JP6194933B2 - レールの冷却方法および熱処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、熱間圧延されたオーステナイト域温度以上のレール、あるいはオーステナイト域温度以上に加熱されたレールを強制冷却することで高硬度のレールを製造する、レールの冷却方法および熱処理装置に関する。
耐摩耗性および靱性に優れたレールとして、頭部が微細なパーライト組織からなる高硬度レールが知られている。このような高硬度レールは、一般的に以下の製造方法によって製造される。
まず、熱間圧延されたオーステナイト域温度以上のレール、あるいはオーステナイト域温度以上に加熱されたレールを、正立した状態で熱処理装置に搬入する。正立した状態とは、レールの頭部が上方、足裏部が下方になった状態をいう。このとき、レールは、例えば100m程度の圧延長のままの状態、あるいはレール1本あたりの長さが例えば25m程度の長さに切断(以下では、「鋸断」とも称する。)された状態で熱処理装置へ搬送される。なお、レールが鋸断されてから熱処理装置に搬送される場合、熱処理装置は、鋸断されたレールに応じた長さの複数のゾーンに分割されていることもある。
次いで、熱処理装置において、レールの足先部がクランプで拘束され、レールの頭頂部、頭側部、足裏部、さらに必要に応じて腹部が、冷却媒体によって強制冷却される。冷却媒体には、空気、水、ミスト等が用いられる。このようなレールの製造方法では、強制冷却時の温度履歴をコントロールすることにより、レールの内部を含めた頭部全体を微細なパーライト組織とすることができる。ここで、熱処理装置には単一ヘッダまたは複数のヘッダが設けられ、ヘッダから噴射される冷却媒体によってレールが強制冷却される。この際、レール頭部の上面(以下では、「頭頂面」とも称する。)端部は、曲面であり、多方面から冷却媒体が噴射される。このため、頭頂面端部における冷却媒体の流れが複雑になることから、頭頂面端部における冷却の制御が困難となる。また、頭頂面端部は、多方面から冷却されるため、頭頂面中央部や頭側面と比較して冷却速度が一般的に高くなる。
一般的に、熱処理中のレールの冷却速度を上昇させると硬度は上昇するが、鋼種によっては冷却速度を過度に上げることによりマルテンサイトやベイナイトといったパーライト以外の靱性が著しく低い組織(以下では、「異常組織」とも称する。)に相変態してしまう場合がある。レールの品質としては、硬度および靱性に優れる必要があることから、この両方の特性の向上を両立させることが求められる。このため、レールにおける熱処理では、高い冷却速度を精度良く制御する必要がある。しかし、レールの頭部を冷却する場合、頭頂面端部と頭頂面中央部とでは、冷却速度が均一になりにくいことから、頭頂面の幅方向において硬度や靱性にばらつきが生じることがあった。このため、レールの頭頂面を幅方向に均一な冷却速度で冷却する技術が求められている。
例えば、特許文献1には、レールの頭頂面を幅方向に均一に冷却する方法として、頭頂面端部を誘導加熱装置によって加熱させつつ、冷却媒体による熱処理を行う方法が開示されている。
また、特許文献2には、レールのゲージコーナー部(頭頂面端部)の過冷却を防止することを目的として、頭頂面冷却用ヘッダと頭側面冷却用ヘッダによりレールを冷却するに当たり、ゲージコーナー部に冷却媒体を当てないようにする方法が開示されている。
さらに、特許文献3には、頭頂面冷却用ヘッダおよび頭側面冷却用ヘッダのレールよりの距離を制御することにより、頭頂部中央とゲージコーナー部を所望の硬度にできる方法が開示されている。
特開昭57−137425号公報 特公平02−007371号公報 特開昭64−087719号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、設備を設けるための多額の設備投資が必要であり、さらにランニングコストも非常に高くなるため、好ましくない。
また、特許文献2に記載の方法では、レールの頭部幅が異なる形状を熱処理する場合、ゲージコーナー部に冷却媒体を直接当てないようにするため、頭部幅に合わせて、天板の交換、または天板をヘッダに溶接している場合においてはヘッダの交換が必要となり、作業効率の低下を招くことから、好ましくない。
さらに、特許文献3に記載の方法では、頭頂面の幅方向の均一性は保たれる一方、頭側面の冷却が弱まるため、内部の冷却が弱くなり、硬度が低下するため、好ましくない。
そこで、本発明は、上記課題に着目してなされたものであり、投資コストやランニングコストを抑制しながらも、レールの頭頂面中央部と頭頂面端部との冷却速度を均一にすることができる、レールの冷却方法および熱処理装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るレールの冷却方法は、熱間圧延されたオーステナイト域温度以上のレール、あるいはオーステナイト域温度以上に加熱されたレールの少なくとも頭部に冷却媒体を噴射することで、レールを強制冷却する際に、レールの頭頂面および頭側面の少なくとも一方について、レールの長手方向に垂直な方向に冷却媒体の噴射量を分布させ、頭頂面について噴射量を分布させる場合には、頭頂面の幅方向端部に比べ幅方向中央部の噴射量が大きくなるように分布させて冷却媒体を頭頂面全体に噴射し、頭側面について噴射量を分布させる場合には、頭側面の上部に比べ下部の噴射量が大きくなるように分布させて冷却媒体を頭頂面の幅方向端部および頭側面に噴射することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るレールの熱処理装置は、熱間圧延されたオーステナイト域温度以上のレール、あるいはオーステナイト域温度以上に加熱されたレールの少なくとも頭部に冷却媒体を噴射することでレールを強制冷却する冷却手段を備え、冷却手段は、レールの頭頂面および頭側面の少なくとも一方について、レールの長手方向に垂直な方向に冷却媒体の噴射量が分布し、頭頂面について噴射量が分布する場合には、頭頂面の幅方向端部に比べ幅方向中央部の噴射量が大きくなるように分布させて冷却媒体を頭頂面全体に噴射し、頭側面について噴射量が分布する場合には、頭側面の上部に比べ下部の噴射量が大きくなるように分布させて冷却媒体を頭頂面の幅方向端部および頭側面に噴射することを特徴とする。
本発明に係るレールの冷却方法および熱処理装置によれば、投資コストやランニングコストを抑制しながらも、レールの頭頂面中央部と頭頂面端部との冷却速度を均一にすることができる。
本発明の一実施形態に係る熱処理装置を示す模式図である。 熱処理装置の一部を示す側面図である。 レールの各部位を示す断面図である。 頭頂多孔板ノズルを示す平面図である。 頭側多孔板ノズルを示す平面図である。 モデルA1の頭頂多孔板ノズルを示す平面図である。 モデルA2の頭頂多孔板ノズルを示す平面図である。 モデルA3の頭頂多孔板ノズルを示す平面図である。 モデルA4の頭頂多孔板ノズルを示す平面図である。 モデルA5の頭頂多孔板ノズルを示す平面図である。 モデルB1の頭側多孔板ノズルを示す平面図である。 モデルB2の頭側多孔板ノズルを示す平面図である。 モデルB3の頭側多孔板ノズルを示す平面図である。 モデルB4の頭側多孔板ノズルを示す平面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
<熱処理装置の構成>
はじめに、図1〜図5を参照して本発明の一実施形態における熱処理装置2について説明する。熱処理装置2は、熱間圧延されたオーステナイト域温度以上のレール1、またはオーステナイト域温度以上に加熱されたレール1を強制冷却する装置であり、熱間圧延ラインの下流側、またはレールを加熱する加熱装置の下流側に連続して設けられる。図1および図2に示すように、レール1は、長手方向がx−y平面に垂直なz軸方向に平行になるように配される。
図1および図2に示すように、熱処理装置2は、頭頂ヘッダ20と、頭側ヘッダ21a,21bと、足裏ヘッダ22と、支持拘束部23a,23bと、第1温度計24aと、第2温度計24bと、制御部25とを有する。ここで、図2および図3に示すように、レール1は、頭部11と、腹部12と、足部13とからなり、頭部11がy軸正方向側である上方および足部13がy軸負方向側である下方に配された状態で熱処理装置2に搬入される。また、図3に示すように、頭部11の表面は、頭頂面中央部11a、頭頂面端部11b,11c、頭側面11d,11e、および顎下部11f,11gからなる。足部13は、y軸負方向側の端部に足裏面13aを有する。なお、以下の説明では、頭頂面中央部11aおよび頭頂面端部11b,11cで示される領域を頭頂面という。
熱処理装置2は、z軸方向に延在して設けられ、レール1の長さに応じて、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21b、足裏ヘッダ22および支持拘束部23a,23bが少なくとも一つずつ設けられる。なお、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21b、足裏ヘッダ22および支持拘束部23a,23bが複数設けられる場合、複数の頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21b、足裏ヘッダ22および支持拘束部23a,23bは、それぞれz軸方向に並んで設けられる。
頭頂ヘッダ20は、頭頂多孔板ノズル201を有し、頭頂多孔板ノズル201からレール1の頭頂面中央部11aおよび頭頂面端部11b,11cのx軸方向全長に冷却媒体を噴射することで頭部11を強制冷却する冷却手段である。冷却媒体には、空気、スプレー水、およびミスト等が用いられる。また、頭頂ヘッダ20は、頭頂多孔板ノズル201がレール1の頭頂面中央部11aに対向して配される。
頭頂多孔板ノズル201は、図4に示すように、x−z平面視で矩形状の部材であり、冷却媒体が噴射される円形のノズル孔202が複数設けられる。ノズル孔202は、z軸方向に所定間隔だけ離隔して列を形成する。このノズル孔202の列は、x軸方向に複数列(例えば、7列)設けられる。また、隣り合う列のノズル孔202同士は、ノズル孔202が離隔した間隔の1/2の距離だけz軸方向にずれて配される(千鳥配置)。本実施形態の頭頂多孔板ノズル201は、x軸方向の中央3列に設けられた第1ノズル孔202aと、第1ノズル孔202aよりもx軸方向両端側の2列にそれぞれ設けられた第2ノズル孔202bとの2種類のノズル孔202を有する。第2ノズル孔202bは、第1ノズル孔202aよりも直径が小さく形成されるため、開口面積が小さくなる。本実施形態では、第2ノズル孔202bの直径は、第1ノズル孔202aの直径よりも小さくなればよいが、より好ましくは、第1ノズル孔202aの直径の20%以上80%以下とすることが望ましい。なお、図4に示した例では、x軸方向最中央の第1ノズル孔202aの列からx軸方向最端の第2ノズル孔202bの列までの距離dは、頭頂面中央部11aの中央から頭側面11d,11eまでのx軸方向の長さ程度に形成され、例えば45mmに形成される。
上記のようにx軸方向中央に設けられた第1ノズル孔202aは、x軸方向端部に設けられた第2ノズル孔202bよりも大きな開口面積を有する。このため、頭頂ヘッダ20は、x軸方向であるレール1の頭頂面の幅方向において、幅方向端部よりも幅方向中央の噴射量が大きくなるように分布をもって、レール1に冷却媒体を噴射する。
頭側ヘッダ21a,21bは、頭側多孔板ノズル211a,211b(211)をそれぞれ有し、頭側多孔板ノズル211からレール1の頭側面11d,11eおよび頭頂面端部11b,11cのy軸方向全長に冷却媒体を噴射することで頭部11を冷却する冷却手段である。また、頭側ヘッダ21a,21bは、必要に応じて顎下部11f,11gおよび腹部12のx軸方向両端面をそれぞれ冷却する。冷却媒体には、頭頂ヘッダ20と同様に、空気、スプレー水、およびミスト等が用いられる。頭側ヘッダ21a,21bは、頭側多孔板ノズル211a,211bがレール1の頭側面11d,11eにそれぞれ対向して配される。
頭側多孔板ノズル211は、図5に示すように、y−z平面視で矩形状の部材であり、冷却媒体が噴射される円形のノズル孔212が複数設けられる。ノズル孔212は、z軸方向に所定間隔だけ離隔して列を形成する。このノズル孔212の列は、y軸方向に単数または複数列(例えば、5列)設けられる。また、隣り合う列のノズル孔212同士は、ノズル孔212が離隔した間隔の1/2の距離だけz軸方向にずれて配される(千鳥配置)。本実施形態の頭側多孔板ノズル211は、y軸負方向側に設けられた単数または複数列(例えば、3列)の第1ノズル孔212aと、y軸正方向側に設けられた単数または複数列(例えば、2列)の第2ノズル孔212bとの2種類のノズル孔212a,212bを有する。第2ノズル孔212bは、第1ノズル孔212aよりも直径が小さく形成されるため、開口面積が小さくなる。本実施形態では、第2ノズル孔212bの直径は、第1ノズル孔212aの直径よりも小さくなればよいが、より好ましくは、第1ノズル孔212aの直径の20%以上80%以下とすることが望ましい。なお、図5に示した例では、y軸正方向側最端の第2ノズル孔212bの列からy軸負方向側最端の第1ノズル孔212aの列までの距離dは、頭頂面端部11b,11cから頭側面11d,11eまでのy軸方向の長さ程度に形成され、例えば30mmに形成される。
上記のようにy軸負方向側に設けられた第1ノズル孔212aは、y軸正方向側に設けられた第2ノズル孔212bよりも大きな開口面積を有する。このため、頭側ヘッダ21は、y軸方向であるレール1の頭部11の上下方向に対して、下部の噴射量が大きくなるように分布をもって、冷却媒体をレール1に噴射する。
足裏ヘッダ22は、足裏多孔板ノズル221を有し、足裏多孔板ノズル221からレール1の足裏面13aの全長に冷却媒体を噴射することで足部13を冷却する冷却手段である。冷却媒体には、頭頂ヘッダ20と同様に、空気、スプレー水、およびミスト等が用いられる。足裏ヘッダ22は、足裏多孔板ノズル221がレール1の足裏面13aに対向して配される。
足裏多孔板ノズル221は、冷却媒体を噴射する複数のノズル孔が設けられた部材である。足裏多孔板ノズル221は、頭頂多孔板ノズル201や頭側多孔板ノズル211と異なり、同じ直径の円形のノズル孔が、x−z平面において略均等な位置に設けられる。
また、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21bおよび足裏ヘッダ22は、流調弁が設けられた不図示の搬送管を介して冷却媒体供給装置に接続される。冷却媒体は、後述する制御部26の指示に基づいて流調弁が調整されることで、噴射量が調整される。
支持拘束部23a,23bは、足部13のx軸方向の両端部をそれぞれ挟持することでレール1を支持および拘束する装置である。支持拘束部23a,23bは、例えばレール1の長手方向の全長に渡って数mずつ離隔して複数設けられる。
第1温度計24aは、放射温度計等の非接触型の温度計であり、頭頂面中央部11aの少なくとも一か所の表面温度を測定する。第1温度計24aは、頭頂面中央部11aの表面温度の測定結果を制御部25へ送信する。
第2温度計24bは、第1温度計24aと同様に非接触型の温度計であり、いずれか一方の頭頂面端部11b,11cの少なくとも一か所の表面温度を測定する。第2温度計24bは、頭頂面端部11b,11cの表面温度の測定結果を制御部25へ送信する。
制御部25は、第1温度計24aおよび第2温度計24bの測定結果に基づいて、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21b、および足裏ヘッダ22にそれぞれ接続された搬送管の流調弁を制御し、冷却媒体の噴射量を調整することで、レール1の冷却速度を調整する。
また、熱処理装置2は、不図示のオシレーション機構を有する。オシレーション機構は、支持拘束部23a,23bに設けられ、支持拘束部23a,23bをレール1の長手方向にオシレーション(往復動作)させる。このため、支持拘束部23a,23bにレール1が拘束された状態で、オシレーション機構が作動することで、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21bおよび足裏ヘッダ22に対してレール1が往復移動する。
<レールの冷却方法>
次に、本発明の一実施形態に係るレール1の冷却方法を用いたレール1の製造方法について説明する。本発明の一実施形態に係るレール1の製造方法では、まず、熱間圧延されたレール1、または加熱されたレール1が熱処理装置2に搬送される。熱間圧延されたレール1を用いる際には、予め鋼素材が加熱炉等で所定の温度まで加熱された後に、熱間圧延されることでレール1の形状に圧延加工される。一方、加熱されたレール1を用いる際には、予め、加熱炉や加熱装置等を用いてレール1が所定の温度まで加熱される。なお、所定の温度は、上記いずれの場合においても、頭部11の表面温度が、熱処理装置22による強制冷却の開始時において、オーステナイト域温度以上となる温度である。
レール1を熱処理装置2に搬送した後、レール1は、足部13が支持拘束部23a,23bに挟持されることで、熱処理装置2に支持・拘束される。
次いで、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21bおよび足裏ヘッダ22から冷却媒体が噴射されることで、強制冷却が開始される。強制冷却の開始時点におけるレール1の頭部11の表面温度は、オーステナイト域温度以上である。
また、レール1は、少なくとも頭頂面の表層組織がパーライト組織となる温度履歴で強制冷却される。この際、制御部25は、少なくとも頭部11の表層組織がパーライト組織となるように、流調弁を制御し、レール1の冷却速度および強制冷却時間を調整することで温度履歴を調整する。具体的には、制御部25は、頭側ヘッダ21a,21bから予め設定された噴射量で冷却媒体を噴射させ、さらに第1温度計24aおよび第2温度計24bの測定結果から、頭頂面中央部11aおよび頭頂面端部11b,11cの冷却速度を算出する。次いで、頭頂面端部11b,11cの冷却速度が目標とする冷却速度となるように頭頂ヘッダ20から噴射される冷却媒体の噴射量を調整する。なお、頭側ヘッダ21a,21bから噴射される冷却媒体の噴射量は、頭部11内部の硬度が必要とする硬度となる冷却速度に基づいて設定される。なお、パーライト組織となる温度履歴の一例として、例えば、レール1の頭頂面端部11b,11cは、強制冷却を開始時の頭頂面の表面温度が900℃である場合、3℃/秒の平均冷却速度で、180秒間強制冷却される。
また、制御部25は、足裏ヘッダ22における冷却媒体の噴射量、噴射圧等の噴射条件が、頭側ヘッダ21a,21bの噴射条件と同じになるように、足裏ヘッダ22に接続された流調弁を制御する。また、足裏ヘッダ22の噴射距離は、頭側ヘッダ21a,21bの噴射距離と同じとしてもよいし、目標の冷却速度に応じて変化させてもよい。
レール1を強制冷却した後、レール1は、支持拘束部23a,23bによる足部13の拘束が解除され、次工程となる冷却床へと搬送される。
次いで、レール1は、冷却床にて自然放冷またはファンによる冷却によって、正立状態または倒立状態で200℃以下、好ましく150℃以下まで冷却される。
ここで、頭頂面端部11b,11cには、頭頂ヘッダ20および頭側ヘッダ21a,21bから噴射される冷却媒体が直接あたる。このため、頭頂面および頭側面11d,11eに対して、分布を持たせずに均一な噴射量で冷却媒体を噴射する場合、頭頂面中央部11aに比べて頭頂面端部11b,11cの冷却速度が高くなる。しかし、本実施形態では、頭頂面端部11b,11cに対して頭頂面中央部11aの噴射量が大きくなるように分布を持たせた頭頂ヘッダ20、および頭側面11d,11eの上部に対して下部の噴射量が大きくなるように分布を持たせた頭側ヘッダ21a,21bを用いることで、頭頂面をx軸方向に均一な冷却速度で冷却することができる。
<変形例>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、熱処理装置2は、熱間圧延ラインの下流側、またはレールを加熱する加熱装置の下流側に連続して設けられるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。熱処理装置2は、熱間圧延ラインまたは加熱装置から独立して設けられてもよい。
また、上記実施形態では、熱処理装置2は、レール1の腹部12を冷却するための腹部ヘッダを有してもよい。腹部ヘッダは、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21bおよび足裏ヘッダ22と同様に、多孔板ノズルが一端に設けられ、多孔板ノズルから冷却媒体を噴射することで腹部12を冷却する。腹部ヘッダは、多孔板ノズルがレール1の腹部12に対向して配される。
さらに、上記実施形態では、熱処理装置2は、レール1の頭部11を冷却する冷却手段として、頭頂ヘッダ20と、頭側ヘッダ21a,21bとを有するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、熱処理装置2は、頭頂ヘッダ20および頭側ヘッダ21a,21bに替わる冷却手段として、レール1の長手方向に垂直なx−y平面視において、頭部11を覆って形成された頭部ヘッダを有してもよい。頭部ヘッダは、x−y平面視において頭部11を覆う略アーチ状の多孔板ノズルを有し、この多孔板ノズルから冷却媒体を噴射することで頭部11を冷却する。頭部ヘッダの多孔板ノズルは、頭頂面および頭側面に対して冷却媒体が噴射される複数のノズル孔を有する。この複数のノズル孔は、複数の直径の孔からなり、頭頂多孔板ノズル201または頭側多孔板ノズル211のように冷却媒体の噴射量が頭頂面あるいは頭側面11d,11eに対して分布を持つように配される。
さらに、上記実施形態では、熱処理装置2は、頭頂多孔板ノズル201および頭側多孔板ノズル211が頭頂面または頭側面11d,11eに対して冷却媒体の噴射量に分布を持つようにノズル孔202,212が形成されるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、頭頂多孔板ノズル201または頭側多孔板ノズル211のいずれか一方のみが、頭頂面または頭側面11d,11eに対して冷却媒体の噴射量に分布を持つようにノズル孔202,212が形成されてもよい。
さらに、上記実施形態では、x軸方向またはy軸方向に隣接するノズル孔202,212の列同士は、z軸方向にずれて千鳥配置にそれぞれ配されるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、x軸方向またはy軸方向に隣接するノズル孔202,212の列同士は、隣接する列のノズル孔202,212同士がx軸方向またはy軸方向に並んでそれぞれ配されてもよい。
さらに、上記実施形態では、頭頂多孔板ノズル201は、x軸方向の中央側に第1ノズル孔202aと、x軸方向の端側に第1ノズル孔202aよりも直径の小さな第2ノズル孔202bとを有するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。頭頂多孔板ノズル201は、x軸方向の中央部に比べて端側の冷却媒体の噴射量が小さくなればよい。例えば、頭頂多孔板ノズル201は、3種類以上の直径からなるノズル孔202を有してもよい。また、頭頂多孔板ノズル201は、x軸方向の端側に比べて中央側のノズル孔202の数が多くなるように、1種類または複数種の直径からなるノズル孔202が配されてもよい。
さらに、上記実施形態では、頭側多孔板ノズル211は、y軸負方向側に第1ノズル孔212aと、y軸正方向の端側に第1ノズル孔212aよりも直径の小さな第2ノズル孔212bを有するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。頭側多孔板ノズル211は、y軸負方向側に比べてy軸正方向側の冷却媒体の噴射量が小さくなればよい。例えば、頭側多孔板ノズル211は、3種類以上の直径からなるノズル孔212を有してもよい。また、頭側多孔板ノズル211は、y軸正方向側に比べてy軸負方向側のノズル孔212の数が多くなるように、1種類または複数種の直径からなるノズル孔212が配されてもよい。
さらに、上記実施形態では、ノズル孔202,212は、円形の形状を有するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、ノズル孔202,212は、楕円や多角形等の形状を有してもよい。なお、ノズル孔202,212の形状を円形とすることで、他の形状よりも加工が容易となる。
さらに、上記実施形態では、制御部25は、第1温度計24aおよび第2温度計24bの測温結果に基づいて冷却速度を制御するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、制御部25は、予め得られた冷却媒体の噴射量と冷却速度との実績に基づいて、目標とする冷却速度となるように冷却媒体の噴射量を調整してもよい。この際、熱処理装置2には、第1温度計24aおよび第2温度計24bが設けられなくてもよい。
さらに、上記実施形態では、制御部25は、搬送管の流調弁を調整することで冷却速度を調整するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、制御部25は、冷却媒体供給装置を制御し、冷却媒体の噴射圧力や冷却媒体の水分量等を調整することで、冷却速度を調整してもよい。
さらに、上記実施形態では、頭側多孔板ノズル211の距離dは、頭頂面端部11b,11cから頭側面11d,11eまでのy軸方向の長さ程度に形成されるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、距離dは、頭頂面短部11b,11cから腹部12の下部までの長さ程度に形成されてもよい。この際、レール1は、頭側多孔板ノズル211から噴射される冷却媒体によって、頭側面11d,11eに加え、顎下部11f,11gおよび腹部12が冷却される。なお、顎下部11f,11gおよび腹部12に対する冷却媒体の噴射量については、特に分布を持たせなくてもよい。例えば、頭側多孔板ノズル211は、距離dが160mmであってもよい。
さらに、上記実施形態では、オシレーション機構が支持拘束部23a,23bに設けられるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。オシレーション機構は、レール1に対する冷却媒体の噴射位置が相対的に移動すればよく、例えば、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21bおよび足裏ヘッダ22からなる冷却手段にオシレーション機構が設けられてもよい。このように、熱処理装置2にオシレーション機構を設けることで、レール1を長手方向に均一に冷却することができる。しかし、ノズル孔202,212の配置から、レール1を長手方向に十分に均一に冷却できるようであれば、オシレーション機構が設けられなくてもよい。
<実施形態の効果>
(1)本発明の実施形態に係るレールの冷却方法は、熱間圧延されたオーステナイト域温度以上のレール1、あるいはオーステナイト域温度以上に加熱されたレール1の少なくとも頭部11に冷却媒体を噴射することで、レール1を強制冷却する際に、レール1の頭頂面および頭側面11d,11eの少なくとも一方について、レール1の長手方向に垂直な方向に冷却媒体の噴射量を分布させ、頭頂面について噴射量を分布させる場合には、頭頂面の幅方向端部11b,11cに比べ幅方向中央部11aの噴射量が大きくなるように分布させて冷却媒体を頭頂面全体に噴射し、頭側面11d,11eについて噴射量を分布させる場合には、頭側面11d,11eの上部に比べ下部の噴射量が大きくなるように分布させて冷却媒体を頭頂面の幅方向端部(頭頂面端部11b,11c)および頭側面11d,11eに噴射する。
ここで、レール1の硬度を向上させる場合には、レール1の表層組織を100%パーライト変態させることが好ましい。しかし、レール1に含有される成分によっては、パーライト変態の開始および進行が遅くなる効果を及ぼす元素がある。また、成分によっては、ベイナイト変態の開始および進行が遅くなる効果を及ぼす元素がある。このため、同じ冷却条件においても成分系によっては、ベイナイト変態しやすくなり、レール1の硬度が低下してしまう場合がある。例えば、Mn(マンガン)含有量が多いレール1の場合、ベイナイト変態開始温度が高くなるため、ベイナイト変態がしやすくなる。さらに、例えば、圧下率や圧延温度等の製造条件によっても、成分の影響によらず変態後組織が変化する場合が存在する。このため、成分系や製造条件によっては、冷却速度が過度に速い場合、変態開始前を含むパーライト変態が完了する前にベイナイト変態又はマルテンサイト変態開始温度まで低下することがある。ベイナイト組織やマルテンサイト組織は、パーライト組織に比べて硬度または靱性に劣る。
本発明の上記(1)の構成によれば、頭頂面の幅方向において頭頂面中央部11aと頭頂面端部11b,11cとの冷却速度を均一にすることができる。このため、成分系や製造条件によらず、頭頂面の表層組織を均一な100%パーライト組織とすることができ、頭頂面の幅方向の硬度および靱性を均一にすることができる。また、上記構成によれば、冷却媒体の噴射量を分布させるだけで冷却速度を均一にすることができるため、例えば特許文献1に比べ、加熱装置等の設備を設ける必要がないため、熱処理装置2に掛かる投資コストやランニングコストを抑制することができる。
また、上記(1)の構成によれば、頭頂面について噴射量を分布させる場合には、冷却媒体は頭頂面全体に分布をもって噴射されればよい。このため、異なる幅の複数種のレール1を製造する場合においても、最大幅に合わせて頭頂20の幅を設定し、各幅において分布が存在するようにノズル孔202を設けることで、様々な幅のレール1に対応させることができる。このため、特許文献2のように頭頂面端部に冷却媒体を当てないようにする冷却方法に比べ、ヘッダや天板の交換頻度が低減することから、作業効率や生産性を向上させることができる。
さらに、特許文献3では、頭頂面中央部11aと頭側面11b,11cとの冷却速度を均一にするために頭側面11d,11eの冷却速度を低下させる必要があり、内部の硬度が低下することが問題であった。これに対して、上記(1)の構成によれば、頭頂面中央部11aと頭頂面端部11b,11cと冷却速度を均一にしながら、頭側面11d,11eの冷却速度を調整することもできるため、内部の硬度を低下させることなく頭頂面の幅方向の硬度および靱性を均一にすることができる。
(2)レール1を強制冷却する際に、頭頂面に対向して配される頭頂ヘッダ20に設けられた複数のノズル孔202から冷却媒体を噴射し、頭頂ヘッダ20の複数のノズル孔202を、頭頂面の幅方向端部に比べ幅方向中央部の面積が大きくなるように形成する。
(3)頭頂ヘッダ20の複数のノズル孔202は、円形であり、幅方向最端部のノズル孔202の直径が幅方向中央部のノズル孔202の直径の20%以上80%以下の大きさである。
(4)レール1を強制冷却する際に、頭側面11d,11eに対向して配される頭側ヘッダ21a,21bに設けられた複数のノズル孔212から冷却媒体を噴射し、頭側ヘッダ21a,21bの複数のノズル孔212を、頭頂面の上部に比べ下部の面積が大きくなるように形成する。
(5)頭側ヘッダ21a,21bの複数のノズル孔212は、円形であり、最上部のノズル孔212の直径が最下部のノズル孔212の直径の20%以上80%以下の大きさである。
上記(2)および(4)の構成によれば、例えば頭頂ヘッダ20および頭側ヘッダ21a,21bを有する既設の熱処理装置に対しても、ノズル孔202,212の形状や配置を変えるだけで適用することができる。このため、レール1の頭頂面の冷却速度を均一するための投資コストを抑制することできる。
また、上記(3)および(5)の構成によればノズル孔202,212を円形以外の形状とする場合に比べ、加工が容易になる。
(6)熱間圧延されたオーステナイト域温度以上のレール1、あるいはオーステナイト域温度以上に加熱されたレール1の少なくとも頭部11に冷却媒体を噴射することでレール1を強制冷却する冷却手段20,21a,21bを備え、冷却手段20,21a,21bは、レール1の頭頂面および頭側面11d,11eの少なくとも一方について、レール1の長手方向に垂直な方向に冷却媒体の噴射量が分布し、頭頂面について噴射量が分布する場合には、頭頂面の幅方向端部に比べ幅方向中央部の噴射量が大きくなるように分布させて冷却媒体を頭頂面全体に噴射し、頭側面11d,11eについて噴射量が分布する場合には、頭側面11d,11eの上部に比べ下部の噴射量が大きくなるように分布させて冷却媒体を頭頂面の幅方向端部(頭頂面端部11b,11c)および頭側面11d,11eに噴射する。
上記構成によれば、(1)と同様な効果を得ることができる。
次に、本発明者らが行った実施例1について説明する。
実施例1では、まず、900℃で熱間圧延終了した長さ50mのレール1を、図1および図2に示す熱処理装置2に搬入した。実施例1では、レール1の成分を、表1に示す成分Aとした。
Figure 0006194933
次いで、支持拘束部23a,23bでレール1の足部13を拘束した。
その後、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21、足裏ヘッダ22から冷却媒体を噴射し、レール1を強制冷却した。実施例1では、頭頂多孔板ノズル201として、図6〜図10に示すモデルA1〜A5の5種類の頭頂多孔板ノズル201A〜201Eのいずれか一つを用いた。また、頭側多孔板ノズル211として、図11〜図14に示すモデルB1〜B4の4種類の頭側多孔板ノズル211C〜211Fのいずれか一つを用いた。
図6〜図10に示すモデルA1〜A5の頭頂多孔板ノズル201A〜201Eは、z軸方向に並んだ複数のノズル孔202の列が、x軸方向に並んで複数列設けられる。ノズル孔202は、円形の形状を有する。また、隣接する列同士は、各列のノズル孔202のz軸方向の位置が、距離Z1[mm]ずれてそれぞれ設けられる。距離Z1[mm]は、各列におけるノズル孔202の離隔距離の1/2となる距離である。
このうち、図6、図8および図10に示す頭頂多孔板ノズル201A,201C,201Eは、z軸方向に並んだ複数のノズル孔202の列が、x軸方向に並んで9列設けられる。各列におけるx軸方向の距離は、中央列となるx軸正方向側から数えて5番目の列から3番目および7番目の列までが距離X1[mm]、5番目の列から1番目および9番目の列までが距離X2[mm]となるようにそれぞれ形成される。また、x軸正方向側から数えて2番目、4番目、6番目および8番目の列は、1番目から3番目の列の中間、3番目から5番目の列の中間、5番目から7番目の列の中間、7番目から9番目の列の中間に位置するようにそれぞれ形成される。
図7、図9に示す頭頂多孔板ノズル201B,201Dは、z軸方向に並んだ複数のノズル孔202の列が、x軸方向に並んで5列設けられる。各列におけるx軸方向の距離は、中央列となるx軸正方向側から数えて3番目の列から、1番目および5番目の列までが距離X2[mm]となるようにそれぞれ形成される。また、x軸正方向側から2番目および4番目の列は、1番目から3番目の列の中間、3番目から5番目の列の中間に位置するようにそれぞれ形成される。
また、図6および図7に示す頭頂多孔板ノズル201A,201Bは、各列における第1ノズル孔202aがすべて同じ直径R1[mm]に形成される。
図8に示す頭頂多孔板ノズル201Cは、x軸方向中央の5列となる、x軸正方向側か数えてら3番目〜7番目の列の第1ノズル孔202aが、直径R1[mm]の大きさにそれぞれ形成される。さらに、頭頂多孔板ノズル201Cは、x軸正方向側から数えて1番目、2番目、8番目および9番目の列の第2ノズル孔202bが、直径R1[mm]よりも小さい直径R2[mm]の大きさにそれぞれ形成される。図9に示す頭頂多孔板ノズル201Dは、頭頂多孔板ノズル201Cと同様に、x軸正方向側から数えて2番目〜4番目の列の第1ノズル孔202aが直径R1[mm]、1番目および5番目の列の第2ノズル孔202bが直径R2[mm]にそれぞれ形成される。
図10に示す頭頂多孔板ノズル201Eは、x軸方向の最中央列となる、x軸正方向側から数えて5列目の第1ノズル孔202aが、直径R1[mm]の大きさに形成される。また、頭頂多孔板ノズル201Eは、x軸正方向側から3列目、4列目、6列目および7列目の第2ノズル孔202bが、直径R1[mm]よりも小さい直径R2[mm]の大きさにそれぞれ形成される。さらに、頭頂多孔板ノズル201Eは、x軸正方向側から1列目、2列目、8列目および9列目の第3ノズル孔202cが、直径R2[mm]よりもさらに小さい直径R3[mm]の大きさそれぞれに形成される。
図11および図12に示す頭側多孔板ノズル211C,211Dは、z軸方向に並んだ複数のノズル孔212の列が、y軸方向に並んで5列設けられる。ノズル孔212は、頭頂多孔板ノズル201と同様に、円形の形状を有する。また、隣接するノズル孔212の列同士は、各列のノズル孔212のz軸方向の位置が、距離Z2[mm]ずれてそれぞれ設けられる。距離Z2[mm]は、各列におけるノズル孔212の離隔距離の1/2となる距離である。さらに、各列におけるy軸に平行な距離は、最上部となるy軸正方向側から1番目の列から、最下部となるy軸負方向側から5列目までが距離Y1[mm]となるように形成される。
図11〜図14に示すモデルB1〜B4の頭側多孔板ノズル211C〜211Fは、z軸方向に並んだ複数のノズル孔212の列が、y軸方向に並んで複数列設けられる。ノズル孔202は、円形の形状を有する。また、隣接する列同士は、各列のノズル孔212のz軸方向の位置が、距離Z2[mm]ずれてそれぞれ設けられる。距離Z2[mm]は、各列におけるノズル孔212の離隔距離の1/2となる距離である。
図11に示す頭側多孔板ノズル211Cは、z軸方向に並んだ複数のノズル孔212の列が、y軸方向に並んで5列設けられる。各列におけるy軸方向の距離は、y軸方向側から数えて1番目の列から5番目の列までが距離Y1[mm]に形成される。また、1番目の列から2番目の列、4番目の列から5番目の列までが、距離Y2[mm]にそれぞれ形成される。最中央部となるy軸方向側から3番目の列は、1番目の列と5番目の列の中間に配される。さらに、頭側多孔板ノズル211Cは、各列における第1ノズル孔212aがすべて同じ直径R4に形成される。
図12に示す頭側多孔板ノズル211Dは、z軸方向に並んだ複数のノズル孔212の列が、y軸方向に並んで3列設けられる。各列におけるy軸方向の距離は、y軸方向側から数えて1番目の列から3番目の列までが距離Y1[mm]に形成される。また、1番目の列から2番目の列までが、距離Y2[mm]に形成される。さらに、頭側多孔板ノズル211Dは、頭側多孔板ノズル211Cと同様に、各列における第1ノズル孔212aがすべて同じ直径R4に形成される。
図13に示す頭側多孔板ノズル211Eは、z軸方向に並んだ複数のノズル孔212の列が、y軸方向に並んで4列設けられる。各列におけるy軸方向の距離は、y軸方向側から数えて1番目の列から4番目の列までが距離Y1[mm]に形成される。また、1番目の列から2番目の列、3番目の列から4番目の列までが、距離Y2[mm]にそれぞれ形成される。さらに、頭側多孔板ノズル211Eは、y軸正方向側から3番目および4番目の列の第1ノズル孔212aが直径R4[mm]、1番目および2番目の列の第2ノズル孔212bが直径R4[mm]よりも小さい直径R5[mm]の大きさにそれぞれ形成される。
図14に示す頭側多孔板ノズル211Fは、z軸方向に並んだ複数のノズル孔212の列が、y軸方向に並んで3列設けられる。各列におけるy軸方向の距離は、y軸方向側から数えて1番目の列から3番目の列までが距離Y1[mm]に形成される。また、1番目の列から2番目の列までが、距離Y2[mm]に形成される。さらに、頭側多孔板ノズル211Fは、y軸正方向側から3番目の列の第1ノズル孔212aが直径R4[mm]、1番目および2番目の列の第2ノズル孔212bが直径R4[mm]と異なる直径R5[mm]の大きさにそれぞれ形成される。
なお、図6〜図14に示す頭頂多孔板ノズル201および頭側多孔板ノズル211において、x軸方向またはy軸方向に対する列間の距離は、各列のノズル孔202,212の中心を通る直線間の各方向に対する距離をそれぞれ示す。また、z軸方向に隣接するノズル孔202,212同士の距離は、ノズル孔202,212の中心間距離を示す。また、図6〜図14に示す頭頂多孔板ノズル201および頭側多孔板ノズル211の各列に設けられたノズル孔202,212の数は一例を示すものであり、頭頂多孔板ノズル201および頭側多孔板ノズル211のx軸方向およびy軸方向の長さに対する距離Y1[mm]の大きさに応じて適宜設けられる。
図6〜図14に示す頭頂多孔板ノズル201および頭側多孔板ノズル211のうち、図8〜図10にそれぞれ示すモデルA3〜A5の頭頂多孔板ノズル201C〜201Eおよび図13,図14にそれぞれ示すモデルB3,B4の頭側多孔板ノズル211E,211Fは、x軸方向またはy軸方向のいずれかにおいて、冷却媒体の噴射量を分布させて噴射させることができる。実施例1では、x軸方向またはy軸方向の少なくとも一方に噴射量を分布させて冷却媒体を噴射させるため、頭頂多孔板ノズル201および頭側多孔板ノズル211として、頭頂多孔板ノズル201C〜201Eおよび頭側多孔板ノズル211E、211Fの少なくともいずれかを用いた。
強制冷却をする際、冷却媒体には、空気、ミストおよびスプレー水のいずれかを用いた。さらに、制御部25は、頭頂面端部11cの冷却速度が3.0℃/秒となるように、頭頂ヘッダ20から噴射される冷却媒体の噴射量を調整した。このとき、足裏ヘッダ22から噴射される冷却媒体の噴射の条件は、頭側ヘッダと同じとした。なお、実施例1では、冷却媒体の噴射によるレール1の強制冷却を180秒間行った。
強制冷却をした後、頭頂ヘッダ20、頭側ヘッダ21a,21bおよび足裏ヘッダ22からの冷却媒体の噴射を停止し、支持拘束部23a,23bによるレール1の拘束を解除した。その後、レール1を冷却床まで搬送し、常温となるまでレール1を冷却床にて自然放冷させた。
さらに、長手方向の長さで2m毎にレール1から硬度試験サンプルを切断・採取し、サンプルを研磨し、ビッカーズ硬さ試験にて硬度を測定した。実施例1では、頭頂面中央部位置、頭頂面端部位置および頭部25mm深さ位置の計3か所についてそれぞれ硬度を測定した。頭頂面中央部位置は、頭頂面の幅方向中央の頭頂面から1mmの深さとなる位置である。頭頂面端部位置は、頭頂面の幅方向中央から端部へ32.5mm離れ、頭頂面から1mmの深さとなる位置である。頭部25mm深さは、頭頂面の幅方向中央の頭頂面から25mmの深さとなる位置である。
また、実施例1に対する比較として、頭頂多孔板ノズル201にモデルA1,A2の頭頂多孔板ノズル201A,201Bのいずれかを用い、さらに頭側多孔板ノズル211にモデルB1,B2の頭側多孔板ノズル211C,211Dのいずれかを用いた条件でレール1を強制冷却した(比較例1)。比較例1についても、実施例1と同様にサンプルを採取し、硬度を測定した。
表2に実施例1および比較例1における冷却媒体の種類、オシレーションの有無、頭頂多孔板ノズル201および頭側多孔板ノズル211の種類、冷却速度の実績、および硬度の測定結果についてそれぞれ示す。実施例1では、本発明に係る冷却方法を適用した条件として実施例1−1〜1−19に示す17条件、本発明に係る冷却方法を適用しない条件として比較例1−1〜1−11に示す11条件について確認した。また、表2における硬度の値は、2m毎に採取したサンプルの平均値を示す。
Figure 0006194933
比較例1−1では、頭頂面中央部11aおよび頭頂面端部11b,11cの冷却速度が3.0℃/秒となるように、頭側ヘッダ21a,21bから噴射される冷却媒体の噴射量を比較例1−2〜1−11および実施例1−1〜1−19に比べ低減させた。また、比較例1−2では、頭頂面中央部11aおよび頭頂面端部11b,11cの冷却速度が3.0℃/秒となるように、特許文献3の方法に従い、頭側ヘッダ21a,21bとレール1との間の距離を調整し、比較例1−1,1−3〜1−11および実施例1−1〜1−19に比べ離した。
比較例1−1〜1−11における、上記以外の条件については、実施例と同じとした。
表2に示すように、比較例1−3〜1−11では、頭頂面端部11cの冷却速度が3.0℃/秒であるのに対して、頭頂面中央部11aの冷却速度が1.8℃/秒以下となり、頭頂面において1.2℃/秒以上の冷却速度の差が生じた。一方、実施例1−1〜1−19では、頭頂面端部11cに対する頭頂面中央部11aの冷却速度の差が1.0秒以下となり、比較例1−3〜1−11に比べ頭頂面を幅方向に均一に冷却できることを確認した。
また、比較例1−3〜1−11では、頭頂面での冷却速度が不均一であることから、頭頂面中央部位置と頭頂面端部位置とにおける硬度にHV20〜HV27の差が生じ、頭頂面の表層位置における幅方向の硬度が不均一になった。一方、実施例1−1〜1−19では、頭頂面中央部位置と頭頂面端部位置とにおける硬度の差がHV16以下となり、比較例1−2〜1−11に比べ表層位置における硬度が均一になることを確認した。なお、実施例1−1〜1−19では、冷却媒体の種類、オシレーションの有無、頭頂多孔板ノズル201および頭側多孔板ノズル211の適用条件によらず、すべての条件において上記の効果が得られた。
さらに、頭頂面の幅方向の冷却速度を均一にした比較例1−1,1−2では、頭頂面中央部位置と頭頂面端部位置とにおける硬度の差がHV1と均一にすることができた。しかし、頭部25mm深さ位置における硬度がHV362と最も低くなり、頭部11全体として十分な硬度が得られなかった。一方、実施例1−1〜1−19では、頭側面11d,11e側の噴射量を低減させて頭頂面の冷却速度を均一にした場合に比べ、頭部11の内部の硬度が向上することを確認した。
次に、本発明者らが行った実施例2について説明する。
実施例2では、レール1の成分による影響を調査するため、成分を変更した複数のレール1について、実施例1と同様の条件で圧延および冷却を行った。また、実施例2では、実施例1と同様に、各条件で製造したレール1からサンプルを切断・採取し、硬度を測定した。サンプルの採取方法および硬度の測定位置・測定方法は、実施例1と同様である。さらに、実施例2では、頭頂面端部11cの表面組織を観察した。
表3は、実施例2における成分条件、冷却速度、硬度の測定結果、表面組織の観察結果を示す。表3における硬度の値は、表2と同様に、2m毎に採取したサンプルの平均値を示す。実施例2−1〜2−3では、レール1の成分を表1に示す条件A〜条件Cとし、実施例1における実施例1−18と同じ条件でレール1を製造した。表1に示すように、条件Bでは、条件Aに対してMnの含有量を増加させた。また、条件Cでは、条件Bに対してC(炭素)の含有量を増加させた。
Figure 0006194933
また、実施例2では、実施例2−1〜2−3に対する比較条件として、比較例2−1〜2−9の条件でレール1を製造し、硬度を測定し、表面組織を観察した。比較例2−1〜2−3では、レール1の成分を表1に示す条件A〜条件Cとし、実施例1における比較例1−1と同じ条件でレール1を製造した。比較例2−4,2−6,2−8では、レール1の成分を表1に示す条件A〜条件Cとし、実施例1における比較例1−1で用いた頭頂多孔板ノズル201および頭側多孔板ノズル211を用い、他の条件は比較例1−3と同じとした。比較例2−5,2−7,2−9では、レール1の成分を表1に示す条件A〜条件Cとし、実施例1における比較例1−1で用いた頭頂多孔板ノズル201および頭側多孔板ノズル211を用いた。また、比較例2−5,2−7,2−9では、冷却速度を制御する際に、頭頂面中央部11aの冷却速度が3.0℃/秒となるように頭頂ヘッダ20aから噴出される冷却媒体の噴射量を制御し、その他の条件は比較例1−3と同じとした。
実施例2−1〜2−3では、頭頂面中央部位置と頭頂面端部位置との硬度の差がHV0〜HV2となり、いずれの成分条件においても頭頂面の幅方向の硬度が均一となることを確認した。また、実施例2−1〜2−3では、いずれの成分条件においても、頭頂面端部11cの表面組織が100%パーライト組織となることを確認した。さらに、実施例2−1〜2−3では、CおよびMnの含有量を増加させるに伴い、頭頂面中央部位置、頭頂面端部位置および頭部25mm深さ位置における硬度が徐々に増加した。
頭頂面の幅方向の冷却速度を均一にした比較例2−1〜2−3では、頭頂面中央部位置と頭頂面端部位置との硬度の差がHV1〜HV3となり、いずれの成分条件においても頭頂面の幅方向の硬度が均一となった。また、比較例2−1〜2−3では、いずれの成分条件においても、表面組織が100%パーライトとなった。しかし、比較例2−1〜2−3では、実施例2−1〜2−3の同じ成分条件と比較した場合、いずれの条件において頭部25mm深さ位置での硬度が低くなり、実施例2−1〜2−3の同じ成分条件との差がHV19〜22となった。
比較例2−4,2−6,2−8では、頭頂面中央部11aと頭頂面端部11cとで1.2℃/秒の冷却速度の差が生じ、頭頂面中央部位置と頭頂面端部位置との硬度の差がHV22〜HV36となった。また、比較例2−4,2−6,2−8では、いずれの成分条件においても、表面組織が100%パーライトとなったが、実施例2−1〜2−3に比べ、頭頂面の幅方向の硬度が不均一となった。
比較例2−5,2−7,2−9では、頭頂面中央部11aの冷却速度が3.0℃/秒となるように冷却媒体の噴射量を制御したことで、頭頂面端部11cの冷却速度が5.0℃/秒となった。また、比較例2−5では、頭頂面中央部位置と頭頂面端部位置との硬度の差がHV31となり、頭頂面の幅方向の硬度が不均一となった。比較例2−7,2−9では、他の比較例や実施例と異なり、頭頂面端部位置の硬度が頭頂面中央部位置の硬度よりも低くなり、硬度の差がHV28〜HV86となることを確認した。また、比較例2−5の頭頂面端部11cの表面組織は100%パーライトとなり、比較例2−7,2−9の頭頂面端部11cの表面組織はベイナイトとパーライトとの複合組織となった。
以上の結果から、本発明に係るレールの冷却方法および熱処理装置によれば、投資コストやランニングコストを抑制しながらも、レール1の頭頂面中央部11aと頭頂面端部11b,11cとの冷却速度を均一にすることができることを確認できた。
1 :レール
11 :頭部
11a :頭頂面中央部
11b,11c :頭頂面端部
11d,11e :頭側面
11f,11g :顎下部
12 :腹部
13 :足部
13a :足裏面
2 :熱処理装置
20 :頭頂ヘッダ
201 :頭頂多孔板ノズル
202 :ノズル孔
202a :第1ノズル孔
202b :第2ノズル孔
21a,21b :頭側ヘッダ
211,211a,211b :頭側多孔板ノズル
212 :ノズル孔
212a :第1ノズル孔
212b :第2ノズル孔
22 :足裏ヘッダ
221 :足裏多孔板ノズル
23a,23b :支持拘束部
24a :第1温度計
24b :第2温度計
25 :制御部

Claims (4)

  1. 熱間圧延されたオーステナイト域温度以上のレール、あるいはオーステナイト域温度以上に加熱されたレールの少なくとも頭部に冷却媒体を噴射することで、前記レールを強制冷却する際に、
    前記レールの頭頂面および頭側面の少なくとも一方について、前記レールの長手方向に垂直な方向に前記冷却媒体の噴射量を分布させ、
    前記頭頂面に対向して配される頭頂ヘッダに設けられた複数のノズル孔から前記レールの頭頂面両端部にわたる方向全長に冷却媒体を噴射するとともに、前記頭側面に対向して配される頭側ヘッダに設けられた複数のノズル孔から前記レールの頭頂面両端部から頭側面にわたる方向全長に冷却媒体を噴射し、
    前記頭頂面について前記噴射量を分布させる場合には、前記頭頂面の幅方向端部に比べ幅方向中央部の面積が大きくなるように前記頭頂ヘッダの複数のノズル孔を形成し、前記頭頂面の幅方向端部に比べ幅方向中央部の前記噴射量が大きくなるように分布させて前記冷却媒体を前記頭頂面全体に噴射し、
    前記頭側面について前記噴射量を分布させる場合には、前記頭側面の上部に比べ下部の面積が大きくなるように前記頭側ヘッダの複数のノズル孔を形成し、前記頭側面の上部に比べ下部の前記噴射量が大きくなるように分布させて前記冷却媒体を前記頭頂面の幅方向端部および前記頭側面に噴射することを特徴とするレールの冷却方法。
  2. 前記頭頂ヘッダの複数の前記ノズル孔は、円形であり、幅方向最端部の前記ノズル孔の直径が幅方向中央部の前記ノズル孔の直径の20%以上80%以下の大きさであることを特徴とする請求項に記載のレールの冷却方法。
  3. 前記頭側ヘッダの複数の前記ノズル孔は、円形であり、最上部の前記ノズル孔の直径が最下部の前記ノズル孔の直径の20%以上80%以下の大きさであることを特徴とする請求項1または2に記載のレールの冷却方法。
  4. 熱間圧延されたオーステナイト域温度以上のレール、あるいはオーステナイト域温度以上に加熱されたレールの少なくとも頭部に冷却媒体を噴射することで前記レールを強制冷却する冷却手段を備え、
    前記冷却手段は、
    前記頭頂面に対向して配される頭頂ヘッダに設けられた複数のノズル孔から前記レールの頭頂面両端部にわたる方向全長に冷却媒体を噴射するとともに、前記頭側面に対向して配される頭側ヘッダに設けられた複数のノズル孔から前記レールの頭頂面両端部から頭側面にわたる方向全長に冷却媒体を噴射し、
    前記レールの頭頂面および頭側面の少なくとも一方について、前記レールの長手方向に垂直な方向に前記冷却媒体の噴射量が分布し、
    前記頭頂面について前記噴射量が分布する場合には、前記頭頂ヘッダは、前記頭頂面の幅方向端部に比べ幅方向中央部の面積が大きくなるように前記頭頂ヘッダの複数のノズル孔が形成され、前記頭頂面の幅方向端部に比べ幅方向中央部の前記噴射量が大きくなるように分布させて前記冷却媒体を前記頭頂面全体に噴射し、
    前記頭側面について前記噴射量が分布する場合には、前記頭側ヘッダは、前記頭側面の上部に比べ下部の面積が大きくなるように前記頭側ヘッダの複数のノズル孔が形成され、前記頭側面の上部に比べ下部の前記噴射量が大きくなるように分布させて前記冷却媒体を前記頭頂面の幅方向端部および前記頭側面に噴射することを特徴とするレールの熱処理装置。
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