JP2022139998A - インクジェット記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】非吸収性支持体の両面にインク受容層を有し、高光沢で高い印字濃度が得られ、かつ高温低湿環境下におけるプリンター搬送性に優れたインクジェット記録材料を提供する。【解決手段】非吸収性支持体の両面に平均二次粒子径が500nm以下のシリカ微粒子を主体に含有するインク受容層を有するインクジェット記録材料であって、前記したそれぞれのインク受容層がポリグリセロール、ポリオキシエチレンジグリセリルエーテル、トリメチロールプロパンから選択される化合物を少なくとも1種含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、非吸収性支持体の両面にインク受容層を有し、高光沢で高い印字濃度が得られ、かつ高温低湿環境下におけるプリンター搬送性に優れたインクジェット記録材料に関する。
インクジェット記録方式に使用される記録材料として、一般に用いられている紙支持体や、樹脂フィルムやポリオレフィン樹脂被覆紙に代表される非吸収性支持体上に、非晶質シリカ等の顔料とポリビニルアルコール等の水溶性バインダーを含有する多孔質のインク受容層を有する記録材料が知られており、特に平均二次粒子径を500nm以下まで粉砕・分散した気相法シリカや湿式法シリカ等のシリカ微粒子をインク受容層の顔料成分として用い、フォトライクな光沢を有するインクジェット記録材料が知られている。
近年、ハガキやカレンダーなどのカード用途やフォトアルバム、フォトブック用途等において、両面に印字可能なインクジェット記録材料が用いられてきている。一般に両面印字が可能なインクジェット記録材料を使用して両面印字する場合、片面を印字した後もう一方の印字面に印字するが、最初の片面への印字によりインクジェット記録材料のカールバランスが崩れ、もう一方の印字面に印字する際、印字ヘッドによる擦れや搬送不良といったプリンター搬送性に関する障害が発生しやすくなる。このためカールの発生が抑制され、両面印字する際のプリンター搬送性に優れたインクジェット記録材料が求められていた。
インクジェット記録材料のプリンター搬送性を改善する方法としては、例えば特開2011-88317号公報(特許文献1)には、カールの発生したインクジェット記録材料へ両面印刷をする際に、相対湿度60%以上では凸面を最初に印字し、相対湿度60%未満では凹面を最初に印字することにより、片面印字後のカールを軽減し、反対面印字時の搬送不良や記録ヘッドとの接触を抑制しプリンター搬送性を向上させたインクジェット記録方法が記載されている。しかしながら印字前のインクジェット記録材料のカール方向を判別することが煩雑であること、最初の印字時にはカールしたインクジェット記録材料へ印字を行うため、搬送不良や記録ヘッドとの接触といったプリンター搬送性に関する障害が発生してしまうという課題があった。また、両面印字する際のプリンター搬送性に優れたインクジェット記録材料としては、例えば特開2015-174440号公報(特許文献2)には、非吸収性支持体の両面に、平均二次粒子径を500nm以下まで粉砕・分散した気相法シリカや湿式法シリカ等のシリカ微粒子を主体に含有する少なくとも2層のインク受容層をそれぞれ有し、支持体から最も離れたインク受容層にシラノール変性PVAを含有するインクジェット記録材料が開示されている。しかしながら、低温低湿環境下ではカールの発生が抑制され、両面印字する際のプリンター搬送性に関する障害は発生しないが、よりカールが発生しやすい高温低湿環境下では十分なプリンター搬送性が得られない場合があり、更なる改善が求められていた。
特開2011-88317号公報 特開2015-174440号公報
本発明の目的は、非吸収性支持体の両面にインク受容層を有し、高光沢で高い印字濃度が得られ、かつ高温低湿環境下におけるプリンター搬送性に優れたインクジェット記録材料を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成される。
非吸収性支持体の両面に平均二次粒子径が500nm以下のシリカ微粒子を主体に含有するインク受容層を有するインクジェット記録材料であって、前記したそれぞれのインク受容層がポリグリセロール、ポリオキシエチレンジグリセリルエーテル、トリメチロールプロパンから選択される化合物を少なくとも1種含有することを特徴とするインクジェット記録材料。
本発明によって、非吸収性支持体の両面にインク受容層を有し、高光沢で高い印字濃度が得られ、かつ高温低湿環境下におけるプリンター搬送性に優れたインクジェット記録材料を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録材料が含有する非吸収性支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、セロファン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の樹脂フィルム、あるいは基紙の両面をポリオレフィン樹脂に代表される樹脂で被覆した樹脂被覆紙等が例示される。これら非吸収性支持体の厚みは、取り扱い性の観点から50~300μmであることが好ましい。
本発明における高温低湿環境とは、温度30℃以上、湿度20%RH以下の環境を示す。温度が高くなることにより、上記した非吸収性支持体の剛度が低下し、低温低湿環境よりもカールが発生しやすくなるため、より安定したプリンター搬送性が求められる。
上記した非吸収性支持体はインク受容層を設ける面上に天然高分子化合物や合成樹脂を主体とする下引き層を有することが好ましい。該下引き層としては、例えばゼラチンを含有する下引き層が例示される。下引き層の塗布量としては特に制限はないが、固形分塗布量で0.005~2.0g/mの範囲が好ましく、0.01~1.0g/mの範囲がより好ましく、0.02~0.5g/mの範囲が特に好ましい。
本発明において上記した非吸収性支持体上のインク受容層は、平均二次粒子径が500nm以下のシリカ微粒子を主体に含有する。ここでシリカ微粒子を主体に含有するとは、インク受容層の全固形分に対して該シリカ微粒子を50質量%以上含有することを意味し、好ましくは60~96質量%である。これにより高光沢で高い印字濃度を有するインクジェット記録材料を得ることができる。インク受容層が含有する該シリカ微粒子としては、非晶質合成シリカが好ましい。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカ、及びその他に大別することができる。湿式法シリカは、更に製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカはケイ酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の工程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシール(登録商標)として市販されている。ゲル法シリカはケイ酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、東ソー・シリカ(株)からニップゲル(登録商標)として市販されている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学(株)からスノーテックス(登録商標)として市販されている。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からAEROSIL(登録商標)、(株)トクヤマからレオロシール(登録商標)として市販されている。
本発明のインクジェット記録材料が有するインク受容層には、気相法シリカが好ましく使用できる。インク受容層が含有する気相法シリカの平均一次粒子径は30nm以下が好ましく、平均一次粒子径が3~15nmでかつBET法による比表面積が200m/g以上のものがより好ましく、平均一次粒子径が3~10nmでかつBET法による比表面積が250~500m/gのものが特に好ましい。なお、本発明でいう平均一次粒子径とは、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径としてその平均値を求めたものである。また本発明でいうBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、すなわち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて表面積が得られる。
気相法シリカは、カチオン性化合物の存在下で分散したものが好ましく使用できる。本発明において気相法シリカの平均二次粒子径は500nm以下であり、より好ましくは10~300nmである。これにより光沢性に優れたインク受容層を得ることができる。平均二次粒子径が500nm以下の気相法シリカを得る方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。なお、本発明でいう平均二次粒子径とは、レーザー散乱式の粒度分布計(例えば(株)堀場製作所製LA920)を用いて、個数メジアン径として測定したものを指す。
本発明では、湿式法シリカも好ましく使用できる。インク受容層が含有する平均二次粒子径が500nm以下の湿式法シリカとしては、沈降法シリカあるいはゲル法シリカが好ましく、特に沈降法シリカが好ましい。本発明に用いられる湿式法シリカの平均一次粒子径は50nm以下であることが好ましく、より好ましくは3~40nmである。また、湿式法シリカの平均二次粒子径は、光沢性に優れたインク受容層を得る観点から、20~300nmであることがより好ましい。
湿式法シリカは、カチオン性化合物の存在下で分散・粉砕したものが好ましく使用できる。粉砕方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。本発明に用いられる湿式法シリカを粉砕する好ましい方法について説明する。まず、水を主体とする分散媒中に湿式法シリカ粒子とカチオン性化合物を混合し、のこぎり歯状ブレード型分散機、プロペラ羽根型分散機、またはローターステーター型分散機等の分散装置の少なくとも一つを用いてシリカ予備分散液を得る。必要であれば水分散媒中に適度の低沸点溶剤等を添加してもよい。シリカ予備分散液の固形分濃度は高い方が好ましいが、あまり高濃度になると分散不可能となるため、好ましい範囲としては15~40質量%、より好ましくは20~35質量%である。次に、シリカ予備分散液をより強い剪断力を持つ機械的手段にかけてシリカ粒子を粉砕することが好ましい。機械的手段としては公知の方法が採用でき、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機及び薄膜旋回型分散機等を使用することができる。
上記した気相法シリカ及び湿式法シリカの分散あるいは粉砕に使用するカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーを好ましく使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59-20696号公報、特開昭59-33176号公報、特開昭59-33177号公報、特開昭59-155088号公報、特開昭60-11389号公報、特開昭60-49990号公報、特開昭60-83882号公報、特開昭60-109894号公報、特開昭62-198493号公報、特開昭63-49478号公報、特開昭63-115780号公報、特開昭63-280681号公報、特開平1-40371号公報、特開平6-234268号公報、特開平7-125411号公報、特開平10-193776号公報等に記載された1~3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性及び分散液粘度の面で、これらのカチオン性ポリマーの質量平均分子量は2000~10万程度が好ましく、特に2000~3万程度が好ましい。
本発明において、上記したインク受容層は親水性バインダーを含有することが好ましい。かかる親水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸エステル系やそれらの誘導体が使用されるが、中でも完全ケン化または部分ケン化のポリビニルアルコールが好ましく、特にケン化度が80%以上のものが特に好ましい。また、ポリビニルアルコールの平均重合度は500~6000が好ましく、1000~5000がより好ましい。
上記したポリビニルアルコールとしては、一般的なポリビニルアルコールに加え、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール及びその他ポリビニルアルコールの誘導体も含まれる。ポリビニルアルコールは1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
インク受容層における親水性バインダーの含有量は、平均二次粒子径が500nm以下のシリカ微粒子に対して3~80質量%であることが好ましく、より好ましくは5~50質量%である。これによりインク吸収性に優れたインク受容層を得ることができる。
本発明においてインク受容層は、上記した親水性バインダーに加えて架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては、親水性バインダーの架橋剤として公知のものが使用できるが、親水性バインダーとしてポリビニルアルコールを使用する場合には、ほう酸またはほう酸塩が特に好ましい。また、ポリビニルアルコールが活性の高い変性基を含有する場合には、変性基に応じて公知の架橋剤を使用してもよい。架橋剤の添加量は親水性バインダーに対して0.1~40質量%が好ましく、より好ましくは0.5~30質量%である。
本発明においてインク受容層は、ポリグリセロール、ポリオキシエチレンジグリセリルエーテル、トリメチロールプロパンから選択される化合物を少なくとも1種含有する。これにより高温低湿環境下におけるプリンター搬送性を優れたものとし、高い光沢性と高い印字濃度を得ることができる。
本発明においてポリグリセロールとは、複数のグリセロールが重合した構造を有する化合物である。ポリグリセロールは、例えば、阪本薬品工業(株)より、重合度2のポリグリセロールを含むものとしてジグリセリンS、重合度4のポリグリセロールを含むものとしてポリグリセリン#310、重合度6のポリグリセロールを含むものとしてポリグリセリン#500、重合度10のポリグリセロールを含むものとしてポリグリセリン#750等が市販されている。また(株)ダイセルより、重合度3のポリグリセロールを含むものとしてポリグリセリン03P(PGL03P)、重合度6のポリグリセロールを含むものとしてポリグリセリン06(PGL06)、重合度10のポリグリセロールを含むものとしてポリグリセリン10PSW(PGL10PSW)等が市販されている。
本発明においてポリオキシエチレンジグリセリルエーテルとは、ジグリセロールにポリオキシエチレンが付加した構造を有する化合物であり、例えば、阪本薬品工業(株)より、平均分子量350のSC-E350、平均分子量750のSC-E750、平均分子量1000のSC-E1000等が市販されている。
本発明において、インク受容層はインクの吸収速度、及びインクの吸収容量を確保するために乾燥塗布量は16g/m以上が好ましく、特に18g/m以上が好ましい。上限は30g/m程度である。乾燥塗布量が30g/mを超えても印字した画像の印字濃度は向上しない場合がある。
本発明において、ポリグリセロール、ポリオキシエチレンジグリセリルエーテル、トリメチロールプロパンから選択される化合物は、インク受容層の乾燥塗布量に対し0.1質量%以上含有することが好ましく、0.3質量%以上含有することがより好ましい。上限は特にないが、得られる印字濃度の観点から1.0質量%以下の含有量であることが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
(実施例1)
<ポリオレフィン樹脂被覆紙の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1.0質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2.0質量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希釈して0.2質量%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量135g/mになるように抄造し、乾燥調湿してポリオレフィン樹脂被覆紙の基紙とした。抄造した基紙の厚みは130μmである。該基紙の両面に、密度0.918g/cmの低密度ポリエチレン100質量%の樹脂に対して、10質量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリオレフィン樹脂組成物を320℃で溶融し、厚さ15μmになるように押出コーティングし、クーリングロールを用いて押出被覆し、厚みが160μmのポリオレフィン樹脂被覆紙を得た。
上記のようにして得られたポリオレフィン樹脂被覆紙の表面(両面)に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下引き層をゼラチンが0.05g/mとなるようにそれぞれ塗布乾燥した。
<下引き層>
石灰処理ゼラチン 100質量部
スルフォコハク酸-2-エチルヘキシルエステル塩 2質量部
クロム明ばん 10質量部
上記のようにして作製したポリオレフィン樹脂被覆紙の各下引き層上に、下記組成のインク受容層塗布液1を、乾燥塗布量が23.0g/mになるようにスライドビードコーターで塗布し、10℃で20秒間冷却した後、30~55℃の加熱空気を吹き付けて乾燥し、実施例1のインクジェット記録材料1を得た。インク受容層中に含まれるジグリセロールは0.2質量%であった。
<気相法シリカ分散液の作製>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)4質量部と気相法シリカ(平均一次粒子径7nm、BET法による比表面積300m/g)100質量部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーにて30MPaの条件下で2回通過処理して、固形分濃度が20質量%の気相法シリカ分散液を作製した。該気相法シリカの平均二次粒子径は135nmであった。
<インク受容層塗布液1>
気相法シリカ分散液 (固形分として)104質量部
ほう酸 4質量部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23質量部
ジグリセリンS (ジグリセロールの量として)0.27質量部
(阪本薬品工業(株)製、ジグリセロール含有量95.4%)
塗布液の固形分濃度は水で13.3質量%に調整した。
(実施例2)
実施例1において、インク受容層塗布液1を下記インク受容層塗布液2に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2のインクジェット記録材料2を得た。インク受容層中に含まれるジグリセロールは0.4質量%であった。
<インク受容層塗布液2>
気相法シリカ分散液 (固形分として)104質量部
ほう酸 4質量部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23質量部
ジグリセリンS (ジグリセロールの量として)0.53質量部
(阪本薬品工業(株)製、ジグリセロール含有量95.4%)
塗布液の固形分濃度は水で13.3質量%に調整した。
(実施例3)
実施例1において、インク受容層塗布液1を下記インク受容層塗布液3に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例3のインクジェット記録材料3を得た。インク受容層中に含まれるジグリセロールは1.5質量%であった。
<インク受容層塗布液3>
気相法シリカ分散液 (固形分として)104質量部
ほう酸 4質量部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23質量部
ジグリセリンS (ジグリセロールの量として) 2質量部
(阪本薬品工業(株)製、ジグリセロール含有量95.4%)
塗布液の固形分濃度は水で13.3質量%に調整した。
(実施例4)
実施例1において、インク受容層塗布液1を下記インク受容層塗布液4に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例4のインクジェット記録材料4を得た。インク受容層中に含まれるポリオキシエチレンジグリセリルエーテルは0.4質量%であった。
<インク受容層塗布液4>
気相法シリカ分散液 (固形分として)104質量部
ほう酸 4質量部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23質量部
SC-E750 (阪本薬品工業(株)製) 0.53質量部
塗布液の固形分濃度は水で13.3質量%に調整した。
(実施例5)
実施例1において、インク受容層塗布液1を下記インク受容層塗布液5に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例5のインクジェット記録材料5を得た。インク受容層中に含まれるトリメチロールプロパンは0.4質量%であった。
<インク受容層塗布液5>
気相法シリカ分散液 (固形分として)104質量部
ほう酸 4質量部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23質量部
トリメチロールプロパン 0.53質量部
塗布液の固形分濃度は水で13.3質量%に調整した。
(比較例1)
実施例1において、インク受容層塗布液1を下記インク受容層塗布液6に変更した以外は実施例1と同様にして、比較例1のインクジェット記録材料6を得た。
<インク受容層塗布液6>
気相法シリカ分散液 (固形分として)104質量部
ほう酸 4質量部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23質量部
塗布液の固形分濃度は水で13.3質量%に調整した。
上記のようにして得られた各インクジェット記録材料1~6をA4サイズに裁断し、以下の評価を行った。
<光沢性>
両表面の75度鏡面光沢度を精密光沢計((株)村上色彩技術研究所製GM-26D)で測定し、下記の基準に従い評価した。この結果を表1に示す。
○:75度鏡面光沢度(両表面の平均値)が60以上であり、表面に高い光沢性を有する。
×:75度鏡面光沢度(両表面の平均値)が60未満であり、表面の光沢性が低い。
<印字濃度>
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、EP-882A)を用いて黒インクで印字した画像を両面にプリント後、印字濃度をポータブル分光光度計(GretagSpectrolino製i1-Pro)で測定し、下記の基準に従い評価した。この結果を表1に示す。
○:黒の印字濃度が2.30以上。
△:黒の印字濃度が2.25以上2.30未満。
×:黒の印字濃度が2.25未満。
<プリンター搬送性>
35℃15%RH環境下において2時間のシーズニングを行った後、同環境下において、市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、EP-882A)を用いて、四辺フチなしモードにて一方の全面に黒インクで印字後、すぐに裏返してプリンターにセットし反対面の印刷を行った。反対面は四辺フチなしモードにて、四隅に1mm角の黒ベタを印刷した。反対面を印字する際に、カールの程度によってヘッド擦れが発生してインクジェット記録材料のエッジ部が汚れるため、ヘッド擦れの状況及びエッジ部の汚れを観察し下記の基準に従い評価した。この結果を表1に示す。
○:ヘッド擦れは発生せず、エッジ汚れもない。搬送性良好。
△:僅かにヘッド擦れが発生し、エッジ部に汚れが確認できるが、実用上は問題ないレベル。搬送性可。
×:ヘッド擦れが発生し、エッジ部に顕著な汚れが確認できる。搬送性不可。
Figure 2022139998000001
上記の結果より本発明の効果が判る。

Claims (1)

  1. 非吸収性支持体の両面に平均二次粒子径が500nm以下のシリカ微粒子を主体に含有するインク受容層を有するインクジェット記録材料であって、前記したそれぞれのインク受容層がポリグリセロール、ポリオキシエチレンジグリセリルエーテル、トリメチロールプロパンから選択される化合物を少なくとも1種含有することを特徴とするインクジェット記録材料。
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