症部位に存在する細胞型の進行性移行につながり、炎症プロセスによる組織の同時的破壊および治癒によって特徴付けられる。
炎症は、感染に対する免疫応答の一部としてまたは外傷に対する急性応答として生じる場合、有益であり得、通常は自然治癒する。しかし、炎症は様々な条件下で有害となり得る。これには、感染病原体に応答して過度の炎症が生成されることが含まれ、それによって著しい臓器損傷および死(例えば、敗血症の状況で)につながる場合がある。さらに、慢性炎症は、一般に有害であり、数々の慢性疾患の根底にあり、重症の不可逆な損傷を組織に引き起こす。このような状況では、免疫応答は、しばしば自己組織に対して向けられる(自己免疫)が、異質実体に対する慢性応答が、自己組織へのバイスタンダー損傷につながる場合もある。
したがって、抗炎症治療の目的は、この炎症を低減し、存在する場合には自己免疫を阻害し、生理学的プロセスまたは治癒および組織修復を進行させることである。
本発明の化合物は、以下に例示される通り、筋骨格炎症、血管性炎症、神経性炎症、消化器系炎症、眼性炎症、生殖器系の炎症、および他の炎症を含めた、身体の任意の組織および臓器の炎症を処置するために使用することができる。
筋骨格炎症は、筋骨格系の任意の炎症状態、特に、手、手首、肘、肩、顎、脊椎、頸部、殿部、膝、足首、および足の関節を含めた骨格関節に影響を及ぼす状態、ならびに筋肉を骨に接続する組織、例えば腱に影響を及ぼす状態を指す。本発明の化合物で処置され得る筋骨格炎症の例として、関節炎(例えば、変形性関節症、関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、急性および慢性の感染性関節炎、痛風および偽痛風関連の関節炎、ならびに若年性特発性関節炎を含む)、腱炎、滑膜炎、腱鞘炎、滑液包炎、結合織炎(線維筋痛症)、上顆炎、筋炎、ならびに骨炎(例えば、パジェット病、恥骨骨炎、および嚢胞性線維性骨炎(osteitis fibrosa cystic)を含む)が挙げられる。
眼性炎症は、眼瞼を含めた眼の任意の構造の炎症を指す。本発明の化合物で処置され得る眼性炎症の例として、眼瞼炎、眼瞼皮膚弛緩症、結膜炎、涙腺炎、角膜炎、乾性角結膜炎(ドライアイ)、強膜炎、睫毛乱生、およびブドウ膜炎が挙げられる。
本発明の化合物で処置され得る神経系の炎症の例として、脳炎、ギラン-バレー症候群、髄膜炎、神経性筋強直症、ナルコレプシー、多発性硬化症、脊髄炎、CNS血管炎、および統合失調症が挙げられる。
本発明の化合物で処置され得る脈管構造またはリンパ管系の炎症の例として、関節硬化、関節炎、静脈炎、血管炎、およびリンパ管炎が挙げられる。
本発明の化合物で処置され得る消化器系の炎症状態の例として、胆管炎、胆嚢炎、小腸炎、小腸結腸炎、胃炎、胃腸炎、炎症性腸疾患(例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎)、回腸炎、および直腸炎が挙げられる。
本発明の化合物で処置され得る生殖器系の炎症状態の例として、子宮頸管炎、絨毛羊膜炎、子宮内膜炎、精巣上体炎、臍炎、卵巣炎、精巣炎、卵管炎、卵管卵巣膿瘍、尿道炎、腟炎、外陰炎、および外陰部痛が挙げられる。
本発明の化合物は、炎症性成分を有する自己免疫状態を処置するために使用することができる。このような状態には、急性汎発性全身性脱毛症、ベーチェット病、シャーガス病、乳児期に発病するSTING関連血管炎(SAVI)、アイカルディ・グティエール症候群(AGS)、凍瘡状ループス、毛細血管拡張性運動失調症(Louis-Bar症候群とも呼ばれる)、脳白質萎縮症を伴う網膜脈管障害(RCVL)、ANCA関連血管炎、慢性疲労症候群、自律神経障害、脳脊髄炎、強直性脊椎炎、再生不良性貧血、化膿性汗腺炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性卵巣炎、セリアック病、クローン病、1型糖尿病、巨細胞性動脈炎、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン-バレー症候群、橋本病、ヘノッホ-シェーンライン紫斑病、川崎病、紅斑性ループス、顕微鏡的大腸炎、顕微鏡的多発動脈炎、混合性結合組織病、多発性硬化症、重症筋無力症、眼球クローヌスミオクローヌス症候群、視神経炎、Ord甲状腺炎、天疱瘡、結節性多発動脈炎、多発性筋痛、関節リウマチ、ライター症候群、シェーグレン症候群、側頭動脈炎、ウェゲナー肉芽腫症、温式自己免疫性溶血性貧血、間質性膀胱炎、ライム病、モルフェア、乾癬、サルコイドーシス、強皮症、潰瘍性大腸炎、および白斑が含まれる。
本発明の化合物は、炎症性成分を有する、T細胞によって媒介される過敏性疾患を処置するために使用することができる。このような状態には、接触過敏症、接触性皮膚炎(ポイズンアイビーに起因するものを含む)、じんま疹(uticaria)、皮膚アレルギー、呼吸器アレルギー(季節性鼻アレルギー、アレルギー性鼻炎)およびグルテン過敏性腸症(セリアック病)が含まれる。
本発明の化合物で処置され得る他の炎症状態には、例えば、虫垂炎、皮膚炎、皮膚筋炎、心内膜炎、結合織炎、歯肉炎、舌炎、肝炎、化膿性汗腺炎、虹彩炎、喉頭炎、乳腺炎、心筋炎、腎炎、耳炎、膵炎、耳下腺炎、心膜炎(percarditis)、腹膜炎、咽頭炎、胸膜炎、肺炎、前立腺炎、腎盂腎炎、および口内炎、移植片拒絶(腎臓、肝臓、心臓、肺、膵臓(例えば、島細胞)、骨髄、角膜、小腸、皮膚移植片、皮膚同種移植片、および心臓弁異種移植片などの臓器、血清病、および移植片対宿主病が関与する)、急性膵炎、慢性膵炎、急性呼吸促迫症候群、セザリー症候群、先天性副腎過形成、非化膿性甲状腺炎、がん関連の高カルシウム血症、天疱瘡、水疱性皮膚炎ヘルペス、重症の多形性紅斑、剥離性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、季節性または通年性のアレルギー性鼻炎、気管支喘息、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、薬物過敏反応、アレルギー性結膜炎、角膜炎、眼部帯状疱疹、虹彩炎および虹彩毛様体炎、脈絡網膜炎、視神経炎、症候性サルコイドーシス、劇症または汎発性の肺結核化学療法、成人における特発性血小板減少性紫斑病、成人における続発性血小板減少症、後天性(自己免疫性)溶血性貧血、成人における白血病およびリンパ腫、小児期の急性白血病、限局性腸炎、自己免疫性血管炎、多発性硬化症、慢性閉塞性肺疾患、実質臓器移植片拒絶、敗血症が含まれる。好ましい処置には、移植片拒絶、関節リウマチ、乾癬性関節炎、多発性硬化症、1型糖尿病、喘息、炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス、乾癬、慢性肺疾患、および感染性状態に付随する炎症(例えば、敗血症)の処置が含まれる。一実施形態では、本発明の化合物は、喘息を処置するために使用することができる。
細胞増殖
本発明の化合物はまた、関節炎(関節リウマチ)および再狭窄を含めた血管増殖性障害;肝硬変およびアテローム性動脈硬化症を含めた線維性障害;糸球体腎炎、糖尿病性腎症、悪性腎硬化症、血栓性微小血管症候群、増殖性網膜症、臓器移植片拒絶および糸球体症を含めたメサンギウム細胞増殖性障害;ならびに乾癬、真性糖尿病、慢性創傷治癒、炎症および神経変性疾患を含めた代謝障害を含む、血管新生および/または血管透過性と関連する障害の区域における細胞増殖によって特徴付けられる、哺乳動物が罹患する1つまたは複数の疾患の処置において有用であり得る。
神経変性疾患
本発明の化合物は、神経変性疾患を処置するために使用することができる。例示的な神経変性疾患として、それに限定されるものではないが、多発性硬化症、ハンチントン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)が挙げられる。
組合せ物
本発明の化合物は、単独で、または他の治療剤と組み合わせて採用することができる。免疫応答のモジュレーターとして、本発明の化合物はまた、STINGのモジュレーションが有益である疾患および状態の処置において、単剤治療で使用するか、または別の治療剤と組み合わせて使用することができる。
したがって、本発明による併用療法は、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、および少なくとも1種の他の治療上活性な薬剤の投与を含む。一実施形態では、本発明による併用療法は、少なくとも1つの式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、および少なくとも1種の他の治療剤の投与を含む。式Iの化合物(複数可)およびその薬学的に許容される塩、ならびにその他の治療剤(複数可)は、単一の医薬組成物で一緒に、または別個に投与することができ、別個に投与される場合には、同時に、または任意の順序で逐次的に行うことができる。式Iの化合物(複数可)およびその薬学的に許容される塩、およびその他の治療剤(複数可)の量、ならびに投与の相対的タイミングは、治療効果の所望の組合せを達成するために選択される。したがって、さらなる態様では、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を、1種または複数の他の治療剤と一緒に含む組合せ物が提供される。
式Iの化合物およびその薬学的に許容される塩は、アレルギー性疾患、炎症性疾患または自己免疫疾患の防止または処置において有用であり得る1種または複数の他の治療剤、例えば、抗原免疫療法、抗ヒスタミン薬、ステロイド、NSAID、気管支拡張薬(例えば、ベータ2アゴニスト、アドレナリンアゴニスト、抗コリン剤、テオフィリン)、メトトレキセート、ロイコトリエンモジュレーターおよび同様の薬剤;モノクローナル抗体治療、例えば、抗IgE、抗TNF、抗IL-5、抗IL-6、抗IL-12、抗IL-1および同様の薬剤;受容体治療、例えば、エタネルセプトおよび同様の薬剤;抗原非特異的免疫療法(例えば、インターフェロンまたは他のサイトカイン/ケモカイン、サイトカイン/ケモカイン受容体モジュレーター、サイトカインアゴニストまたはアンタゴニスト、TLRアゴニストおよび同様の薬剤)と組み合わせて使用することができる。
式Iの化合物およびその薬学的に許容される塩は、がんおよび前がん症候群の処置において有用であり得る放射線療法および/または外科手術および/または少なくとも1種の他の治療剤と組み合わせて使用することができる。処置される感受性のある腫瘍に対して活性を有する任意の抗悪性腫瘍剤が、この組合せ物で利用することができる。有用な典型的な抗悪性腫瘍剤には、それに限定されるものではないが、(a)抗微小管剤、例えばジテルペノイド(例えば、パクリタキセル、ドセタキセル)およびビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、およびビノレルビン)、(b)白金配位錯体(例えば、オキサリプラチン、シスプラチンおよびカルボプラチン)、(c)アルキル化剤、例えばナイトロジェンマスタード(例えば、シクロホスファミド、メルファラン、およびクロラムブシル)、オキサザホスホリン、アルキルスルホネート(例えば、ブスルファン)、ニトロソ尿素(例えば、カルムスチン)、およびトリアゼン(例えば、ダカルバジン)、(d)抗生物質薬剤、例えばアントラサイクリン(例えば、ダウノルビシンおよびドキソルビシン)、アクチノマイシン(例えば、ダクチノマイシン)およびブレオマイシン、(e)トポイソメラーゼII阻害薬、例えばエピポドフィロトキシン(例えば、エトポシドおよびテニポシド)、(f)代謝拮抗薬、例えばプリンおよびピリミジン類似体および葉酸代謝拮抗化合物(例えば、フルオロウラシル、メトトレキセート、シタラビン、メルカプトプリン、チオグアニン、およびゲムシタビン)、(g)トポイソメラーゼI阻害薬、例えばカンプトテシン(例えば、イリノテカン、トポテカン、および7-(4-メチルピペラジノ-メチレン)-10,11-エチレンジオキシ-20-カンプトテシンの様々な光学的形態)、(h)ホルモンおよびホルモン類似体(例えば、子どもにおける悪性リンパ腫および急性白血病の処置において有用である、副腎皮質ステロイド、例えばプレドニゾンおよびプレドニゾロン;副腎皮質癌およびエストロゲン受容体を含有するホルモン依存性乳癌の処置において有用な、アミノグルテチミド、および他のアロマターゼ阻害薬、例えばアナストロゾール、レトロゾール、ボロゾールおよびエキセメスタン;ホルモン依存性乳がんおよび子宮内膜癌の処置において有用な、プロゲスチン、例えば酢酸メゲストロール;エストロゲン、および抗エストロゲン薬、例えばフルベストラント、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、酢酸シプロテロン、ならびに前立腺癌および良性前立腺肥大の処置において有用な5-還元酵素、例えばフィナステリドおよびデュタステリド;ホルモン依存性乳癌および他の感受性のあるがんの処置において有用な、抗エストロゲン薬、例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、ヨードキシフェン(iodoxyfene)、ならびに選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERMS)、例えば米国特許第5681835号、同第5877219号、および同第6207716号に記載されるもの;ならびに前立腺癌の処置のための、黄体形成(leutinizing)ホルモン(LH)および/または卵胞刺激ホルモン(FSH)の放出を刺激するゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)およびその類似体、例えば、LHRHアゴニストおよびアンタゴニスト、例えば酢酸ゴセレリンおよびロイプロリド)、(i)シグナル伝達経路阻害薬、(j)非受容体チロシン血管新生阻害薬、(k)免疫療法剤(例えば、患者の腫瘍細胞の免疫原性を増大するためのex-vivoおよびin-vivo手法、例えばサイトカイン、例えばインターロイキン2、インターロイキン4または顆粒球マクロファージコロニー刺激因子を用いるトランスフェクション、T細胞エネルギーを減少するための手法、サイトカインをトランスフェクトした樹状細胞などのトランスフェクトした免疫細胞を使用する手法、サイトカインをトランスフェクトした腫瘍細胞系を使用する手法、および抗イディオタイプ抗体を使用する手法)、(l)アポトーシス促進剤(例えば、bcl-2アンチセンスオリゴヌクレオチド)、(m)細胞周期シグナル伝達阻害薬、(n)がん免疫剤、ならびに(o)免疫刺激剤が含まれる。
シグナル伝達経路阻害薬
シグナル伝達経路阻害薬は、細胞内変化を誘起する化学的プロセスを遮断するかまたは阻害する阻害薬である。本明細書で使用される場合、この変化は、細胞増殖または細胞分化である。本発明において有用なシグナル伝達阻害薬には、受容体チロシンキナーゼ、非受容体チロシンキナーゼ、SH2/SH3ドメイン遮断薬、セリン/スレオニンキナーゼ、ホスファチジル(phosphotidyl)イノシトール-3キナーゼ、ミオ-イノシトールシグナル伝達、およびRas癌遺伝子の阻害薬が含まれる。
いくつかのタンパク質チロシンキナーゼは、細胞成長の調節に関与する様々なタンパク質中の特定のチロシル残基のリン酸化を触媒する。このようなタンパク質チロシンキナーゼは、受容体キナーゼまたは非受容体キナーゼとして、大きく分類することができる。
受容体チロシンキナーゼは、細胞外リガンド結合ドメイン、膜貫通ドメイン、およびチロシンキナーゼドメインを有する膜貫通タンパク質である。受容体チロシンキナーゼは、細胞成長の調節に関与し、一般に増殖因子受容体と称される。これらのキナーゼの多くの不適切なまたは制御の効かない活性化、すなわち、例えば過剰発現または変異による異常なキナーゼ増殖因子受容体活性は、制御の効かない細胞成長をもたらすことが示されている。したがって、このようなキナーゼの異常活性は、悪性の組織成長と結び付けられてきた。その結果、このようなキナーゼの阻害薬は、がんの処置方法を提供することができた。増殖因子受容体には、例えば、上皮増殖因子受容体(EGFr)、血小板由来増殖因子受容体(PDGFr)、erbB2、erbB4、ret、血管内皮増殖因子受容体(VEGFr)、免疫グロブリン様および上皮増殖因子相同ドメインを伴うチロシンキナーゼ(TIE-2)、インスリン増殖因子-I(IGFI)受容体、マクロファージコロニー刺激因子(cfms)、BTK、ckit、cmet、線維芽細胞増殖因子(FGF)受容体、Trk受容体(TrkA、TrkB、およびTrkC)、エフリン(eph)受容体、ならびにRET癌原遺伝子が含まれる。成長受容体のいくつかの阻害薬が、開発中であり、それには、リガンドアンタゴニスト、抗体、チロシンキナーゼ阻害薬およびアンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれる。増殖因子受容体および増殖因子受容体機能を阻害する薬剤は、例えば、Kath 2000、Shawver 1997、およびLofts 1994に記載されている。
増殖因子受容体キナーゼではないチロシンキナーゼは、非受容体チロシンキナーゼと称される。抗がん薬物の標的または潜在的な標的である、本発明において有用な非受容体チロシンキナーゼには、cSrc、Lck、Fyn、Yes、Jak、cAbl、FAK(接着斑キナーゼ)、ブルトンチロシンキナーゼ、およびBcr-Ablが含まれる。このような非受容体キナーゼおよび非受容体チロシンキナーゼ機能を阻害する薬剤は、Sinh 1999およびBolen 1997に記載されている。
SH2/SH3ドメイン遮断薬は、PI3-K p85サブユニット、Srcファミリーキナーゼ、アダプター分子(She、Crk、Nek、Grb2)およびRas-GAPを含めた多様な酵素またはアダプタータンパク質におけるSH2またはSH3ドメイン結合を崩壊させる薬剤である。抗がん薬物の標的としてのSH2/SH3ドメインは、Smithgall 1995に論じられている。
セリン/スレオニンキナーゼの阻害薬には、MAPキナーゼカスケード遮断薬が含まれ、これにはRafキナーゼ(rafk)、マイトジェンまたは細胞外調節キナーゼ(MEK)、および細胞外調節キナーゼ(ERK)の遮断薬;ならびにPKC(アルファ、ベータ、ガンマ、イプシロン、ミュー、ラムダ、イオタ、ゼータ)の遮断薬を含めたタンパク質キナーゼCファミリーメンバー遮断薬が含まれる。IkBキナーゼファミリー(IKKa、IKKb)、PKBファミリーキナーゼ、aktキナーゼファミリーメンバー、およびTGFベータ受容体キナーゼ。このようなセリン/スレオニンキナーゼおよびその阻害薬は、Yamamoto 1999、Brodt 2000、Massague 1996、Philip 1995、Lackey 2000、米国特許第6268391号、およびMartinez-Lacaci 2000に記載されている。
Pekinese、ATM、DNA-PK、およびKuの遮断薬を含めたホスファチジルイノシトール-3キナーゼファミリーメンバーの阻害薬もまた、本発明において有用である。このようなキナーゼは、Abraham 1996、Canman 1998、Jackson 1997、およびZhong 2000に論じられている。
ミオイノシトールシグナル伝達阻害薬、例えばホスホリパーゼC遮断薬およびミオイノシトール類似体も、本発明において有用である。このようなシグナル阻害薬は、Powis 1994に記載されている。
シグナル伝達経路阻害薬の別の群は、Ras癌遺伝子の阻害薬である。このような阻害薬には、ファルネシルトランスフェラーゼ、ゲラニルゲラニルトランスフェラーゼ、およびCAAXプロテアーゼの阻害薬、ならびにアンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイムおよび免疫療法が含まれる。このような阻害薬は、野生型変異体rasを含有する細胞中のras活性化を遮断し、それによって抗増殖剤として作用することが示されている。Ras癌遺伝子阻害は、Scharovsky 2000、Ashby 1998、およびOliff 1999に論じられている。
前述の通り、受容体キナーゼリガンド結合に対する抗体アンタゴニストは、シグナル伝達阻害薬として働くこともできる。このシグナル伝達経路阻害薬の群には、受容体チロシンキナーゼの細胞外リガンド結合ドメインに対するヒト化抗体の使用が含まれる。例えば、Imclone C225 EGFR特異的抗体(Green 2000を参照されたい)、ハーセプチン(登録商標)erbB2抗体(Stern 2000を参照されたい)、および2CB VEGFR2特異的抗体(Brekken 2000を参照されたい)。
非受容体チロシン血管新生阻害薬
非受容体MEK血管新生阻害薬を含めた抗血管新生治療剤も、有用であり得る。抗血管新生薬、例えば血管内皮増殖因子の効果を阻害するもの(例えば、抗血管内皮細胞増殖因子抗体ベバシズマブ[Avastin(商標)]、および他の機序によって働く化合物(例えば、リノミド、インテグリンαvβ3機能の阻害薬、エンドスタチンおよびアンジオスタチン)。
細胞周期シグナル伝達阻害薬
細胞周期シグナル伝達阻害薬は、細胞周期の制御に関与する分子を阻害する。サイクリン依存性キナーゼ(CDK)と呼ばれるタンパク質キナーゼのファミリーおよびサイクリンと称されるタンパク質のファミリーとのそれらの相互作用は、真核細胞周期を介して進行を制御する。細胞周期を介する正常な進行にとって、異なるサイクリン/CDK複合体の調和した活性化および不活性化が必要である。細胞周期シグナル伝達のいくつかの阻害薬が、開発中である。例えば、CDK2、CDK4、およびCDK6を含めたサイクリン依存性キナーゼならびにこれらの阻害薬の例は、例えば、Rosania 2000に記載されている。
免疫モジュレーター
式Iの化合物と組み合わせて使用するためのまたは併用投与される他の治療剤(例えば、抗悪性腫瘍剤)の追加の例は、免疫モジュレーターである。
本明細書で使用される場合、「免疫モジュレーター」は、免疫系に影響を与えるモノクローナル抗体を含めた任意の物質を指す。免疫モジュレーターは、がんの処置のための抗悪性腫瘍剤として使用することができる。例えば、免疫モジュレーターには、それに限定されるものではないが、抗CTLA-4抗体、例えばイピリムマブ(YERVOY)および抗PD-1抗体(オプジーボ/ニボルマブおよびキイトルーダ/ペンブロリズマブ)が含まれる。他の免疫モジュレーターには、それに限定されるものではないが、ICOS抗体、OX-40抗体、PD-L1抗体、LAG3抗体、TIM-3抗体、41BB抗体およびGITR抗体が含まれる。
抗PD-L1剤
本発明の化合物と組み合わせて使用するためのまたは併用投与される他の治療剤(抗悪性腫瘍剤)の追加の例は、抗PD-L1剤である。抗PD-L1抗体およびそれを作製する方法は、当技術分野で公知である。PD-L1に対するこのような抗体は、ポリクローナルもしくはモノクローナル、および/または組換え型、および/またはヒト化であってもよい。例示的なPD-L1抗体は、米国特許第8217149号、同第8383796号、同第8552154号、同第9212224号および同第8779108号、ならびに米国特許出願公開第2011/0280877号、同第2014/0341902号および同第2013/0045201号に開示されている。PD-L1(CD274またはB7-H1とも呼ばれる)に対する追加の例示的な抗体および使用するための方法は、米国特許第7943743号、同第8168179号および同第7595048号、WO2014/055897、WO2016/007235、ならびに米国特許出願公開第2013/0034559号および同第2015/0274835号に開示されている。PD-L1抗体は、がんの処置のための免疫モジュレーター剤として開発中である。
一実施形態では、PD-L1に対する抗体は、米国特許第8217149号に開示されている抗体である。別の実施形態では、抗PD-L1抗体は、米国特許第8217149号に開示されている抗体のCDRを含む。別の実施形態では、PD-L1に対する抗体は、米国特許第8779108号に開示されている抗体である。別の実施形態では、抗PD-L1抗体は、米国特許出願第8779108号に開示されている抗体のCDRを含む。別の実施形態では、PD-L1に対する抗体は、米国特許出願公開第2013/0045201号に開示されている抗体である。別の実施形態では、抗PD-L1抗体は、米国特許出願公開第2013/0045201号に開示されている抗体のCDRを含む。一実施形態では、抗PD-L1抗体は、WO2007/005874に記載されたBMS-936559(MDX-1105)である。別の実施形態では、抗PD-L1抗体は、MPDL3280A(RG7446)である。
別の実施形態では、抗PD-L1抗体は、MEDI4736であり、これはWO2011/066389およびUS2013/034559に記載されている抗PD-L1モノクローナル抗体である。別の実施形態では、抗PD-L1抗体は、TECENTRIQ(商標)(アテゾリズマブ)であり、これは特定の型の膀胱がんに関して2016年5月に米国において認可された抗PD-L1がん免疫療法である。別の実施形態では、抗PD-L1抗体は、YW243.55.S70であり、これはWO2010/077634および米国特許第8217149号に記載されている抗PD-L1である。本発明の方法に有用な抗PD-L1抗体、およびその作製方法の例は、PCT特許出願WO2010/077634、WO2007/005874、WO2011/066389、米国特許第8217149号、およびUS2013/034559に記載されている。
PD-1アンタゴニスト
本発明の化合物と組み合わせて使用するためのまたは併用投与される他の治療剤(抗悪性腫瘍剤)の追加の例は、PD-1アンタゴニストである。
「PD-1アンタゴニスト」は、免疫細胞(T細胞、B細胞またはNKT細胞)上に発現したPD-1への、がん細胞上に発現したPD-L1の結合を遮断し、好ましくは、免疫細胞に発現したPD-1への、がん細胞上に発現したPD-L2の結合も遮断する、任意の化合物または生物分子を意味する。PD-1およびそのリガンドの代替名または同義語には、PD-1についてはPDCDl、PDl、CD279およびSLEB2が含まれ、PD-LlについてはPDCDlLl、PDLl、B7H1、B7-4、CD274およびB7-Hが含まれ、PD-L2についてはPDCD1L2、PDL2、B7-DC、BtdcおよびCD273が含まれる。ヒト個体が処置されることになる本発明の態様または実施形態の任意の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、ヒトPD-1へのヒトPD-L1の結合を遮断し、好ましくは、ヒトPD-1へのヒトPD-L1とPD-L2の両方の結合を遮断する。
ヒトPD-1アミノ酸配列は、NCBI遺伝子座番号:NP_005009において見出すことができる。ヒトPD-L1およびPD-L2アミノ酸配列は、それぞれ、NCBI遺伝子座番号:NP_054862およびNP_079515に見出すことができる。
本発明の態様のいずれかにおいて有用なPD-1アンタゴニストには、モノクローナル抗体(mAb)、またはその抗原結合性断片が含まれ、これは、PD-1またはPD-L1に特異的に結合し、好ましくは、ヒトPD-1またはヒトPD-L1に特異的に結合する。mAbは、ヒト抗体、ヒト化抗体またはキメラ抗体であってもよく、ヒト定常領域を含むことができる。一部の実施形態では、ヒト定常領域は、IgGl、IgG2、IgG3およびIgG4定常領域からなる群から選択され、好ましい実施形態では、ヒト定常領域は、IgGlまたはIgG4定常領域である。一部の実施形態では、抗原結合性断片は、Fab、Fab’-SH、F(ab’)2、scFvおよびFv断片からなる群から選択される。
ヒトPD-1に結合し、本発明の様々な態様および実施形態において有用なmAbの例は、US7488802、US7521051、US8008449、US8354509、US8168757、WO2004/004771、WO2004/072286、WO2004/056875、およびUS2011/0271358に記載されている。本発明の態様および実施形態のいずれかにおいてPD-1アンタゴニストとして有用な特異的抗ヒトPD-1 mAbには、WHO Drug Information, Vol. 27, No. 2, pages 161-162 (2013)に記載されている構造を有し、図6に示される重鎖および軽鎖アミノ酸配列を含むヒト化IgG4 mAbである、MK-3475;WHO Drug Information, Vol. 27, No. 1, pages 68-69 (2013)に記載されている構造を有し、図7に示される重鎖および軽鎖アミノ酸配列を含むヒトIgG4 mAbである、ニボルマブ;WO2008/156712に記載されているヒト化抗体h409All、h409A16およびh409A17、ならびにMedimmuneによって開発されているAMP-514が含まれる。
本発明の態様および実施形態のいずれかにおいて有用な他のPD-1アンタゴニストには、PD-1に特異的に結合する、好ましくは、ヒトPD-1に特異的に結合するイムノアドヘシン、例えば、免疫グロブリン分子のFc領域などの定常領域に融合したPD-L1もしくはPD-L2の細胞外またはPD-1結合部分を含有する融合タンパク質が含まれる。PD-1に特異的に結合するイムノアドヘシン(immunoadhesion)分子の例は、WO2010/027827およびWO2011/066342に記載されている。本発明の処置方法、医薬および使用においてPD-1アンタゴニストとして有用な特定の融合タンパク質には、AMP-224(B7-DCIgとしても公知)が含まれ、これはPD-L2-FC融合タンパク質であり、ヒトPD-1に結合する。
ヒトPD-L1に結合し、本発明の処置方法、医薬および使用において有用なmAbの他の例は、WO2013/019906、WO2010/077634およびUS8383796に記載されている。本発明の処置方法、医薬および使用においてPD-1アンタゴニストとして有用な特定の抗ヒトPD-L1 mAbには、MPDL3280A、BMS-936559、MEDI4736、MSB0010718Cが含まれる。
キイトルーダ/ペムブロリズマブは、Merckによって肺がんの処置のために販売されている抗PD-1抗体である。ペムブロリズマブのアミノ酸配列および使用方法は、米国特許第8168757号に開示されている。
オプジーボ/ニボルマブは、免疫強化活性を有する負の免疫調節性ヒト細胞表面受容体PD-1(プログラム死-1またはプログラム細胞死-l/PCD-1)に向けられた、Bristol Myers Squibbによって販売されている完全ヒト型モノクローナル抗体である。ニボルマブは、Igスーパーファミリー膜貫通タンパク質であるPD-1に結合し、そのリガンドであるPD-L1およびPD-L2による活性化を遮断し、その結果、T細胞の活性化、および腫瘍細胞または病原体に対する細胞媒介性免疫応答をもたらす。活性化されたPD-1は、PI3k/Akt経路の活性化を抑制することにより、T細胞の活性化およびエフェクター機能を負に調節する。ニボルマブの他の名称には、BMS-936558、MDX-1106、およびONO-4538が含まれる。ニボルマブについてのアミノ酸配列ならびに使用方法および作製方法は、米国特許第8008449号に開示されている。
ICOSに対する抗体
式Iの化合物と組み合わせて使用するためのまたは同時投与される他の治療剤(抗悪性腫瘍剤)の追加の例は、ICOSに対する抗体である。
ICOSは、CD28/CTLA-4-Igスーパーファミリーに対して構造的かつ機能的な関係を有する共刺激T細胞受容体である(Hutloff 1999)。ICOSの活性化は、ICOS-L(B7RP-1/B7-H2)による結合を介して生じる。B7-1およびB7-2(CD28およびCTLA4に対するリガンド)はいずれも、ICOSに結合することもICOSを活性化することもない。しかし、ICOS-Lは、CD28およびCTLA-4の両方と弱く結合することが示された(Yao 2011)。ICOSの発現は、T細胞に制限されると考えられる。ICOS発現レベルは、異なるT細胞サブセット間で、T細胞活性化状態に応じて変わる。ICOS発現は、休止TH17、濾胞性ヘルパーT細胞(TFH)および調節性T細胞(Treg)上で示されたが、CD28とは異なり、ナイーブTHIおよびTH2エフェクターT細胞集団上で高度に発現しない(Paulos 2010)。ICOS発現は、TCRエンゲージメントを介する活性化後に、CD4+およびCD8+エフェクターT細胞上で高度に誘導される(Wakamatsu 2013)。
アゴニスト活性を有するヒトICOSに対するマウス抗体についてのCDRは、PCT/EP2012/055735(WO2012/131004)に示されている。ICOSに対する抗体は、WO2008/137915、WO2010/056804、EP1374902、EP1374901、およびEP1125585にも開示されている。
ICOSに対するアゴニスト抗体またはICOS結合タンパク質は、WO2012/131004、WO2014/033327、WO2016/120789、US20160215059、およびUS20160304610に開示されている。一実施形態では、ICOSに対するアゴニスト抗体には、配列番号1で記載されるCDRHl、配列番号2で記載されるCDRH2、配列番号3で記載されるCDRH3、配列番号4で記載されるCDRLl、配列番号5で記載されるCDRL2および/もしくは配列番号6で記載されるCDRL3、または各CDRの直接的等価物の1つまたは複数を含む、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分が含まれ、ここで直接的等価物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるWO2016/120789に開示されている通り、前記CDR中に2個以下のアミノ酸置換を有する。一実施形態では、ICOS結合タンパク質またはその抗原結合部分は、WO2016/120789に記載される通り、配列番号7で記載されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むVHドメイン、および/または配列番号8で記載されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むVLドメインを含む、ICOSに対するアゴニスト抗体であり、ここで前記ICOS結合タンパク質は、ヒトICOSに特異的に結合する。一実施形態では、ICOS結合タンパク質は、WO2016/120789に記載される通り、配列番号7で記載されるアミノ酸配列を含むVHドメイン、および配列番号8で記載されるアミノ酸配列を含むVLドメインを含む、ICOSに対するアゴニスト抗体である。
Yervoy(イピリムマブ)は、Bristol Myers Squibbによって販売されている完全ヒト型CTLA-4抗体である。イピリムマブのタンパク質構造および使用方法は、米国特許第6984720号および同第7605238号に記載されている。
OX40としても公知のCD134は、CD28とは異なり、休止ナイーブT細胞上に構成的に発現しない、TNFR-スーパーファミリーの受容体のメンバーである。OX40は、活性化の24~72時間後に発現する二次性共刺激分子であり、そのリガンドであるOX40Lも、休止抗原提示細胞上には発現しないが、その活性化後に発現する。OX40の発現は、T細胞の完全活性化に依存し、CD28なしではOX40の発現は遅延し、4分の1の低いレベルである。OX-40抗体、OX-40融合タンパク質およびそれらの使用方法は、米国特許第7504101号、同第7758852号、同第7858765号、同第7550140号、同第7960515号、WO2012/027328、WO2013/028231に開示されている。
一実施形態では、OX40抗原結合タンパク質は、国際出願日2011年8月23日のWO2012/027328(PCT/US2011/048752)に開示されているものである。別の実施形態では、抗原結合タンパク質は、国際出願日2011年8月23日のWO2012/027328(PCT/US2011/048752)に開示されている抗体のCDR、または開示されたCDR配列と90%同一であるCDRを含む。さらなる実施形態では、抗原結合タンパク質は、国際出願日2011年8月23日のWO2012/027328(PCT/US2011/048752)に開示されている抗体のVH、VLもしくはそれらの両方、あるいは開示されているVHまたはVL配列と90%同一であるVHまたはVLを含む。
別の実施形態では、OX40抗原結合タンパク質は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際出願日2012年2月9日のWO2013/028231(PCT/US2012/024570)に開示されている。別の実施形態では、抗原結合タンパク質は、国際出願日2012年2月9日のWO2013/028231(PCT/US2012/024570)に開示されている抗体のCDR、または開示されたCDR配列と90%同一であるCDRを含む。さらなる実施形態では、抗原結合タンパク質は、国際出願日2012年2月9日のWO2013/028231(PCT/US2012/024570)に開示されている抗体のVH、VLもしくはそれらの両方、または開示されたVHもしくはVL配列と90%同一であるVHもしくはVLを含む。一実施形態では、OX40抗原結合タンパク質は、WO2013/028231に記載される配列番号10のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である配列を有する軽鎖可変領域、およびWO2013/028231に記載される配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である配列を有する重鎖可変領域を含む、OX40に対する単離されたアゴニスト抗体である。一実施形態では、OX40抗原結合タンパク質は、WO2013/028231に記載される配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域およびWO2013/028231に記載される配列番号4のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、単離された抗体である。
免疫刺激剤
式Iの化合物またはその塩と組み合わせて使用するためのまたは同時投与される他の治療剤の追加の例は、免疫刺激剤である。
本明細書で使用される場合、「免疫刺激剤」は、免疫系を刺激することができる任意の薬剤を指す。本明細書で使用される場合、免疫刺激剤には、それに限定されるものではないが、Toll様受容体アゴニストなどのワクチンアジュバント、PD-1およびCTL4に対するmAbなどのT細胞チェックポイント遮断薬、ならびにOX-40およびICOSに対するアゴニストmAbなどのT細胞チェックポイントアゴニストが含まれる。本明細書で使用される場合、「免疫刺激剤」は、免疫系を刺激することができる任意の薬剤を指す。本明細書で使用される場合、免疫刺激剤には、それに限定されるものではないが、ワクチンアジュバントが含まれる。
用語「Toll様受容体」(または「TLR」)は、本明細書で使用される場合、微生物産物を感知し、かつ/または適応免疫応答を開始する、Toll様受容体ファミリーのタンパク質のメンバーまたはその断片を指す。一実施形態では、TLRは、樹状細胞(DC)を活性化する。Toll様受容体(TLR)は、微生物病原体を認識する自然免疫系のセンサーとして初めに特定されたパターン認識受容体のファミリーである。TLRは、「PAMP」(病原体関連分子パターン)としばしば呼ばれる、微生物における特徴的な構造を認識する。TLRに対するリガンド結合により、炎症および免疫に関与する因子の産生を誘導する細胞内シグナル伝達経路のカスケードが引き起こされる。ヒトにおいて、10種のTLRが特定されている。細胞表面上で発現するTLRには、TLR-1、-2、-4、-5、および-6が含まれ、一方、TLR-3、-7/8、および-9は、ER区画により発現される。ヒトDCサブセットは、特徴的なTLR発現パターンに基づいて特定することができる。例えば、骨髄性または「従来の」DCサブセット(mDC)は、刺激を受けるとTLR1~8を発現し、活性化マーカー(例えば、CD80、CD86、MHCクラスIおよびII、CCR7)、炎症促進性サイトカイン、およびケモカインのカスケードが産生される。この刺激および生じた発現の結果は、抗原特異的CD4+およびCD8+T細胞プライミングである。これらのDCは、抗原を取り込むための増強された能力を獲得し、抗原を適当な形態でT細胞に提示する。対照的に、DCの形質細胞様サブセット(pDC)は、活性化時にTLR7およびTLR9のみを発現し、NK細胞およびT細胞の活性化を結果としてもたらす。瀕死の腫瘍細胞は、DC機能に有害な影響を与え得るので、TLRアゴニストを用いたDCの活性化が、がんの処置のための免疫療法手法における抗腫瘍免疫のプライミングにとって有益であり得ることが示唆されている。放射線および化学療法を使用する乳がんの処置の成功には、TLR4活性化が必要であることも示唆されている。
当技術分野で公知であり、本発明における使用が見出されたTLRアゴニストには、それに限定されるものではないが、以下の:Pam3Cys、TLRl/2アゴニスト;CFA、TLR2アゴニスト;MALP2、TLR2アゴニスト;Pam2Cys、TLR2アゴニスト;FSL-1、TLR-2アゴニスト;Hib-OMPC、TLR-2アゴニスト;ポリイノシン酸:ポリシチジル酸(ポリI:C)、TLR3アゴニスト;ポリアデノシン-ポリウリジル酸(ポリAU)、TLR3アゴニスト;ポリ-L-リジンおよびカルボキシメチルセルロースで安定化されたポリイノシン酸-ポリシチジル酸(Hiltonol)、TLR3アゴニスト;細菌性フラゲリン TLR5アゴニスト;イミキモド、TLR7アゴニスト;レシキモド、TLR7/8アゴニスト;ロキソリビン、TLR7/8アゴニスト;ならびに非メチル化CpGジヌクレオチド(CpG-ODN)、TLR9アゴニストが含まれる。
当技術分野で公知であり、本発明における使用が見出された追加のTLRアゴニストには、それに限定されるものではないが、TLR4受容体に結合するアミノアルキルグルコサミニドホスフェート(AGP)がさらに含まれ、これは、サイトカイン産生を刺激し、マクロファージを活性化し、自然免疫応答を促進し、免疫化動物において抗体産生を増やすためのワクチンアジュバントおよび免疫刺激剤として有用であることが公知である。天然に存在するTLR4アゴニストの例は、細菌性LPSである。半合成TLR4アゴニストの例は、モノホスホリルリピドA(MPL)である。AGPおよびTLR4を介するそれらの免疫調節効果は、WO2006/016997、WO2001/090129、および/または米国特許第6113918号などの特許公報に開示されており、文献で報告されている。追加のAGP誘導体は、米国特許第7129219号、米国特許第6525028号および米国特許第6911434号に開示されている。ある特定のAGPは、TLR4のアゴニストとして作用し、一方、他のAGPは、TLR4アンタゴニストとして認識されている。
前述の免疫刺激剤に加えて、本発明の組成物は、それらのアジュバント性質に起因して、免疫系を刺激して、不活性化された腫瘍細胞(複数可)上に存在するがん抗原に応答するように作用することができる、他の治療剤をさらに含むことができる。このようなアジュバントには、それに限定されるものではないが、脂質、リポソーム、自然免疫を誘導する不活化された細菌(例えば、不活化または弱毒化リステリア・モノサイトゲネス(Listeriamonocytogenes))、(NOD)様受容体(NLR)、レチノイン酸誘導性遺伝子に基づく(RIG)-I様受容体(RLR)、および/またはC型レクチン受容体(CLR)を介して自然免疫活性化を媒介する組成物が含まれる。PAMPの例として、リポタンパク質、リポポリペプチド、ペプチドグリカン、ザイモサン、リポ多糖、ナイセリアポリン、フラゲリン、プロフィリン、ガラクトセラミド(galactoceramide)、ムラミルジペプチドが挙げられる。ペプチドグリカン、リポタンパク質、およびリポテイコ酸は、グラム陽性細菌の細胞壁成分である。リポ多糖は、大部分の細菌によって発現され、MPLはその一例である。フラゲリンは、病原体性細菌および共生細菌によって分泌される細菌鞭毛の構造成分を指す。rt-ガラクトシルセラミド(rt.-GalCer)は、ナチュラルキラーT(NKT)細胞のアクチベーターである。ムラミルジペプチドは、すべての細菌に共通する生物活性ペプチドグリカンモチーフである。
TLRアゴニストは、それらのアジュバント品質に起因して、好ましくは、他のワクチン、アジュバントおよび/または免疫モジュレーターと組み合わせて使用され、様々な組合せ物で組み合わせることができる。したがって、ある特定の実施形態では、STINGに結合し、STING依存性TBKIの活性化、ならびにDCの誘導、動員および/または成熟を刺激する1種または複数のサイトカインを発現し、分泌する不活性化腫瘍細胞を誘導する、本明細書に記載される式Iの化合物は、本明細書に記載される通り、治療的目的で、1種または複数のTLRアゴニストと一緒に投与することができる。
インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ1(IDO1)は、調節性T細胞生成を促進し、エフェクターT細胞活性化を遮断することによって抗腫瘍免疫応答をモジュレートし、それによって、がん細胞が免疫監視を回避することを可能にすることにより腫瘍成長を容易にする、非常に重要な免疫抑制酵素である(Lemos 2016、Munn 2016)。本発明の式Iの化合物と組み合わせて使用するためのまたは併用投与される、さらなる有効成分(抗悪性腫瘍剤)は、IDO阻害薬である。エパカドスタット、((Z)-N-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)-N’-ヒドロキシ-4-[2-(スルファモイルアミノ)エチルアミノ]-1,2,5-オキサジアゾール-3-カルボキサミジン)は、腫瘍関連の免疫抑制を逆行させ、有効な抗腫瘍免疫応答を回復させる、IDO1酵素の極めて強力な選択的経口阻害薬である。エパカドスタットは、米国特許第8034953号に開示されている。
式Iの化合物と組み合わせて使用するためのまたは併用投与される他の治療剤(抗悪性腫瘍剤)の追加の例は、CD73阻害薬、ならびにA2aおよびA2bアデノシンアンタゴニストである。
式Iの化合物およびその薬学的に許容される塩は、細菌感染症およびウイルス感染症の防止または処置において有用な少なくとも1種の他の治療剤と組み合わせて使用することができる。このような薬剤の例として、限定されるものではないが、ポリメラーゼ阻害薬、例えばWO2004/037818に開示されているもの、ならびにWO2004/037818およびWO2006/045613に開示されているもの;JTK-003、JTK-019、NM-283、HCV-796、R-803、R1728、R1626、ならびにWO2006/018725、WO2004/074270、WO2003/095441、US2005/0176701、WO2006/020082、WO2005/080388、WO2004/064925、WO2004/065367、WO2003/007945、WO02/04425、WO2005/014543、WO2003/000254、EP1065213、WO01/47883、WO2002/057287、WO2002/057245に開示されているものおよび同様の薬剤;複製阻害薬、例えばアシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、シドホビル、ラミブジンおよび同様の薬剤;プロテアーゼ阻害薬、例えばHIVプロテアーゼ阻害薬サキナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、ホスアンプレナビル、ブレカナビル、アタザナビル、チプラナビル、パリナビル、ラシナビル(lasinavir)、およびHCVプロテアーゼ阻害薬BILN2061、VX-950、SCH503034;ならびに同様の薬剤;ヌクレオシドおよびヌクレオチド逆転写酵素阻害薬、例えばジドブジン、ジダノシン、ラミブジン、ザルシタビン、アバカビル、スタブジン、アデホビル、アデホビルジピボキシル、ホジブジン(fozivudine)、トドキシル(todoxil)、エムトリシタビン、アロブジン、アムドキソビル、エルブシタビン、テノホビルジスプロキシルフマル酸塩、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩/ヘミフマル酸塩、および同様の薬剤;非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬(抗酸化活性を有する薬剤、例えばイムノカル(immunocal)、オルチプラズなどを含む)、例えばネビラピン、デラビルジン、エファビレンツ、ロビライド(loviride)、イムノカル、オルチプラズ、カプラビリン、TMC-278、TMC-125、エトラビリン、リルピビリンおよび同様の薬剤;侵入阻害薬、例えばエンフビルチド(T-20)、T-1249、PRO-542、PRO-140、TNX-355、BMS-806、5-Helixおよび同様の薬剤;インテグラーゼ阻害薬、例えばドルテグラビル、エルビテグラビル、ラルテグラビルL-870,180および同様の薬剤;出芽阻害薬、例えばPA-344およびPA-457、および同様の薬剤;ケモカイン受容体阻害薬、例えばビクリビロク(Sch-C)、Sch-D、TAK779、マラビロク(UK-427,857)、TAK449、ならびにWO02/74769、WO2004/054974、WO2004/055012、WO2004/055010、WO2004/055016、WO2004/055011およびWO2004/054581に開示されているもの、ならびに同様の薬剤;薬物動態エンハンサー、例えばコビシスタット;ノイラミニダーゼ阻害薬、例えばCS-8958、ザナミビル、オセルタミビル、ペラミビルおよび同様の薬剤;イオンチャネル遮断薬、例えばアマンタジンまたはリマンタジンおよび同様の薬剤;ならびに干渉RNAおよびアンチセンスオリゴヌクレオチドおよび例えばISIS-14803ならびに同様の薬剤;作用機序未確定の抗ウイルス剤、例えばWO2005/105761、WO2003/085375、WO2006/122011に開示されているもの、リバビリンおよび同様の薬剤が挙げられる。
式Iの化合物およびその薬学的に許容される塩は、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス感染症(KSHVおよびKSHV関連)の処置において有用であり得る他の治療剤と組み合わせて使用することもでき、これには、限定されるものではないが、化学治療剤、例えばブレオマイシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、シクロホスファミド、プレドニゾン、アリトレチノインおよびリポソームのアントラサイクリン、例えばドキソルビシン、ダウノルビシン、免疫療法薬、例えばリツキシマブ、トシリズマブ、シルツキシマブ、ならびにパクリタキセルおよびラパマイシンなどの他のものが含まれる。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の他の治療剤は、抗マイコバクテリア剤または殺菌性抗生物質である。式Iの化合物およびその薬学的に許容される塩は、TB感染症(結核菌)および野兎病(フランシセラ・ツラレンシス(Franciseiia tularensis))の処置において有用であり得る少なくとも1種の他の治療剤と組み合わせて使用することもでき、これらには、それに限定されるものではないが、第一選択の経口剤であるイソニアジド、リファンピシン、ピラジナミド、エタンブトール、ストレプトマイシン、リファブチン;カナマイシン、アミカシン、カプレオマイシン、ストレプトマイシンを含めた注射可能剤;レボフロキサシン モキシフロキサシン オフロキサシンを含めたフルオロキノロン;経口静菌剤であるパラ-アミノサリチル酸 サイクロセリン テリジドン チオナミド(thionamide) プロチオンアミド;SQ-109 PNU-100480、リファペンチン リネゾリド、PA-824 AZD5847、ガチフロキサシン モキシフロキサシン、サチュロ(ベダキリン)デラマニド(OPC-67683)、およびクロファジミン、リネゾリド、アモキシシリン/クラブラネート チオアセタゾン イミペネム/シラスタチン 高用量イソニアジド クラリスロマイシン、シプロフロキサシンを含めた薬物抵抗性TBの処置における作用機序未確定の薬剤が含まれる。式Iの化合物およびその薬学的に許容される塩は、抗マイコバクテリア剤(例えば、イソニアジド(INH)、エタンブトール(ehambutol)(Myambutol(登録商標))、リファンピン(リファジン(登録商標))、およびピラジナミド(PZA))、殺菌性抗生物質(例えば、リファブチン(Mycobutin(登録商標))またはリファペンチン(Priftin(登録商標)))、アミノグリコシド系薬(Capreomycin(登録商標))、フルオロキノロン系(fluorquinolone)(レボフロキサシン、モキシフロキサシン(moxifloxicin)、オフロキサシン)、チオアミド(エチオナミド(ehionamide))、シクロスポリン(Sandimmune(登録商標))、パラ-アミノサリチル酸(para-aminosalicyclic acid)(Paser(登録商標))、サイクロセリン(Seromycin(登録商標))、カナマイシン(Kantrex(登録商標))、ストレプトマイシン、バイオマイシン、カプレオマイシン(Capastat(登録商標)))、ベダキリンフマル酸塩(Sirturo(登録商標))、オキサゾリジノン(Sutezolid(登録商標))、PNU-100480またはデラマニド(OPC-67683)と組み合わせて使用することもできる。
式Iの化合物およびその薬学的に許容される塩は、限定されるものではないが、アジスロマイシン、ドキシサイクリン、エリスロマイシン、レボフロキサシン、オフロキサシンを含めた、クラミジアの処置において有用であり得る少なくとも1種の他の治療剤と組み合わせて使用することもできる。
本発明の化合物は、それに限定されるものではないが、クロロキン、アトバコン-プログアニル、アーテメータ-ルメファントリン、メフロキン、キニーネ、キニジン、ドキシサイクリン(doxocycline)、クリンダマイシン(cindamycin)、アーテスネート、プリマキンを含めた、プラスモジウム感染症の処置において有用であり得る少なくとも1種の他の治療剤と組み合わせて使用することもできる。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の処置において、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩は、グルタメート遮断薬(リルゾール(Rilutek(登録商標)))、キニジン(Nuedexta(登録商標))、抗コリン作用薬(amitriptyline(登録商標)、Artane(登録商標)、スコポラミンパッチ(Transderm Scop(登録商標)))、交感神経様作動薬(プソイドエフェドリン)、粘液溶解薬(グアイフェネシン)または鎮痛薬(トラマドール(Ultram(登録商標))、ケトロラク(Toradol(登録商標))、モルヒネ、フェンタニルパッチ(Duragesic(登録商標)))と組み合わせて使用することができる。
多発性硬化症(multiple scelrosis)の処置において、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩は、副腎皮質ステロイド(プレドニゾン、メチルプレドニゾロン)、インターフェロンベータ1-A(Avonex(登録商標)、Extavia(登録商標)、Rebif(登録商標)、Betaseron(登録商標))、ペグインターフェロンベータ-1A(Plegridy(登録商標))、酢酸グラチラマー(Copaxone(登録商標))、酢酸グラチラマー(Glatopa(登録商標)-コパキソンのジェネリック等価物)、フマル酸ジメチル(Tecfidera(登録商標))、フィンゴリモド(Gilenya(登録商標)))、テリフルノミド(Aubagio(登録商標))、ダルファムプリジン(Ampyra(登録商標))、ダクリズマブ(Zinbryta)、アレムツズマブ(Lemtrada(登録商標))、ナタリズマブ(Tysabri(登録商標))、または塩酸ミトキサントロン(ノバントロン(登録商標))と組み合わせて使用することができる。
本発明の化合物は、任意の所与の抗原に対して生じる免疫応答を改良するために、および/またはそれを必要とする患者、特にヒトにおける反応源性/毒性を低減するために、アジュバントとして使用することもできる。したがって、本発明の化合物は、例えば保護のレベルもしくは持続期間を増大し、かつ/または抗原用量の低減を可能にすることによって免疫応答を改変し、とりわけ増強するために、ワクチン組成物と組み合わせて使用することができる。
式Iの化合物およびその薬学的に許容される塩は、ウイルス感染症の防止または処置において有用な、1種または複数のワクチンまたは免疫原性抗原と組み合わせて使用することができる。このようなワクチンまたは免疫原性抗原には、それに限定されるものではないが、典型的に免疫原性物質として使用される、病原体由来のタンパク質または粒子、例えば弱毒化ウイルス、ウイルス粒子、およびウイルスタンパク質が含まれる。ウイルスおよびウイルス抗原の例として、それに限定されるものではないが、ポリオウイルス、コロナウイルス科およびコロナウイルス、ライノウイルス(すべてのサブタイプ)、アデノウイルス(すべてのサブタイプ)、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、ヒトパピローマウイルス(すべてのサブタイプを含む)、狂犬病ウイルス、ヒトT細胞リンパ球向性(lympotropic)ウイルス(すべてのサブタイプ)、風疹ウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、コクサッキーウイルスA型(すべてのサブタイプ)、コクサッキー(Cosackie)ウイルスB型(すべてのサブタイプ)、ヒトエンテロウイルス、サイトメガロウイルスを含めたヘルペスウイルス、エプスタイン-バーウイルス、ヒトヘルペスウイルス(herepesvi ruses)(すべてのサブタイプ)、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)(すべてのサブタイプ)、エプスタイン-バーウイルス、レオウイルス(すべてのサブタイプ)、マールブルグウイルスおよびエボラウイルスを含めたフィロウイルス(すべての株)、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス、ラッサウイルス、フニンウイルス、およびマチュポウイルスを含めたアレナウイルス、西ナイルウイルス、デングウイルスを含めたアルボウイルス(すべての血清型)、ジカウイルス、コロラドダニ熱ウイルス、シンドビスウイルス、トガウイルス科(Togaviraidae)、フラビウイルス科、ブニヤウイルス科、レオウイルス科、ラブドウイルス科、オルトミクソウイルス科、オルソポックスウイルス(痘瘡ウイルス、サル痘(monkypox)ウイルス、ワクシニアウイルス、牛痘ウイルス)を含めたポックスウイルス、ヤタポックスウイルス(タナポックス(tanapox)ウイルス、ヤバ(Yaba)サル腫瘍ウイルス)、パラポックスウイルス、モルシポックスウイルス、黄熱病、ハンタン、ソウル、ドブラバ(Dobrava)、シンノンブル(Sin Nombre)、プーマラ(Puumala)、およびドブラバ様サーレマー(Saaremaa)を含めたハンタウイルス、ヒトパラインフルエンザウイルスおよびインフルエンザウイルス(すべてのタイプ)、HlNlインフルエンザおよびブタインフルエンザウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(すべてのサブグループ)、ヒトロタウイルスA群~E群、ウシロタウイルス、アカゲザルロタウイルスを含めたロタウイルス、サルウイルス40、JCウイルス、BKウイルス、コルティウイルス、エヤック(eyach)ウイルス、カリシウイルス(calcivirus)を含めたポリオーマウイルス、ならびにディペンドウイルス、パルボウイルスおよびエリスロウイルスを含めたパルボウイルス科が含まれる。
したがって、本発明は、抗原または抗原性組成物および式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を含む免疫原性組成物を提供する。さらに、抗原または抗原性組成物および式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を含むワクチン組成物が提供される。
式Iの化合物およびその薬学的に許容される塩は、ウイルス感染症の防止または処置において有用であり得る、少なくとも1種の他の治療剤、例えば、免疫療法薬(例えばインターフェロンまたは他のサイトカイン/ケモカイン、サイトカイン/ケモカイン受容体モジュレーター、サイトカインアゴニストまたはアンタゴニストおよび同様の薬剤)、ならびに治療ワクチン、抗線維化剤、抗炎症剤、例えば副腎皮質ステロイドまたはNSAID(非ステロイド系抗炎症剤)および同様の薬剤と組み合わせて使用することもできる。
STINGをモジュレートする化合物、特に式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩は、経口または局所用副腎皮質ステロイド、抗TNF剤、5-アミノサリチル酸およびメサラミン調製物、ヒドロキシクロロキン(hydroxycloroquine)、チオプリン、メトトレキセート、シクロホスファミド、シクロスポリン、カルシニューリン阻害薬、ミコフェノール酸、mTOR阻害薬、JAK阻害薬、Syk阻害薬;抗IL6生物製剤、抗ILl剤、抗IL17生物製剤、抗CD22、抗インテグリン剤、抗IFNa、抗CD20もしくはCD4生物製剤および他のサイトカイン阻害薬またはT細胞もしくはB細胞の受容体またはインターロイキンに対する生物製剤を含めた抗炎症生物製剤を含めた、他の抗炎症剤と組み合わせて投与することができる。
例えば、全身性エリテマトーデスおよび関連ループス障害の処置において、STINGをモジュレートする化合物、特に式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩は、副腎皮質ステロイド(例えば、プレドニゾロン(Delatsone(登録商標)、オラプレド(Orapred)、ミリプレド(Millipred)、オムニプレド(Omnipred)、エコノプレド(Econopred)、フロ-プレド(Flo-Pred))、免疫抑制剤(例えば、メトトレキセート(Rhuematrex(登録商標)、Trexall(登録商標))、デキサメタゾン(デカドロン(登録商標)、Solurex(登録商標))、ミコフェノール酸モフェチル(セルセプト(登録商標))、タクロリムス(登録商標)、Sirolimus(登録商標))、B細胞治療(ベリムマブ(Benlysta(登録商標))、B細胞阻害薬(Atacicept(登録商標)、Apratuzumab(登録商標)(抗CD22)、SBI-087(抗CD20)、抗BAFF抗体(LY2127399、A623)、ベルケード(登録商標))、アザチオプリン(Azasan(登録商標)、イムラン(登録商標))、トリアムシノロン(Clinacort(登録商標)、Kenalog-10(登録商標))、ヒドロキシクロロキン(Plaquenil(登録商標))、サリドマイド(Immunoprin(登録商標)、Contergan(登録商標))、免疫グロブリン治療(HyQiva(登録商標)、Flebogamma(登録商標)、Gamunex(登録商標)、Privigen(登録商標)、ガンマガード(登録商標))、抗インターフェロン-アルファ治療(Rontalizumab(登録商標)、Sifalimumab(登録商標)、AGS-009(登録商標)、IFN Kinoid)、TLR7およびTLR9遮断薬(IMO-3100)、抗サイトカイン治療(抗IL6(CNTO-136)、抗インターフェロン-ガンマ(AMG811)、免疫調節治療(Lupuzor(商標)、アバタセプト、Orencia(登録商標)、AMG557、ラキニモド、パキニモド(Paquinimod)、レフルノミド、抗ICOS(Medi-570)、抗CD40リガンド抗体(CDP7657))、ならびに/または血小板凝集阻害薬(アスピリン)を含めた、少なくとも1種の他の治療剤と組み合わせて投与することができる。
血管炎および小型または中型の血管の炎症を伴う疾患の処置において、STINGをモジュレートする化合物、特に式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩は、アルキル化剤(シクロホスファミド、サイトキサン(登録商標))、抗リウマチ性抗CD20抗体(リツキサン(登録商標)、リツキシマブ(登録商標))、および抗TNF阻害薬(Etanrcept(登録商標))と組み合わせて投与することができる。
乾癬の処置において、STINGをモジュレートする化合物、特に式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩は、イキセキズマブ、チルドラキズマブ(MK-3222)またはセクキヌマブ(AIN457)と組み合わせて投与することができる。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の他の治療剤は、吸入副腎皮質ステロイド、長時間作用型ベータアゴニスト、吸入副腎皮質ステロイドと長時間作用型ベータアゴニストの組合せ、短時間作用型ベータアゴニスト、ロイコトリエン修飾薬、抗IgE、メチルキサンチン気管支拡張薬、マスト細胞阻害薬、および長時間作用型ムスカリン性アンタゴニストから選択される。例えば、喘息の処置において、STINGを阻害する化合物、特に式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩は、吸入副腎皮質ステロイド((ICS)、例えばプロピオン酸(proprionate)フルチカゾン(Flovent(登録商標))、ジプロピオン酸ベクロメタゾン(QVAR(登録商標))、ブデソニド(パルミコート)、トリアムシノロン(trimcinolone)アセトニド(Azmacort(登録商標))、フルニソリド(Aerobid(登録商標))、フロ酸(fuorate)モメタゾン(Asmanex(登録商標) Twisthaler(登録商標))またはシクレソニド(Alvesco(登録商標)))、長時間作用型ベータアゴニスト((LABA)、例えばフマル酸ホルモテロール(Foradil(登録商標))、キシナホ酸サルメテロール(セレベント(登録商標)))、ICSおよびLABAの組合せ(例えば、フロ酸フルチカゾンおよびビランテロール(Breo Ellipta(登録商標))、ホルモテロール/ブデソニド吸入(Symbicort(登録商標))、ジプロピオン酸ベクロメタゾン/ホルモテロール(Inuvair(登録商標))、およびプロピオン酸フルチカゾン/サルメテロール(Advair(登録商標))、短時間作用型ベータアゴニスト((SABA)、例えば硫酸アルブテロール(ProAir(登録商標)、Proventil HFA(登録商標)、Ventolin HFA(登録商標)、AccuNeb(登録商標)吸入溶液)、酒石酸レブアルブテロール(Xopenex(登録商標)HFA)、臭化イプラトロピウム/アルブテロール(Combivent(登録商標)Respimat(登録商標))、臭化イプラトロピウム(アトロベント(登録商標)HFA)、ロイコトリエン修飾薬(例えば、モンテルカストナトリウム(シングレア(登録商標))、ザフィルルカスト(アコレート(登録商標))、またはジロートン(Zyflo(登録商標))、および抗IgE(例えば、オマリズマブ(Xolair(登録商標)))、メチルキサンチン気管支拡張薬(例えば、テオフィリン(Accurbron(登録商標)、Aerolate(登録商標)、Aquaphyllin(登録商標)、Asbron(登録商標)、Bronkodyl(登録商標)、Duraphyl(登録商標)、Elixicon(登録商標)、Elixomin(登録商標)、Elixophyllin(登録商標)、Labid(登録商標)、Lanophyllin(登録商標)、Quibron-T(登録商標)、Slo-Bid(登録商標)、Slo-Phyllin(登録商標)、Somophyllin(登録商標)、Sustaire(登録商標)、Synophylate(登録商標)、T-Phyll(登録商標)、Theo-24(登録商標)、Theo-Dur(登録商標)、Theobid(登録商標)、Theochron(登録商標)、Theoclear(登録商標)、Theolair(登録商標)、Theolixir(登録商標)、Theophyl(登録商標)、Theovent(登録商標)、Uni-dur(登録商標)、ユニフィル(登録商標))、マスト細胞阻害薬(例えば、クロモリン(cromulyn)ナトリウム(Nasalcrom(登録商標))およびネドクロミルナトリウム(Tilade(登録商標)))、長時間作用型ムスカリン性アンタゴニスト((LAMA)、例えばフロ酸モメタゾン/ホルモテロールフマル酸塩二水和物(Dulera(登録商標)))と組み合わせて投与することができる。
喘息の処置における併用療法において使用するために適切であり得る他の薬剤には、タンパク質チロシンキナーゼ阻害薬(マシチニブ(masitinib))、CRTH2/D-プロスタノイド受容体アンタゴニスト(antangonist)(AMG853)、インダカテロール(Arcapta(登録商標)Neohaler(登録商標))、エピネフリン吸入エアロゾル(E004)、フロ酸フルチカゾン/プロピオン酸フルチカゾン、ビランテロール(vinanterol)吸入/フロ酸フルチカゾン粉末(Relovair(商標))、プロピオン酸フルチカゾン/フマル酸ホルモテロール脱水物(eformoterol fumarate dehydrate)(Flutiform(登録商標))、レスリズマブ、サルブタモール乾燥粉末吸入、臭化チオトロピウム(スピリーバ(登録商標)HandiHaler(登録商標))、ホルモテロール/ブデソニド(Symbicort(登録商標)SMART(登録商標))、フロ酸フルチカゾン(Veramyst(登録商標))、Vectura製のVR506、レブリキズマブ(RG3637)、併用ホスホジエステラーゼ(PDE)-3および(PDE)-4阻害薬(RPL554)が含まれる。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の他の治療剤は、長時間作用型ベータアゴニスト、長時間作用型吸入抗コリン作用薬またはムスカリン性アンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害薬、吸入副腎皮質ステロイド長時間作用型ベータアゴニストの組合せ、短時間作用型ベータアゴニスト、および吸入副腎皮質ステロイドから選択される。例えば、COPDの処置において、STINGをモジュレートする化合物、特に式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩は、LABA(例えば、キシナホ酸サルメテロール(セレベント)、ウメクリジニウム/ビランテロール(Anoro Ellipta(登録商標))、ウメクリジニウム(Incruse Ellipta(登録商標))、酒石酸ホルモテロール(aformoterol)(Brovana(登録商標))、フマル酸ホルモテロール吸入粉末(Foradil(登録商標))、マレイン酸インダカテロール(indacterol)(Arcapta(登録商標)Neohaler(登録商標))またはプロピオン酸フルチカゾン/フマル酸ホルモテロール脱水和物(Flutiform(登録商標)))、長時間作用型吸入抗コリン作用薬(またはムスカリン性アンタゴニスト、例えば、臭化チオトロピウム(スピリーバ(登録商標))、および臭化アクリジニウム(Tudorza(登録商標)Pressair(登録商標))、ホスホジエステラーゼ(PDE-r)阻害薬(例えば、ロフルミラスト、Daliresp(登録商標))、併用ICS/LABA(例えば、フロ酸フルチカゾンおよびビランテロール(Breo Ellipta(登録商標))、プロピオン酸フルチカゾン/サルメテロール(Advair(登録商標))、ブデソニド/ホルモテロール(Symbicort(登録商標))、モメタゾン/ホルモテロール(Dulera(登録商標))、臭化イプラトロピウム/硫酸アルブテロール(Duoneb(登録商標)、アトロベント(登録商標))、アルブテロール/イプラトロピウム(Combivent Respimat(登録商標)))、SABA(例えば、臭化イプラトロピウム(アトロベント(登録商標))、および硫酸アルブテロール(ProAir(登録商標)、Proventil(登録商標)))、ならびにICS(例えば、ブデソニド(パルミコート(登録商標))およびプロピオン酸フルチカゾン(Flovent(登録商標))、ジプロピオン酸ベクロメタゾン(QVAR(登録商標))と組み合わせて投与することができる。
COPDの処置において併用療法において使用するために適切であり得る他の薬剤には、SCH527123(CXCR2アンタゴニスト)、臭化グリコピロニウム(glycoprronium)((NVA237)Seebri(登録商標)Breezhaler(登録商標))、臭化グリコピロニウムおよびマレイン酸インダカテロール((QVA149)Ultibro(登録商標)Breezhaler(登録商標))、グリコピロレートおよびフマル酸ホルモテロール(PT003)、マレイン酸インダカテロール(QVA149)、オロダテロール(Striverdi(登録商標)Respimat(登録商標))、チオトロピウム(スピリーバ(登録商標))/オロダテロール(Striverdi(登録商標)Respimat(登録商標))、ならびにアクリジニウム/ホルモテロール吸入が含まれる。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の他の治療剤は、経口副腎皮質ステロイド、抗胸腺細胞グロブリン、サリドマイド、クロラムブシル、カルシウムチャネル遮断薬、局所用皮膚軟化薬、ACE阻害薬、セロトニン再取り込み阻害薬、エンドセリン-1受容体阻害薬、抗線維化剤、プロトンポンプ阻害薬またはイマチニブ、ARG201、およびトシリズマブから選択される。例えば、全身性強皮症の処置において、STINGをモジュレートする化合物、特に式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩は、経口副腎皮質ステロイド(例えば、プレドニゾロン(Delatsone(登録商標)、オラプレド、ミリプレド、オムニプレド、エコノプレド、フロ-プレド)、免疫抑制剤(例えば、メトトレキセート(Rhuematrex(登録商標)、Trexall(登録商標))、シクロスポリン(Sandimmune(登録商標))、抗胸腺細胞グロブリン(Atgam(登録商標))、ミコフェノール酸モフェチル(セルセプト(登録商標))、シクロホスファミド(サイトキサン(登録商標))、FK506(タクロリムス)、サリドマイド(Thalomid(登録商標))、クロラムブシル(リューケラン(登録商標))、アザチオプリン(イムラン(登録商標)、Azasan(登録商標)))、カルシウムチャネル遮断薬(例えば、ニフェジピン(Procardia(登録商標)、アダラート(登録商標))またはニカルジピン(Cardene(登録商標))、局所用皮膚軟化薬(ニトログリセリン軟膏)、ACE阻害薬(例えば、リシノプリル(ゼストリル(登録商標)、Prinivil(登録商標))、ジルチアゼム(diltaizem)(Cardizem(登録商標)、Cardizem SR(登録商標)、Cardizem CD(登録商標)、Cardia(登録商標)、Dilacor(登録商標)、Tiazac(登録商標)))、セロトニン再取り込み阻害薬(例えば、フルオキセチン(Prozac(登録商標)))、エンドセリン-1受容体阻害薬(例えば、ボセンタン(トラクリア(登録商標))またはエポプロステノール(フローラン(登録商標)、Veletri(登録商標)、Prostacyclin(登録商標))) 抗線維化剤(例えば、コルヒチン(Colcrys(登録商標))、パラ-アミノ安息香酸(PABA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、およびD-ペニシラミン(Cuprimine(登録商標)、Depen(登録商標))、インターフェロンアルファおよびインターフェロンガンマ(INF-g))、プロトンポンプ阻害薬(例えば、オメプラゾール(Prilosec(登録商標))、メトクロプラミド(Reglan(登録商標))、ランソプラゾール(Prevacid(登録商標))、エスオメプラゾール(Nexium(登録商標))、パントプラゾール(Protonix(登録商標))、ラベプラゾール(Aciphex(登録商標)))またはイマチニブ(グリベック(登録商標))ARG201(arGentis医薬品)、ベリムマブ(Benlysta(登録商標))、トシリズマブ(Actema(登録商標))と組み合わせて投与することができる。
シェーグレン症候群の処置において、STINGをモジュレートする化合物、特に式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩は、抗リウマチ剤(ヒドロキシクロロキンおよびPlaquenil(登録商標)、リドーラ(登録商標)、Kineret(登録商標))、コリン作用性アゴニスト(Salagen(登録商標)、エボザック(登録商標))、JAK阻害薬(Xelijanz(登録商標))、および抗TNF処置(レミケード(登録商標)、Humira(登録商標)、Enbrel(登録商標)、Cimzia(登録商標)、Simponi(登録商標))と組み合わせて投与することができる。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の他の治療剤は、毛様体神経栄養増殖因子または遺伝子導入剤である。例えば、網膜色素変性症の処置において、STINGをモジュレートする化合物、特に式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩は、毛様体神経栄養増殖因子(NT-501-CNTF)または遺伝子導入剤、UshStat(登録商標)と組み合わせて投与することができる。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の他の治療剤は、三価(IIV3)不活化インフルエンザワクチン、四価(IIV4)不活化インフルエンザワクチン、三価組換えインフルエンザワクチン、四価弱毒化生インフルエンザワクチン、抗ウイルス剤または不活化インフルエンザワクチンから選択される。例えば、インフルエンザの処置において、STINGをモジュレートする化合物、特に式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩は、三価(IIV3)不活化インフルエンザワクチン(例えば、Afluria(登録商標)、Fluarix(登録商標)、Flucelvax(登録商標)、FluLaval(登録商標)、Fluvirin(登録商標)、Fluzone(登録商標))、四価(IIV4)不活化インフルエンザワクチン(例えば、Fluarix(登録商標)Quadrivalent、Flulaval(登録商標)Quadrivalent、Fluzone(登録商標)Quadrivalent)、三価組換えインフルエンザワクチン(例えば、FluBlok(登録商標))、四価弱毒化生インフルエンザワクチン(例えば、FluMist(登録商標)Quadrivalent)、抗ウイルス剤(例えば、オセルタミビル(タミフル(登録商標))、ザナミビル(リレンザ(登録商標))、リマンタジン(Flumadine(登録商標))またはアマンタジン(Symmetrel(登録商標)))、またはFluad(登録商標)、フルダーゼ(Fludase)、FluNhance(登録商標)、プレフルセル(Preflucel)、またはVaxiGrip(登録商標)と組み合わせて投与することができる。
ブドウ球菌感染症の処置において、STINGをモジュレートする化合物、特に式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩は、抗生物質(例えば、β-ラクタムセファロスポリン(Duricef(登録商標)、Kefzol(登録商標)、Ancef(登録商標)、Biocef(登録商標)など)、ナフシリン(Unipen(登録商標))、スルホンアミド(スルファメトキサゾールおよびトリメトプリム(Bacrim(登録商標)、Septra(登録商標))、スルファサラジン(アザルフィジン(登録商標))、アセチルスルフイソキサゾール(Gantrisin(登録商標))など)またはバンコマイシン(Vancocin(登録商標)))と組み合わせて投与することができる。
本発明の一実施形態では、少なくとも1種の他の治療剤は、局所用免疫モジュレーターまたはカルシニューリン阻害薬、局所用副腎皮質ステロイド、経口副腎皮質ステロイド、インターフェロンガンマ、抗ヒスタミン薬または抗生物質から選択される。例えば、アトピー性皮膚炎の処置において、STINGをモジュレートする化合物、特に式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩は、局所用免疫モジュレーターまたはカルシニューリン阻害薬(例えば、ピメクロリムス(Elidel(登録商標))またはタクロリムス軟膏(Protopic(登録商標)))、局所用副腎皮質ステロイド(例えば、ヒドロコルチゾン(hydrocortizone)(Synacort(登録商標)、Westcort(登録商標))、ベタメタゾン(Diprolene(登録商標))、フルランドレノリド(Cordan(登録商標))、フルチカゾン(Cutivate(登録商標))、トリアムシノロン(Kenalog(登録商標))、フルオシノニド(Lidex(登録商標))、およびクロベタゾール(Temovate(登録商標)))、経口副腎皮質ステロイド(例えば、ヒドロコルチゾン(コーテフ(登録商標))、メチルプレドニゾロン(メドロール(登録商標))またはプレドニゾロン(Pediapred(登録商標)、Prelone(登録商標))、免疫抑制薬(例えば、シクロスポリン(ネオーラル(登録商標))またはインターフェロンガンマ(Alferon N(登録商標)、Infergen(登録商標)、イントロンA、ロフェロン-A(登録商標)))、抗ヒスタミン薬(そう痒のため、例えばアタラックス(登録商標)、Vistaril(登録商標)、Benadryl(登録商標))、抗生物質(例えば、ペニシリン誘導体フルクロキサシリン(Floxapen(登録商標))またはジクロキサシリン(Dynapen(登録商標))、エリスロマイシン(Eryc(登録商標)、T-Stat(登録商標)、Erythra-Derm(登録商標)など))、非ステロイド性免疫抑制剤(例えば、アザチオプリン(イムラン(登録商標)、Azasan(登録商標))、メトトレキセート(Rhuematrex(登録商標)、Trexall(登録商標))、シクロスポリン(Sandimmune(登録商標))またはミコフェノール酸モフェチル(セルセプト(登録商標)))と組み合わせて投与することができる。
本発明の化合物は、その活性をモジュレートするためのアジュバントとしてワクチンと共に製剤化することもできる。このような組成物は、抗体(複数可)もしくは抗体断片(複数可)、またはそれに限定されるものではないが、タンパク質、DNA、生菌もしくは死菌および/またはウイルスもしくはウイルス様粒子を含めた抗原成分と一緒に、それに限定されるものではないが、アルミニウム塩、油および水エマルション、熱ショックタンパク質、脂質A調製物および誘導体、糖脂質、他のTLRアゴニスト、例えばCpG DNAまたは同様の薬剤、サイトカイン、例えばGM-CSFもしくはIL-12または同様の薬剤を含めた、アジュバント活性を有する1種または複数の成分を含有することができる。
本発明のさらなる態様では、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を含むワクチンアジュバントが提供される。さらに、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、および抗原または抗原組成物を含むワクチン組成物が提供される。
処置方法
本発明の化合物は、治療方法において使用することができる。また、処置を必要とする対象に、治療有効量の本発明の化合物を投与するステップを含む、処置方法が提供される。用語「治療有効量」は、患者に利益をもたらすのに十分な量である。このような利益は少なくとも、少なくとも1つの症状の改善であり得る。投与される実際の量、ならびに投与の速度および時間経過は、処置されるものの性質および重症度に応じて変わる。処置の処方、例えば投薬量の決定は、一般医療従事者および他の医師の責任において行われる。
投与
活性化合物または活性化合物を含む医薬組成物は、全身的/末梢的であるか、所望の作用部位においてであるかに関わらず、それに限定されるものではないが、経口(例えば、摂取による);局所(例えば、経皮、鼻腔内、眼、口腔内頬側、および舌下を含む);肺(例えば、エアロゾルを使用する、例えば口または鼻を介する、例えば吸入または吹送治療による);直腸;膣内;例えば皮下、皮内、筋肉内、静脈内、動脈内、心臓内、髄腔内、脊髄内、関節内(intracapsular)、嚢下、眼窩内、腹腔内、気管内、表皮下、関節内(intraarticular)、くも膜下、硝子体内および胸骨内を含む注射による非経口;例えば、皮下、硝子体内または筋肉内へのデポーのインプラントによるものを含めた任意の好都合な投与経路によって、対象に投与することができる。対象は、真核生物、動物、脊椎動物、哺乳動物、げっ歯類(例えば、モルモット、ハムスター、ラット、マウス)、ネズミ科(例えば、マウス)、イヌ科(例えば、イヌ)、ネコ科(例えば、ネコ)、ウマ科(例えば、ウマ)、霊長類、サル(simian)(例えば、サル(monkey)または類人猿)、サル(monkey)(例えば、マーモセット、ヒヒ)、類人猿(例えば、ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、テナガザル)、またはヒトであり得る。
腫瘍を処置する一実施形態では、腫瘍内注射を使用することができる。
製剤
活性化合物は、単独で投与することが可能であるが、先に定義される少なくとも1つの活性化合物を、1種または複数の薬学的に許容される担体、アジュバント、賦形剤、希釈剤、充填剤、緩衝剤、安定剤、防腐剤、滑沢剤または当業者に周知の他の材料、および必要に応じて他の治療剤または予防剤と一緒に含む医薬組成物(例えば、製剤)として提示することが好ましい。
したがって、本発明はさらに、先に定義される医薬組成物、および先に定義される少なくとも1つの活性化合物を、本明細書に記載される1種または複数の薬学的に許容される担体、賦形剤、緩衝剤、アジュバント、安定剤、または他の材料と一緒に混合するステップを含む、医薬組成物を作製する方法を提供する。
用語「薬学的に許容される」は、本明細書で使用される場合、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症を伴うことなく、対象(例えば、ヒト)の組織と接触させて使用するために適切であり、合理的な損益比に見合う、化合物、材料、組成物、および/または剤形に関する。また、各担体、賦形剤などは、製剤のその他の成分と適合性があるという意味で「許容される」ものでなければならない。
適切な担体、賦形剤などは、標準医学書、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 18th edition, Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1990に見出すことができる。
製剤は、単位剤形で好都合に提示することができ、調剤分野で周知の任意の方法によって調製することができる。このような方法は、活性化合物を、1種または複数の補助成分を構成する担体と合わせるステップを含む。一般に、製剤は、活性化合物を、液体担体または微粉砕された固体担体またはその両方と均一かつ十分に合わせ、次に必要に応じて生成物を成形することによって調製される。
製剤は、液剤、溶液剤、懸濁液剤、エマルション剤、エリキシル剤、シロップ剤、錠剤、ロゼンジ剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、アンプル剤、坐剤、ペッサリー、軟膏、ゲル剤、ペースト剤、クリーム剤、スプレー剤、ミスト剤、フォーム剤、ローション剤、油剤、ボーラス剤、舐剤、またはエアロゾル剤の形態であり得る。
経口投与(例えば、摂取による)に適切な製剤は、それぞれ所定の量の活性化合物を含有する別々の単位、例えばカプセル剤、カシェ剤もしくは錠剤として、散剤もしくは顆粒剤として、水性もしくは非水性液体の溶液剤もしくは懸濁液剤として、または水中油液体エマルション剤もしくは油中水液体エマルション剤として、ボーラス剤として、舐剤として、またはペースト剤として提示することができる。
錠剤は、必要に応じて1種または複数の補助成分と共に、従来の手段、例えば圧縮または成型によって作製することができる。圧縮錠剤は、適切な機械で、必要に応じて1種または複数の結合剤(例えば、ポビドン、ゼラチン、アカシア、ソルビトール、トラガント、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、充填剤または希釈剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロース、リン酸水素カルシウム)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ)、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤または分散化剤または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、および防腐剤(例えば、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸プロピル、ソルビン酸)と混合された、粉末または顆粒などの自由流動形態の活性化合物を圧縮することによって調製することができる。成型錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化化合物の混合物を、適切な機械で成型することによって作製することができる。錠剤は、必要に応じてコーティングし、または割線を入れることができ、所望の放出プロファイルを提供するために、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを様々な割合で使用して、その錠剤の活性化合物を持続放出または制御放出するように製剤化することができる。錠剤には、必要に応じて、胃以外の腸の一部で放出させるために、腸溶コーティングを提供することができる。
局所投与(例えば、経皮、鼻腔内、眼、口腔内頬側、および舌下)に適切な製剤は、軟膏、クリーム剤、懸濁液剤、ローション剤、散剤、溶液剤、ペースト剤、ゲル剤、スプレー剤、エアロゾル剤、または油剤として製剤化することができる。あるいは、製剤は、活性化合物および必要に応じて1種または複数の賦形剤または希釈剤を含浸させた、包帯または絆創膏などのパッチまたは包帯剤を含むことができる。
口内への局所投与に適切な製剤には、風味付けした基剤、通常、スクロースおよびアカシアまたはトラガントに活性化合物を含むロゼンジ剤;不活性基剤、例えばゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアに活性化合物を含むトローチ剤;ならびに適切な液体担体に活性化合物を含む含嗽剤が含まれる。
眼への局所投与に適切な製剤には、活性化合物を、適切な担体、とりわけ活性化合物のための水性溶媒に溶解または懸濁させた点眼薬も含まれる。
担体が固体である経鼻投与に適切な製剤には、例えば、約20~約500ミクロンの範囲の粒径を有する粗い粉末が含まれ、これは、鼻から吸い込む方式で、すなわち鼻近くに保持された粉末の容器から鼻孔を介して急速に吸入することによって投与される。例えば、鼻腔用スプレー、点鼻薬としての投与のための、またはネブライザーによるエアロゾル投与による、担体が液体である適切な製剤には、活性化合物の水性または油性溶液剤が含まれる。
吸入による投与に適切な製剤には、適切な噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロ-テトラフルオロエタン(dichoro-tetrafluoroethane)、二酸化炭素、または他の適切なガスを使用する、加圧パックからのエアロゾルスプレーとして提示される製剤が含まれる。
皮膚を介する局所投与に適切な製剤には、軟膏、クリーム剤、およびエマルション剤が含まれる。軟膏に製剤化される場合、活性化合物は、必要に応じてパラフィン系または水混和性軟膏基剤のいずれかと共に採用することができる。あるいは、活性化合物は、水中油クリーム基剤を用いてクリーム剤に製剤化することができる。所望に応じて、クリーム基剤の水相は、例えば、少なくとも約30w/w%の多価アルコール、すなわち2つまたはそれよりも多いヒドロキシル基を有するアルコール、例えばプロピレングリコール、ブタン-1,3-ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロールおよびポリエチレングリコール、ならびにそれらの混合物を含むことができる。局所製剤は、望ましくは、皮膚または他の患部を介する活性化合物の吸収または浸透を増強する化合物を含むことができる。このような皮膚浸透エンハンサーの例として、ジメチルスルホキシドおよび関連する類似体が挙げられる。
局所用エマルション剤として製剤化される場合、油相は、必要に応じて単に乳化剤(emulsifier)(他には乳化剤(emulgent)としても公知)を含むことができ、あるいは少なくとも1種の乳化剤と、脂肪もしくは油、または脂肪および油の両方との混合物を含むことができる。好ましくは、親水性乳化剤は、安定剤として作用する親油性乳化剤と一緒に含まれる。油および脂肪の両方を含むことも好ましい。全体として、乳化剤(複数可)は、安定剤(複数可)を伴ってまたは伴わず、いわゆる乳化ワックスを構成し、ワックスは、油および/または脂肪と一緒に、クリーム製剤の油分散相を形成する、いわゆる乳化軟膏基剤を構成する。
適切な乳化剤およびエマルション安定剤には、Tween(登録商標) 60、Span(登録商標) 80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリルおよびラウリル硫酸ナトリウムが含まれる。医薬エマルション製剤において使用される可能性が高い大部分の油への活性化合物の溶解度は、非常に低い場合があるので、製剤に適切な油または脂肪の選択は、所望の化粧特性の達成に基づいて行われる。したがって、クリーム剤は、好ましくはチューブまたは他の容器からの漏出を回避するのに適切な粘稠度を有する、べたつかない非染色性の洗浄可能な生成物であるべきである。直鎖または分岐鎖の一塩基性または二塩基性アルキルエステル、例えばジ-イソアジピン酸エステル、ステアリン酸イソセチル、ココナツ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2-エチルヘキシルまたはCrodamol CAPとして公知の分岐鎖エステルのブレンドを使用することができ、最後の3種が好ましいエステルである。これらは、必要な特性に応じて、単独でまたは組合せで使用することができる。
あるいは、高融点脂質、例えば白色軟質パラフィンおよび/または流動パラフィンまたは他の鉱物油を使用することができる。
直腸投与に適切な製剤は、例えば、カカオバターまたはサリチレートを含む適切な基剤を有する坐剤として提示することができる。
膣内投与に適切な製剤は、活性化合物に加えて、当技術分野で適当であることが公知のものなどの担体を含有する、ペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム剤またはスプレー製剤として提示することができる。
非経口投与(例えば、皮膚、皮下、筋肉内、静脈内および皮内を含む注射による)に適切な製剤には、抗酸化剤、緩衝剤、防腐剤、安定剤、静菌剤、および製剤を所期のレシピエントの血液と等張にする溶質を含有し得る、水性および非水性の等張性の、発熱物質を含まない滅菌注射溶液剤;ならびに懸濁化剤および増粘剤、および化合物が血液成分または1つもしくは複数の臓器を標的にするように設計されているリポソームまたはエキソソームまたは他の微粒子系を含み得る、水性および非水性の滅菌懸濁液剤が含まれる。このような製剤において使用するために適切な等張ビヒクルの例として、塩化ナトリウム注射液、リンゲル溶液、または乳酸リンゲル注射液が挙げられる。典型的に、溶液中の活性化合物の濃度は、約1ng/mL~約10μg/mL、例えば約10ng/ml~約1μg/mLである。製剤は、単回用量または複数回用量の封止容器、例えばアンプルおよびバイアルで提示することができ、使用直前に、滅菌液体担体、例えば注射用の水を添加するだけでよいフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保存することができる。準備なしに使用される注射溶液剤および懸濁液剤は、滅菌粉末、顆粒、および錠剤から調製することができる。製剤は、活性化合物が血液成分または1つもしくは複数の臓器を標的にするように設計されたリポソームまたはエキソソームまたは他の微粒子系の形態であってもよい。
投薬量
化合物および化合物を含む組成物の適当な投薬量は、患者ごとに異なる場合があることを、当業者は認識されよう。最適な投薬量の決定は、一般に、任意のリスクまたは有害な副作用に対する治療利益レベルのバランスを取ることを伴う。選択される投薬量レベルは、それに限定されるものではないが、特定の化合物の活性、投与経路、投与の時期、化合物の排出速度、処置期間、併用される他の薬物、化合物および/または材料、状態の重症度、ならびに患者の種、性別、年齢、体重、状態、全体的な健康状態、および過去の病歴を含めた様々な因子に応じて決まる。化合物の量および投与経路は、最終的に、医師、獣医または臨床医の裁量に任されるが、一般に、投薬量は、相当な害を及ぼすまたは有害な副作用を引き起こすことなく所望の効果を達成する、作用部位における局所濃度を達成するように選択される。
投与は、処置経過を通して、1回用量で、連続的にまたは間欠的に(例えば、適当な間隔で分割用量により)行うことができる。投与の最も有効な手段および投薬量を決定する方法は、当業者に周知であり、治療に使用される製剤、治療目的、処置を受ける標的細胞(複数可)、および処置を受ける対象により変わる。1回または複数回の投与は、処置に当たる医師、獣医または臨床医によって選択される用量レベルまたはパターンで行うことができる。
一般に、活性化合物の適切な用量は、1日当たり対象の体重1キログラムにつき約100ng~約25mg(より典型的には、約1μg~約10mg)の範囲内にある。活性化合物が、塩、エステル、アミド、プロドラッグなどである場合、投与される量は、親化合物に基づいて計算され、したがって使用されることになる実際の重量は、比例して増加する。
一実施形態では、活性化合物は、約100mgで1日3回の投薬レジメンに従って、ヒト患者に投与される。
一実施形態では、活性化合物は、約150mgで1日2回の投薬レジメンに従って、ヒト患者に投与される。
一実施形態では、活性化合物は、約200mgで1日2回の投薬レジメンに従って、ヒト患者に投与される。
しかし一実施形態では、活性化合物は、約50mgまたは約75mgで1日3回または4回の投薬レジメンに従って、ヒト患者に投与される。
一実施形態では、活性化合物は、約100mgまたは約125mgで1日2回の投薬レジメンに従って、ヒト患者に投与される。
処置
状態を処置する文脈における用語「処置」は、本明細書で使用される場合、一般に、ヒトまたは動物(例えば、獣医学的適用)に関わらず、一部の所望の治療効果、例えば状態の進行の阻害が達成される処置および治療に関し、進行速度の低減、進行速度の停止、状態の退行、状態の改善、および状態の治癒を含む。予防対策としての処置(すなわち、予防、防止)も含まれる。
用語「治療有効量」は、本明細書で使用される場合、所望の処置レジメンに従って投与される場合、一部の所望の治療効果を提供するのに有効な、合理的な損益比に見合う、活性化合物または活性化合物を含む材料、組成物もしくは剤形の量に関する。
同様に、用語「予防有効量」は、本明細書で使用される場合、所望の処置レジメンに従って投与される場合、一部の所望の予防効果を提供するのに有効な、合理的な損益比に見合う、活性化合物または活性化合物を含む材料、組成物もしくは剤形の量に関する。
対象/患者
対象/患者は、動物、哺乳動物、胎盤哺乳動物、有袋類(例えば、カンガルー、ウォンバット)、単孔類(例えば、カモノハシ)、げっ歯類(例えば、モルモット、ハムスター、ラット、マウス)、ネズミ科(例えば、マウス)、ウサギ類(例えば、ウサギ)、鳥類(例えば、鳥)、イヌ科(例えば、イヌ)、ネコ科(例えば、ネコ)、ウマ科(例えば、ウマ)、豚(例えば、ブタ)、羊(例えば、ヒツジ)、牛属(例えば、ウシ)、霊長類、サル(simian)(例えば、サル(monkey)または類人猿)、サル(monkey)(例えば、マーモセット、ヒヒ)、類人猿(例えば、ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、テナガザル)、またはヒトであり得る。
さらに、対象/患者は、その発育形態のいずれか、例えば胎児であってもよい。好ましい一実施形態では、対象/患者は、ヒトである。
一般合成方法
本発明の化合物は、以下の一般法を採用し、実施例に詳説される手順を使用して調製することができる。言及される反応条件は、例示的であり、非限定的なものであり、例えば当業者は、所望の化合物を合成するための多様な合成方法、例えば限定されるものではないが、文献(例えば、それに限定されるものではないが、March’s Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure, 7th Edition or Larock’s Comprehensive Organic Transformations: Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations)に記載される方法を使用することができる。
前述の式Iの化合物は、以下に概説される合成戦略によって調製することができ、ここで上記の定義が適用される。
一般合成1
Figure 2022541043000008
スキーム1aは、構造G8を有する化合物の合成を例示する。第1のステップは、適切な塩基、例えばそれに限定されるものではないが、KCOの存在下で、適切に置換されているケトンG1を、2-メルカプト酢酸エチルG2と反応させることを伴う。生成物G3の臭素化によるアルキルブロミドG4の形成は、開始剤、例えばそれに限定されるものではないが、過酸化ベンゾイルの存在下で、適切な臭素供給源、例えばそれに限定されるものではないが、N-ブロモスクシンイミドを使用して実施することができる。G4の酸化反応は、適切な酸化剤、例えばそれに限定されるものではないが、N-メチルモルホリンN-オキシドを用いて行って、タイプG5の化合物を得ることができる。式G7の化合物は、(a)適切な酸、例えばそれに限定されるものではないが、酢酸、または(b)亜硫酸水素ナトリウム、または(c)メタ重亜硫酸ナトリウムのいずれかの存在下で、適切に置換されているベンゾチオフェン、チエノピリジンまたはチエノピリミジンG5を、適切に置換されているジ-アニリンG6と縮合することによって作製することができる。カルボン酸G8は、アルカリ金属水酸化物などの塩基または塩酸水溶液などの酸を用いてエステルG7を加水分解することによって形成することができる。
Figure 2022541043000009
C2またはRC3のいずれかがC(=O)NHである式G11の化合物は、(a)適切な酸、例えばそれに限定されるものではないが、酢酸、または(b)亜硫酸水素ナトリウム、または(c)メタ重亜硫酸ナトリウムのいずれかの存在下で、適当に置換されているジ-アニリンG9(ここで、RC2またはRC3の一方は、C(=O)NHである)を、適切に置換されているベンゾチオフェン、チエノピリジンまたはチエノピリミジンG5と反応させて、タイプG10の化合物を得ることによって作製することができる(スキーム1b)。カルボン酸G11は、アルカリ金属水酸化物などの塩基または塩酸水溶液などの酸を用いてエステルG10を加水分解することによって形成することができる。スキーム1cにより、式G10の化合物は、G7(ここで、RN1=H)を、塩基、例えばそれに限定されるものではないが、KCOの存在下で、ハロゲン化アルキル、例えばそれに限定されるものではないが、ヨードメタンと反応させて、位置異性体の混合物(異性体1:RC2=C(=O)NH、RC3=Hおよび異性体2:RC3=C(=O)NH、RC2=H)を得ることによっても形成できることが示され、それらの異性体は、当業者に公知のクロマトグラフィー方法によって分離することができる。
Figure 2022541043000010
一般合成2
Figure 2022541043000011
構造G1の化合物は、適切に置換されているアルデヒドG12を、グリニャール試薬、例えば臭化メチルマグネシウムと反応させて、アルコールG13を得ることによって得ることができる。アルコールG13を酸化してケトンG1を得るための方法は、当業者に明らかであるが、例えば、三酸化クロムおよび硫酸などの試薬の使用を含む。
一般合成3
Figure 2022541043000012
構造G12の化合物は、適切に置換されているアレーンまたはヘテロアレーンGXを、アルキルリチウム、例えばそれに限定されるものではないが、n-ブチルリチウム、またはリチウムアミド塩基、例えばそれに限定されるものではないが、リチウムジイソプロピルアミドのいずれかで処理し、その後、得られたリチウム化種をN,N-ジメチルホルムアミドでクエンチすることによって作製することができる。あるいは、GXをアルキルリチウムまたはリチウムアミドで処理することによって形成されたリチウム化種を、アセトアルデヒドでクエンチして、化合物G13を直接的に得ることができる。
一般合成4
Figure 2022541043000013
酸G8をエステルまたはアミドG15に変換するための条件は、当業者に明らかであるが、スキーム4aに示される通り、過剰の適切な求核試薬G14および触媒、例えば濃硫酸(エステルの形成のため)を含む。あるいは、G8は、まず、カップリング剤、例えばそれに限定されるものではないが、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドまたはN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミドによって活性化した後、触媒、例えばそれに限定されるものではないが、4-ジメチルアミノピリジン(エステルまたはアミドの形成のため)の存在下、または塩基、例えばそれに限定されるものではないが、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(アミドの形成のため)の存在下で、求核試薬G14と反応させることができる。
エステルG17は、スキーム4bに示される通り、適切な塩基、例えばそれに限定されるものではないが、炭酸セシウムの存在下で、酸G8を適切なハロゲン化アルキルG16と反応させることによって得ることができる。
Figure 2022541043000014
一般合成5
Figure 2022541043000015
タイプG7の化合物は、(a)適切な酸、例えばそれに限定されるものではないが、酢酸、または(b)亜硫酸水素ナトリウム、または(c)メタ重亜硫酸ナトリウムのいずれかの存在下で、適当に置換されているベンゾチオフェン、チエノピリジンまたはチエノピリミジンG5を、適切に置換されているジ-アニリン安息香酸G18と縮合することによって形成することもできる。次に、酸G19からのG7の形成は、カップリング試薬、例えばそれに限定されるものではないが、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドまたはN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミドを使用した後、塩基(例えば、N,N-ジイソプロピルエチルアミン)の存在下でアンモニア供給源、例えばそれに限定されるものではないが、塩化アンモニウムと反応させて進行させることができる。
さらなる実施形態
N1
N1がHである場合、アミド-ベンゾイミダゾール部分は、互変異性を呈示する。例えば、RC1およびRC4がHである場合には、RC2=C(=O)NHかつRC3=Hである化合物と、RC3=C(=O)NHかつRC2=Hである化合物とは、互変異性体である。
それに対して、RN1がMeである場合、アミド-ベンゾイミダゾール部分は、互変異性を呈示しない。したがって、RC1およびRC4がHである場合には、RC2=C(=O)NHかつRC3=Hである化合物と、RC3=C(=O)NHかつRC2=Hである化合物とは、位置異性体である。
一部の実施形態では、RN1は、Hである。
一部の実施形態では、RN1は、Meである。
一部の実施形態では、RC2は、C(=O)NHであり、Wは、Oであり、Rは、Hである。これらの実施形態では、化合物は、式Ia1:
Figure 2022541043000016
のものであり、式中、A~A、RN1、RC1、RC3およびRC4は、先に定義される通りである。
一部の実施形態では、RC3は、C(=O)NHであり、Wは、Oであり、Rは、Hである。これらの実施形態では、化合物は、式Ia2:
Figure 2022541043000017
のものであり、式中、A~A、RN1、RC1、RC2およびRC4は、先に定義される通りである。
他の実施形態では、RC2は、C(=O)NHであり、Wは、NHであり、Rは、Hである。これらの実施形態では、化合物は、式Ic1:
Figure 2022541043000018
のものであり、式中、A~A、RN1、RC1、RC3およびRC4は、先に定義される通りである。
他の実施形態では、RC3は、C(=O)NHであり、Wは、NHであり、Rは、Hである。これらの実施形態では、化合物は、式Ic2:
Figure 2022541043000019
のものであり、式中、A~A、RN1、RC1、RC2およびRC4は、先に定義される通りである。
他の実施形態では、RC2は、C(=O)NHであり、Wは、OまたはNHであり、Rは、R1Bである。R1Bは、C3~6シクロアルキル、必要に応じて置換されているC3~7ヘテロシクリルおよび必要に応じて置換されている直鎖または分岐C1~4アルキルから選択される。これらの実施形態では、化合物は、式Ib1:
Figure 2022541043000020
のものであり、式中、A~A、RN1、RC1、RC3およびRC4は、先に定義される通りであり、R1Bは、C3~6シクロアルキル、必要に応じて置換されているC3~7ヘテロシクリルおよび必要に応じて置換されている直鎖または分岐C1~4アルキルから選択される。
他の実施形態では、RC3は、C(=O)NHであり、Wは、OまたはNHであり、Rは、R1Bである。R1Bは、C3~6シクロアルキル、必要に応じて置換されているC3~7ヘテロシクリルおよび必要に応じて置換されている直鎖または分岐C1~4アルキルから選択される。これらの実施形態では、化合物は、式Ib2:
Figure 2022541043000021
のものであり、式中、A~A、RN1、RC1、RC2およびRC4は、先に定義される通りであり、R1Bは、C3~6シクロアルキル、必要に応じて置換されているC3~7ヘテロシクリルおよび必要に応じて置換されている直鎖または分岐C1~4アルキルから選択される。
一部の実施形態では、R/R1Bは、必要に応じて置換されている直鎖または分岐C1~4アルキルである。一部の実施形態では、R/R1Bは、非置換C1~4アルキルである。一部の実施形態では、R/R1Bは、置換C1~4アルキルである。
/R1BがC1~4アルキルである場合、これらの実施形態の一部では、R/R1Bは、メチルである。これらの実施形態の他では、R/R1Bは、エチルである。これらの実施形態の他では、R/R1Bは、プロピル(例えば、イソ-プロピル、n-プロピル)である。これらの実施形態の他では、R/R1Bは、ブチル(例えば、イソ-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ブチル)である。
一部の実施形態では、R/R1Bは、C3~6シクロアルキルである。これらの実施形態の一部では、R/R1Bは、シクロプロピルである。これらの実施形態の他では、R/R1Bは、シクロブチルである。これらの実施形態の他では、R/R1Bは、シクロペンチルである。これらの実施形態の他では、R/R1Bは、シクロヘキシルである。
一部の実施形態では、R/R1Bは、C3~7ヘテロシクリルである。これらの実施形態の一部では、C3~7ヘテロシクリルは、単一の窒素環原子を有する。これらの実施形態の一部では、R/R1Bは、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニルである。これらの実施形態の一部では、R/R1Bは、アゼチジニルである。これらの実施形態の一部では、R/R1Bは、ピペリジニルである。
上の置換基
一部の実施形態では、R/R1Bは、C3~7ヘテロシクリルである場合、メチルおよびエステルから選択される基で置換されている。一部の実施形態では、R/R1Bは、C3~7ヘテロシクリルである場合、メチルで置換されている。一部の実施形態では、R/R1Bは、C3~7ヘテロシクリルである場合、エステルで置換されている。
一部の実施形態では、R/R1Bは、直鎖または分岐C1~4アルキルである場合、アルコキシ、アミノ、アミド、アシルアミド、アシルオキシ、アルキルカルボキシルエステル、アルキルカルバモイル、アルキルカルバモイルエステル、フェニル、ホスホネートエステル、メチルおよびオキソから選択される基で必要に応じて置換されているC3~7ヘテロシクリル、ならびにメチル、アセチルおよびbocから選択される基で必要に応じてN置換されている、天然に存在するアミノ酸から選択される基で置換されている。
一部の実施形態では、R/R1Bは、直鎖または分岐C1~4アルキルである場合、アシルオキシおよびフェニルから選択される基で置換されている。一部の実施形態では、R/R1Bは、アシルオキシで置換されている直鎖または分岐C1~4アルキルである場合、式:
Figure 2022541043000022
の基であるピバロイルオキシメチルである。
一部の実施形態では、R/R1Bは、アシルオキシで置換されている直鎖または分岐C1~4アルキルである場合、式:
Figure 2022541043000023
の基であるプロパノイルオキシイソブチルである。
一部の実施形態では、R/R1Bは、フェニルで置換されている直鎖または分岐C1~4アルキルである場合、ベンジルである。
一部の実施形態では、R/R1Bは、直鎖または分岐C1~4アルキルである場合、メチル、アセチルおよびbocから選択される基で必要に応じてN置換されている、天然に存在するアミノ酸で置換されている。一部の実施形態では、R/R1Bが、天然に存在するアミノ酸で置換されている直鎖または分岐C1~4アルキルである場合、天然に存在するアミノ酸は、バリンである。一部の実施形態では、R/R1Bが、天然に存在するアミノ酸で置換されている直鎖または分岐C1~4アルキルである場合、天然に存在するアミノ酸は、N-メチルバリンである。一部の実施形態では、R/R1Bが、天然に存在するアミノ酸で置換されている直鎖または分岐C1~4アルキルである場合、天然に存在するアミノ酸は、N-アセチルバリンである。一部の実施形態では、R/R1Bが、天然に存在するアミノ酸で置換されている直鎖または分岐C1~4アルキルである場合、天然に存在するアミノ酸は、N-bocバリンである。
一部の実施形態では、R/R1Bは、直鎖または分岐C1~4アルキルである場合、アミノで置換されている。一部の実施形態では、R/R1Bは、直鎖または分岐C1~4アルキルである場合、アミドで置換されている。一部の実施形態では、R/R1Bは、直鎖または分岐C1~4アルキルである場合、アシルアミドで置換されている。一部の実施形態では、R/R1Bは、直鎖または分岐C1~4アルキルである場合、アシルオキシで置換されている。一部の実施形態では、R/R1Bは、直鎖または分岐C1~4アルキルである場合、アルキルカルボキシルエステルで置換されている。一部の実施形態では、R/R1Bは、直鎖または分岐C1~4アルキルである場合、アルキルカルバモイルで置換されている。一部の実施形態では、R/R1Bは、直鎖または分岐C1~4アルキルである場合、アルキルカルバモイルエステルで置換されている。一部の実施形態では、R/R1Bは、直鎖または分岐C1~4アルキルである場合、フェニルで置換されている。一部の実施形態では、R/R1Bは、直鎖または分岐C1~4アルキルである場合、ホスホネートエステルで置換されている。
一部の実施形態では、R/R1Bは、直鎖または分岐C1~4アルキルである場合、メチルおよびオキソから選択される基で必要に応じて置換されているC3~7ヘテロシクリルで置換されている。一部の実施形態では、R/R1Bが、C3~7ヘテロシクリルで置換されている直鎖または分岐C1~4アルキルである場合、C3~7ヘテロシクリルは、メチルおよびオキソから選択される基で必要に応じて置換されているジオキソールである。
式(Ib1)、(Ib2)(Ic1)および(Ic2)の化合物は、式(Ia1)および(Ia2)の酸のプロドラッグである。
~A
一部の実施形態では、Aは、CRである。
他の実施形態では、Aは、Nである。
一部の実施形態では、Aは、CRである。
他の実施形態では、Aは、Nである。
一部の実施形態では、Aは、CRである。
他の実施形態では、Aは、Nである。
一部の実施形態では、Aは、CRである。
他の実施形態では、Aは、Nである。
一部の実施形態では、A、A、AおよびAのうちの2つは、Nである。
他の実施形態では、A、A、AおよびAのうちの1つは、Nである。
他の実施形態では、A、A、AおよびAのいずれも、Nではなく、すなわちA、A、AおよびAは、それぞれCR、CR、CR、およびCRである。
一部の実施形態では、式Iの化合物は、式(IIIa1)~(IIIe1):
Figure 2022541043000024
Figure 2022541043000025
の化合物から選択される。
一部の実施形態では、式Iの化合物は、式(IIIa2)~(IIIe2):
Figure 2022541043000026
Figure 2022541043000027
の化合物から選択される。
、R、RおよびR(存在する場合)
一部の実施形態では、R、R、RおよびR(存在する場合)は、H、F、Cl、Br、Me、CF、シクロプロピル、シアノ、OMe、OEt、CHOH、CHOMeおよびOHから選択される。
一部の実施形態では、R、R、RおよびRのうちの1つ(存在する場合)は、F、Cl、Br、Me、CF、シクロプロピル、シアノ、OMe、OEt、CHOH、CHOMeおよびOHから選択される。残り(存在する場合)は、Hである。
他の実施形態では、R、R、RおよびRのうちの2つ(存在する場合)は、F、Cl、Br、Me、CF、シクロプロピル、シアノ、OMe、OEt、CHOH、CHOMeおよびOHから選択される。残り(存在する場合)は、Hである。
一部の実施形態では、R、R、RおよびRのうちの1つまたは2つ(存在する場合)は、H、F、Cl、Br、Me、CF、シクロプロピル、シアノおよびOMeから選択される。残り(存在する場合)は、Hである。これらの実施形態の一部では、R、R、RおよびRのうちの1つまたは2つ(存在する場合)は、H、F、Cl、Br、Me、CF、シクロプロピルおよびOMeから選択される。残り(存在する場合)は、Hである。これらの実施形態の一部では、R、R、RおよびRのうちの1つまたは2つ(存在する場合)は、H、F、Cl、Br、Me、CFおよびOMeから選択される。残り(存在する場合)は、Hである。これらの実施形態の一部では、R、R、RおよびRのうちの1つまたは2つ(存在する場合)は、H、F、Cl、BrおよびOMeから選択される。残り(存在する場合)は、Hである。
一部の実施形態では、RおよびRは、H、F、Cl、Br、Me、CF、シクロプロピル、シアノおよびOMeから選択され、RおよびRは、Hである。一部の実施形態では、RおよびRは、H、F、Cl、BrおよびOMeから選択され、RおよびRは、Hである。
一部の実施形態では、Rは、H、F、Cl、Br、Me、CF、シクロプロピル、シアノ、OMe、OEtおよびCHOMeから選択される。一部の実施形態では、Rは、H、F、Cl、Br、Me、CF、シクロプロピル、シアノおよびOMeから選択される。一部の実施形態では、Rは、Cl、BrおよびOMeから選択される。一部の実施形態では、Rは、Cl、Br、MeおよびCFから選択される。一部の実施形態では、Rは、Clである。一部の実施形態では、Rは、Brである。一部の実施形態では、Rは、OMeである。
一部の実施形態では、Rは、H、F、Cl、Br、Me、CF、シクロプロピル、シアノ、OMe、CHOH、およびCHOMeから選択される。一部の実施形態では、Rは、H、F、Cl、Br、Me、CF、シクロプロピル、シアノおよびOMeから選択される。一部の実施形態では、Rは、H、F、Br、MeおよびOMeから選択される。一部の実施形態では、Rは、HおよびFから選択される。一部の実施形態では、Rは、Hである。一部の実施形態では、Rは、Fである。一部の実施形態では、Rは、Brである。一部の実施形態では、Rは、Meである。一部の実施形態では、Rは、OMeである。
一部の実施形態では、A、A、AおよびAは、以下の表の組合せ1~9
Figure 2022541043000028
から選択される。
一部の実施形態では、組合せ1、5、7および8が好ましい。
C1、RC2、RC3およびRC4
一部の実施形態では、RC1およびRC4、ならびにRC2およびRC3の一方は、独立に、H、Cl、F、Br、Me、OMe、OEt、シアノ、CFおよびCHOHから選択される。これらの実施形態の一部では、RC1およびRC4、ならびにRC2およびRC3の一方は、独立に、H、Cl、F、CF、OMeおよびCHOHから選択される。これらの実施形態のさらなるものでは、RC1およびRC4、ならびにRC2およびRC3の一方は、独立に、H、Cl、FおよびOMeから選択される。
一部の実施形態では、RC1およびRC4、ならびにRC2およびRC3の一方は、すべてHである。
他の実施形態では、RC1、RC3およびRC4のうちの2つ、またはRC1、RC2およびRC4のうちの2つは、Hであり、その他は、定義されている基(Hを除く)から選択される。これらの実施形態の一部では、RC4は、Fである。これらの実施形態の一部では、RC1は、OMeである。これらの実施形態の一部では、RC1は、Clである。
他の実施形態では、RC1、RC3およびRC4のうちの1つ、またはRC1、RC2およびRC4のうちの1つは、Hであり、その他の2つは、独立に、定義されている基(Hを除く)から選択される。これらの実施形態の一部では、RC1は、OMeであり、RC4は、Fである。
他の実施形態
一部の実施形態では、本発明は、式IV:
Figure 2022541043000029
の化合物に関する
[式中、
Wは、OまたはNHであり、
は、
(i)H、
(ii)C3~6シクロアルキル、
(iii)メチル、および
エステル
から選択される基で必要に応じて置換されているC3~7ヘテロシクリル、ならびに
(iv)アルコキシ、
アミノ、
アミド、
アシルアミド、
アシルオキシ、
アルキルカルボキシルエステル、
アルキルカルバモイル、
アルキルカルバモイルエステル、
フェニル、
ホスホネートエステル、
メチルおよびオキソから選択される基で必要に応じて置換されているC3~7ヘテロシクリル、ならびに
メチル、アセチルおよびbocから選択される基で必要に応じてN置換されている、天然に存在するアミノ酸
から選択される基で必要に応じて置換されている直鎖または分岐C1~4アルキル
から選択され、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
ここで、A、A、A、およびAのうちの2つ以下は、Nであり得、
、R、RおよびRのうちの1つまたは2つ(存在する場合)は、H、F、Cl、Br、Me、CF、シクロプロピル、シアノ、OMe、OEt、CHOH、CHOMeおよびOHから選択され、
、R、RおよびRの残り(存在する場合)は、Hであり、
N1は、Hであり、
C1、RC3およびRC4は、独立に、H、Cl、F、Br、Me、OMe、シアノ、CF、CHOH、CHOMe、C2~4アルケニルおよびCヘテロシクリルから選択される]。
以下の実施例は、単に本発明を例示するために提供され、本明細書に記載される本発明の範囲を限定することを意図しない。
頭字語
便宜上、多くの化学的部分は、それに限定されるものではないが、メチル(Me)、エチル(Et)、n-プロピル(nPr)、イソプロピル(iPr)、n-ブチル(nBu)、tert-ブチル(tBu)、フェニル(Ph)、ベンジル(Bn)、メトキシ(MeO)、エトキシ(EtO)、トリメチルシリル(TMS)、およびアセチル(Ac)を含めた、周知の略語を使用して表される。
便宜上、多くの化合物は、それに限定されるものではないが、メタノール(MeOH)、重水素化メタノール(MeOD-dまたはCDOD) エタノール(EtOH)、イソプロパノール(i-PrOH)、エーテルまたはジエチルエーテル(EtO)、酢酸エチル(EtOAc)、酢酸(AcOH)、アセトニトリル(MeCNまたはACN)、ジクロロメタン(塩化メチレン、DCM)、トリフルオロ酢酸(TFA)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、重水素化クロロホルム(CDCl)、ジエチルアミン(DEA)、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d)、N-エチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリド(EDCl.HCl)、メタ-クロロペルオキシ安息香酸(mCPBA)、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc、BOC)、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEM)、トリエチルアミン(EtNまたはTEA)、2-(1H-7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEAまたはDIEA)、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)(PdCl(dppf))、trans-ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(PdCl(PPh)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd(dba))、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)、プロピルホスホン酸無水物(T3P)、ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)、1,2-ジクロロエタン(DCE)、酸化クロム(VI)(CrO)、n-ブロモスクシンイミド(NBS)、水酸化カリウム(KOH)、過酸化ベンゾイル(BPO)、四塩化炭素(CCl)、石油エーテル(Pet.エーテル)、炭酸カリウム(KCO)、硫酸ナトリウム(NaSO)、リチウムジイソプロピルアミン(LDA)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、N-メチルモルホリンN-オキシド(NMO)、過酸化ベンゾイル(BPO)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を含めた、周知の略語を使用して表される。
他の略語:薄層クロマトグラフィー(TLC)、保持時間(rt)。
一般的な実験詳細
別段記述されない限り、以下の一般化が適用される。H NMRスペクトルは、Bruker Ultrashield Plus(400MHz)またはBruker AVANCE III(400MHz)で記録した。シグナルの多重度は、以下の略語:s、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;dd、二重線の二重線;dt、三重線の二重線;tt、三重線の三重線;td、二重線の三重線;ddd、二重線の二重線の二重線;br、ブロード;m、多重線によって指定される。観察されたすべての結合定数、Jは、ヘルツで報告される。交換可能なプロトンは、常に観察されるわけではない。
LCMSデータは、下記の条件を使用して作製した。塩素同位体は、35Clとして報告し、臭素同位体は、79Brまたは81Brのいずれか、あるいは79Br/81Brの両方として報告する。
LC-MS方法A(LCMS-A):
装置情報
LCモデル:Agilent 1200
(ポンプタイプ:バイナリポンプ、検出器タイプ:DAD)
MSモデル:Agilent G6110A Quadrupole
LCMSパラメータ
LC:カラム:Xbridge-C18、2.5μm、2.1×30mm
カラム温度:30℃
波長取得:214nm、254nm
移動相:A:0.07%HCOOH水溶液、B:MeOH
MS:イオン源:ES+(またはES-) MS範囲:50~900m/z
フラグメンター:60 乾燥ガス流:10L/分
ネブライザー圧力:35psi 乾燥ガス温度:350℃
Vcap:3.5kV
グラジエント表:
Figure 2022541043000030
試料調製
試料を、メタノールに約0.11~1mg/mLの濃度で溶解させ、次に0.22μmのシリンジフィルターを介して濾過した。(注入体積:1~10μL)
LC-MS方法B(LCMS-B):
装置情報
LCモデル:Agilent 1200
(ポンプタイプ:バイナリポンプ、検出器タイプ:DAD)
MSモデル:Agilent G6110A Quadrupole
LCMSパラメータ
LC:カラム:Xbridge-C18、2.5μm、2.1×30mm
カラム温度:30℃
波長取得:214nm、254nm
移動相:A:0.07%HCOOH水溶液、B:MeOH
MS:イオン源:ES+(またはES-) MS範囲:50~900m/z
フラグメンター:60 乾燥ガス流:10L/分
ネブライザー圧力:35psi 乾燥ガス温度:350℃
Vcap:3.5kV
グラジエント表:
Figure 2022541043000031
試料調製
試料を、メタノールに約0.11~1mg/mLの濃度で溶解させ、次に0.22μmのシリンジフィルターを介して濾過した。(注入体積:1~10μL)
LC-MS方法C(LCMS-C):
装置情報
LCモデル:Waters 2695 alliance(ポンプタイプ:クォータナリポンプ、検出器:2996光ダイオードアレイ検出器)
MSモデル:Micromass ZQ
LCMSパラメータ
LC:カラム:Xbridge-C18、3.5μm、2.1×50mm
カラム温度:30℃
波長取得:214nm、254nm
移動相:A:0.07%HCOOH水溶液、B:MeOH
MS:イオン源:ES+(またはES-) MS範囲:50~900m/z
キャピラリー:3kV コーン:3V 抽出器:3V
乾燥ガス流:600L/時間 コーン:50L/時間
脱溶媒和温度:300℃
供給源温度:100℃
グラジエント表:
Figure 2022541043000032
試料調製
試料を、メタノールに約0.11~1mg/mLの濃度で溶解させ、次に0.22μmのシリンジフィルターを介して濾過した。(注入体積:1~10μL)
LC-MS方法D(LCMS-D):
装置情報
LCモデル:Waters 2695 alliance
(ポンプ:クォータナリポンプ、検出器:2996光ダイオードアレイ検出器)
MSモデル:Micromass ZQ
LCMSパラメータ
LC:カラム:Xbridge-C18、2.5μm、2.1×30mm
カラム温度:30℃
波長取得:214nm、254nm
移動相:A:0.05%HCOOH水溶液、B:MeOH
実施時間:5分
MS:イオン源:ES+(またはES-) MS範囲:50~900m/z
キャピラリー:3.5kV コーン:35V 抽出器:3V
乾燥ガス流:350L/時間 コーン:50L/時間
脱溶媒和温度:300℃
供給源温度:120℃
実施時間:5分
グラジエント表:
Figure 2022541043000033
試料調製
試料を、メタノールに約0.11~1mg/mLの濃度で溶解させ、次に0.22μmのシリンジフィルターを介して濾過した。(注入体積:1~10μL)
分取RP-HPLC:
機器タイプ:Varian 940-LCシリーズ;
ポンプタイプ:クォータナリポンプ;
検出器タイプ:ダイオードアレイ検出器
HPLC条件:Waters Sunfire prep C18 OBD、5μm 19×100mmのカラム、0.07%TFAを含む水中MeOHのグラジエントで、流速15mL/分で溶離。取得波長214nm、254nm。
分析用薄層クロマトグラフィーは、Merckシリカゲル 60 F254アルミニウム張りプレートで実施し、それをUV光下で蛍光消光を使用するか、または塩基性KMnO滴下もしくはニンヒドリン滴下を使用して可視化した。
分取薄層クロマトグラフィー(分取TLC)は、Tklst(中国)、最上級グレード:(HPTLC):8±2μm>80%;(TLC):10~40μm、タイプ:GF254を使用して実施した。化合物を、UV(254nm)によって可視化した。
フラッシュクロマトグラフィーは、Biotage Isolera精製システムを使用し、GraceまたはRediSep(登録商標)シリカカートリッジのいずれかを使用して実施した。
カラムクロマトグラフィーは、Tklst(中国)、最上級グレード、100~200メッシュシリカゲルを使用して実施した。
マイクロ波照射は、CEM Explorer SPマイクロ波反応器を使用して達成した。
必要に応じて、無水溶媒を、Sigma-Aldrichから購入するか、または従来の方法を使用して乾燥させた。無機酸または塩基の溶液は、別段記述されない限り水溶液として作製した。
使用した追加のカートリッジは、以下の通りである。
相分離器:
製造社:Biotage
製品:ISOLUTE(登録商標)相分離器(別段記述されない限り3mL)
SCXおよびSCX-2カートリッジ:
製造社:Biotage
製品:ISOLUTE(登録商標)SCX 1g(別段記述されない限り6mLのSPEカラム)
製造社:Biotage
製品:ISOLUTE(登録商標)SCX-2 1g(6mLのカラム)
製造社:Silicycle
製品:SCX-2 500mgまたは5g
製造社:Agilent
製品:Bond Elut(登録商標)SCX 10g
試料抽出カートリッジ:
製造社:Waters
製品:Oasis(登録商標)HLB 35cc(6g)LP抽出カートリッジ
塩化水素、水酸化ナトリウム、炭酸カリウムおよび重炭酸ナトリウムの溶液は、別段記述されない限り水溶液である。
中間体の調製
(i)3,4-ジアミノベンズアミド(I1)
Figure 2022541043000034
濃硫酸(20mL)中、3,4-ジアミノベンゾニトリル(1.0g、7.51mmol)の溶液を、室温で一晩撹拌した。水(100mL)を添加し、生じた混合物を、4MのNaOH水溶液でpH10に調整し、EtOAc(100mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を、減圧下で濃縮して、標題化合物I1(800mg、70%)を淡黄色の固体として得た。LCMS-A(ES-API):rt 0.31分、m/z 152.0[M+H]
(ii)3,4-ジアミノ-5-フルオロベンズアミド(I4)
Figure 2022541043000035
(a)4-アミノ-3-フルオロ-5-ニトロベンゾニトリル(I2)
DMF(150mL)中、4-ブロモ-2-フルオロ-6-ニトロアニリン(9.23g、39.3mmol)の溶液に、CuCN(7.04g、78.6mmol)を添加し、混合物を、165℃で一晩加熱した。水を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、減圧下で濃縮し、残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(Pet.エーテル/EtOAc=10:1)によって精製して、標題化合物I2(5.0g、70%)を黄色の固体として得た。LCMS-B(ES-API):rt 0.30分、m/z 182.0[M+H]
(b)4-アミノ-3-フルオロ-5-ニトロベンズアミド(I3)
濃HSO(15mL)中、4-アミノ-3-フルオロ-5-ニトロベンゾニトリル(I2)(1.5g、8.28mmol)の溶液を、室温で一晩撹拌した。水を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、減圧下で濃縮し、残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH=50:1)によって精製して、標題化合物I3(1.63g、99%)を黄色の固体として得た。LCMS-B(ES-API):rt 0.30分、m/z 200.0[M+H]
(c)3,4-ジアミノ-5-フルオロベンズアミド(I4)
MeOH(50mL)およびTHF(50mL)中、4-アミノ-3-フルオロ-5-ニトロベンズアミド(I3)(1.63g、8.19mmol)の溶液に、10%Pd/C(87mg)を添加し、混合物を、室温でH雰囲気下において一晩撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH=10:1)によって精製して、標題化合物I4(1.2g、87%)を緑色の固体として得た。LCMS-B(ES-API):rt 0.29分、m/z 170.0[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.74 (s, 2H), 7.56 - 7.47 (m, 2H), 7.45 (s, 2H), 7.26 - 7.12 (m, 2H).
(iii)3,4-ジアミノ-2-メトキシ安息香酸(I5)
Figure 2022541043000036
THF(10mL)および水(5mL)中、メチル3,4-ジアミノ-2-メトキシベンゾエート(200mg、1.02mmol)の溶液に、NaOH(122mg、3.06mmol)を添加し、混合物を、50℃で一晩加熱した。THFの大部分を減圧下で除去し、水性残留物を、1MのHCl水溶液でpH5に調整し、次に減圧下で濃縮した。残留物をMeOHに懸濁し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物I5(183mg、98%)を黒色の固体として得た。LCMS-B(ES-API):rt 0.29分、m/z 205.0[M+Na]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.76 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.19 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 4.52 (s, 2H), 4.02 (s, 2H), 3.69 (s, 3H).
(iv)エチル4-クロロ-3-ホルミルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(I8)
Figure 2022541043000037
(a)エチル4-クロロ-3-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(I6)
DMF(200mL)中、1-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)エタノン(25.0g、145mmol)、2-メルカプト酢酸エチル(17.4g、145mmol)およびKCO(30.0g、217mmol)の溶液を、100℃で一晩加熱した。混合物を室温に放冷し、次に水(1.0L)およびEtOAc(500mL)に注いだ。有機層を分離し、水層をEtOAc(500mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、Pet.エーテル/EtOAcから再結晶化させることによって精製して、標題化合物I6(28.0g、76%)を黄色の固体として得た。LCMS-A:rt 2.82分;m/z 255.0[M+H]
(b)エチル3-(ブロモメチル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(I7)
CCl(200mL)中、エチル4-クロロ-3-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(I6)(28.0g、0.11mol)、NBS(19.6g、0.11mol)およびBPO(2.67g、0.011mol)の懸濁液を、115℃で1.5時間加熱した。混合物を室温に放冷し、次に減圧下で濃縮し、残留物を、DCM/Pet.エーテルから再結晶化させることによって精製して、標題化合物I7(26.0g、71%)を紫色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.74 (dd, J = 8.0, 1.2 Hz, 1H), 7.46 (dd, J = 7.6, 0.8 Hz, 1H), 7.40 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 5.61 (s, 2H), 4.44 (q, J = 7.1 Hz 2H), 1.44 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
(c)エチル4-クロロ-3-ホルミルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(I8)
THF(250mL)中、エチル3-(ブロモメチル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(I7)(10.00g、29.97mmol)およびNMO(14.00g、119.88mmol)の混合物を、16時間、加熱還流させた。混合物を減圧下で濃縮し、残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(Pet.エーテル/EtOAc=100:1~50:1)によって精製して、標題化合物I8(2.70g、34%)を白色の固体として得た。LCMS-B(ES-API):rt 4.16分、m/z 269.0[M+H]、290.9[M+Na]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.7 (s, 1H), 8.17 (dd, J = 7.6, 1.5 Hz, 1H), 7.66 - 7.58 (m, 2H), 4.36 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.32 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
(v)エチル4-クロロ-7-フルオロ-3-ホルミルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(I13)
Figure 2022541043000038
(a)1-(6-クロロ-2,3-ジフルオロフェニル)エタン-1-オール(I9)
乾燥THF(100mL)中、ジイソプロピルアミン(4.4g、43.9mmol)の溶液に、-78℃で窒素下においてn-BuLi(n-ヘキサン中2.5M溶液、17.6mL、43.9mmol)を滴下添加し、続いて4-クロロ-1,2-ジフルオロベンゼン(5.0g、33.8mmol)を滴下添加し、混合物を、1時間撹拌した。アセトアルデヒド(4.4g、101.4mmol)を滴下添加し、混合物を、室温に加温し、一晩撹拌した。反応混合物を、飽和NHCl水溶液を添加することによってクエンチし、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(Pet.エーテル/EtOAc=1:0~20:1)によって精製して、標題化合物(3.0g、46%)を黄色の油状物として得た。LCMS-B:rt 3.39分;m/z 175.0[M-OH]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.41 - 7.33 (m, 1H), 7.31 - 7.25 (m, 1H), 5.54 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 5.25 - 5.16 (m, 1H), 1.45 (d, J = 6.7 Hz, 3H).
(b)1-(6-クロロ-2,3-ジフルオロフェニル)エタン-1-オン(I10)
乾燥DCM(50mL)中、1-(6-クロロ-2,3-ジフルオロフェニル)エタン-1-オール(I9)(3.0g、15.6mmol)の溶液に、デス-マーチンペルヨージナン(19.8g、46.7mmol)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を濾過し、濾液を水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、飽和NaHCO水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(Pet.エーテル)によって精製して、標題化合物(2.3g、79%)を黄色の油状物として得、それを次のステップで直接使用した。
(c)エチル4-クロロ-7-フルオロ-3-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(I11)
DMF(20mL)中、1-(6-クロロ-2,3-ジフルオロフェニル)エタン-1-オン(I10)(1.8g、9.3mmol)およびKCO(3.9g、28.0mmol)の混合物に、窒素下で2-メルカプト酢酸エチル(1.3g、11.2mmol)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。水を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、水、ブラインで洗浄し、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(Pet.エーテル/EtOAc=1:0)によって精製して、標題化合物(1.5g、60%)を褐色の固体として得た。LCMS-A:rt 3.54分;m/z 273.0[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.55 - 7.50 (m, 1H), 7.40 (t, J = 8.7 Hz, 1H), 4.35 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.97 (s, 3H), 1.34 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
(d)エチル3-(ブロモメチル)-4-クロロ-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(I12)
CCl(50mL)中、エチル4-クロロ-7-フルオロ-3-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(I11)(1.5g、5.5mmol)の溶液に、NBS(978mg、5.5mol)およびAIBN(451mg、2.75mmol)を添加し、混合物を、80℃でN下において一晩加熱した。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出し、合わせた有機抽出物を、水、ブラインで洗浄し、減圧下で濃縮して、標題化合物(1.3g、80%)を黄色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.67 - 7.61 (m, 1H), 7.50 (t, J = 8.7 Hz, 1H), 5.47 (s, 2H), 4.41 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.36 (t, J = 7.0 Hz, 3H).
(e)エチル4-クロロ-7-フルオロ-3-ホルミルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(I13)
THF(20mL)中、エチル3-(ブロモメチル)-4-クロロ-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(I12)(1.0g、2.8mmol)の溶液に、N下でNMO(1.33g、11.4mmol)を添加し、混合物を、16時間、加熱還流させた。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(Pet.エーテル/EtOAc=1:0~100:1)によって精製して、標題化合物(250mg、31%)を白色の固体として得た。LCMS-B:rt 4.39分;m/z 286.9[M+H]、308.9[M+Na]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.7 (s, 1H), 7.73 - 7.66 (m, 1H), 7.57 (t, J = 8.9 Hz, 1H), 4.38 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 1.32 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
(vi)エチル4-ブロモ-7-フルオロ-3-ホルミルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(I15)
Figure 2022541043000039
I14は、WO2019/219820の化合物I52である。
エチル4-ブロモ-7-フルオロ-3-ホルミルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(I15)
THF(5mL)中、エチル4-ブロモ-3-(ブロモメチル)-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(I14)(676mg、1.71mmol)およびNMO(800mg、6.84mmol)の溶液を、N下で16時間、加熱還流させた。混合物を、水(30mL)とEtOAc(30mL)とで分配し、層を分離し、水層をEtOAc(30mL×3)でさらに抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(Pet.エーテル/EtOAc=100:1~30:1)によって精製して、標題化合物(243mg、43%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.8 (s, 1H), 7.85 (dd, J = 8.4, 4.4 Hz, 1H), 7.52 (t, J = 9.2 Hz, 1H), 4.39 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.33 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
(vii)エチル7-ブロモ-3-ホルミル-4-メトキシチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボキシレート(I18)
Figure 2022541043000040
I16は、WO2019/219820の化合物I29である。
(a)エチル7-ブロモ-3-(ブロモメチル)-4-メトキシチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボキシレート(I17)
ACN(50mL)中、エチル4-メトキシ-3-メチルチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボキシレート(I16)(2.0g、7.96mmol)およびNBS(2.2g、11.9mmol)の溶液に、AIBN(654mg、3.98mmol)を添加し、混合物を、80℃で3時間加熱した。混合物を、水とEtOAcとで分配し、層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製生成物(3.2g)を黄色の固体として得た。NMR分析によって、標題化合物およびエチル7-ブロモ-4-メトキシ-3-メチルチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボキシレートの1:2混合物の存在が示された。この混合物を、さらなる精製なしに次のステップで使用した。
標題化合物(少量の成分)についてのH NMR:1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.34 (s, 1H), 5.29 (s, 2H), 4.41 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 4.08 (s, 3H), 1.38 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
エチル7-ブロモ-4-メトキシ-3-メチルチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボキシレート(主な成分)についてのH NMR:1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.24 (s, 1H), 4.36 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 4.02 (s, 3H), 2.85 (s, 3H), 1.34 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
(b)エチル7-ブロモ-3-ホルミル-4-メトキシチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボキシレート(I18)
THF(50mL)中、エチル7-ブロモ-3-(ブロモメチル)-4-メトキシチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボキシレート/エチル7-ブロモ-4-メトキシ-3-メチルチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボキシレート(I17)の1:2混合物(2.5g、推定2.3mmolのエチル7-ブロモ-3-(ブロモメチル)-4-メトキシチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボキシレート))の溶液に、NMO(5.4g、30.3mmol)を添加し、混合物を、一晩加熱還流させた。混合物を、水とEtOAcとで分配し、層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(Pet.エーテル/EtOAc=1/0~5/1)によって精製して、標題化合物を黄色の固体として得た(350mg、エチル4-メトキシ-3-メチルチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボキシレートI16から、2ステップで収率13%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.5 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 4.39 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.99 (s, 3H), 1.33 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
(viii)3,4-ジアミノ-2-メトキシベンズアミド(I23)
Figure 2022541043000041
(a)メチル4-アセトアミド-5-クロロ-2-メトキシ-3-ニトロベンゾエート(I19)
標題化合物を、WO2008/65508に記載されている手順に従って、市販のメチル4-アセトアミド-5-クロロ-2-メトキシベンゾエートから調製した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.3 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 2.03 (s, 3H).
(b)4-アセトアミド-5-クロロ-2-メトキシ-3-ニトロ安息香酸(I20)
EtOH/水(10:1、30mL)中、メチル4-アセトアミド-5-クロロ-2-メトキシ-3-ニトロベンゾエート(I19)(4.0g、0.013mol)の溶液に、NaOH(5.2g、0.13mol)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。EtOHの大部分を減圧下で除去し、水性残留物を2MのHCl水溶液でpH7に酸性化した。生じた沈殿物を濾過によって収集し、真空下で乾燥させて、標題化合物(2.3g、61%)を白色の固体として得た。LCMS-B(ES-API):rt 1.70分、m/z 310.9、312.9[M+Na]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.3 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 3.87 (s, 3H), 2.03 (s, 3H).
(c)4-アミノ-5-クロロ-2-メトキシ-3-ニトロ安息香酸(I21)
MeOH(20mL)中、4-アセトアミド-5-クロロ-2-メトキシ-3-ニトロ安息香酸(I20)(2.3g、0.008mol)およびNaOH(3.2g、0.08mol)の混合物を、70℃で16時間加熱した。混合物を水で希釈し、MeOHの大部分を、減圧下で除去した。水性残留物を、2MのHCl水溶液でpH6に酸性化し、EtOAc(40mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(Pet.エーテル/EtOAc=20:1~8:1)によって精製して、標題化合物(1.36g、69%)を白色の固体として得た。LCMS-B(ES-API):rt 2.90分、m/z 247.0、249.0[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.0 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 6.74 (s, 2H), 3.81 (s, 3H).
(d)4-アミノ-5-クロロ-2-メトキシ-3-ニトロベンズアミド(I22)
DMF(20mL)中、4-アミノ-5-クロロ-2-メトキシ-3-ニトロ安息香酸(I21)(1.36g、5.5mmol)、NHCl(0.44g、8.3mmol)、HOBt(1.12g、8.3mmol)、EDCI.HCl(1.27g、6.6mmol)およびDIPEA(1.08g、8.3mmol)の混合物を、室温でN下において一晩撹拌した。水(30mL)を添加し、混合物を、EtOAc(30mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を、水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(Pet.エーテル/EtOAc=20:1~3:1)によって精製して、標題化合物(1.2g、89%)を黄色の固体として得た。LCMS-B(ES-API):rt 2.70分、m/z 246.0、247.9[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.67 (s, 1H), 7.53 (br s, 2H), 6.50 (s, 2H), 3.79 (s, 3H).
(e)3,4-ジアミノ-2-メトキシベンズアミド(I23)
MeOH(30mL)中、4-アミノ-5-クロロ-2-メトキシ-3-ニトロベンズアミド(I22)(1.2g、5.9mmol)の溶液を、Nを吹き込むことによって10分間脱気した。10%Pd/C(1.5g)を添加し、続いてEtN(30mL)を添加し、生じた混合物を、H(5気圧)下で6時間撹拌した。混合物を、セライトパッドを介して濾過し、MeOHですすぎ、濾液を減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100:1~90:1)によって精製して、標題化合物(534mg、50%)を白色の固体として得た。LCMS-B(ES-API):rt 0.8分、m/z 182.0[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d-6) δ 7.38 (s, 1H), 7.05 (s, 1H), 6.97 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.34 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.11 (s, 2H), 4.35 (s, 2H), 3.65 (s, 3H).
実施例
エチル3-(5-カルバモイル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(1)
Figure 2022541043000042
EtOH(5mL)中、3,4-ジアミノベンズアミド(I1)(50mg、0.33mmol)およびエチル4-クロロ-3-ホルミルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(I8)(89mg、0.33mmol)の溶液に、AcOH(2滴)を添加し、混合物を、室温で48時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残留物を、分取TLC(DCM/MeOH=15:1)によって精製して、標題化合物1(40mg、30%)を白色の固体として得た。LCMS-A(ES-API):rt 0.72分、m/z 399.9[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.0 - 12.9 (m, 1H), 8.26 - 8.11 (m, 2H), 8.00 - 7.99 (m, 1H), 7.85 - 7.78 (m, 1H), 7.70 - 7.56 (m, 3H), 7.28 - 7.25 (m, 1H), 4.09 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 0.88 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
3-(5-カルバモイル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(2)
Figure 2022541043000043
メタノール(6mL)および水(2mL)中、エチル3-(5-カルバモイル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(1)(50mg、0.13mmol)の溶液に、KOH(35mg、0.63mmol)を添加し、混合物を、60℃で1時間加熱した。メタノールの大部分を減圧下で除去し、水性残留物を、1MのHCl水溶液でpH5に調整した。生じた沈殿物を濾過によって収集し、水(10mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させて、標題化合物2(20mg、42%)を白色の固体として得た。LCMS-A(ES-API):rt 0.39分、m/z 371.9[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.26 - 8.19 (m, 2H), 8.03 (br s, 1H), 7.86 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.65 - 7.53 (m, 2H), 7.30 (br s, 1H).
エチル3-(5-カルバモイル-7-フルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(3)
Figure 2022541043000044
EtOH(20mL)中、3,4-ジアミノ-5-フルオロベンズアミド(I4)(300mg、1.77mmol)、エチル4-クロロ-3-ホルミルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(I8)(477mg、1.77mmol)の溶液に、AcOH(0.3mL)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH=50:1)によって精製して、標題化合物3(80mg、10%)を白色の固体として得た。LCMS-D(ES-API):rt 1.20分、m/z 417.9[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.6 - 13.3 (m, 1H), 8.24 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.20 - 7.96 (m, 2H), 7.70 - 7.54 (m, 3H), 7.45 - 7.38 (m, 1H), 4.12 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 0.91 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
エチル3-(6-カルバモイル-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(4)
Figure 2022541043000045
(a)2-(4-クロロ-2-(エトキシカルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-3-イル)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸(A1)
DMF(10mL)中、3,4-ジアミノ-2-メトキシ安息香酸(I5)(90mg、0.49mmol)の溶液に、エチル4-クロロ-3-ホルミルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(I8)(133mg、0.49mmol)およびNaHSO(103mg、0.99mmol)を添加し、混合物を、80℃でN下において一晩加熱した。水を添加し、混合物を、EtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を、水(50mL×3)、ブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、分取TLC(DCM/MeOH=15:1)によって精製して、標題化合物A1(66mg、31%)を白色の固体として得た。LCMS-B(ES-API):rt 3.41分;m/z 431.0[M+H]
(b)エチル3-(6-カルバモイル-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(4)
DMF(5mL)中、2-(4-クロロ-2-(エトキシカルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-3-イル)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸(A1)(77mg、0.18mmol)、NHCl(19.mg、0.36mmol)、HATU(82mg、0.21mmoL)およびDIPEA(69mg、0.54mmol)の混合物を、室温でN下において一晩撹拌した。混合物を水(50mL)に注ぎ、EtOAc(50mL×3)で抽出し、合わせた有機抽出物を、水(50mL×3)、ブライン(50ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、分取TLC(DCM/MeOH=15:1)によって精製して、標題化合物4(60mg、78%)を白色の固体として得た。LCMS-B(ES-API):rt 3.28分;m/z 430.0[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.2 - 13.1 (m, 1H), 8.24 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.84 - 7.68 (m, 2H), 7.68 - 7.51 (m, 2H), 7.41 (s, 1H), 7.24 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 4.36 (s, 3H), 4.11 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 0.92 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
エチル3-(5-カルバモイル-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレートおよびエチル3-(6-カルバモイル-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(5.1および5.2)
Figure 2022541043000046
DMF(5mL)中、エチル3-(5-カルバモイル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(1)(0.050g、0.13mmol)、MeI(0.054mg、0.38mmol)およびKCO(0.052g、0.38mmol)の懸濁液を、室温で一晩撹拌した。水(50mL)を添加し、混合物を、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物を、水(50mL×2)、ブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、分取HPLC(Agilent ProStar、YMC-C18、150×20mmのカラム、0.07%TFAを含む水中MeOHのグラジエントを用いて流速20mL/分で溶離)によって精製して、5.1を最初に溶離した位置異性体として得(「ピーク1」)、5.2を次に溶離した位置異性体として得た(「ピーク2」)。5.1および5.2について示される構造は、構造が割り当てられなかったため、単に例示的なものである。
ピーク1-5.1(HPLC:rt 6.36分):白色の固体として(15mg、29%)。LCMS-A(ES-API):rt 0.25分;m/z 413.9[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.37 - 8.22 (m, 2H), 8.07 (br s, 1H), 7.95 - 7.84 (m, 1H), 7.82 - 7.56 (m, 3H), 7.41 (br s, 1H), 4.11 (br s, 2H), 3.65 (s, 3H), 0.87 (br s, 3H).
ピーク2-5.2(HPLC:rt 6.75分):白色の固体として(5mg、9%)。LCMS-A(ES-API):rt 0.28分;m/z 413.9[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO- d6) δ 8.30 - 8.24 (m, 2H), 8.08 (br s, 1H), 7.96 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 7.80 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.69 - 7.58 (m, 2H), 7.34 (br s, 1H), 4.15 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.65 (s, 3H), 0.87 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
3-(5-カルバモイル-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸および3-(6-カルバモイル-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(6.1および6.2)
Figure 2022541043000047
(a)エチル3-(5-カルバモイル-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレートおよびエチル3-(6-カルバモイル-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(A2)
DMF(10mL)中、エチル3-(5-カルバモイル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(1)(0.200g、0.501mmol)、MeI(0.214g、1.50mmol)およびKCO(0.208g、1.50mmol)の懸濁液を、室温で一晩撹拌した。水(50mL)を添加し、混合物を、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物を、水(100mL×3)、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、分取TLC(DCM/MeOH=20:1)によって精製して、2つの標題化合物の混合物(30mg、14%)を白色の固体として得た。
(b)3-(5-カルバモイル-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸および3-(6-カルバモイル-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸6.1および6.2
メタノール(10mL)および水(3mL)中、エチル3-(5-カルバモイル-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレートおよびエチル3-(6-カルバモイル-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(A2)(0.030g、0.07mmol)の混合物の溶液に、KOH(0.21g、0.36mmol)を添加し、混合物を、60℃で1時間加熱した。メタノールの大部分を減圧下で除去し、水性残留物を、1MのHCl水溶液(5mL)溶液でpH5に調整した。生じた沈殿物を濾過によって収集し、水(10mL)、EtO(10mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させて、2つの標題化合物の混合物(0.023g、85%)を黄色の固体として得た。混合物中、割り当てられていない位置異性体の比は、H NMRによって決定すると、約2:1であった。6.1および6.2について示される構造は、構造が割り当てられなかったため、単に例示的なものである。LCMS-A(ES-API):rt 0.39分、m/z 386.1[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.54 (s, 1H), 8.36 (s, 0.5H), 8.33 - 8.28 (m, 1.5H), 8.22 (br s, 1.5H), 8.08 - 8.03 (m, 1.5H), 7.95 (d, J = 8.4 Hz, 0.5H), 7.88 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.68 - 7.61 (m, 3H), 7.52 (br s, 1H), 7.45 (br s, 0.5H), 3.77 (s, 3H), 3.74 (s, 1.5H).
エチル4-ブロモ-3-(5-カルバモイル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(7)および4-ブロモ-3-(5-カルバモイル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(8)
Figure 2022541043000048
(a)エチル4-ブロモ-3-(5-カルバモイル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(7)
DMF(10mL)中、エチル4-ブロモ-7-フルオロ-3-ホルミルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(I15)(0.218g、0.66mmol)、3,4-ジアミノベンズアミド(I1)(0.200g、0.66mmol)およびNaHSO(0.069g、0.66mmol)の溶液を、80℃で一晩、N下で加熱した。水(50mL)を添加し、混合物を、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、標題化合物(280mg、92%)を白色の固体として得た。LCMS-B(ES-API):rt 3.27分、m/z 462.0、464.0[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.36 - 8.19 (m, 1H), 8.15 - 8.00 (m, 1H), 7.99 - 7.66 (m, 3H), 7.65 - 7.25 (m, 1H), 7.42 - 7.25 (m, 1H), 4.13 - 4.01 (m, 2H), 1.02 - 0.82 (m, 3H).
(b)4-ブロモ-3-(5-カルバモイル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(8)
水(1mL)およびTHF(9mL)中、エチル4-ブロモ-3-(5-カルバモイル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(7)(0.120g、0.26mmol)およびLiOH.HO(0.0326g、0.78mmol)の混合物を、室温で一晩撹拌した。混合物を水(50mL)で希釈し、EtOAc(50mL×3)で洗浄した。水相をHCl水溶液で酸性化し、DCM(50mL×4)で抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、標題化合物(65mg、57%)を白色の固体として得た。LCMS-B(ES-API):rt 2.62分、m/z 433.9、435.9[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.19 (s, 1H), 7.99 (br s, 1H), 7.81 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.79 - 7.73 (m, 1H), 7.64 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.47 (t, J = 8.9 Hz, 1H), 7.23 (br s, 1H).
3-(6-カルバモイル-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(9)
Figure 2022541043000049
THF(4mL)および水(2mL)中、エチル3-(6-カルバモイル-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(4)(0.060g、0.14mmol)およびLiOH.HO(0.018g、0.42mmol)の混合物を、室温で一晩撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残留物を水(2mL)で希釈し、2MのHCl水溶液でpH4~5に調整した。生じた沈殿物を濾過によって収集し、真空下において55℃で1時間乾燥させて、標題化合物(20mg、35%)を白色の固体として得た。LCMS-B(ES-API):rt 2.76分、m/z 402.0、404.0[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.28 (dd, J = 7.6, 1.6 Hz, 1H), 7.81 (br s, 1H), 7.78 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.68 - 7.61 (m, 2H), 7.59 (br s, 1H), 7.49 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.19 (s, 3H).
エチル4-ブロモ-3-(6-カルバモイル-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(10)および4-ブロモ-3-(6-カルバモイル-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(11)
Figure 2022541043000050
(a)2-(4-ブロモ-2-(エトキシカルボニル)-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-3-イル)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸(A3)
DMF(23mL)中、3,4-ジアミノ-2-メトキシ安息香酸(I5)(408mg、2.24mmol)の溶液に、エチル4-ブロモ-7-フルオロ-3-ホルミルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(I15)(742mg、2.24mmol)およびNaHSO(233mg、2.24mmol)を添加し、混合物を、80℃でN下において一晩加熱した。水を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100:1~90:1)によって精製して、標題化合物(238mg、22%)を褐色の固体として得た。LCMS-C(ES-API):rt 4.05分、m/z 493.0、495.0[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.1 (br s, 1H), 7.82 (dd, J = 8.5, 4.7 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.57 - 7.50 (m, 1H), 7.26 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.26 (s, 3H), 4.14 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 0.93 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
(b)エチル4-ブロモ-3-(6-カルバモイル-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(10)
DMF(9mL)中、2-(4-ブロモ-2-(エトキシカルボニル)-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-3-イル)-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸(A3)(228mg、0.462mmol)の溶液に、EDCI.HCl(133mg、0.693mmol)、HOBt(94mg、0.69mmol)、DIPEA(299mg、2.31mmol)および濃NHOH水溶液(65mg、1.85mmol)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。水を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、分取TLC(DCM/MeOH=20:1)によって精製して、標題化合物(65mg、29%)を白色の固体として得た。LCMS-C(ES-API):rt 3.85分、m/z 491.9、493.9[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.1 (br s, 1H), 7.84 - 7.78 (m, 2H), 7.72 (br s, 1H), 7.56 - 7.51 (m, 1H), 7.41 (br s, 1H), 7.26 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.37 (s, 3H), 4.14 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 0.93 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
(c)4-ブロモ-3-(6-カルバモイル-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(11)
EtOH/水(6mL/3mL)中、エチル4-ブロモ-3-(6-カルバモイル-7-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(10)(0.060g、0.12mmol)の溶液に、NaOH(15mg、0.37mmol)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残留物を水で希釈し、2MのHCl水溶液でpH4~5に調整し、生じた沈殿物を濾過によって収集し、減圧下で乾燥させて、標題化合物(48mg、84%)を白色の固体として得た。LCMS-C(ES-API):rt 2.85分、m/z 464.0、466.0[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO- d6) δ 7.81 - 7.74 (m, 2H), 7.70 (br s, 1H), 7.49 (t, J = 8.9 Hz, 1H), 7.42 (br s, 1H), 7.27 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.32 (s, 3H).
エチル3-(5-カルバモイル-4-クロロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(12)
Figure 2022541043000051
(a)4-ブロモ-3-クロロ-2-ニトロアニリン(A4)
酢酸(1L)中、3-クロロ-2-ニトロアニリン(25.0g 0.145mol)およびNBS(25.8g 0.145mol)の溶液を、N下で一晩、加熱還流させた。水(1L)を添加し、不溶性物質を濾過によって収集して、標題化合物(22.3g、62%)を灰色の固体として得た。LCMS-C(ES-API):rt 3.84分;m/z 250.9、252.9[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.56 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.84 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.41 (s, 2H).
(b)メチル3,4-ジアミノ-2-クロロベンゾエート(A5)
MeOH(250mL)中、4-ブロモ-3-クロロ-2-ニトロアニリン(A4)(18.9g 75.5mmol)、Pd(dppf)Cl(8.27g、11.3mmol)およびEtN(22.9g、226.5mmol)の混合物を、一酸化炭素雰囲気下で48時間、加熱還流させた。混合物を水(500mL)に注ぎ、EtOAc(250mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を、ブライン(250mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(Pet.エーテル/EtOAc=5:1~2:1)によって精製して、標題化合物(1.0g、6%)を黄色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.08 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.48 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.58 (s, 2H), 4.89 (s, 2H), 3.72 (s, 3H).
(c)3,4-ジアミノ-2-クロロ安息香酸(A6)
EtOH/HO(8mL/2mL)中、メチル3,4-ジアミノ-2-クロロベンゾエート(A5)(0.200g、1.0mmol)およびNaOH(400mg、10mmol)の混合物を、80℃で5時間加熱した。混合物のpHを、2MのHCl水溶液で約4~5に調整し、水(50mL)で希釈し、EtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を、ブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、標題化合物(160mg、86%)を赤色の固体として得た。LCMS-C(ES-API):rt 0.48分;m/z 187.0、189.0[M+H]
(d)4-クロロ-2-(4-クロロ-2-(エトキシカルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボン酸(A7)
DMF(15mL)中、3,4-ジアミノ-2-クロロ安息香酸(A6)(150mg、0.8mmol)、エチル4-クロロ-3-ホルミルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(I8)(215mg、0.8mmol)およびNaHSO(167mg、1.6mmol)の溶液を、120℃でN下において一晩加熱した。混合物を水(100mL)に注ぎ、EtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を、ブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc)によって精製して、標題化合物(250mg、72%)を黒色の固体として得た。LCMS-C(ES-API):rt 3.70分;m/z 434.9、436.9[M+H]
(e)エチル3-(5-カルバモイル-4-クロロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(12)
DMF(10mL)中、4-クロロ-2-(4-クロロ-2-(エトキシカルボニル)ベンゾ[b]チオフェン-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボン酸(A7)(0.200g、0.46mmol)、EDCI.HCl(0.132g、0.69mmol)、DIPEA(0.297g、2.3mmol)およびHOBt(0.093g、0.69mmol)の溶液を、室温で15分間撹拌した。次に、NHCl(0.123g、2.3mmol)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。水を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(Pet.エーテル/EtOAc=1:1~1:4)によって精製して、標題化合物(110mg、55%)を白色の固体として得た。LCMS-C(ES-API):rt 3.28分;m/z 433.96、435.98[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.2 (s, 1H), 8.26 - 8.22 (m, 1H), 7.96 - 7.83 (m, 1H), 7.68 - 7.53 (m, 4H), 7.35 - 7.33 (m, 1H), 4.13 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 0.98 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
3-(5-カルバモイル-4-クロロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(13)
Figure 2022541043000052
EtOH/水(4mL/1mL)中、エチル3-(5-カルバモイル-4-クロロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(12)(50mg、0.1mmol)およびNaOH(40mg、10mmol)の溶液を、80℃で6時間加熱した。溶媒を減圧下で除去し、残留物を水(2mL)で希釈し、2MのHCl水溶液でpH4~5に酸性化した。生じた沈殿物を濾過によって収集して、標題化合物(30mg、75%)を白色の固体として得た。LCMS-C(ES-API):rt 2.42分;m/z 405.9、407.9[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.22 (dd, J = 8.0, 0.8 Hz 1H), 7.86 (s, 1H), 7.61 - 7.53 (m, 4H), 7.32 (d, J = 8.2 Hz 1H).
エチル4-ブロモ-3-(6-カルバモイル-7-エトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(14)
Figure 2022541043000053
(a)メチル4-フルオロ-2-ヒドロキシベンゾエート(A8)
MeOH(600mL)中、4-フルオロ-2-ヒドロキシ安息香酸(50.0g、320.3mmol)および濃HSO(40mL、672.7mmol)の混合物を、N下で16時間、加熱還流させた。混合物を水(500mL)に注ぎ、EtOAc(500mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を、水(500mL×2)、ブライン(500mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(Pet.エーテル/EtOAc=100:1~20:1)によって精製して、標題化合物(50.0g、91%)を白色の固体として得た。LCMS-A(ES-API):rt 1.80分、m/z 171.1[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.8 (s, 1H), 7.83 (dd, J = 8.9, 6.8 Hz, 1H), 6.90 - 6.70 (m, 2H), 3.88 (s, 3H).
(b)メチル4-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-ニトロベンゾエート(A9)
濃HSO(40mL)中、メチル4-フルオロ-2-ヒドロキシベンゾエート(A8)(20.0g、117mmol)の溶液に、濃HNO(8mL)を0℃でN下において滴下添加し、混合物を、0℃で一晩撹拌した。混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出し、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(Pet.エーテル/EtOAc=1:0~100:1)によって精製して、標題化合物(1.7g、6%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.08 (dd, J = 9.1, 6.4 Hz, 1H), 7.17 (t, J = 9.3 Hz, 1H), 3.93 (s, 3H).
(c)メチル2-エトキシ-4-フルオロ-3-ニトロベンゾエート(A10)
DMF(20mL)中、メチル4-フルオロ-2-ヒドロキシ-3-ニトロベンゾエート(A9)(900mg、4.2mmol)の溶液に、ヨードエタン(980mg、6.3mmol)およびKCO(1.74g、12.6mmol)を添加し、混合物を、室温でN下において一晩撹拌した。水を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(Pet.エーテル/EtOAc=1:0~100:1)によって精製して、標題化合物(600mg、58%)を黄色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.10 (dd, J = 9.1, 6.5 Hz, 1H), 7.48 (t, J = 9.0 Hz, 1H), 4.13 (d, J =7.0 Hz, 2H), 3.89 (s, 3H), 1.27 (t, J = 7.0 Hz, 3H).
(d)メチル4-アミノ-2-エトキシ-3-ニトロベンゾエート(A11)
メチル2-エトキシ-4-フルオロ-3-ニトロベンゾエート(A10)(0.900g、4.2mmol)および1,4-ジオキサン(200mL)中0.5MのNHの溶液の混合物を、100℃で一晩加熱した。水を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(Pet.エーテル/EtOAc=1:0~100:1)によって精製して、標題化合物(600mg、67%)を黄色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.68 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.68 (s, 2H), 6.64 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 4.00 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 3.77 (s, 3H), 1.24 (t, J = 7.0 Hz, 3H).
(e)4-アミノ-2-エトキシ-3-ニトロ安息香酸(A12)
EtOH(10mL)中、メチル4-アミノ-2-エトキシ-3-ニトロベンゾエート(A11)(0.900g、3.75mmol)の溶液に、水(10mL)中、NaOH(1.5g、37.5mmol)の溶液を添加し、生じた混合物を室温で一晩撹拌した。EtOHの大部分を減圧下で除去し、水性残留物を、1MのHCl水溶液でpH5に調整した。生じた沈殿物を濾過によって収集し、真空下で乾燥させて、標題化合物(570mg、67%)を黄色の固体として得た。LCMS-B(ES-API):rt 2.85分、m/z 226.8[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.5 (s, 1H), 7.67 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.56 (s, 2H), 4.03 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 1.23 (t, J = 7.0 Hz, 3H).
(f)3,4-ジアミノ-2-エトキシ安息香酸(A13)
EtOH(22mL)中、4-アミノ-2-エトキシ-3-ニトロ安息香酸(A12)(0.470g、2.08mmol)の溶液に、Znダスト(0.816g、12.5mmol)および飽和NHCl水溶液(11mL)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。EtOHの大部分を減圧下で除去し、水性残留物を凍結乾燥させた。残留物を、10:1のDCM/MeOH(50mL)ですすぎ、濾液を減圧下で濃縮して、標題化合物(400mg、98%)を黒色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.98 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.30 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.24 (s, 2H), 4.25 (s, 2H), 3.85 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 1.30 (t, J = 7.0 Hz, 3H).
(g)2-(4-ブロモ-2-(エトキシカルボニル)-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-3-イル)-7-エトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸(A14)
DMF(6mL)中、3,4-ジアミノ-2-エトキシ安息香酸(A13)(110mg、0.56mmol)の溶液に、NaHSO(59mg、0.56mmol)およびエチル4-ブロモ-7-フルオロ-3-ホルミルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(I15)(185mg、0.56mmol)を添加し、混合物を、80℃でN下において一晩加熱した。水を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、分取TLC(DCM/MeOH=15:1)によって精製して、標題化合物(80mg、28%)を黄色の固体として得た。LCMS-B(ES-API):rt 3.81分、m/z 507.0、509.0[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.1 (br s, 1H), 12.3 (br s, 1H), 7.82 (dd, J = 8.8, 4.8 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.53 (t, J = 8.9 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.70 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 4.14 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 1.30 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.92 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
(h)エチル-4-ブロモ-3-(6-カルバモイル-7-エトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(14)
DMF(4mL)中、2-(4-ブロモ-2-(エトキシカルボニル)-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-3-イル)-7-エトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-カルボン酸(A14)(0.080g、0.16mmol)の溶液に、EDCI.HCl(0.045g、0.24mmol)、HOBt(0.032g、0.24mmol)、DIPEA(0.102g、0.79mmol)および濃NHOH水溶液(0.022g、0.62mmol)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。水を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、分取TLC(DCM/MeOH=15:1)によって精製して、標題化合物(7.0mg、9%)を白色の固体として得た。LCMS-B(ES-API):rt 3.62分、m/z 506.1、508.1[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.0 (br s, 1H), 7.85 - 7.76 (m, 3H), 7.53 (t, J = 8.7 Hz, 1H), 7.42 (br s, 1H), 7.26 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 4.70 (q, J = 6.7 Hz, 2H), 4.13 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 1.34 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 0.92 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
4-ブロモ-3-(6-カルバモイル-7-エトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(15)
Figure 2022541043000054
EtOH(2mL)中、エチル-4-ブロモ-3-(6-カルバモイル-7-エトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(14)(0.050g、0.099mmol)の溶液に、水(2mL)中、NaOH(0.040g、0.99mmol)の溶液を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。EtOHの大部分を減圧下で除去し、水性残留物を、1MのHCl水溶液でpH5に調整した。生じた沈殿物を濾過によって収集し、分取HPLC(Varian-940-LC、BOSTON、250×2.12mm、10μmのカラム、0.1%ギ酸を含む水中ACNのグラジエントを用いて、流速20.0mL/分で溶離)によって精製して、標題化合物(5mg、10%)を白色の固体として得た。LCMS-B(ES-API):rt 2.88分、m/z 478.0、480.0[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.9 (br s, 1H), 7.78 - 7.75 (m, 2H), 7.68, (br s, 1H), 7.39 - 7.35 (m, 2H), 7.27 - 7.19 (m, 1H), 4.88 - 4.75 (m, 2H), 1.34 (t, J = 6.0 Hz, 3H).
エチル7-ブロモ-3-(5-カルバモイル-4-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-メトキシチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボキシレート(16)および7-ブロモ-3-(5-カルバモイル-4-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-メトキシチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸(17)
Figure 2022541043000055
(a)エチル7-ブロモ-3-(5-カルバモイル-4-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-メトキシチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボキシレート(16)
DMF(5mL)中、エチル7-ブロモ-3-ホルミル-4-メトキシチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボキシレート(I18)(100mg、0.3mmol)、3,4-ジアミノ-2-メトキシベンズアミド(I23)(52.6mg、0.3mmol)およびNaHSO(15.6mg、0.15mmol)の混合物を、80℃でN下において一晩加熱した。水(5mL)を添加し、混合物を、EtOAc(5mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を、水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、標題化合物(126mg、83%)を黄色の固体として得た。LCMS-B(ES-API):rt 3.44分、m/z 505.0、507.0[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.9 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 7.81 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.73 (s, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.26 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.39 (s, 3H), 4.15 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 3.70 (s, 3H), 0.97 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
(b)7-ブロモ-3-(5-カルバモイル-4-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-メトキシチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボン酸(17)
10:1のEtOH/HO(5mL)中、エチル7-ブロモ-3-(5-カルバモイル-4-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-メトキシチエノ[3,2-c]ピリジン-2-カルボキシレート(16)(118mg、0.23mmol)およびNaOH(93.4mg、2.3mmol)の混合物を、室温で一晩撹拌した。EtOHの大部分を減圧下で除去し、水性残留物を、2MのHCl水溶液でpH6に調整した。生じた沈殿物を濾過によって収集し、真空下で乾燥させて、標題化合物(92mg、84%)を黄色の固体として得た。LCMS-B(ES-API):rt 2.85分、m/z 477.0、479.0[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.38 (s, 1H), 7.76 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.73 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.28 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.34 (s, 3H), 3.68 (s, 3H).
エチル3-(5-カルバモイル-7-クロロ-4-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4-クロロ-7-フルオロベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(18)
Figure 2022541043000056
DMF(5mL)中、エチル4-クロロ-7-フルオロ-3-ホルミルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(I13)(0.100g、0.35mmol)、4-アミノ-5-クロロ-2-メトキシ-3-ニトロベンズアミド(I22)(0.086g、0.35mmol)、NaHSO(18.2mg、0.175mmol)およびNa(183mg、1.05mmol)の混合物を、80℃でN下において一晩加熱した。水(10mL)を添加し、混合物を、EtOAc(10mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を、水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100:1)によって精製して、標題化合物(69mg、41%)を白色の固体として得た。LCMS-B(ES-API):rt 3.56分、m/z 482.0、484.0[M+H]1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 13.5 (s, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.69 - 7.56 (m, 4H), 4.37 (s, 3H), 4.18 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 0.94 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
さらなる実施例
以下の実施例の化合物を、類似の方法によって調製した。
Figure 2022541043000057
Figure 2022541043000058
アッセイ
タンパク質の生成および精製
生物物理学的実験を、Yiら(2013)の対立遺伝子命名法に従って指定された3種の異なる組換えヒトSTINGタンパク質変異体を用いて実施した。ヒトSTING(WT)、ヒトSTING(HAQ)およびヒトSTING(R232H)のアミノ酸残基149~345(Swiss Prot Q86WV6)をコードするコドン最適化DNA配列(Escherichia coliにおける発現のため)を、GenScript USA Inc(Piscataway、New Jersey、USA)によって合成した。これらを、N末端Hisタグをコードし、続いてタバコエッチウイルスプロテアーゼ(TEV)切断部位およびSTING遺伝子配列をコードするように設計された修飾pET43a E.coli発現ベクターにライゲーションした。3種の対立遺伝子変異体について得られたタンパク質の配列を、以下に列挙する。
Figure 2022541043000059
組換えヒトSTINGタンパク質を生成するために、前述の構築物をコードする発現プラスミドを、E.coli BL21 DE3株に形質転換し、100μg/mlのアンピシリンを補充した2×1L体積のTerrificブロス(TB)中、0.8のOD600に達するまで37℃で振とうしながら成長させた。次に、培養物を16℃に冷却し、0.5mMの最終濃度までイソプロピルβ-D-1-チオガラクトピラノシドを添加することによってタンパク質発現を誘導し、培養物をさらに16時間、一晩振とうした。発現後、細胞培養物を5000×gで20分間遠心分離し、細胞ペレットを-70℃で凍結保存した。
タンパク質精製を、細胞1g当たり緩衝剤7mlの比を使用して、細胞ペレットを溶解緩衝剤(25mMのTris-HCl pH8.0、300mMのNaCl、5mMのDTT、2mMのMgCl、10mMのイミダゾール、0.5mg/mlのリゾチーム、ベンゾナーゼエンドヌクレアーゼ[EMD Millipore]、1mMのPMSF、EDTAを含まない完全プロテアーゼ阻害錠剤[Roche])中で解凍することによって開始した。さらに細胞を、氷冷Avestin C5細胞クラッシャーに3回通過させることによって溶解し、その後、48,000×gで4℃において遠心分離した。上清(細胞溶解物)を、5μmフィルターを介して濾過し、Profinia親和性クロマトグラフィー精製システム(Bio-Rad)を使用して、IMAC洗浄緩衝剤1(25mMのTris-HCl pH8.0、300mMのNaCl、5mMのDTT、10mMのイミダゾール)で予め平衡化した5mLのHiTrap IMACセファロースFFカラム(GE Healthcare)上にロードした。次に、IMACカラムを、IMAC洗浄緩衝剤1およびIMAC洗浄緩衝剤2(25mMのTris-HCl pH8.0、300mMのNaCl、5mMのDTT、20mMのイミダゾール)で逐次的に洗浄し、結合したHis-TEV-hSTINGタンパク質を、IMAC溶離緩衝剤(25mMのTris-HCl pH8.0、300mMのNaCl、5mMのDTT、250mMのイミダゾール)で溶離した。さらに、IMAC溶離タンパク質を、保存緩衝剤(25mMのTris-HCl、pH8.0、150mMのNaCl、5mMのDTT 0.02%[w/v]のアジ化ナトリウム)で予め平衡化したHiLoad 26/60 Superdex 75カラムに通過させることによって精製した。最後に、hSTINGタンパク質を、Amicon Ultra遠心フィルターユニット(Utra-15 MWCO 10kDa)を使用して≧2mg/mlに濃縮し、液体窒素中で急速凍結させ、-70℃の冷凍庫で保存した。
示差走査蛍光測定(DSF)
示差走査蛍光測定(DSF)は、精製タンパク質に結合し、それによりその精製タンパク質を安定化する(または時として不安定化する)低分子量リガンドを特定するための迅速なスクリーニング法である(Niesen 2007)。DSFは、蛍光色素の存在下でタンパク質の熱的アンフォールディングをモニタリングするものであり、典型的に、リアルタイムPCR機器を使用して実施される。タンパク質がアンフォールドする温度を、アンフォールド中に徐々に曝露されるタンパク質の疎水性部分に対して親和性を有する色素の蛍光の増大によって測定する。色素の蛍光は、水性環境でクエンチされるが、色素が、アンフォールドタンパク質上の疎水性部位と会合する場合、その蛍光は増大する。蛍光強度を、温度の関数としてプロットし、2つの状態の遷移によって説明することができるS字型曲線を作製する。遷移曲線の変曲点(Tm)を、簡単な公式、例えばボルツマンの公式を使用して計算する。
STINGタンパク質(リガンドが結合しているものおよび結合していないもの)の熱安定性を、既に説明されている方法論(Seabrook&Newman, 2013)を使用し、96ウェルPCRマイクロプレート(AB Gene、ABGAB-0600/W)を使用して試料を三重に試験して測定した。最終体積20μLで、1×HBS緩衝剤(50mMのHEPES、pH7.4、150mMのNaCl)中2μMのタンパク質を、SYPROオレンジ色素(Sigma-Aldrich S5692、最終反応ミックス希釈1:1200)および化合物(最終濃度100μM)と混合した。封止したプレートを、Bio-Rad CFX96/C1000サーモサイクラーおよびFRET走査モード(λexcitation490nmであり、λemission570nmで読み取る)に入れた。融解曲線を、30秒ごとに0.5℃の増分で20℃から100℃まで、各増分で読み取って記録した。データを、Rosa(2015)によって記載される「Meltdown analysis」プロトコールを使用して分析した。STINGタンパク質単独(1%[v/v]DMSO)について得られた融解温度(T)を、リガンドと共にインキュベートしたタンパク質について得られたTから差し引いて、以下の表に列挙されるΔT値を作製した。DSFデータを、3種の異なるSTINGタンパク質変異体-ヒトSTING(WT)、ヒトSTING(HAQ)およびヒトSTING(R232H)に対して、化合物ごとに作製した。
Figure 2022541043000060
表面プラズモン共鳴法(SPR)
リガンドとSTINGタンパク質の結合相互作用を、表面プラズモン共鳴法(SPR)を使用し、最小限にビオチン化されたSTINGタンパク質をストレプトアビジンチップ表面に固定化して定量した。この方式で、アミンカップリング方法に必要な低pHによって損なわれていない、高度に活性なSTINGタンパク質表面が得られた。精製huSTINGタンパク質の最小限のビオチン化を、既に記載されている方法論(Chhabra 2012)を使用して実施した。簡潔には、1×TBS緩衝剤(25mMのTris-HCl、pH7.5、150mMのNaCl、5mMのDTT)中、およそ20nmolの組換えSTINGタンパク質を、1対0.6のモル比でEZ-Link(商標)スルホ-NHS-LC-LC-ビオチン(Thermofisher Scientific、カタログ番号21338)と混合し、氷上で2時間インキュベートした。任意の未反応ビオチン試薬を除去するために、タンパク質/ビオチン混合物を、10mMのHEPES、pH7.4、150mMのNaCl、5mMのDTT、5%[v/v]グリセロールで平衡化したSuperdex 75(10/300GL)カラムに通過させた。ビオチン化huSTINGタンパク質を含有するタンパク質ピークを収集し、一定分量で-80℃において保存した。
ストレプトアビジンを、既に記載されている通り(Zender 2013)、Biacore機器(Biacore S200またはBiacore T200のいずれか、GE Healthcare)にドックしたCM5センサーチップのすべての4つのチャネルに同時に固定化した。最小限にビオチン化されたSTINGタンパク質を、SPR結合緩衝剤(50mMのHEPES、pH7.4、150mMのNaCl、2%[v/v]のDMSO)中、ストレプトアビジンでコーティングしたチップ表面上に、8℃において、所望の捕捉レベル、典型的に3000~7000RU(1RU=1pg/mm)が達成されるまで単一チャネルに2μL/分の一定流速で徐々に注入することによって捕捉した。
すべての結合実験を、SPR結合緩衝剤中、8℃で実施した。結合親和性を決定するために、固定化したSTINGタンパク質との化合物の相互作用を、用量応答実験を使用して分析した。フレッシュな化合物の10mMのDMSO溶液を、SPR結合緩衝剤で、典型的に50μMの濃度に直接希釈し、次に5点または7点濃度系列範囲のいずれかを目標として、さらに2倍または3倍希釈した。各リガンドの濃度系列を、90秒の会合時間および180秒の解離時間で、60μL/分の一定流速で注入した。より長い滞留時間を有する化合物ではこれらを修正し、曲線が定常状態に達することができるように、または化合物がその後の注入の前に完全に解離し得るようにした。適当な場合、より密に結合した化合物(大体、K<1uM)を、単一周期の動態フォーマット(Karlsson 2006)を使用し、長い会合時間および解離時間(それぞれ、典型的に450秒および1800秒)で試験した。
Scrubber 2(biologic.com.au)をデータ処理のために利用し、シグナルを、ブランク表面(ストレプトアビジン+D-ビオチン)と参照比較し、さらにDMSOの屈折率変化について補正し、次に緩衝剤-ブランク注入を使用して「二重参照」した(Papalia 2006)。用量応答実験から結合親和性(2つの結合事象の生起についての代替Kとしての50%占有率)を決定するために、平衡状態の結合応答を、Hillの式にフィットさせた(Hill係数は変動させた(≦2))。単一周期の動態実験について、センサーグラムを、2つの分析物分子が逐次的に結合する2ステップ動態モデルにフィットさせた(Biacore T200またはS200評価ソフトウェア)。
Figure 2022541043000061
THP-1レポーター細胞系アッセイ
THP-1 STING Lucia ISG細胞(InvivoGen 番号thpI-isg)を、2mMのL-グルタミン、25mMのHEPES、100μg/mLのNormocin(InvivoGen)および10%熱不活化FBSを含有するRPMI-1640で培養した。細胞を、7×10個の細胞/mLの密度で播種し、37℃/5%COで維持し、3~4日ごとに継代した。選択圧を、2継代ごとに100μg/mLのZeocinを添加することによって維持した。
アッセイ条件:細胞を回収し、フレッシュ増殖培地に5×10個の細胞/mLの濃度で再懸濁させた。この細胞調製物から、1ウェル当たり20μLを、384ウェル細胞培養プレート(Greiner、番号781098X)に分注し、37℃/5%COで2時間インキュベートした。
濃度応答曲線(一般に11の用量)を、DMSO中10mMの化合物ストック溶液から出発して、2.5倍連続希釈によって調製した。化合物の希釈物を、pintoolを使用して細胞培養プレートに移し(0.1μL移動)、対照ウェルはDMSOについてマッチさせた。正の対照ウェルに、培地5μL中ML RR-S2 CDA(Med Chem Express HY12885B)を最終濃度40μMまで加えた。他のすべてのウェルには、単に体積を均一にするために、追加の培地5μLを加えた。プレートを、37℃/5%COで24時間インキュベートした。
検出ステップでは、QUANTI-Luc(InvivoGen 番号rep-qlc1)を、製造社の使用説明書に従って調製し、培養プレートに1ウェル当たり10μLを添加した。プレートを、オービタルシェーカーで10秒間振とうし、暗室内で室温において2分間静置した後、発光をPerkin Elmer Envisionプレートリーダーで読み取った。
データ分析:発光の生データは、正の対照ウェルおよび化合物で処理していない負の対照ウェルのシグナルに対する標準化活性%であった。次式を使用して、生シグナルからの標準化活性%を計算した。
活性%=(試料-負)/(正-負)
THP-1 STING Lucia ISG細胞のEC50は、STINGのヒトHAQアイソフォームの活性のアセスメントを提供する。WTヒトSTINGアイソフォームに対する化合物の活性をアセスメントするために同等の方法を実行し、ここで使用した細胞は、THP-1-Dual KI-hSTING-R232(InvivoGen 番号thpd-r232)であった。
Figure 2022541043000062
Figure 2022541043000063
本発明の記述
1.式I:
Figure 2022541043000064
の化合物
[式中、
Wは、OまたはNHであり、
は、
(i)H、
(ii)C3~6シクロアルキル、
(iii)メチル、および
エステル
から選択される基で必要に応じて置換されているC3~7ヘテロシクリル、ならびに
(iv)アルコキシ、
アミノ、
アミド、
アシルアミド、
アシルオキシ、
アルキルカルボキシルエステル、
アルキルカルバモイル、
アルキルカルバモイルエステル、
フェニル、
ホスホネートエステル、
メチルおよびオキソから選択される基で必要に応じて置換されているC3~7ヘテロシクリル、ならびに
メチル、アセチルおよびbocから選択される基で必要に応じてN置換されている、天然に存在するアミノ酸
から選択される基で必要に応じて置換されている直鎖または分岐C1~4アルキル
から選択され、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
は、CRまたはNであり、
ここで、A、A、A、およびAのうちの2つ以下は、Nであり得、
、R、RおよびRのうちの1つまたは2つ(存在する場合)は、H、F、Cl、Br、Me、CF、シクロプロピル、シアノ、OMe、OEt、CHOH、CHOMeおよびOHから選択され、
、R、RおよびRの残り(存在する場合)は、Hであり、
N1は、HまたはMeであり、
C2およびRC3の一方は、C(=O)NHであり、他方は、H、Cl、F、Br、Me、OMe、OEt、シアノ、CF、CHOH、CHOMe、C2~4アルケニルおよびCヘテロシクリルから選択され、
C1およびRC4は、独立に、H、Cl、F、Br、Me、OMe、OEt、シアノ、CF、CHOH、CHOMe、C2~4アルケニルおよびCヘテロシクリルから選択される]。
2.Wが、Oである、記述1による化合物。
3.Wが、NHである、記述1による化合物。
4.Rが、Hである、記述1~3のいずれか1つによる化合物。
5.Rが、C3~6シクロアルキル、必要に応じて置換されているC3~7ヘテロシクリル、および必要に応じて置換されている直鎖または分岐C1~4アルキルから選択される、記述1による化合物。
6.Rが、C3~6シクロアルキルである、記述1~3および記述5のいずれか1つによる化合物。
7.Rが、シクロプロピルである、記述6による化合物。
8.Rが、シクロブチルである、記述6による化合物。
9.Rが、シクロペンチルである、記述6による化合物。
10.Rが、シクロヘキシルである、記述6による化合物。
11.Rが、必要に応じて置換されているC3~7ヘテロシクリルである、記述1~3および記述5のいずれか1つによる化合物。
12.Rが、単一の窒素環原子を含有する必要に応じて置換されているC3~7ヘテロシクリルである、記述11による化合物。
13.Rが、必要に応じて置換されているアゼチジニルである、記述12による化合物。
14.Rが、必要に応じて置換されているピロリジニルである、記述12による化合物。
15.Rが、必要に応じて置換されているピペリジニルである、記述12による化合物。
16.Rが、メチルで置換されている、記述11~15のいずれか1つによる化合物。
17.Rが、エステルで置換されている、記述11~15のいずれか1つによる化合物。
18.Rが、必要に応じて置換されている直鎖または分岐C1~4アルキルである、記述1~3および記述5のいずれか1つによる化合物。
19.Rが、必要に応じて置換されているメチルである、記述18による化合物。
20.Rが、必要に応じて置換されているエチルである、記述18による化合物。
21.Rが、必要に応じて置換されているプロピルである、記述18による化合物。
22.Rが、必要に応じて置換されているブチルである、記述18による化合物。
23.Rが、必要に応じて置換されているイソ-プロピルである、記述18による化合物。
24.Rが、必要に応じて置換されているsec-ブチルである、記述18による化合物。
25.Rが、必要に応じて置換されているイソ-ブチルである、記述18による化合物。
26.Rが、必要に応じて置換されているtert-ブチルである、記述18による化合物。
27.Rが、アルコキシで置換されている、記述18~26のいずれか1つによる化合物。
28.Rが、アミノで置換されている、記述18~26のいずれか1つによる化合物。
29.Rが、アミドで置換されている、記述18~26のいずれか1つによる化合物。
30.Rが、アシルアミドで置換されている、記述18~26のいずれか1つによる化合物。
31.Rが、アシルオキシで置換されている、記述18~26のいずれか1つによる化合物。
32.Rが、ピバロイルオキシメチルである、記述31による化合物。
33.Rが、プロパノイルオキシイソブチルである、記述31による化合物。
34.Rが、アルキルカルボキシルエステルで置換されている、記述18~26のいずれか1つによる化合物。
35.Rが、アルキルカルバモイルで置換されている、記述18~26のいずれか1つによる化合物。
36.Rが、アルキルカルバモイルエステルで置換されている、記述18~26のいずれか1つによる化合物。
37.Rが、フェニルで置換されている、記述18~26のいずれか1つによる化合物。
38.Rが、ベンジルである、記述37による化合物。
39.Rが、ホスホネートエステルで置換されている、記述18~26のいずれか1つによる化合物。
40.Rが、C3~7ヘテロシクリルで置換されている、記述18~26のいずれか1つによる化合物。
41.Rが、メチルで置換されているC3~7ヘテロシクリルで置換されている、記述18~26のいずれか1つによる化合物。
42.Rが、オキソで置換されているC3~7ヘテロシクリルで置換されている、記述18~26のいずれか1つによる化合物。
43.Rが、天然に存在するアミノ酸で置換されている、記述18~26のいずれか1つによる化合物。
44.Rが、メチルでN置換されている、天然に存在するアミノ酸で置換されている、記述18~26のいずれか1つによる化合物。
45.Rが、アセチルでN置換されている、天然に存在するアミノ酸で置換されている、記述18~26のいずれか1つによる化合物。
46.Rが、bocでN置換されている、天然に存在するアミノ酸で置換されている、記述18~26のいずれか1つによる化合物。
47.天然に存在するアミノ酸が、バリンである、記述43~46のいずれか1つによる化合物。
48.Aが、CRである、記述1~47のいずれか1つによる化合物。
49.Aが、Nである、記述1~47のいずれか1つによる化合物。
50.Aが、CRである、記述1~49のいずれか1つによる化合物。
51.Aが、Nである、記述1~49のいずれか1つによる化合物。
52.Aが、CRである、記述1~51のいずれか1つによる化合物。
53.Aが、Nである、記述1~51のいずれか1つによる化合物。
54.Aが、CRである、記述1~53のいずれか1つによる化合物。
55.Aが、Nである、記述1~53のいずれか1つによる化合物。
56.Aが、CRであり、Aが、CRであり、Aが、CRであり、Aが、CRである、記述1~47のいずれか1つによる化合物。
57.A、A、AおよびAのうちの1つが、Nである、記述1~47のいずれか1つによる化合物。
58.A、A、AおよびAのうちの2つが、Nである、記述1~47のいずれか1つによる化合物。
59.上記化合物が、式IIIb1またはIIIb2:
Figure 2022541043000065
のものである、記述1~47のいずれか1つによる化合物。
60.上記化合物が、式IIIc1またはIIIc2:
Figure 2022541043000066
のものである、記述1~47のいずれか1つによる化合物。
61.上記化合物が、式IIId1またはIIId2:
Figure 2022541043000067
のものである、記述1~47のいずれか1つによる化合物。
62.上記化合物が、式IIIe1またはIIIe2:
Figure 2022541043000068
のものである、記述1~47のいずれか1つによる化合物。
63.R、R、RおよびRのうちの1つまたは2つ(存在する場合)が、H、F、Cl、Br、Me、CF、シクロプロピル、シアノおよびOMeから選択され、残り(存在する場合)が、Hである、記述1~62のいずれか1つによる化合物。
64.R、R、RおよびRのうちの1つまたは2つ(存在する場合)が、H、F、Cl、Br、Me、CFおよびOMeから選択され、残り(存在する場合)が、Hである、記述1~62のいずれか1つによる化合物。
65.R、R、RおよびRのうちの1つまたは2つ(存在する場合)が、H、F、Cl、BrおよびOMeから選択され、残り(存在する場合)が、Hである、記述1~62のいずれか1つによる化合物。
66.R(存在する場合)が、H、F、Cl、Br、Me、CF、シクロプロピル、シアノ、OMe、OEtおよびCHOMeから選択され、
(存在する場合)が、Hであり、
(存在する場合)が、Hであり、
(存在する場合)が、H、F、Cl、Br、Me、CF、シクロプロピル、シアノ、OMe、CHOHおよびCHOMeから選択される、
記述1~62のいずれか1つによる化合物。
67.R(存在する場合)が、Cl、BrおよびOMeから選択され、
(存在する場合)が、Hであり、
(存在する場合)が、Hであり、
(存在する場合)が、H、Me、F、Br、OMeから選択される、
記述1~62のいずれか1つによる化合物。
68.Rが、Clであり、
が、Hであり、
が、Hであり、
が、Hである、
記述56による化合物。
69.Rが、Clであり、
が、Hであり、
が、Hであり、
が、Meである、
記述56による化合物。
70.Rが、Clであり、
が、Hであり、
が、Hであり、
が、Brである、
記述56による化合物。
71.Rが、Brであり、
が、Hであり、
が、Hであり、
が、Hである、
記述56による化合物。
72.Rが、Clであり、
が、Hであり、
が、Hであり、
が、Fである、
記述56による化合物。
73.Rが、Clであり、
が、Hであり、
が、Hであり、
が、OMeである、
記述56による化合物。
74.Rが、Brであり、
が、Hであり、
が、Hであり、
が、Fである、
記述56による化合物。
75.Rが、OMeであり、
が、Hであり、
が、Hであり、
が、Hである、
記述56による化合物。
76.RC1およびRC4、ならびにRC2とRC3とのうちの一方が、独立に、H、Cl、F、Br、Me、OMe、OEt、シアノ、CFおよびCHOHから選択される、記述1~75のいずれか1つによる化合物。
77.RC1およびRC4、ならびにRC2とRC3とのうちの一方が、独立に、H、Cl、F、CF、OMeおよびCHOHから選択される、記述1~75のいずれか1つによる化合物。
78.RC1およびRC4、ならびにRC2とRC3とのうちの一方が、独立に、H、Cl、FおよびOMeから選択される、記述1~75のいずれか1つによる化合物。
79.RC1、RC3およびRC4のうちの2つ、またはRC1、RC2およびRC4のうちの2つが、Hであり、その他が、Hを除く、定義されている基から選択される、記述1~78のいずれか1つによる化合物。
80.RC1、RC3およびRC4のうちの1つ、またはRC1、RC2およびRC4のうちの1つが、Hであり、その他の2つが、独立に、Hを除く、定義されている基から選択される、記述1~78のいずれか1つによる化合物。
81.RC1およびRC4、ならびにRC2とRC3とのうちの一方が、Hである、記述1~75のいずれか1つによる化合物。
82.RC1が、Hであり、
C2またはRC3が、Hであり、
C4が、Fである、
記述1~75のいずれか1つによる化合物。
83.RC1が、OMeであり、
C2またはRC3が、Hであり、
C4が、Hである、
記述1~75のいずれか1つによる化合物。
84.RC1が、OMeであり、
C2またはRC3が、Hであり、
C4が、Fである、
記述1~75のいずれか1つによる化合物。
85.RC1が、Clであり、
C2またはRC3が、Hであり、
C4が、Hである、
記述1~75のいずれか1つによる化合物。
86.RN1が、Hである、記述1~85のいずれか1つによる化合物。
87.RN1が、Meである、記述1~85のいずれか1つによる化合物。
88.治療方法において使用するための、記述1~87のいずれか1つに定義される化合物。
89.記述1~87のいずれか1つに定義される化合物、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
90.STINGのモジュレーションによって改善される疾患を処置または防止する方法であって、処置を必要とする患者に、記述1~87のいずれか1つに定義される化合物または記述89による医薬組成物を投与するステップを含む、方法。
91.STINGのモジュレーションによって改善される疾患を処置または防止するための医薬の製造における、記述1~87のいずれか1つに定義される化合物の使用。
92.STINGのモジュレーションによって改善される疾患の処置または防止において使用するための、記述1~87のいずれか1つに定義される化合物またはその医薬組成物。
Figure 2022541043000069
Figure 2022541043000070
Figure 2022541043000071
Figure 2022541043000072
Figure 2022541043000073
Figure 2022541043000074
Figure 2022541043000075
Figure 2022541043000076
Figure 2022541043000077
Figure 2022541043000078
本発明の第3の態様は、STINGのモジュレーションによって改善される疾患を処置または防止する方法であって、処置を必要とする患者に、本発明の第1の態様の化合物または本発明の第2の態様の医薬組成物を投与するステップを含む、方法を提供する。本発明の第3の態様また、STINGのモジュレーションによって改善される疾患を処置または防止するための医薬の製造における、本発明の第1の態様の化合物の使用、およびSTINGのモジュレーションによって改善される疾患の処置または防止において使用するための本発明の第1の態様の化合物またはその医薬組成物を提供する。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
式I:
Figure 2022541043000090
の化合物
[式中、
Wは、OまたはNHであり、
は、
(i)H、
(ii)C 3~6 シクロアルキル、
(iii)メチル、および
エステル
から選択される基で必要に応じて置換されているC 3~7 ヘテロシクリル、ならびに
(iv)アルコキシ、
アミノ、
アミド、
アシルアミド、
アシルオキシ、
アルキルカルボキシルエステル、
アルキルカルバモイル、
アルキルカルバモイルエステル、
フェニル、
ホスホネートエステル、
メチルおよびオキソから選択される基で必要に応じて置換されているC 3~7 ヘテロシクリル、ならびに
メチル、アセチルおよびbocから選択される基で必要に応じてN置換されている、天然に存在するアミノ酸
から選択される基で必要に応じて置換されている直鎖または分岐C 1~4 アルキル
から選択され、
は、CR またはNであり、
は、CR またはNであり、
は、CR またはNであり、
は、CR またはNであり、
ここで、A 、A 、A 、およびA のうちの2つ以下は、Nであり得、
、R 、R およびR のうちの1つまたは2つ(存在する場合)は、H、F、Cl、Br、Me、CF 、シクロプロピル、シアノ、OMe、OEt、CH OH、CH OMeおよびOHから選択され、
、R 、R およびR の残り(存在する場合)は、Hであり、
N1 は、HまたはMeであり、
C2 およびR C3 の一方は、C(=O)NH であり、他方は、H、Cl、F、Br、Me、OMe、OEt、シアノ、CF 、CH OH、CH OMe、C 2~4 アルケニルおよびC ヘテロシクリルから選択され、
C1 およびR C4 は、独立に、H、Cl、F、Br、Me、OMe、OEt、シアノ、CF 、CH OH、CH OMe、C 2~4 アルケニルおよびC ヘテロシクリルから選択される]。
(項目2)
Wが、Oである、項目1に記載の化合物。
(項目3)
が、Hである、項目1または2に記載の化合物。
(項目4)
が、C 3~6 シクロアルキル、必要に応じて置換されているC 3~7 ヘテロシクリル、および必要に応じて置換されている直鎖または分岐C 1~4 アルキルから選択される、項目1または2に記載の化合物。
(項目5)
が、必要に応じて置換されている直鎖または分岐C 1~4 アルキルである、項目1、2または4のいずれか一項に記載の化合物。
(項目6)
が、必要に応じて置換されているエチルである、項目5に記載の化合物。
(項目7)
が、CR であり、A が、CR であり、A が、CR であり、A が、CR である、項目1~6のいずれか一項に記載の化合物。
(項目8)
前記化合物が、式IIIb1、IIIc1、IIId1およびIIIe1:
Figure 2022541043000091
の化合物から選択される、項目1~6のいずれか一項に記載の化合物。
(項目9)
前記化合物が、式IIIb2、IIIc2、IIId2およびIIIe2:
Figure 2022541043000092
Figure 2022541043000093
の化合物から選択される、項目1~6のいずれか一項に記載の化合物。
(項目10)
(存在する場合)が、Cl、BrおよびOMeから選択され、
(存在する場合)が、Hであり、
(存在する場合)が、Hであり、
(存在する場合)が、H、Me、F、Br、OMeから選択される、
項目1~9のいずれか一項に記載の化合物。
(項目11)
、A 、A およびA が、組合せ1~9
Figure 2022541043000094
から選択される、項目1~6のいずれか一項に記載の化合物。
(項目12)
C1 、R C2 またはR C3 、およびR C4 が、組合せ1~5
Figure 2022541043000095
Figure 2022541043000096
から選択される、項目1~11のいずれか一項に記載の化合物。
(項目13)
N1 が、Hである、項目1~12のいずれか一項に記載の化合物。
(項目14)
Figure 2022541043000097
から選択される、項目1に記載の化合物。
(項目15)
Figure 2022541043000098
Figure 2022541043000099
から選択される、項目1に記載の化合物。
(項目16)
治療方法において使用するための、項目1~15のいずれか一項に記載の化合物。
(項目17)
項目1~15のいずれか一項に記載の化合物、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
(項目18)
STINGのモジュレーションによって改善される疾患を処置または防止する方法であって、処置を必要とする患者に、項目1~15のいずれか一項に記載の化合物または項目17に記載の医薬組成物を投与するステップを含む、方法。
(項目19)
STINGのモジュレーションによって改善される疾患を処置または防止するための医薬の製造における、項目1~15のいずれか一項に記載の化合物の使用。
(項目20)
STINGのモジュレーションによって改善される疾患の処置または防止において使用するための、項目1~15のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬組成物。
アッセイ
タンパク質の生成および精製
生物物理学的実験を、Yiら(2013)の対立遺伝子命名法に従って指定された3種の異なる組換えヒトSTINGタンパク質変異体を用いて実施した。ヒトSTING(WT)、ヒトSTING(HAQ)およびヒトSTING(R232H)のアミノ酸残基149~345(Swiss Prot Q86WV6)をコードするコドン最適化DNA配列(Escherichia coliにおける発現のため)を、GenScript USA Inc(Piscataway、New Jersey、USA)によって合成した。これらを、N末端Hisタグをコードし、続いてタバコエッチウイルスプロテアーゼ(TEV)切断部位およびSTING遺伝子配列をコードするように設計された修飾pET43a E.coli発現ベクターにライゲーションした。3種の対立遺伝子変異体について得られたタンパク質の配列を、以下に列挙する。
Figure 2022541043000100

Claims (20)

  1. 式I:
    Figure 2022541043000079
    の化合物
    [式中、
    Wは、OまたはNHであり、
    は、
    (i)H、
    (ii)C3~6シクロアルキル、
    (iii)メチル、および
    エステル
    から選択される基で必要に応じて置換されているC3~7ヘテロシクリル、ならびに
    (iv)アルコキシ、
    アミノ、
    アミド、
    アシルアミド、
    アシルオキシ、
    アルキルカルボキシルエステル、
    アルキルカルバモイル、
    アルキルカルバモイルエステル、
    フェニル、
    ホスホネートエステル、
    メチルおよびオキソから選択される基で必要に応じて置換されているC3~7ヘテロシクリル、ならびに
    メチル、アセチルおよびbocから選択される基で必要に応じてN置換されている、天然に存在するアミノ酸
    から選択される基で必要に応じて置換されている直鎖または分岐C1~4アルキル
    から選択され、
    は、CRまたはNであり、
    は、CRまたはNであり、
    は、CRまたはNであり、
    は、CRまたはNであり、
    ここで、A、A、A、およびAのうちの2つ以下は、Nであり得、
    、R、RおよびRのうちの1つまたは2つ(存在する場合)は、H、F、Cl、Br、Me、CF、シクロプロピル、シアノ、OMe、OEt、CHOH、CHOMeおよびOHから選択され、
    、R、RおよびRの残り(存在する場合)は、Hであり、
    N1は、HまたはMeであり、
    C2およびRC3の一方は、C(=O)NHであり、他方は、H、Cl、F、Br、Me、OMe、OEt、シアノ、CF、CHOH、CHOMe、C2~4アルケニルおよびCヘテロシクリルから選択され、
    C1およびRC4は、独立に、H、Cl、F、Br、Me、OMe、OEt、シアノ、CF、CHOH、CHOMe、C2~4アルケニルおよびCヘテロシクリルから選択される]。
  2. Wが、Oである、請求項1に記載の化合物。
  3. が、Hである、請求項1または2に記載の化合物。
  4. が、C3~6シクロアルキル、必要に応じて置換されているC3~7ヘテロシクリル、および必要に応じて置換されている直鎖または分岐C1~4アルキルから選択される、請求項1または2に記載の化合物。
  5. が、必要に応じて置換されている直鎖または分岐C1~4アルキルである、請求項1、2または4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. が、必要に応じて置換されているエチルである、請求項5に記載の化合物。
  7. が、CRであり、Aが、CRであり、Aが、CRであり、Aが、CRである、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. 前記化合物が、式IIIb1、IIIc1、IIId1およびIIIe1:
    Figure 2022541043000080
    の化合物から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
  9. 前記化合物が、式IIIb2、IIIc2、IIId2およびIIIe2:
    Figure 2022541043000081
    Figure 2022541043000082
    の化合物から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
  10. (存在する場合)が、Cl、BrおよびOMeから選択され、
    (存在する場合)が、Hであり、
    (存在する場合)が、Hであり、
    (存在する場合)が、H、Me、F、Br、OMeから選択される、
    請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
  11. 、A、AおよびAが、組合せ1~9
    Figure 2022541043000083
    から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
  12. C1、RC2またはRC3、およびRC4が、組合せ1~5
    Figure 2022541043000084
    Figure 2022541043000085
    から選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物。
  13. N1が、Hである、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物。
  14. Figure 2022541043000086
    から選択される、請求項1に記載の化合物。
  15. Figure 2022541043000087
    Figure 2022541043000088
    から選択される、請求項1に記載の化合物。
  16. 治療方法において使用するための、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
  17. 請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
  18. STINGのモジュレーションによって改善される疾患を処置または防止する方法であって、処置を必要とする患者に、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物または請求項17に記載の医薬組成物を投与するステップを含む、方法。
  19. STINGのモジュレーションによって改善される疾患を処置または防止するための医薬の製造における、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物の使用。
  20. STINGのモジュレーションによって改善される疾患の処置または防止において使用するための、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬組成物。
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