JP2023153362A - トレオスルファンの凍結乾燥物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 疾患を処置する方法を提供すること【解決手段】 短い再構成時間ならびに高い純度および安定性の点で好ましい特徴を有し、がんの処置において、および骨髄または血液幹細胞の移植前の前処置療法のために特に有用であるトレオスルファンの凍結乾燥物が記載される。本発明による凍結乾燥物は、20.87および23.47±0.20の2θ度に特徴的ピークを有するX線粉末回折パターンを示すトレオスルファンの結晶形Bを含むことによって特徴付けられる。結晶形Bが、20.87、23.47、26.20、29.65、30.81、34.54、35.30、36.87および46.24±0.20の2θ度にピークを有するX線粉末回折パターンを示すことが好ましい。結晶形Bが、本質的に図1に示すX線粉末回折パターンを示すことがより好ましい。【選択図】 図1

Description

本発明は、トレオスルファンの新しい結晶形Bを含む凍結乾燥物に関し、この凍結乾燥物は、医薬組成物として使用するための非常に良好な特徴を有し、特に速やかに再構成されてすぐに使用できる溶液を形成することができ、高い安定性および純度を示す。
トレオスルファン、化学名(2S,3S)-(-)1、4-ジ(メシルオキシ)-2,3-ブタンジオールまたはL-トレイトール-1,4-ジ(メタンスルホネート)は、以下の化学式を有する:
トレオスルファンの化学的合成は、独国特許第1 188 583号および独国特許第1 193 938号に開示され、例えば、L-1,4-ジブロモブタン-2,3-ジオールおよびメタンスルホン酸の銀塩を反応させることによって実行される。
トレオスルファンはブスルファンのジヒドロキシ誘導体であり、DNAをアルキル化するその能力から抗腫瘍剤として作用する。それは、卵巣がんの処置のためにそれ自体で、またはさらなる化学療法薬、例えばメルファランおよびダカルバジンと組み合わせて使用される(Baynes et al., Blood 96(11): 170a, Abstr. No. 731, 2000)。卵巣がんの処置について、トレオスルファンによる単独療法は、患者に体表面積1mにつき8gの量を投与することを伴うが、トレオスルファンおよびシスプラチンによる併用療法は、1mにつき5gの量でトレオスルファンを投与することを伴う。
トレオスルファンは、進行した切除不能な非小細胞肺癌の処置でも使用されている(Pawel et al., Onkologie 21:316-319; 1998)。
さらに、欧州特許出願公開第1 227 808号は、患者への骨髄または血液幹細胞移植の前の前処置療法におけるトレオスルファンの使用を開示する。そのような前処置療法では、トレオスルファンの投与は、さらなる薬剤、例えばシクロホスファミド、カルボプラチン、チオテパ、メルファラン、フルダラビン、免疫抑制抗体のいずれかの投与または体の照射と効果的に組み合わせることができる。ブスルファンの使用と比較して、重大な副作用は大部分、または完全に回避することができる。重大な肝臓、肺、腎臓またはCNS毒性を引き起こすことなく、高い投薬量のトレオスルファンを使用することさえできる。前処置相は、骨髄または造血幹細胞の同種異系移植の前の、体表面積1mにつき少なくとも20gのトレオスルファンの全用量の2~7日の期間を含む。
トレオスルファンは、経口使用のためのカプセル剤として、および注入のための溶液を調製するためのトレオスルファンからなる無菌の粉末として市販されている。溶液は、約15~30分以内に静脈内投与される。これらの製品の中のトレオスルファンは、7.69、15.43、18.74、19.14、19.77、20.15、20.28、21.24、21.74、22.07、22.96、23.24、24.36、25.29、
28.05、28.28、28.97、30.10および40.55±0.2 2θ度に特徴的ピークを有する粉末X線回折パターン(XRPD)を示す結晶形である。この結晶形は以下の形態Aと命名されるものであり、そのXRPDパターンは図2に示す。
注入のための溶液を調製するために、市販の無菌の粉末を例えば水に50mg/mlの濃度に溶解し、得られた溶液を例えば等張性のNaCl溶液で希釈する。しかし、溶媒として使用する水は、再構成ステップのために30℃に加温しなければならない。さらに、粉末はバイアルの壁から完全に取り除かなければならない。このステップは、壁に固着している粉末粒子の形成を回避するために重要である。形態Aのトレオスルファンのそのような固着粒子は溶解するのが困難であり、それらは完全な溶解を長引かせる。バイアルの調製、水の必要な加温および粉末の完全な溶解を含む、無菌粉末から注入のための溶液を調製するための全プロセスは、約10分かかる。さらに、温かい溶媒の使用は、望ましくない分解のリスクを増強する。
国際出願WO2015/107534は、形態Iおよび形態IIと命名される、トレオスルファンの新規で異なると主張される2つの多形に言及する。その文書は、形態IIをどのように得ることができるかについてのいかなる示唆も欠如しており、したがって形態IIを実施可能とする開示が欠如している。形態Iを調製するプロセスは非常に一般的に記載されているだけであり、いくつかの好ましい有機溶媒に言及しながら有機溶媒またはその混合物からの再結晶を伴うとされているだけである。形態Iを調製する具体的なプロセスの開示は、提供されていない。形態Iのために与えられるX線粉末回折パターンは、下の図2に表される市販製品の結晶形Aのそれに酷似し、これらの形態が実際に同一であることを示唆している。最後に、国際出願WO2015/107534は、代表的には形態Iのトレオスルファンを含むとされる凍結乾燥製剤も記載する。
独国特許第1188583号明細書 独国特許第1193938号明細書 欧州特許出願公開第1227808号明細書 国際公開第2015/107534号
Baynes et al., Blood 96(11): 170a, Abstr. No. 731, 2000 Pawel et al., Onkologie 21:316-319; 1998
しかし、公知の凍結乾燥物にはいくつかの欠点がある。特に、公知の凍結乾燥物はそれらの再構成のために長い時間を必要とし、メタンスルホン酸および水の特に保存後の含有量は望ましくなく高く、したがってその純度および安定性は満足でない。さらに、一見して使用されている最適化された凍結乾燥プロセスは、大幅に変動する特性を試料にもたらし、したがって所望の再現性が欠如しており、このことは、これらの凍結乾燥物が医薬組成物として使用されることを意図することを考えると非常に問題である。
メタンスルホン酸(MSA)は、以下の反応スキームによって示されるように、トレオスルファンの分解産物である。
したがって、その存在は、トレオスルファンの分解を示す。その強力な酸性度のために、それはトレオスルファンのエステル基の加水分解を加速し、したがって分解プロセスを増強する。この理由で、メタンスルホン酸の量は、できるだけ低くするべきである。
したがって、本発明の目的は、トレオスルファンを含む公知の製品の欠点を回避することである。
この目的は、請求項1~10に記載のトレオスルファンの凍結乾燥物によって達成される。
本発明は、請求項11~21に記載のトレオスルファンの凍結乾燥物を調製するプロセスおよび請求項22~24に記載の医療において使用するためのトレオスルファンの凍結乾燥物にも関する。
図1である。 図2である。 図3である。
本発明による凍結乾燥物は、20.87および23.47±0.20の2θ度に特徴的ピークを有するX線粉末回折パターンを示すトレオスルファンの結晶形Bを含むことによって特徴付けられる。
結晶形Bが、20.87、23.47、26.20、29.65、30.81、34.54、35.30、36.87および46.24±0.20の2θ度にピークを有するX線粉末回折パターンを示すことが好ましい。
結晶形Bが、本質的に図1に示すX線粉末回折パターンを示すことがより好ましい。
結晶形Bが、2θ度で表される以下の領域a~fの少なくとも1つ、好ましくは全部においてピークがないX線粉末回折パターンを示すことがさらに好ましい:
結晶形Bは、好ましくは単結晶X線回折(SCXRD)分析によって得られる単位格子の空間群およびパラメータa、b、c、α、β、γならびに単位格子の体積によっても特徴付けられ、その構造データは、市販の形態Aのものと比較した適合の質に特に関するさらなる情報と一緒に、以下の表に与えられる。
a、bおよびc=単位格子の辺の長さ
α、βおよびγ=単位格子の辺の間の角度
V=単位格子の体積
Z/Z’=単位格子の中の分子の数
R1およびwR2=信頼値
T=分析が実行された温度
これらのデータから分かるように、B形は、単位格子(空間群P2)につき2つの分子および561.5Åの体積を有するが、A形は、単位格子(空間群P2)につき4つの分子および1127.22Åの体積を有する。
本発明による凍結乾燥物は、特に、結晶形Bおよび結晶形Aの合わせた量に対して、少なくとも96重量%、好ましくは少なくとも97重量%、より好ましくは少なくとも98重量%、さらにより好ましくは少なくとも99重量%の結晶形Bを含む。
したがって、本発明による凍結乾燥物は、非常に少量の従来の結晶形Aおよび非常に多量の結晶形Bを含む。高い多形純度は、医薬組成物としての本発明の凍結乾燥物の使用のために特に有利である。
さらなる好ましい実施形態では、本発明の凍結乾燥物は、凍結乾燥物の量に対して、少なくとも75重量%、特に少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも85重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、さらにより好ましくは少なくとも95重量%の結晶形Bを含む。
さらに別の好ましい実施形態では、本発明による凍結乾燥物は、凍結乾燥物の量に対して、20重量%未満、特に15重量%未満、好ましくは10重量%未満、より好ましくは5重量%未満の非晶質相を含む。
少量の非晶質相は、この相に関連するいくつかの重大な欠点を回避する。先ず、非晶質相は、無制御の結晶化をもたらす傾向がある。さらに、それはより速やかに分解され、乾燥後により高い残留水分含有量を有し、劣った流動性および湿潤性を示し、より容易に静電気的に荷電する。これらの特性の全ては、薬学的目的のために使用される凍結乾燥物のために望ましくない。
本発明による凍結乾燥物は、高度な量のトレオスルファンの結晶形Bによって引き起こされると想定される有利な特性の組合せを驚くべきことに示す。特に、すぐ使用できる注射または注入溶液を得るために再構成のために通常用いられる媒体における完全な溶解のために、それは非常に短い時間だけを必要とする。そのような媒体として、等張性の食塩水および注射用水が典型的に用いられる。再構成のために、他の薬学的に許容される溶液、例えばリンゲルの乳酸溶液またはリン酸緩衝液も可能である。再構成のための非常に短い時間は、完全な溶解のために長い時間待つ必要なく、医療従事者が患者への意図した投与の直前にすぐ使用できる溶液を新鮮に調製することを可能にするので、非常に好ましい。同様に、そのような短い再構成時間により、トレオスルファンの望ましくない分解反応のリスクが減少する。
さらに、本発明による凍結乾燥物は、活性成分トレオスルファンの非常に高い含有量および分解生成物メタンスルホン酸の非常に少ない含有量に反映されるように、高い純度および安定性も有する。
好ましい実施形態では、本発明による凍結乾燥物は、少なくとも95重量%、特に少なくとも95重量%、好ましくは少なくとも98重量%、より好ましくは少なくとも99重量%のトレオスルファンを含む。
さらに、本発明による凍結乾燥物は、少ないメタンスルホン酸含有量のみを有し、特に0.2重量%未満、好ましくは0.1%未満、より好ましくは0.05重量%未満のメタンスルホン酸を含む。特に少ない量のメタンスルホン酸は、本発明の凍結乾燥物の高い保存安定性の1つの理にかなった説明であり、この酸がトレオスルファンのエステル基の加水分解を加速し、したがってその分解を促進するからである。
凍結乾燥物は、40℃かつ75%の相対湿度で3カ月間保存した後にさえ、特に0.2重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、より好ましくは0.05重量%未満のメタンスルホン酸を含む。これは、本発明による凍結乾燥物の優れた保存安定性の指標であり、医薬組成物またはその成分として使用するために非常に好適になる。
約20℃の温度を有する溶媒を使用してそれを再構成することができ、したがって、予熱した溶媒を用いる必要がないことは、本発明による凍結乾燥物のさらなる利点である。さらに、再構成の前にバイアル壁から市販の形態Aの固着性の集塊を除去する厄介な調製も不要である。
さらに、本発明による凍結乾燥物はほんの少ない含水量だけを有し、Karl Fischer滴定によって決定したとき、特に1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満の量の水を含む。
本発明は、凍結乾燥物を調製するプロセスにも関する。本発明によるプロセスは、トレオスルファンを含む水性溶液を凍結乾燥するステップを含む。
凍結乾燥に供される水溶液は、以下では「凍結乾燥前溶液」とも呼ばれる。
水溶液は、溶媒として水または少なくとも1つの有機溶媒と水の混合物を含むことが好ましい。有機溶媒は、特に酢酸である。
溶媒中の水の量は、特に80~100重量%、好ましくは90~100重量%である。溶媒中の酢酸の量は、特に1~20重量%、好ましくは2~10重量%である。
酢酸を含む凍結乾燥前溶液を使用する場合でも、本発明により得られる凍結乾燥物は、驚くべきことに非常に少量の酢酸だけ、特に1.0重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、より好ましくは0.2重量%未満の酢酸を含む。
水性の凍結乾燥前溶液は、通常50~150mg/g、特に50~100mg/g、より好ましくは50mg/g~80mg/gの濃度のトレオスルファンを含む。
凍結乾燥前溶液は、添加剤、例えば、可溶化剤、例えばポリソルベート、シクロデキストリン、ドデシル硫酸ナトリウム、ポロキサマーなど;キレート剤、例えばEDTAナトリウム、DTPA、カルテリドールなど;抗酸化剤、例えばブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、メチオニン、グルタチオン、メタ重亜硫酸ナトリウム、アルファトコフェロール、チオグリコール酸ナトリウム、システイン、アスコルビン酸など;pH調整剤および緩衝剤、例えば水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、酢酸ナトリウム、アルギニン、アスパラギン酸、重炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、マレイン酸、硫酸、リン酸水素など;増量剤、例えばアラニンおよびアルギニンなどのアミノ酸;糖誘導体、例えばスクロース、ブドウ糖、マンニトール、トレハロース、マンノースなど;または、ポリマー、例えばポリエチレングリコール、ゼラチン、デキストランなど;安定剤および張性調整剤、例えば塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウムなどを含むこともできる。
水溶液を凍結乾燥プロセスに供する前に、無菌の溶液を得るためにそれは従来のフィルタ、例えば0.22μmフィルタを用いて通常濾過される。
凍結乾燥前溶液の凍結乾燥は、製薬目的のために通常用いられる冷凍乾燥機を使用して一般的に実行される。概して、溶液はバイアルなどの好適な容器に充填され、容器は、溶液を凍結乾燥プロセスの様々な温度に曝露することができる、冷却可能で加熱可能な表面を有する従来の凍結乾燥器に置かれる。乾燥を達成するために、溶液は通常冷凍され、低下させた大気圧に曝露される。その結果、冷凍した溶液からの溶媒の昇華が大量に発生し、それは、例えばこのために提供される凍結乾燥器の冷却領域の上に沈殿する。これの後に、より高い温度での二次乾燥が通常続く。凍結乾燥の完了の後、得られる凍結乾燥物は通常室温にされ、凍結乾燥物を含む容器は無菌条件下で密封される。
好ましい実施形態では、本発明によるプロセスは、
(a)第1の温度を有する前記水溶液を提供するステップと、
(b)前記水溶液を冷凍するステップであって、前記水溶液を前記第1の温度から冷凍温度まで3K/分以下の冷却速度で冷却するステップと、
(c)ステップ(b)で得られた前記冷凍溶液を乾燥させて前記凍結乾燥物を得るステップと
を含む。
従来のプロセスによって用いられるよりも高度な冷却速度は非常に洗練された装置の使用を必要とするので、本発明によるプロセスが、そのようなむしろ低い冷却速度の使用を可能にすることは意外で非常に有利である。したがって、本発明によるプロセスは非常に経済的である。
さらに、冷却速度は2K/分以下、好ましくは1.5K/分以下、より好ましくは1.3K/分以下であることが好ましい。代替の実施形態では、ステップ(b)の冷却速度は、特に0.05~1.5、好ましくは0.1~1.3K/分である。
本発明によるプロセスにおける第1の温度は、特に15℃~95℃、好ましくは20℃~50℃、より好ましくは25℃~35℃である。
プロセスにおいて使用される冷凍温度は、特に-40℃またはそれ未満、好ましくは-60℃~-40℃、より好ましくは-50℃~-40℃である。
冷凍溶液は、冷凍温度で特に少なくとも1時間、好ましくは1~10時間、より好ましくは2~8時間維持される。
プロセスのさらに好ましい実施形態では、ステップ(c)の乾燥は、冷凍溶液を-25℃またはそれより高い温度、好ましくは-15℃~0℃の温度に供すること、および前記冷凍溶液を0.03~1.0mbar、好ましくは0.1~0.6mbar、より好ましくは0.3~0.5mbarの圧に供することによって実行される一次乾燥を含む。
プロセスの代替のさらに好ましい実施形態では、ステップ(c)の乾燥は、冷凍溶液を0℃またはそれより高い温度、好ましくは0℃~60℃の温度、より好ましくは20℃~60℃の温度、さらにより好ましくは30℃~50℃の温度に供すること、および前記冷凍溶液を0.03~1.0mbar、好ましくは0.1~0.6mbar、より好ましくは0.3~0.5mbarの圧に供することによって実行される一次乾燥を含む。
一次乾燥は、好ましくは少なくとも5時間、特に少なくとも10時間実行される。
一次乾燥の後に、一次乾燥の生成物を少なくとも30℃、好ましくは30~50℃の温度に供すること、および一次乾燥の生成物を0.03~1.0mbar、好ましくは0.1~0.6mbar、より好ましくは0.3~0.5mbarの圧に供することによって二次乾燥が実行されることも好ましい。
二次乾燥は、好ましくは少なくとも2時間、特に少なくとも4時間実行される。
本発明によるプロセスは、優れた特性を有する凍結乾燥物を高度に再現可能に調製することを可能にし、このことは、特性が実質的に異なる製品を与える従来のプロセスと比較して実質的な利点である。
本発明による凍結乾燥物は、医療において特に有益であることも証明する。したがって、本発明は、医薬として使用するための本発明による凍結乾燥物にも関する。さらなる実
施形態では、本発明は、がん、特に卵巣がんの処置に使用するための本発明による凍結乾燥物にも関する。さらに別の実施形態では、本発明は、骨髄または血液幹細胞の移植前の前処置療法に使用するための、本発明による凍結乾燥物にも関する。
さらなる態様では、本発明は、がんの処置のための、または骨髄もしくは血液幹細胞の移植前の前処置療法のための、本発明による凍結乾燥物の使用にも関する。
さらに別の態様では、本発明は、がんを患っている患者を処置する方法、または骨髄もしくは血液幹細胞の移植の前に患者を前処置する方法であって、本発明による凍結乾燥物から作製した溶液を患者に投与することを含む方法にも関する。
本発明は、本発明による凍結乾燥物および結晶形Bおよびトレオスルファンの上記の特性を決定するのに特に好適である方法も含む非限定な例を参照して、下でさらに詳細に説明される。
方法および装置
以下では、X線粉末回折(XRPD)パターンを得るために、単結晶X線回折(SCXRD)による調査のために、結晶形Bおよび結晶形Aの量、および非晶質相の量を決定するために、ならびにトレオスルファン、酢酸、メタンスルホン酸および水の量を決定するために使用した方法が与えられる。
さらに、ガラスバイアルを調製するための、および再構成挙動を判定するための一般的な手順、ならびに凍結乾燥に使用する装置も、下に示す。
一般手順-ガラスバイアルの準備
凍結乾燥のためのガラスバイアルは、精製水で使用前に水洗し、300℃で2時間発熱物質を除去した。凍結乾燥ストッパーは加圧滅菌し(121℃、20分間、2bar)、110℃で7時間乾燥させた。
凍結乾燥器
凍結乾燥は、示差圧測定手段を含む0.4mの棚面積および8kg氷凝縮器容量を有する凍結乾燥器GT2(製造業者:Hof Sonderanlagenbau(Lohra、Germany))で実行した。
X線粉末回折(XRPD)
それぞれの試料は、乳鉢の中で乳棒により慎重に手動磨砕した後に、標準ガラス毛細管(Φ=0.7mm)に導入した。試料を回転させながらBruker D8 Advance Diffractometer(Cu-Kα1=1.54059Å、Johansson一次ビームモノクロメーター、位置感受性検出器)を伝送モードで使用して、X線粉末回折パターンを室温で記録した。データは、3~50の2θ度の範囲で収集した。管電圧および電流はそれぞれ40kVおよび40mAに設定した。
単結晶X線回折(SCXRD)
モリブデンアノード(Mo-Kα=0.71073Å)を含有するX線発生器を備えた「Rigaku Xcalibur、Sapphire2、large Be window」回折計を使用して、単結晶X線回折データを記録した。
XRPDおよびRietveld分析による形態Bおよび形態Aの量の決定
トレオスルファンの結晶形BおよびAの量を決定するために、それぞれの試料を、乳鉢
の中で乳棒により慎重に手動磨砕した後に標準ガラス毛細管(Φ=0.7mm)に導入した。試料を回転させながらBruker D8 Advance Diffractometer(Cu-Kα1=1.54059Å、Johansson一次ビームモノクロメーター、位置感受性検出器)を伝送モードで使用して、X線粉末回折パターンを室温で記録した。データは、4時間にわたって4~50の2θ度の範囲で収集した。管電圧および電流はそれぞれ40kVおよび40mAに設定した。得られたデータは、TOPASソフトウェアによる定量的Rietveld分析にかけた。
内部標準によるXRPDおよびRietveld分析による非晶質相の量の決定
非晶質相の量を決定するために、それぞれの試料を、内部標準として25重量%のCaF(Aldrich Chemistry、Lot# MKBP1959V、無水フッ化カルシウム、99.99%)と混合した。乳鉢の中で乳棒により慎重に手動磨砕した後に、混合物を標準ガラス毛細管(Φ=1.0mm)に導入した。試料を回転させながらBruker D8 Advance Diffractometer(Cu-Kα1=1.54059Å、Johansson一次ビームモノクロメーター、位置感受性検出器)を伝送モードで使用して、X線粉末回折パターンを室温で記録した。データは、12時間にわたって4~50の2θ度の範囲で収集した。管電圧および電流はそれぞれ30kVおよび30mAに設定した。得られたデータは、TOPASソフトウェアによる定量的Rietveld分析にかけた。
結晶形Aおよび結晶形Bは、同定することができた唯一の結晶相であった。
RP-HPLCによるトレオスルファンの量の決定
それぞれの試料中のトレオスルファンの量は、以下に示す通り逆相高圧液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)を使用して決定した:
HILICによるメタンスルホン酸の量の決定
メタンスルホン酸(MSA)の量は、以下に示す通り、親水性相互作用液体クロマトグラフィー(HILIC)を使用して決定した:
ヘッドスペースガスクロマトグラフィー(HS-GC)による残留酢酸含有量の決定
残留酢酸の量は、酢酸エチルへのエステル化の後にHS-GCによって決定した。
試料調製のために、1gの凍結乾燥物につき20mlの水を使用して、1つのバイアルの凍結乾燥物を水で再構成した。再構成された試料の500μlをGCバイアルの中で100μlの飽和NaHSO溶液および50μlのエタノールと混合した。GCバイアルは、緊密にクリンプした。全ての試料は、2回反復で調製した。
標準の調製のために、1mg/mlの酢酸の保存溶液を調製し、水中で25μg/ml~0.5μg/mlを含有する5つの個々の標準に希釈した。各保存溶液(500μl)をGCバイアルの中で100μlの飽和NaHSO溶液および50μlのエタノールと混合した。
標準は、2回反復で調製した。
エチルエステルの形態の酢酸の量を決定するために、残留溶媒の定量化のためのGC方法を使用した(Ph.Eur. 2.4.24 Identification and
control of residual solvents: System Aを参照)。酢酸エチルの量を定量化するために使用したクロマトグラフィー条件は、残留溶媒の決定のためのUSP 467方法に対応する。
以下のガスクロマトグラフを使用した:
ガスクロマトグラフおよびヘッドサンプラーは、以下の条件で操作した:
再構成挙動
凍結乾燥物の溶解挙動は、注射用水または0.45重量%の水性NaCl溶液を室温で加えて、約50mg/mlの最終濃度を得ることによって決定した。再構成プロセスを、溶解時間および挙動に関して監視した。
「Karl Fischer滴定」による水の量の決定
それぞれの試料の約100mgを計量して、クリンプキャップで密封されたガラスバイアルに入れた。90℃に加熱したMetrohm(Filderstadt、Germany)のKarl Fischer電量計タイプ756の炉、炉試料プロセッサー774に、試料を移した。キャップの隔膜に注射針を貫通させ、生成した水蒸気は乾燥窒素を介してKarl Fischer電量計の滴定チャンバーに直接移した。測定は1回繰り返した。ブランク補正のために、空のガラスバイアルを使用した。
(実施例1)
結晶形Bの凍結乾燥物の調製
下の表で与えられる溶液は、単回使用のポリプロピレン(PP)ビーカーの中で8.0gのトレオスルファンを計量することによって調製した。必要量の溶媒を加え、透明な溶液が得られるまでトレオスルファンを穏やかな撹拌下で溶解させた。目視コントロールによって完全な溶解を検査した。その後、0.2μmフィルタを使用して溶液を濾過した。20mlの名目容量の清潔な発熱物質除去ガラスバイアルに溶液を充填した。
充填したバイアルに部分的にストッパーをかけ、試料を凍結乾燥器に投入し、以下の凍結乾燥サイクルに従って凍結乾燥した。
得られた全ての凍結乾燥物は、XRPD分析によってトレオスルファンの結晶形Bと同定された。
凍結乾燥物ケーキは良好に形成され、可視的欠陥がなく均質であった。穏やかな振盪を加えて、完全な凍結乾燥物ケーキは30秒未満以内に室温で10mlの注射用水に溶解した。溶媒の予熱は、必要でなかった。バイアルの壁に付着している固着性粒子の除去も不要であった。凍結乾燥物の残留水分量は、0.005重量%の定量限界未満であった。
(実施例2および3)
形態Bの凍結乾燥物の調製
下の表で与えられる溶液を、それぞれの溶媒にトレオスルファンを溶解することによって調製した(30分間、25℃、超音波浴)。得られた溶液を濾過し、濾過した溶液を清潔な発熱物質除去ガラスバイアル(処方ごとに10バイアル)に充填し、凍結乾燥ポジションにストッパーをかけ、凍結乾燥バッグに密封した。
試料を凍結乾燥器に投入し、以下の凍結乾燥サイクルに従って凍結乾燥した。
試験した全ての凍結乾燥物は、XRPD分析によってトレオスルファンの結晶形Bと同定された。
再構成試験のために、バイアルに穴をあけ、開き、10ml容量のピペットを使用して0.45重量%の水性NaCl溶液(室温)の10mlを加えた。実施例2および3の凍結乾燥物ケーキは、わずか1分以内に再構成された。溶媒の予熱は、必要でなかった。バイアルの壁に付着している固着性粒子の除去も不要であった。
全ての凍結乾燥物で、非常に低量の残留水分だけが判定された。さらに、全ての試料は
不純物がなく、類似した高いトレオスルファン含有量を示した。酢酸含有量は、HS-GC分析の0.003重量%の検出限界未満であった。
(実施例4)
結晶形Bの凍結乾燥物の調製
下の表で与えられる溶液を、150mlのポリプロピレン(PP)ビーカーの中で10gのトレオスルファンを計量することによって調製した。溶媒を加え、トレオスルファンを22℃の周囲温度で撹拌下溶解させた。20mlの名目容量の清潔な発熱物質除去ガラスバイアルに得られた溶液を充填した。
バイアルは凍結乾燥ポジションにストッパーをかけ、凍結乾燥バッグに密封した。試料を凍結乾燥器に投入し、以下の凍結乾燥サイクルに従って凍結乾燥した。
「atm.」は大気圧を意味する
試験した全ての凍結乾燥物は、XRPD分析によってトレオスルファンの結晶形Bと同定された。
得られた凍結乾燥物ケーキは、許容可能であった。再構成試験のために、バイアルに穴をあけ、開き、0.45重量%の水性NaCl溶液(約22℃)の20mlを加えた。凍結乾燥物ケーキは、1.5分以内に再構成された。溶媒の予熱は、必要でなかった。バイアルの壁に付着している固着性粒子の除去も不要であった。
全ての試料は不純物がなく、非常に高いトレオスルファン含有量を示した。酢酸含有量は、非常に低かった。
(実施例5)
結晶形Bの凍結乾燥物の調製
52.5gのトレオスルファンおよび603.75gの水を30℃の温度で撹拌下混合することによって、凍結乾燥前溶液を調製した。撹拌は、トレオスルファンの完全な溶解まで30分間継続した。0.2μm膜フィルタを使用した濾過の後、清潔な発熱物質除去ガラスバイアルに濾過した溶液を充填した。
バイアルは凍結乾燥ポジションにストッパーをかけ、凍結乾燥バッグに密封した。試料を凍結乾燥器に投入し、以下の凍結乾燥サイクルに従って凍結乾燥した。
「atm.」は大気圧を意味する
得られた凍結乾燥物は、XRPD分析によってトレオスルファンの結晶形Bと同定された。
得られた凍結乾燥物ケーキは、いかなる欠陥もなく均一であった。再構成試験のために、バイアルに穴をあけ、開き、0.45重量%の水性NaCl溶液(室温)の100mlを加えて、50mg/mlのトレオスルファン最終濃度にした。凍結乾燥物ケーキは、わずか30秒以内で再構成された。溶媒の予熱は、不要であった。バイアルの壁に付着している固着性粒子の除去も不要であった。
全ての凍結乾燥物は、非常に高度な量のトレオスルファンおよび非常に低い残留水分量を示した。
凍結乾燥物の試料を、80℃で96時間保存した。保存した試料は、>99.4重量%のトレオスルファンの非常に高い含有量を依然として示した。メタンスルホン酸含有量は試験の初めに0.05%未満で、保存後に0.05%であり、凍結乾燥物が非常に安定していることを証明した。
(実施例6)
結晶形Bの凍結乾燥物の調製
下の表に与えられる組成の溶液を、ガラスビーカーに水を計り入れ、水浴を使用してその温度を20℃に調整することによって調製した。トレオスルファンの対応する量を加え、混合物を完全な溶解まで撹拌した。得られた溶液を濾過し、濾過した溶液は20℃に温めた清潔な発熱物質除去ガラスバイアルに直ちに充填した。
バイアルは、凍結乾燥ポジションにストッパーをかけ、凍結乾燥バッグ中に密封した。試料は、凍結乾燥器に投入し、以下の凍結乾燥サイクルに従って凍結乾燥した。
得られた凍結乾燥物は、XRPD分析によってトレオスルファンの形態Bと同定された。
全ての凍結乾燥物は、非常に高いトレオスルファン含有量および非常に低い残留水分量を示した。さらに、メタンスルホン酸の量も非常に低かった。
凍結乾燥物の試料を、60℃で30日間、70℃で18日間および80℃で5日間保存した。保存条件にかかわりなく、試験の終わりに、全ての試料は20mlの0.45重量%の水性NaCl溶液に1.5分以内に完全に溶解した。溶媒の予熱は、必要でなかった。バイアルの壁に付着している固着性粒子の除去も不要であった。
さらに、全ての試料はトレオスルファンの非常に高い含有量をなお示した。
凍結乾燥物の試料は、40℃および75%の相対湿度(r.H.)でも3カ月間保存した。全ての保存試料は非常に高いトレオスルファン含有量および非常に低いメタンスルホン酸量を依然として示し、それらの優れた安定性を示した。
(実施例7)
結晶形Bの凍結乾燥物の調製
下の表に与えられる組成の凍結乾燥前溶液を、ガラスビーカーに水を計り入れ、水浴を使用してその温度を30℃に調整することによって調製した。トレオスルファンの対応する量を加え、混合物を30℃で30分間撹拌した。得られた溶液を濾過し、濾過した溶液は30℃に温めた清潔な発熱物質除去ガラスバイアルに直ちに充填した。
バイアルは、凍結乾燥ポジションにストッパーをかけ、凍結乾燥バッグ中に密封した。試料は、凍結乾燥器に投入し、以下の凍結乾燥サイクルに従って凍結乾燥した。
得られた凍結乾燥物ケーキは、いかなる欠陥もなく均一であった。再構成試験のために、バイアルに穴をあけ、開き、0.45重量%の水性NaCl溶液(室温)の100mlを加えて、50mg/mlのトレオスルファンの最終濃度を得た。凍結乾燥物ケーキは、わずか30秒以内に再構成された。溶媒の予熱は、不要であった。バイアルの壁に付着している固着性粒子の除去も不要であった。
全ての凍結乾燥物は、非常に低量の残留水および非常に低量のメタンスルホン酸を示した。後者は、0.01重量%の検出限界(LOD)未満でさえあった。
得られた凍結乾燥物は、それらの結晶化度ならびに形態A、形態Bおよび非晶質相の量を決定するために、Rietveld精密化を使用したXRPD分析にも供した。結晶形AおよびBは、検出することができた唯一の結晶相であった。結果は、以下の表に与える。
凍結乾燥物のXRPDパターンは、図3に示す。
(実施例8)
結晶形Bの調製
99.8mgのトレオスルファンを計量して、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シーリングおよび撹拌子を備えたバイアル(体積4.0ml)に入れた。65℃に予熱した80重量%の水および20重量%のイソプロパノールの1.5mlの混合物を、次に加えた。生じた溶液をシリンジ(体積5ml)で完全に取り出し、0.2μmフィルタで濾過して第2のバイアル(体積4.0ml)に入れた。シリンジ、第2のバイアルおよびフィルタは、使用前に65℃に温めていた。溶媒を、室温で開放バイアルから乾燥するまで蒸発させ、その結果結晶が形成された。
得られた形態Bの結晶のXRPDパターンを、図1に示す。
さらに、形態Bの好適な単結晶を顕微鏡下で選択し、単結晶X線回折(SCXRD)によって分析した。得られたデータは、上で実施例の前のセクションに表す。
(実施例9)
結晶形A(参照)の調製
約5gのトレオスルファンを、65℃で撹拌しながら約80gの2-プロパノールに溶解させた。生じた溶液は次に0.2μmフィルタを使用して濾過し、15℃に冷却し、これは結晶の沈殿をもたらした。結晶を収集し、約40℃で乾燥させた。
乾燥結晶のXRPDパターンを図2に示し、それがトレオスルファンの結晶形Aであることを確認する。結晶形Aは、7.69、15.43、18.74、19.14、19.77、20.15、20.28、21.24、21.74、22.07、22.96、23.24、24.36、25.29、28.05、28.28、28.97、30.10および40.55±0.20の2θ度に特徴的ピークを有するXRPDパターンを示す。
さらに、形態Aの好適な単結晶を顕微鏡下で選択し、単結晶X線回折(SCXRD)によって分析した。得られたデータは、上で実施例の前のセクションに表す。
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下が提供される。
(項1)
20.87および23.47±0.20の2θ度に特徴的ピークを有するX線粉末回折パターンを示すトレオスルファンの結晶形Bを含む、トレオスルファンの凍結乾燥物。
(項2)
前記結晶形Bが、20.87、23.47、26.20、29.65、30.81、34.54、35.30、36.87および46.24±0.2の2θ度に特徴的ピークを有するX線粉末回折パターンを示す、上記項1に記載の凍結乾燥物。
(項3)
前記結晶形Bが、本質的に図1に示すX線粉末回折パターンを示す、上記項1または2に記載の凍結乾燥物。
(項4)
前記結晶形Bが、2θ度で表される以下の領域a~fの少なくとも1つ、好ましくは全部においてピークがないX線粉末回折パターンを示す、上記項1~3のいずれか一項に記載の凍結乾燥物:

(項5)
結晶形Bおよび結晶形Aの合わせた量に対して、少なくとも96重量%、特に少なくとも97重量%、好ましくは少なくとも98重量%、より好ましくは少なくとも99重量%の前記結晶形Bを含む、上記項1~4のいずれか一項に記載の凍結乾燥物。
(項6)
凍結乾燥物の量に対して、少なくとも75重量%、特に少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも85重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、さらにより好ましくは少なくとも95重量%の前記結晶形Bを含む、上記項1~4のいずれか一項に記載の凍結乾燥物。
(項7)
凍結乾燥物の量に対して、20重量%未満、特に15重量%未満、好ましくは10重量%未満、より好ましくは5重量%未満の非晶質相を含む、上記項1~6のいずれか一項に記載の凍結乾燥物。
(項8)
少なくとも95重量%、特に少なくとも96重量%、好ましくは少なくとも98重量%、より好ましくは少なくとも99重量%のトレオスルファンを含む、上記項1~7のいずれか一項に記載の凍結乾燥物。
(項9)
0.2重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、より好ましくは0.05重量%未満のメタンスルホン酸を含む、上記項1~8のいずれか一項に記載の凍結乾燥物。
(項10)
1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満の水を含む、上記項1~9のいずれか一項に記載の凍結乾燥物。
(項11)
トレオスルファンを含む水溶液を凍結乾燥するステップを含む、上記項1~10のいずれか一項に記載の凍結乾燥物を調製するプロセス。
(項12)
前記水溶液が水および必要に応じて1つまたは複数の有機溶媒を含む、上記項11に記載のプロセス。
(項13)
前記有機溶媒が酢酸である、上記項12に記載のプロセス。
(項14)
(a)第1の温度を有する前記水溶液を提供するステップと、
(b)前記水溶液を冷凍するステップであって、前記水溶液を前記第1の温度から冷凍温度まで3K/分以下の冷却速度で冷却するステップと、
(c)ステップ(b)で得られた前記冷凍溶液を乾燥させて前記凍結乾燥物を得るステップと
を含む、上記項11~13のいずれか一項に記載のプロセス。
(項15)
ステップ(b)の前記冷却速度が2K/分以下、好ましくは1.5K/分以下、より好ましくは1.3K/分以下であるか、またはステップ(b)の前記冷却速度が0.05~1.5、好ましくは0.1~1.3K/分である、上記項14に記載のプロセス。
(項16)
前記第1の温度が15℃~95℃、好ましくは20℃~50℃、より好ましくは25℃~35℃である、上記項11~15のいずれか一項に記載のプロセス。
(項17)
前記冷凍温度が-40℃またはそれ未満、好ましくは-60℃~-40℃、より好ましくは-50℃~-40℃である、上記項11~16のいずれか一項に記載のプロセス。
(項18)
前記冷凍溶液が前記冷凍温度で少なくとも1時間、好ましくは1~10時間、より好ましくは2~8時間維持される、上記項11~17のいずれか一項に記載のプロセス。
(項19)
ステップ(c)の前記乾燥が、前記冷凍溶液を-25℃またはそれより高い温度、好ましくは-15℃~0℃の温度に供すること、および前記冷凍溶液を0.03~1.0mbar、好ましくは0.1~0.6mbar、より好ましくは0.3~0.5mbarの圧に供することによって実行される一次乾燥を含むか、
または
ステップ(c)の前記乾燥が、前記冷凍溶液を0℃またはそれより高い温度、好ましくは0℃~60℃、より好ましくは20℃~60℃、さらにより好ましくは30℃~50℃の温度に供すること、および前記冷凍溶液を0.03~1.0mbar、好ましくは0.1~0.6mbar、より好ましくは0.3~0.5mbarの圧に供することによって実行される一次乾燥を含む、上記項14~18のいずれか一項に記載のプロセス。
(項20)
前記一次乾燥が少なくとも5時間、好ましくは少なくとも10時間実行される、上記項19に記載のプロセス。
(項21)
前記一次乾燥の後に、前記一次乾燥の生成物を少なくとも30℃、好ましくは30~50℃の温度に供すること、および前記一次乾燥の生成物を0.03~1.0mbar、好ましくは0.1~0.6mbar、より好ましくは0.3~0.5mbarの圧に供することによって二次乾燥が実行される、上記項19または20に記載のプロセス。
(項22)
医薬として使用するための、上記項1~10のいずれか一項に記載の凍結乾燥物。
(項23)
がん、特に卵巣がんの処置に使用するための、上記項1~10のいずれか一項に記載の凍結乾燥物。
(項24)
骨髄または血液幹細胞の移植前の前処置療法に使用するための、上記項1~10のいずれか一項に記載の凍結乾燥物。

Claims (1)

  1. 明細書に記載の発明
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