JP2022149438A - ラッピングネット - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の第一実施形態を図1~図4に基づいて説明する。なお図中、符号1で指示するものは、独立鎖編組織であり、符号2で指示するものは、挿入糸である。また符号Pで指示するものは、交絡点であり、符号Nで指示するものは、ラッピングネットである。また符号Cで指示するものは、紙管である。
[1]基本構成について
本実施形態では、図1及び図2に示すように、経編地のヨコ方向(生地の幅方向、ウェール方向)に所定間隔で並んだ独立鎖編組織1・1’…(タテ方向編目列)を経糸により形成すると共に、これらの独立鎖編組織1・1’間に挿入糸2をジグザグ状に掛け渡して挿入することで、各独立鎖編組織1・1’…が挿入糸2で連結されて一体となったラッピングネットNを構成している。また独立鎖編組織1は、図2に示すようにループが経編地のタテ方向(生地の長さ方向、コース方向)に連なった組織となっている。
[2-1]経糸の材料
次に上記ラッピングネットNの各構成要素について説明する。上記独立鎖編組織1については、本実施形態では木綿100%の綿糸を使用しているが、非伸縮性の糸材であれば天然繊維や化学繊維を適宜選択して使用できる。なおラッピングネットNの場合、牛が食した場合でも安全な綿糸の使用が好ましいが、木綿を主原料とする糸材であれば消化性の良い植物繊維等を混ぜた混紡糸を使用することもできる。また本実施形態では、複数本の綿糸を挽き揃えて経糸としているが、使用する綿糸の太さや本数は求められる強度等に応じて適宜変更できる。
また上記独立鎖編組織1のタテ方向(コース方向)の編密度に関しては、本実施形態では2コース/インチ(好ましくは1~3コース/インチ)としている。この範囲の編密度とすることにより独立鎖編組織1のループ1つ当たりの長さが大きくなるため、ラッピングネットNを高速に生産できる。なお本実施形態のラッピングネットNのように独立鎖編組織1のコース方向(タテ方向)の編密度が小さい経編地ではループが緩み易いため、張力調整をして各ループの長さが均一になるように巻き取りを行う必要がある。
また上記独立鎖編組織1のヨコ方向(ウェール方向)の本数に関しては、本実施形態では1インチ当たり1本(好ましくは0.5から3本)としている。この範囲の本数とすることでラッピングネットNの独立鎖編組織1・1の間隔が大きくなるため、巻き取り時に独立鎖編組織1・1同士の隙間に多くの鎖編組織を多く並べることができる。なお独立鎖編組織1・1の間隔が大きくなる程、通常は張力による生地幅の縮みも生じ易くなるため、寸法安定性を高めることが重要となる。
[3-1]挿入糸の材料
また上記挿入糸2に関しては、本実施形態では木綿100%の綿糸を使用しているが、非伸縮性の糸材であれば天然繊維や化学繊維を適宜選択して使用できる。経糸と同様、消化性の良い植物繊維等を混ぜた混紡糸を使用することもできる。また本実施形態では、挿入糸2に20番手(好ましくは10番手~30番手)の綿糸を単糸で使用しているが、使用する綿糸の番手や本数は適宜変更できる。なお挿入糸2に経糸ほどの強度は必要ないため、巻取り時に嵩張らない細い糸を使用できる。また綿糸以外の非伸縮性糸を使用する場合、上記綿糸に相当する強度の太さの糸を使用できる。
また独立鎖編組織1・1間において上記挿入糸2を掛け渡す方向については、本実施形態では隣り合う独立鎖編組織1・1に対しジグザグ状に斜めに架け渡しているが、ジグザグの角度(挿入糸と鎖編組織によって形成される三角形の頂点の角度)はラッピングネットNのコストや機能性を考慮して編み組織またはコース方向の編密度を変更することで適宜調整できる。また本実施形態では、挿入糸2によって形成されるジグザグ形状を各独立鎖編組織1間で同一にすることでラッピングネットNの巻き取り張力が均一になるようにしている。
また上記独立鎖編組織1と挿入糸2の交絡点P1・P2に関しては、本実施形態では交絡点P1・P2のタテ方向の位置が異なる2パターンの独立鎖編組織1がヨコ方向に交互に並んだ状態となっている。具体的には、一本の独立鎖編組織1において、左隣の鎖編組織と連結している挿入糸2の交絡点P1・P1間に、右隣の鎖編組織と連結している挿入糸2の交絡点P2を2:1で分割する位置に配置している。
次に本実施形態のラッピングネットNの製造方法について簡単に説明する。まずラッセル経編機の給糸部に経糸および挿入糸をセットし、この給糸部にセットされた経糸および挿入糸を経編機の編立部に供給する。そして、編立部の筬を動かして経糸と挿入糸をラッピングネットNの経編組織に編成する。なお編立前にラッピングネットNが所定のコース方向の編密度、およびウェール方向の独立鎖編組織のインチ当たり本数となるように機械を調整しておく。
本試験では、ラッピングネットの材料および組織の異なるサンプル(実施例1~2及び比較例1~3)を作製し、これらについてロール化する際の巻き取り張力に対する生地幅の影響、及び幅出しローラを介して引き出しを行った際の生地幅の影響を評価した。なお編立及び巻き取りの方法については、上記の製造方法を採用した。なお経糸及び挿入糸に綿糸を使用する場合、引張方向の負荷による糸の延伸がないため、ネット生地の編幅は飼料ロールの幅よりも若干(1~5cm程度)大きく設定される。一方、経糸及び挿入糸にポリエチレンフィルムスリットヤーンを使用する場合、引張方向の負荷による糸の延伸があるため、ネット生地の編幅は飼料ロールの幅よりも5~10cm程度大きく設定される。また経糸及び挿入糸に綿糸を使用する場合に、ネット生地の編幅を飼料ロールの幅よりも若干(1~5cm程度)大きく設定するのは飼料ロールの表面に凹凸があるためである。
本実施例では、経糸及び挿入糸に綿糸を使用して図3に示す組織(ヨコ方向に並ぶ独立鎖編組織の本数:37本、編幅:約91.5cm)のラッピングネットの編立をラッシェル編機で行った。更にこのラッピングネットを、ガイドバーを左右に2.5cmの間隔で振りながら巻き取りローラに装着された紙管に巻き取りロール状ラッピングネットを作製した。その結果、ロール状ラッピングネットのロール幅は約95cmとなり、巻き取り張力に対する生地幅の大きな縮みは見られなかった。またこのロール状ラッピングネットを、幅出しローラ(ハの字型に左右対称に形成された螺旋溝を有するローラ)を有するロールベーラ機に装着して使用したところ、引き出し時にネット生地を拡幅しても飼料ロール(幅:約90cm)の両肩にオーバーハングすることなく飼料ロールに巻き付けることができ、ネット生地の切断も問題なく行うことができた。
本実施例では、経糸及び挿入糸に綿糸を使用して図4(a)に示す組織(ヨコ方向に並ぶ独立鎖編組織の本数:37本、編幅:約91.5cm)のラッピングネットの編立をラッシェル編機で行った。更にこのラッピングネットを、ガイドバーを左右に2.5cmの間隔で振りながら巻き取りローラに装着された紙管に巻き取りロール状ラッピングネットを作製した。その結果、ロール状ラッピングネットのロール幅は約95cmとなり、巻き取り張力に対する生地幅の大きな縮みは見られなかった。またこのロール状ラッピングネットを、幅出しローラを有するロールベーラ機に装着して使用したところ、引き出し時にネット生地を拡幅しても飼料ロール(幅:約90cm)の両肩にオーバーハングすることなく飼料ロールに巻き付けることができ、ネット生地の切断も問題なく行うことができた。
本比較例では、経糸及び挿入糸にポリエチレンフィルムのスリットヤーンを使用して、図6に示す組織(ヨコ方向に並ぶ独立鎖編組織の本数:40本、編幅:約96.5cm)のラッピングネットの編立をラッシェル編機で行った。更にこのラッピングネットを、ガイドバーを左右に2.5cmの間隔で振りながら巻き取りローラに装着された紙管に巻き取りロール状ラッピングネットを作製した。その結果、ロール状ラッピングネットのロール幅は約96.5cmとなり、巻き取り張力に対するラッピングネットの生地幅の大きな縮みが見られた。またこのロール状ラッピングネットを、幅出しローラを有するロールベーラ機に装着して使用したところ、引き出し時のネット生地の拡幅により飼料ロール(幅:約90cm)の両肩にオーバーハングした状態でネット生地の巻き付けが行われた。
本比較例では、経糸及び挿入糸に綿糸を使用して図6に示す組織(ヨコ方向に並ぶ独立鎖編組織の本数:38本、編幅:約94cm)のラッピングネットの編立をラッシェル編機で行った。更にこのラッピングネットを、ガイドバーを左右に2.5cmの間隔で振りながら巻き取りローラに装着された紙管に巻き取りロール状ラッピングネットを作製した。その結果、ロール状ラッピングネットのロール幅は約96.5cmとなり、巻き取り張力に対する生地幅の大きな縮みは見られなかった。またこのロール状ラッピングネットを、幅出しローラを有するロールベーラ機に装着して使用したところ、引き出し時のネット生地の拡幅により飼料ロール(幅:約90cm)の両肩にオーバーハングした状態でネット生地の巻き付けが行われた。これによりネット生地の切断時にオーバーハングした部分が切断できないトラブルが発生した。
本比較例では、経糸及び挿入糸に綿糸を使用して図7(a)に示す組織(ヨコ方向に並ぶ独立鎖編組織の本数:40本、編幅:約99cm)のラッピングネットの編立をラッシェル編機で行った。更にこのラッピングネットを、ガイドバーを左右に2.5cmの間隔で振りながら巻き取りローラに装着された紙管に巻き取りロール状ラッピングネットを作製した。その結果、ロール状ラッピングネットのロール幅は約96.5cmとなり、巻き取り張力に対する生地幅の大きな縮みが見られた。またこのロール状ラッピングネットを、幅出しローラを有するロールベーラ機に装着して使用したところ、引き出し時にネット生地を拡幅しても飼料ロール(幅:約90cm)の両肩にオーバーハングすることなく飼料ロールに巻き付けることができた。しかし、巻き取り時の生地幅の縮みによってネット生地の両側の鎖編組織の間隔が狭くなったことで、飼料ロールへの巻き付け後にネット生地の両側の鎖編組織が緩んでしまい、飼料ロールの肩から落ちた鎖編組織を切断できないトラブルが発生した。
上記のように比較例1~3のラッピングネットにおいては、飼料ロールへの巻き付け時にネット生地の両側がオーバーハングする問題やネット生地の切断が上手くいかない問題があったが、実施例1~2のラッピングネットにおいては、巻き取り時の生地幅の縮みや引き出し時の拡幅を抑制することで、飼料ロールへの巻き付けやネット生地の切断を問題なく行うことができた。
2 挿入糸
N ラッピングネット
P 交絡点
C 紙管
R ロール状ラッピングネット
S 切断端
F 飼料ロール
Claims (5)
- ヨコ方向に所定間隔で並んだ経糸の独立鎖編組織と、独立鎖編組織間にジグザグ状に掛け渡して挿入された挿入糸と、を含む経編地から成り、
一本の独立鎖編組織に対する前記挿入糸の折り返し交絡点の少なくとも一部が、隣り合う独立鎖編組織の折り返し交絡点とは異なるヨコ方向編目列に存在し、かつ、前記折り返し交絡点が一本の独立鎖編組織においてタテ方向に不均等な間隔で存在している、ラッピングネット。 - 前記交絡点のタテ方向の位置が異なる複数パターンの独立鎖編組織がヨコ方向に繰り返し並んだ、請求項1記載のラッピングネット。
- 独立鎖編組織および挿入糸に非伸縮性糸が使用されている、請求項1または2に記載のラッピングネット。
- 前記独立鎖編組織間に掛け渡された挿入糸によって形成されるジグザグ形状が各独立鎖編組織間で同一形状である、請求項1~3の何れか一つに記載のラッピングネット。
- 少なくとも両側の独立鎖編組織がS撚りの紡績糸とZ撚りの紡績糸の引き揃え糸から形成されている、請求項1~4の何れか一つに記載のラッピングネット。
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JP2021516197A (ja) * | 2018-03-05 | 2021-07-01 | コテシ−コンパニア デ テクステイス シンテティコス,エス.エー. | ベール包装用の農業用メッシュ |
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JPH02266922A (ja) * | 1989-04-07 | 1990-10-31 | Morita Sangyo Kk | ネット状スポンジシート |
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