JP2022126004A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温レ-ト特性に優れた、リチウムイオン二次電池の構成を提供する。【解決手段】負極として、一次粒子の平均粒子径dAVが5nm以上95nm以下であるSiを含む粒子(A1)と、黒鉛を含む物質からなる粒子(A2)と炭素質材料(A3)とを含む複合体(A)を含み、(A1)中に、短径/長径比が0.70以上の粒子(A1)が80個以上存在する複合負極材を含み、非水電解液は、下記式に示される電解液添加剤を含むリチウムイオン二次電池。TIFF2022126004000020.tif30167(AはCAT+またはR1、BはCAT+またはR2である。CAT+は、ピロリジニウム、ピペリジニウム、アゼパニウム、オニウム、スルホニウム、ホスホニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム、複素環式環のカチオンである。+Cationはオニウム、スルホニウム、ホスホニウム、複素環を含む)【選択図】なし

Description

本発明は、新規なリチウムイオン二次電池に関するものであり、より詳しくは、低温環境下においても優れた特性を発揮する。
リチウムイオン二次電池は携帯電子機器の電源として使用されているほか、近年では電動工具や電気自動車などの電源としても使用されている。バッテリ-電気自動車(BEV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)などの電気自動車においては、10年間以上に亘って高い充放電サイクル特性を維持すること、ハイパワ-モ-タ-を駆動させるために十分な大電流負荷特性を有すること、及び航続距離を伸ばすために高い体積エネルギ-密度を有することが要求される。また、寒冷地や冬場の屋外でも使用されることから、低温環境下での電池特性が重視される。
リチウムイオン二次電池の負極活物質として黒鉛材料が広く利用されている。黒鉛材料は、リチウムイオンが黒鉛結晶層間に挿入・脱離されて充放電されるため、針状の金属リチウムの発生が抑制され、充放電による体積変化も少ないという利点がある。
しかし、低温環境下においては、この負極におけるリチウムイオンの受け入れ性が悪くなり、負極にリチウムが析出したり、また低温環境下におけるリチウムイオン二次電池の充電特性が低下し、十分な電池容量が得られなくなったりするという問題があった。
特許文献1では、負極集電体の上にリチウムとの反応開始電圧が異なる負極活物質を用いた負極活物質層を形成するにあたり、リチウムとの反応開始電圧が最も貴な第1負極活物質を含む第1負極活物質層を負極集電体の上に部分的に設け、リチウムとの反応開始電圧が上記の第1負極活物質よりも卑な第2 負極活物質を含む第2負極活物質層を、上記の第1負極活物質層の上に積層させると共に第1 負極活物質層が設けられていない負極集電体の上に設けたリチウム二次電池が提案されている。これにより、リチウム二次電池の負極における低温でのリチウムイオンの受け入れ性を向上させて、負極にリチウムが析出するのを防止すると共に、低温での充放電特性を向上させて、低温環境下においても十分な電池容量が得られることが記載されている。
特許文献2では、Li4Ti512に天然黒鉛を混合してなる負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池が記載されている。この電池は、充電時においてLi4Ti512のプラト-電位(1.5V)で負極電位が推移し、リチウムのインタ-カレ-トがLi4Ti512から天然黒鉛に移行したところで負極電位が0 .1Vまで低下する。この時点を充電終了点とし、負極電位により充電停止を制御するという使用方法が報告されている。
特許文献3では、非水電解質二次電池の低温環境下における入力特性改善法として、活物質層が、第1電位でリチウムイオンを吸蔵または放出する第1活物質を1種以上含み、また、第1電位と同一の電圧領域とそれより高い第2電位の二段階の作動電圧でリチウムイオンを吸蔵または放出する第2活物質を1種以上含み、第1電位と第2電位との差が0.2V以上であり、第2活物質の第1電位と同一の電圧領域における電気化学容量とそれより高い第2電位における電気化学容量の比が3.3以下である非水電解質二次電池用電極などが報告されている。
特許文献4では、リチウム二次電池の低温出力特性改善法として、負極合材にリチウム金属酸化物、またはリチウム金属硫化物などを加えることにより、常温だけでなく低温でも高出力を得る方法などが報告されている。
また、リチウムイオン二次電池にも高容量化の要求に応えるために、珪素(Si)粒子と炭素質材料とを複合化した負極用材料が提案されている。しかし、Si粒子と炭素質材料の複合材料を用いたリチウムイオン二次電池は、高容量ではあるがSi特有の充電放電時の体積変化により大きく劣化する。これに対応するため、Siのナノ粒子化、Siへのコ-ト材の適用、Siへの異種金属ド-プなど種々の対応がとられ、これら対応により高容量を維持しつつサイクル寿命は改善されつつある。特許文献5は、平均直径は30nmないし300nmのシリコン粒子を含む二次電池用負極活物質で、前記シリコン粒子は球形度が0.5以上0.9以下である二次電池用負極活物質を開示している。
特開2010-020912号公報 特開2000-348725号公報 特開2015-046218号公報 特開2013-058495号公報 特表2017-514280号公報
基本的にバッテリ-は温度が低いほど(寒いほど)、容量が低下する傾向にある。電解液は温度が低いほど粘度が上がり、イオンの電気伝導性が低下するため内部抵抗が上がるとされる。また、正極材や負極材とリチウムイオンの反応(電荷移動反応)なども基本的には温度が下がるほど反応が遅くなり、内部抵抗が上がるとされる。内部抵抗が上がると電池を放電できる限界電圧である放電終止電圧にあたりやすくなり、結果として低温時は容量が低下し、大電流であるほど容量はさらに低下する傾向が大きくなる。
また電池には、入出力特性が高いことも望まれ、高い電流レ-トで充電、つまり急速充電性能(レ-ト特性)が要求される。
したがって、本発明の課題は、低温環境下でのレ-ト特性に優れた、リチウムイオン二次電池の構成を提供することにある。
このような課題を解決すべく、本発明者らは鋭意検討した結果、特定の負極と非水電解液を組み合わせることで、飛躍的に、低温レ-ト特性を改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
[1]正極と、負極と、非水電解液を含むリチウムイオン二次電池であって、
負極は、一次粒子の平均粒子径dAVが5nm以上95nm以下であるSiを含む粒子(A1)と、黒鉛を含む物質からなる粒子(A2)と、炭素質材料(A3)とを含む複合体(A)を含み、前記複合体(A)は、その断面を走査型電子顕微鏡で測定した像において、ランダムに選択した100個の粒子(A1)中に、短径/長径比が0.70以上の粒子(A1)が80個以上存在するものであり、
非水電解液は、下記式1に示される電解液添加剤を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
Figure 2022126004000001
(式1中;
AはCAT+またはR1である。
BはCAT+またはR2である。
CAT+は、ピロリジニウム、ピペリジニウム、アゼパニウム、オニウム、スルホニウム、ホスホニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム、または窒素、酸素、ケイ素もしくは硫黄を含む1~3個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員の複素環式環のカチオンである。
1およびR2は独立して、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキニル基、アルキルシロキシ基、アルキルチオアルキル基からなる群から選ばれる炭素数1~8の基、アリ-ル基、フェニル基、ベンジル基、シリル基、スルホ基、アゾ基またはアミノ基であり、その中の水素原子はハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリ-ル基、アルキニル基、アルキルシロキシ基、フェニル基、ベンジル基、シリル基、アルキルスルファニル基、アルキルチオアルキル基、スルホ基、アゾ基またはアミノ基で置換されてよい。
YはOまたはSであり、YがOの場合CAT+はイミダゾリウムまたはピリジンではない。
Xは-O-、-S-、-O-R6-または-S-R6-であり、-R6-は炭素数1~5のアルキレン基、炭素数2~6のアルケニレン基、炭素数2~6のアルキニレン基または炭素数6~12のアリ-レン基である。
ANI-はアニオンである。)
[2]正極と、負極と、非水電解液を含むリチウムイオン二次電池であって、
負極は、 一次粒子の平均粒子径dAVが5nm以上95nm以下であるSiを含む粒子(A1)と、黒鉛を含む物質からなる粒子(A2)と、炭素質材料(A3)とを含む複合体(A)を含み、前機複合体(A)は、その断面を走査型電子顕微鏡で測定した像において、ランダムに選択した100個の粒子(A1)中に、短径/長径比が0.70以上の粒子(A1)が80個以上存在するものであり、
非水電解液は、下記式2に示される電解液添加剤を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
Figure 2022126004000002
(式2中:
AはCAT+またはR1である。
BはCAT+またはR2である。
CAT+は、ピロリジニウム、ピペリジニウム、アゼパニウム、オニウム、スルホニウム、ホスホニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム、または窒素、酸素、ケイ素もしくは硫黄を含む1~3個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員の複素環式環のカチオンである。
1およびR2は独立して、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキニル基、アルキルシロキシ基、アルキルチオアルキル基からなる群から選ばれる炭素数1~8の基、アリ-ル基、フェニル基、ベンジル基、シリル基、スルホ基、アゾ基またはアミノ基であり、その中の水素原子はハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリ-ル基、アルキニル基、アルキルシロキシ基、フェニル基、ベンジル基、シリル基、アルキルスルファニル基、アルキルチオアルキル基、スルホ基、アゾ基またはアミノ基で置換されてよい。
Xは-O-、-S-、-O-R6-または-S-R6-であり、-R6-は炭素数1~5のアルキレン基、炭素数2~6のアルケニレン基、炭素数2~6のアルキニレン基または炭素数6~12のアリ-レン基である。
ANI-はアニオンである。)
[3]非水電解液は電解液添加剤として、さらにハロゲン化物、アルミン酸塩、ヒ素化物、シアン化物、チオシアネ-ト、亜硝酸塩、安息香酸塩、塩素酸塩、亜塩素酸塩、クロム酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、ケイ酸塩、チオ硫酸塩、カルコゲン化物、プニクトゲン化物、クリスタロゲン化物、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、水酸化物、硝酸塩、リン酸塩、イミド、またはホウ酸塩由来のアニオンを少なくとも1種含む[1]または[2]のリチウムイオン二次電池。
[4]正極と、負極と、非水電解液を含むリチウムイオン二次電池であって、
負極は、一次粒子の平均粒子径dAVが5nm以上95nm以下であるSiを含む粒子(A1)と、黒鉛を含む物質からなる粒子(A2)と、炭素質材料(A3)とを含む複合体(A)を含み、前記複合体(A)は、その断面を走査型電子顕微鏡で測定した像において、ランダムに選択した100個の粒子(A1)中に、短径/長径比が0.70以上の粒子(A1)が80個以上存在するものであり、
非水電解液は下記式3で表されるイオン性化合物を電解液添加剤として含むことを特徴とする、リチウムイオン二次電池。
Figure 2022126004000003
(式3中、+Cationはオニウム、スルホニウム、ホスホニウム、または窒素、酸素、ケイ素もしくは硫黄から選択される環員として1~3個のヘテロ原子を有する任意の5もしくは6員複素環を示し、 R3、R4、R5はそれぞれ独立してアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリ-ル基、アルキニル基、またはアルキルシロキシ基である。
Lはリンカ-であり、炭素数1~8のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、フェニレン基またはアリ-レン基であり、P原子、ハロゲン化物、Si原子、B原子、S原子、O原子またはN原子との結合を随意に含むが、Si原子へのO原子の直接結合は除く。
Anion-は、ハロゲン化物、硝酸塩、リン酸塩、イミド、ホウ酸塩、またはホスファジン由来ものを示す。)
[5]正極と、負極と、非水電解液を含むリチウムイオン二次電池であって、
負極は、一次粒子の平均粒子径dAVが5nm以上95nm以下であるSiを含む粒子(A1)と、黒鉛を含む物質からなる粒子(A2)と、炭素質材料(A3)とを含む複合体(A)を含み、前記複合体(A)は、その断面を走査型電子顕微鏡で測定した像において、ランダムに選択した100個の粒子(A1)中に、短径/長径比が0.70以上の粒子(A1)が80個以上存在するものであり、
非水電解液は下記式3-1で表されるイオン性化合物を電解液添加剤として含むことを特徴とする、リチウムイオン二次電池。
Figure 2022126004000004
(式3-1中、+Cationはオニウム、スルホニウム、ホスホニウム、または窒素、酸素、ケイ素もしくは硫黄から選択される環員として1~3個のヘテロ原子を有する任意の5もしくは6員複素環を示し、R3、R4、R5はそれぞれ独立してアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリ-ル基、アルキニル基、またはアルキルシロキシ基である。
Lはリンカ-であり、炭素数1~8のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、フェニレン基またはアリ-レン基であり、P原子、ハロゲン化物、Si原子、B原子、S原子、O原子またはN原子との結合を随意に含むが、Si原子へのO原子の直接結合は除く。
Anion-は、ハロゲン化物、硝酸塩、リン酸塩、イミド、ホウ酸塩、またはホスファジン由来ものを示す。)
[6]前記イオン性化合物のカチオンは、さらに、
ハロゲン化物、酸素、窒素、硫黄、リン、アルカン、エステル、エ-テル、ケトン、カルボニル、アルコキシアルカン、アルケン、アリ-ル、ニトリル、シロキサン、スルホン、チオ-ル、フェノ-ル、ヒドロキシル、アミン、イミド、アルデヒド、カルボキシ、アルキン、カ-ボネ-ト、および無水物から選ばれる官能性部分を有し、この部分中のいずれかの炭素原子または水素原子は、ハロゲン化物、酸素、窒素、硫黄、リン、アルカン、エステル、エ-テル、ケトン、カルボニル、アルコキシアルカン、アルケン、アリ-ル、ニトリル、シロキサン、スルホン、チオ-ル、フェノ-ル、ヒドロキシル、アミン、イミド、アルデヒド、カルボン酸、アルキン、カ-ボネ-ト、または無水物に置換されていてもよい、
を有することを特徴とする[4]または[5]に記載のリチウムイオン二次電池。
[7]前記複合体(A)中で、前記炭素質材料(A3)は、少なくとも一部が、粒子(A1)表面に存在する[1]~[6]のリチウムイオン二次電池。
[8]前記複合体(A)中で、粒子(A1)は、厚さ1nm以上20nm以下の非晶質炭素被覆層(A1C)を有する[1]~[7]のリチウムイオン二次電池。
[9]前記複合体(A)に含まれる粒子(A1)が、粉末X線回折法における(111)回折ピ-クの半値幅が0.38度以上0.71度以下である[1]~[8]のリチウムイオン二次電池。
[10]前記複合体(A)中の粒子(A1)の含有率が10質量%以上70質量%以下である、[1]~[9]のリチウムイオン二次電池。
[11]前記複合体(A)について、X線光電子分光法(XPS)による測定において、104eV付近に観察されるSiO2のピ-ク面積に対する100eV付近に観察されるSi単体のピ-ク面積の比をXとし、100eV付近に観察されるSi単体のピ-ク面積と102eV付近に観察されるSiOx(0<x<2)のピ-ク面積の和に対する、104eV付近に観察されるSiO2のピ-ク面積の比をYとしたとき、0.35≦X≦1.50、及び0.25≦Y≦1.50である、[1]~[10]のリチウムイオン二次電池。
[12]前記複合体(A)のX線回折測定における前記粒子(A1)の(111)面回折ピ-クの半値幅に対する(220)面回折ピ-クの半値幅の比、及び(111)面回折ピ-クの半値幅に対する(311)面回折ピ-クの半値幅の比が、共に1.40以下である[1]~[11]のリチウムイオン二次電池。
[13]非水電解液が、さらに下記(i)または(ii)の少なくとも1種を含む[1]~[12]のリチウムイオン二次電池;
(i)非プロトン性有機溶媒、
(ii)リチウム塩。
[14]前記(i)非プロトン性有機溶媒が、開鎖(「開鎖状」とは、特記しない場合には、分岐を有しない直鎖状および分岐を有する分岐鎖状の双方を含む)または環状カ-ボネ-ト、カルボン酸エステル、ニトリル、エ-テル、スルホン、ケトン、ラクトン、ジオキソラン、グライム、クラウンエ-テル、シロキサン、リン酸エステル、亜リン酸エステル、モノもしくはポリホスファゼン、またはこれらの混合物である[13]のリチウムイオン二次電池。
[15]さらに(iii)その他添加剤として、酸素含有化合物、硫黄含有化合物、リン含有化合物、ホウ素含有化合物、ケイ素含有化合物、フッ素含有化合物、窒素含有化合物、少なくとも1つの不飽和炭素結合を有する化合物、カルボン酸無水物またはこれらの混合物を含む[13]のリチウムイオン二次電池。
本発明のリチウムイオン二次電池は、低温環境下でのリチウムイオン二次電池のハイレ-ト特性が向上する。また、低温環境下から高温環境下まで十分な電池容量を得ることができる。
したがって、本発明のリチウムイオン二次電池は、低温でのハイパワ-モ-タ-を駆動させるのに好適な入出力特性を有し、高いエネルギ-密度を有するので、携帯電子機器だけでなく、電動ドリル等の電動工具、バッテリ-電気自動車(BEV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)等の電源として好適である。
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明はこれらの記載に何ら限定的に解釈されるものではない。
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、非水電解液とを含む。
負極
負極を構成する材料は、一次粒子の平均粒子径dAVが5nm以上95nm以下であるSiを含む粒子(A1)と、黒鉛を含む物質からなる粒子(A2)と、炭素質材料(A3)とを含む複合体(A)を含み、複合体(A)の断面を走査型電子顕微鏡で測定した像において、ランダムに選択した100個の粒子(A1)中に、短径/長径比が0.70以上の粒子(A1)が80個以上存在する複合負極材を含む。
(1)粒子(A1)
本発明の一実施形態に用いられる粒子(A1)は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なSiを主成分とする。Siの含有率は好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは95質量%以上である。粒子(A1)はSi単体またはSi元素を含む化合物、混合体、共融体または固溶体からなるものでもよい。また、粒子(A2)及び炭素質材料(A3)との複合化前の粒子(A1)は複数の微粒子が凝集したもの、すなわち二次粒子化したものでもよい。粒子(A1)の形状としては、塊状、鱗片状、球状、繊維状などを挙げることができる。これらのうち、球状または塊状が好ましい。
Si元素を含む物質としては、Si単体、またはSiとLi以外の元素Mとを含む一般式:M(=Ma+Mb+Mc+Md・・・)mSiで示される物質を挙げることができる。該物質はSi1モルに対してmモルとなる比で元素Mを含む化合物、混合体、共融体または固溶体である。
Li以外の元素である元素Mの具体例としては、B、C、N、O、S、P、Na、Mg、Al、K、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mo、Ru、Rh、Pd、Pt、Be、Nb、Nd、Ce、W、Ta、Ag、Au、Cd、Ga、In、Sb、Baなどを挙げることができる。式中、mは好ましくは0.01以上、より好ましくは0.10以上、さらに好ましくは0.30以上である。
Si元素を含む物質の具体例としては、Si単体、Siとアルカリ土類金属との合金;Siと遷移金属との合金;Siと半金属との合金;Siと、Be、Ag、Al、Au、Cd、Ga、In、SbまたはZnとの固溶性合金または共融性合金;CaSi、CaSi2、Mg2Si、BaSi2、Cu5Si、FeSi、FeSi2、CoSi2、Ni2Si、NiSi2、MnSi、MnSi2、MoSi2、CrSi2、Cr3Si、TiSi2、Ti5Si3、NbSi2、NdSi2、CeSi2、WSi2、W5Si3、TaSi2、Ta5Si3、PtSi、V3Si、VSi2、PdSi、RuSi、RhSiなどのケイ化物;SiO2、SiC、Si34などを挙げることができる。
粒子(A1)は、一次粒子の平均粒子径dAVの下限値が5nmであり、好ましくは10nm、より好ましくは35nmである。また、一次粒子のdAVの上限値は95nmであり、好ましくは70nmである。粒子(A1)の一次粒子のdAVが95nmより大きくなると、充放電により粒子(A1)の体積が膨張収縮して粒子(A1)を含む複合体(A)の構造に与える影響が大きくなり、容量維持率が低下する。また、一次粒子のdAVが5nmより小さくなると、粒子(A1)の比表面積が増え、副反応量が増大する。
平均粒子径dAV[nm]は、
AV[nm]=6×103/(ρ×SBET
により定義される。ここで、ρ[g/cm3]はSi粒子の真密度であり、理論値の2.3[g/cm3]を採用した。SBET[m2/g]はN2ガスを吸着ガスとするBET法により測定した比表面積である。
粒子(A1)は、その表面が薄い非晶質炭素被覆層(A1C)により被覆されていることが好ましい。粒子(A1)が非晶質炭素被覆層(A1C)で被覆されている場合、非晶質炭素被覆層(A1C)の厚さの上限値は20nm、好ましくは10nm、より好ましくは5nmである。電解液と非晶質炭素被覆層(A1C)との副反応を抑制するためである。粒子(A1)が非晶質炭素被覆層(A1C)で被覆されている場合、非晶質炭素被覆層(A1C)の厚さの下限値は1nmであり、好ましくは2nmであり、より好ましくは3nmである。粒子(A1)の酸化と粒子(A1)同士の凝集が抑制されるためである。また、非晶質炭素被覆層(A1C)よりも電解液との副反応が多く進行する粒子(A1)が、非晶質炭素被覆層(A1C)により被覆されているので、初期ク-ロン効率が大幅に向上する。また、副反応が抑えられることにより、フルオロエチレンカ-ボネ-ト(FEC)等の電解液消費量を抑えることができる。なお、非晶質炭素被覆層(A1C)は、炭素質材料(A3)の一部に相当する場合もある。
非晶質炭素被覆層(A1C)の厚さは透過型電子顕微鏡(TEM)による観察で撮影した画像において膜厚を計測することにより求めることができる。具体的なTEMによる観察の一例を以下に示す。
装置:日立製作所製 H9500、
加速電圧:300kV。
サンプル作製:エタノ-ル中に試料を少量採取し超音波照射により分散させた後、マイクログリッド観察用メッシュ(支持膜無し)に載せて観察用試料とする。
観察倍率:5万倍(粒子形状観察時)及び40万倍(非晶質炭素被覆層の厚さ観察時)
粒子(A1)が非晶質炭素被覆層(A1C)で被覆されている場合は、粒子(A1)とこれを覆う非晶質炭素被覆層(A1C)からなるコア・シェル構造体(以降、構造体(α)と呼ぶ。)は、BET比表面積は好ましくは25m2/g以上70m2/g以下、より好ましくは52m2/g以上67m2/g以下である。また、一次粒子の密度は2.2g/cm3以上である。構造体(α)のBET比表面積(SBET)が25m2/g以上であると、構造体(α)の粒径が大きくなりすぎず、構造体(α)固体内の電子移動経路とLiイオン拡散経路が長くなることはない。つまり、充放電時の抵抗が低く保たれる。さらに、構造体(α)1粒子あたりの膨張量の絶対値も大きくならず、構造体(α)周囲の複合体(A)の構造が破壊される可能性は低い。また、構造体(α)の密度が2.2g/cm3以上であれば、体積エネルギ-密度の点からも優位性がある。
粒子(A1)は、複合体(A)の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で測定した像において、ランダムに選択した100個の粒子(A1)中に、短径/長径比が0.70以上の粒子(A1)が80個以上存在し、好ましくは短径/長径比が0.80以上の粒子(A1)が80個以上、より好ましくは短径/長径比が0.80以上の粒子(A1)が85個以上存在する。短径/長径比が0.70以上の粒子(A1)がランダムに選択した100個中に80個未満しか存在しないときは、Si粒子の膨張は等方的な傾向になり、電極膨張率が高くなる。その結果、フルオロエチレンカ-ボネ-ト(FEC)などの電解液添加剤の消費量が多くなり、サイクル特性が低下する。
ここで、「短径/長径比」は、複合体(A)の断面において観察される粒子(A1)の断面形状(平面図形)における最大の長さを長径とし、この長径に垂直方向の幅である短径との比(短径を長径で割った値)である。「長径」は、粒子の輪郭線上の任意の2点間の最大距離として定義される。「短径」は、「長径」に平行な2直線で粒子の断面形状を挟んだときの2直線間の距離として定義される。
短径/長径比が1に近い程、粒子(A1)の切断面は正円に近づく。短径/長径比が1に近い粒子(=切断面が正円に近い粒子)の存在頻度が高いほど、粒子(A1)が球形である確率が高くなる。
充放電の際の粒子(A1)の膨張を考えると、粒子(A1)の形状は球形である方が粒子(A1)周りへのストレスが均一に分散され、電極膨張と電極構造劣化が改善される。従って、粒子(A1)は短径/長径比が1に近いものがより多く存在した方が良い。
複合体(A)中の粒子(A1)の含有率は、好ましくは2質量%以上95質量%以下、より好ましくは5質量%以上80質量%以下、さらにより一層好ましくは10質量%以上70質量%以下である。粒子(A1)の含有率が95質量%以下の場合は、電気抵抗を低く抑えることができる。粒子(A1)の含有率が2質量%以上の場合は、体積または質量エネルギ-密度の点で優位性が保たれる。
粒子(A1)と非晶質炭素被覆層(A1C)からなる構造体(α)は固相法、液相法、気相法のいずれでも作製可能であるが、気相法が好ましい。特にモノシランのような気相Si原料からCVD法でSi粒子を作製し、その後アセチレンやエチレンのような炭素原料を用いてCVD法で均一な非晶質炭素被覆層(A1C)を作製する方法などが好ましい。
X線回折法により測定される粒子(A1)の(111)回折ピ-クの半値幅は、好ましくは0.38度以上0.71度以下、より好ましくは0.40度以上0.71度以下である。粒子(A1)の(111)半値幅が0.38度以上であれば、粒子(A1)の結晶子サイズが大きくならず、粒子(A1)の膨張が比較的等方的である。その結果、電極膨張率も抑えられ、良好なサイクル容量維持率が得られる。
(2)粒子(A2)
本発明の好ましい実施態様における粒子(A2)に含まれる黒鉛粒子は人造黒鉛粒子であることが好ましい。光学組織の大きさ及び形状が特定の範囲にあり、適切な黒鉛化度を有する人造黒鉛粒子により、つぶれ特性と電池特性がともに優れた電極材料を得ることができる。
本明細書においてDV50とはレ-ザ-回折式粒度分布計により測定される体積基準累積粒度分布における50%粒子径を表し、粒子の外見上の径を示す。
本発明の好ましい実施態様における粒子(A2)に含まれる黒鉛粒子の体積基準累積粒度分布における50%粒子径DV50は、好ましくは2.0μm以上20.0μm以下、より好ましくは5.0μm以上18.0μm以下である。DV50が2.0μm以上であれば、粉砕時に特殊な機器により粉砕する必要がなく、エネルギ-も節約できる。また、凝集が起こりにくいため、塗工時のハンドリング性もよい。さらに、比表面積が過度に大きくなることがないため、初期充放電効率の低下も起こらない。一方、DV50が20.0μm以下であれば、負極材中のリチウム拡散にも時間がかからないため、入出力特性が良好である。また、黒鉛粒子の表面にケイ素含有粒子が均一に複合化することから、良好なサイクル特性が得られる。
本発明の好ましい実施態様における粒子(A2)に含まれる黒鉛粒子は、N2ガス吸着法によるBET比表面積が1.0m2/g以上10.0m2/g以下が好ましく、3.0m2/g以上7.5m2/g以下がより好ましい。黒鉛粒子のBET比表面積が上記の範囲にあると、負極材として不可逆な副反応を抑制しつつ電解液と接触する面積を大きく確保できるため、入出力特性が向上する。
本発明の好ましい実施態様における粒子(A2)に含まれる人造黒鉛粒子は、粉末X線回折法により得られる回折ピ-クプロファイルにおいて黒鉛結晶の(110)面のピ-ク強度I110と(004)面のピ-ク強度I004の比I110/I004が0.10以上0.35以下であることが好ましい。前記の比は、より好ましくは0.18以上0.30以下であり、より一層好ましくは0.21以上0.30以下である。前記の比が0.10以上であれば配向性が高過ぎず、負極材中のSiや黒鉛へのリチウムイオンの挿入・脱離(吸蔵・放出)に伴う膨張収縮により、電極の集電体面に対して垂直方向への電極膨張が起こることがなく、良好なサイクル寿命が得られる。また、黒鉛の炭素網面が電極面と平行にならないためLiの挿入が起こり易く、良好な急速充放電特性が得られる。前記の比が0.35以下であれば配向性が低すぎず、その負極材を用いた電極作製時のプレスを行う際に電極密度が上がり易くなる。
本発明の好ましい実施態様における粒子(A2)に含まれる人造黒鉛粒子は、粉末X線回折法による(002)面の平均面間隔d002が0.3360nm以下であることが好ましい。これにより負極材中の人造黒鉛粒子自身も質量あたりのリチウム挿入、脱離量が多く、すなわち負極材としても質量エネルギ-密度が高くなる。また、負極材としてのSiへのリチウム挿入、脱離に伴う膨張収縮を緩和しやすくなりサイクル寿命が良くなる。
人造黒鉛粒子の結晶子のC軸方向の厚みLcとしては50nm以上1000nm以下が、質量エネルギ-密度やつぶれ性の観点から好ましい。
本明細書において、d002及びLcは、既知の方法により粉末X線回折(XRD)法を用いて測定することができる(稲垣道夫、「炭素」、1963、No.36、25-34頁;Iwashita et al.,Carbon vol.42(2004),p.701-714)。
本発明の好ましい実施態様における粒子(A2)に含まれる人造黒鉛粒子は、液体窒素冷却下における窒素ガス吸着BET法による直径0.4μm以下の細孔の全細孔容積が5.0μL/g以上40.0μL/g以下であることが好ましい。さらに好ましくは25.0μL/g以上40.0μL/g以下である。全細孔容積が5.0μL/g以上の人造黒鉛粒子は粒子(A1)と炭素質材料(A3)との複合化がされやすく、サイクル容量維持率の改善の点で好ましい。X線回折法で測定されるLcが100nm以上の炭素質材料において、前記全細孔容積が40.0μL/g以下であると、充放電時の黒鉛層の異方的な膨張収縮に起因する構造の不可逆変化が起こりにくく、負極材としてのサイクル特性もさらに向上する。また、人造黒鉛粒子の全細孔容積がこの範囲のとき、その負極材を活物質として用いた際に電解液が浸透しやすくなるので急速充放電特性の点でも好ましい。
本発明の好ましい実施態様における粒子(A2)に含まれる人造黒鉛粒子は、ラマン分光スペクトルで測定される1300~1400cm-1の範囲にある非晶質成分由来のピ-クの強度IDと1580~1620cm-1の範囲にある黒鉛成分由来のピ-クの強度IGとの比ID/IG(R値)が0.04以上0.18以下であることが好ましく、0.08以上0.16以下であることがさらに好ましい。R値が0.04以上であれば黒鉛の結晶性が高過ぎず、良好な急速充放電特性が得られる。R値が0.18以下であれば欠陥の存在により充放電時に副反応が生じることなく、良好なサイクル特性が得られる。
ラマンスペクトルは、例えばレ-ザラマン分光光度計(日本分光株式会社製、NRS-5100)を用いて、付属の顕微鏡で観察することによって測定することができる。
(3)粒子(A2)の製造方法
本発明の一実施形態に係る粒子(A2)に含まれる黒鉛粒子は、熱履歴が1000℃以下のコ-クスを粉砕した粒子を加熱することにより製造することができる。
コ-クスの原料としては、例えば、石油ピッチ、石炭ピッチ、石炭ピッチコ-クス、石油コ-クス及びこれらの混合物を用いることができる。すなわち、粒子(A2)に含まれる黒鉛粒子としては、石油系コ-クス及び/または石炭系コ-クス由来の物質を用いることが好ましい。これらの中でも、特定の条件下でディレイドコ-キングを行ったものが望ましい。
ディレイドコ-カ-に通す原料としては、原油精製時の重質溜分に対して、流動床接触分解を行った後に触媒を除去したデカントオイルや、瀝青炭等から抽出されたコ-ルタ-ルを200℃以上の温度で蒸留し、得られたタ-ルを100℃以上に昇温することによって十分に流動性を持たせたものが挙げられる。ディレイドコ-キングプロセス中、少なくともドラム内入り口においては、これらの液体が450℃以上、さらには500℃、よりさらには510℃以上に昇温されていることが好ましく、それにより後工程での熱処理時に残炭率が高くなり、収率が向上する。また、ドラム内での圧力は好ましくは常圧以上、より好ましくは300kPa以上、さらに好ましくは400kPa以上に維持する。これにより負極としての容量がより高まる。以上の通り、通常よりも過酷な条件においてコ-キングを行うことにより、液体をより反応させ、より重合度の高いコ-クスを得ることができる。
得られたコ-クスをドラム内からジェット水流により切り出し、得られた塊を5cm程度まで金槌等で粗粉砕する。粗粉砕には、二軸ロ-ルクラッシャ-やジョ-クラッシャ-を用いることもできるが、好ましくは1mm篩上が90質量%以上となるように粉砕する。上記のように粉砕を行うことにより、以降の加熱の工程等において、乾燥後、コ-クス粉が舞い上がったり、焼損が増えるなどの不都合を防ぐことができる。
次にコ-クスを粉砕する。
乾式で粉砕を行う場合、粉砕時にコ-クスに水が含まれていると粉砕性が著しく低下するので、100~1000℃程度で予め乾燥させることが好ましい。より好ましくは100~500℃である。コ-クスが高い熱履歴を有していると圧砕強度が強くなり粉砕性が悪くなり、また結晶の異方性が発達してしまうので劈開性が強くなり鱗片状の粉末になり易くなる。粉砕する手法に特に制限はなく、公知のジェットミル、ハンマ-ミル、ロ-ラ-ミル、ピンミル、振動ミル等が用いて行うことができる。
粉砕は、DV50が2.0μm以上20.0μm以下となるように行うことが好ましく、5.0μm以上18.0μm以下がより好ましい。
黒鉛化は、不活性雰囲気(例えば、窒素ガスやアルゴンガス雰囲気)下で、好ましくは2400℃以上、より好ましくは2800℃以上、より一層好ましくは3050℃以上、さらに好ましくは3150℃以上の温度で行う。より高い温度で処理すると、より黒鉛結晶が成長し、リチウムイオンをより高容量で蓄えることが可能な電極を得ることができる。一方、温度が高過ぎると黒鉛粉の昇華を防ぐことが困難であり、必要とされるエネルギ-も大きくなるため、黒鉛化温度は3600℃以下であることが好ましい。
これらの温度を達成するためには電気エネルギ-を用いることが好ましい。電気エネルギ-は他の熱源と比べると高価であり、特に2000℃以上を達成するためには、極めて大きな電力を消費する。そのため、黒鉛化以外に電気エネルギ-は消費されない方が好ましい。黒鉛化に先んじて炭素原料は焼成され、有機揮発分が除去された状態、すなわち固定炭素分が95%以上、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上となっていることが好ましい。この焼成は例えば700~1500℃で加熱することにより行うことができる。焼成により黒鉛化時の質量減少が低減するため、黒鉛化処理装置で一度の処理量を高めることができる。
黒鉛化後は粉砕処理を行わないことが好ましい。ただし、黒鉛化後に粒子が粉砕しない程度に解砕することはできる。
黒鉛粒子を活物質として用いて電極を作製すると、電極圧縮時に電極内部で活物質が均一に分布しやすくなり、また隣接する粒子との接触も安定し、よって繰り返し充放電に一層優れた電池とすることができる。
(4)炭素質材料(A3)
本発明の好ましい実施態様における炭素質材料(A3)は、粒子(A2)とは異なるものであって、炭素原子により形成される結晶の発達が低い炭素質材料であり、ラマン散乱分光法によるラマンスペクトルにおいて1360cm-1近傍にピ-クを持つ。
本発明では、炭素質材料(A3)は少なくともその一部が粒子(A1)の表面に存在している。なお、炭素質材料(A3)は前記非晶質炭素被覆層(A1C)を構成する炭素質材料と同一であっても良い。また、炭素質材料(A3)は、非晶質炭素被覆層(A1C)を兼ねることも可能である。
炭素質材料(A3)は、例えば、炭素前駆体を炭素化することによって製造することができる。前記炭素前駆体は、特に限定されないが、熱重質油、熱分解油、ストレ-トアスファルト、ブロ-ンアスファルト、エチレン製造時に副生するタ-ルまたは石油ピッチなどの石油由来物質、石炭乾留時に生成するコ-ルタ-ル、コ-ルタ-ルの低沸点成分を蒸留除去した重質成分、コ-ルタ-ルピッチ(石炭ピッチ)などの石炭由来物質が好ましく、特に石油系ピッチまたは石炭系ピッチが好ましい。ピッチは複数の多環芳香族化合物の混合物である。ピッチを用いると、高い炭素化率で、不純物の少ない炭素質材料(A3)を製造できる。ピッチは酸素含有率が少ないので、粒子(A1)を炭素質材料で被覆する際に、粒子(A1)が酸化されにくい。
炭素質材料(A3)の前駆体としてのピッチは、軟化点が、好ましくは80℃以上300℃以下である。ピッチの軟化点が80℃以上であれば、それを構成する多環芳香族化合物の平均分子量が小さ過ぎず、かつ揮発分も比較的少ないため、炭素化率の低下、製造コストの上昇、さらに細孔を多く含んだ比表面積の大きい炭素質材料(A3)が得られやすいといった問題は生じない。ピッチの軟化点が300℃以下であれば、粘度が高過ぎることがないため、粒子(A1)と均一に混ぜ合わせることができる。ピッチの軟化点はASTM-D3104-77に記載のメトラ-法で測定することができる。
炭素質材料(A3)の前駆体としてのピッチは、残炭率が好ましくは20質量%以上70質量%以下、より好ましくは25質量%以上60質量%以下である。ピッチの残炭率が20質量%以上であれば、製造コストの上昇や、比表面積の大きい炭素質材料が得られるといった問題は生じない。ピッチの残炭率が70質量%以下であれば、粘度が高過ぎることがないため、粒子(A1)と均一に混合することができる。
残炭率は以下の方法で決定される。固体状のピッチを乳鉢等で粉砕し、粉砕物を窒素ガス流通下で質量熱分析する。1100℃における質量の仕込み質量に対する割合を残炭率と定義する。
本発明に用いられるピッチは、QI(キノリン不溶分)含量が、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。ピッチのQI含量はフリ-カ-ボン量に対応する値である。フリ-カ-ボンを多く含むピッチを熱処理すると、メソフェ-ズ球体が出現してくる過程で、フリ-カ-ボンが球体表面に付着し三次元ネットワ-クを形成して、球体の成長を妨げるため、モザイク状の組織となりやすい。一方、フリ-カ-ボンが少ないピッチを熱処理すると、メソフェ-ズ球体が大きく成長してニ-ドルコ-クスを生成しやすい。QI含量が上記の範囲にあることにより、電極特性が一層良好になる。
また、本発明に用いられるピッチは、TI(トルエン不溶分)含量が、好ましくは10質量%以上70質量%以下である。TI含量が低いピッチは、それを構成する多環芳香族化合物の平均分子量が小さく、揮発分が多いので、炭素化率が低くなり製造コストが上昇し、細孔を多く含んだ比表面積が大きい炭素質材料が得られやすい。TI含量が高いピッチは、それを構成する多環芳香族化合物の平均分子量が大きいので炭素化率が高くなるが、TI含量の高いピッチは粘度が高いので、粒子(A1)と均一に混合させ難い傾向がある。TI含量が上記範囲にあることによりピッチとその他の成分とを均一に混合でき、かつ、電池用活物質として好適な特性を示す負極材を得ることができる。
本発明に用いられるピッチのQI含量及びTI含量はJIS K2425に記載されている方法またはそれに準じた方法により測定することができる。
前記の粒子(A1)、粒子(A2)及び炭素質材料(A3)の合計質量に対する炭素質材料(A3)の質量割合は好ましくは2質量%以上40質量%以下であり、より好ましくは4質量%以上30質量%以下である。なお、粒子(A1)が非晶質炭素被覆層(A1C)で被覆されている場合、炭素質材料(A3)の質量に非晶質炭素被覆層(A1C)の質量も含む。
炭素質材料(A3)の割合が2質量%以上であれば、粒子(A1)と粒子(A2)の十分な結合が得られ、また、粒子(A1)の表面を炭素質材料(A3)で覆うことが可能となるため、粒子(A1)に導電性が付与され易くなり、粒子(A1)の表面反応性を抑制する効果や膨張収縮を緩和する効果が得られ、良好なサイクル特性が得られる。一方、炭素質材料(A3)の割合が40質量%以下であれば、炭素質材料(A3)の割合が高くても初期効率が低くなることはない。
(5)複合体(A)
本発明の一実施形態に係る複合体(A)は、粒子(A1)または構造体(α)(粒子(A1)が非晶質炭素被覆層(A1C)で被覆されている場合)と、粒子(A2)と、炭素質材料(A3)とを含み、粒子(A1)または構造体(α)と粒子(A2)と炭素質材料(A3)とは少なくともその一部が互いに複合化していることが好ましい。複合化とは、例えば、粒子(A1)または構造体(α)と粒子(A2)とが炭素質材料(A3)により固定されて結合している状態、あるいは粒子(A1)または構造体(α)及び/または粒子(A2)が炭素質材料(A3)により被覆されている状態を挙げることができる。本発明においては粒子(A1)または構造体(α)が炭素質材料(A3)によって完全に被覆され、粒子(A1)または構造体(α)の表面が露出していない状態となっていることが好ましく、その中でも粒子(A1)または構造体(α)と、粒子(A2)と、が炭素質材料(A3)を介して連結し、その全体が炭素質材料(A3)により被覆されている状態、及び構造体(α)と粒子(A2)とが直接接触し、その全体が炭素質材料(A3)により被覆されている状態が好ましい。
負極材として電池に用いた際に、粒子(A1)または構造体(α)の表面が露出しないことにより電解液分解反応が抑制されク-ロン効率を高く維持することができ、炭素質材料(A3)を介して、粒子(A2)と粒子(A1)または構造体(α)が連結することによりそれぞれの間の導電性を高めることができ、粒子(A1)または構造体(α)が炭素質材料(A3)により被覆されることによりその膨張及び収縮に伴う体積変化を緩衝することができる。
本発明の一実施形態に係る複合体(A)には、複合化されていない、粒子(A2)、炭素質材料(A3)、粒子(A1)または構造体(α)が単独で含まれていてもよい。複合化されずに単独で含まれている粒子(A2)、炭素質材料(A3)、粒子(A1)または構造体(α)の量は少ない方が好ましく、具体的には、複合体(A)の質量に対して、好ましくは10質量%以下である。
本発明の一実施形態に係る複合体(A)のDV50は2.0μm以上20.0μm以下が好ましい。より好ましくは2.0μm以上18.0μm以下である。DV50が2.0μm以上であれば、経済性のよい製造が可能である。また、電極密度を上げることにも困難はない。さらに、比表面積が過度に大きくならないため、電解液との副反応による初期充放電効率の低下も起こらない。また、DV50が20.0μm以下であれば、良好な入出力特性とサイクル特性が得られる。
本発明の一実施形態に係る複合体(A)のBET比表面積(SBET)は1.0m2/g以上10.0m2/g以下が好ましい。より好ましくは1.0m2/g以上5.0m2/g以下である。BET比表面積(SBET)が1.0m2/g以上であれば、入出力特性が低下することなく、電極中での均一分布性が維持され、良好なサイクル特性が得られる。BET比表面積(SBET)が10.0m2/g以下であれば、塗工性が低下することなくハンドリング性が良好である。また、電極作製にバインダ-を多く必要とすることもなく、電極密度を上げやすく、電解液との副反応による初期充放電効率の低下を抑制できる。
本発明の一実施形態に係る複合体(A)は、X線光電子分光法(XPS)で複合体(A)表面を測定した際に得られるプロファイルにおいて、複合体(A)について、X線光電子分光法(XPS)による測定において、104eV付近に観察されるSiO2のピ-ク面積に対する100eV付近に観察されるSi単体のピ-ク面積の比をXとし、100eV付近に観察されるSi単体のピ-ク面積と102eV付近に観察されるSiOx(0<x<2)のピ-ク面積の和に対する104eV付近に観察されるSiO2のピ-ク面積の比をYとしたとき、0.35≦X≦1.50及び0.25≦Y≦1.50であり、好ましくは、0.45≦X≦1.50及び0.25≦Y≦1.00であり、より好ましくは、0.55≦X≦1.50及び0.25≦Y≦0.70である。
上記比Xが0.35以上であれば、Si粒子最表面におけるSi単体比率が高く、充放電時のSi粒子とLiイオンとの反応抵抗が低くなり、良好なサイクル容量維持率が得られる。また、上記比Xが1.50以下であれば、SiOx(0<x<2)が粒子(A1)表面に形成されることが抑制され、充放電時のLi脱離容量の低下が十分に抑制される。
一方、上記比Yが0.25以上であれば、SiOx(0<x<2)が粒子(A1)最表面に形成されることによる充放電時のLi脱離容量の低下が起こることが十分に抑制される。また、上記比Yが1.50以下であれば、電解液との副反応が十分に抑制される。その結果、サイクル中のク-ロン効率が大幅に改善する。また、電解液添加剤フルオロエチレンカ-ボネ-ト(FEC)の消費量が減少し、かつサイクル容量維持率が向上する。
さらに、上記比Yを0.25~1.50とすることにより、SiOx(0<x<2)の生成を抑制できる。SiOx(0<x<2)の生成が抑制されることで充放電したときの発現容量が大幅に向上し、体積/重量エネルギ-密度が大幅に改善される。
本発明の一実施形態に係る複合体(A)は、顕微ラマン分光測定器で粒子端面を測定して得られたラマン分光スペクトルにおいて、1300~1400cm-1の範囲にあるピ-クのピ-ク強度IDと1580~1620cm-1の範囲にあるピ-クのピ-ク強度IGとの比ID/IG(R値)が0.15以上1.0以下であることが好ましい。より好ましくは、0.2以上1.0以下、より一層好ましくは0.4以上1.0以下である。R値が小さ過ぎることは、粒子(A2)の表面が一定量露出していることを表す。よって、R値が0.15以上であれば、粒子(A2)と粒子(A1)が炭素質材料(A3)で覆われており、粒子(A1)の表面反応性を抑制する効果や膨張収縮を緩和する効果が高くなるために良好なサイクル特性が得られる。一方、R値が大きすぎることは、初期不可逆容量の大きな非晶質炭素を多量に含む炭素質材料(A3)が粒子(A2)の表面を覆っていることを表す。よって、R値が1.0以下であれば、初期放電効率の低下が抑えられる。
本発明の一実施形態に係る複合体(A)は、X線回折測定における粒子(A1)の(111)面回折ピ-ク(28.0°≦2θ≦29.0°に現れるピ-ク)の半値幅の大きさを1としたとき、(220)面の回折ピ-ク(46.8°≦2θ≦47.8°に現れるピ-ク)及び(311)面の回折ピ-ク(55.6°≦2θ≦56.6°に現れるピ-ク)の半値幅の大きさが共に好ましくは1.50以下、より好ましくは1.40以下である。(220)及び(311)面回折ピ-クの半値幅比が共に1.50を超えると、粒子(A1)の膨張がより異方的になり、電極膨張率が増大する。
本発明の一実施形態に係る複合体(A)は、顕微ラマン分光測定器で粒子端面を測定して得られたラマン分光スペクトルにおいて、1300~1400cm-1の範囲にあるピ-クのピ-ク強度IDと1580~1620cm-1の範囲にあるピ-クのピ-ク強度IGとの比ID/IG(R値)が0.15以上1.0以下であることが好ましい。より好ましくは、0.2以上1.0以下、より一層好ましくは0.4以上1.0以下である。R値が小さ過ぎることは、粒子(A2)の表面が一定量露出していることを表す。よって、R値が0.15以上であれば、粒子(A2)と粒子(A1)が炭素質材料(A3)で覆われており、粒子(A1)の表面反応性を抑制する効果や膨張収縮を緩和する効果が高くなるために良好なサイクル特性が得られる。一方、R値が大きすぎることは、初期不可逆容量の大きな非晶質炭素を多量に含む炭素質材料(A3)が粒子(A2)の表面を覆っていることを表す。よって、R値が1.0以下であれば、初期放電効率の低下が抑えられる。
(6)複合体(A)の製造方法
本発明の一実施形態に係る複合体(A)は、公知の方法に従って製造することができる。
例えば、粒子(A1)または構造体(α)と、粒子(A2)と、炭素質材料(A3)の前駆体とを混ぜ合わせ、得られた混合物を熱処理して前記前駆体を炭素質材料(A3)とすることを含む方法によって複合体(A)を得ることができる。
粒子(A1)または構造体(α)と、粒子(A2)と、炭素質材料(A3)の前駆体との混合物は、例えば、炭素質材料(A3)前駆体の一つであるピッチを溶融させ、該溶融ピッチと、粒子(A1)または構造体(α)と、を不活性雰囲気にて混合し、該混合物を固化させた後に粉砕し、該粉砕物を粒子(A2)と混合することによって;粒子(A1)または構造体(α)と、粒子(A2)とを混合し、次いで、粒子(A1)または構造体(α)、及び粒子(A2)の混合物と炭素質材料(A3)前駆体とを混合してメカノケミカル処理を行うことによって;または炭素質材料(A3)前駆体を溶媒に溶解し、該前駆体溶液に粒子(A1)または構造体(α)と、粒子(A2)とを添加混合し、溶媒を除去して得られた固形物を粉砕することによって;得ることができる。メカノケミカル処理は、例えば、ハイブリダイザ-(登録商標、株式会社奈良機械製作所製)などの公知の装置を用いることができる。
粉砕や混合のために、ボ-ルミル、ジェットミル、ロッドミル、ピンミル、ロ-タリ-カッタ-ミル、ハンマ-ミル、アトマイザ-、乳鉢等の公知の装置・器具を用いることができるが、粒子(A1)または構造体(α)の酸化度合いが高くならないような方法を採用することが好ましい。一般的に酸化は比表面積の大きい小粒径粒子ほど進みやすいと考えられるため、大粒径粒子の粉砕が優先的に進行し、小粒径粒子の粉砕はあまり進まない装置が好ましい。例えば、ロッドミル、ハンマ-ミルなどのような、主に衝撃によって粉砕する手段は、衝撃力が大粒径粒子に優先的に伝わり、小粒径粒子にはあまり伝わらない傾向がある。ピンミル、ロ-タリ-カッタ-ミルなどのような、主に衝撃とせん断によって粉砕する手段は、せん断力が大粒径粒子に優先的に伝わり、小粒径粒子にはあまり伝わらない傾向がある。このような装置を使用し、粒子(A1)または構造体(α)の酸化を進ませずに、粉砕や混合することができる。
また、粒子(A1)または構造体(α)の酸化進行を抑えるために、前記の粉砕・混合は非酸化性雰囲気で行うことが好ましい。非酸化性雰囲気としては、アルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガスを充満させた雰囲気が挙げられる。
炭素質材料(A3)前駆体を炭素質材料(A3)とするための熱処理は、好ましくは200℃以上2000℃以下、より好ましくは500℃以上1500℃以下、特に好ましくは600℃以上1200℃以下の温度で行う。この熱処理によって、炭素質材料(A3)が構造体(α)及び/または粒子(A2)を被覆し、また炭素質材料(A3)が、粒子(A1)相互の間、または構造体(α)相互の間、粒子(A2)相互の間、及び粒子(A1)と粒子(A2)との間または構造体(α)と粒子(A2)との間に入り込みこれらを連結した形態にすることができる。熱処理温度が低すぎると炭素質材料(A3)前駆体の炭素化が十分に終了せず、負極材中に水素や酸素が残留し、それらが電池特性に悪影響を及ぼすことがある。逆に熱処理温度が高過ぎると結晶化が進みすぎて充電特性が低下したり、粒子(A1)構成元素と炭素とが結合してLiイオンに対し不活性な状態を生じさせることがある。熱処理は、非酸化性雰囲気で行うことが好ましい。非酸化性雰囲気としては、アルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガスを充満させた雰囲気が挙げられる。また、熱処理により粒子が融着しで塊になっていることがあるため、熱処理品を電極活物質として用いるためには解砕することが好ましい。解砕方法としては、ハンマ-などの衝撃力を利用したパルベライザ-、被解砕物同士の衝突を利用したジェットミルなどが好ましい。
(7)容量の調整
リチウムイオン二次電池用負極材として、電池性能を向上する目的やリチウムイオン二次電池用負極材の容量を調節する目的で、複合体(A)と炭素とを含む材料を混合してもよい。混合する炭素を含む材料は複数種類を用いてもよい。炭素を含む材料としては容量の高い黒鉛が好ましい。黒鉛としては天然黒鉛、人造黒鉛から選択して用いることができる。この際、複合体(A)は比較的高容量(700mAh/g以上)である複合体を用いた方がリチウムイオン二次電池用負極材のコストが低減できるため好ましい。この容量調整用の炭素を含む材料は、予め複合体(A)と混合しておき、これにバインダ-、溶剤、導電助剤等の添加剤を加えて負極用ペ-ストを作製してもよい。また、複合体(A)、炭素を含む材料、バインダ-、溶剤、導電助剤等の添加剤を同時に混合して負極用ペ-ストを作製してもよい。混合の順序や方法は粉体のハンドリング等を考慮して適宜決めればよい。
(8)負極用ペ-スト
本発明の一実施形態に係る負極用ペ-ストは、前記負極材とバインダ-と溶媒と必要に応じて導電助剤などの添加剤を含む。この負極用ペ-ストは、例えば、前記負極材とバインダ-と溶媒と必要に応じて導電助剤などを混練することによって得ることができる。負極用ペ-ストは、シ-ト状、ペレット状などの形状に成形することができる。
バインダ-として用いられる材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレンタ-ポリマ-、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、イオン伝導率の大きな高分子化合物などが挙げられる。イオン伝導率の大きな高分子化合物としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリエピクロロヒドリン、ポリファスファゼン、ポリアクリロニトリルなどが挙げられる。バインダ-の量は、負極材100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上100質量部以下である。
導電助剤は電極に対し導電性及び電極安定性(リチウムイオンの挿入・脱離における体積変化に対する緩衝作用)を付与する役目を果たすものであれば特に限定されない。例えば、カ-ボンナノチュ-ブ、カ-ボンナノファイバ-、気相成長法炭素繊維(例えば、「VGCF(登録商標)」昭和電工株式会社製)、導電性カ-ボン(例えば、「デンカブラック(登録商標)」電気化学工業株式会社製、「Super C65」TIMCAL社製、「Super C45」TIMCAL社製、「KS6L」TIMCAL社製)などが挙げられる。導電助剤の量は、負極材100質量部に対して、好ましくは10質量部以上100質量部以下である。
溶媒は、特に制限はなく、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド、イソプロパノ-ル、水などが使用できる。溶媒として水を使用するバインダ-の場合は、増粘剤を併用することが好ましい。溶媒の量はペ-ストが集電体に塗布しやすいような粘度となるように調整すればよい。
(9)負極シ-ト
本発明の一実施形態に係る負極シ-トは、集電体と、集電体を被覆する電極層とを有する。
集電体としては、例えば、ニッケル箔、銅箔、ニッケルメッシュまたは銅メッシュなどシ-ト状のものが挙げられる。
電極層は、バインダ-と前記の負極材とを含有する。電極層は、例えば、前記のペ-ストを集電体上に塗布し乾燥させることによって得ることができる。ペ-ストの塗布方法は特に制限されない。電極層の厚さは、好ましくは50~200μmである。電極層が厚くなりすぎると、規格化された電池容器に負極シ-トを収容できなくなることがある。電極層の厚さは、ペ-ストの塗布量によって調整できる。また、ペ-ストを乾燥させた後、加圧成形することによっても調整することができる。加圧成形法としては、ロ-ル加圧、プレス加圧などの成形法が挙げられる。プレス成形するときの圧力は、好ましくは100~500MPa程度である。
負極シ-トの電極密度は次のようにして計算することができる。すなわち、プレス後の負極シ-トを直径16mmの円形状に打ち抜き、その質量と厚みを測定する。そこから別途測定しておいた集電体箔(直径16mmの円形状に打ち抜いたもの)の質量と厚みを差し引いて電極層の質量と厚みを求め、その値を元に電極密度を計算する。
正極
正極には、従来よりリチウムイオン二次電池に公知の正極を用いることができる。
具体的には、正極活物質を含む正極が好ましく用いられる。正極活物質として、リチウム含有遷移金属酸化物を挙げることができ、好ましくはTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、MoおよびWからなる群から選ばれる少なくとも1つの遷移金属元素とリチウム元素とを主として含有する酸化物であって、リチウム元素の遷移金属元素に対するモル比が0.3~2.2の化合物を挙げることができ、より好ましくはV、Cr、Mn、Fe、CoおよびNiからなる群から選ばれる少なくとも1つの遷移金属元素とリチウム元素とを主として含有する酸化物であって、リチウム元素の遷移金属元素に対するモル比が0.3~2.2の化合物を挙げることができる。正極活物質は、主として存在する遷移金属元素に対し30モル%未満の範囲でAl、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなどを含有していても良い。
上記のリチウム含有遷移金属酸化物の中で、一般式LiaMO2(MはCo、Ni、Fe、およびMnからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素、0<a≦1.2)、またはLibL'24(L'は少なくともMnを含む元素。0<b≦2)で表わされ且つスピネル構造を有するものから選ばれる少なくとも1つが好ましく; 一般式Licd1-d2(MはCo、Ni、FeおよびMnからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素、DはMで選択された元素以外で且つCo、Ni、Fe、Mn、Al、Zn、Cu、Mo、Ag、W、Ga、In、Sn、Pb、Sb、Sr、BおよびPからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素、c=0~1.2、d=0.5~1)、またはLie(L"f1-f24(L"はMn元素、EはCo、Ni、Fe、Mn、Al、Zn、Cu、Mo、Ag、W、Ga、In、Sn、Pb、Sb、Sr、BおよびPからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素、e=0~2、f=1~0.2)で表わされ且つスピネル構造を有するものから選ばれる少なくとも1つが特に好ましい。
リチウム含有遷移金属酸化物の具体例として、LigCoO2、LigNiO2、LigMnO2、LigCohNi1-h2、LigCoi1-iz、LigCoiFe1-i2、LigMn24、LigMnjCo2-j4、LigMnjNi2-j4、LigMnj2-j4、LigMnjFe2-j4(ここで、g=0.02~1.2、h=0.1~0.9、i=0.8~0.98、j=1.6~1.96、z=2.01~2.3)が挙げられる。最も好ましいリチウム含有遷移金属酸化物としては、LigCoO2、LigNiO2、LigMnO2、LigCohNi1-h2、LigMn24、LigCol1-lz(g=0.02~1.2、h=0.1~0.9、l=0.9~0.98、z=2.01~2.3)が挙げられる。
正極活物質のレ-ザ-回折法による体積基準の50%径D50は特に限定されないが、0.1~50μmが好ましい。正極活物質は、レ-ザ-回折法により測定される粒度分布において、粒径3μm以下の粒子群の占める体積が全体積の18%以下であり、かつ15μm以上25μm以下の粒子群の占める体積が全体積の18%以下であることが好ましい。
正極活物質のBET比表面積は特に限定されないが、好ましくは0.01~50m2/g、より好ましくは0.2m2/g~1.0m2/gである。
正極活物質5gを蒸留水100mlに溶かした時の上澄み液のpHは、7以上12以下であることが好ましい。
正極は上記正極活物質を、前記負極と同様な導電助剤、及び結着材およびN-メチルピロリドン等の溶媒を加えて、スラリ-化したのち、得られた正極用ペ-ストを集電体表面に所定の厚さとなるように積層すれば調製することができる。
リチウムイオン二次電池では正極と負極との間にセパレ-タを設けることがある。セパレ-タとしては、例えば、不織布、クロス、微孔フィルムまたはそれらを組み合わせたものなどを挙げることができる。セパレ-タは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを主成分とした材料からなるものが好ましい。
非水電解液
非水電解液は、下記式1に示される電解液添加剤1を含む。
Figure 2022126004000005
(式1中;
AはCAT+またはR1である。
BはCAT+またはR2である。
CAT+は、ピロリジニウム、ピペリジニウム、アゼパニウム、オニウム、スルホニウム、ホスホニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム、または窒素、酸素、ケイ素もしくは硫黄を含む1~3個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員の複素環式環のカチオンである。
1およびR2は独立して、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキニル基、アルキルシロキシ基、アルキルチオアルキル基からなる群から選ばれる炭素数1~8の基、アリ-ル基、フェニル基、ベンジル基、シリル基、スルホ基、アゾ基またはアミノ基であり、その中の水素原子はハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリ-ル基、アルキニル基、アルキルシロキシ基、フェニル基、ベンジル基、シリル基、アルキルスルファニル基、アルキルチオアルキル基、スルホ基、アゾ基またはアミノ基で置換されてよい。
YはOまたはSであり、YがOの場合CAT+はイミダゾリウムまたはピリジンではない。
Xは-O-、-S-、-O-R6-または-S-R6-であり、-R6-は炭素数1~5のアルキレン基、炭素数2~6のアルケニレン基、炭素数2~6のアルキニレン基または炭素数6~12のアリ-レン基である。
ANI-はアニオンである。)
また、非水電解液は、下記式2に示される電解液添加剤2を含む。
Figure 2022126004000006
(式2中:
AはCAT+またはR1である。
BはCAT+またはR2である。
CAT+は、ピロリジニウム、ピペリジニウム、アゼパニウム、オニウム、スルホニウム、ホスホニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム、または窒素、酸素、ケイ素もしくは硫黄を含む1~3個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員の複素環式環のカチオンである。
1およびR2は独立して、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキニル基、アルキルシロキシ基、アルキルチオアルキル基からなる群から選ばれる炭素数1~8の基、アリ-ル基、フェニル基、ベンジル基、シリル基、スルホ基、アゾ基またはアミノ基であり、その中の水素原子はハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリ-ル基、アルキニル基、アルキルシロキシ基、フェニル基、ベンジル基、シリル基、アルキルスルファニル基、アルキルチオアルキル基、スルホ基、アゾ基またはアミノ基で置換されてよい。
Xは-O-、-S-、-O-R6-または-S-R6-であり、-R6-は炭素数1~5のアルキレン基、炭素数2~6のアルケニレン基、炭素数2~6のアルキニレン基または炭素数6~12のアリ-レン基である。
ANI-はアニオンである。)
電解質添加剤は、アニオンとしては、ハロゲン化物(例えば、塩化物、臭化物)、アルミン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩(例えば、ヘキサフルオロリン酸、テトラフルオロオキサラトリン酸)、イミド(例えば、(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)、ホウ酸塩(たとえば(ビス(オキサラト)ホウ酸、テトラフルオロホウ酸等の塩)、ヒ素化物、シアン化物、チオシアネ-ト、安息香酸塩、炭酸塩、塩素酸塩、亜塩素酸塩、クロム酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、ケイ酸塩、チオ硫酸塩、カルコゲン化物(第16族、たとえば酸素、硫黄)、プニクトゲン化物(第15族、たとえば窒素、リン、ヒ素、アンチモンなど)、クリスタロゲン化物(第14族、炭素、ケイ素、ゲルマニウムなど)、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、水酸化物など誘導されるアニオンを含むが、これらに限定されない。後述するように、カチオンを合成した際の対イオンが、上記アニオンであってもよく、電解液に添加されるリチウム塩などの対イオンであってもよい。
本明細書では、アニオンとカチオンを合わせて、電解液添加剤を構成する。この電解液添加剤は、非水電解液に大きな熱安定性を与える。このような電解液添加剤は、イオン性化合物として、米国特許2017/0288269A1に記載されている。
上記した、式1および2で表されるリン部分に結合したカチオンの合成は、少なくとも1つのフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲンで置換された炭素数1~8のアルキル基を含む有機化合物、例えば、N-アルキル-N-アルキルピロリジン、N-アルキル-N-アルキルピリジン、N-アルキル-N-アルキルイミダゾリン、N-アルキル-N-アルキルホスフィン、N-アルキル-N-アルキルスルホン、N-アルキル-N-アルキルアミンまたはN-アルキル-N-アルキルピペリジンなど有機化合物を、触媒使用また不使用下に、下記式で表されるリン化合物と反応させ、有機化合物のハロゲン原子と、リン化合物のXHの水素とを脱ハロゲン化水素反応させて得られる。
Figure 2022126004000007
式1'および式2'の符号は、式1および式2と同じである。
合成反応は塩基の存在下で行うことが好ましい。
塩基として、例えば、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸リチウムなどのアルカリ金属炭酸塩、
ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、リチウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、リチウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、カリウムプロポキシド、リチウムプロポキシド、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムt-ブトキシド、リチウムt-ブトキシドといった、ナトリウム、カリウム、リチウムアルコキシドなどのアルカリ金属のメトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシドなどのアルコキシド(アルカリ金属アルコキシド)、
水素化ナトリウム、水素化カリウム、ピリジン、トリエチルアミン、N,N-ジエチルアミン、N,N-ジイソプロピルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(ヒュ-ニッヒ塩基)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン(DBN)または1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、KHCO3、NaHCO3、BaCO3、CaCO3、Cs2CO3、MgCO3、KOH、NaOHおよびLiOHなどが使用される。
このうち、好ましい塩基は炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムである。
合成反応は、望ましくは有機溶媒の存在下で行われる。有機溶媒として、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、トルエン、クロロホルム、アセトニトリル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、1,2-ジメトキシエタン、2-メチル-テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、メチルt-ブチルエ-テル(MTBE)、クロロベンゼン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリジノン、メタノ-ル、エタノ-ル、イソプロパノ-ル、n-プロパノ-ル、 n-ブタノ-ル、t-ブタノ-ルおよびエチレングリコ-ルなどが挙げられる。好ましい溶媒はジクロロメタンまたはテトラヒドロフランである。
有機溶媒は、リン化合物と有機化合物との反応混合物に対して、約3~15ミリリットル/g、好ましくは約5~10ミリリットル/gの範囲内の量で使用される。
リン化合物と有機化合物との反応は、少なくとも約85%の収率、88~92%の収率、>90%の力価を発揮させるために比較的温和な条件下で約10~30℃、好ましくは約15~25℃の範囲内の温度で行われる。
反応はさらに、有機化合物とリン化合物との反応混合物に対し、約3~15ミリリットル、好ましくは約5~10ミリリットル/gの範囲内の量の水の存在下で行われる。
リン化合物と有機化合物との反応物は、ヨウ化メチルおよび溶媒の存在下で四級化されて、本発明で使用されるカチオンを構成する。適切な溶媒としては、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、トルエン、クロロホルム、アセトニトリル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、1,2-ジメトキシエタン、2-メチルテトラヒドロフラン、1が挙げられる。 4-ジオキサン、メチルt-ブチルエ-テル(MTBE)、クロロベンゼン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、DMF、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリジノン、MTBE、メタノ-ル、エタノ-ル、イソプロパノ-ル、n-プロパノ-ル、n-ブタノ-ル、 t-ブタノ-ルおよびエチレングリコ-ルが挙げられ、好ましくはアセトニトリルである。得られたカチオンは次にリチウム塩の存在下でメタセシスを受ける。
好ましい実施形態では、リン化合物はジブチルホスフェ-トであり、有機化合物はN-(2-クロロエチル)ピロリジンである。最も好ましくは、ピロリジンは1つのジブチルホスフェ-トに結合され、ジブチルホスフェ-トエチルピロリジニウムに四級化されたカチオンである。
また、本発明の一つの態様では、非水電解液は、特表2019-505947号公報に記載された下記式3で表されるイオン性化合物を電解液添加剤3として含む。
Figure 2022126004000008
(式3中、+Cationはオニウム、スルホニウム、ホスホニウム、または窒素、酸素、ケイ素もしくは硫黄から選択される環員として1~3個のヘテロ原子を有する任意の5もしくは6員複素環を示し、 R3、R4、R5はそれぞれ独立してアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリ-ル基、アルキニル基、またはアルキルシロキシ基である。
Lはリンカ-であり、炭素数1~8のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、フェニレン基またはアリ-レン基であり、P原子、ハロゲン化物、Si原子、B原子、S原子、O原子またはN原子との結合を随意に含むが、Si原子へのO原子の直接結合は除く。
Anion-は、ハロゲン化物、硝酸塩、リン酸塩、イミド、ホウ酸塩、またはホスファジン由来ものを示す。)
また、本発明の一つの態様では下記式3-1で表される電解液添加剤3-1を含む。
Figure 2022126004000009
(式3-1中、+Cationはオニウム、スルホニウム、ホスホニウム、または窒素、酸素、ケイ素もしくは硫黄から選択される環員として1~3個のヘテロ原子を有する任意の5もしくは6員複素環を示し、R3、R4、R5はそれぞれ独立してアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリ-ル基、アルキニル基、またはアルキルシロキシ基である。
Lはリンカ-であり、炭素数1~8のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、フェニレン基またはアリ-レン基であり、P原子、ハロゲン化物、Si原子、B原子、S原子、O原子またはN原子との結合を随意に含むが、Si原子へのO原子の直接結合は除く。
Anion-は、ハロゲン化物、硝酸塩、リン酸塩、イミド、ホウ酸塩、またはホスファジン由来ものを示す。)
前記式3および3-1のイオン性化合物を構成するカチオンは、さらにハロゲン化物、酸素、窒素、硫黄、リン、アルカン、エステル、エ-テル、ケトン、カルボニル、アルコキシアルカン、アルケン、アリ-ル、ニトリル、シラン、スルホン、チオ-ル、フェノ-ル、ヒドロキシル、アミン、イミド、アルデヒド、カルボン酸、アルキン、炭酸塩、および無水物から選択される官能性部分を表し、ここで、その部分における炭素または水素原子のいずれかが、ハロゲン化物、酸素、窒素、硫黄、リン、アルカン、エステル、エ-テル、ケトン、カルボニル、アルコキシアルカン、アルケン、アリ-ル、ニトリル、シラン、スルホン、チオ-ル、フェノ-ル、ヒドロキシル、アミン、イミド、アルデヒド、カルボン酸、アルキン、炭酸塩、および無水物でさらに置換されていてもよい。
このようなイオン性化合物を含むことで、高機能で不燃性の動作温度範囲が広い電解液を提供できる。
アニオンは、四フッ化ホウ素、アルミン酸塩、(オキサラト)ボレ-ト、ジフルオロ(オキサラト)ボレ-ト、六フッ化リン、アルキルスルホン酸塩、フルオロアルキルスルホン酸塩、アリ-ルスルホン酸塩、ビス(アルキルスルホニル)アミド、過塩素酸塩、ビス(フルオロアルキルスルホニル)アミド、ビス(アリ-ルスルホニル)アミド、アルキルフルオロリン酸塩、(フルオロアルキルスルホニル)(フルオロアルキルカルボニル)アミド、ハロゲン化物、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、アルキル硫酸塩、アリ-ル硫酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、次亜塩素酸塩、カチオン交換樹脂のアニオン部位、およびそれらのいずれか2以上の混合物の基に由来するアニオンを含む。
以上の電解液添加剤1~3、3-1の実施形態において、アニオンはリチウム塩の対イオンとして採用される、[CF3CO2-;[C24CO2-;[ClO4-;[BF4-;[AsF6-;[PF6-;[PF2(C242-;[PF424-;[CF3SO3-;[N(CF3SO22-;[C(CF3SO23-;[N(SO2242-;アルキルフルオロリン酸塩;[B(C242-;[BF224-;[B1212kk2-;[(B1010k′Hk2-;またはそれらのいずれか2以上の混合物の群を含んでいてもよく、ここで、Yはハロゲンであり、kは0から12の整数であり、k′は1から10の整数である。好ましくは、アニオンはビストリフルイミド、またはビス(トリフルオロエチル)スルホニド(sulfonide)(「TFSI」)である。
イオン性化合物における、シランで修飾されたカチオン対アニオンの重量比は、約4:1から1:4であり、好ましくは約2.5:1から1:2.5である。
式3および3-1で示される電解液添加剤も公知の様々な方法によって合成される。例えば、カチオンのホスホニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム、もしくは第四級アンモニウム系のイオン液体を調製するために、対応するホスファイト、1-置換のイミダゾ-ル、ピリジン、または第三級アミンを、アルキル化条件の下で、適切な求電子試薬と反応させ、その後適切なリチウム塩と反応させてもよい。適切な求電子試薬は、リンカ-ベアリング(linker bearing)、例えばハロゲン化物、メシラ-ト、トリフラ-ト、類似の脱離基を持つシラン部分を含む。オキサゾリウムおよびチアゾリウム(thizolium)系イオン液体の調製は、同様であるが、しかし求電子試薬と反応する前に、適切な塩基、例えば、アルカリ金属水素化物を持つ対応するオキサゾ-ルまたはチアゾ-ルの脱プロトン反応を必要とする。
以下の用語は、文脈により明白に他のものとして示されない限り、全体にわたって下記のように使用される。
アルキル基は、他に示されない限り、1から8の炭素を有する直鎖と分枝鎖の飽和炭化水素基を含む。直鎖アルキル基の例は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、およびn-オクチル基などの基を含む。分枝鎖アルキル基の例は、限定されないが、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、および2、2-ジメチルプロピル基を含む。アルキル基は非置換であるか、または1つ以上のヒドロキシル基もしくはハロゲン基で随意に置換されることもある。
アルケニル基、アルキニル基は、本明細書において定義されるように、2~8、好ましくは2~6の炭素数を有し、それぞれ、炭素・炭素の二重結合、炭素・炭素の三重結合を有する。
アルコキシ基、アルキルシロキシ基、アルキルチオアルキル基などに結合しているアルキル基は前記アルキル基と同様である。
アリ-ル基は、6から12の炭素原子を含む環状の芳香族炭化水素であって、ヘテロ原子を含まない。本明細書においてアリ-ル基は、単環の環構造、二環の環構造、および三環の環構造を含み、縮合環を含む。したがって、アリ-ル基は、限定されないが、フェニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、インデニル基、インダニル基、ペンタレニル基、およびナフチル基を含む。いくつかの実施形態では、アリ-ル基は、フェニルまたはナフチルである。アリ-ル基はさらに、縮合した芳香族脂肪族環系、例えばインダニル、テトラヒドロナフチルなどを含むこともある。アリ-ル基は、非置換であるか、または随意に1つ以上のアルキル基、ハロゲン原子、もしくは1つ以上のハロゲン原子で置換されることもある。いつくかの実施形態において、アリ-ル基は、1、2、もしくは3のアルキル基、および/または1から5のハロゲン原子で置換されることもある。
本発明のリチウムイオン二次電池を構成する電解質としては、前記電解液添加剤を含むものであれば、公知の有機電解液、無機固体電解質、高分子固体電解質の構成を採用できるが、電気伝導性の観点から有機電解液が好ましく、さらには非水電解液が好ましい。
非水電解液は、(i)非プロトン性有機溶媒、(ii)リチウム塩、の少なくとも1種を含むことが好ましい。
非プロトン性有機溶媒が、開鎖(「開鎖状」とは、特記しない場合には、分岐を有しない直鎖状および分岐を有する分岐鎖状の双方を含む)または環状カ-ボネ-ト、カルボン酸エステル、ニトリル、エ-テル、スルホン、ケトン、ラクトン、ジオキソラン、グライム、クラウンエ-テル、シロキサン、リン酸エステル、亜リン酸エステル、モノもしくはポリホスファゼン、またはこれらの混合物が使用される。これらの溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
非プロトン性有機溶媒として、具体的には、ジメチルエ-テル、ジエチルエ-テル、ジブチルエ-テル、エチレングリコ-ルモノメチルエ-テル、エチレングリコ-ルモノエチルエ-テル、エチレングリコ-ルモノブチルエ-テル、ジエチレングリコ-ルモノメチルエ-テル、ジエチレングリコ-ルモノエチルエ-テル、ジエチレングリコ-ルモノブチルエ-テル、ジエチレングリコ-ルジメチルエ-テル、エチレングリコ-ルフェニルエ-テル、1,2-ジメトキシエタン、テトラエチレングリコ-ル、ポリエチレングリコ-ル等のエ-テル;
ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-エチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-エチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルプロピオンアミド、ヘキサメチルホスホリルアミド等のアミド;
ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄有機化合物;
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のジアルキルケトン;
エチレンオキサイド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、2-メトキシテトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン等の環状エ-テル;
エチレンカ-ボネ-ト、プロピレンカ-ボネ-ト、ジエチルカ-ボネ-ト、ジメチルカ-ボネ-ト、エチルメチルカ-ボネ-ト、ジエチルカ-ボネ-ト、メチルプロピルカ-ボネ-ト、エチルプロピルカ-ボネ-ト、ジプロピルカ-ボネ-ト、ビス(トリフルオロエチル)カ-ボネ-ト、ビス(ペンタフルオロプロピル)カ-ボネ-ト、トリフルオロエチルメチルカ-ボネ-ト、ペンタフルオロエチルメチルカ-ボネ-ト、ヘプタフルオロプロピルメチルカ-ボネ-ト、ペルフルオロブチルメチルカ-ボネ-ト、トリフルオロエチルエチルカ-ボネ-ト、ペンタフルオロエチルエチルカ-ボネ-ト、ヘプタフルオロプロピルエチルカ-ボネ-ト、ペルフルオロブチルエチルカ-ボネ-ト等のカ-ボネ-ト類;
メチルプロピオネ-ト、エチルプロピオネ-ト、ブチルプロピオネ-ト、γ-ブチロラクトン等のエステル類;ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキソラン、 N-メチルピロリドン、アセトニトリル、ニトロメタン、ジメトキシエタン、トリグリム、トリフェニルホスフェ-ト、トリブチルホスフェ-ト、ヘキサフルオロシクロトリホスファゼン、2-エトキシ-2,4,6,6-ペンタフルオロ-1,3,5,2-5,4-5,6-5トリアザトリホスフィニン、亜リン酸トリフェニル、スルホラン、ジメチルスルホキシド、エチルメチルスルホン、エチルビニルスルホン、アリルメチルスルホン、ジビニルスルホン、2-ビニルオキセタン、ブタジエンモノオキシド、フルオロフェニルメチルスルホンなどが挙げられる。
(ii)リチウム塩としては、LiBF4、LiNO3、LiPF6、LiAsF6、LiClO4、Li[PF2(C242]、LiPF424、LiCF3SO3、Li[N(CF3SO22]、LiN(CP3SO22; Li[CF3CO2]、Li[C24CO2]、LiC(CF3SO23; LiN(SO2252、リチウムアルキルフルオロホスフェ-ト、 LiB(C242、LiBF224、Li21212jj、Li2B10X10-j'Hj'(式中、ZおよびXは出現毎に独立してハロゲンであり、jは0~12の整数であり、j'は1~10の整数である)、リチウムビス(トリフルオロエチルスルホニル)イミド(LiTFSI)、リチウムビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、トリフルオロ酢酸リチウム、ペンタフルオロプロピオン酸リチウムなどが使用される。さらに、上記リチウム塩とともに、上記リチウムを、ナトリウム、アルミニウムまたはマグネシウムに置換した塩を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態において、リチウム塩の濃度は、約0.01Mから約1.5Mまで、約0.05Mから約1.2Mまで、または約0.4Mから約1.0Mまでのイオン液体の範囲にある。イオン電解質塩の濃度が約0.01Mよりも低い場合、結果として生じる非水電解質のイオン導電性は、電解質内のキャリアイオンの不十分な数により低下する傾向がある。
非水電解液は、電極を劣化から保護するための(iii)その他添加剤をさらに含むことが好ましい。負極の表面上に不動態化膜を形成するために負極の表面上で還元または重合される添加剤を含んでいてもよく、電解質は、正極の表面に酸化または重合して正極の表面に不動態化膜を形成が可能な添加剤を含むことができる。2種類以上の添加剤を組み合わせて使用することも可能である。
前記添加剤が、酸素含有化合物、硫黄含有化合物、リン含有化合物、ホウ素含有化合物、ケイ素含有化合物、フッ素含有化合物、窒素含有化合物、少なくとも1つの不飽和炭素結合を有する化合物、カルボン酸無水物またはこれらの混合物であることが好ましい。
例えば、添加剤として、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、リン原子、と少なくとも1つのアリ-ル、アルケニルまたはアルキニル基とを含む置換または非置換の直鎖、分岐鎖または環状炭化水素基を有する添加剤が使用される。
代表的な添加剤としては、グリオキサ-ルビス(ジアリルアセタ-ル)、テトラ(エチレングリコ-ル)ジビニルエ-テル、1,3,5-トリアリル-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H、3H、5H)- トリオン、1,3,5,7-テトラビニル-1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン、2,4,6-トリアリルオキシ-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5- トリアジン、1,2-ジビニルフロエ-ト、1,3-ブタジエンカ-ボネ-ト、1-ビニルアゼチジン-2-オン、1-ビニルアジリジン-2-オン、1-ビニルピペリジン-2-オン、1-ビニルピロリジン-2-オン、2、 4-ジビニル-1,3-ジオキサン、2-アミノ-3-ビニルシクロヘキサノン、2-アミノ-3-ビニルシクロプロパノン、2-アミノ-4-ビニルシクロブタノン、2-アミノ-5-ビニルシクロペンタノン、2-アリ-ルオキシ-シクロプロパノン、2-ビニル-[1,2]オキサゼチジン、2-ビニルアミノシクロヘキサノ-ル、2-ビニルアミノシクロプロパノン、2-ビニルオキシ-シクロプロパノン、3-(N-ビニルアミノ)シクロヘキサノン、3,5-ジビニルフロエ-ト、3-ビニルアゼチジン-2-オン、3ビニルアジリジン-2-オン、3-ビニルシクロブタノン、3-ビニルシクロペンタノン、3-ビニルオキサジリジン、3-ビニルオキセタン、3-ビニルピロリジン-2-オン、2-ビニル-1,3-ジオキソラン、アクロレインジエチルアセタ-ル、アクロレインジメチルアセタ-ル、4,4-ジビニル-3-ジオキソラン-2-オン、4-ビニルテトラヒドロピラン、5-ビニルピペリジン-3-オン、アリルグリシジルエ-テル、ブタジエン、ブチル - ビニルエ-テル、ジヒドロピラン-3-オン、ジビニルブチルカ-ボネ-ト、ジビニルカ-ボネ-ト、ジビニルクロトネ-ト、ジビニルエ-テル、ジビニルエチレンカ-ボネ-ト、ジビニルエチレンサルフェ-ト、ジビニルエチレンサルファイト、ジビニルメトキシピラジン、ジビニルメチルホスフェ-ト、ジビニルプロピレンカ-ボネ-ト、エチルホスフェ-ト、メトキシ-o-タ-フェニル、メチルホスフェ-ト、オキセタン-2-イル-ビニルアミン、オキシラニルビニルアミン、ビニレンカ-ボネ-ト、ビニルエチレンカ-ボネ-ト、ジメチルビニレンカ-ボネ-ト、クロトン酸ビニル、シクロペンタノンビニルエチル-2-フロ-ト、ビニルエチレンシリケ-ト、ビニルエチレンサルフェ-ト、ビニルエチレンサルファイト、ビニルメタクリレ-ト、ビニルホスフェ-ト、ビニル-2-フロエ-ト、ビニルシクロプロパノン、ビニルエチレンオキサイド、Pf-ビニル-γ-ブチロラクトンまたはそれらの任意の2つ以上の混合物などが挙げられる。
有機溶媒に例示されたもので、その他添加剤として使用される場合もあるが、その場合、本明細書では、その他添加剤として取り扱う。
いくつかの実施形態において、その他添加剤は、フッ素、アルキルオキシ、アルケニルオキシ、アリ-ルオキシ、メトキシ、アリルオキシ基またはそれらの組み合わせで、置換されているシクロトリホスファゼンであってもよい。例えば、添加剤は、(ジビニル)-(メトキシ)(トリフルオロ)シクロトリホスファゼン、(トリビニル)(ジフルオロ)メトキシ)シクロトリホスファゼン、(ビニル)(メトキシ)テトラフルオロ)シクロトリホスファゼン、(アリ-ルオキシ)テトラフルオロ)(メトキシ)シクロトリホスファゼン、あるいは、(ジアリ-ルオキシトリフルオロメトキシ)シクロトリホスファゼン化合物または2種以上のそのような化合物の混合物であってもよい。
いくつかの実施形態において、添加剤は、ビニルエチレンカ-ボネ-ト、ビニレンカ-ボネ-ト、もしくは1,2-ジフェニルエ-テル、または任意の2つ以上のこれらの混合物である。
他の代表的な添加剤は、フェニル、ナフチル、アントラセニル、ピロリル、オキサゾリル、フラニル、インドリル、カルバゾリル、イミダゾリル、チオフェニル、フッ素化カ-ボネ-ト、スルトン、スルフィド、無水物、シラン、シロキシ、ホスフェ-トまたはホスファイト基を有する化合物を含む。
例えば、添加剤は、フェニルトリフルオロメチルスルフィド、フルオロエチレンカ-ボネ-ト、1,3,2-ジオキサチオラン-2,2-ジオキシド、1-プロペン1,3-スルトン、1,3-プロパンスルトン、1,3-ジオキソラン-2-オンであり得る。 1,4 - [(2,2,2-トリフルオロエトキシ)メチル]、1,3-ジオキソラン-2-オン、4 - [[2,2,2-トリフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エトキシ]メチル] - 、メチル2,2,2-トリフルオロエチルカ-ボネ-ト、ノナフルオロヘキシルトリエトキシシラン、オクタメチルトリシロキサン、メチルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、テトラキス(トリメチルシロキシ)シラン、(トリデカフルオロ-1,1,2,2-テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、トリス(1H、1H-ヘプタフルオロブチル)ホスフェ-ト、 3,3,3-トリフルオロプロピルトリス(3,3,3-トリフルオロプロピルジメチルシロキシ)シラン、(3,3,3-トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネ-ト、トリス(トリメチルシリル)ボレ-ト、トリプロピルホスフェ-ト、ビス(トリメチルシリルメチル)ベンジルアミン、フェニルトリス(トリメチルシリル))シラン、1,3-ビス(トリフルオロプロピル)テトラメチルジシロキサン、トリフェニルホスフェ-ト、トリス(トリメチルシリル)ホスフェ-ト、トリス(1H、1H、5H-オクタフルオロペンチル)ホスフェ-ト、トリフェニルホスファイト、トリラウリルt)トリチオホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、トリ-p-トリルホスファイト、トリス(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル)ホスフェ-ト、無水コハク酸、1,5,2,4-ジオキサジチアン2,2,4,4-テトラオキシド、トリプロピルトリチオホスフェ-ト、アリ-ルオキシピルレイル、アリ-ルオキシピラジン、アリ-ルオキシカルバゾ-ルトリビニルホスフェ-ト、アリ-ルオキシエチル-2-フロエ-ト、アリ-ルオキシ-p-フェニル、アリ-ルオキシピリダジン、ブチルアリ-ルオキシ - エ-テル、ジビニルジフェニルエ-テル、(テトラヒドロフラン-2-イル) - ビニルアミン、ジビニルメトキシビピリジン、メトキシ-4-ビニルビフェニル、ビニルメトキシカルバゾ-ル、ビニルメトキシピペリジン、ビニルメトキシピラジン、ビニルメチルカ-ボネ-ト - アリルアニソ-ル、ビニルピリダジン、1-ジビニルイミダゾ-ル、3 - ビニルテトラヒドロフラン、ジビニルフラン、ジビニルメトキシフラン、ジビニルピラジン、ビニルメトキシイミダゾ-ル、ビニルメトキシピロ-ル、ビニル - テトラヒドロフラン、2,4-ジビニルイソオキサゾ-ル、3,4-ジビニル-1-メチルピロ-ル、アリ-ルオキシオキセタン、アリ-ルオキシ-フェニルカ-ボネ-ト、アリ-ルオキシ-ピペリジン、アリ-ルオキシ-テトラヒドロフラン、2-アリ-ル-シクロプロパノン、2-ジアリ-ルオキシ-フロエ-ト、4-アリルアニソ-ル、アリ-ルオキシ-カルバゾ-ル、アリ-ルオキシ-2-フロエ-ト、アリ-ルオキシ-クロトン酸、アリ-ルオキシ-シクロブタン、アリ-ルオキシ-シクロプロパノン、アリ-ルオキシ-シクロホスファゼン、アリ-ルオキシ-エチレンシリケ-ト、アリ-ルオキシ-エチレンサルファイト、アリ-ルオキシ-エチレンサルファイト、アリ-ルオキシ-イミダゾ-ル、アリ-ルオキシ-メタクリレ-ト、アリ-ルオキシ-ホスフェ-ト、アリ-ルオキシ-ピロ-ル、アリ-ルオキシキノリン、ジアリ-ルオキシシクロトリホスファゼン、ジアリ-ルオキシフラン、ジアリ-ルオキシメチルホスフェ-ト、ジアリ-ルオキシ-ブチルカ-ボネ-ト、ジアリ-ルオキシ-クロトネ-ト、ジアリ-ルオキシ-ジフェニルエ-テル、ジアリ-ルオキシ-エチルシリケ-ト、ジアリ-ルオキシ-エチレンシリケ-ト、ジアリ-ルオキシエチレンサルフェ-ト、ジアリ-ルオキシエチレンサルファイト、ジアリ-ルオキシフェニルカ-ボネ-ト、ジアリ-ルオキシプロピレンカ-ボネ-ト、ジフェニルカ-ボネ-ト、ジフェニルジアリ-ルオキシシリケ-ト、ジフェニルエ-テル、ジフェニルシリケ-ト、ジビニルメトキシジフェニルエ-テル、ジビニルフェニルカ-ボネ-ト、メトキシカルバゾ-ル、または2,4-ジメチル-6-ヒドロキシ-ピリミジン、ビニルメトキシキノリン、ピリダジン、ビニルピリダジン、キノリン、ビニルキノリン、ピリジン、ビニルピリジン、インド-ル、ビニルインド-ル、トリエタノ-ルアミン、1,3-ジメチルブタジエン、ブタジエン、ビニルエチレンカ-ボネ-ト、ビニルカ-ボネ-ト、イミダゾ-ル、ビニルイミダゾ-ル、ピペリジン、ビニルピペリジン、ピリミジン、ビニルピリミジン、ピラジン、ビニルピラジン、イソキノリン、ビニルイソキノリン例えば、キノキサリン、ビニルキノキサリン、ビフェニル、1,2-ジフェニルエ-テル、1,2-ジフェニルエタン、タ-フェニル、N-メチルピロ-ル、ナフタレンまたはこれらの化合物の2種以上の混合物などが使用される。
非水電解液は、非プロトン性ゲルポリマ-担体やその他の溶媒を含んでいてもよい。適切なゲルポリマ-担体としては、ポリエ-テル、ポリエチレンオキサイド、ポリイミド、ポリホスファジン、ポリアクリロニトリル、ポリシロキサン、ポリエ-テルグラフトポリシロキサン、これらの誘導体、架橋体および網目構造体、さらに混合物が挙げられる。ポリマ-担体は、約150g/molから約10,000,000g /molの範囲の様々な分子量を有するものを使用可能である。
このような非水電解液は、電気化学デバイス用の電解液として適しており、 電気化学デバイスの例は、電気二重層キャパシタ、リチウムイオン二次電池、顔料増感剤型の太陽電池、エレクトロクロミックデバイスおよびコンデンサであるが特に限定されるものではない。
(電解液組成)
電解液添加剤は、非水電解液の総質量に対して、0.01~25質量%、好ましくは0.1~20質量%で存在する。この範囲の量で含むことで、低温レ-ト特性の向上という点で好ましい。
非プロトン性有機溶媒は、用いる非水電解液の粘度などに応じて使用量は適宜調整されるものの、非水電解液の総質量に対して、5~85質量%の範囲で使用される。
非水電解液中の、リチウム塩の濃度は、0.1~10mol/L、好ましくは0.2~8mol/L、さら好ましくは0.5~5mol/Lまでの範囲にあることが望ましい。リチウム塩の濃度が低いと、イオン導電性が低くなり、電解液中のキャリアイオンが少なくなる。その他添加剤は、電解液質量に対し、0.01~25質量%、好ましくは、0.1~20質量%、さらに好ましくは0.2~15質量%の量で含むことが、難燃性や低温サイクル特性などの点で好ましい。
なお、上記以外のリチウムイオン二次電池の構成上に必要な部材の選択についてはなんら制約を受けるものではない。
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極用スラリ-を調製しておき、正極集電体上に、そのリチウムイオン二次電池の正極用スラリ-を塗布して正極層を形成し、同様に負極スラリ-から負極層を形成しておき、正極と負極とを、透過性のセパレ-タを介して配置し、これに非水系の電解液を含浸させる。次いで、負極を負極端子に、正極を正極端子に接続し、リチウムイオン二次電池とする。
また、リチウムイオン二次電池が筒状の場合、以下のようにして得られる。まず、負極集電体の両面に負極活物質層が形成された負極/セパレ-タ/正極集電体の両面に正極活物質層が形成された本発明のリチウムイオン二次電池用正極/セパレ-タからなる積層体をロ-ル状(渦巻状)に巻回して巻回体とする。得られた巻回体を、金属ケ-シング(電池缶)に収容し、負極を負極端子に、正極を正極端子に接続する。次いで、金属ケ-シングに電解液を含浸させた後、金属ケ-シングを封止することにより筒状のリチウムイオン二次電池とする。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例における「部」は、特に断りのない場合は質量部を示す。また、実施例および比較例における「%」は、で特に断りのない場合は質量%を示す。
[負極1]
負材1は以下の原料を用いて調製した。
(1)ケイ素含有粒子(Si微粒子)
下記の実施例及び比較例で、粒子(A1)に使用したSi粒子、Si(1)の物性を表1に示す。
一次粒子の平均粒子径dAVは前述の通り、dAV[nm]=6×103/(ρ×SBET)である。ここで、ρはSi粒子の真密度(理論値としての2.3[g/cm3])であり、SBETはBET法により測定した比表面積[m2/g]である。
(2)構造体(α)の作製
Si微粒子Si(1)をCVD法で作製後、連続してアセチレンガスを原料に用いてCVD法で厚さ2nmの炭素被覆層形成させることにより構造体(α)-1を得た(表1)。
Figure 2022126004000010
(3)ピッチ
石油ピッチ(軟化点220℃)を使用した。この石油ピッチについて、窒素ガス流通下の熱分析により1100℃における残炭率を測定したところ、52質量%であった。
また、JIS K2425に記載されている方法またはそれに準じた方法で測定した石油ピッチのQI含量は0.62質量%、TI含量は48.9質量%であった。
(4)負極材の調製
石油系コ-クスをバンタムミル(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕した後、さらにジェットミル(株式会社セイシン企業製)で粉砕し、これをアチソン炉にて3000℃で熱処理して、DV50が7.5μm、BET比表面積が4.9m2/gの人造黒鉛粒子(A2)-aを得た。
次に、構造体(α)-1 16.4質量部と炭素質材料(A3)の前駆体である前記の石油ピッチ15.4質量部(石油ピッチを炭化した後の質量として)とをセパラブルフラスコに投入した。窒素ガスを流通させて不活性雰囲気を保ち、250℃まで昇温した。ミキサ-を500rpmで回転させて撹拌し、ピッチとケイ素含有粒子とを均一に混合させた。これを冷却し固化させて混合物を得た。
この混合物に、粒子(A2)-aである前記の人造黒鉛粒子68.2質量部を加え、ロ-タリ-カッタ-ミルに投入し、窒素ガスを流通させて不活性雰囲気を保ちつつ25000rpmで高速撹拌し混合させた。
これを焼成炉に入れ、窒素ガス流通下で、150℃/hで1100℃まで昇温し、1100℃にて1時間保持し、(A3)前駆体を(A3)に変換した。室温まで冷やし焼成炉から取り出しロ-タリ-カッタ-ミルで解砕後、45μm目開きの篩にて篩分した篩下を複合体(A)-aとして得た。この複合体(A)-aについてDV50を測定した結果を表2に示す。
Figure 2022126004000011
複合体(A)-aと人造黒鉛とから以下のようにして、負極1を作製した。
負極材80質量部(複合体(A)-a 25.5質量部+人造黒鉛(D50 8μm)54.5質量部)に、導電性カ-ボンブラック(TIMCAL SUPER C45)1.3質量部、気相成長法炭素繊維(VGCF(登録商標)-H,昭和電工株式会社製)0.4質量部、カルボキシメチルセルロ-ス2質量%水溶液7.1質量部、及び水を適宜加えて粘度を調節し、撹拌して、充分な流動性を有する負極材スラリ-を得た。ドクタ-ブレ-ドを用いて、負極材スラリ-を高純度銅箔上に150μm厚にて塗布し、70℃で12時間真空乾燥させた。負極材塗膜の形成された銅箔を打ち抜き20cm2の長方形小片を得た。該小片を超鋼製プレス板で挟み、プレス圧1×102~3×102N/mm2(1×103~3×103kg/cm2)にてプレスし、銅箔上に負極合材層が形成された、負極1を得た。負極1の充填密度は、1.6g/cm3であった。負極合材層の目付は6mg/cm2に調整した。
[正極1]
LiNiMnCoO2(Targray社、NMC 622)92質量部、導電性カ-ボンブラック(TIMCAL SUPER C65)3質量部、気相成長法炭素繊維(VGCF(登録商標)-H,昭和電工株式会社製)1質量部、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)4質量部にN-メチルピロリドンを適宜加えながら撹拌・混合し、スラリ-状の正極用スラリ-を作製した。ロ-ルコ-タ-を用いて、正極材スラリ-を厚さ20μmのアルミニウム箔上に均一な厚さで塗布し、次いで乾燥させた。それをロ-ルプレスして、正極合材層をアルミニウム箔上に形成した。正極合材層が形成されたアルミニウム箔を打ち抜き20cm2の長方形小片(正極)を得た。充填密度は3.2g/cm3であった。正極合材層の目付は14mg/cm2に調整した。

[非水電解液の調製]
電解液添加剤として、以下のものを用意した。
添加剤1
Figure 2022126004000012
添加剤2
Figure 2022126004000013
添加剤3
以下のビニレンカ-ボネ-トを用意した。
Figure 2022126004000014
非水電解液(エチレンカ-ボネ-ト30質量部及びエチルメチルカ-ボネ-ト70質量部の混合液に、LiPF6を1モル/リットル溶解してなる)を用意し、添加剤1~3をそれぞれ、1質量%の含有量となるように混合して、非水電解液1~3(添加剤番号にナンバ-は対応する)を調製した。
[実施例1~2、比較例1]
負極の銅箔にNiタブを取り付けた。正極のAl箔にAlタブを取り付けた。ポリプロピレン製微多孔膜を負極成形体層および正極成形体層の間に挟んで積層させた。これをアルミニウムラミネ-トにより開口部を一カ所残してパックした。これに、開口部から、電解液を注入し、次いで開口部を熱融着により封止して、2極セルを得た。
2極 セルを上限電圧4.2V、カットオフ電流値2mAとしてCC、CVモ-ドにより0.2C(0.2C=約8mA)で充電後、下限電圧2.8VでCCモ-ドにより0.2C(約8mA)放電し、25℃時の0.2C放電容量を基準として、-20℃時の0.2Cにおける放電容量の比を算出した。同様に25℃で充電後、下限電圧2.8VでCCモ-ドにより0.5C(約20mA)放電し、25℃時の0.2C放電容量を基準として、0.5Cにおける放電容量の比を算出した。
また、セルを下限電圧2.8VとしてCCモ-ドにより0.2Cで放電後、上限電圧4.2VとしてCCモ-ドにより0.2Cで充電し、25℃時の0.2C充電容量を基準として、-20℃時の0.2Cにおける充電容量の比を算出した。同様に放電後、下限電圧2.8VでCCモ-ドにより0.5C(約20mA)充電し、25℃時の0.2C充電容量を基準として、-20℃時の0.5Cにおける充電容量の比を算出した。また、測定は、-20℃に設定した恒温槽中で行った
電解液および負極の構成は、表3に示す通りとした。
低温レ-ト特性の評価結果を表3に示す。尚、それぞれの比は百分率表記としている
Figure 2022126004000015
表3より、本発明の電解液を使用すると、0.5Cにおける充電容量の比を大きくできる。すなわち本発明の構成を採用することで、低温でのハイレ-ト特性に優れる電池が得られることを示している。

Claims (15)

  1. 正極と、負極と、非水電解液を含むリチウムイオン二次電池であって、
    負極は、一次粒子の平均粒子径dAVが5nm以上95nm以下であるSiを含む粒子(A1)と、黒鉛を含む物質からなる粒子(A2)と、炭素質材料(A3)とを含む複合体(A)を含み、前記複合体(A)は、その断面を走査型電子顕微鏡で測定した像において、ランダムに選択した100個の粒子(A1)中に、短径/長径比が0.70以上の粒子(A1)が80個以上存在するものであり、
    非水電解液は、下記式1に示される電解液添加剤を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
    Figure 2022126004000016
    (式1中;
    AはCAT+またはR1である。
    BはCAT+またはR2である。
    CAT+は、ピロリジニウム、ピペリジニウム、アゼパニウム、オニウム、スルホニウム、ホスホニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム、または窒素、酸素、ケイ素もしくは硫黄を含む1~3個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員の複素環式環のカチオンである。
    1およびR2は独立して、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキニル基、アルキルシロキシ基、アルキルチオアルキル基からなる群から選ばれる炭素数1~8の基、アリ-ル基、フェニル基、ベンジル基、シリル基、スルホ基、アゾ基またはアミノ基であり、その中の水素原子はハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリ-ル基、アルキニル基、アルキルシロキシ基、フェニル基、ベンジル基、シリル基、アルキルスルファニル基、アルキルチオアルキル基、スルホ基、アゾ基またはアミノ基で置換されてよい。
    YはOまたはSであり、YがOの場合CAT+はイミダゾリウムまたはピリジンではない。
    Xは-O-、-S-、-O-R6-または-S-R6-であり、-R6-は炭素数1~5のアルキレン基、炭素数2~6のアルケニレン基、炭素数2~6のアルキニレン基または炭素数6~12のアリ-レン基である。
    ANI-はアニオンである。)
  2. 正極と、負極と、非水電解液を含むリチウムイオン二次電池であって、
    負極は、 一次粒子の平均粒子径dAVが5nm以上95nm以下であるSiを含む粒子(A1)と、黒鉛を含む物質からなる粒子(A2)と、炭素質材料(A3)とを含む複合体(A)を含み、前記複合体(A)は、その断面を走査型電子顕微鏡で測定した像において、ランダムに選択した100個の粒子(A1)中に、短径/長径比が0.70以上の粒子(A1)が80個以上存在するものであり、
    非水電解液は、下記式2に示される電解液添加剤を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
    Figure 2022126004000017
    (式2中:
    AはCAT+またはR1である。
    BはCAT+またはR2である。
    CAT+は、ピロリジニウム、ピペリジニウム、アゼパニウム、オニウム、スルホニウム、ホスホニウム、イミダゾリウム、ピリジニウム、または窒素、酸素、ケイ素もしくは硫黄を含む1~3個のヘテロ原子を有する5員もしくは6員の複素環式環のカチオンである。
    1およびR2は独立して、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキニル基、アルキルシロキシ基、アルキルチオアルキル基からなる群から選ばれる炭素数1~8の基、アリ-ル基、フェニル基、ベンジル基、シリル基、スルホ基、アゾ基またはアミノ基であり、その中の水素原子はハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリ-ル基、アルキニル基、アルキルシロキシ基、フェニル基、ベンジル基、シリル基、アルキルスルファニル基、アルキルチオアルキル基、スルホ基、アゾ基またはアミノ基で置換されてよい。
    Xは-O-、-S-、-O-R6-または-S-R6-であり、-R6-は炭素数1~5のアルキレン基、炭素数2~6のアルケニレン基、炭素数2~6のアルキニレン基または炭素数6~12のアリ-レン基である。
    ANI-はアニオンである。)
  3. 非水電解液は電解液添加剤として、さらにハロゲン化物、アルミン酸塩、ヒ素化物、シアン化物、チオシアネ-ト、亜硝酸塩、安息香酸塩、塩素酸塩、亜塩素酸塩、クロム酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、ケイ酸塩、チオ硫酸塩、カルコゲン化物、プニクトゲン化物、クリスタロゲン化物、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、水酸化物、硝酸塩、リン酸塩、イミド、またはホウ酸塩由来のアニオンを少なくとも1種含む請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 正極と、負極と、非水電解液を含むリチウムイオン二次電池であって、
    負極は、 一次粒子の平均粒子径dAVが5nm以上95nm以下であるSiを含む粒子(A1)と、黒鉛を含む物質からなる粒子(A2)と、炭素質材料(A3)とを含む複合体(A)を含み、前記複合体(A)は、その断面を走査型電子顕微鏡で測定した像において、ランダムに選択した100個の粒子(A1)中に、短径/長径比が0.70以上の粒子(A1)が80個以上存在するものであり、
    非水電解液は下記式3で表されるイオン性化合物を電解液添加剤として含むことを特徴とする、リチウムイオン二次電池。
    Figure 2022126004000018
    (式3中、+Cationはオニウム、スルホニウム、ホスホニウム、または窒素、酸素、ケイ素もしくは硫黄から選択される環員として1~3個のヘテロ原子を有する任意の5もしくは6員複素環を示し、 R3、R4、R5はそれぞれ独立してアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリ-ル基、アルキニル基、またはアルキルシロキシ基である。
    Lはリンカ-であり、炭素数1~8のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、フェニレン基またはアリ-レン基であり、P原子、ハロゲン化物、Si原子、B原子、S原子、O原子またはN原子との結合を随意に含むが、Si原子へのO原子の直接結合は除く。
    Anion-は、ハロゲン化物、硝酸塩、リン酸塩、イミド、ホウ酸塩、またはホスファジン由来ものを示す。)
  5. 正極と、負極と、非水電解液を含むリチウムイオン二次電池であって、
    負極は、一次粒子の平均粒子径dAVが5nm以上95nm以下であるSiを含む粒子(A1)と、黒鉛を含む物質からなる粒子(A2)と、炭素質材料(A3)とを含む複合体(A)を含み、前記複合体(A)は、その断面を走査型電子顕微鏡で測定した像において、ランダムに選択した100個の粒子(A1)中に、短径/長径比が0.70以上の粒子(A1)が80個以上存在するものであり、
    非水電解液は下記式3-1で表されるイオン性化合物を電解液添加剤として含むことを特徴とする、リチウムイオン二次電池。
    Figure 2022126004000019
    (式3-1中、+Cationはオニウム、スルホニウム、ホスホニウム、または窒素、酸素、ケイ素もしくは硫黄から選択される環員として1~3個のヘテロ原子を有する任意の5もしくは6員複素環を示し、R3、R4、R5はそれぞれ独立してアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリ-ル基、アルキニル基、またはアルキルシロキシ基である。
    Lはリンカ-であり、炭素数1~8のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基、オキシカルボニル基、カルボニルオキシ基、フェニレン基またはアリ-レン基であり、P原子、ハロゲン化物、Si原子、B原子、S原子、O原子またはN原子との結合を随意に含むが、Si原子へのO原子の直接結合は除く。
    Anion-は、ハロゲン化物、硝酸塩、リン酸塩、イミド、ホウ酸塩、またはホスファジン由来ものを示す。)
  6. 前記イオン性化合物のカチオンは、さらに、
    ハロゲン化物、酸素、窒素、硫黄、リン、アルカン、エステル、エ-テル、ケトン、カルボニル、アルコキシアルカン、アルケン、アリ-ル、ニトリル、シロキサン、スルホン、チオ-ル、フェノ-ル、ヒドロキシル、アミン、イミド、アルデヒド、カルボキシ、アルキン、カ-ボネ-ト、および無水物から選ばれる官能性部分を有し、この部分中のいずれかの炭素原子または水素原子は、ハロゲン化物、酸素、窒素、硫黄、リン、アルカン、エステル、エ-テル、ケトン、カルボニル、アルコキシアルカン、アルケン、アリ-ル、ニトリル、シロキサン、スルホン、チオ-ル、フェノ-ル、ヒドロキシル、アミン、イミド、アルデヒド、カルボン酸、アルキン、カ-ボネ-ト、または無水物に置換されていてもよい、
    を有することを特徴とする請求項4または5に記載のリチウムイオン二次電池。
  7. 前記複合体(A)中で、前記炭素質材料(A3)は、少なくとも一部が、粒子(A1)表面に存在することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  8. 前記複合体(A)中で、粒子(A1)は、厚さ1nm以上20nm以下の非晶質炭素被覆層(A1C)を有することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  9. 前記複合体(A)に含まれる粒子(A1)が、粉末X線回折法における(111)回折ピ-クの半値幅が0.38度以上0.71度以下である請求項1~8のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  10. 前記複合体(A)中の粒子(A1)の含有率が10質量%以上70質量%以下である、請求項1~9のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  11. 前記複合体(A)について、X線光電子分光法(XPS)による測定において、104eV付近に観察されるSiO2のピ-ク面積に対する100eV付近に観察されるSi単体のピ-ク面積の比をXとし、100eV付近に観察されるSi単体のピ-ク面積と102eV付近に観察されるSiOx(0<x<2)のピ-ク面積の和に対する、104eV付近に観察されるSiO2のピ-ク面積の比をYとしたとき、0.35≦X≦1.50、及び0.25≦Y≦1.50である請求項1~10のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  12. 前記複合体(A)のX線回折測定における前記粒子(A1)の(111)面回折ピ-クの半値幅に対する(220)面回折ピ-クの半値幅の比、及び(111)面回折ピ-クの半値幅に対する(311)面回折ピ-クの半値幅の比が、共に1.40以下であることを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  13. 非水電解液が、さらに下記(i)または(ii)の少なくとも1種を含む請求項1~12のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池;
    (i)非プロトン性有機溶媒、
    (ii)リチウム塩。
  14. 前記(i)非プロトン性有機溶媒が、開鎖(「開鎖状」とは、特記しない場合には、分岐を有しない直鎖状および分岐を有する分岐鎖状の双方を含む)または環状カ-ボネ-ト、カルボン酸エステル、ニトリル、エ-テル、スルホン、ケトン、ラクトン、ジオキソラン、グライム、クラウンエ-テル、シロキサン、リン酸エステル、亜リン酸エステル、モノもしくはポリホスファゼン、またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項13に記載のリチウムイオン二次電池。
  15. さらに(iii)その他添加剤として、酸素含有化合物、硫黄含有化合物、リン含有化合物、ホウ素含有化合物、ケイ素含有化合物、フッ素含有化合物、窒素含有化合物、少なくとも1つの不飽和炭素結合を有する化合物、カルボン酸無水物またはこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項13に記載のリチウムイオン二次電池。
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