JP2022168576A - 接着剤組成物、接着剤フィルム、及び接続構造体の製造方法 - Google Patents

接着剤組成物、接着剤フィルム、及び接続構造体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022168576A
JP2022168576A JP2021074128A JP2021074128A JP2022168576A JP 2022168576 A JP2022168576 A JP 2022168576A JP 2021074128 A JP2021074128 A JP 2021074128A JP 2021074128 A JP2021074128 A JP 2021074128A JP 2022168576 A JP2022168576 A JP 2022168576A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyurethane
electrode
imide resin
adhesive film
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021074128A
Other languages
English (en)
Inventor
将司 大越
Shoji Okoshi
歩未 葭葉
Ayumi YOSHIBA
弘行 伊澤
Hiroyuki Izawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Corp
Original Assignee
Showa Denko Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko Materials Co Ltd filed Critical Showa Denko Materials Co Ltd
Priority to JP2021074128A priority Critical patent/JP2022168576A/ja
Publication of JP2022168576A publication Critical patent/JP2022168576A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Combinations Of Printed Boards (AREA)

Abstract

【課題】MEK溶解性に優れたポリウレタンアミドイミド樹脂を含む接着剤組成物及び接着剤フィルム、並びに接着剤フィルムを用いる接続構造体の製造方法を提供する。【解決手段】接着剤組成物は、ジイソシアネートとジオールとの反応から得られたポリウレタンオリゴマを、トリメリット酸無水物で鎖延長したブロック共重合体であるポリウレタンアミドイミド樹脂を含み、前記接着剤組成物は、前記ポリウレタンアミドイミド樹脂100質量部に対して、MEKを1~1000質量部含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、接着剤組成物、接着剤フィルム、及び接続構造体の製造方法に関する。
半導体実装分野では、低コスト化・高精細化に対応した新しい実装形態としてICチップを直接プリント基板やフレキシブル配線板に搭載するフリップチップ実装が行われている。フリップチップ実装においては、プロセス簡易性という観点から、異方導電性と封止機能を有する接着剤フィルムを用いた接続技術が注目されている(例えば、下記特許文献1を参照)。
特開2005-220340号公報
上記の接着剤フィルムは、フェノキシ樹脂やポリウレタンエステル樹脂等のフィルム形成材、アクリルモノマー等の重合性化合物、及び、導電粒子などが配合されたフィルム形成用組成物を用いて作製することができる。通常、フィルム形成材や重合性化合物等の樹脂成分は、汎用有機溶剤であるメチルエチルケトン(MEK)に溶解させたものが用いられ、これらを混合してフィルム形成用組成物が調製される。
ところで、接着剤フィルムには、要求特性に応じて、上述した成分以外の成分を配合することもできる。封止機能に関しては、従来、エポキシ樹脂系のアンダーフィル材をチップと基板との間に注入する方式においてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が多用されてきたが、低吸水率及び低弾性率などの特性に優れた樹脂系が求められている。他方で、従来の接着剤フィルムは、被着体との接着力が劣る傾向にある。
そこで、本発明者らは、接着剤フィルムに上述した特性を付与するための樹脂成分として、ポリウレタンオリゴマをテトラカルボン酸二無水物やトリメリット酸無水物で鎖延長したブロック共重体に着目し、接着剤フィルムの作製を検討した。しかしながら、このようなブロック共重体において、MEK溶解性が劣るものがあることが判明した。MEK溶解性が不充分なブロック共重合体は、MEKに溶解させたフィルム形成材や重合性化合物等と充分に混合されず、接着剤フィルムの形成が困難となる場合がある。
そこで、本発明は、MEK溶解性に優れたポリウレタンアミドイミド樹脂を含む接着剤組成物及び接着剤フィルム、並びに接着剤フィルムを用いる接続構造体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、下記一般式(I)で表される構造単位を有するポリウレタンアミドイミド樹脂を含み、ポリウレタンアミドイミド樹脂が、Rとして下記式(1-1)で表される基及び下記式(1-2)で表される基を含む、接着剤組成物を提供する。
Figure 2022168576000001

[式(I)中、R及びRは、2価の有機基を表し、nは、1~100の整数を表す。]
Figure 2022168576000002
上記のポリウレタンアミドイミド樹脂は、上記の構造を有することにより、充分なMEK溶解性を示すことができる。したがって、本発明の一側面に係る接着剤組成物によれば、MEKに溶解させた他の成分を配合する場合であっても、上記ポリウレタンアミドイミド樹脂による特性が充分に付与されたものになり得る。
一態様において、上記ポリウレタンアミドイミド樹脂が、Rとして下記一般式(2)で表される基を有するものであってもよい。
Figure 2022168576000003

[式(2)中、Rは、炭素数2~6のアルキレン基を表し、aは1~500の整数を表す。]
一態様において、上記ポリウレタンアミドイミド樹脂が、ジイソシアネートとジオールとの反応から得られたポリウレタンオリゴマを、トリメリット酸無水物で鎖延長したブロック共重合体であってもよい。
一態様において、上記ポリウレタンアミドイミド樹脂の重量平均分子量が5,000~500,000であってもよい。
一態様において、接着剤組成物は、ポリウレタンアミドイミド樹脂100質量部に対して、メチルエチルケトンを1~1000質量部含有するものであってもよい。
一態様において、接着剤組成物は、メチルエチルケトンを、接着剤組成物全量を基準として、1~90質量%含有するものであってもよい。
一態様において、接着剤組成物は、フィルム形成材を含むことができる。このような接着剤組成物は、上記ポリウレタンアミドイミド樹脂の特性が付与された接着剤フィルムを作製するのに好適である。
本発明の他の一側面は、下記一般式(I)で表される構造単位を有するポリウレタンアミドイミド樹脂を含み、ポリウレタンアミドイミド樹脂が、Rとして下記式(1-1)で表される基及び下記式(1-2)で表される基を含む、接着剤フィルムを提供する。
Figure 2022168576000004

[式(I)中、R及びRは、2価の有機基を表し、nは、1~100の整数を表す。]
Figure 2022168576000005
本発明の他の一側面に係る接着剤フィルムは、上記ポリウレタンアミドイミド樹脂による特性が付与されたものであるとともに、汎用有機溶剤であるMEKに溶解させた他の成分を配合する場合であっても良好に作製することができ、製造容易性に優れたものになり得る。
一態様において、上記ポリウレタンアミドイミド樹脂が、Rとして下記一般式(2)で表される基を有するものであってもよい。
Figure 2022168576000006

[式(2)中、Rは、炭素数2~6のアルキレン基を表し、aは1~500の整数を表す。]
一態様において、上記ポリウレタンアミドイミド樹脂が、ジイソシアネートとジオールとの反応から得られたポリウレタンオリゴマを、トリメリット酸無水物で鎖延長したブロック共重合体であってもよい。
一態様において、上記ポリウレタンアミドイミド樹脂の重量平均分子量が5,000~500,000であってもよい。
一態様において、接着剤フィルムは、フィルム形成材を含んでいてもよい。
本発明の他の一側面は、第1の電極を有する第1の回路部材と、第2の電極を有する第2の回路部材と、上述した接着剤フィルムと、を、第1の電極と第2の電極とが接着剤フィルムを介して相対向するように配置された状態で加熱及び加圧して、第1の電極と第2の電極とを電気的に接続する工程を備える、接続構造体の製造方法を提供する。
上記の接続構造体の製造方法によれば、接着剤フィルムが上記ポリウレタンアミドイミド樹脂によって被着体への接着力が向上したものになり得ることから、接続信頼性に優れた接続構造体を得ることができる。
本発明によれば、MEK溶解性に優れたポリウレタンアミドイミド樹脂を含む接着剤組成物及び接着剤フィルム、並びに接着剤フィルムを用いる接続構造体の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態の接着剤フィルムを示す模式断面図である。 図2は、本発明の一実施形態の接続構造体の製造方法を示す模式断面図である。
以下、場合により図面を参照しつつ本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、以下で例示する材料は、特に断らない限り、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート、及び、それに対応するメタクリレートの少なくとも一方を意味する。「(メタ)アクリロイル」等の他の類似の表現においても同様である。また、「(ポリ)」とは「ポリ」の接頭語がある場合とない場合の双方を意味する。
<接着剤組成物>
本実施形態の接着剤組成物は、ポリウレタンアミドイミド樹脂を含み、必要に応じて、フィルム形成材、重合性化合物、及びその他の成分を適宜組み合わせて含有することができる。また、接着剤組成物は、導電粒子を含有することができる。
(ポリウレタンアミドイミド樹脂)
ポリウレタンアミドイミド樹脂としては、下記一般式(I)で表される構造単位(以下、「構造単位I」という場合もある)を有するポリウレタンアミドイミド樹脂(以下、「樹脂I」という場合もある。)を用いることができる。
Figure 2022168576000007

[式(I)中、R及びRは、2価の有機基を表し、nは、1~100の整数を表す。]
なお、複数あるRは同一であってもよく異なっていてもよく、nが2以上の場合、複数あるRは同一であってもよく異なっていてもよい。
汎用有機溶剤への溶解性向上と接着性向上の観点から、式(I)中、nは、1~50であってもよく、1~40であってもよく、又は1~30であってもよい。
樹脂Iは、MEK溶解性の観点から、Rとして下記式(1-1)で表される基(以下、「(1-1)基」という場合もある。)及び下記式(1-2)で表される基(以下、「(1-2)基」という場合もある。)を含むことができる。
Figure 2022168576000008
樹脂Iは、Rの25~100mol%が、(1-1)基及び(1-2)基であってもよく、100mol%が、(1-1)基及び(1-2)基であってもよい。
樹脂Iにおける(1-1)基及び(1-2)基の含有モル比は、MEK溶解性と耐熱性とを両立させる観点から、(1-1)基:(1-2)基が、20:80~50:50であってもよく、30:70~50:50であってもよい。
樹脂Iは、Rとして(1-1)基及び(1-2)基以外の基を含む場合、下記の基を含むことができる。
Figure 2022168576000009
樹脂Iは、Rとして、(1-1)基及び(1-2)基以外の基以外の2価の有機基を1種又は2種以上含んでいてもよい。
なお、Rは、上記式(1-1)で表される基を有するジイソシアネート、上記式(1-2)で表される基を有するジイソシアネート、及び、必要に応じて上述した他の2価の有機基を有するジイソシアネートを、ジオールと反応させることにより、樹脂Iに導入することができる。この場合、Rは、ジイソシアネートから2つのイソシアネート基を除いた残基である。
樹脂Iは、耐熱性の観点から、Rの25~100mol%が、(1-1)基及び(1-2)基であってもよく、100mol%が、(1-1)基及び(1-2)基であってもよい。
樹脂Iは、Rとして下記一般式(2)で表される基を有するものであってもよい。
Figure 2022168576000010

[式(2)中、Rは、炭素数2~6のアルキレン基を表し、aは1~500の整数を表す。]
汎用有機溶剤への溶解性と接着性の観点から、aは、1~500であってもよく、1~400であってもよく、1~300であってもよい。
上記式(2)で表される基としては、例えば、下記の基であってもよい。
Figure 2022168576000011

上記のa1、a2、a3及びa4は、1~500であってもよく、1~400であってもよく、1~300であってもよい。
は、25~100mol%、50~100mol%、75~100mol%、又は100mol%が上記式(2)で表される基であってもよい。
樹脂Iは、Rとして、上述した2価の有機基を1種又は2種以上含んでいてもよい。
なお、Rは、上記式(2)で表される基を有するジオールを、ジイソシアネートと反応させることにより、樹脂Iに導入することができる。この場合、Rは、ジオールから1つの水酸基と1つの水酸基における水素原子を除いた残基である。
樹脂Iは、下記一般式(II)で表される構造単位(以下、「構造単位II」という場合もある)を含んでいてもよい。
Figure 2022168576000012

式(II)中、R、R及びnは、上述した式(I)におけるR、R及びnと同義であり、Rは、4価の有機基を表す。
としては、例えば、下記の基が挙げられる。
Figure 2022168576000013
樹脂Iは、Rとして、上記の4価の有機基を1種又は2種以上含んでいてもよい。
なお、Rは、ジイソシアネートとジオールとの反応から得られたポリウレタンオリゴマを、上述した4価の有機基を有するテトラカルボン酸二無水物で鎖延長することにより、樹脂Iに導入することができる。この場合、Rは、テトラカルボン酸二無水物から2つの基(-COOCO-)を除いた残基である。
構造単位IIを含む樹脂Iは、上記ジイソシアネートと上記ジオールとの反応から得られたポリウレタンオリゴマを、トリメリット酸無水物及びテトラカルボン酸二無水物で鎖延長したブロック共重合体であってもよい。
樹脂Iが構造単位IIを含む場合、MEK溶解性の観点からの観点から、構造単位I及び構造単位IIの含有モル比[構造単位I:構造単位II]が、20:80~80:20であってもよく、50:50であってもよい。
樹脂Iは、MEK溶解性の観点から、下記一般式(I-1)で表されるポリウレタンアミドイミド樹脂(以下、「樹脂I-1」という場合もある。)であってもよい。すなわち、樹脂Iは、末端基以外は上記一般式(I)で表される構造単位のみから構成されるものであってもよい。
Figure 2022168576000014

式(II)中、R、R及びnは、上述した式(I)におけるR、R及びnと同義であり、mは、1~100の整数を表す。
樹脂I-1におけるR、R及びnは、上述した樹脂IにおけるR、R及びnと同様にすることができる。
耐熱性の観点から、式(I-1)中、mは、1~50であってもよく、1~40であってもよく、又は1~30であってもよい。
樹脂I-1は、上記ジイソシアネートと上記ジオールとの反応から得られたポリウレタンオリゴマを、トリメリット酸無水物で鎖延長したブロック共重合体であってもよい。
樹脂Iは、溶液重合法等の通常の方法で合成することができる。例えば、溶液重合法の場合、生成するポリウレタンアミドイミド樹脂が溶解するする溶媒、例えば、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)等にジイソシネート及びジオールを溶解し、70℃~180℃で1時間~5時間反応させ、ウレタンオリゴマを合成し、さらに酸無水物(トリメリット酸無水物及び必要に応じてテトラカルボン酸二無水物)を添加し、70℃~180℃で1時間~12時間反応させてポリウレタンアミドイミド樹脂の溶液(例えば、NMP溶液)を得ることができる。このとき、必要に応じて、1価のアルコール、オキシム、アミン、イソシアネート、又は酸無水物等を更に添加し、反応を続け、ポリウレタンアミドイミド樹脂の末端を修飾することもできる。末端基としては、例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシアネート基、カルボキシル基、水などが挙げられる。
合成の際には、水、アルコール、第3級アミンなどを触媒として用いることができる。
ウレタンオリゴマを構成するジイソシアネートとジオールとの組成比は、ジイソシネート1.0モルに対して、ジオール0.1~1.0モルとすることができる。ポリウレタンアミドイミド樹脂を構成するポリウレタンオリゴマと酸無水物との組成比は、ポリウレタンオリゴマ1.0モルに対して、酸無水物0.1モル~2.0モルとすることできる。
得られたポリウレタンアミドイミド樹脂の溶液は、目的に応じて、水による再沈澱法等によりポリウレタンアミドイミド樹脂を分離することができる。
樹脂Iは、樹脂の強度と汎用有機溶剤への溶解性とを両立させる観点から、重量平均分子量が、5,000~500,000であることが好ましく、10,000~100,000であることがより好ましい。ここで、上記の重量平均分子量は、NMPを溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定されるポリスチレン換算値とする。
樹脂Iは、充分なメチルエチルケトン溶解性を有しているが、他のケトン系溶媒に溶解させて用いることができる。他のケトン系溶媒としては、アセトン、2-ペンタノン、3-ペンタノン、2-ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2-ヘプタノン、4-ヘプタノン、ジイソブチルケトン、アセトニトリルアセトン、イソプロピリデンアセトン、ジイソプロピリデンアセトン、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、ショウノウが挙げられる。
樹脂Iの溶媒は、沸点が低く、溶媒の除去が容易となる観点から、アセトン又はメチルエチルケトンが好ましい。
樹脂Iは、例えば、半導体又は液晶ディスプレイ等の表示システム等において、半導体素子の実装用又は回路接続用等の接着剤の構成成分として使用することができる。
樹脂Iは、被着体との接着性を充分発現することができる。樹脂Iは、例えば、ポリイミド等の樹脂及び銅箔等の金属に対して充分な接着性を有することができる。
本実施形態の接着剤組成物には、樹脂I以外の成分として、用途に応じて、フィルム形成材、重合性化合物、重合開始剤、接着助剤などの接着成分、導電粒子、充填材、難燃剤、重合禁止剤等の添加剤などを含有させることができる。また、本実施形態の接着剤組成物には、接続信頼性を向上する目的で、三次元架橋性樹脂と硬化剤とを組み合わせて配合することができる。
フィルム形成材としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリルゴム等が挙げられる。
重合性化合物及び重合開始剤としては、ラジカル重合性化合物とラジカル重合開始剤との組み合わせを用いることができる。
ラジカル重合性化合物としては、少なくとも一つのラジカル重合性基を有する化合物が挙げられる。ラジカル重合性基としては、例えば、ビニル基、アリル基、スチリル基、アルケニル基、アルケニレン基、(メタ)アクリロイル基、マレイミド基等が挙げられる。ラジカル重合性化合物の具体例としては、(メタ)アクリレート化合物、マレイミド化合物、ビニルエーテル化合物、アリル化合物、スチレン誘導体、アクリルアミド誘導体、ナジイミド誘導体、天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、カルボキシル化ニトリルゴム等が挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物としては、エポキシ(メタ)アクリレート、(ポリ)ウレタン(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、シリコーンアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-シアノエチル(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n-ラウリル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフォスフェート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性2官能(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性3官能(メタ)アクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジアクリレート、2-ヒドロキシ-1,3-ジアクリロキシプロパン、2,2-ビス[4-(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、2,2-ジ(メタ)アクリロイロキシジエチルフォスフェート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート等が挙げられる。
マレイミド化合物としては、1-メチル-2,4-ビスマレイミドベンゼン、N,N’-m-フェニレンビスマレイミド、N,N’-p-フェニレンビスマレイミド、N,N’-m-トルイレンビスマレイミド、N,N’-4,4-ビフェニレンビスマレイミド、N,N’-4,4-(3,3’-ジメチル-ビフェニレン)ビスマレイミド、N,N’-4,4-(3,3’-ジメチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’-4,4-(3,3’-ジエチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’-4,4-ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’-4,4-ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N’-4,4-ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’-3,3-ジフェニルスルホンビスマレイミド、2,2-ビス(4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2-ビス(3-s-ブチル-4-8(4-マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1-ビス(4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4’-シクロヘキシリデン-ビス(1-(4マレイミドフェノキシ)-2-シクロヘキシル)ベンゼン、2,2’-ビス(4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物としては、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等が挙げられる。
アリル化合物としては、1,3-ジアリルフタレート、1,2-ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
ラジカル重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤及び熱ラジカル重合開始剤のうちの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
光ラジカル重合開始剤は、例えば、150~750nmの範囲内の波長を含む光、好ましくは254~405nmの範囲内の波長を含む光、更に好ましくは365nmの波長を含む光(例えば紫外光)の照射によって分解して遊離ラジカルを発生する化合物であってもよい。
光ラジカル重合開始剤としては、オキシムエステル構造、ビスイミダゾール構造、アクリジン構造、α-アミノアルキルフェノン構造、アミノベンゾフェノン構造、N-フェニルグリシン構造、アシルフォスフィンオキサイド構造、ベンジルジメチルケタール構造、α-ヒドロキシアルキルフェノン構造等の構造を有する光重合開始剤が挙げられる。
オキシムエステル構造を有する化合物の具体例としては、1-フェニル-1,2-ブタンジオン-2-(o-メトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-メトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-o-ベンゾイルオキシム、1,3-ジフェニルプロパントリオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシム、1-フェニル-3-エトキシプロパントリオン-2-(o-ベンゾイル)オキシム、1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)フェニル-,2-(o-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(o-アセチルオキシム)等が挙げられる。
ビスイミダゾール構造を有する化合物としては、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(m-メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-フェニルイミダゾール二量体、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(p-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2,4-ジ(p-メトキシフェニル)-5-フェニルイミダゾール二量体、2-(2,4-ジメトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体が挙げられる。
アクリジン構造を有する化合物としては、9-フェニルアクリジン、1,7-ビス(9,9’-アクリジニル)ヘプタン等が挙げられる。
熱ラジカル重合開始剤は、熱により分解して遊離ラジカルを発生する化合物であり、従来から知られている有機過酸化物、アゾ化合物等を用いることができる。
熱ラジカル重合開始剤の具体例としては、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオデカノエート、ジラウロイルパーオキサイド、1-シクロヘキシル-1-メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t-ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t-アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジ-t-ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t-アミルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、3-ヒドロキシ-1,1-ジメチルブチルパーオキシネオデカノエート、t-アミルパーオキシネオデカノエート、ジ(3-メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジ(4-メチルベンゾイル)パーオキサイド、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシマレイン酸、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシラウレート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(3-メチルベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジブチルパーオキシトリメチルアジペート、t-アミルパーオキシノルマルオクトエート、t-アミルパーオキシイソノナノエート、t-アミルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物;2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、1,1’-アゾビス(1-アセトキシ-1-フェニルエタン)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、4,4’-アゾビス(4-シアノバレリン酸)、1,1’-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物などが挙げられる。
導電粒子は、導電性を有する粒子であれば特に制限されず、Au、Ag、Ni、Cu、はんだ等の金属で構成された金属粒子、導電性カーボンで構成された導電性カーボン粒子などであってよい。導電粒子は、非導電性のガラス、セラミック、プラスチック(ポリスチレン等)などを含む核と、上記金属又は導電性カーボンを含み、核を被覆する被覆層とを備える被覆導電粒子であってもよい。
導電粒子は、上記の金属粒子、導電性カーボン粒子、又は被覆導電粒子と、樹脂等の絶縁材料を含み、該粒子の表面を被覆する絶縁層とを備える絶縁被覆導電粒子であってもよい。
導電粒子の最大粒径は、分散性及び導電性に優れる観点では、1.0μm以上、2.0μm以上又は2.5μm以上であってよい。導電粒子の最大粒径は、分散性及び導電性に優れる観点では、50μm以下、30μm以下又は20μm以下であってよい。本明細書では、任意の導電粒子300個(pcs)について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた観察により粒径の測定を行い、得られた最も大きい値を導電粒子の最大粒径とする。なお、導電粒子が球形ではない形状である場合(例えば導電粒子が突起を有する場合)、導電粒子の粒径は、SEMの画像における導電粒子に外接する円の直径とする。
導電粒子の平均粒径は、分散性及び導電性に優れる観点では、1.0μm以上であってよく、2.0μm以上であってよく、2.5μm以上であってよい。導電粒子の平均粒径は、分散性及び導電性に優れる観点では、50μm以下であってよく、30μm以下であってよく、20μm以下であってよい。本明細書では、任意の導電粒子300個(pcs)について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた観察により粒径の測定を行い、得られた粒径の平均値を平均粒径とする。
充填材としては、例えば、非導電性のフィラー(例えば、非導電粒子)が挙げられる。充填材は、無機フィラー及び有機フィラーのいずれであってもよい。無機フィラーとしては、例えば、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、シリカ-アルミナ微粒子、チタニア微粒子、ジルコニア微粒子等の金属酸化物微粒子;金属窒化物微粒子などの無機微粒子が挙げられる。有機フィラーとしては、例えば、シリコーン微粒子、メタアクリレート・ブタジエン・スチレン微粒子、アクリル・シリコーン微粒子、ポリアミド微粒子、ポリイミド微粒子等の有機微粒子が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、複数を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の接着剤組成物は、上述した成分以外のその他の成分を更に含有していてよい。その他の成分としては、例えば、カップリング剤が挙げられる。
カップリング剤としては、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、イミダゾール基、エポキシ基等の有機官能基を有するシランカップリング剤、テトラアルコキシシラン等のシラン化合物、テトラアルコキシチタネート誘導体、ポリジアルキルチタネート誘導体などが挙げられる。
本実施形態の接着剤組成物は、重合禁止剤、軟化剤、促進剤、劣化防止剤、着色剤、難燃剤、チキソトロピック剤等のその他の添加剤を含有していてもよい。
本実施形態の接着剤組成物は、接着剤フィルムの形成に用いることができる。接着剤フィルムは、例えば、樹脂Iと、必要に応じて上述した各成分とを、有機溶媒中で撹拌混合又は混練することにより調製したワニス状の接着剤組成物を、離型処理を施した基材上に、ナイフコーター、ロールコーター、アプリケーター、コンマコーター、ダイコーター等を用いて塗布した後、加熱によって有機溶媒を揮発させて、基材上に形成することできる。
有機溶媒としては、例えば、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン(2-ブタノン)、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本実施形態の接着剤組成物は、樹脂Iの含有量100質量部に対して、メチルエチルケトンンを、1質量部以上含有するものであってもよく、10質量部以上含有するものであってもよく、100質量部以上含有するものであってもよく、1000質量部以下含有するものであってもよく、800質量部以下含有するものであってもよく、500質量部以下含有するものであってもよく、300質量部以下含有するものであってもよく、1質量部~1000質量部含有するものであってもよく、10質量部~800質量部含有するものであってもよく、100質量部~500質量部含有するものであってもよい。
また、本実施形態の接着剤組成物は、メチルエチルケトンを、接着剤組成物全量を基準として、1~90質量%含有するものであってもよく、5~80質量%含有するものであってもよい。
撹拌混合又は混錬は、例えば、撹拌機、らいかい機、3本ロール、ボールミル、ビーズミル、ホモディスパー等を用いて行うことができる。
基材は、有機溶媒を揮発させる際の加熱条件に耐え得る耐熱性を有するものであれば特に制限されない。このような基材としては、例えば、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリアセテート、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリイミド、セルロース、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、合成ゴム系、液晶ポリマー等からなる基材(例えば、フィルム)を用いることができる。
基材へ塗布したワニス状の接着剤組成物から有機溶媒を揮発させる際の加熱条件は、使用する有機溶媒等に合わせて適宜設定することができる。加熱条件は、例えば、40~120℃で0.1~10分間であってよい。
[接着剤フィルム]
本実施形態の接着剤フィルムは、上述した樹脂Iを含有するものであり、本実施形態の接着剤組成物から形成することができる。本実施形態の接着剤フィルムは、導電粒子を含む場合、異方導電性接着剤フィルムとして用いることができる。
図1は、異方導電性接着剤フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。図1に示すように、異方導電性接着剤フィルム10(以下、単に「接着剤フィルム10」という場合がある。)は、導電粒子1と、導電粒子1を分散させるための接着成分2とを含有する導電粒子層3を備える。導電粒子層3における接着成分2は、導電粒子1以外の固形分として定義される。接着成分2は、樹脂Iと、上述した本実施形態の接着剤組成物に含有させることができる樹脂I以外の接着成分とを含むことができる。
接着剤フィルム10の厚さは、例えば、0.5~500μmであってよく、1~100μmであってよく、1~20μmであってよい。
接着剤フィルムは、図1に示す接着剤フィルム10のように、導電粒子層3の単層から構成されるものであってよく、導電粒子層及び樹脂Iを含有する絶縁接着層の二層から構成されるものであってもよい。さらには、接着剤フィルムは、導電粒子層及び樹脂Iを含有する絶縁接着層の二層を含む三層以上から構成されるものであってもよい。接着剤フィルムは、例えば、絶縁接着層、導電粒子層3、及び絶縁接着層をこの順に備えるものであってもよい。
本実施形態の異方導電性接着剤フィルムによれば、充分な接続信頼性を有する回路接続構造体を製造することが可能となる。
[接続構造体の製造方法]
本実施形態の接続構造体の製造方法は、第1の電極を有する第1の回路部材と、第2の電極を有する第2の回路部材と、上述した本実施形態の接着剤フィルムと、を、第1の電極と第2の電極とが接着剤フィルムを介して相対向するように配置された状態で加熱及び加圧して、第1の電極と第2の電極とを電気的に接続する工程を備える、
以下、上記の接着剤フィルム10を用いた回路接続構造体の製造方法について説明する。
図2は、回路接続構造体の製造方法の一実施形態を示す模式断面図である。ここでは、第1の電極12を有する第1の回路部材13と、第2の電極22を有する第2の回路部材23との間に、上記の接着剤フィルム10を介在させ、第1の回路部材13及び第2の回路部材23を熱圧着して、第1の電極12及び第2の電極22を互いに電気的に接続している。以下では、より詳細に回路接続構造体の製造方法を説明する。
図2に示す回路接続構造体の製造方法では、まず、図2(a)に示すように、第1の基板11及び第1の基板11上に設けられた第1の電極12を有する第1の回路部材13(第1の電極12を有する第1の回路部材13)と、第2の基板21及び第2の基板21上に設けられた第2の電極22を有する第2の回路部材23(第2の電極22を有する第2の回路部材23)とを準備する。
次に、第1の回路部材13と第2の回路部材23とを、第1の電極12と第2の電極22とが対向するように配置し、第1の回路部材13と第2の回路部材23との間に接着剤フィルム10を配置する。
そして、矢印A及びB方向に全体を加圧しながら、加熱することにより、接着剤フィルム10を硬化させる。加圧時の圧力は、例えば、バンプ電極での面積換算圧力で0.1MPa以上であってよく、100MPa以下であってよい。加熱温度は、例えば、50℃以上であってよく、170℃以下であってよい。加圧及び加熱を行う時間は、例えば、0.5秒間以上であってよく、120秒間以下であってよい。このようにして、第1の回路部材13と第2の回路部材23とが、接着剤フィルム10(接着剤フィルム10の硬化物)を介して熱圧着される。
このようにして得られる回路接続構造体100は、図2(b)に示すように、第1の基板11及び第1の基板11上に設けられた第1の電極12を有する第1の回路部材13(第1の電極12を有する第1の回路部材13)と、第2の基板21及び第2の基板21上に設けられた第2の電極22を有する第2の回路部材23(第2の電極22を有する第2の回路部材23)と、第1の回路部材13及び第2の回路部材23の間に配置され、第1の電極12及び第2の電極22を互いに電気的に接続する回路接続部とを備える。回路接続部は、接着剤フィルムの硬化物10cからなる。より具体的には、接着成分の硬化物2cと、接着成分の硬化物2c中に分散された導電粒子1とからなり得る。回路接続構造体100では、導電粒子1が第1の電極12と第2の電極22との間に介在することによって、第1の電極12と第2の電極22とが互いに電気的に接続されており、第1の回路部材13及び第2の回路部材23が互いに接着されている。
第1の基板11及び第2の基板21は、半導体、ガラス、セラミック等の無機物、ポリイミド、ポリカーボネート等の有機物、ガラス/エポキシ等の複合物などで形成されていてよい。第1の基板11及び第2の基板21は、互いに同一の成分で形成されている基板であってもよく、互いに異なる成分で形成されている基板であってもよい。
第1の電極12及び第2の電極22は、金、銀、錫、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、アルミ、モリブデン、チタン、ネオジム等の金属、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)等の酸化物などを含む電極であってよい。第1の電極12及び第2の電極22は、これら金属、酸化物等の2種以上を積層してなる電極であってもよい。2種以上を積層してなる電極は、2層以上であってよく、3層以上であってよい。第1の電極12及び第2の電極22は、互いに同一の電極であってもよく、互いに異なる電極であってもよい。
第1の回路部材13及び第2の回路部材23は、電極が形成されているガラス基板又はプラスチック基板、プリント配線板、セラミック配線板、フレキシブル配線板、ICチップ等であってよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<ポリウレタンアミドイミド樹脂の合成>
(合成例A-1)
ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート(4,4’-MDI)250.3g(1.0mol)、ジフェニルメタン-2,4’-ジイソシアネート(2,4’-MDI)250.3g(1.0mol)及び平均分子量1,000のポリテトラメチレングリコール(PTMG)800g(0.8mol)を、1-メチル-2-ピロリドン中で窒素雰囲気下、100℃で1時間反応させ、そこにトリメリット酸無水物(TMA)230.6g(1.2mol)、及び1-メチル-2-ピロリドンを添加し、さらに140℃で3時間かく拌し、反応を終了した。得られた溶液を、激しく攪拌させた水に入れて、沈殿物を濾別し、105℃で12時間乾燥させて、ポリウレタンアミドイミド樹脂PUAI-1を得た。
(合成例A-2)
ジオール成分として、PTMGに代えて平均分子量1,000のポリプロピレングリコール(PPG)800g(0.8mol)を用いたこと以外は合成例A-1と同様にして、ポリウレタンアミドイミド樹脂PUAI-2を得た。
(合成例A-3)
ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート(4,4’-MDI)500.5g(2.0mol)及び平均分子量1,000のポリテトラメチレングリコール(PTMG)800g(0.8mol)を、1-メチル-2-ピロリドン中で窒素雰囲気下、100℃で1時間反応させ、そこにトリメリット酸無水物(TMA)153.7g(0.8mol)、ピロメリット酸無水物(PMA)87.2g(0.4mol)、及び1-メチル-2-ピロリドンを添加し、さらに140℃で3時間かく拌し、反応を終了した。得られた溶液を、激しく攪拌させた水に入れて、沈殿物を濾別し、105℃で12時間乾燥させて、ポリウレタンアミドイミド樹脂PUAI-3を得た。
(合成例A-4)
酸無水物成分として、PMAに代えて4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)124.1(0.4mol)を用いたこと以外は合成例A-3と同様にして、ポリウレタンアミドイミド樹脂PUAI-4を得た。
(合成例A-5)
酸無水物成分として、トリメリット酸無水物(TMA)115.3g(0.6mol)と、PMAに代えて4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)186.1g(0.6mol)を用いたこと以外は合成例A-3と同様にして、ポリウレタンアミドイミド樹脂PUAI-5を得た。
<ポリウレタンイミド樹脂の合成>
(合成例B-1)
酸無水物成分として、TMAに代えて4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)372.3g(1.2mol)を用いたこと以外は合成例A-1と同様にして、ポリウレタンイミド樹脂PUI-1を得た。
(合成例B-2)
酸無水物成分として、TMA及びPMAに代えて、4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)372.24g(2.0mol)を用いたこと以外は合成例A-3と同様にして、ポリウレタンイミド樹脂PUI-2を得た。
<ポリウレタンアミドイミド樹脂及びポリウレタンイミド樹脂の評価>
[重量平均分子量]
得られたポリウレタンアミドイミド樹脂及びポリウレタンイミド樹脂の重量平均分子量Mwを、GPCにより測定し、標準ポリスチレン換算値で求めた。結果を以下に示す。
PUAI-1:Mw=22,000
PUAI-2:Mw=18,000
PUAI-3:Mw=112,300
PUAI-4:Mw=947,000
PUAI-5:Mw=869,000
PUI-1:Mw=24,000
PUI-2:Mw=1425,000
[MEK溶解性]
得られたポリウレタンイミド樹脂をメチルエチルケトンに固形分濃度40質量%になるように混合し、1時間攪拌した。攪拌後に目視で溶解状態を確認した。
A:溶け残りなし
B:固形状の樹脂が崩れるが溶け残る
C:固形状の樹脂が崩れない
Figure 2022168576000015
[接着強度]
MEK溶解性が「A」を示したポリウレタンアミドイミド樹脂について、接着強度を下記の方法に従って評価した。
得られたポリウレタンアミドイミド樹脂の固形分40質量%のメチルエチルケトン溶液を調製し、これを厚み50μmのPETフィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃、30分の熱風乾燥によって厚みが16μmの接着剤フィルムを得た。
(対ポリイミド)
上記で得た接着剤フィルムを、厚み40μmのポリイミドフィルムと、厚み0.2μmの酸化インジウム(ITO)の薄層が形成された厚み1.1mmmのガラス基板との間に介在させた積層体を用意し、これを150℃、3MPaで5秒間加熱加圧して、幅1.0mm、長さ40mmにわたり接続し、接続体を作製した。
得られた接続体の接着強度を、JIS-Z0237に準じて90度剥離法で測定し、評価した。ここで、接着強度の測定装置は東洋ボールドウィン株式会社製テンシロンUTM-4(剥離速度50mm/分)を使用した
Figure 2022168576000016
1…導電粒子、2…接着成分、2c…接着成分の硬化物、3…導電粒子層、10…異方導電性接着剤フィルム(接着剤フィルム)、10c…異方導電性接着剤フィルム(接着剤フィルム)の硬化物、11…第1の基板、12…第1の電極、13…第1の回路部材、21…第2の基板、22…第2の電極、23…第2の回路部材、30…回路接続部、100…回路接続構造体。

Claims (13)

  1. 下記一般式(I)で表される構造単位を有するポリウレタンアミドイミド樹脂を含み、
    前記ポリウレタンアミドイミド樹脂は、Rとして下記式(1-1)で表される基及び下記式(1-2)で表される基を含む、接着剤組成物。
    Figure 2022168576000017

    [式(I)中、R及びRは、2価の有機基を表し、nは、1~100の整数を表す。]
    Figure 2022168576000018
  2. 前記ポリウレタンアミドイミド樹脂が、Rとして下記一般式(2)で表される基を有する、請求項1に記載の接着剤組成物。
    Figure 2022168576000019

    [式(2)中、Rは、炭素数2~6のアルキレン基を表し、aは1~500の整数を表す。]
  3. 前記ポリウレタンアミドイミド樹脂が、ジイソシアネートとジオールとの反応から得られたポリウレタンオリゴマを、トリメリット酸無水物で鎖延長したブロック共重合体である、請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
  4. 前記ポリウレタンアミドイミド樹脂の重量平均分子量が5,000~500,000である、請求項1~3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  5. 前記ポリウレタンアミドイミド樹脂100質量部に対して、メチルエチルケトンを1~1000質量部含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  6. メチルエチルケトンを、接着剤組成物全量を基準として、1~90質量%含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  7. フィルム形成材を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  8. 下記一般式(I)で表される構造単位を有するポリウレタンアミドイミド樹脂を含み、
    前記ポリウレタンアミドイミド樹脂は、Rとして下記式(1-1)で表される基及び下記式(1-2)で表される基を含む、接着剤フィルム。
    Figure 2022168576000020

    [式(I)中、R及びRは、2価の有機基を表し、nは、1~100の整数を表す。]
    Figure 2022168576000021
  9. 前記ポリウレタンアミドイミド樹脂が、Rとして下記一般式(2)で表される基を有する、請求項8に記載の接着剤フィルム。
    Figure 2022168576000022

    [式(2)中、Rは、炭素数2~6のアルキレン基を表し、aは1~500の整数を表す。]
  10. 前記ポリウレタンアミドイミド樹脂が、ジイソシアネートとジオールとの反応から得られたポリウレタンオリゴマを、トリメリット酸無水物で鎖延長したブロック共重合体である、請求項8又は9に記載の接着剤フィルム。
  11. 前記ポリウレタンアミドイミド樹脂の重量平均分子量が5,000~500,000である、請求項8~10のいずれか一項に記載の接着剤フィルム。
  12. フィルム形成材を含む、請求項8~11のいずれか一項に記載の接着剤フィルム。
  13. 第1の電極を有する第1の回路部材と、
    第2の電極を有する第2の回路部材と、
    請求項3~12のいずれか一項に記載の接着剤フィルムと、を、
    前記第1の電極と前記第2の電極とが前記接着剤フィルムを介して相対向するように配置された状態で加熱及び加圧して、前記第1の電極と前記第2の電極とを電気的に接続する工程を備える、接続構造体の製造方法。
JP2021074128A 2021-04-26 2021-04-26 接着剤組成物、接着剤フィルム、及び接続構造体の製造方法 Pending JP2022168576A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021074128A JP2022168576A (ja) 2021-04-26 2021-04-26 接着剤組成物、接着剤フィルム、及び接続構造体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021074128A JP2022168576A (ja) 2021-04-26 2021-04-26 接着剤組成物、接着剤フィルム、及び接続構造体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022168576A true JP2022168576A (ja) 2022-11-08

Family

ID=83933528

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021074128A Pending JP2022168576A (ja) 2021-04-26 2021-04-26 接着剤組成物、接着剤フィルム、及び接続構造体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022168576A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI378745B (ja)
KR102631317B1 (ko) 회로 접속용 접착제 필름 및 그의 제조 방법, 회로 접속 구조체의 제조 방법, 그리고 접착제 필름 수용 세트
WO2020184583A1 (ja) 回路接続用接着剤フィルム及びその製造方法、回路接続構造体の製造方法、並びに、接着剤フィルム収容セット
WO2020184636A1 (ja) 回路接続用接着剤フィルム、回路接続構造体の製造方法及び接着剤フィルム収容セット
TWI587761B (zh) 接著劑組成物、膜狀接著劑、接著片、電路連接體、電路構件的連接方法、接著劑組成物的使用、膜狀接著劑的使用及接著片的使用
TWI808990B (zh) 電路連接用接著劑膜及其製造方法、電路連接結構體的製造方法及接著劑膜收容套組
TWI781158B (zh) 接著劑組成物及結構體
JP7264054B2 (ja) 回路接続用接着剤フィルム及びその製造方法、回路接続構造体の製造方法、並びに、接着剤フィルム収容セット
WO2022059647A1 (ja) 回路接続用接着剤フィルム及びその製造方法、並びに、回路接続構造体の製造方法
JP2022168576A (ja) 接着剤組成物、接着剤フィルム、及び接続構造体の製造方法
JP2022168573A (ja) 接着剤組成物、接着剤フィルム、及び接続構造体の製造方法
JP2022020338A (ja) 回路接続用接着剤フィルム及びその製造方法、並びに、回路接続構造体の製造方法
CN109804508B (zh) 连接结构体、电路连接构件和粘接剂组合物
JP7516777B2 (ja) 回路接続用接着剤フィルム、回路接続構造体及びその製造方法
JP7480772B2 (ja) 回路接続用接着剤フィルム及びその製造方法、回路接続構造体の製造方法、並びに、接着剤フィルム収容セット
JP7468507B2 (ja) 回路接続用接着剤フィルム及びその製造方法、回路接続構造体の製造方法、並びに、接着剤フィルム収容セット
JP2022048791A (ja) 回路接続用接着剤フィルム、並びに、回路接続構造体及びその製造方法
JP2023134038A (ja) 回路接続用接着剤フィルム、並びに、回路接続構造体及びその製造方法
WO2023195398A1 (ja) 接着剤組成物、回路接続用接着剤フィルム、回路接続構造体及びその製造方法
JP2022039384A (ja) 回路接続用接着剤フィルム及びその製造方法、並びに、回路接続構造体の製造方法
JP2022133758A (ja) 回路接続用接着剤フィルム、回路接続構造体の製造方法及び回路接続構造体
JP2024084256A (ja) 回路接続用接着剤テープ、接着剤リール、及び、回路接続構造体の製造方法
JP2021134262A (ja) 回路接続用接着剤フィルム、回路接続構造体及びその製造方法
JP2022098985A (ja) 回路接続用接着剤フィルム及びその製造方法、回路接続構造体の製造方法
JP2022048788A (ja) 回路接続用接着剤テープ、リール体、並びに、回路接続構造体及びその製造方法