JP2022168528A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】露光ヘッドに対して画像信号に変調クロック信号を重畳した信号を送信し、露光ヘッドのローパスフィルタを含む抽出回路によって変調クロック信号を抽出する構成において、露光ヘッドにより画像信号が正常に受信されないことを抑制することができる画像形成装置を提供する。【解決手段】感光ドラム1の表面に露光ヘッド6によって光を照射して静電潜像を形成する画像形成装置において、ローパスフィルタ42を有するPLL回路45が実装された露光ヘッド6のプリント基板22と、露光ヘッド6の外部に設けられた画像コントローラ部70に実装され、画像信号に対して変調クロック信号を重畳し、該重畳された信号をPLL回路45に送信するデータ送信部72と、を備え、SSCLK生成部69は、変調クロック信号を、三角波をフーリエ級数展開したときの基本波と奇数次の高調波とを合成した合成波とする。【選択図】図15

Description

本発明は、電子写真方式を用いてシートに画像を形成する電子写真複写機、電子写真プリンタなどの画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置で画像を形成する場合、まず感光体の表面に画像信号に応じた光を照射することにより感光体の表面に静電潜像を形成する。その後、現像装置によって感光体の表面の静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成し、トナー像をシートに転写し、定着装置によりシートに転写されたトナー像を加熱しシートに定着させる。
また画像形成装置において、露光ヘッドにより感光体に光を照射して静電潜像を形成する構成が知られている。露光ヘッドは、感光体の回転軸線方向に配列された複数の発光部と、複数の発光部から出射された光を感光体の表面に結像させるレンズを備える。そして複数の発光部が順番に発光することで主走査方向に延びる1ラインの走査線を形成し、これを繰り返すことで静電潜像を形成する。発光部には、LEDや有機ELなどが用いられる。このような露光ヘッドを用いることで、レーザ光を回転多面鏡により偏向走査して静電潜像を形成するレーザ走査方式の構成と比較して、部品点数の削減を図ることができ、画像形成装置の小型化や製造コストの削減を図ることができる。
ここで露光ヘッドは、発光部を駆動させる駆動信号を伝送する配線がアンテナの役割をして、放射ノイズの発生源になり易い構造となっている。これに対し特許文献1では、放射ノイズ対策としてSSCG(Spread Spectrum Clock Generator)によってシステムクロックをスペクトラム拡散して放射ノイズ成分のピーク周波数ゲインを抑える構成が記載されている。
特開2015-229246号公報
感光体の周囲には、感光体を帯電させる帯電装置、露光ヘッド、静電潜像を現像する現像装置等の様々な部材が配置される。そこで感光体の周囲に他の部材の配置スペースを確保するために、露光ヘッドで用いられる画像信号等の信号を生成する電子部品を、露光ヘッドが備える基板とは別の基板である制御基板に実装し、露光ヘッドを小型化する構成が一般的である。
ここで制御基板と露光ヘッドの基板との間の通信に際し、制御基板側で生成された画像信号にクロック信号を重畳し、露光ヘッドの基板側で重畳されたクロック信号をPLL(:PhaseLocked Loop)回路によって抽出する構成が考えられる。このように制御基板から露光ヘッドの基板に送られる画像信号にクロック信号を重畳させることにより、制御基板と露光ヘッドの基板とを接続する信号線の本数を減らすことができる。
しかしながら、露光ヘッドの基板にPLL回路を設ける構成において、画像信号に重畳されるクロック信号としてSSCGにより生成された変調クロック信号を用いる場合、露光ヘッドにより画像信号が正常に受信されないおそれがある。以下、これについて説明する。
まずスペクトラム拡散における周波数変調の変調波形として、図19(a)に示す三角波に変調する方法や、図19(b)に示すサイン波に変調する方法が知られている。三角波はサイン波と比較して周波数を分散させる効果が大きい。このため、スペクトラム拡散における周波数変調の変調波形をサイン波とするよりも三角波とする方が放射ノイズ対策として有効的である。しかしながら、三角波をフーリエ級数展開すれば分かる通り、三角波には基本波と無限の奇数次の高調波成分が含まれている。
一方、PLL回路(抽出回路)には、信号のうちカットオフ周波数より高い周波数成分を低減するローパスフィルタが設けられている。従って、スペクトラム拡散の変調波形を基本波と無限の奇数次の高調波成分を含む三角波とする場合、PLL回路のローパスフィルタによって変調クロック信号のカットオフ周波数より高い高調波成分が低減されることになる。
この場合、制御基板から露光ヘッドの基板に送信された変調クロック信号と、PLL回路で処理された変調クロック信号は、周期が異なる信号となる。即ち、送信側と受信側でクロック信号の周期が異なることになるため、制御基板と露光ヘッドの基板との間で信号の送受信が正常に行われず、露光ヘッドによって画像信号が正常に受信されないおそれがある。
そこで本発明は、露光ヘッドに対して画像信号に変調クロック信号を重畳した信号を送信し、露光ヘッドのローパスフィルタを含む抽出回路によって変調クロック信号を抽出する構成において、露光ヘッドにより画像信号が正常に受信されないことを抑制することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、感光体の表面に光を照射して静電潜像を形成し、該静電潜像にトナーを付着させて画像を形成する画像形成装置において、基準クロック信号を生成する基準クロック生成部と、前記基準クロック信号をスペクトラム拡散することにより、三角波をフーリエ級数展開したときの基本波と奇数次の高調波とを合成した合成波で構成された変調クロック信号を生成する変調クロック生成部と、入力された画像データに基づいて画像信号を生成する画像信号生成部と、主走査方向に並列して配置され、前記画像信号に基づいて発光して前記感光体の表面に主走査方向に延びる一つの走査線を形成し、該走査線を周期的に形成することにより前記感光体の表面に前記静電潜像を形成する複数の発光部と、前記複数の発光部を発光させる駆動部と、前記駆動部が実装される第1基板と、を備える露光ヘッドと、前記変調クロック生成部と前記画像信号生成部が実装される第2基板と、前記第2基板に実装され、前記画像信号に対して前記変調クロック信号を重畳し、該重畳された信号を前記第1基板に送信する送信部と、前記第1基板に実装され、ローパスフィルタを含み、前記送信部から送信された前記重畳された信号から前記変調クロック信号を抽出する抽出回路と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、露光ヘッドに対して画像信号に変調クロック信号を重畳した信号を送信し、露光ヘッドのローパスフィルタを含む抽出回路によって変調クロック信号を抽出する画像形成装置において、露光ヘッドにより画像信号が正常に受信されないことを抑制することができる。
画像形成装置の断面概略図である。 感光ドラムと露光ヘッドの斜視図と断面図である。 露光ヘッドが備えるプリント基板の実装面を示す図である。 画像コントローラ部と露光ヘッドのシステム構成を示すブロック図である。 発光素子アレイチップの回路を説明する図である。 シフトサイリスタのゲート電位の分布状態を説明する図である。 発光素子アレイチップの駆動信号波形を示す図である。 チップデータ変換部の構成を示すブロック図である。 チップデータ変換部とチップデータシフト部の動作を示すタイミングチャートである。 チップデータ変換部の動作を示す図である。 PLL回路の構成を示すブロック図である。 位相比較器の動作を示すタイミングチャートである。 SSCLK生成部の構成を示すブロック図と、SSCLK生成部の動作を示すタイミングチャートである。 変調パターンテーブルを示す図と、読み出し制御部による変調パターンテーブルの読み出し動作を示す図である。 スペクトラム拡散による周波数変調の一周期分の変調波形を示すグラフである。 スペクトラム拡散の変調波形が三角波の場合の中心周波数付近の周波数特性を示すグラフである。 SSCLK生成部によるスペクトラム拡散の変調波形を三角波をフーリエ級数展開したときの基本波と所定の奇数次の高調波とを合成した合成波とした場合の中心周波数付近の周波数特性を示すグラフである。 SSCLK生成部の構成を示すブロック図と、SSCLK生成部が変調クロック信号を生成する動作を示すタイミングチャートである。 スペクトラム拡散による周波数変調の変調波形を示す図である。
<画像形成装置>
以下、本発明に係る画像形成装置Aの全体構成を画像形成時の動作とともに図面を参照しながら説明する。なお、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
画像形成装置Aは、イエローY、マゼンダM、シアンC、ブラックKの4色のトナーをシートに転写して画像を形成するフルカラー画像形成装置である。なお、以下の説明において、上記各色のトナーを使用する部材には添え字としてY、M、C、Kを付するものの、各部材の構成や動作は使用するトナーの色が異なることを除いて実質的に同じであるため、区別を要する場合以外は添え字を適宜省略する。
図1は、画像形成装置Aの断面概略図である。図1に示す様に、画像形成装置Aは、画像を形成する画像形成部を有する。画像形成部は、感光体としての感光ドラム1(1Y、1M、1C、10K)、帯電装置2(2Y、2M、2C、2K)、露光ヘッド6(6Y、6M、6C、6K)、現像装置4(4Y、4M、4C、4K)、転写装置5(5Y、5M、5C、5K)を有する。
次に、画像形成装置Aによる画像形成動作について説明する。画像を形成する場合、まずシートカセット99a又はシートカセット99bに収納されたシートSが、ピックアップローラ91a、91b、給送ローラ92a、92b、搬送ローラ93a~93cによってレジストローラ96に送られる。その後、シートSは、レジストローラ96によって所定のタイミングで搬送ベルト11に送り込まれる。
一方、画像形成部においては、まず帯電装置2Yにより感光ドラム1Yの表面が帯電させられる。次に、画像読取部90によって読み取られた画像データ、又は、不図示の外部機器から送信された画像データに応じて露光ヘッド6Yが感光ドラム1Yの表面に光を照射し、感光ドラム1Yの表面に静電潜像を形成する。その後、現像装置4Yにより感光ドラム1Yの表面に形成された静電潜像にイエローのトナーを付着させ、感光ドラム1Yの表面にイエローのトナー像を形成する。感光ドラム1Yの表面に形成されたトナー像は、転写装置5Yに転写バイアスが印加されることで、搬送ベルト11によって搬送されているシートSに転写される。
同様のプロセスにより、感光ドラム1M、1C、1Kにも、露光ヘッド6M、6C、6Kから光が照射されて静電潜像が形成され、現像装置4M、4C、4Kによってマゼンダ、シアン、ブラックのトナー像が形成される。そして転写装置5M、5C、5Kに転写バイアスが印加されることで、これらのトナー像がシートS上のイエローのトナー像に対して重畳的に転写される。これによりシートSの表面には画像データに応じたフルカラーのトナー像が形成される。
その後、トナー像を担持するシートSは、搬送ベルト97によって定着装置94に搬送され、定着装置94において加熱、加圧処理が施される。これによりシートS上のトナー像がシートSに定着される。その後、トナー像が定着されたシートSは、排出ローラ98によって排出トレイ95に排出される。
<露光ヘッド>
次に、露光ヘッド6の構成について説明する。
図2(a)は、感光ドラム1と露光ヘッド6の斜視図である。図2(b)は、感光ドラム1と露光ヘッド6の断面図である。図3(a)、図3(b)は、露光ヘッド6が備えるプリント基板22の一方側と他方側の実装面を示す図である。図3(c)は、矢印Y方向に隣接する発光素子アレイチップ40の位置関係を示す概略図である。
図2に示す様に、露光ヘッド6は、感光ドラム1の表面と対向する位置に、不図示の固定部材によって固定されている。露光ヘッド6は、光を出射するLEDアレイである発光素子アレイチップ40と、発光素子アレイチップ40を実装するプリント基板22(第1基板)を有する。また発光素子アレイチップ40から出射された光を感光ドラム1上に結像(集光)させるロッドレンズアレイ23と、ロッドレンズアレイ23とプリント基板22が固定されるハウジング24を有する。
図3に示す様に、プリント基板22には、29個の発光素子アレイチップ40が千鳥状に二列に配列されて実装されている。また各々の発光素子アレイチップ40内には、その長手方向(矢印X方向)に所定の解像度ピッチで516個の発光部50(発光素子)が配列されている。
本実施形態において、発光素子アレイチップ40の上記解像度ピッチは1200dpi(約21.16μm)である。また各々の発光素子アレイチップ40が有する発光部50の長手方向の一端部から他端部までの距離は約10.9mmである。つまり露光ヘッド6は、矢印X方向に合計で14964個の発光部50を備えており、これにより約316mm(≒約10.9mm×29チップ)の長手方向の画像幅に対応した露光処理が可能となっている。
発光素子アレイチップ40の長手方向において、隣接する発光素子アレイチップ40の発光部50の間隔L1は約21.16μmとなっている。つまり各々の発光素子アレイチップ40の境界部において発光部50の長手方向のピッチは1200dpiの解像度のピッチとなっている。また発光素子アレイチップ40の短手方向(矢印Y方向)において、隣接する発光素子アレイチップ40の発光部50の間隔L2は約84μm(1200dpiで4画素分、2400dpiで8画素分)となっている。
また発光素子アレイチップ40には、発光素子アレイチップ40に信号を出入力するためのワイヤボンディングパッド28が設けられている。発光素子アレイチップ40の転送部29や発光部50は、ワイヤボンディングパッド28から入力された信号によって駆動する。
またプリント基板22における発光素子アレイチップ40の実装面と反対側の面にはコネクタ21が実装されている。またコネクタ21の矢印X方向の両側には、発光素子アレイチップ40-1~40-15を駆動する駆動部80aと、発光素子アレイチップ40-16~40-29を駆動する駆動部80bが設けられている。
駆動部80a、80bから各々の発光素子アレイチップ40へは、発光素子アレイチップ40を駆動するための配線がプリント基板22の内層を通って接続されている。コネクタ21は、画像コントローラ部70(図4)から送信される駆動部80a、80bの制御信号の伝送、電源ライン、グランド線を接続するために設けられている。
本実施形態において、発光素子アレイチップ40の長手方向である矢印X方向は、感光ドラム1の回転軸線方向であり、主走査方向でもある。また発光素子アレイチップ40の短手方向である矢印Y方向は、感光ドラム1の回転方向であり、副走査方向でもある。また矢印Z方向は、矢印X方向と矢印Y方向に直交する方向である。なお、発光素子アレイチップ40の長手方向は、感光ドラム1の回転軸線方向に対して±1°程度傾いていても構わない。また発光素子アレイチップ40の短手方向も感光ドラム1の回転方向に対して±1°程度傾いていても構わない。
<露光ヘッドのシステム構成>
次に、露光ヘッド6と画像コントローラ部70のシステム構成について説明する。
画像コントローラ部70(第2基板)は、画像形成装置Aの本体側、即ち、露光ヘッド6の外部に設けられた基板であり、画像処理等を行うための各電子部品が実装された基板である。つまり露光ヘッド6のプリント基板22と、画像コントローラ部70は異なる基板である。このように画像コントローラ部70を露光ヘッド6ではなく画像形成装置Aの本体側に配置することにより、露光ヘッド6のプリント基板22を小型化し、露光ヘッド6の小型化を図ることができる。従って、感光ドラム1の周囲に帯電装置2や現像装置4を配置するためのスペースを確保しやすくなる。
なお、以下では、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの四色のうち単色の処理について説明するものの、画像形成動作に際しては上記四色について同様の処理が並列的に行われる。また以下では、駆動部80aと発光素子アレイチップ40-1~40-15との間のシステム構成について説明するものの、駆動部80bと発光素子アレイチップ40-16~40-29との間のシステム構成も同様である。
図4は、画像コントローラ部70と露光ヘッド6のプリント基板22のシステム構成を示すブロック図である。図4に示す様に、画像コントローラ部70は、クロック生成部68、SSCLK生成部69、画像信号生成部71、データ送信部72、CPU73、同期信号生成部74、チップデータ変換部78、チップデータシフト部79を備える。
画像コントローラ部70は、上述した各部により、画像データの処理や画像形成タイミングの処理を行い、露光ヘッド6のプリント基板22に対して露光ヘッド6を制御するための制御信号を送信する。具体的には、制御信号は、画像信号、ライン同期信号、CPU73の通信信号、変調クロック信号などである。これらの信号は、画像コントローラ部70に実装されたコネクタ76からケーブル77a~77c、プリント基板22に実装されたコネクタ21を介して、プリント基板22に伝送される。
クロック生成部68(基準クロック生成部)は、基準クロック信号を生成し、画像信号生成部71、データ送信部72、CPU73、同期信号生成部74、チップデータ変換部78に対して基準クロック信号を入力する。図面中では、基準クロック信号を必要に応じて「CLK」と表記する。なお、図4において、基準クロック信号を伝送するための信号線は省略している。
SSCLK生成部69(変調クロック生成部)は、スペクトラム拡散クロックIC(SSCG:Spread Spectrum Clock Generator)である。SSCLK生成部69は、クロック生成部68により生成された基準クロック信号に対して周波数変調(スペクトラム拡散)した変調クロック信号を生成する。SSCLK生成部69は、データ送信部72、同期信号生成部74、チップデータ変換部78、チップデータシフト部79に対して変調クロック信号を入力する。図面中では、変調クロック信号を必要に応じて「SSCLK」と表記する。なお、図4において、変調クロック信号を伝送するための信号線は省略している。
つまりデータ送信部72、同期信号生成部74とチップデータ変換部78には、基準クロック信号と変調クロック信号の両方が入力される。同期信号生成部74は、第1ライン同期信号を基準クロック信号に基づいて生成し、第2ライン同期信号を変調クロック信号に基づいて生成する(図10参照)。またデータ送信部72は、基準クロック信号から変調クロック信号にクロックの乗り換え処理をして、後述する通り、各種の信号を露光ヘッド6のデータ受信部81に送信する。
CPU73は、SSCLK生成部69により生成される変調クロック信号の変調周期と強度を設定する。本実施形態において、変調クロック信号の変調周期は、一つの発光素子アレイチップ40の露光周期の2倍に設定されている。また変調クロック信号の強度は0.1%から5%の範囲で設定可能であり、放射ノイズを十分に低減できる範囲内でなるべく小さい値に設定される。
画像信号生成部71には、画像読取部90により読み取られた原稿の画像データや外部機器からネットワークを介して転送された画像データが入力される。画像信号生成部71は、入力された画像データに対して、CPU73により指示された解像度でディザリング処理を行い、画像を出力するための画像信号を生成する。
同期信号生成部74は、1ライン分の時間間隔を示す信号であるライン同期信号を周期的に生成する。CPU73は、予め設定された感光ドラム1の回転速度に対し、感光ドラム1の表面が回転方向に画像形成装置Aで形成される画像の副走査方向の解像度に応じた距離を移動する周期を1ライン周期とし、同期信号生成部74に信号周期の時間間隔を指示する。なお、感光ドラム1の回転速度は、不図示の記憶部に記憶された設定値に基づいてCPU73が算出する。
チップデータ変換部78は、ライン同期信号と同期して、画像信号生成部71から画像信号を1ラインずつ受け取る。チップデータ変換部78は、入力された画像信号を、発光素子アレイチップ40-1~40-29の各々で使用できるように配列する。
チップデータシフト部79は、CPU73から指示された各々の発光素子アレイチップ40の位置補正情報に基づいて、各々の発光素子アレイチップ40毎に2400dpi単位で画像信号を副走査方向にシフトさせる。CPU73は、各々の発光素子アレイチップ40の副走査方向の間隔(本実施形態では2400dpiで8画素分)と、事前に測定された各々の発光素子アレイチップ40の実装位置のずれを加算して位置補正情報を算出してチップデータシフト部79に画像信号のシフト量を指示する。
データ送信部72(送信部)は、露光ヘッド6のデータ受信部81に対し、画像コントローラ部70で生成された各種の信号をケーブル77a~77cを介して送信する。具体的には、画像信号生成部71から出力された画像信号はケーブル77aを介して送信される。同期信号生成部74で生成されたライン同期信号(第1ライン同期信号及び第2ライン同期信号)はケーブル77bを介して送信される。CPU73で生成された通信信号はケーブル77cを介して送信される。データ送信部72は、データ受信部81に対して、ライン同期信号に同期してライン単位で画像信号を送信する。
またデータ送信部72は、変調クロック信号を逓倍し、変調クロック信号を画像信号に重畳させてシリアル信号に変換し、当該シリアル信号をデータ受信部81に信号を送信する。これによりデータ送信部72とデータ受信部81との間で少ない信号線で安定的に通信を行う。
データ受信部81で受信された画像信号はLUT82に入力される。発光素子アレイチップ40の発光部50は、露光時間と光量との関係が非線形的な特性を持っている。LUT82は、露光時間と光量との関係が線形線を持つように、入力された画像信号を補正して出力する。なお、駆動部80aは、発光素子アレイチップ40-1~40-15に対応する画像信号を発光素子アレイチップ40毎に並列に処理する回路を有する。
発光パルス生成部83は、LUT82から入力された画像信号のデータ値に応じて発光素子アレイチップ40が1画素区間内で発光する発光時間に対応したパルス幅信号(PWM信号)を生成する。発光パルス生成部83がPWM信号を出力するタイミングは、タイミング制御部84によって制御される。具体的には、タイミング制御部84は、同期信号生成部74で生成された第2ライン同期信号によって各画素の画素区間に対応した同期信号を生成して発光パルス生成部83に送信し、発光パルス生成部83は受信した同期信号に応じてPWM信号を出力する。
駆動電圧生成部86は、PWM信号に同期して発光素子アレイチップ40を駆動する駆動電圧を生成する。駆動電圧生成部86は、発光素子アレイチップ40の発光部50の光量が所定の光量となるようにCPU73により出力信号の電圧レベルを5V中心に調整可能な構成となっている。本実施形態では、各々の発光素子アレイチップ40は、同時に四つの発光部50を独立して駆動できる構成である。駆動電圧生成部86は、発光素子アレイチップ40毎に駆動信号4ライン、露光ヘッド6全体では、千鳥状構成の1ライン(15チップ)×4=60ラインに駆動信号を供給する。各々の発光素子アレイチップ40に供給される駆動信号は、ΦW1~ΦW4とする(図5参照)。一方、後述するシフトサイリスタ(図5参照)の動作により、順次、発光素子アレイチップ40が駆動される。制御信号生成部85は、タイミング制御部84で生成された画素区間に対応する同期信号より、画素毎にシフトサイリスタを転送するための制御信号Φs、Φ1、Φ2を生成する(図5参照)。
<SLED回路>
次に、SLED回路について説明する。
図5は、本実施形態の自己走査型発光素子(Self-Scanning LED:SLED)チップアレイの一部分を抜き出した等価回路である。図5において、Ra、Rgはそれぞれアノード抵抗、ゲート抵抗であり、Tnはシフトサイリスタ、Dnは転送ダイオード、Lnは発光サイリスタを示す。また、Gnは、対応するシフトサイリスタTn、及びシフトサイリスタTnに接続されている発光サイリスタLnの共通ゲートを表している。ここで、nは2以上の整数とする。Φ1は奇数番目のシフトサイリスタTの転送ライン、Φ2は偶数番目のシフトサイリスタTの転送ラインである。ΦW1~ΦW4は発光サイリスタLの点灯信号ラインであり、それぞれ抵抗RW1~RW4と接続されている。VGKはゲートラインであり、Φsはスタートパルスラインである。図5に示す様に、1個のシフトサイリスタTnに対し、発光サイリスタはL4n-3~L4nまでの4個が接続されており、同時に4個の発光サイリスタL4n-3~L4nが点灯可能な構成となっている。
次に、図5に示すSLED回路の動作について説明する。なお、図5の回路図において、ゲートラインVGKには5Vが印加されているものとし、転送ラインΦ1、Φ2、及び点灯信号ラインΦW1~ΦW4に入力される電圧も、同じく5Vとする。
図5において、シフトサイリスタTnがオン状態にあるとき、シフトサイリスタTn、及びシフトサイリスタTnに接続されている発光サイリスタLnの共通ゲートGnの電位は約0.2Vまで引き下げられる。発光サイリスタLnの共通ゲートGnと発光サイリスタLn+1の共通ゲートGn+1との間は、結合ダイオードDnで接続されているため、結合ダイオードDnの拡散電位に略等しい電位差が発生する。本実施形態では、結合ダイオードDnの拡散電位は約1.5Vであるので、発光サイリスタLn+1の共通ゲートGn+1の電位は、発光サイリスタLnの共通ゲートGnの電位の0.2Vに、拡散電位の1.5Vを加えた1.7V(=0.2V+1.5V)となる。
以下、同様に、発光サイリスタLn+2の共通ゲートGn+2の電位は3.2V(=1.7V+1.5V)、発光サイリスタLn+3(不図示)の共通ゲートGn+3(不図示)の電位は4.7V(=3.2V+1.5V)となる。ただし、発光サイリスタLn+4の共通ゲートGn+4以降の電位は、ゲートラインVGKの電圧が5Vであり、これ以上の高い電圧にはならないので、5Vとなる。また、発光サイリスタLnの共通ゲートGnより前(図5の共通ゲートGnよりも左側)の共通ゲートGn-1の電位については、結合ダイオードDn-1が逆バイアス状態になっているため、ゲートラインVGKの電圧がそのまま印加され、5Vとなっている。
図6(a)は、上述したシフトサイリスタTnがオン状態のときの各発光サイリスタLnの共通ゲートGnのゲート電位の分布を示す図であり、共通ゲートGn-1、Gn、Gn+1・・・は、図5中の発光サイリスタLの共通ゲートを指している。また図6(a)の縦軸は、ゲート電位を示す。
各シフトサイリスタTnがオンするために必要な電圧(以下、「閾値電圧」)は、各々の発光サイリスタLnの共通ゲートGnのゲート電位に拡散電位(1.5V)を加えたものと、略同じ電位である。シフトサイリスタTnがオンしているとき、同じシフトサイリスタTnの転送ラインΦ2のラインに接続されているシフトサイリスタの中で、共通ゲートのゲート電位が最も低いのはシフトサイリスタTn+2である。シフトサイリスタTn+2に接続されている発光サイリスタLn+2の共通ゲートGn+2の電位は、先に説明したように3.2V(=1.7V+1.5V)(図6(a))である。したがって、シフトサイリスタTn+2の閾値電圧は4.7V(=3.2V+1.5V)となる。しかしながら、シフトサイリスタTnがオンしているため、転送ラインΦ2の電位は約1.5V(拡散電位)に引き込まれており、シフトサイリスタTn+2の閾値電圧より低いために、シフトサイリスタTn+2はオンすることができない。同じ転送ラインΦ2に接続されている他のシフトサイリスタは、シフトサイリスタTn+2よりも閾値電圧が高いため、同様にオンすることができず、シフトサイリスタTnのみがオン状態を保つことができる。
また、転送ラインΦ1に接続されているシフトサイリスタについては、閾値電圧が最も低い状態であるシフトサイリスタTn+1の閾値電圧は3.2V(=1.7V+1.5V)である。そして、次に閾値電圧の低いシフトサイリスタTn+3(図5では不図示)は6.2V(=4.7V+1.5V)である。この状態で、転送ラインΦ1に5Vが入力されると、シフトサイリスタTn+1のみがオン状態に遷移できる。この状態では、シフトサイリスタTnとシフトサイリスタTn+1が同時にオンした状態である。そのため、シフトサイリスタTn+1から図5の回路図中、右側に設けられたシフトサイリスタTn+2、Tn+3等のゲート電位は、各々、拡散電位(1.5V)分、引き下げられる。ただし、ゲートラインVGKの電圧が5Vであり、発光サイリスタLの共通ゲートの電圧はゲートラインVGKの電圧で制限されるため、シフトサイリスタTn+5より右側のゲート電位は5Vとなる。図6(b)は、このときの各共通ゲートGn-1~Gn+4のゲート電圧分布を示す図であり、縦軸はゲート電位を示す。
この状態で、転送ラインΦ2の電位を0Vに下げると、シフトサイリスタTnがオフし、シフトサイリスタTnの共通ゲートGnの電位がVGK電位まで上昇する。図6(c)は、このときのゲート電圧分布を示す図であり、縦軸はゲート電位を示す。こうして、シフトサイリスタTnからシフトサイリスタTn+1へのオン状態の転送が完了する。
次に、発光サイリスタの発光動作に関して説明する。シフトサイリスタTnのみがオンしているとき、発光サイリスタL4n-3~L4nまでの4個の発光サイリスタのゲートはシフトサイリスタTnの共通ゲートGnに共通に接続されている。そのため、発光サイリスタL4n-3~L4nのゲート電位は、共通ゲートGnと同じ0.2Vである。したがって、各々の発光サイリスタの閾値は1.7V(=0.2V+1.5V)であり、発光サイリスタの点灯信号ラインΦW1~ΦW4から、1.7V以上の電圧が入力されれば、発光サイリスタL4n-3~L4nは点灯可能である。したがって、シフトサイリスタTnがオンしているときに、点灯信号ラインΦW1~ΦW4に点灯信号を入力することにより、発光サイリスタL4n-3~L4nまでの4個の発光サイリスタを選択的に発光させることが可能である。このとき、シフトサイリスタTnの隣のシフトサイリスタTn+1の共通ゲートGn+1の電位は1.7Vであり、共通ゲートGn+1にゲート接続している発光サイリスタL4n+1~4n+4の閾値電圧は3.2V(=1.7V+1.5V)となる。
点灯信号ラインΦW1~ΦW4から入力される点灯信号は5Vであるので、発光サイリスタL4n-3~4nの点灯パターンと同じ点灯パターンで、発光サイリスタL4n+1~L4n+4も点灯しそうである。ところが、発光サイリスタL4n-3~L4nまでの方が閾値電圧が低いため、点灯信号ラインΦW1~ΦW4から点灯信号が入力された場合には、発光サイリスタL4n+1~L4n+4よりも早くオンする。一旦、発光サイリスタL4n-3~L4nがオンすると、接続されている点灯信号ラインΦW1~ΦW4が約1.5V(拡散電位)に引き下げられる。そのため、点灯信号ラインΦW1~ΦW4の電位が、発光サイリスタL4n+1~L4n+4の閾値電圧よりも低くなるため、発光サイリスタL4n+1~L4n+4はオンすることができない。このように、1個のシフトサイリスタTに複数の発光サイリスタLを接続することで、複数個の発光サイリスタLを同時点灯させることができる。
図7は、図5に示すSLED回路の駆動信号のタイミングチャートである。図7では、上から順に、ゲートラインVGK、スタートパルスラインΦs、奇数番目、偶数番目のシフトサイリスタの転送ラインΦ1、Φ2、発光サイリスタの点灯信号ラインΦW1~ΦW4の駆動信号の電圧波形を表している。なお、各駆動信号は、オン時の電圧は5V、オフ時の電圧は0Vである。また、図7の横軸は時間を示す。また、Tcは、クロック信号Φ1の周期を示し、Tc/2は、周期Tcの半分(=1/2)の周期を示す。
ゲートラインVGKには常に5Vが供給される。また、奇数番目のシフトサイリスタ用のクロック信号Φ1、偶数番目のシフトサイリスタ用のクロック信号Φ2が同じ周期Tcにて入力され、スタートパルスラインの信号Φsは5Vが供給されている。奇数番目のシフトサイリスタ用のクロック信号Φ1が最初に5Vになる少し前に、ゲートラインVGKに電位差をつけるために、スタートパルスラインの信号Φsは0Vに落とされる。これにより、最初のシフトサイリスタTn-1のゲート電位が5Vから1.7Vに引き込まれ、閾値電圧が3.2Vになって、転送ラインΦ1による信号でオンできる状態になる。転送ラインΦ1に5Vが印加され、最初のシフトサイリスタTn-1がオン状態に遷移してから少し遅れて、スタートパルスラインΦsに5Vが供給され、以降、スタートパルスラインΦsには5Vが供給され続ける。
転送ラインΦ1と転送ラインΦ2は互いのオン状態(ここでは5V)が重なる時間Tovを持ち、略相補的な関係になるように構成される。発光サイリスタ点灯用信号ラインΦW1~ΦW4は、転送ラインΦ1、Φ2の周期の半分の周期で送信され、対応するシフトサイリスタがオン状態のときに、5Vが印加されると点灯する。例えば期間aでは同一のシフトサイリスタに接続されている4つの発光サイリスタが全て点灯している状態であり、期間bでは3つの発光サイリスタが同時点灯している。また、期間cでは全ての発光サイリスタは消灯状態であり、期間dでは2つの発光サイリスタが同時点灯している。期間eでは点灯する発光サイリスタは1つのみである。
本実施形態では、1個のシフトサイリスタに接続する発光サイリスタの数は4個としているがこれに限ったものではなく、用途に応じて4個より少なくても多くてもよい。なお、上述した回路では各サイリスタのカソードを共通とする回路について説明したが、アノード共通回路でも適宜極性を反転することで適用可能である。
<チップデータ変換部とチップデータシフト部>
次に、チップデータ変換部78とチップデータシフト部79の構成について説明する。
図8は、チップデータ変換部78の構成を示すブロック図である。図9は、チップデータ変換部78とチップデータシフト部79の動作を示すタイミングチャートである。図9に示す1ライン目データは、副走査方向の1ライン目における主走査方向の1ライン分の画像信号を意味する。2ライン目データは、副走査方向の2ライン目における主走査方向の1ライン分の画像信号を意味する。3ライン目データ以降も同様である。
図8、図9に示す様に、チップデータ変換部78は、ラインメモリ61、リード制御部62、カウンタ63、ライト制御部64、メモリ65-1~65-29を備える。メモリ65-1~65-29は、29個のメモリ領域から構成されるFIFOメモリ(First In First Out Memory)である。29個のメモリ領域の各々は、発光素子アレイチップ40-1~40-29でそれぞれ用いられる画像信号が所定の送信順となるように配列される。
カウンタ63は、主走査方向の1ラインの画像信号数(画素数)である14964個の2倍の29928のカウント動作を行う。ここではカウント値が1~14964までの期間を期間Tm1(図9)、カウント値が14965~29928までの期間を期間Tm2(図9)とする。カウンタ63は、同期信号生成部74からライン同期信号が入力されると、カウント値をゼロにリセットした後、基準クロック信号に同期してカウント値をインクリメントする。
リード制御部62は、カウンタ63のカウント値に応じたデータを読み出して、期間Tm1の間に1ライン分の画像信号(14964個)をラインメモリ61へ格納する。ライト制御部64は、期間Tm2の間に、ラインメモリ61からメモリ65-1~65-29の各々へ1ライン分の画像信号を分割して書き込む。
具体的には、ライト制御部64は、まずラインメモリ61から1ライン分の画像信号を読み出し、発光素子アレイチップ40-1で使用される画像信号を格納するメモリ65-1へ書き込む。次に、ライト制御部64は、発光素子アレイチップ40-2で使用される画像信号を格納するメモリ65-2へ書き込む。このようにしてライト制御部64は、メモリ65-1~65-29に画像信号の書き込みを連続的に行う。
なお、メモリ65-1~65-29には、後述するチップデータシフト部79の副走査方向への画像信号のシフト動作に対応するため、10ライン分の画像信号が格納される。この10ライン分の画像信号は、発光素子アレイチップ40の実装位置ずれに対応するための副走査方向の位置補正用の2ライン分と、副走査方向に隣接する二つの発光素子アレイチップ40の間の間隔である8ライン分の合計10ライン分の画像信号である。
このような動作により、チップデータ変換部78は、画像信号生成部71から入力された画像信号をラインメモリ61に格納した後、1ライン分の画像信号を発光素子アレイチップ40-1~40-29の各々に対応するメモリ65-1~65-29に分割して格納する。メモリ65-1~65-29に格納された画像信号は、チップデータシフト部79によって所定のタイミングで読み出される。
チップデータシフト部79は、メモリ65-1~65-29から画像信号を読み出すタイミングを制御して画像信号を副走査方向にシフトさせる。具体的には、チップデータシフト部79は、メモリ65-1~65-29から画像信号を読み出すタイミングを早めることでシートSの先端方向に画像信号をシフトさせる。例えばチップデータシフト部79は、ライン同期信号の1周期分、画像信号を読み出すタイミングを早める。これにより1ライン分の画像信号がシフトされる。
図9に示す様に、本実施形態では、チップデータシフト部79は、期間TL2において、奇数番目の発光素子アレイチップ40-1、40-3、…40-29に対応するメモリ65-1、65-3、…65-29から1ライン目の画像信号を読み出す。またチップデータシフト部79は、メモリへの書き込み期間である期間TL1からライン同期信号で9パルス後の期間である期間TL10において、偶数番目の発光素子アレイチップ40-2、40-4、…40-28に対応するメモリ65-2、65-4、…65-28から1ライン目の画像信号を読み出す。これにより千鳥配列(二列)の副走査方向の間隔(2400dpiで8画素分)に応じて露光タイミングが制御される。
なお、本実施形態では、ライン同期信号の一周期中のカウンタ63のカウント値が29928以上(1ラインの画像信号数の2倍の数)となるようにクロック周波数を定めている。これによりライン同期信号の一周期中にラインメモリ61への画像信号の入力、及び、メモリ65-1~65-29への画像信号の入力が可能となる。
またチップデータシフト部79は、ライン同期信号の一周期中にメモリ65-1~65-29からパラレルで1ライン分の画像信号を読み出す。従って、チップデータシフト部79の画像信号の読み出し速度は、ラインメモリ61やメモリ65-1~65-29への画像信号の書き込み速度に対して低速でよい。本実施形態では、ラインメモリ61への画像信号の書き込みと、メモリ65-1~65-29への画像信号の書き込みに要する時間と、チップデータシフト部79がメモリ65-1~65-29から1ライン分の画像信号を読み出す時間が同じに設定されている。つまりチップデータシフト部79は、メモリ65-1~65-29への書き込みクロックの58倍の周期でメモリ65-1~65-29から画像信号を読み出す。
図10は、チップデータ変換部78の動作を示す図である。図10に示すSSCLK周波数は、変調クロック信号の周波数を基準周波数f0を中心として高低をプロットしたものである。図10に示す第1ライン同期信号は、同期信号生成部74により基準クロック信号に基づいて生成された信号である。図10に示す第2ライン同期信号は、同期信号生成部74により変調クロック信号に基づいて生成された信号である。
図10に示す様に、チップデータ変換部78は、ラインメモリ61への画像信号の書き込み、ラインメモリ61から画像信号の読み出し、及び、メモリ65-1~65-29への書き込みを基準クロック信号に基づいて行う。またチップデータ変換部78は、メモリ65-1~65-29からのデータ出力を変調クロック信号に基づいて行う。
第2ライン同期信号は変調クロック信号に基づいて生成されるため、第2ライン同期信号の周期(TL1’~TL4’)は、第1ライン同期信号の周期(TL1~TL4)と比較して、変調クロック信号の周波数が高い期間は短く、周波数が低い期間は長い。従って、メモリ65-1~65-29からのデータ出力タイミングを、第2ライン同期信号を基準としてオフセット(図10に示すCOS)させることで、第1ライン同期信号と同期するメモリ制御の期間Tm1、Tm2と、第2ライン同期信号と同期するメモリ65-1~65-29からのデータ出力の位置関係は変動する。これによりメモリ65-1~65-29に対する書き込み期間、及び、読み出し期間が重ならないように制御される。
<データ受信部>
次に、データ受信部81の構成について説明する。
上述した通り、データ送信部72は、画像信号に対して変調クロック信号を重畳させた上でデータ受信部81に画像信号を送信する。これに対してデータ受信部81は、データ送信部72から受信したデータから変調クロック信号を抽出するCDR(:Clock Data Recovery)技術を使用するPLL回路45(:Phase Locked Loop回路)を備える。以下、データ受信部81のPLL回路45(抽出回路)の構成について説明する。
図11(a)は、PLL回路45の構成を示すブロック図である。図11(b)は、PLL回路45の位相比較器41の構成を示すブロック図である。図12は、位相比較器41の動作を示すタイミングチャートである。
図11(a)に示す様に、PLL回路45は、位相比較器41、ローパスフィルタ42、電圧制御発振器43、分周回路44を備える。位相比較器41には、データ送信部72から送信され、PLL回路45によってデータの変化点に基づいて抽出された変調クロック信号が入力クロックとして入力される。また位相比較器41には、PLL回路45の出力クロックが分周回路44によって分周された上でフィードバッククロックとして入力される。位相比較器41は、次に説明する構成により、入力クロックとフィードバッククロックとを比較し、比較結果に応じた位相比較信号を出力する。
図11(b)に示す様に、位相比較器41は、Dフリップフロップ46、47、アンドゲート48、オペアンプ49を備える。図12に示す様に、Dフリップフロップ46、47の初期状態のQ出力はローである。Dフリップフロップ46のQ出力は、入力クロックが立ち上がるとハイになる。Dフリップフロップ47のQ出力は、フィードバッククロックが立ち上がるとハイになる。
図12に示す期間Tv1において、フィードバッククロックの立ち上がりに先立って入力クロックが立ち上がると、Dフリップフロップ46のQ出力がハイになる。その後、フィードバッククロックが立ち上がると、Dフリップフロップ47のQ出力はハイになるものの、その直後にアンドゲート48がハイを出力してDフリップフロップ46、47が共にクリアされて両者のQ出力はローに戻る。つまりDフリップフロップ46は、入力クロックに対するフィードバッククロックの遅延時間だけハイを出力する。
図12に示す期間Tv2において、入力クロックの立ち上がりに先立ってフィードバッククロックが立ち上がると、Dフリップフロップ47のQ出力がハイになる。その後、入力クロックが立ち上がると、Dフリップフロップ46のQ出力はハイになるものの、その直後にアンドゲート48がハイを出力してDフリップフロップ46、47が共にクリアされて両者のQ出力はローに戻る。つまりDフリップフロップ47は、入力クロックに対するフィードバッククロックの進み時間だけハイを出力する。
オペアンプ49は、Dフリップフロップ46のQ出力を正の値、Dフリップフロップ47のQ出力を負の値として加算する。オペアンプ49の出力値の時間平均は、入力クロックとフィードバッククロックの位相差がない場合を0(基準)として次のものになる。即ち、入力クロックの位相に対してフィードバッククロックの位相が遅れている程、正の値として絶対値が大きい値が出力される。入力クロックの位相に対してフィードバッククロックの位相が進んでいる程、負の値として絶対値が大きい値が出力される。オペアンプ49のパルス状の出力信号が、位相比較器41から出力される位相比較信号となる。
ローパスフィルタ42は、位相比較器41から出力された位相比較信号のうち、カットオフ周波数よりも高い周波数成分を低減して平滑化し、位相の進み、又は、遅れを電圧の高低で示す位相信号を出力する。上述の通り、位相比較信号はパルス状であるため、ローパスフィルタ42によって信号の高周波成分を低減することでアナログ信号を得ることでき、電圧制御発振器43を滑らかに制御することができる。
なお、ローパスフィルタ42のカットオフ周波数は、高過ぎると十分に平滑化されたアナログ信号が得られず、低過ぎると制御の遅延が生じる。またローパスフィルタ42によって変調クロック信号におけるカットオフ周波数より高い周波数成分が低減されると、後述する通り、データ送信部72から送信される画像信号がデータ受信部81に正常に受信されないおそれがある。従って、これらの点を考慮してカットオフ周波数を設定するのが望ましい。
電圧制御発振器43は、ローパスフィルタ42から出力された位相信号が基準信号に対して遅延している場合には信号の周波数を上げ、進んでいる場合には信号の周波数を下げる。このような動作により、PLL回路45は、出力クロックと基準信号との位相が合うようにフィードバック制御を行う。
<SSCLK生成部>
次に、SSCLK生成部69の構成について説明する。
図13(a)は、SSCLK生成部69の構成を示すブロック図である。図13(b)は、SSCLK生成部69が変調クロック信号を生成する動作を示すタイミングチャートである。図14(a)は、変調パターンテーブル52を示す図である。図14(b)は、読み出し制御部51による変調パターンテーブル52の読み出し動作を示す図である。
図13に示す様に、SSCLK生成部69は、読み出し制御部51、変調パターンテーブル52(記憶部)、ビットパターン変換部53、パラレルシリアル変換部54(シリアル信号生成部)を備える。
読み出し制御部51は、変調パターンテーブル52から、SSCLK生成部69の出力クロックとなる変調クロック信号の1クロック分の周期に相当するデータを、ビットパターン変換部53から出力されたロード信号を受けて読み出す。ビットパターン変換部53は、ビットパターンがオーバーフローしないように読み出し制御部51に対してロード信号を出力する。
図14に示す様に、変調パターンテーブル52には、アドレス0~n-1までのn個の周期データT0~Tn-1が格納されている。周期データT0~Tn-1は、SSCLK生成部69によって行われるスペクトラム拡散による周波数変調の一変調周期分の周期データである。即ち、SSCLK生成部69は、周期データT0~Tn-1に基づいた波形の変調クロック信号を生成する。つまり変調パターンテーブル52は、SSCLK生成部69によって行われるスペクトラム拡散による周波数変調のパターンを記憶する。
また図14(b)に示すAdr、Term、Freqは次の意味である。Adrは、読み出し制御部51が出力する、変調パターンテーブル52を読み出すためのアドレスである。Freqは、SSCLK生成部69によるスペクトラム拡散によって変調された周波数である。Termは、時間毎の周波数Freqを周期に換算した周期データであり、読み出し制御部51が変調パターンテーブル52に格納された周期データT0~Tn-1を読み出して得た値である。
ビットパターン変換部53は、周期データTermをビットパターンに変換する。具体的には、ビットパターン変換部53は、周期データTermをINT(Term/2)個の連続する「1」と、Term-INT(Term/2)個の連続する「0」のビットパターンに変換する。ビットパターン変換部53は、例えばTerm=8の場合、ビットパターン「11110000」に変換し、Term=7の場合、ビットパターン「1110000」に変換する。
またビットパターン変換部53は、基準クロック信号毎に所定のビット数ずつ、パラレルシリアル変換部54にビットパターンを出力する。パラレルシリアル変換部54は、ビットパターンを受け取ると、その内部で生成した逓倍クロックに従って、上位ビットから順に「1」であればハイ信号、「0」であればロー信号として、変調クロック信号を生成する。このようにしてSSCLK生成部69は、変調クロック信号を生成する。
また図14(b)に示す縦の点線は、主走査同期信号のトリガのタイミングに対応する。読み出し制御部51は、副走査同期信号を受信したタイミングでAdrを0に初期化し、主走査同期信号の二周期分に渡ってAdrをインクリメントし、主走査同期信号の二周期ごとに副走査同期信号を受信してAdrを0に初期化する。この結果、SSCLK生成部69は、主走査同期信号に合わせて変調クロック信号を出力する。
図15(a)は、上述した変調パターンテーブル52に記憶されている変調クロック信号の一周期分の変調波形を示すグラフである。図15(a)に示す様に、変調クロック信号の波形は、三角波をフーリエ級数展開したときの基本波と、第3高調波、第5高調波、及び、第7高調波とを合成した波形となっている。即ち、本実施形態におけるスペクトラム拡散による周波数変調の変調波形は、三角波を近似しているものの、三角波をフーリエ級数展開したときの基本波と第7高調波までの奇数次の高長波に帯域制限している。
なお、図15(a)に示す変調波形は、図15(b)に示す波形の周波数変化を周期の積み重ねの形に変換したものである。図15(b)に示す波形は、三角波をフーリエ級数展開したときの基本波、第3高調波、第5高調波、第7高調波の波形である。各波形のフーリエ級数は、基本波が0.81057、第3高調波が-0.0901、第5高調波が0.03242、第7高調波が-0.0165である。なお、図15(c)に示す波形は、上述した第3高調波、第5高調波、第7高調波を抜き出して縦軸のスケールを拡大した波形である。
図16は、SSCLK生成部69によるスペクトラム拡散の変調波形が三角波の場合の中心周波数付近の周波数特性を示すグラフである。図16に示す様に、変調波形が三角波の場合、SSCLK生成部69は、最小周波数と最大周波数との間で周波数を均等な割合で変化させる。従って、振幅強度は周波数に対して平均した分布となり、周波数の偏りが抑えられるため、放射ノイズ対策に有効的である。
しかしながら、三角波をフーリエ級数展開すれば分かる通り、三角波には基本波と無限の奇数次の高調波成分が含まれている。このため、この高調波成分のうち、ローパスフィルタ42のカットオフ周波数以上の高調波成分がPLL回路45で低減されると、データ送信部72から送信された変調クロック信号と、PLL回路45で処理された変調クロック信号は、周期が異なる信号となる。即ち、送信側と受信側でクロック信号の周期が異なることになるため、データ送信部72とデータ受信部81との間で信号の送受信が正常に行われず、露光ヘッド6が画像信号を正常に受信できずに、シートSに形成される画像の一部が抜けるおそれがある。
図17は、SSCLK生成部69によるスペクトラム拡散の変調波形を、三角波をフーリエ級数展開したときの基本波と所定の奇数次の高調波とを合成した合成波とした場合の中心周波数付近の周波数特性を示すグラフである。図17に示す様に、変調波形が基本波のみの場合、周波数は、最小周波数付近と最大周波数付近でゆっくりと変化し、その間の期間では相対的に早く変化する。従って、振幅強度は、最小周波数付近と最大周波数付近に偏った分布となり、周波数を分散させる効果が小さいため、放射ノイズ対策に不利となる。
これに対し、SSCLK生成部69によるスペクトラム拡散の変調波形として、三角波をフーリエ級数展開したときの基本波に対して合成する奇数次の高周波が多くなる程、周波数の偏りが少なくなって周波数が拡散される。例えば基本波のみの場合、変調範囲内に極大点が最大、最小周波数の2点存在するものの、基本波に対して奇数次の高調波を合成すると極大点が3点以上存在することになる。
つまり本実施形態の構成のように、変調クロック信号の波形を、三角波をフーリエ級数展開したときの基本波と、第3高調波、第5高調波、及び、第7高調波とを合成した波形とすることで、以下の効果を得ることができる。即ち、周波数を分散させて放射ノイズを抑制しつつ、三角波をフーリエ級数展開したときの基本波に対して合成する高調波を第7高調波までに帯域制限して、変調クロック信号がローパスフィルタ42によって低減されることを抑制することができる。このため、放射ノイズの抑制と、露光ヘッド6により画像信号が正常に受信されないことの抑制の両立を図ることができる。
なお、本実施形態では、変調クロック信号の波形を、三角波をフーリエ級数展開したときの基本波と、第3高調波、第5高調波、及び、第7高調波とを合成した波形とする構成について説明したものの、本発明はこれに限られるものではない。即ち、変調クロック信号の波形を、三角波をフーリエ級数展開したときの基本波と奇数次の有限の高調波とを合成した波形とすることで上述した効果を得ることができる。つまり変調クロック信号の波形を、三角波をフーリエ級数展開したときの基本波に対して奇数次の所定の高調波を合成した波形とすることで、三角波と比較して変調クロック信号がローパスフィルタ42によって低減されることを抑制することができ、基本波のみの波形と比較して周波数を分散して放射ノイズを抑制する効果を高めることができる。従って、信号の平滑性や制御の応答性を考慮してローパスフィルタ42のカットオフ周波数を設定する。そして設定されたカットオフ周波数に応じて、変調クロック信号がローパスフィルタ42によって低減されないように三角波をフーリエ級数展開したときの基本波に対して合成する奇数次の高調波を設定すればよい。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る画像形成装置の第2実施形態について説明する。第1実施形態と説明の重複する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の構成は、第1実施形態の構成に対し、SSCLK生成部69の構成が異なる。本実施形態に係る画像形成装置Aのその他の構成は、第1実施形態の構成と同様である。
図18(a)は、本実施形態に係るSSCLK生成部69の構成を示すブロック図である。図18(a)に示す様に、本実施形態に係るSSCLK生成部69は、読み出し制御部51、変調パターンテーブル52(記憶部)、D/A変換器88(変換部)、電圧制御発振器89(出力部)を備える。
変調パターンテーブル52には、第1実施形態と同様に、図14(a)に示すアドレス0~n-1までn個の周期データT0~Tn-1が格納されている。周期データT0~Tn-1は、SSCLK生成部69によって行われるスペクトラム拡散による周波数変調の一変調周期分の周期データである。即ち、SSCLK生成部69は、周期データT0~Tn-1に基づいた波形の変調クロック信号を生成する。本実施形態における周期データT0~Tn-1に基づいた変調クロック信号の波形は、第1実施形態の波形と同じである。
図18(b)は、SSCLK生成部69が変調クロック信号を生成する動作を示すタイミングチャートである。図18(b)に示す様に、読み出し制御部51は、変調パターンテーブル52から、SSCLK生成部69の出力クロックとなる変調クロック信号の1クロック分の周期に相当するデータを読み出す。D/A変換器88は、読み出し制御部51で出力されたデータを電圧に変換してアナログ信号として出力する。電圧制御発振器89は、D/A変換器88で出力されたアナログ信号に応じて変調クロック信号を出力する。
なお、本実施形態において、周期データは、電圧制御発振器89の電圧-周波数特性から、電圧制御発振器89から出力される変調クロック信号の周波数が予め設定された周波数となるように換算されたD/A変換器88の出力電圧を表すデジタル値である。また周波数データは、変調波形を基準クロック信号の周期でサンプリングしてサンプリング時点毎の周波数を求めて、電圧制御発振器89の電圧-周波数特性から電圧を求め、D/A変換器88の特性からデータ値を逆算したものである。
このように本実施形態では、SSCLK生成部69は、D/A変換器88と電圧制御発振器89によってアナログ信号を用いて変調クロック信号を生成する。これにより変調クロック信号の生成時に高速クロックを使う必要がなくなるため、半導体プロセスとして微細な構成を使用する必要がなくなり、コストの削減を図ることができる。またアナログ信号によって周波数を滑らかに変動させることができ、各周波数帯の中で周波数をさらに拡散させて放射ノイズ対策の効果を高めることができる。
なお、第1実施形態、第2実施形態においては、発光素子アレイチップ40の発光部50としてLEDを用いる構成について説明したものの、本発明はこれに限られるものではない。即ち、発光素子アレイチップ40の発光部50として有機ELなど他の種類の光源を用いる構成としてもよい。
1…感光ドラム(感光体)
6…露光ヘッド
22…プリント基板(第1基板)
42…ローパスフィルタ
45…PLL回路(抽出回路)
50…発光部
52…変調パターンテーブル(記憶部)
54…パラレルシリアル変換部(シリアル信号生成部)
68…クロック生成部(基準クロック生成部)
69…SSCLK生成部(変調クロック生成部)
70…コントローラ部(第2基板)
71…画像信号生成部
72…データ送信部(送信部)
80a、80b…駆動部
88…D/A変換器(変換部)
89…電圧制御発振器(出力部)
A…画像形成装置

Claims (5)

  1. 感光体の表面に光を照射して静電潜像を形成し、該静電潜像にトナーを付着させて画像を形成する画像形成装置において、
    基準クロック信号を生成する基準クロック生成部と、
    前記基準クロック信号をスペクトラム拡散することにより、三角波をフーリエ級数展開したときの基本波と奇数次の高調波とを合成した合成波で構成された変調クロック信号を生成する変調クロック生成部と、
    入力された画像データに基づいて画像信号を生成する画像信号生成部と、
    主走査方向に並列して配置され、前記画像信号に基づいて発光して前記感光体の表面に主走査方向に延びる一つの走査線を形成し、該走査線を周期的に形成することにより前記感光体の表面に前記静電潜像を形成する複数の発光部と、前記複数の発光部を発光させる駆動部と、前記駆動部が実装される第1基板と、を備える露光ヘッドと、
    前記変調クロック生成部と前記画像信号生成部が実装される第2基板と、
    前記第2基板に実装され、前記画像信号に対して前記変調クロック信号を重畳し、該重畳された信号を前記第1基板に送信する送信部と、
    前記第1基板に実装され、ローパスフィルタを含み、前記送信部から送信された前記重畳された信号から前記変調クロック信号を抽出する抽出回路と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記変調クロック生成部は、前記変調クロック信号を、三角波をフーリエ級数展開したときの基本波と、第3高調波、第5高調波、又は、第7高調波のうち少なくともいずれか一つとを合成した合成波とすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記変調クロック生成部は、前記変調クロック信号を、三角波をフーリエ級数展開したときの基本波と、第3高調波、第5高調波、及び、第7高調波とを合成した合成波とすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記変調クロック生成部は、スペクトラム拡散による周波数変調のパターンが記憶された記憶部と、前記パターンに応じてシリアル信号を生成するシリアル信号生成部と、を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記変調クロック生成部は、スペクトラム拡散による周波数変調のパターンが記憶された記憶部と、前記パターンをアナログ信号に変換する変換部と、前記アナログ信号に応じて前記変調クロック信号を出力する出力部と、を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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