JP7224677B2 - ラッピングネット - Google Patents

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Description

本発明は、稲わらや牧草等の梱包に使用される農業用のラッピングネットに関するものである。
近年、酪農・畜産業界では、少人数で多くの家畜を飼育している業者が多く、作業者の高齢化も進み省力化が求められていることから、飼料ロール(飼料をラッピングネットで包んでロール化したもの)の作製をロールベーラ機によって行うのが一般的である。そのため、ラッピングネットはロールベーラ機に装着して使用できるように長尺のネット生地を紙管にロール状に巻いた状態で製品化されている。
また上記ラッピングネットとしては、ポリエチレン製またはポリプロピレン製フィルムヤーンを経編したものが古くから知られているが、これらの合成樹脂フィルムヤーンを用いたラッピングネットは家畜が胃で消化できず自然分解もしないため、家畜の安全性や環境に課題がある。そのため、近年、これらの課題を解決した綿糸製のラッピングネットを本件出願人が開発し、特許出願も行っている(特許文献1~3参照)。
また上記綿糸製のラッピングネットに関しては、ロールベーラ機でネット生地を引き出す際にタテ方向に張力が加わると幅が縮むため、幅出しローラ等を使用してネット生地を飼料ロールの幅に合わせて広げながら引き出しを行う。このタテ方向の張力によりネット生地の幅が縮む理由は、図7(a)(b)に示すようにループの緩みがなくなることで鎖編組織の長さが大きくなり、更に鎖編組織間の挿入糸の長さ(l)が一定に保たれることで鎖編組織同士が引き合うためである。
しかし、上記の引き出しの際、図7に示す鎖編組織間に挿入糸をジグザグ状に掛け渡したラッピングネットは、ネット生地の幅を維持する方向に抵抗が働き難かったため、拡幅が過剰となって飼料ロールの幅よりもネット生地の幅が大きくなり易かった。これは左右中間の各鎖編組織において、左隣の鎖編組織と連結している挿入糸の交絡点と、右隣の鎖編組織と連結している挿入糸の交絡点の間隔が離れていたためと考えられる。
一方、従来においては、図8(a)(b)に示すような鎖編組織間にクロス状に挿入糸を掛け渡したラッピングネットも知られており、この種のラッピングネットに関しては、幅出しローラで幅を広げる際、幅を維持する方向に抵抗が働いてネット生地の拡幅を抑えられるものの、鎖編組織と挿入糸の交絡点において、左右二方向からの挿入糸を同じ箇所で交絡させる必要があるため、高速での編立が難しくなるという問題があった。
特許第6033691号公報 特許第5892637号公報 特許第6550510号公報
本発明は、上記従来技術の問題を解決することを課題としており、要約すると使用時に幅出しローラ等を介してネット生地を引き出す場合でも、ネット生地の拡幅を抑制することができ、しかも、高速の編立にも対応できる製造効率に優れたラッピングネットを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決する手段として、ヨコ方向に所定間隔で並んだ経糸の独立鎖編組織1と、独立鎖編組織1間にジグザグ状に掛け渡して挿入された挿入糸2と、を含む経編地からラッピングネットを構成し、一本の独立鎖編組織1と前記挿入糸2の折り返し交絡点Pの少なくとも一部が、隣り合う独立鎖編組織1の折り返し交絡点Pとは異なるヨコ方向編目列に存在し、かつ、前記交絡点Pが一本の独立鎖編組織1においてタテ方向に不均等な間隔で存在するように構成した。なお「隣り合う独立鎖編組織」とは、折り返し交絡点Pを有する独立鎖編組織の中で隣り合っているものを意味する。
また本発明では、ラッピングネットNに張力を掛けた際に幅が狭くなり難くなるように、上記交絡点Pのタテ方向の位置が異なる複数パターンの独立鎖編組織1をヨコ方向に繰り返し並べるのが好ましい。また隣り合う独立鎖編組織1間に挿入糸2をジグザグ状に掛け渡して挿入する場合には、上記交絡点Pのタテ方向の位置が異なる2パターンの独立鎖編組織1をヨコ方向に交互に並べるのが好ましい。
また本発明は、巻き取り時に張力調整が必要な綿製ラッピングネットに適していることから、独立鎖編組織1および挿入糸2には非伸縮性糸を使用するのが好ましい。
また本発明では、ラッピングネットNの巻き取り張力を均一にするために、上記独立鎖編組織1間に掛け渡された挿入糸2によって形成されるジグザグ形状を各独立鎖編組織1間で同一形状にするのが好ましい。
また本発明では、ラッピングネットNの両側が丸まって集束する現象を抑えるために、少なくとも両側の独立鎖編組織1をS撚りの紡績糸とZ撚りの紡績糸の引き揃え糸から形成するのが好ましい。
本発明のラッピングネットは、鎖編組織と挿入糸の折り返し交絡点を、折り返し交絡点を有する隣り合う独立鎖編組織において異なるヨコ方向編目列に配置すると共に、交絡点を同一の鎖編組織においてタテ方向に不均等な間隔で配置して構成したことにより、左右中間の鎖編組織において、左隣の鎖編組織と連結している挿入糸の交絡点と、右隣の鎖編組織と連結している挿入糸の交絡点の距離を近づけることができる。
これにより本発明のラッピングネットは、幅出しローラ等を用いてネット生地の引き出しを行う際、ネット生地の幅を維持する方向に抵抗がかかり易くなるため、拡幅を抑制してネット生地の幅が飼料ロールの幅を超えないように調整し易くなる。しかも、本発明のラッピングネットは、交絡点において左右一方からの挿入糸のみを独立鎖編組織に交絡させるだけでよいため、編立も容易となり編立を高速化して製造効率を向上させることもできる。
本発明における第一実施形態のラッピングネットを示す全体斜視図である。 本発明における第一実施形態のラッピングネットの組織を示す拡大図である。 本発明における第一実施形態のラッピングネットの組織を説明するための簡略図である。 本発明における第一実施形態のラッピングネットの効果を説明するための説明図である。 本発明におけるラッピングネットの変更例を示す組織の簡略図である。 本発明におけるラッピングネットの変更例を示す組織の簡略図である。 従来のラッピングネットを示す概略図である。 従来のラッピングネットを示す概略図である。
『第一実施形態』
本発明の第一実施形態を図1~図4に基づいて説明する。なお図中、符号1で指示するものは、独立鎖編組織であり、符号2で指示するものは、挿入糸である。また符号Pで指示するものは、交絡点であり、符号Nで指示するものは、ラッピングネットである。また符号Cで指示するものは、紙管である。
「ラッピングネットの構成」
[1]基本構成について
本実施形態では、図1及び図2に示すように、経編地のヨコ方向(生地の幅方向、ウェール方向)に所定間隔で並んだ独立鎖編組織1・1’…(タテ方向編目列)を経糸により形成すると共に、これらの独立鎖編組織1・1’間に挿入糸2をジグザグ状に掛け渡して挿入することで、各独立鎖編組織1・1’…が挿入糸2で連結されて一体となったラッピングネットNを構成している。また独立鎖編組織1は、図2に示すようにループが経編地のタテ方向(生地の長さ方向、コース方向)に連なった組織となっている。
また本実施形態のラッピングネットNは、図3に示すように、一本の独立鎖編組織1に対する挿入糸2の折り返し交絡点P1・P2が、隣り合う独立鎖編組織1において異なるヨコ方向編目列(図3において点線で示す部分)に形成されるように配置している。また交絡点P1・P2は、一本の独立鎖編組織1においてタテ方向に不均等な間隔で配置している。なお交絡点Pの配置を含む本明細書中のラッピングネットNの構成は、編立直後の変形していない状態を前提としている。また「折り返し交絡点」は、挿入糸2が左側の鎖編組織から右側の鎖編組織、または右側の鎖編組織から左側の鎖編組織へ折り返す部分に形成された交絡点を意味する。
上記の構成を採用したことにより、図1に示す紙管CにラッピングネットNを引き出す際、ラッピングネットNを幅出しローラで拡幅する場合でも拡幅が抑制されるため、飼料ロールの幅を超えないようにネット生地の幅を調整できる。また上記構成を採用することでラッピングネットNの編立も容易となるため、生産効率も高まる。なお拡幅の抑制は、図3に示す左右中間部の独立鎖編組織1’において、左隣の鎖編組織1と連結している挿入糸2の交絡点P1と、右隣の鎖編組織1と連結している挿入糸2の交絡点P2のタテ方向の間隔が近いためと考えられる。
また本実施形態のラッピングネットNは、ロール芯(本実施形態では、紙管C)に張力をかけながら巻き取る際、隣り合う独立鎖編組織1・1’…が重なり合わないように各独立鎖編組織1を鎖編組織同士の間隔の範囲内で左右に振りながら巻き取る(詳しくは特許6550510号参照)。これにより独立鎖編組織1・1’…はロールの幅方向及び径方向に並列した状態となるが、本実施形態のラッピングネットNは図7に示すラップネットよりも幅の縮みを抑制できるため、鎖編組織同士の間隔を保持して綺麗に並列させることができる。
[2]独立鎖編組織について
[2-1]経糸の材料
次に上記ラッピングネットNの各構成要素について説明する。上記独立鎖編組織1については、本実施形態では木綿100%の綿糸を使用しているが、非伸縮性の糸材であれば天然繊維や化学繊維を適宜選択して使用できる。なおラッピングネットNの場合、牛が食した場合でも安全な綿糸の使用が好ましいが、木綿を主原料とする糸材であれば消化性の良い植物繊維等を混ぜた混紡糸を使用することもできる。また本実施形態では、複数本の綿糸を挽き揃えて経糸としているが、使用する綿糸の太さや本数は求められる強度等に応じて適宜変更できる。
また独立鎖編組織1に使用する糸の太さとしては、本実施形態では、綿12番手の綿糸2本を引き揃えて使用しているが、綿5番手~綿20番手の糸を好適に使用することができ、太い糸を1本(単糸)で使用することも、細い糸を複数本(好ましくは2~4本)束ねて使用することもできる。なお複数本の綿糸を使用する場合、それらを撚糸した状態で使用することもできる。また本実施形態では綿糸の番手で太さを特定しているが、綿糸以外の非伸縮性糸を使用する場合、上記綿糸に相当する強度の太さの糸を使用できる。
またラッピングネットNの両側の独立鎖編組織1については、本実施形態ではS撚りの綿糸とZ撚りの綿糸の引き揃え糸から形成している。これはS撚り糸から生じるトルクとZ撚り糸から生じるトルクが打ち消し合うことで、ラッピングネットNの両側が丸まって集束し難くなるためである。どちらかの撚り糸のみを使用する場合、図4(a)に示すように送出ローラHから引き出されたラッピングネットNを切断すると撚り糸から生じるトルクによってラッピングネットNの切断端Sの両側が丸まって集束し、飼料ロールFの外周をネットで綺麗に覆うことができない。その点、本実施形態のラッピングネットNは、図4(b)に示すように切断端Sの両側が丸まり難いため、飼料ロールFの外周全体をネットで綺麗に覆うことができる。また綿糸以外の紡績糸を使用する場合でも、S撚りの紡績糸とZ撚りの紡績糸の引き揃え糸を使用することで同様の効果を得ることができ、本効果は従来のラップネットの組織に適用した場合でも発揮される。
また上記独立鎖編組織1の経糸に紡績糸を使用する場合には、撚りが強すぎると「ビリ」が発生し易くなるため、撚り係数4~5程度のものを使用するのが好ましい。また経糸にS撚りまたはZ撚りの紡績糸のみを使用する場合、挿入糸に経糸と反対撚りの糸を使用することで上記と同様の効果が得られる。また経糸に強撚糸を使用する場合、トルクの発生を抑えるために、諸撚りの糸(下撚りをかけた2本の糸に上撚りをかけて撚り合わせた糸)や糊付け糸(デンプン糊やふのり等で糊付けを行った糸)、セット糸(熱セットをかけた糸)を使用することもできる。
上記S撚りの綿糸とZ撚りの綿糸の引き揃え糸(または諸撚りの糸や糊付け糸、セット糸等)は、本実施形態ではラッピングネットNの両側の独立鎖編組織1に使用しているが、必要に応じてラッピングネットNの全ての独立鎖組織1に経糸として使用できる。ラッピングネットNの外側の独立鎖編組織1に引き揃え糸(または諸撚りの糸や糊付け糸、セット糸等)を使用する場合、最も外側の1本だけでなく複数本(好ましくは1~3本)の独立鎖編組織1に引き揃え糸等を使用できる。
本実施形態では、独立鎖編組織1にS撚りの紡績糸とZ撚りの紡績糸の引き揃え糸を使用しているが、ラップネットNのヨコ方向に並ぶ独立鎖編組織1・1’…においてS撚りの紡績糸とZ撚りの紡績糸を交互に使用する(言い換えると任意の独立鎖編組織1にS撚りの紡績糸を使用する場合、それと隣り合う独立鎖編組織1’にZ撚りの紡績糸を使用する)こともでき、その場合にも上記ロールベーラによるラップネットNの引き出し時における切断端の両側の鎖編組織の集束を抑えることができる。
[2-2]タテ方向の編密度
また上記独立鎖編組織1のタテ方向(コース方向)の編密度に関しては、本実施形態では2コース/インチ(好ましくは1~3コース/インチ)としている。この範囲の編密度とすることにより独立鎖編組織1のループ1つ当たりの長さが大きくなるため、ラッピングネットNを高速に生産できる。なお本実施形態のラッピングネットNのように独立鎖編組織1のコース方向(タテ方向)の編密度が小さい経編地ではループが緩み易いため、張力調整をして各ループの長さが均一になるように巻き取りを行う必要がある。
[2-3]独立鎖編組織の間隔
また上記独立鎖編組織1のヨコ方向(ウェール方向)の本数に関しては、本実施形態では1インチ当たり1本(好ましくは0.5から3本)としている。この範囲の本数とすることでラッピングネットNの独立鎖編組織1・1の間隔が大きくなるため、巻き取り時に独立鎖編組織1・1同士の隙間に多くの鎖編組織を多く並べることができる。なお独立鎖編組織1・1の間隔が大きくなる程、通常は張力による生地幅の縮みも生じ易くなるため、寸法安定性を高めることが重要となる。
[3]挿入糸について
[3-1]挿入糸の材料
また上記挿入糸2に関しては、本実施形態では木綿100%の綿糸を使用しているが、非伸縮性の糸材であれば天然繊維や化学繊維を適宜選択して使用できる。経糸と同様、消化性の良い植物繊維等を混ぜた混紡糸を使用することもできる。また本実施形態では、挿入糸2に20番手(好ましくは10番手~30番手)の綿糸を単糸で使用しているが、使用する綿糸の番手や本数は適宜変更できる。なお挿入糸2に経糸ほどの強度は必要ないため、巻取り時に嵩張らない細い糸を使用できる。また綿糸以外の非伸縮性糸を使用する場合、上記綿糸に相当する強度の太さの糸を使用できる。
また挿入糸2については、経糸と同様にS撚りの綿糸とZ撚りの綿糸の引き揃え糸を使用することもできる。その場合、糸のトルクを打ち消すことでラッピングネットNの両側の丸まりを抑えることができる。また綿糸以外の紡績糸を使用する場合、S撚りの紡績糸とZ撚りの紡績糸の引き揃え糸を使用することで同様の効果が得られる。また挿入糸2に経糸と反対撚りの糸を使用することもでき、また諸撚りの糸や糊付け糸、セット糸を使用することもできる。
[3-2]挿入糸の掛け渡し方向
また独立鎖編組織1・1間において上記挿入糸2を掛け渡す方向については、本実施形態では隣り合う独立鎖編組織1・1に対しジグザグ状に斜めに架け渡しているが、ジグザグの角度(挿入糸と鎖編組織によって形成される三角形の頂点の角度)はラッピングネットNのコストや機能性を考慮して編み組織またはコース方向の編密度を変更することで適宜調整できる。また本実施形態では、挿入糸2によって形成されるジグザグ形状を各独立鎖編組織1間で同一にすることでラッピングネットNの巻き取り張力が均一になるようにしている。
ちなみに上記挿入糸2の掛け渡し方向としては、本実施形態の一部の挿入糸2のジグザグ形状を左右反転させた図5(a)に示す組織を採用することもできる。また本実施形態では、全ての独立鎖編組織1が折り返し交絡点P1・P2を有する組織を採用しているが、図5(b)に示すように網目の大きさを小さくするために1本以上の独立鎖編組織1”を跨いで挿入糸2をジグザグ状に掛け渡して、一部の独立鎖編組織1”に折り返し交絡点P1・P2を設けない組織を採用することもできる。
[4]独立鎖編組織と挿入糸の交絡点について
また上記独立鎖編組織1と挿入糸2の交絡点P1・P2に関しては、本実施形態では交絡点P1・P2のタテ方向の位置が異なる2パターンの独立鎖編組織1がヨコ方向に交互に並んだ状態となっている。具体的には、一本の独立鎖編組織1において、左隣の鎖編組織と連結している挿入糸2の交絡点P1・P1間に、右隣の鎖編組織と連結している挿入糸2の交絡点P23:1で分割する位置に配置している。
また上記交絡点の配置に関しては、図6(a)に示すように、交絡点P1・P2・P3のタテ方向の位置が異なる3パターンの独立鎖編組織1をヨコ方向に繰り返し並べることもできる。なお図6(a)では、一本の独立鎖編組織1において、左隣の鎖編組織と連結している挿入糸2の交絡点P2・P2の間に、右隣の鎖編組織と連結している挿入糸2の交絡点P1・P3を5:1または4:2の間隔で分割する位置に配置している。
また図6(b)に示すように、交絡点P1・P2・P3・P4のタテ方向の位置が異なる4パターンの独立鎖編組織1をヨコ方向に繰り返し並べることもできる。なお図6(b)では、本実施形態のジグザグ形状の2パターンと、その反転形の2パターンを組み合わせており、一本の独立鎖編組織1において、左隣の鎖編組織と連結している挿入糸2の交絡点P2・P2(またはP3・P3)の間に、右隣の鎖編組織と連結している挿入糸2の交絡点P1・P3(またはP2・P4)を1:3の間隔で分割する位置に配置している。
「ラッピングネットの製造方法」
次に本実施形態のラッピングネットNの製造方法について簡単に説明する。まずラッセル経編機の給糸部に経糸および挿入糸をセットし、この給糸部にセットされた経糸および挿入糸を経編機の編立部に供給する。そして、編立部の筬を動かして経糸と挿入糸をラッピングネットNの経編組織に編成する。なお編立前にラッピングネットNが所定のコース方向の編密度、およびウェール方向の独立鎖編組織のインチ当たり本数となるように機械を調整しておく。
その後、上記経編機の編立部から送り出されるラッピングネットNを、複数の中間ローラ(3本ローラ等の挟持ローラ)で引き取りながら巻取りローラに装着した紙管Cに巻き取る。この際、中間ローラの回転速度を調節することでラッピングネットNの張力調整を行える。また巻取りローラの手前に独立鎖編組織の間隔に合わせて形成された複数の溝を有するガイドバー(またはガイドローラ)を配置して、各溝に独立鎖編組織を挿入した状態でガイドバー(またはガイドローラ)を左右に振りながらラッピングネットNを巻き取ることで小さなロール径で生地を長く巻き取ることができる。
なお上記ガイドバー(またはガイドローラ)を軸方向に往復運動させる際には、独立鎖編組織の間隔の範囲内で生地を左右に振れるように運動幅を調節する。またガイドバー(またはガイドローラ)を使用せずに巻取りローラを軸方向に往復運動させて生地を左右に振ることもできる。更に上記巻取りローラに関しては、プレスローラを併用することでロール状ラッピングネットにプレスを掛けて張力調整を行うこともできる。
[効果の実証試験]
本試験では、ラッピングネットの材料および組織の異なるサンプル(実施例1~2及び比較例1~3)を作製し、これらについてロール化する際の巻き取り張力に対する生地幅の影響、及び幅出しローラを介して引き出しを行った際の生地幅の影響を評価した。なお編立及び巻き取りの方法については、上記の製造方法を採用した。なお経糸及び挿入糸に綿糸を使用する場合、引張方向の負荷による糸の延伸がないため、ネット生地の編幅は飼料ロールの幅よりも若干(1~5cm程度)大きく設定される。一方、経糸及び挿入糸にポリエチレンフィルムスリットヤーンを使用する場合、引張方向の負荷による糸の延伸があるため、ネット生地の編幅は飼料ロールの幅よりも5~10cm程度大きく設定される。また経糸及び挿入糸に綿糸を使用する場合に、ネット生地の編幅を飼料ロールの幅よりも若干(1~5cm程度)大きく設定するのは飼料ロールの表面に凹凸があるためである。
「実施例1」
本実施例では、経糸及び挿入糸に綿糸を使用して図3に示す組織(ヨコ方向に並ぶ独立鎖編組織の本数:37本、編幅:約91.5cm)のラッピングネットの編立をラッシェル編機で行った。更にこのラッピングネットを、ガイドバーを左右に2.5cmの間隔で振りながら巻き取りローラに装着された紙管に巻き取りロール状ラッピングネットを作製した。その結果、ロール状ラッピングネットのロール幅は約95cmとなり、巻き取り張力に対する生地幅の大きな縮みは見られなかった。またこのロール状ラッピングネットを、幅出しローラ(ハの字型に左右対称に形成された螺旋溝を有するローラ)を有するロールベーラ機に装着して使用したところ、引き出し時にネット生地を拡幅しても飼料ロール(幅:約90cm)の両肩にオーバーハングすることなく飼料ロールに巻き付けることができ、ネット生地の切断も問題なく行うことができた。
「実施例2」
本実施例では、経糸及び挿入糸に綿糸を使用して図4(a)に示す組織(ヨコ方向に並ぶ独立鎖編組織の本数:37本、編幅:約91.5cm)のラッピングネットの編立をラッシェル編機で行った。更にこのラッピングネットを、ガイドバーを左右に2.5cmの間隔で振りながら巻き取りローラに装着された紙管に巻き取りロール状ラッピングネットを作製した。その結果、ロール状ラッピングネットのロール幅は約95cmとなり、巻き取り張力に対する生地幅の大きな縮みは見られなかった。またこのロール状ラッピングネットを、幅出しローラを有するロールベーラ機に装着して使用したところ、引き出し時にネット生地を拡幅しても飼料ロール(幅:約90cm)の両肩にオーバーハングすることなく飼料ロールに巻き付けることができ、ネット生地の切断も問題なく行うことができた。
「比較例1」
本比較例では、経糸及び挿入糸にポリエチレンフィルムのスリットヤーンを使用して、図7に示す組織(ヨコ方向に並ぶ独立鎖編組織の本数:40本、編幅:約99cm)のラッピングネットの編立をラッシェル編機で行った。更にこのラッピングネットを、ガイドバーを左右に2.5cmの間隔で振りながら巻き取りローラに装着された紙管に巻き取りロール状ラッピングネットを作製した。その結果、ロール状ラッピングネットのロール幅は約96.5cmとなり、巻き取り張力に対するラッピングネットの生地幅の大きな縮みが見られた。またこのロール状ラッピングネットを、幅出しローラを有するロールベーラ機に装着して使用したところ、引き出し時のネット生地の拡幅により飼料ロール(幅:約90cm)の両肩にオーバーハングした状態でネット生地の巻き付けが行われた。
「比較例2」
本比較例では、経糸及び挿入糸に綿糸を使用して図7に示す組織(ヨコ方向に並ぶ独立鎖編組織の本数:38本、編幅:約94cm)のラッピングネットの編立をラッシェル編機で行った。更にこのラッピングネットを、ガイドバーを左右に2.5cmの間隔で振りながら巻き取りローラに装着された紙管に巻き取りロール状ラッピングネットを作製した。その結果、ロール状ラッピングネットのロール幅は約96.5cmとなり、巻き取り張力に対する生地幅の大きな縮みは見られなかった。またこのロール状ラッピングネットを、幅出しローラを有するロールベーラ機に装着して使用したところ、引き出し時のネット生地の拡幅により飼料ロール(幅:約90cm)の両肩にオーバーハングした状態でネット生地の巻き付けが行われた。これによりネット生地の切断時にオーバーハングした部分が切断できないトラブルが発生した。
本比較例では、経糸及び挿入糸に綿糸を使用して図8(a)に示す組織(ヨコ方向に並ぶ独立鎖編組織の本数:40本、編幅:約99cm)のラッピングネットの編立をラッシェル編機で行った。更にこのラッピングネットを、ガイドバーを左右に2.5cmの間隔で振りながら巻き取りローラに装着された紙管に巻き取りロール状ラッピングネットを作製した。その結果、ロール状ラッピングネットのロール幅は約96.5cmとなり、巻き取り張力に対する生地幅の大きな縮みが見られた。またこのロール状ラッピングネットを、幅出しローラを有するロールベーラ機に装着して使用したところ、引き出し時にネット生地を拡幅しても飼料ロール(幅:約90cm)の両肩にオーバーハングすることなく飼料ロールに巻き付けることができた。しかし、巻き取り時の生地幅の縮みによってネット生地の両側の鎖編組織の間隔が狭くなったことで、飼料ロールへの巻き付け後にネット生地の両側の鎖編組織が緩んでしまい、飼料ロールの肩から落ちた鎖編組織を切断できないトラブルが発生した。
[実証試験のまとめ]
上記のように比較例1~3のラッピングネットにおいては、飼料ロールへの巻き付け時にネット生地の両側がオーバーハングする問題やネット生地の切断が上手くいかない問題があったが、実施例1~2のラッピングネットにおいては、巻き取り時の生地幅の縮みや引き出し時の拡幅を抑制することで、飼料ロールへの巻き付けやネット生地の切断を問題なく行うことができた。
1 独立鎖編組織
2 挿入糸
N ラッピングネット
P 交絡点
C 紙管
R ロール状ラッピングネット
S 切断端
F 飼料ロール

Claims (3)

  1. ヨコ方向に所定間隔で並んだ経糸の独立鎖編組織と、隣り合う独立鎖編組織間全体に連続してジグザグ状に掛け渡して挿入された挿入糸と、を含む経編地から成り、前記独立鎖編組織および挿入糸に綿糸または植物繊維を含む混紡糸が使用されると共に、
    一本の独立鎖編組織に対する前記挿入糸の折り返し交絡点の少なくとも一部が、隣り合う独立鎖編組織の折り返し交絡点とは異なるヨコ方向編目列に存在し、かつ、前記折り返し交絡点が一本の独立鎖編組織においてタテ方向に不均等な間隔で存在して、当該交絡点のタテ方向の位置が異なる複数パターンの独立鎖編組織がヨコ方向に繰り返し並んだ、ラッピングネット。
  2. 前記独立鎖編組織間に掛け渡された挿入糸によって形成されるジグザグ形状が各独立鎖編組織間で同一形状である、請求項1記載のラッピングネット。
  3. 少なくとも両側の独立鎖編組織がS撚りの紡績糸とZ撚りの紡績糸の引き揃え糸から形成されている、請求項1または2に記載のラッピングネット。
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