JP2022180696A - 石英ガラスルツボ及びその製造方法並びにシリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

石英ガラスルツボ及びその製造方法並びにシリコン単結晶の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶化促進剤の塗布膜が剥離を防ぎ、結晶化促進剤の濃度の面内分布をできるだけ均一に維持することが可能な石英ガラスルツボ及びその製造方法並びにシリコン単結晶の製造方法を提供する。【解決手段】本発明による石英ガラスルツボ1は、シリカガラスからなるルツボ基体10と、ルツボ基体10の内表面10iに形成された結晶化促進剤を含有した塗布膜13とを備えている。塗布膜13の剥離強度は0.3kN/m以上である。【選択図】図2

Description

本発明は、石英ガラスルツボ及びその製造方法に関し、特に、チョクラルスキー法(CZ法)によるシリコン単結晶の引き上げに用いられる石英ガラスルツボに関する。また、本発明は、そのような石英ガラスルツボを用いたシリコン単結晶の製造方法に関するものである。
シリコン単結晶の多くはCZ法により製造されている。CZ法は、石英ガラスルツボ内で多結晶シリコン原料を融解してシリコン融液を生成し、シリコン融液に種結晶を浸漬し、石英ガラスルツボ及び種結晶を回転させながら種結晶を徐々に引き上げることにより、種結晶の下端に大きな単結晶を成長させる。CZ法によれば大口径シリコン単結晶の歩留まりを高めることが可能である。
石英ガラスルツボはシリコン単結晶の引き上げ工程中にシリコン融液を保持するシリカガラス製の容器である。そのため、石英ガラスルツボにはシリコンの融点以上の高温下で変形せず、長時間の使用に耐えられる高い耐久性が求められる。またシリコン単結晶の不純物汚染を防止するため高純度であることが求められる。
シリコン単結晶の引き上げ時にシリコン融液と接する石英ガラスルツボの内表面にはブラウンリングと呼ばれる褐色のリング状のクリストバライトの結晶が成長することが知られている。ブラウンリングがルツボの表面から剥離してシリコン融液中に混入すると、融液対流に乗って固液界面まで運ばれて単結晶中に取り込まれるおそれがあり、クリストバライトの剥離はシリコン単結晶の有転位化の原因となる。そのため、結晶化促進剤によりルツボの内表面を積極的に結晶化させて結晶片の剥離を防止することが行われている。
ルツボの内表面を結晶化により強化する方法に関し、例えば特許文献1には、従来よりも効率が改善されたルツボのための失透剤が記載されている。この失透剤は、バリウム、及びタンタル、タングステン、ゲルマニウム、スズ、又はそれらの2つ以上の組み合わせを含むもので、構築中にルツボに溶け込ませ、最終的なルツボの表面に適用され、及び/又は結晶引上げに使用されるシリコン融液に添加される。
特許文献2には、向上した無転位性能を有する表面処理ルツボが記載されている。このルツボは、ガラス質シリカの本体の側壁形成物の内表面及び外表面にそれぞれ分布された第一及び第二失透促進剤を含む。第一失透促進剤は、結晶成長の間に半導体材料がルツボ中で溶融するときに、溶融半導体材料と接触するルツボの内表面に、実質的に失透したシリカの第一層が形成されるように分布される。また第二失透促進剤は、結晶成長の間に半導体材料がルツボ中で溶融するときに、ルツボの外表面に、実質的に失透したシリカの第二層が形成されるように分布される。
特許文献3には、マルチ引き上げなどの非常に長時間の単結晶引き上げ工程に耐えることができる石英ガラスルツボが記載されている。この石英ガラスルツボは、石英ガラスからなるルツボ本体と、ルツボ本体の内面及び外面にそれぞれ形成された第1及び第2の結晶化促進剤含有塗布膜とを備える。第1及び第2の結晶化促進剤含有塗布膜は高分子を含み、結晶化促進剤は水に不溶なバリウム化合物である。結晶化促進剤の作用により、ルツボ本体の内面及び外面の表層部にはドーム状又は柱状の結晶粒の集合からなる結晶層が形成される。
特表2019-509969号公報 特開平9-110590号公報 特開2020-0200236号公報
上記のように、結晶化促進剤を塗布する方法はルツボの内表面を均一に結晶化させる上で有効である。しかし、ルツボ内には多量の多結晶シリコン塊が充填され、ルツボの底面には相当大きな荷重がかかるだけでなく、個々のシリコン塊はその製造過程で細かく破砕されて鋭利な角部を有するため、結晶化促進剤の塗布膜の損傷が問題となる。ルツボ内に多結晶シリコン原料を充填してからその融解が完了するまでの間に、結晶化促進剤の塗布膜の一部が剥離した場合、ルツボの内表面を均一に結晶化させることが難しくなるため、剥離しにくい塗布膜の形成が強く求められている。
したがって、本発明の目的は、結晶化促進剤の塗布膜の剥離を防ぎ、結晶化促進剤の濃度の面内分布をできるだけ均一に維持することが可能な石英ガラスルツボ及びその製造方法を提供することにある。また本発明の目的は、そのような石英ガラスルツボを用いたシリコン単結晶の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明による石英ガラスルツボは、シリカガラスからなるルツボ基体と、前記ルツボ基体の内表面に形成された結晶化促進剤を含有した塗布膜とを備え、前記塗布膜の剥離強度が0.3kN/m以上であることを特徴とする。
本発明によれば、結晶化促進剤の塗布膜の剥離を防止することができる。したがって、単結晶引き上げ工程中にルツボ基体の内表面を均一に結晶化させることができ、シリコン単結晶の有転位化やピンホールの発生を防止して歩留まりを高めることができる。
本発明において、前記結晶化促進剤の濃度は2.5×1015atoms/cm以下であり、前記塗布膜の剥離強度は0.6kN/m以上であることが好ましい。塗布膜の剥離強度が0.6kN/m以上であれば、前記結晶化促進剤の濃度が2.5×1015atoms/cm以下であっても、ルツボ基体の内表面を均一に結晶化させることができる。
本発明において、前記結晶化促進剤の濃度は2.5×1015atoms/cmより高いことが好ましい。結晶化促進剤の濃度が2.5×1015atoms/cmよりも高い場合には、塗布膜の剥離強度が低いことで仮に一部が剥離した場合でも、その強力な結晶化促進剤の作用により、結晶化が横方向にも進行して剥離部分の結晶化が可能である。したがって、ルツボ基体の内表面を均一に結晶化させることができる。
本発明において、前記ルツボ基体の底部における前記塗布膜の範囲はルツボ外径の0.25倍以上1倍以下の範囲であることが好ましい。このように、ルツボ外径の少なくとも0.25倍の範囲内において塗布膜の剥離強度を0.3kN/m以上とすることにより、クリストバライトの剥離によるシリコン単結晶の有転位化及びシリコン単結晶のピンホール発生率を低減することができる。
本発明において、前記底部の中心から前記ルツボ基体の外径の0.5倍以下の範囲内に形成された前記塗布膜の剥離強度は0.9kN/m以上であることが好ましい。これにより、シリコン単結晶の有転位化及びピンホールの発生確率を低減することができる。
本発明において、前記結晶化促進剤は2a族元素(Mg,Ca,Sr,Ba)の分子内に炭素原子をもたない水溶性の化合物であることが好ましい。これにより、塗布膜中の炭素濃度を低減することができ、シリコン単結晶の炭素汚染を低減することができる。また、水への溶解度が高く、水溶液の取り扱いも容易であるため、ルツボ表面への結晶化促進剤の均一な塗布を容易に実現することができる。
前記塗布膜の厚さは0.1μm以上50μm以下であることが好ましい。これにより、ルツボ基体の内表面に均一な塗布膜を形成することができる。
前記塗布膜の表面粗さ(Ra)は0.1μm以上0.25μm以下であることが好ましい。これにより、塗布膜の剥離を防止してルツボ基体の内表面を均一に結晶化させることができる。
前記塗布膜及び前記ルツボ基体の内表面から深さ0μm以上300μm以下の範囲内の平均炭素濃度は1.0×1012atoms/cc以上3.0×1019atoms/cc以下であることが好ましい。本発明による石英ガラスルツボは、ルツボ基体の内表面近傍のみならず結晶化促進剤を含有した塗布膜中の炭素濃度が低減されているので、シリコン単結晶に取り込まれる炭素を低減することができる。
前記塗布膜中の平均炭素濃度は3.0×1018atoms/cc以下であることが好ましい。これにより、シリコン単結晶に取り込まれる炭素をさらに低減することができる。なお塗布膜中の平均炭素濃度はSIMSにより測定することができる。
また、本発明による石英ガラスルツボの製造方法は、シリカガラスからなるルツボ基体を作製する工程と、結晶化促進剤を含有した塗布液を吹き付けることで前記ルツボ基体の内表面に結晶化促進剤の塗布膜を形成する工程とを備え、前記塗布液を吹き付ける工程は、気体と液体をスプレー先で混合して噴霧する二流体ノズルを用いて平均液滴径を5μm以上1000μm以下として吹き付けることを特徴とする。
本発明によれば、ルツボ表面での塗布液の液だれを防止して結晶化促進剤を均一に塗布することができる。したがって、ルツボ基体の内表面に均一な塗布膜を形成することができ、塗布膜の剥離強度を高めることができる。
本発明において、前記塗布膜を形成する工程は、一回の塗布で形成する前記塗布膜の最大厚さを0.5μm以下とし、前記塗布膜の乾燥と再塗布とを交互に繰り返すことにより前記塗布膜を多層化することが好ましい。これにより、緻密で均一な塗布膜を形成することができ、塗布膜の剥離強度を高めることができる。
本発明において、前記塗布液の噴霧量は300mL/min以下であることが好ましい。このように、塗布液の噴霧量を300mL/min以下に抑えることにより、緻密な塗布膜を均一に形成することができる。
前記結晶化促進剤は2a族元素(Mg,Ca,Sr,Ba)の分子内に炭素原子をもたない水溶性の化合物であることが好ましい。これにより、塗布膜中の炭素濃度を低減することができ、シリコン単結晶の炭素汚染を低減することができる。また、水への溶解度が高く、水溶液の取り扱いも容易であるため、ルツボ表面への結晶化促進剤の均一な塗布を容易に実現することができる。
前記塗布膜を形成する工程は、前記ルツボ基体を60℃以上500℃以下の温度で加熱しながら前記塗布液の吹き付けを行うことが好ましく、100℃以上180℃以下の温度で加熱することが特に好ましい。この場合、前記塗布液中の溶媒の沸点と前記ルツボ基体との温度差が-40.0℃以上100℃以下になるように前記ルツボ基体を加熱しながら前記塗布液の吹き付けを行うことが好ましく、前記ルツボ基体の加熱温度を溶媒の沸点以上80℃以下とすることがさらに好ましい。これにより、炭酸塩の発生を抑制して塗布膜中の炭素濃度を低減することができる。
前記塗布液を吹き付ける工程は、1×10Pa以上1×10Pa以下の低真空下で行うことが好ましい。このように、加熱されたルツボ基体に対して低真空下で塗布液の吹き付けを行うことにより、溶媒を瞬時に蒸発させて結晶化促進剤を均一に定着させることができ、ルツボ表面での塗布液の液だれ等による塗布膜のばらつきを防止することができる。また、短時間で溶媒を蒸発させることで加熱時間も短くて済むため、炭酸塩の発生を抑制することが可能である。
さらにまた、本発明によるシリコン単結晶の製造方法は、本発明による石英ガラスルツボを用いてシリコン単結晶をCZ法により引き上げることを特徴とする。本発明によれば、シリコン単結晶の有転位化による歩留まりの低下を防止することができる。
本発明によれば、結晶化促進剤の塗布膜が剥離しにくい石英ガラスルツボ及びその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、そのような石英ガラスルツボを用いたシリコン単結晶の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態による石英ガラスルツボの構成を示す略斜視図である。 図2は、図1に示した石英ガラスルツボの略側面断面図及び一部拡大図である。 図3は、塗布膜の剥離強度の測定方法を示す模式図である。 図4は、ルツボ底部の炭素濃度の測定位置を示す略平面図である。 図5は、回転モールド法による石英ガラスルツボの製造方法を示す模式図である。 図6は、ルツボ基体の内表面に結晶化促進剤を塗布する方法を示す模式図である。 図7は、本実施形態による石英ガラスルツボを用いた単結晶引き上げ工程を説明するための図であって、単結晶引き上げ装置の構成を示す略断面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態による石英ガラスルツボの構成を示す略斜視図である。また図2は、図1に示した石英ガラスルツボの略側面断面図及び一部拡大図である。
図1及び図2に示すように、石英ガラスルツボ1は、シリコン融液を保持するためのシリカガラス製の容器であって、円筒状の側壁部10aと、側壁部10aの下方に設けられた底部10bと、側壁部10aと底部10bとの間に設けられたコーナー部10cとを有している。底部10bは緩やかに湾曲したいわゆる丸底であることが好ましいが、いわゆる平底であってもよい。コーナー部10cは、底部10bよりも大きな曲率を有する部位である。
石英ガラスルツボ1の口径(直径)はシリコン融液から引き上げられるシリコン単結晶インゴットの直径によっても異なるが、18インチ(約450mm)以上であり、22インチ(約560mm)が好ましく、32インチ(約800mm)以上が特に好ましい。このような大型ルツボは直径300mm以上の大型シリコン単結晶インゴットの引き上げに用いられ、長時間使用しても単結晶の品質に影響を与えないことが求められるからである。
ルツボの肉厚はその部位によって多少異なるが、18インチ以上のルツボの側壁部10aの肉厚は6mm以上、22インチ以上のルツボの側壁部10aの肉厚は7mm以上、32インチ以上のルツボの側壁部10aの肉厚は10mm以上であることが好ましい。これにより、多量のシリコン融液を高温下で安定的に保持することができる。
図2に示すように、石英ガラスルツボ1は、シリカガラスからなるルツボ基体10と、ルツボ基体10の内表面10iに形成された結晶化促進剤の塗布膜13とを備えている。ルツボ基体10は主に二層構造であって、気泡を含まない透明層11(無気泡層)と、多数の微小な気泡を含む気泡層12(不透明層)とを有し、塗布膜13は透明層11の内側に設けられている。
透明層11は、シリコン融液と接触するルツボ基体10の内表面10iを構成する層であって、シリカガラス中の気泡が原因でシリコン単結晶の歩留まりが低下することを防止するために設けられている。ルツボの内表面10iはシリコン融液と反応して溶損するため、ルツボの内表面近傍の気泡をシリカガラス中に閉じ込めておくことができず、熱膨張によって気泡が破裂してルツボ破片(シリカ破片)が剥離するおそれがある。シリコン融液中に放出されたルツボ破片が融液対流に乗ってシリコン単結晶の成長界面まで運ばれ、シリコン単結晶中に取り込まれた場合には、単結晶の有転位化の原因となる。またシリコン融液中に放出された気泡が浮上して固液界面に到達し、単結晶中に取り込まれた場合には、シリコン単結晶中のピンホールの発生原因となる。
透明層11が気泡を含まないとは、気泡が原因で単結晶化率が低下しない程度の気泡含有率及び気泡サイズを有することを意味する。そのような気泡含有率は例えば0.1vol%以下であり、気泡の直径は例えば100μm以下である。
透明層11の厚さは0.5~10mmであることが好ましく、結晶引き上げ工程中の溶損によって完全に消失して気泡層12が露出することがないように、ルツボの部位ごとに適切な厚さに設定される。透明層11はルツボの側壁部10aから底部10bまでのルツボ全体に設けられていることが好ましいが、シリコン融液と接触することがないルツボの上端部において透明層11を省略することも可能である。
気泡層12は、透明層11よりも外側に位置するルツボ基体10の主要な層であって、ルツボ内のシリコン融液の保温性を高めると共に、単結晶引き上げ装置のヒーターからの輻射熱を分散させてルツボ内のシリコン融液をできるだけ均一に加熱するために設けられている。そのため、気泡層12は側壁部10aから底部10bまでのルツボ全体に設けられている。
気泡層12の気泡含有率は、透明層11よりも高く、0.1vol%よりも大きく且つ5vol%以下であることが好ましい。気泡層12の気泡含有率が0.1vol%以下では気泡層12に求められる保温機能を発揮できないからである。また、気泡層12の気泡含有率が5vol%を超える場合には気泡の熱膨張によりルツボが変形して単結晶歩留まりが低下するおそれがあり、さらに伝熱性が不十分となるからである。保温性と伝熱性のバランスの観点から、気泡層12の気泡含有率は1~4vol%であることが特に好ましい。なお上述の気泡含有率は、使用前のルツボを室温環境下で測定した値である。
シリコン融液の汚染を防止するため、透明層11を構成するシリカガラスは高純度であることが望ましい。そのため、ルツボ基体10は、合成石英粉から形成される合成シリカガラス層(合成層)と、天然石英粉から形成される天然シリカガラス層(天然層)の二層構造を有することが好ましい。合成石英粉は、四塩化珪素(SiCl)の気相酸化(乾燥合成法)やシリコンアルコキシドの加水分解(ゾル・ゲル法)によって製造することができる。また天然石英粉は、α-石英を主成分とする天然鉱物を粉砕して粒状にすることによって製造される。
合成シリカガラス層と天然シリカガラス層の二層構造は、ルツボ製造用モールドの内表面に沿って天然石英粉を堆積し、その上に合成石英粉を堆積し、アーク放電によるジュール熱によりこれらの原料石英粉を溶融することにより製造することができる。アーク溶融工程は原料石英粉の堆積層の外側から強く真空引きすることによって気泡を除去して透明層11を形成し、真空引きを停止又は弱めることによって気泡層12を形成する。そのため、合成シリカガラス層と天然シリカガラス層との境界面は、透明層11と気泡層12との境界面と必ずしも一致するものではないが、合成シリカガラス層は、透明層11と同様に、単結晶引き上げ工程中のルツボ内表面の溶損によって完全に消失しない程度の厚さを有することが好ましい。
本実施形態による石英ガラスルツボ1は、ルツボ基体10の内表面10iが結晶化促進剤の塗布膜13に覆われた構成を有している。結晶化促進剤は、2a族元素(Mg、Ca、Sr、Ba)の化合物であり、単結晶引き上げ工程中にルツボ基体10の内表面10iの結晶化を促進する役割を果たす。本実施形態において、結晶化促進剤は、分子内に炭素原子をもたない水酸化物又は酸化物が好ましく、水に対する溶解度が高く取り扱いが容易な水酸化物が特に好ましい。結晶化促進剤としての2a族元素は、バリウム(Ba)が特に好ましい。バリウムはシリコンよりも偏析係数が小さく、常温で安定していて取り扱いが容易だからである。また、バリウムは結晶化速度が結晶化と共に減衰せず、他の元素よりも配向成長を強く引き起こすなどの利点もある。
結晶化促進剤の塗布膜13はルツボ外径の0.25倍以上1倍以下の範囲に形成される。本実施形態において、結晶化促進剤の塗布膜13は、リム上端付近を除いたルツボ基体10の内表面10iの全体に形成されることが好ましい。リム上端付近を除く理由は、リム上端付近はシリコン融液と接触せず、必ずしも結晶化させる必要がないこと、またリム上端付近は結晶化したときに剥離しやすく、シリコン融液中に混入した結晶片がシリコン単結晶の有転位化の原因となるからである。
塗布膜13の厚さは特に限定されないが、0.1~50μmであることが好ましく、1~20μmであることが特に好ましい。塗布膜13の厚さが薄すぎると塗布膜の剥離強度が弱く、塗布膜13の剥離により結晶化が不均一となるからである。塗布膜13が厚すぎても剥離強度が低下し、結晶化が不均一となる。
塗布膜13は剥離しないことが望ましく、そのためには0.3kN/m以上の剥離強度が必要である。塗布膜13は、ルツボ基体10の少なくとも底部中央領域においてそのような剥離強度を満たす必要があり、塗布膜13の形成領域の全域でそのような剥離強度を満たすことが好ましい。ここで、ルツボ基体10の底部中央領域とは、ルツボ基体10の底部の中心から0.5r(rはルツボの外径(半径))の範囲内の領域ことを言う。
図3は、塗布膜13の剥離強度の測定方法を示す模式図である。
図3に示すように、塗布膜13の剥離強度は、SAICAS(Surface And Interfacial Cutting Analysis System:表面界面切削解析装置)30を用いて測定することができる。SAICAS30は、ダイヤモンド刃31が被膜を斜め切削しているときの垂直荷重F(垂直力)と水平荷重F(水平力)からみなしせん断強度を求めることができ、ダイヤモンド刃31が被膜と基体との界面を平行切削しているときの水平荷重F(水平力)から剥離強度を求めることができる。塗布膜13の剥離強度は、塗布膜13が形成されたルツボ片のサンプル1sをステージ上に設置し、ダイヤモンド刃31で塗布膜13とルツボ基体10との界面(ルツボ基体10の内表面10i)を切削したときの水平荷重Fから求めることができる。
塗布膜13に含まれる結晶化促進剤の濃度は2.5×1015atoms/cm以上であることが好ましい。このように、結晶化促進剤の濃度が比較的高い場合には、仮に結晶化促進剤の一部が剥離した場合でも結晶化を表面方向に促進させてルツボ基体10の内表面10iの均一な結晶化を図ることができる。
一方、ルツボ表面の結晶化促進剤の濃度が高い場合には、ルツボ表面の結晶化速度が速く、結晶化は横方向(表面方向)にも進むため、剥離強度の要求は低濃度の場合よりも緩和される。したがって、ルツボ表面の結晶化促進剤の濃度が2.6×1015atoms/cmよりも高い場合には、結晶化促進剤の剥離強度は0.3kN/m以上であればよい。
結晶化促進剤の濃度は2.5×1015atoms/cm以下であってもよく、その場合の塗布膜13の剥離強度は0.6kN/m以上であることが好ましい。塗布膜の剥離強度が高い場合には、高濃度の結晶化促進剤を使用しなくてもルツボ基体10の内表面10iを確実に結晶化させることができる。
ルツボ表面の結晶化促進剤の濃度が2.6×1015atoms/cm以下と低濃度の場合、結晶化促進剤が剥離するとブラウンリングの結晶核を均一に形成することができないことから、結晶化促進剤の剥離強度は0.6kN/m以上であることが求められる。
ルツボ基体10の底部中央領域において、塗布膜13の剥離強度は0.9kN/m以上であることが特に好ましい。上記のように、石英ガラスルツボ1内には多量の多結晶シリコン原料が充填され、ルツボの底部には非常に大きな荷重がかかるため、塗布膜13が剥離しやすい。しかし、ルツボ基体10の底部の塗布膜13の剥離強度が0.9kN/m以上であれば、そのような大きな荷重がかかった場合でも剥離を防止することができる。
塗布膜13の表面粗さ(Ra)は0.1μm以上0.25μm以下であることが好ましい。塗布膜の表面粗さ(Ra)が0.25μmよりも大きい場合には塗布膜が剥離しやすく、塗布膜の表面粗さ(Ra)を0.1μmよりも小さくすることは製造上困難だからである。
CZ法により育成されるシリコン単結晶中の炭素濃度はできるだけ低いことが望ましく、そのためには石英ガラスルツボ1からの炭素供給量をできるだけ少なくする必要があり、特にルツボ基体10のみならず塗布膜13中の炭素濃度にも注意する必要がある。そのため、本実施形態による石英ガラスルツボ1は、塗布膜13及びルツボ基体10の内表面10iから深さ0μm~300μmの範囲内(すなわち、ルツボ基体10の表層部)の平均炭素濃度が1.0×1012atoms/cc以上3.0×1019atoms/cc以下である。これにより、石英ガラスルツボ1からシリコン融液に溶け込む炭素の量を低減することができ、炭素濃度が低いシリコン単結晶の製造が可能となる。
塗布膜13中の平均炭素濃度は、3.0×1018atoms/cc以下であることが好ましい。塗布膜中の平均酸素濃度が3.0×1018atoms/cc以下であれば、塗布膜からシリコン融液中に供給される炭素の量を低減することができる。
塗布膜13中の平均炭素濃度及びルツボ基体10の内表面から深さ0μm~300μmの範囲内の平均炭素濃度はともに1.3×1016atoms/cc以下であることが好ましい。さらに、ルツボ基体10の内表面から深さ300μm以上2000μm以下の範囲内の平均炭素濃度は1.1×1019atoms/cc以下であることが好ましい。これにより、炭素濃度が十分に低いシリコン単結晶の製造が可能となる。
ルツボ基体10の内表面から深さ300μm~2000μmの範囲内の平均炭素密度は、0μm~300μmの範囲内である表層部の平均炭素密度より高くてもよいが、1.1×1019atoms/cc以下であることが好ましい。
ルツボ内表面における炭素濃度の面内分布のばらつきはルツボ内表面に形成されるクリストバライト層の厚さの面内ばらつきをもたらし、これがクリストバライト結晶の剥離を生じさせる原因となる。特に、ルツボの底部において結晶層が不均一であると、シリコン単結晶中のピンホール発生の原因となる。そのため、ルツボの底部では炭素濃度の面内分布のばらつきが小さいことが望ましい。
具体的には、ルツボの底部の5点P1~P5の炭素濃度を測定したときの変動係数が1.1以下であることが好ましい。ここで、図4に示すように、ルツボの底部の5点とは、底部の中心P1と、当該中心P1から四方向に同じ距離だけ離れた4点P2~P5である。底部の中心P1以外の他の4点P2~P5は、ルツボ基体10の底部の中心P1(第1の測定点)から半径方向に0.08r~0.7r離れた位置(rはルツボ基体10の外径の半径)に設定されることが好ましい。第3~第5の測定点P3~P5は、第2~第4の測定点P2~P4を円周方向時計回りにそれぞれ90°回転させた位置である。
本実施形態による石英ガラスルツボ1は、ルツボ基体10をいわゆる回転モールドによって製造した後、ルツボ基体10の内表面に結晶化促進剤を塗布することにより製造することができる。
図5は、回転モールド法による石英ガラスルツボの製造方法を示す模式図である。
図5に示すように、回転モールド法では、ルツボの外形に合わせたキャビティを有するモールド14を用意し、回転するモールド14の内面14iに沿って天然石英粉16a及び合成石英粉16bを順に充填して原料石英粉の堆積層16を形成する。原料石英粉は遠心力によってモールド14の内面14iに張り付いたまま一定の位置に留まり、ルツボ形状に維持される。
石英ガラスルツボ1の製造では、炭素含有量が6ppm未満の結晶質又は非晶質のシリカ粉を用意し、このシリカ粉を内表面近傍の原料として用いて石英ガラスルツボ1を製造する。石英ガラスルツボの内表面近傍の原料に炭素含有量が非常に低いシリカ粉を使用することにより、ルツボの内表面近傍の炭素濃度を低減することができる。
次に、モールド14内にアーク電極15を設置し、モールド14の内側から原料石英粉の堆積層16をアーク溶融する。加熱時間、加熱温度等の具体的条件は原料石英粉の特性やルツボのサイズなどの条件を考慮して適宜定められる。
ルツボ基体10の内表面10iの炭素濃度を低減するため、アーク電極15としてはかさ比重1.50g/cc~1.75g/cc、比抵抗330μΩcm~600μΩcmのカーボン電極を使用することが好ましい。アーク溶融時にはカーボン電極が表面から酸化消耗することによりCOガスが発生する。ここで、電極の比重や比抵抗が上記範囲を下回る場合には、電極の消耗が激しくなることでCOガスが多量に発生するだけでなく、ルツボの形状にも悪影響を与える。一方、カーボン電極の比重や比抵抗が上記範囲を上回る場合には、カーボンの粒が電極表面から飛散し、アーク熱で燃え尽きる前にルツボ内に取り込まれるおそれがある。しかし、本実施形態では比重及び比抵抗が上記範囲内にあるカーボン電極を使用するので、COガスの増加やカーボンの粒の飛散を抑制することができる。したがって、ルツボ基体10の内表面近傍の炭素濃度を低減することができる。
アーク溶融中はモールド14の内面14iに設けられた多数の通気孔14aから原料石英粉の堆積層16を真空引きすることにより溶融シリカガラス中の気泡量を制御する。具体的には、アーク溶融開始時に原料石英粉を真空引きして透明層11を形成し、透明層11の形成後に原料石英粉に対する真空引きを停止して気泡層12を形成する。
アーク熱は原料石英粉の堆積層16の内側から外側に向かって徐々に伝わり原料石英粉を溶融していくので、原料石英粉が溶融し始めるタイミングで減圧条件を変えることにより、透明層11と気泡層12とを作り分けることができる。すなわち、原料石英粉が溶融するタイミングで減圧を強める減圧溶融を行えば、アーク雰囲気ガスがガラス中に閉じ込められないので、溶融石英は気泡を含まないシリカガラスになる。また、原料石英粉が溶融するタイミングで減圧を弱める通常溶融(大気圧溶融)を行えば、アーク雰囲気ガスがガラス中に閉じ込められるので、溶融シリカは多数の気泡を含むシリカガラスになる。
その後、アーク溶融を終了し、ルツボを冷却する。以上により、ルツボ壁の内側から外側に向かって透明層11及び気泡層12が順に設けられたルツボ基体10が完成する。
次に、リム部を切断するなどして成型後のルツボ基体10を所定の形状に整えた後、洗浄液で洗浄し、さらに純水によるリンスを行う。洗浄液は、半導体グレード以上のフッ化水素酸をTOC≦2ppbの純水で希釈して10~40w%に調製したものが好ましい。
次に、ルツボ基体10の内表面に結晶化促進剤を塗布する。結晶化促進剤を内表面10iに均一に分散させるため、結晶化促進剤を純水(15℃~25℃、17.2MΩ以上、TOC≦2ppb)又は高純度の有機溶媒に溶解させた塗布液を調製する。その際、結晶化促進剤の粒子の溶解性を上げて溶液の濃度を均一にするため攪拌機による攪拌を行う。
次に、ルツボ基体10をクリーンルーム内に設置したハロゲンヒーター又はクリーンオーブンで60℃以上~500℃以下の温度で加熱した後、スプレーノズルによる塗布液の吹き付けを行う。塗布液は高温のルツボに接することで瞬時に溶媒が蒸発し、結晶化促進剤の成分がルツボに定着する。上記のように、結晶化促進剤は2a族元素(Mg,Ca,Sr,Ba)の化合物であり、特に親水性の高い水酸化物はルツボへの定着性を高めるのに最適である。
2a族元素の水酸化物は大気中の炭酸ガスと反応して炭酸塩となる(例えば水酸化バリウムの場合、2.5%が炭酸バリウムとなる)。石英ガラスルツボの内表面の炭素はポリシリコンの融解時に直接シリコン融液に取り込まれる。さらにシリコン単結晶に取り込まれた炭素元素は酸素析出を促進させ、電流リークなどのデバイス性能に影響を与えることから、炭酸塩の生成を低減するため、ルツボの表面温度を500℃以下、好ましくは200℃以下にすることが重要である。さらに、溶媒の蒸発を加速させるため、溶媒の沸点とルツボの温度差が-40.0℃~100℃になるようにルツボ基体10を加熱することが好ましい。
溶媒を短時間で蒸発させて炭酸塩の生成を低減するためには、ルツボ基体10の加熱温度を溶媒の沸点以上80℃以下とすることがさらに好ましい。ルツボ基体10の温度が溶媒の沸点よりも低いと溶媒の蒸発時間が長くなり、塗布膜の厚さや結晶化促進剤の濃度分布が不均一になり、これにより塗布膜の剥離強度が低下するからである。また、溶媒の蒸発時間が長くなると、ルツボの表面で塗布液の凝縮が起こる可能性があり、これにより炭素濃度が高く且つ不均一になるおそれがある。ルツボ基体10の温度が80℃以下であれば、炭酸塩の発生を十分に抑制して塗布膜中の炭素濃度を低減することができる。
塗布液の吹き付けでは、気体と液体をスプレー先で混合して噴霧する二流体ノズルを用いることが好ましく、平均液滴径を5μm~1000μmに調整することが好ましい。液滴径が大きすぎると塗布液の定着が不均一となり、塗布膜の均一性が低下して剥離強度が低下するからであり、また液滴径が小さすぎると塗布液の吹き付けが困難だからである。平均液滴径は200μm以下であることが特に好ましい。
塗布液の噴霧量は300mL/min以下が好ましい。塗布液の噴霧量が300mL/minよりも大きくなると塗布面に液だれが発生しやすく、結晶化促進剤の均一な定着が困難となるからである。
塗布液の吹き付けは、1×10Pa~1×10Paの低真空下で行うことが好ましい。低圧(真空)下ほうが溶媒の蒸発が加速されて結晶化促進剤を均一に定着させることができ、剥離強度の高い塗布膜を形成することができる。また、短時間で溶媒を蒸発させることで加熱時間も短くて済むため、炭酸塩の発生を抑制可能である。
塗布膜の形成では、一回の塗布で形成する結晶化促進剤の厚さを最大0.5μm程度とし、目的の濃度になるまで複数回に分けて塗布することが好ましい。これにより、塗布膜の強度をより強固にすることができる。
塗布液を吹き付ける際にルツボを単純に加熱するだけでは、塗布膜が斑状になやすく、緻密で均一な塗布膜を形成することは難しい。しかし、塗布条件を上記のように制御することにより、緻密で均一な塗布膜を形成することができ、塗布膜の剥離強度を向上させることができる。
図6は、ルツボ基体10の内表面10iに結晶化促進剤を塗布する方法を示す模式図である。
図6に示すように、結晶化促進剤の塗布では、ルツボ基体10の開口が上向きの状態で回転支持体17A上に設置し、ルツボ基体10の内側に設置したロボットアーム18の先端部に取り付けたスプレーノズル19から塗布液6を噴霧する。このとき、塗布液6の液だれを防止するため、ルツボ基体10の外側にヒーター17Bを設置し、ルツボ基体10を60℃~500℃に加熱しながら塗布することが好ましく、100℃~180℃が特に好ましい。ルツボ基体10の表面温度が60℃以上であれば、ルツボ基体10の表面で溶媒が瞬時に蒸発するのでルツボ基体10の内表面10iに結晶化促進剤を均一に定着させることができる。
結晶化促進剤が金属の水酸化物である場合、大気中の炭酸ガスと反応して炭酸塩となる。例えば、大気・常圧雰囲気において、水酸化バリウムはその2.5%が炭酸バリウムとなる。塗布膜13中の炭酸塩は、シリコン単結晶の炭素濃度を増加させる原因となる。このような炭酸塩の生成を抑制するためには、結晶化促進剤を塗布する際のルツボの表面温度を500℃以下にすることが好ましく、溶媒の沸点以上80℃以下にすることが特に好ましい。これにより、塗布膜の総重量に占める炭酸塩の重量比率を20.0w%以下に抑えることができる。
図7は、本実施形態による石英ガラスルツボ1を用いた単結晶引き上げ工程を説明するための図であって、単結晶引き上げ装置の構成を示す略断面図である。
図7に示すように、CZ法によるシリコン単結晶の引き上げ工程には単結晶引き上げ装置20が使用される。単結晶引き上げ装置20は、水冷式のチャンバー21と、チャンバー21内においてシリコン融液を保持する石英ガラスルツボ1と、石英ガラスルツボ1を保持するカーボンサセプタ22と、カーボンサセプタ22を回転及び昇降可能に支持する回転シャフト23と、回転シャフト23を回転及び昇降駆動するシャフト駆動機構24と、カーボンサセプタ22の周囲に配置されたヒーター25と、ヒーター25の石英ガラスルツボ1の上方であって回転シャフト23と同軸上に配置された単結晶引き上げ用ワイヤー28と、チャンバー21の上方に配置されたワイヤー巻き取り機構29とを備えている。
チャンバー21は、メインチャンバー21aと、メインチャンバー21aの上部開口に連結された細長い円筒状のプルチャンバー21bとで構成されており、石英ガラスルツボ1、カーボンサセプタ22及びヒーター25はメインチャンバー21a内に設けられている。プルチャンバー21bの上部にはメインチャンバー21a内にアルゴンガス等の不活性ガス(パージガス)やドーパントガスを導入するためのガス導入口21cが設けられており、メインチャンバー21aの下部にはメインチャンバー21a内の雰囲気ガスを排出するためのガス排出口21dが設けられている。
カーボンサセプタ22は、高温下で軟化した石英ガラスルツボ1の形状を維持するために用いられるものであり、石英ガラスルツボ1を包むように保持する。石英ガラスルツボ1及びカーボンサセプタ22はチャンバー21内においてシリコン融液を支持する二重構造のルツボを構成している。
カーボンサセプタ22は回転シャフト23の上端部に固定されており、回転シャフト23の下端部はチャンバー21の底部を貫通してチャンバー21の外側に設けられたシャフト駆動機構24に接続されている。
ヒーター25は石英ガラスルツボ1内に充填された多結晶シリコン原料を融解してシリコン融液3を生成すると共に、シリコン融液3の溶融状態を維持するために用いられる。ヒーター25は抵抗加熱式のカーボンヒーターであり、カーボンサセプタ22内の石英ガラスルツボ1を取り囲むように設けられている。
シリコン単結晶2の成長と共に石英ガラスルツボ1内のシリコン融液の量は減少するが、融液面の高さが一定になるように石英ガラスルツボ1を上昇させる。
ワイヤー巻き取り機構29はプルチャンバー21bの上方に配置されており、ワイヤー28はワイヤー巻き取り機構29からプルチャンバー21b内を通って下方に伸びており、ワイヤー28の先端部はメインチャンバー21aの内部空間まで達している。この図には、育成途中のシリコン単結晶2がワイヤー28に吊設された状態が示されている。シリコン単結晶2の引き上げ時には石英ガラスルツボ1とシリコン単結晶2とをそれぞれ回転させながらワイヤー28を徐々に引き上げてシリコン単結晶2を成長させる。
単結晶引き上げ工程中、ルツボの内表面は結晶化するが、結晶化促進剤の作用によりルツボの内表面の結晶化が均一に進むので、ブラウンリングの剥離によるシリコン単結晶の有転位化を防止することができる。また、石英ガラスルツボ1は軟化するが、ルツボの内表面の結晶化が均一に進むので、ルツボの強度を確保して変形を抑制することができる。したがって、ルツボが変形して炉内部材と接触したり、ルツボ内の容積が変化してシリコン融液3の液面位置が変動したりすることを防止することができる。
以上説明したように、本実施形態による石英ガラスルツボ1は、シリカガラスからなるルツボ基体10と、ルツボ基体10の内表面10iに形成された結晶化促進剤の塗布膜13とを備え、塗布膜13の剥離強度が0.3kN/m以上であるので、塗布膜13の剥離によるルツボ内表面の肌荒れ、ピンホールの発生、及び単結晶の有転位化を低減することができる。
また本実施形態による石英ガラスルツボの製造方法は、ルツボ基体10の内表面10iに結晶化促進剤の塗布液を吹き付ける際に、気体と液体をスプレー先で混合して噴霧する二流体ノズルを使用し、塗布液の平均液滴径を5μm以上1000μm以下として吹き付けるので、液滴径を小さくして緻密な塗布膜を形成することができ、これにより塗布膜の剥離強度を高めることができる。
さらに、本実施形態による石英ガラスルツボの製造方法は、結晶化促進剤を含有した塗布液をルツボ基体10の内表面に吹き付けて結晶化促進剤の塗布膜を形成する際に、一回の塗布で形成する塗布膜の最大厚さを0.5μm以下とし、目的の炭素濃度となるまで塗布膜の乾燥と再塗布とを交互に繰り返して塗布膜13を多層化するので、剥離強度が高い塗布膜を形成することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態においては、ルツボ基体10の内表面10iが結晶化促進剤の塗布膜13に覆われ、外表面10oは塗布膜に覆われていないが、内表面10iと外表面10oの両方が結晶化促進剤の塗布膜に覆われていてもよい。すなわち、結晶化促進剤の塗布膜は、ルツボ基体10の少なくとも内表面10iを覆っていればよい。さらに、塗布膜13は必ずしもルツボ基体のリム上端近傍を除いた内表面の全体に形成されている必要はなく、側壁部10aの内表面の塗布膜を省略してもよい。すなわち、塗布膜13は、少なくともルツボ基体10の底部中央領域(底部中心から0.5r範囲内)の内表面に設けられていればよい。
また、上記実施形態においては、ルツボ基体10の内表面に塗布液を吹き付ける際にルツボ基体10を上向きの状態としたが、例えばルツボ基体10を上下反転させた下向きの状態で塗布液を塗布することも可能である。さらに、ルツボ基体10の加熱は結晶化促進剤を塗布しながら行ってもよく、ルツボ基体10を予め加熱した後に塗布を行ってもよく、さらにはルツボ基体10を予め加熱した後に結晶化促進剤を塗布する際に、塗布工程中のルツボ基体10の温度の急激な低下を防止するため、予備加熱のときとは別の加熱手段を用いてルツボの加熱を継続しながら結晶化促進剤の塗布を実施することも可能である。
<結晶化促進剤の塗布膜の剥離強度の評価(1)>
32インチ石英ガラスルツボを構成するルツボ基体を回転モールド法により作製した。実施例1~4並びに比較例1~4によるルツボ基体は、同種の多結晶シリコン原料を用いて同一条件下で作製した。
石英粉のアーク溶融時には、かさ比重1.50g/cc~1.75g/cc、比抵抗330μΩcm~600μΩcmのカーボン電極を使用した。ルツボ基体は、内表面側の溶融時に原料粉を支持する回転モールドの外側から原料粉を真空引きして透明層を形成し、その後、真空引きを停止又は吸引力を弱めて気泡層を形成した。
次に、ルツボ基体を洗浄液で洗浄し、純水でリンスした後、ルツボの内表面に結晶化促進剤を塗布した。洗浄液には半導体グレードのフッ化水素酸をTOC≦2ppbの純水(17.2MΩ以上、15~25℃)で希釈して10~40w%に調製したものを用いた。結晶化促進剤には水酸化バリウム水溶液を用い、スプレー法により均一に塗布した。結晶化促進剤の塗布時にはルツボ基体をハロゲンヒーターで加熱し、ルツボの表面温度を測定しながら塗布を行った。
結晶化促進剤の吹き付けには二流体ノズルを用い、平均液滴径が200μm程度となるように噴霧条件を調整した。液滴径の確認には、レーザ回折式粒子径分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製AEROTRACII)を用いた。一回の塗布で形成する結晶化促進剤の塗布膜の厚さを0.5μm程度とし、目的の濃度となるまで複数回に分けて繰り返し塗布した。こうして、表1に示すように、ルツボ基体の内表面に結晶化促進剤の塗布膜が形成された石英ガラスルツボを完成させた。
結晶化促進剤の塗布膜の形成では、ルツボの底部(ルツボの底部の中心からルツボ外径の0.5倍以内の範囲)における結晶化促進剤の濃度が2.6×1015atoms/cm以下となるように塗布条件を調整した。また、底部と底部以外とで結晶化促進剤の濃度が異なるように塗布条件を調整した。こうして比較例1~4並びに実施例1~4による石英ガラスルツボを完成させた。
次に、各石英ガラスルツボにおいて結晶化促進剤の塗布膜の剥離強度をSAICASにより測定した。剥離強度は、ルツボの底部と底部以外の剥離強度をそれぞれ測定した。ルツボの底部の剥離強度の測定位置は、ルツボの底部の中心の一点とした。またルツボの底部以外の剥離強度の測定位置は、底部の中心からルツボ外径の0.55~0.6倍の範囲内の任意の一点とした。
次に、比較例A1~A4並びに実施例A1~A4による石英ガラスルツボと同一条件で製造された同一特性の別のルツボサンプルを使用してシリコン単結晶の引き上げを行い、使用後のルツボの内表面の剥離及び肌荒れの程度を評価した。またシリコン単結晶の歩留まり(無転位化率)を評価した。なお、単結晶の歩留まりは、多結晶原料に対する単結晶の重量比である。その結果を表1に示す。表1において、剥離の程度が「少」とは塗布面積に対して剥離部分の面積が0.1%未満のことを言い、「中」とは0.1%以上0.5%未満、「多」とは0.5%以上のことを言う。内面荒れの評価は、ブラウンリングが剥がれてシリカガラスがむき出しになって凸凹になった部分の面積占有率を評価したものであり、「多」は50%以上、「中」は20%以上50%未満、「少」は20%未満を示している。
Figure 2022180696000002
表1に示すように、比較例A1による石英ガラスルツボの内表面の結晶化促進剤の濃度は、底部において2.6×1014atoms/cm、底部以外において3.1×1014atoms/cmであった。結晶化促進剤の塗布膜の剥離強度は、底部において0.2kN/m、底部以外において0.3kN/mであった。このルツボサンプルと同一条件で製造した同一特性の別のルツボサンプルを用いてシリコン単結晶の引き上げを行ったところ、使用済みルツボの内表面に形成されたクリストバライト(ブラウンリング)の剥離の程度はルツボの底部と底部以外の両方で多かった。また使用済みルツボの内表面の肌荒れも多かった。当該石英ガラスルツボを用いて引き上げられたシリコン単結晶の歩留まりは61.5%となり、80%を下回る結果となった。
比較例A2による石英ガラスルツボの内表面の結晶化促進剤の濃度は、底部において2.4×1014atoms/cm、底部以外において2.1×1015atoms/cmであった。結晶化促進剤の塗布膜の剥離強度は、底部において0.2kN/m、底部以外において0.5kN/mであった。このルツボサンプルと同一条件で製造した同一特性の別のルツボサンプルを用いてシリコン単結晶の引き上げを行ったところ、使用済みルツボの内表面に形成されたクリストバライト(ブラウンリング)の剥離の程度はルツボの底部で多かったが、底部以外では中程度であった。また使用済みルツボの内表面の肌荒れは中程度であった。当該石英ガラスルツボを用いて引き上げられたシリコン単結晶の歩留まりは62.2%となり、80%を下回る結果となった。
比較例A3による石英ガラスルツボの内表面の結晶化促進剤の濃度は、底部において2.6×1015atoms/cm、底部以外において2.5×1015atoms/cmであった。結晶化促進剤の塗布膜の剥離強度は、底部において0.5kN/m、底部以外において0.6kN/mであった。このルツボサンプルと同一条件で製造した同一特性の別のルツボサンプルを用いてシリコン単結晶の引き上げを行ったところ、使用済みルツボの内表面に形成されたクリストバライト(ブラウンリング)の剥離の程度はルツボの底部で中程度であったが、底部以外では少なかった。また使用済みルツボの内表面の肌荒れは中程度であった。当該石英ガラスルツボを用いて引き上げられたシリコン単結晶の歩留まりは69.1%となり、80%を下回る結果となった。
比較例A4による石英ガラスルツボの内表面の結晶化促進剤の濃度は、底部において2.3×1015atoms/cm、底部以外において2.8×1014atoms/cmであった。結晶化促進剤の塗布膜の剥離強度は、底部において0.4kN/m、底部以外において0.2kN/mであった。このルツボサンプルと同一条件で製造した同一特性の別のルツボサンプルを用いてシリコン単結晶の引き上げを行ったところ、使用済みルツボの内表面に形成されたクリストバライト(ブラウンリング)の剥離の程度はルツボの底部で中程度であったが、底部以外では多かった。また使用済みルツボの内表面の肌荒れは中程度であった。当該石英ガラスルツボを用いて引き上げられたシリコン単結晶の歩留まりは65.2%となり、80%を下回る結果となった。
実施例A1による石英ガラスルツボの内表面の結晶化促進剤の濃度は、底部において2.
5×1014atoms/cm、底部以外において2.4×1014atoms/cmであった。結晶化促進剤の塗布膜の剥離強度は、底部において0.6kN/m、底部以外においても0.6kN/mであった。このルツボサンプルと同一条件で製造した同一特性の別のルツボサンプルを用いてシリコン単結晶の引き上げを行ったところ、使用済みルツボの内表面に形成されたクリストバライト(ブラウンリング)の剥離の程度はルツボの底部と底部以外の両方で少なかった。また使用済みルツボの内表面の肌荒れも少なかった。当該石英ガラスルツボを用いて引き上げられたシリコン単結晶の歩留まりは81.2%となり、80%を超える良好な結果となった。
実施例A2による石英ガラスルツボの内表面の結晶化促進剤の濃度は、底部において2.
6×1014atoms/cm、底部以外において2.4×1015atoms/cmであった。結晶化促進剤の塗布膜の剥離強度は、底部において0.7kN/m、底部以外においても1.2kN/mであった。このルツボサンプルと同一条件で製造した同一特性の別のルツボサンプルを用いてシリコン単結晶の引き上げを行ったところ、使用済みルツボの内表面に形成されたクリストバライト(ブラウンリング)の剥離の程度はルツボの底部と底部以外の両方で少なかった。また使用済みルツボの内表面の肌荒れも少なかった。当該石英ガラスルツボを用いて引き上げられたシリコン単結晶の歩留まりは83.6%となり、80%を超える良好な結果となった。
実施例A3による石英ガラスルツボの内表面の結晶化促進剤の濃度は、底部において2.
0×1015atoms/cm、底部以外において2.6×1015atoms/cmであった。結晶化促進剤の塗布膜の剥離強度は、底部において1.0kN/m、底部以外においても1.1kN/mであった。このルツボサンプルと同一条件で製造した同一特性の別のルツボサンプルを用いてシリコン単結晶の引き上げを行ったところ、使用済みルツボの内表面に形成されたクリストバライト(ブラウンリング)の剥離の程度はルツボの底部と底部以外の両方で少なかった。また使用済みルツボの内表面の肌荒れも少なかった。当該石英ガラスルツボを用いて引き上げられたシリコン単結晶の歩留まりは85.3%となり、80%を超える良好な結果となった。
実施例A4による石英ガラスルツボの内表面の結晶化促進剤の濃度は、底部において2.
0×1015atoms/cm、底部以外において2.6×1015atoms/cmであった。結晶化促進剤の塗布膜の剥離強度は、底部において1.0kN/m、底部以外においても1.1kN/mであった。このルツボサンプルと同一条件で製造した同一特性の別のルツボサンプルを用いてシリコン単結晶の引き上げを行ったところ、使用済みルツボの内表面に形成されたクリストバライト(ブラウンリング)の剥離の程度はルツボの底部と底部以外の両方で少なかった。また使用済みルツボの内表面の肌荒れも少なかった。当該石英ガラスルツボを用いて引き上げられたシリコン単結晶の歩留まりは85.3%となり、80%を超える良好な結果となった。
<結晶化促進剤の塗布膜の剥離強度の評価(2)>
ルツボの底部における結晶化促進剤の濃度が2.6×1015atoms/cmよりも高くなるように塗布条件を調整した点以外は「剥離強度の評価(1)」と同様にして比較例1~3並びに実施例1~3による石英ガラスルツボを完成させた。その後、「剥離強度の評価(1)」と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2022180696000003
表2に示すように、比較例B1による石英ガラスルツボの内表面の結晶化促進剤の濃度は、底部及び底部以外の両方において5.2×1015atoms/cmであった。結晶化促進剤の塗布膜の剥離強度は、底部及び底部以外の両方において0.2kN/mであった。このルツボサンプルと同一条件で製造した同一特性の別のルツボサンプルを用いてシリコン単結晶の引き上げを行ったところ、使用済みルツボの内表面に形成されたクリストバライト(ブラウンリング)の剥離の程度はルツボの底部と底部以外の両方で多かった。また使用済みルツボの内表面の肌荒れも多かった。当該石英ガラスルツボを用いて引き上げられたシリコン単結晶の歩留まりは70.2%となり、80%を下回る結果となった。
比較例B2による石英ガラスルツボの内表面の結晶化促進剤の濃度は、底部において5.2×1015atoms/cm、底部以外において2.8×1016atoms/cmであった。結晶化促進剤の塗布膜の剥離強度は、底部において0.1kN/m、底部以外において0.4kN/mであった。このルツボサンプルと同一条件で製造した同一特性の別のルツボサンプルを用いてシリコン単結晶の引き上げを行ったところ、使用済みルツボの内表面に形成されたクリストバライト(ブラウンリング)の剥離の程度はルツボの底部で多かったが、底部以外では中程度であった。また使用済みルツボの内表面の肌荒れは中程度であった。当該石英ガラスルツボを用いて引き上げられたシリコン単結晶の歩留まりは72.3%となり、80%を下回る結果となった。
比較例B3による石英ガラスルツボの内表面の結晶化促進剤の濃度は、底部において4.9×1017atoms/cm、底部以外において2.4×1015atoms/cmであった。結晶化促進剤の塗布膜の剥離強度は、底部において0.2kN/m、底部以外において0.3kN/mであった。このルツボサンプルと同一条件で製造した同一特性の別のルツボサンプルを用いてシリコン単結晶の引き上げを行ったところ、使用済みルツボの内表面に形成されたクリストバライト(ブラウンリング)の剥離の程度はルツボの底部で多かったが、底部以外では中程度であった。また使用済みルツボの内表面の肌荒れは中程度であった。当該石英ガラスルツボを用いて引き上げられたシリコン単結晶の歩留まりは71.5%となり、80%を下回る結果となった。
実施例B1による石英ガラスルツボの内表面の結晶化促進剤の濃度は、底部及び底部以外の両方において5.2×1015atoms/cmであった。結晶化促進剤の塗布膜の剥離強度は、底部において0.3kN/m、底部以外において0.4kN/mであった。このルツボサンプルと同一条件で製造した同一特性の別のルツボサンプルを用いてシリコン単結晶の引き上げを行ったところ、使用済みルツボの内表面に形成されたクリストバライト(ブラウンリング)の剥離の程度はルツボの底部及び底部以外の両方で中程度であった。使用済みルツボの内表面の肌荒れは少なかった。当該石英ガラスルツボを用いて引き上げられたシリコン単結晶の歩留まりは80.2%となり、80%を超える良好な結果となった。
実施例B2による石英ガラスルツボの内表面の結晶化促進剤の濃度は、底部において2.
8×1016atoms/cm、底部以外において5.2×1015atoms/cmであった。結晶化促進剤の塗布膜の剥離強度は、底部において1.0kN/m、底部以外において0.3kN/mであった。このルツボサンプルと同一条件で製造した同一特性の別のルツボサンプルを用いてシリコン単結晶の引き上げを行ったところ、使用済みルツボの内表面に形成されたクリストバライト(ブラウンリング)の剥離の程度はルツボの底部では少なく、底部以外では中程度であった。また使用済みルツボの内表面の肌荒れも少なかった。当該石英ガラスルツボを用いて引き上げられたシリコン単結晶の歩留まりは87.6%となり、80%を超える良好な結果となった。
実施例B3による石英ガラスルツボの内表面の結晶化促進剤の濃度は、底部において2.6×1016atoms/cm、底部以外において4.9×1017atoms/cmであった。結晶化促進剤の塗布膜の剥離強度は、底部において1.3kN/m、底部以外においても1.1kN/mであった。このルツボサンプルと同一条件で製造した同一特性の別のルツボサンプルを用いてシリコン単結晶の引き上げを行ったところ、使用済みルツボの内表面に形成されたクリストバライト(ブラウンリング)の剥離の程度はルツボの底部と底部以外の両方で少なかった。また使用済みルツボの内表面の肌荒れも少なかった。当該石英ガラスルツボを用いて引き上げられたシリコン単結晶の歩留まりは87.8%となり、80%を超える良好な結果となった。
<結晶化促進剤の塗布膜の厚さの評価>
石英ガラスルツボの内表面に形成された結晶化促進剤の塗布膜の厚さとシリコン単結晶の歩留まりとの相関を評価した。その結果を表3に示す。
Figure 2022180696000004
表3の比較例C1~C4に示すように、結晶化促進剤の塗布膜の厚さが72.5μm以上の場合には、シリコン単結晶の歩留まりを80%以上にすることができなかった。これに対し、実施例C1~C4に示すように、結晶化促進剤の塗布膜の厚さが50μm以下の場合には、シリコン単結晶の歩留まりを80%以上にすることができた。
<結晶化促進剤の塗布膜の表面粗さの評価>
石英ガラスルツボの内表面に形成された結晶化促進剤の塗布膜の表面粗さ(Ra)とシリコン単結晶の歩留まりとの相関を評価した。その結果を表4に示す。
Figure 2022180696000005
表4の比較例D1~D4に示すように、結晶化促進剤の塗布膜の表面粗さ(Ra)が0.27μm以上の場合には、シリコン単結晶の歩留まりを80%以上にすることができなかった。これに対し、実施例D1~D4に示すように、結晶化促進剤の塗布膜の表面粗さ(Ra)が0.25μm以下の場合には、シリコン単結晶の歩留まりを80%以上にすることができた。
1 石英ガラスルツボ
1s ルツボサンプル
2 シリコン単結晶
3 シリコン融液
6 塗布液
10 ルツボ基体
10a 側壁部
10b 底部
10c コーナー部
10i ルツボ基体の内表面
10o ルツボ基体の外表面
11 透明層
12 気泡層
13 結晶化促進剤の塗布膜
14 モールド
14a 通気孔
14i モールドの内面
15 アーク電極
16 石英粉の堆積層
16a 天然石英粉
16b 合成石英粉
17A 回転支持体
17B ヒーター
18 ロボットアーム
19 スプレーノズル
20 単結晶引き上げ装置
21 チャンバー
21a メインチャンバー
21b プルチャンバー
21c ガス導入口
21d ガス排出口
22 カーボンサセプタ
23 回転シャフト
24 シャフト駆動機構
25 ヒーター
28 単結晶引き上げ用ワイヤー
29 ワイヤー巻き取り機構
30 SAICAS
31 ダイヤモンド刃

Claims (19)

  1. シリカガラスからなるルツボ基体と、
    前記ルツボ基体の内表面に形成された結晶化促進剤を含有した塗布膜とを備え、
    前記塗布膜の剥離強度が0.3kN/m以上であることを特徴とする石英ガラスルツボ。
  2. 前記結晶化促進剤の濃度が2.5×1015atoms/cm以下であり、
    前記塗布膜の剥離強度が0.6kN/m以上である、請求項1に記載の石英ガラスルツボ。
  3. 前記結晶化促進剤の濃度が2.5×1015atoms/cmより高い、請求項1に記載の石英ガラスルツボ。
  4. 前記ルツボ基体の底部における前記塗布膜の範囲がルツボ外径の0.25倍以上1倍以下の範囲である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の石英ガラスルツボ。
  5. 前記底部の中心から前記ルツボ基体の外径の0.5倍以下の範囲内に形成された前記塗布膜の剥離強度が0.9kN/m以上である、請求項4に記載の石英ガラスルツボ。
  6. 前記結晶化促進剤が2a族元素(Mg,Ca,Sr,Ba)の分子内に炭素原子をもたない水溶性の化合物である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の石英ガラスルツボ。
  7. 前記塗布膜の厚さが0.1μm以上50μm以下である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の石英ガラスルツボ。
  8. 前記塗布膜の表面粗さ(Ra)が0.1μm以上0.25μm以下である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の石英ガラスルツボ。
  9. 前記塗布膜及び前記ルツボ基体の内表面から深さ0μm以上300μm以下の範囲内の平均炭素濃度が1.0×1012atoms/cc以上3.0×1019atoms/cc以下である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の石英ガラスルツボ。
  10. 前記塗布膜中の平均炭素濃度が3.0×1018atoms/cc以下である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の石英ガラスルツボ。
  11. シリカガラスからなるルツボ基体を作製する工程と、
    結晶化促進剤を含有した塗布液を吹き付けることで前記ルツボ基体の内表面に結晶化促進剤の塗布膜を形成する工程とを備え、
    前記塗布液を吹き付ける工程は、気体と液体をスプレー先で混合して噴霧する二流体ノズルを用いて平均液滴径を5μm以上1000μm以下として吹き付けることを特徴とする石英ガラスルツボの製造方法。
  12. 一回の塗布で形成する前記塗布膜の最大厚さを0.5μm以下とし、前記塗布膜の乾燥と再塗布とを交互に繰り返すことにより前記塗布膜を多層化する、請求項11に記載の石英ガラスルツボの製造方法。
  13. 前記塗布液の噴霧量が300mL/min以下である、請求項11又は12に記載の石英ガラスルツボの製造方法。
  14. 前記結晶化促進剤が2a族元素(Mg,Ca,Sr,Ba)の分子内に炭素原子をもたない水溶性の化合物である、請求項11乃至13のいずれか一項に記載の石英ガラスルツボの製造方法。
  15. 前記ルツボ基体を60℃以上500℃以下の温度で加熱しながら前記塗布液の吹き付けを行う、請求項11乃至14のいずれか一項に記載の石英ガラスルツボの製造方法。
  16. 前記塗布液中の溶媒の沸点と前記ルツボ基体との温度差が-40.0℃以上100℃以下になるように前記ルツボ基体を加熱しながら前記塗布液の吹き付けを行う、請求項11乃至15のいずれか一項に記載の石英ガラスルツボの製造方法。
  17. 前記ルツボ基体を100℃以上180℃以下の温度で加熱しながら前記塗布液の吹き付けを行う、請求項11乃至16のいずれか一項に記載の石英ガラスルツボの製造方法。
  18. 1×10Pa以上1×10Pa以下の低真空下で前記ルツボ基体を加熱しながら前記塗布液の吹き付けを行う、請求項11乃至17のいずれか一項に記載の石英ガラスルツボの製造方法。
  19. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の石英ガラスルツボを用いてシリコン単結晶をCZ法により引き上げることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
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