JP2022131586A - 多層発泡体シート及び粘着テープ - Google Patents

多層発泡体シート及び粘着テープ Download PDF

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Abstract

【課題】段差追従性及びリワーク性が共に優れる発泡体シート、及びその発泡体シートを用いた粘着テープを提供する。【解決手段】本発明の多層発泡体シートは、発泡体層からなる基材層と、前記基材層の少なくとも一方の面に直接又は他の層を介して積層された発泡体層又は樹脂フィルムからなる表面層とを備える多層発泡体シートであって、25%圧縮強度が125kPa以下であり、引張破断強度が10~700N/10mmである。本発明の粘着テープは本発明の多層発泡体シートと、その多層発泡体シートの少なくとも一方の面に設けられる粘着材とを備える。【選択図】なし

Description

本発明は、多層発泡体シート及びその発泡体シートを備えた粘着テープに関する。
携帯電話、カメラ、ディスプレイ、ゲーム機器、電子手帳、パーソナルコンピュータ等の電子機器では、発泡体シートがシール材又は衝撃吸収材として広く使用されている。また、発泡体シートは、電子機器内部において、例えば少なくとも一方の面に粘着剤を塗布して、粘着テープにして使用されることもある。従来、これら用途において使用される発泡体シートとしては、熱分解型発泡剤を含む発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡かつ架橋させて得られる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シートが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014-28925号公報
近年、電子機器内部で使用される発泡体シートは、緩衝性や止水性などの性質を目的に使用されている。例えば、電子機器がディスプレイである場合、この目的のために、発泡体シートは、筐体の全面板が嵌め込まれる部分において全面板及び筐体の間に配置される。このとき、発泡体シートが、配線を通すためなどに必要な筐体の段差に追従できないと、全面板が平行にならなくなり、その結果、ディスプレイに画面ムラが起きる場合がある。また、発泡体シートによる防水性や防塵性が不十分になる場合がある。さらに、近年、ディスプレイのデザイン重視の傾向は強くなっており、筐体に高価なものが使用されるようになってきた。このため、発泡体シートには、ディスプレイの修理時に筐体を壊さずに、リワークできる性能が求められている。
そこで、本発明は、段差追従性及びリワーク性が共に優れる発泡体シート、及びその発泡体シートを用いた粘着テープを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した。その結果、発泡体層からなる基材層と、前記基材層の少なくとも一方の面に直接又は他の層を介して積層された発泡体層又は樹脂フィルムからなる表面層とを備える多層発泡体シートであって、所定の25%圧縮強度及び引張破断強度を有する多層発泡体シートにより、上記課題を解決できることを見出し、以下の本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[13]を提供するものである。
[1]発泡体層からなる基材層と、前記基材層の少なくとも一方の面に積層された発泡体層又は樹脂フィルムからなる表面層とを備える多層発泡体シートであって、25%圧縮強度が125kPa以下であり、引張破断強度が10~700N/10mmである多層発泡体シート。
[2]前記表面層が、前記基材層の両面に積層された上記[1]に記載の多層発泡体シート。
[3]密度が0.07~0.22g/cmである、上記[1]又は[2]に記載の多層発泡体シート。
[4]表面層の厚みに対する基材層の厚みの比(基材層の厚み/表面層の厚み)が2.0以上である、上記[1]~[3]のいずれか1つに記載の多層発泡体シート。
[5]厚みが30~2000μmである、上記[1]~[4]のいずれか1つに記載の多層発泡体シート。
[6]基材層の平均気泡径が20~500μmである、上記[1]~[5]のいずれか1つに記載の多層発泡体シート。
[7]独立気泡率が90%以上である、上記[1]~[6]のいずれか1つに記載の多層発泡体シート。
[8]ゲル分率が30~80%である、上記[1]~[7]のいずれか1つに記載の多層発泡体シート。
[9]前記基材層が、オレフィン系熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含む、上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の多層発泡体シート。
[10]上記[1]~[9]のいずれか1つに記載の多層発泡体シートと、前記多層発泡体シートの少なくとも一方の面に設けられる粘着材とを備える粘着テープ。
[11]ディスプレイの背面もしくは額縁に使用される、上記[10]に記載の粘着テープ。
[12]20インチ以上のディスプレイに使用される、上記[10]又は[11]に記載の粘着テープ。
[13]段差を有する被着体に貼り合わせたときの前記被着体との間の隙間の面積が、0~3.0cmである、上記[11]又は[12]に記載の粘着テープ。
本発明によれば、段差追従性及びリワーク性が共に優れる発泡体シート、及びその発泡体シートを用いた粘着テープを提供することができる。
以下、本発明について実施形態を用いて詳細に説明する。
[発泡体シート]
本発明の多層発泡体シートは、発泡体層からなる基材層と、基材層の少なくとも一方の面に積層された発泡体層又は樹脂フィルムからなる表面層とを備える多層発泡体シートであって、25%圧縮強度が125kPa以下であり、引張破断強度が10N/10mm~700N/10mmである。これにより、多層発泡体シートは、段差追従性及びリワーク性に優れたものとなる。なお、段差追従性をさらに改善するという観点から、表面層は発泡体層であることが好ましい。
(25%圧縮強度)
本発明の多層発泡体シートの25%圧縮強度は125kPa以下である。多層発泡体シートの25%圧縮強度が125kPaよりも大きいと、多層発泡体シートの段差追従性が悪くなる。このような観点から、多層発泡体シートの25%圧縮強度は、好ましくは110kPa以下であり、より好ましくは100kPa以下であり、さらに好ましくは90kPa以下である。本発明の発泡体シートの25%圧縮強度の範囲の下限値は特に限定されないが、例えば、20kPaである。なお、多層発泡体シートの25%圧縮強度は後述の実施例に記載の方法により測定できる。
(引張破断強度)
本発明の多層発泡体シートの引張破断強度は、10~700N/10mmである。引張破断強度が10N/10mm未満であると、リワーク中に多層発泡体シートが破損する場合があり、その結果、リワーク性が悪くなる。引張破断強度が700N/10mmよりも大きいと、多層発泡体シートの柔軟性が悪くなり、その結果、段差追従性が悪くなる。このような観点から、多層発泡体シートの引張破断強度は、好ましくは15~500N/10mmであり、より好ましくは20~80N/10mmである。なお、多層発泡体シートの引張破断強度は、機械方向(MD:Machine Direction)の引張破断強度であり、後述の実施例に記載の方法により測定できる。
(密度)
本発明の多層発泡体シートの密度は、好ましくは0.07~0.22g/cmであり、より好ましくは0.10~0.21g/cmであり、さらに好ましくは0.13~0.20g/cmである。多層発泡体シートの密度がこのような範囲であると、上記した25%圧縮強度を所望の値に調整しやすくなる。ここで密度は見掛け密度を意味し、JIS K 7222(2005)に準拠して測定した値である。
(発泡倍率)
本発明の多層発泡体シートにおける、発泡体層からなる基材層の発泡倍率は、好ましくは3~40であり、より好ましくは5~30であり、さらに好ましくは7~25である。基材層の発泡倍率をこれら下限値以上とすることにより、発泡体シートの段差追従性が向上し、これら上限値以下とすることにより発泡体シートのリワーク性が向上する。
表面層が発泡体層の場合は、該発泡体層の発泡倍率は、好ましくは1.2~10であり、より好ましくは1.3~8であり、さらに好ましくは1.4~6であり、防塵性、防水性の観点からは、よりさらに好ましくは1.4~3である。表面の発泡体層の発泡倍率が、これら下限値以上とすることにより、発泡体シートの柔軟性が向上して段差追従性が改善され、これら上限値以下とすることにより発泡体シートのリワーク性が向上する。
なお、発泡倍率は実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明の多層発泡体シートの発泡倍率(シート全体の発泡倍率)は、好ましく2~20であり、より好ましくは3~15であり、さらに好ましくは4~10である。
段差追従性及びリワーク性に共に優れる多層発泡体シートを得る観点から、基材層の発泡倍率を上記範囲に調整すると共に、表面層の発泡体層の発泡倍率を上記範囲に調整することが好ましい。
また、表面層の発泡体層の発泡倍率を、基材層の発泡倍率よりも低くすることが好ましい。基材層の両面に発泡体層を備える多層発泡体シートの場合は、少なくとも片面の発泡体層の発泡倍率が基材層の発泡倍率よりも低いことが好ましく、両面の発泡体層の発泡倍率が共に基材層の発泡倍率よりも低いことがより好ましい。このように発泡倍率を調節することにより、段差追従性及びリワーク性に共に優れる多層発泡体シートを得やすくなる。
(厚み)
本発明の多層発泡体シートの厚みは、特に限定されないが、好ましくは30~2000μmであり、より好ましくは100~1700μmであり、さらに好ましくは200~1300μmである。厚みがこのような範囲であると、薄型の電子機器に使用しやすくなり、適切な段差追従性及びリワーク性を確保しやすくなる。
また、基材層の厚み及び表面層の厚みは、段差追従性及びリワーク性を良好にする観点から、以下のとおりとすることが好ましい。
本発明の多層発泡体シートにおける基材層の厚みは、特に制限されないが、好ましくは20~1400μmであり、より好ましくは80~1200μmであり、さらに好ましくは170~1000μmである。
本発明の多層発泡体シートにおける表面層の厚みは、特に制限されないが、好ましくは5~300μmであり、より好ましくは10~250μmであり、さらに好ましくは15~150μmである。基材の両面に表面層を備えた多層発泡体シートの場合は、少なくとも一方の、好ましくは両方の表面層の厚みが上記範囲であることが好ましい。
多層発泡体シートの段差追従性及びリワーク性を優れたものとする観点から、基材層及び表面層の厚みを共に上記範囲内とすることが好ましい。
また、同様の観点から、表面層の厚みに対する基材層の厚みの比(基材層の厚み/表面層の厚み)は、好ましくは2.0以上であり、より好ましくは3.0以上であり、さらに好ましくは4.0以上であり、さらに好ましくは5.0以上であり、そして、好ましくは30以下である。なお、基材層の両面に表面層を備える多層発泡体シートの場合において、上記厚みの比を求める際の表面層の厚みは、両面の表面層の厚みの平均値とする。
(ゲル分率)
本発明の多層発泡体シートのゲル分率は、好ましくは30~80質量%である。発泡体シートのゲル分率が30~80質量%であると、発泡体シートの段差追従性及びリワーク性を良好にしやすくなる。このような観点から、多層発泡体シートのゲル分率は、より好ましくは32~70質量%であり、さらに好ましくは33~65質量%である。なお、多層発泡体シートのゲル分率は実施例に記載の方法により測定することができる。
(平均気泡径)
本発明の多層発泡体シートの基材層の平均気泡径は、20~500μmであることが好ましい。平均気泡径が上記範囲であると、引張破断強度を上記した所望の範囲に調整しやすくなり、発泡体シートのリワーク性が向上する。
以上の観点から、平均気泡径は30~400μmであることがより好ましく、40~300μmであることがさらに好ましい。
なお、本発明における平均気泡径は、機械方向(MD:Machine Direction)の気泡径の平均値と、MDに垂直な方向(TD:Transverse Direction)の気泡径の平均値のうち、大きい方の値である。
また、平均気泡径は、実施例に記載の方法により測定することができる。
(独立気泡率)
本発明の多層発泡体シートは、独立気泡率が90%以上であることが好ましい。独立気泡率が90%以上であることで、段差追従性及びリワーク性を良好にすることができる。以上の観点から、発泡体シートの独立気泡率は、92%以上であることがさらに好ましい。独立気泡率は、高ければ高いほどよく、100%以下であればよい。
なお、独立気泡率は、実施例に記載の方法により測定することができる。
以下、発泡体層からなる基材及び表面層についてより詳細に説明する。
<基材層(発泡体層)>
本発明の多層発泡体シートにおける基材層は、発泡体層からなる。基材層を構成する樹脂の種類は特に限定されないが、オレフィン系熱可塑性樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、及び熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。基材層は、オレフィン系熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含むことが好ましく、オレフィン系熱可塑性樹脂を含むことがより好ましい。オレフィン系熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーを使用することで、発泡性等を良好にしつつ、基材層の柔軟性及び機械強度等を確保しやすくなる。基材層に使用する樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
オレフィン系熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、これらの中ではポリエチレン樹脂が好ましい。
ポリエチレン樹脂としては、チーグラー・ナッタ化合物、メタロセン触媒、酸化クロム化合物等の重合触媒で重合されたポリエチレン樹脂が挙げられ、好ましくは、メタロセン触媒で重合されたポリエチレン樹脂が用いられる。
(メタロセン触媒)
メタロセン触媒としては、遷移金属をπ電子系の不飽和化合物で挟んだ構造を有するビス(シクロペンタジエニル)金属錯体等の化合物を挙げることができる。より具体的には、チタン、ジルコニウム、ニッケル、パラジウム、ハフニウム、及び白金等の四価の遷移金属に、1又は2以上のシクロペンタジエニル環又はその類縁体がリガンド(配位子)として存在する化合物を挙げることができる。
このようなメタロセン触媒は、活性点の性質が均一であり各活性点が同じ活性度を備えている。メタロセン触媒を用いて合成した重合体は、分子量、分子量分布、組成、組成分布等の均一性が高いため、メタロセン触媒を用いて合成した重合体を含むシートを架橋した場合には、架橋が均一に進行する。均一に架橋されたシートは、均一に発泡されるため、物性を安定させやすくなる。また、均一に延伸できるため、発泡体の厚さを均一にできる。
リガンドとしては、例えば、シクロペンタジエニル環、インデニル環等を挙げることができる。これらの環式化合物は、炭化水素基、置換炭化水素基又は炭化水素-置換メタロイド基により置換されていてもよい。炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基、各種アミル基、各種ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種セチル基、フェニル基等が挙げられる。なお、「各種」とは、n-、sec-、tert-、iso-を含む各種異性体を意味する。
また、環式化合物をオリゴマーとして重合したものをリガンドとして用いてもよい。
さらに、π電子系の不飽和化合物以外にも、塩素や臭素等の一価のアニオンリガンド又は二価のアニオンキレートリガンド、炭化水素、アルコキシド、アリールアミド、アリールオキシド、アミド、アリールアミド、ホスフィド、アリールホスフィド等を用いてもよい。
四価の遷移金属やリガンドを含むメタロセン触媒としては、例えば、シクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、メチルシクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル-t-ブチルアミドジルコニウムジクロリド等が挙げられる。
メタロセン触媒は、特定の共触媒(助触媒)と組み合わせることにより、各種オレフィンの重合の際に触媒としての作用を発揮する。具体的な共触媒としては、メチルアルミノキサン(MAO)、ホウ素系化合物等が挙げられる。なお、メタロセン触媒に対する共触媒の使用割合は、10~100万モル倍が好ましく、50~5,000モル倍がより好ましい。
また、ポリエチレン樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレン(例えば、全モノマー量に対して75質量%以上、好ましくは90質量%以上)と必要に応じて少量のα-オレフィンとを共重合することにより得られる直鎖状低密度ポリエチレンがより好ましい。α-オレフィンとして、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、及び1-オクテン等が挙げられる。なかでも、炭素数4~10のα-オレフィンが好ましい。
ポリエチレン樹脂、例えば上記した直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、柔軟性の観点から、0.870~0.925g/cmが好ましく、0.890~0.925g/cmがより好ましく、0.910~0.925g/cmがさらに好ましい。ポリエチレン樹脂としては、複数のポリエチレン樹脂を用いることもでき、また、上記した密度範囲以外のポリエチレン樹脂を加えてもよい。
オレフィン系熱可塑性樹脂として使用するエチレン-酢酸ビニル共重合体は、例えば、エチレンを50質量%以上含有するエチレン-酢酸ビニル共重合体が挙げられる。
また、ポリプロピレン樹脂としては、例えば、ホモポリプロピレン、プロピレンを50質量%以上含有するプロピレン-α-オレフィン共重合体等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。プロピレン-α-オレフィン共重合体を構成するα-オレフィンとしては、具体的には、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン等が挙げることができ、これらの中では、炭素数6~12のα-オレフィンが好ましい。
熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。熱可塑性エラストマーは、これら成分を1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中では、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマーが好ましく、スチレン系熱可塑性エラストマーがより好ましい。
オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、ブレンド型、動的架橋型、重合型のものが挙げられ、より具体的には、ハードセグメントにポリプロピレンやポリエチレン等の熱可塑性結晶性ポリオレフィンを使用し、ソフトセグメントに完全加硫又は部分加硫したゴムを使用した熱可塑性エラストマーが挙げられる。
前記熱可塑性結晶性ポリオレフィンとしては、例えば、1~4個の炭素原子を有するα-オレフィンのホモポリマー又は二種以上のα-オレフィンの共重合体が挙げられ、ポリエチレン又はポリプロピレンが好ましい。ソフトセグメント成分は、プチルゴム、ハロブチルゴム、EPDM、EPM、アクリロニトリル/ブタジエンゴム、NBR、天然ゴム等が挙げられ、これらの中ではEPDMが好ましい。
また、オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、ブロックコポリマータイプも挙げられる。ブロックコポリマータイプとしては、結晶性ブロックと、ソフトセグメントブロックとを有するものが挙げられ、より具体的には、結晶性オレフィンブロック-エチレン・ブチレン共重合体-結晶性オレフィンブロックコポリマー(CEBC)が例示される。CEBCにおいて、結晶性オレフィンブロックは、結晶性エチレンブロックであることが好ましく、そのようなCEBCの市販品としては、JSR株式会社製の「DYNARON 6200P」等が挙げられる。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレンの重合体又は共重合体ブロックと、共役ジエン化合物の重合体又は共重合体ブロックとを有するブロックコポリマーなどが挙げられる。共役ジエン化合物としては、イソプレン、ブタジエンなどが挙げられる。
本発明に用いるスチレン系熱可塑性エラストマーは、水素添加していてもよいし、していなくてもよい。水素添加する場合、水素添加は公知の方法で行うことができる。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、通常ブロック共重合体であり、スチレン-イソプレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエンブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン/プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン-エチレン/ブチレンブロック共重合体(SEB)、スチレン-エチレン/プロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレン-エチレン/ブチレン-結晶性オレフィンブロック共重合体(SEBC)などが挙げられる。
上記したスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、ブロック共重合体が好ましく、中でもSEBS、SEBCがより好ましい。
なお、スチレン系熱可塑性エラストマーの市販品としては、株式会社JSR製、商品名「DYNARON 8600P」(スチレン含有量15質量%)、商品名「DYNARON 4600P」(スチレン含有量20質量%)、商品名「DYNARON 1321P」(スチレン含有量10質量%)、株式会社クラレ製、商品名「ハイブラー7311」などが挙げられる。
〔添加剤〕
本発明において用いる発泡体層からなる基材層は、好ましくは、上記樹脂と、発泡剤とを含む発泡性樹脂組成物を発泡することで得られる。発泡剤としては、熱分解型発泡剤が好ましい。
熱分解型発泡剤としては、有機発泡剤、無機発泡剤が使用可能である。有機発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸金属塩(アゾジカルボン酸バリウム等)、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、N,N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、ヒドラゾジカルボンアミド、4,4’-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジン誘導体、トルエンスルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド化合物等が挙げられる。
無機発泡剤としては、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、無水クエン酸モノソーダ等が挙げられる。
これらの中では、微細な気泡を得る観点、及び経済性、安全面の観点から、アゾ化合物が好ましく、アゾジカルボンアミドがより好ましい。
熱分解型発泡剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
基材層を形成するための発泡性樹脂組成物における発泡剤の配合量は、樹脂100質量部に対して、1~20質量部が好ましく、3~15質量部がより好ましく、5~10質量部がさらに好ましい。発泡剤の配合量を1質量部以上にすることで、一定の柔軟性を発泡体シートに付与することが可能になる。また、発泡剤の配合量を20質量部以下にすることで、発泡体層が必要以上に発泡することが防止され、発泡体層の機械強度等を良好にすることができる。
発泡性樹脂組成物には、分解温度調整剤が配合されていてもよい。分解温度調整剤は、熱分解型発泡剤の分解温度を低くしたり、分解速度を速めたり調節するものとして配合されるものであり、具体的な化合物としては、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、尿素等が挙げられる。分解温度調整剤は、発泡体層の表面状態等を調整するために、例えば樹脂100質量部に対して0.01~5質量部配合される。
発泡性樹脂組成物には、酸化防止剤が配合されていてもよい。酸化防止剤としては、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール等のフェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が挙げられる。酸化防止剤は、例えば樹脂100質量部に対して0.01~5質量部配合される。
基材層において、樹脂は主成分となるものであり、樹脂の含有量は、発泡体層全量基準で、例えば70質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。
発泡性樹脂組成物は、必要に応じて、上記以外にも、熱安定剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、充填材等の発泡体に一般的に使用する添加剤を含有していてもよい。
<表面層>
表面層は、基材層の少なくとも一方の面に積層される。すなわち、表面層は基材層の一方の面に積層されていてもよいし、基材層の両面に積層されていてもよい。中でも、リワーク性を改善する観点から、表面層は、基材層の両面に積層されることが好ましい。
表面層は、発泡体層又は樹脂フィルムからなる層である。樹脂フィルムは、非発泡体の樹脂層である。まずは、表面層が樹脂フィルムである場合について説明する。
表面層において、樹脂フィルムを構成する樹脂の種類は、特に限定されない。樹脂フィルムを構成する樹脂には、例えば、上記基材層の樹脂と同様に、オレフィン系熱可塑性樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、及び熱可塑性エラストマー等が挙げられる。また、これら以外にも、シリコーン系樹脂、塩ビ系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アイオノマー系樹脂などを使用してもよい。
表面層において、樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。また、表面層が発泡体層の両方の面に積層されている場合、2層の表面層にそれぞれ使用する樹脂は、互いに同種の樹脂であってもよいし、異なる樹脂であってもよいが、生産性の観点、及び両層の物性を同じ又は類似にしやすい観点から、互いに同種であることが好ましい。
表面層を構成する樹脂は、熱可塑性樹脂が好ましく、熱可塑性樹脂を使用することで、表面層を、容易に基材層に接着させることが可能になる。
また、表面層それぞれに使用する樹脂としては、上記した中では、オレフィン系熱可塑性樹脂が好ましい。オレフィン系熱可塑性樹脂を使用することで、発泡体シートのリワーク性をさらに良好にすることができる。また、基材層に、オレフィン系熱可塑性樹脂や、熱可塑性エラストマーを使用した場合に、表面層の発泡体層に対する接着性を特に良好にできる。
オレフィン系熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等が挙げられる。また、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体等でもよい。
ポリエチレン樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(密度:0.930g/cm未満)、中密度ポリエチレン(密度:0.930g/cm以上0.942g/cm未満)、高密度ポリエチレン(密度:0.942g/cm以上)が挙げられる。
ここで、低密度ポリエチレンとしては、好ましくは直鎖状低密度ポリエチレンが挙げられる。直鎖状低密度ポリエチレンの詳細は、基材層の説明において述べた通りであるので、その詳細は省略する。また、ポリプロピレン樹脂の詳細も、基材層の説明において述べた通りであるので、その詳細は省略する。
表面層にて使用するエチレン-酢酸ビニル共重合体は、例えば、エチレン由来の構成単位を50質量%以上含有するエチレン-酢酸ビニル共重合体が挙げられる。
また、エチレン-エチルアクリレート共重合体は、エチレン由来の構成単位を50質量%以上含有するエチレン-エチルアクリレート共重合体が挙げられる。
上記したなかでは、発泡体層との接着性、曲げ応力、及び引張強度の観点から、エチレン樹脂、特に、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。また、同様の観点から、エチレン-酢酸ビニル共重合体も好ましい。
表面層において、樹脂は主成分となるものであり、樹脂の含有量は、各層全量基準で、例えば70質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。表面層には、上記樹脂以外にも、酸化防止剤、熱安定剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、充填材等の添加剤を含有してもよい。
表面層は、架橋されていてもよい。表面層は、後述する製造方法1で述べるように、基材層が架橋されるのに合わせて架橋されるとよく、したがって、電離性放射線により架橋されることが好ましい。
表面層は、上記したように発泡体からなる層であることが好ましい。表面層を発泡体層とする場合には、例えば、上記した表面層において使用できる樹脂に、基材層で説明したように発泡剤などを配合した発泡性樹脂組成物を発泡させればよい。該表面層を形成するための発泡性樹脂組成物における発泡剤の配合量は、樹脂100質量部に対して、0.1~10質量部が好ましく、0.5~5質量部がより好ましく、1~3質量部がさらに好ましい。発泡剤の量がこのような範囲であれば、表面層の発泡倍率を上記した所望の範囲に調整しやすくなる。
(接着層)
本発明では、基材層と表面層は、直接積層されてもよいし、他の層を介して積層されてもよい。他の層としては、例えば接着層が挙げられる。接着層としては、公知の接着剤、粘着剤などが使用されるとよい。また、基材の両面に粘着剤層が設けられた両面粘着テープなどであってもよい。
なお、接着層は、多層発泡体シートにおいて、機械強度、柔軟性などの物性に対して、大きく影響を与えない程度の厚さを有すればよい。したがって、基材層と表面層とを接着する接着層の厚みは、表面層よりも薄いことが好ましく、表面層の1/2以下の厚みであることがより好ましい。
<発泡体シートの製造方法>
(製造方法1)
本発明の多層発泡体シートは、特に限定されないが、例えば、樹脂組成物からなる層を複数積層して、多層積層体シートを得て、その後、多層積層体シートを発泡することにより得る方法(以下、「製造方法1」ともいう)により製造できる。なお、本明細書において「樹脂組成物」という用語は、1種の樹脂単独からなる場合も概念として含むものである。
製造方法1は、より具体的には、以下の工程I~IIを含む。
(I)発泡性樹脂組成物からなる層と、該層の片面又は両面に形成された表面層とを備えた多層積層体シートを得る工程
(II)多層積層体シートの発泡性樹脂組成物からなる層を発泡させることにより、発泡体シートを得る工程
以下、各工程について説明する。
(工程(I))
工程(I)において多層積層体シートを得る方法としては、特に限定されないが、共押出成形により行うことが好ましい。
具体的には、発泡性樹脂組成物からなる層の両面に表面層を形成させる場合は、表面層を形成するための樹脂、その他必要に応じて配合される添加剤を第1及び第3の押出機にそれぞれ供給して溶融混練して、表面層を形成するための樹脂組成物を得る。また、基材層を形成するための樹脂、熱分解型発泡剤などの発泡剤、及び必要に応じて配合される添加剤を第2の押出機に供給して溶融混練して、基材層を形成するための発泡性樹脂組成物を得る。
次いで、第1~第3の押出機から供給された樹脂組成物を、第2の押出機から供給された組成物が中層になるように合流させて、Tダイ等によりシート状に押出すことにより、3層構造の多層積層体シートを得ることができる。
また、発泡性樹脂組成物からなる層の片面に表面層を形成させる場合は、表面層を形成するための樹脂、その他必要に応じて配合される添加剤を第1の押出機に供給して溶融混練して、表面層を形成するための樹脂組成物を得る。また、基材層を形成するための樹脂、熱分解型発泡剤などの発泡剤、及び必要に応じて配合される添加剤を第2の押出機に供給して溶融混練して、基材層を形成するための発泡性樹脂組成物を得る。
次いで、第1の押出機から供給された樹脂組成物を、第2の押出機から供給された組成物に合流させて、Tダイ等によりシート状に押出すことにより、2層構造の多層積層体シートを得ることができる。共押出成形においては、フィードブロック法、マルチマニホールド法のいずれでもよいが、フィードブロック法が好ましい。
工程(I)では、上記で得られた多層積層体シートをさらに架橋することが好ましい。架橋方法としては、予め有機過酸化物を配合しておき、工程(I)で得られた多層積層体シートを加熱して架橋する方法もあるが、多層積層体シートに電離性放射線を照射して架橋させることが好ましい。なお、電離性放射線としては、電子線、β線等が挙げられるが、電子線であることが好ましい。
電離性放射線の照射量は、1~10Mradが好ましく、1.5~5Mradがより好ましい。
(工程(II))
工程(II)では、工程(I)で得られた多層積層体シートを発泡処理して、発泡性樹脂組成物からなる層を発泡させる。発泡性樹脂組成物からなる層は、発泡剤が発泡するように処理すればよいが、発泡剤が熱分解型発泡剤である場合には、多層積層体シートを加熱することで発泡する。加熱温度は、熱分解型発泡剤が分解する温度以上であればよいが、例えば、150~320℃程度である。
多層積層体シートを加熱する方法は、特に制限はなく、例えば、多層積層体シートを熱風により加熱する方法、赤外線により加熱する方法、塩浴により加熱する方法、オイルバスにより加熱する方法等が挙げられ、これらは併用してもよい。
また、多層積層体シートは、発泡させながら、または発泡させた後に適宜延伸などしてもよい。
なお、以上の説明は、表面層が、樹脂フィルム(非発泡体)である場合の例を説明したが、表面層が発泡体である場合には、表面層を形成するための樹脂組成物にも添加剤として熱分解型発泡剤などの発泡剤を配合しておき、工程(II)にて発泡させるとよい。
(第2の製造方法)
本発明の発泡体シートの製造方法は、別の方法でも製造することができる。具体的には、基材層を構成する発泡体層を予め製造し、その発泡体層の片面又は両面に、表面層を構成する樹脂フィルム又は発泡体層を重ね合わせて、接着させる方法(「第2の製造方法」ともいう)が挙げられる。
第2の製造方法において発泡体を得る方法としては、基材層を形成するための樹脂、熱分解型発泡剤、及び必要に応じて配合される添加剤を溶融混練して、基材層を形成するための発泡性樹脂組成物を得て、その発泡性樹脂組成物をシート状(発泡性樹脂組成物シート)に成形するとよい。発泡性樹脂組成物を溶融混錬して、シート状に成形する方法は特に限定されないが、押出機を用いて行うことが好ましい。
得られた発泡性樹脂組成物シートは、後述する発泡前にさらに架橋することが好ましい。架橋方法としては、予め有機過酸化物を配合しておき、発泡性樹脂組成物シートを加熱して架橋する方法もあるが、発泡性樹脂組成物シートに電離性放射線を照射して架橋させることが好ましい。なお、電離性放射線の種類、照射量は、上記した第1の製造方法で記載したとおりである。
次に、発泡性樹脂組成物シートは発泡させるとよい。発泡性樹脂組成物からなる層は、発泡剤が発泡するように処理すればよいが、発泡剤が熱分解型発泡剤である場合には、多層積層体シートを加熱することで発泡する。加熱温度、加熱方法は、上記した第1の製造方法で記載したとおりである。また、発泡性樹脂組成物シートは、発泡させながら、または発泡させた後に適宜延伸などしてもよい。
その後、別途準備した表面層を構成するための樹脂フィルム、又は発泡体を、基材層を構成する発泡体層の片面又は両面に重ね合わせ、接着することで、多層発泡体シートを得ることができる。具体的にはプレス機等により加熱及び加圧して、熱圧着してもよい。あるいは、発泡体層と表面層の間の接着面に、粘着剤、接着剤等を塗布し、または両面粘着テープを貼着して、粘着剤、接着剤、両面粘着テープ等により貼り合わせてもよい。
[粘着テープ]
本発明の多層発泡体シートは、多層発泡体シートを基材とする粘着テープに使用してもよい。粘着テープは、例えば、多層発泡体シートと、該多層発泡体シートの少なくとも一方の面に設けられる粘着材とを備えるものである。粘着テープは、粘着材を介して他の部材に接着することが可能になる。粘着テープは、多層発泡体シートの両面に粘着材を設けたものでもよいし、片面に粘着材を設けたものでもよいが、両面に粘着材を設けたものが好ましい。
また、粘着材は、少なくとも粘着剤層を備えるものであればよく、多層発泡体シートの表面に積層された粘着剤層単体であってもよいし、多層発泡体シートの表面に貼付された両面粘着シートであってもよいが、粘着剤層単体であることが好ましい。なお、両面粘着シートは、基材と、基材の両面に設けられた粘着剤層とを備えるものである。両面粘着シートは、一方の粘着剤層を多層発泡体シートに接着させるとともに、他方の粘着剤層を他の部材に接着させるために使用する。
粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に制限はなく、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等を用いることができる。また、粘着材の上には、さらに離型紙等の剥離シートが貼り合わされてもよい。
粘着材の厚さは、5~200μmであることが好ましく、より好ましくは7~150μmであり、さらに好ましくは10~100μmである。
[用途]
本発明の多層発泡体シート、及び該多層発泡体シートを備える粘着テープは、特に限定されないが、例えば、電子機器内部で使用することが好ましく、例えば、2つの部材の間に配置して、衝撃吸収材、シール材などとして使用することができる。
電子機器としては、携帯電話、カメラ、ディスプレイ、ゲーム機器、電子手帳、パーソナルコンピューター等が挙げられる。
本発明の多層発泡体シート及びこれを備えた粘着テープは、上記した通り、段差追従性及びリワーク性に共に優れる。そのため、多層発泡体シート及びこれを備えた粘着テープは、ディスプレイ、特に大型のディスプレイに使用することが好ましく、具体的には、20インチ以上のディスプレイに使用することが好ましい。なお該ディスプレイは、液晶ディスプレイであっても、有機ELディスプレイであってもよい。また、多層発泡体シートを備えた粘着テープをディスプレイに使用する場合、多層発泡体シートを備えた粘着テープはディスプレイの背面もしくは額縁に使用される。さらに、本発明の粘着テープは、上記した通り、段差追従性に優れるので、本発明の粘着テープをディスプレイに使用した場合、本発明の粘着テープはディスプレイの筐体の段差に追従することができ、その結果、粘着テープと筐体の間の隙間の面積を小さくすることができる。具体的には、段差を有する所定の被着体サンプルに、所定の方法で本発明の粘着テープを貼り合わせたときの被着体の段差と粘着テープの間の隙間の面積は、0~3.0cmであることが好ましく、0~2.0cmであることがより好ましい。なお、所定の被着体サンプル、粘着テープの貼付方法、及び隙間の面積の測定方法は、実施例に示すとおりである。
なお、発泡体層が基材層の一方の面のみに設けられる場合には、基材層が段差側となるように多層発泡体シートを配置することが好ましい。このような態様にすることで、段差がある被着体と、多層発泡体シートの間の防水性及び防塵性を確保できる。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
[測定方法]
各物性の測定方法及び評価方法は、次の通りである。
<25%圧縮強度>
JIS K 6767に準拠した方法で、測定温度23℃で測定した。
<引張破断強度>
各実施例及び比較例にて作製した多層発泡体シートを、JIS K6251 4.1に規定されるダンベル状1号形にカットした。これを試料として用い、引張試験機(製品名.テンシロンRTF235、エー・アンド・デイ社製)により、測定温度23℃で、速度500mm/minにてMD方向に引張を実施し、測定した。
<発泡倍率、密度>
多層発泡体シート、該多層発泡体シートを構成する基材層及び表面層のそれぞれについて、発泡前と発泡後の比容積(単位:cc/g)を測定し、発泡後の比容積/発泡前の比容積によって発泡倍率を算出した。また、測定した比容積から密度を算出した。
<基材層及び表面層の厚み>
デジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製、製品名VHX-900)を用いて発泡体シートの断面を撮影し、その撮影画像から基材層及び表面層の厚みを測定した。
<多層発泡体シートの厚み>
基材層の厚み及び表面層の厚みの合計を多層発泡体シートの厚みとした。
<平均気泡径>
多層発泡体シートをMD及びTDそれぞれに沿って厚み方向に切断して、デジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製、製品名「VHX-900」)を用いて200倍の拡大写真を撮影した。撮影した拡大写真の基材層部分において、MD、TDそれぞれにおける長さ2mm分の切断面に存在する全ての気泡についてMDの気泡径、及びTDの気泡径を測定し、その操作を5回繰り返した。そして、全ての気泡について、MD、TDそれぞれの気泡径の平均値をMD、TDの平均気泡径とした。MDの平均気泡径とTDの平均気泡径のうち、大きい方の値を平均気泡径とした。
<独立気泡率>
ASTM D2856(1998)の方法に従って測定した。
具体的には下記の要領で測定した。
まず、多層発泡体シートから一辺が5cmの平面正方形状の試験片を切り出した。そして、試験片の厚さを測定して試験片の見掛け体積Vを算出すると共に、試験片の重量Wを測定した。
次に、気泡の占める体積Vを下記式に基づいて算出した。なお、試験片を構成しているマトリックス樹脂の密度はρ(g/cm)とした。
気泡の占める体積V=V-W/ρ
続いて、試験片を23℃の蒸留水中に水面から100mmの深さに沈めて、試験片に15kPaの圧力を3分間に亘って加えた。その後、水中で加圧から解放し、1分間静置した後、試験片を水中から取り出して試験片の表面に付着した水分を除去して試験片の重量Wを測定し、下記式に基づいて連続気泡率F1及び独立気泡率Fを算出した。
連続気泡率F(%)=100×(W-W)/V
独立気泡率F(%)=100-F
<ゲル分率>
多層発泡体シートから約100mgの試験片を採取し、試験片の質量A(mg)を精秤した。次に、この試験片を120℃のキシレン30cm中に浸漬して24時間放置した後、200メッシュの金網で濾過して金網上の不溶解分を採取、真空乾燥し、不溶解分の質量B(mg)を精秤した。得られた値から、下記式によりゲル分率(質量%)を算出した。なお、試験片は、多層発泡体シートの厚み方向に沿って均等に採取した。
ゲル分率(質量%)=100×(B/A)
<リワーク性>
発泡体シートの両面に粘着層を持たせ、両面に対してアクリル板を張り付け、23℃で24時間静置させた。その後、張り合わせたアクリル板の間にカッターを入れ、筐体を裂き、筐体に残った基材を剥がした際に、粘着層界面で破壊されたものを、リワーク性を有するものとして「○」と評価し、粘着層界面で破壊されなかったものを、リワーク性を有さないものとして「×」と評価した。
<段差追従性>
発泡体シートの片面に粘着層を持たせ、中央に設けられた2mm×2mm×2mmの立方体による凸部によって2mmの段差が片面に付いたアクリル板に発泡体シートを張り付け、23℃で24時間静置させた。その後、デジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製、製品名「VHX-900」)を用いて50倍の拡大写真を撮影し、段差と粘着層との間に生じた隙間の面積(隙間面積)を算出した。
<総合評価>
リワーク性の評価が「○」であり、かつ、隙間面積が3.0cm以下である発泡体シートを「G(Good)」と評価した。また、リワーク性の評価が「×」であるか、または、隙間面積が3.0cmよりも大きい発泡体シートを「B(Bad)」と評価した。
[多層発泡体シートの作製方法]
実施例1~2及び比較例1~4の多層発泡体シートを以下のようにして作製した。
<実施例1>
発泡体層である基材層を形成するための樹脂として、メタロセン触媒によって得られた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(メタロセンLLDPE、日本ポリエチレン株式会社製、商品名「カーネルKF283」)、熱分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミドを用意した。また、分解温度調整剤として酸化亜鉛(堺化学工業株式会社製、商品名「OW-212F」)、酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤である2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾールを用意した。
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(メタロセンLLDPE)100質量部、熱分解型発泡剤7.0質量部、分解温度調整剤1質量部、及び酸化防止剤0.5質量部を第1の押出機に供給して130℃で溶融混練して、基材層用の発泡性樹脂組成物1を作製した。
表面層用の樹脂、発泡剤、分解温度調整剤、酸化防止剤は、上記基材層と同様のもの用意した。直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(メタロセンLLDPE)100質量部、熱分解型発泡剤1.5質量部、分解温度調整剤1質量部、及び酸化防止剤0.5質量部を、第2、第3の押出機に供給して130℃で溶融混練し表面層用の発泡性樹脂組成物2を作成した。
発泡性樹脂組成物1を第1の押出機から550μm、発泡性樹脂組成物2を第2及び第3の押出機それぞれから320μmずつ共押出し、基材層用の発泡性樹脂組成物1からなる層と、該層の両面に積層された表面層用の発泡性樹脂組成物2からなる層とを備えた未発泡の多層積層体シートを得た。
次に、多層積層体シートに加速電圧500kVの電子線を4.0Mrad照射して多層積層体シートを架橋した。その後、架橋した多層積層体シートを熱風及び赤外線ヒーターにより250℃に保持された発泡炉内に連続的に送り込んで加熱して発泡させ、延伸工程により目標厚みに合わせ延伸を行うことにより倍率の異なる発泡体層が積層された実施例1の多層発泡体シートを得た。
<実施例2>
発泡性樹脂組成物1に含有される樹脂を、スチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ社製 ハイブラー7311F)に変更した。発泡性樹脂組成物1の発泡剤の量を7.0質量部から6.5質量部に変更し、発泡性樹脂組成物1の押出し厚みを550μmから320μmに変更した。発泡樹脂組成物2の押出厚みを320μmから400μmにした。それ以外は、実施例1と同様にして多層発泡体シートを得た。
<比較例1>
第2、第3の押出機に原料を供給せず、第2、第3の押出機を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして単層発泡体シートを得た。
<比較例2>
発泡性樹脂組成物1の発泡剤の量を7.0質量部から4.5質量部に変更した以外は、比較例1と同様にして単層発泡体シートを得た。
<比較例3>
発泡性樹脂組成物1の発泡剤の量を7.0質量部から1.7質量部に変更し、発泡性樹脂組成物1の押出し厚みを550μmから380μmに変更した以外は、比較例1と同様にして単層発泡体シートを得た。
<比較例4>
比較例1で得た単層発泡体シートを、厚さ100μmのPETフィルムではさんだ。そして、PETフィルムに挟まれた単層発泡体シートを、熱風及び赤外線ヒーターにより約100℃に保持された加熱炉内に連続的に送り込んで加熱してラミネートを行った。これにより、上下層にフィルムが積層された比較例4の多層発泡体シートを得た。
Figure 2022131586000001
実施例1~2及び比較例1~4の発泡体シートの構成、性能及び評価結果について表2に示す。なお、表中の表面層の厚み及び発泡倍率は、基材の両面に設けられた表面層のうち、一方の表面層の厚み及び発泡倍率を表しているが、両面の表面層は同じ厚み及び発泡倍率である。
Figure 2022131586000002
表2の実施例1~2の多層発泡体シートは、25%圧縮強度が125kPa以下であり、引張破断強度が10~700N/10mmであったので、リワーク性及び段差追従性の両方が良好であった。
これに対して、比較例1~3の発泡体シートは、単層発泡体シートであったので、リワーク性及び段差追従性の両方を良好にすることはできなかった。比較例4の発泡体シートは多層発泡体シートであったが、引張破断強度が700N/10mmよりも大きかったため、段差追従性が悪かった。

Claims (13)

  1. 発泡体層からなる基材層と、前記基材層の少なくとも一方の面に積層された発泡体層又は樹脂フィルムからなる表面層とを備える多層発泡体シートであって、25%圧縮強度が125kPa以下であり、引張破断強度が10~700N/10mmである多層発泡体シート。
  2. 前記表面層が、前記基材層の両面に積層された請求項1に記載の多層発泡体シート。
  3. 密度が0.07~0.22g/cmである、請求項1又は2に記載の多層発泡体シート。
  4. 表面層の厚みに対する基材層の厚みの比(基材層の厚み/表面層の厚み)が2.0以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の多層発泡体シート。
  5. 厚みが30~2000μmである、請求項1~4のいずれか1項に記載の多層発泡体シート。
  6. 基材層の平均気泡径が20~500μmである、請求項1~5のいずれか1項に記載の多層発泡体シート。
  7. 独立気泡率が90%以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の多層発泡体シート。
  8. ゲル分率が30~80%である、請求項1~7のいずれか1項に記載の多層発泡体シート。
  9. 前記基材層が、オレフィン系熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の多層発泡体シート。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の多層発泡体シートと、前記多層発泡体シートの少なくとも一方の面に設けられる粘着材とを備える粘着テープ。
  11. ディスプレイの背面もしくは額縁に使用される、請求項10に記載の粘着テープ。
  12. 20インチ以上のディスプレイに使用される、請求項10又は11に記載の粘着テープ。
  13. 段差を有する被着体に貼り合わせたときの前記被着体との間の隙間の面積が、0~3.0cmである、請求項11又は12に記載の粘着テープ。

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