JP2022155722A - 冷却ジャケット及び焼入装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却速度の均一化が可能な冷却ジャケット及び焼入装置を提供する。【解決手段】冷却ジャケット10は、冷却液201を流通させる冷却液供給部材20と、冷却液供給部材20から冷却液201が供給され、冷却液201を噴射する複数の噴射孔32及び33が形成された冷却液噴射部材30と、を備える。冷却液噴射部材30におけるワークに対向する冷却液噴射面31は、上下方向Vに沿って配列された上部領域35、中央領域36、及び、下部領域37を有する。中央領域36に形成された各噴射孔33の面積は、上部領域35に形成された各噴射孔32の面積、及び、下部領域37に形成された各噴射孔32の面積よりも大きい。冷却液噴射部材30はワーク100に対して水平方向Hに相対的に移動する。複数の噴射孔32及び33が最も短い間隔で配列された最密方向Wは、水平方向H及び上下方向Vの双方に対して傾斜している。【選択図】図4

Description

本発明の実施形態は、冷却ジャケット及び焼入装置に関する。
鉄鋼部品(以下、「ワーク」という)をオーステナイト変態点以上の高温まで加熱し、引き続きワークを急冷することにより、ワークに焼入処理を施す焼入装置が使用されている。このような焼入装置において、ワークに均一な焼入処理を施すためには、加熱したワークの焼入れを施したい表面を均一に冷却することが必要である。しかしながら、ワークが大きいか、もしくは形状が複雑であると、均一な冷却が困難である。
特開2007-204834号公報
本発明の実施形態の目的は、冷却速度の均一化が可能な冷却ジャケット及び焼入装置を提供することである。
本発明の実施形態に係る冷却ジャケットは、冷却液を流通させる冷却液供給部材と、前記冷却液供給部材から前記冷却液が供給され、前記冷却液を噴射する複数の噴射孔が形成された冷却液噴射部材と、を備える。前記冷却液噴射部材におけるワークに対向する面は、上下方向に沿って配列された上部領域、中央領域、及び、下部領域を有する。前記中央領域に形成された各前記噴射孔の面積は、前記上部領域に形成された各前記噴射孔の面積、及び、前記下部領域に形成された各前記噴射孔の面積よりも大きい。前記冷却液噴射部材は前記ワークに対して水平方向に相対的に移動する。前記複数の噴射孔が最も短い間隔で配列された最密方向は、前記水平方向及び前記上下方向の双方に対して傾斜している。
本発明の実施形態に係る焼入装置は、前記冷却ジャケットと、前記ワークを加熱する加熱手段と、を備える。
本発明の実施形態によれば、冷却速度の均一化が可能な冷却ジャケット及び焼入装置を実現することができる。
図1は、実施形態に係る焼入装置を示す斜視図である。 図2は、図1の領域Aを示す斜視断面図である。 図3は、実施形態に係る冷却ジャケットを示す拡大斜視断面図である。 図4は、実施形態に係る冷却ジャケットの冷却液噴射面を示す側面図である。 図5(a)~(c)は、実施形態に係る冷却ジャケットの動作を模式的に示す図である。 図6は、比較例に係る冷却ジャケットの冷却液噴射面を示す側面図である。 図7(a)~(d)は、比較例に係る冷却ジャケットの動作を模式的に示す図である。 図8(a)は試験例において使用したワークを示す部分断面図であり、(b)は横軸に時間をとり縦軸に温度をとって冷却時のワークの温度変化を示すグラフであり、(c)は横軸に冷却時の温度範囲をとり縦軸に冷却速度をとって各温度範囲における冷却速度を示すグラフである。
<実施形態>
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る焼入装置を示す斜視図である。
図2は、図1の領域Aを示す斜視断面図である。
図3は、本実施形態に係る冷却ジャケットを示す拡大斜視断面図である。
図4は、本実施形態に係る冷却ジャケットの冷却液噴射面を示す側面図である。
図1に示すように、本実施形態において焼入処理の対象となるワーク100は、例えば、旋回輪である。ワーク100の全体の形状は略環状であり、その内面には複数の歯部101が設けられている。複数の歯部101は、ワーク100の周方向に沿って周期的に配列されている。本実施形態に係る焼入装置1は、ワーク100の内面に対して焼入処理を施す。
焼入装置1においては、冷却ジャケット10と、加熱手段と、移動手段60と、が設けられている。本実施形態においては、冷却ジャケット10はワーク100の内側に配置されており、移動手段60はワーク100の外側に配置されている。移動手段60は、例えば、ワーク100の外周面に当接することにより、ワーク100を自転させる駆動ローラーである。移動手段60は、ワーク100を自転させることにより、ワーク100を冷却ジャケット10に対して相対的に移動させる。
図1~図3に示すように、冷却ジャケット10においては、冷却液供給部材20と、冷却液噴射部材30と、が設けられている。冷却液供給部材20の形状は略円板状である。冷却液供給部材20内には、冷却液の流通経路が形成されている。冷却液供給部材20は、例えば、下面の中央部を介して外部から冷却液が供給され、この冷却液を冷却液供給部材20の外周面に分配する。
冷却液噴射部材30は、冷却液供給部材20の外周面に取り付けられている。冷却液噴射部材30の形状は、リング状である。冷却液噴射部材30の外周面が、冷却液噴射面31となっている。冷却液噴射面31はワーク100の内周面に対向している。冷却ジャケット10の中心軸Cは、上下方向Vに延びている。
加熱手段は冷却ジャケット10内に配置されており、例えば、冷却液噴射部材30内に組み込まれている。加熱手段は、例えば、高周波誘導コイルである。冷却液供給部材20の下面には、板状部材21が取り付けられている。板状部材21は、冷却液噴射部材30とワーク100との隙間の下方に配置されている。
移動手段60により、冷却液噴射面31はワーク100に対してワーク100の周方向に相対的に移動する。ワーク100の周方向は、水平面に対して平行であり、水平方向Hの一種である。
図4に示すように、冷却液噴射部材30の冷却液噴射面31には、それぞれ複数の噴射孔32及び33が形成されている。噴射孔32及び33は、冷却液供給部材20によって供給された冷却液をワーク100に対して噴射するための孔である。噴射孔32及び33が延びる方向は、例えば、冷却ジャケット10の半径方向であり、水平方向である。噴射孔32及び33の形状は、例えば、円柱形である。噴射孔33の直径は、噴射孔32の直径よりも大きい。このため、冷却液噴射面31において、各噴射孔33の面積は、各噴射孔32の面積よりも大きい。
冷却液噴射面31において、噴射孔32及び33は、複数の列をなして2次元的に配列されている。図4に示す列34は、噴射孔32及び33が最も短い間隔で配列された列である。すなわち、隣り合う噴射孔間の距離のうち、列34が延びる最密方向Wにおける距離D1は、水平方向Hにおける距離D2、上下方向Vにおける距離D3、それ以外の方向における距離D4、D5、D6のいずれよりも短い。最密方向Wは、上下方向V及び水平方向Hの双方に対して傾斜している。冷却液噴射面31において、列34は複数形成されており、冷却液噴射部材30の周方向に沿って周期的又は略周期的に配列されている。
冷却液噴射面31においては、上下方向Vに沿って、上部領域35、中央領域36、下部領域37が設定されている。下部領域37は上部領域35よりも下方、すなわち、重力の方向に位置している。中央領域36は上部領域35と下部領域37との間に配置されている。上部領域35及び下部領域37には、噴射孔32が形成されている。中央領域36には、噴射孔33が形成されている。したがって、中央領域36に形成された各噴射孔の面積は、上部領域35に形成された各噴射孔の面積、及び、下部領域37に形成された各噴射孔の面積よりも大きい。
上下方向Vにおける中央領域36の長さは、上下方向Vにおける上部領域35の長さよりも長く、上下方向Vにおける下部領域37の長さよりも長い。例えば、上下方向Vにおける中央領域36の長さは、上下方向Vにおける上部領域35の長さ及び下部領域37の長さの合計よりも長い。図4に示す例では、上部領域35においては、上下方向Vに沿って噴射孔32が4段設けられており、中央領域36においては、上下方向Vに沿って噴射孔33が12段設けられており、下部領域37においては、上下方向Vに沿って噴射孔32が3段設けられている。
なお、図4には、ワーク100の位置も二点鎖線で表している。図2~図4に示すように、上下方向Vにおいて、冷却液噴射面31の上縁の位置はワーク100の上縁の位置と略等しく、冷却液噴射面31の下縁の位置はワーク100の下縁の位置と略等しい。
次に、本実施形態に係る焼入装置1の動作について説明する。
図1に示すように、ワーク100を、内面が冷却ジャケット10に対向し、外面が移動手段60に当接するように配置する。このとき、ワーク100の中心軸は冷却ジャケット10の中心軸Cと一致させる。
次に、移動手段60により、ワーク100を自転させる。これにより、冷却ジャケット10の冷却液噴射部材30が、ワーク100に対して水平方向Hに相対的に移動する。
次に、冷却液噴射部材30の加熱手段がワーク100を加熱する。このとき、ワーク100が鋼からなる場合は、オーステナイト変態点以上の温度まで加熱する。その後、加熱手段を停止させる。
次に、冷却液を冷却液供給部材20内に供給する。冷却液は、例えば、ポリマー水溶液又は水である。冷却液は冷却液供給部材20内を流通して冷却液噴射部材30に到達し、噴射孔32及び33から噴射される。噴射された冷却液は、ワーク100の内面に接触する。これにより、ワーク100が冷却される。この結果、ワーク100の内面に焼入処理が施される。
以下、冷却工程をより詳細に説明する。
図5(a)~(c)は、本実施形態に係る冷却ジャケットの動作を模式的に示す図である。
図5(a)~(c)は、冷却の初期段階を示している。また、図5(a)~(c)において、冷却液の噴射は矢印で表し、太い矢印は細い矢印よりも噴射量が多いことを表している。後述する図7(a)~(d)についても同様である。
図5(a)に示すように、冷却液噴射部材30の噴射孔32及び33から、冷却液201が噴射される。このとき、冷却液噴射部材30の上部領域35及び下部領域37には相対的に小さい噴射孔32が形成されているため、冷却液201の噴射量は相対的に少ない。中央領域36には相対的に大きい噴射孔33が形成されているため、冷却液201の噴射量は相対的に多い。冷却工程の最初のタイミングで噴射された冷却液201は、ワーク100に接触し、ワーク100との間で熱交換を行う。
図5(b)に示すように、ワーク100に接触した冷却液201は蒸発して、ワーク100の内面に沿って蒸気層202を形成する。蒸気層202はその後に噴射された冷却液201がワーク100に到達することを阻害する。しかしながら、中央領域36における冷却液201の噴射量は上部領域35及び下部領域37における冷却液201の噴射量よりも多いため、蒸気層202は冷却液201によって上下に押し出される。
このため、図5(c)に示すように、蒸気層202が速やかに除去されて、冷却液201が再びワーク100に接触する。これにより、ワーク100が引き続き冷却される。
ワーク100の内面に接触した冷却液の一部は、冷却液噴射部材30とワーク100との隙間内を下方に移動し、板状部材21上で短時間滞留してワーク100の下面に接触した後、落下する。ワーク100の内面に接触した冷却液の残部は、冷却液噴射部材30とワーク100との隙間内を上方に移動し、ワーク100上及び冷却ジャケット10上で短時間滞留してワーク100の上面に接触した後、主にワーク100の外側から落下する。
ワーク100が十分に冷却されたら、冷却液201の供給を停止すると共に、移動手段60を停止する。このようにして、焼入装置1はワーク100の内面に焼入処理を施す。
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態に係る冷却ジャケット10においては、冷却液噴射面31において、中央領域36に形成された各噴射孔33の面積が、上部領域35に形成された各噴射孔32の面積、及び、下部領域37に形成された各噴射孔32の面積よりも大きい。これにより、ワーク100の内面に沿って発生した蒸気層202を速やかに上下に排出することができ、その後に噴射された冷却液201をワーク100に速やかに接触させることができる。この結果、ワーク100の上下方向中央部における冷却効率が向上する。ワーク100の上下方向中央部は、上部及び下部と比較して、冷却されにくい。このため、ワーク100の上下方向中央部における冷却効率を向上させることにより、冷却速度の均一化を図ることができる。
また、冷却ジャケット10に板状部材21が設けられていることにより、冷却液噴射部材30とワーク100との隙間から落下した冷却液201を、板状部材21上で短時間滞留させて、ワーク100の下面に接触させることができる。これにより、ワーク100の下面も効率よく冷却することができる。ワーク100の上面上には冷却液201が短時間滞留するため、仮に板状部材21が設けられていないと、ワーク100の下面の冷却速度が上面の冷却速度よりも低くなる可能性がある。これに対して、本実施形態においては、板状部材21が設けられているため、ワーク100の上面と下面で冷却速度を揃えることができる。これによっても、ワーク100の冷却速度の均一化を図ることができる。
また、冷却液噴射部材30はワーク100に対して水平方向に相対的に移動するため、ワーク100の内面における任意の位置は、冷却液噴射面31において水平方向に配列された複数の噴射孔と順次対向する。したがって、ワーク100の冷却効率を向上させるためには、ワーク100の内面における上下方向Vに延びる線分が所定の冷却期間において対向する冷却液噴射面31の矩形領域内において、上下方向Vにおける噴射孔の段数をできるだけ多くすることが好ましい。
本実施形態においては、冷却液噴射面31において、噴射孔32及び33が最も短い間隔で配列された列34が延びる最密方向Wは、水平方向H及び上下方向Vの双方に対して傾斜している。これにより、上述の矩形領域内において、上下方向Vにおける噴射孔の段数を多くすることができる。
最密方向Wが上下方向Vに対して傾斜していることにより、噴射孔32及び33を上下方向Vに沿って密に配列させることができる。より具体的に説明すると、図4に示す例では、上下方向Vに沿って、上部領域35においては噴射孔32が4段配列されており、中央領域36においては噴射孔33が12段配列されており、下部領域37においては噴射孔32が3段配列されており、噴射孔は合計で19段配列されている。これに対して、仮に、最密方向Wを上下方向Vと一致させると、距離D1を一定とした場合、上下方向Vに沿った噴射孔の段数は19段よりも少なくなる。
一方、最密方向Wが水平方向Hに対して傾斜していることによっても、上述の矩形領域内において、上下方向Vに沿った噴射孔の段数を多くすることができる。より具体的に説明すると、仮に、最密方向Wを水平方向Hと一致させると、列34が並ぶ方向、すなわち、噴射孔の最密方向Wと直交する方向が上下方向Vと一致することになり、上下方向Vにおける噴射孔の段数が低減する。この場合は、ワーク100が冷却液噴射部材30に対して水平方向に移動しても、上下方向Vにおける噴射孔の位置は変わらないため、上下方向Vに沿った噴射孔の段数を増やす効果は得られない。
更に、最密方向Wが水平方向H及び上下方向Vの双方に対して傾斜していることにより、ワーク100における隣り合う歯部101間の歯底においては、冷却液が噴射される位置が時間的に変化する。これにより、ワーク100の歯底において、冷却液の上下方向Vに沿った動きが生成される。これによっても、ワーク100の冷却速度の均一化を図ることができる。
ワーク100が環状である場合、内側面は外側面と比較して単位体積当たりの表面積が小さいため、冷却されにくい。また、ワーク100に歯部101が形成されている場合、歯底は歯先と比較して単位体積当たりの表面積が小さいため、冷却されにくい。したがって、ワーク100の内側面の歯底は、一般に冷却効率が低い。本実施形態においては、噴射孔32及び33を上述の如く形成することにより、ワーク100の内側面の歯底においても、冷却効率を向上させることができる。この結果、ワーク100の冷却速度の均一化を図ることができる。
<比較例>
次に、比較例について説明する。
図6は、比較例に係る冷却ジャケットの冷却液噴射面を示す側面図である。
図6に示すように、本比較例に係る冷却ジャケットにおいては、冷却液噴射部材130の冷却液噴射面131に複数の噴射孔132が形成されている。噴射孔132の大きさは、相互に実質的に等しい。また、複数の噴射孔132は、冷却液噴射面131において実質的に均一に分布されている。隣り合う3つの噴射孔132は、正三角形の頂点に位置する。すなわち、噴射孔132が最も短い間隔で配列された列134は、相互に60度の角度をなす3方向に延びる。この3方向のうちの1つは、水平方向Hと一致する。
次に、比較例に係る冷却ジャケットの動作について説明する。
図7(a)~(d)は、本比較例に係る冷却ジャケットの動作を模式的に示す図である。
図7(a)に示すように、冷却液噴射部材130の噴射孔132から、冷却液201が噴射される。冷却液噴射面131においては、複数の噴射孔132が略均一に分布されているため、冷却液201の噴射量も略均一である。
図7(b)に示すように、冷却液201はワーク100に接触することにより蒸発し、ワーク100の内面に沿って蒸気層202を形成する。蒸気層202はその後に噴射された冷却液201がワーク100に到達することを阻害する。本比較例においては、冷却液201の噴射量は略均一であるため、蒸気層202を上下に押し出す作用は少ない。
図7(c)に示すように、その後に噴射される冷却液201によって蒸気層202は徐々に消失する。しかしながら、その間、冷却液201のワーク100への到達は阻害され、ワーク100の冷却効率は低下する。
図7(d)に示すように、蒸気層202が除去されると、冷却液201が再びワーク100に接触する。これにより、ワーク100が引き続き冷却される。このように、比較例においては、上述の実施形態と比較して、蒸気層202の排出が遅く、冷却工程の初期段階における冷却効率が低い。
<試験例>
次に、上述の効果を示す試験例について説明する。
図8(a)は本試験例において使用したワークを示す部分断面図であり、(b)は横軸に時間をとり縦軸に温度をとって冷却時のワークの温度変化を示すグラフであり、(c)は横軸に冷却時の温度範囲をとり縦軸に冷却速度をとって各温度範囲における冷却速度を示すグラフである。
本試験例においては、上述の実施形態において説明した実施例に係る冷却ジャケットと、比較例に係る冷却ジャケットを作製し、それぞれの冷却ジャケットを用いてワーク100に対して焼入処理を行い、冷却速度を測定した。
以下、試験条件について説明する。
図8(a)に示すように、本試験例においては、ワーク100として、内側面に歯部101が形成された旋回輪を使用した。ワーク100の材料は、炭素鋼S50Cとした。加熱処理は高周波誘導加熱によって行い、加熱温度は歯底中央部においてオーステナイト変態点以上の高温(910℃)まで加熱した。冷却液には所定濃度のポリマー溶液を使用した。
実施例に係る冷却ジャケットにおいては、図1から4に示すような冷却液噴射部材30を用い、その上部領域及び下部領域の噴射孔32の直径を1.8mmとし、中央領域の噴射孔33の直径を2.4mmとした。比較例に係る冷却ジャケットにおいては、図6に示すような冷却液噴射部材130を用い、その噴射孔132の直径を1.8mmとした。温度の測定位置110は、ワーク100の内面における上下方向中央部の歯底であって、表面から2mm深い位置とした。
図8(b)及び(c)に示すように、比較例に係る冷却ジャケットを用いた場合は、冷却工程の初期段階、すなわち、温度が910℃から800℃までの範囲において、ワーク100の冷却速度が低くなった。これに対して、実施例に係る冷却ジャケットを用いた場合は、同じ温度範囲において、ワーク100の冷却速度が比較例よりも高かった。このように、実施例によれば、比較例よりも冷却の初期段階における上下方向中央部の冷却速度が高かった。
前述の実施形態は、本発明を具現化した例であり、本発明はこの実施形態には限定されない。例えば、前述の実施形態において、いくつかの構成要素を追加、削除又は変更したものも本発明に含まれる。例えば、冷却液噴射面における噴射孔の形状は円形には限定されず、例えば、多角形でもよい。また、噴射孔33の隣り合う噴射孔間の距離は噴射孔32の隣り合う噴射孔間の距離よりも狭く形成されていてもよい。また、噴射孔が延びる方向は水平方向には限定されず、斜め下方向又は斜め上方向でもよい。更に、冷却液供給部材20と冷却液噴射部材30は一体的に形成されていてもよい。また、焼入装置は、ワークの外周面に対して焼入処理を施してもよい。この場合は、冷却ジャケットはワークの外側に配置され、移動手段はワークの内側に配置される。ワークは旋回輪には限定されない。
1:焼入装置
10:冷却ジャケット
20:冷却液供給部材
21:板状部材
30:冷却液噴射部材
31:冷却液噴射面
32、33:噴射孔
34:列
35:上部領域
36:中央領域
37:下部領域
60:移動手段
100:ワーク
101:歯部
110:測定位置
130:冷却液噴射部材
131:冷却液噴射面
132:噴射孔
134:列
201:冷却液
202:蒸気層
C:中心軸
D1~D6:距離
H:水平方向
V:上下方向
W:最密方向

Claims (7)

  1. 冷却液を流通させる冷却液供給部材と、
    前記冷却液供給部材から前記冷却液が供給され、前記冷却液を噴射する複数の噴射孔が形成された冷却液噴射部材と、
    を備え、
    前記冷却液噴射部材におけるワークに対向する面は、上下方向に沿って配列された上部領域、中央領域、及び、下部領域を有し、
    前記中央領域に形成された各前記噴射孔の面積は、前記上部領域に形成された各前記噴射孔の面積、及び、前記下部領域に形成された各前記噴射孔の面積よりも大きく、
    前記冷却液噴射部材は前記ワークに対して水平方向に相対的に移動し、
    前記複数の噴射孔が最も短い間隔で配列された最密方向は、前記水平方向及び前記上下方向の双方に対して傾斜している冷却ジャケット。
  2. 前記中央領域の前記上下方向における長さは、前記上部領域の前記上下方向における長さ、及び、前記下部領域の前記上下方向における長さよりも長い請求項1に記載の冷却ジャケット。
  3. 前記冷却液噴射部材と前記ワークとの隙間の下方に配置された板状部材をさらに備えた請求項1または2に記載の冷却ジャケット。
  4. 前記ワークは環状であり、
    前記冷却液噴射部材は前記ワークの内面に対向する請求項1~3のいずれか1つに記載の冷却ジャケット。
  5. 前記ワークは環状であり、
    前記ワークにおける前記冷却液噴射部材に対向する面には、前記ワークの周方向に配列された複数の歯部が設けられている請求項1~3のいずれか1つに記載の冷却ジャケット。
  6. 請求項1~5のいずれか1つに記載の冷却ジャケットと、
    前記ワークを加熱する加熱手段と、
    を備えた焼入装置。
  7. 前記ワークを前記冷却液噴射部材に対して相対的に移動させる移動手段をさらに備えた請求項6に記載の焼入装置。
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