JP2022125761A - プレス加工用工具、およびプレス加工用工具の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】強度を向上したプレス加工用工具およびその製造方法を提供する。
【解決手段】
プレス加工用工具は、ダイと、ダイに対向するパンチと、を有し、ダイおよびパンチがプレス方向に相対的に移動してダイに配置されたワークをパンチの荷重により加工するプレス加工用工具であって、パンチまたはダイは、ベース部と、ベース部に保持され、ワークに接触しベース部から露出した接触面を有する加工部と、を有し、加工部は、ベース部を形成する材料より強度の高い材料により形成され、加工部のベース部と向き合う面の少なくとも一部、および、ベース部の加工部と向き合う面の少なくとも一部、のうち少なくともいずれか一方に、1つまたは複数の凸部が形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】
プレス加工用工具は、ダイと、ダイに対向するパンチと、を有し、ダイおよびパンチがプレス方向に相対的に移動してダイに配置されたワークをパンチの荷重により加工するプレス加工用工具であって、パンチまたはダイは、ベース部と、ベース部に保持され、ワークに接触しベース部から露出した接触面を有する加工部と、を有し、加工部は、ベース部を形成する材料より強度の高い材料により形成され、加工部のベース部と向き合う面の少なくとも一部、および、ベース部の加工部と向き合う面の少なくとも一部、のうち少なくともいずれか一方に、1つまたは複数の凸部が形成されている。
【選択図】図1
Description
本開示は、プレス加工用工具、およびプレス加工用工具の製造方法に関する。
特許文献1には、金属部品を含む三次元物体の構築方法が開示されている。特許文献1に記載の方法により構築された三次元物体は、積層造形システムに含まれる基板の上に造形される。三次元物体は、積層造形システムにより、基板に複数の樹脂層が順に造形されて製造される。金属部品が一部の樹脂層に挿入されている。
近年、プレス加工用工具の強度を向上することが求められている。
そこで、本開示は、強度を向上したプレス加工用工具およびその製造方法を提供することを目的とする。
本開示のプレス加工用工具は、ダイと、ダイに対向するパンチと、を有し、ダイおよびパンチがプレス方向に相対的に移動してダイに配置されたワークをパンチの荷重により加工するプレス加工用工具であって、パンチまたはダイは、ベース部と、ベース部に保持され、ワークに接触しベース部から露出した接触面を有する加工部と、を有し、加工部は、ベース部を形成する材料より強度の高い材料により形成され、加工部のベース部と向き合う面の少なくとも一部、および、ベース部の加工部と向き合う面の少なくとも一部、のうち少なくともいずれか一方に、1つまたは複数の凸部が形成されている。
本開示のプレス加工用工具の製造方法は、ベース部と、ベース部に保持され、加工対象のワークに接触しベース部から露出した接触面を有する加工部と、を有するプレス加工用のパンチまたはダイの製造方法であって、3Dプリンタを使用して、サポート部を造形するステップと、3Dプリンタを使用して、サポート部の上にベース部の一部を造形するステップと、ベース部の一部に、加工部を配置するステップと、ベース部の一部と加工部との間に封止材を充填するステップと、ベース部の他の部分を造形するステップと、サポート部を剥離するステップと、を含む。
本開示によると、強度を向上したプレス加工用工具およびその製造方法を提供することができる。
(本開示に至った経緯)
金属部品を効率よく生産するために、プレス加工装置を用いる方法がある。例えば、コイル状または枚葉状のワーク(薄板金属板金)を、プレス加工装置に取り付けられたプレス加工用工具であるパンチおよびダイによって打ち抜くことにより、金属部品を形成することができる。
金属部品を効率よく生産するために、プレス加工装置を用いる方法がある。例えば、コイル状または枚葉状のワーク(薄板金属板金)を、プレス加工装置に取り付けられたプレス加工用工具であるパンチおよびダイによって打ち抜くことにより、金属部品を形成することができる。
プレス金型に用いられるパンチまたはダイなどのプレス加工用工具は、金属部品の材料となるワークよりも硬く、耐久性の高い材料であることが好ましい。このため、一般的に、パンチまたはダイの材料として、ダイス鋼などの焼き入れ鋼材、または超硬材料などが用いられる。これらの材料を複雑な形状に加工するにあたり、切削加工だけではなく、研削加工および放電加工などを併用するため、これらの材料でパンチまたはダイを製造するためには非常に長い時間と工数がかかることが一般的である。
そこで、金属よりも硬度は低いが、短い時間および低コストで加工することのできる、樹脂製のプレス加工用工具を使用することも試みられている。この場合、樹脂としては硬度の高い、ABSまたはPEEKなどの硬い材料が使用される。
樹脂の場合は、樹脂造形用の三次元造形機(3Dプリンタ)を用いてプレス加工用工具を製造する方法も提案されている。樹脂材料を使用する場合、三次元造形機を用いると、切削加工よりも短時間でプレス加工用工具を製造することができる。
しかし、樹脂製のパンチまたはダイでは、金属よりも硬度が低いため、生産数が多くなるにつれて、パンチまたはダイに変形や摩耗が発生してしまうという課題がある。さらに、加工の際の荷重の影響で、パンチまたはダイに欠けまたはひびが発生してしまうという課題もある。
そこで、パンチまたはダイにおいて、樹脂のみで構成するのではなく、ワークと接触する部分に金属を用いる方法を検討した。
例えば、特許文献1に記載された造形物は、ベースとなる樹脂部分は三次元造形機により製造され、ベースとなる樹脂部分に、金属が挿入されている。このような造形物を、プレス加工用工具として使用することが考えられる。
特許文献1に記載の方法では、三次元造形機で樹脂部分を途中まで製造し、造形されたくぼみに金属部品を挿入し、再度三次元造形機で樹脂部分を形成することで、金属が挿入された造形物が製造される。
特許文献1に記載の造形物をプレス加工用工具として使用する場合、硬度の高い金属の部分を、加工対象のワーク(金属板金)に接触させて加工を行う。このとき、ワークに接触するプレス加工用工具の金属の部分に大きな荷重が作用し、同時に、その荷重は、金属の部分を保持する樹脂部分にも作用する。
樹脂部分は、金属と比較して硬度が低いため、荷重により変形したり、またはつぶれたりしてしまうことがある。プレス加工を繰り返すことで、樹脂部分に繰り返し荷重が作用すると、樹脂部分が破損してしまい、強度の点で課題がある。
また、樹脂部分の変形により、パンチとダイのクリアランスに狂いが生じ、ワークの加工精度が低下してしまうという課題もある。
そこで、本発明者らは、強度を向上したプレス加工用工具およびその製造方法を検討し、以下の発明に至った。
本開示の一態様に係るプレス加工用工具は、ダイと、ダイに対向するパンチと、を有し、ダイおよびパンチがプレス方向に相対的に移動してダイに配置されたワークをパンチの荷重により加工するプレス加工用工具であって、パンチまたはダイは、ベース部と、ベース部に保持され、ワークに接触しベース部から露出した接触面を有する加工部と、を有し、加工部は、ベース部を形成する材料より強度の高い材料により形成され、加工部のベース部と向き合う面の少なくとも一部、および、ベース部の加工部と向き合う面の少なくとも一部、のうち少なくともいずれか一方に、1つまたは複数の凸部が形成されている。
このような構成により、強度を向上したプレス加工用工具を提供することができる。
ベース部と加工部とは、ベース部と加工部とが互いに向き合う面の間の間隙に配置された封止材により固定されていてもよい。
このような構成により、加工部とベース部とをより強固に固定することができる。
1つまたは複数の凸部は、プレス方向に交差する方向に突出して形成されていてもよい。
このような構成により、プレス方向の荷重が加わることによるベース部からの加工部の抜けを防止することができる。
1つまたは複数の凸部は、プレス方向に交差する面にわたって形成されていてもよい。
このような構成により、プレス方向の荷重が加わることによるベース部からの加工部の抜けを防止することができる。
加工部は、接触面と反対側にフランジ部を有し、フランジ部は、プレス方向から見たときに多角形であってもよい。
このような構成により、プレス方向の荷重が加わることによるベース部からの加工部の抜けを防止し、かつ、プレス加工用工具にプレス方向を軸として回転する力が加わった場合にも、ベース部からの加工部の抜けを防止することができる。
フランジ部は、プレス方向から見たときに四角形であってもよい。
このような構成により、プレス加工用工具にプレス方向を軸として回転する力が加わった場合に、ベース部からの加工部の抜けを防止することができる。
ベース部には、接触面と反対側の面から加工部の一部に跨る1つまたは複数の穴が形成され、1つまたは複数の穴に、封止材が充填されていてもよい。
このような構成により、加工部とベース部との嵌合力が増し、より強度の向上したプレス加工用工具を提供することができる。
パンチおよびダイは、それぞれベース部と、加工部と、を有してもよい。
このような構成により、パンチおよびダイのどちらも強度の向上したプレス加工用工具を提供することができる。
本開示の一態様に係るプレス加工用工具の製造方法は、ベース部と、ベース部に保持され、加工対象のワークに接触しベース部から露出した接触面を有する加工部と、を有するプレス加工用のパンチまたはダイの製造方法であって、3Dプリンタを使用して、サポート部を造形するステップと、3Dプリンタを使用して、サポート部の上に前記ベース部の一部を造形するステップと、ベース部の一部に、加工部を配置するステップと、ベース部の一部と加工部との間に封止材を充填するステップと、ベース部の他の部分を造形するステップと、サポート部を剥離するステップと、を含む。
このような構成により、強度を向上したプレス加工用工具の製造方法を提供することができる。
加工部は、接触面と反対側に穴を有し、ベース部の他の部分を造形するステップは、加工部の穴に連通する貫通孔をベース部に形成することを含み、方法はさらに、ベース部の他の部分を造形するステップの後に、穴および貫通孔に封止材を充填するステップ、を含んでもよい。
このような構成により、加工部とベース部との嵌合力が増し、より強度の向上したプレス加工用工具の製造方法を提供することができる。
以下、実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
[全体構成]
図1は、実施の形態1に係るプレス加工用工具を装着したプレス加工装置1を示す概略断面図である。図2~図4は、図1のプレス加工装置1でワーク107を加工する工程を説明するための概略断面図である。X-Y-Z座標系において、X軸方向は、プレス加工装置の幅方向であり、Y軸方向は高さ方向であって、Z方向は奥行き方向である。
[全体構成]
図1は、実施の形態1に係るプレス加工用工具を装着したプレス加工装置1を示す概略断面図である。図2~図4は、図1のプレス加工装置1でワーク107を加工する工程を説明するための概略断面図である。X-Y-Z座標系において、X軸方向は、プレス加工装置の幅方向であり、Y軸方向は高さ方向であって、Z方向は奥行き方向である。
プレス加工装置1は、ダイ20に載置されたワーク107を、パンチ10で打ち抜く加工を行う装置である。図1に示すように、プレス加工装置1は、上型2と下型3とを有する。上型2と下型3とにはそれぞれ、プレス加工用工具が配置される。プレス加工用工具は、ダイ20と、ダイ20に対向するパンチ10と、を含む。本実施の形態では、上型2にパンチ10が配置され、下型3にダイ20が配置される。
プレス加工装置1において、ダイ20およびパンチ10が、プレス方向に相対的に移動してダイ20に配置されたワーク107をパンチ10の荷重により加工する。なお、プレス方向とは、図1における上下方向である。
上型2は、パンチ10、上ダイセット108、バッキングプレート109、パンチプレート110、ストリッパバッキングプレート111、および、ストリッパプレート112により構成される。
上ダイセット108は上型のベースとなる部分であり、金型をプレス加工装置に固定し、金型をプレス方向に相対的に移動させる際のガイドである。バッキングプレート109は、プレス加工時のパンチの加工荷重を受けるプレートである。パンチプレート110は、パンチ10を保持する。ストリッパバッキングプレート111は、スプリング116からの荷重を受けるプレートである。ストリッパプレート112は、プレス加工時にパンチ10の位置決めをするためのプレートである。
下型3は、ダイ20、下ダイセット100、ダイバッキングプレート106、および、ダイプレート105により構成される。
下ダイセット100は、下型のベースとなる部分であり、金型をプレス加工装置に固定し、金型をプレス方向に相対的に移動させる際のガイドである。ダイバッキングプレート106は、プレス加工時のダイ20の加工荷重を受けるプレートである。ダイプレート105は、ダイ20を保持する。
図1~図4を参照して、プレス加工装置1の動作について説明する。上型2と下型3との間、具体的には、ダイプレート105に板金などのワーク107を配置する。その後、上型2を下降させると、図2に示すように、ストリッパプレート112がワーク107に接触し、ワーク107がストリッパプレート112とダイプレート105とに挟まれた状態となる。さらに上型2を下降させると、図3に示すように、パンチ10の先端部分がワーク107に接触する。さらに上型2を下降させると、図4に示すように、パンチ10がワーク107を打ち抜いて、金属部品117を得ることができる。
<パンチ>
プレス加工時に、パンチ10のワーク107と接触する先端部分には、大きな荷重がかかる。そこで、本実施の形態では、パンチ10の先端部分を金属またはセラミックス等の硬い材料で形成している。図5Aおよび図5Bを参照して、パンチ10の詳細な構成について説明する。
プレス加工時に、パンチ10のワーク107と接触する先端部分には、大きな荷重がかかる。そこで、本実施の形態では、パンチ10の先端部分を金属またはセラミックス等の硬い材料で形成している。図5Aおよび図5Bを参照して、パンチ10の詳細な構成について説明する。
図5Aは、実施の形態1に係るパンチ10を示す概略断面図である。図5Bは、図5Aのパンチ10の概略平面図である。
パンチ10は、ベース部102と、加工部101と、を有する。ベース部102は、ABSまたはPEEKなどの樹脂により形成される。ベース部102と加工部101とが向き合う面に、1つまたは複数の凸部102Aが形成されている。ベース部102と加工部101とが向き合う面とは、パンチ10の内部で、ベース部102と加工部101とが接合する部分である。凸部102Aは、例えば、2mm以下の突起であり、ベース部102を形成する際に3Dプリンタにより造形される。凸部102Aは、例えば、突起、凹凸、または溝の山部など、面から突出する部分であればよい。
加工部101は、ベース部102により保持されている。より具体的には、加工部101は、ベース部102に内包されるように配置され、ベース部102により保持されている。加工部101は、ワーク107と接触する接触面101Aを有する。接触面101Aは、プレス加工時にワーク107と対向する面である。加工部101は、ベース部102を形成する材料よりも強度の高い材料により形成される。加工部101を形成する材料としては、例えば、金属またはセラミックス等を使用することができる。
本実施の形態では、加工部101は、接触面101Aと反対側にフランジ部101Bを有する。フランジ部101Bは、加工部101の接触面101Aと反対側の端部が、プレス方向に交差する方向(図5Aの左右方向)に延びて形成されている。
本実施の形態では、図5Bに示すように、プレス方向から見たときに、フランジ部101Bは円形に形成されている。
加工部101とベース部102とが向き合う面に、1つまたは複数の凸部101Cが形成されている。本実施の形態では、フランジ部101Bの側面に、1つまたは複数の凸部101Cが形成されている。フランジ部101Bの側面とは、フランジ部101Bのプレス方向(Y方向)に沿った面をいう。本実施の形態では、凸部101Cは、ベース部102の凸部102Aと同様の形状であり、例えば2mm以下の突起である。凸部101Cは、例えば、突起、凹凸、または溝の山部など、面から突出する部分であればよい。フランジ部101Bの凸部101Cと、ベース部102の凸部102Aとは、必ずしも同様の形状でなくてもよい。
ベース部102の凸部102Aと加工部101の凸部101Cとは、互いに向き合う位置に形成されている。このように、ベース部102と加工部101とが互いに向き合う位置に凸部を形成することで、ベース部102と加工部101との接合面積を増やすことができる。プレス加工時には、加工部101に対して大きな荷重が加わり、この荷重は圧縮荷重としてベース部102に伝達される。ベース部102と加工部101とが互いに向き合う位置に凹部を形成することで、ベース部102と加工部101との接合面積を増やすことができ、ベース部102と加工部101との嵌合力を向上することができる。このため、ベース部102が圧縮荷重により破損するのを防止することができる。
本実施の形態では、ベース部102の凸部102Aと加工部101の凸部101Cとの間の間隙に、封止材103が配置されている。封止材103は、例えばエポキシ樹脂などの二液性硬化樹脂であり、ベース部102と加工部101とを接着固定する。または、封止材103の材料として、フェノール樹脂、メラミン樹脂、またはポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂を使用することもできる。加工部101とベース部102との間隙に封止材103を充填することで、加工部101とベース部102との嵌合力をさらに向上させて、ベース部102の破損を防止することができる。
また、本実施の形態では、ベース部102の凸部102Aと加工部101の凸部101Cは、プレス方向に交差する方向(図5Aの左右方向)に突出して形成されている。プレス加工時には、プレス方向(図5Aの上下方向)の荷重が加わるため、凸部102A、101Cがプレス方向に交差する方向に突出していると、ベース部102からの加工部101の脱落を防止することができ、パンチ10の強度を向上することができる。
さらに、凸部102A、101Cがプレス方向に交差する面にわたって形成されていてもよい。この場合、凸部102A、101Cがプレス方向に交差する方向にわたってリブ状に形成されるため、プレス方向の力に対するパンチ10の強度をさらに向上させることができる。
<ダイ>
本実施の形態では、ダイ20もパンチ10と同様に、加工部104とベース部113とを有する(図1参照)。
本実施の形態では、ダイ20もパンチ10と同様に、加工部104とベース部113とを有する(図1参照)。
ベース部113は、ABSまたはPEEKなどの樹脂により形成される。ベース部113と加工部104とが向き合う面に、1つまたは複数の凸部113Aが形成されている。
加工部104は、ベース部113により保持されている。加工部104は、ワーク107が載置される接触面104Aを有する。加工部104は、ベース部113を形成する材料よりも強度の高い材料により形成される。加工部104を形成する材料としては、例えば、金属またはセラミックス等を使用することができる。
ベース部113の凸部113Aと加工部104の凸部104Cとは、互いに向き合う位置に形成されている。このように、ベース部113と加工部104とが互いに向き合う位置に凸部を形成することで、ベース部113と加工部104との接合面積を増やすことができる。プレス加工時には、加工部101に対して大きな荷重が加わり、この荷重は圧縮荷重としてベース部113に伝達される。ベース部113と加工部104とが互いに向き合う位置に凹部を形成することで、ベース部113と加工部104との接合面積を増やすことができ、ベース部113と加工部104との嵌合力を向上させることができる。このため、ベース部113が圧縮荷重により破損するのを防止することができる。
本実施の形態では、ベース部113の凸部113Aと加工部104の凸部104Cとの間の間隙に、封止材123が配置されている。封止材123は、例えばエポキシ樹脂などの二液性硬化樹脂であり、ベース部113と加工部104とを接着固定する。加工部104とベース部113との間隙に封止材123を充填することで、加工部104とベース部113との嵌合力をさらに向上させて、ベース部113の破損を防止することができる。
<製造方法>
パンチ10の製造方法を図6~図12Bを参照して説明する。図6は、図5Aのパンチ10の製造方法を示すフローチャートである。図7A~図12Aは、図5Aのパンチ10の製造方法の一工程を示す概略断面図である。図7B~図12Bは、製造途中の図7A~12Aそれぞれのパンチ10を示す概略平面図である。なお、本実施の形態では、パンチ10の製造方法について説明するが、ダイ20も同様の方法で製造することができる。
パンチ10の製造方法を図6~図12Bを参照して説明する。図6は、図5Aのパンチ10の製造方法を示すフローチャートである。図7A~図12Aは、図5Aのパンチ10の製造方法の一工程を示す概略断面図である。図7B~図12Bは、製造途中の図7A~12Aそれぞれのパンチ10を示す概略平面図である。なお、本実施の形態では、パンチ10の製造方法について説明するが、ダイ20も同様の方法で製造することができる。
まず、図7Aおよび図7Bに示すように、樹脂造形用の三次元造形機(3Dプリンタ)で、サポート部114を造形する(ステップS1)。このとき、サポート部114は、パンチ10において、ベース部102から加工部101が突出する高さH1(図5A参照)と同じ高さに形成する。サポート部114は、製造中のパンチ10を支持する部材である。
次に、図8Aおよび図8Bに示すように、3Dプリンタを使用して、サポート部の上にベース部102の一部を造形する(ステップS2)。ベース部102の一部とは、ベース部102のうち、加工部101が配置される部分の高さH2(図5A参照)までの部分をさす。このとき、サポート部114も同時に、ベース部102と同じ高さまで造形する。
また、ベース部102の造形の際に、加工部101と向き合う面に1つまたは複数の凸部102Aを形成する。3Dプリンタにより凸部102Aを形成する場合、凸部の大きさは2mm以下であるとよい。
次に、図9Aおよび図9Bに示すように、ベース部102の一部に、加工部101を配置する(ステップS3)。金属またはセラミックス等により予め所定の形状に形成した加工部101を、ベース部102に形成された凸部102Aと、加工部101に形成された凸部101Cとが向き合うように、加工部101を配置する。なお、図9Bに示すように、本実施の形態では、加工部101のフランジ部101Bの側面の一部に凸部101Cが形成されている。加工部101に形成された凸部101Cに合わせて、ベース部102の内側面の一部に凸部102Aが形成されている。なお、フランジ部101Bの側面の全周に凸部101Cが形成されていてもよい。
次に、図10Aおよび図10Bに示すように、ベース部102の一部と、加工部101との間に封止材103を充填する(ステップS4)。封止材103を充填することで、ベース部102と加工部101とを接着固定する。
次に、図11Aおよび図11Bに示すように、ベース部102の他の部分を造形する(ステップS5)。ベース部102の残りの部分と同時に、サポート部114の残りの部分を造形する。
最後に、図12Aおよび図12Bに示すように、サポート部114を剥離して(ステップS7)、パンチ10が完成する。
[効果]
上述した実施の形態によると、パンチ10が樹脂製のベース部102と、金属製の加工部101とを有する。ワーク107に接触する加工部101を金属等の硬い材料で形成し、ベース部102を樹脂で形成することにより、ワークと接触する部分の強度を保ちつつ、製造コストを低減することができる。さらに、ベース部102と加工部101との向き合う面に凸部を設けることで、プレス加工時の荷重により、ベース部102が破損することを防止することができ、強度を向上させたプレス加工用工具を提供することができる。
上述した実施の形態によると、パンチ10が樹脂製のベース部102と、金属製の加工部101とを有する。ワーク107に接触する加工部101を金属等の硬い材料で形成し、ベース部102を樹脂で形成することにより、ワークと接触する部分の強度を保ちつつ、製造コストを低減することができる。さらに、ベース部102と加工部101との向き合う面に凸部を設けることで、プレス加工時の荷重により、ベース部102が破損することを防止することができ、強度を向上させたプレス加工用工具を提供することができる。
また、凸部102A、101Cは、プレス方向に交差する方向に突出して形成されているため、プレス方向の荷重によりパンチ10のベース部102から加工部101が抜けてしまうのを防止することができる。
なお、上述した実施の形態では、パンチ10およびダイ20が、それぞれベース部102、113、および加工部101、104を有する例について説明したが、これに限定されない。パンチ10およびダイ20のうち、少なくともいずれか一方がベース部および加工部を有する構成であればよい。
また、上述した実施の形態では、凸部101C、102Aがプレス方向に交差する方向に突出して形成されている例について説明したが、凸部101C、102Aの突出する方向はこれに限定されない。例えば、加工部101とベース部102とがプレス方向に向かい合う面に凸部が形成されていてもよい。この場合、凸部はプレス方向に突出して形成される。例えば、加工部101におけるフランジ部101Bの天面に凸部101Cが形成され、ベース部102のフランジ部101Bの天面と向き合う面に凸部102Aが形成されていてもよい。
<変形例>
図13は、実施の形態1の変形例1に係るパンチ10Aを示す概略断面図である。図13に示すように、パンチ10Aでは、加工部201に1つまたは複数の凸部201Cが形成されているが、ベース部202には、凸部が形成されていない。
図13は、実施の形態1の変形例1に係るパンチ10Aを示す概略断面図である。図13に示すように、パンチ10Aでは、加工部201に1つまたは複数の凸部201Cが形成されているが、ベース部202には、凸部が形成されていない。
図14は、実施の形態1の変形例2に係るパンチ10Bを示す概略断面図である。図14に示すように、パンチ10Bでは、変形例1の場合と逆に、ベース部302に1つまたは複数の凸部302Aが形成されているが、加工部301には凸部が形成されていない。
変形例1および変形例2に示すように、1つまたは複数の凸部は、加工部およびベース部のうち、少なくともいずれか一方に形成されていればよい。加工部およびベース部のうち少なくともいずれか一方に凸部が形成されていれば、プレス方向の荷重により、ベース部から加工部が抜けしまうのを防止することができ、強度を向上させたプレス加工用工具を提供することができる。
図15は、実施の形態1の変形例3に係るパンチ10Cを示す概略平面図である。図15に示すように、パンチ10Cでは、加工部401はフランジ部401Bを有し、プレス方向から見たときに、フランジ部401Bは四角形である。
プレス加工時に、パンチ10Cはプレス方向を軸とした回転方向の力を受ける場合がある。フランジ部401Bを四角形に形成することで、このような回転方向の力が加わった場合にも、ベース部402から加工部401が脱落するのを防止することができる。
なお、フランジ部401Bの形状は四角形に限定されず、例えば、三角形など他の多角形状であってもよい。
(実施の形態2)
図16Aおよび図16Bを参照して、実施の形態2について説明する。なお、実施の形態2においては、実施の形態1と同一または同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
図16Aおよび図16Bを参照して、実施の形態2について説明する。なお、実施の形態2においては、実施の形態1と同一または同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
図16Aは、実施の形態2に係るパンチ10Dを示す概略断面図である。図16Bは、図16Aのパンチ10Dの概略平面図である。実施の形態2では、ベース部502に、加工部501の接触面501Aと反対側の面502Dから加工部501の一部に跨る穴502Bが形成され、穴502Bに封止材503Aが充填されている点で、実施の形態1と異なる。また、図16Aに示すように、穴502Bの内壁には凹凸が形成されている。穴502Bの内壁に凹凸が形成されていることで、封止材503Aと穴502Bの内壁との接合面積が大きくなり、接合強度を向上させることができる。
図17は、図16Aに示すパンチ10Dの製造方法を示すフローチャートである。ステップS11~S14、およびステップS17は実施の形態1と同一であるため、説明を省略する。
本実施の形態では、ステップS15においてベース部502の他の部分を形成する際に、図16Aに示すように、穴502Bも形成する。穴502Bは、加工部501に予め形成されていた穴501Eに連通するよう形成される。その後、ステップS16において、ベース部502の穴502Bと、加工部501の穴501Eに封止材503Aを充填する。封止材503Aは、ステップS14で使用した封止材と同様のものを使用することができる。
このような構成により、ベース部502と加工部501との接合面積を大きくして、ベース部502と加工部501との嵌合力を大きくすることができる。このため、パンチ10Dにより大きな荷重が加わった場合にも、ベース部502の破損を防止し、ベース部502からの加工部501の抜けを防止して、パンチ10Dの強度を向上させることができる。
<変形例>
図18Aは、実施の形態2の変形例1に係るパンチ10Eを示す概略断面図である。図18Bは、図18Aのパンチ10Eの概略平面図である。
図18Aは、実施の形態2の変形例1に係るパンチ10Eを示す概略断面図である。図18Bは、図18Aのパンチ10Eの概略平面図である。
図18Aおよび図18Bに示すように、ベース部602には複数の穴602Bが形成されていてもよい。複数の穴602Bを形成し、穴602Bに封止材603Aを充填することで、パンチ10Eの強度をより向上させることができる。
図19Aは、実施の形態2の変形例2に係るパンチ10Fを示す概略断面図である。図19Bは、図19Aのパンチ10Fの概略平面図である。
図19Aおよび図19Bに示すように、ベース部702には、穴702Bに加えて、加工部701のフランジ部701Bを囲むように形成された穴702Cが形成されていてもよい。
この場合、図17に示すフローチャートのステップS14における封止材充填の工程を省略することができ、製造工程を簡略化することができる。
本開示のプレス加工用工具およびプレス加工用工具の製造方法によると、家電製品、自動車部品、および日用品などに使用される部品を安定的に製造することができる。
1 プレス加工装置
10、10A~10F パンチ
20 ダイ
101、201、301、401、501、601、701 加工部
101A、201A、301A、401A、501A、601A、701A 接触面
101B、201B、301B、401B、501B、601B、701B フランジ部
101C、201C、301C、401C、501C、601C、701C 凸部
102、202、302、402、502、602、702 ベース部
114 サポート部
10、10A~10F パンチ
20 ダイ
101、201、301、401、501、601、701 加工部
101A、201A、301A、401A、501A、601A、701A 接触面
101B、201B、301B、401B、501B、601B、701B フランジ部
101C、201C、301C、401C、501C、601C、701C 凸部
102、202、302、402、502、602、702 ベース部
114 サポート部
Claims (10)
- ダイと、前記ダイに対向するパンチと、を有し、前記ダイおよび前記パンチがプレス方向に相対的に移動して前記ダイに配置されたワークを前記パンチの荷重により加工するプレス加工用工具であって、
前記パンチまたは前記ダイは、ベース部と、前記ベース部に保持され、前記ワークに接触し前記ベース部から露出した接触面を有する加工部と、を有し、
前記加工部は、前記ベース部を形成する材料より強度の高い材料により形成され、
前記加工部の前記ベース部と向き合う面の少なくとも一部、および、前記ベース部の前記加工部と向き合う面の少なくとも一部、のうち少なくともいずれか一方に、1つまたは複数の凸部が形成されている、
プレス加工用工具。 - 前記ベース部と前記加工部とは、前記ベース部と前記加工部とが互いに向き合う面の間の間隙に配置された封止材により固定されている、
請求項1に記載のプレス加工用工具。 - 前記1つまたは複数の凸部は、前記プレス方向に交差する方向に突出して形成されている、
請求項1または2に記載のプレス加工用工具。 - 前記1つまたは複数の凸部は、前記プレス方向に交差する面にわたって形成されている、
請求項3に記載のプレス加工用工具。 - 前記加工部は、前記接触面と反対側にフランジ部を有し、
前記フランジ部は、前記プレス方向から見たときに多角形である、
請求項1から4のいずれか1項に記載のプレス加工用工具。 - 前記フランジ部は、前記プレス方向から見たときに四角形である、
請求項5に記載のプレス加工用工具。 - 前記ベース部には、前記接触面と反対側の面から前記加工部の一部に跨る1つまたは複数の穴が形成され、
前記1つまたは複数の穴に、封止材が充填されている、
請求項1から6のいずれか1項に記載のプレス加工用工具。 - 前記パンチおよび前記ダイは、それぞれ前記ベース部と、前記加工部と、を有する、
請求項1から7のいずれか1項に記載のプレス加工用工具。 - ベース部と、前記ベース部に保持され、加工対象のワークに接触し前記ベース部から露出した接触面を有する加工部と、を有するプレス加工用のパンチまたはダイの製造方法であって、
3Dプリンタを使用して、サポート部を造形するステップと、
3Dプリンタを使用して、前記サポート部の上に前記ベース部の一部を造形するステップと、
前記ベース部の一部に、前記加工部を配置するステップと、
前記ベース部の一部と前記加工部との間に封止材を充填するステップと、
前記ベース部の他の部分を造形するステップと、
前記サポート部を剥離するステップと、
を含む、
プレス加工用工具の製造方法。 - 前記加工部は、前記接触面と反対側に穴を有し、
前記ベース部の他の部分を造形するステップは、前記加工部の前記穴に連通する貫通孔を前記ベース部に形成することを含み、
方法はさらに、前記ベース部の他の部分を造形するステップの後に、前記穴および前記貫通孔に封止材を充填するステップ、を含む、
請求項9に記載のプレス加工用工具の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021023534A JP2022125761A (ja) | 2021-02-17 | 2021-02-17 | プレス加工用工具、およびプレス加工用工具の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021023534A JP2022125761A (ja) | 2021-02-17 | 2021-02-17 | プレス加工用工具、およびプレス加工用工具の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022125761A true JP2022125761A (ja) | 2022-08-29 |
Family
ID=83058550
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021023534A Pending JP2022125761A (ja) | 2021-02-17 | 2021-02-17 | プレス加工用工具、およびプレス加工用工具の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022125761A (ja) |
-
2021
- 2021-02-17 JP JP2021023534A patent/JP2022125761A/ja active Pending
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