JP2022142755A - エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子回路用積層板 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子回路用積層板 Download PDF

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雅翔 西村
Masanari Nishimura
紀行 木田
Noriyuki Kida
隆明 渡邊
Takaaki Watanabe
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Abstract

【課題】高い耐熱性を有し、低誘電特性に優れた、工業的にも有利なエポキシ樹脂組成物及びそれを用いた硬化物並びに該エポキシ樹脂組成物からなる電気・電子回路用積層板を提供する。【解決手段】1分子中に平均2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(I)と、1分子中に1個のエステル構造を有する、式(1)で表されるエステル化合物(II)とを反応させて得られる変性エポキシ樹脂(A)、活性エステル化合物(B)及びカルボジイミド化合物(C)を含有する、エポキシ樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子回路用積層板に関し、より詳細
には、耐熱性と低誘電特性に優れたエポキシ樹脂祖組成物及びその硬化物並びに該エポキ
シ樹脂組成物からなる電気・電子回路用積層板に関する。
エポキシ樹脂は、接着性、耐水性、機械的強度及び電気的特性に優れていることから、
接着剤、塗料、土木建築用材料、電気・電子部品の絶縁材料等、様々な分野で使用されて
いる。特に、電気・電子分野では、絶縁注型、積層材料、封止材料等において幅広く使用
されている。近年、電気・電子機器に使用される多層回路基板は、機器の小型化、軽量化
及び高機能化が進んでおり、更なる多層化、高密度化、薄型化、軽量化と信頼性及び成形
加工性の向上等が要求されている。
電気・電子回路用積層板等の電気・電子部品の材料となるエポキシ樹脂に要求される重
要な性能として、低誘電特性が挙げられる。
近年、情報伝達量、速度の向上のため、通信周波数の高周波化が進んでおり、その中で
、伝送損失(α)の増大が大きな課題となっている。この伝送損失(α)の値が低いほど
、情報信号の減衰が少なく、通信の高い信頼性が確保できることを意味する。αは周波数
(f)に比例するため、高周波数領域での通信ではαが大きくなり、信頼性の低下につな
がる。伝送損失(α)を抑える手法として、周波数(f)と同じく、αが比例する誘電正
接(tanδ)を低減する方法が挙げられる。通信信号の高速伝送のためには、誘電正接
(tanδ)の低い材料、即ち、低誘電特性を有する材料が求められている。
また、電気・電子回路用積層板等の電気・電子部品には高い信頼性が求められ、材料と
なるエポキシ樹脂には、低誘電特性の他、耐熱性、難燃性など、様々な特性とのバランス
が求められる。特に、幅広い温度域での信頼性を確保するため、耐熱性は必須特性である

特許文献1には、耐熱性と低誘電特性に優れた変性エポキシ樹脂として、特定のエステ
ル構造を有するエステル化後物と1分子中に平均2個以上のエポキシ基を有するエポキシ
樹脂とを反応させて得られる変性エポキシ樹脂が開示されている。
特開2020-111735号公報
近年、電気・電子回路用積層板の複雑化や小規模化が進んでおり、その電気・電子回路
用積層板を長時間使用することに伴い、高温状態下での継続使用にも耐えられるように、
使用する材料の変性エポキシ樹脂にもより高い耐熱性が求められてきている。
特許文献1に記載の方法で得られた変性エポキシ樹脂を使った硬化物は、耐熱性と低誘
電特性に優れた変性エポキシ樹脂であるが、活性エステル化合物を硬化剤として用いた場
合、使用する変性エポキシ樹脂によっては、極性が低く、分子間の相互作用が弱いため、
より高い耐熱性(高Tg化)という観点では、不十分であることが判明した。
また、工業的規模で変性エポキシ樹脂を製造し、それを硬化剤と反応させて硬化物にし
て電気・電子回路用積層板に適用する際には、材料の粘度や硬化反応における時間を適切
に制御する必要がある。
本発明の課題は、高い耐熱性を有し、低誘電特性に優れた、工業的にも有利なエポキシ
樹脂組成物及びそれを用いた硬化物並びに該エポキシ樹脂組成物からなる電気・電子回路
用積層板を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、変性エポキシ樹脂及び活性エステル化合物に加え、カ
ルボジイミド化合物を併せて配合することで、エポキシ樹脂組成物のゲルタイムを適切に
制御することができ、且つそのエポキシ樹脂組成物を硬化させた硬化物の低誘電特性を低
下させることなく、飛躍的に耐熱性を向上できることができることを見出し、本発明を完
成するに至った。即ち、本発明の要旨は以下の[1]~[8] に存する。
[1] 1分子中に平均2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(I)と、1分子中
に1個のエステル構造を有する、下記式(1)で表されるエステル化合物(II)とを反
応させて得られる変性エポキシ樹脂(A)、活性エステル化合物(B)及びカルボジイミ
ド化合物(C)を含有する、エポキシ樹脂組成物。
Figure 2022142755000001
(式(1)中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよ
いアリール基であり、Rは置換基を有していてもよいアリール基であり、該置換基はハ
ロゲン原子、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基及び炭素数6
~12のアリール基よりなる群より選ばれる基である。)
[2] 前記変性エポキシ樹脂の前記エポキシ樹脂(I)と前記エステル化合物(II)
の反応当量比が、該エポキシ樹脂(I)のエポキシ基のモル数と該エステル化合物(II
)のエステル基のモル数との比で1.6~6.0である、[1]に記載のエポキシ樹脂組
成物。
[3] 前記式(1)におけるR,Rが各々独立に、置換基を有していてもよいフェ
ニル基または置換基を有していてもよいナフチル基である、[1]又は[2]に記載のエ
ポキシ樹脂組成物。
[4] 前記変性エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量が300~1000g/当量である
、[1]~[3]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
[5] 前記変性エポキシ樹脂(A)のエポキシ基1モルに対して、活性エステル化合物
(B)のエステル基が10~150モル%、カルボジイミド化合物(C)のカルボジイミ
ド基が10~150モル%である、[1]~[4]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成
物。
[6] 前記カルボジイミド化合物(C)が芳香族カルボジイミドである[1]~[5]
のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
[7] [1]~[6]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
[8] [1]~[6]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を用いてなる電気・電子
回路用積層板。
本発明によれば、耐熱性と低誘電特性に優れ、更に接着性にも優れた、エポキシ樹脂組
成物及びその硬化物並びに該エポキシ樹脂組成物からなる電気・電子回路用積層板を得る
ことができる。また、ゲルタイムを適切に制御できることから、ポットライフ(可使時間
)のコントロールが容易となり、工業的に有利なエポキシ樹脂組成物を得ることができる
本発明のエポキシ樹脂組成物は、接着剤、塗料、土木用建築材料、電気・電子部品の絶
縁材料等、様々な分野に適用可能であり、特に電気・電子分野における絶縁注型、積層材
料、封止材料等として有用である。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、多層プリント配線基板、キャパシタ等の電気・
電子回路用積層板、フィルム状接着剤、液状接着剤等の接着剤、半導体封止材料、アンダ
ーフィル材料、3D-LSI用インターチップフィル、絶縁シート、プリプレグ、放熱基
板等に好適に用いることができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する説明は、本発明の実施
の形態の一例であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の記載内容に限定されるも
のではない。なお、本明細書において「~」という表現を用いる場合、その前後の数値ま
たは物性値を含む表現として用いるものとする。
〔エポキシ樹脂組成物〕
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、活性エステル化合物とカルボジイミド
化合物を含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物であり、エポキシ樹脂としては、
変性エポキシ樹脂を用いることを特徴とする。以下、変性エポキシ樹脂について詳述する
<変性エポキシ樹脂(A)>
本発明のエポキシ樹脂組成物で使用する変性エポキシ樹脂(以下、「本発明の変性エポ
キシ樹脂」と略記する場合がある)は、1分子中に平均2個以上のエポキシ基を有するエ
ポキシ樹脂(I)と、1分子中に1個のエステル構造を有する、下記式(1)で表される
エステル化合物(II)とを反応させて得られるものである。
Figure 2022142755000002
(式(1)中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよ
いアリール基であり、Rは置換基を有していてもよいアリール基であり、該置換基はハ
ロゲン原子、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基及び炭素数6
~12のアリール基よりなる群より選ばれる基である。)
また、本発明の変性エポキシ樹脂(A)は、下記式(4)で表される構造を含むもので
ある。
Figure 2022142755000003
(式(4)中、Rは上記式(1)におけるものと同義である。)
本発明の変性エポキシ樹脂で用いるエポキシ樹脂(I)は、エポキシ基を1分子中に平
均2個以上有するエポキシ樹脂である。
エポキシ樹脂(I)としては、エステル化合物(II)との反応後、耐熱性を十分に発
現させるため、エポキシ当量が400g/当量以下のものが好ましく、350g/当量以
下のものがより好ましく、300g/当量以下のものがさらに好ましい。また、エステル
化合物(II)との反応性を十分に確保する観点から、エポキシ樹脂(I)のエポキシ当
量は100g/当量以上が好ましく、120g/当量以上がより好ましく、150g/当
量以上がさらに好ましい。
なお、本発明において「エポキシ当量」とは、「1当量のエポキシ基を含むエポキシ樹
脂の質量」と定義され、JIS K 7236に準じて測定することができる。
エポキシ樹脂(I)としては、耐熱性を十分に発現させるため、エポキシ基を1分子中
に平均2個以上有するものを用いる。耐熱性の観点から、エポキシ樹脂(I)はエポキシ
基を2.1個以上有するものが好ましい。一方、取り扱い性の観点から、エポキシ樹脂(
I)はエポキシ基を1分子中に平均12個以下有するものが好ましく、6個以下有するも
のがより好ましく、4個以下有するものがさらに好ましく、3個以下有するものが特に好
ましい。
1分子中のエポキシ基の数は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法
)により測定した数平均分子量(Mn)をエポキシ当量で除することによって算出するこ
とができる。GPCによる測定法については具体例を後掲の実施例において説明する。
エポキシ樹脂(I)は、エポキシ基を1分子中に平均2個以上有するものであれば特に
限定されないが、その例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF
型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂
、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、エステル骨格
を有する脂環式エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキ
シ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレン4官能エポキシ樹脂、ナフトール型エポ
キシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型ノボラックエポキ
シ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、
ビフェニル型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポ
キシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂
などが挙げられる。
これらのエポキシ樹脂(I)は1種のみでも2種以上の混合体としても使用することが
できる。
これらのうち、ナフタレン4官能エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、フェノー
ルノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型ノボラックエポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキ
シ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフ
ェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が好ましく、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型ノボラックエポキシ樹脂、クレゾー
ルノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポ
キシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラ
フェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂がより好ましい。
[エステル化合物(II)]
本発明で用いる変性エポキシ樹脂に含まれるエステル化合物(II)は、1分子中に1
個のエステル構造を有し、下記式(1)で表されるものである。
Figure 2022142755000004
(式(1)中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよ
いアリール基であり、Rは置換基を有していてもよいアリール基であり、該置換基はハ
ロゲン原子、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基及び炭素数6
~12のアリール基よりなる群より選ばれる基である。)
なお、式(1)中、R及びRの置換基には、自己重合性の置換基は含まれない。
エステル化合物(II)中のエステル構造は、エポキシ基と反応する置換基である。エ
ステル化合物(II)の1分子中のエステル構造の数は1個である。エステル構造を2個
以上含むエステル化合物はエポキシ樹脂(I)のエポキシ基と過度に反応し、変性エポキ
シ樹脂の分子量が増大しゲル化する恐れがあるため、目的とする本発明の変性エポキシ樹
脂の特性を得ることが困難である。
また、自己重合性の置換基を有するエステル化合物も、当該化合物自体、もしくは変性
後のエポキシ樹脂の安定性を悪化させる上に、硬化剤との反応の際、十分な硬化性が得ら
れない懸念がある。
ここで、「自己重合性の置換基」とは、常温以上の条件下で重合するものであり、例え
ば、ビニル基やアクリロイル基、メタクリル基などが挙げられる。
前記式(1)のRとしては、炭素数1~12のアルキル基、炭素数5~14のアリー
ル基が好ましい。また、Rとしては、炭素数5~14のアリール基が好ましい。
炭素数1~12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、
シクロヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、
ドデシル基、シクロドデシル基等が挙げられ、これらは後述する置換基を有していてもよ
い。
炭素数5~14のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アン
トラニル基などが挙げられ、これらは後述する置換基を有していてもよい。
前記式(1)のR,Rとしては、エポキシ基との反応性、耐熱性、低誘電正接を良
好に保つ観点から、炭素数5~14のアリール基がより好ましい。炭素数5~14のアリ
ール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラニル基などが挙げら
れ、これらは後述する置換基を有していてもよい。
のアルキル基又はアリール基及びRのアリール基が有していてもよい置換基は、
ハロゲン原子、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6
~12のアリール基から選ばれる基であり、これらは、R,Rに自己重合性を付与し
ないものである。
置換基としての炭素数1~12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、
n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル
基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、シクロ
ペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、シ
クロヘプチル基、メチルシクロヘキシル基、n-オクチル基、シクロオクチル基、n-ノ
ニル基、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル基、n-デシル基、シクロデシル基、n
-ウンデシル基、n-ドデシル基、シクロドデシル基、ベンジル基、メチルベンジル基、
ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基、2-フ
ェニルイソプロピル基等が挙げられる。
置換基としての炭素数1~12のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキ
シ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、t
ert-ブトキシ基、n-ペントキシ基、イソペントキシ基、ネオペントキシ基、ter
t-ペントキシ基、シクロペントキシ基、n-ヘキシロキシ基、イソヘキシロキシ基、シ
クロヘキシロキシ基、n-ヘプトキシ基、シクロヘプトキシ基、メチルシクロヘキシロキ
シ基、n-オクチロキシ基、シクロオクチロキシ基、n-ノニロキシ基、3,3,5-ト
リメチルシクロヘキシロキシ基、n-デシロキシ基、シクロデシロキシ基、n-ウンデシ
ロキシ基、n-ドデシロキシ基、シクロドデシロキシ基、ベンジロキシ基、メチルベンジ
ロキシ基、ジメチルベンジロキシ基、トリメチルベンジロキシ基、ナフチルメトキシ基、
フェネチロキシ基、2-フェニルイソプロポキシ基等が挙げられる。
置換基としての炭素数6~12のアリール基としては、例えば、フェニル基、o-トリ
ル基、m-トリル基、p-トリル基、エチルフェニル基、スチリル基、キシリル基、n-
プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、メシチル基、エチニルフェニル基、ナフ
チル基、ビニルナフチル基等が挙げられる。
以上に挙げた中でも、RとRにおける有していてもよい置換基としては、炭素数1
~4のアルキル基、ハロゲン原子などが好ましいものとして挙げられ、より好ましくはメ
チル基であり、特に好ましくはR,Rは置換基を有さないか、或いは置換基としてメ
チル基を有するものである。これは置換基が立体的に大きすぎると、分子間の凝集が妨げ
られ、耐熱性が低下する可能性があるためである。
前記式(1)で表されるエステル化合物(II)は、下記式(2)または(3)で表さ
れる化合物であることが特に好ましい。
Figure 2022142755000005
(式(2),(3)中、R,R,Rはそれぞれ独立して、ハロゲン原子、炭素数1
~12のアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~12のアリール基及び
ヒドロキシ基から任意に選ばれる基であり、nは0~5の整数を表し、mは0~7の整数
を表す。)
,R,Rの具体例及び好ましい置換基は、Rのアルキル基又はアリール基及
びRのアリール基が有していてもよい置換基として前述したものと同様である。
また、式(3)のナフタレン環はエステル基の酸素原子と1位または2位で結合してい
ることが好ましく、2位で結合していることがより好ましい。
nは0~5の整数であるが、好ましくは0~2、より好ましくは0~1、特に好ましく
は0である。
mは0~7の整数であるが、好ましくは0~3、より好ましくは0~1、特に好ましく
は0である。
これらのエステル化合物(II)は、1種のみでも2種以上の混合体としても使用する
ことができる。
エステル化合物(II)の活性当量としては、誘電特性を向上させる観点から500g
/当量以下が好ましく、400g/当量が好ましく、300g/当量が最も好ましい。ま
た、耐熱性を向上させる観点から、100g/当量以上が好ましく、150g/当量以上
がさらに好ましく、180g/当量以上が最も好ましい。
[変性エポキシ樹脂(A)の化学構造]
本発明の変性エポキシ樹脂は、下記式(4)で表される構造を含むものであり、上述の
エポキシ樹脂(I)のエポキシ基と上述のエステル化合物(II)のエステル基とが反応
することで得ることができる。前述の通り、下記式(4)で表される構造に由来して、耐
熱性、低誘電特性の向上効果を得ることができる。
Figure 2022142755000006
(式(4)中、Rは前記式(1)におけるものと同義である。)
[重量平均分子量(Mw)]
本発明の変性エポキシ樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は500~10,000の
範囲であることが好ましい。Mwが500以上であれば、誘電特性や吸水率が悪化するお
それがない。これらの特性をより良好に保つ観点から、本発明の変性エポキシ樹脂のMw
は700以上がより好ましく、1000以上がさらにより好ましく、1,500以上が特
に好ましく、1600以上が最も好ましい。
また、樹脂粘度、軟化点を適正に保ち、取り扱い性を良好なものとする観点から、本発
明の変性エポキシ樹脂のMwは10,000以下が好ましく、8,000以下がより好ま
しく、7,000以下がさらに好ましく、6,000以下が特に好ましい。なお、Mwは
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定することができる。
GPCによる測定法については具体例を後掲の実施例において説明する。
[エポキシ当量]
本発明の変性エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は、300~1,000g/当量の範
囲であることが好ましい。耐熱性を良好に保つ観点から、本発明の変性エポキシ樹脂(A
)のエポキシ当量は900g/当量以下が好ましく、800g/当量以下がより好ましく
、600g/当量以下がさらにより好ましい。また、誘電特性、吸水率を良好に保つ観点
から、本発明の変性エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は330g/当量以上が好ましく
、380g/当量以上がより好ましく、400g/当量以上が特に好ましい。
[軟化点]
固形状の本発明の変性エポキシ樹脂(A)の軟化点は、60~130℃の範囲であるこ
とが好ましい。樹脂のブロッキングを抑制する観点から、本発明の変性エポキシ樹脂(A
)の軟化点は65℃以上がより好ましく、70℃以上がさらに好ましく、75℃以上が特
に好ましい。
また、溶剤溶解性を十分に確保するため、本発明の変性エポキシ樹脂(A)の軟化点は
125℃以下がより好ましく、120℃以下がさらに好ましく、115℃以下が特に好ま
しい。ここで、軟化点はJIS K7234に準じて測定することができる。なお、ブロ
ッキングとは、保管時に紛体の樹脂片が部分融解して塊となり、取り扱い性を損なう現象
を指す。
[変性エポキシ樹脂(A)の製造方法]
本発明の変性エポキシ樹脂(A)は、上述の1分子中に平均2個以上のエポキシ基を有
するエポキシ樹脂(I)と、上述の1分子中に1個のエステル構造を有する、前記式(1
)で表されるエステル化合物(II)とを反応させることによって得られる。
本発明の変性エポキシ樹脂(A)の製造において、エポキシ樹脂(I)とエステル化合
物(II)との反応当量比は、エポキシ樹脂(I)のエポキシ基のモル数とエステル化合
物(II)のエステル基のモル数との比(以下、「モル比(エポキシ基/エステル基)」
と称す場合がある。)で、1.6~6.0となるようにするのが好ましい。このモル比(
エポキシ基/エステル基)が上記範囲内であると、変性反応後のエポキシ基の量を最適に
保つことができ、耐熱性、誘電特性のバランスの良い特性を発現させることができる。耐
熱性と誘電特性のバランスをさらに良好に保つ観点から、モル比(エポキシ基/エステル
基)は1.62以上がより好ましく、1.63以上がさらに好ましく、1.65以上が特
に好ましい。また、同観点から、モル比(エポキシ基/エステル基)は5.5以下がより
好ましく、5.0以下がさらに好ましく、4.5以下が特に好ましい。
本発明の変性エポキシ樹脂の製造には触媒を用いてもよく、その触媒としては、エポキ
シ基とエステル基との反応を促進するような触媒能を持つ化合物であればどのようなもの
でもよい。例えば、第3級アミン、環状アミン類、イミダゾール類等が挙げられる。
第3級アミンの具体例としては、トリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリ
-n-ブチルアミン、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン、ピリジン、4-
(ジメチルアミノ)ピリジン等が挙げられる。
環状アミン類の具体例としては、1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1
,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7、1,5-ジアザビシクロ[4,3
,0]ノネン-5等が挙げられる。
イミダゾール類の具体例としては、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチル
イミダゾール、2-フェニルイミダゾール等が挙げられる。
これらの触媒は1種のみを使用することも、2種以上を組み合わせて使用することもで
きる。
本発明の変性エポキシ樹脂(A)は、その製造時の合成反応の工程において、反応用の
溶媒を用いてもよく、その溶媒としては、エポキシ樹脂を溶解するものであればどのよう
なものでもよい。例えば、芳香族系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、グリコールエー
テル系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は1種のみで用いてもよく、2種以上を組み合
わせて用いることもできる。
芳香族系溶媒の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
ケトン系溶媒の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイ
ソブチルケトン、2-ヘプタノン、4-ヘプタノン、2-オクタノン、シクロヘキサノン
、アセチルアセトン、ジオキサン等が挙げられる。
アミド系溶媒の具体例としては、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジ
メチルホルムアミド、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセト
アミド、2-ピロリドン、N-メチルピロリドン等が挙げられる。
グリコールエーテル系溶媒の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル
、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテ
ル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、プロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
本発明の変性エポキシ樹脂(A)の製造において、エポキシ樹脂(I)とエステル系化
合物(II)との反応は使用する触媒が分解しない程度の反応温度で実施される。反応温
度が高すぎると触媒が分解して反応が停止したり、生成する変性エポキシ樹脂が劣化した
りするおそれがある。逆に温度が低すぎると十分に反応が進まないことがある。これらの
理由から反応温度は、好ましくは50~200℃、より好ましくは100~180℃、さ
らに好ましくは120℃~160℃である。また、反応時間は通常1~12時間、好まし
くは3~10時間である。アセトンやメチルエチルケトンのような低沸点溶媒を使用する
場合には、オートクレーブを使用して高圧下で反応を行うことで反応温度を確保すること
ができる。
[活性エステル化合物(B)]
本発明のエポキシ樹脂組成物は、活性エステル化合物(B)を含有する。本発明のエポ
キシ樹脂組成物に含まれる活性エステル化合物(B)(以下、「本発明の活性エステル化
合物」と称することがある)は、本発明の変性エポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応及
び/または鎖長延長反応に寄与するものであり、硬化剤としての機能を有するものである
。なお、本発明においては、通常、「硬化促進剤」と呼ばれるものであってもエポキシ樹
脂のエポキシ基間の架橋反応及び/または鎖長延長反応に寄与する物質であれば、硬化剤
とみなすこととする。活性エステル化合物は、本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化してな
る硬化物の低吸水性、低誘電特性を向上させることが可能となる。
活性エステル化合物(B)としては、フェノールエステル類、チオフェノールエステル
類、N-ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活
性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく、中でも、カルボン酸
化合物とフェノール性水酸基を有する芳香族化合物とを反応させたフェノールエステル類
がより好ましい。カルボン酸化合物としては、具体的には、安息香酸、酢酸、コハク酸、
マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が
挙げられる。フェノール性水酸基を有する芳香族化合物としては、カテコール、1,5-
ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフ
タレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキ
シベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフ
ェノール、フェノールノボラック等が挙げられる。
この中でも、ジシクロペンタジエニルジフェノール構造を含む活性エステル化合物、ナ
フタレン構造を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのアセチル化物である活
性エステル型化合物、フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル化合物
が好ましく、ジシクロペンタジエニルジフェノール構造を含む活性エステル化合物、ナフ
タレン構造を含む活性エステル化合物がより好ましく、ジシクロペンタジエニルジフェノ
ール構造を含む活性エステル化合物が更に好ましい。活性エステル化合物としては、特開
2004-277460号公報に開示されている活性エステル型硬化剤を用いてもよく、
また市販のものを用いることもできる。具体的には、ジシクロペンタジエニルジフェノー
ル構造を含む活性エステル型硬化剤としてEXB9451EXB9460、EXB946
0S-5T、HPC-8000-65T(DIC(株)製、活性基当量約223) 、ナ
フタレン構造を含む活性エステル型硬化剤としてEXB9416-70BK(DIC(株
) 製、活性基当量約274)等が挙げられる。
また、活性エステル化合物(B)としては、二価フェノール成分と、芳香族ジカルボン
酸成分、さらに、必要に応じて末端封止剤を用いて得られるポリアリレート樹脂を用いる
ことが好ましい。
市販のポリアリレートとしては、たとえば、ポリ4,4’-イソプロピリデンジフェニ
レンテレフタレート/イソフタレートコポリマー(ユニチカ製、製品名Uポリマー)、ユニ
ファイナーシリーズなど(ユニチカ製、たとえば、M―2000H、M-2040など)が
挙げられる。
以上に挙げた活性エステル化合物は1種のみでも、2種以上を任意の組み合わせ及び比
率で混合して用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、活性エステル化合物(B)の活性当量としては
、誘電特性を向上させる観点から500g/当量以下が好ましく、300g/当量以下が
好ましく、250g/当量以下が最も好ましい。また、耐熱性を向上させる観点から、1
50g/当量以上が好ましく、180g/当量以上がさらに好ましく、200g/当量以
上が最も好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、活性エステル化合物(B)は、変性エポキシ樹
脂(A)100質量部に対して、3~100質量部含むことが好ましい。より好ましくは
5~80質量部であり、更に好ましくは7~60質量部である。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物において、本発明の変性エポキシ樹脂のエポキシ基
1モルに対して、活性エステル化合物のエステル基が10~150モル%となるように、
活性エステル化合物を含むことが好ましい。より好ましくは、20~120モル%であり
、更により好ましくは、30~100モル%である。
[カルボジイミド化合物(C)]
本発明のエポキシ樹脂組成物は、カルボジイミド化合物(C)を含むことを特徴とする
。カルボジイミド化合物(C)を含有することで、エポキシ樹脂組成物のゲルタイムを制
御することができ、またそのエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物の低誘電特性
を維持しつつ、耐熱性を向上することができる。
カルボジイミド化合物(C)は、市販品を使用してもよい。市販のカルボジイミド化合
物としては、例えば、日清紡ケミカル(株)製の脂肪族カルボジイミドであるV-02B
、V-03、V-04K、V-07及びV-09 、芳香族カルボジイミドである10M
-SPI、10M-SP、ラインケミー社製の芳香族カルボジイミドであるスタバクゾー
ルI、ILF、P、P100、P400、帝人(株)製の環状カルボジイミドであるカル
ボジスタなどが挙げられる。
本発明で用いられるカルボジイミド化合物は、反応性、硬化性を良好に保つ観点から芳
香族カルボジイミド化合物が特に好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、カルボジイミド化合物の活性当量としては、誘
電特性を向上させる観点から1000g/当量以下が好ましく、500g/当量以下がさ
らに好ましく、300g/当量以下が最も好ましい。また、耐熱性を向上させる観点から
、150g/当量以上が好ましく、180g/当量以上がさらに好ましく、200g/当
量以上が最も好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、カルボジイミド化合物は、変性エポキシ樹脂1
00質量部に対して、3~100質量部含むことが好ましい。より好ましくは5~60質
量部であり、更に好ましくは7~30質量部である。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物において、本発明の変性エポキシ樹脂のエポキシ基
1モルに対して、カルボジイミド化合物のカルボジイミド基が10~150モル%となる
ように、カルボジイミド化合物を含むことが好ましい。より好ましくは、20~120モ
ル%であり、更により好ましくは、30~100モル%である。
[その他のエポキシ樹脂]
本発明のエポキシ樹脂組成物には、上記以外の成分以外に、効果を阻害しない範囲で、
本発明の変性エポキシ樹脂以外のその他のエポキシ樹脂を含んでいてもよい。種類として
は、特に限定されないが、ビスフェノールA 型エポキシ樹脂、ビスフェノールF 型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールS 型エポキシ樹脂、ビスフェノールA F 型エポキシ樹脂、
フェノールノボラック型エポキシ樹脂、t e r t -ブチル-カテコール型エポキシ樹脂
、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキ
シ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹
脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹
脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型
エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂等が挙げられる
。また、エポキシ樹脂として、高分子エポキシ樹脂やフェノキシ樹脂を含有していてもよ
く、高分子エポキシ樹脂の例としては、例えば、1256、YX8100BH30、YX
6954BH30、YX6900BH45、YX7553BH30、YX7482BH3
0、YX7200B35、YX7800BH40、YX7891T30(いずれも三菱ケ
ミカル製)などが挙げられる。これらは1 種又は2 種以上組み合わせて使用してもよい
[その他硬化促進剤]
本発明のエポキシ樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、反応を促進する
上で、活性エステル化合物以外のその他の硬化促進剤を含むことが好ましい。その他硬化
促進剤としては、特に制限はなく一般的に硬化剤として知られているものはすべて使用で
きるが、耐熱性を高める観点から好ましいものとして、第3級アミン、フェノール系硬化
促進剤、アミド系硬化促進剤、イミダゾール類等などが挙げられ、これらの中でも、第3
級アミン、イミダゾール類がより好ましい。
第3級アミンの具体例としては、トリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリ
-n-ブチルアミン、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン、ピリジン、4、
4’-(ジメチルアミノ)ピリジン等が挙げられる。
フェノール系硬化促進剤を用いることが、得られるエポキシ樹脂組成物の取り扱い性と
、硬化後の耐熱性を向上させる観点から好ましい。フェノール系硬化促進剤の具体例とし
ては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン
、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4-ビス(4-ヒドロキシフェノキ
シ)ベンゼン、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ジヒド
ロキシジフェニルスルフィド、4,4’-ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’-ジ
ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、2,2’-ジヒド
ロキシビフェニル、10-(2,5-ジヒドロキシフェニル)-10H-9-オキサ-1
0-ホスファフェナンスレン-10-オキサイド、フェノールノボラック、ビスフェノー
ルAノボラック、o-クレゾールノボラック、m-クレゾールノボラック、p-クレゾー
ルノボラック、キシレノールノボラック、ポリ-p-ヒドロキシスチレン、ハイドロキノ
ン、レゾルシン、カテコール、t-ブチルカテコール、t-ブチルハイドロキノン、フル
オログリシノール、ピロガロール、t-ブチルピロガロール、アリル化ピロガロール、ポ
リアリル化ピロガロール、1,2,4-ベンゼントリオール、2,3,4-トリヒドロキ
シベンゾフェノン、1,2-ジヒドロキシナフタレン、1,3-ジヒドロキシナフタレン
、1,4-ジヒドロキシナフタレン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒド
ロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、1,8-ジヒドロキシナフタレン
、2,3-ジヒドロキシナフタレン、2,4-ジヒドロキシナフタレン、2,5-ジヒド
ロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン
、2,8-ジヒドロキシナフタレン、上記ジヒドロキシナフタレンのアリル化物またはポ
リアリル化物、アリル化ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールF、アリル化フェノ
ールノボラック、アリル化ピロガロール等が例示される。
以上で挙げたフェノール系硬化促進剤は1種のみで用いても、2種以上を任意の組み合
わせ及び比率で混合して用いてもよい。
アミド系硬化促進剤を用いることは、得られるエポキシ樹脂組成物の耐熱性の向上の観
点から好ましい。アミド系硬化剤としてはジシアンジアミド及びその誘導体、ポリアミド
樹脂等が挙げられる。
イミダゾール類を用いることは、硬化反応を十分に進行させ、耐熱性を向上させる観点
から好ましい。イミダゾール類としては、2-フェニルイミダゾール、2-エチル-4(
5)-メチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2
-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-
2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノ-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチ
ル-2-ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミ
ダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1
’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチ
ルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’
-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加体、2
-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメ
チルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、及
びエポキシ樹脂と上記イミダゾール類との付加体等が例示される。
以上に挙げたイミダゾール類は1種のみでも、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で
混合して用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いることのできる上記以外のその他の硬化剤としては
、例えば、酸無水物系硬化剤、第3級アミン、有機ホスフィン類、ホスホニウム塩、テト
ラフェニルボロン塩、有機酸ジヒドラジド、ハロゲン化ホウ素アミン錯体、ポリメルカプ
タン系硬化剤、シアネート系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート
系硬化剤、イミド系硬化剤等が挙げられる。以上で挙げたその他の硬化剤は、1種のみで
用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
[溶剤]
本発明の変性エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物には、塗膜形成時の取り扱い時に
、エポキシ樹脂組成物の粘度を適度に調整するために溶剤を配合し、希釈してもよい。本
発明のエポキシ樹脂組成物において、溶剤は、エポキシ樹脂組成物の成形における取り扱
い性、作業性を確保するために用いられ、その使用量には特に制限がない。なお、本発明
においては「溶剤」という語と前述の「溶媒」という語をその使用形態により区別して用
いるが、それぞれ独立して同種のものを用いても異なるものを用いてもよい。
本発明の変性エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物が含み得る溶剤としては、例えば
アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル等の
エーテル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチ
ル-2-ピロリドン等のアミド類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ヘキサン
、シクロヘキサン等のアルカン類、トルエン、キシレン等の芳香族類、ジメチルスルホキ
シド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。以上に挙げた溶剤は、1種のみで用いて
もよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
[その他の成分]
本発明の変性エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物には、その機能性の更なる向上を
目的として、以上で挙げたもの以外の成分(本発明において「その他の成分」と称するこ
とがある。)を含んでいてもよい。このようなその他の成分としては、エポキシ樹脂を除
く熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂、硬化促進剤(ただし、「硬化剤」に含まれるものを除く
。)、紫外線防止剤、酸化防止剤、カップリング剤、可塑剤、フラックス、難燃剤、着色
剤、分散剤、乳化剤、低弾性化剤、希釈剤、消泡剤、イオントラップ剤、無機フィラー、
有機フィラー等が挙げられる。
〔硬化物〕
本発明の変性エポキシ樹脂を硬化剤により硬化してなる硬化物は、耐熱性と低誘電特性
のバランスに優れ、良好な硬化物性を示すものである。ここでいう「硬化」とは熱及び/
または光等によりエポキシ樹脂組成物を意図的に硬化させることを意味するものであり、
その硬化の程度は所望の物性、用途により制御すればよい。進行の程度は完全硬化であっ
ても、半硬化の状態であってもよく、特に制限されないが、エポキシ基と硬化剤の硬化反
応の反応率として通常5~95%である。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させて硬化物とする際のエポキシ樹脂組成物の硬化
方法は、エポキシ樹脂組成物中の配合成分や配合量によっても異なるが、通常、80~2
80℃で60~360分の加熱条件が挙げられる。この加熱は80~160℃で10~9
0分の一次加熱と、120~200℃で60~150分の二次加熱との二段処理を行うこ
とが好ましく、また、ガラス転移温度(Tg)が二次加熱の温度を超える配合系において
は更に150~280℃で60~120分の三次加熱を行うことが好ましい。このように
二次加熱、三次加熱を行うことは硬化不良や溶剤の残留を低減する観点から好ましい。
樹脂半硬化物を作製する際には、加熱等により形状が保てる程度にエポキシ樹脂組成物
の硬化反応を進行させることが好ましい。エポキシ樹脂組成物が溶剤を含んでいる場合に
は、通常、加熱、減圧、風乾等の手法で大部分の溶剤を除去するが、樹脂半硬化物中に5
重量%以下の溶剤を残留させてもよい。
〔用途〕
本発明の変性エポキシ樹脂は、製膜性に優れ、またこれを含むエポキシ樹脂組成物は、
耐熱性と低誘電特性に優れ、さらに低吸水性、難燃性、ピール強度に優れた硬化物を与え
るという効果を奏する。このため、接着剤、塗料、土木建築用材料、電気・電子部品の絶
縁材料等、様々な分野に適用可能であり、特に、電気・電子分野における絶縁注型、積層
材料、封止材料等として有用である。本発明の変性エポキシ樹脂及びそれを含むエポキシ
樹脂組成物の用途の一例としては、多層プリント配線基板、キャパシタ等の電気・電子回
路用積層板、フィルム状接着剤、液状接着剤等の接着剤、半導体封止材料、アンダーフィ
ル材料、3D-LSI用インターチップフィル、絶縁シート、プリプレグ、放熱基板等が
挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
〔電気・電子回路用積層板〕
本発明のエポキシ樹脂組成物は前述したように電気・電子回路用積層板の用途に好適に
用いることができる。本発明において「電気・電子回路用積層板」とは、本発明のエポキ
シ樹脂組成物を含む層と導電性金属層とを積層したものであり、本発明のエポキシ樹脂組
成物を含む層と導電性金属層とを積層したものであれば、電気・電子回路ではなくとも、
例えばキャパシタも含む概念として用いられる。なお、電気・電子回路用積層板中には2
種以上のエポキシ樹脂組成物からなる層が形成されていてもよく、少なくとも1つの層に
おいて本発明のエポキシ樹脂組成物が用いられていればよい。また、2種以上の導電性金
属層が形成されていてもよい。
電気・電子回路用積層板におけるエポキシ樹脂組成物からなる層の厚みは通常10~2
00μm程度である。また、導電性金属層の厚みは通常0.2~70μm程度である。
[導電性金属]
電気・電子回路用積層板における導電性金属としては、銅、アルミニウム等の金属や、
これらの金属を含む合金が挙げられる。本発明において電気・電子回路用積層板の導電性
金属層においては、これらの金属の金属箔、あるいはメッキやスパッタリングで形成され
た金属層を用いることができる。
[電気・電子回路用積層板の製造方法]
本発明における電気・電子回路用積層板の製造方法としては、例えば次のような方法が
挙げられる。
(1) ガラス繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、セルロース、ナノファイバーセ
ルロース等の無機及び/または有機の繊維材料を用いた不織布やクロス等に、本発明のエ
ポキシ樹脂組成物を含浸させてプリプレグとし、導電性金属箔及び/またはメッキにより
導電性金属層を設けた後、フォトレジスト等を用いて回路を形成し、こうした層を必要数
重ねて積層板とする。
(2) 上記(1)のプリプレグを心材とし、その上(片面または両面)に、エポキシ樹
脂組成物からなる層と導電性金属層を積層する(ビルドアップ法)。このエポキシ樹脂組
成物からなる層は有機及び/または無機のフィラーを含んでいてもよい。
(3) 心材を用いず、エポキシ樹脂組成物からなる層と導電性金属層のみを交互に積層
して電気・電子回路用積層板とする。
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によ
り何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例における各種の製造条件や評価結果
の値は、本発明の実施態様における上限または下限の好ましい値としての意味をもつもの
であり、好ましい範囲は前記した上限または下限の値と、下記実施例の値または実施例同
士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
〔物性・特性の評価方法〕
以下の実施例及び比較例において、物性、特性の評価は以下の1)~9)に記載の方法
で行った。
1)重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)
東ソー(株)製「HLC-8320GPC装置」を使用し、以下の測定条件で、標準ポ
リスチレンとして、TSK Standard Polystyrene:F-128(
Mw:1,090,000、Mn:1,030,000)、F-10(Mw:106,0
00、Mn:103,000)、F-4(Mw:43,000、Mn:42,700)、
F-2(Mw:17,200、Mn:16,900)、A-5000(Mw:6,400
、Mn:6,100)、A-2500(Mw:2,800、Mn:2,700)、A-3
00(Mw:453、Mn:387)を使用した検量線を作成して、重量平均分子量(M
w)および数平均分子量(Mn)をポリスチレン換算値として測定した。
カラム:東ソー(株)製「TSKGEL SuperHM-H+H5000+H400
0+H3000+H2000」
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.5ml/min
検出:UV(波長254nm)
温度:40℃
試料濃度:0.1重量%
インジェクション量:10μl
2)エポキシ当量
JIS K7236に準じて測定し、溶液の場合は固形分換算値として表記した。
3)ゲルタイム(ポットライフ)
171℃に設定したゲルタイムテスターに、樹脂溶液を数滴流し入れ、同時にストップ
ウォッチを作動させた。竹串を用いて1回/秒の速度で攪拌し、硬化が進み、粘度が高く
なってきたら5秒毎に竹串の先端を2~3cmち上げ、樹脂が硬化し、糸を引かなくなる
までの時間を読み取り、ゲルタイム(ポッドライフ)とした。
ゲルタイムの判定基準は次の通りとした。
61秒未満 もしくは 600秒以上 : 判定×
61秒以上~120秒未満 もしくは 420秒以上~600秒未満 : 判定△
120秒以上~420秒未満 : 判定〇
4)硬化物の耐熱性:ガラス転移温度(Tg、DMS)
DMS 6100(日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、1GHz、30~280℃
(昇温速度5℃/min)の条件で測定した。その結果、弾性率のtanδ(E’’/E
’)の最大値をガラス転移温度とした。
5)誘電特性
エポキシ樹脂硬化物のフィルムまたは作製した積層板を、幅2mm、長さ80mmの試
験片に切断し、該試験片について、ネットワークアナライザーを用いて、空洞共振摂動法
により測定周波数(1GHzと10GHz)での誘電特性(誘電率:Dk、誘電正接:D
f)を測定した。
以下、使用装置と測定環境の詳細を示す。なお、誘電特性の算出には、空洞共振器の製
造元が提供する専用の計測ソフトウェアを用いた。
[使用装置]
ネットワークアナライザー Agilent Tecnologies社製 E836
1A、
空洞共振器 CP215(1GHz)、CP184(10GHz) 関東電子応用開発
社製
[測定環境]
温度23℃、相対湿度50%RH
6)接着強度
エポキシ樹脂組成物を銅箔(Rz=3.0μm)上に厚さ20μmとなるように塗工し
た後、塗工面に銅箔を上から重ね合わせ、更に2枚のSUS金属板で銅箔を挟んだ。2枚
のSUS金属板で挟んだ状態で160℃×0.2MPa×90分、200℃×0.2MP
a×90分の条件で加熱圧着処理をして、接着評価用銅箔シートを得た。この評価シート
を幅1cm、長さ20cmに裁断し、23℃、相対湿度50%の雰囲気下で、引張試験機
インストロンを用い、引張速度50mm/minで180℃剥離試験を行い、その中心値
を接着強度(N/cm)とした。
〔原料等〕
以下の実施例・比較例において用いた原料、触媒、溶媒及び溶剤は以下の通りである。
[変性エポキシ樹脂(A)]
(A-1)
特開2020-11735に記載の製造方法に従って製造した変性エポキシ樹脂を使用
した。すなわち、エポキシ樹脂として、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エ
ポキシ当量:197g/当量、Mn:416、1分子中の平均エポキシ基数:2.1個)、
100重量部、エステル化合物として、安息香酸-2-ナフチル(活性当量:248g/
当量)44.5重量部、4,4’-ジメチルアミノピリジン、0.0400重量部、トル
エン、16.1重量部を撹拌機付き反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下で、130℃、6
時間反応させた(エポキシ基/エステル基の反応モル比は、2.8)。その後、トルエン
、45.9重量部にて希釈し、目的の変性エポキシ樹脂溶液を得た。変性エポキシ樹脂(
固形分)のエポキシ当量は441g/当量、重量平均分子量は2040、樹脂含量は69
.7%であった。
(A-2)
エステル化合物として、2-ヒドロキシ安息香酸フェニル(活性当量:214g/当量
)を用いた以外は(A-1)と同様に行い、目的の変性エポキシ樹脂溶液を得た。変性エ
ポキシ樹脂(固形分)のエポキシ当量は400g/当量、重量平均分子量は1600、樹脂
含量は70.1%であった。
(A-3)
エステル化合物として、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸フェニル(活性当量:264
g/当量)を用いた以外は(A-1)と同様に行い、目的の変性エポキシ樹脂溶液を得た
。変性エポキシ樹脂(固形分)のエポキシ当量は447g/当量、重量平均分子量は181
0、樹脂含量は69.9%であった。
(A-4)
エステル化合物として、安息香酸メチル(活性当量:136g/当量)を用いた以外は
(A-1)と同様に行い、目的の変性エポキシ樹脂溶液を得た。変性エポキシ樹脂(固形
分)のエポキシ当量は250g/当量、重量平均分子量は1540、樹脂含量は70.0
%であった。
[活性エステル化合物(B)]
(B-1):市販のポリアリレート樹脂(ビスフェノール骨格を有するポリアリレート、
活性当量:220g/当量)
[カルボジイミド化合物(C)]
(C-1):芳香族カルボジイミド化合物(カルボジライド10M-SPI、日清紡ケミ
カル株式会社製:活性当量205g/当量)
(C-2):芳香族カルボジイミド化合物(スタバグゾールILF、ラインケミー社製)
(C-3):芳香族カルボジイミド化合物(スタバグゾールP100、ラインケミー社製
[その他エポキシ樹脂(D)]
(D-1):フィルム化剤となる他のエポキシ樹脂として高分子エポキシ樹脂(三菱ケミ
カル製、商品名「YL7891T30」、Mn:10,000、Mw:30,000、エ
ポキシ当量:6,000g/当量、樹脂含量:30質量%)を用いた。
[硬化促進剤(触媒)(E)]
(E-1):4,4’-ジメチルアミノピリジン
(E-2):2-メチル-4-エチルイミダゾール
〔エポキシ樹脂組成物の作製とゲルタイム(ポットライフ)評価〕
<実施例1-1~1-6、比較例1-1~1-2>
市販のポリアリレート樹脂(B-1)を樹脂含量55質量%となるようにメチルエチル
ケトンへ溶解した。また、芳香族カルボジイミド化合物(C-1~C-3)を樹脂含量4
0質量%となるようにそれぞれトルエンへ溶解し、さらに、4,4’-ジメチルアミノピ
リジン(E-1)を含量5質量%となるようにトルエンへ溶解した。各樹脂溶液を表-1
に記載する固形分となるように調製、混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポ
キシ樹脂組成物について、前述の方法でゲルタイムを測定した。測定結果を表-1及び表
-2に示す。
Figure 2022142755000007
Figure 2022142755000008
〔エポキシ樹脂組成物/硬化物の製造と評価〕
<実施例2-1~2-10、比較例2-1~2-2>
市販のポリアリレート樹脂(B-1)を樹脂含量40質量%となるようにシクロヘキサ
ノンへ溶解した。また、芳香族カルボジイミド化合物(C-1~C-3)を樹脂含量40
質量%となるようにそれぞれトルエンへ溶解し、4,4’-ジメチルアミノピリジン(E
-1)を含量5質量%となるようにトルエンへ溶解し、2-メチル-4-エチルイミダゾ
ール(E-2)を含量20質量%となるようにメチルエチルケトンへ溶解した。各樹脂溶
液を表-3に記載する固形分となるように調製、混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。得
られたエポキシ樹脂組成物の溶液を離形PETフィルム(シリコーン処理したポリエチレ
ンテレフタレートフィルム)に300μm厚、幅5cmのアプリケーターで塗布し、16
0℃で1.5時間、その後200℃で1.5時間乾燥させ、エポキシ樹脂硬化物のフィルム
を得た。これらについて、前述の手法に従って耐熱性、誘電特性を評価した。結果を併せ
て表-3及び表-4に示す。
Figure 2022142755000009
Figure 2022142755000010
〔エポキシ樹脂組成物/接着評価用銅箔シートの製造と評価〕
<実施例3-1、比較例3-1>
市販のポリアリレート樹脂(B-1)を樹脂含量55質量%となるようにメチルエチル
ケトンへ溶解した。また、芳香族カルボジイミド化合物(C-1)を樹脂含量40質量%
となるようにトルエンへ溶解し、4,4’-ジメチルアミノピリジン(E-1)を含量5
質量%となるようにトルエンへ溶解した。各樹脂溶液を表-5に記載する固形分となるよ
うに調製、混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物を用いて、
前述の手法に従って接着評価用銅箔シートを作製し、接着強度を評価した。結果を表-5
に示す。
Figure 2022142755000011
表-1及び表-2の結果より、本発明のエポキシ樹脂組成物は、ゲルタイム(ポットラ
イフ)が適切な範囲に制御可能であることがわかる。
表-3及び表-4の結果より、本発明のエポキシ樹脂組成物からなるエポキシ樹脂硬化
物は、高耐熱性と低誘電特性に優れることがわかる。
表-5の結果より、本発明のエポキシ樹脂組成物からなるエポキシ樹脂硬化物は、接着
性に優れることがわかる。
本発明によれば、適切なポットライフを有しつつ、耐熱性と低誘電特性に優れた、エポ
キシ樹脂組成物及びその硬化物並びに該エポキシ樹脂組成物からなる電気・電子回路用積
層板を提供することができる。このため、本発明のエポキシ樹脂組成物及びその硬化物は
、接着剤、塗料、土木建築用材料、電気・電子部品の絶縁材料等、様々な分野に適用可能
であり、特に、電気・電子分野における絶縁注型、積層材料、封止材料等として有用であ
る。
本発明の変性エポキシ樹脂及びそれを含むエポキシ樹脂組成物の用途の一例としては、
多層プリント配線基板、キャパシタ等の電気・電子回路用積層板、フィルム状接着剤、液
状接着剤等の接着剤、半導体封止材料、アンダーフィル材料、3D-LSI用インターチ
ップフィル、絶縁シート、プリプレグ、放熱基板等が挙げられるが、何らこれらに限定さ
れるものではない。

Claims (8)

  1. 1分子中に平均2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(I)と、1分子中に1個
    のエステル構造を有する、下記式(1)で表されるエステル化合物(II)とを反応させ
    て得られる変性エポキシ樹脂(A)、活性エステル化合物(B)及びカルボジイミド化合
    物(C)を含有する、エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2022142755000012
    (式(1)中、Rは置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよ
    いアリール基であり、Rは置換基を有していてもよいアリール基であり、該置換基はハ
    ロゲン原子、炭素数1~12のアルキル基、炭素数1~12のアルコキシ基及び炭素数6
    ~12のアリール基よりなる群より選ばれる基である。)
  2. 前記変性エポキシ樹脂の前記エポキシ樹脂(I)と前記エステル化合物(II)の反応
    当量比が、該エポキシ樹脂(I)のエポキシ基のモル数と該エステル化合物(II)のエ
    ステル基のモル数との比で1.6~6.0である、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物
  3. 前記式(1)におけるR,Rが各々独立に、置換基を有していてもよいフェニル基
    または置換基を有していてもよいナフチル基である、請求項1又は2に記載のエポキシ樹
    脂組成物。
  4. 前記変性エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量が300~1000g/当量である、請求
    項1~3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記変性エポキシ樹脂(A)のエポキシ基1モルに対して、活性エステル化合物(B)
    のエステル基が10~150モル%、カルボジイミド化合物(C)のカルボジイミド基が
    10~150モル%である、請求項1~4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 前記カルボジイミド化合物(C)が芳香族カルボジイミドである請求項1~5のいずれ
    かに記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
  8. 請求項1~6のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を用いてなる電気・電子回路
    用積層板。
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