JP2022139257A - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率的にコギングトルクを低減すると共に、界磁磁石の温度変化によるコギングトルクのばらつきを低減する。【解決手段】回転電機91のステータコア30aは、バックヨーク31を備えると共に、バックヨーク31からロータ20に向けて径方向Rに突出するティース34が複数本、周方向Cに並設されている。各ティース34におけるロータ20側の端面であるティース先端面34eには、径方向Rの深さが所定の深さの、軸線方向に延びる深溝37が少なくとも2本、周方向Cに並設されている。そして、各ティース先端面34eにおける、最も第1周方向C1側の深溝37よりも第1周方向C1側と、最も第2周方向C2側の深溝37よりも第2周方向C2側とに、それぞれ、径方向Rへの深さが深溝38の径方向Rへの深さよりも浅い、軸線方向に延びる浅溝38が設けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、界磁磁石を備えるロータと、ステータコア及びコイルを備えるステータと、を有する回転電機に関する。
回転電機の中には、次のように構成されたものがある。すなわち、ステータコアは、バックヨークを備えると共に、バックヨークからロータに向けて径方向に突出するティースが複数本、周方向に並設されている。それらのティースに、コイルが巻回されている。各ティースにおけるロータ側の端面であるティース先端面には、コギングトルクを低減するための、軸線方向に延びる補助溝が複数本、周方向に並設されている。そして、このような技術を示す文献としては、次の特許文献1がある。
特開平10-42531号公報
上記の技術によれば、補助溝を設けることにより、補助溝を設けない場合に比べてコギングトルクを低減できる。しかしながら、より効率的にコギングトルクを低減できることが好ましい。また、回転電機の温度が低くなった場合には、界磁磁石の起磁力が大きくなる。そのため、上記の補助溝を設けた場合であっても、コギングトルクを充分に低減することはできないおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、効率的にコギングトルクを低減すると共に、界磁磁石の温度変化によるコギングトルクのばらつきを低減することを、主たる目的とする。
本発明の回転電機は、界磁磁石を備えるロータと、ステータコア及びコイルを備えるステータと、を有する。以下では、前記ロータの軸線の長さ方向を「軸線方向」とし、前記軸線方向に直交する方向であって、前記軸線に向かう方向及びその反対方向を「径方向」とし、前記ロータの軸線回り方向を「周方向」とする。
前記ステータコアは、バックヨークを備えると共に、前記バックヨークから前記ロータに向けて前記径方向に突出するティースが複数本、前記周方向に並設されている。そして、前記ティースに前記コイルが巻回されている。
以下では、前記周方向の一方を「第1周方向」とし、前記第1周方向の反対方向を「第2周方向」とする。前記ティースにおける前記ロータ側の端面であるティース先端面には、前記径方向の深さが所定の深さの、前記軸線方向に延びる深溝が少なくとも2本前記周方向に並設されている。そして、前記ティース先端面における最も前記第1周方向側の前記深溝よりも前記第1周方向側と、前記ティース先端面における最も前記第2周方向側の前記深溝よりも前記第2周方向側とに、それぞれ、前記径方向への深さが前記深溝の前記径方向への深さよりも浅い、前記軸線方向に延びる浅溝が設けられている。
本発明者は、上記の深溝と浅溝とによれば、深溝と浅溝との深さが同じである場合に比べて、コギングトルクの低減効果を高められることを、シミュレーション解析により確認した。しかも、そのコギングトルクの低減効果は、回転電機の温度が低くなり界磁磁石の起磁力が大きくなることによりコギングトルクが大きくなるときに、より顕著になることを、さらなるシミュレーション解析により確認した。つまり、界磁磁石の温度変化によるコギングトルクのばらつきが、低減されることを確認した。
そこで、本発明では、上記の深溝と浅溝とを採用した。以上、本発明によれば、効率的にコギングトルクを低減すると共に、界磁磁石の温度変化によるコギングトルクのばらつきを低減することができる。
本実施形態の回転電機を示す正面断面図 回転電機の平面断面図 図2の一部を拡大した図 図3の一部を拡大した図 図4と同じ部分を示す図 比較例1及び本実施形態におけるコギングトルクの推移を示すグラフ 比較例2及び本実施形態におけるコギングトルクの推移を示すグラフ 比較例2における各温度でのコギングトルクの推移を示すグラフ 本実施形態における各温度でのコギングトルクの推移を示すグラフ 深溝の深さとコギングトルクのピーク値との関係を示すグラフ 浅溝の深さとコギングトルクのピーク値との関係を示すグラフ 深溝の周方向の位置とコギングトルクのピーク値との関係を示すグラフ 浅溝の周方向の位置とコギングトルクのピーク値との関係を示すグラフ 深溝の周方向の幅とコギングトルクのピーク値との関係を示すグラフ 浅溝の周方向の幅とコギングトルクのピーク値との関係を示すグラフ
次の本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実施できる。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態の回転電機91を示す正面断面図である。回転電機91は、ロータ20とステータ30と筐体(図示略)を有する。以下では、ロータ20の軸線Aの長さ方向を「軸線方向Z」という。ロータ20は、回転軸21とロータコア24と複数の界磁磁石27とを有する。ステータ30は、ステータコア30aと3相コイル30bとを備える。ロータ20とステータ30とは、筐体(図示略)内に格納されている。以下では、軸線方向Zに見たものを「平面視」という。
図2は、回転電機91を平面視で見た断面図であり、詳しくは図1のII-II線の断面図である。以下では、平面視で軸線Aに対応する点に向かう方向を「径方向内方Ri」といい、その反対方向を「径方向外方Ro」といい、それら径方向内方Ri及び径方向外方Roをまとめて「径方向R」という。また以下では、軸線Aを中心とする円周方向を「周方向C」といい、その周方向Cの一方、すなわち図2でいう右回り側を「右回り方向C1」といい、その反対方向を「左回り方向C2」という。
まず、ロータ20について説明する。回転軸21は、軸線A上に設けられている。ロータコア24は、回転軸21に相対回転不能に外嵌されている。そのロータコア24の外周部に8つの界磁磁石27が固定されている。よって、回転軸21とロータコア24と8つの界磁磁石27とは、一体で回転する。8つの界磁磁石27は、ロータコア24の外周部に周方向Cに等間隔に並設されている。つまり、ロータ20は、45度毎に界磁磁石27が設置されている8極のロータ20である。8つの界磁磁石27は、N極が径方向外方Roを向くものと、N極が径方向内方Riを向くものとが、周方向Cに交互に設置されている。
次に、ステータ30について説明する。ステータコア30aは、円筒状のバックヨーク31を備えると共に、バックヨーク31からロータ20に向けて径方向内方Riに突出する12本のティース34とを備えている。それら12本のティース34は、周方向Cに等間隔に並設されている。よって、ティース34は、30度毎に設けられている。それらのティース34に3相コイル30bが巻回されている。詳しくは、本実施形態では、12本の各ティース34に、3相コイル30bのU相、V相、W相のコイルが、例えば右回りにU相、V相、W相の繰り返しの順に巻回されている。よって、30度毎にU相、V相、W相が順に存在する。
図3は、図2の一部を拡大した図である。ティース34におけるロータ20側の端部、つまり径方向内方Ri側の端部である先端部には、周方向Cの両側(C1,C2)に突出する側方突出部36が形成されている。
以下では、軸線Aを通り径方向Rに延びる直線を「径方向線」という。そして、各ティース34におけるロータ20側の端面、つまり径方向内方Ri側の端面を、「ティース先端面34e」という。そして、平面視で、各ティース34において、当該ティース34の周方向Cの中心線とティース先端面34eに対応する線との交点Ptを通る径方向線を、「ティース線Lt」という。
各ティース先端面34eには、軸線方向Zに延びる2本の深溝37が、周方向Cに間隔をおいて並設されている。そして、ティース先端面34eにおける、それら2本の深溝37の周方向Cの両側(C1,C2)に、それぞれ軸線方向Zに延びる浅溝38が1本ずつ設けられている。つまり、浅溝38は、右回り方向C1側の深溝37よりも右回り方向C1側と、左回り方向C2側の深溝37よりも左回り方向C2側とに、1本ずつ設けられている。平面視で、各ティース34において、それら深溝37及び浅溝38は、ティース線Ltを境に線対象に設けられている。
図4は、図3の一部を拡大した図である。以下では、側方突出部36の径方向Rの厚さを、「側方突出部厚さTt」という。各深溝37の径方向Rへの深さT1は、側方突出部厚さTt以上であり、各浅溝38の径方向Rへの深さT2は、側方突出部厚さTt未満である。具体的には、各深溝37の径方向Rへの深さT1は、側方突出部厚さTtの1.153倍である。つまり、「T1/Tt=1.153」である。他方、各浅溝38の径方向Rへの深さT2は、側方突出部厚さTtの0.360倍である。つまり、「T2/Tt=0.360」である。
図5は、図4と同じ部分を示す図である。まず、深溝37及び浅溝38の周方向Cの位置について説明する。
以下では、平面視で、各ティース34において、次に示す各直線(Ltw,L1,L2)及び各角度(θtw,θ1,θ2)を次のように称する。すなわち、ティース34の側面34sに対応する線の延長線とティース先端面34eに対応する線との交点Ptwを通る径方向線を「ティース半幅線Ltw」といい、ティース線Ltに対するティース半幅線Ltwの角度を「ティース半幅角度θtw」という。そして、深溝37の周方向Cの中心線とティース先端面34eに対応する線の延長線との交点P1を通る径方向線を「深溝線L1」といい、ティース線Ltに対する深溝線L1の角度を「深溝角度θ1」という。そして、浅溝38の周方向Cの中心線とティース先端面34eに対応する線の延長線との交点P2を通る径方向線を「浅溝線L2」といい、ティース線Ltに対する浅溝線L2の角度を「浅溝角度θ2」という。
深溝角度θ1は、ティース半幅角度θtwの0.269倍である。つまり、「θ1/θtw=0.269」である。他方、浅溝角度θ2は、ティース半幅角度θtwの0.602倍である。つまり、「θ2/θtw=0.602」である。
次に、深溝37及び浅溝38の周方向Cの幅W1,W2について説明する。各深溝37の周方向Cの幅W1よりも、浅溝38の周方向Cの幅W2の方が小さい。以下では、平面視で、各ティース34において、次に示す各直線(L1w,L2w)及び各角度(θ1w,θ2w)を次のように称する。すなわち、深溝37の内側面に対応する線とティース先端面34eに対応する線との交点P1wを通る径方向線を「深溝半幅線L1w」といい、深溝線L1に対する深溝半幅線L1wの角度を「深溝半幅角度θ1w」という。そして、浅溝38の内側面に対応する線とティース先端面34eに対応する線との交点P2wを通る径方向線を「浅溝半幅線L2w」といい、浅溝線L2に対する浅溝半幅線L2wの角度を「浅溝半幅角度θ2w」という。
深溝半幅角度θ1wは、ティース半幅角度θtwの0.083倍である。つまり、「θ1w/θtw=0.083」である。他方、浅溝半幅角度θ2wは、ティース半幅角度θtwの0.055倍である。つまり、「θ2w/θtw=0.055」である。
図6は、比較例1及び本実施形態及ついてのシミュレーション解析における、コギングトルクの推移(20℃)を示すグラフである。比較例1は、本実施形態の状態から、浅溝38の幅W2及び深さT2を、深溝37の幅W1及び深さT1に変更したものである。よって、本実施形態では、前述の通り、「T1/Tt=1.153」「T2/Tt=0.360」「θ1w/θtw=0.083」「θ2w/θtw=0.055」であるのに対して、比較例1では、「T1/Tt=T2/Tt=1.153」「θ1w/θtw=θ2w/θtw=0.083」である。
この図6からは、比較例1よりも本実施形態の方がコギングトルクが小さくなることが分かる。なお、図6の縦軸は、本実施形態でのコギングトルクのピーク値(20℃)を基準(1倍)とした場合における、コギングトルクの大きさを示している。このことは、以下で参照する図7~図15においても同様である。
図7は、比較例2及び本実施形態についてのシミュレーション解析における、コギングトルクの推移を示すグラフである。比較例2は、比較例1の状態から、深溝37及び浅溝38の深さT1,T2を浅くしたものである。具体的には、比較例1では、前述の通り「T1/Tt=T2/Tt=1.153」であるのに対して、比較例2では、「T1/Tt=T2/Tt=0.543」である。この図7からは、図6に示す比較例1と本実施形態との場合よりは差が小さくなるものの、比較例2よりも本実施形態の方がコギングトルクが小さくなることが分かる。
図8は、比較例2についての各温度でのシミュレーション解析における、コギングトルクの推移を示すグラフであり、図9は、本実施形態についての各温度でのシミュレーション解析における、コギングトルクの推移を示すグラフである。比較例2及び本実施形態のいずれの場合においても、温度が高いほどコギングトルクが小さくなり、温度が低いほどコギングトルクが大きくなる。そして、90℃、20℃、-40℃のいずれの温度の場合においても、比較例2の場合よりも、本実施形態の場合の方が、コギングトルクは小さくなる。そして、その差は、温度が高い場合(90℃の場合)よりも、温度が低い場合(-40℃の場合)の方が大きくなる。このことから、本実施形態によれば、温度が低い場合(-40℃の場合)に、より顕著にコギングトルクを軽減できることが分かる。
図10は、本実施形態の状態(T1/Tt=1.153)から深溝37の深さT1を変化させてシミュレーション解析を行った場合の、コギングトルクのピーク値(20℃)の変化を示すグラフである。この図10からは、大よそ「1.0≦T1/Tt≦1.5」の場合に、コギングトルクのピーク値が小さくなり、且つこの「1.0≦T1/Tt≦1.5」の範囲内で、コギングトルクのピーク値が極小値をとることが分かる。そのことから、各深溝37の深さT1は、側方突出部厚さTtの1.0~1.5倍であることが好ましいことが分かる。
図11は、本実施形態の状態(T2/Tt=0.360)から浅溝38の深さT2を変化させてシミュレーション解析を行った場合の、コギングトルクのピーク値(20℃)の変化を示すグラフである。この図11からは、大よそ「0.2≦T2/Tt≦0.45」の場合に、コギングトルクのピーク値が小さくなり、且つこの「0.2≦T2/Tt≦0.45」の範囲内で、コギングトルクのピーク値が極小値をとることが分かる。そのことから、各浅溝38の深さT2は、側方突出部厚さTtの0.2~0.45倍であることが好ましいことが分かる。
図12は、本実施形態の状態(θ1/θtw=0.269)から深溝37の周方向Cの位置を変化させてシミュレーション解析を行った場合の、コギングトルクのピーク値(20℃)の変化を示すグラフである。この図12からは、大よそ「0.2≦θ1/θtw≦0.35」の場合に、コギングトルクのピーク値が小さくなり、且つこの「0.2≦θ1/θtw≦0.35」の範囲内で、コギングトルクのピーク値が極小値をとることが分かる。そのことから、深溝角度θ1は、ティース半幅角度θtwの0.2~0.35倍であることが好ましいことが分かる。
図13は、本実施形態の状態(θ2/θtw=0.602)から浅溝38の周方向Cの位置を変化させてシミュレーション解析を行った場合の、コギングトルクのピーク値(20℃)の変化を示すグラフである。この図13からは、大よそ「θ1/θtw≦0.65」の場合に、コギングトルクのピーク値が小さくなり、且つこの「θ1/θtw≦0.65」の範囲内で、コギングトルクのピーク値が極小値をとることが分かる。そのことから、浅溝角度θ2は、ティース半幅角度θtwの0.65倍以下であることが好ましいことが分かる。
図14は、本実施形態の状態(θ1/θtw=0.083)から深溝37の周方向Cの幅W1を変化させてシミュレーション解析を行った場合の、コギングトルクのピーク値(20℃)の変化を示すグラフである。この図14からは、大よそ「0.07≦θ1w/θtw≦0.11」の場合に、コギングトルクのピーク値が小さくなり、且つこの「0.07≦θ1w/θtw≦0.11」の範囲内で、コギングトルクのピーク値が極小値をとることが分かる。そのことから、深溝半幅角度θ1wは、ティース半幅角度θtwの0.07~0.11倍であることが好ましいことが分かる。
図15は、本実施形態の状態(θ2/θtw=0.055)から浅溝38の周方向Cの幅W2を変化させてシミュレーション解析を行った場合の、コギングトルクのピーク値(20℃)の変化を示すグラフである。この図15からは、大よそ「0.01≦θ2w/θtw≦0.07」の場合に、コギングトルクのピーク値が小さくなり、且つこの「0.01≦θ2w/θtw≦0.07」の範囲内で、コギングトルクのピーク値が極小値をとることが分かる。そのことから、浅溝半幅角度θ2wは、ティース半幅角度θtwの0.01~0.07倍であることが好ましいことが分かる。
本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
2本の深溝37の周方向Cの両側(C1,C2)に浅溝38が設けられている。それらの深溝37と浅溝38とによれば、前述の図6,図7に示す通り、深溝37と浅溝38との深さT1,T2が同じ比較例1,2に比べて、コギングトルクの低減効果を高めることができる。しかも、その低減効果、すなわち比較例2等の場合と本実施形態の場合とのコギントルクの差は、図8,図9に示す通り、回転電機91の温度が低温になり界磁磁石27の起磁力が大きくなることによりコギングトルクが大きくなるときに、顕著に発揮される。そのため、温度変化によるコギングトルクのばらつきを低減できる。
また、本実施形態では、図3に示すように平面視で、ティース線Ltを境に線対象に、深溝37と浅溝38とが設けられている。そのため、周方向Cの両側(C1,C2)に対してコギングトルクが同等になる。そのため、例えば、本実施形態の回転電機91は、電動パワーステアリング用モータなどの、駆動対象を周方向Cの両側(C1,C2)に駆動するモータとして、好適に採用できる。
また、図10に示すように、コギングトルクのピーク値は、深溝37の深さT1が、側方突出部厚さTtの1.0~1.5倍の場合に小さくなる。その点、本実施形態では、各深溝37の深さT1が、側方突出部厚さTtの1.153倍である。よって、この点からもコギングトルクを効率的に低減できる。
また、図11に示すように、コギングトルクのピーク値は、浅溝38の深さT2が、側方突出部厚さTtの0.2~0.45倍の場合に小さくなる。その点、本実施形態では、各浅溝38の深さT2が、側方突出部厚さTtの0.360倍である。よって、この点からもコギングトルクを効率的に低減できる。
また、図12に示すように、コギングトルクのピーク値は、深溝角度θ1が、ティース半幅角度θtwの0.2~0.35倍である場合に小さくなる。その点、本実施形態では、深溝角度θ1が、ティース半幅角度θtwの0.269倍である。よって、この点からもコギングトルクを効率的に低減できる。
また、図13に示すように、コギングトルクのピーク値は、浅溝角度θ2が、ティース半幅角度θtwの0.65倍以下である場合に小さくなる。その点、本実施形態では、浅溝角度θ2が、ティース半幅角度θtwの0.602倍である。よって、この点からもコギングトルクを効率的に低減できる。
また、図14に示すように、コギングトルクのピーク値は、深溝半幅角度θ1wが、ティース半幅角度θtwの0.07~0.11倍の場合に小さくなる。その点、本実施形態では、深溝半幅角度θ1wが、ティース半幅角度θtwの0.083倍である。よって、この点からもコギングトルクを効率的に低減できる。
また、図15に示すように、コギングトルクのピーク値は、浅溝半幅角度θ2wが、ティース半幅角度θtwの0.01~0.07倍の場合に小さくなる。その点、本実施形態では、浅溝半幅角度θ2wが、ティース半幅角度θtwの0.055倍である。よって、この点からもコギングトルクを効率的に低減できる。
[他の実施形態]
以上の実施形態は、例えば次のように変更して実施できる。第1実施形態での「T1/Tt=1.153」「T2/Tt=0.360」「θ1/θtw=0.269」「θ2/θtw=0.602」「θ1w/θtw=0.083」「θ2w/θtw=0.055」等の各寸法は、むろん、任意に変更して実施できる。ただし、第1実施形態で示した好ましい範囲内の寸法で、実施することが好ましい。
図2に示すように、第1実施形態では、ロータ20が界磁磁石27を8つ有する8極であるが、これに代えて、7極以下や9極以上にしてもよい。また、第1実施形態では、ティース34が12本であるが、これに代えて、ティース34を11本以下や、13本以上にしてもよい。また、第1実施形態では、コイルを各1本のティース34に巻く集中巻であるが、これに代えて、コイルを複数本のティース34にまとめて巻く分布巻にしてもよい。また、第1実施形態では、ステータコア30aに3相コイル30bが巻回されているが、2相のコイルや、4相以上のコイルが巻回されていてもよい。
第1実施形態の回転電機91は、環状のステータ30の径方向内方Riにロータ20を有するインナロータ型であるが、これに代えて、ステータ30の径方向外方Roに環状のロータ20を有するアウタロータ型にしてもよい。
図3に示すように、第1実施形態では、深溝37及び浅溝38は、2本ずつである。これに代えて、深溝37を3本以上にしてよいし、浅溝38を3本以上にしてもよい。また、深溝37及び浅溝38以外の溝を、ティース先端面34eに設けてもよい。
20…ロータ、27…界磁磁石、30…ステータ、30a…ステータコア、30b…3相コイル、31…バックヨーク、34…ティース、34e…ティース先端面、37…深溝、38…浅溝、91…回転電機、A…軸線、C…周方向、C1…右回り方向、C2…左回り方向、T1…深溝の深さ、T2…浅溝の深さ、R…径方向、Ri…径方向内方、Ro…径方向外方、Z…軸線方向。

Claims (10)

  1. 界磁磁石(27)を備えるロータ(20)と、ステータコア(30a)及びコイル(30b)を備えるステータ(30)と、を有し、
    前記ロータの軸線(A)の長さ方向を軸線方向(Z)とし、前記軸線方向に直交する方向であって、前記軸線に向かう方向(Ri)及びその反対方向(Ro)を径方向(R)とし、前記ロータの軸線回り方向を周方向(C)として、
    前記ステータコアは、バックヨーク(31)を備えると共に、前記バックヨークから前記ロータに向けて前記径方向に突出するティース(34)が複数本、前記周方向に並設されており、
    前記ティースに前記コイルが巻回されている、回転電機において、
    前記周方向の一方を第1周方向(C1)とし、前記第1周方向の反対方向を第2周方向(C2)として、
    各前記ティースにおける前記ロータ側の端面であるティース先端面(34e)には、前記径方向の深さが所定の深さ(T1)の、前記軸線方向に延びる深溝(37)が少なくとも2本前記周方向に並設され、
    各前記ティース先端面における、最も前記第1周方向側の前記深溝よりも前記第1周方向側と、最も前記第2周方向側の前記深溝よりも前記第2周方向側とに、それぞれ、前記径方向への深さ(T2)が前記深溝の前記径方向への深さよりも浅い、前記軸線方向に延びる浅溝(38)が設けられている、
    回転電機。
  2. 前記ロータの軸線を通り前記径方向に延びる直線を径方向線とし、
    前記軸線方向に見た平面視で、各前記ティースにおいて、
    前記ティースの前記周方向の中心線と前記ティース先端面に対応する線との交点(Pt)を通る前記径方向線を、ティース線(Lt)として、
    前記深溝と前記浅溝とが、前記ティース線を境に線対象に設けられている、
    請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記ティースにおける前記ロータ側の端部には、前記周方向の両側(C1,C2)に突出する側方突出部(36)が形成されており、
    各前記深溝の前記径方向への深さ(T1)は、前記側方突出部の前記径方向の厚さ(Tt)以上であり、各前記浅溝の前記径方向への深さ(T2)は、前記厚さ未満である、請求項1又は2に記載の回転電機。
  4. 前記ティースにおける前記ロータ側の端部には、前記周方向の両側(C1,C2)に突出する側方突出部(36)が形成されており、
    各前記深溝の前記径方向への深さ(T1)は、前記側方突出部の前記径方向の厚さ(Tt)の1.0~1.5倍である、請求項1~3のいずれか1項に記載の回転電機。
  5. 前記ティースにおける前記ロータ側の端部には、前記周方向の両側(C1,C2)に突出する側方突出部(36)が形成されており、
    各前記浅溝の前記径方向への深さ(T2)は、前記側方突出部の前記径方向の厚さ(Tt)の0.20~0.45倍である、請求項1~4のいずれか1項に記載の回転電機。
  6. 前記ロータの軸線を通り前記径方向に延びる直線を径方向線とし、
    前記軸線方向に見た平面視で、各前記ティースにおいて、
    前記ティースの前記周方向の中心線と前記ティース先端面に対応する線との交点(Pt)を通る前記径方向線を、ティース線(Lt)とし、前記ティースの前記周方向の側面に対応する線の延長線と前記ティース先端面に対応する線との交点(Ptw)を通る前記径方向線を、ティース半幅線(Ltw)とし、前記ティース線に対して前記ティース半幅線がなす角度を、ティース半幅角度(θtw)とし、
    前記深溝の前記周方向の中心線と前記ティース先端面に対応する線の延長線との交点(P1)を通る前記径方向線を、深溝線(L1)とし、前記ティース線に対して前記深溝線がなす角度を、深溝角度(θ1)として、
    前記深溝角度は、前記ティース半幅角度の0.20~0.35倍である、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の回転電機。
  7. 前記ロータの軸線を通り前記径方向に延びる直線を径方向線とし、
    前記軸線方向に見た平面視で、各前記ティースにおいて、
    前記ティースの前記周方向の中心線と前記ティース先端面に対応する線との交点(Pt)を通る前記径方向線を、ティース線(Lt)とし、前記ティースの前記周方向の側面に対応する線の延長線と前記ティース先端面に対応する線との交点(Ptw)を通る前記径方向線を、ティース半幅線(Ltw)とし、前記ティース線に対して前記ティース半幅線がなす角度を、ティース半幅角度(θtw)とし、
    前記浅溝の前記周方向の中心線と前記ティース先端面に対応する線の延長線との交点(P2)を通る前記径方向線を、浅溝線(L2)とし、前記ティース線に対して前記浅溝線がなす角度を、浅溝角度(θ2)として、
    前記浅溝角度は、前記ティース半幅角度の0.65倍以下である、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の回転電機。
  8. 前記深溝の前記周方向の幅(W1)よりも、前記浅溝の前記周方向の幅(W2)の方が小さい、請求項1~7のいずれか1項に記載の回転電機。
  9. 前記ロータの軸線を通り前記径方向に延びる直線を径方向線とし、
    前記軸線方向に見た平面視で、各前記ティースにおいて、
    前記ティースの前記周方向の中心線と前記ティース先端面に対応する線との交点(Pt)を通る前記径方向線を、ティース線(Lt)とし、前記ティースの前記周方向の側面に対応する線の延長線と前記ティース先端面に対応する線との交点(Ptw)を通る前記径方向線を、ティース半幅線(Ltw)とし、前記ティース線に対して前記ティース半幅線がなす角度を、ティース半幅角度(θtw)とし、
    前記深溝の前記周方向の中心線と前記ティース先端面に対応する線の延長線との交点(P1)を通る前記径方向線を、深溝線(L1)とし、前記深溝の前記周方向の内側面に対応する線と前記ティース先端面に対応する線との交点(P1w)とを通る前記径方向線を深溝半幅線(L1w)とし、前記深溝線に対して前記深溝半幅線がなす角度を、深溝半幅角度(θ1w)として、
    前記深溝半幅角度は、前記ティース半幅角度の0.07~0.11倍である、
    請求項1~8のいずれか1項に記載の回転電機。
  10. 前記ロータの軸線を通り前記径方向に延びる直線を径方向線とし、
    前記軸線方向に見た平面視で、各前記ティースにおいて、
    前記ティースの前記周方向の中心線と前記ティース先端面に対応する線との交点(Pt)を通る前記径方向線を、ティース線(Lt)とし、前記ティースの前記周方向の側面に対応する線の延長線と前記ティース先端面に対応する線との交点(Ptw)を通る前記径方向線を、ティース半幅線(Ltw)とし、前記ティース線に対して前記ティース半幅線がなす角度を、ティース半幅角度(θtw)とし、
    前記浅溝の前記周方向の中心線と前記ティース先端面に対応する線の延長線との交点(P2)を通る前記径方向線を、浅溝線(L2)とし、前記浅溝の前記周方向の内側面に対応する線と前記ティース先端面に対応する線との交点(P2w)とを通る前記径方向線を浅溝半幅線(L2w)とし、前記浅溝線に対して前記浅溝半幅線がなす角度を、浅溝半幅角度(θ2w)として、
    前記浅溝半幅角度は、前記ティース半幅角度の0.01~0.07倍である、
    請求項1~9のいずれか1項に記載の回転電機。
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