JP2022136610A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】デフオイルの外部への流出を有効に防止できて、安定したブレーキ機能を発揮することができる車輪用軸受装置を提供する。【解決手段】外方部材のアウター側の端部外周に装着されるオイルフローキャップと、車輪取付フランジのインナー側の付け根部に装着されるスリンガと、外方部材のアウター側の端部内周に装着される芯金と、この芯金に付設させて、スリンガに密接するシール部材とを備える。オイルフローキャップは、外方部材のアウター側の端部と車輪取付フランジのインナー側の付け根部との間の開口部を覆うように内径側に開口する周方向凹部を有する。スリンガの外径部を周方向凹部に向かうように折れ曲る傾斜片部とする。周方向凹部の内面を、周方向凹部に流入したオイルがインナー側へ案内される傾斜面とする。【選択図】図1

Description

本発明は、車輪用軸受装置に関する。
自動車等の懸架装置において車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置が一般的に使用される。車輪用軸受装置は、外周に車体取付フランジを有するとともに、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、外周に車輪取付フランジを有するとともに、外周に前記外側転走面に対向する複列の転走面が形成された内方部材と、外方部材と内方部材との軌道面間に介在される複列の転動体と、外方部材と内方部材との間に形成された環状空間の開口を密閉する一対の密封装置とを備え、内方部材は、車輪取付フランジを有するハブ輪を有する。
ところで、大型バン、SUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル(Sport Utility Vehicle)、又はピックアップトラック等に用いられる車輪用軸受装置では、デフオイルが循環する環境下で使用される。このため、デフオイルが装置内に侵入し、ブレーキディスク側に滲み出ると、ハブ輪を伝わってブレーキディスクに付着する。これによって、本来のブレーキ性能が損なわれるおそれがあった。
そこで、従来には、外方部材にオイルフローキャップを設け、これによってオイルの装置外へ排出できるようにしたものが提案された(特許文献1)。
図7は特許文献1に記載の車輪用軸受装置における、アウター側の密封装置を示し、この密封装置は、外方部材1のアウター側の端部1aの内周に装着される芯金2と、ハブ輪3の車輪取付フランジ4のインナー側の付け根部4aに装着される金属環5と、芯金2に付設されるシール部材6とを備える。なお、図7において、8はトルク伝達部材としても転動体であるボールを示している。
シール部材6は、サイドリップ6aと、ダストリップ6bと、グリースリップ6cとを備え、これらのリップ6a、6b、6cが金属環5に密接している。また、金属環5は、ハブ輪3の車輪取付フランジ4のインナー側の付け根部4aに嵌合される湾曲部11と、この湾曲部11の外径端から外径方向インナー側へ延びる傾斜片(折曲部)12とを備える。この場合、湾曲部11の外径部が車輪取付フランジ4のインナー側の付け根部4aに密着されている。
そして、外方部材1のアウター側の端部1aの外周にオイルフローキャップ15が装着されている。オイルフローキャップ15は、外方部材1のアウター側の端部1aに嵌合する円筒状の嵌合部15aと、嵌合部15aから外径方向(径方向外方)に延びる環状溝部15bとを備える。
このため、遠心力で、密封装置内のオイルが、金属環5を介して、この金属環5よりも外径側へ飛散したとしても、オイルフローキャップ15の環状溝部15bに受けることができ、装置外へのオイルの飛散を防止できる。これによって、ブレーキディスクにオイルが付着するのを防止でき、本来のブレーキ性能が損なわれるのを有効に防止できる。
特開2012-154374号公報
すなわち、図7に示す密封装置では、車体走行中では、遠心力により路面側のオイルフローキャップの環状溝部15b内に飛散する。このため、環状溝部15bの内面にオイルが付着することになる。しかしながら、その付着したオイルは、重力により傾斜片(折曲部)12の裏面(アウター側の面)に適下するおそれがある。
このように、傾斜片(折曲部)12の裏面(アウター側の面)にオイルが滴下した場合、ハブ輪3を介してブレーキディスクにオイルが付着するおそれがある。オイルがブレーキディスクに付着すれば、ブレーキ機能が低下することになる。
また、ハブ輪3と金属環5とは、いわゆる金属嵌合を成すものである。このため、両部品嵌合面の形状や表面粗さの影響を受けやすい。そこで、これらの要素を高精度に加工する必要がある。すなわち、必要な密封性能を得るために、両部品を加工精度を高める必要があり、加工精度の管理が困難となる。必要な密封性能を満足できない場合、このハブ輪3と金属環5との嵌め合い面から、オイル(デフオイル)が装置外に流出してブレーキディスクに付着したり、外部からの泥水や異物が装置内へ侵入したりするおそれもあった。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みて、デフオイルの外部への流出を有効に防止できて、安定したブレーキ機能を発揮することができる車輪用軸受装置を提供するものである。
本発明の車輪用軸受装置は、外周に車体取付フランジを有するとともに、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、外周に車輪取付フランジを有するとともに、外周に前記外側転走面に対向する複列の転走面が形成された内方部材と、外方部材と内方部材との軌道面間に介在される複列の転動体と、外方部材と内方部材との間に形成された環状空間の開口を密閉する一対の密封装置とを備え、内方部材は、車輪取付フランジを有するハブ輪を有する車輪用軸受装置であって、一対の密封装置の内、アウター側の密封装置が、前記外方部材のアウター側の端部外周に装着されるオイルフローキャップと、車輪取付フランジのインナー側の付け根部に装着されるスリンガと、前記スリンガに密接するシール部材とを備え、前記オイルフローキャップは、外方部材のアウター側の端部と車輪取付フランジのインナー側の付け根部との間の開口部を覆うように内径側に開口する周方向凹部を有し、前記スリンガの外径部を前記周方向凹部に向かうように折れ曲る傾斜片部とし、かつ前記周方向凹部の内面を、この周方向凹部に流入したオイルがインナー側へ案内される傾斜面としたものである。
本発明の車輪用軸受装置によれば、外方部材のアウター側の端部外周に装着されるオイルフローキャップは、外方部材のアウター側の端部と車輪取付フランジのインナー側の付け根部との間の開口部を覆うように内径側に開口する周方向凹部を有するものである。このため、走行中に発生する遠心力により、スリンガの傾斜片部を介して、オイルが外径方向に飛散しても、オイルフローキャップの周方向凹部にて、外径側へ飛散したオイルを受けることができる。しかも、周方向凹部の内面を、この周方向凹部に流入したオイルがインナー側へ案内される傾斜面としたことによって、周方向凹部の内面に付着したオイルがインナー側へ流れ、スリンガと、ハブ輪との嵌め合い部へオイルの侵入を防止できる。
前記傾斜片部の外径端部に、周方向凹部内に突入状となるリップ部を設け、このリップ部の外径寸法を、周方向凹部の車輪取付フランジ側の側壁の内径寸法よりも大きく設定して、リップ部を有する傾斜片部と周方向凹部とでラビリンスシール構造を構成するようにするのが好ましい。
このように構成することによって、ラビリンスシール構造にて、外部からの汚水や異物侵入を有効に防止できる。
前記オイルフローキャップは、周方向凹部の内面(傾斜面)にて案内されたオイルをオイルフローキャップ外へ排出する樋部を有するものが好ましい。このように構成することによって、周方向凹部に流入したオイルが、樋部を介してフローキャップ外へ排出され、装置外へ排出される。
傾斜片部の屈曲部と車輪取付フランジのインナー側の付け根部との間に、シール材を嵌入させるのが好ましい。このようにシール材を嵌入させることにより、スリンガと、ハブ輪との嵌め合い部へオイルの侵入を有効に防止できる。この場合、車輪取付フランジのインナー側の付け根部と、スリンガとはいわゆる金属嵌合をなす。ところが、このシール材を嵌入させることより、この金属嵌合部位に対して、シール性の向上を図ることができる。このため、この接合面(嵌合面)は高精度の加工を要求されず、加工性の向上を図ることができる。
本発明では、軸受装置内のオイル(デフオイル)が滲み出てディスクブレーキに付着するのが防止され、ブレーキ機能の低下を招かない。
本発明に係る車輪用軸受装置の断面図である。 アウター側の密封装置の要部拡大断面図である。 図1のA部拡大図である。 図1のB部拡大図である。 アウター側の密封装置の他の実施形態を示す要部拡大断面図である。 インナー側の密封装置の要部拡大断面図である。 車輪用軸受装置に用いられる従来の密封装置の要部拡大断面図である。
以下本発明の実施の形態を図1~図6に基づいて説明する。図1は、本発明に係る車輪用軸受装置を示し、車輪用軸受装置は、外方部材22、ハブ輪23、内輪24、転動体25としてのころ(円すいころ)および保持器26を主な構成とし、所謂、第3世代と称される構成を備えている。以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄りとなる側をインナー側(図1の右側)という。
外方部材22は、内周に複列の外側軌道面27、27が一体に形成され、外周に車体のナックル(図示省略)に取り付けるための車体取付フランジ22aが一体に形成されている。内方部材21は、ハブ輪23と内輪24とから構成されている。ハブ輪23は、その外周に外方部材22の複列の外側軌道面27、27の一方(アウター側)に対向する内側軌道面29が直接形成され、アウター側の端部に車輪(図示省略)を取り付けるための車輪取付フランジ28が一体に形成されている。なお、車輪取付フランジ28には、車輪を締結するためのハブボルトを植設するための取付孔28aが設けられている。
ハブ輪23の外周には内側軌道面29から軸方向にインナー側に延びる円筒状の小径段部30が形成され、この小径段部30に内輪24が所定の締め代で圧入されている。内輪24の外周には、外方部材22の複列の外側軌道面27、27の他方(インナー側)に対向する内側軌道面29が形成されている。外方部材22の外側軌道面27、27と内方部材21の内側軌道面29、29との間に複数の転動体(円すいころ)25、25が組み込まれ、円すいころ25は保持器26に周方向所定間隔で収容されている。この場合、小径段部30の端部を加締めることによって、加締部30aを形成している。
また、ハブ輪23のアウター側の端面には、アウター側へ延びる短円筒形状のパイロット23aが設けられている。このパイロット23aが、図示省略のディスクブレーキのロータの内径面(内周)を案内する。また、外方部材22の車体取付フランジ22aには、
車体側の部材と外方部材22とを締結するための締結部材としてのボルト部材が装着される装着孔22a1が設けられている。
外方部材22と内方部材21との間に形成された環状空間の開口を一対の密封装置31,32にて密閉している。アウター側の密封装置31が本発明に係る密封装置となる。インナー側の密封装置は、図6に示すように、外方部材22のインナー側の端部22cの内周に装着されるシール板35と、内輪24のインナー側の大径部の外周に装着されるスリンガ36とを備える。シール板35は、外方部材22のインナー側の端部22bの内周に圧入される芯金37と、この芯金に一体的に付設される(加硫接着される)シール部材38とを有する。
芯金37は、オーステナイト系ステンレス鋼板または冷間圧延鋼板からプレス加工にて断面が略L字状に形成され、外方部材22の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部37aと、この嵌合部37aの一端部から径方向内方に延びる内径部37bを備えている。そして、芯金37の嵌合部37aの先端部を覆うようにシール部材38が回り込んで接合されている。
シール部材38はNBR等の合成ゴムからなり、芯金37の嵌合部37aの内周面を覆う基部38aと、この基部38aから径方向外方に傾斜して形成されたサイドリップ38bと、このサイドリップ38bの内径側に二股状に形成されたグリースリップ38cとダストリップ38dを備えている。なお、シール部材38の材質としては、例示したNBR以外にも、例えば、耐熱性に優れたHNBR、EPDM、ACM、FKM、あるいはシリコンゴム等を例示することができる。
スリンガ36は、内輪23の大径部に外嵌(圧入)される円筒部36aと、この円筒部36aのインナー側の端部から外径方向に延びる立板部36bとからなる。また、このスリンガ36もオーステナイト系ステンレス鋼板または冷間圧延鋼板からなる。
また、シール部材38の開口端部とスリンガ36の立板部36bの外縁が僅かな径方向すきまを介して対峙し、ラビリンスシールR1を構成している。これにより、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止すると共に、一旦侵入してきた雨水やダスト等が密封装置内に滞留することなく遠心力によって容易に外部に排出でき、密封性を向上させることができる。
次に、アウター側の密封装置は、図2に示すように、外方部材22のアウター側の端部22b外周に装着されるオイルフローキャップ40と、車輪取付フランジ28のインナー側の付け根部41に装着されるスリンガ42と、外方部材22のアウター側の端部22b内周に装着される芯金43と、この芯金43に付設させて、スリンガ42に密接するシール部材44とを備える。
また、オイルフローキャップ40は、たとえば、オーステナイト系ステンレス鋼板または冷間圧延鋼板からプレス加工されてなり、外方部材22のアウター側の端部22b外周に外嵌(圧入)される短円筒部40aと、外方部材22のアウター側の端部22bと車輪取付フランジ28のインナー側の付け根部41との間の開口部を覆うように内径側に開口する周方向凹部40bとを備える。
周方向凹部40bは、短円筒部40aのアウター側の端部から外径方向に延びるインナー側の側壁45と、この側壁45の外径端からアウター側へ延びる周方向底壁46と、周方向底壁46のアウター側の端部から内径側に延びるアウター側の側壁47とで構成される。
周方向底壁46は、インナー側からアウター側に向かって拡径する傾斜壁からなる。すなわち、周方向底壁46の内面46aが、装置軸心に対して所定角度で傾斜している。この場合の傾斜角度θ(図3参照)として、少なくとも、2°以上の勾配(傾斜角度)を設けるのが好ましい。この傾斜角度θとして、周方向底壁46の内面46aにオイル(デフオイル)が付着した際に、その重力でインナー側に流れる程度の角度が必要である。このため、使用されるオイルの種類、周方向底壁46の内面46aの表面粗さ等に応じて種々変更できる。
スリンガ42が、車輪取付フランジ28のインナー側の付け根部41に沿って嵌着される湾曲片からなる本体部42aと、この本体部42aの外径端から、周方向凹部40bに向かうように折れ曲がる傾斜片部42bとからなる。この場合、傾斜片部42bの傾斜角度αとしては、この傾斜片部42の延長線が、周方向凹部40bに向かうように設定される。そして、スリンガ42は、スリンガ42を車輪取付フランジ28のインナー側の付け根部41に嵌合させた際には、本体部42aは傾斜片部42b側の所定範囲H分だけ付け根部41に圧接している。
この場合、周方向凹部40bのアウター側の側壁47の内径寸法をD1とし、スリンガ42の外径寸法をD2としたときには、D1>D2としている。この場合、(D1-D2)/2としては、オイルフローキャップ40の周方向凹部40bに飛散したオイルが、この密封装置31から外部へ流出しにくい程度に設定される。また、周方向凹部40bのアウター側の側壁47と、車輪取付フランジ28のインナー側の端面との間のクリアランスCとしては、側壁47と車輪取付フランジ28のインナー側の端面とが接触せず、かつ、異物が密封装置31内に侵入しにくい程度に設定される。
また、この実施形態では、傾斜片部42bの屈曲部42b1と車輪取付フランジ28のインナー側の付け根部41との間に、シール材50を嵌入させている。シール材50としては、NBR等の合成ゴムからなる。
芯金43は、たとえば、オーステナイト系ステンレス鋼板または冷間圧延鋼板からプレス加工されてなり、外方部材22のアウター側の端部22bの内周に嵌入される短円筒部43aと、この短円筒部43aのアウター側の端部から内径方向に延びる内径部43bを備えている。なお、内径部43bは、短円筒部43a側の径方向に延びる第1円環部43b1と、この第1円環部43b1からインナー側へ傾斜する傾斜部43b2と、この傾斜部43b2の内径端から内径方向に延びる第2円環部43b3とからなる。
シール部材44は、NBR等の合成ゴムからなり、芯金43の外周部に接合され、径方向外方に傾斜して延びるサイドリップ44aとダストリップ44b、および芯金43の内縁部に接合され、軸受内方側に傾斜して延びるグリースリップ44cを有している。これらのサイドリップ44a、ダストリップ44bおよびグリースリップ44cは、車輪取付フランジ28のインナー側の付け根部41に嵌着されたスリンガ42に摺接されている。なお、芯金43の外方部にはシール部材44が回り込んで接合され、外方部材22と芯金43との嵌合部から泥水等の異物が軸受内部に浸入するのを防止している。
ところで、オイルフローキャップ40には、図1と図4に示すように、周方向凹部40bの周方向底壁46の内面(傾斜面)46aに案内されたオイルをオイルフローキャップ外へ排出する樋部51を有する。この場合、周方向凹部40bの一部、具体的には、周方向凹部40bの路面側にも近い部分にポケット部52を設け、このポケット部52から装置外部へ樋部51が延びる。
本発明の車輪用軸受装置によれば、外方部材22のアウター側の端部外周に装着されるオイルフローキャップ15は、外方部材22のアウター側の端部と車輪取付フランジ28のインナー側の付け根部41との間の開口部を覆うように内径側に開口する周方向凹部40bを有するものである。このため、走行中に発生する遠心力により、スリンガ42の傾斜片部42bを介して、オイルが外径方向に飛散しても、オイルフローキャップ15の周方向凹部40bにて、外径側へ飛散したオイルを受けることができる。しかも、周方向凹部40bの内面46aを、この周方向凹部40bに流入したオイルがインナー側へ案内される傾斜面としたことによって、周方向凹部40bの内面47aに付着したオイルがインナー側へ流れ、スリンガ42と、ハブ輪23との嵌め合い部へオイルの侵入を防止できる。
このため、本発明に係る車輪用軸受装置では、軸受装置内のオイル(デフオイル)が滲み出てディスクブレーキに付着するのが防止され、ブレーキ機能の低下を招かない。
前記オイルフローキャップ15は、周方向凹部40bの傾斜面46aにて案内されたオイルをオイルフローキャップ15外へ排出する樋部41を有するものが好ましい。このように構成することによって、周方向凹部40bに流入したオイ41ルが、樋部41を介してフローキャップ15外へ排出され、装置外へ排出される。
傾斜片部42bの屈曲部42b1と車輪取付フランジ28のインナー側の付け根部41との間に、シール材50を嵌入させるのが好ましい。このようにシール材50を嵌入させることにより、スリンガ42と、ハブ輪23との嵌め合い部へオイルの侵入を有効に防止できる。
この場合、車輪取付フランジ28のインナー側の付け根部41と、スリンガ42とはいわゆる金属嵌合をなす。ところが、このシール材50を嵌入させることにより、この金属嵌合部位に対して、シール性の向上を図ることができる。このため、この接合面(嵌合面)は高精度の加工を要求されず、加工性の向上を図ることができる。
次に、図5は、アウター側の密封装置の変形例を示し、この場合、傾斜片部42bの外径端部に、周方向凹部40b内に突入状となるリップ部55を設けたものである。この場合のリップ部55は、傾斜片部42bの外径端から傾斜片部42bと同一傾斜角度で伸びるリップ部本体55aと、このリップ部本体55aから傾斜片部42bのアウター側面にそって内径側に伸びるリップ部副体55bとを有する。また、このリップ部副体55bには、傾斜片部42bの屈曲部42b1と車輪取付フランジ28のインナー側の付け根部41との間に嵌入されるシール材50として機能するシール部を有する。
また、リップ部55としては、他のシール部材33と同様、NBR等の合成ゴムや、それ以外にも、例えば、耐熱性に優れたHNBR、EPDM、ACM、FKM、あるいはシリコンゴム等を使用することができる。
リップ部55を含むスリンガ42の外径寸法をD2とし、オイルフローキャップ40のアウター側の側壁47の内径寸法をD1としたときに、D2>D1とする。この場合の(D2-D1)/2としても、オイルフローキャップ40の周方向凹部40bに飛散したオイルが、この密封装置31から外部へ流出しにくい程度に設定される。流出しにくいものとできる。なお、他の部材の寸法や傾斜角度は、図1に示す密封装置31と同様とする。
このため、リップ部55を有する傾斜片部42bと周方向凹部40bとで、ラビリンスシール構造Rを構成することができる。従って、図5に示す密封装置では、ラビリンスシール構造Rにて、外部からの汚水や異物侵入を有効に防止できる。
また、この図5に示す密封装置の他の構成は、図1に示す密封装置と同様であり、他の構成については、図1から図4に示す符号を付して、それらの説明を省略する。したがって、この図5に示す密封装置は、図1から図4に示す密封装置と同様の作用効果を奏する
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、前記実施形態では、トルク伝達手段としての転動体として、円錐ころを用いたが、ボールを用いたものであってもよい。また、車輪用軸受装置には、第1世代と称される複列の転がり軸受を単独に使用する構造から外方部材に車体取付フランジを一体に有する第2世代に進化し、さらに、車輪取付フランジを一体に有するハブ輪の外周に複列の転がり軸受の一方に内側転走面が一体に形成された第3世代、さらには、ハブ輪に等速自在継手が一体化され、この等速自在継手を構成する外側継手部材の外周に複列の転がり軸受の他方の内側転走面が一体に形成された第4世代のものまで開発されている。このため、本車輪用軸受装置としては、第1世代から第4世代の車輪用軸受装置であってもよい。
また、本車輪用軸受装置として、セミフローティングサスペンション用の第3世代のものに最適であるが、これに限るものではなく、一般的な車輪用軸受装置が用いられる部位に用いることができる。
21 内方部材
22 外方部材
22a 車体取付フランジ
23 ハブ輪
27 外側軌道面
28 車輪取付フランジ
29 内側軌道面
31,32 密封装置
40 オイルフローキャップ
40b 周方向凹部
41 付け根部
42 スリンガ
42b 傾斜片部
46a 内面
50 シール材
51 樋部
55 リップ部
R ラビリンスシール構造

Claims (4)

  1. 外周に車体取付フランジを有するとともに、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、外周に車輪取付フランジを有するとともに、外周に前記外側転走面に対向する複列の転走面が形成された内方部材と、外方部材と内方部材との軌道面間に介在される複列の転動体と、外方部材と内方部材との間に形成された環状空間の開口を密閉する一対の密封装置とを備え、内方部材は、車輪取付フランジを有するハブ輪を有する車輪用軸受装置であって、
    一対の密封装置の内、アウター側の密封装置が、前記外方部材のアウター側の端部外周に装着されるオイルフローキャップと、車輪取付フランジのインナー側の付け根部に装着されるスリンガと、前記スリンガに密接するシール部材とを備え、
    前記オイルフローキャップは、外方部材のアウター側の端部と車輪取付フランジのインナー側の付け根部との間の開口部を覆うように内径側に開口する周方向凹部を有し、前記スリンガの外径部を前記周方向凹部に向かうように折れ曲る傾斜片部とし、かつ前記周方向凹部の内面を、この周方向凹部に流入したオイルがインナー側へ案内される傾斜面としたことを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記傾斜片部の外径端部に、周方向凹部内に突入状となるリップ部を設け、このリップ部の外径寸法を、周方向凹部の車輪取付フランジ側の側壁の内径寸法よりも大きく設定して、リップ部を有する傾斜片部と周方向凹部とでラビリンスシール構造を構成したことを特徴とする請求項1に記載の車輪用軸受装置。
  3. 前記前記オイルフローキャップは、周方向凹部の傾斜面にて案内されたオイルをオイルフローキャップ外へ排出する樋部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 傾斜片部の屈曲部と車輪取付フランジのインナー側の付け根部との間に、シール材を嵌入させたことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の車輪用軸受装置。
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