JP4517953B2 - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)を用いたシリコン単結晶の製造方法に関し、さらに詳しくは、シリコン単結晶の引上げ時に石英ルツボ内表面に生成する結晶相の剥がれを防止して、単結晶の歩留りを向上させることができるシリコン単結晶の製造方法に関する。
CZ法によってシリコン単結晶を育成させる場合、多結晶シリコン原料を石英ルツボ内に装入し、その中で溶解する。多結晶シリコンが完全に溶解した後、種結晶をシリコン融液に浸し、石英ルツボを回転させながらシリコン単結晶を引上げていく。
石英ルツボは高温にさらされるので、その内表面では石英ガラスの結晶化が進み、ルツボの内表面に斑点状の石英ガラスの結晶相が形成される。この結晶化はルツボに含まれる不純物が核になって進行する。
近年、シリコン単結晶の大口径化に伴い石英ルツボも大型になってきているが、大量のシリコン原料を溶融するために石英ルツボの側壁はより高温にさらされる。さらに、同一のルツボで複数本のシリコン単結晶の引上げを行う場合には、操業が長時間にわたり、その間ルツボは高温にさらされることになる。そのため、ルツボの内表面は劣化し易く、結晶相が形成される可能性がますます高くなる。
この結晶相は、構造的には外周部のリング状に茶褐色を呈する領域とその内側の透明または白色の領域からなっている。このような斑点状に不均一に形成された結晶相は剥離し易い状態にあり、特に内側の透明または白色の部分が剥離すると、それがシリコン単結晶の成長を阻害し、結晶中に有転位化を招く等、シリコン単結晶の育成に悪影響が生じる。そのため、シリコン単結晶の安定した引上げが困難となり、また、単結晶の歩留が低下する。
この問題を解決するために、特許文献1では、石英ルツボの内表面にバリウムその他のアルカリ土類金属を含有する失透促進剤を付着させ加熱して失透したシリカ層を全面に形成させることにより内表面の均一な溶解を促進し、溶融多結晶シリコン原料中への結晶シリカ粒子の放出を減少させる方法が提案されている。
しかし、ルツボ内表面へ失透促進剤を付着させる方法が、失透促進剤の水溶液または非水溶媒溶液を表面に滴下被覆または吹きつけ被覆する方法であるため、均一に付着させることはできない。このため、不均一な失透が石英ルツボの内表面で起こり、失透が弱い所から剥離するという問題があった。なお、失透とは、単結晶引上げが終了した後、石英ルツボが冷却(270℃程度以下)されたときに結晶化層が白く見える状態を指して言うが、ここでは結晶化と言い換えてもよい。
特許第3054362号
本発明は、前述した従来技術における問題点を解決し、失透を促進させる炭酸バリウムを石英ルツボ内表面に均一に付着させてその面を均一に結晶化(クリストバライト化)させ、シリコン単結晶の引上げが行われている間、石英ルツボ内表面に生成される結晶相の剥離を防止し、大口径のシリコン単結晶の安定した引上げ、さらには、同一のルツボでの複数本のシリコン単結晶の連続引上げを可能とするシリコン単結晶の製造方法の提供を目的としている。
本発明者らは、前記の課題を解決するために検討を重ねた結果、CZ法により石英ルツボ内で多結晶シリコンを溶融しこの融液から単結晶を引上げ、成長させるに際し、石英ルツボの内表面側を帯電させることにより、その表面に炭酸バリウムを均一に付着させ得ることを見出した。これにより、石英ルツボ内表面に均一な結晶化層を形成させ、結晶相の剥離を防止することが可能となる。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その要旨は、下記のシリコン単結晶の製造方法にある。
すなわち、CZ法により、石英ルツボ内で多結晶シリコンを溶融しこの融液から単結晶を引上げるシリコン単結晶の製造方法において、石英ルツボ内表面側を帯電させ、当該表面に炭酸バリウムを均一に付着させた石英ルツボを使用するシリコン単結晶の製造方法である。
前記本発明のシリコン単結晶の製造方法において、石英ルツボ内表面の炭酸バリウム付着量を10μg/cm2以下とするのが望ましい。
なお、ここで言う「石英ルツボ内表面の炭酸バリウム付着量」とは、炭酸バリウムの付着量を石英ルツボ内表面の単位面積当たりのバリウムの付着量(μg/cm2)に換算して、表示したものである。
前記本発明の方法において、単結晶の引上げは、石英ルツボ内表面側を帯電させた後5時間以内に行うのが望ましい。また、石英ルツボ内表面側を放電を利用して帯電させるのが望ましい。
本発明のシリコン単結晶の製造方法によれば、石英ルツボ内表面に不均一に生成される結晶相の剥離、特にリング状に茶褐色を呈する部分よりも内側の部分の剥離を防止してシリコン単結晶の育成に対する悪影響を抑制し、大口径のシリコン単結晶を安定して引上げ、製造することができる。さらに、同一のルツボにより連続して複数本のシリコン単結晶を製造することも可能である。
以下に、本発明のシリコン単結晶の製造方法を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明のシリコン単結晶の製造方法を実施することができるシリコン単結晶引上装置の構成例を模式的に示す図である。
図1に例示した装置は、カーボンルツボ2に保持された石英ルツボ1と、石英ルツボ1に装入される多結晶シリコン原料を加熱、溶解するためのヒーター4を備えている。カーボンルツボ2の底部中央には回転および上下動可能に構成されたルツボ軸3が取り付けられている。石英ルツボ1としては、後述するように、ルツボ内表面側を帯電させ、当該表面に炭酸バリウム5(炭酸バリウムの付着位置を表す)を均一に付着させた石英ルツボ1を用いる。
石英ルツボ1およびヒーター4の周りには断熱材6が設けられ、また、引上げられる単結晶を囲繞し、石英ルツボ1内のシリコン融液表面からの放熱を遮蔽するための遮蔽部材7が取り付けられている。
石英ルツボ1の中心軸上には、ルツボ軸3と同一軸上で石英ルツボ1と逆方向または同方向に回転する引上げ軸(ワイヤ)9が配設されており、引上げ軸9の下端には種結晶8が保持されている。なお、図示していないが、装置全体が気密に構成され、上部および下部にアルゴンガスの導入口および排出口が取り付けられている。
このように構成されたシリコン単結晶引上装置を用いて本発明のシリコン単結晶の製造方法を実施するには、石英ルツボ1内に多結晶シリコン原料を装入してアルゴンガス雰囲気中で加熱、溶解し、そのシリコン融液10に種結晶8を浸漬して単結晶の育成を開始する。
続いて、種結晶8を回転させながら引上げ軸9で引き上げ、結晶を無転位化するために種結晶を細く絞るシード絞りを行い、所定の直径を有するボディ(定径部)にするための肩を形成した後、所定の直径でシリコン単結晶11を成長させる。この間、ルツボ軸3を回転させることにより石英ルツボ1を種結晶8と同方向または逆方向に回転させる。単結晶11が目標長さに達すると終端部のテイル絞りを行い、単結晶の育成を終了する。
このように、本発明のシリコン単結晶の製造方法は、CZ法によりシリコン単結晶を製造するに際し、石英ルツボ内表面側を帯電させ(以下、単に「石英ルツボを帯電させ」ともいう)、当該表面に炭酸バリウムを均一に付着させた石英ルツボを使用する方法である。
この本発明の方法において、石英ルツボを帯電させるのは、当該表面に炭酸バリウムを均一に付着させるためである。具体的には、帯電によって、石英ルツボ内表面に均一に静電気が発生し炭酸バリウム粉末を局所的に付着させることなく、均一に付着させることができる。
石英ルツボ内表面に炭酸バリウムを均一に付着させることができれば、炭酸バリウムの失透効果によりルツボ内表面に均一な結晶化層を形成させることができ、前述の不均一な結晶相の形成、剥離を防止することが可能となる。
石英ルツボを帯電させる方法について特に限定はしないが、次に述べるように、放電を利用して帯電させるのが望ましい。
例えば、大気中で実施できるコロナ放電を利用することにより、石英ルツボ内表面側を比較的容易に帯電させることができる。
図2は、コロナ放電による石英ルツボの帯電方法を例示する説明図である。同図に示すように、石英ルツボ1を接地(アース)し、石英ルツボ1の開口部付近に取り付けた放電電極12に高電圧を印加することによりコロナ放電を生じさせると、石英ルツボ1の内表面側を帯電させることができる。
帯電させる際の印加電圧は5〜50kVとするのが望ましい。5kV未満では、石英ルツボを十分に帯電させることができず、不均一結晶相の剥離防止が十分ではない。また、50kVを超える高電圧では、一度帯電した石英ルツボが放電を起こし易くなる。より望ましい印加電圧は、8〜15kVである。
本発明のシリコン単結晶の製造方法においては、このように石英ルツボ内表面側を帯電させ、当該表面に炭酸バリウムを均一に付着させる。なお、ここで言う「均一に」とは、外見上均一であることを意味する。また、前記炭酸バリウムの付着は、石英ルツボを帯電させた後、速やかに行う。
図3は、石英ルツボの内表面に炭酸バリウムを均一に付着させる方法を例示する説明図である。同図中に白抜き矢印で示すように、石英ルツボ1をその中心軸の周りに回転させながら、ルツボ1の中心軸上に取り付けた投入ノズル13からルツボ1の中心部に向けて炭酸バリウム粉末を投入する。その際、投入ノズル13の先端を石英ルツボ1のコーナー部14(石英ルツボの直胴部と湾曲した底部の境界)が位置するレベルから上方へ移動させて行くのが効果的である。
投入ノズル13から投入され、ルツボ1の底部内面に達した炭酸バリウム粉末にはルツボ1の回転による遠心力が働くので、投入ノズル13の上方への移動による分散効果と相俟って、炭酸バリウム粉末をルツボ1の底部から側壁部に亘り分散させることができる。さらに、ルツボ内表面の帯電によって炭酸バリウム粉末の付着が均一化されるので、石英ルツボの内表面に炭酸バリウムを均一に付着させることが可能となる。
石英ルツボ1の回転速度は、5〜20rpmが望ましい。ルツボ1の回転が遅すぎると炭酸バリウムのルツボ1内表面への付着が不均一となり易く、また、20rpmを超えると炭酸バリウムが石英ルツボ1から飛び出してしまうおそれがある。
前記石英ルツボ1内へ投入する炭酸バリウム粉末の粒径は、特に規定はしないが、ルツボ内表面に均一に分散し易いように、平均粒径で1μm以下とするのが望ましい。
炭酸バリウムを付着させた石英ルツボの内表面における炭酸バリウム付着量についても特に限定はなく、炭酸バリウムがルツボの内表面に外見上均一に付着していれば効果があるが、10μg/cm2以下(但し、天然石英ルツボの場合)とするのが望ましい。炭酸バリウム付着量がこの範囲内であれば、後述する実施例に示すように、結晶化層が厚くなり過ぎず、シリコン単結晶の良品率を高く維持できる。
なお、石英ルツボが合成石英ルツボの場合は、炭酸バリウム付着量を5μg/cm2以下とするのが望ましい。炭酸バリウムは合成石英に対する失透効果が非常に大きいため、炭酸バリウム付着量をにすると石英内部まで失透が進行し、石英の破損を招くおそれがあるからである。
通常のシリコン単結晶の製造では、石英ルツボの内表面側を全面に亘って帯電させ炭酸バリウムを均一に付着させる。しかし、用途によっては石英ルツボの直胴部、または底部に限定して帯電させ炭酸バリウムを付着させる場合もあり、前述の方法によれば、そのような帯電、付着も可能である。
本発明のシリコン単結晶の製造方法では、このように石英ルツボ内表面側を帯電させ、当該表面に炭酸バリウムを均一に付着させた石英ルツボを使用する。この石英ルツボへの シリコン原料の装入、ならびに単結晶の引上げ(ここでは、原料の加熱・溶解、単結晶の育成、引上げを含む原料装入後の工程全体を指す)は、通常用いられている方法に準じて行えばよい。
但し、前記単結晶の引上げは、石英ルツボを帯電させた後5時間以内とするのが望ましい。なお、前述したように、石英ルツボを帯電させた後、速やかに炭酸バリウムを付着させるので、前記の「帯電させた後」とは、実質的に「帯電させたルツボ内表面に炭酸バリウムを付着させた後」を意味する。
前記帯電させた後、その石英ルツボを5時間を超えて放置すると、帯電の効果が弱くなり、石英ルツボの内表面を均一に結晶化させることができなくなる。より望ましい帯電後の放置時間は2時間以内である。
以上説明したように、内表面に炭酸バリウムを均一に付着させた石英ルツボを使用してシリコン単結晶の引上げを行うことにより、石英ルツボの内表面に安定した均一な結晶層を形成させることが可能となる。その結果、石英ルツボ内表面に生成される結晶相の剥離(特に、リング状に茶褐色を呈する部分よりも内側の部分の剥離)を防止してシリコン単結晶の育成に対する悪影響を抑制することができ、大口径のシリコン単結晶の安定した引上げ、さらには、同一のルツボによる複数本のシリコン単結晶の製造も可能となる。
(実施例1)
前記図1に示した構成を有するシリコン単結晶引上装置を用い、CZ法により多結晶シリコン原料の装入および単結晶の引上げを行い、シリコン単結晶の良品率および石英ルツボ内表面の状態(斑点状に生成した結晶相の剥離状況)を調査した。
石英ルツボとして、内径22インチの天然石英ルツボを使用し、シリコン原料を装入する前に、石英ルツボの内表面をコロナ放電(電圧を10kV)により帯電させた後、当該表面に炭酸バリウムを付着させ、その付着量を5〜20μg/cm2の範囲で変化させた。
これらの石英ルツボ内にそれぞれ高純度の多結晶シリコン140kgを装入し、さらに、ドーパントとして所定量のホウ素(B)を添加した。ホウ素の添加量は、シリコン単結晶育成時に、その比抵抗がシリコン単結晶前半で10Ω・cmになるように調整した。なお、比較のために、炭酸バリウムを付着させる処理を行わない場合についても、同様に単結晶育成を行った。
シリコン単結晶引上装置のチャンバー内はアルゴン雰囲気とし、直径200mmのp型<100>シリコン単結晶を育成した。
表1に、石英ルツボの内表面における炭酸バリウム付着量、シリコン単結晶の良品率および石英ルツボ内表面の状態を示す。「シリコン単結晶の良品率」とは、単結晶の引上げ総数に対する合格数の比で、炭酸バリウムの付着無しのときの良品率を1.00として表示した。また、「石英ルツボ内表面の状態」とは、斑点状に生成した結晶相において、外周部のリング状に茶褐色を呈する部分よりも内側の部分(以下、「リングの内側」という)の剥離状況である。
Figure 0004517953
表1に示したように、炭酸バリウム付着無しの場合、リングの内側が約50%剥離したが、炭酸バリウム付着量を5μg/cm2以上にすると剥離が見られなくなった。しかし、20μg/cm2では結晶化が進行して厚い失透層が観察され、一部で失透層が剥離する現象が認められた。
さらに、詳細に調査した結果、炭酸バリウム付着量が10μg/cm2を超えると失透が起こりやすくなり、シリコン単結晶の良品率の向上の程度が低減することが確認できた。これらの結果から明らかなように、炭酸バリウムは、付着量で10μg/cm2以下となるように付着させるのが望ましい。一方、炭酸バリウム付着量の下限は、表1の結果から判断して5μg/cm2とするのが望ましい。
(実施例2)
前記図1に示した構成を有するシリコン単結晶引上装置を用いてCZ法により多結晶シリコン原料の装入および単結晶の引上げを実施するに際し、1個の石英ルツボを使用し複数本の単結晶を連続して育成するマルチ引上げを行い、炭酸バリウムを付着させた石英ルツボの耐久性を確認した。
石英ルツボとして、内径22インチの天然石英ルツボを使用し、実施例1の場合と同様に、帯電させた後、炭酸バリウムをその付着量が8μg/cm2となるように付着させた。
このルツボ内に、多結晶シリコンを最初は140kg装入し、実施例1の場合と同様にシリコン単結晶の育成を開始し、約100kgの単結晶を育成した後、追加のチャージ(原料装入)を行って2本目の単結晶を育成するという操業を繰り返すマルチ引上げ操業を実施した。なお、比較のために、炭酸バリウムを付着させる処理を行っていない合成石英ルツボを使用して、同様にシリコン単結晶を育成した。
表2に、マルチ引上げの調査結果を示す。「評価」の欄の「○印」はシリコン単結晶の引上げを支障なく実施できたことを、「×印」は引上げに支障が生じたことを表す。
Figure 0004517953
表2に示したように、石英ルツボの内表面に炭酸バリウムを付着させることにより、1個の天然石英ルツボを継続使用して結晶の引上げを5本実施しても、何ら支障のないことが確認できた。これに対し、炭酸バリウム付着処理を行っていない場合は、合成石英ルツボを使用しても2本が限界であった。
(実施例3)
前記図1に示した構成を有するシリコン単結晶引上装置を用いてCZ法により多結晶シリコン原料の装入および単結晶の引上げを実施するに際し、石英ルツボを帯電させ、炭酸バリウムを付着させた後、シリコン原料を装入してシリコン単結晶の引き上げを行うタイミングについて調査した。
石英ルツボとしては、内径22インチの天然石英ルツボを使用し、実施例1の場合と同様に、帯電させた後、炭酸バリウムをその付着量が8μg/cm2となるように付着させた。このルツボ内に多結晶シリコン140kgを装入し、実施例1の場合と同様に、シリコン単結晶を育成した。その際、帯電させ、炭酸バリウムを付着させた後シリコン単結晶の引き上げ開始までの放置時間を30分〜24時間の範囲内で変更して、シリコン単結晶の良品率および石英ルツボ内表面の状態に及ぼす影響を調べた。
表3に、調査結果を示す。「シリコン単結晶の良品率」および「石英ルツボ内表面の状態」とは、実施例1の場合と同様で、良品率については、帯電後の放置時間が30分の場合の良品率を1.00として表示した。
Figure 0004517953
表3に示したように、石英ルツボを帯電させた後の放置時間が5時間を超えると、シリコン単結晶の良品率が低下する。この結果から明らかなように、石英ルツボを帯電させた後の放置時間は5時間以内とするのが望ましい。
本発明のシリコン単結晶の製造方法によれば、石英ルツボ内表面に不均一に生成される結晶相(特にリング状に茶褐色を呈する部分よりも内側の部分)の剥離を防止してシリコン単結晶の育成に対する悪影響を抑制することができ、大口径のシリコン単結晶の安定引上げ、同一のルツボによる複数本のシリコン単結晶の製造が可能である。
したがって、このシリコン単結晶の製造方法は、大口径のシリコン単結晶の製造、さらにはマルチ引上げによるシリコン単結晶の製造に好適に利用することができる。
本発明のシリコン単結晶の製造方法を実施することができるシリコン単結晶引上装置の構成例を模式的に示す図である。 コロナ放電による石英ルツボの帯電方法を例示する説明図である。 石英ルツボの内表面に炭酸バリウムを均一に付着させる方法を例示する説明図である。
符号の説明
1:石英ルツボ
2:カーボンルツボ
3:ルツボ軸
4:ヒーター
5:炭酸バリウム
6:断熱材
7:遮蔽部材
8:種結晶
9:引上げ軸
10:シリコン融液
11:シリコン単結晶
12:放電電極
13:投入ノズル
14:コーナー部

Claims (4)

  1. チョクラルスキー法により、石英ルツボ内で多結晶シリコンを溶融しこの融液から単結晶を引上げるシリコン単結晶の製造方法において、石英ルツボ内表面側を帯電させ、当該表面に炭酸バリウムを均一に付着させた石英ルツボを使用することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 石英ルツボ内表面の炭酸バリウム付着量が10μg/cm2以下であることを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 単結晶の引上げを石英ルツボ内表面側を帯電させた後5時間以内に行うことを特徴とする請求項1または2に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  4. 石英ルツボ内表面側を放電を利用して帯電させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシリコン単結晶の製造方法。
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