JP2022509905A - トレオスルファンの結晶形 - Google Patents

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Abstract

トレオスルファンの結晶形およびそれを調製する方法が記載される。トレオスルファンのこの結晶形は、がんの処置のため、および骨髄または血液幹細胞の移植前の前処置療法のための医薬組成物において有用である。本発明によるトレオスルファンの結晶形Bは、20.87および23.47±0.20 2θ度、特に20.87、23.47、26.20、29.65、30.81、34.54、35.30、36.87および46.24±0.20の2θ度にピークを有するX線粉末回折パターンを示す。本発明による結晶形Bは、本質的に図1に示すX線粉末回折パターンを示すことによって特に特徴付けられる。

Description

本発明は、トレオスルファンの結晶形Bと命名された、トレオスルファンの新しい結晶形に関し、それは、薬学的活性成分として使用するため、および対応する医薬組成物を調製するために良好な特徴を有する。
トレオスルファン、化学名(2S,3S)-(-)1、4-ジ(メシルオキシ)-2,3-ブタンジオールまたはL-トレイトール-1,4-ジ(メタンスルホネート)は、以下の化学式を有する:
Figure 2022509905000001
トレオスルファンの化学的合成は、独国特許第1 188 583号および独国特許第1 193 938号に開示され、例えば、L-1,4-ジブロモブタン-2,3-ジオールおよびメタンスルホン酸の銀塩を反応させることによって実行される。
トレオスルファンはブスルファンのジヒドロキシ誘導体であり、DNAをアルキル化するその能力から抗腫瘍剤として作用する。それは、卵巣がんの処置のためにそれ自体で、またはさらなる化学療法薬、例えばメルファランおよびダカルバジンと組み合わせて使用される(Baynes et al., Blood 96(11): 170a, Abstr. No. 731, 2000)。卵巣がんの処置について、トレオスルファンによる単独療法は、患者に体表面積1mにつき8gの量を投与することを伴うが、トレオスルファンおよびシスプラチンによる併用療法は、1mにつき5gの量でトレオスルファンを投与することを伴う。
トレオスルファンは、進行した切除不能な非小細胞肺癌の処置でも使用されている(Pawel et al., Onkologie 21:316-319; 1998)。
さらに、欧州特許出願公開第1 227 808号は、患者への骨髄または血液幹細胞移植の前の前処置療法におけるトレオスルファンの使用を開示する。そのような前処置療法では、トレオスルファンの投与は、さらなる薬剤、例えばシクロホスファミド、カルボプラチン、チオテパ、メルファラン、フルダラビン、免疫抑制抗体のいずれかの投与または体の照射と効果的に組み合わせることができる。ブスルファンの使用と比較して、重大な副作用は大部分、または完全に回避することができる。重大な肝臓、肺、腎臓またはCNS毒性を引き起こすことなく、高い投薬量のトレオスルファンを使用することさえできる。前処置相は、骨髄または造血幹細胞の同種異系移植の前の、体表面積1mにつき少なくとも20gのトレオスルファンの全用量の2~7日の期間を含む。
トレオスルファンは、経口使用のためのカプセル剤として、および注入のための溶液を調製するためのトレオスルファンからなる無菌の粉末として市販されている。溶液は、約15~30分以内に静脈内投与される。これらの製品の中のトレオスルファンは、7.69、15.43、18.74、19.14、19.77、20.15、20.28、21.24、21.74、22.07、22.96、23.24、24.36、25.29、28.05、28.28、28.97、30.10および40.55±0.2 2θ度に特徴的ピークを有する粉末X線回折(XRPD)パターンを示す結晶形である。この結晶形は以下の形態Aと命名されるものであり、そのXRPDパターンは図3に示す。
注入のための溶液を調製するために、市販の無菌の粉末を例えば水に50mg/mlの濃度に溶解し、得られた溶液を例えば等張性のNaCl溶液で希釈する。しかし、溶媒として使用する水は、再構成ステップのために30℃に加温しなければならない。さらに、粉末はバイアルの壁から完全に取り除かなければならない。このステップは、壁に固着している粉末粒子の形成を回避するために重要である。形態Aのトレオスルファンのそのような固着粒子は溶解するのが困難であり、それらは完全な溶解を長引かせる。バイアルの調製、水の必要な加温および粉末の完全な溶解を含む、無菌粉末から注入のための溶液を調製するための全プロセスは、約10分かかる。さらに、温かい溶媒の使用は、望ましくない分解のリスクを増強する。
国際出願WO2015/107534は、形態Iおよび形態IIと命名される、トレオスルファンの新規で異なると主張される2つの多形に言及する。その文書は、形態IIをどのように得ることができるかについてのいかなる示唆も欠如しており、したがって形態IIを実施可能とする開示が欠如している。形態Iを調製するプロセスは非常に一般的に記載されているだけであり、いくつかの好ましい有機溶媒に言及しながら有機溶媒またはその混合物からの再結晶を伴うとされているだけである。形態Iを調製する具体的なプロセスの開示は、提供されていない。形態Iのために与えられるX線粉末回折パターンは、下の図3に表される市販製品の結晶形Aのそれに酷似し、これらの形態が実際に同一であることを示唆している。最後に、国際出願WO2015/107534は、代表的には形態Iのトレオスルファンを含むとされる凍結乾燥製剤も記載する。
しかし、トレオスルファンの公知の結晶形には、いくつかのさらなる欠点がある。
特に、公知の形態は、集塊を形成する傾向がある。集塊は予測不能で非常に変動する溶解挙動につながる可能性があるので、これは非常に望ましくない。さらに、集塊は、患者に投与される最終医薬組成物においてトレオスルファンの所望の均一な分布を達成する際に問題をもたらす。これは、医薬組成物の含有量均一性に重大な影響を及ぼす可能性があり、ひいては患者に対するその有効性および安全性に影響する。さらに、集塊を形成する一般的な傾向は、保存に際して、非常に望ましくないその特に高度な量をもたらし得る。集塊を形成する傾向は不均一な粒径分布にもつながり、それは、所望の最終医薬組成物への公知の結晶形の加工に影響する。
国際出願WO2015/107534に開示されるような公知の結晶形の凍結乾燥製剤には、それらの再構成のために必要とされる長い時間、ならびに特に保存の際の高度な量のメタンスルホン酸および水の存在、したがってそれらの安定性に関する欠点もある。メタンスルホン酸は、トレオスルファンの分解産物である。その強力な酸性度のために、それはトレオスルファンのエステル基の加水分解を加速し、したがって分解プロセスを増強する。この理由で、メタンスルホン酸の量は、できるだけ低くするべきである。
欧州特許出願公開第1227808号明細書 国際公開2015/107534号 国際公開2015/107534号
Baynes et al., Blood 96(11): 170a, Abstr. No. 731, 2000 Pawel et al., Onkologie 21:316-319; 1998
したがって、本発明の目的は、トレオスルファンの公知の結晶形の欠点を回避するトレオスルファンの形態を提供することである。
この目的は、請求項1~4に記載のトレオスルファンの結晶形Bによって達成される。
本発明は、請求項5~8に記載のトレオスルファン、請求項9~13に記載のプロセス、請求項14~15に記載の医薬組成物、請求項16~18に記載の医療において使用するためのトレオスルファンの結晶形B、および請求項19に記載の使用にも関する。
図1である。 図2である。 図3である。 図4である。 図5である。
本発明によるトレオスルファンの結晶形Bは、20.87および23.47±0.20 2θ度、特に20.87、23.47、26.20、29.65、30.81、34.54、35.30、36.87および46.24±0.20の2θ度にピークを有するX線粉末回折パターンを示す。
本発明による結晶形Bは、本質的に図1に示すX線粉末回折パターンを示すことによって特に特徴付けられる。
さらに好ましい実施形態では、本発明による結晶形Bは、2θ度で表される以下の領域a~fの少なくとも1つ、好ましくは全部においてピークがないX線粉末回折パターンを示す:
Figure 2022509905000002
本発明による結晶形Bは、好ましくは単結晶X線回折(SCXRD)分析によって得られる単位格子の空間群およびパラメータa、b、c、α、β、γならびに単位格子の体積によっても特徴付けられ、その構造データは、市販の形態Aのものと比較した適合の質に特に関するさらなる情報と一緒に、以下の表に与えられる。
Figure 2022509905000003
a、bおよびc=単位格子の辺の長さ
α、βおよびγ=単位格子の辺の間の角度
V=単位格子の体積
Z/Z’=単位格子の中の分子の数
R1およびwR2=信頼値
T=分析が実行された温度
これらのデータから分かるように、B形は、単位格子(空間群P2)につき2つの分子および561.5Åの体積を有するが、A形は、単位格子(空間群P2)につき4つの分子および1127.22Åの体積を有する。
本発明は、結晶形Bおよび結晶形Aの合わせた量に対して、少なくとも96重量%、特に少なくとも97重量%、好ましくは少なくとも98重量%、より好ましくは少なくとも99重量%の本発明による結晶形Bを含むトレオスルファンにも関する。
したがって、本発明によるトレオスルファンは、非常に少量の従来の結晶形Aおよび非常に多量の本発明の結晶形Bを含む。高い多形純度は、特に医薬組成物の有効成分としての本発明のトレオスルファンの使用のために特に有利である。
本発明は、トレオスルファンの量に対して、少なくとも75重量%、特に少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも85重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、さらにより好ましくは少なくとも95重量%の結晶形Bを含むトレオスルファンにも関する。
好ましい実施形態では、本発明によるトレオスルファンは、トレオスルファンの量に対して、20重量%未満、特に15重量%未満、好ましくは10重量%未満、より好ましくは5重量%未満の非晶質相を含む。
少量の非晶質相は、この相に関連するいくつかの重大な欠点を回避する。先ず、非晶質相は、無制御の結晶化をもたらす傾向がある。さらに、それはより速やかに分解され、乾燥後により高い残留水分含有量を有し、劣った流動性および湿潤性を示し、より容易に静電気的に荷電する。これらの特性の全ては、薬学的活性成分のために望ましくない。
さらに好ましい実施形態では、本発明によるトレオスルファンは、0.2重量%未満、好ましくは0.1%未満、より好ましくは0.05重量%未満のメタンスルホン酸を含む。特に少ない量のメタンスルホン酸は、本発明のトレオスルファンの高い保存安定性の1つの理にかなった説明であり、この酸がトレオスルファンのエステル基の加水分解を加速し、したがってその分解を促進するからである。
驚くべきことに、本発明による結晶形Bおよび本発明によるトレオスルファンが、上で言及した利点に加えて、薬学的活性成分として使用するため、および対応する医薬組成物を調製するためのさらに良好な特徴も示すことが見出された。
特に、結晶形Bは有利な粒径分布を有することが見出された。市販の形態Aと対照的に、本発明による形態Bは、粒子の集塊を形成する傾向がはるかに小さい。これは光学顕微鏡を使用した調査によって示されており、形態Bおよび形態Aの対応する顕微鏡写真を図2および4にそれぞれ示す。それらは、形態Bの粒径分布が顕著により狭く、それは対応する医薬組成物中の活性成分トレオスルファンの含有量の高い均一性に特につながることを示す。
さらに、顕微鏡写真から分かるように、形態Bの結晶は長く薄い刃状の微結晶であるが、形態Aの結晶は長い柱状の結晶である。形態Bの刃状の結晶は形態Aの長い柱状の結晶と比較して、はるかに高い表面対体積比を有する。
本発明は、本発明によるトレオスルファンの結晶形Bおよびトレオスルファンを調製するプロセスにも関する。プロセスは、
(A)水を必要に応じて含む有機溶媒からトレオスルファンを再結晶させる工程、または
(B)水を必要に応じて含む有機溶媒にトレオスルファンを溶解する工程、および溶媒および必要に応じた水を特に室温で乾燥するまで蒸発させる工程、または
(C)水を必要に応じて含む有機溶媒にトレオスルファンを溶解する工程、および貧溶媒を加える工程
を含む。
本発明によるプロセスで使用するトレオスルファンは任意の形態であってよく、特にトレオスルファンの市販されている形態Aである。
バリアント(A)、バリアント(B)およびバリアント(C)における有機溶媒は、エーテル、ケトン、エステルおよびアルコールまたはそれらの混合物の群から特に選択され、好ましくはジオキサン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフランおよびイソプロパノールまたはそれらの混合物である。
バリアント(A)では、トレオスルファンの再結晶化は、典型的には、水を含むことができる選択された有機溶媒にそれを溶解し、得られた溶液を濾過し、溶液を例えば約0℃の低い温度にしばらくの間保つことによって結晶化を引き起こし、形成された結晶を濾過によって分離することによって実行される。
バリアント(B)では、室温は通常20~25℃である。好ましい実施形態では、蒸発は室温かつ約1バールの大気圧で実行される。これは、溶液を開放容器に放置し、それによって、乾燥した生成物が得られるまで溶媒および必要に応じた水の蒸発を起こさせることによって一般的に実行される。
バリアント(B)の別の好ましい実施形態では、水およびイソプロパノールの混合物が使用され、水およびイソプロパノールは室温で乾燥するまで蒸発させる。混合物は、好ましくは約65℃の温度を有する。混合物が約80重量%の水および約20重量%のイソプロパノールを含むことも特に好ましい。
典型的に、バリアント(B)のこの好ましい実施形態は、バイアルなどの第1の容器にトレオスルファンを置き、水およびイソプロパノールの混合物を加え、得られた溶液をバイアルなどの別の容器にフィルタを通して移し、水およびイソプロパノールを蒸発させるためにこの容器を室温で放置することを含む。混合物、溶液を移し濾過するために使用する任意の装置、ならびに第2の容器は、約65℃の温度に加熱されていることが好ましい。
バリアント(C)の好ましい実施形態では、貧溶媒はメチルtert-ブチルエーテル、トルエン、ヘキサン、ペンタン、クロロホルムおよび塩化メチレンから選択される。
バリアント(C)は、典型的に、水を含むことができる選択された有機溶媒にトレオスルファンを溶解し、得られた溶液を濾過し、結晶化させるために溶液を貧溶媒に加え、濾過によって形成された結晶を分離することによって実行される。
本発明は、本発明による結晶形Bまたは本発明によるトレオスルファン、および必要に応じて少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む医薬組成物にも関する。
薬学的に許容される添加剤として、例えば、フィラー、結合剤、担体、希釈剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、緩衝剤、乳化剤、甘味料、香料、保存剤および湿潤剤が挙げられる。
投与様式によって、本発明による医薬組成物は、0.01~100重量%、1~90重量%、25~80重量%、30~70重量%、40~60重量%または約50重量%の本発明による結晶形Bまたはトレオスルファンを含むことができる。
医薬組成物は、全身投与のためのもの、例えば、錠剤、マイクロタブレット、顆粒剤、散剤、カプセル剤、シロップもしくはマルチユニットペレット、丸剤、トローチ、サッシェもしくは溶液の形態の経口投与のためのもの、または非経口投与のためのもの、例えば、粉末もしくは凍結乾燥物から形成することができる溶液、懸濁液もしくは乳剤の形態の静脈内、皮下もしくは関節内のためのもの、または、坐薬、フォームなどの形態の直腸投与のためのものであってよい。
錠剤のための添加剤は、フィラー、結合剤、崩壊剤および滑沢剤からなる群から好ましくは選択される。フィラーの例は、ポリオールまたは糖であり、好ましいフィラーは、マンニトール、サッカロース、ソルビトール、デンプン、マルトース、グルコース、ラクトース、グルコース、キシリトールおよびセルロース誘導体の群から選択される。滑沢剤の例は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、滑石またはポリエチレングリコールである。錠剤のためのさらなる好適な添加剤は、デンプン、ガム、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、糖またはセルロース誘導体の群から選択される。錠剤のための添加剤のさらなる例は、安定剤またはpH調整剤としてのリン酸、クエン酸、酒石酸および/またはコハク酸緩衝液などの緩衝液、および顆粒の形成を容易にする添加剤である。
本発明による医薬組成物は、1つまたは複数の被膜形成剤で必要に応じてコーティングされる圧縮錠剤の形態をとることができる。特に、錠剤コーティングは、セルロース誘導体、例えばアルファ化デンプン、セルロースエーテル(例えば、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース、特に架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、セルロースエステル(例えば、酢酸フタル酸セルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース フタレート)、アクリルポリマーもしくはコポリマー、好ましくはメタクリレートアミノエステルコポリマー(例えば、Eudragit RSまたはEudragit RL)またはメタクリル酸エチルアクリレートコポリマー(例えば、メタクリル酸エチルアクリレートコポリマー1:1)、ワックス状材料(例えばカルナバワックス)、ポリエチレングリコール(例えば、マクロゴール6,000、マクロゴール20,000)、(架橋)ポリビニルピロリドン(例えば、PovidonK30、PovidonK25、Crospovidon)、ポリビニルアルコールもしくはその誘導体(例えば、ポリ酢酸ビニルフタレート)、顔料(例えば、二酸化チタン)、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、グリセロールモノステアレートおよび滑石の群から選択される少なくとも1つの成分を含むことができる。
本発明による医薬組成物は、経口投与のための液体調製物、例えばシロップまたは懸濁液の形態をとることもできる。そのような液体調製物に含まれる添加剤の例は、糖および/またはエタノール、水、グリセロールおよびプロピレングリコールの混合物であり、好ましくは好適なpH値に緩衝されている。液体調製物は、着色剤、香料、サッカリンおよび/または増粘剤としてのカルボキシメチルセルロースの群から選択される少なくとも1つの添加剤を好ましくは含むこともできる。
さらに、本発明による医薬組成物は、ハードまたはソフトカプセルの形態をとることもでき、ここで、本発明による結晶形Bまたはトレオスルファンは、植物油またはポリエチレングリコールと混合することができる。ハードカプセルは、本発明による結晶形Bまたはトレオスルファンを含有する液体または半固体組成物で充填することもできる。
非経口使用のための本発明による医薬組成物は、無菌の水性または非水性の組成物である。それらは、少なくとも1つの水性および/または非水性の溶媒を典型的に含む。通常、非経口組成物は等張性であるか、または等張性の希釈手段、例えば等張性のNaCl溶液で希釈される。
注射もしくは注入のための溶液または懸濁液の形態の本発明による医薬組成物は、単位用量または複数用量容器、例えば密封アンプルおよびバイアルの中に存在することができる、無菌の粉末、凍結乾燥物、顆粒および/または錠剤から調製することができる。組成物は、抗酸化剤、緩衝剤または界面活性剤を含むことができる。水性および非水性の懸濁液は、懸濁剤および増粘剤を含むことができる。
本発明による医薬組成物は、散剤、錠剤、顆粒剤またはカプセル剤の形態であり、特に凍結乾燥物の形態であることが好ましい。
本発明による結晶形Bまたはトレオスルファンを含む本発明による凍結乾燥物が非常に良好な特徴を示し、特に保存の後でさえ非常に少量のメタンスルホン酸しか含有しないことが驚くべきことに見出された。さらに、その完全な溶解のために必要な時間が典型的にわずか90秒またはそれよりさらに短いので、そのような凍結乾燥物は優れた再構成挙動も示す。これは、凍結乾燥物からすぐに使用できる溶液、例えば注入または注射のための溶液を調製する場合、従来の製品と比較して実質的な利点である。
本発明は、医薬として使用するための本発明による結晶形B、トレオスルファンまたは医薬組成物にも関する。さらなる実施形態では、本発明は、がん、特に卵巣がんの処置に使用するための本発明による結晶形B、トレオスルファンまたは医薬組成物にも関する。さらに別の実施形態では、本発明は、骨髄または血液幹細胞の移植前の前処置療法に使用するための、本発明による結晶形B、トレオスルファンまたは医薬組成物にも関する。
さらなる態様では、本発明は、がんの処置のための、または骨髄もしくは血液幹細胞の移植前の前処置療法のための、本発明による結晶形B、トレオスルファンまたは医薬組成物の使用にも関する。
さらなる態様では、本発明は、がんを患っている患者を処置する方法、または骨髄もしくは血液幹細胞の移植の前に患者を前処置する方法であって、本発明による結晶形B、トレオスルファンまたは医薬組成物を患者に投与することを含む方法にも関する。
最後に、本発明は、医薬溶液、特に注射または注入のための溶液を調製するための、本発明による結晶形B、トレオスルファンまたは医薬組成物の使用にも関する。そのような溶液は、結晶形B、トレオスルファンまたは医薬組成物を、再構成のために一般的に用いられる溶媒などの溶媒に溶解することによって通常調製される。
本発明は、本発明による結晶形Bおよびトレオスルファンの上記の特性を決定するのに特に好適である方法も含む非限定な例を参照して、下でさらに詳細に説明される。
方法
X線粉末回折(XRPD)パターンを得るために、単結晶X線回折(SCXRD)および光学鏡検による調査のために、結晶形Bおよび結晶形Aの量、および非晶質相の量を決定するために、ならびにトレオスルファン、メタンスルホン酸および水の量を決定するために、以下の方法を使用した。
X線粉末回折(XRPD)
それぞれの試料は、乳鉢の中で乳棒により慎重に手動磨砕した後に、標準ガラス毛細管(Φ=0.7mm)に導入した。試料を回転させながらBruker D8 Advance Diffractometer(Cu-Kα1=1.54059Å、Johansson一次ビームモノクロメーター、位置感受性検出器)を伝送モードで使用して、X線粉末回折パターンを室温で記録した。データは、3~50の2θ度の範囲で収集した。管電圧および電流はそれぞれ40kVおよび40mAに設定した。
単結晶X線回折(SCXRD)
モリブデンアノード(Mo-Kα=0.71073Å)を含有するX線発生器を備えた「Rigaku Xcalibur、Sapphire2、large Be window」回折計を使用して、単結晶X線回折データを記録した。
XRPDおよびRietveld分析による形態Bおよび形態Aの量の決定
トレオスルファンの結晶形BおよびAの量を決定するために、それぞれの試料を、乳鉢の中で乳棒により慎重に手動磨砕した後に標準ガラス毛細管(Φ=0.7mm)に導入した。試料を回転させながらBruker D8 Advance Diffractometer(Cu-Kα1=1.54059Å、Johansson一次ビームモノクロメーター、位置感受性検出器)を伝送モードで使用して、X線粉末回折パターンを室温で記録した。データは、4時間にわたって4~50の2θ度の範囲で収集した。管電圧および電流はそれぞれ40kVおよび40mAに設定した。得られたデータは、TOPASソフトウェアによる定量的Rietveld分析にかけた。
内部標準によるXRPDおよびRietveld分析による非晶質相の量の決定
非晶質相の量を決定するために、それぞれの試料を、内部標準として25重量%のCaF(Aldrich Chemistry、Lot# MKBP1959V、無水フッ化カルシウム、99.99%)と混合した。乳鉢の中で乳棒により慎重に手動磨砕した後に、混合物を標準ガラス毛細管(Φ=1.0mm)に導入した。試料を回転させながらBruker D8 Advance Diffractometer(Cu-Kα1=1.54059Å、Johansson一次ビームモノクロメーター、位置感受性検出器)を伝送モードで使用して、X線粉末回折パターンを室温で記録した。データは、12時間にわたって4~50の2θ度の範囲で収集した。管電圧および電流はそれぞれ30kVおよび30mAに設定した。得られたデータは、TOPASソフトウェアによる定量的Rietveld分析にかけた。
結晶形Aおよび結晶形Bは、同定することができた唯一の結晶相であった。
光学鏡検
KappaからのカメラシステムZELOSタイプを備えたライカDMRB顕微鏡を使用して調査を実行した。試料は清潔なトレイの上で精製シリコンオイルの中で検査し、より高い色対比のために偏光およびラムダスリップで画像を撮った。
RP-HPLCによるトレオスルファンの量の決定
それぞれの試料中のトレオスルファンの量は、以下に示す通り逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)を使用して決定した:
Figure 2022509905000004
HILICによるメタンスルホン酸の量の決定
メタンスルホン酸(MSA)の量は、以下に示す通り、親水性相互作用液体クロマトグラフィー(HILIC)を使用して決定した:
Figure 2022509905000005
「Karl Fischer滴定」による水の量の決定
それぞれの試料の約100mgを計量して、クリンプキャップで密封されたガラスバイアルに入れた。90℃に加熱したMetrohm(Filderstadt、Germany)のKarl Fischer電量計タイプ756の炉、炉試料プロセッサー774に、試料を移した。キャップの隔膜に注射針を貫通させ、生成した水蒸気は乾燥窒素を介してKarl Fischer電量計の滴定チャンバーに直接移した。測定は1回繰り返した。ブランク補正のために、空のガラスバイアルを使用した。
(実施例1)
水/イソプロパノールを使用した形態Bの調製
99.8mgのトレオスルファンを計量して、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シーリングおよび撹拌子を備えたバイアル(体積4.0ml)に入れた。65℃に予熱した80重量%の水および20重量%のイソプロパノールの1.5mlの混合物を、次に加えた。生じた溶液をシリンジ(体積5ml)で完全に取り出し、0.2μmフィルタで濾過して第2のバイアル(体積4.0ml)に入れた。シリンジ、第2のバイアルおよびフィルタは、使用前に65℃に温めていた。溶媒を、室温で開放バイアルから乾燥するまで蒸発させ、その結果結晶が形成された。
本発明による得られた形態Bの結晶のXRPDパターンを、図1に示す。
(実施例2)
1,4-ジオキサンを使用した形態Bの調製
20.1mgのトレオスルファンを計量して、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シーリングおよび撹拌子を備えたバイアル(体積4.0ml)に入れた。185μlの1,4-ジオキサンを室温で加えた。固体の完全な溶解の後、シーリングを取り除き、溶媒を室温で乾燥するまで蒸発させた。
得られた結晶はXRPDによって分析し、それは、それらが本発明による結晶形Bであることを示した。
(実施例3)
メチルイソブチルケトンを使用した形態Bの調製
19.7mgのトレオスルファンを計量して、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シーリングおよび撹拌子を備えたバイアル(体積4.0ml)に入れた。2.5mlのメチルイソブチルケトン(MIBK)を室温で加えた。固体の完全な溶解の後、溶液をシリンジ(体積5ml)で完全に取り出し、0.2μmフィルタで濾過して第2のバイアル(体積4.0ml)に入れた。次に、溶媒を室温で開放バイアルから乾燥するまで蒸発させた。
得られた結晶はXRPDによって分析し、それは、それらが本発明による結晶形Bであることを示した。
(実施例4)
酢酸エチルを使用した形態Bの調製
20.0mgのトレオスルファンを計量して、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シーリングおよび撹拌子を備えたバイアル(体積4.0ml)に入れた。2.0mlの酢酸エチルを室温で加えた。固体の完全な溶解の後、溶液をシリンジ(体積5ml)で完全に取り出し、0.2μmフィルタで濾過して第2のバイアル(体積4.0ml)に入れた。次に、溶媒を室温で開放バイアルから乾燥するまで蒸発させた。
得られた結晶はXRPDによって分析し、それは、それらが本発明による結晶形Bであることを示した。
(実施例5)
テトラヒドロフランを使用した形態Bの調製
50.0mgのトレオスルファンを計量して、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シーリングおよび撹拌子を備えたバイアル(体積4.0ml)に入れた。0.85mlのテトラヒドロフラン(THF)を室温で加えた。固体の完全な溶解の後、溶液をシリンジ(体積5ml)で完全に取り出し、0.2μmフィルタで濾過して、2.85mlのメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)を含有する第2のバイアル(体積5.0ml)に入れた。第2のバイアルを次に注意深く振盪させ、それは結晶の形成を速やかにもたらし、結晶は濾過によって分離した。
得られた結晶はXRPDによって分析し、それは、それらが本発明による結晶形Bであることを示した。
(実施例6)
メチルエチルケトンを使用した形態Bの調製
50.1mgのトレオスルファンを計量して、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シーリングおよび撹拌子を備えたバイアル(体積4.0ml)に入れた。1.1mlのメチルエチルケトン(MEK)を室温で加えた。固体の完全な溶解の後、溶液をシリンジ(体積5ml)で完全に取り出し、0.2μmフィルタで濾過して、3.3mlメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)を含有する第2のバイアル(体積5.0ml)に撹拌しながら入れた。これは結晶の形成を直ちにもたらし、結晶は濾過によって分離した。
得られた結晶はXRPDによって分析し、それは、それらが本発明による結晶形Bであることを示した。
結晶は光学鏡検によってさらに調査した。対応する顕微鏡写真は図2に示す。
(実施例7)
形態BのSCXRD分析
形態Bの好適な単結晶を実施例3により得られた結晶から顕微鏡下で選択し、単結晶X線回折(SCXRD)によって分析した。得られたデータは、上で実施例の前のセクションに表す。
(実施例8)
結晶形A(参照)の調製
約5gのトレオスルファンを、65℃で撹拌しながら約80gの2-プロパノールに溶解させた。生じた溶液は次に0.2μmフィルタを使用して濾過し、15℃に冷却し、これは結晶の沈殿をもたらした。結晶を収集し、約40℃で乾燥させた。
乾燥結晶のXRPDパターンを図3に示し、それがトレオスルファンの結晶形Aであることを確認する。結晶形Aは、7.69、15.43、18.74、19.14、19.77、20.15、20.28、21.24、21.74、22.07、22.96、23.24、24.36、25.29、28.05、28.28、28.97、30.10および40.55±0.20の2θ度に特徴的ピークを有するXRPDパターンを示す。
乾燥結晶は光学鏡検によってさらに調査した。対応する顕微鏡写真は図4に示す。
さらに、形態Aの好適な単結晶を顕微鏡下で選択し、単結晶X線回折(SCXRD)によって分析した。得られたデータは、上で実施例の前のセクションに示す。
(実施例9)
結晶形Bの凍結乾燥物の調製
下の表に与えられる組成の凍結乾燥前溶液を、ガラスビーカーに水を計り入れ、水浴を使用してその温度を30℃に調整することによって調製した。トレオスルファンの対応する量を加え、混合物を30℃で30分間撹拌した。得られた溶液を濾過し、濾過した溶液は30℃に温めた清潔な発熱物質除去ガラスバイアルに直ちに充填した。
Figure 2022509905000006
バイアルは、凍結乾燥ポジションにストッパーをかけ、凍結乾燥バッグ中に密封した。試料は、示差圧測定のための手段を含む0.4mの棚面積および8kgの氷凝縮器容量を有する凍結乾燥器GT2(製造業者:Hof Sonderanlagenbau(Lohra、Germany))に投入し、以下の凍結乾燥サイクルに従って凍結乾燥した。
Figure 2022509905000007
得られた凍結乾燥物ケーキは、いかなる欠陥もなく均一であった。再構成試験のために、バイアルに穴をあけ、開き、0.45重量%の水性NaCl溶液(室温)の100mlを加えて、50mg/mlのトレオスルファン最終濃度にした。凍結乾燥物ケーキは、わずか30秒以内で再構成された。溶媒の予熱は、不要であった。バイアルの壁に付着している固着性粒子の除去も不要であった。
全ての凍結乾燥物は、非常に低量の残留水および非常に低量のメタンスルホン酸を示した。後者は、0.01重量%の検出限界(LOD)未満でさえあった。
Figure 2022509905000008
得られた凍結乾燥物は、それらの結晶化度ならびに形態A、形態Bおよび非晶質相の量を決定するために、Rietveld精密化を使用したXRPD分析にも供した。結晶形AおよびBは、検出することができた唯一の結晶相であった。結果は、以下の表に与える。
Figure 2022509905000009
凍結乾燥物のXRPDパターンは、図5に示す。

Claims (19)

  1. 20.87および23.47±0.20の2θ度に特徴的ピークを有するX線粉末回折パターンを示す、トレオスルファンの結晶形B。
  2. 20.87、23.47、26.20、29.65、30.81、34.54、35.30、36.87および46.24±0.20の2θ度に特徴的ピークを有するX線粉末回折パターンを示す、請求項1に記載の結晶形B。
  3. 本質的に図1に示すX線粉末回折パターンを示す、請求項1または2に記載の結晶形B。
  4. 2θ度で表される以下の領域a~fの少なくとも1つ、好ましくは全部においてピークがないX線粉末回折パターンを示す、請求項1~3のいずれか一項に記載の結晶形B:
    Figure 2022509905000010
  5. 結晶形Bおよび結晶形Aの合わせた量に対して、少なくとも96重量%、特に少なくとも97重量%、好ましくは少なくとも98重量%、より好ましくは少なくとも99重量%の請求項1~4のいずれか一項に記載の結晶形Bを含むトレオスルファン。
  6. トレオスルファンの量に対して、少なくとも75重量%、特に少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも85重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、さらにより好ましくは少なくとも95重量%の請求項1~5のいずれか一項に記載の結晶形Bを含むトレオスルファン。
  7. 20重量%未満、特に15重量%未満、好ましくは10重量%未満、より好ましくは5重量%未満の非晶質相を含む、請求項5および6のいずれかまたは両方に記載のトレオスルファン。
  8. 0.2重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、より好ましくは0.05重量%未満のメタンスルホン酸を含む、請求項5~7のいずれか一項に記載のトレオスルファン。
  9. 請求項1~4のいずれか一項に記載の結晶形Bおよび請求項5~8のいずれか一項に記載のトレオスルファンを調製するプロセスであって、
    (A)水を必要に応じて含む有機溶媒からトレオスルファンを再結晶させる工程、または
    (B)水を必要に応じて含む有機溶媒にトレオスルファンを溶解する工程、および溶媒および必要に応じた水を乾燥するまで蒸発させる工程、または
    (C)水を必要に応じて含む有機溶媒にトレオスルファンを溶解する工程、および貧溶媒を加える工程
    を含むプロセス。
  10. バリアント(A)、バリアント(B)およびバリアント(C)における前記有機溶媒が、エーテル、ケトン、エステルおよびアルコールまたはそれらの混合物の群から選択され、好ましくはジオキサン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフランおよびイソプロパノールまたはそれらの混合物である、請求項9に記載のプロセス。
  11. バリアント(B)において、水およびイソプロパノールの混合物が使用され、水およびイソプロパノールは室温で乾燥するまで蒸発させる、請求項9または10に記載のプロセス。
  12. 前記混合物が約80重量%の水および約20重量%のイソプロパノールを含む、請求項11に記載のプロセス。
  13. バリアント(C)において、前記貧溶媒はメチルtert-ブチルエーテル、トルエン、ヘキサン、ペンタン、クロロホルムおよび塩化メチレンから選択される、請求項9または10に記載のプロセス。
  14. 請求項1~4のいずれか一項に記載の結晶形Bまたは請求項5~8のいずれか一項に記載のトレオスルファン、および必要に応じて少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む医薬組成物。
  15. 散剤、錠剤、顆粒剤またはカプセル剤の形態であり、特に凍結乾燥物の形態である、請求項14に記載の医薬組成物。
  16. 医薬として使用するための、請求項1~4のいずれか一項に記載の結晶形B、請求項5~8のいずれか一項に記載のトレオスルファンまたは請求項14または15に記載の医薬組成物。
  17. がん、特に卵巣がんの処置に使用するための、請求項1~4のいずれか一項に記載の結晶形B、請求項5~8のいずれか一項に記載のトレオスルファンまたは請求項14または15に記載の医薬組成物。
  18. 骨髄または血液幹細胞の移植前の前処置療法に使用するための、請求項1~4のいずれか一項に記載の結晶形B、請求項5~8のいずれか一項に記載のトレオスルファンまたは請求項14または15に記載の医薬組成物。
  19. 医薬溶液、特に注射または注入のための溶液を調製するための、請求項1~4のいずれか一項に記載の結晶形B、請求項5~8のいずれか一項に記載のトレオスルファンまたは請求項14または15に記載の医薬組成物の使用。
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