JP2022184691A - 位相差フィルム、円偏光板、表示装置 - Google Patents

位相差フィルム、円偏光板、表示装置 Download PDF

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Yuta Takahashi
裕介 古木
Yusuke Furuki
敏博 小西
Toshihiro Konishi
浩樹 桑原
Hiroki Kuwabara
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Abstract

【課題】偏光子と組み合わせて円偏光板として画像表示装置に適用し、画像表示装置を斜め方向から全方位角にて観察した際に、色味の変化が小さい、位相差フィルム、円偏光板および画像表示装置の提供。【解決手段】第1光学異方性層、第2光学異方性層、第3光学異方性層、および、第4光学異方性層をこの順に有し第1光学異方性層が、Cプレートであり、第2光学異方性層が、Aプレートであり、第3光学異方性層が、厚み方向にのびる螺旋軸に沿って捩れ配向した液晶化合物を固定してなる層であり、第1光学異方性層、第2光学異方性層、第3光学異方性層、および、第4光学異方性層が所定の構成を有する、位相差フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、位相差フィルム、円偏光板、および、表示装置に関する。
屈折率異方性を持つ位相差フィルムは、表示装置の反射防止膜、および、液晶表示装置の光学補償フィルムなどの種々の用途に適用されている。
例えば、特許文献1においては、所定の光学特性を示す2種の光学異方性層を積層した位相差板が開示されている。
特許第5960743号
本発明者らは、特許文献1に記載されている光学異方性層を積層させた光学フィルムを偏光子と組み合わせて円偏光板として表示装置に適用し、表示装置を斜め方向から全方位角にて観察した際に、色味の変化が大きく、改善の余地があることを確認した。
本発明は、上記実情に鑑みて、偏光子と組み合わせて円偏光板として表示装置に適用し、表示装置を斜め方向から全方位角にて観察した際に、色味の変化が小さい、位相差フィルムを提供することを課題とする。
また、本発明は、円偏光板および表示装置も提供することを課題とする。
本発明者らは、従来技術の問題点について鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を解決できることを見出した。
(1) 第1光学異方性層、第2光学異方性層、第3光学異方性層、および、第4光学異方性層をこの順に有し
第1光学異方性層が、Cプレートであり、
第2光学異方性層が、Aプレートであり、
第3光学異方性層が、厚み方向にのびる螺旋軸に沿って捩れ配向した液晶化合物を固定してなる層であり、
第4光学異方性層が、Cプレートであり、
第1光学異方性層がネガティブCプレートである場合、第2光学異方性層がネガティブAプレートであり、第3光学異方性層の液晶化合物が棒状液晶化合物であり、第4光学異方性層がポジティブCプレートであり、
第1光学異方性層がポジティブCプレートである場合、第2光学異方性層がポジティブAプレートであり、第3光学異方性層の液晶化合物が円盤状液晶化合物であり、第4光学異方性層がネガティブCプレートであり、
第2光学異方性層の面内遅相軸と、第3光学異方性層の第2光学異方性層側の表面での面内遅相軸とのなす角が0~30°の範囲内である、位相差フィルム。
(2) 液晶化合物の捩れ角度が80±30°の範囲内である、(1)に記載の位相差フィルム。
(3) 第1光学異方性層の波長550nmにおける厚み方向のレタデーションの絶対値が5~100nmである、(1)または(2)に記載の位相差フィルム。
(4) 第2光学異方性層の波長550nmにおける面内レタデーションが120~240nmである、(1)~(3)のいずれかに記載の位相差フィルム。
(5) 波長550nmにおける第3光学異方性層の屈折率異方性Δnと第3光学異方性層の厚みdとの積Δndの値が120~240nmである、(1)~(4)のいずれかに記載の位相差フィルム。
(6) 第4光学異方性層の波長550nmにおける厚み方向のレタデーションの絶対値が5~100nmである、(1)~(5)のいずれかに記載の位相差フィルム。
(7) 第1光学異方性層、第2光学異方性層、第3光学異方性層、および、第4光学異方性層をこの順に有し、
第1光学異方性層と第2光学異方性層とが直接接しているか、密着層を介して積層されており、
第2光学異方性層と第3光学異方性層とが直接接しているか、密着層を介して積層されており、
第3光学異方性層と第4光学異方性層とが直接接しているか、密着層を介して積層されており、
後述する要件1~4の少なくとも1つを満たす、位相差フィルム。
(8) 第1光学異方性層、第2光学異方性層、第3光学異方性層、および、第4光学異方性層をこの順に有し
第1光学異方性層が、Cプレートであり、
第2光学異方性層が、Aプレートであり、
第3光学異方性層が、厚み方向にのびる螺旋軸に沿って捩れ配向した液晶化合物を固定してなる層であり、
第4光学異方性層が、Cプレートであり、
第1光学異方性層と第2光学異方性層、第2光学異方性層と第3光学異方性層、および、第3光学異方性層と第4光学異方性層、の少なくとも1つが密着層を介して積層され、
密着層の平均屈折率と、密着層と隣接する光学異方性層の平均屈折率との差が0.10以下である、位相差フィルム。
(9) 第2光学異方性層と第3光学異方性層とが密着層を介して積層され、
密着層の平均屈折率と、第2光学異方性層の平均屈折率との差が0.08以下であり、
密着層の平均屈折率と、第3光学異方性層の平均屈折率との差が0.08以下である、(7)または(8)に記載の位相差フィルム。
(10) 後述する要件1~4の全てを満たす、(8)に記載の位相差フィルム。
(11) 偏光子と、(1)~(10)のいずれかに記載の位相差フィルムとを含む、円偏光板。
(12) (1)~(10)のいずれかに記載の位相差フィルムまたは(11)に記載の円偏光板を含む、表示装置。
本発明によれば、偏光子と組み合わせて円偏光板として表示装置に適用し、表示装置を斜め方向から全方位角にて観察した際に、色味の変化が小さい、位相差フィルムを提供できる。
また、本発明によれば、円偏光板および表示装置も提供できる。
本発明の位相差フィルムの第1実施態様の概略断面図の例である。 本発明の円偏光板の第1実施態様の概略断面図の例である。 本発明の円偏光板の第1実施態様における、偏光子の吸収軸と、第2光学異方性層および第3光学異方性層のそれぞれの面内遅相軸との関係を示す図である。 図2中の白矢印の方向から観察した際の偏光子の吸収軸と、第2光学異方性層および第3光学異方性層のそれぞれ面内遅相軸との角度の関係を示す概略図である。 本発明の位相差フィルムの第2実施態様の概略断面図の例である。 本発明の円偏光板の第2実施態様の概略断面図の例である。 本発明の円偏光板の第2実施態様における、偏光子の吸収軸と、第2光学異方性層および第3光学異方性層のそれぞれの面内遅相軸との関係を示す図である。 図6中の白矢印の方向から観察した際の偏光子の吸収軸と、第2光学異方性層および第3光学異方性層のそれぞれ面内遅相軸との角度の関係を示す概略図である。 本発明の位相差フィルムの第3実施態様の概略断面図の例である。 本発明の位相差フィルムの第4実施態様の概略断面図の例である。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、面内遅相軸および面内進相軸は、特別な断りがなければ、波長550nmにおける定義である。つまり、特別な断りがない限り、例えば、面内遅相軸方向という場合、波長550nmにおける面内遅相軸の方向を意味する。
本発明において、Re(λ)およびRth(λ)は各々、波長λにおける面内のレタデーションおよび厚み方向のレタデーションを表す。特に記載がないときは、波長λは、550nmとする。
本発明において、Re(λ)およびRth(λ)はAxoScan OPMF-1(オプトサイエンス社製)において、波長λで測定した値である。AxoScanにて屈折率((nx+ny+nz)/3)と膜厚(d(μm))を入力することにより、
遅相軸方向(°)
Re(λ)=R0(λ)
Rth(λ)=((nx+ny)/2-nz)×d
が算出される。
なお、R0(λ)は、AxoScan OPMF-1で算出される数値として表示されるものであるが、Re(λ)を意味している。
本明細書において、屈折率((nx+ny+nz)/3)は、アッベ屈折計(NAR-4T、アタゴ(株)製)を使用し、光源にナトリウムランプ(λ=589nm)を用いて測定する。また、波長依存性を測定する場合は、多波長アッベ屈折計DR-M2(アタゴ(株)製)にて、干渉フィルタとの組み合わせで測定できる。液晶化合物の場合には、光学等方相で固定化したフィルムを本方法で測定することにより、平均屈折率を測定することができる。
また、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、および、各種光学フィルムのカタログの値を使用できる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、および、ポリスチレン(1.59)。
本明細書において、AプレートおよびCプレートは以下のように定義される。
Aプレートは、ポジティブAプレート(正のAプレート)とネガティブAプレート(負のAプレート)との2種があり、フィルム面内の遅相軸方向(面内での屈折率が最大となる方向)の屈折率をnx、面内の遅相軸と面内で直交する方向の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnzとしたとき、ポジティブAプレートは式(A1)の関係を満たすものであり、ネガティブAプレートは式(A2)の関係を満たすものである。なお、ポジティブAプレートはRthが正の値を示し、ネガティブAプレートはRthが負の値を示す。
式(A1) nx>ny≒nz
式(A2) ny<nx≒nz
なお、上記「≒」とは、両者が完全に同一である場合だけでなく、両者が実質的に同一である場合も包含する。「実質的に同一」とは、例えば、(ny-nz)×d(ただし、dはフィルムの厚みである)が、-10~10nm、好ましくは-5~5nmの場合も「ny≒nz」に含まれ、(nx-nz)×dが、-10~10nm、好ましくは-5~5nmの場合も「nx≒nz」に含まれる。
Cプレートは、ポジティブCプレート(正のCプレート)とネガティブCプレート(負のCプレート)との2種があり、ポジティブCプレートは式(C1)の関係を満たすものであり、ネガティブCプレートは式(C2)の関係を満たすものである。なお、ポジティブCプレートはRthが負の値を示し、ネガティブCプレートはRthが正の値を示す。
式(C1) nz>nx≒ny
式(C2) nz<nx≒ny
なお、上記「≒」とは、両者が完全に同一である場合だけでなく、両者が実質的に同一である場合も包含する。「実質的に同一」とは、例えば、(nx-ny)×d(ただし、dはフィルムの厚みである)が、0~10nm、好ましくは0~5nmの場合も「nx≒ny」に含まれる。
本明細書において、Aプレート、Cプレートおよび厚み方向にのびる螺旋軸に沿って捩れ配向した液晶化合物を固定してなる層などの光学異方性層の平均屈折率は、式(N1)のように定義される。なお、式(N1)中のnxは、上記と同様に、層面内の遅相軸方向(面内での屈折率が最大となる方向)の屈折率を、nyも、上記と同様に、面内の遅相軸と面内で直交する方向の屈折率を意味する。
式(N1) (平均屈折率)=(nx+ny)/2
また、密着層の平均屈折率も、上記式(N1)により算出される。なお、密着層が光学的に等方性である場合には、密着層の面内のいずれかの方向の屈折率を上記平均屈折率とする。
上記平均屈折率は、波長550nmにおける平均屈折率を意味する。
なお、上記平均屈折率は、後述する実施例にて示すように、反射分光膜厚計FE3000(大塚電子株式会社製)を用いて測定できる。具体的には、反射分光膜厚計FE3000を用いて、屈折率を測定したい層の反射スペクトルを測定して、得られた反射スペクトルに対してn-Cauchyの分散式を適用することにより、上記平均屈折率を算出できる。
また、本明細書において、「A層とB層とが密着層を介して積層」という場合、密着層はA層とB層とに接した状態で、A層とB層とが積層されている。つまり、密着層の一方の表面はA層と接触し、他方の表面はB層と接触して、A層とB層との間に密着層が配置されている。
なお、本明細書では、「可視光線」とは、波長400~700nmの光を意図する。また、「紫外線」とは、波長10nm以上400nm未満の光を意図する。
また、本明細書において、「直交」または「平行」については、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、厳密な角度±5°の範囲内であることなどを意味し、厳密な角度との誤差は、±3°の範囲内であることが好ましい。
本発明の位相差フィルムの特徴点としては、所定の光学異方性層を組み合わせて用いる点が挙げられる。
<位相差フィルムの第1実施態様>
以下、本発明の位相差フィルムの第1実施態様について、図面を参照して説明する。図1に、本発明の位相差フィルムの第1実施態様の概略断面図を示す。
位相差フィルム10Aは、第1光学異方性層12A、第2光学異方性層14A、第3光学異方性層16A、および、第4光学異方性層18Aをこの順に有する。
第1光学異方性層12AはネガティブCプレートであり、第2光学異方性層14AはネガティブAプレートであり、第3光学異方性層16Aは厚み方向にのびる螺旋軸に沿って捩れ配向した棒状液晶化合物LCを固定してなる層であり、第4光学異方性層18AはポジティブCプレートである。
第2光学異方性層14Aの面内遅相軸と、第3光学異方性層16Aの第2光学異方性層14A側の表面での面内遅相軸とが平行である。
以下、各層について詳述する。
(第1光学異方性層12A)
第1光学異方性層12Aは、ネガティブCプレートである。
第1光学異方性層12Aの波長550nmにおける厚み方向のレタデーションは特に制限されないが、本発明の位相差フィルムと偏光子と組み合わせて円偏光板として表示装置に適用し、表示装置を斜め方向から全方位角にて観察した際に、色味の変化がより小さい(以下、単に「本発明の効果がより優れる」ともいう。)点で、5~100nmが好ましく、10~90nmがより好ましい。
第1光学異方性層12AはネガティブCプレートであればその構成は特に制限されず、水平配向した円盤状液晶化合物を固定してなる層、および、樹脂フィルムが挙げられる。
なお、円盤状液晶化合物が水平配向している状態とは、円盤状液晶化合物の円盤面と層の主面とが平行であることをいう。なお、厳密に平行であることを要求するものではなく、円盤面と層の主面とのなす角度が0±20°の範囲であることが好ましく、0±10°の範囲内が好ましい。
なお、本明細書において、「固定した」状態は、液晶化合物の配向が保持された状態である。具体的には、通常、0~50℃、より過酷な条件下では-30~70℃の温度範囲において、層に流動性がなく、また、外場もしくは外力によって配向形態に変化を生じさせることなく、固定された配向形態を安定に保ち続けることができる状態であることが好ましい。
円盤状液晶化合物としては、公知の化合物を用いることができる。
円盤状液晶化合物としては、例えば、特開2007-108732号公報の段落0020~0067、および、特開2010-244038号公報の段落0013~0108に記載の化合物が挙げられる。
円盤状液晶化合物は、重合性基を有していてもよい。
本明細書において、重合性基の種類は特に制限されず、付加重合反応が可能な官能基が好ましく、重合性エチレン性不飽和基または環重合性基がより好ましく、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、または、アリル基がさらに好ましい。
樹脂フィルムを構成する樹脂の種類は特に制限されず、TAC(トリアセチルセルロース)が挙げられる。
第1光学異方性層12Aは、水平配向した、重合性基を有する円盤状液晶化合物が重合によって固定されて形成された層であることが好ましい。
第1光学異方性層12Aの厚みは特に制限されず、第1光学異方性層12Aが水平配向した円盤状液晶化合物を固定してなる層である場合、10μm以下が好ましく、0.1~5.0μmがより好ましく、0.3~2.0μmがさらに好ましい。
第1光学異方性層12Aが樹脂フィルムである場合、第1光学異方性層12Aの厚みは、10~100μmmが好ましく、15~90μmがより好ましい。
なお、第1光学異方性層12Aの厚みとは、第1光学異方性層12Aの平均厚みを意図する。上記平均厚みは、第1光学異方性層12Aの任意の5点以上の厚みを測定して、それらを算術平均して求める。
(第2光学異方性層14A)
第2光学異方性層14Aは、ネガティブAプレートである。
第2光学異方性層14Aの波長550nmにおける面内レタデーションは特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、120~240nmが好ましく、130~230nmがより好ましい。
第2光学異方性層14Aの波長550nmにおける厚み方向のレタデーションは特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、-120~-60nmが好ましく、-115~-65nmがより好ましい。
第2光学異方性層14Aは、順波長分散性(面内レタデーションが、測定波長が大きくなるにつれて小さくなる特性。)を示しても、逆波長分散性(面内レタデーションが、測定波長が大きくなるにつれて大きくなる特性。)を示してもよい。なお、上記順波長分散性および逆波長分散性は、可視光域において示されることが好ましい。
第2光学異方性層14Aは、ネガティブAプレートであればその構成は特に制限されず、垂直配向し、光軸(円盤面と直交する軸)が同一方位に配列している円盤状液晶化合物を固定してなる層、および、延伸フィルムが挙げられ、本発明の効果がより優れる点で、垂直配向し、光軸(円盤面と直交する軸)が同一方位に配列している円盤状液晶化合物を固定してなる層が好ましい。
なお、円盤状液晶化合物が垂直配向している状態とは、円盤状液晶化合物の円盤面と層の厚み方向とが平行であることをいう。なお、厳密に平行であることを要求するものではなく、円盤面と層の厚み方向とのなす角度が0±20°の範囲であることが好ましく、0±10°の範囲内が好ましい。
また、円盤状液晶化合物の光軸(円盤面と直交する軸)が同一方位に配列している状態とは、厳密に同一方位であることを要求するものでなく、面内の任意の20か所の位置で遅相軸の方位を測定したとき、20か所での遅相軸の方位のうちの遅相軸方位の最大差(20個の遅相軸方位のうち、差が最大となる2つの遅相軸方位の差)が10°未満であることを意味するものとする。
円盤状液晶化合物としては、例えば、第1光学異方性層12Aで例示した円盤状液晶化合物が挙げられる。
円盤状液晶化合物は、重合性基を有していてもよい。
円盤状液晶化合物が有してもよい重合性基の種類は、上述した通りである。
第2光学異方性層14Aは、重合性基を有する円盤状液晶化合物が重合によって固定されて形成された層であることが好ましい。
第2光学異方性層14Aの厚みは特に制限されず、10μm以下が好ましく、0.1~5.0μmがより好ましく、0.3~2.0μmがさらに好ましい。
なお、第2光学異方性層14Aの厚みとは、第2光学異方性層14Aの平均厚みを意図する。上記平均厚みは、第2光学異方性層14Aの任意の5点以上の厚みを測定して、それらを算術平均して求める。
(第3光学異方性層16A)
第3光学異方性層16Aは、厚み方向にのびる螺旋軸に沿って捩れ配向した棒状液晶化合物LCを固定してなる層である。
第3光学異方性層16Aは、いわゆる螺旋構造を持ったキラルネマチック相を固定してなる層であることが好ましい。なお、上記第3光学異方性層16Aを形成する際には、棒状液晶化合物と後述するキラル剤とを少なくとも用いることが好ましい。
棒状液晶化合物の捩れ角度(液晶化合物の配向方向の捩れ角度)は特に制限されず、0°超360°以下の場合が多く、本発明の効果がより優れる点で、80±30°の範囲内(50~110°の範囲内)が好ましく、80±20°の範囲内(60~100°の範囲内)がより好ましい。
なお、捩れ角度の測定方法は、Axometrics社のAxoScan(ポラリメーター)装置を用い同社の装置解析ソフトウェアを用いて測定する。
また、棒状液晶化合物が捩れ配向するとは、第3光学異方性層16Aの厚み方向を軸として、第3光学異方性層16Aの一方の主表面から他方の主表面までの棒状液晶化合物が捩れることを意図する。それに伴い、棒状液晶化合物の配向方向(面内遅相軸方向)が、第3光学異方性層16Aの厚み方向の位置によって異なる。
捩れ配向において、棒状液晶化合物の長軸は、第3光学異方性層16Aの主面と平行となるように配置される。なお、厳密に平行であることを要求するものではなく、棒状液晶化合物の長軸と第3光学異方性層16Aの主面とのなす角度が0±20°の範囲であることが好ましく、0±10°の範囲内が好ましい。
波長550nmにおける第3光学異方性層16Aの屈折率異方性Δnと第3光学異方性層16Aの厚みdとの積Δndの値は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、120~240nmが好ましく、130~230nmがより好ましい。
上記Δndの測定方法は、Axometrics社のAxoScan(ポラリメーター)装置を用い同社の装置解析ソフトウェアを用いて測定する。
第2光学異方性層14Aの面内遅相軸と、第3光学異方性層16Aの第2光学異方性層14A側の表面での面内遅相軸とのなす角が0~30°の範囲内であり、0~20°の範囲内が好ましい。
第3光学異方性層16Aに形成に用いられる棒状液晶化合物の種類は特に制限されず、公知の化合物が挙げられる。
棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11-513019号公報の請求項1、および、特開2005-289980号公報の段落0026~0098に記載の化合物が挙げられる。
棒状液晶化合物は、重合性基を有していてもよい。
棒状液晶化合物が有してもよい重合性基の種類は、上述した通りである。
第3光学異方性層16Aは、重合性基を有する棒状液晶化合物が重合によって固定されて形成された層であることが好ましい。より具体的には、捩れ配向した重合性基を有する棒状液晶化合物が重合によって固定されて形成された層であることがより好ましい。
第3光学異方性層16Aの厚みは特に制限されず、10μm以下が好ましく、0.1~5.0μmがより好ましく、0.3~2.0μmがさらに好ましい。
なお、第3光学異方性層16Aの厚みとは、第3光学異方性層16Aの平均厚みを意図する。上記平均厚みは、第3光学異方性層16Aの任意の5点以上の厚みを測定して、それらを算術平均して求める。
(第4光学異方性層18A)
第4光学異方性層18Aは、ポジティブCプレートである。
第4光学異方性層18Aの波長550nmにおける厚み方向のレタデーションは特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、-100~-5nmが好ましく、-100~-30nmがより好ましい。
第4光学異方性層18AはポジティブCプレートであればその構成は特に制限されず、垂直配向した棒状液晶化合物を固定してなる層、および、樹脂フィルムが挙げられ、本発明の効果がより優れる点で、垂直配向した棒状液晶化合物を固定してなる層が好ましい。
なお、棒状液晶化合物が垂直配向している状態とは、棒状液晶化合物の長軸と第4光学異方性層18Aの厚み方向とが平行であることをいう。なお、厳密に平行であることを要求するものではなく、棒状液晶化合物の長軸と第4光学異方性層18Aの厚み方向とのなす角度が0±20°の範囲であることが好ましく、0±10°の範囲内が好ましい。
棒状液晶化合物としては、公知の化合物を用いることができる。
棒状液晶化合物としては、例えば、第3光学異方性層16Aで例示した棒状液晶化合物が挙げられる。
棒状液晶化合物は、重合性基を有していてもよい。
棒状液晶化合物が有してもよい重合性基の種類は、上述した通りである。
第4光学異方性層18Aは、垂直配向した、重合性基を有する棒状液晶化合物が重合によって固定されて形成された層であることが好ましい。
第4光学異方性層18Aの厚みは特に制限されず、10μm以下が好ましく、0.1~5.0μmがより好ましく、0.3~2.0μmがさらに好ましい。
なお、第4光学異方性層18Aの厚みとは、第4光学異方性層18Aの平均厚みを意図する。上記平均厚みは、第4光学異方性層18Aの任意の5点以上の厚みを測定して、それらを算術平均して求める。
(他の部材)
位相差フィルム10Aは、上述した第1光学異方性層12A~第4光学異方性層18A以外の他の部材を含んでいてもよい。
(密着層)
位相差フィルム10Aは、各光学異方性層間に、密着層を有していてもよい。
密着層としては、公知の粘着剤層および接着剤層が挙げられる。
特開平11-149015公報に記載のように、一般的に、位相差フィルムを形成する各層(例えば、光学異方性層)は、反射抑制の点から、屈折率を調整することが好ましい。接着対象との屈折率差は、0.1以下が好ましく、0.08以下がより好ましく、0.06以下がさらに好ましく、0.03以下が特に好ましい。
また、密着層の厚みは、0.1~50μmが好ましい。薄層化の観点では、25μm以下がより好ましく、15μm以下がさらに好ましく、5μm以下が特に好ましい。干渉ムラ抑止の観点では、5μm以上がより好ましく、15μm以上がさらに好ましく、25μm以上が特に好ましい。
液晶化合物を固定してなる光学異方性層の層間に密着層を配置する場合は、高屈折の接着剤や粘着剤を用いてもよい。
屈折率を高くするためには、高屈折モノマー、または、高屈折金属微粒子を用いることも好ましい。
高屈折モノマーとしては、分子中にベンゼン環骨格を有することが好ましい。分子中にベンゼン環骨格を有する単官能モノマーとしては、例えば、エトキシ化O-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、O-フェニルフェノールグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-メタクリロイロキシエチルフタレート、2-アクリロイロキシエチルフタレート、2-アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタレート、2-アクリロイロキシプロピルフタレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、EO変性フェノール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、PO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ECH変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、および、ビニルカルバゾールなどが挙げられる。
高屈折金属微粒子としては、無機粒子が挙げられる。無機粒子を構成する成分としては、金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物、および、金属単体が挙げられる。上記金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物、および、金属単体に含まれる金属原子としては、チタン原子、ケイ素原子、アルミニウム原子、コバルト原子、および、ジルコニウム原子が挙げられる。無機粒子の具体例としては、アルミナ粒子、アルミナ水和物粒子、シリカ粒子、ジルコニア粒子、および、粘土鉱物(例えば、スメクタイト)などの無機酸化物粒子が挙げられる。屈折率の点から、酸化ジルコニウムの粒子が好ましい。
無機粒子の量を変化させることで所定の屈折率に調整できる。
無機粒子の平均粒径は特に制限されないが、酸化ジルコニウムを主成分として用いた場合、1~120nmが好ましく、1~60nmがより好ましく、2~40nmがさらに好ましい。
(配向膜)
位相差フィルム10Aは、配向膜をさらに有していてもよい。配向膜は、各光学異方性層間に配置されていてもよい。
なお、図1に示すように、位相差フィルム10Aは、各光学異方性層間には、配向膜を有さないことが好ましい。
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、または、ラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω-トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で形成できる。
さらに、電場の付与、磁場の付与、または、光照射(好ましくは偏光)により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
配向膜は、ポリマーのラビング処理により形成することが好ましい。
配向膜としては、光配向膜も挙げられる。
配向膜の厚さは、配向機能を発揮することができれば特に制限されないが、0.01~5.0μmが好ましく、0.05~2.0μmがより好ましく、0.1~0.5μmがさらに好ましい。
(基板)
位相差フィルム10Aは、基板をさらに有していてもよい。
基板としては、透明基板が好ましい。なお、透明基板とは、可視光の透過率が60%以上である基板を意図し、その透過率は80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
基板の厚みは特に制限されないが、10~200μmが好ましく、10~100μmがより好ましく、20~90μmがさらに好ましい。
また、基板は複数枚の積層からなっていてもよい。基板はその上に設けられる層との接着を改善するため、基板の表面に表面処理(例えば、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を実施してもよい。
また、基板の上に、接着剤層(下塗り層)を設けてもよい。
基板は、いわゆる仮支持体であってもよい。例えば、基板上に光学異方性層を製造した後、必要に応じて、基板を光学異方性層から剥離してもよい。
(位相差フィルムの製造方法)
位相差フィルムの製造方法は特に制限されず、公知の方法を用いることができる。
例えば、第1光学異方性層~第4光学異方性層をそれぞれ作製して、それらを密着層(例えば、粘着剤層または接着剤層)を介して所定の順番で貼り合わせることにより、位相差フィルムを製造できる。
また、第1光学異方性層~第4光学異方性層は、それぞれ形成し得る、重合性基を有する液晶化合物を含む光学異方性層形成用組成物を用いて製造できる。
以下では、重合性基を有する液晶化合物を含む光学異方性層形成用組成物を用いて光学異方性層(第1光学異方性層~第4光学異方性層)を製造する方法について詳述する。
光学異方性層形成用組成物に含まれる重合性基を有する液晶化合物(以下、「重合性液晶化合物」ともいう。)は、上述した通りである。なお、上述したように、形成される光学異方性層の特性に応じて、棒状液晶化合物および円盤状液晶化合物が適宜選択される。
光学異方性層形成用組成物中における重合性液晶化合物の含有量は、光学異方性層形成用組成物の全固形分に対して、60~99質量%が好ましく、70~98質量%がより好ましい。
なお、固形分とは、溶媒を除去した、光学異方性層を形成し得る成分を意味し、その性状が液体状であっても固形分とする。
光学異方性層形成用組成物は、重合性基を有する液晶化合物以外の他の化合物を含んでいてもよい。
例えば、第3光学異方性層16Aを形成するための光学異方性層形成用組成物は、液晶化合物を捩れ配向させるためには、キラル剤を含むことが好ましい。キラル剤は、液晶化合物を捩れ配向させるために添加されるが、勿論、液晶化合物が、分子内に不斉炭素を有するなど、光学活性を示す化合物である場合は、キラル剤の添加は不要である。また、製造方法および捩れ角度によっては、キラル剤の添加は不要である。
キラル剤としては、併用する液晶化合物を相溶するものであれば、特に構造についての制限はない。公知のキラル剤(例えば、日本学術振興会第142委員会編「液晶デバイスハンドブック」,第3章4-3項,TN、STN用カイラル剤,199頁,1989年に記載)のいずれも用いることができる。
キラル剤の使用量は特に制限されず、上述した捩れ角度が達成されるように調整される。
光学異方性層形成用組成物は、重合開始剤を含んでいてもよい。使用される重合開始剤は、重合反応の形式に応じて選択され、例えば、熱重合開始剤、および、光重合開始剤が挙げられる。
光学異方性層形成用組成物中における重合開始剤の含有量は、光学異方性層形成用組成物の全固形分に対して、0.01~20質量%が好ましく、0.5~10質量%がより好ましい。
光学異方性層形成用組成物に含まれていてもよい他の成分としては、上記以外にも、多官能モノマー、配向制御剤(垂直配向剤、水平配向剤)、界面活性剤、密着改良剤、可塑剤、および、溶媒が挙げられる。
光学異方性層形成用組成物の塗布方法としては、カーテンコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法、および、ワイヤーバー法が挙げられる。
次に、形成された塗膜に、配向処理を施して、塗膜中の重合性液晶化合物を配向させる。例えば、第1光学異方性層12Aを形成する際には、円盤状液晶化合物を水平配向させる。また、第2光学異方性層14Aを形成する際には、円盤状液晶化合物を垂直配向させ、円盤状液晶化合物の光軸(円盤面と直交する軸)が同一方位に配列しているように配向させる。また、第3光学異方性層16Aを形成する際には、棒状液晶化合物を捩れ配向させる。また、第4光学異方性層18Aを形成する際には、棒状液晶化合物を垂直配向させる。
配向処理は、室温により塗膜を乾燥させる、または、塗膜を加熱することにより行うことができる。配向処理で形成される液晶相は、サーモトロピック性液晶化合物の場合、一般に温度または圧力の変化により転移させることができる。リオトロピック性液晶化合物の場合には、溶媒量などの組成比によっても転移させることができる。
なお、塗膜を加熱する場合の条件は特に制限されないが、加熱温度としては50~250℃が好ましく、50~150℃がより好ましく、加熱時間としては10秒間~10分間が好ましい。
また、塗膜を加熱した後、後述する硬化処理(光照射処理)の前に、必要に応じて、塗膜を冷却してもよい。
次に、重合性液晶化合物が配向された塗膜に対して硬化処理を施す。
重合性液晶化合物が配向された塗膜に対して実施される硬化処理の方法は特に制限されず、例えば、光照射処理および加熱処理が挙げられる。なかでも、製造適性の点から、光照射処理が好ましく、紫外線照射処理がより好ましい。
光照射処理の照射条件は特に制限されないが、50~1000mJ/cmの照射量が好ましい。
光照射処理の際の雰囲気は特に制限されないが、窒素雰囲気が好ましい。
<円偏光板の第1実施態様>
本発明の位相差フィルムの第1実施態様は、偏光子と組み合わせて円偏光板として用いることができる。なお、円偏光板とは、無偏光の光を円偏光に変換する光学素子である。
上記構成を有する本発明の円偏光板は、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、および、陰極管表示装置(CRT)のような表示装置の反射防止用途に好適に用いられる。
偏光子は、自然光を特定の直線偏光に変換する機能を有する部材であればよく、例えば、吸収型偏光子が挙げられる。
偏光子の種類は特に制限はなく、通常用いられている偏光子を利用でき、例えば、ヨウ素系偏光子、二色性物質を利用した染料系偏光子、および、ポリエン系偏光子が挙げられる。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子は、一般に、ポリビニルアルコールにヨウ素または二色性染料を吸着させ、延伸することで作製される。
なお、偏光子の片面または両面には、保護膜が配置されていてもよい。
図2に、円偏光板100Aの一実施態様の概略断面図を示す。また、図3は、図2に示す円偏光板100Aにおける、偏光子20の吸収軸と、第2光学異方性層14Aおよび第3光学異方性層16Aのそれぞれの面内遅相軸との関係を示す図である。なお、図3中の偏光子20中の矢印は吸収軸を、第2光学異方性層14Aおよび第3光学異方性層16A中の矢印はそれぞれの層中の面内遅相軸を表す。
また、図4は、図2の白矢印から観察した際の、偏光子20の吸収軸(破線)と、第2光学異方性層14Aおよび第3光学異方性層16Aのそれぞれの面内遅相軸(実線)との角度の関係を示す図である。
なお、面内遅相軸の回転角度は、図2中の白抜きの矢印から観察した際、偏光子20の吸収軸を基準(0°)に、反時計回り方向に正、時計回りに負の角度値をもって表す。また、液晶化合物の捩れ方向は、図2中の白抜きの矢印から観察した際、第3光学異方性層16A中の手前側(偏光子20側とは反対側)の表面での面内遅相軸を基準に右捩れ(時計回り)か、左捩れ(反時計回り)を判断する。
円偏光板100Aは、図2に示すように、偏光子20と、第1光学異方性層12Aと、第2光学異方性層14Aと、第3光学異方性層16Aと、第4光学異方性層18Aとをこの順で含む。
図3~4に示すように、偏光子20の吸収軸と第2光学異方性層14Aの面内遅相軸とのなす角度φa1は、75°である。より具体的には、第2光学異方性層14Aの面内遅相軸は、偏光子20の吸収軸に対して、-75°(時計回りに75°)回転している。なお、図3~4においては、第2光学異方性層14Aの面内遅相軸が-75°の位置にある態様を示すが、本発明はこの態様に制限されず、-75±13°の範囲内になることが好ましい。つまり、偏光子20の吸収軸と第2光学異方性層14Aの面内遅相軸とのなす角度は75±13°の範囲内であることが好ましい。
なお、図3に示すように、第2光学異方性層14A中において、第2光学異方性層14Aの偏光子20側の表面141Aでの面内遅相軸と、第2光学異方性層14Aの第3光学異方性層16A側の表面142Aでの面内遅相軸とは、平行である。
図3~4に示すように、第2光学異方性層14Aの面内遅相軸と、第3光学異方性層16Aの第2光学異方性層14A側の表面161Aでの面内遅相軸とは、平行である。
なお、図3~4においては、第2光学異方性層14Aの面内遅相軸と、第3光学異方性層16Aの第2光学異方性層14A側の表面161Aでの面内遅相軸とが、平行である態様を示すが、本発明はこの態様に制限されず、第2光学異方性層14Aの面内遅相軸と、第3光学異方性層16Aの第2光学異方性層14A側の表面161Aでの面内遅相軸とのなす角度は0~30°の範囲内であればよい。従って、例えば、図2の白矢印から観察した際に、第2光学異方性層14Aの面内遅相軸を基準にして、第3光学異方性層16Aの第2光学異方性層14A側の表面161Aでの面内遅相軸が、30°時計回りの位置に配置されていてもよいし、30°反時計回りの位置に配置されていてもよい。
第3光学異方性層16Aは、上述したように、厚み方向にのびる螺旋軸に沿って捩れ配向した棒状液晶化合物が固定されてなる層である。そのため、図3~4に示すように、第3光学異方性層16Aの第2光学異方性層14A側の表面161Aでの面内遅相軸と、第3光学異方性層16Aの第2光学異方性層14A側とは反対側の表面162Aでの面内遅相軸とは、上述した捩れ角度(なお、図3においては、80°)をなす。つまり、第3光学異方性層16Aの第2光学異方性層14A側の表面161Aでの面内遅相軸と、第3光学異方性層16Aの第2光学異方性層14A側とは反対側の表面162Aでの面内遅相軸とのなす角度φa2は、80°である。より具体的には、第3光学異方性層16A中における棒状液晶化合物の捩れ方向は、右捩れ(時計回り)であり、その捩れ角度が80°である。従って、偏光子20の吸収軸と、第3光学異方性層16Aの第2光学異方性層14A側とは反対側の表面162Aでの面内遅相軸とのなす角度は、5°である。
なお、図3~4においては、第3光学異方性層16A中の棒状液晶化合物の捩れ角度が80°の態様を示すが、この態様に限定されず、棒状液晶化合物の捩れ角度は80±30°の範囲内であることが好ましい。つまり、第3光学異方性層16Aの第2光学異方性層14A側の表面161Aでの面内遅相軸と、第3光学異方性層16Aの第2光学異方性層14A側とは反対側の表面162Aでの面内遅相軸とのなす角度は、80±30°の範囲内であることが好ましい。
上述したように、図3~4の態様では、位相差フィルム10A側から円偏光板100Aを観察した際に、偏光子20の吸収軸を基準にして、第2光学異方性層14Aの面内遅相軸が時計回りに75°回転しており、第3光学異方性層16A中における棒状液晶化合物の捩れ方向は時計回り(右捩れ)である。
図3~4においては、棒状液晶化合物の捩れ方向が時計回りの態様について詳述したが、所定の角度の関係を満たせば、反時計回りの態様であってもよい。より具体的には、位相差フィルム10A側から円偏光板100Aを観察した際に、偏光子20の吸収軸を基準にして、第2光学異方性層14Aの面内遅相軸が反時計回りに75°回転しており、第3光学異方性層16A中における棒状液晶化合物の捩れ方向は反時計回り(左捩れ)である態様であってもよい。
つまり、位相差フィルムの第1実施態様を含む円偏光板においては、位相差フィルム側から円偏光板を観察した際に、偏光子の吸収軸を基準として、第2光学異方性層の面内遅相軸が時計回りに75±13°(好ましくは、75±10°)の範囲内で回転している場合、第3光学異方性層の第4光学異方性層側の表面での面内遅相軸を基準に、第3光学異方性層中における棒状液晶化合物の捩れ方向が時計回りであることが好ましい。
また、位相差フィルムの第1実施態様を含む円偏光板においては、位相差フィルム側から円偏光板を観察した際に、偏光子の吸収軸を基準として、第2光学異方性層の面内遅相軸が反時計回りに75±13°(好ましくは、75±10°)の範囲内で回転している場合、第3光学異方性層の第4光学異方性層側の表面での面内遅相軸を基準に、第3光学異方性層中における棒状液晶化合物の捩れ方向が反時計回りであることが好ましい。
上記円偏光板は、位相差フィルムおよび偏光子以外の他の部材を有していてもよい。
円偏光板は、位相差フィルムと偏光子との間に、密着層を有していてもよい。
密着層としては、上述した公知の粘着剤層および接着剤層が挙げられる。
上記円偏光板の製造方法は特に制限されず、公知の方法が挙げられる。
例えば、偏光子と、位相差フィルムとを密着層を介して貼合する方法が挙げられる。
<位相差フィルムの第2実施態様>
以下、本発明の位相差フィルムの第2実施態様について、図面を参照して説明する。図5に、本発明の位相差フィルムの第2実施態様の概略断面図を示す。
位相差フィルム10Bは、第1光学異方性層12B、第2光学異方性層14B、第3光学異方性層16B、および、第4光学異方性層18Bをこの順に有する。
第1光学異方性層12BはポジティブCプレートであり、第2光学異方性層14BはポジティブAプレートであり、第3光学異方性層16Bは厚み方向にのびる螺旋軸に沿って捩れ配向した円盤状液晶化合物LCを固定してなる層であり、第4光学異方性層18BはネガティブCプレートである。
以下、各層について詳述する。
(第1光学異方性層12B)
第1光学異方性層12Bは、ポジティブCプレートである。
第1光学異方性層12Bの波長550nmにおける厚み方向のレタデーションは特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、-100~-5nmが好ましく、-90~-10nmがより好ましい。
第1光学異方性層12BはポジティブCプレートであればその構成は特に制限されず、垂直配向した棒状液晶化合物を固定してなる層、および、樹脂フィルムが挙げられ、本発明の効果がより優れる点で、垂直配向した棒状液晶化合物を固定してなる層が好ましい。
棒状液晶化合物が垂直配向している状態とは、棒状液晶化合物の長軸と第1光学異方性層12Bの厚み方向とが平行であることをいう。なお、厳密に平行であることを要求するものではなく、棒状液晶化合物の長軸と第1光学異方性層12Bの厚み方向とのなす角度が0±20°の範囲であることが好ましく、0±10°の範囲内が好ましい。
棒状液晶化合物としては、公知の化合物を用いることができる。
棒状液晶化合物の具体例としては、位相差フィルムの第1実施態様で述べた通りである。
棒状液晶化合物は、重合性基を有していてもよい。
棒状液晶化合物が有してもよい重合性基の種類は、上述した通りである。
第1光学異方性層12Bは、垂直配向した、重合性基を有する棒状液晶化合物が重合によって固定されて形成された層であることが好ましい。
第1光学異方性層12Bの厚みは特に制限されず、10μm以下が好ましく、0.1~5.0μmがより好ましく、0.3~2.0μmがさらに好ましい。
なお、第1光学異方性層12Bの厚みとは、第1光学異方性層12Bの平均厚みを意図する。上記平均厚みは、第1光学異方性層12Bの任意の5点以上の厚みを測定して、それらを算術平均して求める。
(第2光学異方性層)
第2光学異方性層14Bは、ポジティブAプレートである。
第2光学異方性層14Bの波長550nmにおける面内レタデーションは特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、120~240nmが好ましく、130~230nmがより好ましい。
第2光学異方性層14Bの波長550nmにおける厚み方向のレタデーションは特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、60~120nmが好ましく、65~115nmがより好ましい。
第2光学異方性層14Bは、順波長分散性(面内レタデーションが、測定波長が大きくなるにつれて小さくなる特性。)を示しても、逆波長分散性(面内レタデーションが、測定波長が大きくなるにつれて大きくなる特性。)を示してもよい。なお、上記順波長分散性および逆波長分散性は、可視光域において示されることが好ましい。
第2光学異方性層14Bは、ポジティブAプレートであればその構成は特に制限されず、ホモジニアス配向した棒状液晶化合物を固定してなる層、および、延伸フィルムが挙げられ、本発明の効果がより優れる点で、ホモジニアス配向した棒状液晶化合物を固定してなる層が好ましい。
本明細書において、ホモジニアス配向とは、液晶化合物の分子軸(例えば、棒状液晶化合物の場合には長軸が該当)が層表面に対して水平に、かつ、同一方位に配列している状態(光学的一軸性)をいう。
ここで、水平とは、厳密に水平であることを要求するものでなく、液晶化合物の平均分子軸が層の主面とのなす傾斜角が20°未満の配向を意味するものとする。
また、同一方位とは、厳密に同一方位であることを要求するものでなく、面内の任意の20か所の位置で遅相軸の方位を測定したとき、20か所での遅相軸の方位のうちの遅相軸方位の最大差(20個の遅相軸方位のうち、差が最大となる2つの遅相軸方位の差)が10°未満であることを意味するものとする。
棒状液晶化合物の具体例としては、位相差フィルムの第1実施態様で述べた通りである。
棒状液晶化合物は、重合性基を有していてもよい。
棒状液晶化合物が有してもよい重合性基の種類は、上述した通りである。
第2光学異方性層14Bは、重合性基を有する棒状液晶化合物が重合によって固定されて形成された層であることが好ましい。
第2光学異方性層14Bの厚みは特に制限されず、10μm以下が好ましく、0.1~5.0μmがより好ましく、0.3~2.0μmがさらに好ましい。
なお、第2光学異方性層14Bの厚みとは、第2光学異方性層14Bの平均厚みを意図する。上記平均厚みは、第2光学異方性層14Bの任意の5点以上の厚みを測定して、それらを算術平均して求める。
(第3光学異方性層16B)
第3光学異方性層16Bは、厚み方向にのびる螺旋軸に沿って捩れ配向した円盤状液晶化合物LCを固定してなる層である。
上記第3光学異方性層16Bを形成する際には、円盤状液晶化合物とキラル剤とを少なくとも用いることが好ましい。
円盤状液晶化合物の捩れ角度(円盤状液晶化合物の配向方向の捩れ角度)は特に制限されず、0°超360°以下の場合が多く、本発明の効果がより優れる点で、80±30°の範囲内(50~110°の範囲内)が好ましく、80±20°の範囲内(60~100°の範囲内)がより好ましい。
なお、捩れ角度の測定方法は、Axometrics社のAxoScan(ポラリメーター)装置を用い同社の装置解析ソフトウェアを用いて測定する。
また、円盤状液晶化合物が捩れ配向するとは、第3光学異方性層16Bの厚み方向を軸として、第3光学異方性層16Bの一方の主表面から他方の主表面までの円盤状液晶化合物が捩れることを意図する。それに伴い、円盤状液晶化合物の配向方向(面内遅相軸方向)が、第3光学異方性層16Bの厚み方向の位置によって異なる。
捩れ配向において、円盤状液晶化合物は垂直配向している。なお、円盤状液晶化合物が垂直配向している状態とは、円盤状液晶化合物の円盤面と第3光学異方性層16Bの厚み方向とが平行であることをいう。なお、厳密に平行であることを要求するものではなく、円盤面と第3光学異方性層16Bの厚み方向とのなす角度が0±20°の範囲であることが好ましく、0±10°の範囲内が好ましい。
第2光学異方性層14Bの面内遅相軸と、第3光学異方性層16Bの第2光学異方性層14B側の表面での面内遅相軸とのなす角が0~30°の範囲内であり、0~20°の範囲内が好ましい。
波長550nmにおける第3光学異方性層16Bの屈折率異方性Δnと第3光学異方性層16Bの厚みdとの積Δndの値は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、120~240nmが好ましく、130~230nmがより好ましい。
上記Δndの測定方法は、Axometrics社のAxoScan(ポラリメーター)装置を用い同社の装置解析ソフトウェアを用いて測定する。
第3光学異方性層16Bに形成に用いられる円盤状液晶化合物の種類は特に制限されず、公知の化合物が挙げられる。
円盤状液晶化合物は、重合性基を有していてもよい。
円盤状液晶化合物が有してもよい重合性基の種類は、上述した通りである。
第3光学異方性層16Bは、重合性基を有する円盤状液晶化合物が重合によって固定されて形成された層であることが好ましい。より具体的には、捩れ配向した重合性基を有する円盤状液晶化合物が重合によって固定されて形成された層であることがより好ましい。
第3光学異方性層16Bの厚みは特に制限されず、10μm以下が好ましく、0.1~5.0μmがより好ましく、0.3~2.0μmがさらに好ましい。
なお、第3光学異方性層16Bの厚みとは、第3光学異方性層16Bの平均厚みを意図する。上記平均厚みは、第3光学異方性層16Bの任意の5点以上の厚みを測定して、それらを算術平均して求める。
(第4光学異方性層18B)
第4光学異方性層18Bは、ネガティブCプレートである。
第4光学異方性層18Bの波長550nmにおける厚み方向のレタデーションは特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、5~100nmが好ましく、10~80nmがより好ましい。
第4光学異方性層18BはネガティブCプレートであればその構成は特に制限されず、水平配向した円盤状液晶化合物を固定してなる層、および、樹脂フィルムが挙げられ、本発明の効果がより優れる点で、水平配向した円盤状液晶化合物を固定してなる層が好ましい。
円盤状液晶化合物としては、公知の化合物を用いることができる。
円盤状液晶化合物としては、例えば、第2光学異方性層14Aで例示した円盤状液晶化合物が挙げられる。
円盤状液晶化合物は、重合性基を有していてもよい。
円盤状液晶化合物が有してもよい重合性基の種類は、上述した通りである。
樹脂フィルムを構成する樹脂の種類は特に制限されず、TAC(トリアセチルセルロース)が挙げられる。
第4光学異方性層18Bは、水平配向した、重合性基を有する円盤状液晶化合物が重合によって固定されて形成された層であることが好ましい。
第4光学異方性層18Bの厚みは特に制限されず、第4光学異方性層18Bが水平配向した円盤状液晶化合物を固定してなる層である場合、10μm以下が好ましく、0.1~5.0μmがより好ましく、0.3~2.0μmがさらに好ましい。
第4光学異方性層18Bが樹脂フィルムである場合、第4光学異方性層18Bの厚みは、10~100μmが好ましく、15~90μmがより好ましい。
なお、第4光学異方性層18Bの厚みとは、第4光学異方性層18Bの平均厚みを意図する。上記平均厚みは、第4光学異方性層18Bの任意の5点以上の厚みを測定して、それらを算術平均して求める。
(他の部材)
位相差フィルム10Bは、上述した第1光学異方性層12B~第4光学異方性層18B以外の他の部材を含んでいてもよい。
他の部材としては、上述した位相差フィルムの第1実施態様で述べた他の部材が挙げられる。
第1光学異方性層12B~第4光学異方性層18Bの製造方法は特に制限されず、上述した第1光学異方性層12A~第4光学異方性層18Aの製造方法が挙げられる。
<円偏光板の第2実施態様>
本発明の位相差フィルムの第2実施態様は、偏光子と組み合わせて円偏光板として用いることができる。
上記構成を有する本発明の円偏光板は、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、および、陰極管表示装置(CRT)のような表示装置の反射防止用途に好適に用いられる。
偏光子は、第1実施態様で述べた通りである。
図6に、円偏光板100Bの一実施態様の概略断面図を示す。また、図7は、図6に示す円偏光板100Bにおける、偏光子20の吸収軸と、第2光学異方性層14Bおよび第3光学異方性層16Bのそれぞれの面内遅相軸との関係を示す図である。なお、図7中の偏光子20中の矢印は吸収軸を、第2光学異方性層14Bおよび第3光学異方性層16B中の矢印はそれぞれの層中の面内遅相軸を表す。
また、図8は、図6の白矢印から観察した際の、偏光子20の吸収軸(破線)と、第2光学異方性層14Bおよび第3光学異方性層16Bのそれぞれの面内遅相軸(実線)との角度の関係を示す図である。
なお、面内遅相軸の回転角度は、図6中の白抜きの矢印から観察した際、偏光子20の吸収軸を基準(0°)に、反時計回り方向に正、時計回りに負の角度値をもって表す。また、捩れ方向は、図6中の白抜きの矢印から観察した際、第3光学異方性層16B中の手前側(偏光子20と反対側)の表面での面内遅相軸を基準に右捩れ(時計回り)か、左捩れ(反時計回り)を判断する。
円偏光板100Bは、図6に示すように、偏光子20と、第1光学異方性層12Bと、第2光学異方性層14Bと、第3光学異方性層16Bと、第4光学異方性層18Bとをこの順で含む。
図7~8に示すように、偏光子20の吸収軸と第2光学異方性層14Bの面内遅相軸とのなす角度φb1は、15°である。より具体的には、第2光学異方性層14Bの面内遅相軸は、偏光子20の吸収軸に対して、15°(反時計回りに15°)回転している。なお、図7~8においては、第2光学異方性層14Bの面内遅相軸が15°の位置にある態様を示すが、本発明はこの態様に制限されず、15±13°の範囲内になることが好ましい。つまり、偏光子20の吸収軸と第2光学異方性層14Bの面内遅相軸とのなす角度は15±13°の範囲内であることが好ましい。
なお、図7に示すように、第2光学異方性層14B中において、第2光学異方性層14Bの偏光子20側の表面141Bでの面内遅相軸と、第2光学異方性層14Bの第3光学異方性層16B側の表面142Bでの面内遅相軸とは、平行である。
図7~8に示すように、第2光学異方性層14Bの面内遅相軸と、第3光学異方性層16Bの第2光学異方性層14B側の表面161Bでの面内遅相軸とは、平行である。
なお、図7~8においては、第2光学異方性層14Bの面内遅相軸と、第3光学異方性層16Bの第2光学異方性層14B側の表面161Bでの面内遅相軸とが、平行である態様を示すが、本発明はこの態様に制限されず、第2光学異方性層14Bの面内遅相軸と、第3光学異方性層16Bの第2光学異方性層14B側の表面161Bでの面内遅相軸とのなす角度は0~30°の範囲内であればよい。従って、例えば、図6の白矢印から観察した際に、第2光学異方性層14Bの面内遅相軸を基準にして、第3光学異方性層16Bの第2光学異方性層14B側の表面161Bでの面内遅相軸が、30°時計回りの位置に配置されていてもよいし、30°反時計回りの位置に配置されていてもよい。
第3光学異方性層16Bは、上述したように、厚み方向にのびる螺旋軸に沿って捩れ配向した円盤状液晶化合物が固定されてなる層である。そのため、図7~8に示すように、第3光学異方性層16Bの偏光子20側の表面161Bでの面内遅相軸と、第3光学異方性層16Bの偏光子20側とは反対側の表面162Bでの面内遅相軸とは、上述した捩れ角度(なお、図7においては、80°)をなす。つまり、第3光学異方性層16Bの第2光学異方性層14B側の表面161Bでの面内遅相軸と、第3光学異方性層16Bの第2光学異方性層14B側とは反対側の表面162Bでの面内遅相軸とのなす角度φb2は、80°である。より具体的には、第3光学異方性層16B中における円盤状液晶化合物の捩れ方向は、右捩れ(時計回り)であり、その捩れ角度が80°である。従って、偏光子20の吸収軸と、第3光学異方性層16Bの第2光学異方性層14B側とは反対側の表面162Bでの面内遅相軸とのなす角度は、95°である。
なお、図7~8においては、第3光学異方性層16B中の円盤状液晶化合物の捩れ角度が80°の態様を示すが、この態様に限定されず、円盤状液晶化合物の捩れ角度は80±30°の範囲内であることが好ましい。つまり、第3光学異方性層16Bの第2光学異方性層14B側の表面161Bでの面内遅相軸と、第3光学異方性層16Bの第2光学異方性層14B側とは反対側の表面162Bでの面内遅相軸とのなす角度は、80±30°の範囲内であることが好ましい。
上述したように、図7~8の態様では、位相差フィルム10B側から円偏光板100Bを観察した際に、偏光子20の吸収軸を基準にして、第2光学異方性層14Bの面内遅相軸が反時計回りに15°回転しており、第3光学異方性層16B中における円盤状液晶化合物の捩れ方向は時計回り(右捩れ)である。
図7~8においては、円盤状液晶化合物の捩れ方向が時計回りの態様について詳述したが、所定の角度の関係を満たせば、反時計回りの態様であってもよい。より具体的には、位相差フィルム10B側から円偏光板100Bを観察した際に、偏光子20の吸収軸を基準にして、第2光学異方性層14Bの面内遅相軸が時計回りに15°回転しており、第3光学異方性層16B中における円盤状液晶化合物の捩れ方向は反時計回り(左捩れ)である態様であってもよい。
つまり、位相差フィルムの第2実施態様を含む円偏光板においては、位相差フィルム側から円偏光板を観察した際に、偏光子の吸収軸を基準として、第2光学異方性層の面内遅相軸が反時計回りに15±13°(好ましくは、15±10°)の範囲内で回転している場合、第3光学異方性層の第4光学異方性層側の表面での面内遅相軸を基準に、第3光学異方性層中における液晶化合物の捩れ方向が時計回りであることが好ましい。
また、位相差フィルムの第2実施態様を含む円偏光板においては、位相差フィルム側から円偏光板を観察した際に、偏光子の吸収軸を基準として、第2光学異方性層の面内遅相軸が時計回りに15±13°(好ましくは、15±10°)の範囲内で回転している場合、第3光学異方性層の第4光学異方性層側の表面での面内遅相軸を基準に、第3光学異方性層中における液晶化合物の捩れ方向が反時計回りであることが好ましい。
上記円偏光板は、位相差フィルムおよび偏光子以外の他の部材を有していてもよい。
円偏光板は、位相差フィルムと偏光子との間に、密着層を有していてもよい。
密着層としては、上述した公知の粘着剤層および接着剤層が挙げられる。
上記円偏光板の製造方法は特に制限されず、公知の方法が挙げられる。
例えば、偏光子と、位相差フィルムとを密着層を介して貼合する方法が挙げられる。
<位相差フィルムの第3実施態様>
以下、本発明の位相差フィルムの第3実施態様について、図面を参照して説明する。図9に、本発明の位相差フィルムの第3実施態様の概略断面図を示す。
位相差フィルム10Cは、第1光学異方性層12C、第2光学異方性層14C、第3光学異方性層16C、および、第4光学異方性層18Cをこの順に有し、第2光学異方性層14Cと第3光学異方性層16Cとが密着層22を介して積層されている。
図9においては、第1光学異方性層12Cと第2光学異方性層14Cとが直接接しており、第2光学異方性層14Cと第3光学異方性層16Cとは密着層22を介して積層され、第3光学異方性層16Cと第4光学異方性層18Cとが直接接している。
なお、図9においては、第1光学異方性層12Cと第2光学異方性層14Cとが直接接しているが、両者の間に密着層が配置され、密着層を介して第1光学異方性層12Cと第2光学異方性層14Cとが積層されていてもよい。
また、図9においては、第3光学異方性層16Cと第4光学異方性層18Cとが直接接しているが、両者の間に密着層が配置され、密着層を介して第3光学異方性層16Cと第4光学異方性層18Cとが積層されていてもよい。
また、図9においては、第2光学異方性層14Cと第3光学異方性層16Cとは密着層22を介して積層されているが、第2光学異方性層14Cと第3光学異方性層16Cとは直接接していてもよい。
本発明の位相差フィルムの第3実施態様においては、以下の要件1~4の少なくとも1つを満たす。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、要件1~4の全てを満たすことが好ましい。
要件1:第1光学異方性層の平均屈折率と、第1光学異方性層の第2光学異方性層側の表面と接している層の平均屈折率との差が0.10以下である。
要件2:第2光学異方性層の平均屈折率と、第2光学異方性層の第1光学異方性層側の表面と接している層の平均屈折率との差、および、第2光学異方性層の平均屈折率と、第2光学異方性層の第3光学異方性層側の表面と接している層の平均屈折率との差の少なくとも一方が、0.10以下である。
要件3:第3光学異方性層の平均屈折率と、第3光学異方性層の第2光学異方性層側の表面と接している層の平均屈折率との差、および、第3光学異方性層の平均屈折率と、第3光学異方性層の第4光学異方性層側の表面と接している層の平均屈折率との差の少なくとも一方が、0.10以下である。
要件4:第4光学異方性層の平均屈折率と、第4光学異方性層の第3光学異方性層側の表面と接している層の平均屈折率との差が0.10以下である。
以下、図9の位相差フィルムを例にとり、要件1~4について説明する。
要件1は、第1光学異方性層の平均屈折率と、第1光学異方性層の第2光学異方性層側の表面と接している層の平均屈折率との差が0.10以下であることを規定する。図9においては、第1光学異方性層12Cの第2光学異方性層14C側の表面と接している層は第2光学異方性層14C自体であることから、図9においては、第1光学異方性層12Cの平均屈折率と第2光学異方性層14Cの平均屈折率との差が0.10以下であれば、要件1を満たすことになる。
上記差は、2つの平均屈折率のうち大きい値から小さい値を引いた値であり、両者が同じ値である場合、差は0である。
なお、図9においては、第1光学異方性層と第2光学異方性層とが直接接している態様であったが、第1光学異方性層と第2光学異方性層とが密着層を介して積層され、第1光学異方性層と密着層とが接している場合、第1光学異方性層の平均屈折率と密着層の平均屈折率との差が0.10以下であれば、要件1を満たすことになる。
要件2は、第2光学異方性層の平均屈折率と、第2光学異方性層の第1光学異方性層側の表面と接している層の平均屈折率との差、および、第2光学異方性層の平均屈折率と、第2光学異方性層の第3光学異方性層側の表面と接している層の平均屈折率との差の少なくとも一方が、0.10以下であること規定する。図9においては、第2光学異方性層14Cの第1光学異方性層12C側の表面と接している層は、第1光学異方性層12C自体である。また、第2光学異方性層14Cの第3光学異方性層16C側の表面と接している層は、密着層22である。よって、図9においては、第2光学異方性層14Cの平均屈折率と第1光学異方性層12Cの平均屈折率との差、および、第2光学異方性層14Cの平均屈折率と密着層22の平均屈折率との差の少なくとも一方が、0.10以下であれば、要件2を満たすことになる。
上記差は、2つの平均屈折率のうち大きい値から小さい値を引いた値であり、両者が同じ値である場合、差は0である。
なお、図9においては、密着層を介して第2光学異方性層と第3光学異方性層とが積層している態様であったが、第2光学異方性層と第3光学異方性層とが直接接している場合、第2光学異方性層の平均屈折率と第1光学異方性層の平均屈折率との差、および、第2光学異方性層の平均屈折率と第3光学異方性層の平均屈折率との差の少なくとも一方が、0.10以下であれば、要件2を満たすことになる。
また、図9においては、第1光学異方性層と第2光学異方性層とが直接接している態様であったが、第1光学異方性層と第2光学異方性層とが密着層を介して積層され、第2光学異方性層と密着層とが接している場合、第2光学異方性層の平均屈折率と第2光学異方性層の第1光学異方性層側の表面と接している密着層の平均屈折率との差、および、第2光学異方性層の平均屈折率と第2光学異方性層の第3光学異方性層側の表面と接している密着層の平均屈折率との差の少なくとも一方が、0.10以下であれば、要件2を満たすことになる。
さらに、第1光学異方性層と第2光学異方性層とが密着層を介して積層され、第2光学異方性層と密着層とが接しており、第2光学異方性層と第3光学異方性層とが直接接している場合には、第2光学異方性層の平均屈折率と密着層の平均屈折率との差、および、第2光学異方性層の平均屈折率と第3光学異方性層の平均屈折率との差の少なくとも一方が、0.10以下であれば、要件2を満たすことになる。
要件3は、第3光学異方性層の平均屈折率と、第3光学異方性層の第2光学異方性層側の表面と接している層の平均屈折率との差、および、第3光学異方性層の平均屈折率と、第3光学異方性層の第4光学異方性層側の表面と接している層の平均屈折率との差の少なくとも一方が、0.10以下であること規定する。図9においては、第3光学異方性層16Cの第2光学異方性層14C側の表面と接している層は、密着層22である。また、第3光学異方性層16Cの第4光学異方性層18C側の表面と接している層は、第4光学異方性層18C自体である。よって、図9においては、第3光学異方性層16Cの平均屈折率と密着層22の平均屈折率との差、および、第3光学異方性層16Cの平均屈折率と第4光学異方性層18Cの平均屈折率との差の少なくとも一方が、0.10以下であれば、要件3を満たすことになる。
上記差は、2つの平均屈折率のうち大きい値から小さい値を引いた値であり、両者が同じ値である場合、差は0である。
なお、図9においては、密着層を介して第2光学異方性層と第3光学異方性層とが積層している態様であったが、第2光学異方性層と第3光学異方性層とが直接接している場合、第3光学異方性層の平均屈折率と第2光学異方性層の平均屈折率との差、および、第3光学異方性層の平均屈折率と第4光学異方性層の平均屈折率との差の少なくとも一方が、0.10以下であれば、要件3を満たすことになる。
また、図9においては、第3光学異方性層と第4光学異方性層とが直接接している態様であったが、第3光学異方性層と第4光学異方性層とが密着層を介して積層され、第3光学異方性層と密着層とが接している場合、第3光学異方性層の平均屈折率と第3光学異方性層の第2光学異方性層側の表面と接している密着層の平均屈折率との差、および、第3光学異方性層の平均屈折率と第3光学異方性層の第4光学異方性層側の表面と接している密着層の平均屈折率との差の少なくとも一方が、0.10以下であれば、要件3を満たすことになる。
さらに、第3光学異方性層と第4光学異方性層とが密着層を介して積層され、第3光学異方性層と密着層とが接しており、第3光学異方性層と第2光学異方性層とが直接接している場合には、第3光学異方性層の平均屈折率と密着層の平均屈折率との差、および、第3光学異方性層の平均屈折率と第2光学異方性層の平均屈折率との差の少なくとも一方が、0.10以下であれば、要件3を満たすことになる。
要件4は、第3光学異方性層の平均屈折率と、第4光学異方性層の第3光学異方性層側の表面と接している層の平均屈折率との差が0.10以下であることを規定する。図9においては、第4光学異方性層18Cの第3光学異方性層16C側の表面と接している層は第3光学異方性層16C自体であることから、図9においては、第4光学異方性層18Cの平均屈折率と第3光学異方性層16Cの平均屈折率との差が0.10以下であれば、要件4を満たすことになる。
上記差は、2つの平均屈折率のうち大きい値から小さい値を引いた値であり、両者が同じ値である場合、差は0である。
なお、図9においては、第4光学異方性層と第3光学異方性層とが直接接している態様であったが、第4光学異方性層と第3光学異方性層とが密着層を介して積層され、第4光学異方性層と密着層とが接している場合、第4光学異方性層の平均屈折率と密着層の平均屈折率との差が0.10以下であれば、要件4を満たすことになる。
(光学異方性層)
位相差フィルムの第3実施態様において、第1光学異方性層12C~第4光学異方性層18Cは、それぞれ互いに異なる層である。互いに異なる層とは、例えば、光学異方性層の形成に用いられる液晶化合物の種類が異なること、光学異方性層中の液晶化合物の配向形態または配向方向が異なること、および、光学異方性層の光学特性(例えば、面内レタデーションおよび厚み方向のレタデーション)が異なることなどが挙げられる。
第1光学異方性層12C~第4光学異方性層18Cは、いずれも配向した液晶化合物を固定してなる層であることが好ましく、重合性基を有する液晶化合物が重合によって固定されて形成された層がより好ましい。
液晶化合物の種類は特に限定されず、一般的に、液晶化合物はその形状から、棒状液晶化合物と円盤状液晶化合物とに分類できる。
液晶化合物は、重合性基を有することが好ましい。つまり、液晶化合物は、重合性液晶化合物であることが好ましい。重合性液晶化合物が有する重合性基としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、および、ビニル基が挙げられる。
液晶化合物が取り得る配向状態としては、例えば、ホモジニアス配向、ホメオトロピック配向、ハイブリッド配向、捩れ配向、および、傾斜配向が挙げられる。なお、上記捩れ配向は、光学異方性層の厚み方向を回転軸として、光学異方性層の一方の主表面から他方の主表面まで液晶化合物が捩れている配向状態を表す。捩れ配向において、液晶化合物の捩れ角度(液晶化合物の配向方向の捩れ角度)は、通常、0°超360°以下の場合が多い。
第1光学異方性層12C~第4光学異方性層18Cの少なくとも1つは、上述したAプレートであってもよく、ネガティブAプレートであってもよいし、ポジティブAプレートであってもよい。
また、第1光学異方性層12C~第4光学異方性層18Cの少なくとも1つは、上述したCプレートであってもよく、ネガティブCプレートであってもよいし、ポジティブCプレートであってもよい。
また、第1光学異方性層12C~第4光学異方性層18Cの少なくとも1つは、捩れ配向した液晶化合物を固定してなる層(厚み方向にのびる螺旋軸に沿って捩れ配向した液晶化合物を固定してなる層)であってもよい。
捩れ配向した液晶化合物を固定してなる層に用いられる液晶化合物は、棒状液晶化合物であることが好ましい。
第1光学異方性層12C~第4光学異方性層18Cの厚みは特に制限されず、10μm以下が好ましく、0.1~5.0μmがより好ましく、0.3~3.0μmがさらに好ましい。
なお、第1光学異方性層12C~第4光学異方性層18Cの各層の厚みとは、各層の平均厚みを意図する。上記平均厚みは、各層の任意の5点以上の厚みを測定して、それらを算術平均して求める。
第1光学異方性層12C~第4光学異方性層18Cの好適態様の一つとしては、第1光学異方性層12CがネガティブCプレートであり、第2光学異方性層14CがネガティブAプレートであり、第3光学異方性層16Cが厚み方向にのびる螺旋軸に沿って捩れ配向した棒状液晶化合物を固定してなる層であり、第4光学異方性層18CがポジティブCプレートであり、第2光学異方性層14Cの面内遅相軸と、第3光学異方性層16Cの第2光学異方性層14C側の表面での面内遅相軸とのなす角が0~30°の範囲内である態様が挙げられる。この態様(以下、単に「好適態様1」ともいう。)は、上述した位相差フィルムの第1実施態様で説明した態様に該当し、各層の好適態様は第1実施態様で説明した各層の好適態様と同様である。
また、第1光学異方性層12C~第4光学異方性層18Cの他の好適態様の一つとしては、第1光学異方性層12CがポジティブCプレートであり、第2光学異方性層14CがポジティブAプレートであり、第3光学異方性層16Cが厚み方向にのびる螺旋軸に沿って捩れ配向した円盤状液晶化合物を固定してなる層であり、第4光学異方性層18CがネガティブCプレートであり、第2光学異方性層14Cの面内遅相軸と、第3光学異方性層16Cの第2光学異方性層14C側の表面での面内遅相軸とのなす角が0~30°の範囲内である態様が挙げられる。この態様(以下、単に「好適態様2」ともいう。)は、上述した位相差フィルムの第2実施態様で説明した態様に該当し、各層の好適態様は第2実施態様で説明した各層の好適態様と同様である。
(密着層)
密着層としては、上述した位相差フィルムの第1実施態様で説明した密着層(粘着剤層および接着剤層)が挙げられる。
より具体的には、接着剤層とは、接着剤を用いて形成される層である。接着剤としては、例えば、水性接着剤、溶剤型接着剤、エマルション系接着剤、無溶剤型接着剤、活性エネルギー線硬化型接着剤、および、熱硬化型接着剤が挙げられる。活性エネルギー線硬化型接着剤としては、電子線硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤、および、可視光線硬化型接着剤が挙げられ、紫外線硬化型接着剤が好ましい。つまり、密着層は、紫外線硬化型接着剤を用いて形成された層であることが好ましい。
活性エネルギー線硬化型接着剤の具体例としては、(メタ)アクリレート系接着剤が挙げられる。(メタ)アクリレート系接着剤における硬化性成分としては、例えば、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、および、ビニル基を有する化合物が挙げられる。
接着剤層の厚みは特に制限されず、0.1~5μmが好ましく、0.5~2μmがより好ましい。
粘着剤層とは、粘着剤を用いて形成された層である。粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、および、セルロース系粘着剤が挙げられ、アクリル系粘着剤(感圧粘着剤)が好ましい。
アクリル系粘着剤としては、エステル部分のアルキル基がメチル基、エチル基またはブチル基などの炭素数が20以下のアルキル基である(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリル酸やヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーとの共重合体が好ましい。
粘着剤層の厚みは特に制限されず、1~30μmが好ましく、5~20μmがより好ましい。
第1光学異方性層12C~第4光学異方性層18Cの製造方法は特に制限されず、上述した第1光学異方性層12A~第4光学異方性層18Aの製造方法が挙げられる。
より具体的には、2つの光学異方性層が直接接している状態を形成するためには、例えば、基板上に重合性基を有する液晶化合物を含む光学異方性層形成用組成物(好ましくは、光学異方性層表面に配向制御能を付与する素材(例えば、光配向ポリマー)を光学異方性層形成用組成物中に含む)を塗布して光学異方性層を形成した後、形成した光学異方性層上にさらに重合性基を有する液晶化合物を含む光学異方性層形成用組成物を塗布して別途光学異方性層を形成して、2つの光学異方性層が直接接している状態を形成できる。
また、2つの光学異方性層が密着層を介して配置されている状態を形成するためには、例えば、別途用意した2つの光学異方性層を密着層を介して貼合することにより、上記状態を形成できる。
上記のように、重合性基を有する液晶化合物を含む光学異方性層形成用組成物を用いて塗布する方法、および、貼合方法を組み合わせて用いることにより、本発明の位相差フィルムを形成できる。
上述した位相差フィルムの第3実施態様は、上述した位相差フィルムの第1実施態様および第2実施態様と同様に、偏光子と組み合わせて円偏光板として用いることができる。
位相差フィルムの第3実施態様が上述した好適態様1である場合には、上述した円偏光板の第1実施態様と同様の層配置となるように、位相差フィルムの第3実施態様と偏光子とを組み合わせることが好ましい。
また、位相差フィルムの第3実施態様が上述した好適態様2である場合には、上述した円偏光板の第2実施態様と同様の層配置となるように、位相差フィルムの第3実施態様と偏光子とを組み合わせることが好ましい。
位相差フィルムの第3実施態様と偏光子とを組み合わせる際には、上述した密着層を介して両者を積層させてもよい。
密着層を介して位相差フィルムの第3実施態様と偏光子とを積層させる際には、密着層と隣接している位相差フィルム中の光学異方性層の平均屈折率と、密着層の平均屈折率との差は、0.10以下であることが好ましい。
<位相差フィルムの第4実施態様>
以下、本発明の位相差フィルムの第4実施態様について、図面を参照して説明する。図10に、本発明の位相差フィルムの第4実施態様の概略断面図を示す。
位相差フィルム10Dは、第1光学異方性層12D、第2光学異方性層14D、第3光学異方性層16D、および、第4光学異方性層18Dをこの順に有し、第2光学異方性層14Dと第3光学異方性層16Dとが密着層22を介して積層されている。密着層22は、第2光学異方性層14Dおよび第3光学異方性層16Dに接している。
図10においては、第2光学異方性層14Dと第3光学異方性層16Dとが密着層22を介して積層されているが、この態様には限定されず、第1光学異方性層と第2光学異方性層、第2光学異方性層と第3光学異方性層、および、第3光学異方性層と第4光学異方性層、の少なくとも1つが密着層を介して積層されていればよい。
本発明の位相差フィルムの第4実施態様においては、以下の要件5を満たす。
要件5:密着層の平均屈折率と、密着層と隣接する光学異方性層の平均屈折率との差が0.10以下である。
以下、図10の位相差フィルムを例にとり、上記の点について説明する。
図10においては、第2光学異方性層14Dと第3光学異方性層16Dとが密着層22を介して積層されている。この態様の場合、密着層と第2光学異方性層14Dおよび第3光学異方性層16Dとが隣接している。よって、密着層の平均屈折率と第2光学異方性層14Dの平均屈折率との差が0.10以下であり、密着層の平均屈折率と第3光学異方性層16Dの平均屈折率との差が0.10以下である。
なお、第1光学異方性層12Dと第2光学異方性層14Dとが密着層22を介して積層され、2つの光学異方性層(第1光学異方性層12D、第2光学異方性層14D)と密着層22とが接している場合には、密着層の平均屈折率と第1光学異方性層12Dの平均屈折率との差が0.10以下であり、密着層の平均屈折率と第2光学異方性層14Dの平均屈折率との差が0.10以下であれば、上記要件5を満たす。
また、第3光学異方性層16Dと第4光学異方性層18Dとが密着層22を介して積層され、2つの光学異方性層(第3光学異方性層16D、第4光学異方性層18D)と密着層22とが接している場合には、密着層の平均屈折率と第3光学異方性層16Dの平均屈折率との差が0.10以下であり、密着層の平均屈折率と第4光学異方性層18Dの平均屈折率との差が0.10以下であれば、上記要件5を満たす。
なかでも、位相差フィルムの第4実施態様の好適態様の一つとしては、第2光学異方性層と第3光学異方性層とが密着層を介して積層され、密着層の平均屈折率と、第2光学異方性層の平均屈折率との差が0.08以下であり、密着層の平均屈折率と、第3光学異方性層の平均屈折率との差が0.08以下である態様が挙げられる。
また、位相差フィルムの第4実施態様の他の好適態様の一つとしては、位相差フィルムの第3実施態様で述べた要件1~4の全てを満たす態様が挙げられる。
(光学異方性層)
位相差フィルムの第4実施態様において、第1光学異方性層12D~第4光学異方性層18Dは、それぞれ互いに異なる層である。互いに異なる層とは、例えば、光学異方性層の形成に用いられる液晶化合物の種類が異なること、光学異方性層中の液晶化合物の配向形態または配向方向が異なること、および、光学異方性層の光学特性(例えば、面内レタデーションおよび厚み方向のレタデーション)が異なることなどが挙げられる。
第1光学異方性層12D~第4光学異方性層18Dは、いずれも配向した液晶化合物を固定してなる層であることが好ましく、重合性基を有する液晶化合物が重合によって固定されて形成された層がより好ましい。
液晶化合物の種類は特に限定されず、一般的に、液晶化合物はその形状から、棒状液晶化合物と円盤状液晶化合物とに分類できる。
液晶化合物は、重合性基を有することが好ましい。つまり、液晶化合物は、重合性液晶化合物であることが好ましい。重合性液晶化合物が有する重合性基としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、および、ビニル基が挙げられる。
液晶化合物が取り得る配向状態としては、例えば、ホモジニアス配向、ホメオトロピック配向、ハイブリッド配向、捩れ配向、および、傾斜配向が挙げられる。なお、上記捩れ配向は、光学異方性層の厚み方向を回転軸として、光学異方性層の一方の主表面から他方の主表面まで液晶化合物が捩れている配向状態を表す。捩れ配向において、液晶化合物の捩れ角度(液晶化合物の配向方向の捩れ角度)は、通常、0°超360°以下の場合が多い。
第1光学異方性層12D~第4光学異方性層18Dの少なくとも1つは、上述したAプレートであってもよく、ネガティブAプレートであってもよいし、ポジティブAプレートであってもよい。
また、第1光学異方性層12D~第4光学異方性層18Dの少なくとも1つは、上述したCプレートであってもよく、ネガティブCプレートであってもよいし、ポジティブCプレートであってもよい。
また、第1光学異方性層12D~第4光学異方性層18Dの少なくとも1つは、捩れ配向した液晶化合物を固定してなる層(厚み方向にのびる螺旋軸に沿って捩れ配向した液晶化合物を固定してなる層)であってもよい。
捩れ配向した液晶化合物を固定してなる層に用いられる液晶化合物は、棒状液晶化合物であることが好ましい。
第1光学異方性層12D~第4光学異方性層18Dの厚みは特に制限されず、10μm以下が好ましく、0.1~5.0μmがより好ましく、0.3~3.0μmがさらに好ましい。
なお、第1光学異方性層12D~第4光学異方性層18Dの各層の厚みとは、各層の平均厚みを意図する。上記平均厚みは、各層の任意の5点以上の厚みを測定して、それらを算術平均して求める。
第1光学異方性層12D~第4光学異方性層18Dの好適態様の一つとしては、第1光学異方性層12DがネガティブCプレートであり、第2光学異方性層14DがネガティブAプレートであり、第3光学異方性層16Dが厚み方向にのびる螺旋軸に沿って捩れ配向した棒状液晶化合物を固定してなる層であり、第4光学異方性層18DがポジティブCプレートであり、第2光学異方性層14Dの面内遅相軸と、第3光学異方性層16Dの第2光学異方性層14D側の表面での面内遅相軸とのなす角が0~30°の範囲内である態様が挙げられる。この態様(以下、単に「好適態様3」ともいう。)は、上述した位相差フィルムの第1実施態様で説明した態様に該当し、各層の好適態様は第1実施態様で説明した各層の好適態様と同様である。
また、第1光学異方性層12D~第4光学異方性層18Dの他の好適態様の一つとしては、第1光学異方性層12DがポジティブCプレートであり、第2光学異方性層14DがポジティブAプレートであり、第3光学異方性層16Dが厚み方向にのびる螺旋軸に沿って捩れ配向した円盤状液晶化合物を固定してなる層であり、第4光学異方性層18DがネガティブCプレートであり、第2光学異方性層14Dの面内遅相軸と、第3光学異方性層16Dの第2光学異方性層14D側の表面での面内遅相軸とのなす角が0~30°の範囲内である態様が挙げられる。この態様(以下、単に「好適態様4」ともいう。)は、上述した位相差フィルムの第2実施態様で説明した態様に該当し、各層の好適態様は第2実施態様で説明した各層の好適態様と同様である。
(密着層)
密着層としては、上述した位相差フィルムの第3実施態様で説明した密着層(粘着剤層および接着剤層)が挙げられる。
第1光学異方性層12D~第4光学異方性層18Dの製造方法は特に制限されず、上述した第1光学異方性層12C~第4光学異方性層18Cの製造方法が挙げられる。
上述した位相差フィルムの第4実施態様は、上述した位相差フィルムの第1実施態様および第2実施態様と同様に、偏光子と組み合わせて円偏光板として用いることができる。
位相差フィルムの第4実施態様が上述した好適態様3である場合には、上述した円偏光板の第1実施態様と同様の層配置となるように、位相差フィルムの第4実施態様と偏光子とを組み合わせることが好ましい。
また、位相差フィルムの第4実施態様が上述した好適態様4である場合には、上述した円偏光板の第2実施態様と同様の層配置となるように、位相差フィルムの第4実施態様と偏光子とを組み合わせることが好ましい。
位相差フィルムの第4実施態様と偏光子とを組み合わせる際には、上述した密着層を介して両者を積層させてもよい。
密着層を介して位相差フィルムの第4実施態様と偏光子とを積層させる際には、密着層と隣接している位相差フィルム中の光学異方性層の平均屈折率と、密着層の平均屈折率との差は、0.10以下であることが好ましい。
<用途>
上述した位相差フィルムは、種々の用途に適用でき、例えば、各光学異方性層の光学特性を調整して、いわゆるλ/4板またはλ/2板として用いることもできる。
なお、λ/4板とは、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(または、円偏光を直線偏光に)変換する機能を有する板である。より具体的には、所定の波長λnmにおける面内レタデーションReがλ/4(または、この奇数倍)を示す板である。
λ/4板の波長550nmでの面内レタデーション(Re(550))は、理想値(137.5nm)を中心として、25nm程度の誤差があってもよく、例えば、110~160nmであることが好ましく、120~150nmであることがより好ましい。
また、λ/2板とは、特定の波長λnmにおける面内レタデーションRe(λ)がRe(λ)≒λ/2を満たす光学異方性膜のことをいう。この式は、可視光線領域のいずれかの波長(例えば、550nm)において達成されていればよい。なかでも、波長550nmにおける面内レタデーションRe(550)が、以下の関係を満たすことが好ましい。
210nm≦Re(550)≦300nm
<表示装置>
本発明の位相差フィルム(第1実施態様~第4実施態様)並びに円偏光板(第1実施態様および第2実施態様)は、表示装置に好適に適用できる。
本発明の表示装置は、表示素子と、上述した位相差フィルムまたは円偏光板とを有する。
本発明の表示装置は、表示素子と、上述した位相差フィルムまたは円偏光板に加えて、さらにハードコート層を含む表面保護フィルムを有することが好ましい。
本発明の位相差フィルムを表示装置に適用する際には、上述した円偏光板として適用することが好ましい。この場合、円偏光板は視認側に配置され、円偏光板中、偏光子が視認側に配置される。表示装置が表面保護フィルムをさらに有する場合、表面保護フィルムは偏光子よりさらに視認側に配置される。すなわち、視認側から表面保護フィルム、偏光子、位相差フィルム、表示素子の順に配置される。
表示素子は特に制限されず、有機エレクトロルミネッセンス表示素子、および、液晶表示素子が挙げられる。
<その他の構成>
本発明の表示装置の、表示素子より視認側に用いられる密着層や基板、表面保護フィルムのハードコート層は、表示素子の耐光性改良の観点から、紫外線吸収剤を含んでいてもよい。紫外線吸収剤は特に限定がなく、各種公知のものが利用できる。例えば、国際公開WO2021/006097号公報に記載の紫外線吸収剤を用いることができる。
表示素子より視認側の積層体の透過率は、波長380nmで1%以下、410nmにおいて20~70%、450nm以上の範囲で90%以上とするのが好ましい。
波長410nmにおける透過率は40~50%であることがさらに好ましい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、および、処理手順は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更できる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1>
(セルロースアシレートフィルムの作製)
下記組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して、さらに90℃で10分間加熱した。その後、得られた組成物を、平均孔径34μmのろ紙および平均孔径10μmの焼結金属フィルターでろ過して、ドープを調製した。ドープの固形分濃度は23.5質量%であり、ドープの溶媒は塩化メチレン/メタノール/ブタノール=81/18/1(質量比)である。
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セルロースアシレートドープ
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セルロースアシレート(アセチル置換度2.86、粘度平均重合度310)
100質量部
糖エステル化合物1(下記式(S4)に示す) 6.0質量部
糖エステル化合物2(下記式(S5)に示す) 2.0質量部
シリカ粒子分散液(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
0.1質量部
溶媒(塩化メチレン/メタノール/ブタノール)
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Figure 2022184691000001
Figure 2022184691000002
上記で作製したドープを、ドラム製膜機を用いて流延した。0℃に冷却された金属支持体上に接するようにドープをダイから流延し、その後、得られたウェブ(フィルム)を剥ぎ取った。なお、ドラムはSUS製であった。
流延されて得られたウェブ(フィルム)を、ドラムから剥離後、フィルム搬送時に30~40℃で、クリップでウェブの両端をクリップして搬送するテンター装置を用いてテンター装置内で20分間乾燥した。引き続き、ウェブをロール搬送しながらゾーン加熱により後乾燥した。得られたウェブにナーリングを施した後、巻き取った。
得られたセルロースアシレートフィルムの膜厚は40μmであり、波長550nmにおける面内レタデーションは1nm、波長550nmにおける厚み方向のレタデーションは26nmであった。
このようにして、第1光学異方性層に該当するセルロースアシレートフィルムからなる光学異方性層(1a)を作製した。
前述のセルロースアシレートフィルムを、温度60℃の誘電式加熱ロールを通過させ、フィルム表面温度を40℃に昇温した後に、フィルムのバンド面に下記に示す組成のアルカリ溶液を、バーコーターを用いて塗布量14ml/mで塗布し、110℃に加熱した(株)ノリタケカンパニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に、10秒間搬送した。続いて、同じくバーコーターを用いて、純水を3ml/m塗布した。次いで、ファウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切りを3回繰り返した後に、70℃の乾燥ゾーンに10秒間搬送して乾燥し、アルカリ鹸化処理したセルロースアシレートフィルムを作製した。
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アルカリ溶液
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水酸化カリウム 4.7質量部
水 15.8質量部
イソプロパノール 63.7質量部
界面活性剤:C1429O(CH2CH2O)20H 1.0質量部
プロピレングリコール 14.8質量部
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(配向膜の形成)
セルロースアシレートフィルムのアルカリ鹸化処理を行った面に、下記組成の配向膜塗布液1を#14のワイヤーバーで連続的に塗布した。その後、得られた塗膜を、60℃の温風で60秒間、さらに100℃の温風で120秒間乾燥し、配向膜1を得た。
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配向膜塗布液1
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下記に示す変性ポリビニルアルコール 28質量部
クエン酸エステル(AS3、三共化学(株)製) 1.2質量部
光重合開始剤(Irgacure2959、BASF社製) 0.84質量部
グルタルアルデヒド 2.8質量部
水 699質量部
メタノール 226質量部
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(変性ポリビニルアルコール)
Figure 2022184691000003
(光学異方性層(1b)の形成)
上記作製した配向膜1に連続的にラビング処理を施した。このとき、長尺状のフィルム(セルロースアシレートフィルム)の長手方向と搬送方向は平行であり、フィルムの長手方向(搬送方向)とラビングローラーの回転軸とのなす角度は76°とした。フィルムの長手方向(搬送方向)を90°とし、フィルム側から観察してフィルム幅手方向を基準(0°)に時計回り方向を正の値で表すと、ラビングローラーの回転軸は-14°にある。
言い換えれば、フィルム側から観察してラビングローラーの回転軸の位置は、フィルムの長手方向を基準に、時計回りに76°回転させた位置である。
上記ラビング処理した配向膜上に、ギーサー塗布機を用いて、下記の組成の円盤状液晶化合物を含む光学異方性層形成用組成物(1b)を塗布して、組成物層を形成した。その後、得られた組成物層に対して、溶媒の乾燥および円盤状液晶化合物の配向熟成のために、110℃の温風で2分間加熱した。続いて、得られた組成物層に対して80℃にてUV照射(500mJ/cm)を行い、円盤状液晶化合物の配向を固定化して、第2光学異方性層に該当する光学異方性層(1b)を形成した。
光学異方性層(1b)の厚みは、1.1μmであった。また、波長550nmにおけるレタデーションは168nmであった。円盤状液晶化合物の円盤面のフィルム面に対する平均傾斜角は90°であり、フィルム面に対して、垂直に配向していることを確認した。
また、光学異方性層(1b)の面内遅相軸の角度はラビングローラーの回転軸と平行で、フィルムの幅方向を0°(長手方向は反時計回りを90°、時計回りを-90°)とすると、光学異方性層(1b)側から見たとき、光学異方性層(1b)の面内遅相軸方向は-14°であった。
――――――――――――――――――――――――――――――――
光学異方性層形成用組成物(1b)
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下記の円盤状液晶化合物1 80質量部
下記の円盤状液晶化合物2 20質量部
下記の配向膜界面配向剤1 0.55質量部
下記の含フッ素化合物A 0.1質量部
下記の含フッ素化合物B 0.05質量部
下記の含フッ素化合物C 0.21質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 10質量部
光重合開始剤(イルガキュア907、BASF製) 3.0質量部
メチルエチルケトン 200質量部
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円盤状液晶化合物1
Figure 2022184691000004
円盤状液晶化合物2
Figure 2022184691000005
配向膜界面配向剤1
Figure 2022184691000006
含フッ素化合物A(下記式中、aおよびbは、全繰り返し単位に対する各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、aは90質量%、bは10質量%を表す。)
Figure 2022184691000007
含フッ素化合物B(各繰り返し単位中の数値は全繰り返し単位に対する含有量(質量%)を表し、左側の繰り返し単位の含有量は32.5質量%で、右側の繰り返し単位の含有量は67.5質量%であった。)
Figure 2022184691000008
含フッ素化合物C(各繰り返し単位中の数値は全繰り返し単位に対する含有量(質量%)を表し、左側の繰り返し単位の含有量は25質量%で、真ん中の繰り返し単位の含有量は25質量%で、右側の繰り返し単位の含有量は50質量%であった。)
Figure 2022184691000009
上記手順によって、光学異方性層(1a)と光学異方性層(1b)とが積層された積層体(1a-1b)を作製した。
(光学異方性層(1d)の形成)
上記作製したセルロースアシレートフィルムの上に、ギーサー塗布機を用いて、下記の組成の棒状液晶化合物を含む光学異方性層形成用組成物(1d)を塗布して、組成物層を形成した。その後、フィルムの両端を保持し、フィルムの塗膜が形成された面の側に、フィルムとの距離が5mmとなるように冷却板(9℃)を設置し、フィルムの塗膜が形成された面とは反対側に、フィルムとの距離が5mmとなるようにヒーター(75℃)を設置し、2分間乾燥させた。
次いで、得られたフィルムを温風にて60℃で1分間加熱し、酸素濃度が100体積ppm以下の雰囲気になるように窒素パージしながら365nmのUV-LEDを用いて、照射量100mJ/cmの紫外線を照射した。その後、得られた塗膜に、温風にて120℃で1分間アニーリングすることで、第4光学異方性層に該当する光学異方性層(1d)を形成した。
得られた光学異方性層(1d)に、室温で、ワイヤーグリッド偏光子を通したUV光(超高圧水銀ランプ;UL750;HOYA製)を7.9mJ/cm(波長:313nm)照射することで、表面に配向制御能を有する組成物層を形成した。
なお、形成した光学異方性層(1d)の膜厚は0.6μmであった。波長550nmにおける面内レタデーションReは0nmであり、波長550nmにおける厚み方向のレタデーションRthは-75nmであった。棒状液晶化合物の長軸方向のフィルム面に対する平均傾斜角は90°であり、フィルム面に対して、垂直に配向していることを確認した。
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光学異方性層形成用組成物(1d)
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下記の棒状液晶化合物(A) 100質量部
重合性モノマー(A-400、新中村化学工業社製) 4.0質量部
下記の重合開始剤S-1(オキシム型) 5.0質量部
下記の光酸発生剤D-1 3.0質量部
下記の重合体M-1 2.0質量部
下記の垂直配向剤S01 2.0質量部
下記の光配向性ポリマーA-1 2.0質量部
下記の界面活性剤B-1 0.2質量部
メチルエチルケトン 42.3質量部
メチルイソブチルケトン 627.5質量部
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棒状液晶化合物(A)(以下、化合物の混合物)
Figure 2022184691000010
重合開始剤S-1
Figure 2022184691000011
光酸発生剤D-1
Figure 2022184691000012
重合体M-1
Figure 2022184691000013
垂直配向剤S01
Figure 2022184691000014
光配向性ポリマーA-1(各繰り返し単位中に記載の数値は、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、左側の繰り返し単位から43質量%、27質量%、30質量%であった。また、重量平均分子量は69800であった。)
Figure 2022184691000015
界面活性剤B-1(重量平均分子量は2200であった。)
Figure 2022184691000016
(光学異方性層(1c)の形成)
次いで、上記で作製した光学異方性層(1d)の上に、ギーサー塗布機を用いて、下記の組成の棒状液晶化合物を含む光学異方性層形成用組成物(1c)を塗布し、80℃の温風で60秒間加熱した。続いて、得られた組成物層に対して80℃にてUV照射(500mJ/cm)を行い、液晶化合物の配向を固定化して、第3光学異方性層に該当する光学異方性層(1c)を形成した。
光学異方性層(1c)の厚みは1.2μmであり、波長550nmにおけるΔndは164nm、液晶化合物の捩れ角度は81°であった。フィルムの幅方向を0°(長手方向を90°)とすると、光学異方性層(1c)側から見たとき、面内遅相軸方向(液晶化合物の配向軸角度)は、空気側が14°、光学異方性層(1d)に接する側が95°であった。
なお、光学異方性層の面内遅相軸方向は、基板の幅方向を基準の0°として、光学異方性層の表面側から基板を観察し、時計回り(右回り)の時を負、反時計回り(左回り)の時を正として表してある。
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光学異方性層形成用組成物(1c)
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上記の棒状液晶化合物(A) 100質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 4質量部
光重合開始剤(Irgacure819、BASF社製) 3質量部
下記の左捩れキラル剤(L1) 0.60質量部
上記の含フッ素化合物C 0.08質量部
メチルエチルケトン 156質量部
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左捩れキラル剤(L1)(Buはブチル基を表す。)
Figure 2022184691000017
上記手順によって、長尺状のセルロースアシレートフィルム上に、光学異方性層(1d)と光学異方性層(1c)とが直接積層された積層体(1c-1d)を作製した。光学異方性層(1c)の平均屈折率と光学異方性層(1d)の平均屈折率の屈折率差は0.05以内であった。
上記作製した長尺状のセルロースアシレートフィルムからなる光学異方性層(1a)上に形成した光学異方性層(1b)の表面側と、上記作製した長尺状のセルロースアシレートフィルム上に形成した積層体(1c-1d)の光学異方性層(1c)の表面側とを、光学異方性層(1b)の面内遅相軸と、光学異方性層(1c)の表面側の面内遅相軸とのなす角が0°となるように、紫外線硬化型接着剤を用いて、連続機にて貼り合せた。
なお、紫外線硬化型接着剤としては、アクリル系化合物に高屈折モノマーを添加し、硬化後の屈折率を1.58に制御した接着剤を使用した。接着剤層と隣接する光学異方性層の平均屈折率と接着剤層の平均屈折率との屈折率差はともに0.05以内であった。
続いて、光学異方性層(1d)側のセルロースアシレートフィルムを剥離し、光学異方性層(1d)のセルロースアシレートフィルムに接していた面を露出させた。このようにして、長尺状のセルロースアシレートフィルムからなる光学異方性層(1a)上に、光学異方性層(1b)、光学異方性層(1c)、光学異方性層(1d)がこの順に積層された光学フィルム(1a-1b-1c-1d)を得た。
(直線偏光板の作製)
セルローストリアセテートフィルムTJ25(富士フイルム社製:厚み25μm)の支持体表面をアルカリ鹸化処理した。具体的には、55℃の1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に支持体を2分間浸漬した後、支持体を室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに30℃の0.1規定の硫酸を用いて中和した。中和した後、支持体を室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥して、偏光子保護フィルムを得た。
厚さ60μmのロール状ポリビニルアルコール(PVA)フィルムをヨウ素水溶液中で長手方向に連続して延伸し、乾燥して厚さ13μmの偏光子を得た。偏光子の視感度補正単体透過率は、43%であった。このとき、偏光子の吸収軸方向と長手方向は一致していた。
上記偏光子の片方の面に上記偏光子保護フィルムを、下記PVA接着剤を用いて貼り合わせて、直線偏光板を作製した。
(PVA接着剤の調製)
アセトアセチル基を有するポリビニルアルコール系樹脂(平均重合度:1200,ケン化度:98.5モル%,アセトアセチル化度:5モル%)100質量部、および、メチロールメラミン20質量部を、30℃の温度条件下に、純水に溶解し、固形分濃度3.7質量%に調整した水溶液として、PVA接着剤を調製した。
(円偏光板の作製)
上記作製した長尺状の光学フィルム(1a-1b-1c-1d)の光学異方性層(1a)の表面と、上記作製した長尺状の直線偏光板の偏光子の表面(偏光子保護フィルムの反対側の面)とを、紫外線硬化型接着剤を用いて、連続的に貼り合せた。
このようにして、光学フィルム(1a-1b-1c-1d)と、直線偏光板とからなる円偏光板(P1)を作製した。このとき、偏光子保護フィルム、偏光子、光学異方性層(1a)、光学異方性層(1b)、光学異方性層(1c)および光学異方性層(1d)が、この順に積層されており、偏光子の吸収軸と光学異方性層(1b)の面内遅相軸がなす角度は76°であった。また、光学異方性層(1b)の面内遅相軸と、光学異方性層(1c)の光学異方性層(1b)側の表面での面内遅相軸とがなす角は0°であった。光学異方性層(1c)の液晶化合物の捩れ角度は81°であった。偏光子吸収軸と光学異方性層(1c)の光学異方性層(1d)側の表面での面内遅相軸とがなす角は5°であった。
<実施例2>
上記実施例1と同様にして、長尺状のセルロースアシレートフィルムを作製し、アルカリ鹸化処理を行った面に、下記組成の配向膜塗布液2を#14のワイヤーバーで連続的に塗布した。得られた塗膜を60℃の温風で60秒間、さらに100℃の温風で120秒間乾燥して、配向膜2を得た。
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配向膜塗布液2
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下記ポリビニルアルコール 10質量部
水 371質量部
メタノール 119質量部
グルタルアルデヒド(架橋剤) 0.5質量部
クエン酸エステル(三協化学(株)製) 0.175質量部
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ポリビニルアルコール
Figure 2022184691000018
(光学異方性層(2a)の形成)
上記配向膜2上に、ギーサー塗布機を用いて、下記組成の円盤状液晶化合物を含む光学異方性層形成用組成物(2a)を塗布して、組成物層を形成した。その後、得られた組成物層に対して、溶媒の乾燥および円盤状液晶化合物の配向熟成のために、110℃の温風で2分間加熱した。続いて、得られた組成物層に対して80℃にてUV照射(500mJ/cm)を行い、液晶化合物の配向を固定化して、第1光学異方性層に該当する光学異方性層(2a)を形成した。
光学異方性層(2a)の厚みは、0.3μmであった。また、波長550nmにおける面内レタデーションは0nm、波長550nmにおける厚み方向のレタデーションは40nmであった。円盤状液晶化合物の円盤面のフィルム面に対する平均傾斜角は0°であり、フィルム面に対して、水平に配向していることを確認した。
――――――――――――――――――――――――――――――――
光学異方性層形成用組成物(2a)
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上記の円盤状液晶化合物1 80質量部
上記の円盤状液晶化合物2 20質量部
上記の含フッ素化合物C 0.21質量部
下記のポリマー(A) 0.50質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 10質量部
光重合開始剤(イルガキュア907、BASF製) 3.0質量部
メチルエチルケトン 200質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
ポリマー(A)(式中、各繰り返し単位に記載の数値は、全繰り返し単位に対する各繰り返しの含有量(質量%)を表す。)
Figure 2022184691000019
(光学異方性層(1b)の形成)
上記で作製した光学異方性層(2a)に連続的にラビング処理を施した。このとき、長尺状のフィルムの長手方向と搬送方向は平行であり、フィルムの長手方向(搬送方向)とラビングローラーの回転軸とのなす角度は76°とした。フィルムの長手方向(搬送方向)を90°とし、フィルム側から観察してフィルム幅手方向を基準(0°)に時計回り方向を正の値で表すと、ラビングローラーの回転軸は-14°にある。言い換えれば、ラビングローラーの回転軸の位置は、フィルムの長手方向を基準に、時計回りに76°回転させた位置である。
上記ラビング処理した光学異方性層(2a)上に、ギーサー塗布機を用いて、上記の光学異方性層形成用組成物(1b)を塗布して、組成物層を形成した。その後、得られた組成物層に対して、溶媒の乾燥および円盤状液晶化合物の配向熟成のために、110℃の温風で2分間加熱した。続いて、得られた組成物層に対して80℃にてUV照射(500mJ/cm)を行い、液晶化合物の配向を固定化して、第2光学異方性層に該当する光学異方性層(1b)を形成した。
光学異方性層(1b)の厚みは、1.1μmであった。また、波長550nmにおけるレタデーションは168nmであった。円盤状液晶化合物の円盤面のフィルム面に対する平均傾斜角は90°であり、フィルム面に対して、垂直に配向していることを確認した。
また、光学異方性層(1b)の面内遅相軸の角度はラビングローラーの回転軸と平行で、フィルムの幅方向を0°(長手方向は反時計回りを90°、時計回りを-90°)とすると、光学異方性層(1b)側から見たとき、光学異方性層(1b)の面内遅相軸方向は-14°であった。
上記手順によって、セルロースアシレートフィルム上に、光学異方性層(2a)と光学異方性層(1b)とが積層された積層体(2a-1b)を作製した。光学異方性層(2a)の平均屈折率と光学異方性層(1b)の平均屈折率の屈折率差は0.05以内であった。
上記作製した長尺状のセルロースアシレートフィルム上に形成した積層体(2a-1b)の光学異方性層(1b)の表面側と、実施例1で作製した長尺状のセルロースアシレートフィルム上に形成した積層体(1c-1d)の光学異方性層(1c)の表面側とを、光学異方性層(1b)の面内遅相軸と光学異方性層(1c)の表面側の面内遅相軸とのなす角が0°となるように、紫外線硬化型接着剤を用いて、連続機にて貼り合せた。
なお、紫外線硬化型接着剤としては、アクリル系化合物に高屈折モノマーを添加し、硬化後の屈折率を1.58に制御した接着剤を使用した。接着剤層と隣接する光学異方性層の平均屈折率と接着剤層の平均屈折率との屈折率差はともに0.05以内であった。
続いて、光学異方性層(2a)側のセルロースアシレートフィルムと配向膜2を剥離し、光学異方性層(2a)の配向膜2に接していた面を露出させた。このようにして、長尺状のセルロースアシレートフィルム上に、光学異方性層(1d)、光学異方性層(1c)、光学異方性層(1b)、光学異方性層(2a)がこの順に積層された光学フィルム(2a-1b-1c-1d)を得た。
(円偏光板の作製)
上記作製した長尺状の光学フィルム(2a-1b-1c-1d)の光学異方性層(2a)の表面と、実施例1で作製した長尺状の直線偏光板の偏光子の表面(偏光子保護フィルムの反対側の面)とを、硬化後の屈折率を1.53に制御した紫外線硬化型接着剤を用いて、連続的に貼り合せた。隣接する光学異方性層の平均屈折率と接着剤層の平均屈折率との屈折率差は0.08以下であった。
続いて、光学異方性層(1d)側のセルロースアシレートフィルムを剥離し、光学異方性層(1d)のセルロースアシレートフィルムに接していた面を露出させた。
このようにして、光学フィルム(2a-1b-1c-1d)と、直線偏光板とからなる円偏光板(P2)を作製した。このとき、偏光子保護フィルム、偏光子、光学異方性層(2a)、光学異方性層(1b)、光学異方性層(1c)および光学異方性層(1d)が、この順に積層されており、偏光子の吸収軸と光学異方性層(1b)の面内遅相軸がなす角度は76°であった。光学異方性層(1b)の面内遅相軸と、光学異方性層(1c)の光学異方性層(1b)側の表面での面内遅相軸とがなす角は0°であった。光学異方性層(1c)の液晶化合物の捩れ角度は81°であった。偏光子吸収軸と光学異方性層(1c)の光学異方性層(1d)側の表面での面内遅相軸とがなす角は5°であった。
<実施例3>
(光学異方性層(3a)の形成)
実施例1の光学異方性層(1d)の形成において、組成物層の厚みを変える以外は同様にして、第1光学異方性層に該当する、表面に配向制御能を有する光学異方性層(3a)を形成した。
なお、形成した光学異方性層(3a)の膜厚は0.4μmであった。波長550nmにおける面内レタデーションは0nmであり、波長550nmにおける厚み方向のレタデーションは-45nmであった。棒状液晶化合物の長軸方向のフィルム面に対する平均傾斜角は90°であり、フィルム面に対して、垂直に配向していることを確認した。
(光学異方性層(3b)の形成)
次いで、上記作製した光学異方性層(3a)の上に、ギーサー塗布機を用いて、下記の組成の棒状液晶化合物を含む光学異方性層形成用組成物(3b)を塗布し、80℃の温風で60秒間加熱した。続いて、得られた組成物層に対して80℃にてUV照射(500mJ/cm)を行い、液晶化合物の配向を固定化して、第2光学異方性層に該当する光学異方性層(3b)を形成した。
光学異方性層(3b)の厚みは、1.2μmであった。また、波長550nmにおける面内レタデーションは168nmであった。棒状液晶化合物の長軸方向のフィルム面に対する平均傾斜角は0°であり、フィルム面に対して、水平に配向していること(ホモジニアス配向していること)を確認した。また、フィルムの幅方向を0°(長手方向は反時計回りを90°、時計回りを-90°)とすると、光学異方性層(3b)側から見たとき、光学異方性層(3b)の面内遅相軸方向は104°であった。
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光学異方性層形成用組成物(3b)
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上記の棒状液晶化合物(A) 100質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 4質量部
光重合開始剤(Irgacure819、BASF社製) 3質量部
上記の含フッ素化合物C 0.08質量部
メチルエチルケトン 156質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
上記手順によって、長尺状のセルロースアシレートフィルム上に、光学異方性層(3a)と光学異方性層(3b)とが直接積層された積層体(3a-3b)を作製した。光学異方性層(3a)の平均屈折率と光学異方性層(3b)の平均屈折率の屈折率差は0.05以内であった。
なお、上述した方法で光学異方性層(3a)の光学異方性層(3b)と接する側の表面を確認したところ、光配向性ポリマーが存在していることが確認できた。
(光学異方性層(3d)の形成)
実施例2の光学異方性層(2a)の形成において、組成物層の厚みを変える以外は同様にして、第4光学異方性層に該当する光学異方性層(3d)を形成した。
光学異方性層(3a)の厚みは、0.4μmであった。また、波長550nmにおける面内レタデーションは0nm、波長550nmにおける厚み方向のレタデーションは55nmであった。円盤状液晶化合物の円盤面のフィルム面に対する平均傾斜角は0°であり、フィルム面に対して、水平に配向していることを確認した。
(光学異方性層(3c)の形成)
上記作製した光学異方性層(3d)に連続的にラビング処理を施した。このとき、長尺状のフィルムの長手方向と搬送方向は平行であり、フィルムの長手方向(搬送方向)とラビングローラーの回転軸とのなす角度は85°とした。フィルムの長手方向(搬送方向)を90°とし、フィルム側から観察してフィルム幅手方向を基準(0°)に時計回り方向を正の値で表すと、ラビングローラーの回転軸は5°にある。言い換えれば、ラビングローラーの回転軸の位置は、フィルムの長手方向を基準に、反時計回りに85°回転させた位置である。
上記ラビング処理した光学異方性層(3d)上に、ギーサー塗布機を用いて、下記の光学異方性層形成用組成物(3c)を塗布して、組成物層を形成した。その後、得られた組成物層に対して、溶媒の乾燥および円盤状液晶化合物の配向熟成のために、110℃の温風で2分間加熱した。続いて、得られた組成物層に対して80℃にてUV照射(500mJ/cm)を行い、液晶化合物の配向を固定化して、第3光学異方性層に該当する光学異方性層(3c)を形成した。
光学異方性層(3c)の厚みは1.1μmであり、波長550nmにおけるΔndは164nm、液晶化合物の捩れ角度は81°であった。フィルムの幅方向を0°(長手方向を90°)とすると、光学異方性層(3c)側から見たとき、面内遅相軸方向は、空気側が76°、光学異方性層(3d)に接する側が-5°であった。
なお、光学異方性層の面内遅相軸方向は、基板の幅方向を基準の0°として、光学異方性層の表面側から円偏光板を観察し、時計回り(右回り)の時を負、反時計回り(左回り)の時を正として表してある。
――――――――――――――――――――――――――――――――
光学異方性層形成用組成物(3c)
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上記の円盤状液晶化合物1 80質量部
上記の円盤状液晶化合物2 20質量部
上記の配向膜界面配向剤1 0.55質量部
上記の含フッ素化合物A 0.1質量部
上記の含フッ素化合物B 0.05質量部
上記の含フッ素化合物C 0.21質量部
下記の右捩れキラル剤(L2) 0.30質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 10質量部
光重合開始剤(イルガキュア907、BASF製) 3.0質量部
メチルエチルケトン 200質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
右捩れキラル剤(L2)
Figure 2022184691000020
上記手順によって、セルロースアシレートフィルム上に、光学異方性層(3d)と光学異方性層(3c)とが積層された積層体(3c-3d)を作製した。光学異方性層(3c)の平均屈折率と光学異方性層(3d)の平均屈折率の屈折率差は0.05以内であった。
上記作製した長尺状のセルロースアシレートフィルム上に形成した積層体(3a-3b)の光学異方性層(3b)の表面側と、上記作製した長尺状のセルロースアシレートフィルム上に形成した積層体(3c-3d)の光学異方性層(3c)の表面側とを、光学異方性層(3b)の面内遅相軸と光学異方性層(3c)の表面側の面内遅相軸とのなす角が0°となるように、紫外線硬化型接着剤を用いて、連続機にて貼り合せた。
なお、紫外線硬化型接着剤としては、アクリル系化合物に高屈折モノマーを添加し、硬化後の屈折率を1.58に制御した接着剤を使用した。接着剤層と隣接する光学異方性層の平均屈折率と接着剤層の平均屈折率との屈折率差はともに0.05以内であった。
続いて、光学異方性層(3a)側のセルロースアシレートフィルムを剥離し、光学異方性層(3a)のセルロースアシレートフィルムに接していた面を露出させた。このようにして、長尺状のセルロースアシレートフィルム上に、光学異方性層(3d)、光学異方性層(3c)、光学異方性層(3b)、光学異方性層(3a)がこの順に積層された光学フィルム(3a-3b-3c-3d)を得た。
(円偏光板の作製)
上記作製した長尺状の光学フィルム(3a-3b-3c-3d)の光学異方性層(3a)の表面と、実施例1で作製した長尺状の直線偏光板の偏光子の表面(偏光子保護フィルムの反対側の面)とを、硬化後の屈折率を1.53に制御した紫外線硬化型接着剤を用いて、連続的に貼り合せた。隣接する光学異方性層の平均屈折率と接着剤層の平均屈折率との屈折率差は0.08以下であった。
続いて、光学異方性層(3d)側のセルロースアシレートフィルムを剥離し、光学異方性層(3d)のセルロースアシレートフィルムに接していた面を露出させた。
このようにして、光学フィルム(3a-3b-3c-3d)と、直線偏光板とからなる円偏光板(P3)を作製した。このとき、偏光子保護フィルム、偏光子、光学異方性層(3a)、光学異方性層(3b)、光学異方性層(3c)および光学異方性層(3d)が、この順に積層されており、偏光子の吸収軸と光学異方性層(3b)の遅相軸がなす角度は14°であった。光学異方性層(3b)の面内遅相軸と、光学異方性層(3c)の光学異方性層(3b)側の表面での面内遅相軸とがなす角は0°であった。光学異方性層(3c)の液晶化合物の捩れ角度は81°であった。偏光子吸収軸と光学異方性層(3c)の光学異方性層(3d)側の表面での面内遅相軸とがなす角は95°であった。
円偏光板(P3)において、光学異方性層側から円偏光板(P3)を観察した際に、偏光子の吸収軸を基準として、光学異方性層(3b)の面内遅相軸が反時計回りに14°回転しており、光学異方性層(3c)中の液晶化合物の捩れ方向は時計回りである。
なお、液晶化合物の捩れ方向は、光学異方性層側から円偏光板(P3)を観察した際に、光学異方性層(3c)の光学異方性層(3d)側の表面(手前側の表面)での面内遅相軸を基準に、時計回りか、反時計回りかを判断する。
<実施例4>
(光学異方性層(4a)の形成)
セルローストリアセテートフィルムTG40(富士フイルム社製:厚み40μm)上にギーサー塗布機を用いて、下記の組成の円盤状液晶化合物を含む光学異方性層形成用組成物(4a)を塗布して、組成物層を形成した。その後、フィルムの両端を保持し、フィルムの塗膜が形成された面の側に、フィルムとの距離が5mmとなるように冷却板(9℃)を設置し、フィルムの塗膜が形成された面とは反対側に、フィルムとの距離が5mmとなるようにヒーター(110℃)を設置し、90秒間乾燥させた。
次いで、得られたフィルムを温風にて116℃で1分間加熱し、酸素濃度が100体積ppm以下の雰囲気になるように窒素パージしながら365nmのUV-LEDを用いて、照射量150mJ/cmの紫外線を照射した。その後、得られた塗膜に、温風にて115℃で25秒間アニーリングすることで、第1光学異方性層に該当する光学異方性層(4a)を形成した。
得られた光学異方性層(4a)に、室温で、ワイヤーグリッド偏光子を通したUV光(超高圧水銀ランプ;UL750;HOYA製)を7.9mJ/cm(波長:313nm)照射することで、表面に配向制御能を付与した。
なお、形成した光学異方性層(4a)の膜厚は1.0μmであった。波長550nmにおける面内レタデーションReは0nmであり、波長550nmにおける厚み方向のレタデーションRthは40nmであった。円盤状液晶化合物の円盤面のフィルム面に対する平均傾斜角は0°であり、フィルム面に対して、水平に配向していることを確認した。
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光学異方性層形成用組成物(4a)
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上記の円盤状液晶化合物1 8質量部
上記の円盤状液晶化合物2 2質量部
下記の円盤状液晶化合物3 95.6質量部
下記の重合性モノマー1 14.0質量部
上記の重合開始剤S-1(オキシム型) 3.0質量部
上記の光酸発生剤D-1 3.0質量部
下記の光配向性ポリマーA-2 1.0質量部
トリイソプロピルアミン 0.2質量部
o-キシレン 634質量部
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円盤状液晶化合物3
Figure 2022184691000021
重合性モノマー1
Figure 2022184691000022
光配向性ポリマーA-2(各繰り返し単位中に記載のアルファベットは、全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、左側の繰り返し単位から37質量%、37質量%、26質量%であった。また、重量平均分子量は73000であった。)
Figure 2022184691000023
(光学異方性層(4b)の形成)
次いで、上記で作製した光学異方性層(4a)の上に、ギーサー塗布機を用いて、下記の組成の円盤状液晶化合物を含む光学異方性層形成用組成物(4b)を塗布し、95℃の温風で120秒間加熱した。続いて、得られた組成物層に対して95℃にてUV照射(100mJ/cm)を行い、液晶化合物の配向を固定化して、第2光学異方性層に該当する光学異方性層(4b)を形成した。
光学異方性層(4b)の厚みは1.5μmであり、波長550nmにおけるΔndは153nmであった。円盤状液晶化合物の円盤面のフィルム面に対する平均傾斜角は90°であり、フィルム面に対して、垂直に配向していることを確認した。
また、光学異方性層(4b)の面内遅相軸の角度はラビングローラーの回転軸と平行で、フィルムの幅方向を0°(長手方向は反時計回りを90°、時計回りを-90°)とすると、光学異方性層(4b)側から見たとき、光学異方性層(4b)の面内遅相軸方向は-14°であった。
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光学異方性層形成用組成物(4b)
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上記の円盤状液晶化合物1 80質量部
上記の円盤状液晶化合物2 20質量部
上記の配向膜界面配向剤1 1.8質量部
上記の重合性モノマー1 10.0質量部
上記の重合開始剤S-1(オキシム型) 5.0質量部
上記の含フッ素化合物A 0.1質量部
下記の含フッ素化合物D 0.2質量部
下記の含フッ素化合物E 0.1質量部
下記の消泡剤1 2.1質量部
メチルエチルケトン 419質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
含フッ素化合物D(各繰り返し単位中の数値は全繰り返し単位に対する含有量(質量%)を表し、左側の繰り返し単位の含有量は52質量%で、右側の繰り返し単位の含有量は48質量%であった。)
Figure 2022184691000024
含フッ素化合物E(左側の繰り返し単位の含有量は36質量%で、右側の繰り返し単位の含有量は64質量%であった。)
Figure 2022184691000025
消泡剤1
Figure 2022184691000026
上記手順によって、セルロースアシレートフィルムTG40上に、光学異方性層(4a)と光学異方性層(4b)とが直接積層された積層体(4a-4b)を作製した。
光学異方性層(4a)の平均屈折率と光学異方性層(4b)の平均屈折率との差は0.05以下であった。
(光学異方性層(4d)の形成)
実施例1の光学異方性層(1d)の形成において、組成物層の厚みを変える以外は同様にして、第4光学異方性層に該当する、光学異方性層(4d)を形成した。
なお、形成した光学異方性層(4d)の膜厚は0.7μmであった。波長550nmにおける面内レタデーションReは0nmであり、波長550nmにおける厚み方向のレタデーションRthは-85nmであった。棒状液晶化合物の長軸方向のフィルム面に対する平均傾斜角は90°であり、フィルム面に対して、垂直に配向していることを確認した。
(光学異方性層(4c)の形成)
次いで、上記で作製した光学異方性層(4d)の上に、実施例1の光学異方性層(1c)の形成において、組成物層の厚みを変える以外は同様にして、第3光学異方性層に該当する、光学異方性層(4c)を形成した。
光学異方性層(4c)の厚みは1.25μmであり、波長550nmにおけるΔndは170nm、液晶化合物の捩れ角度は85°であった。フィルムの幅方向を0°(長手方向を90°)とすると、光学異方性層(4c)側から見たとき、面内遅相軸方向(液晶化合物の配向軸角度)は、空気側が10°、光学異方性層(4d)に接する側が95°であった。
なお、光学異方性層の面内遅相軸方向は、基板の幅方向を基準の0°として、光学異方性層の表面側から基板を観察し、時計回り(右回り)の時を負、反時計回り(左回り)の時を正として表してある。
上記手順によって、長尺状のセルロースアシレートフィルム上に、光学異方性層(4d)と光学異方性層(4c)とが直接積層された積層体(4c-4d)を作製した。光学異方性層(4c)の平均屈折率と光学異方性層(4d)の平均屈折率の屈折率差は0.05以内であった。
上記作製したセルロースアシレートフィルムTG40上に形成した積層体(4a-4b)の光学異方性層(4b)の表面側と、上記作製した長尺状のセルロースアシレートフィルム上に形成した積層体(4c-4d)の光学異方性層(4c)の表面側とを、積層体(4c-4d)の光学異方性層(4c)の表面側の面内遅相軸に対して、積層体(4a-4b)の光学異方性層(4b)の表面側の面内遅相軸が+4°になるように、紫外線硬化型接着剤を用いて、連続機にて貼り合せた。
なお、光学異方性層の面内遅相軸方向は、基板の幅方向を基準の0°として、光学異方性層(4a)の表面側から積層体を観察し、時計回り(右回り)の時を負、反時計回り(左回り)の時を正として表してある。
紫外線硬化型接着剤として、アクリル系化合物に高屈折モノマーを添加し、硬化後の屈折率を1.58に制御した接着剤を使用した。接着剤層と隣接する光学異方性層の平均屈折率と接着剤層の平均屈折率との屈折率差はともに0.05以内であった。
続いて、光学異方性層(4a)側のセルロースアシレートフィルムと光学異方性層(4a)を剥離し、光学異方性層(4a)のセルロースアシレートフィルムに接していた面を露出させた。このようにして、長尺状のセルロースアシレートフィルム上に、光学異方性層(4d)、光学異方性層(4c)、光学異方性層(4b)、光学異方性層(4a)がこの順に積層された光学フィルム(4a-4b-4c-4d)を得た。
(円偏光板の作製)
上記作製した長尺状の光学フィルム(4a-4b-4c-4d)の光学異方性層(4a)の表面と、実施例1で作製した長尺状の直線偏光板の偏光子の表面(偏光子保護フィルムの反対側の面)とを、上記と同様の方法で硬化後の屈折率を1.53に制御した紫外線硬化型接着剤を用いて、連続的に貼り合せた。隣接する光学異方性層の平均屈折率と接着剤層の平均屈折率との屈折率差は0.08以下であった。
続いて、光学異方性層(4d)側のセルロースアシレートフィルムを剥離し、光学異方性層(4d)のセルロースアシレートフィルムに接していた面を露出させた。
このようにして、光学フィルム(4a-4b-4c-4d)と、直線偏光板とからなる円偏光板(P4)を作製した。このとき、偏光子保護フィルム、偏光子、光学異方性層(4a)、光学異方性層(4b)、光学異方性層(4c)および光学異方性層(4d)が、この順に積層されており、偏光子の吸収軸と光学異方性層(4b)の面内遅相軸がなす角度は76°であった。光学異方性層(4b)の面内遅相軸と、光学異方性層(4c)の光学異方性層(4b)側の表面での面内遅相軸とがなす角は4°であった。光学異方性層(4c)の液晶化合物の捩れ角度は85°であった。偏光子吸収軸と光学異方性層(4c)の光学異方性層(4d)側の表面での面内遅相軸とがなす角は5°であった。
<実施例5>
実施例1の第1光学異方性層に該当するセルロースアシレートフィルムからなる光学異方性層(1a)をセルロースアセテートTJ25(富士フイルム社製:厚み25μm)(光学異方性層(5a))に置き換えた以外は、実施例1と同様の方法で光学異方性層(1b)、光学異方性層(1c)、光学異方性層(1d)、および、円偏光板を作製した。
<実施例6>
実施例1の第1光学異方性層に該当するセルロースアシレートフィルムからなる光学異方性層(1a)を以下の光学異方性層(6a)に置き換えた以外は、実施例1と同様の方法で光学異方性層(1b)、光学異方性層(1c)、光学異方性層(1d)、および、円偏光板を作製した。
(セルロースアシレートフィルムの作製)
下記組成物をミキシングタンクに投入し、撹拌して、さらに90℃で10分間加熱した。その後、得られた組成物を、平均孔径34μmのろ紙および平均孔径10μmの焼結金属フィルターでろ過して、ドープを調製した。ドープの固形分濃度は19.0質量%であり、ドープの溶媒は塩化メチレン/メタノール=87/13(質量比)である。
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セルロースアシレートドープ
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セルロースアシレート(アセチル置換度2.88) 100.0質量部
エステルオリゴマー(ジカルボン酸:アジピン酸/フタル酸=3/7、エチレングリコール、アセチル基末端、分子量1000) 10.0質量部
偏光子耐久性改良剤(下記構造式の化合物) 4.0質量部
紫外線吸収剤(下記構造式の化合物) 2.0質量部
レタデーション上昇剤(下記構造式の化合物) 3.0質量部
溶媒(塩化メチレン/メタノール)
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偏光子耐久性改良剤
Figure 2022184691000027
紫外線吸収剤
Figure 2022184691000028
レタデーション上昇剤
Figure 2022184691000029
上記で作製したドープを、バンド製膜機を用いて流延した。20℃にした金属支持体上に接するようにドープをダイから流延し、その後、得らえたウェブ(フィルム)を剥ぎ取った。なお、バンドはSUS製であった。
流延させて得られたウェブ(フィルム)を、溶剤含有率略20質量%の状態でバンドから剥離後、フィルム搬送時に、残留溶剤が3~15%の状態で、横方向に1.1倍延伸しつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、厚さ25μmのセルロースアシレートフィルムを作製した。
得られたセルロースアシレートフィルムの、波長550nmにおける面内レタデーションは1nm、波長550nmにおける厚み方向のレタデーションは30nmであった。
<実施例7>
実施例6で使用した紫外線硬化型接着剤を置き換えて、下記の粘着剤Aを使用し、第1光学異方性層に該当するセルロースアシレートフィルムからなる光学異方性層(6a)、光学異方性層(1b)、光学異方性層(1c)、光学異方性層(1d)、および、円偏光板を作製した。
実施例6で作製した長尺状のセルロースアシレートフィルム上に形成した積層体(6a-1b)の光学異方性層(1b)の表面側と、実施例1で作製した長尺状のセルロースアシレートフィルム上に形成した積層体(1c-1d)の光学異方性層(1c)の表面側とを、光学異方性層(1b)の面内遅相軸と光学異方性層(1c)の表面側の面内遅相軸とのなす角が0°となるように、粘着剤Aを用いて、連続機にて貼り合せた。
上記粘着剤Aは、屈折率を1.54に制御されており、厚み15μmの粘着層が形成された。隣接する光学異方性層の軸方向で平均した屈折率と粘着剤との屈折率差はともに0.08以内であった。
続いて、光学異方性層(1d)側のセルロースアシレートフィルムを剥離し、光学異方性層(1d)のセルロースアシレートフィルムに接していた面を露出させた。このようにして、長尺状のセルロースアシレートフィルムからなる光学異方性層(6a)上に、光学異方性層(1b)、光学異方性層(1c)、光学異方性層(1d)がこの順に積層された光学フィルム(6a-1b-1c-1d)を得た。
(円偏光板の作製)
上記作製した長尺状の光学フィルム(6a-1b-1c-1d)の光学異方性層(6a)の表面と、上記作製した長尺状の直線偏光板の偏光子の表面(偏光子保護フィルムの反対側の面)とを、上記PVA接着剤を用いて、連続的に貼り合せた。
このようにして、光学フィルム(6a-1b-1c-1d)と、直線偏光板とからなる円偏光板(P7)を作製した。このとき、偏光子保護フィルム、偏光子、光学異方性層(6a)、光学異方性層(1b)、光学異方性層(1c)および光学異方性層(1d)が、この順に積層されており、偏光子の吸収軸と光学異方性層(1b)の面内遅相軸がなす角度は76°であった。また、光学異方性層(1b)の面内遅相軸と、光学異方性層(1c)の光学異方性層(1b)側の表面での面内遅相軸とがなす角は0°であった。光学異方性層(1c)の液晶化合物の捩れ角度は81°であった。偏光子吸収軸と光学異方性層(1c)の光学異方性層(1d)側の表面での面内遅相軸とがなす角は5°であった。
<実施例8>
実施例6で使用した紫外線硬化型接着剤を置き換えて、下記の粘着剤Bを使用し、第1光学異方性層に該当するセルロースアシレートフィルムからなる光学異方性層(6a)、光学異方性層(1b)、光学異方性層(1c)、光学異方性層(1d)、および、円偏光板を作製した。
実施例6で作製した長尺状のセルロースアシレートフィルム上に形成した積層体(6a-1b)の光学異方性層(1b)の表面側と、実施例1で作製した長尺状のセルロースアシレートフィルム上に形成した積層体(1c-1d)の光学異方性層(1c)の表面側とを、光学異方性層(1b)の面内遅相軸と光学異方性層(1c)の表面側の面内遅相軸とのなす角が0°となるように、粘着剤Bを用いて、連続機にて貼り合せた。
上記粘着剤Bは、紫外線吸収剤として国際公開WO2021/006097号公報に記載のUV-2を含有し、屈折率を1.54に制御されており、厚み25μmの粘着層が形成された。隣接する光学異方性層の軸方向で平均した屈折率と粘着剤との屈折率差はともに0.08以内であった。
続いて、光学異方性層(1d)側のセルロースアシレートフィルムを剥離し、光学異方性層(1d)のセルロースアシレートフィルムに接していた面を露出させた。このようにして、長尺状のセルロースアシレートフィルムからなる光学異方性層(6a)上に、光学異方性層(1b)、光学異方性層(1c)、光学異方性層(1d)がこの順に積層された光学フィルム(6a-1b-1c-1d)を得た。
(円偏光板の作製)
上記作製した長尺状の光学フィルム(6a-1b-1c-1d)の光学異方性層(6a)の表面と、上記作製した長尺状の直線偏光板の偏光子の表面(偏光子保護フィルムの反対側の面)とを、上記PVA接着剤を用いて、連続的に貼り合せた。
このようにして、光学フィルム(6a-1b-1c-1d)と、直線偏光板とからなる円偏光板(P7)を作製した。このとき、偏光子保護フィルム、偏光子、光学異方性層(6a)、光学異方性層(1b)、光学異方性層(1c)および光学異方性層(1d)が、この順に積層されており、偏光子の吸収軸と光学異方性層(1b)の面内遅相軸がなす角度は76°であった。また、光学異方性層(1b)の面内遅相軸と、光学異方性層(1c)の光学異方性層(1b)側の表面での面内遅相軸とがなす角は0°であった。光学異方性層(1c)の液晶化合物の捩れ角度は81°であった。偏光子吸収軸と光学異方性層(1c)の光学異方性層(1d)側の表面での面内遅相軸とがなす角は5°であった。また、円偏光板P7の380nmにおける透過率は1%以下であった。なお、透過率は(株)島津製作所製分光光度計UV-3150にて測定した。
<比較例1>
特許第5960743号の実施例1に記載の方法と同様にして、長尺状のセルロースアシレートフィルム上に、垂直配向した円盤状液晶からなる光学異方性層(h1)と、捩れ配向した円盤状液晶からなる光学異方性層(h2)とが、この順に直接積層された光学フィルムを作製した。
このとき、光学異方性層(h1)の波長550nmにおける面内レタデーションは181nmであり、フィルムの幅方向を0°(長手方向を90°)とすると、光学異方性層(h1)側から見たとき、面内遅相軸方向は-13°であった。また、光学異方性層(h2)の波長550nmにおけるΔndは172nm、液晶化合物の捩れ角度は81°であり、フィルムの幅方向を0°(長手方向を90°)とすると、光学異方性層(h2)側から見たとき、面内遅相軸方向は、空気側が-94°、セルロースアシレートフィルムに接する側が-13°であった。
上記作製した長尺状のセルロースアシレートフィルム上に形成された積層体(h1-h2)のセルロースアシレートフィルムの表面と、上記作製した長尺状の直線偏光板の偏光子の表面(偏光子保護フィルムの反対側の面)とを、紫外線硬化型接着剤を用いて、連続的に貼り合せた。このようにして、円偏光板(PH)を作製した。
<有機EL表示装置の作製>
(表示装置への実装)
有機ELパネル搭載のSAMSUNG社製GALAXY S4を分解し、円偏光板を剥離して、そこに上記実施例1~6と比較例1にて作製した円偏光板を、偏光子保護フィルムが外側に配置されるように、感圧型粘着剤を用いて表示装置に貼り合せた。
<屈折率の測定>
各実施例および比較例で用いた各光学異方性層を、粘着剤を用いてガラス上に転写したサンプルを準備し、反射分光膜厚計FE3000(大塚電子株式会社製)を用い、光学異方性層の反射率スペクトルを測定し、得られた反射スペクトルから平均屈折率を算出した。平均屈折率の算出の際には、光学異方性層の両界面の屈折率は等しいとの仮定の下、反射率スペクトルを最小二乗法を用いて下記Cauchyの分散式にフィッティングすることにより、波長550nmにおける平均屈折率nを求めた。ここで、C1、C2、および、C3はn-Cauchyのモデルのパラメータ、λは波長、kは減衰係数である。また、反射率スペクトルを測定したサンプルの厚みを、走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製、S-4800)を用いて測定し、フィッティングの際に厚みとしてこの値を用いた。
なお、上述したように、上記により算出される平均屈折率は、上述した式(N1)で表される平均屈折率((nx+ny)/2)に該当する。
Figure 2022184691000030
なお、粘着剤層および接着剤層に関しても、上記と同様の方法で平均屈折率を測定した。
〔表示性能の評価〕
(正面方向)
作製した有機EL表示装置に黒表示をして、明光下において正面方向より観察し、色味づきを下記の基準で評価した。結果を下記表1に示す。
A:色味づきが全く視認されない、もしくは、視認されるものの、わずか。(許容)
B:色味づきが視認されるが、反射光は小さく、使用上問題はない。(許容)
C:色味づきが視認され、反射光も大きく、許容できない。
(斜め方向)
作製した有機EL表示装置に黒表示をして、明光下において、極角45°から蛍光灯を映し込んで、全方位から反射光を観察した。色味変化の方位角依存性を下記の基準で評価した。結果を下記表1に示す。
A:色味差が全く視認されない、もしくは、視認されるものの、ごくわずか。(許容) B:色味差が少し視認されるが許容範囲内であり、反射光は小さく、使用上問題はない。(許容)
C:色味差が視認され、反射光も大きく、許容できない。
Figure 2022184691000031
上記表1に示す結果から、本発明の位相差フィルムは、円偏光板として有機EL表示装置に用いた際に、正面方向および斜め方向における黒色の色味づきを抑制することができることが確認された。一方、比較例の位相差フィルムは、円偏光板として有機EL表示装置に用いた際に、斜め方向における黒色の色味づき抑制が劣っていた。
なお、実施例7、8は、実施例6と同様に本発明の効果を示した。
10A,10B,10C,10D 位相差フィルム
12A,12B,12C,12D 第1光学異方性層
14A,14B,14C,14D 第2光学異方性層
16A,16B,16C,16D 第3光学異方性層
18A,18B,18C,18D 第4光学異方性層
20 偏光子
22 密着層
100A,100B 円偏光板

Claims (12)

  1. 第1光学異方性層、第2光学異方性層、第3光学異方性層、および、第4光学異方性層をこの順に有し、
    前記第1光学異方性層が、Cプレートであり、
    前記第2光学異方性層が、Aプレートであり、
    前記第3光学異方性層が、厚み方向にのびる螺旋軸に沿って捩れ配向した液晶化合物を固定してなる層であり、
    前記第4光学異方性層が、Cプレートであり、
    前記第1光学異方性層がネガティブCプレートである場合、前記第2光学異方性層がネガティブAプレートであり、前記第3光学異方性層の前記液晶化合物が棒状液晶化合物であり、前記第4光学異方性層がポジティブCプレートであり、
    前記第1光学異方性層がポジティブCプレートである場合、前記第2光学異方性層がポジティブAプレートであり、前記第3光学異方性層の前記液晶化合物が円盤状液晶化合物であり、前記第4光学異方性層がネガティブCプレートであり、
    前記第2光学異方性層の面内遅相軸と、前記第3光学異方性層の前記第2光学異方性層側の表面での面内遅相軸とのなす角が0~30°の範囲内である、位相差フィルム。
  2. 前記液晶化合物の捩れ角度が80±30°の範囲内である、請求項1に記載の位相差フィルム。
  3. 前記第1光学異方性層の波長550nmにおける厚み方向のレタデーションの絶対値が5~100nmである、請求項1または2に記載の位相差フィルム。
  4. 前記第2光学異方性層の波長550nmにおける面内レタデーションが120~240nmである、請求項1~3のいずれか1項に記載の位相差フィルム。
  5. 波長550nmにおける前記第3光学異方性層の屈折率異方性Δnと前記第3光学異方性層の厚みdとの積Δndの値が120~240nmである、請求項1~4のいずれか1項に記載の位相差フィルム。
  6. 前記第4光学異方性層の波長550nmにおける厚み方向のレタデーションの絶対値が5~100nmである、請求項1~5のいずれか1項に記載の位相差フィルム。
  7. 第1光学異方性層、第2光学異方性層、第3光学異方性層、および、第4光学異方性層をこの順に有し、
    前記第1光学異方性層と前記第2光学異方性層とが直接接しているか、密着層を介して積層されており、
    前記第2光学異方性層と前記第3光学異方性層とが直接接しているか、密着層を介して積層されており、
    前記第3光学異方性層と前記第4光学異方性層とが直接接しているか、密着層を介して積層されており、
    以下の要件1~4の少なくとも1つを満たす、位相差フィルム。
    要件1:前記第1光学異方性層の平均屈折率と、前記第1光学異方性層の前記第2光学異方性層側の表面と接している層の平均屈折率との差が0.10以下である。
    要件2:前記第2光学異方性層の平均屈折率と、前記第2光学異方性層の前記第1光学異方性層側の表面と接している層の平均屈折率との差、および、前記第2光学異方性層の平均屈折率と、前記第2光学異方性層の前記第3光学異方性層側の表面と接している層の平均屈折率との差の少なくとも一方が、0.10以下である。
    要件3:前記第3光学異方性層の平均屈折率と、前記第3光学異方性層の前記第2光学異方性層側の表面と接している層の平均屈折率との差、および、前記第3光学異方性層の平均屈折率と、前記第3光学異方性層の前記第4光学異方性層側の表面と接している層の平均屈折率との差の少なくとも一方が、0.10以下である。
    要件4:前記第4光学異方性層の平均屈折率と、前記第4光学異方性層の前記第3光学異方性層側の表面と接している層の平均屈折率との差が0.10以下である。
  8. 第1光学異方性層、第2光学異方性層、第3光学異方性層、および、第4光学異方性層をこの順に有し
    前記第1光学異方性層が、Cプレートであり、
    前記第2光学異方性層が、Aプレートであり、
    前記第3光学異方性層が、厚み方向にのびる螺旋軸に沿って捩れ配向した液晶化合物を固定してなる層であり、
    前記第4光学異方性層が、Cプレートであり、
    前記第1光学異方性層と前記第2光学異方性層、前記第2光学異方性層と前記第3光学異方性層、および、前記第3光学異方性層と前記第4光学異方性層、の少なくとも1つが密着層を介して積層され、
    前記密着層の平均屈折率と、前記密着層と隣接する光学異方性層の平均屈折率との差が0.10以下である、位相差フィルム。
  9. 前記第2光学異方性層と前記第3光学異方性層とが密着層を介して積層され、
    前記密着層の平均屈折率と、前記第2光学異方性層の平均屈折率との差が0.08以下であり、
    前記密着層の平均屈折率と、前記第3光学異方性層の平均屈折率との差が0.08以下である、請求項7または8に記載の位相差フィルム。
  10. 以下の要件1~4の全てを満たす、請求項8に記載の位相差フィルム。
    要件1:前記第1光学異方性層の平均屈折率と、前記第1光学異方性層の前記第2光学異方性層側の表面と接している層の平均屈折率との差が0.10以下である。
    要件2:前記第2光学異方性層の平均屈折率と、前記第2光学異方性層の前記第1光学異方性層側の表面と接している層の平均屈折率との差、および、前記第2光学異方性層の平均屈折率と、前記第2光学異方性層の前記第3光学異方性層側の表面と接している層の平均屈折率との差の少なくとも一方が、0.10以下である。
    要件3:前記第3光学異方性層の平均屈折率と、前記第3光学異方性層の前記第2光学異方性層側の表面と接している層の平均屈折率との差、および、前記第3光学異方性層の平均屈折率と、前記第3光学異方性層の前記第4光学異方性層側の表面と接している層の平均屈折率との差の少なくとも一方が、0.10以下である。
    要件4:前記第4光学異方性層の平均屈折率と、前記第4光学異方性層の前記第3光学異方性層側の表面と接している層の平均屈折率との差が0.10以下である。
  11. 偏光子と、請求項1~10のいずれか1項に記載の位相差フィルムとを含む、円偏光板。
  12. 請求項1~10のいずれか1項に記載の位相差フィルムまたは請求項11に記載の円偏光板を含む、表示装置。
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