JP2022514432A - 火炎噴霧熱分解を使用する、粉末状の多孔質結晶性金属シリケートの製造方法 - Google Patents

火炎噴霧熱分解を使用する、粉末状の多孔質結晶性金属シリケートの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、次の工程を含む粉末状の多孔質結晶性金属シリケートの製造方法に関する:(a)(A)ケイ素源、(B)金属源、および(C)副成分を含む水性混合物を使用して水熱合成して、粗製多孔質結晶性金属シリケートを含む反応生成物1の水性懸濁液を生じさせる工程;および(b)反応生成物1を火炎噴霧熱分解する工程、ここで、工程(a)において得られた水性懸濁液を、酸素の存在下での燃料の燃焼により生成される火炎中へ噴霧して、粉末状の多孔質結晶性金属シリケートを形成させ;工程(a)において得られた反応生成物1を含む水性懸濁液が70質量%以下の固形分を示し;かつ火炎熱分解中に前記多孔質結晶性金属シリケートの少なくとも90質量%が経験する有効ピーク温度、Teffが、Tmin<Teff<Tmaxの範囲内であり、かつここでTminが750℃であり、かつTmaxが1250℃である。

Description

本発明は、粉末状の多孔質結晶性金属シリケートを製造する方法に関する。
用語シリケートは、四面体SiOにより形成される化合物をいい、その四面体は、多様な方法で互いに連結されていてよい。金属を含有するこの種類のシリケート構造は、金属シリケートと称される。金属シリケートの重要な例は、ゼオライトである。
ゼオライトは、結晶性のシリケート、例えばアルミノシリケートであり、シリケート四面体(SiO )および他の構造単位(例えばAlO 四面体)の3次元結合が、空隙部および細孔を示す規則構造を生じさせる。多様なタイプのゼオライトが存在し、それらの構造型に従って命名される。ゼオライト、殊に公知のゼオライトの結晶構造型に関する一般情報は、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, “Zeolites”, [online], 2012年4月15日、DOI: 10.1002/14356007.a28_475.pub2に見出すことができる。
それらの独特な細孔構造のために、ゼオライトは、興味深い特性を示し、かつ例えば、酸化触媒として使用することができる。
合成ゼオライトは、細孔構造を形成するテンプレートの存在下での水熱合成により製造することができる。例えば、中国特許出願公開第101348263号明細書(CN 101348263 A)には、以下の方法工程を含む、50~5000のSi/Al比および30~200μmの粒度を有するゼオライトを製造する方法が開示されている:(1)ケイ素源およびアルミニウム源および金属水酸化物を含む反応混合物の準備;(2)加水分解反応;(3)続いて前記混合物を噴霧乾燥して、アルミノシリケートミクロスフィアの形成;(4)予め製造されたミクロスフィアの、水および有機アミンの存在下での160~200℃の温度での水熱反応および形成されたゼオライトの結晶化;およびその(5)洗浄、(6)乾燥および(7)350~800℃の温度での焼成。
米国特許第4410501号明細書(US 4410501 A)には、チタンシリカライトを製造する方法が開示されている。前記チタンシリカライトは、(1)加水分解性ケイ素化合物、例えばテトラエチルオルトシリケート、および加水分解性チタン化合物から出発する、テトラ-n-プロピルアンモニウムヒドロキシドの存在下での175℃での合成ゲルの形成、(2)続いて、この反応混合物の水熱合成、加水分解および結晶化により製造される。前記結晶化が終了した後に、前記結晶は、(3)ろ過により除去され、(4)洗浄され、(5)乾燥され、かつ最後に(6)550℃で6h焼成される。
欧州特許出願公開第814058号明細書(EP 814058 A1)には、対応する熱分解法の混合金属-ケイ素酸化物からの多様なゼオライトの製造が開示されている。前記の混合金属-ケイ素酸化物は、(1)100~220℃の温度でアミン、アンモニウム化合物およびアルカリ金属/アルカリ土類金属水酸化物から選択されるテンプレートの存在下での水熱合成、引き続き(2)ろ過、(3)水での洗浄および(4)例えば550℃の温度で4時間以内の、焼成により得られる。特別な実施態様において、噴霧乾燥により予備成形された、テンプレートを含有する粒状の混合酸化物材料が製造され、続いて水熱合成にかけられ、ろ過され、洗浄され、かつ焼成される。
中国特許出願公開第1482062号明細書(CN 1482062)には、チタンシリカライト-1を製造する方法が開示されており、前記方法において固体シリカゲルが無機チタン源を用いる水熱反応にかけられる。前記方法は、次の工程を含む:(1)固体シリカゲルの、Ti(SOへの含浸、(2)焼成、(3)Ti(SO+TPAOH+水を用いるシリカゲルの水熱合成、(4)(沈殿および)ろ過、(5)洗浄、(6)乾燥、(7)焼成。
従来技術の手順における水熱合成に続く方法工程は、費用および時間がかかる。特に、有機材料を、水熱合成中に析出された粗製多孔質結晶性金属シリケートから洗い落とすことは煩雑であり、かつかなりの量の廃水を生じ、前記廃水は、水生生物に有害であり、かつ廃棄するのが困難である物質、例えばテトラアルキルアンモニウム塩(沈殿中に形成される)をしばしば含有する。さらに、前記手順の終了時の洗浄された多孔質結晶性金属シリケートの乾燥および焼成は、費用がかかり、かなりの量の時間およびエネルギーを必要としている。
本発明に関連して、水熱合成から得られる粗製多孔質結晶性金属シリケートの沈殿、ろ過、洗浄、乾燥および焼成を、前記材料が、代わりに適した火炎熱分解法にかけられる場合に、完全に回避することができることが見出された。これは、従来技術に開示または示唆されておらず、結晶性金属シリケートの規則正しい多孔質構造が、高めた温度で破壊されることは公知であるという事実に照らして、特に驚くべきことである。例えば、チタンシリカライト-1は、650℃を上回る温度(例えばAdvanced Materials Research Vol. 287-290, 2011, p. 317-321参照)―火炎熱分解装置の火炎内部ならびに火炎熱分解の過程で粗製多孔質結晶性金属シリケート粒子上に析出された有機残留物の燃焼中に有意に超える温度で、不可逆的な構造変化を受ける。
本発明に関連して、火炎熱分解が、水熱合成から得られる粗製多孔質結晶性金属シリケート材料を用いて、それらの規則正しい多孔質結晶性金属シリケート構造を保存する方法で、かつそれらの触媒特性に不利な影響を及ぼすことなく、実施することができることが見出された。
本発明
特に、粉末状の多孔質結晶性金属シリケートが、次の工程を含む方法により得ることができることが見出された:
(a)(A)ケイ素源、
(B)金属源、および
(C)副成分
を含む水性混合物を使用して水熱合成して、粗製多孔質結晶性金属シリケートを含む、反応生成物1の水性懸濁液を生じさせる工程;および
(b)反応生成物1を火炎噴霧熱分解する工程、ここで、工程(a)において得られた水性懸濁液を、酸素の存在下での燃料の燃焼により生成される火炎中へ噴霧して、粉末状の多孔質結晶性金属シリケートを形成させ;
工程(a)において得られた反応生成物1を含む水性懸濁液が、70質量%以下の固形分を示し;かつ
火炎熱分解中に前記多孔質結晶性金属シリケートの少なくとも90質量%が経験する有効ピーク温度、Teffが、Tmin<Teff<Tmaxの範囲内であり、かつ
ここで、Tminが750℃であり、かつ
maxが1250℃であり、かつ
ここで、前記金属源(B)は、チタン(Ti)、鉄(Fe)またはアルミニウム(Al)の源であり、かつ
前記副成分(C)は、有機塩基、第四級アンモニウムヒドロキシドおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
水熱合成
水熱合成は、水熱結晶育成とも呼ばれ、水性混合物から、約100~約300℃の範囲内の温度および約100barまでの高めた圧力で結晶化する方法であり、100℃を下回る水溶液にやや溶けにくい反応物および生成物に使用することができる。粉末状の多孔質結晶性金属シリケート、およびゼオライトの水熱合成は特に、当該技術分野において周知である。本発明の方法の工程(a)、すなわち、(A)ケイ素源、(B)金属源および(C)副成分を含む水性混合物を使用する水熱合成を実施して、粗製多孔質結晶性金属シリケートを含む、反応生成物1の水性懸濁液を生じる。好ましくは、本発明の方法の工程(a)は、100~250℃、より好ましくは100~200℃の温度で耐圧性反応器、例えばオートクレーブ中で生成される自生圧力下で実施される。本発明による方法の工程(a)における水熱合成中に確立される圧力は、1.05~50barの範囲内であってよい。好ましくは、前記圧力は、1.5~30barの範囲内であり;より好ましくは、前記圧力は、2~20barの範囲内である。典型的に、上記の反応条件は、当業者が、本発明の方法の工程(a)を12時間未満、好ましくは0.1~6時間の範囲内、より好ましくは0.5~4時間の範囲内で実施することを可能にする。
水熱合成は、典型的には、塩基性媒体中で7を超えるpHで実施される。本発明による水熱合成は好ましくは、8~14の範囲内;より好ましくは9~13の範囲内のpHで実施される。
一般に、多孔質結晶性金属シリケートの水熱合成は、ケイ素源および金属源の溶解、および結晶形成に適したpH値の調節を促進する副成分の使用を必要とする。さらに、前記副成分は、水熱合成中の生成物の結晶格子中への組み込みにより、形成される金属シリケートの結晶構造を決定するテンプレートを提供する。工程(b)における火炎噴霧熱分解中に熱的および/または酸化的に分解される副成分のみが、本発明による方法に適している。好ましくは、本発明の方法において、前記副成分は、70質量%を上回る程度、最も好ましくは90質量%を上回る程度に分解される。相応する副成分は、当業者に周知である。
ケイ素源および金属源の溶解、およびpH値の調節を促進するのに使用することができる、本発明の方法に適した副成分の典型的な例は、無機または有機塩基、そのような第四級アンモニウムヒドロキシド、ジアミン、ジオールおよびそれらの混合物である。前記金属シリケートの結晶構造の形成を補助するために使用することができる、本発明の方法に適した副成分(テンプレート)の典型的な例は、第四級アンモニウムヒドロキシド、ジアミン、ジオールおよびそれらの混合物、より具体的にはテトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、1,6-ジアミノヘキサン、1,2-ペンタンジオールおよびそれらの混合物である。
好ましい実施態様において、本発明による方法は、前記金属シリケートの結晶構造の形成を補助するための次の副成分(テンプレート)のうち1種以上を使用する:テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、1,6-ジアミノヘキサン、1,2-ペンタンジオールおよびそれらの混合物。
本発明による特に好ましい方法は、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシドを副成分として使用する。第四級アンモニウム化合物は、好ましくは水溶液の形で使用される。
好ましい実施態様において、本発明による方法は、テトラ-n-プロピルアンモニウムヒドロキシド(TPAOH)を、チタンシリカライト-1(MFI構造)の形成を補助するために使用する。
別の好ましい実施態様において、本発明による方法は、テトラ-n-ブチルアンモニウムヒドロキシドを、チタンシリカライト-2(MEL構造)の形成を補助するために使用する。
当業者には、本発明による水熱合成用の副成分は、(i)ケイ素源および金属源の溶解、(ii)pH値の調節ならびに(iii)前記金属シリケートの結晶構造の補助が促進されるように選択されなければならないことは明らかである。これは、3つ全ての機能((i)、(ii)および(iii))を実施することができる1種の副成分または、選択的に、機能の組((i)、(ii)および(iii))の一部をそれぞれ実施する1種を上回る副成分を用いて達成されうる。
前記金属シリケートの結晶構造の形成を補助するために使用される副成分(テンプレート)の全量の、本発明による方法の工程(a)において使用されるケイ素の量に対するモル比は、原則的に限定されない。好ましくは、前記モル比は、次の範囲内で選択される:0.12≦molテンプレート/molケイ素<0.20。
本発明による方法の工程(a)の最適な実施のためには、前記水性混合物は、付加的に、適した種晶を含んでいてよい。適した種晶およびそれらを得る方法は、当業者に公知である。好ましい実施態様において、シリカライト-1種晶またはチタン-シリカライト-1種晶は、チタン-シリカライト-1結晶(MFI型構造)の形成を補助するために、本発明の方法の工程(a)の反応混合物に添加される。別の好ましい実施態様において、シリカライト-2種晶またはチタン-シリカライト-2種晶は、チタンシリカライト-2結晶(MEL型構造)の形成を補助するために、本発明の方法の工程(a)の反応混合物に添加される。
本発明による方法において使用されるケイ素源は、原則的に、酸化または熱的および/または加水分解的な分解の結果として二酸化ケイ素または含ケイ素混合酸化物を含有するかまたは形成することができる、あらゆる化合物であってよい。しかしながら、好ましいのは、非晶質二酸化ケイ素または非晶質含ケイ素混合酸化物を含有する化合物であるか、またはそのような化合物を、酸化または熱的および/または加水分解的な分解により形成することができる。相応するケイ素源は、例えば、熱分解法二酸化ケイ素、沈降二酸化ケイ素、ゾル-ゲル法により製造される二酸化ケイ素およびそれらの混合物からなる群から選択されていてよい。本発明による好ましい方法は、熱分解法二酸化ケイ素、沈降二酸化ケイ素、ゾル-ゲル法により製造される二酸化ケイ素およびそれらの混合物からなる群から選択される成分(A)を使用する。
熱分解法二酸化ケイ素は、ヒュームドシリカとも呼ばれ、火炎加水分解または火炎酸化によって製造される。これは、加水分解性または酸化性の出発材料を、通常は水素/酸素炎中で、酸化することまたは加水分解することを包含する。熱分解法に使用されうる出発材料は、有機物質および無機物質を含む。四塩化ケイ素は特に適している。こうして得られた親水性シリカは、非晶質である。ヒュームドシリカは、凝集した形で一般に得られる。“凝集した”は、その一次粒子、すなわち前記方法の初期の段階中に生成される粒子が、前記反応の続く段階において強い相互結合を形成し、最終的に3次元ネットワークを生じることを意味することを理解すべきである。一次粒子は、実質的に細孔を含まず、かつそれらの表面上に遊離ヒドロキシル基を有する。そのようなヒュームドシリカケイ素源の含水率は、典型的には5.0質量%を下回る。
他方では、沈降シリカは、シリカゲルとも呼ばれ、沈降法により、例えば、水ガラス(ケイ酸ナトリウム類)と鉱酸との反応の結果として製造される二酸化ケイ素である。そのようなシリカゲルの含水率は、その乾燥条件に依存して、典型的には、0.5質量%~80質量%の範囲内である。前記乾燥は、多様な方法で(例えば熱風ありまたはなしで)、秒(急速な乾燥)ないし時(緩慢な乾燥)の期間にわたって、実施することができる。乾燥させたゲルは、キセロゲル(含水率≦40質量%)と呼ばれ、未乾燥のゲルは、ヒドロゲル(含水率>40質量%)と呼ばれる。
前記ゾル-ゲル法は、ゾルと呼ばれるコロイド分散系から非金属無機またはハイブリッド-高分子材料を製造する方法である。ゾル合成用の出発材料は、しばしば金属またはケイ素のアルコキシドである。そのような出発材料の加水分解および形成するそれらの反応性種間の縮合は、前記ゾル-ゲル法における本質的な基礎反応である。ゾル-ゲル法に特に適したケイ素源は、テトラアルキルオルトシリケートであり、ここで、アルキルは、好ましくは、メチル、エチル、プロピルおよびブチルからなる群から選択される。最も好ましいテトラアルキルオルトシリケートは、テトラエチルオルトシリケートである。
本発明による方法において使用される金属源は、金属酸化物または含金属混合酸化物を含有するあらゆる化合物であってよく、または、酸化または熱および/または加水分解による分解の結果として、相応する金属酸化物または混合酸化物を形成することができる。本発明に関連して使用される金属源は、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、および/または鉄(Fe)の源であり、その際に特に好ましいのはチタンである。
当業者は、ケイ素および金属に適した源を自由に選択することができる。原則的に、当業者は、次の組合せの間で選択することができる:(a)ケイ素源および金属源の双方とも液体形である、(b)前記ケイ素源は固体形であり、かつ前記金属源は液体形である、(c)ケイ素源および金属源は、単一成分へ合一される。“液体形”は、ケイ素源および/または金属源が、液体形または溶液形であることを意味する。
固体形のケイ素源は、例えば、熱分解法二酸化ケイ素、沈降二酸化ケイ素、ゾル-ゲル法により製造される二酸化ケイ素およびそれらの混合物からなる群から選択されてよい。好ましいのは、沈降により製造される高純度二酸化ケイ素であるか、または熱分解法二酸化ケイ素である。
沈降により製造される高純度二酸化ケイ素は、沈降により製造され、かつ
- 1ppm未満のアルミニウム
- 0.1ppm未満のホウ素
- 0.3ppm未満のカルシウム
- 0.6ppm未満の鉄
- 0.5ppm未満のニッケル
- 0.1ppm未満のリン
- 1ppm未満のチタン
- 0.3ppm未満の亜鉛
の含有率を有し、ここで、上記の元素およびナトリウムおよびカリウムの総和は、5ppm未満である、二酸化ケイ素である。そのような高純度二酸化ケイ素は、例えば国際公開第2010/037702号(WO 2010/037702)に開示された方法により、製造することができる。
ケイ素源および金属源は、多様な方法で単一成分へ合一されてよい。ケイ素源としてのシリカゲルの場合に、前記金属源との合一(例えば含浸)は、キセロゲルまたはヒドロゲル上で実施することができる。そのような合一された成分の例は、混合金属-ケイ素酸化物、金属酸化物ドープ二酸化ケイ素、金属含浸二酸化ケイ素、金属シリケート、金属ドープテトラアルキルオルトシリケートおよびそれらの混合物である。この種類の合一された成分は、好ましくは非晶質である。好ましくは、そのような合一された成分は、金属酸化物をドープした非晶質二酸化ケイ素、金属に含浸した非晶質二酸化ケイ素、または非晶質の混合金属-ケイ素酸化物である。
“混合金属-ケイ素酸化物”は、SiOに加えて、好ましくはAl、TiO、およびFeの群からの、1種以上の金属酸化物を含有する。混合金属-ケイ素酸化物は、適したあらゆる方法、例えば火炎熱分解、共沈、ゾル-ゲル法により製造することができる。混合金属-ケイ素酸化物は、例えば、欧州特許出願公開第0814058号明細書(EP 0814058)および独国特許出願公開第102007049742号明細書(DE 102007049742)に、開示されている。
“金属酸化物ドープ二酸化ケイ素”は、当業者に周知の種々の方法により、例えば火炎熱分解または続く焼成を伴う含浸法により、製造することができる。
“金属含浸二酸化ケイ素”は、当業者に周知の種々の含浸方法により、例えば“インシピエントウェットネス”法により、製造することができる。
本発明による方法の好ましい実施態様において、工程(a)において、成分(A)および成分(B)は、単一成分へ合一され、かつこの成分は、非晶質の混合金属-ケイ素酸化物、金属酸化物をドープした非晶質二酸化ケイ素、金属に含浸した非晶質二酸化ケイ素、金属シリケート、金属ドープテトラアルキルオルトシリケートおよびそれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、成分(A)は、金属酸化物をドープした非晶質二酸化ケイ素、金属に含浸した非晶質二酸化ケイ素、または非晶質の混合金属-ケイ素酸化物である。
本発明による方法のさらに好ましい実施態様において、工程(a)において、成分(A)は固体形であり、かつ成分(B)は液体形である。より好ましくはこれに関連して、成分(A)は、熱分解法二酸化ケイ素、沈降二酸化ケイ素、ゾル-ゲル法により製造される二酸化ケイ素およびそれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくはこれに関連して、成分(A)は、熱分解法二酸化ケイ素の沈降により製造される高純度二酸化ケイ素である。
粗製多孔質結晶性金属シリケートを含む、反応生成物1の水性懸濁液は、70質量%以下の固形分を示す。前記固形分wFT(質量%)は、この懸濁液の全質量(MS)およびこの懸濁液中の水の質量(MHO)から計算することができる:
wFT=(MS-MHO)/MS*100%
好ましくは、前記固形分は、10質量%~70質量%の範囲内であり;より好ましくは10質量%~60質量%の範囲内であり;最も好ましくは20質量%~50質量%の範囲内である。70質量%を超える固形分は、本発明による方法の工程(b)における火炎噴霧熱分解中の技術的困難を引き起こすのに対し、10質量%を下回る固形分は、過度に大量の水を蒸発させなければならないので、前記方法の経済的実行可能性に不利な影響を及ぼす。当業者は、前記固形分を調節する方法を知っており;例えば、反応物は、適した濃度で使用することができるか、または前記懸濁液は、希釈することができる。
火炎噴霧熱分解
用語“火炎噴霧熱分解”は、当業者に周知であり、かつ酸素の存在下での燃料の燃焼により生成される火炎中へ懸濁液の噴霧によりガス流中に微細に分配された液体原料の熱酸化的変換のための方法に関する。火炎噴霧熱分解は、例えば、国際公開第2017/001366号(WO 2017/001366 A1)および米国特許出願公開第2002/0041963号明細書(US 2002/0041963 A1)に記載された、金属酸化物を製造するための確立された方法である。例えば、国際公開第2017/001366号(WO 2017/001366 A1)には、火炎噴霧熱分解によって金属酸化物粉末を製造するためのこの種類の方法が開示されており、前記方法において、シロキサンを含有するエアロゾルが、反応器中の火炎中へ直接導入され、そこで、二酸化ケイ素に変換される。
本発明による火炎噴霧熱分解法は、可燃性燃料の使用を必要とする。そのような燃料の例は、水素、メタン、エタン、プロパン、ブタン、湿性、乾性、または合成天然ガス(NG)およびそれらの混合物を含む。前記燃料は、好ましくは、ガス状態で前記反応器に供給される。しかしながら、メタン、エタン、プロパン、ブタン、湿性、乾性、または合成天然ガス(NG)が燃料として使用される場合には、前記火炎中へ噴霧される水性懸濁液の処理量は、水素を燃料として使用するのに比べて、低下されなければならない。それに応じて、本発明の火炎噴霧熱分解法には、均一な火炎温度および適した速度プロファイルを達成するために、好ましくは、水素が燃料として使用される。
酸素は、前記反応器へ、酸素を含有する任意のガスの形で供給することができる。本発明に関連して好ましいのは、空気を使用することである。
工程(b)の実施中の前記反応器中の工程(a)において得られる懸濁液の材料の平均滞留時間は、1ms~100sであってよい。好ましくは、前記平均滞留時間は、0.1~10sの範囲内;より好ましくは0.5~5sの範囲内である。前記反応器中の上記の平均滞留時間(<t>、[s])の計算は、単位時間あたりの前記反応器に供給されるガスの全体積(Vt、[m/s(STP)])および反応器体積(VR、[m])を用いて実施される。
<t>=VR/Vt。本発明による方法の工程(b)における平均滞留時間は、有機残留物の酸化的分解が、この工程において行われるが、しかし、得られる生成物の多孔質構造が損傷されないように選択される。
本発明による方法の工程(a)において得られる水性懸濁液は、工程(b)の実施中に噴霧される、すなわち周囲ガス中に微細に分配され、ひいてはエアロゾル、すなわち3相の固体/液体/気体混合物を形成し、これはガスからなり、その中に微細に分配された液体小滴を有し、そしてまた固体粒子を含む。前記水性懸濁液を噴霧するのに使用されるガスは、酸素および/または少なくとも1種の上記の燃料および/または少なくとも1種の不活性ガス、例えば窒素を含んでいてよい。好ましいのは、N、Hまたは空気を使用することであり、その際に特に好ましいのは空気である。
前記水性懸濁液の噴霧により工程(b)において形成されるエアロゾルは好ましくは、2mm以下、より好ましくは1mm以下、最も好ましくは0.5mm以下の数値平均小滴直径を有する液体小滴を含む。前記エアロゾル中の液体小滴の数値平均小滴直径は、使用される装置の寸法、相応する流量、液体およびガス特性、およびその他のパラメーターの関数であり、かつ当業者により、標準シミュレーションソフトウェア(例えばAnsys Fluent)を使用する数値シミュレーションによって計算することができる。あるいは、工程(b)において形成されるエアロゾルの数値平均小滴直径は、レーザー回折によって直接測定することができる。測定される小滴粒度分布は、前記数値平均小滴直径として、全ての粒子の50%を超えない小滴サイズを反映する、メジアンd50を定義するのに使用される。
本発明による方法の工程(b)において行われる水性懸濁液の噴霧は、当業者に周知の異なる装置および機器によって達成することができる。例えば、ディスクアトマイザー、ロータリーアトマイザー、超音波アトマイザー、1相流、2相流または多相流ノズル、および多様なインジェクターシステムまたは類似のシステムを使用することができる。好ましくは、本発明による方法の工程(b)における水性懸濁液は、少なくとも1つのノズルを介して前記火炎中へ噴霧される。
本発明による方法の工程(b)において必要とされる酸素は、前記火炎噴霧熱分解反応器に複数の箇所で供給することができる。例えば、前記懸濁液は、空気を含む第1のガス流中へ噴霧することができるのに対して、空気(一次空気)の大部分が、第2のガス流として前記火炎に、前記懸濁液の流れ方向に平行に供給され、かつ第3のガス流(二次空気)を、接線方向(例えば前記懸濁液の流れ方向に対して直交方向)に送り込んで、例えば材料析出物を回避することができる。燃料を前記反応器に複数の箇所で供給することは、例えば主要な流れ(一次燃料流)を一次空気流および第2の流れ(二次燃料流、外部燃料)と一緒に、例えば前記火炎を安定化させるために、同様に有利でありうる。
本発明による方法の工程(b)の実施において、酸素の量が、前記反応混合物の全ての可燃性成分の全量に比べて過剰である場合に特に有利である。前記反応混合物は、工程(b)において使用されるガス成分と一緒に工程(b)において変換される懸濁液を意味すると理解される。この反応混合物の可燃性成分は、例えば、使用される燃料およびテンプレートを含む。指数λ(ラムダ)は、それぞれmol/hの、前記反応混合物中に存在する酸素の量の、前記反応混合物中の全ての可燃性成分の完全燃焼に必要とされる酸素の量により除した比を記載する。好ましくは、λは、1~10;より好ましくは、2~6の範囲内の値に設定される。
本発明の方法の工程(b)中に使用される酸素および燃料は、予熱された形で導入することができる。適した温度範囲は50~400℃である。本発明による方法の工程(a)において生成される懸濁液は、50~300℃の温度に予熱された火炎中へ導入することもできる。より好ましくは、本発明の工程(a)から得られる懸濁液は、製造直後に、すなわち冷却せずに、工程(b)による火炎噴霧熱分解に使用することができる。
工程(b)において使用される全ガス体積(標準立方メートル)の、使用される水性懸濁液の量(kg)に対する比は、好ましくは0.1~100m(STP)/kg、より好ましくは0.5~50m(STP)/kg、最も好ましくは1~10m(STP)/kgである。
本発明による方法により得ることができる粉末状の多孔質結晶性金属シリケートは好ましくは、ゼオライト構造を有する。ゼオライトは、結晶性シリケート、例えばアルミノシリケートであり、シリケート四面体(SiO-)および他の構造単位(例えばAlO-四面体)の、酸素原子を介した3次元結合が、空隙部および細孔を有する規則構造を生じる。多様なタイプのゼオライトが存在し、それらの構造型に従って命名される。ゼオライト、殊に公知のゼオライトの結晶構造型に関する一般情報は、Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, “Zeolites”章, [online], 2012年04月15日、DOI: 10.1002/14356007.a28_475.pub2に見出すことができる。
本発明による方法により得ることができる粉末状の多孔質結晶性金属シリケートは好ましくは、LTA、MFI、FAU、MOR、MELまたはMWW型の結晶構造を有するゼオライト構造を有する。最も好ましくは、本発明による方法により得ることができる粉末状の多孔質結晶性金属シリケートは、MFIまたはMEL型のゼオライト構造を有する。結晶構造は、X線回折(XRD)を用いる構造解析により決定することができる。ミクロポーラスおよびメソポーラスゼオライト材料についての構造型は、国際ゼオライト学会(IZA, www.iza-online.org)により規定される。
本発明による方法により得ることができる粉末状の多孔質結晶性金属シリケートは好ましくは、ミクロ孔およびメソ孔を有する。ミクロ孔は、IUPACの定義に従い、2nm未満の直径を示し、かつメソ孔は、2~50nmの直径を示す。
前記の粉末状の多孔質結晶性金属シリケートの一般組成は、典型的には
(SiO1-x(A
であり、Aは、Ti、Al、およびFeからなる群からの原子価pの元素であり;mおよびnは、原子の数であり、ここで、m×pは、2nに等しく;xは、0.0001~0.25、好ましくは0.001~0.2および特に好ましくは0.005~0.1の数である。異なる複数の金属Aの場合に、xは、相応して、全ての金属酸化物の総和に関する。Aは、好ましくは、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)から選択され、その際に特に好ましいのはチタン(Ti)である。
本発明による方法により得ることができる粉末状の多孔質結晶性金属シリケートは、好ましくは、チタンシリケート、アルミノシリケートまたは鉄シリケートであってよい。特に好ましいのは、チタンシリケート、殊にチタンシリカライト-1(MFI構造)およびチタンシリカライト-2(MEL構造)である。
本発明による方法の工程(a)において得られる水性分散液中の前記金属シリケート粒子のメジアン粒径(d50)は、好ましくは500nm未満およびより好ましくは400nm未満である。前記金属シリケート粒子のメジアン粒径は、例えば、動的レーザー光散乱(DLS)によって、決定することができる。
本発明による方法により得られる粉末状の多孔質結晶性金属シリケートは、20m/g以上、好ましくは30~800m/g、より好ましくは50~700m/g、最も好ましくは70~600m/gの比表面積を有していてよい。前記比表面積は、単純にBET表面積とも呼ばれ、Brunauer-Emmett-Teller法に従う窒素吸着によるDIN 9277:2014に従って測定される。脱着された累積窒素細孔容積、およびミクロ孔容積は、BJHに従って計算される(BARRETT, JOYNERおよびHALENDA, Journal of the American Chemical Society, 73:373-380, 1951)。
強熱減量(単位:質量%)は、DIN 18128:2002-12により試料中の有機物質の割合の尺度として定義される。灰化プロセスは、前記試料中の有機成分を除去し;例えば、存在する炭素は、酸化され、かつ二酸化炭素として逃出する。本発明による方法により得られる粉末状の多孔質結晶性金属シリケートのDIN 18128:2002-12による強熱減量は、好ましくは5質量%未満、より好ましくは3質量%未満、最も好ましくは2質量%未満である。
好ましい実施態様において、本発明は、前記多孔質結晶性金属シリケートが、MFI型のゼオライト構造を有する方法に関する。
別の好ましい実施態様において、本発明は、副成分(C)が第四級アンモニウムヒドロキシド、ジアミン、ジオールおよびそれらの混合物からなる群から選択され、かつ金属源(B)がチタン(Ti)の源である方法に関する。
別の好ましい実施態様において、本発明は、副成分(C)がテトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、1,6-ジアミノヘキサン、1,2-ペンタンジオールおよびそれらの混合物からなる群から選択され、かつ金属源(B)がチタン(Ti)の源である方法に関する。
別の好ましい実施態様において、本発明は、副成分(C)がテトラプロピルアンモニウムヒドロキシドであり、かつ金属源(B)がチタン(Ti)の源であり、かつ前記多孔質結晶性チタンシリケートが、MFI型のゼオライト構造を有する方法に関する。
別の好ましい実施態様において、本発明は、
- 成分(A)が、熱分解法二酸化ケイ素、沈降二酸化ケイ素、ゾル-ゲル法により製造される二酸化ケイ素およびそれらの混合物からなる群から選択され、かつ
- 金属源(B)がチタン(Ti)の源であり、かつ
- 副成分(C)が有機塩基、第四級アンモニウムヒドロキシドおよびそれらの混合物からなる群から選択され、かつ
- 前記多孔質結晶性金属シリケートが、MFIまたはMEL型のゼオライト構造を有し、かつ
- 火炎噴霧熱分解に使用される燃料が、水素である、
方法に関する。
別の好ましい実施態様において、本発明は、
- 成分(A)および成分(B)が、単一成分へ合一され、かつこの成分が、非晶質の混合金属-ケイ素酸化物、金属酸化物をドープした非晶質二酸化ケイ素、金属に含浸した非晶質二酸化ケイ素、金属シリケート、金属ドープテトラアルキルオルトシリケートおよびそれらの混合物からなる群から選択され、かつ
- 金属源(B)がチタン(Ti)の源であり、かつ
- 副成分(C)が有機塩基、第四級アンモニウムヒドロキシドおよびそれらの混合物からなる群から選択され、かつ
- 前記多孔質結晶性金属シリケートが、MFIまたはMEL型のゼオライト構造を有し、かつ
- 火炎噴霧熱分解に使用される燃料が、水素である、
方法に関する。
有効ピーク温度Teff
有効ピーク温度、Teffは、火炎噴霧熱分解中に、工程(b)において得られる小滴のそれぞれにおいて前記多孔質結晶性金属シリケートが経験する最高温度である。有効ピーク温度、Teffは、多数の変数、例えば使用される装置の寸法、流量、液体および気体特性等から生じる。これは、下記に記載されるような標準的な分子動力学計算(例えばAnsys Fluent)により計算される。
本発明によれば、火炎熱分解中に前記多孔質結晶性金属シリケートの少なくとも90質量%が経験する有効ピーク温度、Teffは、反応生成物1中に存在する有機物の酸化的分解が、実質的に完了される(すなわち反応生成物1中に存在する有機物の70%超、好ましくは90%超が除去される)が、しかし、前記生成物の多孔質構造が損傷されないように調節される。
これを達成するために、有効ピーク温度、Teffは、次のとおりに調節しなければならない:Tmin<Teff<Tmax
ここで、Tmin=750℃およびTmax=1250℃であり、
好ましい実施態様において、TminおよびTmaxは、Tmin=800℃およびTmax=1200℃として選択され、
他の好ましい実施態様において、TminおよびTmaxは、Tmin=850℃およびTmax=1100℃として選択される。
標準的な分子動力学シミュレーション(例えばAnsys Fluent)によるTeffの計算:
下記に記載されるようなシミュレーションは、標準シミュレーションソフトウェア(例えばAnsys Fluent)で実施することができ、こうして、火炎熱分解を経る複数の小滴のそれぞれにおける前記多孔質結晶性金属シリケートが経験する前記有効温度の計算を容易にする。前記小滴のそれぞれについて得られる最高温度は、その小滴中に含まれる前記多孔質結晶性金属シリケートが経験する有効ピーク温度、Teffである。本発明によれば、火炎熱分解中に前記多孔質結晶性金属シリケートの少なくとも90質量%が経験する有効ピーク温度、Teffは、次のとおり調節しなければならない:Tmin<Teff<Tmax。前記シミュレーションのために、前記小滴の水、シリケートおよび有機残留物成分が考慮される必要がある。
連続体(気)相:
前記シミュレーションのために、気相は、理想気体として処理される。ガス混合物の熱伝導率、粘度および熱容量Cは、質量加重混合則を用いて計算される。純成分(例えばH、HO(v)、CO、O、N)の特性は、材料データベースから(例えばAnsys Fluentデータベースから)得られる。前記気相中の各成分の質量拡散率は、気体分子運動論を用いて計算され、必要とされるパラメーターは、公衆に利用可能な材料データベース(例えばAnsys Fluentデータベース)において全て入手可能である。燃料質量流量および空気質量流量が入力量として使用される。実現可能なk-εモデルは、乱れを説明するために使用される。離散座標モデルは、角離散化を用いる前記気相中の放射をシミュレートするのに使用され、例えばθ分割:4;φ分割4;θ画素:1;φ画素:1;壁:不透過、内部放射率:1;環境への熱伝達係数:例えば5W/m/K;環境温度:例えば300K。燃焼モデル:有限-速度(1工程)/渦-散逸。例えば、燃料成分としてHを用いて:H+0.5O→HO;反応速度論:アレニウスの速度式:前指数因子=9.87e+8、活性化エネルギー3.1e+7J/kmol、速度の指数はHおよびOについては1であり、HOについては0である。混合速度:A=4、B=0.5。
分散(粒子)相:
種/特性:粒子の密度ρおよび粒子のCpを、全ての成分の混合則を用いて計算する。活性化エネルギーは、データベースから入手できない場合には、示差走査熱量測定(DSC)実験のデータをフィッティングすることにより得ることができる。反応熱Hreacは、標準状態エンタルピーおよびCpを用いて計算することができる。
粒子運動:
小滴軌道は、前記シミュレーションのためのソルバーとして使用される、オイラー-ラグランジュアプローチ、いわゆる離散相モデル(DPM)(例えばAnsys Fluentにおける)を用いて計算される。前記流体相は、ナビエ-ストークス方程式を解くことにより連続体として処理されるのに対し、前記分散相は、計算された流動場を通る大多数の粒子を追跡することにより解かれる。前記分散相は、運動量、質量およびエネルギーを前記流体相と交換する。前記分散相はこの場合に低い体積分率を占めるので、粒子-粒子相互作用は無視することができる。
離散相粒子の軌道は、前記粒子上の力平衡を積分することにより予測され、これはラグランジアン基準系において記述される。この力平衡は、前記粒子慣性を前記粒子に作用する力と均等化させ、かつ次のように記述することができる:
Figure 2022514432000001
Figure 2022514432000002
Figure 2022514432000003
前記粒子の不活性な加熱または冷却:
不活性な加熱または冷却は、前記小滴温度が蒸発温度Tvap未満であるか、または前記小滴の溶剤および有機残留物が消費されている、すなわち小滴が乾燥粒子になる際に、適用される。この場合に前記粒子温度は、次のものを用いて計算される:
Figure 2022514432000004
前記シミュレーションにおいて、前記粒子の放射は、その小さい体積分率を鑑みて無視される
Figure 2022514432000005
熱伝達係数hは、ランツおよびマーシャルの相関式を用いて評価される:
Figure 2022514432000006
=粒径
=前記連続相の熱伝導度
Pr=連続相のプラントル数cμ/k
蒸発中の熱および物質移動:
前記小滴が、蒸発温度Tvapに達したときに、前記小滴の蒸発は、開始され、かつ前記小滴がその沸点に達するまで、または前記小滴中の溶剤がその間に消費されるまで続く。
小滴温度は、前記小滴中の著しい熱変化が小滴と連続相との間の伝導熱伝達および潜熱伝達に関係する熱収支に従って、更新される:
Figure 2022514432000007
前記蒸発の速度は、前記小滴表面およびバルクガスでの蒸気濃度の差に関係した気相中への小滴蒸気の流束を伴う、勾配拡散により支配されると仮定される:
Figure 2022514432000008
前記小滴表面での蒸気の濃度は、その界面での蒸気の分圧が、小滴温度Tでの飽和蒸気圧Psatに等しいと仮定することにより評価される。
Figure 2022514432000009
Rは、普遍気体定数である。
前記バルクガス中の蒸気の濃度は、次のように種iについての輸送方程式の解から既知である:
Figure 2022514432000010
=種iのバルクモル分率
p=局所絶対圧力(Pa)
=ガス中の局所バルク温度(K)
物質移動係数kは、シャーウッド数の相関式から計算される:
Figure 2022514432000011
Figure 2022514432000012
沸騰中の熱伝達および物質移動:
前記小滴温度が沸点Tbpに達するときに、沸騰速度方程式は、前記小滴温度が沸騰中に一定のままであるというという事実に照らして、その液相から気相への相変化を考慮することにより、適用される
Figure 2022514432000013
Figure 2022514432000014
反応/燃焼中の熱伝達および物質移動:
全ての水が蒸発されるときに、燃焼は開始され、全ての有機残留物が消費されるまで、または前記粒子が出口を通って計算領域の外へ飛び出すまで行われる。
その表面反応は、前記気相中の酸化体種を消費する。すなわち、これは、この種についての輸送方程式の計算中に(負の)ソース項を供給する。同様に、前記表面反応は、前記気相中の種のソースである:前記の不均質な表面反応の生成物は、前記気相中に特定される化学種として現れる。前記表面反応も、エネルギーを、定義された反応熱により決定される量で、消費または生成する。
表面反応中の粒子の熱収支は、次のとおりである:
Figure 2022514432000015
hは、不活性な加熱の場合のとおりに定義される。
=ファクター
前記表面反応により生成されるエネルギーの一部のみ(1-f)が、気相エネルギー方程式における熱源として現れ、前記粒子は、この熱の分率fを直接吸収する。石炭燃焼のためには、チャー燃え切り生成物がCOである場合にfが0.3に設定されることが推奨され、同じ値を、本シミュレーションに適用することができる。
生成物成形
本発明による方法は、粉末形の多孔質結晶性金属シリケートを与える。触媒としての使用のためには、この粉末は、粉末触媒を成形する公知の方法、例えば圧縮、造粒、噴霧乾燥、噴霧造粒または押出しにより、適した形、例えば微粒、球、タブレット、中実円筒、中空円筒またはハニカムに変換することができる。
したがって、さらなる態様において、本発明は、工程(b)に続いて、次の副工程を含む成形工程(c)が行われる、本発明による方法を含む:
(1)水を添加して、前記の粉末状の多孔質結晶性金属シリケートの水性懸濁液を得ること、
(2)副工程(1)において得られた懸濁液を、造粒助剤と混合すること、
(3)副工程(2)において得られた生成物を、圧縮し、造粒し、噴霧乾燥し、噴霧造粒し、および/または押し出して、微粒、球、タブレット、中実円筒、中空円筒またはハニカムの形の多孔質結晶性金属シリケートを得ること。
そのような成形体の粒度は、好ましくは0.1~10cmの範囲内である。
混合および成形のためには、公知のあらゆる混合および成形装置および方法を使用すること、および標準のあらゆる造粒助剤を使用することが可能である。この種類の公知の成形装置は、例えば、Ullmann's Enzyklopaedie der Technischen Chemie [Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry], 第4版, 第2巻, p.295 ff., 1972に記載されている。好ましいのは、一軸および二軸スクリュー押出機または押出プレスを使用することである。多数の公知の幾何学的形状、例えば中実円筒、中空円筒、星型等を製造することができる。しかしながら、ハニカムを製造することも可能である。
好ましい実施態様において、本発明の方法は、チタンシリカライト-1およびチタンシリカライト-2型のチタン含有ゼオライトを得るのに使用され、これらは、例えば過酸化水素での酸化反応における触媒として、使用することができる。より詳しくは、そのようなチタン含有ゼオライトを、過酸化水素水によるオレフィンのエポキシ化用の触媒として使用することができる。
例2の生成物のXRD分析。 例3の生成物のXRD分析。 例4の生成物のXRD分析。 例5の生成物のXRD分析。 例3について得られる1000個(100個の群×各群における10試行)の中からの、計算された3個の例示的な粒子軌道の粒子温度対粒子滞留時間。 例4について得られる1000個(100個の群×各群における10試行)の中からの、計算された3個の例示的な粒子軌道の粒子温度対粒子滞留時間。 例5について得られる1000個(100個の群×各群における10試行)の中からの、計算された3個の例示的な粒子軌道の粒子温度対粒子滞留時間。
例1:水熱合成による粗製懸濁液の製造
チタンシリカライト-1ゼオライト(TS-1;MFI構造型)の合成を、3m圧力反応器中で、欧州特許第0814058号明細書(EP 0814058 B1)の例1からの相応する方法に従って実施した。使用したケイ素源は、非晶質の高純度二酸化ケイ素(製造者:Evonik Resource Efficiency GmbH)であり、かつ使用したチタン源は、TiO 19.0質量%の含有率を有するチタン-テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド水溶液(Ti-TPA溶液)であった。前記Ti-TPA溶液を、次のとおり製造した:
脱イオン水90.1kg、40%テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド水溶液(製造者:Sachem)167.3kgおよびテトラエチルオルトチタネート(製造者:Connect Chemicals GmbH)141.6kgを40℃で、閉じた容器中で1時間混合する。前記反応の発熱は、約25℃の温度上昇をもたらした。これに続いて、80℃で30l/hの蒸留速度で、形成されたエタノールの蒸留による除去を行った。生じるTi-TPA溶液についての目標値は、19.0質量%のTiO含有率であった。冷却後に、前記Ti-TPA溶液を、そのTS-1合成において使用した。
前記圧力反応器に、次のものを装入した:高純度二酸化ケイ素(Evonik Industries)500kg、40%テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド水溶液(製造者:Sachem)382kg、Ti-TPA溶液193kg、シリカライト-1種晶10kgおよび脱イオン水1800kg。この混合物を、閉じた圧力反応器中で50rpmの撹拌機スピードで170℃で3h撹拌した。170℃への加熱時間は180minであり;150minの冷却時間後に、前記合成を終了した。50rpmのスピードでの撹拌を、前記合成の開始から終了まで続けた。
前記シリカライト-1種晶を、圧力反応器中での高純度二酸化ケイ素(Evonik Resource Efficiency GmbH)500kg、40%テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド水溶液(製造者:Sachem)400kgおよび脱イオン水1800kgの水熱合成により製造した。この混合物を、閉じた圧力反応器中で50rpmのスピードで160℃で3h撹拌した。160℃への加熱時間は180minであり;150minの冷却時間後に、前記合成を終了した。50rpmの撹拌機スピードでの撹拌を、前記合成の開始から終了まで続けた。
例2:前記水熱合成後の従来の後処理
酢酸(60質量%)を、例1に記載された粗製懸濁液にpH=7まで添加し、形成された沈殿を、フィルタープレスでろ過し、蒸留水で洗浄した。得られた固形物を、420℃の入口温度および1700min-1の噴霧器スピード(110℃の出口温度)での噴霧乾燥によって乾燥させた。続いて、部分的に乾燥された粉末を、650℃を超えない温度で回転管中で2h焼成した。こうして得られた生成物は、470m/gのBET表面積および0.65%の強熱減量(550℃で測定)を有していた。XRD分析(図1)は、得られた生成物が、チタンシリカライト-1(TS-1)の結晶構造(ICDD参照コード:01-089-8099)を有することを示した。BJHによる窒素での細孔分析により0.23ml/gの細孔容積を得た。
例3(負の例):水熱合成後の噴霧焼成(Teff=650℃)
例1において得られた粗製懸濁液(15kg/h)を、噴霧用の窒素18m/hを用いて、内径2mmおよび間隙1mmを有する2相流ノズルを介して、パイロットプラント中で噴霧した。水素/空気炎を、水素8m/hおよび一次空気45m/hで操作した。窒素の処理量は18m/hおよび二次空気25m/hであった。点火箇所の1.5m下で測定される温度を、前記水素流のわずかな変更により400℃に調節した。前記反応器中の断熱燃焼温度は、約544℃であった。前記反応器中の粒子の平均滞留時間は、1.35sであった。焼成したゼオライトを含むオフガスを、100mmの直径および6mの長さを有する冷却帯域(冷却剤温度:25℃)に導き、ついでフィルターキャンドルで最大250℃で捕集した。前記フィルターキャンドルの順次のクリーニングにより、焼成済みの生成物(4.4kg/h)を捕集することが可能であった。こうして得られた生成物は、8.6%の強熱減量(550℃で測定)を有し、多すぎる有機残留物が、前記生成物の表面上に析出されたままであったという事実に照らして、さらなる加工(成形)に適していなかったことを明らかに示している(強熱減量は5%の限界値を明らかに超えていた)。XRD分析(図2)は、前記生成物がTS-1の結晶構造(ICDD参照コード:01-089-8099)を有することを示した。
詳細なシミュレーション:
前記気相についての入力パラメーター:
噴霧空気:18Nm/h
一次空気:45Nm/h
二次空気:25Nm/h
:8Nm/h
乱れモデル:実現可能なk-εモデル。
気相中の放射モデル:以下を用いる離散座標モデル:
角離散化:θ分割:4;φ分割:4;θ画素:1;φ画素:1;
壁の境界条件:不透過、内部放射率:1;
環境への熱伝達係数(外側の壁についてのみ):5W/m/K;環境温度:300K。
燃焼モデル:有限-速度/渦-散逸
+0.5O→H
反応速度論:
アレニウスの速度式:前指数因子=9.87e+8、活性化エネルギー3.1e+7J/kmol、速度の指数はHおよびOについては1であり、HOについては0である。
混合速度:A=4、B=0.5
特性/特性モデル:
前記ガスは、理想気体として処理される。前記ガス混合物の熱伝導率、粘度および熱容量Cpは、質量加重混合則を用いることにより計算される。H、HO(v)、CO、O、Nについての純成分の特性は、Ansys Fluentからの材料データベースから得られる。前記気相中の各成分の質量拡散率は、気体分子運動論を用いて計算され、必要とされるパラメーターは、Ansys Fluentデータベースから全て入手可能である。
前記粒子相についての入力パラメーター:
種/特性:粒子の密度ρおよび粒子のCpは、全ての成分の混合則を用いて計算される。
種1:HO、初期質量分率60.3%
Figure 2022514432000016
水の潜熱=2263037J/kg、蒸発温度Tvap=284K、沸点:Tbp=373K、飽和蒸気圧Psat(T):T=274-647Kからの32ポイントを用いる区分的線形。
種2:TPAOH、初期質量分率9.7%、
Figure 2022514432000017
標準状態エンタルピーH=-2.12e8J/kmol(反応熱Hreacの計算用)
種3:シリケート、初期質量分率30%、
Figure 2022514432000018
不活性として処理される。
Figure 2022514432000019
時定数:0.15(確率的追跡に使用される)。
反応速度論:
TPAOH+18.75O→14.5HO+CO+N
アレニウスの速度式:前指数因子=0.2、
活性化エネルギー 8e7J/kmol
の速度の指数:1。
粒子運動を、方程式1~3を用いて計算した。粒子は、不活性な加熱、蒸発、沸騰および燃焼を経験し、それらの温度を、方程式4~15を用いて計算した。
図5は、例3について得られる1000個(100個の群×各群における10試行)の中からの、計算された3個の例示的な粒子軌道の粒子温度対粒子滞留時間を示す。
例4:水熱合成後の噴霧焼成(Teff=1000℃)
例1において得られた粗製懸濁液(25kg/h)を、噴霧用の空気18m/hを用いて、内径2mmおよび間隙1mmを有する2相流ノズルを介して、パイロットプラント中で噴霧した。水素/空気炎を、水素8.5m/hおよび一次空気27m/hで操作した。窒素の処理量は18m/hおよび二次空気25m/hであった。点火箇所の1.5m下で測定される温度を、前記水素流のわずかな変更により700℃に調節した。前記反応器中の断熱燃焼温度は、約750℃であった。前記反応器中の粒子の平均滞留時間は、約1.1sであった。焼成したゼオライトを含むオフガスを、100mmの直径および6mの長さを有する冷却帯域(冷却剤温度:25℃)に導き、ついでフィルターキャンドルで最大250℃で捕集した。前記フィルターキャンドルの順次のクリーニングにより、焼成済みの生成物(7.3kg/h)を捕集することができた。こうして得られた生成物は、489m/gのBET表面積および0.3%の強熱減量(550℃で測定)を有していた。XRD分析(図3)は、前記生成物が、TS-1の結晶構造(ICDD参照コード:01-089-8099)を有することを示した。
有効粒子温度のシミュレーションを、例3に類似して実施した。
図6は、例4について得られる1000個(100個の群×各群における10試行)の中からの、計算された3個の例示的な粒子軌道の粒子温度対粒子滞留時間を示す。
例5:(負の例):水熱合成後の噴霧焼成(Teff=1300℃)
例1に記載された粗製懸濁液(15kg/h)を、噴霧用の空気18m/hを用いて、内径2mmおよび間隙1mmを有する2相流ノズルを介して、パイロットプラント中で噴霧した。水素/空気炎を、水素17.4m/hおよび一次空気40m/hで操作した。窒素の処理量は18m/hおよび二次空気25m/hであった。点火箇所の1.5m下で測定される温度を、前記水素流のわずかな変更により950℃に調節した。前記反応器中の断熱燃焼温度は、約980℃であった。前記反応器中の粒子の平均滞留時間は、約0.9sであった。焼成したゼオライトを含むオフガスを、100mmの直径および6mの長さを有する冷却帯域(冷却剤温度:25℃)に導き、ついでフィルターキャンドルで最大250℃で捕集した。前記フィルターキャンドルの順次のクリーニングにより、焼成済みの生成物(4.4kg/h)を捕集することができた。こうして得られた生成物は、429m/gのBET表面積および0.6%の強熱減量(550℃で測定)を有していた。XRD分析(図4)は、TS-1(ICDD 参照コード:01-089-8099)に対して構造損傷の一部のより小さな徴候を示した。BETおよびXRDは、前記構造が、約15%の表面積の生じる損失(例4に比べて)を伴って損傷され、したがって、得られた生成物は、さらなる加工、すなわち成形およびHPPO試験反応における使用に適していないことを示す。
有効粒子温度のシミュレーションを、例3に類似して実施した。
図7は、例5について得られる1000個(100個の群×各群における10試行)の中からの、計算された3個の例示的な粒子軌道の粒子温度対粒子滞留時間を示す。
例6:例2(従来の後処理)からのゼオライト粉末の成形
例2からの粉末(1200g)を、メチルヒドロキシエチルセルロース(Tylose MH1000)75g、Licowax C 75g、シリカゾル溶液(Koestrosol 0830 AS)1000gおよび脱イオン水350gと、Eirichミキサー中で混合した。得られた塊状物を、押出機(HB-Feinmechanik LTW 63)で、直径3.2mmを有する多孔板を通して押し出した。この押出物を、ついで乾燥器中で80℃で1時間乾燥させ、マッフル炉中で570℃で12h焼成した。
例7:例4(火炎噴霧熱分解後処理)からのゼオライト粉末の成形
例4からの粉末(1200g)を、メチルヒドロキシエチルセルロース(Tylose MH1000)75g、Licowax C 75g、シリカゾル溶液(Koestrosol 0830 AS)1000gおよび脱イオン水350gと、Eirichミキサー中で混合した。得られた塊状物を、押出機(HB-Feinmechanik LTW 63)で、直径3.2mmを有する多孔板を通して押し出した。この押出物を、ついで乾燥器中で80℃で1時間乾燥させ、マッフル炉中で570℃で12h焼成した。
例8:比較例6(従来の後処理)からの触媒での触媒試験
プロペンのエポキシ化を、それぞれ押出物の形の例6からの触媒9gを含有する2つの固定層反応器で実施した。前記反応器を、直列に配置し(反応器1→反応器2)、かつアップフロー式に操作した。メタノール、過酸化水素(60質量%)および水からなり、20g/hの全流量を有する第1のフィード流、およびプロピレン20g/hからなる第2のフィード流を、双方とも第1の反応器に供給した。その反応圧力を、第2の反応器の下流の圧力保持弁によって25barで維持した。第2の固定層反応器を去る反応混合物を、周囲圧力に放圧した。生じた気相を、プロピレン、プロピレンオキシドおよび酸素について分析し、かつ生じた液相を、プロピレンオキシドおよび過酸化水素について分析した。23hの反応操作時間後のプロピレンオキシドについての初期選択率は、91.1%であった。480h後に、プロピレンオキシドについての選択率は、97.7%であった。
例9:例7(火炎噴霧熱分解後処理)からの触媒での触媒試験
プロペンのエポキシ化を、例8と同じ方法であるが、例7において製造された触媒を使用して実施した。
25hの反応操作時間後のプロピレンオキシドについての初期選択率は、93.5%であった。480h後に、プロピレンオキシドについての選択率は、98.6%であった。
第1表:触媒試験反応の結果の比較
Figure 2022514432000020
例3~5により例2と比較して示されるように、本発明による方法は、従来の方法よりもはるかに少ない方法工程を有する。さらに、本明細書に開示される方法は、水熱合成後の生成物のろ過およびクリーニング中に典型的に生じる廃水を処理する問題を回避する。驚くべきことに、得られたチタンシリカライトは、火炎噴霧熱分解後に、従来技術により製造されたチタンシリカライトに匹敵する多孔度を有する。
例8および9から明らかであるように(第1表にまとめられている)、従来技術により製造された触媒(例6)ならびに本発明に従って得られた触媒(例7)の双方とも、高度に活性であり、かつ480hの操作時間後にプロピレンのプロピレンオキシド(PO)へのエポキシ化において選択的である。しかしながら、本発明に従って得られた触媒は、従来の触媒に匹敵する空時収量を示す一方で、同時に、従来の触媒よりも0.9%高いプロピレンオキシドについての選択率を示す。したがって、本発明に従って得られたチタンシリカライト-1触媒を用いて、単位時間および反応器体積を基準として、プロピレンオキシドの生成物収率を明らかに増加させることが可能である。
例10:
以下に記載される例1の合成変法を、1L実験室用オートクレーブ中で実施し、前記結晶構造を破壊することなく、適した条件下での噴霧熱分解を多様な合成生成物に適用することができることを実証するために、例4に従ってTeff=1000℃でさらに加工した。
一般的説明:
ゼオライトを、次の手順に従って製造した:典型的な実験において、金属源、ケイ素源、副成分、水および任意に種晶ゾルを、ステンレス鋼オートクレーブ(Buechi、V=1.1cm、D=8.4cm、H=20.3cm、電気加熱)中へ充填し、静かに混合した。
あるいは、前記ケイ素源を、前記合成前に、シリカキセロゲルまたはヒドロゲルを液体チタン溶液、例えば硫酸チタニル、シュウ酸チタン、乳酸チタン(またはその他のチタン含有溶液)で処理することにより、前記金属源と合一(含浸)して、シリカ-チタニアキセロゲルまたはシリカ-チタニアヒドロゲルとも呼ばれる、金属含浸二酸化ケイ素が生じる。ここで挙げられる例において、硫酸チタニルを、シリカヒドロゲル上に含浸するのに使用した(任意に、続いて乾燥工程を行って前記含水率を低下させた)。前記合一後に、前記ヒドロゲルは、任意に、前記材料の含水率を変えるために、キセロゲルへと乾燥させることができた。前記シリカ-チタニアキセロゲルまたはヒドロゲルを、前記オートクレーブ中へその他の成分と一緒に添加した。
チタンシリカライト-1(MFI構造)の合成のためには、任意にシリカライト-1またはチタン-シリカライト-1種晶(またはその混合物)を使用することができた。チタンシリカライト-2(MEL構造)の合成のためには、任意にシリカライト-2またはチタン-シリカライト-2種晶(またはその混合物)を使用することができた。
前記オートクレーブを密閉した後に、前記混合物を、水熱処理し(1Kmin-1の加熱速度)、かつ250~450rpmで撹拌した。ついで、前記オートクレーブを、約1Kmin-1の冷却速度で室温に冷却して、生じたゼオライトを含有する水性懸濁液を得た。
水熱合成後に得られた粗製懸濁液を、例4に従ってTeff=1000℃で加工し、かつ分析した。
a)前記オートクレーブ中にヒュームドシリカ粉末120g、シュウ酸チタン50g、水溶液中のシリカライト-1種晶20g、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(40%水溶液)100gおよび水200gを添加することにより、チタン-シリカライト-1(構造型MFI)を合成して得る。上記の一般的説明を用いて、前記オートクレーブを、160℃に加熱し、冷却前に180min撹拌した。ケイ素源の含水率は、5質量%未満であった。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
b)前記オートクレーブ中にテトラエチルオルトシリケート>99% 300g、テトラエチルオルトチタネート(35%TiO)8g、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(40%水溶液)130gおよび水250gを添加することにより、チタン-シリカライト-1(構造型MFI)を合成して得る。上記の一般的説明を用いて、前記オートクレーブを、160℃に加熱し、冷却前に180min撹拌した。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
c)前記オートクレーブ中にシリカ-チタニアヒドロゲル(TiO 2.5質量%、含水率60~80質量%)250g、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(40%水溶液)115g、チタン-シリカライト-1種晶20gおよび水250gを添加することにより、チタン-シリカライト-1(構造型MFI)を合成して得る。上記に記載されたように、前記合成前に、前記ケイ素源(シリカヒドロゲル)は、硫酸チタニル(水溶液中50%)と合一されて、60~80%の含水率を有するシリカ-チタニアヒドロゲルが得られていた。前記一般的説明に従い、前記オートクレーブを、160℃に加熱し、冷却前に180min撹拌した。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
d)例c)のように、しかし、50~70質量%の含水率を有するシリカ-チタニアヒドロゲルおよび水300gを用いた。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
e)例c)のように、しかし、50~60質量%の含水率を有するシリカ-チタニアヒドロゲルおよび水300gを用いた。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
f)例c)のように、しかし、30~50質量%の含水率を有するシリカ-チタニアヒドロゲルおよび水300gを用いた。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
g)例c)のように、しかし、10~30質量%の含水率を有するシリカ-チタニアキセロゲルおよび水350gを用いた。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
h)例c)のように、しかし、10質量%未満の含水率を有するシリカ-チタニアキセロゲルおよび水450gを用いた。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
i)例d)のように、しかし、前記オートクレーブを180℃に加熱し、撹拌を60min維持した。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
j)例e)のように、しかし、前記オートクレーブを180℃に加熱し、撹拌を60min維持した。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
k)例e)のように、しかし、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(35%水溶液)100gを用いた。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
l)例e)のように、しかし、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(20%水溶液)150gを用いた。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
m)例e)のように、しかし、1,6-ジアミノヘキサン200gを用い、かつテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(40%水溶液)を用いなかった。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
n)例m)のように、しかし、1,6-ジアミノヘキサン100gおよびテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(40%水溶液)50gを用いた。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
o)例m)のように、しかし、1,6-ジアミノヘキサンの代わりに1,2-ペンタンジオール200gを用いた。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
p)例n)のように、しかし、1,6-ジアミノヘキサンの代わりに1,2-ペンタンジオール100gを用いた。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
q)例n)のように、しかし、1,2-ペンタンジオール50gおよび1,6-ジアミノヘキサン50gおよびテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(40%水溶液)50gを用いた。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
r)例a)のように、しかし、1,6-ジアミノヘキサン200gを用い、かつテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(40%水溶液)を用いなかった。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
s)例a)のように、しかし、1,2-ペンタンジオール200gを用い、かつテトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(40%水溶液)を用いなかった。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
t)例e)のように、しかし、TiO含有率3.7質量%を有するシリカ-チタニアヒドロゲルを用いた。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
u)例e)のように、しかし、TiO含有率3.5質量%を有するシリカ-チタニアヒドロゲルを用いた。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
v)例e)のように、しかし、TiO含有率3.1質量%を有するシリカ-チタニアヒドロゲルを用いた。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
w)例e)のように、しかし、TiO含有率2.8質量%を有するシリカ-チタニアヒドロゲルを用いた。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
x)例e)のように、しかし、TiO含有率2.3質量%を有するシリカ-チタニアヒドロゲルを用いた。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
y)例e)のように、しかし、TiO含有率1.8質量%を有するシリカ-チタニアヒドロゲルを用いた。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
z)例e)のように、しかし、TiO含有率1.5質量%を有するシリカ-チタニアヒドロゲルを用いた。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
aa)例e)のように、しかし、TiO含有率1.0質量%を有するシリカ-チタニアヒドロゲルを用いた。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
bb)例e)のように、しかし、TiO含有率0.5質量%を有するシリカ-チタニアヒドロゲルを用いた。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-1のピーク位置を示した。
cc)前記オートクレーブ中にシリカ-チタニアヒドロゲル(TiO 2.5質量%)250g、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(40%水溶液)115g、シリカライト-2種晶20gおよび水300gを添加することにより、チタン-シリカライト-2(構造型MEL)を合成して得る。上記の一般的説明を用いて、前記オートクレーブを、160℃に加熱し、冷却前に180min撹拌した。シリカ-チタニア前駆物質の含水率は、50~60質量%であった。そのXRDパターンは、チタン-シリカライト-2のピーク位置を示した(ICDDデータベースにおけるとおり)。
dd)前記オートクレーブ中にシリカキセロゲル250g、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(40%水溶液)115g、シリカライト-1種晶20g、クエン酸鉄アンモニア30gおよび水350gを添加することにより、鉄-シリカライト-1(構造型MFI)を合成して得る。上記の一般的説明を用いて、前記オートクレーブを、160℃に加熱し、冷却前に180min撹拌した。シリカ前駆物質の含水率は、20~30質量%であった。そのXRDパターンは、鉄-シリカライト-1のピーク位置を示した(ICDDデータベースにおけるとおり)。
ee)前記オートクレーブ中にシリカキセロゲル250g、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(40%水溶液)115g、シリカライト-1種晶20g、クエン酸鉄アンモニア30g、硝酸アルミナ50gおよび水350gを添加することにより、鉄-ZSM-5、(構造型MFI)も呼ばれる、アルミニウム-鉄-シリカライト-1を合成して得る。上記の一般的説明を用いて、前記オートクレーブを、160℃に加熱し、冷却前に180min撹拌した。シリカ前駆物質の含水率は、20~30質量%であった。そのXRDパターンは、鉄-ZSM-5のピーク位置を示した(ICDDデータベースにおけるとおり)。
チタンシリカライト-1の結晶学的データ(源:ICDDデータベース)
参照コード:01-089-8099
化合物の名前:ケイ素チタン酸化物
ICSDコード:88413
参考文献:Lamberti, C., Bordiga, S., Zecchina, A., Carati, A., Fitch, A.N., Artioli, G., Petrini, G., Salvalaggio, M., Marra, G.L., J. Catal., 183, 222, (1999)。
反射のリスト:
Figure 2022514432000021
Figure 2022514432000022

Claims (20)

  1. 粉末状の多孔質結晶性金属シリケートを製造する方法であって、次の工程:
    (a)(A)ケイ素源、
    (B)金属源、および
    (C)副成分
    を含む水性混合物を使用して水熱合成して、粗製多孔質結晶性金属シリケートを含む、反応生成物1の水性懸濁液を生じさせる工程;および
    (b)反応生成物1を火炎噴霧熱分解する工程、ここで、工程(a)において得られた水性懸濁液を、酸素の存在下での燃料の燃焼により生成される火炎中へ噴霧して、粉末状の多孔質結晶性金属シリケートを形成させ;
    工程(a)において得られた反応生成物1を含む水性懸濁液が、70質量%以下の固形分を示し;かつ
    火炎熱分解中に前記多孔質結晶性金属シリケートの少なくとも90質量%が経験する有効ピーク温度、Teffが、Tmin<Teff<Tmaxの範囲内であり、かつ
    ここで、Tminが750℃であり、かつ
    ここで、Tmaxが1250℃である
    を含み、かつ
    前記金属源(B)が、チタン(Ti)、鉄(Fe)またはアルミニウム(Al)の源であり、かつ
    前記副成分(C)が、有機塩基、第四級アンモニウムヒドロキシドおよびそれらの混合物からなる群から選択される、前記方法。
  2. 成分(A)が、熱分解法二酸化ケイ素、沈降二酸化ケイ素、ゾル-ゲル法により製造される二酸化ケイ素およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(a)において、成分(A)および成分(B)が、単一成分へ合一され、かつこの成分が、非晶質の混合金属-ケイ素酸化物、金属酸化物をドープした非晶質二酸化ケイ素、金属に含浸した非晶質二酸化ケイ素、金属シリケート、金属ドープテトラアルキルオルトシリケートおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記金属源(B)が、チタン(Ti)の源である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記副成分(C)が、第四級アンモニウムヒドロキシド、ジアミン、ジオールおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記副成分(C)が、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、1,6-ジアミノヘキサン、1,2-ペンタンジオールおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 成分(A)が、熱分解法二酸化ケイ素、沈降二酸化ケイ素、ゾル-ゲル法により製造される二酸化ケイ素およびそれらの混合物からなる群から選択され、かつ
    前記金属源(B)が、チタン(Ti)の源であり、かつ
    副成分(C)が、有機塩基、第四級アンモニウムヒドロキシドおよびそれらの混合物からなる群から選択され、かつ
    前記多孔質結晶性金属シリケートが、MFIまたはMEL型のゼオライト構造を有し、かつ
    火炎噴霧熱分解に使用される燃料が、水素である、請求項1に記載の方法。
  8. 成分(A)および成分(B)が、単一成分へ合一され、かつこの成分が、非晶質の混合金属-ケイ素酸化物、金属酸化物をドープした非晶質二酸化ケイ素、金属に含浸した非晶質二酸化ケイ素、金属シリケート、金属ドープテトラアルキルオルトシリケートおよびそれらの混合物からなる群から選択され、かつ
    前記金属源(B)が、チタン(Ti)の源であり、かつ
    副成分(C)が、有機塩基、第四級アンモニウムヒドロキシドおよびそれらの混合物からなる群から選択され、かつ
    前記多孔質結晶性金属シリケートが、MFIまたはMEL型のゼオライト構造を有し、かつ
    火炎噴霧熱分解に使用される燃料が、水素である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記副成分が、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシドである、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
  10. minが800℃であり、かつTmaxが1200℃である、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
  11. minが850℃であり、かつTmaxが1100℃である、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記の工程(a)における水性混合物がさらに、適した種晶を含む、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記多孔質結晶性金属シリケートが、MFIまたはMEL型のゼオライト構造を有する、請求項1から6までおよび9から12までのいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記多孔質結晶性金属シリケートが、MFI型のゼオライト構造を有する、請求項1から6までおよび9から13までのいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記副成分(C)が、第四級アンモニウムヒドロキシド、ジアミン、ジオールおよびそれらの混合物からなる群から選択され、かつ前記金属源(B)が、チタン(Ti)の源である、請求項1から6までおよび9から14までのいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記副成分(C)が、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、1,6-ジアミノヘキサン、1,2-ペンタンジオールおよびそれらの混合物からなる群から選択され、かつ前記金属源(B)が、チタン(Ti)の源である、請求項1から6までおよび9から15までのいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記副成分(C)が、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシドであり、かつ前記金属源(B)が、チタン(Ti)の源であり、かつ前記多孔質結晶性チタンシリケートが、MFI型のゼオライト構造を有する、請求項1から6までおよび9から16までのいずれか1項に記載の方法。
  18. 火炎噴霧熱分解に使用される燃料が水素である、請求項1から6までおよび8から17までのいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記方法により得られる多孔質結晶性金属シリケートが、5質量%未満のDIN 18128:2002-12による強熱減量を示す、請求項1から18までのいずれか1項に記載の方法。
  20. 工程(b)に続いて、次の副工程:
    (1)水を添加して、前記の粉末状の多孔質結晶性金属シリケートの水性懸濁液を得ること、
    (2)前記副工程(1)において得られた懸濁液を、造粒助剤と混合すること、
    (3)前記副工程(2)において得られた生成物を、圧縮し、造粒し、噴霧乾燥し、噴霧造粒し、および/または押し出して、微粒、球、タブレット、中実円筒、中空円筒またはハニカムの形の多孔質結晶性金属シリケートを得ること
    を含む成形工程(c)を行う、請求項1から19までのいずれか1項に記載の方法。
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