JP2022100131A - 発泡性ポリウレタン樹脂組成物、及びポリウレタンフォーム - Google Patents

発泡性ポリウレタン樹脂組成物、及びポリウレタンフォーム Download PDF

Info

Publication number
JP2022100131A
JP2022100131A JP2020214309A JP2020214309A JP2022100131A JP 2022100131 A JP2022100131 A JP 2022100131A JP 2020214309 A JP2020214309 A JP 2020214309A JP 2020214309 A JP2020214309 A JP 2020214309A JP 2022100131 A JP2022100131 A JP 2022100131A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
polyol
polyurethane resin
catalyst
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020214309A
Other languages
English (en)
Inventor
裕一朗 小野
Yuichiro Ono
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2020214309A priority Critical patent/JP2022100131A/ja
Publication of JP2022100131A publication Critical patent/JP2022100131A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】対象物から剥離せず、かつ施工性が良好なポリウレタンフォームを形成可能なポリオール組成物を提供する。【解決手段】ポリオール化合物、液状難燃剤、触媒、及び発泡剤を含むポリオール組成物と、ポリイソシアネート化合物を含むポリイソシアネート組成物とを含有する発泡性ポリウレタン樹脂組成物であって、カップ発泡法により測定されるゲルタイムが、7秒以上30秒以下であることを特徴とする、発泡性ポリウレタン樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、発泡性ポリウレタン樹脂組成物、及びポリウレタンフォームに関する。
ポリウレタンフォームは、その優れた断熱性及び接着性から、例えば、マンションなどの集合住宅、戸建住宅、学校の各種施設、商業ビルなどの建築物の断熱材として用いられている。ポリウレタンフォームは、ポリオール組成物とポリイソシアネート組成物とを混合して発泡させ、スプレー装置などを使用して天井や壁、屋根などの対象物に吹き付けることで得られる。
ポリウレタンフォームを対象物に吹き付けるには、施工時の液だれなどの施工性悪化を防止する為、一定以上の硬化速度が必要である。一定以上の硬化速度を付与する為の手段としては、ポリオール組成物中において、数種類のポリオール化合物を所定の割合で用いることで反応活性を高める方法が挙げられる(例えば、特許文献1を参照)。
特開2019-014840号公報
しかしながら、その一方で、従来のポリウレタンフォームは、硬化速度を得る為に反応活性を高くすれば、その反応活性が過剰となる場合がある。そのような場合、吹き付け発泡させた際のポリウレタンフォームに高い応力が作用されて、対象物から剥離するといった不具合が発生することがある。
そこで、本発明は、対象物から剥離せず、かつ施工性が良好なポリウレタンフォームを形成可能な発泡性ポリウレタン樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、ポリオール化合物、難燃剤、触媒、及び発泡剤を含むポリオール組成物であって、ポリイソシアネート化合物を含むポリイソシアネート組成物と混合して得られた発泡性ポリウレタン樹脂組成物のゲルタイムが一定の範囲内である、ポリオール組成物により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の[1]~[8]を提供する。
[1]ポリオール化合物、液状難燃剤、触媒、及び発泡剤を含むポリオール組成物と、ポリイソシアネート化合物を含むポリイソシアネート組成物とを含有する発泡性ポリウレタン樹脂組成物であって、カップ発泡法により測定されるゲルタイムが、7秒以上30秒以下であることを特徴とする、発泡性ポリウレタン樹脂組成物。
[2]フィラーをさらに含む、[1]に記載の発泡性ポリウレタン樹脂組成物。
[3]前記触媒が三量化触媒を含む、[1]又は[2]に記載の発泡性ポリウレタン樹脂組成物。
[4]前記触媒が、ビスマス塩又はスズ塩から選択される金属塩を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の発泡性ポリウレタン樹脂組成物。
[5]前記発泡性ポリウレタン樹脂組成物が三量化触媒を含み、前記三量化触媒の含有量が、前記ポリオール化合物及び前記ポリイソシアネート化合物からなるウレタン樹脂100質量部あたり、1.4~4.5質量部である、[1]~[4]のいずれかに記載の発泡性ポリウレタン樹脂組成物。
[6]イソシアネートインデックスが150~700である、[1]~[5]のいずれかに記載の発泡性ポリウレタン樹脂組成物。
[7]吹き付け用途である、[1]~[6]のいずれかに記載の発泡性ポリウレタン樹脂組成物。
[8][1]~[7]のいずれかに記載の発泡性ポリウレタン樹脂組成物を反応及び発泡させて形成される、ポリウレタンフォーム。
本発明によれば、対象物から剥離せず、かつ施工性が良好なポリウレタンフォームを形成可能な発泡性ポリウレタン樹脂組成物を提供することができる。
[発泡性ポリウレタン樹脂組成物]
本発明の発泡性ポリウレタン樹脂組成物物は、ポリオール化合物、液状難燃剤、触媒、及び発泡剤を含むポリオール組成物と、ポリイソシアネート化合物を含むポリイソシアネート組成物とを含有する。
<ゲルタイム>
本発明において、ポリオール化合物、液状難燃剤、触媒、及び発泡剤を含むポリオール組成物を、ポリイソシアネート化合物を含むポリイソシアネート組成物と混合して得られた発泡性ポリウレタン樹脂組成物のゲルタイムは、7秒以上30秒以下である。ゲルタイムが7秒未満の場合、ポリオール組成物とポリイソシアネート組成物の反応活性が過剰となり、吹き付けなどにより形成されたウレタンフォームに高い応力が作用され、対象物から剥離する問題が発生する。なお、対象物は、後述する施工対象面や、先に吹き付けを行って形成されたウレタンフォームなどである。他方、ゲルタイムが30秒を超えている場合、ポリウレタンフォームを対象物に吹き付けた際に、硬化速度が遅くなり、液だれが発生するなどして施工性が悪化する。こうした観点を踏まえると、ゲルタイムは、10秒以上25秒以下が好ましく、10秒以上17秒未満がより好ましい。
なお、ゲルタイムは、ポリオール組成物に含まれる触媒の種類及び量などを調節することにより、所望の値に調整できる。ゲルタイムの値は、カップ発泡法により測定するものとし、具体的には、次のように測定するとよい。
本発明の発泡性ポリウレタン樹脂組成物を構成するポリオール組成物およびポリイソシアネート組成物の液温をそれぞれ15±1℃に調整する。そして、20℃の室内にて、上記15±1℃に調整されたポリオール組成物及びポリイソシアネート組成物を、所定の混合比で合計量が100gの混合液となるように混合し、該混合液を、希釈用途(3倍希釈)としてのトリス(β-クロロプロピル)ホスフェート(TMCPP)200gと共に、500mLのカップに投入する。その後、該混合液を直ちにラボディスパ(PRIMIX社製高速分散機ホモディスパー2.5型)にて8000rpmで3秒間攪拌する。攪拌を開始した時間を測定開始時間(0秒)として、発泡中のフォームに突き刺した棒に、フォームが糸を引くようになるまでの時間(秒)を測定し、これをゲルタイムとする。
なお、上記した所定の混合比とは、本発明の発泡性ポリウレタン樹脂組成物を調製する際の、ポリオール組成物とポリイソシアネート組成物の混合比を意味する。
[ポリオール組成物]
本発明におけるポリオール組成物は、ポリオール化合物、液状難燃剤、触媒、及び発泡剤を含む。以下、ポリオール組成物に含まれる各成分について説明する。
<ポリオール化合物>
ポリオール化合物としては、特に限定されないが、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールなどが挙げられる。ポリウレタン発泡体の難燃性を向上させる観点から、ポリオール化合物は、ポリエステルポリオールを含むことが好ましい。また難燃性を向上させるという観点から、含ハロゲンポリオールや含リンポリオールなどの使用も好ましい。
このような観点から、ポリオール化合物100質量部のうち、ポリエステルポリオールを20質量部以上とすることが好ましく、50質量部以上とすることがより好ましく、80質量部以上とすることがさらに好ましく、100質量部とすることが特に好ましい。
本発明で用いるポリオール化合物の平均水酸基価は、ポリウレタン発泡体の難燃性を向上させる観点から、100~500mgKOH/gが好ましく、150~450mgKOH/gがより好ましく、200~400mgKOH/gがさらに好ましい。
平均水酸基価は、ポリオール化合物が1種の場合には、その1種のポリオール化合物の水酸基価であり、2種類以上のポリオール化合物を用いる場合は、当該2種類以上のポリオール化合物の配合比率に従った水酸基の平均値である。
例えば、ポリオール化合物として、2種類のポリオール(d1)、ポリオール(d2)を用いる場合、ポリオール(d1)の水酸基価をX、配合比率をm、ポリオール(d2)の水酸基価をX、配合比率をmとすると、該平均水酸基価は、以下の式で表される。なお、配合比率は、質量基準である。
平均水酸基価(mgKOH/g)=X×(m/(m+m))+X×(m/(m+m))
なお、水酸基価は、JIS K1557-1:2007に準拠して測定される値である。
(ポリエステルポリオール)
ポリエステルポリオールは、芳香環を有するポリエステルポリオールでもよいし、脂肪族ポリエステルポリオールでもよいが、得られるポリウレタン発泡体の難燃性を考慮した場合、芳香環を有するポリエステルポリオールを使用することが好ましい。芳香環を有するポリエステルポリオールは、o-フタル酸(フタル酸)、m-フタル酸(イソフタル酸)、p-フタル酸(テレフタル酸)、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸とグリコールの縮合物であることが好ましい。中でも、ポリウレタン発泡体の難燃性を高める観点から、ポリオール化合物は、フタル酸とグリコールとの縮合物である、フタル酸系ポリエステルポリオールを含むことが好ましく、p-フタル酸とグリコールの縮合物である、p-フタル酸系ポリエステルポリオールを含むことがより好ましい。
グリコールとしては、特に限定されるものではないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等のポリエステルポリオールの構成成分として公知の低分子量脂肪族グリコールを使用することが好ましい。
ポリエステルポリオールの水酸基価は、100~500mgKOH/gが好ましく、150~450mgKOH/gがより好ましく、200~400mgKOH/gがさらに好ましい。
(ポリエーテルポリオール)
ポリエーテルポリオールは、2個以上の活性水素原子を有する開始剤に、アルキレンオキサイドを開環付加重合させて得られたポリオキシアルキレンポリオールである。開始剤としては、具体的には例えば、脂肪族多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどのグリコール類、トリメチロールプロパン、グリセリンなどのトリオール類、ペンタエリスリトールなどの4官能アルコール類、シュクロース類、ソルビトール類などの高官能類)、脂肪族アミン(例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ネオペンチルジアミンなどのアルキレンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン)、芳香族アミン(例えば、アニリン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、マンニッヒ縮合物など)などが挙げられる。
これらのうち、芳香環を有する開始剤を用いて製造したポリエーテルポリオールが、芳香環を有するポリエーテルポリオールであり、例えば芳香族アミンを開始剤として用いて製造したポリエーテルポリオールは、芳香環を有するポリエーテルポリオールである。芳香環を有するポリエーテルポリオールの中でも、トリレンジアミン系ポリエーテルポリオール、マンニッヒ系ポリエーテルポリオールなどを好適に使用することができる。
トリレンジアミン系ポリエーテルポリオールとは、開始剤としてトリレンジアミンを用いて製造したトリレンジアミン系ポリエーテルポリオールである。
上記マンニッヒ系ポリエーテルポリオールとは、マンニッヒ反応を利用して得られるものであって、分子内に2個以上の水酸基を有するマンニッヒ縮合物、又はそのようなマンニッヒ縮合物に、アルキレンオキサイドを付加させたポリエーテルポリオールである。より具体的には、フェノール及びそのアルキル置換誘導体の少なくともいずれか、ホルムアルデヒド及びアルカノールアミンのマンニッヒ反応により得られたマンニッヒ縮合物、又はこの化合物にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの少なくとも1種を開環付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオールである。
ポリエーテルポリオールの水酸基価は、200~2000mgKOH/gであることが好ましく、300~1000mgKOH/gであることがより好ましい。
<触媒>
本発明におけるポリオール組成物は、触媒を含有する。触媒としては、例えば三量化触媒、樹脂化触媒などが挙げられる。三量化触媒は、イソシアヌレート結合を形成する三量化を促進する触媒である。ポリウレタンフォームの難燃性向上、及び発泡性ポリウレタン樹脂組成物のゲルタイムを所望の範囲に調整できるようにする観点から、触媒は三量化触媒を含むことが好ましく、三量化触媒と樹脂化触媒を併用して含むことがより好ましい。
(三量化触媒)
三量化触媒としては、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4-ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6-トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロ-S-トリアジン等の窒素含有芳香族化合物、酢酸カリウム、2-エチルヘキサン酸カリウム、オクチル酸カリウム等のカルボン酸アルカリ金属塩、トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、トリフェニルアンモニウム塩等の3級アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラフェニルアンモニウム塩、トリエチルモノメチルアンモニウム塩、カルボン酸4級アンモニウム塩等の4級アンモニウム塩等を使用できる。上記カルボン酸アンモニウム塩におけるカルボン酸の好適な具体例としては、2-エチルヘキサン酸、2,2-ジメチルプロパン酸、酢酸、及びギ酸からなる群から選択される少なくとも1種である。三量化触媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが2種以上を併用することが好ましい。
三量化触媒としては、カルボン酸アルカリ金属塩及びカルボン酸4級アンモニウム塩からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、カルボン酸アルカリ金属塩とカルボン酸4級アンモニウム塩とを併用することが好ましい。
ポリオール組成物中の三量化触媒の含有量は、発泡性ポリウレタン樹脂組成物において、ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物からなるウレタン樹脂100質量部に対して、1~8質量部が好ましく、1.4~4.5質量部がより好ましく、2.0~4.0質量部が更に好ましい。三量化触媒の含有量が前記下限値以上であると、発泡性が良好となり、硬化速度も適切になる。一方、三量化触媒の含有量が前記上限値以下であると、三量化反応が過剰に進行することを抑制することができ、それにより、ゲルタイムを所望の範囲に調整することが可能になり、ポリウレタンフォームが対象物から剥離することを防止することが可能になる。
なお、ウレタン樹脂の量は、ポリオール組成物に含まれるポリオール化合物と、ポリイソシアネート組成物に含まれるポリイソシアネート化合物の合計量を意味する。
(樹脂化触媒)
本発明のポリオール組成物に使用される樹脂化触媒としては、金属触媒を含むことが好ましい。この金属触媒は、一般的に樹脂化金属触媒と呼ばれるものである。本発明では、上記金属触媒を含有することで、該ポリオール組成物から構成される発泡性ポリウレタン樹脂組成物のゲルタイムを所望の範囲に調整することができる。また、金属触媒を含有させることで、ポリウレタンフォームの発泡性を良好に維持しやすくなり、加えて、良好な施工性を得やすくなる。
上記金属触媒は、発泡性、施工性などの観点から、遷移金属塩を含むことが好ましく、ビスマス塩及びスズ塩から選択される金属塩を含むことがより好ましく、ビスマス塩を含むことがさらに好ましい。金属塩は、有機酸金属塩であることが好ましく、より好ましくは炭素数5以上のカルボン酸の金属塩である。カルボン酸は、炭素数5以上であることで、発泡剤、特にハイドロフルオロオレフィンに対する安定性が良好となる。また、カルボン酸の炭素数は、触媒活性などの観点から、18以下が好ましく、12以下がより好ましい。カルボン酸は、脂肪族カルボン酸であることが好ましく、飽和脂肪族カルボン酸がより好ましい。カルボン酸は、直鎖であってもよいし、分岐構造を有してもよいが、分岐構造を有することが好ましい。
カルボン酸の具体例としては、オクチル酸、ラウリル酸、バーサチック酸、ペンタン酸及び酢酸等が挙げられ、これらのなかではオクチル酸が好ましい。すなわち、遷移金属塩は、オクチル酸の金属塩が好ましい。これらカルボン酸は、上記の通り直鎖状であってもよいが、分岐構造を有してもよい。なお、分岐構造を有するオクチル酸としては、2-エチルヘキサン酸が挙げられる。
カルボン酸の金属塩としては、カルボン酸のビスマス塩、カルボン酸の錫塩が好ましく、中でもオクチル酸のビスマス塩が好ましい。また、カルボン酸の金属塩は、アルキル金属のカルボン酸塩であってもよい。例えばカルボン酸錫塩はジアルキル錫カルボン酸塩等であってもよく、好ましくはジオクチル錫カルボン酸塩等である。
カルボン酸の金属塩の具体例としては、ビスマストリオクテート、ジオクチル錫バーサテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル酸錫等が挙げられ、好ましくはビスマストリオクテート、ジオクチル錫バーサテート、より好ましくはビスマストリオクテートである。
ポリオール組成物中の上記金属触媒の含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.4~8質量部が好ましく、0.8~5質量部がより好ましく、1.2~3.5質量部が更に好ましい。上記金属触媒の含有量が前記下限値以上であると、発泡性ポリウレタン樹脂組成物のゲルタイムが短くなりすぎないようにし、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の反応活性を一定以上に保ちやすくなり、良好な施工性を得られる。一方、上記金属触媒の含有量が前記上限値以下であると、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の反応活性の制御がしやすくなり、対象物からのポリウレタンフォームの剥離を有効に防止できる。
三量化触媒に対する、樹脂化金属触媒の質量比は、2/10~25/10が好ましく、3/10~21/10がより好ましく、7/10~17/10がさらに好ましい。該質量比が前記下限値以上であることで発泡性ポリウレタン樹脂組成物の反応活性を制御しやすくなり、ゲルタイムを一定以上確保することができる。また、該質量比が前記上限値以下であることで、樹脂化反応の過剰な進行が抑えられ、発泡性ポリウレタン樹脂組成物の反応活性を一定以上に保ちやすくなり、良好な施工性が得られる。
本発明のポリオール組成物の樹脂化触媒としては、上記金属触媒に加え、アミノ化合物などのアミン触媒を含んでもよい。
アミノ化合物としては、例えば1-メチルイミダゾール、1、2-ジメチルイミダゾール、1-イソブチル-2メチルイミダゾール、イミダゾール環中の第2級アミン官能基をシアノエチル基で置換したイミダゾール化合物などのイミダゾール誘導体、ペンタメチルジエチレントリアミン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリンビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’-トリメチルアミノエチル-エタノールアミン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N-メチル-N’,N’-ジメチルアミノエチルピペラジン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、ジアザビシクロウンデセン、トリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、トリプロピルアミン、N,N,N',N'-テトラメチルグアニジンおよびそれらの酸ブロック体等が挙げられる。アミノ化合物の中でも、貯蔵安定性の観点からイミダゾール誘導体が好ましく、1,2-ジメチルイミダゾール、1-イソブチル-2-メチルイミダゾールがより好ましく、1,2-ジメチルイミダゾールがさらに好ましい。
ポリオール組成物中のアミン触媒の含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.1~8質量部が好ましく、0.5~5質量部がより好ましく、1~3質量部が更に好ましい。アミン触媒の含有量が前記下限値以上であるとウレタン結合の形成が生じやすくなり、反応が速やかに進行し、かつ発泡性が良好となる。一方、アミン触媒の含有量が前記上限値以下であると、反応速度が制御しやすくなり、発泡性ポリウレタン樹脂組成物のゲルタイムを所望の範囲に調整できるようになるため好ましい。
三量化触媒に対する、アミン触媒の質量比は、3/10~20/10が好ましく、4/10~18/10がより好ましく、5/10~10/10がさらに好ましい。該質量比が、前記下限値以上であることで発泡性ポリウレタン樹脂組成物の反応活性を制御しやすくなり、ゲルタイムを一定以上確保することができる。また、該質量比が前記上限値以下であることで、発泡性ポリウレタン樹脂組成物の反応活性を一定以上に保ちやすくなり、良好な施工性が得られる。
樹脂化触媒の合計含有量は、ウレタン100質量部あたり、0.5~16質量部が好ましく、1.3~10質量部がより好ましく、2.2~6.5質量部がさらに好ましい。
三量化触媒全量に対する、樹脂化触媒全量の質量比は、8/10~45/10が好ましく、9/10~40/10がより好ましく、11/10~20/10がさらに好ましい。該質量比が前記下限値以上であることで発泡性ポリウレタン樹脂組成物の反応活性を制御しやすくなり、ゲルタイムを一定以上確保することができる。また、該質量比が前記上限値以下であることで、発泡性ポリウレタン樹脂組成物の反応活性を一定以上に保ちやすくなり、良好な施工性が得られる。
<液状難燃剤>
本発明におけるポリオール組成物は、液状難燃剤を含む。液状難燃剤は、常温(23℃)、常圧(1気圧)にて液体となるものであり、具体的にはリン酸エステルが挙げられる。液状難燃剤を使用することで、ポリオール組成物の流動性、施工性を低下させることなく、ポリウレタンフォームの難燃性を向上させることができる。
リン酸エステルとしては、モノリン酸エステル、縮合リン酸エステル等を使用できる。モノリン酸エステルとは、分子中にリン原子を1つ有するリン酸エステルである。モノリン酸エステルとしては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2-エチルヘキシル)ホスフェート等のトリアルキルホスフェート:トリス(β-クロロプロピル)ホスフェート等のハロゲン含有リン酸エステル:トリブトキシエチルホスフェート等のトリアルコキシホスフェート:トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2-エチルヘキシル)ホスフェート等の芳香環含有リン酸エステル:モノイソデシルホスフェート、ジイソデシルホスフェート等の酸性リン酸エステル等が挙げられる。
縮合リン酸エステルとしては、例えば、トリアルキルポリホスフェート、レゾルシノールポリフェニルホスフェート、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート、ビスフェノールAポリフェニルホスフェート等の芳香族縮合リン酸エステルが挙げられる。
縮合リン酸エステルの市販品としては、例えば、大八化学工業株式会社製の「CR-733S」、「CR-741」、「CR747」、ADEKA社製の「アデカスタブPFR」、「FP-600」等が挙げられる。
リン酸エステルは、上記したものの中から1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリオール組成物の粘度を適切にしやすくする観点、及びポリウレタンフォームの難燃性を向上させる観点から、モノリン酸エステルが好ましく、トリス(β-クロロプロピル)ホスフェート等のハロゲン含有リン酸エステルがより好ましい。
ポリオール組成物におけるリン酸エステルの含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、5~100質量部が好ましく、12~90質量部がより好ましく、20~75質量部がさらに好ましく、30~60質量部がよりさらに好ましい。上記範囲内とすること、施工性、流動性を大きく低下させることなく、難燃性を向上させることができる。
<フィラー>
本発明の発泡性ポリウレタン樹脂組成物は、フィラーを含有することが好ましい。フィラーは、ポリオール組成物に含有させるとよい。フィラーは、ポリオール組成物において固体分として含まれるものであり、一般的にポリオール組成物において粒状、粉状として存在する成分である。本発明では、フィラーを含有させることで、ポリウレタンフォームの難燃性、機械特性等の各種物性を向上させやすくなる。
フィラーは、常温(23℃)、常圧(1気圧)において、固体であり、かつポリオール組成物において溶解しない成分であればよい。フィラーは、ポリウレタンフォームの吸水率を低減させる観点から、吸湿性及び潮解性を有さないものであることが好ましい。なお、上記した触媒は、フィラーには包含されないものとする。
フィラーとしては、具体的には常温(23℃)、常圧(1気圧)において固体である固体難燃剤を使用してもよい。具体的な固体難燃剤としては、赤燐系難燃剤、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤、塩素含有難燃剤、金属水酸化物、針状フィラー等が挙げられる。これらの固体難燃剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(赤燐系難燃剤)
赤燐系難燃剤は、赤燐単体からなるものでもよいが、赤燐に樹脂、金属水酸化物、金属酸化物等を被膜したものでもよいし、赤燐に樹脂、金属水酸化物、金属酸化物等を混合したものでもよい。赤燐を被膜し、または赤燐と混合する樹脂は、特に限定されないがフェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、及びシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。被膜ないし混合する化合物としては、難燃性の観点から、金属水酸化物が好ましい。金属水酸化物は、後述するものを適宜選択して使用するとよい。
(リン酸塩含有難燃剤)
リン酸塩含有難燃剤としては、例えば、各種リン酸と周期律表IA族~IVB族の金属、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミン、環中に窒素を含む複素環式化合物から選ばれる少なくとも1種の金属または化合物との塩からなるリン酸塩が挙げられる。なお、用語「各種リン酸」は、リン酸のみならず、亜リン酸、次亜リン酸等も含まれる概念である。
周期律表IA族~IVB族の金属として、リチウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、鉄(II)、鉄(III)、アルミニウム等が挙げられる。
脂肪族アミンとして、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ピペラジン等が挙げられる。芳香族アミンとしては、アニリン、o-トリイジン、2,4,6-トリメチルアニリン、アニシジン、3-(トリフルオロメチル)アニリン等が挙げられる。環中に窒素を含む複素環式化合物として、ピリジン、トリアジン、メラミン等が挙げられる。
リン酸塩含有難燃剤の具体例としては、例えば、モノリン酸塩、ポリリン酸塩等が挙げられる。モノリン酸塩としては特に限定されないが、例えば、リン酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素ニアンモニウム等のアンモニウム塩、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、亜リン酸一ナトリウム、亜リン酸二ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム等のナトリウム塩、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、亜リン酸一カリウム、亜リン酸二カリウム、次亜リン酸カリウム等のカリウム塩、リン酸一リチウム、リン酸二リチウム、リン酸三リチウム、亜リン酸一リチウム、亜リン酸二リチウム、次亜リン酸リチウム等のリチウム塩、リン酸二水素バリウム、リン酸水素バリウム、リン酸三バリウム、次亜リン酸バリウム等のバリウム塩、リン酸一水素マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸三マグネシウム、次亜リン酸マグネシウム等のマグネシウム塩、リン酸二水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸三カルシウム、次亜リン酸カルシウム等のカルシウム塩、リン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛、次亜リン酸亜鉛等の亜鉛塩等が挙げられる。
ここで、ポリリン酸塩としては、特に限定されないが、例えば、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸ピペラジン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸アンモニウムアミド、ポリリン酸アルミニウム等が挙げられる。
リン酸塩含有難燃剤は、上記したものから1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(臭素含有難燃剤)
臭素含有難燃剤としては、分子構造中に臭素を含有し、常温(23℃)、常圧(1気圧)で固体である化合物であれば特に限定されないが、例えば、臭素化芳香環含有芳香族化合物等が挙げられる。
臭素化芳香環含有芳香族化合物としては、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモビフェニル、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモビスフェノールA等のモノマー系有機臭素化合物が挙げられる。
また、臭素化芳香環含有芳香族化合物は、臭素化合物ポリマーであってもよい。具体的には、臭素化ビスフェノールAを原料として製造されたポリカーボネートオリゴマー、このポリカーボネートオリゴマーとビスフェノールAとの共重合物等の臭素化ポリカーボネート、臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジエポキシ化合物等が挙げられる。さらには、臭素化フェノール類とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるモノエポキシ化合物等の臭素化エポキシ化合物、臭素化ポリフェニレンエーテルと臭素化ビスフェノールAと塩化シアヌールとの臭素化フェノールの縮合物、未架橋又は架橋臭素化ポリスチレン等が挙げられる。
また、ヘキサブロモシクロドデカン等の臭素化芳香環含有芳香族化合物以外の化合物であってもよい。
これら臭素含有難燃剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(ホウ素含有難燃剤)
本発明で使用するホウ素含有難燃剤としては、ホウ砂、酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸塩等が挙げられる。酸化ホウ素としては、例えば、三酸化二ホウ素、三酸化ホウ素、二酸化二ホウ素、三酸化四ホウ素、五酸化四ホウ素等が挙げられる。
ホウ酸塩としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、周期表第4族、第12族、第13族の元素およびアンモニウムのホウ酸塩等が挙げられる。具体的には、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸セシウム等のホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム等のホウ酸アルカリ土類金属塩、ホウ酸ジルコニウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸アンモニウム等が挙げられる。
ホウ素含有難燃剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明に使用するホウ素含有難燃剤は、ホウ酸塩であることが好ましく、ホウ酸亜鉛がより好ましい。
(アンチモン含有難燃剤)
アンチモン含有難燃剤としては、例えば、酸化アンチモン、アンチモン酸塩、ピロアンチモン酸塩等が挙げられる。酸化アンチモンとしては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が挙げられる。アンチモン酸塩としては、例えば、アンチモン酸ナトリウム、アンチモン酸カリウム等が挙げられる。ピロアンチモン酸塩としては、例えば、ピロアンチモン酸ナトリウム、ピロアンチモン酸カリウム等が挙げられる。
アンチモン含有難燃剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。 本発明に使用するアンチモン含有難燃剤は、酸化アンチモンであることが好ましい。
(塩素含有難燃剤)
塩素含有難燃剤は、ポリウレタンフォームに通常用いられるものが挙げられ、例えば、ポリ塩化ナフタレン、クロレンド酸、「デクロランプラス」の商品名で販売されるドデカクロロドデカヒドロジメタノジベンゾシクロオクテン等が挙げられる。
(金属水酸化物)
本発明に使用する金属水酸化物としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、水酸化ニッケル、水酸化ジルコニウム、水酸化チタン、水酸化亜鉛、水酸化銅、水酸化バナジウム、水酸化スズ等が挙げられる。金属水酸化物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。金属水酸化物としては、水酸化アルミニウムが好ましい。
(針状フィラー)
針状フィラーとしては、例えば、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、マグネシウム含有ウィスカー、珪素含有ウィスカー、ウォラストナイト、セピオライト、ゾノライト、エレスタダイト、ベーマイト、棒状ヒドロキシアパタイト、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、金属繊維、スラグ繊維、石膏繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、硼素繊維、ステンレス繊維等が挙げられる。
これらの針状フィラーは、一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用する針状フィラーのアスペクト比(長さ/直径)の範囲は、5~50の範囲であることが好ましく、10~40の範囲であればより好ましい。なお、当該アスペクト比は、走査型電子顕微鏡で針状フィラーを観察してその長さと幅を測定して求めることができる。
また、上記した固体難燃剤以外の無機充填剤を使用してもよく、そのような無機充填剤としては、アルミナ、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、フェライト類、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、タルク、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、イモゴライト、セリサイト、ガラスビーズ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、各種金属粉、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、硫化モリブデン、炭化ケイ素、各種磁性粉、フライアッシュ等を適宜使用できる。これら無機充填剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらのフィラーは、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリオール組成物中のフィラーの含有量は、特に限定されないが、ウレタン樹脂100質量部に対し、8~40質量部が好ましく、12~30質量部がより好ましく、15~25質量部がさらに好ましい。フィラーの含有量が前記下限値以上であることにより、該発泡性ポリウレタン樹脂組成物から形成されるポリウレタンフォームの難燃性を向上させやすくなる。また、フィラーの含有量が前記上限値以下であることにより、該発泡性ポリウレタン樹脂組成物の粘度を一定以下に抑えることができ、取り扱い性が良好になる。
<発泡剤>
発泡剤は、発泡性ポリウレタン樹脂組成物の発泡を促進する。発泡剤としては、例えば、水、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の低沸点の炭化水素、ジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリド等の塩素化脂肪族炭化水素化合物、ハイドロフルオロオレフィン(以下「HFO」と記載することがある。)、ジイソプロピルエーテル等のエーテル化合物、あるいはこれらの化合物の混合物等の有機系物理発泡剤、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の無機系物理発泡剤等が挙げられる。
これらのうち、発泡剤としての安定性が高く、かつ触媒活性が低下しにくくなり、さらに、環境負荷も低くなるハイドロフルオロオレフィン(HFO)を含むことが好ましい。
好適な発泡剤であるHFOとしては、炭素数が3~6個程度であるフルオロアルケン等を挙げることができる。また、HFOは塩素原子を有するハイドロクロロフルオロオレフィンであってもよく、したがって、炭素数が3~6個程度であるクロロフルオロアルケン等であってもよい。
HFOとしては、例えば、トリフルオロプロペン、HFO-1234等のテトラフルオロプロペン、HFO-1225等のペンタフルオロプロペン、クロロジフルオロプロペン、HFO-1233等のクロロトリフルオロプロペン、及びクロロテトラフルオロプロペン等が挙げられる。
より具体的には、3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1243zf)、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze(E))、シス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze(Z))、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、1,1,3,3-テトラフルオロプロペン、シス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze(Z))、トランス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye(E))、シス-1,2,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225ye(Z))、1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)、1,1,2,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225yc)、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1233zd(E))、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロブト-2-エン(HFO-1336mzz)等が挙げられる。これらの中ではHFO-1233zd(E)が好ましい。
発泡剤の含有量は特に限定されず、ウレタン樹脂100質量部に対して、4~30質量部が好ましく、6~24質量部がより好ましく、8~17質量部が更に好ましい。発泡剤の含有量が前記下限値以上であると発泡が促進され、発泡性が良好となり、ポリウレタンフォームの密度を低減することができる。一方、発泡剤の含有量が前記上限値以下であると発泡が過度に進行することを抑制することができる。また、発泡剤の含有量を上記範囲内とすることで、発泡性ポリウレタン樹脂組成物のゲルタイムを所定の範囲内に調整しやすくなる。
上記、発泡剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。本発明の発泡性ポリウレタン樹脂組成物においては、上述のHFOとそれ以外の発泡剤を併用することが好ましく、例えば、HFOと、取り扱い性に優れる水、酸素ガス、二酸化炭素ガスを併用してもよい。特に、水はイソシアネートインデックスを調整する観点、及び取り扱い容易性の観点から好ましい。
HFOの含有量としては、ウレタン樹脂100質量部に対し、3~28質量部が好ましく、5~20質量部がより好ましく、7~15質量部がさらに好ましい。
水の含有量としては、ウレタン樹脂100質量部に対し、0.05~1質量部が好ましく、0.08~0.5質量部がより好ましく、0.1~0.3質量部がさらに好ましい。
<整泡剤>
本発明のポリオール組成物は、整泡剤を含有してもよい。整泡剤を含有することでポリウレタンフォームの発泡性を良好にでき、例えば、スプレー噴霧においてポリイソシアネート化合物と反応させる際、発泡を促進できる。
整泡剤としては、具体的には界面活性剤、より具体的には、非イオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等を例示することができる。非イオン系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン整泡剤、オルガノポリシロキサン等のシリコーン整泡剤等が挙げられる。本発明で使用する整泡剤は特に限定されないが、発泡性の観点からシリコーン整泡剤が好ましい。整泡剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよい。
本発明のポリオール組成物中の整泡剤の含有量は、ウレタン樹脂100質量部に対して、0.03~3質量部が好ましく、0.3~2.5質量部がより好ましく、0.5~2質量部が更に好ましい。整泡剤の含有量が前記下限値以上であるとポリオール組成物とポリイソシアネート化合物との混合物を発泡させやすくなるため均質なポリウレタンフォームを得ることが可能になる。また、整泡剤の含有量が前記上限値以下であると製造コストと得られる効果のバランスが最適になる。
<その他成分>
ポリオール組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤、熱安定剤、金属害防止剤(金属不活性化剤)、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、可塑剤、顔料、粘着付与樹脂等の添加剤、ポリブテン、石油樹脂等の粘着付与剤等から選択される1種以上を含むことができる。
<ポリオール組成物の製造方法>
本発明のポリオール組成物の製造方法に特に制限はなく、例えば、各成分を20~40℃程度でホモディスパー等を用いて30秒~20分程度撹拌することにより製造することができる。
<ポリイソシアネート組成物>
本発明のポリイソシアネート組成物に含まれるポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、及び脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、及びポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)等が挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、及びジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
これらの中でも、使いやすさの観点、及び入手容易性の観点から、芳香族ポリイソシアネートが好ましく、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックMDI、又はこれらの混合物がより好ましく、中でもジフェニルメタンジイソシアネートがさらに好ましく、特に、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。ポリイソシアネートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。併用するポリイソシアネート化合物としては、ポリウレタンの技術分野において公知のポリイソシアネート化合物は限定なく使用可能である。なお、ポリイソシアネート組成物はポリイソシアネート化合物のみからなるものであってもよいし、ポリイソシアネート化合物に添加される従来公知の添加剤などが適宜配合されていてもよい。
本発明のポリオール組成物及びポリイソシアネート組成物の混合比は、発泡性ポリウレタン樹脂組成物のイソシアネートインデックスが以下の通りとなるように調整することが好ましい。発泡性ポリウレタン樹脂組成物を吹き付け用途として使用する場合は、ポリオール組成物に対するポリイソシアネート組成物の容量比(ポリイソシアネート組成物/ポリオール組成物)は、特に限定されないが、好ましくは0.8~1.2であり、より好ましくは0.9~1.1である。
<イソシアネートインデックス>
本発明の発泡性ポリウレタン樹脂組成物におけるイソシアネートインデックスは、好ましくは150~700であり、より好ましくは250~600、さらに好ましくは300~500である。イソシアネートインデックスがこれら下限値以上であると難燃性の高いポリウレタンフォームが得やすくなり、イソシアネートインデックスがこれら上限値以下であると、ポリウレタンフォーム形成時の発泡性を良好にすることができる。
イソシアネートインデックスは、ポリイソシアネート化合物におけるイソシアネート基のモル数を、ポリオール化合物の水酸基及び発泡剤として用いる水の活性水素基の合計モル数で割った値に100を掛けた値であり、以下の方法にて算出される。
イソシアネートインデックス
=ポリイソシアネート化合物の当量数÷(ポリオール化合物の当量数+水の当量数)×100
ここで、各当量数は以下のとおり計算することができる。
・ポリイソシアネート化合物の当量数=ポリイソシアネート化合物の使用量(g)×NCO含有量(質量%)/NCOの分子量(モル)×100
・ポリオール化合物の当量数=OHV×ポリオール化合物の使用量(g)÷KOHの分子量(ミリモル)
OHVはポリオール化合物の水酸基価(mgKOH/g)である。
・水の当量数=水の使用量(g)/水の分子量(モル)×水のOH基の数
上記各式において、NCOの分子量は42(モル)、KOHの分子量は56,100(ミリモル)、水の分子量は18(モル)、水のOH基の数は2とする。
本発明の発泡性ポリウレタン樹脂組成物は、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とが反応して硬化するため、その粘度は時間と共に変化する。そこで該組成物を使用する前は、ポリオール組成物と、ポリイソシアネート組成物は別々に保管しておき、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物が反応して硬化することを防止しておく。そして、ポリウレタンフォームを製造する際に、ポリオール組成物と、ポリイソシアネート組成物を混合させるとよい。
<ポリウレタンフォーム及びその製造方法>
本発明のポリウレタンフォームは、ポリオール組成物と、ポリイソシアネート組成物を混合させて得た発泡性ポリウレタン樹脂組成物を、反応及び発泡させて得た反応生成物である。ポリウレタンフォームの製造方法に特に制限はないが、ポリオール組成物を、発泡機などにおいて、ポリイソシアネート化合物と混合させ、得られた混合液(発泡性ポリウレタン樹脂組成物)を反応かつ発泡させることで、ポリウレタンフォームを製造するとよい。発泡機としては、スプレーガンを有するスプレー装置等を用いるとよい。
ポリオール組成物は、発泡機に送液され、別の容器などから送液されたポリイソシアネート化合物と発泡機内部にて衝突混合させるとよい。そして、その混合液(発泡性ポリウレタン樹脂組成物)は、スプレーガンなどの吐出口から吐出させ、吐出された発泡性ポリウレタン樹脂組成物によりポリウレタンフォームを成形するとよい。
本製造方法は、好ましくは吹き付け用途に適用することができる。したがって、発泡機から吐出された混合液は、施工対象面に一定の吐出圧力で吹き付け、発泡させることにより、施工対象面上にポリウレタンフォームを形成するとよい。
吹き付けは、施工対象面の1つの箇所に対して、1回の吹付により施工対象面上にポリウレタンフォームを形成してもよいが、2回以上の吹付により、複数層のポリウレタンフォームを形成してもよい。
本発明のポリウレタンフォームの用途は特に限定されないが難燃性及び断熱性に優れているため、建築物の壁、天井、屋根、床等の建築物に好適に用いることができ、壁、天井、屋根、床等などを吹付対象面としてポリウレタンフォームを形成するとよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[使用材料]
<ポリイソシアネート組成物>
(ポリイソシアネート化合物)
・4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’-MDI)(万華化学ジャパン社製、製品名:PM200)
<ポリオール組成物>
(ポリオール化合物)
・p-フタル酸ポリエステルポリオール(川崎化成工業社製、製品名:マキシモールRLK-087、水酸基価=200mgKOH/g)
(触媒)
・三量化触媒1 4級アンモニウム塩、2,2-ジメチルプロパン酸テトラメチルアンモニウム塩(エアープロダクツ社、製品名:DABCO(登録商標)TMR7)濃度45~55質量%
・三量化触媒2 金属触媒、2-エチルヘキサン酸カリウム(エアープロダクツ社製、製品名:DABCO(登録商標)K-15)濃度70~80質量%
・樹脂化触媒1 イミダゾール誘導体、1,2-ジメチルイミダゾール(花王社製、製品名「カオライザー No.390」)濃度65~75質量%
・樹脂化触媒2 イミダゾール誘導体、1,2-ジメチルイミダゾール(東ソー株式会社製、製品名:TOYOCAT(登録商標)-DM70)濃度65~75質量%
・樹脂化触媒3 遷移金属塩、2-エチルヘキサン酸ビスマス(日東化成社製、製品名:Bi28)濃度81~90質量%
・樹脂化触媒4 遷移金属塩、ジオクチル(2-エチルヘキシル)スズバーサテート(日東化成社製、製品名:ネオスタン U-830)濃度約99質量%
(発泡剤)
・ハイドロフルオロオレフィン(HFO)、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(ハネウェルジャパン社製、製品名:ソルティスLBA)
・水
(リン酸エステル(液状難燃剤))
・トリス(β-クロロプロピル)ホスフェート(大八化学社製、製品名:TMCPP)
(フィラー)
・ウォラストナイト(SiO・CaO)(キンセイマテック社製、製品名:SH-1250)
[ポリウレタンフォームの製造]
表1に記載の配合にしたがって各成分を混合して、ポリオール組成物を作製した。さらに、該ポリオール組成物とポリイソシアネート化合物を混合して発泡性ポリウレタン樹脂組成物を作製し、さらに該発泡性ポリウレタン樹脂組成物を発泡させ、ポリウレタンフォームを製造した。ポリウレタンフォームの製造条件は以下の通りである。
<製造条件>
・吹付機:グラコ社製吹付装置H-25
・設定(ヒーター設定)
イソシアネートヒーター:38℃
プレミクスヒーター(ポリオール組成物加温用):38℃
ホースヒーター(ポリイソシアネート化合物及びポリオール組成物の混合前加温用):38℃
圧力:ミストが広域な円形になるよう適宜調整
・基材:スレート板(厚み:8mm)
・基材温度(吹付対象面の温度):15℃±1℃
・環境温度(吹付時の気温):15℃±1℃
[ポリウレタンフォームの評価方法]
1.ゲルタイム(GT)
表1に記載の組成のポリオール組成物、およびポリイソシアネート化合物(MDI)からなるポリイソシアネート組成物の液温を、それぞれ15±1℃に調整した。そして、20℃の室内にて、上記15±1℃に調整されたポリオール組成物及びポリイソシアネート組成物を、表1の通りとなる混合比で合計量が100gの混合液となるように混合し、該混合液を、希釈用途(3倍希釈)としてのTMCPP200gと共に、500mLのカップに投入した。その後、該混合液を直ちにラボディスパ(PRIMIX社製高速分散機ホモディスパー 2.5型)にて8000rpmで3秒間攪拌した。攪拌を開始した時間を測定開始時間(0秒)として、発泡中のフォームに突き刺した棒に、フォームが糸を引くようになるまでの時間(秒)を測定し、これをゲルタイムとした。
ゲルタイムを上記の通り測定した後、ゲルタイムの測定結果を評価した。ゲルタイムの評価基準は以下の通りである。
◎:ゲルタイムが、10秒以上17秒未満
〇:ゲルタイムが、7秒以上10秒未満又は17秒以上30秒以下
×:ゲルタイムが、7秒未満又は30秒超
2.発泡性
ポリオール組成物とポリイソシアネート組成物とを表1に記載の配合にて混合させ、上記したポリウレタンフォームの製造条件にて、吹付機により、石膏ボードに対し、ポリウレタンフォームの厚みが1mm以下になるように、飛散させるように吹き付けた。この吹き付け後の表面硬化時間であるタックフリータイム(TFT)を測定した。TFTの測定結果に基づき、発泡性ポリウレタン樹脂組成物の発泡性を評価した。発泡性の評価基準は以下の通りである。
◎:タックフリータイムが、25秒未満
〇:タックフリータイムが、25秒以上28秒以下
×:タックフリータイムが、28秒超
3.剥離の発生の有無
ポリオール組成物とポリイソシアネート化合物とを表1に記載の配合にて混合させ、上記したポリウレタンフォームの製造条件にて、吹付機により、スレート板に対し、ポリウレタンフォームの厚みが1mm以下になるように、飛散させるように吹き付けた。こうして吹き付けたポリウレタンフォームを、ポリウレタンフォームAとする。この吹き付けから30秒後、ポリウレタンフォームAの上に、ポリウレタンフォームを、厚みを変化させながら吹き付けにより形成した。ポリウレタンフォームAの上に形成したポリウレタンフォームをポリウレタンフォームBとする。
こうした一連の吹き付けの結果、ポリウレタンフォームBが、ポリウレタンフォームAから厚み15mm以上で剥離した場合を「◎」、厚み10mm以上15mm未満で剥離した場合を「〇」、厚み10mm未満で剥離した場合を「×」とした。
[実施例1~10、比較例1及び2]
表1に記載の配合にしたがって各成分を混合して、ポリオール組成物を作製した。該ポリオール組成物及びポリイソシアネート化合物を用いてポリウレタンフォームを製造し、上記評価方法1~3の評価を行った。結果を表1に示す。ポリオール組成物とポリイソシアネート化合物の混合比は体積比で1:1であった。
Figure 2022100131000001
触媒の各含有量は、製品としての含有量である。
以上の実施例及び比較例の結果から明らかなように、本発明の発泡性ポリウレタン樹脂組成物により形成したポリウレタンフォームは、対象物から剥離せず、かつ良好な発泡性が得られたことにより施工性も良好なものとなった。
これに対し、比較例の発泡性ポリウレタン樹脂組成物により形成したポリウレタンフォームは、いずれも、カップ発泡法により測定されたゲルタイムが7秒以上30秒以下の範囲内に収まらなかった例を示すものである。比較例1では、良好な発泡性が得られたが、ゲルタイムが7秒を下回ったため、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の反応活性が過剰となり、ポリウレタンフォームBの剥離が発生した。また、比較例2では、ポリウレタンフォームBの剥離は発生しなかったが、ゲルタイムが30秒を上回ったため、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の反応が十分促進されず、発泡性ポリウレタン樹脂組成物の発泡性が悪化した。

Claims (8)

  1. ポリオール化合物、液状難燃剤、触媒、及び発泡剤を含むポリオール組成物と、ポリイソシアネート化合物を含むポリイソシアネート組成物とを含有する発泡性ポリウレタン樹脂組成物であって、
    カップ発泡法により測定されるゲルタイムが、7秒以上30秒以下であることを特徴とする、発泡性ポリウレタン樹脂組成物。
  2. フィラーをさらに含む、請求項1に記載の発泡性ポリウレタン樹脂組成物。
  3. 前記触媒が三量化触媒を含む、請求項1又は2に記載の発泡性ポリウレタン樹脂組成物。
  4. 前記触媒が、ビスマス塩又はスズ塩から選択される金属塩を含む、請求項1~3のいずれかに記載の発泡性ポリウレタン樹脂組成物。
  5. 前記発泡性ポリウレタン樹脂組成物が三量化触媒を含み、
    前記三量化触媒の含有量が、前記ポリオール化合物及び前記ポリイソシアネート化合物からなるウレタン樹脂100質量部あたり、1.4~4.5質量部である、請求項1~4のいずれかに記載の発泡性ポリウレタン樹脂組成物。
  6. イソシアネートインデックスが150~700である、請求項1~5のいずれかに記載の発泡性ポリウレタン樹脂組成物。
  7. 吹き付け用途である、請求項1~6のいずれかに記載の発泡性ポリウレタン樹脂組成物。
  8. 請求項1~7のいずれかに記載の発泡性ポリウレタン樹脂組成物を反応及び発泡させて形成される、ポリウレタンフォーム。

JP2020214309A 2020-12-23 2020-12-23 発泡性ポリウレタン樹脂組成物、及びポリウレタンフォーム Pending JP2022100131A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020214309A JP2022100131A (ja) 2020-12-23 2020-12-23 発泡性ポリウレタン樹脂組成物、及びポリウレタンフォーム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020214309A JP2022100131A (ja) 2020-12-23 2020-12-23 発泡性ポリウレタン樹脂組成物、及びポリウレタンフォーム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022100131A true JP2022100131A (ja) 2022-07-05

Family

ID=82269756

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020214309A Pending JP2022100131A (ja) 2020-12-23 2020-12-23 発泡性ポリウレタン樹脂組成物、及びポリウレタンフォーム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022100131A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2022059566A1 (ja) ポリオール組成物、発泡性ポリウレタン組成物及びポリウレタンフォーム
JP2020090582A (ja) 混合液剤、ポリウレタン組成物、コーキングガン用カートリッジ容器、スプレー用耐圧容器及び混合システム
JP2022030316A (ja) ポリウレタンフォーム及びその製造方法
JP2022100131A (ja) 発泡性ポリウレタン樹脂組成物、及びポリウレタンフォーム
JP2022123400A (ja) 吹付用ポリオール含有組成物
JP7530274B2 (ja) ポリオール組成物と触媒のセット、発泡性ポリウレタン組成物、ポリウレタンフォーム及びポリウレタンフォームの製造方法
JP2022042424A (ja) ポリオール含有組成物、発泡性ポリウレタン組成物、及びポリウレタンフォーム
JP2022030315A (ja) ポリオール組成物、発泡性ポリウレタン組成物、及びポリウレタンフォーム
JP2022077921A (ja) ポリオール組成物と発泡剤組成物のセット、発泡性ポリウレタン組成物、ポリウレタンフォーム及びポリウレタンフォームの製造方法
JP7490918B2 (ja) ポリウレタンフォームの製造方法
JP2022049497A (ja) ポリオール含有組成物、発泡性ポリウレタン組成物、ポリウレタンフォーム及びポリウレタンフォームの製造方法
JP2021147487A (ja) ポリオール含有組成物、発泡性ポリウレタン組成物、及びポリウレタンフォーム
JP7493288B2 (ja) ウレタン樹脂組成物、その原料組成物及び原料キット並びにウレタン樹脂発泡体
JP2023010346A (ja) ポリオール含有組成物、発泡性ウレタン樹脂組成物、及びポリウレタン発泡体
JP2024066274A (ja) ポリオール組成物、ウレタン樹脂組成物、及びポリウレタン発泡体
JP2022030317A (ja) ポリオール組成物、発泡性ポリウレタン組成物、及びポリウレタンフォーム
JP7299826B2 (ja) 積層構造体及び積層構造体の製造方法
JP2023081760A (ja) ポリオール含有組成物、発泡性ウレタン樹脂組成物、及びポリウレタン発泡体
JP2022108206A (ja) ポリオール組成物、ポリウレタン樹脂組成物、及びポリウレタン発泡体
JP2022077922A (ja) ポリオール組成物とフィラーのセット、発泡性ポリウレタン組成物、ポリウレタンフォーム及びポリウレタンフォームの製造方法
JP2022044458A (ja) ポリオール組成物充填容器
JP2022030314A (ja) ポリウレタンフォームの製造方法
JP2022095432A (ja) ポリオール組成物、難燃性ウレタン樹脂組成物、及びポリウレタン発泡体
JP2022138020A (ja) ポリウレタンフォームの製造方法
WO2022215440A1 (ja) ポリオール組成物、ポリウレタン樹脂組成物、及びポリウレタンフォーム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230908

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240702