JP2022507433A - 2,6-ジクロロベンゾニトリルの調製のためのプロセス - Google Patents

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Abstract

本明細書に開示されるのは、2,6-ジクロロベンゾニトリルのプロセスによる調製である。塩素ガスによる2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルの処理による2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルの選択的脱ニトロ塩素化を含む、高収率、高純度の2,6-ジクロロベンゾニトリルを作製するプロセス。

Description

本発明が一般に属する技術分野は、殺虫用及び除草用組成物に有用な化学物質を作製する方法である。より具体的には、本発明は、ハロゲン化ベンゾニトリルの調製のためのプロセスに関する。
多くの化学物質は、除草及び殺虫用途のために非常に有効な原材料であることが知られている。一方で、多くが、それらを生産するための特別な設備及び/又は高価な原材料に対する著しい投資を必要とする。このことがこれらの生成物の商業化に際して追加し得る著しいコストのため、かかる生成物をより効率的かつ有効な方式で生成するための方式について、一定の探索が行われている。
ジクロベニルとしても知られる2,6-ジクロロベンゾニトリルは、農業において広く使用される除草剤である。
様々なプロセスが、アンモ酸化反応を介した2,6-ジクロロベンゾニトリルの合成について知られている。2,6-ジクロロトルエンからの気相触媒アンモ酸化加工などの、かかる材料を生産するための既知の工業的方法は、設備における著しい投資を必要とし、高価な原材料である2,6-ジクロロトルエンについては、供給源が限定されている。
米国特許公開第4225534号は、塩化リチウムと、若しくは塩化リチウムと無水塩化アルミニウムとの混合物との反応、又は非プロトン性溶媒中の塩化アルミニウムリチウムとの反応による2-クロロベンゾニトリル誘導体の生産を開示するが、これら反応故に、工業的に好ましくない。
したがって、本発明の目的は、上述の欠点を克服する、改善された方法を提供することである。
よって本発明は、特定の反応パラメータを有し、所望の生成物の高い選択性、収率、及び純度を提供を目的としたプロセスの改善を含む。
一態様では、本発明は、ハロゲン化ベンゾニトリルを生産するための単純かつ工業的に実行可能なプロセスを提供する。
別の態様では、本発明は、塩素ガスで2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルを処理することを含む2,6-ジクロロベンゾニトリルを提供する。
別の態様では、本発明は、溶媒の不在下で塩素を使用する、2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルの選択的脱ニトロ塩素化(de-nitrochlorination)合成を提供する。
別の態様では、本プロセスは、NO、2-クロロベンゾニトリル、1,2,3-トリクロロベンゾニトリル、テトラクロロベンゼン、及び2,6-ジクロロベンズアミドなどの副生成物の制御された形成を提供し、高収率及び高純度の所望の生成物である2,6-ジクロロベンゾニトリルをもたらす。
一態様では、本発明のプロセスは、少なくとも80%の高収率及び少なくとも99%の純度での2,6-ジクロロベンゾニトリルを提供する。
これらの及び追加の実施形態は、以下の説明から明らかとなるであろう。
本明細書に示される詳細は、単に例示として、かつ本発明の様々な実施形態の例示的な考察の目的のためのものであり、本発明の原理及び概念態様の最も有用かつ容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示される。この点に関して、本発明の基本的理解のために必要なものよりも詳細に本発明の詳細を示す試みはなされておらず、説明は、本発明のいくつかの形態が実践において具現化され得るかを当業者に明らかにする。
次に、本発明をより詳細な実施形態を参照して説明する。しかしながら、本発明は、異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が完璧かつ完全になるように提供され、本発明の範囲を当業者に完全に伝える。
別途定義のない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本発明の説明において本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別途明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、それらの全体が参照により明示的に組み込まれる。
別途示されない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される成分、反応条件などの量を表す全ての数値は、全ての場合において、用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、反対に指示されない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得られることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、特許請求の範囲の範囲に対する均等論の適用を制限することを試みてはならず、各数値パラメータは、有効数字及び通常の四捨五入法の数に照らして解釈されるべきである。
別途定義されない限り、「ハロゲン化ベンゾニトリル」は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素原子などの1つ以上のハロゲン部分を有するベンゾニトリルを意味する。具体例は、2,6-ジクロロベンゾニトリルである。
本発明の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータは近似値であることにかかわらず、具体例として示す数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、いかなる数値も、それぞれの試験測定値に見出される標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に含む。本明細書全体を通して与えられるあらゆる数値範囲は、より狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、より広い数値範囲内に含まれるあらゆるより狭い数値範囲を含む。
本発明の追加の利点は、その一部が以下の説明に記載され、他の一部が説明から自明となるか、又は本発明の実施によって習得され得る。前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明はいずれも単に例示的かつ説明的なものであり、請求項に記載される本発明を限定するものではないことを理解されたい。
本発明は、ハロゲン化ベンゾニトリルの調製のためのプロセスを提供する。
したがって、本発明は、2,6-ジクロロベンゾニトリルの製造のための効率的かつ有効なプロセスを提供する。
本発明のプロセスは、経済的に実行可能であり、大規模な工業的生産に非常に好適である。
実施形態では、2,6-ジクロロベンゾニトリルの調製のためのプロセスは、塩素ガスによる2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルの脱ニトロ塩素化を含む。
本プロセスは、以下の反応スキームによって表される。
Figure 2022507433000001
実施形態では、2,6-ジクロロベンゾニトリルの調製のためのプロセスは、溶媒を用いない、塩素ガスによる2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルの選択的脱ニトロ塩素化を含む。
実施形態では、2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリル及び塩素ガスの比は、1:1~1:5の範囲にある。
実施形態では、2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリル及び塩素ガスの比は、1:1又は1:2又は1:3又は1:5の範囲にある。
実施形態では、プロセスは、約100~200℃の温度で実施される。
実施形態では、プロセスは、約150~200℃の温度で実施される。
実施形態では、プロセスは、150℃で、又は155℃で、又は160℃で、又は165℃で、又は170℃で、又は175℃で、又は180℃で、又は185℃で、又は190℃で、又は195℃で実施される。
実施形態では、プロセスは、約5~15時間実施される。
実施形態では、プロセスは、約8~10時間実施される。
実施形態では、プロセスは、185℃~195℃で約8~10時間実施される。
脱ニトロ塩素化が生じる上記のプロセスはまた、NOを形成し、NOは酸、例えば、濃硫酸で処理されて、ニトロシル硫酸を形成する。このニトロシル硫酸は、例えば、ジアゾ化及び当業者に既知の他のものにおいて使用される。
実施形態では、プロセスは、副生成物の形成に対して強化された制御を提供し、副生成物は、例えば、1,2,3-トリクロロベンゼン及びテトラクロロベンゼン(tetrachlorobenzene,TCB)などの過塩素化副生成物、還元的脱塩素化による2-クロロベンゾニトリルなど、及びスキーム2に示されるような加水分解生成物である2,6-ジクロロベンズアミドなどである。
Figure 2022507433000002
よって、本発明に従って得られる2,6-ジクロロベンゾニトリルは、不純物を実質的に含まない。
典型的には、2,6-ジクロロベンゾニトリルは、他の化合物の存在量が0.1%以下の際に、別の化合物を実質的に含まない。
実施形態では、プロセスにおいて形成される各副生成物又は不純物は、約2%未満、好ましくは1%未満、より好ましくは0.1%未満に限定される。
別の実施形態では、1,2,3-トリクロロベンゼンは主要な不純物であり、本プロセスは、有利には、この不純物の形成を最大2%に限定し、精製方法によっては、0.1%未満にまで限定し得る。
実施形態では、本発明に従って少なくとも80%の高収率で生産された2,6-ジクロロベンゾニトリルは、特定のプロセスパラメータ下で塩素ガスを使用する2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルの選択的脱ニトロ塩素化によって、少なくとも99%の高純度となる。
実施形態では、反応物自体が反応のための溶媒として作用し、反応は溶媒を用いずに進行する。
反応は、ほぼ大気圧下で行われ、当然のことながら、わずかに高いまたはわずかに低い大気の状態も含まれる。
塩素ガスの導入を制御する2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルの脱ニトロ塩素化プロセスでは、NO(例えば、NO及びNOなど)が連続的システム内から排出されることを可能にする。
2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルは、2,3-ジクロロニトロベンゼンの従来のシアン化物交換によって調製される。2,3-ジクロロニトロベンゼンそれ自体が3,4-ジクロロベンゼンプロセスの副生成物であり、生産された体積によっては廃棄又は代替使用の問題が発生する。したがって、本明細書に記載のプロセスは、この以前の廃棄物のための実現可能な商業的使用を表す。
したがって、本発明は、工業的生産コストを実質的に低減し、大規模な工業的生産の必要性を満たす、非常に高い選択性及び収率を提供する。
本明細書に記載の目的は、塩素パージを、2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルを2,6-ジクロロベンゾニトリルに選択的に変換する速度に限定すること、及び生じる他の副反応を限定することである。追加の選択肢は、形成されたら直ちに反応相から2,6-ジクロロベンゾニトリルを分離するために、反応性蒸留によって選択性を改善することである。
表1は、制御された塩素添加速度と未制御の塩素添加速度との比較を示す。
Figure 2022507433000003
収率が少なくとも80%及び純度レベルが99%超(重量%)である白色結晶性固体の2,6-ジクロロベンゾニトリルを、反応後に上記のレベルまで上述の反応不純物の全てを除去するための好適なワークアップ、例えば、従来の溶媒洗浄技法を使用した後に得でた。このことは、この経路による多くのレベルにおいて生成物を魅力的にする。
反応中に遊離したNOxは、濃硫酸中にスクラブされて(scrubbed)、固体ニトロシル硫酸が得られ、これは販売可能なジアゾ化試薬として使用される。
Figure 2022507433000004
したがって、このことは、2,6-ジクロロベンゾニトリルを製造するための工業的に有利かつ経済的に好ましいプロセスを表す。
別の態様では、本発明は、2,6-ジクロロベンゾニトリルの合成のためのプロセスであって、
a)2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルを調製するステップと、
b)任意選択で、2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルを精製するステップと、
c)2,6-ジクロロベンゾニトリルを調製するステップと、
d)任意選択で、2,6-ジクロロベンゾニトリルを精製するステップと、を含む、プロセスを提供する。
別の態様では、本発明は、2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルの調製であって、非プロトン性アミドの存在下における、1,2-ジクロロ-3-ニトロベンゼンと、金属シアン化物及び/又は金属塩化物との、2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルを得るための反応を含む。
実施形態では、シアノ化反応は、1,2-ジクロロ-3-ニトロベンゼンを、シアン化ナトリウムとシアン化銅、又はシアン化ナトリウムと塩化銅、又はシアン化ナトリウム、塩化銅及びシアン化銅の混合物と反応させることによって実施される。
実施形態では、非プロトン性アミドは、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホラミド及びN-メチルピロリドンなどから選択される。
実施形態では、非プロトン性アミドは、N,N-ジメチルホルムアミドである。
実施形態は、1,2-ジクロロ-3-ニトロベンゼンと、金属シアン化物と、触媒としての非プロトン性アミドとの混合物を加熱して、2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルを得ることを含む、2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルの調製のためのプロセスである。
別の実施形態は、1,2-ジクロロ-3-ニトロベンゼン、シアン化ナトリウム及びシアン化銅及びジメチルホルムアミドの混合物を100~200℃の温度で加熱して、2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルを得ることを含む、2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルの調製のためのプロセスである。
別の実施形態は、1,2-ジクロロ-3-ニトロベンゼン、シアン化ナトリウム及び塩化銅及びジメチルホルムアミドの混合物を100~200℃で加熱して、2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルを得ることを含む、2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルの調製のためのプロセスである。
別の実施形態では、2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルの調製のためのプロセスは、5~10時間実施される。
別の態様では、本発明は、2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルの調製であって、非プロトン性アミドの存在下において、1,2-ジクロロ-3-ニトロベンゼンと、金属シアン化物及び/又は金属塩化物との、2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルを得るための反応を含む。
実施形態では、2,6-ジクロロベンゾニトリルの調製のためのプロセスは、
a)2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリル2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルを得るための、非プロトン性アミドの存在下で、1,2-ジクロロ-3-ニトロベンゼンと、金属シアン化物及び/又は金属塩化物又はそれらの混合物との反応と、
b)2,6-ジクロロベンゾニトリルを得るための、塩素ガスによる2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルの脱ニトロ塩素化と、を含む。
別の実施形態では、2,6-ジクロロベンゾニトリルの調製のためのプロセスは、
a)得るための、非プロトン性アミドの存在下で、1,2-ジクロロ-3-ニトロベンゼンと、金属シアン化物及び/又は金属塩化物又はそれらの混合物との反応と、
b)2,6-ジクロロベンゾニトリルを得るための、溶媒を用いない塩素ガスによる2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルの脱塩素化と、を含む。
プロセス条件及びパラメータは、上記のとおりである。
具体例はは、例示的なものにすぎず、いかなる方式によっても本発明の範囲及び元となる原理を限定するものとして理解されるべきではない。本明細書に示され説明されるものに加えて、本発明の様々な改変は、以下の実施例及び前述の説明の後に、当業者には明らかとなるであろう。このような改変はまた、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることも意図される。
実施例1:
以下の実施例のプロセスは、反応における温度の影響を実証する。
Figure 2022507433000005
上の実施例では、ニトロシル硫酸は、遊離したNOxに対するモル当量で硫酸スクラバーから固体として生成及び単離される。
実施例2
オーバーヘッド撹拌器、TP、強力な(vigorous)カラムを有し、かつ油浴中の濃HSOスクラバーを有する、1リットルの4つ口RBFに、2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルを充填し、温度を上昇させた。次いで、塩素ガスを、一定の速度でフラスコ中にゆっくりとパージした。
得られた反応塊を分析したところ、2,6-CNBN変換は99%以上、観察された2,6-ジクロロベンゾニトリルは73~80%、TCBは9.4~10%であった。
反応の完了後、反応塊を、100℃まで冷却し、モノクロロベンゼンで希釈し、10%の炭酸ナトリウム水溶液で洗浄することによって中和し、活性炭で脱色した。この脱色した2,6-ジクロロベンゾニトリル溶液を、メタノール中で還流させ、10℃で結晶化させ、濾過し、真空オーブン中で乾燥させた。
Figure 2022507433000006
これらの実施例は、DCBNが、制御された塩素添加を利用して、かつ溶媒の不在下で、180~190℃でのCNBNの脱ニトロ塩素化によって71~76%の収率及び98%超の純度で調製され得ることを実証する。
実施例3~6
2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリル(実施例7に記載されるプロセスから得られたもの)を、濃硫酸及び苛性スクラバー(caustic scrubber)、オーバーヘッド撹拌器及び電気加熱式油浴を備えたRBF中に充填し、温度を195℃に上昇させた。次いで、塩素ガスを、様々な速度に制御された順序で10~16時間パージした。得られた反応塊を分析したところ、2,6-CNBN変換は99%以上、2,6-ジクロロベンゾニトリルは92-94%を示した。反応塊を100℃でモノクロロベンゼンで希釈し、10%の炭酸ナトリウム水溶液で洗浄することによって中和し、活性炭で脱色した。
この脱色した2,6-ジクロロベンゾニトリル溶液を、メタノール中で還流させ、10℃で結晶化させ、濾過し、真空オーブン中で乾燥させた。
Figure 2022507433000007
このデータは、実施例7に記載されるように生産されたCNBNが、上の実施例1及び2について観察されたTCB形成の発生率を低減するため、生成物の含有量及び収率を増加させることを示す。
実施例7
2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルの調製のためのプロセス
Figure 2022507433000008
2,3-ジクロロニトロベンゼンを、シアン化ナトリウムとシアン化銅、あるいはシアン化ナトリウム又は塩化銅と共に、油浴、オーバーヘッド撹拌器、通常の凝縮器、窒素ブランケット及び水スクラバーを備えた1LのRBFに充填する。撹拌器で塊を撹拌する前に、反応塊を90℃までゆっくりと加熱して溶融スラリー塊を得、加熱をゆっくりと継続した。反応塊が一度に、又は反応変換温度(160℃)への温度勾配を通じてロット毎に100℃に到達したら、N,N-ジメチルホルムアミドを充填した。反応塊温度を達成した後、2,3-ジクロロベンゼンの変換を5%未満にするために、それを160℃で5~6時間維持し、更に5~6時間170℃まで加熱したの。反応塊は90℃まで冷却し、N,N-ジメチルホルムアミドは真空蒸留によって回収した。粗2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルは80℃でモノクロロベンゼンで希釈し、この温度で、無機塩は真空濾過によって除去される。追加の熱いモノクロロベンゼンを添加して、無機残渣から有機塊を洗浄及び完全に除去した。有機濾液含有生成物を5%アンモニア水溶液で70℃で1時間洗浄し、層を別の10%のHCl及び70℃での水で洗浄して分離及び中和し、70℃で炭による処理を行った。洗浄処理された有機濾液はモノクロロベンゼンの回収に供され、反応塊は10℃まで冷却され、真空濾過によって沈殿生成物を濾過し、冷溶媒でそれを洗浄する。湿潤ケーキを取り出し、80℃で乾燥させる。
Figure 2022507433000009
これらの実施例は、DMFの充填を193g/モルの2,3-DCNBから27~28g/モルの2,3-DCNBまで低下させることが反応性能を劇的に改善する、すなわち、CNBN含有量が41%から91~96%に改善することを、実証する。
Figure 2022507433000010
シアン化銅は高価であり、ほとんどの有機溶媒に非常に不十分難溶性であるため、反応性を考えたときの望ましい選択ではない。それを塩化銅と置き換えることによって、コストの低減された商業的製造により適したシステムとなる。
本明細書に記載されるように、この領域におけるこれらの問題及び他の問題は、本明細書に記載される本発明によって対処される。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれ得る全ての改変及び変形を含むものとする。本発明の他の実施形態は、本明細書に開示される本発明の仕様及び実施を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。本明細書及び実施例は、本発明の真の範囲及び趣旨が以下の特許請求の範囲によって示されるように、単に例示として見なされることが意図される。

Claims (11)

  1. 塩素ガスで2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルを処理することを含む、2,6-ジクロロベンゾニトリルを生産するための、プロセス。
  2. 100~200℃の範囲の温度で実施される、請求項1に記載のプロセス。
  3. 5~15時間実施される、請求項1に記載のプロセス。
  4. 前記プロセスが溶媒を用いずに実行される、請求項1に記載のプロセス。
  5. 前記2,6-ジクロロベンゾニトリルが、NO又は2-クロロベンゾニトリル又は1,2,3-トリクロロベンゾニトリル又はテトラクロロベンゼン又は2,6-ジクロロベンズアミドを実質的に含まない、請求項1に記載のプロセス。
  6. 前記2,6-ジクロロベンゾニトリルが、少なくとも80%の収率及び少なくとも99%の純度で生産される、請求項1に記載のプロセス。
  7. 塩素ガスによる脱ニトロ塩素化(de-nitrochlorination)が、150℃~200℃で8~11時間生じる、請求項1に記載のプロセス。
  8. 塩素ガスによる前記脱ニトロ塩素化が、190℃~200℃で9~10時間生じる、請求項1に記載のプロセス。
  9. 2,6-ジクロロベンゾニトリルの調製のためのプロセスであって、
    a)1,2-ジクロロ-3-ニトロベンゼンをシアノ化して、2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルを得ることと、
    b)塩素ガスで2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルを脱ニトロ塩素化して、2,6-ジクロロベンゾニトリルを得ることと、を含む、プロセス。
  10. ステップa)が、非プロトン性アミドの存在下において、シアン化ナトリウム及びシアン化銅から選択される金属シアン化物、又は塩化銅の存在下で実施されて、2-クロロ-6-ニトロベンゾニトリルを得る、請求項9に記載のプロセス。
  11. 前記プロセスが、100~200℃で5~15時間実施される、請求項10に記載のプロセス。

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