以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の乾燥装置1の概要を模式的に示した図である。
図1に示すように、乾燥装置1は、燃焼装置10と、燃焼装置10から排出された乾燥用ガスによってワークWを乾燥させる乾燥炉40とを備える。なお、ワークWは、被乾燥物として機能する。この乾燥装置1は、乾燥炉40に導入した乾燥用ガスの一部を燃焼装置10に戻す循環式の乾燥装置である。
燃焼装置10は、燃料と酸化剤(空気中の酸素)を燃焼させて燃焼ガスを生成する。燃焼装置10は、燃焼室15と、バーナ20とを備える。
燃焼室15は、内部空間を有する筐体である。燃焼室15の一端15aには、バーナ20が備えられている。バーナ20は、バーナ本体21と、燃料供給管22と、給気ファン23とを備える。
燃料供給管22は、燃料供給源24から燃料をバーナ本体21に導く。なお、図示しないが、燃料供給管22には、バーナ本体21に導入する燃料の流量を調整する流量調整弁が設けられている。
給気ファン23は、燃焼用の空気をバーナ本体21に供給する。なお、バーナ本体21に空気を供給する燃焼用空気供給装置は、給気ファン23に限らず、コンプレッサやブロアでもよい。
バーナ本体21では、燃料供給管22から導入された燃料および給気ファン23から導入された空気が燃焼し、燃焼ガスを生成する。燃焼ガスは、燃焼室15の内部に広がる。
燃焼室15の他端15bには、内部の燃焼ガスを排出するための排出口(図示しない)を有する。また、燃焼室15内の他端15b側には、例えば、図1に示すように、断面に亘ってフィルタ16が設けられている。このフィルタ16は、排出口に向かって流れる乾燥用ガス中の異物を除去する。
乾燥炉40は、燃焼室15から排出された乾燥用ガスによってワークWを乾燥させる。乾燥炉40は、例えば、図1に示すように、ワークWを搬送する搬送通路41の方向、すなわちワークWの搬送方向に延設されている。なお、図1において乾燥炉40は、乾燥炉40の一部を水平断面として上方から見たときの図が示されている。
乾燥炉40は、ケーシング50と、搬送装置60と、ガス噴出部70とを備える。
ケーシング50は、乾燥炉40の外郭を構成する。乾燥炉40が図1に示すようにワークWの搬送方向に延設される場合、ケーシング50は、例えば、断面が矩形の筒状形状を有する。ケーシング50の両端は、開口している。ケーシング50の一端は、搬送通路41の入口であり、ケーシング50の他端は、搬送通路41の出口である。
乾燥炉40の幅方向の中央部に乾燥炉40の延設方向に亘って、ワークWを搬送する搬送通路41が形成されている。搬送通路41は、例えば、乾燥炉40の延設方向に亘ってまっすぐに延設されている。この搬送通路41の延設方向は、ワークWの搬送方向である。
搬送通路41には、乾燥処理されるワークWを移動する搬送装置60が設けられている。搬送装置60は、搬送通路41に沿って備えられている。ワークWは、搬送装置60によって搬送通路41内に沿って移動される。なお、搬送装置60の構成については、後に詳しく説明する。
ガス噴出部70は、ワークWに乾燥用ガスを噴出するための構成を備える。ガス噴出部70は、図1に示すように、搬送通路41に沿って、換言すると、ワークWの搬送方向に沿って設けられている。
ガス噴出部70は、例えば、搬送通路41を挟むように、乾燥炉40内の両側に搬送方向に沿って備えられている。すなわち、ガス噴出部70は、乾燥炉40のケーシング50の側壁51に沿って搬送通路41を挟むように備えられている。
なお、ここでは、2つのガス噴出部70を搬送通路41を介して対向配置した一例を示したが、ガス噴出部70は、いずれか一方のみに配置されてもよい。
ガス噴出部70は、乾燥用ガスをワークWに噴出する、固定ガス噴出ノズル100、可動ガス噴出ノズル110Aを備えている。ガス噴出部70の構造については、後に詳しく説明する。
図1に示すように、ガス噴出部70は、導入管30を介して燃焼室15に連通している。導入管30の一端は、燃焼室15の排出口(図示しない)に連結され、導入管30の他端は、ガス噴出部70に連結されている。図1に示すように2つのガス噴出部70を備える場合、導入管30は、それぞれのガス噴出部70に連結するように二股に分岐されている。
なお、二股に分岐する導入管30のそれぞれに、例えば、ガス噴出部70に導入する乾燥用ガスの流量を調整するための流量調整弁を備えてもよい。
また、一つのガス噴出部70における導入管30との連結部は、一箇所に限らず、複数個所であってもよい。連結部が複数ある場合、導入管30の他端側は、連結部の数に対応して複数に分岐される。
導入管30には、戻り配管33を介して乾燥炉40から燃焼室15に乾燥用ガスを戻すための循環ファン31が介在している。なお、循環ファン31は、導入管30を介して燃焼室15からガス噴出部70に乾燥用ガスを導入するための機能も備えている。
循環ファン31においては、例えば、ファンモータ32を制御してファン回転数を調整することで、ガス噴出部70に供給される乾燥用ガスの流量が調整される。これによって、固定ガス噴出ノズル100、可動ガス噴出ノズル110Aから噴出される乾燥用ガスの速度(流量)が調整される。循環ファン31は、例えば、シロッコファンやターボファンなどで構成される。
乾燥炉40の搬送通路41は、戻り配管33を介して燃焼室15に連通している。戻り配管33の一端は、搬送通路41と連通するようにケーシング50に連結されている。戻り配管33の一端は、例えば、搬送通路41と連通するようにケーシング50の上部に連結される。なお、戻り配管33の一端が配置される搬送通路41は、ワークWを乾燥する領域である。
ここで、戻り配管33は、ガス噴出部70内を貫通しないように配管される。すなわち、戻り配管33は、ガス噴出部70内を流れる乾燥用ガスに接触しないように配管される。なお、戻り配管33の一端を複数に分岐して、搬送通路41の複数の位置から乾燥用ガスを吸引するようにしてもよい。
戻り配管33の他端は、燃焼室15の側壁に連結されている。戻り配管33の他端が連結される側壁位置は、例えば、図1に示すように、フィルタ16とバーナ20との間となるように設定される。これによって、戻り配管33を通って燃焼室15内に循環された乾燥用ガスは、再び燃焼室15から導入管30に導入される際、フィルタ16を通り異物が除去される。
戻り配管33の他端側には、戻り配管33から分岐する分岐管34を有する。分岐管34の一方の端部は、例えば、大気開放されている。この分岐管34は、戻り配管33を介して乾燥炉40から燃焼室15に戻る乾燥用ガスに、大気(空気)を導入するための配管である。すなわち、分岐管34の大気開放側の端部から大気を吸い込み、戻り配管33に導入する。
分岐管34には、戻り配管33に導入する空気の流量を調整するための流量調整部35が備えられている。この流量調整部35は、例えば、ダンパなどで構成される。なお、ダンパの開度は、例えば、一定の流量の空気が戻り配管33に導入されるように調整されている。
すなわち、燃焼室15から導入管30に導入される乾燥用ガスは、バーナ20によって生成された燃焼ガスと、戻り配管33から燃焼室15に循環される大気を含む乾燥用ガスとの混合ガスである。
なお、図示していないが、乾燥炉40は、搬送通路41内の乾燥用ガスを排気する排気管を備える。排気管の一端も、戻り配管33と同様に、搬送通路41と連通するようにケーシング50に連結されている。排気管も、戻り配管33と同様に、ガス噴出部70内を貫通しないように配管される。
次に、搬送装置60およびガス噴出部70の構成について説明する。
図2は、第1の実施の形態の乾燥装置1におけるガス噴出部70の斜視図である。図3は、図2のA-A断面を示す図である。図4は、図2のB-B断面を示す図である。なお、図3は、図2の二点鎖線A-Aで示した部分を鉛直方向に切ったときの断面である。図4は、図2の二点鎖線B-Bで示した部分を水平方向に切ったときの断面である。
また、図5は、図2のB-B断面に相当する断面において、可動ガス噴出ノズル110Aが搬送通路41側に突出していない状態を示している。
ここで、図2~図5には、図1に示した搬送通路41を介して対向配置されたガス噴出部70のうちの、可動ガス噴出ノズル110Aを備える側のガス噴出部70について示している。なお、図3~図5には、搬送装置60および搬送装置60によって搬送されるワークWを記載している。
まず、搬送装置60の構成について説明する。
搬送装置60は、図3に示すように、例えば、レール61と、駆動部62と、支持部63とを備える。
レール61は、乾燥炉40(ケーシング50)の床上に搬送方向に亘って配置されている。支持部63は、例えば、駆動部62上に配置され、ワークWを支持する。支持部63は、例えば、ワークWを下方から安定して支持する棒状部材などで構成される。
駆動部62は、支持部63および支持部63に支持されたワークWをレール61に沿って移動可能な駆動機構を備える。
なお、搬送装置60の構成は、これに限られない。搬送装置60は、搬送通路41に沿ってワークWを搬送方向に移動可能な構成であればよい。搬送装置60は、例えば、ワークWをワイヤなどに吊り下げて搬送する吊り下げ式搬送装置で構成されてもよい。
ここで、乾燥炉40におけるワークWの搬送形態として、タクト運転または連続運転などがある。
タクト運転は、一定時間間隔で断続的にワークWを搬送する運転である。すなわち、タクト運転では、所定時間搬送移動と所定時間停止が繰り返し行われる。
連続運転は、所定の搬送速度で連続的にワークWを搬送する運転である。すなわち、連続運転では、停止することなくワークWを搬送する。
次に、ガス噴出部70の構成について説明する。
ガス噴出部70は、図2~図4に示すように、ガス噴出部本体80と、固定ガス噴出ノズル100と、可動ガス噴出ノズル110Aと、駆動装置140と、制御装置150とを備える。なお、固定ガス噴出ノズル100は、第1の乾燥用ガス噴出ノズルとして機能し、可動ガス噴出ノズル110Aは、第2の乾燥用ガス噴出ノズルとして機能する。
ガス噴出部本体80は、ワークWの搬送方向に沿って延設された筐体で構成される。例えば、ガス噴出部本体80は、ワークWの搬送方向に亘って連続して延び、例えば、直方体形状の筐体で構成される。
ガス噴出部本体80は、ケーシング50と、内部側壁81と、端部側壁82とによって構成される。すなわち、ガス噴出部本体80の構成部には、乾燥炉40のケーシング50が含まれている。
内部側壁81は、ケーシング50内に搬送通路41に沿って設けられている。図3および図4に示すように、内部側壁81は、ケーシング50の側壁51から所定の距離をおいて設けられている。内部側壁81は、平板状部材で構成される。内部側壁81は、搬送されるワークWと内部側壁81との距離が、搬送方向に亘って一定となるように配置されている。
また、ガス噴出部本体80の搬送方向の両端は、端部側壁82によって閉鎖されている。すなわち、ガス噴出部本体80の内部は、ケーシング50、内部側壁81および端部側壁82に囲まれた空間83を構成している。この空間83は、閉空間である。なお、端部側壁82は、例えば、平板状部材で構成される。
例えば、図1に示すように、搬送通路41を挟むようにガス噴出部70を備えることで、ガス噴出部70は、搬送通路41の両側部に搬送方向に沿って連続的に配置される。
図2に示すように、ガス噴出部本体80には、導入管30が接続されている。この導入管30は、空間83内に乾燥用ガスを導入する。
なお、前述したように、ガス噴出部本体80と導入管30の接続部は、一箇所に限られない。分岐された複数の導入管30がガス噴出部本体80と連結されてもよい。ガス噴出部本体80と導入管30の接続部の位置および連結箇所数は、空間83に導入された乾燥用ガスの圧力分布が均一になるように設定されることが好ましい。
固定ガス噴出ノズル100は、ガス噴出部70の内部側壁81から搬送通路41側に突出して設けられている。固定ガス噴出ノズル100は、空間83に導入された乾燥用ガスを乾燥空間である搬送通路41に噴出する。
ここで、固定ガス噴出ノズル100から噴出された乾燥用ガスと、ワークWとの熱伝達を向上させるために、例えば、固定ガス噴出ノズル100は、ワークWが搬送される方向に対して垂直となるように配置されることが好ましい。すなわち、固定ガス噴出ノズル100は、噴出する乾燥用ガスが搬送されるワークWの側面に対して垂直に衝突するように配置されることが好ましい。
また、上記した熱伝達を向上させるために、例えば、固定ガス噴出ノズル100から噴出される乾燥用ガスの流速は、高いほど好ましい。具体的には、固定ガス噴出ノズル100から噴出される乾燥用ガスの流れは、噴出方向に対して垂直な方向に広がらない高速の噴流であることが好ましい。
そこで、固定ガス噴出ノズル100は、このような噴流を形成しやすい、例えば、筒状の直管などで構成される。筒状の直管としては、例えば、円管などが使用される。
固定ガス噴出ノズル100は、例えば、図2に示すように、内部側壁81の同じ高さ位置(鉛直方向の同じ高さ位置)に搬送通路41に沿って所定の間隔をあけて配置される。ここで、この鉛直方向の同じ高さ位置における搬送通路41に沿う複数の固定ガス噴出ノズル100を搬送方向ノズル群と称する。
搬送方向ノズル群は、内部側壁81の鉛直方向に所定の間隔をあけて複数段配置されている。この場合、鉛直方向に見たときに、固定ガス噴出ノズル100は、直線的に一列に配置されてもよい。また、鉛直方向に見たときに、固定ガス噴出ノズル100は、搬送方向ノズル群の一段おきに搬送方向にずらして千鳥格子状に配置されてもよい。
なお、内部側壁81における固定ガス噴出ノズル100の配置構成は、特に限定されるものではない。固定ガス噴出ノズル100の配置構成は、ワークWを均一に乾燥できる配置構成であることが好ましい。また、固定ガス噴出ノズル100の配置構成は、乾燥用ガスを均一な速度(流量)で噴出できる配置構成であることが好ましい。
ここでは、筒状管形状の固定ガス噴出ノズル100を例示したが、この構成に限られない。固定ガス噴出ノズル100は、例えば、スリット状の噴出ノズルであってもよい。この場合、スリット状の固定ガス噴出ノズル100は、ガス噴出部本体80の長手方向(ワークWの搬送方向)に亘って設けられる。また、スリット状の固定ガス噴出ノズル100は、ガス噴出部本体80の高さ方向(鉛直方向)に複数段備えられてもよい。
次に、可動ガス噴出ノズル110Aについて説明する。
図2~図5に示すように、可動ガス噴出ノズル110Aは、ガス噴出部本体80の内部側壁81から搬送通路41側に進退可能に設けられている。すなわち、可動ガス噴出ノズル110Aは、例えば、ワークWの搬送方向に垂直、かつ水平方向に進退可能に設けられている。
可動ガス噴出ノズル110Aは、図3~図5に示すように、内部側壁81を貫通している。内部側壁81には、可動ガス噴出ノズル110Aを搬送通路41側に進退させるための貫通孔84が形成されている。換言すると、内部側壁81には、可動ガス噴出ノズル110Aを貫通させるとともに、可動ガス噴出ノズル110Aを搬送通路41側に突出させたり、空間83側に引っ込めるための貫通孔84が形成されている。
可動ガス噴出ノズル110Aは、管状部材で構成される。可動ガス噴出ノズル110Aの一端側に、ガス噴出部本体80の空間83の乾燥用ガスを導入する導入口121を有する導入部120を備える。可動ガス噴出ノズル110Aの他端側に、乾燥用ガスを噴出する噴出口131を有する噴出部130を備える。
可動ガス噴出ノズル110Aは、図4および図5に示すように、例えば、可動ガス噴出ノズル110A内の流路中心における断面形状がコ字状の管状部材で構成される。
可動ガス噴出ノズル110Aの噴出部130は、進退方向に対して屈曲している。すなわち、噴出部130は、屈曲管で構成されている。
ここでは、噴出部130が進退方向に対して90度屈曲した一例を示している。ここで、進退方向は、ワークWの搬送方向に対して垂直な方向である。この場合、噴出部130の噴出口131は、ワークWの搬送方向に開口している。
噴出部130において、屈曲部よりも噴出口131側は、例えば、直管で構成される。この直管部分は、固定ガス噴出ノズル100と同様に、噴出方向に対して垂直な方向に広がらない高速の噴流を形成する。
また、可動ガス噴出ノズル110Aの導入部120は、噴出部130と同様に、進退方向に対して屈曲している。すなわち、導入部120は、屈曲管で構成されている。ここでは、導入部120が進退方向に対して90度屈曲した一例を示している。また、導入部120の屈曲方向は、噴出部130の屈曲方向と同じである。なお、噴出口131から噴出される乾燥用ガスの流量は、例えば、導入口121の開口面積で調整される。
可動ガス噴出ノズル110Aにおいて、導入部120と噴出部130との間は、水平方向に延びる直管で構成されている。この直管の部分は、貫通孔84を貫通する部分であり、また貫通孔84を進退方向に移動する部分でもある。
可動ガス噴出ノズル110Aの噴出部130(噴出口131)は、例えば、搬送されるワークWの後方側面Wbにおける水平方向の幅L1の少なくとも中央まで突出できる。これによって、噴出部130からワークWの後方側面Wbに向けて乾燥用ガスを噴出することができる。以下において、ワークWの後方側面Wbにおける水平方向の幅L1を単にワークWの水平方向幅L1という。
噴出部130は、例えば、ワークWの水平方向幅L1の全域に亘って突出できるように構成されてもよい。すなわち、噴出部130は、ワークWの水平方向の最も離れた端部(貫通孔84を有する内部側壁81から水平方向に最も離れた端部)に対向する位置まで突出できるように構成されてもよい。
ここで、可動ガス噴出ノズル110Aを搬送通路41側に進退させる際、噴出部130(噴出口131)をワークWに対応した所定の位置に停止させる以外に、任意の位置に停止させることもできる。
なお、ここでは、導入部120を進退方向に対して屈曲させた一例を示したが、導入部120の構成はこれに限られない。導入部120は、例えば、水平方向に延びる直管で構成されてもよい。
この場合、棒状部材141と接続される導入部120の端部は、封止されている。導入口121は、導入部120を構成する直管の側部に形成された複数の貫通孔で構成される。複数の貫通孔は、例えば、直管の長手方向および周方向に均等に設けられる。空間83内の乾燥用ガスは、貫通孔を通り導入部120内に流入する。
ここで、可動ガス噴出ノズル110Aは、可動ガス噴出ノズル110Aを搬送通路41側に進退させる駆動装置140と連結されている。
駆動装置140は、棒状部材141と、駆動部142とを備える。
棒状部材141は、可動ガス噴出ノズル110Aを水平方向に移動可能に支持している。棒状部材141は、例えば、円筒状または円柱状の棒状部材で構成される。
棒状部材141の一端は、可動ガス噴出ノズル110Aを搬送通路41側(水平方向)に進退することができるように、可動ガス噴出ノズル110Aの導入部120に接続されている。
棒状部材141は、搬送通路41側とは異なる側にガス噴出部本体80を貫通している。すなわち、棒状部材141は、空間83側からガス噴出部本体80の外側に、ケーシング50の側壁51を貫通している。
側壁51には、棒状部材141を貫通させる貫通孔52が形成されている。棒状部材141が貫通する貫通孔52の内周面には、シール部材53が設けられている。シール部材53は、棒状部材141の外周面と当接しながら、棒状部材141を進退方向に摺動可能としている。
シール部材53は、例えば、金属製のOリングなどで構成される。シール部材53を設けることで、空間83に導入された乾燥用ガスが貫通孔52と棒状部材141と間の隙間から外部に漏洩することを防止できる。
ガス噴出部本体80の外部に突出する棒状部材141の他端は、駆動部142に連結されている。駆動部142は、棒状部材141を介して可動ガス噴出ノズル110Aを搬送通路41側に進退駆動する。この際、駆動部142は、ワークWに接触しないように可動ガス噴出ノズル110Aを進退させるように、制御装置150によって制御される。
駆動部142としては、特に限定されないが、例えば、エアーシリンダ、ステッピングモータなどで構成される。
例えば、タクト運転においてワークWが搬送されている場合、搬送が停止している間、可動ガス噴出ノズル110Aは、搬送通路41の中央に突出してワークWに乾燥用ガスを噴出する。そして、搬送が開始する前に、可動ガス噴出ノズル110Aは、空間83側の所定位置まで収容される。
ワークWの搬送形態がタクト運転の場合、可動ガス噴出ノズル110Aは、ワークWが停止する搬送方向位置よりも若干搬送方向の上流側(乾燥炉40の入口側)に設けられる。これによって、タクト運転で所定の位置に停止したワークWの後方側面Wbに向けて可動ガス噴出ノズル110Aから乾燥用ガスを噴出できる。なお、以下において、搬送方向の上流側を単に上流側という。また、搬送方向の下流側を単に下流側という。
例えば、連続運転においてワークWが搬送されている場合、例えば、可動ガス噴出ノズル110Aが設けられている搬送方向位置をワークWが通過後、可動ガス噴出ノズル110Aは、搬送通路41の中央に突出してワークWに乾燥用ガスを噴出する。そして、可動ガス噴出ノズル110Aが設けられている搬送方向位置に次のワークWが来る前に、可動ガス噴出ノズル110Aは、空間83側の所定位置まで収容される。
ここで、可動ガス噴出ノズル110Aは、搬送方向に少なくとも一つ備えられている。可動ガス噴出ノズル110Aは、搬送方向に所定の間隔をあけて複数配置されてもよい。例えば、ワークWの搬送形態がタクト運転の場合、ワークWが停止する搬送方向位置毎に可動ガス噴出ノズル110Aを配置してもよい。
また、可動ガス噴出ノズル110Aは、ガス噴出部70の高さ方向(鉛直方向)に少なくとも一つ備えられている。可動ガス噴出ノズル110Aは、ガス噴出部70の高さ方向に所定の間隔をあけて複数配置されてもよい。例えば、ワークWの鉛直方向の高さに応じて、配置する可動ガス噴出ノズル110Aの数や配置間隔が設定される。
ここでは、搬送通路41を介して対向配置されたガス噴出部本体80のうち、可動ガス噴出ノズル110Aを備えるガス噴出部本体80の構成について主に説明した。可動ガス噴出ノズル110Aを備えないガス噴出部本体80の構成は、可動ガス噴出ノズル110A、棒状部材141、駆動部142を除いて、可動ガス噴出ノズル110Aを備えるガス噴出部70の構成と同じである。
制御装置150は、可動ガス噴出ノズル110Aの搬送通路41側への進退を制御する。具体的には、制御装置150は、例えば、ワーク搬送位置検知機構160からの検知信号に基づいて駆動部142を制御して可動ガス噴出ノズル110Aを搬送通路41側へ進退させる。なお、制御装置150は、可動ガス噴出ノズル110Aを搬送通路41側に進退させる際、予め設定された位置に噴出部130(噴出口131)を停止させることができる。また、予め設置される位置は、任意に設定可能である。
なお、ここでは、可動ガス噴出ノズル110Aを搬送通路41側へ進退させるために、駆動部142を制御する制御装置150について説明するが、この制御装置150の機能は、例えば、乾燥炉40または乾燥装置1を制御する制御装置に備えられてもよい。
ワーク搬送位置検知機構160は、ワークWの搬送位置に関する情報を検知する。このワーク搬送位置検知機構160は、乾燥炉40に備えられている。
ワーク搬送位置検知機構160は、例えば、非接触センサであるレーザセンサなどで構成される。ここで、図3および図4には、ワーク搬送位置検知機構160としてレーザセンサを使用した一例を示している。ワーク搬送位置検知機構160は、レーザ光を出射する出射部161と、出射部161が出射したレーザ光を検知する検知部162とを備える。
ここでは、出射部161をケーシング50の天井部に備え、検知部162をケーシング50の床部に備えた一例を示している。出射部161と検知部162は、搬送通路41を介して互いに対向して配置されている。
なお、出射部161および検知部162が搬送通路41内の乾燥用ガスに直接曝されないように、出射部161および検知部162の搬送通路41側には、例えば、耐熱ガラス161a、162aが設けられている。
ここで、出射部161と検知部162との間をワークWが通過しているときには、検知部162は、出射部161から出射されたレーザ光を検知しない。出射部161と検知部162との間にワークWがないときには、検知部162は、出射部161から出射されたレーザ光を検知する。
ワークWの搬送形態が連続運転の場合、ワーク搬送位置検知機構160は、例えば、可動ガス噴出ノズル110Aが設けられている搬送方向位置よりも若干上流側(乾燥炉40の入口側)に設けられる。
このワーク搬送位置検知機構160が設けられる位置は、例えば、ワークWが連続して搬送されている場合におけるワークWの搬送速度、および可動ガス噴出ノズル110Aが搬送通路41の中央に突出した状態から空間83側に引っ込んだ状態とするまでの時間(以下、ノズル収容時間という。)に基づいて設定される。
すなわち、ワーク搬送位置検知機構160は、ワーク搬送位置検知機構160によってワークWが検知された時からそのワークWが可動ガス噴出ノズル110Aが備えられた搬送方向位置に達するまでの時間(以下、ワーク検知後到達時間という。)が、ノズル収容時間よりも長くなる位置に設けられる。ここで、ワークWが可動ガス噴出ノズル110Aが備えられた搬送方向位置に達するまでの時間とは、ワークWの前方端部が可動ガス噴出ノズル110Aにおける最も上流側に位置する部分に到達するまでの時間である。
これによって、可動ガス噴出ノズル110Aが搬送通路41の中央に突出した状態において、後方から搬送される次のワークWをワーク搬送位置検知機構160が検知した場合でも、可動ガス噴出ノズル110AはワークWに接触することなく空間83側に収容される。
ここで、可動ガス噴出ノズル110Aは、例えば、ワーク搬送位置検知機構160によってワークWが検知された時からそのワークWが可動ガス噴出ノズル110Aが備えられた搬送方向位置を通過するまでの時間(以下、ワーク検知後通過時間という。)を経過した時、搬送通路41側に突出される。なお、ワークWが可動ガス噴出ノズル110Aが備えられた搬送方向位置を通過するとは、可動ガス噴出ノズル110Aの噴出口131が位置する搬送方向位置をワークWの後方端部が通過することである。
また、可動ガス噴出ノズル110Aは、後方から搬送される次のワークWをワーク搬送位置検知機構160が検知した時に空間83側に収容される。
ここで、ワーク搬送位置検知機構160の構成は、上記した構成に限られない。ワーク搬送位置検知機構160は、例えば、光電センサ、近接スイッチなどの非接触センサで構成されてもよい。
また、例えば、搬送装置60の駆動部62において駆動軸の回転を検出するロータリーエンコーダなどが備えられている場合、ワーク搬送位置検知機構160は、パルス信号を出力するロータリーエンコーダで構成されてもよい。この場合、ロータリーエンコーダからのパルス信号に基づいて、ワークWの搬送方向位置を特定する。
すなわち、ワーク搬送位置検知機構160は、ワークWの搬送位置に関する情報を検知できる構成であればよい。
次に、乾燥装置1の作用について説明する。
まず、図1を参照して、乾燥装置1全体における作用を説明する。
乾燥装置1の運転開始時において、給気ファン23、循環ファン31が駆動される。
バーナ20における燃焼が開始すると、循環ファン31の吸引によって、燃焼室15内の乾燥用ガス(燃焼ガス)が導入管30内に吸引される。導入管30内に吸引された乾燥用ガスは、乾燥炉40のガス噴出部70に導入される。
ガス噴出部70の空間83内に広がった乾燥用ガスの一部は、固定ガス噴出ノズル100から搬送通路41に噴出される。また、ガス噴出部70の空間83内に広がった乾燥用ガスの残部は、可動ガス噴出ノズル110Aから搬送通路41に噴出される。なお、乾燥炉40にける作用は、後に詳しく説明する。
燃焼室15内の乾燥用ガスが循環ファン31によって吸引されるため、燃焼室15内の圧力は、乾燥炉40の搬送通路41内の圧力よりも低くなる。そのため、搬送通路41の乾燥用ガスは、戻り配管33を通り燃焼室15に導かれる。
この際、分岐管34の大気開放側の端部からも空気が吸引される。そして、分岐管34を介して、所定量の空気が戻り配管33に導入され、燃焼室15に導かれる。
戻り配管33を介して燃焼室15に導入された乾燥用ガスおよび空気は、バーナ20における燃焼によって生成した燃焼ガスと混合し、導入管30内に吸引され、前述したように乾燥炉40のガス噴出部70に導入される。
このように、燃焼室15において形成された乾燥用ガスの一部は、乾燥炉40を経て燃焼室15に循環される。
次に、図2~図5を参照して、乾燥炉40における作用を説明する。
乾燥用ガスは、図2に示すように、導入管30を介して乾燥炉40のガス噴出部70に導入される。ガス噴出部本体80内の空間83に広がった乾燥用ガスの一部は、固定ガス噴出ノズル100から搬送通路41に噴出される。この際、乾燥用ガスは、図3~図5に示すように、固定ガス噴出ノズル100に対向するワークWの側面に向けて噴出される。
なお、固定ガス噴出ノズル100から噴出された乾燥用ガスの流れは、噴出方向に対して垂直な方向への広がりが抑制されるとともに高速であるため、熱伝達が向上する。そのため、乾燥用ガスの熱量を効率的にワークWに伝達することができる。
一方、空間83内に広がった乾燥用ガスの残部は、可動ガス噴出ノズル110Aから搬送通路41に噴出される。
可動ガス噴出ノズル110Aが搬送通路41側へ突出していない状態では、図5に示すように、可動ガス噴出ノズル110Aは、空間83側に収容されている。この状態において、噴出部130は、搬送通路41の内部側壁81の近傍に位置する。
ここで、制御装置150は、ワーク搬送位置検知機構160からの検知信号に基づいて駆動部142を制御して可動ガス噴出ノズル110Aを進退させる。
例えば、制御装置150は、ワーク検知後通過時間の間、駆動部142を制御して、可動ガス噴出ノズル110Aが空間83側に収容されている状態を維持する。なお、ワーク検知後通過時間であるか否かは、ワーク搬送位置検知機構160からの検知信号に基づいて制御装置150が判定する。
この状態において、空間83内の乾燥用ガスは、導入口121から可動ガス噴出ノズル110A内に流入し、噴出口131から搬送通路41に噴出される。この場合、噴出口131から噴出される乾燥用ガスは、内部側壁81に沿って搬送方向に噴出される。
この際、噴出口131から噴出される乾燥用ガスの流れは、下流側に位置する固定ガス噴出ノズル100から噴出される乾燥用ガスの流れには影響を及ぼさない。
一方、制御装置150は、ワーク検知後通過時間が経過した時、駆動部142を制御して、図3および図4に示すように、可動ガス噴出ノズル110Aを搬送通路41側に突出させる。なお、ワーク検知後通過時間が経過したか否かは、ワーク搬送位置検知機構160からの検知信号に基づいて制御装置150が判定する。
この際、噴出部130の噴出口131は、例えば、ワークWの後方側面Wbに対向する。そして、導入口121から導入された空間83内の乾燥用ガスを噴出口131からワークWに向けて噴出する。ここで、導入口121は、例えば、図4に示すように空間83内の乾燥用ガスの流れ方向に対向して開口している。これによって、乾燥用ガスの流れの動圧分も導入口121から取り入れられる。
例えば、ワークWの後方側面Wbが、搬送方向側に窪んだ形状を有する場合、乾燥用ガスは、窪みの内部まで導入される。これによって、ワークWの内部からも加熱することができる。そのため、ワークW全体を短時間で均等に加熱することができる。
ここで、制御装置150は、ワーク搬送位置検知機構160からの検知信号に基づいて、後方のワークWが検知されたと判定した場合、駆動部142を制御して、図5に示すように、可動ガス噴出ノズル110Aを空間83側に収容する。
上記したように、第1の実施の形態の乾燥装置1では、可動ガス噴出ノズル110Aを備えることで、内部側壁81に対向するワークWの側面以外に、ワークWの後方側面Wbにも乾燥用ガスを直接噴出することができる。これによって、ワークW全体を均一に加熱することができるとともに、乾燥時間を短縮することができる。
また、ワークWが、例えば、後方側面Wbなどに開口を有する中空構造体で構成されている場合には、可動ガス噴出ノズル110Aから後方側面Wbに向けて乾燥用ガスを噴出することができる。これによって、ワークWの内部に乾燥用ガスを導入することができ、ワークW全体をより均一に加熱することができるとともに、乾燥時間を短縮することができる。
また、第1の実施の形態の乾燥装置1では、乾燥炉40における乾燥時間を短縮することができるため、乾燥炉40の搬送通路41を短くすることができる。
なお、第1の実施の形態の乾燥装置1では、ワークWの後方側面Wbに向けて搬送方向に乾燥用ガスを噴出する可動ガス噴出ノズル110Aの構成の一例を示したが、この構成に限られない。
例えば、可動ガス噴出ノズル110Aは、ワークWの前方側面Wfに向けて搬送方向とは逆方向(下流方向)に乾燥用ガスを噴出するように構成されてもよい。この場合、噴出部130の噴出口131および導入部120の導入口121は、搬送方向とは逆方向に開口する。
なお、噴出口131および導入口121が下流側に向けて開口する可動ガス噴出ノズル110Aの作用は、噴出口131および導入口121が上流側に向けて開口する可動ガス噴出ノズル110Aの作用と同じである。
例えば、タクト運転においてワークWが搬送されている場合、搬送が停止している間、可動ガス噴出ノズル110Aは、搬送通路41の中央に突出してワークWの前方側面Wfに向けて乾燥用ガスを噴出する。そして、搬送が開始する前に、可動ガス噴出ノズル110Aは、空間83側の所定位置まで収容される。
例えば、連続運転においてワークWが搬送されている場合、制御装置150は、ワーク検知後通過時間が経過した時、駆動部142を制御して、可動ガス噴出ノズル110Aを搬送通路41側に突出させる。この場合、ワーク検知後通過時間の定義において、ワークWが可動ガス噴出ノズル110Aが備えられた搬送方向位置を通過するとは、可動ガス噴出ノズル110Aにおける最も下流側の部分が位置する搬送方向位置をワークWの後方端部が通過することである。
また、制御装置150は、ワーク搬送位置検知機構160からの検知信号に基づいて、後方の次のワークWが検知されたと判定した場合、駆動部142を制御して、可動ガス噴出ノズル110Aを空間83側に収容する。
この場合においても、可動ガス噴出ノズル110Aを備えることで、内部側壁81に対向するワークWの側面以外に、ワークWの前方側面Wfにも乾燥用ガスを直接噴出することができる。これによって、ワークW全体を均一に加熱することができるとともに、乾燥時間を短縮することができる。
また、第1の実施の形態の乾燥装置1における可動ガス噴出ノズル110Aの噴出部130において、屈曲部よりも噴出口131側を直管で構成した一例を示したが、この構成に限られない。例えば、噴出部130において、屈曲部よりも噴出口131側を通路断面積が徐々に増加する拡大するディフューザ形状にしてもよい。噴出口131側の拡がりは、例えば、ワークWの後方側面Wbの面積に応じて設定される。
このように、噴出部130における噴出口131側をディフューザ形状にすることで、ワークWの後方側面Wb全体に向けて乾燥用ガスを噴出することができる。これによっても、ワークW全体を均一に加熱することができるとともに、乾燥時間を短縮することができる。
(第2の実施の形態)
図6は、第2の実施の形態の乾燥装置2におけるガス噴出部70の水平断面を示した図である。図7は、図6のC-C断面を示す図である。図6に示した断面は、可動ガス噴出ノズル110Bの中心軸を通る断面である。
なお、以下の実施の形態において、第1の実施の形態の乾燥装置1の構成と同一の構成部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
ここで、図6および図7には、搬送通路41を介して対向配置されたガス噴出部70のうちの、可動ガス噴出ノズル110Bを備える側のガス噴出部70について示している。また、図6および図7は、可動ガス噴出ノズル110Bが搬送通路41側に突出している状態を示している。
第2の実施の形態の乾燥装置2におけるガス噴出部70において、可動ガス噴出ノズル110Bの構成以外は、第1の実施の形態の乾燥装置1におけるガス噴出部70の構成と同じである。そこで、ここでは、可動ガス噴出ノズル110Bについて主に説明する。
なお、第2の実施の形態の乾燥装置2の概要構成は、図1に示した第1の実施の形態の乾燥装置1の概要構成と同様である。
図6および図7に示すように、ガス噴出部70は、ガス噴出部本体80と、固定ガス噴出ノズル100と、可動ガス噴出ノズル110Bと、駆動装置140と、制御装置150とを備える。なお、可動ガス噴出ノズル110Bは、第2の乾燥用ガス噴出ノズルとして機能する。
可動ガス噴出ノズル110Bは、ガス噴出部本体80の内部側壁81から搬送通路41側に進退可能に設けられている。すなわち、可動ガス噴出ノズル110Bは、例えば、ワークWの搬送方向に垂直、かつ水平方向に進退可能に設けられている。
可動ガス噴出ノズル110Bは、管状部材で構成される。具体的には、可動ガス噴出ノズル110Bは、搬送通路41側に延びる直管で構成される。すなわち、可動ガス噴出ノズル110Bは、搬送方向に対して垂直な方向にまっすぐに延びる管状部材で構成される。可動ガス噴出ノズル110Bは、内部側壁81を貫通している。
可動ガス噴出ノズル110Bにおいて、一端側は、封止され、他端側は開口されている。可動ガス噴出ノズル110Bの一端側には、ガス噴出部本体80の空間83の乾燥用ガスを導入する導入孔122を有する導入部120が備えられる。
導入部120に形成された導入孔122は、導入部120を構成する管状部材の側部に形成された貫通孔で構成される。導入部120には、複数の導入孔122が形成されている。複数の導入孔122は、例えば、導入部120の長手方向および周方向に均等に設けられる。空間83内の乾燥用ガスは、導入孔122を通り導入部120内に流入する。
なお、可動ガス噴出ノズル110Bを搬送通路41側に突出させたときでも、導入孔122は、内部側壁81よりも側壁51側に位置する。すなわち、可動ガス噴出ノズル110Bを進退させた際、導入孔122は、内部側壁81よりも搬送通路41側へ出ない位置に形成されている。
また、可動ガス噴出ノズル110Bの他端側には、乾燥用ガスを噴出する噴出口132を有する噴出部130が備えられる。
ここで、噴出口132から噴出される乾燥用ガスの流量は、例えば、導入孔122の開口面積や導入孔122の数で調整される。
なお、導入部120の構成は、上記した構成に限られない。導入部120は、第1の実施の形態と同様に、進退方向に対して屈曲させた構成としてもよい。
噴出部130の噴出口132は、固定ガス噴出ノズル100と同様に、ワークWの搬送方向に対して垂直な方向に開口している。すなわち、乾燥用ガスは、噴出口132から搬送方向に対して垂直な方向に噴出される。
噴出部130は、固定ガス噴出ノズル100と同様に、噴出方向に対して垂直な方向に広がらない高速の噴流を形成する。
可動ガス噴出ノズル110Bの噴出部130は、例えば、ワークWの水平方向幅L1の全域に亘って突出できるように構成されてもよい。すなわち、噴出部130は、ワークWの水平方向の最も離れた端部(貫通孔84を有する内部側壁81から水平方向に最も離れた端部)に対向する位置まで突出できるように構成されてもよい。これによって、ワークWの形状に対応して適切に乾燥用ガスを噴出することができる。
ここで、可動ガス噴出ノズル110Bを搬送通路41側に進退させる際、噴出部130(噴出口132)をワークWに対応した所定の位置に停止させる以外に、任意の位置に停止させることもできる。
可動ガス噴出ノズル110Bは、可動ガス噴出ノズル110Bを搬送通路41側に進退させる駆動装置140と連結されている。なお、駆動装置140は、棒状部材141と、駆動部142とを備える。
導入部120の封止された端部は、棒状部材141の一端に接続されている。これによって、可動ガス噴出ノズル110Bを搬送通路41側(水平方向)に進退することができる。
ここで、可動ガス噴出ノズル110Bは、図6および図7に示すように、例えば、搬送方向に亘って段部を有するワークWを乾燥させる際に有効である。このワークWは、可動ガス噴出ノズル110Bが備えられた側に低い段部W1を有し、対向するガス噴出部70側(図6および図7の右側)に高い段部W2を有する。それぞれの段部W1、W2は、例えば、搬送方向に亘って水平面を有している。
このようなワークWにおいて、高い段部W2に衝突する固定ガス噴出ノズル100から噴出された乾燥用ガスの速度は遅くなる。そのため、乾燥用ガスとワークWとの間の熱伝達が低下する。
しかしながら、可動ガス噴出ノズル110Bを備えることで、高い段部W2の近傍まで噴出部130を近づけることができる。これによって、高い段部W2に高速の乾燥用ガスを衝突させることができる。
ここで、可動ガス噴出ノズル110Bが空間83側に収容された際、例えば、噴出部130は、固定ガス噴出ノズル100と同程度に搬送通路41側に突出した状態で保持される。
ここで、第2の実施の形態の乾燥装置2の乾燥炉40では、ワーク搬送位置検知機構160を備えるとともに、搬送されているワークWの形状に関する情報(ワーク形状情報)を検知するワーク形状検知機構(図示しない)を備える。
ワーク形状検知機構は、例えば、乾燥炉40の入口などに配置される。ワーク形状検知機構は、例えば、ワークWの形状を画像から検知する画像センサや、ワーク形状情報に紐づけて登録されたバーコードリーダを検知するバーコード検知センサなどで構成される。
なお、ワーク形状検知機構は、これらに限定されるものではなく、ワーク形状情報を検知できるものであればよい。
制御装置150は、ワーク形状検知機構からの検知信号および記憶部に検知信号に紐づけられて登録されたワーク形状情報に基づいて、ワーク形状情報を入力する。そして、制御装置150は、ワーク形状情報、記憶部にワーク形状に紐づけられて予め登録された可動ガス噴出ノズル110Bの突出位置情報、およびワーク搬送位置検知機構160からの検知信号に基づいて、駆動部142を制御して可動ガス噴出ノズル110Bを所定の位置まで突出させる。ここで、可動ガス噴出ノズル110Bの突出位置情報には、例えば、可動ガス噴出ノズル110Cの搬送通路41側への移動距離に関する情報が含まれる。
また、制御装置150は、ワーク搬送位置検知機構160からの検知信号に基づいて、ワーク検知後通過時間の間、可動ガス噴出ノズル110Bを所定の位置まで突出させる。
制御装置150は、ワーク検知後通過時間が経過した時、駆動部142を制御して可動ガス噴出ノズル110Bを空間83側に収容させる。
上記したワーク搬送位置検知機構160やワーク形状検知機構を備えることで、図6および図7に示すようなワークWが段部を有する形状であっても、例えば、高い段部W2の近傍まで噴出部130を近づけて、高い段部W2に乾燥用ガスを噴出することができる。
上記したように、第2の実施の形態の乾燥装置2では、可動ガス噴出ノズル110Bを備えることで、ワークWの形状に対応してワークWの近傍から乾燥用ガスを噴出することができる。これによって、ワークW全体を均一に加熱することができるとともに、乾燥時間を短縮することができる。
(第3の実施の形態)
図8は、第3の実施の形態の乾燥装置3におけるガス噴出部70の水平断面を示した図である。なお、図8に示した断面は、図2のB-B断面に相当する断面である。
ここで、図8には、搬送通路41を介して対向配置されたガス噴出部70のうちの、可動ガス噴出ノズル110Cを備える側のガス噴出部70について示している。また、図8は、可動ガス噴出ノズル110Cが搬送通路41側に突出している状態を示している。
第3の実施の形態の乾燥装置3におけるガス噴出部70において、可動ガス噴出ノズル110Cおよび駆動部142の構成以外は、第1の実施の形態の乾燥装置1におけるガス噴出部70の構成と同じである。そこで、ここでは、可動ガス噴出ノズル110Cおよび駆動部142について主に説明する。
なお、第3の実施の形態の乾燥装置3の概要構成は、図1に示した第1の実施の形態の乾燥装置1の概要構成と同様である。
図8に示すように、ガス噴出部70は、ガス噴出部本体80と、固定ガス噴出ノズル100と、可動ガス噴出ノズル110Cと、駆動装置140と、制御装置150とを備える。なお、可動ガス噴出ノズル110Bは、第2の乾燥用ガス噴出ノズルとして機能する。
可動ガス噴出ノズル110Cは、ガス噴出部本体80の内部側壁81から搬送通路41側に進退可能であるとともに、棒状部材141の中心軸Oを回転軸として回動可能に設けられている。なお、可動ガス噴出ノズル110Bの進退方向は、例えば、ワークWの搬送方向に垂直でかつ水平方向である。また、可動ガス噴出ノズル110Cを搬送通路41側に進退させる際、噴出部130(噴出口131)をワークWに対応した所定の位置に停止させる以外に、任意の位置に停止させることもできる。
可動ガス噴出ノズル110Cは、例えば、360度回動できる。これによって、一つの可動ガス噴出ノズル110Cにおいて、ワークWの後方側面Wb以外に、ワークWの前方側面Wfにも乾燥用ガスを噴出することができる。
可動ガス噴出ノズル110Cは、内部側壁81を貫通している。可動ガス噴出ノズル110Cは、管状部材で構成される。具体的には、可動ガス噴出ノズル110Cの噴出部130の構成は、例えば、第1の実施の形態の可動ガス噴出ノズル110Aの噴出部130の構成と同じである。また、可動ガス噴出ノズル110Cの導入部120の構成は、第2の実施の形態の可動ガス噴出ノズル110Bの導入部120の構成と同じである。
ここで、導入部120において、導入孔122を側部に形成された複数の貫通孔で構成することで、所定流量の乾燥用ガスを噴出口131から噴出することができる。すなわち、可動ガス噴出ノズル110Cが回動しているときでも、可動ガス噴出ノズル110Cが回動していないときと同じ流量の乾燥用ガスを導入孔122から導入することができる。
なお、可動ガス噴出ノズル110Cの導入部120の構成は、例えば、第1の実施の形態の可動ガス噴出ノズル110Aの導入部120の構成と同じであってもよい。
可動ガス噴出ノズル110Cは、可動ガス噴出ノズル110Cを搬送通路41側に進退させるとともに、棒状部材141の中心軸Oを回転軸として回動させる駆動装置140と連結されている。なお、駆動装置140は、棒状部材141と、駆動部143とを備える。
導入部120の封止された端部は、棒状部材141の一端に接続されている。これによって、可動ガス噴出ノズル110Cを搬送通路41側(水平方向)に進退し、回動することができる。
ガス噴出部本体80の外部に突出する棒状部材141の他端は、駆動部143に連結されている。駆動部143は、棒状部材141を介して可動ガス噴出ノズル110Aを搬送通路41側に進退駆動可能であるとともに、棒状部材141の中心軸Oを回転軸として回動可能である。
駆動部143は、棒状部材141を介して、例えば、可動ガス噴出ノズル110Cを360度回動することができる。駆動部143としては、特に限定されないが、例えば、ステッピングモータ、ギヤドモータなどで構成される。
ここで、可動ガス噴出ノズル110Cを棒状部材141の中心軸Oを回転軸として回動させることで、噴出部130の噴出口131は、例えば、ワークWの後方側面Wbに対して、水平方向から下方側または上方側に向けられる。すなわち、可動ガス噴出ノズル110Cは、ワークWの後方側面Wbの下方側から上方側の領域に向けて乾燥用ガスを噴出することができる。
また、ワークWの搬送形態がタクト運転であって、例えば、ワークWが少なくとも一方が開口した筒体の場合には、次のような乾燥処理も可能となる。開口が可動ガス噴出ノズル110C側に向くようにワークWを搬送装置60に設置する。そして、タクト運転における搬送停止の際、開口が可動ガス噴出ノズル110Cに対向する位置となるようにワークWを停止させる。
搬送が停止している間、可動ガス噴出ノズル110Cの噴出部130を開口からワークW内に挿入して、可動ガス噴出ノズル110Cを回動させながら、ワークWの内部に乾燥用ガスを噴出する。
そして、搬送が開始する前に、噴出部130をワークWの内部から抜き出し、可動ガス噴出ノズル110Cを空間83側の所定位置まで収容する。なお、筒体のワークWは、両端が開口していてもよい。また、筒体の長手方向の断面形状は、円、楕円、三角形、矩形、多角形などが挙げられるが、特に限定されない。筒状のワークWは、開口を介してワークWの内部に噴出部130を回動可能に収容できる空間を有していればよい。このような乾燥処理では、ワークWの内部から均一化な加熱が可能となる。
なお、可動ガス噴出ノズル110Cを進退させるための制御は、第1の実施の形態における制御と同じである。
また、制御装置150は、例えば、予め設定された回動情報や外部から入力された回動情報に基づいて、可動ガス噴出ノズル110Cを回動させるための信号を駆動部143に出力する。なお、回動情報には、可動ガス噴出ノズル110Cを回動するための情報以外に、例えば、回動する角度などの情報も含まれる。
上記したように、第3の実施の形態の乾燥装置3では、可動ガス噴出ノズル110Cを備えることで、内部側壁81に対向するワークWの側面以外に、ワークWの後方側面Wbにも乾燥用ガスを直接噴出することができる。さらに、可動ガス噴出ノズル110Cを回動させることで、ワークWの後方側面Wbの下方側から上方側の領域に向けて乾燥用ガスを噴出することができる。
これによって、ワークW全体を均一に加熱することができるとともに、乾燥時間を短縮することができる。
(第4の実施の形態)
図9は、第4の実施の形態の乾燥装置4における搬送方向に沿う鉛直断面を示す図である。なお、図9の断面は、搬送通路41の幅方向の中心よりも対向配置されているガス噴出部側で切ったときの鉛直断面である。また、図9は、可動ガス噴出ノズル110Aが搬送通路41側に突出している状態を示している。
第1の実施の形態~第3の実施の形態では、ガス噴出部70が搬送通路41の両側部に設けられた一例を示した。第4の実施の形態の乾燥装置4では、搬送通路41の両側部以外に、上部(天井部)にもガス噴出部70の構成を備えた一例を示す。
第4の実施の形態の乾燥装置4におけるガス噴出部70では、第1の実施の形態で示した可動ガス噴出ノズル110Aを備えた一例を示す。
ここでは、乾燥炉40の天井部に備えられたガス噴出部70の構成について主に説明する。
天井部にガス噴出部70が備えられる場合、ガス噴出部本体80における搬送方向に垂直な断面において、空間83は、搬送通路41を囲むようにコ字状(逆U字状)に形成される。
天井部におけるガス噴出部本体80は、側部におけるガス噴出部本体80と同様に、搬送通路41に沿って備えられる。図9に示すように、天井部におけるガス噴出部本体80は、ケーシング50と、内部天井壁85と、端部側壁(図示しない)とによって構成される。
端部側壁は、前述した端部側壁82と同様に、天井部におけるガス噴出部本体80の搬送方向における両端を閉鎖する。端部側壁は、例えば、平板状部材で構成される。ガス噴出部本体80の内部は、ケーシング50、内部天井壁85および端部側壁に囲まれた空間83を構成している。この空間83は、両側部のガス噴出部本体80における空間83と連通している。
なお、第1の実施の形態~第3の実施の形態では、ワーク搬送位置検知機構160において、出射部161を天井部と検知部162を床部に備えた一例を示したが、ここでは、ワーク搬送位置検知機構160は、他の位置に配置される。なお、ワーク搬送位置検知機構160として、ワークWの搬送位置に関する情報を検知する他の検知方法を適用してもよい。
内部天井壁85に配置される固定ガス噴出ノズル100の構成は、側部の内部側壁81に配置される固定ガス噴出ノズル100の構成と同じである。
可動ガス噴出ノズル110Aは、ガス噴出部本体80の内部天井壁85から搬送通路41側に進退可能に設けられている。すなわち、可動ガス噴出ノズル110Aは、例えば、ワークWの搬送方向に垂直、かつ鉛直方向に進退可能に設けられている。
可動ガス噴出ノズル110Aは、図9に示すように、内部天井壁85を貫通している。なお、内部天井壁85における可動ガス噴出ノズル110Aを進退させるための貫通孔の構成は、内部側壁81の貫通孔84の構成と同じである。
可動ガス噴出ノズル110Aの噴出部130(噴出口131)は、例えば、搬送されるワークWの後方側面Wbにおける鉛直方向の幅L2の少なくとも中央まで突出できる。これによって、噴出部130からワークWの後方側面Wbに向けて乾燥用ガスを噴出することができる。以下において、ワークWの後方側面Wbにおける鉛直方向の幅L2を単にワークWの鉛直方向幅L2という。
噴出部130は、例えば、ワークWの鉛直方向幅L2の全域に亘って突出できるように構成されてもよい。すなわち、噴出部130は、ワークWの鉛直方向の最も離れた端部(貫通孔を有する内部天井壁85から鉛直下方に最も離れた端部)に対向する位置まで突出できるように構成されてもよい。
なお、ここで、可動ガス噴出ノズル110Aを搬送通路41側に進退させる際、噴出部130(噴出口131)をワークWに対応した所定の位置に停止させる以外に、任意の位置に停止させることもできる。
ここで、可動ガス噴出ノズル110Aは、可動ガス噴出ノズル110Aを搬送通路41側に進退させる駆動装置140と連結されている。なお、駆動装置140は、棒状部材141と、駆動部142とを備える。
棒状部材141は、可動ガス噴出ノズル110Aを鉛直方向に移動可能に支持している。棒状部材141の一端は、可動ガス噴出ノズル110Aを搬送通路41側(鉛直方向)に進退することができるように、可動ガス噴出ノズル110Aの導入部120に接続されている。
棒状部材141は、搬送通路41側とは異なる側にガス噴出部本体80を貫通している。すなわち、棒状部材141は、空間83側からガス噴出部本体80の外側に、ケーシング50の天井壁54を貫通している。なお、天井壁54に形成された棒状部材141を貫通させる貫通孔の構成は、側壁51の貫通孔52の構成と同じである。
ガス噴出部本体80の外部に突出する棒状部材141の他端は、駆動部142に連結されている。駆動部142は、棒状部材141を介して可動ガス噴出ノズル110Aを搬送通路41側に進退駆動する。
なお、乾燥炉40における作用において、可動ガス噴出ノズル110Aが鉛直方向に進退する以外の作用は、第1の実施の形態で説明したとおりである。
第4の実施の形態の乾燥装置4では、可動ガス噴出ノズル110Aを備えることで、内部天井壁85に対向するワークWの上面、内部側壁81に対向するワークWの側面以外に、ワークWの後方側面Wbにも乾燥用ガスを直接噴出することができる。これによって、ワークW全体を均一に加熱することができるとともに、乾燥時間を短縮することができる。
第4の実施の形態では、ガス噴出部70において可動ガス噴出ノズル110Aを備えた一例を示したが、前述した可動ガス噴出ノズル110B、110Cも適用することができる。その際、各可動ガス噴出ノズルを備えることで得られる前述した作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
また、ここでは、両側部および天井部にガス噴出部70を備える一例を示したが、ガス噴出部70は、床部に備えられてもよい。この場合、可動ガス噴出ノズル110Aは、下方から上方に向かって突出する。
なお、前述した実施の形態では、燃焼装置10において発生した燃焼ガスを乾燥用ガスとして使用した一例を示したが、乾燥用ガスは他の手段で発生させてもよい。例えば、乾燥用ガスとして、電気炉などで加熱された空気を使用してもよい。
また、ここでは、ワークWを加熱して乾燥させる乾燥装置の一例を示したがこれに限られるものではない。ワークWを冷却して乾燥させる乾燥装置においても、本実施の形態における乾燥炉40、特にガス噴出部70の構成を適用できる。ワークWを冷却して乾燥させる乾燥装置では、燃焼装置10の代わりに、例えば、空気を冷却する冷却装置が使用される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
実施形態の乾燥装置は、搬送される被乾燥物に乾燥用ガスを噴出して前記被乾燥物を乾燥させる。この乾燥装置は、前記被乾燥物を搬送する搬送通路と、前記搬送通路に沿って設けられ、乾燥用ガスが導入されるガス噴出部本体と、前記ガス噴出部本体から搬送通路側に突出して設けられ、前記被乾燥物の搬送方向に対して垂直な方向から前記被乾燥物の側面に乾燥用ガスを噴出する第1の乾燥用ガス噴出ノズルと、前記ガス噴出部本体から搬送通路側に進退可能に設けられ、前記被乾燥物の搬送方向の下流側から前記被乾燥物の後方側面または前記被乾燥物の搬送方向の上流側から前記被乾燥物の前方側面に乾燥用ガスを噴出する第2の乾燥用ガス噴出ノズルと、前記第2の乾燥用ガス噴出ノズルを搬送通路側に進退させる駆動装置とを備える。