JP2022135366A - 化合物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】新規の加水分解性シリル基含有イソシアネート化合物、及び、該化合物の製造方法の提供。【解決手段】式(1)の不飽和化合物と、シアン酸アルカリ金属塩を反応させて、式(2)の不飽和化合物を製造する。各式中、R1、R2、及びR3のうちいずれか1つの基が、式:-SiRaY3-aで表される加水分解性シリル基を表し、他の2つの基が、同一又は異なって、水素原子、又は炭素数1~20の置換若しくは無置換の炭化水素基を表す。Xは、ハロゲン原子を表す。nは、1~5の整数を表す。Rは、炭素数1~20の置換又は無置換の炭化水素基を表す。Yは、水酸基又は加水分解性基を表す。aは、0、1又は2である。X(CH2)nR1C=CR2R3(1)OCN(CH2)nR1C=CR2R3(2)【選択図】なし
Description
本発明は、イソシアネート基と加水分解性シリル基を有する化合物、及び、該化合物の製造方法に関する。
ケイ素原子上に水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成し得るケイ素含有基(以下、「加水分解性シリル基」という)を有する有機重合体は、湿分反応性ポリマーとして知られており、接着剤、シーリング材、コーティング材、塗料、粘着剤などの多くの工業製品に含まれ、幅広い分野で利用されている。
特許文献1では、加水分解性シリル基を有する重合体を製造するにあたって、水酸基含有重合体と、加水分解性シリル基含有イソシアネート化合物を反応させ、ウレタン結合を形成させることによって、重合体に加水分解性シリル基を導入することが記載されている。
特許文献1では、加水分解性シリル基含有イソシアネート化合物として、γ-トリメトキシシリルプロピルイソシアネートや、トリメトキシシリルメチルイソシアネートなどが開示されているが、その具体例は限られていた。
本発明は、上記現状に鑑み、新規の加水分解性シリル基含有イソシアネート化合物、及び、該化合物の製造方法を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、下記式(1)で表される化合物と、シアン酸アルカリ金属塩を反応させる工程を含む、下記式(2)で表される化合物の製造方法に関する。
(各式中、R1、R2、及びR3のうちいずれか1つの基が、式:-SiRaY3-aで表される加水分解性シリル基を表し、他の2つの基が、同一又は異なって、水素原子、又は炭素数1~20の置換若しくは無置換の炭化水素基を表す。Xは、ハロゲン原子を表す。nは、1~5の整数を表す。Rは、炭素数1~20の置換又は無置換の炭化水素基を表す。Yは、水酸基又は加水分解性基を表す。aは、0、1又は2である。)
好ましくは、前記式(1)で表される化合物と前記シアン酸アルカリ金属塩の反応を、アルコール化合物の存在下で行って、下記式(3)で表される化合物を得た後、該化合物をイソシアネート化して、前記式(2)で表される化合物を得る。
(式中、R1~R3、及びnは上記と同じ。R4は、炭素数1~10の置換又は無置換の炭化水素基を表す。)
好ましくは、R1、R2、及びR3のうちいずれか1つの基が水素原子を表す。
好ましくは、前記製造方法は、炭素-炭素三重結合を有するハロゲン化有機化合物に、加水分解性シリル基含有ヒドロシラン化合物をヒドロシリル化反応させて、前記式(1)で表される化合物を得る工程を更に含む。
また本発明は、前記式(2)で表される化合物にも関する。
好ましくは、前記式(1)で表される化合物と前記シアン酸アルカリ金属塩の反応を、アルコール化合物の存在下で行って、下記式(3)で表される化合物を得た後、該化合物をイソシアネート化して、前記式(2)で表される化合物を得る。
好ましくは、R1、R2、及びR3のうちいずれか1つの基が水素原子を表す。
好ましくは、前記製造方法は、炭素-炭素三重結合を有するハロゲン化有機化合物に、加水分解性シリル基含有ヒドロシラン化合物をヒドロシリル化反応させて、前記式(1)で表される化合物を得る工程を更に含む。
また本発明は、前記式(2)で表される化合物にも関する。
本発明によれば、新規の加水分解性シリル基含有イソシアネート化合物、及び、該化合物の製造方法を提供することができる。
本発明に係る加水分解性シリル基含有イソシアネート化合物を水酸基含有重合体と反応させ、ウレタン結合を形成させることによって、加水分解性シリル基と炭素-炭素二重結合を同時に重合体に導入することができる。得られた加水分解性シリル基含有重合体は、加水分解性シリル基の加水分解・脱水縮合反応による硬化性が良好なものである。
本発明に係る加水分解性シリル基含有イソシアネート化合物を水酸基含有重合体と反応させ、ウレタン結合を形成させることによって、加水分解性シリル基と炭素-炭素二重結合を同時に重合体に導入することができる。得られた加水分解性シリル基含有重合体は、加水分解性シリル基の加水分解・脱水縮合反応による硬化性が良好なものである。
以下に本発明の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態に係る化合物の製造方法は、下記式(1)で表されるハロゲン化有機化合物と、シアン酸アルカリ金属塩を反応させて、下記式(2)で表されるイソシアネート化合物を製造するものである。下記式(1)で表される化合物は、ハロゲン基、炭素-炭素二重結合、及び、該二重結合を形成する炭素原子上に加水分解性シリル基を有する化合物である。下記式(2)で表される化合物は、イソシアネート基、炭素-炭素二重結合、及び、該二重結合を形成する炭素原子上に加水分解性シリル基を有する化合物である。
本実施形態に係る化合物の製造方法は、下記式(1)で表されるハロゲン化有機化合物と、シアン酸アルカリ金属塩を反応させて、下記式(2)で表されるイソシアネート化合物を製造するものである。下記式(1)で表される化合物は、ハロゲン基、炭素-炭素二重結合、及び、該二重結合を形成する炭素原子上に加水分解性シリル基を有する化合物である。下記式(2)で表される化合物は、イソシアネート基、炭素-炭素二重結合、及び、該二重結合を形成する炭素原子上に加水分解性シリル基を有する化合物である。
各式中、R1、R2、及びR3のうちいずれか1つの基が、式:-SiRaY3-aで表される加水分解性シリル基を表し、他の2つの基が、同一又は異なって、水素原子、又は炭素数1~20の置換若しくは無置換の炭化水素基を表す。Xは、ハロゲン原子を表す。nは、1~5の整数を表す。
前記加水分解性シリル基を表す式:-SiRaY3-aにおいて、Rは、炭素数1~20の置換又は非置換の炭化水素基を表す。前記炭素数は1~10が好ましく、1~8がより好ましく、1~6がさらに好ましく、1~3がより更に好ましく、1又は2が特に好ましい。前記炭化水素基が置換基を有する場合、該置換基としては特に限定されないが、例えば、クロロ基等のハロゲン基、メトキシ基等のアルコキシ基、N,N-ジエチルアミノ基等のアミノ基が挙げられる。
Rの具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、n-ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、n-ドデシル基等の無置換のアルキル基;クロロメチル基、メトキシメチル基、N,N-ジエチルアミノメチル基等の置換アルキル基;ビニル基、イソプロペニル基、アリル基などの不飽和炭化水素基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トルイル基、1-ナフチル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。好ましくは置換又は無置換のアルキル基であり、より好ましくは、メチル基、エチル基、クロロメチル基、メトキシメチル基であり、さらに好ましくは、メチル基、メトキシメチル基であり、特に好ましくは、メチル基である。R1としては、一種類の基のみを使用してよいし、二種類以上の基を併用してもよい。
Yは水酸基又は加水分解性基を表す。Yとしては、例えば、水酸基、水素、ハロゲン、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。前記のアルコキシ基等は、置換基を有していてもよい。加水分解性が穏やかで取扱いやすいことから、アルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基がさらに好ましく、メトキシ基が特に好ましい。Yとしては、一種類の基のみを使用してよいし、二種類以上の基を併用してもよい。
前記式中のaは、0、1、又は2を表す。好ましくは0又は1である。
前記加水分解性シリル基の具体例としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリス(2-プロペニルオキシ)シリル基、トリアセトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、ジメトキシエチルシリル基、(クロロメチル)ジメトキシシリル基、(クロロメチル)ジエトキシシリル基、(メトキシメチル)ジメトキシシリル基、(メトキシメチル)ジエトキシシリル基、(N,N-ジエチルアミノメチル)ジメトキシシリル基、(N,N-ジエチルアミノメチル)ジエトキシシリル基等が挙げられる。加水分解性シリル基は1種類のみであってもよいし、2種以上が併存していてもよい。
前記式(1)及び(2)中、R1、R2、及びR3のうち2つの基は、加水分解性シリル基ではない基であって、水素原子、又は炭素数1~20の置換若しくは無置換の炭化水素基を表す。当該2つの基は同一でもよいし、異なっていてもよい。前記炭化水素基としては、例えば、炭素数1~20の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数6~20の置換若しくは無置換のアリール基、又は炭素数7~20の置換若しくは無置換のアラルキル基が好ましい。アルキル基の炭素数は、1~12が好ましく、1~6がより好ましく、1~4が特に好ましい。アリール基の炭素数は、6~12が好ましく、6~10がより好ましい。アラルキル基の炭素数は、7~12が好ましい。
前記式(1)及び(2)中、加水分解性シリル基ではない2つの基としては、具体的には、水素原子;メチル基、エチル基、シクロヘキシル基などのアルキル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基が挙げられる。これらの中では、水素原子、およびメチル基が好ましい。合成が比較的容易であることから、前記2つの基のうち少なくとも1つの基が、水素原子であることが好ましく、前記2つの基がいずれも水素原子であることが特に好ましい。
前記式(1)中、Xは、ハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、塩素原子が好ましい。
前記式(1)及び(2)中、nは、1~5の整数を表す。1~3の整数が好ましく、1又は2がより好ましく、1が最も好ましい。
前記式(1)で表されるハロゲン化有機化合物を合成する方法は特に限定されないが、例えば、プロパルギルクロライドなどの炭素-炭素三重結合を有するハロゲン化有機化合物に対し、トリメトキシシランなどの加水分解性シリル基含有ヒドロシラン化合物をヒドロシリル化反応させることで合成可能である。前記ヒドロシリル化反応は、白金錯体などヒドロシリル化触媒の存在下で行うことが好ましい。
この合成方法によると、前記式(1)で表されるハロゲン化有機化合物として、R1が前記加水分解性シリル基を表す化合物(α体)が優先的に生成し、得られる化合物中、該α体の占める割合が高くなるという利点がある。
この合成方法によると、前記式(1)で表されるハロゲン化有機化合物として、R1が前記加水分解性シリル基を表す化合物(α体)が優先的に生成し、得られる化合物中、該α体の占める割合が高くなるという利点がある。
尚、前記式(1)で表されるハロゲン化有機化合物は、R1が前記加水分解性シリル基を表す化合物(α体)、R2が前記加水分解性シリル基を表す化合物、及び、R3が前記加水分解性シリル基を表す化合物のいずれであってもよいし、また、α体、R2が前記加水分解性シリル基を表す化合物、及び、R3が前記加水分解性シリル基を表す化合物の混合物であってもよい。
前記式(1)で表されるハロゲン化有機化合物との反応に使用される前記シアン酸アルカリ金属塩としては、例えば、シアン酸ナトリウム、シアン酸カリウム、シアン酸リチウム等が挙げられる。前記シアン酸アルカリ金属塩としては1種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。特にシアン酸カリウムが好ましい。
下記反応式に示すように、前記式(1)で表されるハロゲン化有機化合物と、シアン酸アルカリ金属塩を反応させることによって、式(1)中のハロゲン基をイソシアネート基に置換して、式(2)で表されるイソシアネート化合物を合成することができる。
しかし、好適な態様によると、下記反応式に示すように、前記式(1)で表されるハロゲン化有機化合物と、シアン酸アルカリ金属塩の反応を、アルコール化合物の存在下で行って、式(3)で表されるカルバメート化合物を得た後、該化合物のカルバメート基をイソシアネート基に変換(イソシアネート化)することで、前記式(2)で表されるイソシアネート化合物を合成することもできる。
式(3)中、R1~R3、及びnは、前記式(1)及び(2)中のR1~R3、及びnと同じものである。
式(3)中のR4は、炭素数1~10の置換又は無置換の炭化水素基を表す。前記炭化水素基としては、炭素数1~10の置換若しくは無置換のアルキル基が好ましい。前記炭素数は、1~6がより好ましく、1~3がより好ましく、1又は2がさらに好ましい。R4としては、メチル基が特に好ましい。
前記アルコール化合物としては、式:R4OHで表される化合物であることが好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。特にメタノールが好ましい。このようなアルコール化合物を、シアン酸アルカリ金属塩の存在下、前記式(1)で表されるハロゲン化有機化合物と反応させることによって、前記式(3)で表されるカルバメート化合物を得ることができる。
前記アルコール化合物の使用量は、適宜設定することができるが、前記式(1)で表されるハロゲン化有機化合物に対して0.1~10モル倍であることが好ましく、0.5~5モル倍であることがより好ましく、0.8~3モル倍であることがさらに好ましい。
前記シアン酸アルカリ金属塩の使用量についても、適宜設定することができ、特に限定されないが、前記式(1)で表されるハロゲン化有機化合物に対して0.1~10モル倍であることが好ましく、0.5~5モル倍であることがより好ましく、0.8~3モル倍であることがさらに好ましい。
前記式(3)で表されるカルバメート化合物を得る反応は、有機溶媒の存在下で実施することが好ましい。有機溶媒の種類としては特に限定されないが、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4-ジオキサン、アセトン、アセトニトリル、クロロホルム、酢酸エチル、γ-ブチロラクトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、塩化メチレン、酢酸n-ブチル、N-メチル-2-ピロリドン、炭酸プロピレン、1,1,2,2-テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。有機溶媒としては1種類のみを使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
当該反応時の反応温度は、当業者が適宜設定できるが、例えば、50℃以上150℃以下が好ましく、70℃以上140℃以下がより好ましい。反応時間も適宜設定すればよいが、例えば、15分以上10時間以下が好ましく、30分以上8時間以下がより好ましい。
以上のようにして得られた前記式(3)で表されるカルバメート化合物を、カルバメート基をイソシアネート基に変換(イソシアネート化)することによって、前記式(2)で表されるイソシアネート化合物を得ることができる。
前記イソシアネート化は、触媒を使用せずに実施してもよいが、反応を促進するため、触媒の存在下で実施することが好ましい。そのような触媒としては、有機錫化合物が好ましい。具体的には、オクチル酸スズ、ステアリン酸スズ、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジオレイルマレート、ジブチルスズジブチルマレート、ジブチルスズジラウレート、1,1,3,3-テトラブチル-1,3-ジラウリルオキシカルボニルジスタノキサン、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジアセチルアセトナート、ジブチルスズビス(o-フェニルフェノキサイド)、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズビス(トリエトキシシリケート)、ジブチルスズジステアレート、ジブチルスズビス(イソノニル-3-メルカプトプロピオネート)、ジブチルスズビス(イソオクチルメルカプトプロピオネート)、ジブチルスズビス(イソオクチルチオグリコレート)、ジオクチルスズオキサイド、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジバーサテート等が挙げられる。このような触媒としては1種類のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
触媒の使用量は当業者が適宜設定してもよいが、前記式(3)で表されるカルバメート化合物100重量部に対して0.1~20重量部程度が好ましい。
前記イソシアネート化反応は、溶媒を使用せずに実施することができるが、式(3)で表されるカルバメート化合物と、前記触媒を均一に溶解させる等の目的で、有機溶媒を添加して実施してもよい。
有機溶媒を使用する場合、その種類としては特に限定されず、適宜選択すればよいが、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、シクロドデカン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素や、ジクロロエタン、クロロホルム等の脂肪族ハロゲン化炭化水素や、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン等の芳香族炭化水素や、クロロベンゼン、クロロトルエン等の芳香族ハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)等のエーテル溶媒等が挙げられる。有機溶媒としては1種類のみを使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記イソシアネート化反応の温度は、当業者が適宜設定できるが、80℃以上2500℃以下が好ましく、100℃以上230℃以下がより好ましい。反応時間も適宜設定すればよいが、具体的には、15分以上5時間以下が好ましく、30分以上3時間以下がより好ましい。
以上のようにして得られる前記式(2)で表されるイソシアネート化合物は、これまで報告されていない新規の化合物であり、本発明の一態様を構成する。
前記式(2)で表されるイソシアネート化合物の具体例としては、例えば、3-イソシアナト-1-(トリメトキシシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-2-(トリメトキシシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-1-(トリエトキシシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-2-(トリエトキシシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-1-(トリス(2-プロペニルオキシ))-1-プロペン、3-イソシアナト-2-(トリス(2-プロペニルオキシ))-1-プロペン、3-イソシアナト-1-(トリアセトキシシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-2-(トリアセトキシシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-1-(メチルジメトキシシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-2-(メチルジメトキシシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-1-(メチルジエトキシシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-2-(メチルジエトキシシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-1-(ジメトキシエチルシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-2-(ジメトキシエチルシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-1-(ジエトキシエチルシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-2-(ジエトキシエチルシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-1-((クロロメチル)ジメトキシシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-2-((クロロメチル)ジメトキシシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-1-((クロロメチル)ジエトキシシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-2-((クロロメチル)ジエトキシシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-1-((メトキシメチル)ジメトキシシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-2-((メトキシメチル)ジメトキシシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-1-((メトキシメチル)ジエトキシシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-2-((メトキシメチル)ジエトキシシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-1-((N,N-ジエチルアミノメチル)ジメトキシシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-2-((N,N-ジエチルアミノメチル)ジメトキシシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-1-((N,N-ジエチルアミノメチル)ジエトキシシリル)-1-プロペン、3-イソシアナト-2-((N,N-ジエチルアミノメチル)ジエトキシシリル)-1-プロペン等が挙げられる。
前記式(2)で表されるイソシアネート化合物は、R1が前記加水分解性シリル基を表す化合物、R2が前記加水分解性シリル基を表す化合物、及び、R3が前記加水分解性シリル基を表す化合物のいずれであってもよいし、また、R1が前記加水分解性シリル基を表す化合物、R2が前記加水分解性シリル基を表す化合物、及び、R3が前記加水分解性シリル基を表す化合物の混合物であってもよい。
前記式(2)で表されるイソシアネート化合物は、これを合成した後に精製を行って、前記イソシアネート化合物のうち、R1が前記加水分解性シリル基を表す化合物(α体)の占める割合を高めることができる。このような精製工程は、従来公知の手法、例えば蒸留や再結晶などを利用して実施できる。
化合物の純度を高める観点から、前記式(2)で表されるイソシアネート化合物全体のうち、R1が前記加水分解性シリル基を表す化合物(α体)の占める割合は55モル%以上100モル%以下であることが好ましく、70モル%以上100モル%以下がより好ましく、80モル%以上100モル%以下がさらに好ましく、90モル%以上100モル%以下が特に好ましい。特に、前記式(2)で表されるイソシアネート化合物は、α体のみであることが最も好ましい。
前記式(2)で表されるイソシアネート化合物はイソシアネート基を有するため、水酸基と反応してウレタン結合を形成することができる。そのため、前記式(2)で表されるイソシアネート化合物を、水酸基を有する重合体と反応させることによって、加水分解性シリル基と炭素-炭素二重結合を同時に重合体に導入することができる。このような有機重合体は、加水分解性シリル基の加水分解・脱水縮合反応によって架橋し、速硬化性を示す。
このように前記式(2)で表されるイソシアネート化合物は、加水分解性シリル基含有重合体を製造するための原料として使用することができるが、該化合物の用途はこの用途に限定されるものではなく、例えば、シランカップリング剤、脱水剤、接着性付与剤等にも使用することができる。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に示す化合物の同定、並びに、反応率、及び異性体割合の算出は、下記の核磁気共鳴装置(NMR)を用いて、1H NMR測定により行った。
装置:AVANCE III HD500型デジタル装置(BRUKER社製)
装置:AVANCE III HD500型デジタル装置(BRUKER社製)
(実施例1)
撹拌機、温度計、及び還流冷却機を備えた300mLフラスコに、トルエン150g、プロパルギルクロライド15.0g(201.3mmol)、及び白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロパノール溶液)0.072gを仕込み、窒素雰囲気下で60℃まで加温した。次いで、トリメトキシシラン27.1g(221.4mmol)を仕込み、80℃まで加温し1時間反応させた後、混合物を1H-NMRスペクトル測定で分析し、原料のプロパルギルクロライドとトリメトキシシランが消失していることを確認した。蒸留し、生成物である3-クロロプロパ-1-エニルトリメトキシシラン(化合物1)28.5g(収率72%)を2つの異性体の混合物として得た。化合物1は、前記式(1)で表されるハロゲン化有機化合物に該当する。
前記2つの異性体は、シリル基が結合する炭素原子が異なっている。下記化学式で示すように、炭素-炭素二重結合を形成する2つの炭素原子のうち、塩素原子から数えて2本の結合で隔てられた炭素原子にシリル基が結合した異性体をα体、塩素原子から数えて3本の結合で隔てられた炭素原子にシリル基が結合した異性体をβ体と呼ぶ。化合物1はα体とβ体を82:18のモル比で有することを確認した。図1に化合物1の1H-NMRスペクトルチャートを示す。
尚、β体はシス体を含まずトランス体のみを含むことを確認した。
撹拌機、温度計、及び還流冷却機を備えた300mLフラスコに、トルエン150g、プロパルギルクロライド15.0g(201.3mmol)、及び白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロパノール溶液)0.072gを仕込み、窒素雰囲気下で60℃まで加温した。次いで、トリメトキシシラン27.1g(221.4mmol)を仕込み、80℃まで加温し1時間反応させた後、混合物を1H-NMRスペクトル測定で分析し、原料のプロパルギルクロライドとトリメトキシシランが消失していることを確認した。蒸留し、生成物である3-クロロプロパ-1-エニルトリメトキシシラン(化合物1)28.5g(収率72%)を2つの異性体の混合物として得た。化合物1は、前記式(1)で表されるハロゲン化有機化合物に該当する。
前記2つの異性体は、シリル基が結合する炭素原子が異なっている。下記化学式で示すように、炭素-炭素二重結合を形成する2つの炭素原子のうち、塩素原子から数えて2本の結合で隔てられた炭素原子にシリル基が結合した異性体をα体、塩素原子から数えて3本の結合で隔てられた炭素原子にシリル基が結合した異性体をβ体と呼ぶ。化合物1はα体とβ体を82:18のモル比で有することを確認した。図1に化合物1の1H-NMRスペクトルチャートを示す。
尚、β体はシス体を含まずトランス体のみを含むことを確認した。
(実施例2)
撹拌機、温度計、及び還流冷却機を備えた200mLフラスコに、シアン酸カリウム14.8g(182.4mmol)、ジメチルホルムアミド104g、化合物1を30.6g(155.4mmol)、及びメタノール10.4g(323.3mmol)を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら90℃まで加温し、その後4時間かけて120℃まで加温し、さらに120℃で3時間反応させた。固体を濾過により除去した後、液体混合物を蒸留することにより、カルバメート基及びトリメトキシシリル基を有する化合物2(収率47%)を2つの異性体の混合物として、17.2gの量で得た。これらの異性体を1H-NMRスペクトル測定で分析し、α体とβ体を81:19のモル比で有することを確認した。図2に化合物2の1H-NMRスペクトルチャートを示す。化合物2は、前記式(3)で表されるカルバメート化合物に該当する。
撹拌機、温度計、及び還流冷却機を備えた200mLフラスコに、シアン酸カリウム14.8g(182.4mmol)、ジメチルホルムアミド104g、化合物1を30.6g(155.4mmol)、及びメタノール10.4g(323.3mmol)を仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら90℃まで加温し、その後4時間かけて120℃まで加温し、さらに120℃で3時間反応させた。固体を濾過により除去した後、液体混合物を蒸留することにより、カルバメート基及びトリメトキシシリル基を有する化合物2(収率47%)を2つの異性体の混合物として、17.2gの量で得た。これらの異性体を1H-NMRスペクトル測定で分析し、α体とβ体を81:19のモル比で有することを確認した。図2に化合物2の1H-NMRスペクトルチャートを示す。化合物2は、前記式(3)で表されるカルバメート化合物に該当する。
(実施例3)
連結管とリービッヒ冷却器を接続した50mlナスフラスコに、化合物2を17.0g(72.2mmol)、及びジラウリン酸ジブチル錫1.7gを入れ、マグネチックスターラーと攪拌子を用いて攪拌しながら、220℃まで加温した後、真空ポンプを用いて系を減圧し、混合物を気化させた後、リービッヒ冷却器によって冷却され液化して別のナスフラスコに回収された混合物を1H-NMRスペクトル測定で分析した。その結果、混合物は、化合物2と、カルバメート基がイソシアネート基に変換された化合物3’を69:31の割合で含むことを確認した。化合物3’はα体とβ体を81:19のモル比で有していた。さらに混合物を蒸留することにより、β体を含まずα体のみを含む化合物3を単離した。図3に化合物2と化合物3’の混合物の1H-NMRスペクトルチャートを、図4に化合物3の1H-NMRスペクトルチャートを示す。化合物3及び3’は、前記式(2)で表されるイソシアネート化合物に該当し、その中でも化合物3は、R1が加水分解性シリル基を表す化合物に該当する。
連結管とリービッヒ冷却器を接続した50mlナスフラスコに、化合物2を17.0g(72.2mmol)、及びジラウリン酸ジブチル錫1.7gを入れ、マグネチックスターラーと攪拌子を用いて攪拌しながら、220℃まで加温した後、真空ポンプを用いて系を減圧し、混合物を気化させた後、リービッヒ冷却器によって冷却され液化して別のナスフラスコに回収された混合物を1H-NMRスペクトル測定で分析した。その結果、混合物は、化合物2と、カルバメート基がイソシアネート基に変換された化合物3’を69:31の割合で含むことを確認した。化合物3’はα体とβ体を81:19のモル比で有していた。さらに混合物を蒸留することにより、β体を含まずα体のみを含む化合物3を単離した。図3に化合物2と化合物3’の混合物の1H-NMRスペクトルチャートを、図4に化合物3の1H-NMRスペクトルチャートを示す。化合物3及び3’は、前記式(2)で表されるイソシアネート化合物に該当し、その中でも化合物3は、R1が加水分解性シリル基を表す化合物に該当する。
以下の合成例1~3では、参考例1で使用する水酸基末端重合体、及び、比較参考例1で使用する重合体の合成方法を説明する。
(合成例1)
数平均分子量が約4,500のポリオキシプロピレングリコールと数平均分子量が約4,500のポリオキシプロピレントリオールの重量比60:40の混合物を開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、末端に水酸基を有する数平均分子量17,300、分子量分布Mw/Mn=1.28の水酸基末端ポリオキシプロピレン(以下、重合体Aと記す)を得た。
数平均分子量が約4,500のポリオキシプロピレングリコールと数平均分子量が約4,500のポリオキシプロピレントリオールの重量比60:40の混合物を開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、末端に水酸基を有する数平均分子量17,300、分子量分布Mw/Mn=1.28の水酸基末端ポリオキシプロピレン(以下、重合体Aと記す)を得た。
(合成例2)
重合体Aの水酸基に対して0.95モル当量のナトリウムメトキシドを28%メタノール溶液として添加した。真空脱揮によりメタノールを留去した後、重合体Aの水酸基に対して、0.15モル当量の塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換し、さらに0.75モル当量の臭化プロパルギルを添加して末端の水酸基をプロパルギル基に変換した。未精製のプロパルギル基末端ポリオキシプロピレンをn-ヘキサンに溶解させ、珪酸アルミニウム(協和化学社製キョーワードR700SEN-S)を混合攪拌することで、重合体中の金属塩を珪酸アルミニウムに吸着させた後、珪酸アルミニウムを濾過により除去し、得られたヘキサン溶液からヘキサンを減圧脱揮した。以上により、末端にプロパルギル基を有するポリオキシプロピレンを得た(以下、重合体Bと記す)。
重合体Aの水酸基に対して0.95モル当量のナトリウムメトキシドを28%メタノール溶液として添加した。真空脱揮によりメタノールを留去した後、重合体Aの水酸基に対して、0.15モル当量の塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換し、さらに0.75モル当量の臭化プロパルギルを添加して末端の水酸基をプロパルギル基に変換した。未精製のプロパルギル基末端ポリオキシプロピレンをn-ヘキサンに溶解させ、珪酸アルミニウム(協和化学社製キョーワードR700SEN-S)を混合攪拌することで、重合体中の金属塩を珪酸アルミニウムに吸着させた後、珪酸アルミニウムを濾過により除去し、得られたヘキサン溶液からヘキサンを減圧脱揮した。以上により、末端にプロパルギル基を有するポリオキシプロピレンを得た(以下、重合体Bと記す)。
(合成例3)
重合体B 100重量部に対して、90℃でトリメトキシシラン1.60重量部、続いて白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロパノール溶液)100ppmを添加し、ヒドロシリル化反応を実施した。90℃でトリメトキシシランが完全に消費されるまで反応させた後、揮発成分を留去し、下記式で表される構造を末端に有するポリオキシプロピレンを得た(以下、重合体Cと記す)。重合体Cは、国際公開第2019/189491号で開示されている加水分解性シリル基含有有機重合体である。
重合体B 100重量部に対して、90℃でトリメトキシシラン1.60重量部、続いて白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のイソプロパノール溶液)100ppmを添加し、ヒドロシリル化反応を実施した。90℃でトリメトキシシランが完全に消費されるまで反応させた後、揮発成分を留去し、下記式で表される構造を末端に有するポリオキシプロピレンを得た(以下、重合体Cと記す)。重合体Cは、国際公開第2019/189491号で開示されている加水分解性シリル基含有有機重合体である。
以下、参考例1では、本発明に係る前記式(2)で表されるイソシアネート化合物を水酸基末端重合体と反応させ、室温硬化性重合体を合成した例について説明する。また、参考例1で合成した重合体Dを原料として得た硬化性樹脂組成物を参考例2とし、合成例3で合成した重合体Cを原料として得た硬化性樹脂組成物を比較参考例1として、硬化時間を比較したので、以下説明する。
(参考例1)
撹拌機と温度計を備えた100mLフラスコに、合成例1で得た重合体Aを25g、及び、メルカプト錫系触媒であるネオスタンU-360(日東化成(株)製)2.5mgを入れて、窒素雰囲気下で加温し、90℃で、重合体Aの水酸基に対して0.61モル当量の化合物3を添加し、45分間攪拌することで、重合体Aの水酸基と化合物3のイソシアネート基との反応でウレタン結合を形成させ、下記式で表される構造を末端に有する重合体Dを得た。1H NMR分析により、重合体Dの水酸基の反応率を算出した結果、66%であった。
撹拌機と温度計を備えた100mLフラスコに、合成例1で得た重合体Aを25g、及び、メルカプト錫系触媒であるネオスタンU-360(日東化成(株)製)2.5mgを入れて、窒素雰囲気下で加温し、90℃で、重合体Aの水酸基に対して0.61モル当量の化合物3を添加し、45分間攪拌することで、重合体Aの水酸基と化合物3のイソシアネート基との反応でウレタン結合を形成させ、下記式で表される構造を末端に有する重合体Dを得た。1H NMR分析により、重合体Dの水酸基の反応率を算出した結果、66%であった。
(参考例2、比較参考例1)
表1に記載の各重合体100重量部に対して、DINP((株)ジェイプラス製:ジイソノニルフタレート)90重量部、白艶華CCR(白石カルシウム(株)製:沈降炭酸カルシウム)160重量部、ホワイトン SB(白石カルシウム(株)製:重質炭酸カルシウム)54重量部、タイペークR820((株)石原産業製:酸化チタン)5重量部、ディスパロン6500(楠本化学(株)製:脂肪酸アマイドワックス)2重量部、チヌビン770(BASF製:ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート)1重量部、及びチヌビン326(BASF製:2-(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール)1重量部を混合して、A-171(Momentive製:ビニルトリメトキシシラン)2重量部、A-1120(Momentive製:N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン)3重量部、及びDBU(1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7)0.1重量部を添加し混合した。得られた各組成物を参考例2、比較参考例1とし、それぞれ厚さ約5mmの型枠にスパチュラを用いて充填し、表面を平面状に整えた時間を硬化開始時間とし、表面をスパチュラで触り、スパチュラに評価用組成物が付着しなくなった時間を皮張り時間として硬化時間の測定を行った。結果を表1に示す。
表1に記載の各重合体100重量部に対して、DINP((株)ジェイプラス製:ジイソノニルフタレート)90重量部、白艶華CCR(白石カルシウム(株)製:沈降炭酸カルシウム)160重量部、ホワイトン SB(白石カルシウム(株)製:重質炭酸カルシウム)54重量部、タイペークR820((株)石原産業製:酸化チタン)5重量部、ディスパロン6500(楠本化学(株)製:脂肪酸アマイドワックス)2重量部、チヌビン770(BASF製:ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート)1重量部、及びチヌビン326(BASF製:2-(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール)1重量部を混合して、A-171(Momentive製:ビニルトリメトキシシラン)2重量部、A-1120(Momentive製:N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン)3重量部、及びDBU(1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7)0.1重量部を添加し混合した。得られた各組成物を参考例2、比較参考例1とし、それぞれ厚さ約5mmの型枠にスパチュラを用いて充填し、表面を平面状に整えた時間を硬化開始時間とし、表面をスパチュラで触り、スパチュラに評価用組成物が付着しなくなった時間を皮張り時間として硬化時間の測定を行った。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、参考例2の硬化性組成物は、比較参考例1の硬化性組成物と比べ、良好な硬化性を示した。従って、本発明に係る式(2)で表されるイソシアネート化合物は、硬化性に優れる室温硬化性重合体の原料として非常に有用であることが分かる。
Claims (5)
- R1、R2、及びR3のうちいずれか1つの基が水素原子を表す、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 炭素-炭素三重結合を有するハロゲン化有機化合物に、加水分解性シリル基含有ヒドロシラン化合物をヒドロシリル化反応させて、前記式(1)で表される化合物を得る工程を更に含む、請求項3に記載の製造方法。
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