JP2022159929A - ポリオール組成物、ポリウレタン樹脂組成物、及びポリウレタンフォーム - Google Patents

ポリオール組成物、ポリウレタン樹脂組成物、及びポリウレタンフォーム Download PDF

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Abstract

【課題】難燃性を有するポリウレタンフォームを形成可能で、かつ貯蔵安定性に優れたポリオール組成物を提供する。【解決手段】ポリオール、難燃剤、発泡剤、触媒、及び求核阻害剤を含有する、ポリオール組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオール組成物、ポリウレタン樹脂組成物、及びポリウレタンフォームに関する。
ポリウレタンフォームは、その優れた断熱性及び接着性から、例えば、マンションなどの集合住宅、戸建住宅、学校の各種施設、商業ビルなどの建築物の断熱材として用いられている。ポリウレタンフォームは、ポリオール組成物とイソシアネートとを混合して発泡させ、スプレー装置などを使用して天井や壁、屋根などの対象物に吹き付けることで得られる。このようなポリウレタンフォームは、建築物に使用されるものである以上、火災が発生した場合において、火がポリウレタンフォームに燃え移って延焼をもたらすことを防止する為、当然ながら難燃性が求められる。
上記のようなポリウレタンフォームを得る為のポリオール組成物としては、例えば、特許文献1に記載されるような、HFO系発泡剤、触媒、及び難燃剤を含有するポリオール組成物が知られている。
特開2020-172650号公報
しかしながら、こうした従来のポリオール組成物は、難燃剤と触媒が反応し、触媒の活性が損なわれることがある。特に、難燃剤が金属成分を含んでいる場合、該金属成分と触媒がキレート化反応することから、そうした問題がより顕著になる傾向がある。また、難燃剤が金属成分を含んでおらず、難燃剤と触媒が反応しなかったとしても、発泡剤と触媒が反応して別の化合物を生成することがあり、この場合もやはり触媒の活性が損なわれる。
特に、触媒としてアミン系化合物が使用されている場合には、上記した一連の問題がより顕著になる傾向がある。このようにして、ポリオール組成物中の触媒の活性が損なわれると、ポリオール組成物の貯蔵安定性が低下することで、ポリオール組成物を安定した状態で保管できなくなり、その結果、イソシアネートとの反応速度が低下し、良質なポリウレタンフォームの形成が不可能になる問題がある。
そこで、本発明は、難燃性を有するポリウレタンフォームを形成可能で、かつ貯蔵安定性に優れたポリオール組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、ポリオール、難燃剤、発泡剤、触媒、及び求核阻害剤を含有するポリオール組成物により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、下記[1]~[7]を要旨とする。
[1]ポリオール、難燃剤、発泡剤、触媒、及び求核阻害剤を含有する、ポリオール組成物。
[2]前記難燃剤が金属系難燃剤を含む、[1]に記載のポリオール組成物。
[3]前記求核阻害剤が、アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]又は[2]に記載のポリオール組成物。
[4]前記発泡剤がハイドロフルオロオレフィン(HFO)を含む、[1]~[3]のいずれか1項に記載のポリオール組成物。
[5]前記触媒がアミン系触媒を含む、[1]~[4]のいずれか1項に記載のポリオール組成物。
[6][1]~[5]のいずれか1項に記載のポリオール組成物と、イソシアネートとを含有する、ポリウレタン樹脂組成物。
[7][6]に記載のポリウレタン樹脂組成物を反応かつ発泡させることにより得られる、ポリウレタンフォーム。
本発明によれば、難燃性を有するポリウレタンフォームを形成可能で、かつ貯蔵安定性に優れたポリオール組成物を提供することができる。
[ポリオール組成物]
本発明のポリオール組成物は、ポリオール、難燃剤、発泡剤、触媒、及び求核阻害剤を含有する。
<求核阻害剤>
本発明のポリオール組成物は、求核阻害剤を含有する。求電子性を有する求核阻害剤は、ポリオール組成物中において、難燃剤ないし発泡剤よりも優先的に、かつ触媒の活性が損なわれない程度に触媒に緩やかなに作用し、難燃剤と触媒、あるいは発泡剤と触媒が反応するのを抑制する。したがって、求核阻害剤をポリオール組成物中に含有することによって、難燃剤、特に金属系難燃剤と触媒、あるいは発泡剤と触媒が反応することを抑制し、ポリオール組成物の貯蔵安定性を保つことが可能になる。
本発明において使用される求核阻害剤としては、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、遷移金属化合物などが挙げられる。
求核阻害剤として使用されるアルカリ金属化合物としては、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、酢酸塩等が例示される。アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が例示される。アルカリ金属の炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が例示される。アルカリ金属のカルボン酸塩としては、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属の酢酸塩が例示される。
アルカリ土類金属化合物としては、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、硫酸塩等が例示される。アルカリ土類金属の水酸化物としては、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等が例示される。アルカリ土類金属の炭酸塩としては、炭酸ベリリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等が例示される。アルカリ土類金属の硫酸塩としては、硫酸ベリリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウム、硫酸バリウム等が例示される。
遷移金属化合物としては、遷移金属の水酸化物等が例示される。遷移金属の水酸化物としては、水酸化マンガン(II)、水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)、水酸化ニッケル(II)、水酸化銅(II)、水酸化亜鉛、水酸化バナジウム、水酸化クロム(III)等が例示される。
本発明において使用される求核阻害剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよいが、1種を単独で使用することが好ましい。
また、本発明において使用される求核阻害剤としては、アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。また、上記した中では、求核阻害剤の効果を発揮しやすい点から、アルカリ土類金属化合物がより好ましく、アルカリ土類金属の水酸化物がさらに好ましい。
また、具体的な好適な化合物としては、水酸化マグネシウム、水酸化リチウム、酢酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化銅(II)が挙げられ、中でも水酸化マグネシウムが特に好ましい。
本発明のポリオール組成物中の求核阻害剤の含有量は、後述のポリオール100質量部に対し、0.2~87質量部が好ましく、0.5~60質量部がより好ましく、1~30質量部がさらに好ましく、2~10質量部が特に好ましい。求核阻害剤の含有量が上記下限値以上であることで、触媒の失活を確実に抑制する。他方、求核阻害剤の含有量が上記上限値以下であることで、触媒の活性を適切に維持することが可能になる。
<ポリオール>
ポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールなどが挙げられる。ポリウレタンフォームの難燃性を向上させる観点から、ポリオールは、ポリエステルポリオールを含むことが好ましい。また難燃性を向上させるという観点から、含ハロゲンポリオールや含リンポリオールなどの使用も好ましい。
このような観点から、ポリオール100質量部のうち、ポリエステルポリオールを20質量部以上とすることが好ましく、50質量部以上とすることがより好ましく、80質量部以上とすることがさらに好ましく、100質量部とすることが特に好ましい。
本発明で用いるポリオールの平均水酸基価は、ポリウレタンフォームの難燃性を向上させる観点から、100~500mgKOH/gが好ましく、150~450mgKOH/gがより好ましく、200~400mgKOH/gがさらに好ましい。
なお、平均水酸基価とはポリオールが1種類である場合には、そのポリオールの水酸基価を意味する。また、2種類以上のポリオールを用いる場合は、ポリオールの水酸基価として、当該2種類以上のポリオールの配合比率に従った水酸基の加重平均値を平均水酸基価とする。
例えば、ポリオールとして、2種類のポリオール(d1)、ポリオール(d2)を用いる場合、ポリオール(d1)の水酸基価をX、配合比率をm、ポリオール(d2)の水酸基価をX、配合比率をmとすると、該平均水酸基価は、以下の式で表される。なお、配合比率は、質量基準である。
平均水酸基価(mgKOH/g)=X×(m/(m+m))+X×(m/(m+m))
水酸基価は、JIS K1557-1:2007に準拠して測定される値である。
(ポリエステルポリオール)
ポリエステルポリオールは、芳香環を有するポリエステルポリオールでもよいし、脂肪族ポリエステルポリオールでもよいが、得られるポリウレタンフォームの難燃性を考慮した場合、芳香環を有するポリエステルポリオールを使用することが好ましい。芳香環を有するポリエステルポリオールは、o-フタル酸(フタル酸)、m-フタル酸(イソフタル酸)、p-フタル酸(テレフタル酸)、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸とグリコールの縮合物であることが好ましい。中でも、ポリウレタンフォームの難燃性を高める観点から、ポリオールは、フタル酸とグリコールとの縮合物である、フタル酸系ポリエステルポリオールを含むことが好ましく、p-フタル酸とグリコールの縮合物である、p-フタル酸系ポリエステルポリオールを含むことがより好ましい。
グリコールとしては、特に限定されるものではないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等のポリエステルポリオールの構成成分として公知の低分子量脂肪族グリコールを使用することが好ましい。
ポリエステルポリオールの水酸基価は、100~500mgKOH/gが好ましく、150~450mgKOH/gがより好ましく、200~400mgKOH/gがさらに好ましい。
(ポリエーテルポリオール)
ポリエーテルポリオールは、2個以上の活性水素原子を有する開始剤に、アルキレンオキサイドを開環付加重合させて得られたポリオキシアルキレンポリオールである。開始剤としては、具体的には例えば、脂肪族多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどのグリコール類、トリメチロールプロパン、グリセリンなどのトリオール類、ペンタエリスリトールなどの4官能アルコール類、シュクロース類、ソルビトール類などの高官能類)、脂肪族アミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ネオペンチルジアミンなどのアルキレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン)、芳香族アミン(例えば、アニリン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、マンニッヒ縮合物など)などが挙げられる。
ポリエーテルポリオールは、芳香環を有することが好ましい。上記のうち、芳香環を有する開始剤を用いて製造したポリエーテルポリオールが、芳香環を有するポリエーテルポリオールであり、例えば芳香族アミンを開始剤として用いて製造したポリエーテルポリオールは、芳香環を有するポリエーテルポリオールである。芳香環を有するポリエーテルポリオールの中でも、トリレンジアミン系ポリエーテルポリオール、マンニッヒ系ポリエーテルポリオールなどを好適に使用することができる。
トリレンジアミン系ポリエーテルポリオールとは、開始剤としてトリレンジアミンを用いて製造したトリレンジアミン系ポリエーテルポリオールである。
上記マンニッヒ系ポリエーテルポリオールとは、マンニッヒ反応を利用して得られるものであって、分子内に2個以上の水酸基を有するマンニッヒ縮合物、又はそのようなマンニッヒ縮合物に、アルキレンオキサイドを付加させたポリエーテルポリオールである。より具体的には、フェノール及びそのアルキル置換誘導体の少なくともいずれか、ホルムアルデヒド及びアルカノールアミンのマンニッヒ反応により得られたマンニッヒ縮合物、又はこの化合物にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの少なくとも1種を開環付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオールである。
ポリエーテルポリオールの水酸基価は、200~2000mgKOH/gであることが好ましく、300~1000mgKOH/gであることがより好ましい。
<難燃剤>
本発明のポリオール組成物中に含有する難燃剤は、特に限定されないが、好ましくは金属系難燃剤を含有する。金属系難燃剤は、上記のとおり、触媒を比較的大きく失活させる要因となるが、本発明では、求核阻害剤が使用されることにより、触媒の失活を抑制しつつ、難燃性を向上させることができる。
金属系難燃剤としては、例えば、金属系ホウ酸塩、金属系リン酸塩、スズ酸塩、硫化物、ハロゲン化物、硫酸塩などが挙げられ、これらの中では金属系ホウ酸塩、金属系リン酸塩が好ましい。なお、求核阻害剤として上記した金属塩は、金属系難燃剤に包含されないものとする。
金属系ホウ酸塩としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、周期表第4族、第12族、及び第13族の元素のホウ酸塩等が挙げられる。具体的には、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸セシウム等のホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム等のホウ酸アルカリ土類金属塩、ホウ酸ジルコニウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸アンモニウム等が挙げられる。この中では、ホウ酸亜鉛が好ましい。
金属系リン酸塩としては、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、亜リン酸一ナトリウム、亜リン酸二ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム等のナトリウム塩、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、亜リン酸一カリウム、亜リン酸二カリウム、次亜リン酸カリウム等のカリウム塩、リン酸一リチウム、リン酸二リチウム、リン酸三リチウム、亜リン酸一リチウム、亜リン酸二リチウム、次亜リン酸リチウム等のリチウム塩、リン酸二水素バリウム、リン酸水素バリウム、リン酸三バリウム、次亜リン酸バリウム等のバリウム塩、リン酸一水素マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸三マグネシウム、次亜リン酸マグネシウム等のマグネシウム塩、リン酸二水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸三カルシウム、次亜リン酸カルシウム等のカルシウム塩、リン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛、次亜リン酸亜鉛等の亜鉛塩、第一リン酸アルミニウム、第二リン酸アルミニウム、第三リン酸アルミニウム、亜リン酸アルミニウム、次亜リン酸アルミニウム等のアルミニウム塩等が挙げられる。この中では、アルミニウム塩が好ましく、亜リン酸アルミニウムがより好ましい。
本発明のポリオール組成物中に含有する難燃剤としては、上記した金属系難燃剤以外の難燃剤、すなわち非金属系難燃剤を含有してもよい。非金属系難燃剤としては、特に限定されないが、良好な難燃性を得る観点から、リン酸エステル系難燃剤、赤燐系難燃剤、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤などが挙げられる。これらの中では、リン酸エステル系難燃剤を含有することが好ましい。また、リン酸エステル系難燃剤と共に、臭素系難燃剤及び赤燐系難燃剤の少なくとも1種を含有することがより好ましく、中でもリン酸エステル系難燃剤と、赤燐系難燃剤とを少なくとも併用することがさらに好ましい。
また、難燃性をより向上させる観点から、非金属系難燃剤は、金属系難燃剤と併用することも好ましい。
リン酸エステル系難燃剤としては、例えば、トリクレジルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェートなどが挙げられる。また、リン酸エステル系難燃剤としては、トリ(クロロエチル)ホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリス(β-クロロプロピル)ホスフェート、などのハロゲン化リン酸エステル系難燃剤を使用してもよい。これらの中では、トリス(β-クロロプロピル)ホスフェート及びトリフェニルホスフェートからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、トリス(β-クロロプロピル)ホスフェートがより好ましい。
赤燐系難燃剤としては、赤燐単体からなるものでもよいが、赤燐に樹脂、金属水酸化物、金属酸化物等を被膜したものでもよいし、赤燐に樹脂、金属水酸化物、金属酸化物等を混合して粉体とされたものでもよい。なお、金属水酸化物を赤燐の被膜、または赤燐と混合して粉体として使用する場合、上記求核阻害剤とは別途で使用されるものとする。
赤燐系難燃剤は、例えば、ノーバレッド120、ノーバエクセル140(いずれも燐化学工業社製)、ヒシガード(日本化学工業社製)等の市販品をそのまま使用することもできる。
臭素含有難燃剤としては、分子構造中に臭素を含有し、常温(23℃)、常圧(1気圧)で固体である化合物であれば特に限定されないが、例えば、臭素化芳香環含有芳香族化合物等が挙げられる。
臭素化芳香環含有芳香族化合物としては、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモビフェニル、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモビスフェノールA等のモノマー系有機臭素化合物等が挙げられる。
また、臭素化芳香環含有芳香族化合物は、臭素化合物ポリマーであってもよい。具体的には、臭素化ビスフェノールAを原料として製造されたポリカーボネートオリゴマー、このポリカーボネートオリゴマーとビスフェノールAとの共重合物等の臭素化ポリカーボネート、臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジエポキシ化合物等が挙げられる。さらには、臭素化フェノール類とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるモノエポキシ化合物等の臭素化エポキシ化合物、臭素化ポリフェニレンエーテルと臭素化ビスフェノールAと塩化シアヌールとの臭素化フェノールの縮合物、未架橋又は架橋臭素化ポリスチレン等が挙げられる。
また、ヘキサブロモシクロドデカン等の臭素化芳香環含有芳香族化合物以外の化合物であってもよい。
本発明のポリオール組成物中に臭素系難燃剤を含有する場合、臭素系難燃剤としてエチレンビス(ペンタブロモフェニル)を含有することが好ましい。
塩素系難燃剤としては、例えば、塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、ドデカクロロペンタシクロオクタデカ-7,15-ジエン(デクロランプラス25(登録商標)(オキシデンタルケミカル製))、及び無水ヘット酸などが挙げられる。
難燃剤は、1種を単独で含有してもよいし、2種以上を併用して含有してもよい。2種以上を併用する場合は、金属系難燃剤と非金属系難燃剤をそれぞれ1種以上使用して併用してもよいし、金属系難燃剤のみを2種以上併用してもよいし、非金属系難燃剤のみを2種以上併用してもよい。そのため、難燃剤の組み合わせは、特に限定されるものではないが、ポリウレタンフォームの難燃性を向上させる観点から、本発明のポリオール組成物中に含有される難燃剤は、金属系難燃剤を含むことが好ましく、ホウ酸亜鉛を含むことがより好ましく、ホウ酸亜鉛と1種以上の非金属系難燃剤を併用して含有することがさらに好ましい。
本発明のポリオール組成物中における難燃剤の含有量は、ポリオール100質量部に対し、45~160質量部が好ましく、55~150質量部がより好ましく、65~140質量部がさらに好ましい。
また、金属系難燃剤の含有量は、ポリオール100質量部に対し、5~40質量部が好ましく、10~35質量部がより好ましく、18~30質量部がさらに好ましい。非金属系難燃剤の含有量は、ポリオール100質量部に対し、40~120質量部が好ましく、45~115質量部がより好ましく、47~110質量部がさらに好ましい。
<発泡剤>
発泡剤は、後述の発泡性ポリウレタン組成物の発泡を促進する。発泡剤としては、例えば、水、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の低沸点の炭化水素、ジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリド等の塩素化脂肪族炭化水素化合物、ハイドロフルオロオレフィン(以下「HFO」と記載することがある。)、ジイソプロピルエーテル等のエーテル化合物、あるいはこれらの化合物の混合物等の有機系物理発泡剤、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の無機系物理発泡剤等が挙げられる。
本発明のポリオール組成物中に含有する発泡剤としては、上記したもののうち、水、シクロペンタン、HFOからなる群から選択される少なくとも1種である発泡剤が好ましく、中でも、発泡剤としての安定性が高く、かつ触媒活性が低下しにくくなり、さらに、環境負荷も低くなるHFOを含むことがより好ましい。また、発泡剤は、発泡性の観点から、沸点が40℃以下の発泡剤を含むことも好ましく、沸点が40℃以下のHFOを含むことがより好ましい。
好適な発泡剤であるHFOとしては、炭素数が3~6個程度であるフルオロアルケン等を挙げることができる。また、HFOは塩素原子を有するハイドロクロロフルオロオレフィンであってもよく、したがって、炭素数が3~6個程度であるクロロフルオロアルケン等であってもよい。
HFOとしては、例えば、トリフルオロプロペン、HFO-1234等のテトラフルオロプロペン、HFO-1225等のペンタフルオロプロペン、クロロジフルオロプロペン、HFO-1233等のクロロトリフルオロプロペン、及びクロロテトラフルオロプロペン等が挙げられる。
より具体的には、3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1243zf)、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze(E))、シス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze(Z))、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、1,1,3,3-テトラフルオロプロペン、シス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze(Z))、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye(E))、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye(Z)、)、1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)、1,1,2,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225yc)、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1233zd(E))、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブト-2-エン(HFO-1336mzz)等が挙げられる。これらの中ではHFO-1233zd(E)及びHFO-1336mzzからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、HFO-1233zd(E)がより好ましい。
発泡剤の含有量は特に限定されず、ポリオール100質量部に対して、20~80質量部が好ましく、30~70質量部がより好ましく、35~60質量部が更に好ましい。発泡剤の含有量が前記下限値以上であると発泡が促進され、発泡性が良好となり、ポリウレタンフォームの密度を低減することができる。一方、発泡剤の含有量が前記上限値以下であると発泡が過度に進行することを抑制することができる。
上記発泡剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよい。本発明の発泡性ポリウレタン組成物においては、上述のHFOとそれ以外の発泡剤を併用することが好ましく、例えば、HFOもしくはシクロペンタンと、取り扱い性に優れる水、酸素ガス、二酸化炭素ガスを併用してもよい。特に、水はイソシアネートインデックスを調整する観点、及び取り扱い容易性の観点から好ましい。
HFOの含有量は特に限定されず、ポリオール100質量部に対して、19~75質量部が好ましく、29~67質量部がより好ましく、34~58質量部が更に好ましい。発泡剤の含有量が前記下限値以上であると発泡が促進され、発泡性が良好となり、ポリウレタンフォームの密度を低減することができる。一方、発泡剤の含有量が前記上限値以下であると発泡が過度に進行することを抑制することができる。
シクロペンタンの含有量は特に限定されず、ポリオール100質量部に対して、19~75質量部が好ましく、29~67質量部がより好ましく、34~58質量部が更に好ましい。発泡剤の含有量が前記下限値以上であると発泡が促進され、発泡性が良好となり、ポリウレタンフォームの密度を低減することができる。一方、発泡剤の含有量が前記上限値以下であると発泡が過度に進行することを抑制することができる。
水の含有量は特に限定されず、ポリオール100質量部に対して、0.1~5質量部が好ましく、0.2~3質量部がより好ましく、0.3~2質量部が更に好ましい。発泡剤の含有量が前記下限値以上であると発泡が促進され、発泡性が良好となり、ポリウレタンフォームの密度を低減することができる。一方、発泡剤の含有量が前記上限値以下であると発泡が過度に進行することを抑制することができる。
<触媒>
(樹脂化触媒)
本発明のポリオール組成物に含有する触媒としては、樹脂化触媒としてアミン系触媒を含有することが好ましい。樹脂化触媒としてアミン系触媒を含有することにより、ポリオールとイソシアネートの反応が十分促進され、良質なポリウレタンフォームが得られる。
本発明のポリオール組成物に含有するアミン系触媒としては、イミダゾール系化合物及びイミダゾール系化合物以外の第三級アミンからなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。これら化合物は、求核阻害剤に作用されることで、発泡剤や難燃剤によって活性が失活しにくくなり、ポリオール組成物の貯蔵安定性が良好になる。
イミダゾール系化合物は、好ましくは1位および2位がそれぞれ独立に炭素数8以下のアルキル基で置換されたイミダゾールであり、アルキル基は好ましくは炭素数6以下、より好ましくは炭素数4以下である。イミダゾール系化合物の好適な具体例は、下記一般式(1)で表される。
Figure 2022159929000001

(一般式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1~8のアルキル基又は炭素数2~8のアルケニル基を表す。)
一般式(1)におけるR及びRは、それぞれ独立に炭素数1~8のアルキル基又は炭素数2~8のアルケニル基を表す。アルキル基及びアルケニル基はそれぞれ直鎖状であってもよいし、分岐構造を有してもよい。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基等が挙げられる。
アルケニル基の具体例としては、ビニル基、1-プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、へプテニル基、オクテニル基等が挙げられる。
1及びR2のアルキル基又はアルケニル基の炭素数が前記下限値以上であると、立体障害が大きくなりハイドロフルオロオレフィン等の発泡剤の影響を受けにくくなるため好ましい。一方、R及びRのアルキル基の炭素数が前記上限値以下であると、極端に立体障害が大きくならないためポリオールとイソシアネートとの反応を速やかに進行させることが可能になり、発泡性も良好となる。
これらの観点から、R及びRはそれぞれ独立に炭素数1~6のアルキル基が好ましく、炭素数1~4のアルキル基がより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。
一般式(1)で表されるイミダゾール誘導体としては、1,2-ジメチルイミダゾール、1-エチル-2-メチルイミダゾール、1-メチル-2-エチルイミダゾール、1,2-ジエチルイミダゾール、及び1-イソブチル-2-メチルイミダゾール等が挙げられる。
イミダゾール系化合物以外の第三級アミンとしては、例えば、ビス(2-モルホリノエチル)エーテル、4,4’-カルボニルジモルホリン、4-[2-(エトキシカルボニル)エチル]モルホリンおよび4-(p-トリル)モルホリン等のモルホリン系化合物、ジアザビシクロウンデセン、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、ポリ(p-ビニルフェノール)マトリックスに組み込まれた2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン、N,N-ジメチルピペリジンなどが挙げられる。
本発明のポリオール組成物中に樹脂化触媒として含有するアミン系触媒としては、イミダゾール系化合物が好ましい。中でも、ハイドロフルオロオレフィン存在下での触媒の活性を向上させる観点と反応を速やかに進行させる観点から、1,2-ジメチルイミダゾール、1-イソブチル-2-メチルイミダゾールがより好ましい。また、安定性をより高める観点からは1,2-ジメチルイミダゾールがさらに好ましい。
ポリオール組成物中のアミン系触媒の含有量は、ポリオール100質量部に対して、1.5~20質量部が好ましく、2~15質量部がより好ましく、2.5~12質量部が更に好ましく、3~10質量部が特に好ましい。アミン系触媒の含有量が前記下限値以上であるとウレタン結合の形成が生じやすくなり、反応が速やかに進行し、かつ発泡性が良好となる。一方、アミン系触媒の含有量が前記上限値以下であると、反応速度が制御しやすくなるため好ましい。
(泡化触媒)
本発明のポリオール組成物は、泡化触媒を含有してもよい。泡化触媒としては、金属触媒を含有することが好ましい。本発明では、泡化触媒として金属触媒を含有することで、ポリオールとイソシアネートとの反応が促進され、特に初期反応速度を高めることができる。また、上記する赤燐系難燃剤などの固体状の難燃剤を一定量以上含有させるとポリウレタンフォームの反応性が阻害され発泡性が低下しやすいが、金属触媒を含有させることで、ポリウレタンフォームの発泡性を良好に維持しやすくなる。上記金属触媒は、発泡性などの観点から、ビスマス又は錫を含むことが好ましく、ビスマスを含むことがより好ましい。
上記の金属触媒は、ビスマス及び錫から選択される金属塩が好ましく、ビスマス塩であることがより好ましい。金属塩は、有機酸金属塩であることが好ましく、より好ましくは炭素数5以上のカルボン酸の金属塩である。カルボン酸は、炭素数5以上であることで、発泡剤、特にハイドロフルオロオレフィンに対する安定性が良好となる。また、カルボン酸の炭素数は、触媒活性などの観点から、18以下が好ましく、12以下がより好ましい。カルボン酸は、脂肪族カルボン酸であることが好ましく、飽和脂肪族カルボン酸がより好ましい。カルボン酸は、直鎖であってもよいし、分岐構造を有してもよいが、分岐構造を有することが好ましい。
カルボン酸の具体例としては、オクチル酸、ラウリル酸、バーサチック酸、ペンタン酸及び酢酸等が挙げられ、これらのなかではオクチル酸が好ましい。すなわち、遷移金属塩は、オクチル酸の金属塩が好ましい。これらカルボン酸は、上記の通り直鎖状であってもよいが、分岐構造を有してもよい。なお、分岐構造を有するオクチル酸としては、2-エチルヘキサン酸が挙げられる。
カルボン酸の金属塩としては、カルボン酸のビスマス塩、カルボン酸の錫塩が好ましく、中でもオクチル酸のビスマス塩が好ましい。また、カルボン酸の金属塩は、アルキル金属のカルボン酸塩であってもよい。例えばカルボン酸錫塩はジアルキル錫カルボン酸塩等であってもよく、好ましくはジオクチル錫カルボン酸塩等である。
カルボン酸の金属塩の具体例としては、ビスマストリオクテート、ジオクチル錫バーサテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル酸錫等が挙げられ、好ましくはビスマストリオクテート、ジオクチル錫バーサテート、より好ましくはビスマストリオクテートである。
ポリオール組成物中の上記泡化触媒の含有量は、特に限定されないが、ポリオール100質量部に対して、ポリオールとイソシアネートを適切な速度で反応させる観点から、0.1~15質量部が好ましく、0.5~10質量部がより好ましく、1~8質量部が更に好ましく、1.5~5質量部がより更に好ましい。
(三量化触媒)
本発明のポリオール組成物は、三量化触媒をさらに含有してもよい。三量化触媒は、イソシアネートに含まれるイソシアネート基を反応させて三量化させ、イソシアヌレート環の生成を促進する触媒である。三量化触媒を含有することで未反応のイソシアネート基の反応を完了させることで良好なポリウレタンフォームが得られるという優位点がある。三量化触媒としては、金属触媒及びアンモニウム塩等が挙げられる。
三量化触媒として使用される金属触媒(三量化金属触媒)としては、有機酸カリウムが挙げられ、好ましくは2-エチルヘキサン酸カリウム等のオクチル酸カリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸カリウム、ブタン酸カリウム、安息香酸カリウム等の炭素数2~8のカルボン酸カリウムである。
アンモニウム塩としては、トリエチルアンモニウム塩、トリフェニルアンモニウム塩等の3級アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラフェニルアンモニウム塩等の4級アンモニウム塩等を使用することができるが、これらのなかでは、4級アンモニウム塩が好ましい。アンモニウム塩は、例えばカルボン酸のアンモニウム塩である。アンモニウム塩におけるカルボン酸としては、例えば炭素数1~10、好ましくは炭素数2~8の飽和脂肪酸が挙げられる。飽和脂肪酸は、炭化水素基が直鎖であってもよいし、分岐を有してもよいが、分岐を有することが好ましい。カルボン酸の具体例としては、2-エチルヘキサン酸、2,2-ジメチルプロパン酸、酢酸、及びギ酸などが挙げられるが、これらの中では2,2-ジメチルプロパン酸が好ましい。三量化触媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上併用する場合には、4級アンモニウム塩と金属触媒とを併用することが好ましい。
ポリオール組成物中の三量化触媒の含有量は、ポリオール100質量部に対して、0.5~30質量部が好ましく、1~25質量部がより好ましく、2~20質量部が更に好ましく、3~10質量部がより更に好ましい。三量化触媒の含有量が前記下限値以上であると、樹脂化と三量化との活性に大きな差が生まれず、発泡が2段階になることを抑制でき、発泡性が良好となる。一方、三量化触媒の含有量が前記上限値以下であると、樹脂化反応が活性に進行することで、樹脂化反応熱によって三量化の活性を助けることができ発泡性が良好となり、良好なポリウレタンフォームを形成することができる。
<フィラー>
本発明のポリオール組成物は、上記した求核阻害剤及び難燃剤以外のフィラーを含有してもよい。フィラーは、ポリオール組成物において固体分として含まれるものであり、一般的にポリオール組成物において粒状、粉状として存在する成分である。本発明では、フィラーを含有させることで、ポリウレタンフォームの難燃性、機械特性等の各種物性を向上させやすくなる。
フィラーは、常温(23℃)、常圧(1気圧)において、固体であり、かつポリオール組成物において溶解しない成分であればよい。フィラーは、ポリウレタンフォームの吸水率を低減させる観点から、吸湿性及び潮解性を有さないものであることが好ましい。なお、上記した触媒は、フィラーには包含されないものとする。
フィラーとしては、針状フィラーが挙げられる。針状フィラーとしては、例えば、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、マグネシウム含有ウィスカー、珪素含有ウィスカー、ウォラストナイト、セピオライト、ゾノライト、エレスタダイト、ベーマイト、棒状ヒドロキシアパタイト、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、金属繊維、スラグ繊維、石膏繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、硼素繊維、ステンレス繊維等が挙げられる。
本発明に使用する針状フィラーのアスペクト比(長さ/直径)の範囲は、5~50の範囲であることが好ましく、10~40の範囲であればより好ましい。なお、当該アスペクト比は、走査型電子顕微鏡で針状フィラーを観察してその長さと幅を測定して求めることができる。
これらのフィラーは、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、ポリオール組成物中のフィラーの含有量は、特に限定されないが、ポリオール100質量部に対して、10~50質量部が好ましく、15~45質量部がより好ましく、20~40質量部がさらに好ましい。
<整泡剤>
本発明のポリオール組成物は、整泡剤を含有してもよい。整泡剤を含有することでポリウレタンフォームの発泡性を良好にでき、例えば、スプレー噴霧においてイソシアネートと反応させる際、発泡を促進できる。
整泡剤としては、具体的には界面活性剤、より具体的には、非イオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等を例示することができる。非イオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン整泡剤、オルガノポリシロキサン等のシリコーン整泡剤等が挙げられる。本発明で使用する整泡剤は特に限定されないが、発泡性の観点からシリコーン整泡剤が好ましい。整泡剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよい。
本発明のポリオール組成物中の整泡剤の含有量は、ポリオール100質量部に対して、0.1~12質量部が好ましく、1~10質量部がより好ましく、2~8質量部が更に好ましい。整泡剤の含有量が前記下限値以上であるとポリオール組成物とイソシアネートとの混合物を発泡させやすくなるため均質なポリウレタンフォームを得ることが可能になる。また、整泡剤の含有量が前記上限値以下であると製造コストと得られる効果のバランスが最適になる。
<その他成分>
ポリオール組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて、フェノール系、イオウ系等の酸化防止剤、熱安定剤、金属害防止剤(金属不活性化剤)、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、可塑剤、粘着付与樹脂等の添加剤、ポリブテン、石油樹脂等の粘着付与剤等から選択される1種以上を含むことができる。
<ポリオール組成物の製造方法>
本発明のポリオール組成物の製造方法に特に制限はなく、例えば、各成分を20~40℃程度でホモディスパー等を用いて30秒~20分程度撹拌することにより製造することができる。
[ポリウレタン樹脂組成物及びポリウレタンフォーム]
本発明は、ポリウレタン樹脂組成物も提供する。本発明のポリウレタン樹脂組成物は、本発明のポリオール組成物に加えて、イソシアネートを含有する。
また、ポリウレタン樹脂組成物は、赤燐系難燃剤以外のフィラー、リン酸エステルなどの液状難燃剤などを含有してもよいし、整泡剤、その他成分などを含有してもよい。
なお、ポリウレタン樹脂組成物に含有される各成分の詳細は、上記のとおりであり、その説明は省略する。
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、好ましくは上記ポリオール組成物と、イソシアネートとを含むものであり、これらを混合して得られる。また、本発明のポリウレタンフォームは、ポリウレタン樹脂組成物を、反応及び発泡させて得た反応生成物である。
<イソシアネート>
本発明において、イソシアネートとしては、例えば、芳香族イソシアネート、脂環族イソシアネート、及び脂肪族イソシアネート等が挙げられる。
芳香族イソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、及びポリメチレンポリフェニルイソシアネート(ポリメリックMDI)等が挙げられる。
脂環族イソシアネートとしては、例えば、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、及びジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族イソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
これらの中でも、使いやすさの観点、及び入手容易性の観点から、芳香族イソシアネートが好ましく、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックMDI、又はこれらの混合物がより好ましく、中でもジフェニルメタンジイソシアネートがさらに好ましく、特に、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。イソシアネートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、イソシアネートは、ポリオール組成物と混合する前に、イソシアネートに配合される公知の添加剤が適宜配合されてもよい。
なお、ポリオール組成物とイソシアネートを混合してポリウレタン樹脂組成物を形成する際は、ポリオール組成物に対するイソシアネートの質量比が、0.1~1.0が好ましく、0.15~0.8がより好ましく、0.2~0.5がさらに好ましい。
<イソシアネートインデックス>
本発明のポリウレタン樹脂組成物におけるイソシアネートインデックスに特に制限はないが、200以上が好ましい。イソシアネートインデックスが当該下限値以上であると、ポリオールに対するイソシアネートの量が過剰になりイソシアネートの三量化体によるイソシアヌレート結合が生成し易くなる結果、ポリウレタンフォームの難燃性が向上する。また、難燃性を付与することも可能になる。さらに、上記下限値以上とすると、上記した各種触媒を併用することも相俟って、イソシアヌレート結合を十分に有するポリウレタンフォーム、すなわち、難燃性と断熱性とを高い水準で兼ね備えるポリウレタンフォームを製造しやすい。これらの観点から、イソシアネートインデックスは、250以上がより好ましく、300以上がさらに好ましい。
また、イソシアネートインデックスは、1,000以下が好ましく、800以下がより好ましく、600以下がさらに好ましい。イソシアネートインデックスが前記上限値以下であると、製造コストに十分見合った難燃性が得られる。
なお、イソシアネートインデックスは、以下の方法により計算することができる。
イソシアネートインデックス
=イソシアネートの当量数÷(ポリオールの当量数+水の当量数)×100
ここで、各当量数は以下のとおり計算することができる。
・イソシアネートの当量数=イソシアネートの使用量(g)×NCO含有量(質量%)/NCOの分子量(モル)×100
・ポリオールの当量数=OHV×ポリオールの使用量(g)÷KOHの分子量(ミリモル)
OHVはポリオールの水酸基価(mgKOH/g)である。
・水の当量数=水の使用量(g)/水の分子量(モル)×水のOH基の数
上記各式において、NCOの分子量は42(モル)、KOHの分子量は56,100(ミリモル)、水の分子量は18(モル)、水のOH基の数は2とする。
<総発熱量>
本発明のポリウレタン樹脂組成物からなるポリウレタンフォームは、ISO-5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/mにて10分間加熱したときの総発熱量が15MJ/m以下であることが好ましい。総発熱量が10MJ/m以下であることにより、本発明のポリウレタン樹脂組成物からなるポリウレタンフォームは、所定の難燃性を有する。
該発泡体の難燃性をより向上させる観点から、上記総発熱量は、8MJ/m以下であることがより好ましく、5MJ/m以下であることがさらに好ましい。
上記総発熱量は、コーンカロリーメーター試験により測定され、詳細には実施例に記載の方法で測定することができる。
なお、上記コーンカロリーメーター試験の際、試験に供したポリウレタンフォームがコーンカロリーメーターのスパーク点火器に接触しない程度の形状安定性を有することが好ましい。
<ポリウレタンフォームの製造方法>
ポリウレタンフォームの製造方法に特に制限はないが、ポリオール組成物を、発泡機などにおいて、イソシアネートと混合させ、得られた混合液(ポリウレタン樹脂組成物)を反応かつ発泡させることで、ポリウレタンフォームを製造するとよい。発泡機としては、スプレーガンを有するスプレー装置等を用いるとよい。
ポリオール組成物は、発泡機に送液され、別の容器などから送液されたイソシアネートと発泡機内部にて衝突混合させるとよい。そして、その混合液(ポリウレタン樹脂組成物)は、スプレーガンなどの吐出口から吐出させ、吐出されたポリウレタン樹脂組成物によりポリウレタンフォームを成形するとよい。
本製造方法は、好ましくは吹付用途に適用することができる。したがって、発泡機から吐出された混合液は、施工対象面に一定の吐出圧力で吹き付け、発泡させることにより、施工対象面上にポリウレタンフォームを成形するとよい。
<ポリウレタンフォームの用途>
本発明のポリウレタンフォームの用途は特に限定されないが難燃性及び断熱性に優れているため、建築物の壁、天井、屋根、床等の建築物に好適に用いることができ、壁、天井、屋根、床等などを吹付対象面としてポリウレタンフォームを成形するとよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[使用材料]
<ポリオール組成物>
(ポリオール)
・p-フタル酸ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、製品名:マキシモールRLK-087、水酸基価=200mgKOH/g)
(金属系難燃剤)
・ホウ酸亜鉛(早川商事社製、製品名:Firebrake ZB)
・亜リン酸アルミニウム(太平化学産業社製、製品名:APA-100)
(非金属系難燃剤)
・リン酸エステル系難燃剤(1) トリス(β-クロロプロピル)ホスフェート(大八化学社製、製品名:TMCPP)
・リン酸エステル系難燃剤(2) トリフェニルホスフェート(大八化学社製、製品名:TPP)
・臭素系難燃剤 エチレンビス(ペンタブロモフェニル)(アルベマール日本社製、製品名:SAYTEX 8010)
・赤燐系難燃剤(燐化学工業社製、製品名:ノーバエクセル140)
(発泡剤)
・HFO-1233zd(ハネウェル社製、製品名:ソルスティスLBA、沸点:19℃)
・水
・HFO-1336mzz(ケマーズ社製、製品名:Opteon1100、沸点:33℃)
・シクロペンタン(富士フイルム和光純薬社製、製品名:シクロペンタン)
(求核阻害剤)
・水酸化マグネシウム(富士フイルム和光純薬社製、製品名:水酸化マグネシウム)
・水酸化リチウム(富士フイルム和光純薬社製、製品名:水酸化リチウム)
・酢酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬社製、製品名:酢酸ナトリウム)
・炭酸カリウム(富士フイルム和光純薬社製、製品名:炭酸カリウム)
・炭酸カルシウム(富士フイルム和光純薬社製、製品名:炭酸カルシウム)
・硫酸バリウム(富士フイルム和光純薬社製、製品名:硫酸バリウム)
・水酸化銅(II)(富士フイルム和光純薬社製、製品名:水酸化銅(II))
(非求核阻害剤)
・ジイソプロピルアミン(富士フイルム和光純薬社製、製品名:ジイソプロピルアミン)
(触媒)
1.樹脂化触媒
・アミン系触媒(1) 1,2-ジメチルイミダゾール(東ソー社製、製品名:TOYOCAT DM70)濃度65~75質量%
・アミン系触媒(2) ジアザビシクロウンデセン(サンアプロ社製、製品名:DBU)濃度98質量%
・アミン系触媒(3) ビス(2-モルホリノエチル)エーテル(三井化学ファイン社製、製品名:DMDEE)、濃度85質量%以上
2.泡化触媒
・金属触媒 ビスマストリオクテート(日東化成社製、製品名:ネオスタン U-600)濃度55~58質量%
3.三量化触媒
・アンモニウム塩 2,2-ジメチルプロパン酸テトラメチルアンモニウム塩(エアープロダクツ社製、製品名:DABCO(登録商標)TMR-7)濃度45~55質量%
<イソシアネート>
・4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’-MDI)(万華化学ジャパン社製、製品名:PM200)
[実施例1~18、比較例1~5]
<失活性評価>
以下(1)~(13)の手順により、ポリオール組成物及びポリウレタン樹脂組成物を作製した。
(1)耐圧性ボトル(Buerkle社製アルミボトル、UN規格適合品、容量1200ml)を2つ用意し、該ボトルに、表1に記載の比率で作製したポリオール組成物からなる溶液を130gずつ投入した。一方のボトルを失活促進用(以下「ボトルA」とする)、もう一方のボトルをベンチマーク用(以下「ボトルB」とする)とした。
ここで、ボトルAのポリオール組成物を「ポリオール組成物A」、ボトルBのポリオール組成物を「ポリオール組成物B」とする。
(2)ボトルAを45℃下で20時間保管すると同時に、ボトルBを10℃下で20時間冷蔵保管した。
(3)ボトルAを30℃以下まで冷却し、蓋を開けた。
(4)ボトルA,Bに希釈用のTMCPPを260gずつ投入し、投入後すぐ蓋を締めた。該TMCPPは、上記非金属系難燃剤として含有したTMCPPとは別途で投入したものである。
(5)ボトルA,Bを、30cm程度の間隔で1秒間に2回程度の速度で手振りによりそれぞれ50回振って攪拌した。
(6)上記攪拌後のポリオール組成物A,Bを、それぞれ1Lのプラスチック製カップに120gずつ入れた。
ここで、ポリオール組成物Aを入れたプラスチック製カップを「カップA」、ポリオール組成物Bを入れたプラスチック製カップを「カップB」とする。
(7)上記プラスチック製カップ内のポリオール組成物A,Bの温度を、それぞれ15℃±1に調整した。
(8)イソシアネートを、上記カップA,Bとは別の1Lのプラスチック製カップに入れ、温度を15℃±1に調整した。
(9)上記カップA,Bに、イソシアネートを120gずつ投入し、カップA,Bにおいてそれぞれポリオール組成物とイソシアネートを混合することで、ポリウレタン樹脂組成物を得た。
ここで、カップAにイソシアネートを投入して得られたポリウレタン樹脂組成物を「ポリウレタン樹脂組成物A」、カップBにイソシアネートを投入して得られたポリウレタン樹脂組成物を「ポリウレタン樹脂組成物B」とする。
(10)上記(9)における混合から7秒後に、ポリウレタン樹脂組成物A,Bをホモディスパーにより攪拌した。
(11)上記(9)における混合から12秒後に、攪拌を停止した。
(12)ポリウレタン樹脂組成物A,Bを静置した。
(13)上記方法により得られたポリウレタン樹脂組成物A,Bにピンセットを突き刺し、攪拌停止時点を0秒として、抵抗を感じ始めた(硬化が開始した)時点での秒数を記録した。ポリウレタン樹脂組成物Aとポリウレタン樹脂組成物Bの秒数の差により、以下の評価基準により評価した。なお、各秒数の数値については、それぞれ小数点以下の数値を四捨五入したものとし、そのうえで、上記秒数の差を求めた。
◎:6秒以下
〇:7秒以上9秒以下
△:10秒以上12秒以下
×:13秒以上
<難燃性>
表1の配合に従い、ポリオール組成物を構成する各成分を1Lポリプロピレンビーカーにはかりとり、25℃、1分間手混ぜで撹拌してポリオール組成物を得た。得られたポリオール組成物に対して、表1の配合に従ってイソシアネートを加え、ハンドミキサーで約10秒間攪拌しポリウレタンフォームを作成した。得られたポリウレタンフォームを、縦10cm、横10cmおよび厚み5cmに切断して、コーンカロリーメーター試験用サンプルを準備した。コーンカロリーメーター試験用サンプルを、ISO-5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/mにて10分間加熱したときの総発熱量を測定し、難燃性を評価した。難燃性の評価基準は以下の通りである。
◎:4MJ/m以下
〇:4.1MJ/m以上8.5MJ/m以下
△:8.6MJ/m以上13MJ/m以下
×:13.1MJ/m以上
Figure 2022159929000002

触媒の各含有量は、製品としての含有量である。
以上の実施例から明らかなように、本発明のポリオール組成物は、求核阻害剤を含有していることにより、触媒の活性が維持され、貯蔵安定性に優れたものとなった。また、該組成物から形成されたポリウレタンフォームについて、良好な難燃性が得られた。
一方、比較例において作成されたポリオール組成物については、該組成物から形成されたポリウレタンフォームの難燃性は実施例と遜色ない程度の結果が得られたものの、求核阻害剤を含有していないために、触媒の活性を維持できず、その結果ポリオール組成物の貯蔵安定性が損なわれた。

Claims (7)

  1. ポリオール、難燃剤、発泡剤、触媒、及び求核阻害剤を含有する、ポリオール組成物。
  2. 前記難燃剤が金属系難燃剤を含む、請求項1に記載のポリオール組成物。
  3. 前記求核阻害剤が、アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のポリオール組成物。
  4. 前記発泡剤がハイドロフルオロオレフィン(HFO)を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のポリオール組成物。
  5. 前記触媒がアミン系触媒を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のポリオール組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載のポリオール組成物と、イソシアネートとを含有する、ポリウレタン樹脂組成物。
  7. 請求項6に記載のポリウレタン樹脂組成物を反応かつ発泡させることにより得られる、ポリウレタンフォーム。
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