JP2022154246A - 水処理方法および水処理装置 - Google Patents

水処理方法および水処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2022154246A
JP2022154246A JP2021057173A JP2021057173A JP2022154246A JP 2022154246 A JP2022154246 A JP 2022154246A JP 2021057173 A JP2021057173 A JP 2021057173A JP 2021057173 A JP2021057173 A JP 2021057173A JP 2022154246 A JP2022154246 A JP 2022154246A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
concentrated
treated
membrane module
reverse osmosis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021057173A
Other languages
English (en)
Inventor
雄大 鈴木
Yudai Suzuki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Organo Corp
Original Assignee
Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Organo Corp, Japan Organo Co Ltd filed Critical Organo Corp
Priority to JP2021057173A priority Critical patent/JP2022154246A/ja
Publication of JP2022154246A publication Critical patent/JP2022154246A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

Figure 2022154246000001
【課題】シリカスケールによる逆浸透膜の閉塞を抑制して、安定した水処理性能を発揮する。
【解決手段】水処理方法は、タンク11に貯留された被処理水を少なくとも1つの逆浸透膜モジュール12で処理して処理水と濃縮排水と濃縮還流水とに分離し、処理水および濃縮排水をそれぞれ外部に排出する水処理方法であって、被処理水がタンク11に供給されてから少なくとも1つの逆浸透膜モジュール12で処理されて被処理水に含まれる不純物が濃縮排水と共に外部に排出されるまでの滞留時間が1時間以下になるように、外部に排出する濃縮排水の流量を調整する工程を含んでいる。
【選択図】図1

Description

本発明は、水処理方法および水処理装置に関する。
被処理水に含まれる不純物を除去する水処理装置として、逆浸透膜(RO膜)を有するものが知られている。この装置では、所定の供給圧力でRO膜に供給された被処理水(原水)が、RO膜により透過水と濃縮水とに分離される。これにより、不純物が除去された処理水(透過水)を得ることができる。
RO膜を有する水処理装置では、安定して運転を継続することが求められており、そのためには、RO膜の膜面に原水中のシリカが析出してスケールが発生することを抑制することが重要となる。これに対し、従来から、シリカスケールの発生を抑制する方法として、濃縮水のpHを6以下に調整することで、濃縮水のシリカ濃度がシリカ溶解度以上であってもシリカの析出を遅らせる方法(例えば、特許文献1参照)や、原水のpHを9.5以上に調整することで、シリカ溶解度を上昇させる方法(例えば、特許文献2参照)が知られている。また、濃縮水にコロイダルシリカを添加し、そのコロイダルシリカを核として濃縮水中のイオン状シリカを重合させることで、濃縮水のシリカ濃度を低下させる方法(例えば、特許文献3参照)も知られている。
特許第3187629号公報 特許第4496795号公報 特開2017-148746号公報
しかしながら、pHを調整する方法では、原水に酸やアルカリを添加することでpHが調整されるため、RO膜の阻止率低下が懸念されるだけでなく、pHをアルカリ性に傾けると、カルシウムスケールの発生リスクが高まってしまう。また、コロイダルシリカを添加する方法では、透過水の流量に比べてかなり大きな流量で濃縮水を循環させる必要があり、そのための莫大なエネルギーコストや、コロイダルシリカ自体のコストが発生してしまう。
そこで、本発明の目的は、シリカスケールによる逆浸透膜の閉塞を抑制して、安定した水処理性能を発揮する水処理方法および水処理装置を提供することである。
上述した目的を達成するために、本発明の水処理方法は、タンクに貯留された被処理水を少なくとも1つの逆浸透膜モジュールで処理して処理水と濃縮排水と濃縮還流水とに分離し、処理水および濃縮排水をそれぞれ外部に排出する水処理方法であって、被処理水がタンクに供給されてから少なくとも1つの逆浸透膜モジュールで処理されて被処理水に含まれる不純物が濃縮排水と共に外部に排出されるまでの滞留時間が1時間以下になるように、外部に排出する濃縮排水の流量を調整する工程を含んでいる。
また、本発明の水処理装置は、被処理水を貯留するタンクと、少なくとも1つの逆浸透膜モジュールとを有し、被処理水を少なくとも1つの逆浸透膜モジュールで処理して処理水と濃縮排水と濃縮還流水とに分離し、処理水ラインを通じて処理水を外部に排出するとともに、排水ラインを通じて濃縮排水を外部に排出する水処理装置であって、被処理水がタンクに供給されてから1つの逆浸透膜モジュールで処理されて被処理水に含まれる不純物が濃縮排水と共に外部に排出されるまでの滞留時間が1時間以下になるように、排水ラインを流れる濃縮排水の流量を調整する流量調整手段を有している。
このような水処理方法および水処理装置によれば、被処理水(原水)のpHを調整したり、濃縮水にコロイダルシリカを添加したりすることなく、シリカスケールの発生を抑制することができる。
以上、本発明によれば、シリカスケールによる逆浸透膜の閉塞を抑制して、安定した水処理性能を発揮することができる。
本発明の第1の実施形態に係る水処理装置の構成を示す概略図である。 本発明の第2の実施形態に係る水処理装置の構成を示す概略図である。 実施例1,2および比較例1~3におけるフラックス保持率の時間変化を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る水処理装置の構成を示す概略図である。
水処理装置10は、原水タンク11と、逆浸透膜(RO膜)装置12とを有し、原水タンク11に貯留された原水(被処理水)をRO膜装置12で処理することで、原水中の不純物を除去して処理水を生成する装置である。RO膜装置12は、原水タンク11から供給される原水を、不純物を含む濃縮水と不純物が除去された透過水とに分離するものであり、RO膜を有している。具体的には、RO膜装置12は、RO膜モジュールからなり、円筒状のベッセル(圧力容器)内に収容された少なくとも1つのRO膜エレメントを有している。なお、RO膜装置12のRO膜モジュールとしては、単一のベッセルを有するものであってもよく、複数のベッセルを直列に接続してユニット化したものであってもよい。RO膜装置12には、RO膜装置12に原水を供給する給水ラインL1と、RO膜装置12からの透過水(処理水)を流通させる処理水ラインL2と、RO膜装置12からの濃縮水を流通させる濃縮水ラインL3とが接続されている。濃縮水ラインL3は、濃縮水の一部を外部に排出する排水ラインL4と、その残りを原水タンク11に還流させる還流水ラインL5の2つに分岐している。原水タンク11には、原水補給ラインL6が接続され、後述するように、必要に応じて原水が供給される。
また、水処理装置10は、給水ラインL1に設けられた加圧ポンプ13と、原水タンク11に設けられた水位センサ14とを有している。加圧ポンプ13は、RO膜装置12に供給される原水を加圧する機能、すなわち、RO膜装置12への給水圧力(操作圧力)を調整して処理水ラインL2を流れる透過水の流量を調整する機能を有している。水位センサ14は、原水タンク11内の水位を検出する機能を有している。また、排水ラインL4および還流水ラインL5には、それぞれを流れる濃縮水の流量を調整するための手動弁(流量調整手段)V1,V2が設けられ、原水補給ラインL6には、開閉弁V3が設けられている。開閉弁V3は、水位センサ14により検出された原水タンク11内の水位に応じて開閉するように構成されている。具体的には、原水タンク11内の水位が所定の上限水位を下回っている間、開閉弁V3は開放され、原水補給ラインL6を通じて原水タンク11に原水が供給される。そして、原水タンク11内の水位が所定の上限水位が達すると、開閉弁V3が閉鎖されて原水の供給が停止される。これにより、原水タンク11内の水位を所定の上限水位以下に維持することができる。なお、水位センサ14の構成としては、上述した2つの水位を検出することができれば特に限定されず、例えば、フロート式のレベルスイッチを用いることができる。また、水位センサ14と開閉弁V3の代わりに、ボールタップを用いて、原水タンク11の水位を所定の上限水位以下に維持してもよい。
水処理装置10の運転時、原水タンク11に貯留された原水は、RO膜装置12に供給され、そこで処理されて透過水と濃縮水とに分離される。透過水は、処理水ラインL2を通じて処理水として外部(例えば、処理水タンクやユースポイントなど)に供給(排出)され、濃縮水の一部は、排水ラインL4を通じて濃縮排水として外部に排出され、その残りは、還流水ラインL5を通じて濃縮還流水として原水タンク11に還流する。なお、RO膜装置12による原水の処理は、原水タンク11内の水位が所定の下限水位以下になると、加圧ポンプ13の停止により停止され、原水タンク11への原水の供給により原水タンク11内の水位が所定の上限水位に達すると、加圧ポンプ13の作動により再開される。以下、排水ラインL4および還流水ラインL5を流れる濃縮水をそれぞれ「濃縮排水」および「濃縮還流水」ともいい、濃縮水ラインL3を流れる濃縮水を単に「濃縮水」ともいう。
上述したRO膜装置12による原水の処理は、RO膜の膜面にシリカが析出してスケールが付着することを抑制するために、濃縮水のシリカ濃度が予め測定された水温でのシリカ溶解度以上にならない条件で行われることが好ましい。具体的には、予め測定された原水のシリカ濃度から、濃縮水のシリカ濃度が予め測定された水温でのシリカ溶解度以上にならないような回収率(透過水の流量と濃縮排水の流量との和に対する透過水の流量の割合)が設定され、設定された回収率になるように濃縮排水の流量が調整されることが好ましい。このときの濃縮排水の流量調整は、排水ラインL4に設けられた手動弁V1によって行われ、その設定流量は、回収率の設定値と、RO膜装置12の操作圧力の設定値から推定される透過水の流量とに基づいて決定される。なお、中性条件におけるシリカ溶解度S(mg/L)は、水温をT(K)とすると、以下の式(1)で表されることが知られている。
logS=a+bT-1+cT+dlogT (1)
ここで、a=-3.697、b=-485.24、c=-2.268×10-6、d=3.608である。
しかしながら、本来であれば、シリカ溶解度の算出は、シリカの析出を促進する様々な成分(例えば、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄など)との相互作用を考慮して行われるべきところ、それは非常に複雑であり、一般には解明されていない。そのため、実際のシリカ溶解度が上記式(1)により算出されたシリカ溶解度よりも低くなり、その結果、濃縮水のシリカ濃度が予め測定された水温でのシリカ溶解度以上になることがあり、その場合、RO膜の膜面にシリカが析出し、それによりRO膜の膜面が閉塞することが懸念される。また、原水の水質(pH)や水温が変動しても、それをリアルタイムに監視して運転条件を調整するようなことは行われないことが多く、そのため、原水の水質(pH)や水温の変動によって濃縮水のシリカ濃度が変化すると、上記式(1)により算出されたシリカ溶解度を超えてしまうこともある。
これに対し、本発明者らは、原水が水処理装置10内で滞留する時間に着目し、この時間を所定時間以下にすることで、上述のように濃縮水のシリカ濃度がシリカ溶解度以上になる場合であっても、シリカスケールの発生によるRO膜の膜面の閉塞が抑制できることを見出している。すなわち、本実施形態では、RO膜装置12で処理される原水は、原水タンク11に供給されて一旦そこに貯留されてからRO膜装置12に供給され、透過水と濃縮水とに分離される。加えて、分離された濃縮水の一部は、そのまま外部に排出されずに濃縮還流水として原水タンク11に還流される。そのため、原水が原水タンク11に供給されてからRO膜装置12で処理されて濃縮排水として外部に排出されるまで、すなわち、原水に含まれる不純物が濃縮排水と共に外部に排出されるまでには、必然的に、一定以上の滞留時間が発生することになる。本発明者らは、この滞留時間に着目し、後述する実施例で示すように、この滞留時間を1時間以下、好ましくは15分以下にすることで、濃縮水のシリカ濃度がシリカ溶解度以上になる場合であっても、シリカスケールの発生を抑制できることを見出している。
ここでいう「滞留時間」とは、水処理装置10に供給された原水が濃縮排水として排出されるまでに滞留し得る容積の総和を、排水ラインL4を流れる濃縮排水の流量で割った値として定義されるものである。具体的には、原水タンク11の最大保有水量(原水タンク11内の水位が所定の上限水位にあるときの保有水量)に相当する容積と、RO膜装置12のRO膜モジュールの一次側の容積と、処理水ラインL2と原水補給ラインL6を除く各ラインL1,L3~L5を構成する配管の全容積との和を、排水ラインL4を流れる濃縮排水の流量で割った値として定義されるものである。ただし、配管の全容積については、通常は原水タンク11の容積に比べてかなり小さく、配管内に水が滞留することもほとんどないため、滞留時間の算出から除外してもよい。また、RO膜モジュールの一次側の容積についても、それを構成するベッセルの容積が原水タンク11の容積に比べて小さい場合などは、滞留時間の算出から除外してもよい。すなわち、ベッセル内にはRO膜エレメントが収容されているため、実際の容積よりも水が通過する空間はさらに小さく、その際にせん断力も発生することから、このような場合には、ベッセル内を原水が通過する際の滞留の影響は無視してもよい。
上述の定義によれば、滞留時間は、排水ラインL4を流れる濃縮排水の流量を調整したり、原水タンク11の最大保有水量が調整可能であれば、その最大保有水量を調整したりすることで調整可能である。濃縮排水の設定流量(目標流量)は、滞留時間の目標値(1時間以下、好ましくは15分以下)に基づいて決定され、濃縮排水の流量がその目標流量になるように、手動弁V1の開度が調整される。ただし、濃縮排水の設定流量が、RO膜装置12に要求される最低濃縮水量(濃縮水ラインL3に流すべき濃縮水の最低流量)よりも小さくなる場合には、手動弁V2の開度を調整して濃縮排水の流量を調整することで、最低濃縮水量を確保することができる。なお、こうして濃縮排水の設定流量が決定されると、その設定流量と、上述したように原水の水質から算出されるRO膜装置12の回収率の目標値とに基づいて、処理水ラインL2を流れる処理水の設定流量(目標流量)が決定され、処理水の流量がその目標流量になるように、加圧ポンプ13の回転数制御によりRO膜装置12の操作圧力が調整される。
本実施形態では、RO膜の膜面にシリカやカルシウムなどのスケール成分が析出することをより確実に抑制するために、原水に対して、スケール防止剤を薬注ポンプによって添加するようになっていてもよい。スケール防止剤の種類としては、特定ものに限定されず、例えば、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ニトリロトリメチルホスホン酸などのホスホン酸とその塩類などのホスホン酸系化合物;正リン酸塩、重合リン酸塩などのリン酸系化合物;ポリマレイン酸、マレイン酸共重合物などのマレイン酸系化合物;アクリル酸系ポリマーなどが挙げられ、アクリル酸系ポリマーとしては、ポリ(メタ)アクリル酸、マレイン酸/(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸/スルホン酸、(メタ)アクリル酸/ノニオン基含有モノマーなどのコポリマーや、(メタ)アクリル酸/スルホン酸/ノニオン基含有モノマー、(メタ)アクリル酸/アクリルアミド-アルキルスルホン酸/置換(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸/アクリルアミド-アリールスルホン酸/置換(メタ)アクリルアミドのターポリマーなどが挙げられる。ターポリマーを構成する(メタ)アクリル酸としては、例えば、メタアクリル酸およびアクリル酸と、それらのナトリウム塩などの(メタ)アクリル酸塩などが挙げられる。ターポリマーを構成するアクリルアミド-アルキルスルホン酸としては、例えば、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とその塩などが挙げられる。また、ターポリマーを構成する置換(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、t-ブチルアクリルアミド、t-オクチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミドなどが挙げられる。
これらの中でも、ホスホン酸系化合物とアクリル酸系ポリマーのうち少なくとも1種類を含むものを用いることが好ましい。また、カルシウムとシリカに由来するスケールを同時に抑制するためには、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸と、アクリル酸と(メタ)アクリル酸/2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸/置換(メタ)アクリルアミドのターポリマーとの混合物とからなるスケール防止剤を用いることが特に好ましい。
なお、RO膜用の市販のスケール防止剤としては、オルガノ株式会社製の「オルパージョン」シリーズ、BWA Water Additives社製の「Flocon(登録商標)」シリーズ、Nalco社製の「PermaTreat(登録商標)」シリーズ、ゼネラル・エレクトリック社製の「Hypersperse(登録商標)」シリーズ、栗田工業株式会社製の「クリバーター(登録商標)」シリーズなどが挙げられる。
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係る水処理装置の構成を示す概略図である。以下、第1の実施形態と同様の構成については、図面に同じ符号を付してその説明を省略し、第1の実施形態と異なる構成のみ説明する。
本実施形態は、RO膜装置12が3つのRO膜モジュール12a~12cから構成されている点で第1の実施形態と異なっている。すなわち、本実施形態のRO膜装置12は、第1の実施形態のRO膜装置12に相当する第1のRO膜モジュール12aと、第1のRO膜モジュール12aからの透過水を処理する第2のRO膜モジュール12bと、第1のRO膜モジュール12aからの濃縮水を処理する第3のRO膜モジュール12cとから構成されている。
これに伴い、本実施形態では、第1の実施形態におけるいくつかの構成が変更され、新たな構成もいくつか追加されている。すなわち、本実施形態の水処理装置10は、第1のRO膜モジュール12aからの透過水(以下、「一次透過水」ともいう)を流通させる透過水ラインL7と、一次透過水を貯留する透過水タンク21と、透過水タンク21に貯留された一次透過水を第2のRO膜モジュール12bに供給する第2の給水ラインL8とを有している。第2の給水ラインL8には、透過水タンク21内の一次透過水を加圧して第2のRO膜モジュール12bに供給する加圧ポンプ22が設けられ、透過水タンク21には、透過水タンク21内の水位を検出する水位センサ23が設けられている。また、本実施形態では、処理水ラインL2および還流水ラインL5は、第2のRO膜モジュール12bに接続され、第2のRO膜モジュール12bで分離された透過水および濃縮水をそれぞれ流通させるようになっている。
さらに、本実施形態の水処理装置10は、第1のRO膜モジュール12aからの濃縮水(以下、「一次濃縮水」ともいう)を貯留する濃縮水タンク24と、濃縮水タンク24に貯留された一次濃縮水を第3のRO膜モジュール12cに供給する第3の給水ラインL9と、第3のRO膜モジュール12cからの透過水を流通させる透過水合流ラインL10とを有している。透過水合流ラインL10は、透過水タンク21に接続され、第3のRO膜モジュール12cからの透過水を一次透過水に合流させる機能を有している。以下、第3のRO膜モジュール12cからの透過水も含め、透過水タンク21に貯留された透過水を「一次透過水」という。第3の給水ラインL9には、濃縮水タンク24内の一次濃縮水を加圧して第3のRO膜モジュール12cに供給する加圧ポンプ25が設けられ、濃縮水タンク24には、濃縮水タンク24内の水位を検出する水位センサ26が設けられている。さらに、濃縮水ラインL3には、濃縮水ラインL3を流れる濃縮水の流量を調整するための手動弁V4が設けられている。また、本実施形態では、排水ラインL4は、第3のRO膜モジュール12cに接続され、第3のRO膜モジュール12cからの濃縮水を流通させるようになっている。
本実施形態では、水処理装置10の運転時、原水タンク11に貯留された原水は、加圧ポンプ13の作動と手動弁V4の開度調整により、第1のRO膜モジュール12aで処理されて透過水と濃縮水とに分離される。そして、第1のRO膜モジュール12aで分離された透過水(一次透過水)は、透過水ラインL7を通じて透過水タンク21に貯留され、第1のRO膜モジュール12aで分離された濃縮水(一次濃縮水)は、濃縮水ラインL3を通じて濃縮水タンク24に貯留される。濃縮水タンク24に貯留された一次濃縮水は、加圧ポンプ25の作動と手動弁V1の開度調整により、第3のRO膜モジュール12cで処理されて透過水と濃縮水とに分離される。そして、第3のRO膜モジュール12cで分離された濃縮水は、排水ラインL4を通じて外部に排出され、第3のRO膜モジュール12cで分離された透過水は、透過水合流ラインL10を通じて透過水タンク21に貯留される。透過水タンク21に貯留された一次透過水は、加圧ポンプ22の作動と手動弁V2の開度調整により、第2のRO膜モジュール12bで処理されて透過水と濃縮水とに分離される。そして、第2のRO膜モジュール12bで分離された透過水は、処理水ラインL2を通じて外部に供給(排出)され、第2のRO膜モジュール12bで分離された濃縮水は、還流水ラインL5を通じて原水タンク11に還流する。
以上を換言すると、原水タンク11に貯留された原水は、RO膜装置12に供給されて処理され、処理水ラインL2を通じて外部に供給(排出)される処理水(第2のRO膜モジュール12bからの透過水)と、排水ラインL4を通じて外部に排出される濃縮排水(第3のRO膜モジュール12cからの濃縮水)と、還流水ラインL5を通じて原水タンク11に還流する濃縮還流水(第2のRO膜モジュール12bからの濃縮水)とに分離される。こうして、本実施形態では、第1の実施形態と比べて、RO膜装置12の回収率を高く維持しながら処理水質を向上させることが可能になる。
なお、本実施形態では、第1のRO膜モジュール12aによる原水の処理は、原水タンク11内の水位が所定の下限水位以下になったり、透過水タンク21内の水位が所定の上限水位に達したり、濃縮タンク24内の水位が所定の上限水位に達したりすると、加圧ポンプ13の停止により停止され、原水タンク11内の水位が所定の上限水位に達すると、加圧ポンプ13の作動により再開される。また、第2のRO膜モジュール12bによる一次透過水の処理は、透過水タンク21内の水位が所定の下限水位になったり、原水タンク11内の水位が所定の上限水位に達したりすると、加圧ポンプ22の停止により停止され、透過水タンク21内の水位が所定の上限水位に達すると、加圧ポンプ22の作動により再開される。また、第3のRO膜モジュール12cによる一次濃縮水の処理は、濃縮タンク24内の水位が所定の下限水位になったり、透過水タンク21内の水位が所定の上限水位に達したりすると、加圧ポンプ25の停止により停止され、濃縮タンク24内の水位が所定の上限水位に達すると、加圧ポンプ25の作動により再開される。
ところで、第1のRO膜モジュール12aによる原水の処理は、一次濃縮水のシリカ濃度が予め測定された水温でのシリカ溶解度以上にならない条件で行われることが好ましいところ、本実施形態においても、その条件が満たされないことがある。そのため、上述した水処理装置10の運転時の滞留時間は、1時間以下であることが好ましく、より好ましくは15分以下である。なお、本実施形態における「滞留時間」とは、第1の実施形態と同様に、水処理装置10に供給された原水が濃縮排水として排出されるまでに滞留し得る容積の総和を、排水ラインL4を流れる濃縮排水の流量で割った値として定義されるものである。具体的には、原水タンク11の最大保有水量に相当する容積と、濃縮タンク24の最大保有水量に相当する容量と、第1のRO膜モジュール12aの一次側の容積と、第3のRO膜モジュール12cの一次側の容積と、供給ラインL1、濃縮水ラインL3、排水ラインL4、および第3の給水ラインL9を構成する配管の全容積との和を、排水ラインL4を流れる濃縮排水の流量で割った値として定義されるものである。ただし、RO膜モジュール12a,12cの一次側の容積や各ラインL1,L3,L4,L10を構成する配管の全容積を、場合によっては滞留時間の算出から除外してもよいことは、第1の実施形態と同様である。
第1の実施形態と同様に、滞留時間は、排水ラインL4を流れる濃縮排水の流量を調整したり、各タンク11,21,24の最大保有水量が調整可能であれば、その最大保有水量を調整したりすることで調整可能である。濃縮排水の設定流量(目標流量)は、滞留時間の目標値(1時間以下、好ましくは15分以下)に基づいて決定され、濃縮排水の流量がその目標流量になるように、手動弁V1の開度が調整される。
なお、第1のRO膜モジュール12aからの濃縮水を処理する第3のRO膜モジュール12c(およびそれに付随する構成)は省略されてもよい。その場合、第1のRO膜モジュール12aからの濃縮水は、第1の実施形態と同様に、一部が排水ラインL4を通じて濃縮排水として外部に排出され、残りが原水タンク11に還流するようになっていてもよい。
次に、具体的な実施例を挙げて、本発明の効果について説明する。
(実施例1)
本実施例では、図1に示す水処理装置を模擬した試験装置を用いて連続運転を行い、RO膜のフラックス(透過流束)の経時変化を測定した。原水タンクとして、配管と合計で最大保有水量が60Lのものを用い、原水として、純水に塩水を添加してpHを7.0に調整し、熱交換器により水温を25℃に調整したものを用いた。また、原水には、濃縮水のシリカ濃度が水温25℃のときのシリカ溶解度(上記式(1)から116mg/L)以上である200mg/Lになるように、メタケイ酸ナトリウムを添加し、濃縮水のカルシウム濃度およびマグネシウム濃度がそれぞれ60mg/Lになるように、塩化カルシウムおよび塩化マグネシウムを添加した。また、スケール防止剤として、オルガノ株式会社製の「オルパージョン」(品番:G510)を用い、そのようなスケール防止剤を、濃縮水中の濃度が25mg/Lになるように原水に添加した。
RO膜装置のRO膜モジュールとして、単一のベッセルに1本のRO膜エレメントを収容したものを用い、RO膜エレメントとして、日東電工株式会社製のRO膜エレメント(品番:ES20)を用いた。透過水の目標流量を140L/hに設定し、RO膜装置の操作圧力を0.75MPaとした。そして、滞留時間が1時間になるように濃縮排水の目標流量を60L/hに設定した。なお、このとき、RO膜モジュールの一次側の容積については、それを構成するベッセルの容積が原水タンクの容積に比べて小さく、その容積から推定される滞留時間も全体の滞留時間に比べて無視できる程度に小さいため考慮していない。また、最低濃縮水量として700L/hを確保するために、濃縮還流水の流量を640L/hに調整した。
(実施例2)
滞留時間が15分になるように濃縮排水の目標流量を240L/hに設定し、それに伴い、濃縮還流水の流量を460L/hに調整したことを除いて、実施例1と同様の条件で測定を行った。
(比較例1)
滞留時間が2時間になるように濃縮排水の目標流量を30L/hに設定し、それに伴い、濃縮還流水の流量を670L/hに調整したことを除いて、実施例1と同様の条件で測定を行った。
(比較例2)
滞留時間が3時間になるように濃縮排水の目標流量を20L/hに設定し、それに伴い、濃縮還流水の流量を680L/hに調整したことを除いて、実施例1と同様の条件で測定を行った。
(比較例3)
滞留時間が24時間になるように濃縮排水の目標流量を2.5L/hに設定し、それに伴い、濃縮還流水の流量を697.5L/hに調整したことを除いて、実施例1と同様の条件で測定を行った。
図3は、実施例1,2および比較例1~3における測定結果を示すグラフである。なお、グラフの縦軸に示すフラックス保持率は、運転開始時のフラックスを100%としたときの相対値である。
図3から明らかなように、比較例1~3ではいずれも、運転開始から24時間後にはフラックス保持率に50%以上の急激な低下が見られることが確認された。これは、濃縮水のシリカ濃度が予め測定された水温でのシリカ溶解度以上になる条件で運転を行った影響で、RO膜の膜面にシリカが析出し、それによりRO膜の膜面が閉塞したためであると考えられる。一方で、実施例1,2では、比較例1~3と同様に濃縮水のシリカ濃度がシリカ溶解度以上であるにもかかわらず、そのような低下は見られず、特に実施例2では、フラックス保持率にほとんど変化がないことが確認された。これは、滞留時間を短くしたことにより、RO膜の膜面上では、原水中のシリカを含む不純物がシリカ析出時間よりも短い時間で入れ替わり、十分に排出されることで、シリカスケールの発生による膜面の閉塞が抑制されたためであると考えられる。
10 水処理装置
11 原水タンク
12 逆浸透膜(RO膜)装置
12a 第1の逆浸透膜(RO膜)モジュール
12b 第2の逆浸透膜(RO膜)モジュール
12c 第3の逆浸透膜(RO膜)モジュール
13,22,25 加圧ポンプ
14,23,26 水位センサ
L1 給水ライン(第1の給水ライン)
L2 処理水ライン
L3 濃縮水ライン
L4 排水ライン
L5 還流水ライン
L6 原水補給ライン
L7 透過水ライン
L8 第2の給水ライン
L9 第3の給水ライン
L10 透過水合流ライン
V1~V2,V4 手動弁
V3 開閉弁

Claims (7)

  1. タンクに貯留された被処理水を少なくとも1つの逆浸透膜モジュールで処理して処理水と濃縮排水と濃縮還流水とに分離し、前記処理水および濃縮排水をそれぞれ外部に排出する水処理方法であって、
    前記被処理水が前記タンクに供給されてから前記少なくとも1つの逆浸透膜モジュールで処理されて前記被処理水に含まれる不純物が前記濃縮排水と共に外部に排出されるまでの滞留時間が1時間以下になるように、外部に排出する前記濃縮排水の流量を調整する工程を含む、水処理方法。
  2. 前記濃縮排水の流量は、前記滞留時間が15分以下になるように調整される、請求項1に記載の水処理方法。
  3. 前記被処理水を逆浸透膜モジュールで透過水と濃縮水とに分離し、前記逆浸透膜モジュールからの透過水を前記処理水として外部に排出する工程と、
    前記逆浸透膜モジュールからの濃縮水の一部を前記濃縮排水として外部に排出するとともに、前記濃縮水の残りを前記濃縮還流水として前記タンクに還流させる工程と、を含む、請求項1または2に記載の水処理方法。
  4. 前記被処理水を逆浸透膜モジュールで透過水と濃縮水とに分離し、前記逆浸透膜モジュールからの濃縮水の一部を前記濃縮排水として外部に排出するとともに、前記濃縮水の残りを前記濃縮還流水として前記タンクに還流させる工程と、
    前記逆浸透膜モジュールからの透過水を別の逆浸透膜モジュールで透過水と濃縮水とに分離し、前記別の逆浸透膜モジュールからの透過水を前記処理水として外部に排出する工程と、を含む、請求項1または2に記載の水処理方法。
  5. 前記被処理水を逆浸透膜モジュールで透過水と濃縮水とに分離した後、前記逆浸透膜モジュールからの濃縮水を別の逆浸透膜モジュールで透過水と濃縮水とに分離し、前記別の逆浸透膜モジュールからの濃縮水を前記濃縮排水として外部に排出する工程と、
    前記別の逆浸透膜モジュールからの透過水を前記逆浸透膜モジュールからの透過水に合流させ、該合流させた透過水をさらに別の逆浸透膜モジュールで透過水と濃縮水とに分離し、前記さらに別の逆浸透膜モジュールからの透過水を前記処理水として外部に排出する工程と、を含む、請求項1または2に記載の水処理方法。
  6. 前記逆浸透膜モジュールによる前記分離は、前記逆浸透膜モジュールからの濃縮水のシリカ濃度が予め測定された水温でのシリカ溶解度以上になるように行われる、請求項3から5のいずれか1項に記載の水処理方法。
  7. 被処理水を貯留するタンクと、少なくとも1つの逆浸透膜モジュールとを有し、前記被処理水を前記少なくとも1つの逆浸透膜モジュールで処理して処理水と濃縮排水と濃縮還流水とに分離し、処理水ラインを通じて前記処理水を外部に排出するとともに、排水ラインを通じて前記濃縮排水を外部に排出する水処理装置であって、
    前記被処理水が前記タンクに供給されてから前記少なくとも1つの逆浸透膜モジュールで処理されて前記被処理水に含まれる不純物が前記濃縮排水と共に外部に排出されるまでの滞留時間が1時間以下になるように、前記排水ラインを流れる前記濃縮排水の流量を調整する流量調整手段を有する水処理装置。
JP2021057173A 2021-03-30 2021-03-30 水処理方法および水処理装置 Pending JP2022154246A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021057173A JP2022154246A (ja) 2021-03-30 2021-03-30 水処理方法および水処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021057173A JP2022154246A (ja) 2021-03-30 2021-03-30 水処理方法および水処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022154246A true JP2022154246A (ja) 2022-10-13

Family

ID=83557745

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021057173A Pending JP2022154246A (ja) 2021-03-30 2021-03-30 水処理方法および水処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022154246A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5359898B2 (ja) 水処理方法及び水処理システム
JP7045814B2 (ja) 膜ろ過装置
JP6851877B2 (ja) 膜ろ過装置
JP6842976B2 (ja) 純水製造装置
JP6631147B2 (ja) ボイラ給水用水処理装置及びボイラの運転方法
KR20190043588A (ko) 역침투막 처리 시스템 및 역침투막 처리 시스템의 운전 방법
JP5811866B2 (ja) 逆浸透膜分離装置
JP2016032810A (ja) 水処理システム
JP2022154246A (ja) 水処理方法および水処理装置
JP7045870B2 (ja) 膜ろ過装置
JP7017365B2 (ja) 膜ろ過装置
JP7106283B2 (ja) 膜ろ過装置
JP7449107B2 (ja) 水処理方法および水処理装置
JP5903948B2 (ja) 水処理システム
JP6642082B2 (ja) 膜分離装置
JP7289257B2 (ja) 膜ろ過装置およびその運転方法
JP7307665B2 (ja) 膜ろ過装置およびその運転方法
TW201838709A (zh) 逆滲透膜裝置的運轉管理方法以及逆滲透膜處理系統
JP2023032684A (ja) 膜ろ過装置
JP7303861B2 (ja) 膜ろ過装置
JP7106395B2 (ja) 膜ろ過装置
JP6939121B2 (ja) 膜分離装置
JP5903947B2 (ja) 水処理システム
JP7364451B2 (ja) 水処理装置および水処理装置の運転管理方法
WO2023032566A1 (ja) 水処理方法及び水処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231208