JP2022178016A - トナー搬送装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置 - Google Patents

Abstract

【課題】トナー搬送部材の自由端の近傍でトナーが堆積・凝集してしまう不具合を生じにくくする。【解決手段】所定方向に屈曲する屈曲部６０ａを具備したトナー搬送部６０が設けられている。また、一端側が駆動手段に接続されて他端側が自由端となるようにトナー搬送部６０に内設されて、駆動手段によって回転駆動されてトナーを搬送する屈曲可能なトナー搬送スクリュ６３（トナー搬送部材）が設けられている。また、トナー搬送部６０は、トナー搬送スクリュ６３の自由端の近傍であって一端側に近づく位置に、トナー搬送スクリュ６３によって一端側から他端側に向けて搬送されたトナーを排出するための排出口６ｂが形成されている。そして、トナー搬送スクリュ６３は、排出口６ｂと自由端との間に、他端側から一端側に向けてトナーを搬送可能な逆流搬送部６３ｃが設けられている。【選択図】図４

Description

この発明は、トナーを搬送するトナー搬送装置と、それを備えたプロセスカートリッジ、及び、画像形成装置と、に関するものである。

従来から、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置では、廃トナー等のトナーが搬送されるトナー搬送部（トナー搬送管）において、所定方向に屈曲する屈曲部（湾曲部）が形成されたものが知られている（例えば、特許文献１参照。）。
このような屈曲部を有するトナー搬送部には、屈曲部に沿って屈曲可能なトナー搬送部材（トナー搬送スクリュ）が内設されている。そして、トナー搬送部材が駆動手段によって回転駆動されることによって、トナー搬送部内でトナーが搬送される。

従来のトナー搬送装置は、一部が屈曲した状態で用いられるトナー搬送部材がスムーズに回転するように、駆動側となる一端側の反対側（非駆動側）が自由端となるようにトナー搬送部材をトナー搬送部に設置した場合であって、その自由端の近傍にトナーを排出するための排出口を形成した場合に、その自由端の近傍でトナーが堆積して凝集してしまうことがあった。そして、そのように自由端の近傍でトナーが堆積・凝集してしまうと、そのトナーによってトナー搬送部材の自由端側が変形してしまい、正常なトナーの搬送や排出をおこなえなくなる不具合や、トナー搬送部材が破損してしまう不具合などが生じてしまうことがあった。

この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、トナー搬送部材の自由端の近傍でトナーが堆積・凝集してしまう不具合が生じにくい、トナー搬送装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置、を提供することにある。

この発明におけるトナー搬送装置は、所定方向に屈曲する屈曲部を具備したトナー搬送部と、一端側が駆動手段に接続されて他端側が自由端となるように前記トナー搬送部に内設されて、前記駆動手段によって回転駆動されてトナーを搬送する屈曲可能なトナー搬送部材と、を備え、前記トナー搬送部は、前記トナー搬送部材の前記自由端の近傍であって前記一端側に近づく位置に、前記トナー搬送部材によって前記一端側から前記他端側に向けて搬送されたトナーを排出するための排出口が形成され、前記トナー搬送部材は、前記排出口と前記自由端との間に、前記他端側から前記一端側に向けてトナーを搬送可能な逆流搬送部を具備したものである。

本発明によれば、トナー搬送部材の自由端の近傍でトナーが堆積・凝集してしまう不具合が生じにくい、トナー搬送装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置、を提供することがある。

この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。 プロセスカートリッジを示す概略図である。 プロセスカートリッジにおけるトナー搬送装置を示す概略図である。 （Ａ）トナー搬送装置の要部を示す断面図と、（Ｂ）逆流搬送部が形成された部分を示す断面図と、である。 トナー搬送スクリュが変形した状態を示す図である。 変形例１としての、（Ａ）トナー搬送装置の要部を示す断面図と、（Ｂ）逆流搬送部が形成された部分を示す断面図と、である。 変形例２におけるプロセスカートリッジを示す概略図である。 変形例３における画像形成装置を示す構成図である。

以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。

まず、図１にて、画像形成装置１００における全体の構成・動作について説明する。
図１において、１００は画像形成装置としてのプリンタ、１は表面にトナー像が形成される感光体ドラム、７はパソコンなどの入力装置から入力された画像情報に基づいた露光光Ｌを感光体ドラム１上に照射する露光部（書込み部）、を示す。
また、９は感光体ドラム１の表面に担持されたトナー像を転写ニップ部（転写位置）に搬送されるシートＰに転写する転写ローラ、１０は感光体ドラム１と帯電ローラ４と現像装置５とクリーニング装置２とトナー搬送装置６とが一体化されたプロセスカートリッジ、１２は用紙等のシートＰが収納された給紙装置（給紙カセット）、を示す。
また、１６は感光体ドラム１と転写ローラ９とが当接する転写ニップ部に向けてシートＰを搬送するレジストローラ（タイミングローラ）、２０はシートＰ上の未定着画像を定着する定着装置、２１は定着装置２０に設置された定着ローラ、２２は定着装置２０に設置された加圧ローラ、３０はトナー収納容器、を示す。

ここで、感光体ドラム１の周囲には、帯電ローラ４、現像装置５、クリーニング装置２、トナー搬送装置６（廃トナー搬送装置）、などが配設されている。そして、これらの部材（感光体ドラム１、帯電ローラ４、現像装置５、クリーニング装置２、トナー搬送装置６、である。）は、プロセスカートリッジ１０として一体化されていて、画像形成装置本体１００に対して着脱可能（交換可能）に設置されている。プロセスカートリッジ１０は、一定の交換サイクルで新品のものに交換されることになる。
また、プロセスカートリッジ１０（現像装置５）の上方には、トナー収納容器３０が、画像形成装置本体１００に対して着脱可能（交換可能）に設置されている。トナー収納容器３０の内部（トナー収納部３１）には、トナー（新品のトナーである。）が収納されている。そして、トナー収納容器３０から現像装置５の内部に向けてトナーが適宜に補給されることになる。トナー収納容器３０は、その内部に収容されたトナーが空になると（又は、現像装置５の内部に収容されたトナーが空になると）、新品のものに交換されることになる。なお、本実施の形態におけるトナー収納容器３０には、新品のトナーが収納されたトナー収納部３１の他に、廃トナーが回収される廃トナー回収部３２が設けられている。廃トナー回収部３２は、クリーニング装置２に回収された未転写トナーを廃トナーとして回収するためのものである。

図１及び図２を用いて、画像形成装置１００における、通常の画像形成時の動作について説明する。
図１を参照して、まず、パソコン等の入力装置から画像形成装置１００の露光部７に画像情報が送信されると、露光部７からその画像情報に基づいた露光光Ｌ（レーザ光）が、感光体ドラム１の表面に向けて発せられる。
一方、感光体ドラム１は、矢印方向（時計方向）に回転している。そして、まず、感光体ドラム１の表面は、帯電ローラ４との対向部で、一様に帯電される（帯電工程である。）。こうして、感光体ドラム１上には、帯電電位（－９００Ｖ程度である。）が形成される。その後、帯電された感光体ドラム１の表面は、露光光Ｌの照射位置に達する。そして、露光光Ｌが照射された部分の電位が潜像電位（０～－１００Ｖ程度である。）となって、感光体ドラム１の表面に静電潜像が形成される（露光工程である。）。

その後、静電潜像が形成された感光体ドラム１の表面は、現像装置５との対向位置に達する。そして、現像装置５から感光体ドラム１上にトナーが供給されて、感光体ドラム１上の潜像が現像されてトナー像が形成される（現像工程である。）。
なお、図２に示すように、現像装置５は、現像ローラ５ａ、２つの現像搬送スクリュ５ｂ、５ｃ、ドクターブレード５ｄ、などで構成されている。現像装置５の内部にはトナー（１成分現像剤）が収容されている。また、現像装置５のトナーの消費に応じて、トナー収納容器３０（トナー収納部３１）の排出口３６から現像装置５の補給口６４を介して現像装置５内にトナーが補給される。そして、補給されたトナーは、現像搬送スクリュ５ｂ、５ｃによって、もともと収容されていたトナーとともに撹拌されながら、長手方向（図２の紙面垂直方向である。）に循環搬送される。そして、一方の現像搬送スクリュ５ｂによって搬送されるトナーの一部が現像ローラ５ａに汲み上げられて、現像ローラ５ａに汲み上げられたトナーがドクターブレード５ｄによって適量化された後に、感光体ドラム１との対向位置（現像領域）に達する。このとき、現像ローラ５ａ上のトナーは、ドクターブレード５ｄとの摺接によって摩擦帯電することになる。そして、現像領域で、適量化されたトナーが感光体ドラム１上の静電潜像に付着して、感光体ドラム１上にトナー像が形成されることになる。なお、現像ローラ５ａと２つの現像搬送スクリュ５ｂ、５ｃとは、画像形成装置本体１００に設置された駆動モータから駆動を受けて、それぞれ図２の矢印方向に回転駆動される。

その後、現像工程後の感光体ドラム１の表面は、転写ローラ９との転写ニップ部（転写位置）に達する。そして、転写ローラ９との転写ニップ部で、電源部から転写ローラ９に転写バイアス（トナーの極性とは異なる極性のバイアスである。）が印可されることによって、レジストローラ１６により搬送されたシートＰ上に、感光体ドラム１上に形成されたトナー像が転写される（転写工程である。）。

そして、転写工程後の感光体ドラム１の表面は、クリーニング装置２との対向位置に達する。そして、この位置で、クリーニングブレード２ａによって感光体ドラム１上に残存する未転写トナーが機械的に除去されて、クリーニング装置２内に回収される（クリーニング工程である。）。
こうして、感光体ドラム１上における一連の作像プロセスが終了する。
なお、クリーニング装置２の内部に回収された未転写トナーは、クリーニング装置２内に設置されたトナー搬送スクリュ６３によって幅方向（回転軸方向）の一端側に搬送されて、トナー搬送装置６（図３参照）によって図２の斜め右上方に搬送された後に、トナー搬送装置６の排出口６ｂからトナー収納容器３０の回収口３７を介してトナー収納容器３０（廃トナー回収部３２）の内部に廃トナーとして回収される。
新品のトナー収納容器３０は、トナー収納部３１に新品のトナーが充填されていて、廃トナー回収部３２が空の状態になっていることになる。

なお、トナー収納部３１には、トナー収納部３１内の新品トナーを現像装置５に補給するための補給ローラ３４や、トナー収納部３１内の新品トナーを撹拌する撹拌部材３３Ａ、３３Ｂが設置されている。
また、廃トナー回収部３２には、廃トナー回収部３２内の廃トナーを撹拌する撹拌部材３５が設置されている。

一方、感光体ドラム１と転写ローラ９との転写ニップ部（転写位置）に搬送されるシートＰは、次のように動作する。
まず、給紙装置１２に収納されたシートＰの最上方の１枚が、給紙ローラ１５によって、搬送経路に向けて給送される。
その後、シートＰは、レジストローラ１６の位置に達する。そして、レジストローラ１６の位置に達したシートＰは、感光体ドラム１上に形成された画像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて、転写ニップ部（転写ローラ９と感光体ドラム１との当接位置である。）に向けて搬送される。

そして、転写工程後のシートＰは、転写ニップ部（転写ローラ９）の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置２０に達する。定着装置２０に達したシートＰは、定着ローラ２１と加圧ローラ２２との間に送入されて、定着ローラ２１から受ける熱と双方の部材２１、２２から受ける圧力とによって画像が定着される。画像が定着されたシートＰは、定着ローラ２１と加圧ローラ２２との間（定着ニップ部である。）から送出された後に、画像形成装置本体１００から排出されて、排紙トレイ上に載置される。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。

以下、本実施の形態において特徴的な、トナー搬送装置６の構成・動作について詳述する。
図３、図４に示すように、トナー搬送装置６は、管状のトナー搬送部６０（搬送経路）の内部にトナー搬送部材としてのトナー搬送スクリュ６３が回転可能に設置されたものである。
そして、トナー搬送装置６は、先に図２等を用いて説明したように、クリーニング装置２で回収された未転写トナー（トナー）を廃トナーとして廃トナー回収部３２に向けて搬送する。
なお、本実施の形態において、トナー搬送スクリュ６３は、クリーニング装置２の内部からトナー搬送部６０の最下流部（排出口６ｂが設けられた部分である。）に至る範囲に設けられている。すなわち、トナー搬送スクリュ６３は、クリーニング装置２の内部に回収されたトナー（未転写トナー）を排出口６ｂの位置に向けて図３の矢印方向に搬送するように構成されている。

具体的に、クリーニング装置２の内部に回収されたトナーは、所定方向に回転するトナー搬送スクリュ６３によって搬送されて、トナー搬送部６０に流入される。そして、トナー搬送部６０に流入されたトナーは、所定方向に回転するトナー搬送スクリュ６３によって搬送経路に沿って搬送されて、排出口６ｂから白矢印方向に排出される。そして、排出口６ｂから流出されたトナーが廃トナーとして廃トナー回収部３２に回収されることになる。

ここで、本実施の形態において、トナー搬送部６０は、所定方向に屈曲する屈曲部６０ａが形成されている。特に、本実施の形態では、屈曲部６０ａを境にして上流側の搬送経路と下流側の搬送経路とが略直交するように形成されている。さらに、本実施の形態では、クリーニング装置２とトナー搬送部６０との合流部Ｘも、略直交するように形成されている。
本実施の形態において、トナー搬送部６０（トナー搬送装置６）のケースは、プロセスカートリッジ１０の筐体の一部としても機能している。そして、トナー搬送部６０は、その上流側がクリーニング装置２に連通していて、その下流側にはトナーを廃トナー回収部３２に向けて排出するための排出口６ｂが形成されている。

図３を参照して、トナー搬送部材としてのトナー搬送スクリュ６３は、一端側（感光体ドラム１のドラムギア４０に噛合するギア６４が設置された駆動側である。）が駆動手段（感光体ドラム１を回転駆動する不図示の駆動モータである。）に接続されて、他端側（排出口６ｂが形成された側であって、非駆動側である。）が自由端となるように、トナー搬送部６０に内設されている。
また、トナー搬送スクリュ６３は、樹脂材料などフレキシブルな材料からなり屈曲可能に形成されている。これにより、トナー搬送スクリュ６３は、先に説明した屈曲部６０ａや合流部Ｘの形状に沿って屈曲しながら回転することが可能になる。
このように、トナー搬送スクリュ６３の非駆動側を自由端とすることによって、トナー搬送スクリュ６３を屈曲部６０ａ（及び、合流部Ｘ）で屈曲するように回転駆動しても、その屈曲した部分に大きな内部応力が生じにくくなる。そのため、トナー搬送スクリュ６３が破損しにくく、スムーズに回転することになる。

なお、本実施の形態では、図４（Ａ）に示すように、トナー搬送スクリュ６３の自由端（軸部６３ａの端部）が円錐状に形成されていて、トナー搬送部６０の内壁面に形成されたすり鉢状の嵌合部（不図示）に軽く嵌合するように構成されている。これにより、トナー搬送部６０におけるトナー搬送スクリュ６３の自由端の位置が定まりやすくなる。

また、トナー搬送部６０は、トナー搬送スクリュ６３（トナー搬送部材）の自由端（非駆動側の端部）の近傍であって一端側（搬送方向上流側）に近づく位置に、トナー搬送スクリュ６３によって一端側（搬送方向上流側）から他端側（搬送方向下流側）に向けて搬送されたトナーを排出するための排出口６ｂが形成されている。
そして、トナー搬送スクリュ６３は、駆動手段によって回転駆動されてトナーを搬送することになる。具体的に、不図示の駆動モータによる感光体ドラム１の回転駆動によりトナー搬送スクリュ６３が回転して、クリーニング装置２から排出口６ｂに向けてトナーが搬送されることになる。そして、そのように搬送されたトナーは、排出口６ｂから自重落下により排出されて廃トナー回収部３２に回収されることになる。
なお、図３は、プロセスカートリッジ１０におけるトナーの流れについての理解を容易にするため、廃トナー回収部３２の上下方向の位置関係などを実際のものと異なるように図示している。

ここで、図３、図４を参照して、本実施の形態において、トナー搬送スクリュ６３（トナー搬送部材）は、排出口６ｂと自由端（図４（Ａ）の右端である。）との間に、他端側（図４（Ａ）の右側）から一端側（図４（Ａ）の左側）に向けてトナーを搬送可能な逆流搬送部６３ｃが設けられている。

詳しくは、トナー搬送スクリュ６３は、主に、軸部６３ａと、スクリュ部６３ｂと、逆流搬送部６３ｃと、で構成されている。
スクリュ部６３ｂは、軸部６３ａにおける一端側（搬送方向上流側）と排出口６ｂとの間に巻装されたものである。本実施の形態において、スクリュ部６３ｂは、軸部６３ａ上に、所定のピッチ（スクリュピッチ）で螺旋状に巻装されている。スクリュ部６３ｂは、その外径（スクリュ径）が、トナー搬送部６０の内径（内壁面の内径である。）よりも僅かに小さくなるように形成されている。
逆流搬送部６３ｃは、軸部６３ａにおける排出口６ｂと自由端（図４（Ａ）の右端である。）との間に形成されている。本実施の形態において、逆流搬送部６３ｃは、図４（Ｂ）に示すように、トナー搬送スクリュ６３の回転にともない他端側から一端側に向けての軸流を生じさせるように傾斜したプロペラ状部である。

さらに具体的に、逆流搬送部６３ｃは、プロペラ状（又は、扇風機の羽根状）に形成されている。そして、トナー搬送スクリュ６３が回転駆動されると、逆流搬送部６３ｃによって、トナー搬送部６０の搬送方向下流側に位置するトナーが図４（Ａ）の破線矢印方向に搬送される。そして、そのように逆流搬送部６３ｃによって逆方向（スクリュ部６３ｂによる搬送方向に対する逆方向であって、図４（Ａ）の右側から左側への搬送方向である。）に搬送されたトナーは、排出口６ｂから排出されて廃トナー回収部３２内に回収されることになる。

このように、本実施の形態では、トナー搬送スクリュ６３の自由端の近傍に逆流搬送部６３ｃを設けているため、トナー搬送スクリュ６３の自由端の近傍でトナーが堆積・凝集してしまう不具合が生じにくくなる。
詳しくは、図５に示す比較例としてのトナー搬送装置１６０のように、トナー搬送スクリュ１６３の自由端の近傍に逆流搬送部が設けられていない場合には、その自由端の近傍でトナーＴＧが堆積・凝集しやすくなる。そして、そのように自由端の近傍でトナーＴＧが堆積・凝集してしまうと、そのトナーＴＧによってトナー搬送スクリュ１６３の自由端側が図５に示すように変形しやすくなる。そして、そのようなトナー搬送スクリュ１６３の変形が生じると、トナー搬送装置１６０において正常なトナーの搬送や排出をおこなえなくなる不具合や、トナー搬送スクリュ１６３が破損してしまう不具合などが生じてしまう。
これに対して、本実施の形態では、自由端の近傍でトナーが堆積（滞留）しそうになっても、そのトナーが逆流搬送部６３ｃによって逆方向に搬送されるため、そのようなトナーの堆積（滞留）が生じにくくなり、上述したような不具合の発生が抑止される。

ここで、図４（Ａ）を参照して、本実施の形態では、トナー搬送スクリュ６３の逆流搬送部６３ｃと、トナー搬送部６０の内壁面と、の隙間Ｍが０．２～０．６ｍｍになるように設定されている。
これは、その隙間Ｍが０．６ｍｍを超えてしまうと逆流搬送部６３ｃの搬送性が低下して滞留が解消されにくくなり、その隙間Ｍが０．２ｍｍに達しないと逆流搬送部６３ｃが内壁面に干渉する可能性があるためである。

＜変形例１＞
図６に示すように、変形例１において、トナー搬送スクリュ６３の逆流搬送部６３ｃは、トナー搬送スクリュ６３の回転にともない他端側（図６（Ａ）の右側である。）から一端側（図６（Ａ）の左側である。）に向けての軸流を生じさせるように傾斜したパドル状部である。
詳しくは、逆流搬送部６３ｃは、傾斜したパドル状に形成されている。そして、トナー搬送スクリュ６３が回転駆動されると、逆流搬送部６３ｃによって、トナー搬送部６０の搬送方向下流側に位置するトナーが図６（Ａ）の破線矢印方向に搬送される。そして、そのように逆流搬送部６３ｃによって逆方向（スクリュ部６３ｂによる搬送方向に対する逆方向であって、図６（Ａ）の右側から左側への搬送方向である。）に搬送されたトナーは、排出口６ｂから排出されて廃トナー回収部３２内に回収されることになる。
このように構成されたプロセスカートリッジ１０においても、トナー搬送スクリュ６３の自由端の近傍でトナーが堆積・凝集してしまう不具合を生じにくくすることができる。

＜変形例２＞
図７に示すように、変形例２におけるプロセスカートリッジ１０は、廃トナー回収部３２が設置されておらず、クリーニング装置２で回収された未転写トナーがリサイクルトナーとして現像装置５内に供給されるように構成されている。
そして、変形例２におけるトナー搬送装置６は、クリーニング装置２で回収された未転写トナーをリサイクルトナーとして現像装置５に向けて搬送するように構成されている。また、トナー搬送装置６は、図４（又は、図６）に示すものと同様に形成されている。
このように構成されたプロセスカートリッジ１０においても、トナー搬送スクリュ６３の自由端の近傍でトナーが堆積・凝集してしまう不具合を生じにくくすることができる。

＜変形例３＞
図８に示すように、変形例３における画像形成装置１００は、プロセスカートリッジ１０に廃トナー回収部３２が設置されておらず、クリーニング装置２で回収された未転写トナーを廃トナーとして回収するための廃トナー回収容器９０が、プロセスカートリッジ１０の外部に、画像形成装置本体１００に対して着脱可能（交換可能）に設置されている。
そして、変形例３におけるトナー搬送装置６は、クリーニング装置２で回収された未転写トナーを廃トナーとして廃トナー回収容器９０に向けて搬送するように構成されている。また、トナー搬送装置６は、図４（又は、図６）に示すものと同様に形成されている。
このように構成された画像形成装置本体１００においても、トナー搬送スクリュ６３の自由端の近傍でトナーが堆積・凝集してしまう不具合を生じにくくすることができる。

以上説明したように、本実施の形態におけるトナー搬送装置６は、所定方向に屈曲する屈曲部６０ａを具備したトナー搬送部６０が設けられている。また、一端側が駆動手段に接続されて他端側が自由端となるようにトナー搬送部６０に内設されて、駆動手段によって回転駆動されてトナーを搬送する屈曲可能なトナー搬送スクリュ６３（トナー搬送部材）が設けられている。また、トナー搬送部６０は、トナー搬送スクリュ６３の自由端の近傍であって一端側に近づく位置に、トナー搬送スクリュ６３によって一端側から他端側に向けて搬送されたトナーを排出するための排出口６ｂが形成されている。そして、トナー搬送スクリュ６３は、排出口６ｂと自由端との間に、他端側から一端側に向けてトナーを搬送可能な逆流搬送部６３ｃが設けられている。
これにより、トナー搬送スクリュ６３の自由端の近傍でトナーが堆積・凝集してしまう不具合を生じにくくすることができる。

なお、本実施の形態においては、感光体ドラム１（像担持体）と帯電ローラ４（帯電装置）と現像装置５とクリーニング装置２とトナー搬送装置６とが一体化されたプロセスカートリッジ１０に対して、本発明を適用した。しかし、本発明の適用はこれに限定されることなく、これらの装置１、２、４～６が、それぞれ単体で画像形成装置本体１００に対して着脱されるユニットして構成されている場合であっても、当然に本発明を適用することができる。
そして、そのような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置と、像担持体上をクリーニングするクリーニング装置と、のうち、少なくとも１つと、像担持体とが、一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるユニットと定義する。

また、本実施の形態では、モノクロの画像形成装置１００に設置されるトナー搬送装置６に対して本発明を適用したが、カラーの画像形成装置に設置されるトナー搬送装置に対しても、当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、クリーニング装置２の内部からトナー搬送部６０の最下流部に至る範囲にトナー搬送スクリュ６３を設けたが、クリーニング装置２の内部には別の搬送部材を設置して、トナー搬送部６０の最上流部から最下流部に至る範囲にトナー搬送スクリュを設けることもできる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。

なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。

また、本願明細書等において、「屈曲」とは、９０度で折れ曲がったものの他、９０度以外の角度で折れ曲がったものも含むものと定義するとともに、完全に折れ曲がっておらず湾曲したものも含むものと定義する。

１ 感光体ドラム（像担持体）、
５ 現像装置、
６ トナー搬送装置、
１０ プロセスカートリッジ、
３０ トナー収納容器、
３１ トナー収納部、
３２ 廃トナー回収部、
６０ トナー搬送部、
６０ａ 屈曲部、
６３ トナー搬送スクリュ（トナー搬送部材）、
６３ａ 軸部、 ６３ｂ スクリュ部、
６３ｃ 逆流搬送部、
９０ 廃トナー回収容器、
１００ 画像形成装置。

特開第２０１８－８４７０９号公報

Claims (8)

1. 所定方向に屈曲する屈曲部を具備したトナー搬送部と、
   一端側が駆動手段に接続されて他端側が自由端となるように前記トナー搬送部に内設されて、前記駆動手段によって回転駆動されてトナーを搬送する屈曲可能なトナー搬送部材と、
   を備え、
   前記トナー搬送部は、前記トナー搬送部材の前記自由端の近傍であって前記一端側に近づく位置に、前記トナー搬送部材によって前記一端側から前記他端側に向けて搬送されたトナーを排出するための排出口が形成され、
   前記トナー搬送部材は、前記排出口と前記自由端との間に、前記他端側から前記一端側に向けてトナーを搬送可能な逆流搬送部を具備したことを特徴とするトナー搬送装置。
2. 前記トナー搬送部材は、軸部と、前記軸部における前記一端側と前記排出口との間に巻装されたスクリュ部と、前記軸部における前記排出口と前記自由端との間に形成された前記逆流搬送部と、を具備したトナー搬送スクリュであることを特徴とする請求項１に記載のトナー搬送装置。
3. 前記逆流搬送部は、前記トナー搬送スクリュの回転にともない前記他端側から前記一端側に向けての軸流を生じさせるように傾斜したプロペラ状部であることを特徴とする請求項２に記載のトナー搬送装置。
4. 前記逆流搬送部は、前記トナー搬送スクリュの回転にともない前記他端側から前記一端側に向けての軸流を生じさせるように傾斜したパドル状部であることを特徴とする請求項２に記載のトナー搬送装置。
5. 前記逆流搬送部と、前記トナー搬送部の内壁面と、の隙間が０．２～０．６ｍｍであることを特徴とする請求項１～請求項４のいずれかに記載のトナー搬送装置。
6. 画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるプロセスカートリッジであって、
   請求項１～請求項５のいずれかに記載のトナー搬送装置と、
   像担持体と、
   前記像担持体に形成された潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
   前記像担持体に付着した未転写トナーを回収するクリーニング装置と、
   前記クリーニング装置で回収された未転写トナーを廃トナーとして回収する廃トナー回収部と、
   を備え、
   前記トナー搬送装置は、前記クリーニング装置で回収された未転写トナーを廃トナーとして前記廃トナー回収部に向けて搬送することを特徴とするプロセスカートリッジ。
7. 画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるプロセスカートリッジであって、
   請求項１～請求項５のいずれかに記載のトナー搬送装置と、
   像担持体と、
   前記像担持体に形成された潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
   前記像担持体に付着した未転写トナーを回収するクリーニング装置と、
   を備え、
   前記トナー搬送装置は、前記クリーニング装置で回収された未転写トナーをリサイクルトナーとして前記現像装置に向けて搬送することを特徴とするプロセスカートリッジ。
8. 請求項１～請求項５のいずれかに記載のトナー搬送装置、請求項６又は請求項７に記載のプロセスカートリッジ、のうち少なくとも１つを備えたことを特徴とする画像形成装置。

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